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特開2022-188772ポリフェノールに富む乾燥バイオマス抽出物の調製
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  • 特開-ポリフェノールに富む乾燥バイオマス抽出物の調製 図1
  • 特開-ポリフェノールに富む乾燥バイオマス抽出物の調製 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022188772
(43)【公開日】2022-12-21
(54)【発明の名称】ポリフェノールに富む乾燥バイオマス抽出物の調製
(51)【国際特許分類】
   C07C 37/72 20060101AFI20221214BHJP
   A01P 3/00 20060101ALI20221214BHJP
   A01N 65/08 20090101ALI20221214BHJP
   A01N 43/12 20060101ALI20221214BHJP
   A61K 36/87 20060101ALI20221214BHJP
   A61P 17/00 20060101ALI20221214BHJP
   A61P 17/10 20060101ALI20221214BHJP
   A61P 31/00 20060101ALI20221214BHJP
   A61P 39/06 20060101ALI20221214BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20221214BHJP
   A61K 8/9789 20170101ALI20221214BHJP
   A61Q 17/00 20060101ALI20221214BHJP
   A23L 33/105 20160101ALI20221214BHJP
   C07D 407/10 20060101ALI20221214BHJP
   C07D 307/80 20060101ALI20221214BHJP
   C07C 39/21 20060101ALI20221214BHJP
   A01N 31/16 20060101ALI20221214BHJP
【FI】
C07C37/72
A01P3/00
A01N65/08
A01N43/12 A
A61K36/87
A61P17/00 101
A61P17/10
A61P31/00
A61P39/06
A61P43/00 105
A61K8/9789
A61Q17/00
A23L33/105
C07D407/10
C07D307/80
C07C39/21
A01N31/16
【審査請求】有
【請求項の数】24
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022134651
(22)【出願日】2022-08-26
(62)【分割の表示】P 2019531416の分割
【原出願日】2017-12-21
(31)【優先権主張番号】1663205
(32)【優先日】2016-12-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(71)【出願人】
【識別番号】519207103
【氏名又は名称】アントフェノル
【氏名又は名称原語表記】ANTOFENOL
(74)【代理人】
【識別番号】100094640
【弁理士】
【氏名又は名称】紺野 昭男
(74)【代理人】
【識別番号】100103447
【弁理士】
【氏名又は名称】井波 実
(74)【代理人】
【識別番号】100111730
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 武泰
(74)【代理人】
【識別番号】100180873
【弁理士】
【氏名又は名称】田村 慶政
(72)【発明者】
【氏名】ロレ、ファニー
(72)【発明者】
【氏名】ファーブル、リュドヴィク
(57)【要約】      (修正有)
【課題】乾燥植物バイオマスの、特にブドウの一部のポリフェノールに富む抽出物の、効率的でより経済的であり、かつポリフェノールの特性に影響を及ぼさない調製方法、及び得られる抽出物の真菌感染症の予防および治療への使用用途を提供する。
【解決手段】乾燥バイオマスを水性溶媒と接触させることによって前記乾燥バイオマスを抽出する工程において、前記植物バイオマス/水性溶媒混合物が、
(i)915MHz~28GHzの範囲の周波数の電磁波、
(ii)前記混合物の撹拌、および/または
(iii)5,000~95,000Pa(50~950mbar)の圧力
によって同時にまたは連続的に処理されることを特徴とする、方法である。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
乾燥植物バイオマスのポリフェノールに富む抽出物の調製方法であって、
(a)前記乾燥バイオマスを水性溶媒と接触させることによって前記乾燥バイオマスを抽出する工程と、(b)ポリフェノールに富む水相を回収する工程とを含み、前記抽出工程(a)において、前記植物バイオマス/水性溶媒混合物が、
(i)915MHz~28GHzの範囲の周波数の電磁波、
(ii)前記混合物の撹拌、および/または
(iii)5,000~95,000Pa(50~950mbar)の圧力
によって同時にまたは連続的に処理されることを特徴とする、方法。
【請求項2】
前記水性溶媒が、水、または10~70体積%のエタノールを含むエタノール/水混合物である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記水性溶媒が、30~50%のエタノールを含むエタノール/水混合物である、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記乾燥植物バイオマスの水性溶媒に対する質量比が、1/5~1/30である、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記乾燥植物バイオマスの水性溶媒に対する質量比が、1/10~1/20である、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記電磁波の周波数が915MHz~2.45GHzの範囲である、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記電磁波の出力が、300W~100kWの範囲である、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記電磁波の出力が、1~75kWの範囲である、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記抽出工程(a)が、その周波数が25kHz~1MHzの範囲である超音波処理(iv)をさらに含んでなる、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記超音波出力が200~4000Wの範囲である、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記植物バイオマスが、ブドウ種のブドウの苗条からなるものである、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記水性溶媒を部分的または全体的に蒸発させることによって前記ポリフェノールを濃縮する工程(c)を含んでなる、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記濃縮(c)が前記回収された水相を凍結乾燥することによって達成される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
請求項1~13のいずれか一項に記載の方法によって得られる、ポリフェノールに富む抽出物。
【請求項15】
請求項14に記載の抽出物およびその使用に適した担体を含むでなる、組成物。
【請求項16】
植物の真菌感染症の予防および治療のための、請求項14に記載の抽出物または請求項15に記載の組成物の使用。
【請求項17】
収穫後の果物および植物の真菌感染症の予防および治療のための、請求項14に記載の抽出物または請求項15に記載の組成物の使用。
【請求項18】
植物における酸化ストレスの予防および/または治療のための、請求項14に記載の抽出物または請求項15に記載の組成物の使用。
【請求項19】
化粧用組成物または食品組成物における抗酸化剤としての、請求項14に記載の抽出物または請求項15に記載の組成物の使用。
【請求項20】
治療において使用するための、請求項14に記載の抽出物または請求項15に記載の組成物。
【請求項21】
皮膚感染症の治療において使用するための、請求項14に記載の抽出物または請求項15に記載の組成物。
【請求項22】
前記皮膚感染症がざ瘡である、請求項21に記載の使用のための、請求項14に記載の抽出物または請求項15に記載の組成物。
【請求項23】
ヒトまたは動物における酸化ストレスの治療において使用するための、請求項14に記載の抽出物または請求項15に記載の組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乾燥植物バイオマスの、特にブドウの一部のポリフェノールに富む抽出物の調製方法、得られる抽出物、ならびに抗真菌用途、特に収穫後の果物および野菜の真菌感染症の予防および治療、並びにその抗菌性および抗酸化性に関連した用途のための使用に関する。
【背景技術】
【0002】
植物バイオマスのポリフェノールに富む抽出物は当業者に公知である。多くの研究が、ポリフェノールに富む抽出物を得るためにバイオマスを抽出することに注目してきたが、それらはいずれも、低収率または非常に長い抽出時間等の方法の経済的な実行可能性、抽出後のそれらの使用の制限、特に、有毒性有機溶媒の使用に関していくつかの欠点を有する (Goupilら,2012、Alexaら,2012、Sanchezら,2008、Pezetら,2004)。
【0003】
さまざまなポリフェノール抽出技術および使用は、特に、特許および特許出願としてUS2012/0021080、US5,989,557、US2012/0142105、JP2016/102192、CN205 759 861、CN103 875 842、またはOsorioら(2010)、Luque-Rodriguezら(2006)、またはFavaronおよびLucchetta(2009)による論文に記載されている。
【0004】
研究によれば、例えばバイオディーゼルの製造のため(CN19 35 947)に、マイクロ波、超音波または高温処理によってバイオマス抽出方法を改善することが可能であることが示されている(Quanら,2006、CN104 177 463、CN104 435 135、CN102 757 512、CN104 256 432、CN104 256 641、CN103 783 506、CN102 757 509、CN101 816 349)。高圧下での高温処理を推奨する者もいる(Casazzaら,2010)。
【0005】
しかしながら、そのような高温処理は、得られる抽出物の特性を変える場合があり、大量の原材料および溶媒に対する工業方法の実施には適さない。
【0006】
効率的でより経済的であり、かつそのポリフェノールに関するバイオマスの特性に影響を及ぼさない、ポリフェノールに富む抽出物を調製するためのバイオマス抽出のための効率的な方法が必要である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、乾燥植物バイオマスの抽出物、特にブドウ種のポリフェノールに富む抽出物の調製方法であって、(a)乾燥バイオマスを水性溶媒と接触させることによって乾燥バイオマスを抽出する工程と、(b)ポリフェノールに富む水相を回収する工程とを含み、抽出工程(a)において、植物バイオマス/水性溶媒混合物が、
(i)915MHz~28GHzの範囲の周波数の電磁波、
(ii)混合物の撹拌、および/または
(iii)50~950mbar(5,000~95,000Pa)の圧力
の組み合わせによって同時にまたは連続的に処理されることを特徴とする方法に関する。
【0008】
本発明はまた、この方法により得られる抽出物、ならびに抗真菌用途、特に収穫後の果物および植物の真菌感染症の予防および治療のためのその使用に関する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明による方法によって得られる抽出物および従来の方法によって得られる抽出物中に含有されるtrans-ピセアタンノール、trans-レスベラトロール、trans-ε-ビニフェリンおよびtrans-ビチシンの相対量の比較を示す。表示された値は、HPLCピークの曲線下面積から計算した、4つの分子それぞれの相対濃度(任意の単位)を表す。
図2】本発明による方法によって得られる抽出物(○)および従来の方法によって得られる抽出物(□)の抗真菌活性の比較を示す。表示された値は、抽出物濃度の関数としての、接種後4日目における3つの同一条件での有効性(0%=通常の真菌増殖;100%=真菌増殖なし)の平均である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明は、乾燥バイオマスを水性溶媒で抽出することによるポリフェノールに富む抽出物の調製に関する。
【0011】
本発明によれば、用語「水性溶媒」は、水または脂肪族アルコール/水混合物、特にエタノール/水を意味する。この場合、アルコール/水混合物、特にエタノール/水は、10~70体積%のエタノールを含有する。本発明の好ましい実施形態によれば、水性溶媒は、15~40%のエタノールを含有するエタノール/水混合物である。
【0012】
本発明による植物バイオマスは、それ自体がポリフェノール、特にtrans-レスベラトロール、trans-ε-ビニフェリン、trans-ピセアタンノールおよびtrans-ビチシンを含有することが知られているバイオマスである。当業者は、単独でまたは混合して使用される、これらのポリフェノールを含有することが知られている植物、一般的にはブドウ、茶およびイタドリのような双子葉植物、特にブドウ由来のこのバイオマスに精通している。本発明によるバイオマスのためには、植物全体または植物の一部、より具体的には果実、花、葉、茎、枝または幹の断片(つる)等の植物の地上部、およびそれらの混合物が使用される。必要ならば、バイオマスは植物の根を含むかまたはこれからなってもよい。
【0013】
バイオマスは乾燥している、すなわち上記の植物または植物の一部を乾燥することによって得られる。乾燥は、当業者に公知の任意の方法によって実施できる。有利には、乾燥は植物またはその一部を野外で乾燥させることによって達成される。本発明の好ましい実施形態によれば、植物またはそれらの個別の部分は、1ヶ月~4年間、好ましくは1~2年間、野外で乾燥させる。
【0014】
優先的には、乾燥バイオマスは、ブドウ種、特にヨーロッパブドウ(Vitis vinifera)、アメリカブドウ(Vitis labrusca)、リパリア種(Vitis riparia)、ルペストリス種(Vitis rupestris)、ベルランディエリ種(Vitis berlandieri)、マンシュウヤマブドウ(Vitis amurensis)、ヤマブドウ(Vitis coignetiae)、ブルピナ種(Vitis vulpina)、アセリフォリア種(Vitis acerifolia)、エースティバリス種(Vitis aestivalis)およびマスカディンブドウ(Vitis rotundifolia)、特にヨーロッパブドウの植物の乾燥部分からなる。本発明の有利な実施形態によれば、乾燥バイオマスはブドウの苗条を含むかまたはこれからなる。
【0015】
有利には、この乾燥バイオマスは、植物の断片、特に粉砕した植物または植物部分から構成される。優先的には、断片は、1cm未満、より優先的には5mm以下、さらに優先的には1~5mmの範囲の粒径を有する。この乾燥物質の断片/粉砕された乾燥物質の粒径は、当業者に周知の一般的な方法に従って測定される。
【0016】
乾燥植物の断片化は、当業者に公知の一般的な方法に従って行われる。本発明の特定の実施形態によれば、これらの断片はまず、乾燥物質を破砕して1~20cmの断片を得、次いでこれを粉砕して、抽出に好ましい粒径に対応する好ましくは1~5mmの断片を得ることによって得られる。
【0017】
当業者は、バイオマスの量に関して使用されるべき抽出溶媒の量を決定することができる。有利には、乾燥植物バイオマスの水性溶媒に対する質量比は、1/5~1/30、優先的には1/10~1/20の範囲である。
【0018】
本発明による方法は、抽出混合物(バイオマス/溶媒)に同時にまたは連続的に加えられる下記の少なくとも2種の応力の組み合わせを特徴とする:
(i)915MHz~28GHzの範囲の周波数の電磁波、
(ii)撹拌、および/または
(iii)50~950mbarの圧力。
【0019】
本発明によれば、表現「同時または連続的な撹拌」は、マイクロ波処理、少なくとも撹拌および/または950mbar以下の圧力が、同時に、または次々に、特に、任意の順序でシーケンス(i)+(ii)、または(i)+(iii)、または(i)+(ii)+(iii)、または[(i)、(ii)]+(iii)、または[(ii)、(iii)]+(i)に従って行われることを意味する。連続的な処理の場合、当業者は、各シーケンスを数回繰り返すこと、または場合によっては1つまたは複数の同時処理シーケンスと組み合わせて、所定のプログラムに従って異なるシーケンスを組み合わせることを選択できる。
【0020】
本発明の好ましい実施形態によれば、3つの処理は同時に行われる[(i)、(ii)、(iii)]。
【0021】
工程a)はさらに超音波処理(iv)を含んでもよい。この処理は、上記で定義された処理(i)、(ii)および/または(iii)と連続的に、または同時に適用されてもよい。
【0022】
915MHz~28GHzの範囲の周波数の電磁波は、マイクロ波領域の波に対応する。当業者は、抽出方法を最適化するために、特にバイオマスに応じて、方法の実施に最も適した周波数を選択できる。電磁波の周波数は915MHz~2.45GHzである。有利には、電磁波の周波数は、工業規模で電磁波を発生させるための公知の産業用デバイス、特に1500MHz未満、より有利には約915MHzの周波数の発生器に従って選択される。
【0023】
当業者はさらに、バイオマスおよび得られる抽出物に最も適した波出力を選択できる。電磁波の出力は、300W~100kW、より有利には1~75kWの範囲である。
【0024】
この出力は、特に、処理する量および抽出に必要な時間に従って選択される。本発明の好ましい実施形態によれば、電磁波の出力は、抽出される材料1kgに対して、電磁波の出力は1~10kW、理想的には2~6kWの比に従って選択される。
【0025】
有利には、抽出時間は少なくとも20分、またはさらに少なくとも30分、好ましくは125分未満であり、あまりにも短い時間は、バイオマスを変化させる可能性がある出力過剰状態に関連し得、あまりにも長い時間は抽出生成物の劣化をもたらし得るため、いずれの場合もポリフェノール損失のリスクがあると理解されよう。
【0026】
本発明による方法は、異なる量のバイオマス/溶媒混合物、特に少なくとも1L、優先的には少なくとも5Lでの使用に適している。本発明による方法は、乾燥バイオマスの工業的抽出に特に適している。有利には、本方法は少なくとも30Lのバイオマス/溶媒混合物量で使用され、これは50L超、またはさらには100L超の範囲であり得る。当業者が利用可能な抽出反応器に応じて、本発明による方法は200L以上の量で使用可能である。
【0027】
バイオマス/溶媒混合物は、撹拌(ii)に供され、当該撹拌(ii)は優先的には、電磁波処理(i)と同時に行われる。この撹拌は電磁波を混合物全体に到達させるのに重要であり、さもなければ混合物の表面のみがこれら電磁波の作用を受けることになる。
【0028】
当業者は、処理される混合物の量に従って撹拌操作を行うための好適な手段を知っている。特に、一般に混合物内で回転羽根を用いて、または処理される混合物が入った反応器を回転させることによって、処理される混合物を回転させる手段が知られている。当業者は、空気または不活性ガスをバブリングすることによって混合物を動かすような他の撹拌手段を考慮してもよい。優先的には、撹拌は、3~20rpmの範囲であり得る回転速度で、より優先的には混合物内の回転羽根によって、混合物を回転させることによって行われる。
【0029】
当業者は、電気アークを発生させやすい、電磁波処理を受ける環境で実施するための最も好適な回転手段を選択できる。
【0030】
この方法はまた、好ましくは電磁波処理(i)および撹拌(ii)の間に、混合物を真空に供すること(iii)を含む。
【0031】
当業者は、処理される混合物が入った密閉容器内で真空(または不完全真空)を得るのに必要な手段に精通している。これらの工業的手段により、50~950mbar(5,000~95,000Pa)の範囲の圧力を得ることが可能になる。当業者は処理される量に応じて適した圧力を選択できる。特に、上記の工業規模の量の場合、50~950mbar(5,000~95,000Pa)、優先的には50~500mbar(5,000~50,000Pa)の圧力で混合物を処理することが有利である。
【0032】
この方法は超音波処理も含むため、当業者は超音波の周波数および出力を選択できる。有利には、超音波周波数は25kHz~1MHzの範囲である。本発明の好ましい実施形態によれば、超音波出力は200~4000Wの範囲である。
【0033】
本発明はさらに、水性溶媒を部分的または全体的に蒸発させることによってポリフェノールを濃縮する追加の工程(c)を含む、上記および実施例に規定の方法に関する。
【0034】
本発明の好ましい実施形態によれば、この濃縮(c)は回収された水相を凍結乾燥することによって行われる。
【0035】
本発明の特定の実施形態によれば、乾燥バイオマスは、抽出工程(a)の前に、好適な溶媒を用いた浸出に供され、糖を除去する。当業者は、乾燥バイオマスおよびその糖含有量に応じてこの浸出の条件を決定できる。
【0036】
処理されるバイオマスに応じた糖の除去は、抗真菌性を持つポリフェノールに富む抽出物を得るために重要である。実際、糖の存在は、真菌の増殖を促進することによってポリフェノールの抗真菌活性に対して拮抗作用を有する可能性があることが示されている。
【0037】
本発明はさらに、本発明による方法によって得られるポリフェノールに富むバイオマス抽出物に関する。これらの抽出物は、有利には、スチルベン系のポリフェノールである、目的の4分子を有する。これら4分子は、trans-ピセアタンノール、trans-レスベラトロール、trans-ε-ビニフェリンおよびtrans-ビチシンである。好ましくは、抽出物は、従来のエタノール抽出物よりも少なくとも2倍多い(または少なくとも2.5倍多い)trans-ε-ビニフェリンと、少なくとも3倍多い(または少なくとも6倍多い)trans-ビチシンとを含有する。
【0038】
本発明はさらに、ブドウ種、特にヨーロッパブドウ、アメリカブドウ、リパリア種、ルペストリス種、ベルランディエリ種、マンシュウヤマブドウ、ヤマブドウ、ブルピナ種、アセリフォリア種、エースティバリス種、マスカディンブドウ、特にヨーロッパブドウの植物の乾燥部分からなるバイオマスのための、本発明による方法によって得られるポリフェノールに富むバイオマス抽出物に関する。本発明の好ましい実施形態によれば、ポリフェノールに富む抽出物は、ブドウの苗条、より具体的にはヨーロッパブドウの苗条の抽出物である。
【0039】
本発明による抽出物は、ヨーロッパブドウの苗条の抽出物の実施例により示されるように、殺真菌性、殺菌性および抗酸化性を有する。
【0040】
本発明による抽出物、特にブドウの苗条抽出物は、缶詰の果物中の汚染物質(Byssochlamys nivea)、または果樹、野菜および植物の病気、例えば、リンゴかいよう病(Nectria galligena)、果樹の褐色腐敗病(Monilinia fructicola、Monilinia fructigenaおよびMonillinia laxa)、ニンジン胴枯病(Alternaria daucil)、ジャガイモ銀か病(Helminthosporium solani)、赤かび病(Gibberella zeae、Fusarium culmorum)、コムギのセプトリア葉枯病(Mycosphaerella graminicola)、またはさまざまな腐敗病(Penicillium digitatum、Penicillium italicum、Phytophthora syringaeまたはRhizopus stoloniferを含む)等の食品および農業における有害な真菌の発生を抑制(防止)するための殺真菌剤として有効である。
【0041】
本発明はさらに、当該植物における病原性真菌の発生を予防または抑制するための植物の殺菌処理方法に関し、当該方法は、当該植物に本発明による抽出物、特に上記および実施例に規定のブドウ苗条抽出物を有効量適用することを含む。
【0042】
本発明による抽出物で処理可能な植物は、有利には、人間が消費するために栽培される植物、例えば、市場向け菜園、ジャガイモ作物、農作物、例えば、禾穀類、特にオオムギ、コムギおよびトウモロコシ、ダイズまたは脂肪種子作物、例えば、セイヨウアブラナ、ヒマワリ、アマ、タイマまたはワタである。処理は、果樹、特にリンゴ、セイヨウナシ、アプリコット、モモおよびブドウの木にも適用できる。
【0043】
植物への適用は、気候条件が真菌の発生にとって好ましい場合には予防対策として、または病気の出現後の治療手段としてのいずれかで、必要に応じて行われる。適用は一般に、標準的な噴霧方法を用いて行われる。当業者は、単独で、または硫酸銅、ボルドー液、もしくは農薬産業による他の植物保護製品等、それらの殺菌性が公知の他の製品と混合して使用される、本発明による抽出物を用いて植物をいつ、どのように処理するかを決定できる。有利には、処理は、有機農業またはバイオダイナミック農業のために、農薬産業による植物保護製品を使用せずに行われる。
【0044】
本発明はさらに、収穫後の果物および植物の劣化、特に真菌による腐敗の発生を予防および/または治療する方法に関し、当該方法は、当該果物および植物に、上記および実施例に規定の本発明による方法により得られる抽出物を適切な量適用することを含む。
【0045】
これらの抗酸化性により、本発明による抽出物、特にブドウ苗条抽出物は、食品組成物または化粧用組成物を保存するためにも使用可能である。
【0046】
収穫後に果物の酸化を遅らせるその能力により、本発明による抽出物、特にブドウ抽出物を使用して、これらの植物または植物の一部、特に、その自然な環境で見出されるよりも低い低温で保存された場合に酸化ストレスを受けやすいバナナ等の酸化に敏感な果物、またはマンゴー、パッションフルーツ等のエキゾチック果物もしくは熱帯果実への適用によって、植物における酸化ストレスを予防および/または治療できる。本発明はさらに、植物における酸化ストレスの予防および/または治療のための、本発明による抽出物、特にブドウ苗条抽出物、またはこれを含有する組成物の使用に関する。
【0047】
本発明による抽出物、特にブドウ苗条抽出物は、ヒトおよび動物における酸化ストレスの予防および治療のために、その抗酸化性のため使用可能である。
【0048】
それらはまた、ヒトにおける共生細菌を保ちながらも、特に病原性のグラム陽性細菌に対して抗菌活性も有する。それらは、ブドウ球菌属、リステリア属、連鎖球菌属およびプロピオニバクテリウム属の細菌、特にざ瘡の原因となる病原体であるプロピオニバクテリウムアクネスに対して特に有効である。本発明による抽出物、特にブドウ苗条抽出物は、広スペクトルの抗菌活性を有し、皮膚病原体に対してより高い有効性を有する。
【0049】
したがって、本発明は、治療における使用のため、特に細菌感染症の治療および予防のため、より詳細には細菌性皮膚感染症の治療および予防のため、さらにより詳細にはざ瘡の治療および予防のための本発明による抽出物、特にブドウ苗条抽出物に関する。
【0050】
本発明はさらに、上記および実施例に規定の本発明による方法によって得られる抽出物と使用に適した担体とを含む組成物に関する。
【0051】
これは、収穫前または収穫後に植物に適用するための抗真菌性組成物または医薬組成物であってよい。そのような組成物は公知であり、当業者はこの使用のために好適な担体を決定できる。
【0052】
本発明は特に、少なくとも上記の抽出物と少なくとも1種の相溶性配合剤とを含む植物健康用組成物に関する。この植物健康用組成物は、乾燥形態、例えば粉末形態もしくは粒状形態、または液体形態、例えば懸濁液、濃縮分散液もしくは未濃縮分散液、ゲル、エマルジョン等の形態であってよい。
【0053】
配合剤は、天然剤または合成化学から誘導され、植物健康用組成物において通常使用されているものである。
【0054】
配合剤は、分散剤、安定剤、界面活性剤、防腐剤、湿潤剤、接着剤、緩衝剤、pH調節剤、光保護剤等であってよい。これらは単独で、または混合して用いられてよい。
【0055】
本発明による方法によって得られる抽出物ならびにそれを含有する組成物は、収穫後の果物および植物の真菌感染症の予防および治療における使用に特に適している。
【0056】
本発明による方法は、同じ抽出媒体にていくつか組み合わせた技術の実施を含む。各技術(電磁波、超音波、真空)およびそれらを実施するための手段は周知である(国際公開第2012/045923号、欧州特許第2 530 059号、仏国特許第2 976 062号)。当業者は、これらの関連する処理を適用するために、乾燥バイオマスに既存のヒドロアルコール性抽出系を適合させることができる。
【実施例0057】
実施例1 ヨーロッパブドウ苗条エコ抽出物(eco-extract)の調製:
出発植物材料はヨーロッパブドウ苗条(8月の苗条)である。苗条を(野外またはオーブン内で)乾燥させる。乾燥したら、苗条をまず2~10cmの断片に細断し、次に1~5mmの範囲の粒径に細かく粉砕する。このようにして得られたヨーロッパブドウ苗条粉末を30%水溶液またはエタノール溶液中で抽出する。抽出時間は30分~1時間30分、優先的には45分~60分の範囲である。抽出に用いられる技術は、マイクロ波、超音波、真空および同時撹拌である。このようにして得られた抽出物を、20ミクロンフィルタを通して真空濾過する。次いで、抽出物を真空下で蒸発させ、噴霧乾燥または凍結乾燥する。その後、このようにして得られた乾燥抽出物を遮光して室温で貯蔵する。
【0058】
実施例2 実施例1に従って調製されたヨーロッパブドウ苗条抽出物の化学的特性評価
実施例1に従って得られた、凍結乾燥された乾燥ヨーロッパブドウ苗条エコ抽出物5mgを1mlの50%エタノールに溶解した。溶液を可溶化した後、12000RCFで10分間遠心分離し、以下の条件下で高速液体クロマトグラフィー/質量分析(HPLC-MS)システムに投入する。投入された抽出物の量は25μlである。移動溶媒は、超純水(0.1%ギ酸)およびアセトニトリル(0.1%ギ酸)である。以下の溶媒勾配に従って、1ml/分で55分間分離を行う。
【0059】
【表1】
【0060】
使用されるカラムは、C18官能基でグラフトされた固定相を含む。UV検出は200~800nmの間で行う。質量検出はネガティブモードESIによって行う。4つの主な化合物が得られ、それらの保持時間、吸光度および分子量を下表に示す。
【0061】
【表2】
【0062】
これら4つの化合物の含有量と従来のエタノール抽出物との比較を図1に示す。
【0063】
実施例3 ボトリチスシネレア(Botrytis cinerea)に対する抗真菌作用:
ボトリチスシネレア胞子を、寒天栄養培地があらかじめ注がれている透明な96ウェルプレートのウェルの底に沈殿させる。
【0064】
次いで、8%エタノール中に異なる濃度(0g/l、2.5g/l、5g/l、10g/l、20g/lおよび30g/l)で溶解した、実施例1に従って得られた、凍結乾燥された乾燥ヨーロッパブドウ苗条エコ抽出物をウェルに沈殿させる。
【0065】
遮光し、21℃における種々のインキュベーション時間の後、各ウェル中の菌糸体の相対密度を800nmの吸光度により測定する。次いで、抗真菌効果をこれらの吸光度値から計算する。
【0066】
本発明による方法で得られた抽出物および従来の方法で得られた抽出物の4日間のインキュベーションで観察された抗真菌効果を図2に示す。結果は、少なくとも15日間までのインキュベーションでは図2に示したものと少なくとも同様である。
【0067】
実施例4 抗真菌作用
240時間までの100%効率での最小阻害濃度(MIC)を、異なる真菌株に対して実施例2による抽出物を用いて測定した。結果は下表に詳細に記載されている。
【0068】
【表3】
【0069】
実施例5 抗菌作用
実施例2の抽出物のMICを、異なる細菌種に対して決定した。試験は、下表に列挙されている27の菌株に対して行う。試験は、試験コロニーの濃度が5・10~10CFU/mLに校正した高栄養培地中で行う。
【表4】
【0070】
実施例2の抽出物は、プランタラム菌およびビブリオアングイラルム以外のすべての試験株に対して阻害活性を示す。試験された最も感受性の高い菌株は、ざ瘡の原因となる病原体であるP.アクネスである。最後に、バシラス目、腸球菌種、特定の連鎖球菌種の順で真菌が実施例2による抽出物に対して感受性が高い。一方、試験した他の菌株、特に有益細菌であるビフィズス菌種および乳酸菌種はグラム陰性菌と同様に、感受性がそれほど高くない。
【0071】
実施例2の抽出物は、広スペクトルの抗菌薬であり、皮膚病原体に対してより高い有効性を有する。
【0072】
実施例6 抗酸化活性
実施例2の抽出物の抗酸化活性は、適用後7日目および9日目に実施例2の抽出物を適用したまたは適用していない、野外に置いたバナナの皮の状態を比較することによって調べた。
【0073】
実施例2の抽出物を適用されていない場合、それらの酸化に特徴的な褐色斑点で覆われたバナナの皮が7日目に観察され、一方、処理済みのバナナの皮はわずかにしか影響を受けていない(1つの特徴的な斑点)。
【0074】
9日目には、未処理のバナナの皮の酸化は、7日目に観察された斑点で覆われた状態から全体が黒くなり続け、一方、処理済みのバナナの皮は7日目の観察からほとんど変化していない。
【0075】
バナナで観察されたこの抗酸化活性は、植物、特にエキゾチック果物または熱帯果実の酸化ストレスを処理するための本発明による抽出物の利益を示している。
【0076】
【表5】

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図1
図2
【手続補正書】
【提出日】2022-09-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
乾燥植物バイオマスのポリフェノールに富む抽出物の調製方法であって、
(a)前記乾燥バイオマスを水性溶媒と接触させることによって前記乾燥バイオマスを抽出する工程と、(b)ポリフェノールに富む水相を回収する工程とを含み、前記抽出工程(a)において、前記植物バイオマス/水性溶媒混合物が、
(i)915MHz~28GHzの範囲の周波数の電磁波、
(ii)前記混合物の撹拌、および/または
(iii)5,000~95,000Pa(50~950mbar)の圧力
によって同時にまたは連続的に処理されることを特徴とする、方法。
【手続補正書】
【提出日】2022-11-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
乾燥ブドウ苗条のポリフェノールに富む抽出物の調製方法であって、
(a)前記乾燥ブドウ苗条を水性溶媒と接触させることによって前記乾燥ブドウ苗条を抽出する工程と、
(b)ポリフェノールに富む水相を回収する工程と、
(c)回収されたポリフェノールに富む水相をフィルタを通して濾過する工程と、
(d)前記水性溶媒を部分的または全体的に蒸発させることによってポリフェノールを濃縮する工程と
を含み、
前記乾燥ブドウ苗条が1mm~1cmの範囲の粒径を有し、
前記抽出工程(a)において、前記乾燥ブドウ苗条/水性溶媒混合物が、
(i)915MHz~28GHzの範囲の周波数の電磁波、および
(ii)前記混合物の3~20rpmの範囲の回転速度での
よって同時に処理されることを特徴とする、方法。
【請求項2】
前記水性溶媒が、水、または10~70体積%のエタノールを含むエタノール/水混合物である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記水性溶媒が、30~50体積%のエタノールを含むエタノール/水混合物である、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記乾燥ブドウ苗条の水性溶媒に対する質量比が、1/5~1/30である、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記乾燥ブドウ苗条の水性溶媒に対する質量比が、1/10~1/20である、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記乾燥ブドウ苗条が1mm~5mmの範囲の粒径を有する、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記電磁波の周波数が915MHz~2.45GHzの範囲である、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記電磁波の出力が、300W~100kWの範囲である、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記電磁波の出力が、1~75kWの範囲である、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記抽出工程(a)において、前記乾燥ブドウ苗条/水性溶媒混合物が、
(i)915MHz~28GHzの範囲の周波数の電磁波、
(ii)前記混合物の3~20rpmの範囲の回転速度での撹拌、および
(iii)5,000~95,000Pa(50~950mbar)の圧力
によって同時に処理されることを特徴とする、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記抽出工程(a)が、(iv)その周波数が25kHz~1MHzの範囲である超音波による同時または連続的処理をさらに含んでなる、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記超音波出力が200~4000Wの範囲である、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記ブドウ苗条が、ブドウ種のブドウの苗条からなるものである、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記濃縮(c)が前記回収された水相を凍結乾燥することによって達成される、請求項1~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
請求項1~14のいずれか一項に記載の方法によって得られる、ブドウ苗条のポリフェノールに富む抽出物。
【請求項16】
請求項15に記載の抽出物およびその使用に適した担体を含んでなる、組成物。
【請求項17】
植物の真菌感染症の予防および治療のための、請求項15に記載の抽出物または請求項16に記載の組成物の使用。
【請求項18】
収穫後の果物および植物の真菌感染症の予防および治療のための、請求項15に記載の抽出物または請求項16に記載の組成物の使用。
【請求項19】
植物における酸化ストレスの予防および/または治療のための、請求項15に記載の抽出物または請求項16に記載の組成物の使用。
【請求項20】
化粧用組成物または食品組成物における抗酸化剤としての、請求項15に記載の抽出物または請求項16に記載の組成物の使用。
【請求項21】
治療において使用するための、請求項15に記載の抽出物または請求項16に記載の組成物。
【請求項22】
皮膚感染症の治療において使用するための、請求項15に記載の抽出物または請求項16に記載の組成物。
【請求項23】
前記皮膚感染症がざ瘡である、請求項22に記載の使用のための、請求項15に記載の抽出物または請求項16に記載の組成物。
【請求項24】
ヒトまたは動物における酸化ストレスの治療において使用するための、請求項15に記載の抽出物または請求項16に記載の組成物。