(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022188774
(43)【公開日】2022-12-21
(54)【発明の名称】ポリマー-シリカハイブリッドPdotおよびこれらを使用する方法
(51)【国際特許分類】
C08L 101/12 20060101AFI20221214BHJP
C08L 65/00 20060101ALI20221214BHJP
C08G 77/22 20060101ALI20221214BHJP
【FI】
C08L101/12
C08L65/00
C08G77/22
【審査請求】有
【請求項の数】34
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022135760
(22)【出願日】2022-08-29
(62)【分割の表示】P 2018565049の分割
【原出願日】2017-06-13
(31)【優先権主張番号】62/350,126
(32)【優先日】2016-06-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TRITON
2.MATLAB
(71)【出願人】
【識別番号】517075883
【氏名又は名称】ユニバーシティ オブ ワシントン
【氏名又は名称原語表記】University of Washington
【住所又は居所原語表記】4545 Roosevelt Way NE, Suite 400, Seattle, Washington 98105 US
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル ティー. チウ
(72)【発明者】
【氏名】ジアンボ ユー
(72)【発明者】
【氏名】ユー ロン
(72)【発明者】
【氏名】チャンフェン ウー
(57)【要約】
【課題】 有機-無機ハイブリッドポリマー粒子を提供すること
【解決手段】 本開示は、有機-無機ハイブリッドポリマー粒子を生物学的および光学用途に特に適したものにする望ましい表面化学および光学特性を有する有機-無機ハイブリッドポリマー粒子を提供する。本開示は、有機-無機ハイブリッドポリマー粒子を作製する方法も提供する。本開示は、有機-無機ハイブリッドポリマー粒子を、生物学的および光学用途のために使用する方法も提供する。本開示は、新しいクラスの有機-無機ハイブリッドポリマードットおよび関連する方法を提供する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
明細書に記載の発明。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本願は、米国仮特許出願第62/350,126号(2016年6月14日出願)の利益を主張する。この米国仮特許出願の開示は、その全体が本明細書中に参考として援用される。
【背景技術】
【0002】
背景
生物学的系の理解における進展は、蛍光顕微鏡法、フローサイトメトリー、多目的生物学的アッセイおよびバイオセンサーの適用を利用してきた。これらの実験アプローチでは、有機色素分子がプローブとして広範に活用されている。しかし、低い吸光率および低い光安定性などのこれらの従来の色素の固有の制限によって、高感度画像化技術および高速大量処理アッセイのさらなる開発が非常に困難になっている。結果として、高輝度化し、光安定性が向上した蛍光ナノ粒子を開発することに相当な関心がある。
【0003】
伝統的な発色団ポリマードットは、化学的および生物学的分析物および系を研究するための画像化および検出技術のために調査されている。バイオコンジュゲーションにおいて使用するための発色団ポリマードットの官能化が試みられているが、ポリマードットの膨張、不安定性、および生物学的緩衝溶液中での凝集、ならびに特定の環境での非特異的相互作用の問題に遭遇している。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
要旨
本開示は、新しいクラスの有機-無機ハイブリッドポリマードットおよび関連する方法を提供する。
【0005】
様々な態様では、本開示は、半導体発色団ポリマー、および無機ネットワークを含む有機-無機ハイブリッドポリマードットであって、半導体発色団ポリマーおよび無機ネットワークが、有機-無機相互侵入ネットワークを形成している、有機-無機ハイブリッドポリマードットを提供する。
【0006】
様々な態様では、本開示は、有機-無機ハイブリッドポリマードットを作製する方法であって、溶媒、半導体発色団ポリマーおよびオルガノシランを含む溶液を提供するステップと、溶液を水溶液と混合するステップとを含み、溶液または水溶液のうちの少なくとも1つが、バイオコンジュゲーションに適した官能基であるXを含むオルガノシランを含む、方法を提供する。好ましくはまたは必要に応じて、溶液は、ハイブリッドポリマードットをより小さくおよび/またはよりコンパクトにするのに寄与し得る追加のシランも含むことができる。
【0007】
様々な態様では、本開示は、半導体発色団ポリマー、無機ネットワーク、およびバイオコンジュゲーションに適した官能基を含む有機-無機相互侵入ハイブリッド発色団ポリマードットを提供する。
【0008】
様々な態様では、本開示は、半導体発色団ポリマー、バイオコンジュゲーションに適した官能基であるX、および半導体発色団ポリマーに共有結合している無機ネットワークを含む有機-無機ハイブリッドポリマードットを提供する。
【0009】
この概要は、詳細な説明において以下でさらに説明される概念の選択を簡略化した形態で導入するために提供される。この概要は、特許請求される主題の重要な特徴を特定することを意図されず、特許請求される主題の範囲の決定を助けるものとして使用されることも意図されない。
参照による組込み
【0010】
本明細書で言及されるすべての刊行物、特許および特許出願は、各個々の刊行物、特許または特許出願が、具体的かつ個々に参照によって組み込まれると示されているのと同程度に参照によって本明細書に組み込まれる。
【0011】
本発明の新規な特徴が、添付の特許請求の範囲において詳細に示される。本発明の特徴および利点のよりよい理解は、本発明の原理が利用される例示的な実施形態を示す以下の詳細な説明および添付の図面を参照することによって得られる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、ハイブリッドポリマードットを調製するための方法を示す概略図を提供する。
【0013】
【
図2】
図2は、カルボキシレート官能化PFBTハイブリッドポリマードットを調製する方法を例示する。
【0014】
【
図3】
図3は、ハイブリッドポリマードットの透過型電子顕微鏡(TEM)画像を例示する。
【0015】
【
図4】
図4は、未処理(bare)のPFBTポリマードットと、異なる比でPFBT、アルキルシランおよびTEOSから調製したハイブリッドポリマードットの比較の単一粒子蛍光曲線を例示する。
【0016】
【
図5】
図5は、フローサイトメトリーによって定量化した、異なるハイブリッドポリマードットバイオコンジュゲート、および未処理のポリマードットバイオコンジュゲートについての細胞標識化輝度を例示する。
【0017】
【
図6】
図6は、PFBT/TMOS/TEOSのブレンドセットに基づくハイブリッドポリマードットバイオコンジュゲートで特異的に標識されたMCF細胞の蛍光画像化を示す。
【0018】
【
図7】
図7は、ハイブリッドポリマードットバイオコンジュゲートで標識されたMCF細胞の光安定性を例示する。
【0019】
【
図8】
図8は、PFBT/TCOS/TEOSのブレンドセットに基づくハイブリッドポリマードットバイオコンジュゲートで特異的に標識されたMCF細胞の蛍光画像化を示す。
【0020】
【
図9】
図9は、ハイブリッドポリマードットバイオコンジュゲートで標識されたMCF細胞の光安定性曲線を例示する。
【0021】
【
図10】
図10は、ハイブリッドポリマードットおよび関連のバイオコンジュゲートのゲル電気泳動の結果を例示する。
【0022】
【
図11】
図11は、ハイブリッドポリマードットで標識されたMCF-7細胞のフローサイトメトリー結果を示す。
【0023】
【
図12】
図12は、シラン鎖およびバイオコンジュゲーションのための官能性シラン鎖を含むコンジュゲートポリマーを示す一般的な概略図を提供する。
【0024】
【
図13】
図13は、シラン鎖およびバイオコンジュゲーションのための官能性鎖を含むコンジュゲートポリマーを示す一般的な概略図を提供する。
【0025】
【
図14】
図14は、バイオコンジュゲーションのための官能性シラン鎖を含むコンジュゲートポリマーを示す一般的な概略図を提供する。
【0026】
【
図15】
図15は、前官能化PFBTポリマーを使用して、カルボキシレート官能化PFBTハイブリッドポリマードットを調製する方法を例示する。
【0027】
【
図16】
図16は、シラン-COONaハイブリッドポリマードットで標識されたMCF-7細胞と比較した、C
2COOHを含む14%のモノマー単位を含む官能化PFBTハイブリッドドット(すなわち、PFBT-14%C
2COOH)で標識されたMCF-7細胞のフローサイトメトリー結果を示す。
【0028】
【
図17】
図17は、PFBT-14%C
2COOHハイブリッドポリマードットのTEM画像を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0029】
詳細な説明
本開示は、それらを生物学的用途に特に適したものにする望ましい表面化学および光学特性を有する有機-無機ハイブリッドポリマードットの組成物、ならびにそれらを作製および使用する関連する方法を提供する。これらおよび他の実施形態が、本明細書に詳細に記載される。
【0030】
本発明は、添付の図面および図と併せて、以下の実施形態の詳細な説明および本発明の実施形態を参照することによって最もよく理解されよう。以下の議論は、記述的、説明的かつ例示的なものであり、任意の添付の特許請求の範囲によって定義される範囲を限定するものとして解されない。
【0031】
様々なポリマー組成物が、本明細書の実施形態での使用に適している。いくつかの実施形態では、「ポリマー」は、典型的に共有結合による化学結合によってつながった少なくとも2つの反復構造単位から構成された分子である。本開示のポリマーは、異なる種類の反復単位、例えば、2種、3種、4種、5種、6種、7種、8種、9種または10種の異なる種類の反復単位を有することができる。反復構造単位は、1つのタイプのモノマーであってよく、そうして得られたポリマーは、ホモポリマーである。いくつかの実施形態では、ポリマーは、2つの異なるタイプのモノマー、3つの異なるタイプのモノマー、4つの異なるタイプのモノマー、5つの異なるタイプのモノマー、またはそれより多くのタイプのモノマーを含むことができる。当業者は、異なるタイプのモノマーが、多様な方式でポリマー鎖に沿って分布し得ることを理解する。例えば、3つの異なるタイプのモノマーは、ポリマーに沿って無作為に分布し得る。同様に、ポリマーに沿ったモノマーの分布は、異なる方式で表され得ることを理解する。ポリマーの長さに沿った反復構造単位(例えば、モノマー)の数は、「n」によって表すことができる。いくつかの実施形態では、nの範囲は、例えば、少なくとも2から、少なくとも10から、少なくとも50から、少なくとも100から、少なくとも500から、もしくは少なくとも1,000から、もしく
は少なくとも10,000からであってもよく、またはそれより大きくてもよい。特定の実施形態では、nの範囲は、2~10,000、10~10,000、10~1,000、20~5,000、20~500、50~300、100~1,000、100~10,000、または500~10,000であってよい。
【0032】
いくつかの実施形態では、ポリマーは、必要に応じてペンダント側鎖基を含有する骨格を含む、拡張された分子構造を有する。本明細書で提供されるポリマーには、線状ポリマーおよび分枝ポリマー、例えば星形ポリマー、櫛型ポリマー、ブラシ型ポリマー、はしご型ポリマー、ならびにデンドリマーなどが含まれるが、これらに限定されない。本明細書でさらに記載する通り、ポリマーには、一般に、当技術分野で周知の半導体ポリマーが含まれ得る。
【0033】
いくつかの実施形態では、「ポリマー粒子」、「ポリマー性粒子」または「Pdot」は、連続する自由流動性媒体によって取り囲まれた別個の非連続相を表す、サブマイクロメートルの大きさの実体である。自由流動性媒体は、通常、低分子量の液体であり、最も多くは水である。いくつかの実施形態では、用語「ポリマー粒子」、「ポリマー性粒子」または「Pdot」は、交換可能に使用することができる。
【0034】
いくつかの実施形態では、用語「ポリマー粒子」、「ハイブリッドポリマードット」、「ポリマードット」、「発色団ポリマードット」、「発色団半導体ポリマードット」、「蛍光性ポリマードット」、「発色団ナノ粒子」および「Pdot」は、安定なサブミクロンの大きさの粒子に既に崩壊されている、1つまたは複数のポリマー(例えば半導体ポリマー、非半導体ポリマーまたはその組合せ)を含む構造を指すのに交換可能に使用される。様々な方法が、本明細書でさらに記載する通り、ハイブリッドポリマードットを形成するのに適している。本明細書で提供されるハイブリッドポリマードットは、単一ポリマーで構成されていてもよく、またはポリマーのブレンドを含むことができる。特定の実施形態では、1つまたは複数のポリマーが崩壊、沈殿および/または濃縮されて、ポリマーマトリックスが形成される。いくつかの実施形態では、ハイブリッドポリマードットの特性は、ポリマー構造に依存して決まる。したがって、ポリマー骨格(主鎖)、側鎖、末端単位および置換されている基は、特定の特性を得るために変えることができる。いくつかの実施形態では、ハイブリッドポリマードットの光学特性は、ポリマー骨格(主鎖)の構造を変えることによって調整できる。
【0035】
特定の実施形態では、本明細書で提供されるハイブリッドポリマードットは、本明細書で発色団単位とも呼ばれる、1つまたは複数の発色団を含む。いくつかの実施形態では、用語「発色団」または「発色団単位」は、当技術分野で通常用いられている意味を有する。発色団は、例えば、UV領域から近赤外領域の特定波長の光を吸収し、発光性であってもなくてもよい。いくつかの実施形態では、発色団単位には、非局在化π電子を有する構造の単位、小有機色素分子の単位、および/または金属錯体の単位が含まれるが、それらに限定されない。発色団は、ポリマーマトリックスの一部であってもよく、または例えば、ブレンド、架橋等によって、ポリマーマトリックスに組み込むことができる。
【0036】
特定の実施形態では、本開示のハイブリッドポリマードットは、1つまたは複数の発色団ポリマーを含む。いくつかの実施形態では、用語「発色団ポリマー」は、ポリマーの少なくとも一部分が、例えば、UVから近赤外スペクトルの範囲の特定波長の光を吸収するポリマーを指す。本開示による発色団ポリマーは、発光性であってもなくてもよい。いくつかの実施形態では、「発色団ポリマー」は、ポリマーの少なくとも一部分が発色団単位を含むポリマーである。発色団ポリマーの例には、非局在化π電子を有する構造の単位を含むポリマー、例えば半導体ポリマー、小有機色素分子の単位を含むポリマー、金属錯体の単位を含むポリマー、およびそれらの任意の組合せの単位を含むポリマーが含まれ得る
。発色団単位は、ポリマー骨格に組み込むことができる。発色団単位は、ポリマーの側鎖または末端単位に共有結合していてもよい。発色団ポリマーは、一般に当技術分野で周知の標準合成法を使用して作製することができる。
【0037】
特定の実施形態では、発色団ポリマーは、「コンジュゲートポリマー」である。用語「コンジュゲートポリマー」は、当技術分野で認識されている。電子、正孔または電子エネルギーは、コンジュゲート構造に沿って伝導され得る。いくつかの実施形態では、ポリマー骨格の大部分がコンジュゲートしていてもよい。いくつかの実施形態では、ポリマー骨格全体がコンジュゲートしていてもよい。いくつかの実施形態では、ポリマーは、それらの側鎖または末端にコンジュゲート構造を含むことができる。いくつかの実施形態では、コンジュゲートポリマーは、伝導特性を有することができ、例えばポリマーは、電気を伝導することができる。いくつかの実施形態では、コンジュゲートポリマーは、半導体特性を有することができ、例えばポリマーは、直接バンドギャップを呈し、バンド端で効率的に吸収または発光することができる。したがって、特定の実施形態では、発色団ポリマーは、「半導体ポリマー」である。用語「半導体ポリマー」は、当技術分野で認識されている。
【0038】
いくつかの実施形態では、用語「アルキル」は、表示されている数の炭素原子を有する、直鎖または分枝鎖の飽和脂肪族基を指す。例えば、C1~C6アルキルには、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、イソペンチル、ヘキシル等が含まれるが、これらに限定されない。他のアルキル基には、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル等が含まれるが、これらに限定されない。アルキルは、1~2個、1~3個、1~4個、1~5個、1~6個、1~7個、1~8個、1~9個、1~10個、2~3個、2~4個、2~5個、2~6個、3~4個、3~5個、3~6個、4~5個、4~6個および5~6個などの任意の数の炭素を含むことができる。アルキル基は、典型的に一価であるが、アルキル基が2つの部分を一つに連結する場合などでは二価になる場合もある。本明細書で使用される場合、用語「ヘテロアルキル」は、炭素原子の少なくとも1つがN、OまたはSなどのヘテロ原子で置き換えられている、炭素原子の直鎖または分枝鎖の飽和脂肪族基を指す。B、Al、SiおよびPを含むがこれらに限定されない追加のヘテロ原子も、有用であり得る。
【0039】
いくつかの実施形態では、用語「アルキレン」は、少なくとも2つの他の基を連結する、先に定義のアルキル基、すなわち二価の炭化水素基を指す。アルキレンに連結されている2つの部分は、アルキレンの同じ原子または異なる原子に連結されていてよい。例えば、直鎖アルキレンは、-(CH2)nの二価の基であってよく、ここでnは、1、2、3、4、5または6である。アルキレン基には、メチレン、エチレン、プロピレン、イソプロピレン、ブチレン、イソブチレン、sec-ブチレン、ペンチレンおよびへキシレンが含まれるが、これらに限定されない。
【0040】
いくつかの実施形態では、用語「アルコキシ」は、酸素原子を有するアルキル基を指し、この酸素原子は、アルコキシ基を結合点につないでいるか、またはアルコキシ基の2つの炭素に連結されている。アルコキシ基には、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソ-プロポキシ、ブトキシ、2-ブトキシ、イソ-ブトキシ、sec-ブトキシ、tert-ブトキシ、ペントキシ、ヘキソオキシ等が含まれる。アルコキシ基は、本明細書に記載の多様な置換基でさらに置換されていてよい。例えば、アルコキシ基をハロゲンで置換すると、「ハロ-アルコキシ」基を形成することができる。
【0041】
いくつかの実施形態では、用語「アルケニル」は、少なくとも1つの二重結合を有する、2~6個の炭素原子の直鎖または分枝鎖炭化水素を指す。アルケニル基の例には、ビニル、プロペニル、イソプロペニル、1-ブテニル、2-ブテニル、イソブテニル、ブタジ
エニル、1-ペンテニル、2-ペンテニル、イソペンテニル、1,3-ペンタジエニル、1,4-ペンタジエニル、1-ヘキセニル、2-ヘキセニル、3-ヘキセニル、1,3-ヘキサジエニル、1,4-ヘキサジエニル、1,5-ヘキサジエニル、2,4-ヘキサジエニル、または1,3,5-ヘキサトリエニルが含まれるが、これらに限定されない。
【0042】
いくつかの実施形態では、用語「アルキニル」は、少なくとも1つの三重結合を有する、2~6個の炭素原子の直鎖または分枝鎖炭化水素を指す。アルキニル基の例には、アセチレニル、プロピニル、1-ブチニル、2-ブチニル、イソブチニル、sec-ブチニル、ブタジイニル、1-ペンチニル、2-ペンチニル、イソペンチニル、1,3-ペンタジイニル、1,4-ペンタジイニル、1-ヘキシニル、2-ヘキシニル、3-ヘキシニル、1,3-ヘキサジイニル、1,4-ヘキサジイニル、1,5-ヘキサジイニル、2,4-ヘキサジイニル、または1,3,5-ヘキサトリイニルが含まれるが、これらに限定されない。
【0043】
本明細書で使用される場合、用語「アルキニレン」は、少なくとも2つの他の基を連結する、先に定義のアルキニル基、すなわち二価の炭化水素基を指す。アルキニレンに連結されている2つの部分は、アルキニレンの同じ原子または異なる原子に連結されていてよい。アルキニレン基には、エチニレン、プロピニレン、イソプロピニレン、ブチニレン、sec-ブチニレン、ペンチニレンおよびヘキシニレンが含まれるが、これらに限定されない。
【0044】
いくつかの実施形態では、用語「アルキルアミン」は、1つまたは複数のアミノ基を有する、本明細書に定義のアルキル基を指す。アミノ基は、第一級であっても第二級であっても第三級であってもよい。アルキルアミンは、ヒドロキシ基でさらに置換されていてよい。アルキルアミンには、エチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、エチレンジアミンおよびエタノールアミンが含まれ得るが、これらに限定されない。アミノ基は、アルキル基のオメガ位である化合物の残りとの結合点にアルキルアミンを連結することができるか、またはアルキル基の少なくとも2つの炭素原子を一つに連結することができる。
【0045】
いくつかの実施形態では、用語「ハロゲン」または「ハロゲン化物」は、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素を指す。本明細書で使用される場合、用語「ハロアルキル」は、水素原子のいくつかまたはすべてがハロゲン原子で置換されている先に定義のアルキルを指す。ハロゲン(ハロ)は、好ましくはクロロまたはフルオロを表すが、ブロモであってもヨードであってもよい。本明細書で使用される場合、用語「ハロ-アルコキシ」は、少なくとも1つのハロゲンを有するアルコキシ基を指す。ハロ-アルコキシは、水素原子のいくつかまたはすべてがハロゲン原子で置換されているアルコキシと定義される。アルコキシ基は、1個、2個、3個またはそれを超える数のハロゲンで置換されていてよい。すべての水素がハロゲンで、例えばフッ素で置き換えられている場合、その化合物は過置換されており、例えば全フッ素置換されている。ハロ-アルコキシには、トリフルオロメトキシ、2,2,2,-トリフルオロエトキシ、およびペルフルオロエトキシ等が含まれるが、これらに限定されない。
【0046】
いくつかの実施形態では、用語「シクロアルキル」は、3個~12個の環原子または表示された数の原子を含有する、飽和または部分的に不飽和の単環式環、縮合二環式環または架橋された多環式環の集合体を指す。単環式環には、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルおよびシクロオクチルが含まれる。二環式環および多環式環には、例えば、ノルボルナン、デカヒドロナフタレンおよびアダマンタンが含まれる。例えば、C3~8シクロアルキルには、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロオクチルおよびノルボルナンが含まれる。
【0047】
いくつかの実施形態では、用語「シクロアルキレン」は、少なくとも2つの他の基を連結する、先に定義のシクロアルキル基、すなわち二価の炭化水素基を指す。シクロアルキレンに連結されている2つの部分は、シクロアルキレンの同じ原子または異なる原子に連結されていてよい。シクロアルキレン基には、シクロプロピレン、シクロブチレン、シクロペンチレン、シクロヘキシレンおよびシクロオクチレンが含まれるが、これらに限定されない。
【0048】
いくつかの実施形態では、用語「ヘテロシクロアルキル」は、3個の環員~約20個の環員、ならびにN、OおよびSなどの1個~約5個のヘテロ原子を有する環系を指す。B、Al、SiおよびPを含むがこれらに限定されない追加のヘテロ原子も、有用であり得る。ヘテロ原子は、限定されるものではないが-S(O)-および-S(O)2-などのように酸化されていてもよい。
【0049】
いくつかの実施形態では、用語「ヘテロシクロアルキレン」は、少なくとも2つの他の基を連結する、先に定義のヘテロシクロアルキル基を指す。ヘテロシクロアルキレンに連結されている2つの部分は、ヘテロシクロアルキレンの同じ原子または異なる原子に連結されていてよい。
【0050】
いくつかの実施形態では、用語「アリール」は、6~16個の環炭素原子を含有する、単環式環、または縮合二環式環、三環式環もしくはそれを超えるもの、芳香環の集合体を指す。例えば、アリールは、フェニル、ベンジル、アズレニルまたはナフチルであってよい。アリール基は、アルキル、アルコキシ、アリール、ヒドロキシ、ハロゲン、シアノ、アミノ、アミノ-アルキル、トリフルオロメチル、アルキレンジオキシおよびオキシ-C2~C3-アルキレン(これらの基のすべては、例えば本明細書で先に定義した通り、必要に応じてさらに置換されている)、または1-もしくは2-ナフチル、または1-もしくは2-フェナントレニルから選択される1個、2個または3個の基によって一置換、二置換または三置換されていてよい。アルキレンジオキシは、フェニルの2つの隣接する炭素原子に結合している二価の置換基(substitute)、例えばメチレンジオキシまたはエチレンジオキシである。またオキシ-C2~C3-アルキレンは、フェニルの2つの隣接する炭素原子に結合している二価の置換基、例えばオキシエチレンまたはオキシプロピレンである。オキシ-C2~C3-アルキレン-フェニルの例は、2,3-ジヒドロベンゾフラン-5-イルである。
【0051】
アリール基には、ナフチル、フェニル、またはアルコキシ、フェニル、ハロゲン、アルキルもしくはトリフルオロメチルによって一置換もしくは二置換されているフェニルが含まれ、フェニル、またはアルコキシ、ハロゲンもしくはトリフルオロメチルによって一置換もしくは二置換されているフェニルが含まれ、特にフェニルが含まれ得るが、これらに限定されない。
【0052】
いくつかの実施形態では、用語「アルコキシ-アリール」は、アリールに連結されている部分の1つが、酸素原子を介して連結されている、先に定義のアリール基を指す。アルコキシ-アリール基には、フェノキシ(C6H5O-)が含まれるが、これに限定されない。本開示はまた、アルコキシ-ヘテロアリール基を含む。
【0053】
いくつかの実施形態では、用語「ヘテロアリール」は、環原子の1~4個がそれぞれヘテロ原子N、OまたはSである、5~16個の環原子を含有する単環式芳香環または縮合二環式芳香環または縮合三環式芳香環の集合体を指す。例えば、ヘテロアリールには、ピリジル、インドリル、インダゾリル、キノキサリニル、キノリニル、イソキノリニル、ベンゾチエニル、ベンゾフラニル、フラニル、ピロリル、チアゾリル、ベンゾチアゾリル、
オキサゾリル、イソオキサゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピラゾリル、イミダゾリル、チエニル、または例えばアルキル、ニトロもしくはハロゲンによって置換されている、特に一置換もしくは二置換されている任意の他の基が含まれる。同様に、本明細書に記載のアリールおよびヘテロアリール基は、置換されていても非置換であってもよい。アリールおよびヘテロアリール基のための置換基は変わり、例えばアルキル、アリール、CN、アミノ、スルフィド、アルデヒド、エステル、エーテル、カルボキシル、ヒドロキシルまたはハロゲン化物である。置換基は、クロロ、ブロモ、ヨード、ヒドロキシルまたはアミノなどの反応基であってよいが、これらに限定されない。置換基は、-ハロゲン、-OR’、-OC(O)R’、-NR’R’’、-SR’、-R’、-CN、-NO2、-CO2R’、-CONR’R’’、-C(O)R’、-OC(O)NR’R’’、-NR’’C(O)R’、-NR’’C(O)2R’、-NR’-C(O)NR’’R’’’、-NH-C(NH2)=NH、-NR’C(NH2)=NH、-NH-C(NH2)=NR’、-S(O)R’、-S(O)2R’、-S(O)2NR’R’’、-N3、-CH(Ph)2から、0個から芳香環系上の開放原子価(open valence)の総数までの範囲の数で選択することができ、ここでR’、R’’およびR’’’は、水素、(C1~C8)アルキルおよびヘテロアルキル、非置換アリールおよびヘテロアリール、(非置換アリール)-(C1~C4)アルキル、ならびに(非置換アリール)オキシ-(C1~C4)アルキルから独立に選択される。
【0054】
本明細書に記載の基は、置換されていても非置換であってもよい。アルキルおよびヘテロアルキル基(しばしばアルキレン、アルケニル、ヘテロアルキレン、ヘテロアルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアルケニルおよびヘテロシクロアルケニルと呼ばれる基を含む)のための置換基は、アルキル、アリール、シアノ(CN)、アミノ、スルフィド、アルデヒド、エステル、エーテル、カルボキシル、ヒドロキシルまたはハロゲン化物などの多様な基であってよい。置換基は、クロロ、ブロモ、ヨード、ヒドロキシルまたはアミノなどの反応基であってよいが、これらに限定されない。適切な置換基は、-OR’、=O、=NR’、=N-OR’、-NR’R’’、-SR’、-ハロゲン、-SiR’R’’R’’’、-OC(O)R’、-C(O)R’、-CO2R’、-CONR’R’’、-OC(O)NR’R’’、-NR’’C(O)R’、-NR’-C(O)NR’’R’’’、-NR’’C(O)2R’、-NH-C(NH2)=NH、-NR’C(NH2)=NH、-NH-C(NH2)=NR’、-S(O)R’、-S(O)2R’、-S(O)2NR’R’’、-CNおよび-NO2から、0個から(2m’+1)個までの範囲の数で選択することができ、ここでm’は、このような基中の炭素原子の総数である。R’、R’’およびR’’’は、それぞれ独立に、水素、非置換(C1~C8)アルキルおよびヘテロアルキル、非置換アリール、アルコキシもしくはチオアルコキシ基、またはアリール-(C1~C4)アルキル基を指す。R’およびR’’が同じ窒素原子に結合している場合、それらは、窒素原子と組み合わさって、5員、6員または7員環を形成することができる。例えば、-NR’R’’は、1-ピロリジニルおよび4-モルホリニルを含むことが意図されている。置換基の先の議論から、用語「アルキル」は、ハロアルキル(例えば、-CF3および-CH2CF3)、およびアシル(例えば、-C(O)CH3、-C(O)CF3、および-C(O)CH2OCH3等)などの基を含むことが意図されていることを当業者は理解する。
【0055】
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形「1つの(a)」、「1つの(and)」および「その(the)」は、文脈がはっきりと他に記述しない限り、複数の指示物を含む。したがって、例えば、「化合物(a compound)」への言及は複数の当該化合物を含み、「薬剤(an agent)」への言及は複数の当該薬剤を含み、「細胞(the cell)」への言及は1つまたはそれより多くの細胞(あるいは複数の細胞)および当業者に公知のその均等物への言及を含む等である。分子量などの物理的特性、または化学式などの化学的特性について、本明細書で範囲が使用される
場合、範囲およびその中の具体的な実施形態のすべての組合せおよび部分的組合せが含まれることが意図される。用語「約」は、数値または数値範囲に言及する場合、言及される数値または数値範囲が実験的変動性の範囲内(または統計学的実験誤差の範囲内)の近似値であることを意味し、したがって、数値または数値範囲は述べられた数値または数値範囲の1%~15%の間で変動し得る。用語「含む(comprising)」(および「含む(comprise)」または「含む(comprises)」または「有する(having)」または「含む(including)」などの関連の用語)は、他の特定の実施形態、例えば、物質の任意の組成物の実施形態において、本明細書に記載の組成物、方法または過程等が、記載の特徴「からなる」または「から本質的になる」場合があることを除外しないことが意図される。
【0056】
本明細書で使用される場合、用語「および/または」は、2つの語または表現が一緒にまたは個々に用いられることを示す機能語として使用される。例えば、Aおよび/またはBは、Aのみ、Bのみ、およびAとB一緒にを包含する。
【0057】
値の範囲が提供される場合、範囲の上限値と下限値との間の、文脈がはっきりと他に記述しない限り下限単位の10分の1までの各介在値、および指定された範囲内の任意の他の指定された値または介在値が、本明細書で提供される開示に包含されることが理解される。これらのより小さい範囲の上限値および下限値は、より小さな範囲内に独立して含まれてもよく、指定された範囲内の任意の具体的に除外された限定値を条件として、やはり本開示内に包含される。指定された範囲が一方または両方の限定値を含む場合、これらの含まれる限定値のいずれかまたは両方を除く範囲も、本明細書で提供される開示に含まれる。
【0058】
他に定義されない限り、本明細書で使用される技術および科学用語は、本開示が属する技術分野の当業者に一般に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書に記載のものと類似または同等の任意の方法、デバイスおよび材料を、本開示の実施または試験に使用することができるが、好ましい方法、デバイスおよび材料をここで記載する。
有機-無機ハイブリッドポリマードット
【0059】
本開示は、本明細書で「ハイブリッドポリマードット」とも呼ばれる有機-無機ハイブリッドポリマードットの様々な実施形態を提供する。いくつかの実施形態では、有機-無機ハイブリッドポリマードットは、有機ネットワークおよび無機ネットワークを含む。特定の実施形態では、有機ネットワークは、少なくとも1種類の有機種、例えば本明細書に記載の発色団ポリマーの1つまたは複数を含む。特定の実施形態では、無機ネットワークは、少なくとも1種類の無機種、例えばシロキサン、アルミノ-シロキサン、チタン-シロキサン、酸化チタンまたはその組合せを含む。特定の実施形態では、無機ネットワークは、シロキサンネットワーク(例えば、Si-O-Si連結を含む)、アルミノ-シロキサンネットワーク(例えば、Al-O-Si連結を含む)、チタン-シロキサンネットワーク(例えば、Ti-O-Si連結を含む)、酸化チタンネットワーク(例えば、Ti-O-Ti連結を含む)、またはその組合せである。シロキサンネットワークなどの無機ネットワークの追加の例は、本明細書でさらに詳細に議論される。用語「シロキサンネットワーク」および「シリカ(SiO2)ネットワーク」は、本明細書で同義的に扱われる。
【0060】
いくつかの実施形態では、有機ネットワークおよび無機ネットワークは互いに相互侵入して、有機-無機相互侵入ネットワークを形成している。例えば、シロキサンネットワークは、発色団ポリマーと相互侵入ネットワークを形成することができる。本明細書で使用される場合、「有機-無機相互侵入ネットワーク」は、一緒になって相互侵入ネットワークを形成している少なくとも2つのネットワークを含むポリマードットマトリックスを指す。いくつかの実施形態では、有機-無機相互侵入ネットワークは、ポリマーと相互侵入
した無機ネットワークのメッシュ様および/または絡み合い構造である。いくつかの実施形態では、相互侵入は、少なくとも2つのネットワークの物理的な会合(例えば、疎水性相互作用)を介して主に生じて、相互侵入ネットワークが形成される。特定の実施形態では、相互侵入は、化学結合なしに(例えば、2つのネットワーク間の共有結合なしに)、少なくとも2つのネットワークの物理的な会合を介して生じる。特定の実施形態では、相互侵入は、2つのネットワークの互いとの化学結合(例えば、共有結合)を介して主に生じて、相互侵入ネットワークが形成される。有機ネットワークと無機ネットワークとの間の共有結合を、物理的な会合の代わりに、または物理的な会合と組み合わせて使用して、有機-無機相互侵入ネットワークを形成することができる。
【0061】
特定の実施形態では、本開示は、限定されるものではないが、ブレンドすることによって形成されたポリマードット(例えば、両親媒性ポリマーとブレンドされたポリマードット)および無機ネットワークを含まないポリマードットを含む、他のタイプのポリマードットおよび粒子とは構造的に明らかに異なる有機-無機ハイブリッドポリマードットを提供する。例えば、いくつかの実施形態では、本明細書に記載のハイブリッドポリマードットの有機-無機相互侵入ネットワークは、他のタイプのポリマードットに見出され得るコア-キャップ構造ともコア-シェル構造とも明らかに異なる。特定の実施形態では、有機-無機ハイブリッドポリマードットは、本明細書では、コア-キャップ構造もコア-シェル構造も含まない。
【0062】
本明細書でさらに詳細に記載する通り、いくつかの実施形態では、有機-無機相互侵入ネットワークは、有機-無機ハイブリッドポリマードットの形成中に形成される。例えば、いくつかの実施形態では、有機-無機ハイブリッドポリマードットの形成は、有機シラン分子の加水分解中のシロキサンネットワークの形成を含む。特定の実施形態では、有機シランは、アルキルシランである。特定の実施形態では、1つまたは複数のポリマーは、有機シラン分子の加水分解および架橋と同時に、崩壊、沈殿または濃縮されて、一緒になって有機-無機相互侵入ネットワークを形成する有機ネットワークおよび無機ネットワークが同時に形成される。
【0063】
ハイブリッドポリマードット中の無機ネットワーク(例えば、シロキサンネットワーク)および/またはその成分(例えば、ケイ素(Si))の重量パーセントは、所望に応じて変えることができる。いくつかの実施形態では、無機ネットワーク(例えば、シロキサンネットワーク)および/またはその成分(例えば、ケイ素)の重量パーセントは、得られるハイブリッドポリマードット中のコア-シェル構造の形成を回避するように選択される。特定の実施形態では、ハイブリッドポリマードット中の無機ネットワーク由来のケイ素の重量パーセントは、約1%に等しいかもしくはそれより低いか、約5%に等しいかもしくはそれより低いか、約10%に等しいかもしくはそれより低いか、約15%に等しいかもしくはそれより低いか、約20%に等しいかもしくはそれより低いか、約25%に等しいかもしくはそれより低いか、約30%に等しいかもしくはそれより低いか、約35%に等しいかもしくはそれより低いか、約40%に等しいかもしくはそれより低いか、約45%に等しいかもしくはそれより低いか、または約47%に等しいかもしくはそれより低い。特定の実施形態では、ハイブリッドポリマードット中の無機ネットワーク由来のケイ素の重量パーセントは、約1%に等しいかもしくはそれより高いか、約5%に等しいかもしくはそれより高いか、約10%に等しいかもしくはそれより高いか、約15%に等しいかもしくはそれより高いか、約20%に等しいかもしくはそれより高いか、約25%に等しいかもしくはそれより高いか、約30%に等しいかもしくはそれより高いか、約35%に等しいかもしくはそれより高いか、約40%に等しいかもしくはそれより高いか、または約45%に等しいかもしくはそれより高い。特定の実施形態では、ハイブリッドポリマードット中の無機ネットワーク由来のケイ素の重量パーセントは、約1%~約45%の範囲内、または約1%~約47%の範囲内である。
【0064】
本開示のハイブリッドポリマードットは、官能化および/または例えば、生物学的分子(biological molecule)にバイオコンジュゲートすることができる。いくつかの実施形態では、ハイブリッドポリマードットは、有機ネットワーク(例えば、半導体発色団ポリマー)、無機ネットワーク(例えば、シロキサンネットワーク)、およびバイオコンジュゲーションに適した官能基であるXを含む。本開示によるバイオコンジュゲーションに適した官能基および/またはリンカーの例は、以下にさらに提供される。官能基Xは、無機ネットワーク、有機ネットワークまたはその組合せに結合していてもよい。特定の実施形態では、官能基は、無機ネットワークに結合している。特定の実施形態では、官能基は、半導体発色団ポリマーに結合している。特定の実施形態では、官能基は、疎水性官能基、親水性官能基またはその組合せを含む。特定の実施形態では、官能基は、バイオコンジュゲーションに適している。
【0065】
いくつかの実施形態では、ハイブリッドポリマードットは、少なくとも2つの直交型反応性化学基を含む。特定の実施形態では、直交型反応性化学基は、その示された化学反応基とだけ反応し、存在し得る別の化学反応基とは反応しない化学基である。例えば、反応基AおよびBは、互いに反応する示された対を形成することができ、反応基YおよびZは、互いに反応する別の示された対を形成することができる。このような実施形態では、AはZと反応しないので、反応基AはYに関して直交性であるとみなされ、YはBと反応しないので、反応基YはAに関して直交性である。いくつかの実施形態では、反応基Aは、互いにまたは反応基Bと反応して、シロキサンネットワークを形成することができ、反応基Yは、AまたはBのいずれとも反応せず、結果として、AとYおよび/またはBとYは直交型反応基であるとみなされる。
【0066】
いくつかの実施形態では、ハイブリッドポリマードットは、少なくとも2つの直交型反応性化学基を含む半導体発色団ポリマーを含む。特定の実施形態では、これらの直交型反応性化学基のうちの少なくとも1つは、式CnH2nXまたはCnF2nXを有し、式中、Xは、本明細書でさらに記載する通りのバイオコンジュゲーションに適した官能基であり、nは1以上である。
【0067】
いくつかの実施形態では、有機-無機ハイブリッドポリマードットは、それぞれがそれ自体のそれぞれの機能を有する少なくとも2種類の無機種を含む。例えば、有機-無機ハイブリッドポリマードットは、本明細書でさらに議論する通り、バイオコンジュゲーションに適した、カルボキシル、アミン、チオール(-SH)、カルボキシレートもしくはカルボン酸、マレイミド、無水マレイン酸、N-ヒドロキシスクシンイミド(NHS)、アルコール(-OH)もしくはシアネート、またはその組合せを含む官能種で官能化された表面を有することができる。さらに、ハイブリッドポリマードットは、脂肪族鎖、例えば、アルキル鎖を含むことができる。脂肪族鎖は、相互侵入ネットワークの形成中に、架橋に加わることができる。脂肪族鎖は、相互侵入ネットワークの形成中に、有機ネットワーク(例えば、発色団ポリマー)および/または無機ネットワークと物理的に会合することができる。
【0068】
そうして得られたハイブリッドポリマードットは、生物学的用途に有利な一組の特性を示す。例えば、ハイブリッドポリマードットの有機-無機相互侵入ネットワークにより、例えば、望ましくない鎖間相互作用を防止することによって、蛍光輝度の高い、強固でコンパクトなポリマードットが可能になる。例えば、ハイブリッドポリマードットの相互侵入ネットワークにより、望ましくない蛍光消光が低下し得る。有機-無機ハイブリッドポリマードットは、高い蛍光量子収率を呈し、光安定性が改善され、コロイド安定性が改善されている。したがって、ハイブリッドポリマードットの蛍光量子収率および光安定性を、著しく改善できる。ハイブリッドポリマードットは、様々な生物学的媒体中で安定であ
り、多様な生物学的緩衝液中で膨張せず、凝集体を形成しない。
【0069】
本明細書で使用される場合、ポリマードットに言及する用語「安定な」は、長期間にわたり適切な水溶液中で保存された場合、凝集しない、かつ/または(電子顕微鏡、原子間力顕微鏡または動的光散乱によって測定すると)大きさが実質的に変化しないポリマードットを指し得る。ポリマードットの凝集または実質的な大きさの変化は、例えば、2つ以上のポリマードットを含む凝集体の数の増加として特徴付けることができる。凝集体は、電子顕微鏡法もしくは原子間力顕微鏡法などの画像化技術を用いて眼で視覚的に、および/または動的光散乱によって示される大きさの増大によって検出することができる。
【0070】
いくつかの実施形態では、ハイブリッドポリマードットは、5nm以上1,000nm以下の直径を有し得る。いくつかの実施形態では、本明細書中に開示される有機-無機ハイブリッドポリマードットは、5nm以上500nm以下の直径を有し得る。いくつかの実施形態では、本明細書中に開示される有機-無機ハイブリッドポリマードットは、5nm以上100nm以下の直径を有し得る。いくつかの実施形態では、本明細書中に開示される有機-無機ハイブリッドポリマードットは、5nm以上50nm以下の直径を有し得る。いくつかの実施形態では、本明細書中に開示される有機-無機ハイブリッドポリマードットは、10nm以上30nm以下の直径を有し得る。いくつかの実施形態では、本明細書中に開示される有機-無機ハイブリッドポリマードットは、100nm以下の直径を有し得る。いくつかの実施形態では、本明細書中に開示される有機-無機ハイブリッドポリマードットは、50nm以下の直径を有し得る。いくつかの実施形態では、本明細書中に開示される有機-無機ハイブリッドポリマードットは、40nm以下の直径を有し得る。いくつかの実施形態では、本明細書中に開示される有機-無機ハイブリッドポリマードットは、30nm以下の直径を有し得る。いくつかの実施形態では、本明細書中に開示される有機-無機ハイブリッドポリマードットは、20nm以下の直径を有し得る。いくつかの実施形態では、本明細書中に開示される有機-無機ハイブリッドポリマードットは、5nm以上300nm以下の直径を有し得る。いくつかの実施形態では、本明細書中に開示される有機-無機ハイブリッドポリマードットは、5nm以上200nm以下の直径を有し得る。いくつかの実施形態では、本明細書中に開示される有機-無機ハイブリッドポリマードットは、5nm以上150nm以下の直径を有し得る。いくつかの実施形態では、本明細書中に開示される有機-無機ハイブリッドポリマードットは、5nm以上90nm以下の直径を有し得る。いくつかの実施形態では、本明細書中に開示される有機-無機ハイブリッドポリマードットは、5nm以上80nm以下の直径を有し得る。いくつかの実施形態では、本明細書中に開示される有機-無機ハイブリッドポリマードットは、5nm以上70nm以下の直径を有し得る。いくつかの実施形態では、本明細書中に開示される有機-無機ハイブリッドポリマードットは、5nm以上60nm以下の直径を有し得る。いくつかの実施形態では、本明細書中に開示される有機-無機ハイブリッドポリマードットは、5nm以上40nm以下の直径を有し得る。いくつかの実施形態では、本明細書中に開示される有機-無機ハイブリッドポリマードットは、5nm以上30nm以下の直径を有し得る。いくつかの実施形態では、本明細書中に開示される有機-無機ハイブリッドポリマードットは、5nm以上25nm以下の直径を有し得る。
【0071】
有機-無機ハイブリッドポリマードットの特質は、多様な光物理的特性(例えば、吸光度、発光輝度および/または最大発光波長)を調整するために、所望に応じて調節することができる。とりわけ、ある場合には、粒子形成に起因して蛍光の消光が増大しない。高い輝度および特異的結合能を有するポリマードットは、化学的および生物学的な分析物および系を調査するために、画像化および検出技術を進歩させるために重要な特質を提供することが理解されよう。いくつかの実施形態では、本明細書に開示の有機-無機ハイブリッドポリマードットは、少なくとも1%の量子収率を有することができる。いくつかの実施形態では、本明細書に開示の有機-無機ハイブリッドポリマードットは、少なくとも5
%の量子収率を有することができる。いくつかの実施形態では、量子収率は、5%より高いか、10%より高いか、20%より高いか、30%より高いか、40%より高いか、50%より高いか、60%より高いか、70%より高いか、80%より高いか、または90%より高い。
シロキサンネットワークを含む有機-無機ハイブリッドポリマードット
【0072】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のハイブリッドポリマードットは、シロキサンネットワーク、例えば、複数のSi-O-Si連結を含むネットワークを含む。シロキサンネットワークは、1つまたは複数のシランおよび/またはシロキサン種の完全または部分的な加水分解によって形成することができる。例えば、特定の実施形態では、シロキサンネットワークは、アルキルシラン、アルコキシシラン、クロロシラン、オルトシリケート、シロキサン、アルファシラン、アセトキシシラン、アミノシラン、ビスシラン、エポキシシラン、ハロシラン、ハイドロジェンシラン、ハイドロジェンシロキサン、ヒドロキシルシラン、エステルシラン、アリールシラン、アクリルシラン、メタクリルシラン、スチリルシラン、ビニルシラン、オレフィンシラン、硫黄シラン、ホスフィンシラン、ホスフェートシラン、イソシアネートシラン、アジドシラン、アンヒドリドシラン(anhydride silane)またはその組合せから完全にまたは部分的に加水分解されている。特定の実施形態では、シロキサンネットワークは、オクトデシルトリメトキシシラン、オクトデシルトリクロロシラン、オルトケイ酸テトラエチル、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、クロロプロピルトリメトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリクロロシラン、グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、エポキシヘキシルトリエトキシシラン、ヒドロキシメチルトリエトキシシラン、ヨードプロピルトリメトキシシラン、イソシアナトプロピルトリメトキシシラン(isocyantopropyltrimethoxysilane)、メタクリルオキシメチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、スチリルエチルトリメトキシシランまたはその組合せから完全にまたは部分的に加水分解されている。特定の実施形態では、シロキサンネットワークは、オクトデシルトリメトキシシラン、オクトデシルトリクロロシラン、オルトケイ酸テトラエチルまたはその組合せから完全にまたは部分的に加水分解されている。
【0073】
ハイブリッドポリマードット中のシロキサンネットワークおよび/またはその成分(例えば、ケイ素)の重量パーセントは、所望に応じて変えることができる。いくつかの実施形態では、シロキサンネットワークおよび/またはその成分(例えば、ケイ素)の重量パーセントは、得られるハイブリッドポリマードット中のコア-シェル構造の形成を回避するように選択される。特定の実施形態では、ハイブリッドポリマードット中のシロキサンネットワーク由来のケイ素の重量パーセントは、約1%に等しいかもしくはそれより低いか、約5%に等しいかもしくはそれより低いか、約10%に等しいかもしくはそれより低いか、約15%に等しいかもしくはそれより低いか、約20%に等しいかもしくはそれより低いか、約25%に等しいかもしくはそれより低いか、約30%に等しいかもしくはそれより低いか、約35%に等しいかもしくはそれより低いか、約40%に等しいかもしくはそれより低いか、約45%に等しいかもしくはそれより低いか、または約47%に等しいかもしくはそれより低い。特定の実施形態では、ハイブリッドポリマードット中のシロキサンネットワーク由来のケイ素の重量パーセントは、約1%に等しいかもしくはそれより高いか、約5%に等しいかもしくはそれより高いか、約10%に等しいかもしくはそれより高いか、約15%に等しいかもしくはそれより高いか、約20%に等しいかもしくはそれより高いか、約25%に等しいかもしくはそれより高いか、約30%に等しいかもしくはそれより高いか、約35%に等しいかもしくはそれより高いか、約40%に等しいかもしくはそれより高いか、または約45%に等しいかもしくはそれより高い。特定の実施形態では、ハイブリッドポリマードット中のシロキサンネットワーク由来のケイ素の重量パーセントは、約1%~約45%の範囲内、または約1%~約47%の範囲内である。
【0074】
有機-無機ハイブリッドポリマードットは、それぞれがそれ自体のそれぞれの機能を有する少なくとも2種類のシラン種を含むことができる。例えば、有機-無機ハイブリッドポリマードットは、バイオコンジュゲーションに適した、カルボキシル、アミン、チオール(-SH)、カルボキシレートもしくはカルボン酸、マレイミド、無水マレイン酸、N-ヒドロキシスクシンイミド(NHS)、アルコール(-OH)もしくはシアネート、またはその組合せを含む官能シラン種で官能化された表面を有することができる。さらに、ハイブリッドポリマードットは、脂肪族鎖、例えば、アルキル鎖を含むことができる。脂肪族鎖は、相互侵入ネットワークの形成中に、架橋に加わることができる。脂肪族鎖は、相互侵入ネットワークの形成中に、有機ネットワーク(例えば、発色団ポリマー)および/または無機ネットワークと物理的に会合することができる。
【0075】
ハイブリッドポリマードットは、相互侵入有機-無機ネットワークを形成するためのシロキサンネットワークおよび少なくとも1つの他のネットワークを含むことができる。例えば、いくつかの実施形態では、本開示は、半導体発色団ポリマーおよびシロキサンネットワークを含む有機-無機ハイブリッドポリマードットであって、半導体発色団ポリマーおよびシロキサンネットワークが、有機-無機相互侵入ネットワークを形成している、有機-無機ハイブリッドポリマードットを提供する。相互侵入ネットワークは、発色団ポリマーと相互侵入した(例えば、コア-キャップ構造もコア-シェル構造も形成していない)シロキサンネットワークのメッシュ様および/または絡み合い構造であり得る。
【0076】
シロキサンネットワークを含む有機-無機ハイブリッドポリマードットは、様々な方式で形成することができる。特定の実施形態では、ハイブリッドポリマードットは、シロキサンネットワークの発色団ポリマーとの物理的な会合を介して形成されて、相互侵入ネットワークが形成される。特定の実施形態では、シロキサンネットワークがアルキル鎖を含み、半導体発色団ポリマーがシロキサンネットワークのアルキル鎖と物理的に会合し、それによって有機-無機相互侵入ネットワークが形成される、ハイブリッドポリマードットが形成される。その代わりにまたはそれと組み合わせて、シロキサンネットワークおよび発色団ポリマーは、互いに化学的に結合して(例えば、共有結合して)、相互侵入ネットワークを形成することができる。
シロキサンネットワークと半導体発色団ポリマーとの間の物理的な会合を有するハイブリッドポリマードット
【0077】
いくつかの実施形態では、本開示は、シロキサンネットワークが半導体発色団ポリマーと、例えば疎水性相互作用によって物理的に会合している、ハイブリッドポリマードットを提供する。例えば、シロキサンネットワークは、脂肪族鎖を含んでいてもよく、半導体発色団ポリマーは、シロキサンネットワークの脂肪族鎖と物理的に会合することができ、それによって有機-無機相互侵入ネットワークが形成される。この脂肪族鎖は、少なくとも5個、少なくとも10個、少なくとも15個、または少なくとも20個の炭素を含むことができる。この脂肪族鎖は、少なくとも5個、少なくとも6個、少なくとも7個、少なくとも8個、少なくとも9個、少なくとも10個、少なくとも11個、少なくとも12個、少なくとも13個、少なくとも14個、少なくとも15個、少なくとも16個、少なくとも17個、少なくとも18個、少なくとも19個、または少なくとも20個の炭素を含むことができる。いくつかの実施形態では、この脂肪族側鎖は、少なくとも10個の炭素を含む。いくつかの実施形態では、この脂肪族鎖はアルキル鎖である。このアルキル鎖は、少なくとも5個、少なくとも10個、少なくとも15個、または少なくとも20個の炭素を含むことができる。このアルキル鎖は、少なくとも5個、少なくとも6個、少なくとも7個、少なくとも8個、少なくとも9個、少なくとも10個、少なくとも11個、少なくとも12個、少なくとも13個、少なくとも14個、少なくとも15個、少なくとも16個、少なくとも17個、少なくとも18個、少なくとも19個、または少なくとも20
個の炭素を含むことができる。いくつかの実施形態では、このアルキル鎖は、少なくとも10個の炭素を含む。いくつかの実施形態では、このシロキサンネットワークは、アルキレン、アルコキシ、アルケニル、アルケニレン、アルキニル、アルキニレン、アルキルアミン、シクロアルキル、シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキル、またはヘテロシクロアルキレンを含む。
【0078】
いくつかの実施形態では、シロキサンネットワークは、1つまたは複数の直交架橋単位を含む。特定の実施形態では、直交架橋単位は、その示された反応基とだけ架橋し、また存在し得る別の反応基とは架橋しない反応基を含む。例えば、反応基AおよびBは、互いに架橋する示された対を形成することができ、反応基YおよびZは、互いに架橋する別の示された対を形成することができる。このような実施形態では、AはZと架橋しないので、反応基AはYに関して直交性であるとみなされ、YはBと架橋しないので、反応基YはAに関して直交性である。いくつかの実施形態では、反応基Aは、互いにまたは反応基Bと架橋して、シロキサンネットワークを形成することができ、反応基Yは、AまたはBのいずれとも架橋せず、結果として、AとYおよび/またはBとYは直交型架橋単位であるとみなされる。
【0079】
いくつかの実施形態では、シロキサンネットワークは、複数の相互連結単位を含むことができ、各相互連結単位は、
【化1】
からなる群から選択することができ、
式中、A
0、A
1、A
2、A
3、A
4、A
5、A
6、A
7、A
8、A
9は、それぞれ独立に、C
nH
2n+1、C
nH
2nX、C
nF
2n+1またはC
nF
2nXであり、ここで、Xは、バイオコンジュゲーションに適した官能基であり、ここで、D
0、D
1、D
2、D
3、D
4、D
5、D
6、D
7、D
8、D
9は、それぞれ独立に、LXであり、ここで、Lはリンカー部分であり、nは1以上である。いくつかの実施形態では、nは、2以上、3以上、4以上、5以上、6以上、7以上、8以上、9以上、または10以上である。いくつかの実施形態では、nは6以上である。いくつかの実施形態では、nは20以下である。いくつかの実施形態では、nは40以下である。いくつかの実施形態では、nは60以下である。いくつかの実施形態では、nは6以上であり、そして20以下である。いくつかの実施形態では、nは6以上であり、そして15以下である。いくつかの実施形態では、nは6以上であり、そして10以下である。「X」によっても表されるバイオコンジュゲーションに適した官能基、「L」によっても表されるリンカー部分、ならびに「D」および「LX」によっても表されるその組合せは、本明細書で以下にさらに詳細に記載される。
【0080】
いくつかの実施形態では、発色団ポリマーは、シロキサンネットワークに物理的に会合するが、共有結合はしない。例えば、様々な実施形態では、発色団ポリマーは、シラン官能化されず、ハイブリッドポリマードットの官能化および相互侵入ネットワークの形成は、発色団ポリマーのシロキサンネットワークとの物理的な会合(例えば、疎水性相互作用
)のみによって達成される。代替的な実施形態では、発色団ポリマーは、本明細書で以下にさらに詳細に議論する通り、シロキサンネットワークと共有結合することもできる。
シロキサンネットワークと半導体発色団ポリマーとの間の共有結合を有するハイブリッドポリマードット
【0081】
いくつかの実施形態では、本開示は、シロキサンネットワークが半導体発色団ポリマーと共有結合している、ハイブリッドポリマードットを提供する。例えば、ハイブリッドポリマードットは、半導体発色団ポリマー、および半導体発色団ポリマーに共有結合しているシロキサンネットワークを含むことができる。必要に応じて、ハイブリッドポリマードットは、バイオコンジュゲーションに適した官能基(X)も含むことができる。特定の実施形態では、シロキサンネットワークはまた、発色団ポリマーと物理的に会合して、有機-無機相互侵入ネットワークを形成している。
【0082】
いくつかの実施形態では、発色団ポリマーはシラン官能化されている。ハイブリッドポリマードットの官能化および相互侵入ネットワークの形成は、それぞれがそれ自体のそれぞれの機能を有する、発色団ポリマー上の少なくとも2種類のシラン種の存在によって達成することができる。少なくとも2種類のシラン種は、発色団ポリマーのペンダント側鎖として存在することができる。発色団ポリマーのペンダント側鎖は、以下に示す通り、シラン鎖(「RS」)、および1つまたは複数の官能基を含む官能性シラン鎖(「RF」)を含むことができる。少なくとも2種類のシラン種のうちの1つ(例えば、シラン鎖または官能性シラン鎖)は、脂肪族鎖を含むことができる。この脂肪族鎖は、少なくとも5個、少なくとも10個、少なくとも15個、または少なくとも20個の炭素を含むことができる。この脂肪族鎖は、少なくとも5個、少なくとも6個、少なくとも7個、少なくとも8個、少なくとも9個、少なくとも10個、少なくとも11個、少なくとも12個、少なくとも13個、少なくとも14個、少なくとも15個、少なくとも16個、少なくとも17個、少なくとも18個、少なくとも19個、または少なくとも20個の炭素を含むことができる。いくつかの実施形態では、この脂肪族側鎖は、少なくとも10個の炭素を含む。いくつかの実施形態では、この脂肪族鎖はアルキル鎖である。このアルキル鎖は、少なくとも5個、少なくとも10個、少なくとも15個、または少なくとも20個の炭素を含むことができる。このアルキル鎖は、少なくとも5個、少なくとも6個、少なくとも7個、少なくとも8個、少なくとも9個、少なくとも10個、少なくとも11個、少なくとも12個、少なくとも13個、少なくとも14個、少なくとも15個、少なくとも16個、少なくとも17個、少なくとも18個、少なくとも19個、または少なくとも20個の炭素を含むことができる。いくつかの実施形態では、アルキル鎖は、少なくとも10個の炭素を含む。いくつかの実施形態では、シロキサンネットワークは、アルキレン、アルコキシ、アルケニル、アルケニレン、アルキニル、アルキニレン、アルキルアミン、シクロアルキル、シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキレンを含む。アルキル鎖は、相互侵入ネットワークの形成中に、架橋に加わり得る。アルキル鎖は、相互侵入ネットワークの形成中に、発色団ポリマーおよび/またはシロキサンネットワークと化学的に会合し得る。さらに、発色団ポリマーは、バイオコンジュゲーションに適した、カルボキシル、アミン、チオール(-SH)、カルボキシレートもしくはカルボン酸、マレイミド、無水マレイン酸、N-ヒドロキシスクシンイミド(NHS)、アルコール(-OH)もしくはシアネート、またはその組合せを含む官能性シラン種を含むことができる。いくつかの実施形態では、発色団ポリマーはカルボキシルを含むことができる。いくつかの実施形態では、ハイブリッドポリマードットは、バイオコンジュゲーションに適した官能性シラン種で官能化された表面を有する。
【0083】
図12は、シラン鎖およびバイオコンジュゲーションのための官能性シラン鎖を含むコンジュゲートポリマーの一般的な概略図を提供する。いくつかの実施形態では、半導体発色団ポリマーは、
【化2】
から選択され得る複数の単位Mを含むことができ、
式中、
R
Sは、
【化3】
であり、
R
Fは、
【化4】
であり、
A
0、A
4、A
8、A
12、A
15、A
18は、それぞれ独立に、C
nH
2nまたはC
nF
2nであり、A
1、A
2、A
3、A
5、A
6、A
7、A
9、A
10、A
11、A
13、A
14、A
16、A
17、A
19は、それぞれ独立に、C
mH
2m+1またはC
mF
2m+1、C
mF
2mであり、X
1、X
2、X
3、X
4は、それぞれ独立に、限定されるものではないが、アミン、カルボキシレートもしくはカルボン酸、マレイミド、無水マレイン酸、チオール(-SH)、N-ヒドロキシスクシンイミド(NHS)または本明細書に記載の他の官能基のいずれかを含む1つまたは複数の活性基を含有する官能基であり、nは1以上であり、mは1以上である。いくつかの実施形態では、nは、2以上であるか、3以上であるか、4以上であるか、5以上であるか、6以上であるか、7以上であるか、8以上であるか、9以上であるか、または10以上である。いくつかの実施形態では、nは2以上である。いくつかの実施形態では、nは40以下である。いくつかの実施形態では、nは20以下である。いくつかの実施形態では、nは1以上であり、そして20以下である。いくつかの実施形態では、nは2以上であり、そして20以下である。いくつかの実施形態では、mは、2以上、3,以上、4以上、5以上、6以上、7以上、8以上、9以上、または10以上である。いくつかの実施形態では、mは3以上である。いくつかの実施形態では、mは6以上である。いくつかの実施形態では、mは、5以下、6以下、7以下、8以下、9以下、または10以下である。いくつかの実施形態では、mは20以下である。いくつかの実施形態では、mは40以下である。いくつかの実施形態では、mは60以下である。
【0084】
いくつかの実施形態では、発色団ポリマーのペンダント側鎖は、以下に示す通り、シラン鎖(「RS」)、および1つまたは複数の官能基(「LX」)を含む官能性鎖を含む。このシラン鎖は、脂肪族鎖を含むことができる。この脂肪族鎖は、少なくとも5個、少なくとも10個、少なくとも15個、または少なくとも20個の炭素を含むことができる。
この脂肪族鎖は、少なくとも5個、少なくとも6個、少なくとも7個、少なくとも8個、少なくとも9個、少なくとも10個、少なくとも11個、少なくとも12個、少なくとも13個、少なくとも14個、少なくとも15個、少なくとも16個、少なくとも17個、少なくとも18個、少なくとも19個、または少なくとも20個の炭素を含むことができる。いくつかの実施形態では、この脂肪族側鎖は、少なくとも10個の炭素を含む。いくつかの実施形態では、この脂肪族鎖はアルキル鎖である。このアルキル鎖は、少なくとも5個、少なくとも10個、少なくとも15個、または少なくとも20個の炭素を含むことができる。このアルキル鎖は、少なくとも5個、少なくとも6個、少なくとも7個、少なくとも8個、少なくとも9個、少なくとも10個、少なくとも11個、少なくとも12個、少なくとも13個、少なくとも14個、少なくとも15個、少なくとも16個、少なくとも17個、少なくとも18個、少なくとも19個、または少なくとも20個の炭素を含むことができる。いくつかの実施形態では、このアルキル鎖は、少なくとも10個の炭素を含む。いくつかの実施形態では、このシロキサンネットワークは、アルキレン、アルコキシ、アルケニル、アルケニレン、アルキニル、アルキニレン、アルキルアミン、シクロアルキル、シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキレンを含む。アルキル鎖は、相互侵入ネットワークの形成中に、架橋に加わり得る。アルキル鎖は、相互侵入ネットワークの形成中に、発色団ポリマーおよび/またはシロキサンネットワークと化学的に会合し得る。さらに、発色団ポリマーは、バイオコンジュゲーションに適した、カルボキシル、アミン、チオール(-SH)、カルボキシレートもしくはカルボン酸、マレイミド、無水マレイン酸、N-ヒドロキシスクシンイミド(NHS)、アルコール(-OH)もしくはシアネート、またはその組合せを含む官能基を含む官能性鎖(「X」)を含むことができる。この官能基は、リンカー(「L」)を介してポリマー骨格に結合され得る。いくつかの実施形態では、発色団ポリマーはカルボキシルを含むことができる。いくつかの実施形態では、ハイブリッドポリマードットは、バイオコンジュゲーションに適した官能性種で官能化された表面を有する。
【0085】
図13は、シラン鎖およびバイオコンジュゲーションのための官能性鎖を含むコンジュゲートポリマーの一般的な概略図を提供する。いくつかの実施形態では、半導体発色団ポリマーは、
【化5】
から選択され得る複数の単位Mを含むことができ、
式中、
R
Sは、
【化6】
であり、
A
0、A
4、A
8は、それぞれ独立に、C
nH
2nまたはC
nF
2nであり、A
1、A
2、A
3、A
5、A
6、A
7、A
9、A
10、A
11は、それぞれ独立に、C
mH
2m+1またはC
mF
2m+1、C
mF
2mであり、Xは、限定されるものではないが、アミン、カルボキシレートもしくはカルボン酸、マレイミド、無水マレイン酸、チオール(-SH
)、N-ヒドロキシスクシンイミド(NHS)または本明細書に記載の他の官能基のいずれかを含む1つまたは複数の活性基を含有する官能基であり、Lは、ポリマー骨格と官能基Xとの間のリンカーであり、nは1以上であり、そしてmは1以上である。いくつかの実施形態では、nは、2以上であるか、3以上であるか、4以上であるか、5以上であるか、6以上であるか、7以上であるか、8以上であるか、9以上であるか、または10以上である。いくつかの実施形態では、nは2以上である。いくつかの実施形態では、nは40以下である。いくつかの実施形態では、nは20以下である。いくつかの実施形態では、nは1以上であり、そして20以下である。いくつかの実施形態では、mは、2以上、3以上、4以上、5以上、6以上、7以上、8以上、9以上、または10以上である。いくつかの実施形態では、nは2以上であり、そして20以下である。いくつかの実施形態では、mは3以上である。いくつかの実施形態では、mは6以上である。いくつかの実施形態では、mは、5以下、6以下、7以下、8以下、9以下、または10以下である。いくつかの実施形態では、mは20以下である。いくつかの実施形態では、mは40以下である。いくつかの実施形態では、mは60以下である。いくつかの実施形態では、mは1以上であり、そして20以下である。
【0086】
いくつかの実施形態では、発色団ポリマーのペンダント側鎖は、以下に示す通り、1つまたは複数の官能基を含む官能性シラン鎖(「RF」)を含む。この官能性シラン鎖は、脂肪族鎖を含むことができる。この脂肪族鎖は、少なくとも5個、少なくとも10個、少なくとも15個、または少なくとも20個の炭素を含むことができる。この脂肪族鎖は、少なくとも5個、少なくとも6個、少なくとも7個、少なくとも8個、少なくとも9個、少なくとも10個、少なくとも11個、少なくとも12個、少なくとも13個、少なくとも14個、少なくとも15個、少なくとも16個、少なくとも17個、少なくとも18個、少なくとも19個、または少なくとも20個の炭素を含むことができる。いくつかの実施形態では、この脂肪族側鎖は、少なくとも10個の炭素を含む。いくつかの実施形態では、この脂肪族鎖はアルキル鎖である。このアルキル鎖は、少なくとも5個、少なくとも10個、少なくとも15個、または少なくとも20個の炭素を含むことができる。このアルキル鎖は、少なくとも5個、少なくとも6個、少なくとも7個、少なくとも8個、少なくとも9個、少なくとも10個、少なくとも11個、少なくとも12個、少なくとも13個、少なくとも14個、少なくとも15個、少なくとも16個、少なくとも17個、少なくとも18個、少なくとも19個、または少なくとも20個の炭素を含むことができる。いくつかの実施形態では、このアルキル鎖は、少なくとも10個の炭素を含む。いくつかの実施形態では、このシロキサンネットワークは、アルキレン、アルコキシ、アルケニル、アルケニレン、アルキニル、アルキニレン、アルキルアミン、シクロアルキル、シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキレンを含む。アルキル鎖は、相互侵入ネットワークの形成中に、架橋に加わり得る。アルキル鎖は、相互侵入ネットワークの形成中に、発色団ポリマーおよび/またはシロキサンネットワークと化学的に会合し得る。さらに、官能性シラン鎖は、バイオコンジュゲーションに適した、カルボキシル、アミン、チオール(-SH)、カルボキシレートもしくはカルボン酸、マレイミド、無水マレイン酸、N-ヒドロキシスクシンイミド(NHS)、アルコール(-OH)もしくはシアネート、またはその組合せを含む官能基(「X」)を含むことができる。いくつかの実施形態では、ハイブリッドポリマードットは、バイオコンジュゲーションに適した官能性種で官能化された表面を有する。
【0087】
図14は、シラン鎖およびバイオコンジュゲーションのための官能性鎖を含むコンジュゲートポリマーの一般的な概略図を提供する。いくつかの実施形態では、半導体発色団ポリマーは、
【化7】
から選択され得る複数の単位Mを含むことができ、
式中、
R
Fは、
【化8】
であり、
A
0、A
3、A
6は、それぞれ独立に、C
nH
2nまたはC
nF
2nであり、A
1、A
2、A
4、A
5、A
7は、それぞれ独立に、C
mH
2m+1またはC
mF
2m+1であり、X
1、X
2、X
3、X
4は、それぞれ独立に、限定されるものではないが、アミン、カルボキシレートもしくはカルボン酸、マレイミド、無水マレイン酸、チオール(-SH)、N-ヒドロキシスクシンイミド(NHS)または本明細書に記載の他の官能基のいずれかを含む1つまたは複数の活性基を含有する官能基であり、nは1以上であり、そしてmは1以上である。いくつかの実施形態では、nは、2以上であるか、3以上であるか、4以上であるか、5以上であるか、6以上であるか、7以上であるか、8以上であるか、9以上であるか、または10以上である。いくつかの実施形態では、nは2以上である。いくつかの実施形態では、nは40以下である。いくつかの実施形態では、nは20以下である。いくつかの実施形態では、nは1以上であり、そして20以下である。いくつかの実施形態では、nは2以上であり、そして20以下である。いくつかの実施形態では、mは、2以上、3以上、4以上、5以上、6以上、7以上、8以上、9以上、または10以上である。いくつかの実施形態では、mは3以上である。いくつかの実施形態では、mは6以上である。いくつかの実施形態では、mは、5以下、6以下、7以下、8以下、9以下、または10以下である。いくつかの実施形態では、mは20以下である。いくつかの実施形態では、mは40以下である。いくつかの実施形態では、mは60以下である。いくつかの実施形態では、mは1以上であり、そして20以下である。
【0088】
いくつかの実施形態では、半導体発色団ポリマーは、バイオコンジュゲーションに適した官能基(X)、およびアルコキシシリルまたはアルキルシリルを含むことができる。
【0089】
いくつかの実施形態では、シロキサンネットワークは、
【化9】
からなる群から選択される単位を含むことができる複数の相互連結単位を含むことができ
、
式中、A
0、A
1、A
2、A
3は、それぞれ独立に、C
pH
2p+1、C
pF
2p+1、C
pH
2pXまたはC
pF
2pXであり、DはLXであり、ここで、Lはリンカー部分であり、pは1以上である。いくつかの実施形態では、pは2以上であるか、pは3以上であるか、pは4以上、5以上、6以上、7以上、8以上、9以上、または10以上である。いくつかの実施形態では、pは6以上である。いくつかの実施形態では、pは20以下である。いくつかの実施形態では、pは40以下である。いくつかの実施形態では、pは60以下である。いくつかの実施形態では、pは6以上であり、そして20以下である。いくつかの実施形態では、pは6以上であり、そして15以下である。いくつかの実施形態では、pは6以上であり、そして10以下である。
【0090】
いくつかの実施形態では、オルガノシランは、シロキサンネットワークを含むハイブリッドポリマードットを形成するために使用され、そしてこのハイブリッドポリマードット中のシロキサンネットワークおよび/またはその成分(例えば、ケイ素)の重量パーセントは、所望に応じて変えることができる。いくつかの実施形態では、シロキサンネットワークおよび/またはその成分(例えば、ケイ素)の重量パーセントは、得られるハイブリッドポリマードット中のコア-シェル構造の形成を回避するように選択される。特定の実施形態では、ハイブリッドポリマードット中のシロキサンネットワーク由来のケイ素の重量パーセントは、約1%に等しいかもしくはそれより低いか、約5%に等しいかもしくはそれより低いか、約10%に等しいかもしくはそれより低いか、約15%に等しいかもしくはそれより低いか、約20%に等しいかもしくはそれより低いか、約25%に等しいかもしくはそれより低いか、約30%に等しいかもしくはそれより低いか、約35%に等しいかもしくはそれより低いか、約40%に等しいかもしくはそれより低いか、約45%に等しいかもしくはそれより低いか、または約47%に等しいかもしくはそれより低い。特定の実施形態では、ハイブリッドポリマードット中のシロキサンネットワーク由来のケイ素の重量パーセントは、約1%に等しいかもしくはそれより高いか、約5%に等しいかもしくはそれより高いか、約10%に等しいかもしくはそれより高いか、約15%に等しいかもしくはそれより高いか、約20%に等しいかもしくはそれより高いか、約25%に等しいかもしくはそれより高いか、約30%に等しいかもしくはそれより高いか、約35%に等しいかもしくはそれより高いか、約40%に等しいかもしくはそれより高いか、または約45%に等しいかもしくはそれより高い。特定の実施形態では、ハイブリッドポリマードット中のシロキサンネットワーク由来のケイ素の重量パーセントは、約1%~約45%の範囲内、または約1%~約47%の範囲内である。
【0091】
いくつかの実施形態では、ポリマードットは、少なくとも2つの直交型反応性化学基を含むことができる。いくつかの実施形態では、ポリマードットが含む少なくとも2つの直交型反応性化学基のうちの1つは、式CnH2nXまたはCnF2nXを有し、式中、Xはバイオコンジュゲーションに適した官能基であり、nは1以上である。いくつかの実施形態では、ポリマードットの少なくとも2つの直交型反応性化学基のうちの1つは、Xを含み、ここで、Xは、バイオコンジュゲーションに適した官能基である。半導体発色団ポリマーは、少なくとも2つの直交型反応性化学基を含むことができる。いくつかの実施形態では、半導体発色団ポリマーが含む少なくとも2つの直交型反応性化学基のうちの1つは、式CnH2nXまたはCnF2nXを有し、式中、Xは、バイオコンジュゲーションに適した官能基であり、nは1以上である。いくつかの実施形態では、nは2以上であるか、nは3以上であるか、nは、4以上、5以上、6以上、7以上、8以上、9以上、または10以上である。いくつかの実施形態では、nは6以上である。いくつかの実施形態では、nは20以下である。いくつかの実施形態では、nは40以下である。いくつかの実施形態では、nは60以下である。いくつかの実施形態では、nは6以上であり、そして20以下である。いくつかの実施形態では、nは6以上であり、そして15以下である。いくつかの実施形態では、nは6以上であり、そして10以下である。
ハイブリッドポリマードットにおいて使用するための発色団ポリマー
【0092】
本明細書に記載のハイブリッドポリマードットは、様々なタイプの発色団ポリマー、例えば、本明細書に記載の発色団ポリマータイプの1種類または複数を含むことができる。ハイブリッドポリマードットは、安定なサブミクロンの大きさの粒子に既に崩壊されている1つまたは複数の発色団ポリマー(例えば、半導体発色団ポリマー)を含むことができる。
【0093】
いくつかの実施形態では、本開示のハイブリッドポリマードットは、複数のポリマーを含む。特定の実施形態では、ポリマードットは、複数の半導体発色団ポリマーを含むことができる。特定の実施形態では、ハイブリッドポリマードットは、発色団ポリマーおよび非発色団ポリマーのブレンドを含むことができる。特定の実施形態では、ハイブリッドポリマードットは、半導体発色団ポリマーのブレンドを含むことができる。特定の実施形態では、ハイブリッドポリマードットは、半導体発色団ポリマーのブレンドを含む。ブレンドは、ホモポリマー、コポリマーおよびオリゴマーの任意の組合せを含むことができる。ハイブリッドポリマードットを形成するために使用されるポリマーブレンドは、得られるポリマー粒子の特性を調整するため、例えば、ハイブリッドポリマードットに関して所望の励起または発光スペクトルを達成するために選択されてよい。
【0094】
ハイブリッドポリマードットは、固定の、規則的なまたはランダムな配置構成および比で組み合わされ得る、1つまたは複数の繰り返し単位を含むポリマーを含むことができる。繰り返し単位は、モノマー、または芳香族もしくは複素環式単位などのポリマー全体を通して生じる化学モチーフであってよい。ポリマーは、ハロゲン化、例えば、フッ素化、塩素化、ホウ素化またはヨウ素化されていてもよい。ポリマー、繰り返し単位またはモノマーは、1つまたは複数の位置でハロゲン化することができる。ハロゲン化ポリマー、例えば、フッ素化ポリマーは、ハロゲン化されていない類似ポリマーが提供し得るよりも高いレベルの蛍光を提供することができる。
【0095】
発色団ポリマータイプの任意の適切な数および組合せ、例えば1つもしくは複数の発色団ポリマー、2つもしくはそれよりも多い発色団ポリマー、3つもしくはそれよりも多い発色団ポリマー、4つもしくはそれよりも多い発色団ポリマー、5つもしくはそれよりも多い発色団ポリマー、6つもしくはそれよりも多い発色団ポリマー、7つもしくはそれよりも多い発色団ポリマー、8つもしくはそれよりも多い発色団ポリマー、9つもしくはそれよりも多い発色団ポリマー、10個もしくはそれよりも多い発色団ポリマー、50個もしくはそれよりも多い発色団ポリマー、または100個もしくはそれよりも多い発色団ポリマーを、本明細書に記載のハイブリッドポリマードットに組み込むことができる。
【0096】
発色団ポリマーは、ホモポリマーまたはヘテロポリマーであってよい。様々な実施形態では、発色団ポリマーは、半導体ポリマー、非半導体ポリマーまたはその組合せであってよい。例えば、いくつかの半導体ポリマーが、本開示によるハイブリッドポリマードットにおいて使用するのに適している。全可視スペクトルを含む、UVから赤外の範囲の発光波長を有する半導体ポリマーが開発されている。半導体ポリマーの例には、限定されるものではないが、ポリ(9,9-ジヘキシルフルオレニル-2,7-ジイル)(PDHF)に基づく、およびポリ(9,9-ジオクチルフルオレニル-2,7-ジイル)(PFO)-に基づくポリマーを含む、ポリフルオレンに基づくポリマー、限定されるものではないが、ポリ[{9,9-ジオクチル-2,7-ジビニレン-フルオレニレン}-alt-co-{2-メトキシ-5-(2-エチルヘキシルオキシ)-1,4-フェニレン}](PFPV)に基づく、ポリ[(9,9-ジオクチルフルオレニル-2,7-ジイル)-co-(1,4-ベンゾ-{2,1,3}-チアジアゾール)](PFBT)に基づく、ポリ[(9,9-ジオクチルフルオレニル-2,7-ジイル)-co-(4,7-ジ-2-チ
エニル-2,1,3-ベンゾチアジアゾール)](PFTBT)に基づく、およびポリ[(9,9-ジオクチルフルオレニル-2,7-ジイル)-co-(4,7-ジ-2-チエニル-2,1,3-ベンゾチアジアゾール)](PF-0.1 TBT)に基づくポリマーを含む、フルオレンに基づくコポリマー、限定されるものではないが、ポリ[2-メトキシ-5-(2-エチルヘキシルオキシ)-1,4-フェニレンビニレン](MEH-PPV)に基づく、およびポリ[2-メトキシ-5-(2-エチルヘキシルオキシ)-1,4-(1-シアノビニレン-1,4-フェニレン)](CN-PPV)に基づくポリマーを含む、フェニレンビニレンに基づくポリマー、限定されるものではないが、ポリ(2,5-ジ(3’,7’-ジメチルオクチル)フェニレン-1,4-エチニレン(PPE)に基づくポリマーを含むフェニレンエチニレンに基づくポリマー、またはその組合せが含まれるが、それらに限定されない。
【0097】
多種多様な発色団ポリマー構造が、様々な実施形態および本開示の実施形態による使用に適している。いくつかの実施形態では、発色団ポリマーは、鎖状ポリマーである。他の実施形態では、発色団ポリマーは、分岐ポリマーである。特定の実施形態では、発色団ポリマーは、デンドリマーである。特定の実施形態では、発色団ポリマーは、ブラシ型ポリマーである。特定の実施形態では、発色団ポリマーは、スターポリマーである。
【0098】
いくつかの実施形態では、発色団ポリマーは、末端モノマー単位上で、例えば、カルボキシル、アミン、チオール、エステル、スクシンイミジルエステル、アジド、アルキン、シクロオクチン、ホスフィンまたは類似の官能基で官能化されたポリマーを含有する。このようなポリマーの例には、ポリ(メタ)アクリレートポリマー、ポリアクリルアミドポリマー、ポリイソブチレン、ポリジエン、ポリフェニレン、ポリエチレン、ポリ(エチレングリコール)、ポリラクチド、ポリスチレン、ポリシロキサン、ポリ(ビニルピリジン)、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリウレタン、そのブロックコポリマー、そのランダムまたは交互コポリマー等が含まれるが、それらに限定されない。
【0099】
本開示のいくつかの実施形態では、本明細書で提供されるハイブリッドポリマードットは、ポリ[2-メトキシ-5-(2-エチルヘキシルオキシ)-1,4-(1-シアノビニレン-1,4-フェニレン)]としても公知の、輝度が高く、コンパクトで、橙色光を発光する半導体ポリマー粒子である、ポリマーCN-PPVを含む。特定の実施形態では、CN-PPVは、吸収断面積が大きい、量子収率が高い、および発光速度が速いなどの優れた蛍光特性を有する。いくつかの実施形態では、ハイブリッドポリマードットは、CN-PPVから本質的になるポリマーを含む。いくつかの実施形態では、粒子は、CN-PPVおよび少なくとも1種類の他の材料を含む。例えば、CN-PPVは、コポリマーの一部を形成していてもよく、またはコポリマーもしくは追加の官能性を提供する他の材料と混合することができる。
【0100】
いくつかの実施形態では、本開示のハイブリッドポリマードットは少なくとも2つの異なる発色団単位を有する半導体コポリマーを含む。例えば、コンジュゲートコポリマーまたは半導体コポリマーは、所与の比で存在するフルオレンおよびベンゾチアゾール発色団単位の両方を含有することができる。半導体コポリマーを合成するのに使用される典型的な発色団単位には、フルオレン単位、フェニレンビニレン単位、フェニレン単位、フェニレンエチニレン単位、ベンゾチアゾール単位、チオフェン単位、カルバゾールフルオレン単位、ホウ素-ジピロメテン単位、スクアライン単位およびその誘導体が含まれるが、それらに限定されない。異なる発色団単位は、ブロックコポリマーにおけるように分離することができ、または混ぜ合わせることができる。いくつかの実施形態では、発色団コポリマーは、主要な発色団種の種類を記述することによって表される。例えば、PFBTは、フルオレンおよびベンゾチアゾール単位を特定の比で含有する発色団ポリマーである。いくつかの実施形態では、ダッシュを使用して、少量の発色団種の百分率、次に少量の発色
団種の種類を示す。例えば、PF-0.1 BTは、90%のPFおよび10%のBTを含有する発色団コポリマーである。
【0101】
いくつかの実施形態では、本開示のハイブリッドポリマードットは、狭帯域発光性単位(例えば、狭帯域モノマーおよび/または狭帯域単位)を有するポリマーを含む。例えば、本開示は、狭帯域モノマー、例えばBODIPYおよび/もしくはBODIPY誘導体モノマー、スクアラインおよび/もしくはスクアライン誘導体モノマー、金属錯体および/もしくは金属錯体誘導体モノマー、ポルフィリンおよび/もしくはポルフィリン誘導体モノマー、メタロポルフィリンおよび/もしくはメタロポルフィリン誘導体モノマー、フタロシアニンおよび/もしくはフタロシアニン(phthalocynanine)誘導体モノマー、ランタニド錯体および/もしくはランタニド錯体誘導体モノマー、ペリレンおよび/もしくはペリレン誘導体モノマー、シアニンおよび/もしくはシアニン誘導体モノマー、ローダミンおよび/もしくはローダミン誘導体モノマー、クマリンおよび/もしくはクマリン誘導体モノマー、ならびに/またはキサンテンおよび/もしくはキサンテン誘導体モノマーを含むホモポリマーまたはヘテロポリマーを含むことができる。特定の実施形態では、狭帯域単位は、例えば、ポリマードットに包埋されているか、または結合している狭帯域モノマーまたは蛍光ナノ粒子である。
【0102】
いくつかの実施形態では、ハイブリッドポリマードットは、フルオレンポリマー、フルオレンに基づくポリマーもしくはコポリマー、フェニレンビニレンに基づくポリマーもしくはコポリマー、フェニレンエチニレンに基づくポリマーもしくはコポリマー、およびBODIPYに基づくポリマーもしくはコポリマーを含むことができる。いくつかの実施形態では、ハイブリッドポリマードットは、ポリ(9,9-ジヘキシルフルオレニル-2,7-ジイル)(PDHF)、ポリ(9,9-ジオクチルフルオレニル-2,7-ジイル)(PFO)、ポリ[{9,9-ジオクチル-2,7-ジビニレン-フルオレニレン}-alt-co-{2-メトキシ-5-(2-エチルヘキシルオキシ)-1,4-フェニレン}](PFPV)、ポリ[(9,9-ジオクチルフルオレニル-2,7-ジイル)-co-(1,4-ベンゾ-{2,1,3}-チアジアゾール)](PFBT)、ポリ[(9,9-ジオクチルフルオレニル-2,7-ジイル)-co-(4,7-ジ-2-チエニル-2,1,3-ベンゾチアジアゾール)](PFTBT)、ポリ[(9,9-ジオクチルフルオレニル-2,7-ジイル)-9-co-(4,7-ジ-2-チエニル-2,1,3-ベンゾチアジアゾール)](PF-0.1TBT)、ポリ[2-メトキシ-5-(2-エチルヘキシルオキシ)-1,4-フェニレンビニレン](MEH-PPV)、ポリ[2-メトキシ-5-(2-エチルへキシルオキシ)-1,4-(1-シアノビニレン-1,4-フェニレン)](CN-PPV)、BODIPY 570、BODIPY 590、またはBODIPY 690を含むことができる。
【0103】
いくつかの実施形態では、ハイブリッドポリマードットは、BODIPY誘導体を含むことができる。このBODIPY誘導体は、式(I):
【化10】
の構造を有することができ、式中、R
1、R
2A、R
2B、R
3A、R
3B、R
4AおよびR
4Bのそれぞれは、水素(H)、重水素(D)、ハロゲン、直鎖または分枝鎖アルキル、ヘテロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキレン、アルコキシ、アリール、ヒドロキシル、シアノ、ニトロ、エーテルおよびその誘導体、エステルおよびそ
の誘導体、アルキルケトン、アルキルエステル、アリールエステル、アルキニル、アルキルアミン、フルオロアルキル、フルオロアリール、およびポリアルカレン(例えばメトキシエトキシエトキシ、エトキシエトキシ、および-(OCH
2CH
2)
nOH、n=1~50)、フェニル、アルキル-(アルコキシ-、アリール-、フルオロアルキル-、フルオロアリール-)置換フェニル、ピリジル、アルキル-(アルコキシ-、アリール-、フルオロアルキル-、フルオロアリール-)置換ピリジル、ビピリジル、アルキル-(アルコキシ-、アリール-、フルオロアルキル-、フルオロアリール-)置換ビピリジル トリピリジル、アルキル-(アルコキシ-、アリール-、フルオロアルキル-、フルオロアリール-)置換トリピリジル、フリル、アルキル-(アルコキシ-、アリール-、フルオロアルキル-、フルオロアリール-)置換フリル、チエニル、アルキル-(アルコキシ-、アリール-、フルオロアルキル-、フルオロアリール-)置換チエニル、ピロリル、アルキル-(アルコキシ-、アリール-、フルオロアルキル-、フルオロアリール-)置換ピロリル、ピラゾリル、アルキル-(アルコキシ-、アリール-、フルオロアルキル-、フルオロアリール-)置換ピラゾリル、オキサゾリル、アルキル-(アルコキシ-、アリール-、フルオロアルキル-、フルオロアリール-)置換オキサゾリル、チアゾリル、アルキル-(アルコキシ-、アリール-、フルオロアルキル-、フルオロアリール-)置換チアゾリル、イミダゾリル、アルキル-(アルコキシ-、アリール-、フルオロアルキル-、フルオロアリール-)置換イミダゾリル、ピラジニル、アルキル-(アルコキシ-、アリール-、フルオロアルキル-、フルオロアリール-)置換ピラジニル、ベンゾオキサジゾリル、アルキル-(アルコキシ-、アリール-、フルオロアルキル-、フルオロアリール-)置換ベンゾオキサジゾリル、ベンゾチアジゾリル、アルキル-(アルコキシ-、アリール-、フルオロアルキル-、フルオロアリール-)置換ベンゾチアジゾリル、フルオレニル、アルキル-(アルコキシ-、アリール-、フルオロアルキル-、フルオロアリール-)置換フルオレニル、トリフェニルアミニル置換フルオレニル、ジフェニルアミニル置換フルオレニル、アルキル置換カルバゾリル、アルキル置換トリフェニルアミニルおよびアルキル置換チオフェニルからなる群から独立に選択することができるが、これらに限定されない。例示的な実施形態として、アルキル置換フェニルには、2-アルキルフェニル、3-アルキルフェニル、4-アルキルフェニル、2,4-ジアルキルフェニル、3,5-ジアルキルフェニル、3,4-ジアルキルフェニルが含まれ得る。アルキル置換フルオレニルには、9,9-ジアルキル置換フルオレニル、7-アルキル-9,9-ジアルキル置換フルオレニル、6-アルキル-9,9-ジアルキル置換フルオレニル、7-トリフェニルアミニル-9,9-ジアルキル置換フルオレニル、および7-ジフェニルアミニル-9,9-ジアルキル置換フルオレニルが含まれ得る。アルキル置換カルバゾリルには、N-アルキル置換カルバゾリル、6-アルキル置換カルバゾリル、および7-アルキル置換カルバゾリルが含まれ得る。アルキル置換トリフェニルアミニルには、4’-アルキル置換トリフェニルアミニル、3’-アルキル置換トリフェニルアミニル、3’,4’-ジアルキル置換トリフェニルアミニル、および4’,4’’-アルキル置換トリフェニルアミニルが含まれ得る。アルキル置換チオフェニルには、2-アルキルチオフェニル、3-アルキルチオフェニル、および4-アルキルチオフェニル、N-ジアルキル-4-フェニル、N-ジフェニル-4-フェニル、およびN-ジアルコキシフェニル-4-フェニルが含まれ得る。狭帯域モノマーを、R
1、R
2A、R
2B、R
3A、R
3B、R
4A、R
4Bまたはこれらの組合せへの少なくとも1つの結合によって、ポリマー骨格に組み込むことができ(例えば、上記ポリマーにおいて重合させることができ)、かつ/またはポリマーの骨格、末端もしくは側鎖に共有結合により結合させることができる。
【0104】
いくつかの実施形態では、本開示のハイブリッドポリマードットは、式(II):
【化11】
の構造を有する狭帯域モノマーを含むポリマーを含み、式中、R
1、R
2A、R
2B、R
3A、R
3B、R
4AおよびR
4Bのそれぞれは、水素(H)、重水素(D)、ハロゲン、直鎖または分枝鎖アルキル、ヘテロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキレン、アルコキシ、アリール、ヒドロキシル、シアノ、ニトロ、エーテルおよびその誘導体、エステルおよびその誘導体、アルキルケトン、アルキルエステル、アリールエステル、アルキニル、アルキルアミン、フルオロアルキル、フルオロアリール、およびポリアルカレン(例えばメトキシエトキシエトキシ、エトキシエトキシ、および-(OCH
2CH
2)
nOH、n=1~50)、フェニル、アルキル-(アルコキシ-、アリール-、フルオロアルキル-、フルオロアリール-)置換フェニル、ピリジル、アルキル-(アルコキシ-、アリール-、フルオロアルキル-、フルオロアリール-)置換ピリジル、ビピリジル、アルキル-(アルコキシ-、アリール-、フルオロアルキル-、フルオロアリール-)置換ビピリジル トリピリジル、アルキル-(アルコキシ-、アリール-、フルオロアルキル-、フルオロアリール-)置換トリピリジル、フリル、アルキル-(アルコキシ-、アリール-、フルオロアルキル-、フルオロアリール-)置換フリル、チエニル、アルキル-(アルコキシ-、アリール-、フルオロアルキル-、フルオロアリール-)置換チエニル、ピロリル、アルキル-(アルコキシ-、アリール-、フルオロアルキル-、フルオロアリール-)置換ピロリル、ピラゾリル、アルキル-(アルコキシ-、アリール-、フルオロアルキル-、フルオロアリール-)置換ピラゾリル、オキサゾリル、アルキル-(アルコキシ-、アリール-、フルオロアルキル-、フルオロアリール-)置換オキサゾリル、チアゾリル、アルキル-(アルコキシ-、アリール-、フルオロアルキル-、フルオロアリール-)置換チアゾリル、イミダゾリル、アルキル-(アルコキシ-、アリール-、フルオロアルキル-、フルオロアリール-)置換イミダゾリル、ピラジニル、アルキル-(アルコキシ-、アリール-、フルオロアルキル-、フルオロアリール-)置換ピラジニル、ベンゾオキサジゾリル、アルキル-(アルコキシ-、アリール-、フルオロアルキル-、フルオロアリール-)置換ベンゾオキサジゾリル、ベンゾチアジゾリル、アルキル-(アルコキシ-、アリール-、フルオロアルキル-、フルオロアリール-)置換ベンゾチアジゾリル、フルオレニル、アルキル-(アルコキシ-、アリール-、フルオロアルキル-、フルオロアリール-)置換フルオレニル、トリフェニルアミニル置換フルオレニル、ジフェニルアミニル置換フルオレニル、アルキル置換カルバゾリル、アルキル置換トリフェニルアミニルおよびアルキル置換チオフェニルからなる群から独立に選択することができるが、これらに限定されない。例示的な実施形態として、アルキル置換フェニルには、2-アルキルフェニル、3-アルキルフェニル、4-アルキルフェニル、2,4-ジアルキルフェニル、3,5-ジアルキルフェニル、3,4-ジアルキルフェニルが含まれ得る。アルキル置換フルオレニルには、9,9-ジアルキル置換フルオレニル、7-アルキル-9,9-ジアルキル置換フルオレニル、6-アルキル-9,9-ジアルキル置換フルオレニル、7-トリフェニルアミニル-9,9-ジアルキル置換フルオレニル、および7-ジフェニルアミニル-9,9-ジアルキル置換フルオレニルが含まれ得る。アルキル置換カルバゾリルには、N-アルキル置換カルバゾリル、6-アルキル置換カルバゾリル、および7-アルキル置換カルバゾリルが含まれ得る。アルキル置換トリフェニルアミニルには、4’-アルキル置換トリフェニルアミニル、3’-アルキル置換トリフェニルアミニル、3’,4’-ジアルキル置換トリフェニルアミニル、および4’,4’’-アルキル置換トリフェニルアミニルが含まれ得る。アルキル置換チオフェニルには、2-
アルキルチオフェニル、3-アルキルチオフェニル、および4-アルキルチオフェニル、N-ジアルキル-4-フェニル、N-ジフェニル-4-フェニル、およびN-ジアルコキシフェニル-4-フェニルが含まれ得る。狭帯域モノマーを、R
1、R
2A、R
2B、R
3A、R
3B、R
4A、R
4Bまたはこれらの組合せへの少なくとも1つの結合によって、ポリマー骨格に組み込むことができ(例えば、上記ポリマーにおいて重合させることができ)、かつ/またはポリマーの骨格、末端もしくは側鎖に共有結合により結合させることができる。モノマーは、例えば、R
3AおよびR
3B基に結合させることによってポリマー骨格と統合することができる。
【0105】
いくつかの実施形態では、本開示のハイブリッドポリマードットは、式(III):
【化12】
の構造を有する狭帯域モノマーを含むポリマーを含み、式中、R
1、R
2AおよびR
2Bのそれぞれは、水素(H)、重水素(D)、ハロゲン、直鎖または分枝鎖アルキル、ヘテロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキレン、アルコキシ、アリール、ヒドロキシル、シアノ、ニトロ、エーテルおよびその誘導体、エステルおよびその誘導体、アルキルケトン、アルキルエステル、アリールエステル、アルキニル、アルキルアミン、フルオロアルキル、フルオロアリール、およびポリアルカレン(例えばメトキシエトキシエトキシ、エトキシエトキシ、および-(OCH
2CH
2)
nOH、n=1~50)、フェニル、アルキル-(アルコキシ-、アリール-、フルオロアルキル-、フルオロアリール-)置換フェニル、ピリジル、アルキル-(アルコキシ-、アリール-、フルオロアルキル-、フルオロアリール-)置換ピリジル、ビピリジル、アルキル-(アルコキシ-、アリール-、フルオロアルキル-、フルオロアリール-)置換ビピリジル トリピリジル、アルキル-(アルコキシ-、アリール-、フルオロアルキル-、フルオロアリール-)置換トリピリジル、フリル、アルキル-(アルコキシ-、アリール-、フルオロアルキル-、フルオロアリール-)置換フリル、チエニル、アルキル-(アルコキシ-、アリール-、フルオロアルキル-、フルオロアリール-)置換チエニル、ピロリル、アルキル-(アルコキシ-、アリール-、フルオロアルキル-、フルオロアリール-)置換ピロリル、ピラゾリル、アルキル-(アルコキシ-、アリール-、フルオロアルキル-、フルオロアリール-)置換ピラゾリル、オキサゾリル、アルキル-(アルコキシ-、アリール-、フルオロアルキル-、フルオロアリール-)置換オキサゾリル、チアゾリル、アルキル-(アルコキシ-、アリール-、フルオロアルキル-、フルオロアリール-)置換チアゾリル、イミダゾリル、アルキル-(アルコキシ-、アリール-、フルオロアルキル-、フルオロアリール-)置換イミダゾリル、ピラジニル、アルキル-(アルコキシ-、アリール-、フルオロアルキル-、フルオロアリール-)置換ピラジニル、ベンゾオキサジゾリル、アルキル-(アルコキシ-、アリール-、フルオロアルキル-、フルオロアリール-)置換ベンゾオキサジゾリル、ベンゾチアジゾリル、アルキル-(アルコキシ-、アリール-、フルオロアルキル-、フルオロアリール-)置換ベンゾチアジゾリル、フルオレニル、アルキル-(アルコキシ-、アリール-、フルオロアルキル-、フルオロアリール-)置換フルオレニル、トリフェニルアミニル置換フルオレニル、ジフェニルアミニル置換フルオレニル、アルキル置換カルバゾリル、アルキル置換トリフェニルアミニルおよびアルキル置換チオフェニルからなる群から独立に選択することができるが、これらに限定されない。例示的な実施形態として、アルキル置換フェニルには、2-アルキルフェニル、3-アルキルフェニル、4-アルキルフェニル、2,4-ジアルキルフェニル、3,5-ジアルキルフェニル、3,4-ジアルキルフェニルが含まれ得る。アルキル置換フルオレニ
ルには、9,9-ジアルキル置換フルオレニル、7-アルキル-9,9-ジアルキル置換フルオレニル、6-アルキル-9,9-ジアルキル置換フルオレニル、7-トリフェニルアミニル-9,9-ジアルキル置換フルオレニル、および7-ジフェニルアミニル-9,9-ジアルキル置換フルオレニルが含まれ得る。アルキル置換カルバゾリルには、N-アルキル置換カルバゾリル、6-アルキル置換カルバゾリル、および7-アルキル置換カルバゾリルが含まれ得る。アルキル置換トリフェニルアミニルには、4’-アルキル置換トリフェニルアミニル、3’-アルキル置換トリフェニルアミニル、3’,4’-ジアルキル置換トリフェニルアミニル、および4’,4’’-アルキル置換トリフェニルアミニルが含まれ得る。アルキル置換チオフェニルには、2-アルキルチオフェニル、3-アルキルチオフェニル、および4-アルキルチオフェニル、N-ジアルキル-4-フェニル、N-ジフェニル-4-フェニル、およびN-ジアルコキシフェニル-4-フェニルが含まれ得る。狭帯域モノマーを、例えばR
1、R
2A、R
2Bまたはこれらの組合せへの少なくとも1つの結合によって、ポリマー骨格に組み込むことができ(例えば、上記ポリマーにおいて重合させることができ)、かつ/またはポリマーの骨格、末端もしくは側鎖に共有結合により結合させることができる。括弧は、ポリマー骨格とのモノマーの結合点を示している。
【0106】
いくつかの実施形態では、本開示のハイブリッドポリマードットは、式(IV):
【化13】
の構造を有する狭帯域モノマーを含むポリマーを含み、式中、R
1、R
2A、R
2B、R
3A、およびR
3Bのそれぞれは、水素(H)、重水素(D)、ハロゲン、直鎖または分枝鎖アルキル、ヘテロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキレン、アルコキシ、アリール、ヒドロキシル、シアノ、ニトロ、エーテルおよびその誘導体、エステルおよびその誘導体、アルキルケトン、アルキルエステル、アリールエステル、アルキニル、アルキルアミン、フルオロアルキル、フルオロアリール、およびポリアルカレン(例えばメトキシエトキシエトキシ、エトキシエトキシ、および-(OCH
2CH
2)
nOH、n=1~50)、フェニル、アルキル-(アルコキシ-、アリール-、フルオロアルキル-、フルオロアリール-)置換フェニル、ピリジル、アルキル-(アルコキシ-、アリール-、フルオロアルキル-、フルオロアリール-)置換ピリジル、ビピリジル、アルキル-(アルコキシ-、アリール-、フルオロアルキル-、フルオロアリール-)置換ビピリジル トリピリジル、アルキル-(アルコキシ-、アリール-、フルオロアルキル-、フルオロアリール-)置換トリピリジル、フリル、アルキル-(アルコキシ-、アリール-、フルオロアルキル-、フルオロアリール-)置換フリル、チエニル、アルキル-(アルコキシ-、アリール-、フルオロアルキル-、フルオロアリール-)置換チエニル、ピロリル、アルキル-(アルコキシ-、アリール-、フルオロアルキル-、フルオロアリール-)置換ピロリル、ピラゾリル、アルキル-(アルコキシ-、アリール-、フルオロアルキル-、フルオロアリール-)置換ピラゾリル、オキサゾリル、アルキル-(アルコキシ-、アリール-、フルオロアルキル-、フルオロアリール-)置換オキサゾリル、チアゾリル、アルキル-(アルコキシ-、アリール-、フルオロアルキル-、フルオロアリール-)置換チアゾリル、イミダゾリル、アルキル-(アルコキシ-、アリール-、フルオロアルキル-、フルオロアリール-)置換イミダゾリル、ピラジニル、アルキル-(アルコキシ-、アリール-、フルオロアルキル-、フルオロアリール-)置換ピラジニル、ベンゾオキサジゾリル、アルキル-(アルコキシ-、アリール-、フルオロアルキル-、フ
ルオロアリール-)置換ベンゾオキサジゾリル、ベンゾチアジゾリル、アルキル-(アルコキシ-、アリール-、フルオロアルキル-、フルオロアリール-)置換ベンゾチアジゾリル、フルオレニル、アルキル-(アルコキシ-、アリール-、フルオロアルキル-、フルオロアリール-)置換フルオレニル、トリフェニルアミニル置換フルオレニル、ジフェニルアミニル置換フルオレニル、アルキル置換カルバゾリル、アルキル置換トリフェニルアミニルおよびアルキル置換チオフェニルからなる群から独立に選択することができるが、これらに限定されない。例示的な実施形態として、アルキル置換フェニルには、2-アルキルフェニル、3-アルキルフェニル、4-アルキルフェニル、2,4-ジアルキルフェニル、3,5-ジアルキルフェニル、3,4-ジアルキルフェニルが含まれ得る。アルキル置換フルオレニルには、9,9-ジアルキル置換フルオレニル、7-アルキル-9,9-ジアルキル置換フルオレニル、6-アルキル-9,9-ジアルキル置換フルオレニル、7-トリフェニルアミニル-9,9-ジアルキル置換フルオレニル、および7-ジフェニルアミニル-9,9-ジアルキル置換フルオレニルが含まれ得る。アルキル置換カルバゾリルには、N-アルキル置換カルバゾリル、6-アルキル置換カルバゾリル、および7-アルキル置換カルバゾリルが含まれ得る。アルキル置換トリフェニルアミニルには、4’-アルキル置換トリフェニルアミニル、3’-アルキル置換トリフェニルアミニル、3’,4’-ジアルキル置換トリフェニルアミニル、および4’,4’’-アルキル置換トリフェニルアミニルが含まれ得る。アルキル置換チオフェニルには、2-アルキルチオフェニル、3-アルキルチオフェニル、および4-アルキルチオフェニル、N-ジアルキル-4-フェニル、N-ジフェニル-4-フェニル、およびN-ジアルコキシフェニル-4-フェニルが含まれ得る。狭帯域モノマーを、R
1、R
2A、R
2B、R
3A、およびR
3Bまたはこれらの組合せへの少なくとも1つの結合によって、ポリマー骨格に組み込むことができ(例えば、上記ポリマーにおいて重合させることができ)、かつ/またはポリマーの骨格、末端もしくは側鎖に共有結合により結合させることができる。
【0107】
いくつかの実施形態では、本開示のハイブリッドポリマードットは、式(V):
【化14】
の構造を有する狭帯域モノマーを含むポリマーを含み、式中、R
1、R
2A、R
2B、R
3A、R
3B、R
4A、R
4B、R
5A、およびR
5Bのそれぞれは、水素(H)、重水素(D)、ハロゲン、直鎖または分枝鎖アルキル、ヘテロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキレン、アルコキシ、アリール、ヒドロキシル、シアノ、ニトロ、エーテルおよびその誘導体、エステルおよびその誘導体、アルキルケトン、アルキルエステル、アリールエステル、アルキニル、アルキルアミン、フルオロアルキル、フルオロアリール、およびポリアルカレン(例えばメトキシエトキシエトキシ、エトキシエトキシ、および-(OCH
2CH
2)
nOH、n=1~50)、フェニル、アルキル-(アルコキシ-、アリール-、フルオロアルキル-、フルオロアリール-)置換フェニル、ピリジル、アルキル-(アルコキシ-、アリール-、フルオロアルキル-、フルオロアリール-)置換ピリジル、ビピリジル、アルキル-(アルコキシ-、アリール-、フルオロアルキル-、フルオロアリール-)置換ビピリジル トリピリジル、アルキル-(アルコキシ-、アリール-、フルオロアルキル-、フルオロアリール-)置換トリピリジル、フリル、アルキル-(アルコキシ-、アリール-、フルオロアルキル-、フルオロアリール-)置換フリル、チエニル、アルキル-(アルコキシ-、アリール-、フルオロアルキル-、フルオロアリール-)置換チエニル、ピロリル、アルキル-(アルコキシ-、アリール-、フ
ルオロアルキル-、フルオロアリール-)置換ピロリル、ピラゾリル、アルキル-(アルコキシ-、アリール-、フルオロアルキル-、フルオロアリール-)置換ピラゾリル、オキサゾリル、アルキル-(アルコキシ-、アリール-、フルオロアルキル-、フルオロアリール-)置換オキサゾリル、チアゾリル、アルキル-(アルコキシ-、アリール-、フルオロアルキル-、フルオロアリール-)置換チアゾリル、イミダゾリル、アルキル-(アルコキシ-、アリール-、フルオロアルキル-、フルオロアリール-)置換イミダゾリル、ピラジニル、アルキル-(アルコキシ-、アリール-、フルオロアルキル-、フルオロアリール-)置換ピラジニル、ベンゾオキサジゾリル、アルキル-(アルコキシ-、アリール-、フルオロアルキル-、フルオロアリール-)置換ベンゾオキサジゾリル、ベンゾチアジゾリル、アルキル-(アルコキシ-、アリール-、フルオロアルキル-、フルオロアリール-)置換ベンゾチアジゾリル、フルオレニル、アルキル-(アルコキシ-、アリール-、フルオロアルキル-、フルオロアリール-)置換フルオレニル、トリフェニルアミニル置換フルオレニル、ジフェニルアミニル置換フルオレニル、アルキル置換カルバゾリル、アルキル置換トリフェニルアミニルおよびアルキル置換チオフェニルからなる群から独立に選択することができるが、これらに限定されない。例示的な実施形態として、アルキル置換フェニルには、2-アルキルフェニル、3-アルキルフェニル、4-アルキルフェニル、2,4-ジアルキルフェニル、3,5-ジアルキルフェニル、3,4-ジアルキルフェニルが含まれ得る。アルキル置換フルオレニルには、9,9-ジアルキル置換フルオレニル、7-アルキル-9,9-ジアルキル置換フルオレニル、6-アルキル-9,9-ジアルキル置換フルオレニル、7-トリフェニルアミニル-9,9-ジアルキル置換フルオレニル、および7-ジフェニルアミニル-9,9-ジアルキル置換フルオレニルが含まれ得る。アルキル置換カルバゾリルには、N-アルキル置換カルバゾリル、6-アルキル置換カルバゾリル、および7-アルキル置換カルバゾリルが含まれ得る。アルキル置換トリフェニルアミニルには、4’-アルキル置換トリフェニルアミニル、3’-アルキル置換トリフェニルアミニル、3’,4’-ジアルキル置換トリフェニルアミニル、および4’,4’’-アルキル置換トリフェニルアミニルが含まれ得る。アルキル置換チオフェニルには、2-アルキルチオフェニル、3-アルキルチオフェニル、および4-アルキルチオフェニル、N-ジアルキル-4-フェニル、N-ジフェニル-4-フェニル、およびN-ジアルコキシフェニル-4-フェニルが含まれ得る。狭帯域モノマーを、例えばR
1、R
2A、R
2B、R
3A、R
3B、R
4A、R
4B、R
5A、R
5Bまたはこれらの組合せへの少なくとも1つの結合によって、ポリマー骨格に組み込むことができ(例えば、上記ポリマーにおいて共重合させることができ)、かつ/またはポリマーの骨格、末端もしくは側鎖に共有結合により結合させることができる。特定の実施形態では、狭帯域モノマーは、R
5AおよびR
5B基に結合させることによって骨格に統合することができる。
【0108】
いくつかの実施形態では、本開示のハイブリッドポリマードットは、式(VI):
【化15】
の構造を有する狭帯域モノマーを含むポリマーを含み、式中、R
1A、R
1B、R
2A、R
2B、R
3AおよびR
3Bのそれぞれは、水素(H)、重水素(D)、ハロゲン、直鎖または分枝鎖アルキル、ヘテロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキレン、アルコキシ、アリール、ヒドロキシル、シアノ、ニトロ、エーテルおよびその誘導体、エステルおよびその誘導体、アルキルケトン、アルキルエステル、アリールエステル、
アルキニル、アルキルアミン、フルオロアルキル、フルオロアリール、およびポリアルカレン(例えばメトキシエトキシエトキシ、エトキシエトキシ、および-(OCH
2CH
2)
nOH、n=1~50)、フェニル、アルキル-(アルコキシ-、アリール-、フルオロアルキル-、フルオロアリール-)置換フェニル、ピリジル、アルキル-(アルコキシ-、アリール-、フルオロアルキル-、フルオロアリール-)置換ピリジル、ビピリジル、アルキル-(アルコキシ-、アリール-、フルオロアルキル-、フルオロアリール-)置換ビピリジル トリピリジル、アルキル-(アルコキシ-、アリール-、フルオロアルキル-、フルオロアリール-)置換トリピリジル、フリル、アルキル-(アルコキシ-、アリール-、フルオロアルキル-、フルオロアリール-)置換フリル、チエニル、アルキル-(アルコキシ-、アリール-、フルオロアルキル-、フルオロアリール-)置換チエニル、ピロリル、アルキル-(アルコキシ-、アリール-、フルオロアルキル-、フルオロアリール-)置換ピロリル、ピラゾリル、アルキル-(アルコキシ-、アリール-、フルオロアルキル-、フルオロアリール-)置換ピラゾリル、オキサゾリル、アルキル-(アルコキシ-、アリール-、フルオロアルキル-、フルオロアリール-)置換オキサゾリル、チアゾリル、アルキル-(アルコキシ-、アリール-、フルオロアルキル-、フルオロアリール-)置換チアゾリル、イミダゾリル、アルキル-(アルコキシ-、アリール-、フルオロアルキル-、フルオロアリール-)置換イミダゾリル、ピラジニル、アルキル-(アルコキシ-、アリール-、フルオロアルキル-、フルオロアリール-)置換ピラジニル、ベンゾオキサジゾリル、アルキル-(アルコキシ-、アリール-、フルオロアルキル-、フルオロアリール-)置換ベンゾオキサジゾリル、ベンゾチアジゾリル、アルキル-(アルコキシ-、アリール-、フルオロアルキル-、フルオロアリール-)置換ベンゾチアジゾリル、フルオレニル、アルキル-(アルコキシ-、アリール-、フルオロアルキル-、フルオロアリール-)置換フルオレニル、トリフェニルアミニル置換フルオレニル、ジフェニルアミニル置換フルオレニル、アルキル置換カルバゾリル、アルキル置換トリフェニルアミニルおよびアルキル置換チオフェニルからなる群から独立に選択することができるが、これらに限定されない。例示的な実施形態として、アルキル置換フェニルには、2-アルキルフェニル、3-アルキルフェニル、4-アルキルフェニル、2,4-ジアルキルフェニル、3,5-ジアルキルフェニル、3,4-ジアルキルフェニルが含まれ得る。アルキル置換フルオレニルには、9,9-ジアルキル置換フルオレニル、7-アルキル-9,9-ジアルキル置換フルオレニル、6-アルキル-9,9-ジアルキル置換フルオレニル、7-トリフェニルアミニル-9,9-ジアルキル置換フルオレニル、および7-ジフェニルアミニル-9,9-ジアルキル置換フルオレニルが含まれ得る。アルキル置換カルバゾリルには、N-アルキル置換カルバゾリル、6-アルキル置換カルバゾリル、および7-アルキル置換カルバゾリルが含まれ得る。アルキル置換トリフェニルアミニルには、4’-アルキル置換トリフェニルアミニル、3’-アルキル置換トリフェニルアミニル、3’,4’-ジアルキル置換トリフェニルアミニル、および4’,4’’-アルキル置換トリフェニルアミニルが含まれ得る。アルキル置換チオフェニルには、2-アルキルチオフェニル、3-アルキルチオフェニル、および4-アルキルチオフェニル、N-ジアルキル-4-フェニル、N-ジフェニル-4-フェニル、およびN-ジアルコキシフェニル-4-フェニルが含まれ得る。狭帯域モノマーを、R
1A、R
1B、R
2A、R
2B、R
3A、R
3Bまたはこれらの組合せへの少なくとも1つの結合によって、ポリマー骨格に組み込むことができ(例えば、上記ポリマーにおいて重合させることができ)、かつ/またはポリマーの骨格、末端もしくは側鎖に共有結合により結合させることができる。
【0109】
いくつかの実施形態では、本開示のハイブリッドポリマードットは、式(VII):
【化16】
の構造を有する狭帯域モノマーを含むポリマーを含み、式中、R
2A、R
2B、R
3A、R
3B、R
4A、R
4B、R
5AおよびR
5Bのそれぞれは、水素(H)、重水素(D)、ハロゲン、直鎖または分枝鎖アルキル、ヘテロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキレン、アルコキシ、アリール、ヒドロキシル、シアノ、ニトロ、エーテルおよびその誘導体、エステルおよびその誘導体、アルキルケトン、アルキルエステル、アリールエステル、アルキニル、アルキルアミン、フルオロアルキル、フルオロアリール、およびポリアルカレン(例えばメトキシエトキシエトキシ、エトキシエトキシ、および-(OCH
2CH
2)
nOH、n=1~50)、フェニル、アルキル-(アルコキシ-、アリール-、フルオロアルキル-、フルオロアリール-)置換フェニル、ピリジル、アルキル-(アルコキシ-、アリール-、フルオロアルキル-、フルオロアリール-)置換ピリジル、ビピリジル、アルキル-(アルコキシ-、アリール-、フルオロアルキル-、フルオロアリール-)置換ビピリジル トリピリジル、アルキル-(アルコキシ-、アリール-、フルオロアルキル-、フルオロアリール-)置換トリピリジル、フリル、アルキル-(アルコキシ-、アリール-、フルオロアルキル-、フルオロアリール-)置換フリル、チエニル、アルキル-(アルコキシ-、アリール-、フルオロアルキル-、フルオロアリール-)置換チエニル、ピロリル、アルキル-(アルコキシ-、アリール-、フルオロアルキル-、フルオロアリール-)置換ピロリル、ピラゾリル、アルキル-(アルコキシ-、アリール-、フルオロアルキル-、フルオロアリール-)置換ピラゾリル、オキサゾリル、アルキル-(アルコキシ-、アリール-、フルオロアルキル-、フルオロアリール-)置換オキサゾリル、チアゾリル、アルキル-(アルコキシ-、アリール-、フルオロアルキル-、フルオロアリール-)置換チアゾリル、イミダゾリル、アルキル-(アルコキシ-、アリール-、フルオロアルキル-、フルオロアリール-)置換イミダゾリル、ピラジニル、アルキル-(アルコキシ-、アリール-、フルオロアルキル-、フルオロアリール-)置換ピラジニル、ベンゾオキサジゾリル、アルキル-(アルコキシ-、アリール-、フルオロアルキル-、フルオロアリール-)置換ベンゾオキサジゾリル、ベンゾチアジゾリル、アルキル-(アルコキシ-、アリール-、フルオロアルキル-、フルオロアリール-)置換ベンゾチアジゾリル、フルオレニル、アルキル-(アルコキシ-、アリール-、フルオロアルキル-、フルオロアリール-)置換フルオレニル、トリフェニルアミニル置換フルオレニル、ジフェニルアミニル置換フルオレニル、アルキル置換カルバゾリル、アルキル置換トリフェニルアミニルおよびアルキル置換チオフェニルからなる群から独立に選択することができるが、これらに限定されない。例示的な実施形態として、アルキル置換フェニルには、2-アルキルフェニル、3-アルキルフェニル、4-アルキルフェニル、2,4-ジアルキルフェニル、3,5-ジアルキルフェニル、3,4-ジアルキルフェニルが含まれ得る。アルキル置換フルオレニルには、9,9-ジアルキル置換フルオレニル、7-アルキル-9,9-ジアルキル置換フルオレニル、6-アルキル-9,9-ジアルキル置換フルオレニル、7-トリフェニルアミニル-9,9-ジアルキル置換フルオレニル、および7-ジフェニルアミニル-9,9-ジアルキル置換フルオレニルが含まれ得る。アルキル置換カルバゾリルには、N-アルキル置換カルバゾリル、6-アルキル置換カルバゾリル、および7-アルキル置換カルバゾリルが含まれ得る。アルキル置換トリフェニルアミニルには、4’-アルキル置換トリフェニルアミニル、3’-アルキル置換トリフェニルアミニル、3’,4’-ジアルキル置換トリフェニルアミニル、および4’,4’’-アルキル置換トリフェニルアミニルが含まれ得る。アルキル置換チオフェニル
には、2-アルキルチオフェニル、3-アルキルチオフェニル、および4-アルキルチオフェニル、N-ジアルキル-4-フェニル、N-ジフェニル-4-フェニル、およびN-ジアルコキシフェニル-4-フェニルが含まれ得る。狭帯域モノマーを、R
2A、R
2B、R
3A、R
3B、R
4A、R
4B、R
5A、R
5Bまたはこれらの組合せへの少なくとも1つの結合によって、ポリマー骨格に組み込むことができ(例えば、上記ポリマーにおいて重合させることができ)、かつ/またはポリマーの骨格、末端もしくは側鎖に共有結合により結合させることができる。
【0110】
いくつかの実施形態では、本開示のハイブリッドポリマードットは、式(VIII):
【化17】
の構造を有する狭帯域モノマーを含むポリマーを含み、式中、R
1、R
2A、R
2B、R
3A、R
3B、R
4AおよびR
4Bのそれぞれは、水素(H)、重水素(D)、ハロゲン、直鎖または分枝鎖アルキル、ヘテロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキレン、アルコキシ、アリール、ヒドロキシル、シアノ、ニトロ、エーテルおよびその誘導体、エステルおよびその誘導体、アルキルケトン、アルキルエステル、アリールエステル、アルキニル、アルキルアミン、フルオロアルキル、フルオロアリール、およびポリアルカレン(例えばメトキシエトキシエトキシ、エトキシエトキシ、および-(OCH
2CH
2)
nOH、n=1~50)、フェニル、アルキル-(アルコキシ-、アリール-、フルオロアルキル-、フルオロアリール-)置換フェニル、ピリジル、アルキル-(アルコキシ-、アリール-、フルオロアルキル-、フルオロアリール-)置換ピリジル、ビピリジル、アルキル-(アルコキシ-、アリール-、フルオロアルキル-、フルオロアリール-)置換ビピリジル トリピリジル、アルキル-(アルコキシ-、アリール-、フルオロアルキル-、フルオロアリール-)置換トリピリジル、フリル、アルキル-(アルコキシ-、アリール-、フルオロアルキル-、フルオロアリール-)置換フリル、チエニル、アルキル-(アルコキシ-、アリール-、フルオロアルキル-、フルオロアリール-)置換チエニル、ピロリル、アルキル-(アルコキシ-、アリール-、フルオロアルキル-、フルオロアリール-)置換ピロリル、ピラゾリル、アルキル-(アルコキシ-、アリール-、フルオロアルキル-、フルオロアリール-)置換ピラゾリル、オキサゾリル、アルキル-(アルコキシ-、アリール-、フルオロアルキル-、フルオロアリール-)置換オキサゾリル、チアゾリル、アルキル-(アルコキシ-、アリール-、フルオロアルキル-、フルオロアリール-)置換チアゾリル、イミダゾリル、アルキル-(アルコキシ-、アリール-、フルオロアルキル-、フルオロアリール-)置換イミダゾリル、ピラジニル、アルキル-(アルコキシ-、アリール-、フルオロアルキル-、フルオロアリール-)置換ピラジニル、ベンゾオキサジゾリル、アルキル-(アルコキシ-、アリール-、フルオロアルキル-、フルオロアリール-)置換ベンゾオキサジゾリル、ベンゾチアジゾリル、アルキル-(アルコキシ-、アリール-、フルオロアルキル-、フルオロアリール-)置換ベンゾチアジゾリル、フルオレニル、アルキル-(アルコキシ-、アリール-、フルオロアルキル-、フルオロアリール-)置換フルオレニル、トリフェニルアミニル置換フルオレニル、ジフェニルアミニル置換フルオレニル、アルキル置換カルバゾリル、アルキル置
換トリフェニルアミニルおよびアルキル置換チオフェニルからなる群から独立に選択することができるが、これらに限定されない。例示的な実施形態として、アルキル置換フェニルには、2-アルキルフェニル、3-アルキルフェニル、4-アルキルフェニル、2,4-ジアルキルフェニル、3,5-ジアルキルフェニル、3,4-ジアルキルフェニルが含まれ得る。アルキル置換フルオレニルには、9,9-ジアルキル置換フルオレニル、7-アルキル-9,9-ジアルキル置換フルオレニル、6-アルキル-9,9-ジアルキル置換フルオレニル、7-トリフェニルアミニル-9,9-ジアルキル置換フルオレニル、および7-ジフェニルアミニル-9,9-ジアルキル置換フルオレニルが含まれ得る。アルキル置換カルバゾリルには、N-アルキル置換カルバゾリル、6-アルキル置換カルバゾリル、および7-アルキル置換カルバゾリルが含まれ得る。アルキル置換トリフェニルアミニルには、4’-アルキル置換トリフェニルアミニル、3’-アルキル置換トリフェニルアミニル、3’,4’-ジアルキル置換トリフェニルアミニル、および4’,4’’-アルキル置換トリフェニルアミニルが含まれ得る。アルキル置換チオフェニルには、2-アルキルチオフェニル、3-アルキルチオフェニル、および4-アルキルチオフェニル、N-ジアルキル-4-フェニル、N-ジフェニル-4-フェニル、およびN-ジアルコキシフェニル-4-フェニルが含まれ得、そして式中、R
5A、R
5B、R
6AおよびR
6Bのそれぞれは、水素(H)、重水素(D)、ハロゲン、直鎖または分枝鎖アルキル、ヘテロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキレン、アルコキシ、アリール、ヒドロキシル、シアノ、ニトロ、エーテルおよびその誘導体、エステルおよびその誘導体、アルキルケトン、アルキルエステル、アリールエステル、アルキニル、アルキルアミン、フルオロアルキル、フルオロアリール、およびポリアルカレン(例えばメトキシエトキシエトキシ、エトキシエトキシ、および-(OCH
2CH
2)
nOH、n=1~50)、フェニル、アルキル-(アルコキシ-、アリール-、フルオロアルキル-、フルオロアリール-)置換フェニル、ピリジル、アルキル-(アルコキシ-、アリール-、フルオロアルキル-、フルオロアリール-)置換ピリジル、ビピリジル、アルキル-(アルコキシ-、アリール-、フルオロアルキル-、フルオロアリール-)置換ビピリジル トリピリジル、アルキル-(アルコキシ-、アリール-、フルオロアルキル-、フルオロアリール-)置換トリピリジル、フリル、アルキル-(アルコキシ-、アリール-、フルオロアルキル-、フルオロアリール-)置換フリル、チエニル、アルキル-(アルコキシ-、アリール-、フルオロアルキル-、
フルオロアリール-)置換チエニル、ピロリル、アルキル-(アルコキシ-、アリール-、フルオロアルキル-、フルオロアリール-)置換ピロリル、ピラゾリル、アルキル-(アルコ
キシ-、アリール-、フルオロアルキル-、フルオロアリール-)置換ピラゾリル、オキサゾリル、アルキル-(アルコキシ-、アリール-、フルオロアルキル-、フルオロアリール-)
置換オキサゾリル、チアゾリル、アルキル-(アルコキシ-、アリール-、フルオロアルキ
ル-、フルオロアリール-)置換チアゾリル、イミダゾリル、アルキル-(アルコキシ-、アリール-、フルオロアルキル-、フルオロアリール-)置換イミダゾリル、ピラジニル、ア
ルキル-(アルコキシ-、アリール-、フルオロアルキル-、フルオロアリール-)置換ピラ
ジニル、ベンゾオキサジゾリル、アルキル-(アルコキシ-、アリール-、フルオロアルキ
ル-、フルオロアリール-)置換ベンゾオキサジゾリル、ベンゾチアジゾリル、アルキル-
(アルコキシ-、アリール-、フルオロアルキル-、フルオロアリール-)置換ベンゾチアジゾリル、フルオレニル、アルキル-(アルコキシ-、アリール-、フルオロアルキル-、フルオロアリール-)置換フルオレニル、トリフェニルアミニル置換フルオレニル、ジフェニ
ルアミニル置換フルオレニル、アルキル置換カルバゾリル、アルキル置換トリフェニルアミニルおよびアルキル置換チオフェニルからなる群から独立に選択することができるが、これらに限定されない。例示的な実施形態として、アルキル置換フェニルには、2-アルキルフェニル、3-アルキルフェニル、4-アルキルフェニル、2,4-ジアルキルフェニル、3,5-ジアルキルフェニル、3,4-ジアルキルフェニルが含まれ得る。アルキル置換フルオレニルには、9,9-ジアルキル置換フルオレニル、7-アルキル-9,9-ジアルキル置換フルオレニル、6-アルキル-9,9-ジアルキル置換フルオレニル、7-トリフェニルアミニル-9,9-ジアルキル置換フルオレニル、および7-ジフェニ
ルアミニル-9,9-ジアルキル置換フルオレニルが含まれ得る。アルキル置換カルバゾリルには、N-アルキル置換カルバゾリル、6-アルキル置換カルバゾリル、および7-アルキル置換カルバゾリルが含まれ得る。アルキル置換トリフェニルアミニルには、4’-アルキル置換トリフェニルアミニル、3’-アルキル置換トリフェニルアミニル、3’,4’-ジアルキル置換トリフェニルアミニル、および4’,4’’-アルキル置換トリフェニルアミニルが含まれ得る。アルキル置換チオフェニルには、2-アルキルチオフェニル、3-アルキルチオフェニル、および4-アルキルチオフェニル、N-ジアルキル-4-フェニル、N-ジフェニル-4-フェニル、およびN-ジアルコキシフェニル-4-フェニルが含まれ得る。狭帯域モノマーを、R
1、R
2A、R
2B、R
3A、R
3B、R
4A、R
4B、R
5A、R
5B、R
6A、R
6Bまたはこれらの組合せへの少なくとも1つの結合によって、ポリマー骨格に組み込むことができ(例えば、上記ポリマーにおいて共重合させることができ)、かつ/またはポリマーの骨格、末端もしくは側鎖に共有結合により結合させることができる。
【0111】
いくつかの実施形態では、本開示のハイブリッドポリマードットは、式(IX):
【化18】
の構造を有する狭帯域モノマーを含むポリマーを含み、式中、Xは、式(X)、(XI)、(XII)、および(XIII):
【化19】
またはこれらの誘導体のうちのいずれか1つの構造を有し、ここで式(X)、(XI)、(XII)、および(XIII)中のR
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9、R
10、R
11、R
12、R
13、R
14およびR
15のそれぞれは、水素(H)、重水素(D)、ハロゲン、直鎖または分枝鎖アルキル、ヘテロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキレン、アルコキシ、アリール、ヒドロキシル、シアノ、ニトロ、エーテルおよびその誘導体、エステルおよびその誘導体、アルキルケトン、アルキルエステル、アリールエステル、アルキニル、アルキルアミン、フルオロアルキル、フ
ルオロアリール、およびポリアルカレン(例えばメトキシエトキシエトキシ、エトキシエトキシ、および-(OCH
2CH
2)
nOH、n=1~50)、フェニル、アルキル-(アルコキシ-、アリール-、フルオロアルキル-、フルオロアリール-)置換フェニル、ピリジル、アルキル-(アルコキシ-、アリール-、フルオロアルキル-、フルオロアリール-)置換ピリジル、ビピリジル、アルキル-(アルコキシ-、アリール-、フルオロアルキル-、フルオロアリール-)置換ビピリジル トリピリジル、アルキル-(アルコキシ-、アリール-、フルオロアルキル-、フルオロアリール-)置換トリピリジル、フリル、アルキル-(アルコキシ-、アリール-、フルオロアルキル-、フルオロアリール-)置換フリル、チエニル、アルキル-(アルコキシ-、アリール-、フルオロアルキル-、フルオロアリール-)置換チエニル、ピロリル、アルキル-(アルコキシ-、アリール-、フルオロアルキル-、フルオロアリール-)置換ピロリル、ピラゾリル、アルキル-(アルコキシ-、アリール-、フルオロアルキル-、フルオロアリール-)置換ピラゾリル、オキサゾリル、アルキル-(アルコキシ-、アリール-、フルオロアルキル-、フルオロアリール-)置換オキサゾリル、チアゾリル、アルキル-(アルコキシ-、アリール-、フルオロアルキル-、フルオロアリール-)置換チアゾリル、イミダゾリル、アルキル-(アルコキシ-、アリール-、フルオロアルキル-、フルオロアリール-)置換イミダゾリル、ピラジニル、アルキル-(アルコキシ-、アリール-、フルオロアルキル-、フルオロアリール-)置換ピラジニル、ベンゾオキサジゾリル、アルキル-(アルコキシ-、アリール-、フルオロアルキル-、フルオロアリール-)置換ベンゾオキサジゾリル、ベンゾチアジゾリル、アルキル-(アルコキシ-、アリール-、フルオロアルキル-、フルオロアリール-)置換ベンゾチアジゾリル、フルオレニル、アルキル-(アルコキシ-、アリール-、フルオロアルキル-、フルオロアリール-)置換フルオレニル、トリフェニルアミニル置換フルオレニル、ジフェニルアミニル置換フルオレニル、アルキル置換カルバゾリル、アルキル置換トリフェニルアミニルおよびアルキル置換チオフェニルからなる群から独立に選択することができるが、これらに限定されない。例示的な実施形態として、アルキル置換フェニルには、2-アルキルフェニル、3-アルキルフェニル、4-アルキルフェニル、2,4-ジアルキルフェニル、3,5-ジアルキルフェニル、3,4-ジアルキルフェニルが含まれ得る。アルキル置換フルオレニルには、9,9-ジアルキル置換フルオレニル、7-アルキル-9,9-ジアルキル置換フルオレニル、6-アルキル-9,9-ジアルキル置換フルオレニル、7-トリフェニルアミニル-9,9-ジアルキル置換フルオレニル、および7-ジフェニルアミニル-9,9-ジアルキル置換フルオレニルが含まれ得る。アルキル置換カルバゾリルには、N-アルキル置換カルバゾリル、6-アルキル置換カルバゾリル、および7-アルキル置換カルバゾリルが含まれ得る。アルキル置換トリフェニルアミニルには、4’-アルキル置換トリフェニルアミニル、3’-アルキル置換トリフェニルアミニル、3’,4’-ジアルキル置換トリフェニルアミニル、および4’,4’’-アルキル置換トリフェニルアミニルが含まれ得る。アルキル置換チオフェニルには、2-アルキルチオフェニル、3-アルキルチオフェニル、および4-アルキルチオフェニル、N-ジアルキル-4-フェニル、N-ジフェニル-4-フェニル、およびN-ジアルコキシフェニル-4-フェニルが含まれ得る。Xがナフタレンおよびその誘導体を表す場合、狭帯域モノマーを、R
7、R
8、R
9、R
10、R
11、R
12、R
13またはこれらの組合せへの少なくとも1つの結合によって、ポリマー骨格に組み込むことができ(例えば、上記ポリマーにおいて重合させることができ)、かつ/またはポリマーの骨格、末端もしくは側鎖に共有結合により結合させることができる。Xがアントラセンおよびその誘導体を表す場合、狭帯域モノマーを、例えばR
7、R
8、R
9、R
10、R
11、R
12、R
13、R
14、R
15またはこれらの組合せへの少なくとも1つの結合によって、ポリマー骨格に組み込むことができ、かつ/またはポリマーの骨格、末端もしくは側鎖に共有結合により結合させることができる。
【0112】
本開示の狭帯域モノマーは、ジピリン誘導体をさらに含むことができる。ジピリンおよびジピリン誘導体を、重合させてポリマー(例えば、ホモポリマーまたはヘテロポリマー
)を形成することができ、かつ/またはポリマーの骨格、側鎖および/もしくは末端に結合させることができる(例えば、共有結合により結合させることができる)。例えば、本開示のハイブリッドポリマードットは、式(XIV):
【化20】
の構造を有する狭帯域モノマーを含むポリマーを含むことができ、式中、Mは金属である。Mの例は、Na、Li、Zn、CoまたはSiであってよいが、これらに限定されない。Xは、ハロゲン、アルキル、フェニル、アルキルフェニル、チオフェニル、アルキルチオフェニル、アルコキシル、アルコキシルフェニル、アルキルチオフェニル、エステルまたはヒドロキシルなど(しかし、これらに限定されない)の置換基を含むことができる。X基の数(n)は、1であっても、1より大きくてもよく、nは、0、1、2、3、4であってよい。R
1、R
2A、R
2B、R
3A、R
3B、R
4AおよびR
4Bのそれぞれは、水素(H)、重水素(D)、ハロゲン、直鎖または分枝鎖アルキル、ヘテロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキレン、アルコキシ、アリール、ヒドロキシル、シアノ、ニトロ、エーテルおよびその誘導体、エステルおよびその誘導体、アルキルケトン、アルキルエステル、アリールエステル、アルキニル、アルキルアミン、フルオロアルキル、フルオロアリール、およびポリアルカレン(例えばメトキシエトキシエトキシ、エトキシエトキシ、および-(OCH
2CH
2)
nOH、n=1~50)、フェニル、アルキル-(アルコキシ-、アリール-、フルオロアルキル-、フルオロアリール-)置換フェニル、ピリジル、アルキル-(アルコキシ-、アリール-、フルオロアルキル-、フルオロアリール-)置換ピリジル、ビピリジル、アルキル-(アルコキシ-、アリール-、フルオロアルキル-、フルオロアリール-)置換ビピリジル トリピリジル、アルキル-(アルコキシ-、アリール-、フルオロアルキル-、フルオロアリール-)置換トリピリジル、フリル、アルキル-(アルコキシ-、アリール-、フルオロアルキル-、フルオロアリール-)置換フリル、チエニル、アルキル-(アルコキシ-、アリール-、フルオロアルキル-、フルオロアリール-)置換チエニル、ピロリル、アルキル-(アルコキシ-、アリール-、フルオロアルキル-、フルオロアリール-)置換ピロリル、ピラゾリル、アルキル-(アルコキシ-、アリール-、フルオロアルキル-、フルオロアリール-)置換ピラゾリル、オキサゾリル、アルキル-(アルコキシ-、アリール-、フルオロアルキル-、フルオロアリール-)置換オキサゾリル、チアゾリル、アルキル-(アルコキシ-、アリール-、フルオロアルキル-、フルオロアリール-)置換チアゾリル、イミダゾリル、アルキル-(アルコキシ-、アリール-、フルオロアルキル-、フルオロアリール-)置換イミダゾリル、ピラジニル、アルキル-(アルコキシ-、アリール-、フルオロアルキル-、フルオロアリール-)置換ピラジニル、ベンゾオキサジゾリル、アルキル-(アルコキシ-、アリール-、フルオロアルキル-、フルオロアリール-)置換ベンゾオキサジゾリル、ベンゾチアジゾリル、アルキル-(アルコキシ-、アリール-、フルオロアルキル-、フルオロアリール-)置換ベンゾチアジゾリル、フルオレニル、アルキル-(アルコキシ-、アリール-、フルオロアルキル-、フルオロアリール-)置換フルオレニル、トリフェニルアミニル置換フルオレニル、ジフェニルアミニル置換フルオレニル、アルキル置換カルバゾリル、アルキル置換トリフェニルアミニルおよびアルキル置換チオフェニルからなる群から独立に選択することができるが、これらに限定されない。例示的な実施形態として、アルキル置換フェニルには、2-アルキルフェニル、3-アルキルフ
ェニル、4-アルキルフェニル、2,4-ジアルキルフェニル、3,5-ジアルキルフェニル、3,4-ジアルキルフェニルが含まれ得る。アルキル置換フルオレニルには、9,9-ジアルキル置換フルオレニル、7-アルキル-9,9-ジアルキル置換フルオレニル、6-アルキル-9,9-ジアルキル置換フルオレニル、7-トリフェニルアミニル-9,9-ジアルキル置換フルオレニル、および7-ジフェニルアミニル-9,9-ジアルキル置換フルオレニルが含まれ得る。アルキル置換カルバゾリルには、N-アルキル置換カルバゾリル、6-アルキル置換カルバゾリル、および7-アルキル置換カルバゾリルが含まれ得る。アルキル置換トリフェニルアミニルには、4’-アルキル置換トリフェニルアミニル、3’-アルキル置換トリフェニルアミニル、3’,4’-ジアルキル置換トリフェニルアミニル、および4’,4’’-アルキル置換トリフェニルアミニルが含まれ得る。アルキル置換チオフェニルには、2-アルキルチオフェニル、3-アルキルチオフェニル、および4-アルキルチオフェニル、N-ジアルキル-4-フェニル、N-ジフェニル-4-フェニル、およびN-ジアルコキシフェニル-4-フェニルが含まれ得る。狭帯域モノマーを、R
1、R
2A、R
2B、R
3A、R
3B、R
4A、R
4B、またはこれらの組合せへの少なくとも1つの結合によって、ポリマー骨格に組み込むことができ(例えば、上記ポリマーにおいて重合させることができ)、かつ/またはポリマーの骨格、末端もしくは側鎖に共有結合により結合させることができる。
【0113】
いくつかの実施形態では、ハイブリッドポリマードットを作製するための狭帯域発光性ポリマーは、スクアラインおよびスクアライン誘導体を狭帯域モノマーとして含む。スクアライン誘導体には、それらのアルキル誘導体、アリール誘導体、アルキン誘導体、芳香族誘導体、アルコキシド誘導体、アザ誘導体、それらの拡張系および類似体が含まれるが、これらに限定されない。狭帯域発光性ポリマーは、任意の他のモノマーを含むこともできる。スクアラインおよびそれらの誘導体は、最終的なハイブリッドポリマードットが狭帯域発光を呈することができるように、エネルギー受容体であってよく、他のモノマーは、エネルギー供与体であってよい。狭帯域発光性発色団ポリマーは、良溶媒中では広帯域発光を呈しても狭帯域発光を呈してもよい。しかし、いくつかの実施形態では、それらのナノ粒子形態は、狭帯域発光をもたらす。いくつかの実施形態では、先のハイブリッドポリマードットの発光半値幅(FWHM)は、70nm未満である。特定の実施形態では、FWHMは、60nm未満、50nm未満、40nm未満、30nm未満、または20nm未満である。
【0114】
本開示で使用するのに適したスクアライン誘導体には、下記の構造を含むことができる。スクアラインおよびスクアライン誘導体を重合させて、ポリマー(例えば、ホモポリマーまたはヘテロポリマー)を形成することができ、かつ/またはポリマーの骨格、側鎖および/もしくは末端に結合させることができる(例えば、共有結合により結合させることができる)。本開示のハイブリッドポリマードットは、式(XV):
【化21】
の構造を有する狭帯域モノマーを含むポリマーを含むことができ、式中、X
1およびX
2のそれぞれは、酸素、硫黄および窒素からなる群から独立に選択され、R
1AおよびR
1
Bのそれぞれは、限定されるものではないが、アルキレン、アルケニレン、アリーレン、ヘテロアリーレン、フェニレン、アズレン、シクロアルキレンおよびヘテロシクロアルキレンからなる群から独立に選択され、R
2AおよびR
2Bのそれぞれは、限定されるものではないが、ハロゲン化物、ヒドロキシルおよびアミノからなる群から独立に選択される反応基である。他の反応基を使用することができる。いくつかの実施形態では、ハロゲン化物は、クロロ、ブロモまたはヨード基である。反応基を使用して、モノマーを、例えばポリマー骨格に沿ってポリマーに組み込むことができ(例えば、ポリマーに重合させることによって)、かつ/またはモノマーを、ポリマーの骨格、末端もしくは側鎖に共有結合により結合させることができる。狭帯域モノマーを、R
1A、R
1B、R
2A、R
2Bまたはこれらの組合せへの少なくとも1つの結合によって、ポリマー骨格に組み込むことができ(例えば、上記ポリマーにおいて重合させることができ)、かつ/またはポリマーの骨格、末端もしくは側鎖に共有結合により結合させることができる。
【0115】
本開示は、酸素を含有するスクアライン誘導体を含むことができる。本開示のハイブリッドポリマードットは、式(XVI):
【化22】
の構造を有する狭帯域モノマーを含むポリマーを含むことができ、式中、R
1AおよびR
1Bのそれぞれは、限定されるものではないが、アルキレン、アルケニレン、アリーレン、ヘテロアリーレン、フェニレン、アズレン、シクロアルキレンおよびヘテロシクロアルキレンからなる群から独立に選択され、R
2AおよびR
2Bのそれぞれは、限定されるものではないが、ハロゲン化物、ヒドロキシルおよびアミノからなる群から独立に選択される反応基である。他の反応基を使用することができる。いくつかの実施形態では、ハロゲン化物は、クロロ、ブロモまたはヨード基である。反応基を使用して、モノマーをポリマーに組み込むことができ(例えば、ポリマーに重合させることによってポリマー骨格に沿って)、かつ/またはモノマーを、ポリマーの骨格、末端もしくは側鎖に共有結合により結合させることができる。
【0116】
本開示のハイブリッドポリマードットは、式(XVII):
【化23】
の構造を有する狭帯域モノマーを含むポリマーを含むことができ、式中、R
1AおよびR
1Bのそれぞれは、限定されるものではないが、水素、メチル、アルキル、フェニル、アラルキル(araalkyl)、およびアルコキシ-フェニルからなる群から独立に選択され、R
2AおよびR
2Bのそれぞれは、限定されるものではないが、水素、メチル、アルキル、フェニル、アラルキル、およびアルコキシ-フェニルからなる群から独立に選択
され、R
3AおよびR
3Bのそれぞれは、限定されるものではないが、クロロ、ブロモ、ヨード、およびヒドロキシルからなる群から独立に選択される反応基であり、R
4AおよびR
4Bのそれぞれは、限定されるものではないが、ヒドロキシル、水素、アルキル、フェニル、アラルキル、およびアルコキシ-フェニルからなる群から独立に選択され、R
5AおよびR
5Bのそれぞれは、限定されるものではないが、水素、メチル、アルキル、フェニル、アラルキル、およびアルコキシ-フェニルからなる群から独立に選択される。他の反応基を使用することができる。反応基を使用して、モノマーをポリマーに組み込むことができ(例えば、ポリマーに重合させることによってポリマー骨格に沿って)、かつ/またはモノマーを、ポリマーの骨格、末端もしくは側鎖に共有結合により結合させることができる。
【0117】
本開示のハイブリッドポリマードットは、式(XVIII):
【化24】
の構造を有する狭帯域モノマーを含むポリマーを含むことができ、式中、R
1AおよびR
1Bのそれぞれは、限定されるものではないが、クロロ、ブロモ、ヨードおよびヒドロキシルからなる群から独立に選択される反応基であり、R
2AおよびR
2Bのそれぞれは、限定されるものではないが、水素、メチル、アルキル、フェニル、アラルキル、およびアルコキシ-フェニルからなる群から選択される。他の反応基を使用することができる。反応基を使用して、モノマーをポリマーに組み込むことができ(例えば、ポリマーに重合させることによってポリマー骨格に沿って)、かつ/またはモノマーを、ポリマーの骨格、末端もしくは側鎖に共有結合により結合させることができる。
【0118】
本開示のハイブリッドポリマードットは、式(XIX):
【化25】
の構造を有する狭帯域モノマーを含むポリマーを含むことができ、式中、X
1およびX
2のそれぞれは、炭素、硫黄、窒素およびセレンからなる群から独立に選択され、R
1AおよびR
1Bのそれぞれは、限定されるものではないが、クロロ、ブロモ、ヨードおよびヒドロキシルからなる群から独立に選択される反応基であり、R
2AおよびR
2Bのそれぞれは、限定されるものではないが、水素、メチル、アルキル、フェニル、アラルキル、アルコキシ-フェニル、N-ジアルキル-4-フェニル、N-ジフェニル-4-フェニル、およびN-ジアルコキシルフェニル-4-フェニルからなる群から独立に選択される。他の反応基を使用することができる。反応基を使用して、モノマーをポリマーに組み込むことができ(例えば、ポリマーに重合させることによってポリマー骨格に沿って)、かつ/またはモノマーを、ポリマーの骨格、末端もしくは側鎖に共有結合により結合させること
ができる。
【0119】
本開示のハイブリッドポリマードットは、式(XX):
【化26】
の構造を有する狭帯域モノマーを含むポリマーを含むことができ、式中、R
2AおよびR
2Bのそれぞれは、限定されるものではないが、クロロ、ブロモ、ヨードおよびヒドロキシルからなる群から独立に選択される反応基であり、R
1AおよびR
1Bのそれぞれは、限定されるものではないが、水素、メチル、アルキル、フェニル、アラルキル、アルコキシ-フェニル、N-ジアルキル-4-フェニル、N-ジフェニル-4-フェニル、およびN-ジアルコキシルフェニル-4-フェニルからなる群から選択される。他の反応基を使用することができる。反応基を使用して、モノマーをポリマーに組み込むことができ(例えば、ポリマーに重合させることによってポリマー骨格に沿って)、かつ/またはモノマーを、ポリマーの骨格、末端もしくは側鎖に共有結合により結合させることができる。
【0120】
本開示は、硫黄を含有するスクアライン誘導体を含むことができる。本開示のハイブリッドポリマードットは、式(XXI):
【化27】
の構造を有する狭帯域モノマーを含むポリマーを含むことができ、式中、R
1AおよびR
1Bのそれぞれは、限定されるものではないが、アルキレン、アルケニレン、アリーレン、ヘテロアリーレン、フェニレン、アズレン、シクロアルキレンおよびヘテロシクロアルキレンからなる群から独立に選択され、R
2AおよびR
2Bのそれぞれは、限定されるものではないが、ハロゲン化物、ヒドロキシルおよびアミノからなる群から独立に選択される反応基である。いくつかの実施形態では、ハロゲン化物は、クロロ、ブロモまたはヨード基である。他の反応基を使用することができる。反応基を使用して、モノマーをポリマーに組み込むことができ(例えば、ポリマーに重合させることによってポリマー骨格に沿って)、かつ/またはモノマーを、ポリマーの骨格、末端もしくは側鎖に共有結合により結合させることができる。
【0121】
本開示のハイブリッドポリマードットは、式(XXII):
【化28】
の構造を有する狭帯域モノマーを含むポリマーを含むことができ、式中、X
1およびX
2のそれぞれは、炭素、硫黄およびセレンからなる群から独立に選択され、R
1AおよびR
1Bのそれぞれは、限定されるものではないが、クロロ、ブロモ、ヨードおよびヒドロキシルからなる群から独立に選択される反応基であり、R
2AおよびR
2Bのそれぞれは、限定されるものではないが、水素、メチル、アルキル、フェニル、アラルキル、アルコキシ-フェニル、N-ジアルキル-4-フェニル、N-ジフェニル-4-フェニル、およびN-ジアルコキシルフェニル-4-フェニルからなる群から独立に選択される。他の反応基を使用することができる。いくつかの実施形態では、ハロゲン化物は、クロロ、ブロモまたはヨード基である。反応基は、モノマーをポリマーに組み込むため(例えば、ポリマーに重合させることによってポリマー骨格に沿って)、かつ/またはポリマーの骨格、末端もしくは側鎖に共有結合によりモノマーを結合させるために使用することができる。
【0122】
本開示は、窒素を含有するスクアライン誘導体を含むことができる。本開示のハイブリッドポリマードットは、式(XXIII):
【化29】
の構造を有する狭帯域モノマーを含むポリマーを含むことができ、式中、R
1AおよびR
1Bのそれぞれは、限定されるものではないが、アルキレン、アルケニレン、アリーレン、ヘテロアリーレン、フェニレン、アズレン、シクロアルキレンおよびヘテロシクロアルキレンからなる群から独立に選択され、R
2AおよびR
2Bのそれぞれは、限定されるものではないが、ハロゲン化物、ヒドロキシルおよびアミノからなる群から独立に選択される反応基であり、R
3AおよびR
3Bのそれぞれは、水素、メチル、アルキル、フェニル、アラルキル、およびアルコキシ-フェニルからなる群から独立に選択される。他の反応基を使用することができる。いくつかの実施形態では、ハロゲン化物は、クロロ、ブロモまたはヨード基である。反応基を使用して、モノマーをポリマーに沿って組み込むことができ(例えば、ポリマーに重合させることによってポリマー骨格に沿って)、かつ/またはモノマーを、ポリマーの骨格、末端もしくは側鎖に共有結合により結合させることができる。
【0123】
本開示のハイブリッドポリマードットは、式(XXIV):
【化30】
の構造を有する狭帯域モノマーを含むポリマーを含むことができ、式中、R
1A、R
1B、R
2AおよびR
2Bのそれぞれは、限定されるものではないが、水素、重水素、アルキル、アリール、アセチルおよびヒドロキシルからなる群から独立に選択され、R
3A、R
3B、R
4AおよびR
4Bのそれぞれは、限定されるものではないが、水素、重水素、アルキル、アリール、アミノ、スルフィド、アルデヒド、エステル、エーテル、カルボキシル、ヒドロキシルおよびハロゲン化物からなる群から独立に選択される。狭帯域モノマーを、R
1A、R
1B、R
2A、R
2B、R
3A、R
3B、R
4A、R
4B、またはこれらの組合せへの少なくとも1つの結合によって、ポリマー骨格に組み込むことができ(例えば、ポリマーに重合させることによってポリマー骨格に沿って)、かつ/またはポリマーの骨格、末端もしくは側鎖に共有結合により結合させることができる。
【0124】
本開示のハイブリッドポリマードットは、式(XXV):
【化31】
の構造を有する狭帯域モノマーを含むポリマーを含むことができ、式中、R
1A、R
1B、R
2AおよびR
2Bのそれぞれは、限定されるものではないが、水素、重水素、アルキル、アリール、アセチルおよびヒドロキシルからなる群から独立に選択され、R
3A、R
3B、R
4A、R
4B、R
5A、R
5B、R
6AおよびR
6Bのそれぞれは、限定されるものではないが、水素、重水素、アルキル、アリール、アミノ、スルフィド、アルデヒド、エステル、エーテル、カルボキシル、ヒドロキシルおよびハロゲン化物からなる群から独立に選択される。狭帯域モノマーを、R
1A、R
1B、R
2A、R
2B、R
3A、R
3B、R
4A、R
4B、R
5A、R
5B、R
6A、R
6B、またはこれらの組合せへの少なくとも1つの結合によって、ポリマー骨格に組み込むことができ(例えば、ポリマーに重合させることによってポリマー骨格に沿って)、かつ/またはポリマーの骨格、末端もしくは側鎖に共有結合により結合させることができる。
【0125】
本開示のハイブリッドポリマードットは、式(XXVI):
【化32】
の構造を有する狭帯域モノマーを含むポリマーを含むことができ、式中、R
1A、R
1B、R
1C、R
2A、R
2B、R
2C、R
3A、R
3B、R
3C、R
4A、R
4B、R
4C、R
5A、R
5B、R
5C、R
6A、R
6BおよびR
6Cのそれぞれは、限定されるものではないが、水素、重水素、アルキル、アリール、アミノ、スルフィド、アルデヒド、エステル、エーテル、カルボキシル、ヒドロキシルおよびハロゲン化物からなる群から独立に選択され、R
7A、R
7BおよびR
7Cのそれぞれは、限定されるものではないが、水素、重水素、アルキル、アリールおよびアセチルからなる群から独立に選択される。狭帯域モノマーを、R
1A、R
1B、R
1C、R
2A、R
2B、R
2C、R
3A、R
3B、R
3C、R
4A、R
4B、R
4C、R
5A、R
5B、R
5C、R
6A、R
6B、R
6C、R
7A、R
7B、R
7C、またはこれらの組合せへの少なくとも1つの結合によって、ポリマー骨格に組み込むことができ(例えば、ポリマーに重合させることによってポリマー骨格に沿って)、かつ/またはポリマーの骨格、末端もしくは側鎖に共有結合により結合させることができる。あるいはここに示す通り、本明細書に記載のモノマーは、括弧によって示される結合によって、ポリマーと一体化し得る。
【0126】
本開示のハイブリッドポリマードットは、式(XXVII):
【化33】
の構造を有する狭帯域モノマーを含むポリマーを含むことができ、式中、R
1AおよびR
1Bのそれぞれは、限定されるものではないが、水素、重水素、アルキルおよびアリールからなる群から独立に選択され、R
2A、R
2B、R
3A、R
3B、R
4A、R
4B、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9、R
10、R
11およびR
12のそれぞれは、限定されるものではないが、水素、重水素、アルキル、アリール、シアノ、アミノ、スルフィド、アルデヒド、エステル、エーテル、カルボキシル、ヒドロキシルおよびハロゲン化物からなる群から独立に選択される。狭帯域モノマーを、R
1A、R
1B、R
2A、R
2B、R
3A、R
3B、R
4A、R
4B、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9、R
10、R
11、R
12、
またはこれらの組合せへの少なくとも1つの結合によって、ポリマー骨格に組み込むことができ(例えば、ポリマーに重合させることによってポリマー骨格に沿って)、かつ/またはポリマーの骨格、末端もしくは側鎖に共有結合により結合させることができる。
【0127】
本開示のハイブリッドポリマードットは、式(XXVIII):
【化34】
の構造を有する狭帯域モノマーを含むポリマーを含むことができ、式中、R
13A、R
13Bのそれぞれは、限定されるものではないが、水素、重水素、アルキルおよびアリールからなる群から独立に選択され、R
14A、R
14B、R
15A、R
15B、R
16A、R
16B、R
17、R
18、R
19、R
20、R
21、R
22、R
23およびR
24は、限定されるものではないが、水素、重水素、アルキル、アリール、シアノ、アミノ、スルフィド、アルデヒド、エステル、エーテル、カルボキシル、ヒドロキシルおよびハロゲン化物からなる群から各々独立に選択される。狭帯域モノマーを、R
13A、R
13B、R
14A、R
14B、R
15A、R
15B、R
16A、R
16B、R
17、R
18、R
19、R
20、R
21、R
22、R
23およびR
24、またはこれらの組合せへの少なくとも1つの結合によって、ポリマー骨格に組み込むことができ(例えば、ポリマーに重合させることによってポリマー骨格に沿って)、かつ/またはポリマーの骨格、末端もしくは側鎖に共有結合により結合させることができる。
【0128】
いくつかの実施形態では、ハイブリッドポリマードットを作製するための狭帯域発光性ポリマーは、金属錯体およびそれらの誘導体を狭帯域モノマーとして含む。金属錯体およびそれらの誘導体には、それらのアルキル誘導体、アリール誘導体、アルキン誘導体、芳香族誘導体、アルコキシド誘導体、アザ誘導体、それらの拡張系および類似体が含まれるが、これらに限定されない。狭帯域発光性ポリマーは、任意の他のモノマーを含むこともできる。金属は、Na、Li、Zn、Mg、Fe、Mn、Co、Ni、Cu、In、Si、Ga、Al、Pt、Pd、Ru、Rh、Re、Os、Ir、Ag、Auなどの任意の金属であってよい。いくつかの実施形態では、金属は、Fe、Ni、Co、GaまたはAuであってよい。いくつかの実施形態では、金属は、Fe、Ni、Co、Ga、その酸化物、その合金、その錯体、その組合せ、ならびに非磁性または非磁性金属との組合せおよび錯体であってよい。金属錯体は、最終的なハイブリッドポリマードットが狭帯域発光を呈することができるように、エネルギー受容体であってよく、他のモノマーは、エネルギー供与体であってよい。狭帯域発光性発色団ポリマーは、良溶媒中では広帯域発光を呈しても狭帯域発光を呈してもよい。しかし、いくつかの実施形態では、それらのナノ粒子形態は、狭帯域発光をもたらす。いくつかの実施形態では、先のハイブリッドポリマードットの発光FWHMは、70nm未満である。特定の実施形態では、FWHMは、60nm未満、50nm未満、40nm未満、30nm未満、または20nm未満である。金属錯体および金属錯体誘導体を、重合させてポリマー(例えば、ホモポリマーまたはヘテロポリマー)を形成することができ、かつ/またはポリマーの骨格、側鎖および/もしくは末端に結合させることができる(例えば、共有結合により結合させることができる)。
【0129】
いくつかの実施形態では、ハイブリッドポリマードットを作製するための狭帯域発光性ポリマーは、ポルフィリン、金属ポルフィリンおよびそれらの誘導体を狭帯域モノマーとして含む。ポルフィリン、金属ポルフィリンおよびそれらの誘導体を、重合させてポリマー(例えば、ホモポリマーまたはヘテロポリマー)を形成することができ、かつ/またはポリマーの骨格、側鎖および/もしくは末端に結合させることができる(例えば、共有結合により結合させることができる)。ポルフィリン、金属ポルフィリンおよびそれらの誘導体には、それらのアルキル誘導体、アリール誘導体、アルキン誘導体、芳香族誘導体、アルコキシド誘導体、アザ誘導体、それらの拡張系および類似体が含まれるが、これらに限定されない。金属ポルフィリンの金属は、Na、Li、Zn、Mg、Fe、Mn、Co、Ni、Cu、In、Si、Ga、Al、Pt、Pd、Ru、Rh、Re、Os、Ir、Ag、およびAuなどの任意の金属であってよい。いくつかの実施形態では、金属は、Fe、Ni、Co、Ga、またはAuであってよい。いくつかの実施形態では、金属は、Fe、Ni、Co、Ga、その酸化物、その合金、その錯体、その組合せ、ならびに磁性または非磁性金属との組合せおよび錯体であってよい。狭帯域発光性ポリマーは、任意の他のモノマーを含むこともできる。ポルフィリン、金属ポルフィリンおよびそれらの誘導体は、最終的なハイブリッドポリマードットが狭帯域発光を呈することができるように、エネルギー受容体であってよく、他のモノマーは、エネルギー供与体であってよい。狭帯域発光性発色団ポリマーは、良溶媒中では広帯域発光を呈しても狭帯域発光を呈してもよい。しかし、いくつかの実施形態では、それらのナノ粒子形態は、狭帯域発光をもたらす。いくつかの実施形態では、先のハイブリッドポリマードットの発光FWHMは、70nm未満である。特定の実施形態では、FWHMは、60nm未満、50nm未満、40nm未満、30nm未満、または20nm未満である。
【0130】
いくつかの実施形態では、ハイブリッドポリマードットを作製するための狭帯域発光性ポリマーは、フタロシアニンおよびその誘導体をモノマーとして含む。モノマーとしてのフタロシアニンおよびその誘導体を、重合させてポリマー(例えば、ホモポリマーまたはヘテロポリマー)を形成することができ、かつ/またはポリマーの骨格、側鎖および/もしくは末端に結合させることができる(例えば、共有結合により結合させることができる)。フタロシアニン誘導体には、それらのアルキル誘導体、アリール誘導体、アルキン誘導体、芳香族誘導体、アルコキシド誘導体、アザ誘導体、それらの拡張系および類似体が含まれるが、これらに限定されない。フタロシアニン誘導体中の金属は、Na、Li、Zn、Mg、Fe、Mn、Co、Ni、Cu、In、Si、Ga、Al、Pt、Ru、Rh、Re、Os、Ir、Ag、AuまたはPdなどの任意の金属であってよい。いくつかの実施形態では、金属は、Fe、Ni、Co、Ga、その酸化物、その合金、その錯体、その組合せ、ならびに磁性または非磁性金属との組合せおよび錯体であってよい。狭帯域発光性ポリマーは、任意の他のモノマーを含むこともできる。フタロシアニン誘導体は、最終的なハイブリッドポリマードットが狭帯域発光を呈することができるように、エネルギー受容体であってよい。狭帯域発光性発色団ポリマーは、良溶媒中では広帯域発光を呈しても狭帯域発光を呈してもよい。しかし、いくつかの実施形態では、それらのナノ粒子形態は、狭帯域発光をもたらす。いくつかの実施形態では、先のハイブリッドポリマードットの発光FWHMは、70nm未満である。特定の実施形態では、FWHMは、60nm未満、50nm未満、40nm未満、30nm未満、または20nm未満である。
【0131】
多種多様な発色団ポリマー粒子を、本明細書に記載の実施例などの本明細書の実施形態、ならびに例えば、PCT/US2010/056079およびPCT/US2012/071767に開示されている他のものに従って使用することができる。これらの文献それぞれは、内容全体が、特に、そこに記載の特定の発色団ポリマー粒子組成物およびそれらを作製するそれぞれの方法に関して、参照によって本明細書に組み込まれる。
ハイブリッドポリマードットの官能化およびバイオコンジュゲーション
【0132】
いくつかの実施形態では、本開示は、本明細書で官能化ハイブリッドポリマードットとも呼ばれる、物理的および/または化学的にポリマードットに結合している官能基(例えば、「X」)を含むハイブリッドポリマードットを提供する。いくつかの実施形態では、用語「官能基」は、任意の安定な物理的または化学的な会合などによってハイブリッドポリマードットに結合し、それによってハイブリッドポリマードットの表面を、コンジュゲーションまたはバイオコンジュゲーションに利用可能にすることができる任意の化学的単位を指す。いくつかの実施形態では、官能化は、バイオコンジュゲーションに適した官能基が、ポリマードットの表面上で配向されるように生じる。例えば、本明細書中の有機-無機ハイブリッドポリマードットは、バイオコンジュゲーションに適した、カルボキシル、アミン、チオール(-SH)、カルボキシレートもしくはカルボン酸、マレイミド、無水マレイン酸、N-ヒドロキシスクシンイミド(NHS)、アルコール(-OH)もしくはシアネート、またはその組合せを含む官能シラン種で官能化された表面を有することができる。
【0133】
いくつかの実施形態では、官能基は、疎水性官能基であってよい。疎水性官能基の例には、アルキン、歪んだアルキン、アジド、ジエン、アルケン、シクロオクチンおよびホスフィン基(クリック化学のため)が含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、官能基は、親水性官能基であってよい。親水性官能基の例には、カルボン酸またはその塩、アミノ、メルカプト、アジド、ジアゾ、アルデヒド、エステル、ヒドロキシル、カルボニル、サルフェート、スルホネート、ホスフェート、シアネート、スクシンイミジルエステル、その置換誘導体が含まれるが、これらに限定されない。このような官能基は、例えばバイオコンジュゲート技術の技術者によって見出され得る(Academic Press、New York、1996年またはその後の版)。この文献の内容は、その全てがあらゆる目的で参考として本明細書に援用される。
【0134】
いくつかの実施形態では、ハイブリッドポリマードットは、以下:アルデヒド、アルケン、アルキル、アルキン、歪んだアルキン、アミノ、アジド、カルボニル、カルボキシル、シアノ、シクロオクチン、ジエノ、エステル、スクシンイミジルエステル、ハロアルキル、ヒドロキシル、イミド、ケトン、マレイミド、メルカプト、ホスフェート、ホスフィン、サルフェート、スルホネート、その置換誘導体、またはその組合せが挙げられるが限定されない官能基を使用して、官能基化される。
【0135】
いくつかの実施形態では、官能基は、発色団ポリマーの骨格、側鎖または末端単位との共有結合によって作成される。したがって、得られたハイブリッドポリマードットは、狭帯域発光を呈すると同時に、バイオコンジュゲーションのための官能基を有する。このような官能基は、例えばバイオコンジュゲート技術の技術者によって見出され得る(Academic Press、New York、1996年またはその後の版)。この文献の内容は、その全てがあらゆる目的で参考として本明細書に援用される。いくつかの実施形態では、各ハイブリッドポリマードットは、官能基を1つだけ有する。いくつかの実施形態では、各ハイブリッドポリマードットは、官能基を2つだけ有する。2つの官能基は、同じでも異なっていてもよい。いくつかの実施形態では、各ハイブリッドポリマードットは、官能基を3つまたはそれより多く有する。3つまたはそれを超える数の官能基は、同じでも異なっていてもよい。
【0136】
本開示の特定の実施形態では、ハイブリッドポリマードットの官能化の度合いは所望に応じて変えることができる。いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるハイブリッドポリマードットは、一価、二価または多価であり得る単一分子ポリマー粒子を形成するように改変される。改変は、粒子からいくつかのポリマー分子を除去するが、ちょうど1つの官能基、2つまたはそれよりも多い官能基を有することができる分子を1つだけ残す
ことである。一実施形態では、操作された表面を、改変を容易にするために使用することができる。この操作された表面は、アルデヒド、アルケン、アルキル、アルキン、歪んだアルキン、アミノ、アジド、カルボニル、カルボキシル、シアノ、シクロオクチン、ジエノ、エステル、スクシンイミジルエステル、ハロアルキル、ヒドロキシル、イミド、ケトン、マレイミド、メルカプト、ホスフェート、ホスフィン、サルフェート、スルホネート、その置換誘導体、およびその組合せなどの特定の官能基を有する。一般に、バイオコンジュゲーションに適した他の任意の官能基が使用され得る。このような官能基は、例えばバイオコンジュゲート技術の技術者によって見出され得る(Academic Press、New York、1996年またはその後の版)。表面は、カバーガラスなどの平面、または任意の粒子からの曲面であってよい。表面は、シリカ、金属、半導体、ケイ素および様々なポリマー表面であってよい。前述の官能化多分子ハイブリッドポリマードットは、任意の安定な物理的または化学的な会合を介して、ただ1つの発色団ポリマー分子によって表面に結合している。ハイブリッドポリマードット中のすべての遊離分子(表面に会合した1つを除く)は、表面に会合した分子のみが保持されるように、例えば、表面を有機溶媒で洗浄することによって、除去することができる。次に、単一分子ハイブリッドポリマードットは、任意の物理的または化学的方法によって表面から放出することができる。得られる単一分子粒子は、元のポリマー分子の官能基の数に依存して、一価、二価または多価であり得る。別の実施形態では、表面から放出された後に、残りの官能基(表面に結合したもの)がバイオコンジュゲーションのために使用され得るように、ハイブリッドポリマードット中のすべての官能基(表面に会合した1つを除く)を、バイオコンジュゲーションのための他のタイプの官能基または非反応性化学基を形成するために、不活性化または反応させることができる。
【0137】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの官能基を末端単位に有する単一ポリマー分子を含むハイブリッドポリマードットを使用することから、利点が生じ得る。例えば、ただ1つの官能基の発色団ポリマーの末端単位への結合は、ポリマー合成において十分に制御することができる。例えば、官能基を含む化学単位は、ポリマー合成における重合開始剤として、および成長触媒として役立ち得、この方法により、各ポリマー分子は、末端に唯一の官能基を含む。鎖状発色団ポリマーの2つの末端単位だけへの官能基の結合も、ポリマー合成において十分に制御することができる。例えば、官能基を含む化学単位を、ポリマー合成におけるポリマー成長を終了させるためのキャッピング剤として使用することができ、それによって各鎖状ポリマー分子が2つの末端単位にただ2つの官能基を含むことになる。同様に、多価ポリマー粒子についての官能基の結合は、ポリマー合成において十分に制御することができ、例えば、官能基を3アーム分岐ポリマーの3つの末端単位だけに付加することができる。
【0138】
いくつかの実施形態では、本開示は、ハイブリッドポリマードットのバイオコンジュゲートを提供する。バイオコンジュゲートは、生物学的粒子、例えばウイルス、細菌、細胞、生物学的もしくは合成の小胞、例えばリポソーム、またはその組合せに会合している、前述のハイブリッドポリマードットも含む。いくつかの実施形態では、用語「生体分子」または「生物学的分子」は、合成のまたは天然に存在するタンパク質、糖タンパク質、ペプチド、アミノ酸、代謝産物、薬物、毒素、核酸、ヌクレオチド、炭水化物、糖、脂質、および脂肪酸等、またはその組合せを説明するために交換可能に使用される。いくつかの実施形態では、生体分子は、ポリペプチドまたはポリヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、生体分子は、抗体、アビジン、ビオチン、核酸またはその組合せである。いくつかの実施形態では、バイオコンジュゲートは、生体分子を、ハイブリッドポリマードットの1つまたは複数の官能基に結合させることによって形成される。結合は、直接的または間接的であってよい。必要に応じて、生体分子は、共有結合を介してハイブリッドポリマードットの官能基に結合している。例えば、ポリマー粒子の官能基がカルボキシル基である場合、カルボキシル基をタンパク質生体分子のアミン基で架橋することによって、
タンパク質生体分子をハイブリッドポリマードットに直接結合させることができる。いくつかの実施形態では、生体分子コンジュゲーションは、ハイブリッドポリマードットの発光特性を実質的に変化させない。例えば、バイオコンジュゲーションは、発光スペクトルを実質的に変化させず、蛍光またはルミネッセンスの量子収率を低減せず、光安定性等も実質的に変化させない。
【0139】
ハイブリッドポリマードットの官能基のうちのいくつかは、「バイオコンジュゲーションに適した」ものであってよく、これは、生体分子、例えば抗体、タンパク質、核酸、ストレプトアビジンまたは生物学的関連の他の分子に共有結合している、または共有結合することが可能な官能基を指す。官能基は、ハイブリッドポリマードットの表面を、コンジュゲーションまたはバイオコンジュゲーションに利用可能にすることができる。ハイブリッドポリマードットは、シロキサンネットワークから形成された1つまたは複数の官能基を含むことができる。このような官能基は、当業者によって、例えば、Bioconjugate Techniques(Academic Press、New York、1996年またはその後の版)に見出され得る。この文献は、内容全体があらゆる目的で参照によって本明細書に組み込まれる。いくつかの実施形態では、バイオコンジュゲーションに適した官能基には、多様な条件下、例えば、極性または非極性溶媒中で、生体分子にコンジュゲートすることができる官能基が含まれ得る。特定の実施形態では、バイオコンジュゲーションに適した官能基には、水溶液中で生体分子にコンジュゲートすることができる官能基が含まれ得る。いくつかの実施形態では、バイオコンジュゲーションに適した官能基には、生体分子がその生物学的活性(例えば、抗体へのモノクロナール結合特異性)を保持する水溶液中で生体分子にコンジュゲートすることができる官能基が含まれ得る。
【0140】
特定の実施形態では、バイオコンジュゲーションに適した官能基は、生体分子に共有結合している。例えば、官能基の生体分子への典型的な共有結合による結合には、例えば、生体分子上のアミンと反応してアミド結合を形成するカルボキシル官能基、生体分子上のスルフヒドリル基と反応してシステイン結合を形成するスルフヒドリル官能基、または生体分子上のカルボキシル基と反応してアミド結合を形成するアミノ官能基が含まれ得る。生体分子は、直接的または官能基によって間接的にハイブリッドポリマードットに結合して、バイオコンジュゲートを形成することができる。生体分子は、共有結合を介してハイブリッドポリマードットの官能基に結合していてもよい。例えば、ハイブリッドポリマードットの官能基がカルボキシル基である場合、タンパク質生体分子は、カルボキシル基をタンパク質分子のアミン基と架橋させることによって、ポリマードットに直接結合されることができる。
【0141】
バイオコンジュゲーションに適した官能基は、アミン、カルボキシレート、カルボキシル、マレイミド、チオール(-SH)、無水マレイン酸、N-ヒドロキシスクシンイミドエステル、メルカプト、アジド、アルキン、アルデヒド、ヒドロキシル、カルボニル、サルフェート、スルホネート、ホスフェート、シアネート、スクシンイミジルエステル、歪んだアルキン、アジド、ジエン、アルケン、テトラジン、歪んだアルケン、シクロオクチンまたはホスフィンを含むことができる。いくつかの実施形態では、バイオコンジュゲーションに適した官能基は、カルボキシル基である。
【0142】
生体分子のハイブリッドポリマードットへの間接的な結合は、リンカー部分(例えば、「L」)、例えば、アビジン、ストレプトアビジン、ニュートラアビジン、ビオチン等の使用を介して生じ得る。リンカー部分は、化学結合、アミノ酸、エステル、アミド、カルバメート、エーテル、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、アリーレン、ポリエーテル、ポリエステル、ポリアミド、ポリカルバメート、ポリアリール、ポリスチレン、ポリエチレングリコールもしくはポリオレフィンまたはフッ素化されたもしくは部分的にフ
ッ素化されたその誘導体、またはその組合せから選択され得る。いくつかの実施形態では、リンカー部分は、両親媒性である。いくつかの実施形態では、リンカー部分は、水溶性ポリマーである。例えば、水溶性ポリマーは、ポリエチレングリコールであってよい。いくつかの実施形態では、リンカー部分は、化学結合である。
【0143】
バイオコンジュゲーションに適した官能基は、リンカー部分と組み合わせて、バイオコンジュゲーションを容易にすることができる。本明細書に記載のハイブリッドポリマードットにおいて、リンカー部分と組み合わせた、バイオコンジュゲーションに適した少なくとも1つの官能基(例えば、「D」または「LX」)は、ハイブリッドポリマードットの表面上に位置していてもよい。いくつかの実施形態では、生物学的分子は、リンカー部分と組み合わせた、バイオコンジュゲーションに適した官能基とコンジュゲートしている。いくつかの実施形態では、生物学的分子は、ハイブリッドポリマードットの表面上に位置する、リンカー部分と組み合わせた、バイオコンジュゲーションに適した官能基にコンジュゲートしている。いくつかの実施形態では、生物学的分子は、タンパク質または核酸を含む。いくつかの実施形態では、生物学的分子は、抗体を含む。いくつかの実施形態では、生物学的分子は、ストレプトアビジンを含む。
【0144】
本開示の様々な実施形態では、ハイブリッドポリマードットのバイオコンジュゲーションを容易にするために、架橋剤を利用することができる。いくつかの実施形態では、用語「架橋剤」は、類似のまたは類似でない分子の分子群間に化学結合を形成して、分子を一緒に共有結合することが可能な化合物または部分を説明するために使用される。一般的な架橋剤の例は、当技術分野で公知である。例えば、Bioconjugate Techniques(Academic Press、New York、1996年またはその後の版)を参照されたい。生体分子のハイブリッドポリマードットへの間接的な結合は、「リンカー」分子、例えば、アビジン、ストレプトアビジン、ニュートラアビジン、ビオチンまたは同様の分子の使用を介して生じ得る。
【0145】
いくつかの実施形態では、標的分析物分子(例えば、タンパク質)の分析は、標的分析物に特異的に結合する生体分子にコンジュゲートしたハイブリッドポリマードットを使用して達成される。
【0146】
いくつかの実施形態では、蛍光および/またはルミネッセンスハイブリッドポリマードットは、限定されるものではないが、標的分析物への結合親和性を含む機能または他の利益を提供する1つまたは複数の分子にコンジュゲートしている。
【0147】
いくつかの実施形態では、分析物は、ポリペプチド、ポリヌクレオチド、細胞、ウイルス、小分子、薬物、毒素、炭水化物、糖、脂質または脂肪酸である。
【0148】
いくつかの実施形態では、標的分析物分子は、タンパク質などのポリペプチドであり、ハイブリッドポリマードットにコンジュゲートした生体分子は、標的分析物タンパク質に特異的に結合する一次抗体である。
【0149】
他の実施形態では、標的分析物分子は、目的のタンパク質の一次抗体に結合している前記タンパク質であり、ハイブリッドポリマードットにコンジュゲートした生体分子は、一次抗体に特異的に結合する二次抗体である。
【0150】
他の実施形態では、標的分析物分子は、目的のビオチン化タンパク質であり、ハイブリッドポリマードットにコンジュゲートした生体分子は、ビオチン化タンパク質に特異的に結合するアビジン(例えば、ストレプトアビジン)である。
【0151】
いくつかの実施形態では、用語「ビオチン」は、アビジン結合において有効な多様なビオチン誘導体および類似体の任意の1種類を指す。適切なビオチン部分には、ビオチン化ペプチド断片を、アビジンおよび関連のアビジンタンパク質によって単離することを可能にする部分が含まれる。代表的なビオチン部分には、ビオチン誘導体、例えばイミノビオチン、ビオシチンおよびカプロイルアミドビオチン、ならびにビオチン類似体、例えばデスチオビオチンおよびビオチンスルホンが含まれる。
【0152】
いくつかの実施形態では、用語「アビジン」は、天然タンパク質ならびに組換えおよび遺伝子操作されたタンパク質の両方を含む、ビオチンに結合する、イムノグロブリン以外の任意のビオチン結合タンパク質を指す。この用語には、「卵白」または「トリの」アビジンおよび「ストレプトアビジン」として公知の2種類の一般的なビオチン結合タンパク質が含まれる。一般に単にアビジンと呼ばれる、卵白またはトリのアビジンは、卵白の構成成分であり、ビオチンとの非共有結合による複合体を形成するタンパク質である。ストレプトアビジンは、アクチノバクテリアStreptomyces avidiniiから単離されるアビジンタンパク質であり、これもまた、ビオチンとの非共有結合による複合体を形成する。ビオチン結合タンパク質の他の細菌源も公知である。卵白アビジンおよびストレプトアビジンの両方が、ビオチン結合部位がアビジン分子の反対面上に対になって配置されている、四量体タンパク質である。この用語は、スクシニルアビジン、フェリチンアビジン、酵素アビジンおよび架橋アビジンを含む、アビジン誘導体も指す。
【0153】
いくつかの実施形態では、標的分析物分子は、ポリヌクレオチド、例えばDNA、RNAまたはPNAであり、ハイブリッドポリマードットにコンジュゲートした生体分子は標的分析物ポリヌクレオチドに特異的に結合する相補性ポリヌクレオチドである。
【0154】
いくつかの実施形態では、ハイブリッドポリマードットは、ポリマー粒子の他の特性、例えば、その大きさ、蛍光、疎水性、非特異的結合または吸着特性等を変更する1つまたは複数の分子にコンジュゲートしていてよい。
【0155】
いくつかの実施形態では、生体分子のハイブリッドポリマードットへのコンジュゲーションには、限定されるものではないが、カルボキシル基のポリマー粒子への結合を含む、官能基の結合が含まれ得る。いくつかの実施形態では、カルボキシル基は、カルボジイミド、例えば1-エチル-3-[3-ジメチルアミノプロピル]カルボジイミドヒドロクロリド(EDC)の存在下で、N-ヒドロキシスクシンイミド(NHS)に反応して、特定の生体分子上に存在する1級アミン基と架橋する、カルボキシレート基のアミン反応性エステルを生成することができる。
【0156】
いくつかの実施形態では、カルボキシル化ハイブリッドポリマードットは、ハイブリッドポリマードットおよび生体分子を、例えば0.1PEG(MW3350)を含有するHEPES緩衝溶液(20mM、pH=7.4)中で混合することによって、タンパク質などの生体分子にコンジュゲートしている。ポリマー粒子上のカルボキシル基と生体分子のアミン基との間のペプチド結合の形成は、EDCによって触媒することができる。しかし、いくつかの実施形態では、ポリマー粒子の本質的な疎水性の性質に起因して、生体分子は、粒子表面上に非特異的に吸着される傾向がある。いくつかの実施形態では、Triton X-100および/またはウシ血清アルブミン(BSA)が、ポリマー粒子の表面上への生体分子の非特異的吸着を低減するために導入される。
【0157】
本明細書に記載の実施例に加えて、いくつかの実施形態では、例えば、PCT/US2010/056079およびPCT/US2012/071767に開示されているものを含む、生体分子をハイブリッドポリマードットにコンジュゲートするための他の戦略および方法を使用することができる。生体分子をハイブリッドポリマードットにコンジュゲ
ートするための他の戦略および方法は、当業者によって、例えば、Bioconjugate Techniques(Academic Press、New York、1996年またはその後の版)に見出され得る。
有機-無機ハイブリッドポリマードットを作製する方法
【0158】
本開示は、本明細書に開示のハイブリッドポリマードットを作製する方法を提供する。特定の実施形態では、1つまたは複数のポリマーは、崩壊、沈殿または濃縮されて、一緒になって本明細書に記載の有機-無機相互侵入ネットワークを形成する有機ネットワークおよび無機ネットワークが形成される。
【0159】
例えば、この方法は、溶媒、半導体発色団ポリマーおよびオルガノシランを含む溶液(例えば、有機溶液)を提供するステップと、溶液を水溶液と混合するステップとを含み得、溶液、水溶液またはその両方が、バイオコンジュゲーションに適した官能基であるXを含むオルガノシランを含む。例えば、Xを含むオルガノシランが比較的疎水性である場合、これを、溶媒を含む溶液中に提供することができる。逆に、Xを含むオルガノシランが比較的親水性である場合、これを、水溶液中に提供することができる。
【0160】
図1は、ハイブリッドPdotを調製するための例示的な概略図を示している。いくつかの実施形態では、ポリマー(例えば、発色団半導体ポリマー)およびアルキルシランを含む有機溶液(例えば、THF溶液)が提供される。有機溶液は、水溶液に注入される。特定の実施形態では、有機溶液が、1つまたは複数の官能基(例えば、X)を有するシランを含む。その代わりにまたはそれと組み合わせて、水溶液が、1つまたは複数の官能基(例えば、X)を有するシランを含む。有機溶液の水溶液への導入により、官能基を有するハイブリッドポリマードットが生成される。
【0161】
必要に応じて、有機溶液は、シランをさらに含む。いくつかの実施形態では、有機溶液中にシランを含有することによって、得られるハイブリッドポリマードットの全体的な大きさが低減される。
【0162】
いくつかの実施形態では、オルガノシランは、
【化35】
から選択され、
式中、A
1、A
2、A
3、A
6、A
7、A
11、A
16、A
17、A
18、A
19、A
20およびA
21は、それぞれ独立に、C
nH
2n+1、C
nH
2nX、C
nF
2n+1またはC
nF
2nXであり、A
0、A
4、A
5、A
8、A
9、A
10、A
12、A
13、A
14およびA
15は、それぞれ独立に、C
mH
2m+1、C
mH
2mX、C
mF
2m+1またはC
mF
2mXであり、nは1以上であり、mは1以上である。いくつかの実施形態では、nは、2以上、3以上、4以上、5以上、6以上、7以上、8以上、9以上、または10以上である。いくつかの実施形態では、nは6以上である。いくつかの実施形態では、nは20以下である。いくつかの実施形態では、nは40以下である。いくつかの実
施形態では、nは60以下である。いくつかの実施形態では、nは6以上であり、そして20以下である。いくつかの実施形態では、nは6以上であり、そして15以下である。いくつかの実施形態では、nは6以上であり、そして10以下である。いくつかの実施形態では、mは、2以上、3以上、4以上、5以上、6以上、7以上、8以上、9以上、または10以上である。いくつかの実施形態では、mは、5以下、6以下、7以下、8以下、9以下、または10以下である。いくつかの実施形態では、mは20以下である。いくつかの実施形態では、mは40以下である。いくつかの実施形態では、mは60以下である。いくつかの実施形態では、mは1以上であり、そして20以下である。
【0163】
Xを含むオルガノシランは、
【化36】
から選択することができ、
式中、A
0、A
1、A
2、A
3、A
4およびA
5は、それぞれ独立に、C
mH
2m+1、C
mH
2mX、C
mF
2m+1またはC
mF
2mXであり、DはLXであり、ここで、Lはリンカー部分であり、mは1以上である。いくつかの実施形態では、Lは、アミノ酸、エステル、アミド、カルバメート、エーテル、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、アリーレン、ポリエーテル、ポリエステル、ポリアミド、ポリカルバメート、ポリアリール、ポリスチレンもしくはポリオレフィン、またはフッ素化されたもしくは部分的にフッ素化されたその誘導体、またはその組合せであり得るが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、Lは、水溶性ポリマーである。特定の実施形態では、水溶性ポリマーは、ポリエチレングリコールであってよい。他の実施形態では、Lは、化学結合であってよい。いくつかの実施形態では、mは3以上である。いくつかの実施形態では、mは6以上である。いくつかの実施形態では、mは、5以下、6以下、7以下、8以下、9以下、または10以下である。いくつかの実施形態では、mは20以下である。いくつかの実施形態では、mは40以下である。いくつかの実施形態では、mは60以下である。いくつかの実施形態では、mは1以上であり、そして20以下である。
【0164】
いくつかの実施形態では、nは、1以上、2以上、3以上、4以上、5以上、6以上、7以上、8以上、9以上、または10以上である。いくつかの実施形態では、nは6以上である。いくつかの実施形態では、nは20以下である。いくつかの実施形態では、nは40以下である。いくつかの実施形態では、nは60以下である。いくつかの実施形態では、nは6以上であり、そして20以下である。
【0165】
いくつかの実施形態では、mは、1以上、2以上、3以上、4以上、5以上、6以上、7以上、8以上、9以上、または10以上である。いくつかの実施形態では、mは6以上である。いくつかの実施形態では、mは20以下である。いくつかの実施形態では、mは40以下である。いくつかの実施形態では、mは60以下である。いくつかの実施形態では、mは1以上であり、そして20以下である。
【0166】
オルガノシランは、アルキルシラン、アルコキシシラン、クロロシラン、オルトシリケート、シロキサン、アルファシラン、アセトキシシラン、アミノシラン、ビスシラン、エポキシシラン、ハロシラン、ハイドロジェンシラン、ハイドロジェンシロキサン、ヒドロキシルシラン、エステルシラン、アリールシラン、アクリルシラン、メタクリルシラン、スチリルシラン、ビニルシラン、オレフィンシラン、硫黄シラン、ホスフィンシラン、ホスフェートシラン、イソシアネートシラン、アジドシラン、アンヒドリドシランもしくは
ハイドロジェンシロキサン、またはその組合せから選択され得る。具体的には、オルガノシランは、オクトデシルトリメトキシシラン、オクトデシルトリクロロシラン、オルトケイ酸テトラエチル、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、クロロプロピルトリメトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリクロロシラン、グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、エポキシヘキシルトリエトキシシラン、ヒドロキシメチルトリエトキシシラン、ヨードプロピルトリメトキシシラン、イソシアナトプロピルトリメトキシシラン、メタクリルオキシメチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、スチリルエチルトリメトキシシランまたはその組合せから選択され得る。より具体的には、オルガノシランは、オクトデシルトリメトキシシラン、オクトデシルトリクロロシラン、オルトケイ酸テトラエチルまたはその組合せから選択され得る。
【0167】
いくつかの実施形態では、オルガノシランは、シロキサンネットワークを含むハイブリッドポリマードットを形成するために使用され、そしてこのハイブリッドポリマードット中のシロキサンネットワークおよび/またはその成分(例えば、ケイ素)の重量パーセントは、所望に応じて変えることができる。いくつかの実施形態では、シロキサンネットワークおよび/またはその成分(例えば、ケイ素)の重量パーセントは、得られるハイブリッドポリマードット中のコア-シェル構造の形成を回避するように選択される。特定の実施形態では、ハイブリッドポリマードット中のシロキサンネットワーク由来のケイ素の重量パーセントは、約1%に等しいかもしくはそれより低いか、約5%に等しいかもしくはそれより低いか、約10%に等しいかもしくはそれより低いか、約15%に等しいかもしくはそれより低いか、約20%に等しいかもしくはそれより低いか、約25%に等しいかもしくはそれより低いか、約30%に等しいかもしくはそれより低いか、約35%に等しいかもしくはそれより低いか、約40%に等しいかもしくはそれより低いか、約45%に等しいかもしくはそれより低いか、または約47%に等しいかもしくはそれより低い。特定の実施形態では、ハイブリッドポリマードット中のシロキサンネットワーク由来のケイ素の重量パーセントは、約1%に等しいかもしくはそれより高いか、約5%に等しいかもしくはそれより高いか、約10%に等しいかもしくはそれより高いか、約15%に等しいかもしくはそれより高いか、約20%に等しいかもしくはそれより高いか、約25%に等しいかもしくはそれより高いか、約30%に等しいかもしくはそれより高いか、約35%に等しいかもしくはそれより高いか、約40%に等しいかもしくはそれより高いか、または約45%に等しいかもしくはそれより高い。特定の実施形態では、ハイブリッドポリマードット中のシロキサンネットワーク由来のケイ素の重量パーセントは、約1%~約45%の範囲内、または約1%~約47%の範囲内である。
【0168】
いくつかの実施形態では、この方法は、官能基を含む第1のオルガノシラン、および、必要に応じて、第2のオルガノシランを提供するステップを含む。第1のオルガノシランは、水溶液中、有機溶液中、またはその両方に提供することができる。必要に応じての第2のオルガノシランは、有機溶液中に提供することができる。有機溶液および水溶液は、ハイブリッドポリマードットを形成するために合わせることができる。
【0169】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示の方法は、有機溶液もしくは水溶液、またはその組合せを加熱するステップを含むことができる。水溶液はアルカリ性であってもよい。いくつかの実施形態では、水溶液は、9以上のpHを有することができる。いくつかの実施形態では、水溶液は、10以上11以下のpHを有することができる。
【0170】
水溶液は、酸性であってもよい。いくつかの実施形態では、水溶液は、6以下のpHを有する。いくつかの実施形態では、水溶液は、5以下のpHを有する。いくつかの実施形態では、水溶液は、4以下のpHを有する。
【0171】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示の方法に従って作製されたハイブリッドポリ
マードットは、複数のポリマー、例えば、本明細書に記載の発色団ポリマーの1つまたは複数を含むことができる。いくつかの実施形態では、ポリマードットは、複数の半導体発色団ポリマーを含むことができる。いくつかの実施形態では、ポリマードットは、半導体ポリマーのブレンドを含む。いくつかの実施形態では、ポリマードットは、半導体ポリマーおよび非半導体ポリマーのブレンドを含むことができる。いくつかの実施形態では、ポリマードットは、半導体発色団ポリマーを含むことができる。いくつかの実施形態では、ポリマードットは、半導体発色団ポリマーのブレンドを含むことができる。いくつかの実施形態では、半導体発色団ポリマーのブレンドは、フルオレンポリマー、フルオレンに基づくポリマーもしくはコポリマー、フェニレンビニレンに基づくポリマーもしくはコポリマー、フェニレンエチニレンに基づくポリマーもしくはコポリマー、またはBODIPYに基づくポリマーもしくはコポリマーを含むことができる。他の実施形態では、半導体発色団ポリマーは、ポリ(9,9-ジヘキシルフルオレニル-2,7-ジイル)(PDHF)、ポリ(9,9-ジオクチルフルオレニル-2,7-ジイル)(PFO)、ポリ[{9,9-ジオクチル-2,7-ジビニレン-フルオレニレン}-alt-co-{2-メトキシ-5-(2-エチルヘキシルオキシ)-1,4-フェニレン}](PFPV)、ポリ[(9,9-ジオクチルフルオレニル-2,7-ジイル)-co-(1,4-ベンゾ-{2,1,3}-チアジアゾール)](PFBT)、ポリ[(9,9-ジオクチルフルオレニル-2,7-ジイル)-co-(4,7-ジ-2-チエニル-2,1,3-ベンゾチアジアゾール)](PFTBT)、ポリ[(9,9-ジオクチルフルオレニル-2,7-ジイル)-9-co-(4,7-ジ-2-チエニル-2,1,3-ベンゾチアジアゾール)](PF-0.1TBT)、ポリ[2-メトキシ-5-(2-エチルヘキシルオキシ)-1,4-フェニレンビニレン](MEH-PPV)、ポリ[2-メトキシ-5-(2-エチルへキシルオキシ)-1,4-(1-シアノビニレン-1,4-フェニレン)](CN-PPV)、またはBODIPYモノマーおよび発光単位を含む半導体ポリマー(BODIPY 570、BODIPY 590、もしくはBODIPY 690が挙げられる)を含むことができる。ポリマードットは、BODIPY誘導体を含むことができる。いくつかの実施形態では、このBODIPY誘導体は、式(I):
【化37】
の構造を有し、
式中、R
1、R
2A、R
2B、R
3A、R
4AおよびR
4Bのそれぞれは、水素、アルキル、アラルキル、アリールおよびアルコキシ-アリールから独立に選択され、前記BODIPY誘導体は、R
1、R
2A、R
2B、R
3A、R
4AおよびR
4Bまたはその組合せに結合することによって前記発色団ポリマーに統合される。
【0172】
Xは、アミン、カルボキシレート、カルボキシル、マレイミド、チオール(-SH)、無水マレイン酸、N-ヒドロキシスクシンイミドエステル、メルカプト、アジド、アルキン、アルデヒド、ヒドロキシル、カルボニル、サルフェート、スルホネート、ホスフェート、シアネート、スクシンイミジルエステル、歪んだアルキン、アジド、ジエン、アルケン、テトラジン、歪んだアルケン、シクロオクチンまたはホスフィンを含むことができる。特に、Xは、カルボキシル基を含むことができる。
【0173】
Lは、化学結合、アミノ酸、エステル、アミド、カルバメート、エーテル、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、アリーレン、ポリエーテル、ポリエステル、ポリアミド、ポリカルバメート、ポリアリール、ポリスチレン、もしくはポリオレフィンまたはフッ
素化されたもしくは部分的にフッ素化されたその誘導体、またはその組合せから選択され得る。特に、Lは、水溶性ポリマーであってよい。水溶性ポリマーは、ポリエチレングリコールであってよい。あるいは、Lは、化学結合であってもよい。
【0174】
少なくとも1つのDは、本明細書に開示の方法に従って作製されたポリマードットの表面上に位置することができる。いくつかの実施形態では、生物学的分子が、Dにコンジュゲートしている。いくつかの実施形態では、生物学的分子は、ポリマードットの表面上に位置する少なくとも1つのDにコンジュゲートしている。いくつかの実施形態では、生物学的分子は、ナノ粒子の表面上に位置するDにコンジュゲートしている。いくつかの実施形態では、生物学的分子は、タンパク質または核酸を含むことができる。いくつかの実施形態では、生物学的分子は、抗体を含むことができる。いくつかの実施形態では、生物学的分子は、ストレプトアビジンを含むことができる。
有機-無機ハイブリッドポリマードットを使用する方法
【0175】
本開示はさらに、本明細書に記載のハイブリッドポリマードットを使用する方法を提供する。例えば、本開示は、多様な用途のために、新規分類の蛍光プローブとしての本明細書に記載のハイブリッドポリマードットおよびそれらのバイオコンジュゲートを使用する、蛍光に基づく検出方法を提供する。これらとしては、限定されるものではないが、フローサイトメトリー、蛍光活性化分取、免疫蛍光、免疫組織化学的検査、蛍光多重化、DNAおよび遺伝子解析、蛍光インサイチュハイブリッド形成法(FISH)、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)分析、等温DNAまたはRNA増幅に基づく分析、タンパク質分析、代謝産物分析、脂質分析、フェルスター共鳴エネルギー移動(FRET)に基づくセンサー、高速大量処理スクリーニング、細胞検出、細菌検出、ウイルス検出、バイオマーカー検出、細胞画像化、インビボ画像化、生体直交型標識化、Pdotセンサー、Pdot変換器に基づくセンサー、蛍光に基づく生物学的アッセイ、例えば免疫アッセイおよび酵素に基づくアッセイ、ならびに生物学的アッセイおよび測定における多様な蛍光技術が挙げられる。特定の実施形態では、ハイブリッドポリマードットは、本明細書では、例えば、ウェスタンブロット分析の過程におけるなどの、タンパク質またはペプチドの検出のための検出剤として使用するためのいくつかの長所を有する。本開示によるハイブリッドポリマードットは、タンパク質またはペプチド、特にタンパク質の検出を可能にする、1つまたは複数の任意の適切なポリマーサブユニットを含むことができる。本開示によるハイブリッドポリマードットは、核酸、特にDNAまたはRNAの検出を可能にする、1つまたは複数の任意の適切なポリマーサブユニットを含むことができる。
【0176】
いくつかの実施形態では、ハイブリッドポリマードットは、蛍光に基づく検出方法のための高い発光輝度などの優れた光物理的特性を提供することができる。いくつかの実施形態では、ハイブリッドポリマードットは、最小限の非特異的吸着あるいは標的細胞もしくは細胞構造または固定化生体分子との相互作用などの優れた特異的な細胞標的化能を提供することができる。いくつかの実施形態では、蛍光に基づく検出方法は、半導体発色団ポリマーおよび無機ネットワークを含む有機-無機ハイブリッドポリマードットであって、半導体発色団ポリマーおよび無機ネットワークが、有機-無機相互侵入ネットワークを形成している、有機-無機ハイブリッドポリマードットから発光された光を検出するステップを含むことができる。無機ネットワークは、例えば、シロキサンネットワーク、酸化チタンネットワークもしくはチタン-シロキサンネットワーク、または本明細書に記載の他の無機ネットワークのいずれかであってよい。
【0177】
本明細書に開示のハイブリッドポリマードットは、細胞などの生物学的分子にコンジュゲートしていてよい。ハイブリッドポリマードットは、このようなコンジュゲートした生物学的分子を標識、検出および追跡するために使用され得る蛍光源を提供する、発色団ポリマーを含むことができる。このような標識化は、例えば、蛍光活性化細胞分取(FAC
S)などの方法を使用する、フローサイトメトリーにおける粒子の分取ために使用することができる。このような標識化は、例えば、免疫アッセイ(例えば、ELISA)を使用して分子の存在を検出するために使用することができる。このような標識化は、例えば、熱サイクル(例えば、PCR)を用いてもよく、または等温スキーム(例えば、LAMP、NASBA、RPA、RCA等)を用いてもよい核酸増幅スキームを使用して、核酸の存在を検出するために使用することができる。このような標識化は、例えば、非増幅スキーム(例えば、分子ビーコンによる)を使用して、核酸の存在を検出するために使用することができる。ハイブリッドポリマードットの蛍光特性は、生物学的粒子へのコンジュゲーションを介して変更されてもよく、粒子のコンジュゲーションの状態に従ってそれらを分取することが可能になる。コンジュゲートしたハイブリッドポリマードットは、溶液中または固体表面に接着した細胞または他の生物学的粒子の光学的同定に使用することもできる。ハイブリッドポリマードットは、生体適合性のままであり、多くの既に開示されたポリマードットにおいて利用可能であるものよりも高密度かつより大きさの小さな生物学的粒子を標識する能力を提供する。
【0178】
いくつかの実施形態では、分析物を検出する方法であって、分析物を含む試料をハイブリッドポリマードットと接触させるステップを含む、方法が提供される。他の実施形態では、この方法は、分析物を含む試料をハイブリッドポリマードットの懸濁液と接触させるステップを含む。いくつかの実施形態では、試料は、血液、尿、便、リンパ液、唾液、涙液または脳脊髄液を含む。いくつかの実施形態では、試料は、ヒト対象、動物または単細胞生物などの対象に由来する。いくつかの実施形態では、試料は、生存動物または組織を含む。いくつかの実施形態では、分析物は、ハイブリッドポリマードットに結合している生体分子への結合親和性を有する。いくつかの実施形態では、分析物は、ポリペプチド、ポリヌクレオチド、細胞、細胞画分、ウイルス、薬物、毒素、炭水化物、糖、脂質または脂肪酸を含む。
【0179】
いくつかの実施形態では、この方法は、試料、懸濁液および/またはハイブリッドポリマードットから発光された信号を測定するステップをさらに含む。いくつかの実施形態では、この方法は、試料および/または懸濁液から発光された信号を使用して分析物を測定するステップをさらに含む。
【0180】
いくつかの実施形態では、この方法は、試料、懸濁液および/またはハイブリッドポリマードットを、電磁放射線源を用いて励起させるステップをさらに含む。いくつかの実施形態では、電磁放射線は、分光フィルタ、多色鏡(multichroic mirror)またはその組合せを通過する。いくつかの実施形態では、サンプルを励起させる電磁放射線のピーク波長は、約200nmと約300nmとの間、約250nmと約350nmとの間、約300nmと約400nmとの間、約350nmと約450nmとの間、約400nmと約500nmとの間、約450nmと約550nmとの間、約500nmと約600nmとの間、約550nmと約650nmとの間、約600nmと約700nmとの間、約650nmと約750nmとの間、約700nmと約800nmとの間、約750nmと約850nmとの間、約800nmと約900nmとの間、約850nmと約950nmとの間、または約900nmと約1000nmとの間である。
【0181】
いくつかの実施形態では、この方法は、試料から分析物を分離するステップをさらに含む。いくつかの実施形態では、試料から分析物を分離するステップは、分析物と会合したハイブリッドポリマードットをフローサイトメーターまたはマイクロ流体デバイスのフローセルに方向付けることを含む。いくつかの実施形態では、試料から分析物を分離するステップは、分析物と会合したハイブリッドポリマードットを固体支持体に結合させることを含む。いくつかの実施形態では、試料から分析物を分離するステップは、分析物と会合したハイブリッドポリマードットを粒子(例えば、ビーズまたは磁性ビーズ)に結合させ
ることを含む。
【0182】
いくつかの実施形態では、本開示の組成物、方法および系は、限定されるものではないが、免疫細胞化学、免疫組織化学的検査および酵素に基づくアッセイを含む免疫アッセイに使用される。いくつかの実施形態では、免疫アッセイを使用して、タンパク質などのポリペプチドを含む分析物が検出される。いくつかの実施形態では、抗体は、ハイブリッドポリマードットに間接的に、例えば、ポリマードットに結合している官能基へのコンジュゲーションによって、結合している。いくつかの実施形態では、抗体は、一次抗体である。いくつかの実施形態では、抗体は、二次抗体である。いくつかの実施形態では、一次抗体および二次抗体の両方が、ハイブリッドポリマードットに間接的に結合している。いくつかの実施形態では、アッセイは、組織から解離した細胞に対して実施される。他の実施形態では、アッセイは、無傷の(解離していない)組織に対して実施される。いくつかの実施形態では、ハイブリッドポリマードットを使用して、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)などの酵素に基づくアッセイが実施される。
【0183】
いくつかの実施形態では、本開示の組成物、方法および系は、限定されるものではないが、ポリメラーゼ連鎖反応、逆転写酵素PCR、リガーゼ連鎖反応、ループ介在増幅、逆転写ループ介在増幅、ヘリカーゼ依存性増幅、逆転写ヘリカーゼ依存性増殖、リコンビナーゼポリメラーゼ増幅、逆転写リコンビナーゼポリメラーゼ増幅、触媒ヘアピンアセンブリ反応、ハイブリダイゼーション連鎖反応、エントロピー駆動触媒反応、鎖置換増幅、逆転写鎖置換増幅、核酸配列に基づく増幅、転写介在増幅、自家持続配列複製、単一プライマー等温増幅、RNA技術の信号媒介増幅、ローリングサークル増幅、ハイパーブランチローリングサークル増幅、指数的増幅反応、スマート増幅、等温キメラプライマー開始核酸増幅、多置換増幅および/またはインサイチュハイブリダイゼーションを含む、ポリヌクレオチドの分析に使用される。
【0184】
いくつかの実施形態では、本開示の組成物、方法および系は、脂質、糖、ヌクレオチド、アミノ酸、脂肪酸および他の代謝産物を含む代謝産物の分析のために使用される。
【0185】
いくつかの実施形態では、本開示の組成物、方法および系は、限定されるものではないが、インビトロ真核細胞、インビボ真核細胞および原核細菌細胞を含む細胞を検出するために使用される。
【0186】
いくつかの実施形態では、本開示の組成物、方法および系は、限定されるものではないが、ミトコンドリア、小胞体および/またはシナプトソームを含む細胞小器官および他の細胞成分画分を検出するために使用される。
【0187】
いくつかの実施形態では、本開示の組成物、方法および系は、バイオアッセイにおいてバイオマーカーを検出するために使用される。バイオマーカーは、限定されるものではないが、タンパク質などのポリペプチド、DNAおよび/もしくはRNAなどのポリヌクレオチド、脂質、脂肪酸、糖、ヌクレオチドもしくはアミノ酸などの代謝産物、細胞、ウイルスまたはウイルス粒子であってよい。
【0188】
本発明の好ましい実施形態を、本明細書に示し、説明しているが、このような実施形態は例としてのみ提供されることが当業者には明白であろう。数々の変形例、変更および置換が、ここで、本発明から逸脱することなく当業者には想起されよう。本明細書に記載の本発明の実施形態への様々な代替例が、本発明の実施において用いられ得ることが理解されるべきである。以下の特許請求の範囲が、本発明の範囲を定義すること、ならびにこれらの特許請求の範囲内の方法および構造ならびにそれらの等価物がこれに包含されることが意図される。
【実施例0189】
本開示の組成物および方法を、以下の非限定的実施例によってさらに例示する。
(実施例1)
TEOSを使用したハイブリッドポリマードットの調製
【0190】
この実施例は、後続の特徴付け、バイオコンジュゲーションおよび生物学的用途のために、有機-無機ハイブリッドポリマードットを作製する方法を実証する。この方法は、オルトケイ酸テトラエチル(TEOS)の使用を含む。
【0191】
それぞれ、半導体ポリマー、アルキルシランおよびオルトケイ酸テトラエチル(TEOS)を含有する、3つのテトラヒドロフラン(THF)溶液を調製し、すべてのTHF溶液を混合して均質な溶液を形成する。混合した溶液を、超音波清浄浴中で超音波処理しながら水溶液に急速に注入する。水溶液は、バイオコンジュゲーションに適した官能基、例えば、カルボン酸、カルボキシレートまたは1級アミンを有するアルキルシランを含む。水溶液のpH値を、アンモニアを用いておよそ11のpHに調節する。
【0192】
ハイブリッドポリマードットは、N2ストリッピングを用い、加熱しながらTHFを除去した後に得られる。シランおよびアンモニアの加水分解中に形成されたアルコールを、THFと一緒に除去する。最終ハイブリッドPdot溶液は、中性に近い、すなわちおよそ7のpH値を示す。
(実施例2)
TEOSを使用しないハイブリッドポリマードットの調製
【0193】
この実施例は、後続の特徴付け、バイオコンジュゲーションおよび生物学的用途のために、有機-無機ハイブリッドポリマードットを作製する方法を実証する。この方法は、オルトケイ酸テトラエチル(TEOS)の使用を含まない。
【0194】
それぞれ、半導体ポリマーおよびアルキルシランを含有する、2つのテトラヒドロフラン(THF)溶液を調製し、両方のTHF溶液を混合して均質な溶液を形成する。混合した溶液を、超音波清浄浴中で超音波処理しながら水溶液に急速に注入する。水溶液は、バイオコンジュゲーションに適した官能基、例えば、カルボン酸、カルボキシレートまたは1級アミンを有するアルキルシランを含む。水溶液のpH値を、アンモニアを用いておよそ11のpHに調節する。
【0195】
ハイブリッドポリマードットは、N2ストリッピングを用い、加熱しながらTHFを除去した後に得られる。シランおよびアンモニアの加水分解中に形成されたアルコールを、THFと一緒に除去する。最終ハイブリッドPdot溶液は、中性に近い、すなわちおよそ7のpH値を示す。
(実施例3)
ハイブリッドポリマードットの調製および特徴付け
【0196】
この実施例は、後続の特徴付け、バイオコンジュゲーションおよび生物学的用途のために、実施例1の方法に従って有機-無機ハイブリッドポリマードットを作製する方法を実証する。
【0197】
それぞれ、半導体ポリマー、アルキルシランおよびTEOSを含有する、3つのテトラヒドロフラン(THF)溶液を調製した。表1は、使用した半導体ポリマーを提供し、さらに、アルキルシランおよびTEOSに対するポリマーの組成比を提示する。使用したアルキルシランは、表1に提示されている通り、オルトケイ酸テトラメチル(TMOS)ま
たはTCOS(
図2に示す化学構造)のいずれかであった。
【0198】
すべてのTHF溶液を混合して均質な溶液を形成した。混合した溶液を、超音波清浄浴中で超音波処理しながら水溶液に急速に注入した。水溶液は、バイオコンジュゲーションに適した官能基、例えば、カルボン酸、カルボキシレートまたは1級アミンを有するアルキルシランを含む。水溶液のpH値を、アンモニアを用いておよそ11のpHに調節する。
【0199】
ハイブリッドポリマードットは、N2ストリッピングを用い、加熱しながらTHFを除去した後に得られた。シランおよびアンモニアの加水分解中に形成されたアルコールを、THFと一緒に除去した。最終ハイブリッドPdot溶液は、中性に近い、すなわちおよそ7のpH値を示した。
【0200】
表1は、動的光散乱(DLS)によって測定したポリマードットの大きさ、ゼータ電位(ζ)および蛍光量子収率(QY)を示している。表1に示されている通り、ハイブリッドポリマードットは、それぞれの未処理のポリマードットの蛍光量子収率よりも高い蛍光量子収率を示す。このことは、有機-無機相互侵入構造の形成の重要性を示している。これらの結果はまた、ポリマードットの光学特性および安定性を改善するためのこの一般的な戦略を強調している。
【表1】
(実施例4)
PFBTを使用したハイブリッドポリマードットの調製
【0201】
この実施例は、後続の特徴付け、バイオコンジュゲーションおよび生物学的用途のために、有機-無機ハイブリッドポリマードットを作製する方法を実証する。
【0202】
PFBT(発色団ポリマー)を、不活性雰囲気下で撹拌することによってテトラヒドロフラン(THF)に溶解して、濃度1mg/mLの溶液を作製した。TMOS(有機アル
キルシラン)をTHFに溶解して、濃度1mg/mLの溶液を作製した。あるいは、TCOSを有機アルキルシランとして使用することができる。TEOS(有機シラン)をTHFに溶解して、濃度1mg/mLの溶液を作製した。PFBT、TMOS(またはTCOS)およびTEOS溶液をTHFで希釈して、PFBTを濃度0.1mg/mLで含有する、混合された均質溶液2mLを形成した。次に、シラン-COONaの10-3M水溶液を調製し、この溶液のpH値をおよそ11に調節した。2mL量のPFBT溶液混合物を、混合物を超音波処理しながら、先に調製したシラン-COONa水溶液10mLに急速に添加した。THFを、窒素ストリッピングによって除去し、溶液を、連続窒素ストリッピングによって、ホットプレート上90℃で2mLまで濃縮し、その後0.2ミクロンフィルターを介して濾過した。
【0203】
図2は、発色団ポリマーであるポリフルオレン-ベンゾチアジアゾール、ならびにTMOS、TCOSおよびTEOSなどの有機アルキルシラン分子の化学構造を提示している。シラン-COONaなどのカルボキシレート基を有する官能性シラン分子も、
図2に例示されている。
【0204】
得られたナノ粒子分散液は、透明かつ数カ月にわたり凝集の兆候がなく安定である。ハイブリッドポリマードットをさらに特徴付けし、蛍光画像化用途のために生体分子にコンジュゲートさせる。
(実施例5)
未処理のおよびハイブリッドポリマードットの調製
【0205】
この実施例は、後続の特徴付け、バイオコンジュゲーションおよび生物学的用途のために、実施例1または2の方法に従って有機-無機ハイブリッドポリマードットを作製する方法を実証する。
【0206】
ハイブリッドポリマードットを、実施例1または2に従って調製し、ここで、ポリマー、アルキルシランおよび必要に応じてのTEOSは、表2に提示されている通りであった。
【0207】
表2に示されている通り、ハイブリッドポリマードットは、それぞれの未処理のポリマードット(無機ネットワークを含まないポリマードット)の蛍光量子収率よりも高い蛍光量子収率を示す。このことは、有機-無機相互侵入構造の形成の重要性を示している。これらの結果はまた、ポリマードットの光学特性および安定性を改善するためのこの一般的な戦略を強調している。
【表2】
(実施例6)
ハイブリッドポリマードットの大きさ、表面電位および蛍光量子収率の特徴付け
【0208】
この実施例は、ハイブリッドポリマードットの粒径、表面電位および蛍光量子収率の評
価を実証する。
【0209】
ハイブリッドポリマードットを、実施例1または2に従って調製し、ここで、ポリマー、アルキルシランおよび必要に応じてのTEOSは、表3に提示されている通りであった。
【0210】
ハイブリッドポリマードットの粒径および表面電位を、Malvern Nanosizer ZSを使用することによって測定した。UV-Vis吸収スペクトルを、1cmの石英キュベットを使用するDU 720分光光度計を使用して記録した。蛍光スペクトルを、Fluorolog-3蛍光光度計で、1cmの石英キュベットを使用して、収集した。ハイブリッドポリマードットの蛍光量子収率を、150W CWキセノンランプからの励起460nmで、積分球(モデルC9920-02、Hamamatsu Photonics)を使用して収集した。
【0211】
表3に、粒径、表面電位および蛍光量子収率データをまとめる。表3から分かる通り、ハイブリッドポリマードットは、未処理のポリマードットの粒径と比較して、同等またはより小さい粒径を有する。しかし、ハイブリッドポリマードットは、未処理のポリマードットと比較して、より高い量子収率を有する。このことは、ハイブリッドポリマードットの蛍光特性が改善されたことを示している。
【表3】
(実施例7)
ハイブリッドポリマードットの透過型電子顕微鏡特徴付け
【0212】
この実施例は、透過型電子顕微鏡による、ハイブリッドポリマードットの大きさ、形態および単分散性の評価を実証する。
【0213】
ハイブリッドポリマードットを、実施例1に従って調製して、PFBT、TMOSおよびTEOS;PFBT、TCOSおよびTEOS;ならびにMEH-PPV、TMOSおよびTEOSを使用するハイブリッドポリマードットを作製した。
【0214】
TEM測定を、ハイブリッドポリマードット分散液1滴を銅製の格子上に置くことによって行った。分散液から水を蒸発させた後、表面を、TEM(FEI Tecnai F20、200kV)を使用して画像化した。
図3は、ハイブリッドポリマードットおよび未処理のポリマードットの代表的なTEM画像を示している。TEM結果は、未処理のポリマードットと比較して、ハイブリッドポリマードットは単分散性が改善されたことを示している。とりわけ、ハイブリッドポリマードットの拡大TEM画像は、ハイブリッドポリマードットがコア-シェル構造もコア-キャップ構造も有さないことを示している。このことは、有機シランの加水分解によりシリカネットワークが形成され、シリカネットワークおよび半導体ポリマーの相互侵入ハイブリッドネットワークが形成されることを示している。
(実施例8)
ハイブリッドポリマードットの単一粒子輝度
【0215】
この実施例は、横並びの単一粒子発光輝度評価ならびにハイブリッドポリマードットと未処理のポリマードットとの比較を実証する。
【0216】
ハイブリッドポリマードットを、実施例1に従って調製し、ここで、ポリマー、アルキルシランおよびTEOSは、表4に提示されている通りであった。
【0217】
ハイブリッドポリマードットをMilli-Q水で希釈し、真空下で清浄なガラスカバーガラス上で乾燥させ、蛍光顕微鏡で画像化した。サファイアレーザー(Coherent、Santa Clara、CA、USA)からの488nmレーザービームを、自作の操縦型光学装置(steering optics)を使用して、倒立顕微鏡(Nikon TE2000U、Melville、NY、USA)に向けた。レーザー励起出力を、対象物の前のノーズピースにおいて測定した。照射および集光のために使用した対物レンズは、1.45NA 100×対物レンズ(Nikon、Melville、NY、USA)であった。蛍光信号を500nmのロングパスフィルター(HQ500LP;Chroma、Rockingham、VT、USA)に通し、EMCCDカメラ(Photometrics Cascade:512B、Tucson、AZ USA)で画像化した。所与の粒子のフレーム1つ当たり発光された蛍光強度を、蛍光スポットにわたるCCD信号を積分することによって推定した。
【0218】
図4は、同一の取得およびレーザー励起条件下で蛍光画像から得た単一粒子強度ヒストグラムを示している。表4にまとめた結果は、本明細書に開示の方法に従って調製したハイブリッドポリマードットが、未処理のポリマードットの蛍光信号と比較して、蛍光信号において改善を呈することを示している。蛍光輝度は、ピーク吸収断面と蛍光量子収率の積である。量子収率値に基づいて、このような改善は、ハイブリッドポリマードットの粒子当たりの吸収断面が、未処理のポリマードットの粒子当たりの吸収断面と同等であることを示している。このことは、ハイブリッドポリマードットに充填された発色団ポリマー鎖の数が、未処理のポリマードットに充填された発色団ポリマー鎖の数と同様であることを示している。このことは、未処理のポリマードットは一般にハイブリッドポリマードットよりも大きいが、ハイブリッドポリマードットは、よりコンパクトな内部構造を有することを示している。さらに、相互侵入ネットワークの形成は、ポリマーが一緒になって密
に詰められた場合、それらの自己消光を低減するかもしれない。
【表4】
(実施例9)
細胞標識化のためのハイブリッドポリマードットの生体分子コンジュゲーション
【0219】
この実施例は、ハイブリッドポリマードット上のカルボキシル基と、生体分子上のアミン基との間のEDC触媒型の反応を利用したバイオコンジュゲーションを実証する。
【0220】
ハイブリッドポリマードットを、実施例1に従って調製して、PFBT、TMOSおよびTEOSを2:1:1および2:2:2の比で使用するハイブリッドポリマードット、ならびにPFBT、TCOSおよびTEOSを2:1:1および2:2:2の比で使用するハイブリッドポリマードットを作製した。
【0221】
ポリエチレングリコール(5%w/vPEG、MW3350)60μLおよび濃縮したHEPES緩衝液(1M)60μLを、ハイブリッドポリマードット溶液(MilliQ水中50μg/mL)3mLに添加し、pH7.3の20mM HEPES緩衝液中のハイブリッドポリマードット溶液を得た。次に、ストレプトアビジン180μLを溶液に添加し、ボルテックスすることによって十分に混合した。あるいは、IgG抗体(1mg/mL)を、ストレプトアビジン180μLの代わりに使用することができる。1-エチル-3-[3-ジメチルアミノプロピル]カルボジイミドヒドロクロリド(EDC)溶液(MilliQ水中5mg/mL)60μLを、ボルテックスした溶液に添加し、混合物を回転式振とう機で4時間、室温で振とうした。得られたハイブリッドポリマードット-ストレプトアビジンバイオコンジュゲートを、ゲル濾過によってSephacryl HR-300ゲル媒質を使用して遊離生体分子から分離した。
【0222】
MCF-7およびSK-BR-3乳がん細胞系を、American Type Culture Collection(ATCC、Manassas、VA、USA)に発注した。細胞を、10%ウシ胎児血清(FBS)、50U/mLペニシリン、および50μg/mLストレプトマイシンを補充したイーグル最小必須培地(MCF-7について)またはMcCoy 5A培地(SK-BR-3について)中、37℃、5%CO2で培養した。実験前に、コンフルエンスに達するまで細胞を前培養した。細胞を、培養培地で簡潔にすすぎ、その後トリプシン-EDTA溶液(0.25w/v%トリプシン、0.53mMのEDTA)5mLで37℃において5~15分間インキュベートすることによって培養フラスコから回収した。細胞を、完全に剥離した後にすすぎ、遠心分離処理にかけ、標識化緩衝液(1×PBS、2mM EDTA、1%BSA)に再び懸濁させた。細胞濃度を、顕微鏡によって血球計数器を使用して決定した。
【0223】
ハイブリッドポリマードット-ストレプトアビジンバイオコンジュゲートを、EpCAMを検出するためのプローブとして使用した。ハイブリッドポリマードット-ストレプトアビジンバイオコンジュゲートを用いて細胞表面マーカーを標識するために、ガラス底の培養皿に入れた生存MCF-7細胞を、抗ヒトCD326一次抗体5μg/mL、ビオチン化二次抗マウスIgG(Biolegend、San Diego、CA、USA)5μg/mLおよび5nMのハイブリッドPdot-ストレプトアビジンと一緒に、それぞれ逐次的に30分間インキュベートした。各インキュベーションの後に、2回の洗浄ステップを実施した。ハイブリッドポリマードットでタグ付けした細胞を、蛍光共焦点顕微鏡(Zeiss LSM510)ですぐに画像化した。共焦点画像化によって示される通り、ハイブリッドポリマードット-ストレプトアビジンバイオコンジュゲートは、ビオチン化抗EpCAM一次抗体と共に、生存MCF-7細胞の表面上のEpCAMを有効に標識した。
【0224】
細胞を、ビオチン一次抗体がない状態で、ハイブリッドポリマードット-ストレプトアビジンバイオコンジュゲートと一緒にインキュベートした場合、細胞表面では蛍光は観察されなかった。このことは、ハイブリッドポリマードット-ストレプトアビジンバイオコンジュゲートの非常に特異的な結合を示している。信号の欠如も、このビオチン-ストレプトアビジン標識化系において非特異的結合がないことを示した。
【0225】
図6および
図8はハイブリッドポリマードットバイオコンジュゲートで標識されたMCF細胞の蛍光画像化を提示している。
【0226】
蛍光画像化に加えて、フローサイトメトリーを使用して、ハイブリッドポリマードット-ストレプトアビジンバイオコンジュゲートの標識化輝度を評価した。
図11は、ハイブリッドポリマードットで標識されたMCF-7細胞のフローサイトメトリー結果を示している。「N-1」は、ストレプトアビジンなしにハイブリッドポリマードットと一緒にインキュベートした対照細胞を示す。「N-2」は、ビオチン化一次抗体がない状態で、ハイブリッドポリマードット-ストレプトアビジンバイオコンジュゲートと一緒にインキュベートした対照細胞を示す。「P」は、ハイブリッドポリマードット-ストレプトアビジンバイオコンジュゲートおよびビオチン化一次抗体と一緒にインキュベートした細胞を示す。蛍光は、「P」群のみについて観察された。このことは、ハイブリッドポリマードット-ストレプトアビジンバイオコンジュゲートの非常に特異的な結合を示している。
【0227】
図5は、未処理のポリマードットバイオコンジュゲートと比較した、ハイブリッドポリマードット-ストレプトアビジンバイオコンジュゲートで標識したMCF-7細胞のフローサイトメトリー結果を示している。
図5において、Pdot-1は、PFBT/PS-PEG-COOH(20%)であり、Pdot-2は、PFBT/TMOS/TEOS=2/1/1であり、Pot-3は、PFBT/TMOS/TEOS=2/2/2であり、Pdot-4は、PFBT/TCOS/TEOS=2/1/1であり、Pdot-5は、PFBT/TMOS/TEOS=2/2/2であり、-Nは、細胞を、ビオチン化一次抗体と一緒にインキュベートせず、ビオチン化一次抗体なしで、ハイブリッドポリマードット-ストレプトアビジンコンジュゲートと一緒に直接インキュベートした負の対照を示し、-Pは、正の標識化を示す。結果は、ハイブリッドポリマードットが、PS-PEG-COOHブレンド法によって官能化されたポリマードット、未処理のポリマードットと比較して、同様またはわずかに高い細胞標識化輝度を呈することを示している。
(実施例10)
細胞標識化のためのハイブリッドポリマードットの光安定性
【0228】
この実施例は、ハイブリッドポリマードットバイオコンジュゲートで標識した細胞の光
安定性測定を実証する。
【0229】
ハイブリッドポリマードットを、実施例1に従って調製して、PFBT、TMOSおよびTEOSを2:1:1および2:2:2の比で使用するハイブリッドポリマードット、ならびにPFBT、TCOSおよびTEOSを2:1:1および2:2:2の比で使用するハイブリッドポリマードットを作製した。
【0230】
MCF-7細胞を、実施例8で提供される通りに標識した。ハイブリッドポリマードットバイオコンジュゲートで標識した細胞を、蛍光共焦点顕微鏡(Zeiss LSM510)で画像化した。光退色研究のために、共焦点蛍光画像を、ハイブリッドポリマードットで標識した細胞、およびPS-PEG-COOHとブレンドしたポリマードットで標識した細胞について連続的に記録した。光退色データ点を、カスタムコードしたMatlabプログラムを使用して蛍光画像を分析することによって抽出した。
図7および
図9に示されている通り、蛍光画像から抽出した光退色曲線は、ハイブリッドポリマードットが、PS-PEG-COOHブレンド法によって官能化したポリマードットよりも光安定であったことを示している。
(実施例11)
ハイブリッドポリマードットおよび関連のバイオコンジュゲートのゲル電気泳動
【0231】
この実施例は、ゲル電気泳動を使用したハイブリッドポリマードットの表面上の官能基の特徴付けを実証する。
【0232】
ゲル電気泳動を、0.7%アガロースゲルを使用して実施した。官能化ハイブリッドポリマードットのアガロースゲル電気泳動を、Mupid(登録商標)-exUサブマリン式電気泳動系を使用して実施した。30%グリセロール中官能化ハイブリッドポリマードットを、0.1%ポリエチレングリコールを含有する0.7%アガロースゲル上にロードした。官能化ハイブリッドポリマードットをロードしたゲルを、トリス-ホウ酸-EDTA(TBE)緩衝液中、135Vで20分泳動し、次にKodak image station 440CF系で画像化した。
図10に示されている通り、官能化されていない、未処理のポリマードットと比較して、官能化ハイブリッドポリマードットは、ゲル中で移動度の増大を呈した。とりわけ、ハイブリッドポリマードットをストレプトアビジンにコンジュゲートすると、ハイブリッドポリマードット-ストレプトアビジンバイオコンジュゲートは、移動度の低減を示す。このことは、バイオコンジュゲーションの成功を検出するために使用することができる。
(実施例12)
ハイブリッドポリマードットのネットワーク構造の決定
【0233】
この実施例は、TEMおよびフローサイトメトリーを利用したハイブリッドポリマードットの形成中に生成された相互侵入ネットワークの特徴付けを実証する。
【0234】
相互侵入ハイブリッドポリマードットを、PFBT、TCOSおよびTEOSを1:1:1の重量比で使用して、実施例1に従って調製した。
【0235】
PFBT-14%C2COOH(官能化発色団ポリマー)を、不活性雰囲気下で撹拌することによってテトラヒドロフラン(THF)に溶解して、濃度1mg/mLの溶液を作製した。TCOS(有機シラン)をTHFに溶解して、濃度1mg/mLの溶液を作製した。TEOSをTHFに溶解して、濃度1mg/mLの溶液を作製した。PFBT-14%C2COOH、TCOSおよびTEOSの先の溶液をTHFで希釈して、PFBT-14%C2COOHを濃度0.1mg/mLで含有する、混合された均質溶液2mLを形成した。脱イオン水を得、そのpH値をおよそ11に調整した。2mL量のPFBT-14
%C2COOH溶液を、混合物を超音波処理しながら、水溶液10mLに急速に添加した。THFを、窒素ストリッピングによって除去し、溶液を、連続窒素ストリッピングによって、ホットプレート上90℃で2mLまで濃縮し、その後0.2ミクロンフィルターを介して濾過した。これにより、発色団ポリマーがカルボキシル基で直接官能化されたハイブリッドポリマードットが得られ、シラン-COONaと相互侵入していないPdotが得られた。
【0236】
図15は、発色団ポリマーであるポリフルオレン-ベンゾチアジアゾールPFBT-14%C
2COOH、ならびにTCOSおよびTEOSなどの有機シラン分子の化学構造を提示している。カルボキシルで直接官能化した得られたポリマードットも、
図15に例示されている。
【0237】
ハイブリッドポリマードット-ストレプトアビジンバイオコンジュゲートを、実施例8に従って調製して、PFBT-14%C2COOHポリマードット-ストレプトアビジンバイオコンジュゲートおよびシラン-COONaポリマードット-ストレプトアビジンバイオコンジュゲートを作製した。
【0238】
フローサイトメトリーを使用して、実施例8に従うようなハイブリッドポリマードット-ストレプトアビジンバイオコンジュゲートの標識化輝度を評価した。
図16は、PFBT-14%C
2COOHハイブリッドポリマードットで標識した、またはシラン-COONaハイブリッドポリマードットで標識したMCF-7細胞のフローサイトメトリー結果を示している。「負の」は、ビオチン化一次抗体がない状態で、ハイブリッドポリマードット-ストレプトアビジンバイオコンジュゲートと一緒にインキュベートした対照細胞を示す。「正の」は、ハイブリッドポリマードット-ストレプトアビジン(strepdavidin)バイオコンジュゲートおよびビオチン化一次抗体と一緒にインキュベートした細胞を示す。蛍光は、「正の」群の両方で観察された。このことは、生成した両方のタイプのPdotに当てはまる、カルボキシル官能性基へのストレプトアビジンの特異的結合を示している。結果は、PFBT-14%C
2COOHハイブリッドポリマードットの外部カルボキシル利用能が、シラン-COONaハイブリッドポリマードットの外部カルボキシル利用能と同様であることを示した。この結果は、Pdot内部のPFBT骨格鎖の短いカルボン酸官能基が、ハイブリッドPdotの外側のシェルとしてのシリカネットワークに含まれず、代わりに、ポリマー鎖とシリカネットワークとの間に形成される相互侵入ネットワークの一部として存在していることを示した。このフローサイトメトリー実験の結果は、ハイブリッドポリマーPdotがメッシュ様構造で形成され、明らかなコア-シェル構造を有さないことを示した。このことは、有機シランの加水分解により、半導体ポリマーと相互に侵入するシリカネットワークが形成され、したがってハイブリッド相互侵入ネットワークが形成されたことを示している。
【0239】
TEM測定を、ハイブリッドポリマードット分散液1滴を銅製の格子上に置くことによって行った。分散液から水を蒸発させた後、表面を、TEM(FEI Tecnai F20、200kV)を使用して画像化した。
図17は、PFBT-14%C
2COOHハイブリッドポリマードットの代表的なTEM画像を示している。とりわけ、ハイブリッドポリマードットの拡大TEM画像は、ハイブリッドポリマードットがコア-シェル構造もコア-キャップ構造も有さないことを示している。このことは、有機シランの加水分解によりシリカネットワークが形成され、次にハイブリッドPdot内部で、シリカネットワークと半導体ポリマー鎖との間で相互侵入ハイブリッドネットワークが形成されることをさらに示している。
【0240】
本発明の好ましい実施形態を、本明細書に示し、説明しているが、このような実施形態は例としてのみ提供されることが当業者には明白であろう。数々の変形例、変更および置
換が、ここで、本発明から逸脱することなく当業者には想起されよう。本明細書に記載の本発明の実施形態への様々な代替例が、本発明の実施において用いられ得ることが理解されるべきである。以下の特許請求の範囲が、本発明の範囲を定義すること、ならびにこれらの特許請求の範囲内の方法および構造ならびにそれらの等価物がこれに包含されることが意図される。
【0241】
本発明の好ましい実施形態によれば、例えば、以下が提供される。
(項1)
半導体発色団ポリマー、および
無機ネットワーク
を含む有機-無機ハイブリッドポリマードットであって、
前記半導体発色団ポリマーおよび前記無機ネットワークが有機-無機相互侵入ネットワークを形成している、有機-無機ハイブリッドポリマードット。
(項2)
前記無機ネットワークが、シロキサンネットワーク、アルミノ-シロキサンネットワーク、チタン-シロキサンネットワーク、酸化チタンネットワークまたはその組合せを含む、上記項1に記載のポリマードット。
(項3)
前記無機ネットワークが、シロキサンネットワークを含む、上記項2に記載のポリマードット。
(項4)
前記シロキサンネットワークが、複数の相互接続単位を含み、各相互接続単位が、
【化38】
からなる群から選択され、
式中、
A
0
、A
1
、A
2
、A
3
、A
4
、A
5
、A
6
、A
7
、A
8
、A
9
は、それぞれ独立に、C
n
H
2n+1
、C
n
H
2n
X、C
n
F
2n+1
またはC
n
F
2n
Xであり、
Xは、バイオコンジュゲーションに適した官能基であり、
D
0
、D
1
、D
2
、D
3
、D
4
、D
5
、D
6
、D
7
、D
8
、D
9
は、それぞれ独立に、LXであり、ここで、Lはリンカー部分であり、
nは1以上である、
上記項3に記載のポリマードット。
(項5)
nが3以上である、nが6以上である、nが20以下である、nが40以下である、nが60以下である、またはnが6以上20以下である、上記項4に記載のポリマードット。
(項6)
Xが、アミン、カルボキシレート、カルボキシル、マレイミド、チオール、無水マレイン酸、N-ヒドロキシスクシンイミドエステル、メルカプト、アジド、アルキン、アルデヒド、ヒドロキシル、カルボニル、サルフェート、スルホネート、ホスフェート、シアネート、スクシンイミジルエステル、歪んだアルキン、アジド、ジエン、アルケン、テトラジン、歪んだアルケン、シクロオクチンまたはホスフィンを含む、上記項4から5のいずれか1項に記載のポリマードット。
(項7)
Xが、カルボキシル基を含む、上記項4から6のいずれか1項に記載のポリマードット。
(項8)
Lが、化学結合、アミノ酸、エステル、アミド、カルバメート、エーテル、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、アリーレン、ポリエーテル、ポリエステル、ポリアミド、ポリカルバメート、ポリアリール、ポリスチレン、ポリエチレングリコールもしくはポリオレフィンまたはフッ素化されたもしくは部分的にフッ素化されたその誘導体、またはその組合せから選択される、上記項4から7のいずれか1項に記載のポリマードット。
(項9)
Lが、両親媒性である、上記項4から8のいずれか1項に記載のポリマードット。
(項10)
Lが、水溶性ポリマーである、上記項4から9のいずれか1項に記載のポリマードット。
(項11)
前記水溶性ポリマーが、ポリエチレングリコールである、上記項10に記載のポリマードット。
(項12)
Lが、化学結合である、上記項4から8のいずれか1項に記載のポリマードット。
(項13)
少なくとも1つのDが、前記ポリマードットの表面上に位置する、上記項4から12のいずれか1項に記載のポリマードット。
(項14)
Dにコンジュゲートした生物学的分子をさらに含む、上記項4から13のいずれか1項に記載のポリマードット。
(項15)
前記生物学的分子が、前記ポリマードットの表面上に位置する少なくとも1つのDにコンジュゲートしている、上記項14に記載のポリマードット。
(項16)
前記生物学的分子が、タンパク質または核酸を含む、上記項14から15のいずれか1項に記載のポリマードット。
(項17)
前記生物学的分子が、抗体を含む、上記項14から15のいずれか1項に記載のポリマードット。
(項18)
前記生物学的分子が、ストレプトアビジンを含む、上記項14から15のいずれか1項に記載のポリマードット。
(項19)
前記シロキサンネットワークが、アルキルシラン、アルコキシシラン、クロロシラン、オルトシリケート、シロキサン、アルファシラン、アセトキシシラン、アミノシラン、ビスシラン、エポキシシラン、ハロシラン、ハイドロジェンシラン、ハイドロジェンシロキサン、ヒドロキシルシラン、エステルシラン、アリールシラン、アクリルシラン、メタクリルシラン、スチリルシラン、ビニルシラン、オレフィンシラン、硫黄シラン、ホスフィンシラン、ホスフェートシラン、イソシアネートシラン、アジドシラン、アンヒドリドシランまたはその組合せから完全にまたは部分的に加水分解されている、上記項3から18のいずれか1項に記載のポリマードット。
(項20)
前記シロキサンネットワークが、オクトデシルトリメトキシシラン、オクトデシルトリクロロシラン、オルトケイ酸テトラエチル、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、クロロプロピルトリメトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリクロロシラン、グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、エポキシヘキシルトリエトキシシラン、ヒドロキシメチルトリエトキシシラン、ヨードプロピルトリメトキシシラン、イソシアナトプロピルトリメトキシシラン、メタクリルオキシメチルトリエト
キシシラン、ビニルトリメトキシシラン、スチリルエチルトリメトキシシランまたはその組合せから完全にまたは部分的に加水分解されている、上記項3から19のいずれか1項に記載のポリマードット。
(項21)
前記シロキサンネットワークが、オクトデシルトリメトキシシラン、オクトデシルトリクロロシラン、もしくはオルトケイ酸テトラエチルまたはその組合せから完全にまたは部分的に加水分解されている、上記項3から20のいずれか1項に記載のポリマードット。
(項22)
前記ポリマードット中の前記シロキサンネットワーク由来のケイ素の重量パーセントが、約1%~約45%または約1%~約47%の範囲内である、上記項3から21のいずれか1項に記載のポリマードット。
(項23)
前記シロキサンネットワークが、アルキル鎖を含み、前記半導体発色団ポリマーが前記シロキサンネットワークのアルキル鎖と物理的に会合し、それによって前記有機-無機相互侵入ネットワークを形成している、上記項3から22のいずれか1項に記載のポリマードット。
(項24)
前記半導体発色団ポリマーが、疎水性相互作用によって前記シロキサンネットワークと物理的に会合している、上記項23に記載のポリマードット。
(項25)
前記シロキサンネットワークが、直交型架橋単位を含む、上記項3から24のいずれか1項に記載のポリマードット。
(項26)
前記シロキサンネットワークが、前記半導体発色団ポリマーに共有結合していない、上記項3から25のいずれか1項に記載のポリマードット。
(項27)
前記有機-無機相互侵入ネットワークが、メッシュ様である、上記項1から26のいずれか1項に記載のポリマードット。
(項28)
前記ポリマードットが、5nm以上50nm以下の直径を有するか、または前記ポリマードットが、10nm以上30nm以下の直径を有する、上記項1から27のいずれか1項に記載のポリマードット。
(項29)
前記ポリマードットが、少なくとも5%の量子収率を有するか、または前記ポリマードットが、少なくとも10%の量子収率を有する、上記項1から28のいずれか1項に記載のポリマードット。
(項30)
前記ポリマードットが、複数の半導体発色団ポリマーを含む、上記項1から29のいずれか1項に記載のポリマードット。
(項31)
前記ポリマードットが、半導体発色団ポリマーのブレンドを含む、上記項1から30のいずれか1項に記載のポリマードット。
(項32)
前記半導体発色団ポリマーが、フルオレンポリマー、フルオレンに基づくポリマーもしくはコポリマー、フェニレンビニレンに基づくポリマーもしくはコポリマー、フェニレンエチニレンに基づくポリマーもしくはコポリマー、BODIPYに基づくポリマーもしくはコポリマーまたはその組合せを含む、上記項1から31のいずれか1項に記載のポリマードット。
(項33)
前記半導体発色団ポリマーが、ポリ(9,9-ジヘキシルフルオレニル-2,7-ジイ
ル)(PDHF)含有ポリマー、ポリ(9,9-ジオクチルフルオレニル-2,7-ジイル)(PFO)含有ポリマー、ポリ[{9,9-ジオクチル-2,7-ジビニレン-フルオレニレン}-alt-co-{2-メトキシ-5-(2-エチルヘキシルオキシ)-1,4-フェニレン}](PFPV)含有ポリマー、ポリ[(9,9-ジオクチルフルオレニル-2,7-ジイル)-co-(1,4-ベンゾ-{2,1,3}-チアジアゾール)](PFBT)含有ポリマー、ポリ[(9,9-ジオクチルフルオレニル-2,7-ジイル)-co-(4,7-ジ-2-チエニル-2,1,3-ベンゾチアジアゾール)](PFTBT)含有ポリマー、ポリ[(9,9-ジオクチルフルオレニル-2,7-ジイル)-9-co-(4,7-ジ-2-チエニル-2,1,3-ベンゾチアジアゾール)](PF-0.1TBT)含有ポリマー、ポリ[2-メトキシ-5-(2-エチルヘキシルオキシ)-1,4-フェニレンビニレン](MEH-PPV)含有ポリマー、ポリ[2-メトキシ-5-(2-エチルへキシルオキシ)-1,4-(1-シアノビニレン-1,4-フェニレン)](CN-PPV)含有ポリマー、BODIPY含有ポリマーまたはその組合せを含む、上記項1から32のいずれか1項に記載のポリマードット。
(項34)
前記半導体発色団ポリマーが、BODIPY誘導体を含む、上記項1から33のいずれか1項に記載のポリマードット。
(項35)
前記BODIPY誘導体が、式(I):
【化39】
の構造を有し、
式中、R
1
、R
2A
、R
2B
、R
3A
、R
4A
およびR
4B
のそれぞれは、水素、アルキル、アラルキル、アリールおよびアルコキシ-アリールから独立に選択され、前記BODIPY誘導体は、R
1
、R
2A
、R
2B
、R
3A
、R
3B
、R
4A
およびR
4B
またはその組合せに結合することによって前記発色団ポリマーに統合される、上記項34に記載のポリマードット。
(項36)
前記ポリマードットに結合している官能基をさらに含む、上記項1から35のいずれか1項に記載のポリマードット。
(項37)
前記官能基が、前記無機ネットワークに結合している、上記項36に記載のポリマードット。
(項38)
前記官能基が、前記半導体発色団ポリマーに結合している、上記項36に記載のポリマードット。
(項39)
前記官能基が、疎水性官能基、親水性官能基またはその組合せを含む、上記項36から38のいずれか1項に記載のポリマードット。
(項40)
前記官能基が、バイオコンジュゲーションに適している、上記項36から39のいずれか1項に記載のポリマードット。
(項41)
前記官能基が、アルデヒド、アルケン、アルキル、アルキン、歪んだアルキン、アミノ、アジド、カルボニル、カルボキシル、シアノ、シクロオクチン、ジエノ、エステル、ス
クシンイミジルエステル、ハロアルキル、ヒドロキシル、イミド、ケトン、マレイミド、メルカプト、ホスフェート、ホスフィン、サルフェート、スルホネートまたはその組合せを含む、上記項36から40のいずれか1項に記載のポリマードット。
(項42)
前記ポリマードットに結合している生物学的分子をさらに含む、上記項1から41のいずれか1項に記載のポリマードット。
(項43)
前記生物学的分子が、ポリペプチドまたはポリヌクレオチドを含む、上記項42に記載のポリマードット。
(項44)
前記生物学的分子が、抗体、アビジン、ビオチン、核酸またはその組合せから選択される、上記項42から43のいずれか1項に記載のポリマードット。
(項45)
前記生物学的分子が、前記ポリマードットに直接的または官能基によって間接的に結合している、上記項42から44のいずれか1項に記載のポリマードット。
(項46)
有機-無機ハイブリッドポリマードットを作製する方法であって、
溶媒、半導体発色団ポリマーおよびオルガノシランを含む溶液を提供するステップと、
前記溶液を水溶液と混合するステップと
を含み、前記溶液または前記水溶液のうちの少なくとも1つが、バイオコンジュゲーションに適した官能基であるXを含むオルガノシランを含む、方法。
(項47)
前記溶液が、Xを含む前記オルガノシランを含む、上記項46に記載の方法。
(項48)
前記水溶液が、Xを含む前記オルガノシランを含む、上記項46から47のいずれか1項に記載の方法。
(項49)
Xが、アミン、カルボキシレート、カルボキシル、マレイミド、チオール、無水マレイン酸、N-ヒドロキシスクシンイミドエステル、メルカプト、アジド、アルキン、アルデヒド、ヒドロキシル、カルボニル、サルフェート、スルホネート、ホスフェート、シアネート、スクシンイミジルエステル、歪んだアルキン、アジド、ジエン、アルケン、テトラジン、歪んだアルケン、シクロオクチンまたはホスフィンを含む、上記項46から48のいずれか1項に記載の方法。
(項50)
Xが、カルボキシル基を含む、上記項46から49のいずれか1項に記載の方法。
(項51)
前記オルガノシランが、
【化40】
から選択され、
式中、
A
1
、A
2
、A
3
、A
6
、A
7
、A
11
、A
16
、A
17
、A
18
、A
19
、A
20
およびA
21
は、それぞれ独立に、C
n
H
2n+1
、C
n
H
2n
X、C
n
F
2n+1
またはC
n
F
2n
Xであり、
A
0
、A
4
、A
5
、A
8
、A
9
、A
10
、A
12
、A
13
、A
14
およびA
15
は、それぞれ独立に、C
m
H
2m+1
、C
m
H
2m
X、C
m
F
2m+1
またはC
m
F
2m
Xである、
上記項46から50のいずれか1項に記載の方法。
(項52)
nが1以上である、nが3以上である、nが6以上である、nが20以下である、nが40以下である、nが60以下である、またはnが6以上20以下である、上記項51に記載の方法。
(項53)
mが1以上である、mが3以上である、mが6以上である、mが20以下である、mが40以下である、mが60以下である、またはmが1以上20以下である、上記項51または52に記載の方法。
(項54)
Xを含む前記オルガノシランが、
【化41】
から選択され、
式中、
A
0
、A
1
、A
2
、A
3
、A
4
およびA
5
は、それぞれ独立に、C
m
H
2m+1
、C
m
F
2m+1
、C
m
H
2m
X、またはC
m
F
2m
Xであり、
DはLXであり、ここで、Lはリンカー部分であり、
mは1以上である、
上記項46から53のいずれか1項に記載の方法。
(項55)
Lが、化学結合、アミノ酸、エステル、アミド、カルバメート、エーテル、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、アリーレン、ポリエーテル、ポリエステル、ポリアミド、ポリカルバメート、ポリアリール、ポリスチレン、ポリエチレングリコールもしくはポリオレフィンまたはフッ素化されたもしくは部分的にフッ素化されたその誘導体、またはその組合せから選択される、上記項54に記載の方法。
(項56)
Lが、水溶性ポリマーである、上記項54から55のいずれか1項に記載の方法。
(項57)
前記水溶性ポリマーが、ポリエチレングリコールである、上記項56に記載の方法。
(項58)
Lが、化学結合である、上記項54から55のいずれか1項に記載の方法。
(項59)
少なくとも1つのDが、前記ポリマードットの表面上に位置する、上記項54から58のいずれか1項に記載の方法。
(項60)
Dにコンジュゲートした生物学的分子をさらに含む、上記項54から59のいずれか1項に記載の方法。
(項61)
前記生物学的分子が、前記ポリマードットの表面上に位置する少なくとも1つのDにコ
ンジュゲートしている、上記項60に記載の方法。
(項62)
前記生物学的分子が、タンパク質または核酸を含む、上記項60から61のいずれか1項に記載の方法。
(項63)
前記生物学的分子が、抗体を含む、上記項60から61のいずれか1項に記載の方法。
(項64)
前記生物学的分子が、ストレプトアビジンを含む、上記項60から61のいずれか1項に記載の方法。
(項65)
前記オルガノシランが、アルキルシラン、アルコキシシラン、クロロシラン、オルトシリケート、シロキサン、アルファシラン、アセトキシシラン、アミノシラン、ビスシラン、エポキシシラン、ハロシラン、ハイドロジェンシラン、ヒドロキシルシラン、エステルシラン、アリールシラン、アクリルシラン、メタクリルシラン、スチリルシラン、ビニルシラン、オレフィンシラン、硫黄シラン、ホスフィンシラン、ホスフェートシラン、イソシアネートシラン、アジドシラン、アンヒドリドシラン、またはハイドロジェンシロキサンから選択される、上記項46から64のいずれか1項に記載の方法。
(項66)
前記オルガノシランが、オクトデシルトリメトキシシラン、オクトデシルトリクロロシラン、オルトケイ酸テトラエチル、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、クロロプロピルトリメトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリクロロシラン、グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、エポキシヘキシルトリエトキシシラン、ヒドロキシメチルトリエトキシシラン、ヨードプロピルトリメトキシシラン、イソシアナトプロピルトリメトキシシラン、メタクリルオキシメチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、スチリルエチルトリメトキシシランまたはその組合せから選択される、上記項46から65のいずれか1項に記載の方法。
(項67)
前記オルガノシランが、オクトデシルトリメトキシシラン、オクトデシルトリクロロシラン、もしくはオルトケイ酸テトラエチルまたはその組合せから選択される、上記項46から66のいずれか1項に記載の方法。
(項68)
シロキサンネットワークを形成することをさらに含み、前記ポリマードット中の前記シロキサンネットワーク由来のケイ素の重量パーセントが、約1%~約45%または約1%~約47%の範囲内である、上記項46から67のいずれか1項に記載の方法。
(項69)
第1および第2のオルガノシランを提供するステップをさらに含む、上記項46から68のいずれか1項に記載の方法。
(項70)
前記水溶液が、前記第2のオルガノシランを含む、上記項69に記載の方法。
(項71)
前記溶液もしくは前記水溶液またはその組合せを加熱するステップをさらに含む、上記項46から70のいずれか1項に記載の方法。
(項72)
前記水溶液が、アルカリ性である、上記項46から71のいずれか1項に記載の方法。
(項73)
前記水溶液が9以上のpHを有するか、または前記水溶液が10以上11以下のpHを有する、上記項72に記載の方法。
(項74)
前記水溶液が、6以下のpH、5以下のpH、または4以下のpHを有する、上記項46から71のいずれか1項に記載の方法。
(項75)
前記ポリマードットが複数の半導体発色団ポリマーを含む、上記項46から74のいずれか1項に記載の方法。
(項76)
前記ポリマードットが半導体発色団ポリマーのブレンドを含む、上記項46から75のいずれか1項に記載の方法。
(項77)
前記半導体発色団ポリマーが、フルオレンポリマー、フルオレンに基づくポリマーもしくはコポリマー、フェニレンビニレンに基づくポリマーもしくはコポリマー、フェニレンエチニレンに基づくポリマーもしくはコポリマー、およびBODIPYに基づくポリマーもしくはコポリマーまたはその組合せを含む、上記項46から76のいずれか1項に記載の方法。
(項78)
前記半導体発色団ポリマーが、ポリ(9,9-ジヘキシルフルオレニル-2,7-ジイル)(PDHF)含有ポリマー、ポリ(9,9-ジオクチルフルオレニル-2,7-ジイル)(PFO)含有ポリマー、ポリ[{9,9-ジオクチル-2,7-ジビニレン-フルオレニレン}-alt-co-{2-メトキシ-5-(2-エチルヘキシルオキシ)-1,4-フェニレン}](PFPV)含有ポリマー、ポリ[(9,9-ジオクチルフルオレニル-2,7-ジイル)-co-(1,4-ベンゾ-{2,1,3}-チアジアゾール)](PFBT)含有ポリマー、ポリ[(9,9-ジオクチルフルオレニル-2,7-ジイル)-co-(4,7-ジ-2-チエニル-2,1,3-ベンゾチアジアゾール)](PFTBT)含有ポリマー、ポリ[(9,9-ジオクチルフルオレニル-2,7-ジイル)-9-co-(4,7-ジ-2-チエニル-2,1,3-ベンゾチアジアゾール)](PF-0.1TBT)含有ポリマー、ポリ[2-メトキシ-5-(2-エチルヘキシルオキシ)-1,4-フェニレンビニレン](MEH-PPV)含有ポリマー、ポリ[2-メトキシ-5-(2-エチルへキシルオキシ)-1,4-(1-シアノビニレン-1,4-フェニレン)](CN-PPV)含有ポリマー、BODIPY含有ポリマーまたはその組合せを含む、上記項46から77のいずれか1項に記載の方法。
(項79)
前記半導体発色団ポリマーが、BODIPY誘導体を含む、上記項46から78のいずれか1項に記載の方法。
(項80)
前記BODIPY誘導体が、式(I):
【化42】
の構造を有し、
式中、R
1
、R
2A
、R
2B
、R
3A
、R
3B
、R
4A
およびR
4B
のそれぞれは、水素、アルキル、アラルキル、アリールおよびアルコキシ-アリールから独立に選択され、前記BODIPY誘導体は、R
1
、R
2A
、R
2B
、R
3A
、R
3B
、R
4A
およびR
4B
またはその組合せに結合することによって前記発色団ポリマーに統合される、いずれかの上記項79に記載の方法。
(項81)
半導体発色団ポリマー、無機ネットワーク、およびバイオコンジュゲーションに適した官能基を含む、有機-無機相互侵入ハイブリッド発色団ポリマードット。
(項82)
前記無機ネットワークが、シロキサンネットワーク、アルミノ-シロキサンネットワーク、チタン-シロキサンネットワーク、酸化チタンネットワークまたはその組合せを含む、上記項81に記載のポリマードット。
(項83)
半導体発色団ポリマー、
バイオコンジュゲーションに適した官能基であるX、および
前記半導体発色団ポリマーに共有結合している無機ネットワーク
を含む有機-無機ハイブリッドポリマードット。
(項84)
前記無機ネットワークが、シロキサンネットワーク、アルミノ-シロキサンネットワーク、チタン-シロキサンネットワーク、酸化チタンネットワークまたはその組合せを含む、上記項83に記載のポリマードット。
(項85)
前記無機ネットワークが、シロキサンネットワークを含む、上記項84に記載のポリマードット。
(項86)
前記半導体発色団ポリマーが、
【化43】
から選択される、複数の単位Mを含み、
式中、
R
S
は、
【化44】
であり、
R
F
は、
【化45】
であり、
A
0
、A
4
、A
8
、A
12
、A
15
、A
18
は、それぞれ独立に、C
n
H
2n
またはC
n
F
2n
であり、
A
1
、A
2
、A
3
、A
5
、A
6
、A
7
、A
9
、A
10
、A
11
、A
13
、A
14
、A
16
、A
17
、A
19
は、それぞれ独立に、C
m
H
2m+1
またはC
m
F
2m+1
であり、
X
1
、X
2
、X
3
、X
4
は、それぞれ独立に、官能基であり、
nは1以上であり、
mは1以上である、
上記項85に記載のポリマードット。
(項87)
nが2以上である、nが40以下である、nが20以下である、nが1以上20以下である、またはnが2以上20以下である、上記項86に記載のポリマードット。
(項88)
前記半導体発色団ポリマーが、
【化46】
から選択される複数の単位Mを含み、
式中、
R
S
は、
【化47】
であり、
A
0
、A
4
、A
8
は、それぞれ独立に、C
n
H
2n
またはC
n
F
2n
であり、
A
1
、A
2
、A
3
、A
5
、A
6
、A
7
、A
9
、A
10
、A
11
は、それぞれ独立に、C
m
H
2m+1
またはC
m
F
2m+1
であり、
Lはリンカー部分であり、
nは1以上であり、
mは1以上である、
上記項85に記載のポリマードット。
(項89)
前記半導体発色団ポリマーが、
【化48】
から選択される複数の単位Mを含み、
式中、
R
F
は、
【化49】
であり、
A
0
、A
3
、A
6
は、それぞれ独立に、C
n
H
2n
またはC
n
F
2n
であり、
A
1
、A
2
、A
4
、A
5
、A
7
は、それぞれ独立に、C
m
H
2m+1
またはC
m
F
2m+1
であり、
X
1
、X
2
、X
3
、X
4
は、それぞれ独立に、官能基であり、
nは1以上であり、
mは1以上である、
上記項85に記載のポリマードット。
(項90)
前記半導体発色団ポリマーが、Xおよびアルコキシシリルまたはアルキルシリルを含む、上記項85から89のいずれか1項に記載のポリマードット。
(項91)
前記シロキサンネットワークが、複数の相互接続単位を含み、前記複数の相互接続単位が、
【化50】
から選択される単位を含み、
式中、
A
0
、A
1
、A
2
、A
3
は、それぞれ独立に、C
p
H
2n+1
またはC
p
F
2p+1
であり、
DはLXであり、ここで、Lはリンカー部分であり、
pは1以上である、
上記項85から90のいずれか1項に記載のポリマードット。
(項92)
pが2以上である、pが3以上である、pが6以上である、pが20以下である、pが40以下である、pが60以下である、またはpが6以上20以下である、上記項91に記載のポリマードット。
(項93)
Xが、アミン、カルボキシレート、カルボキシル、マレイミド、チオール、無水マレイン酸、N-ヒドロキシスクシンイミドエステル、メルカプト、アジド、アルキン、アルデヒド、ヒドロキシル、カルボニル、サルフェート、スルホネート、ホスフェート、シアネート、スクシンイミジルエステル、歪んだアルキン、アジド、ジエン、アルケン、テトラジン、歪んだアルケン、シクロオクチンまたはホスフィンを含む、上記項91から92のいずれか1項に記載のポリマードット。
(項94)
Xが、カルボキシル基を含む、上記項91から93のいずれか1項に記載のポリマードット。
(項95)
Lが、化学結合、アミノ酸、エステル、アミド、カルバメート、エーテル、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、アリーレン、ポリエーテル、ポリエステル、ポリアミド、ポリカルバメート、ポリアリール、ポリスチレンもしくはポリオレフィンまたはフッ素化されたもしくは部分的にフッ素化されたその誘導体、またはその組合せから選択される
、上記項91から94のいずれか1項に記載のポリマードット。
(項96)
Lが、水溶性ポリマーである、上記項91から95のいずれか1項に記載のポリマードット。
(項97)
前記水溶性ポリマーが、ポリエチレングリコールである、上記項96に記載のポリマードット。
(項98)
Lが、化学結合である、上記項91から95のいずれか1項に記載のポリマードット。
(項99)
少なくとも1つのDが、前記ポリマードットの表面上に位置する、上記項91から98のいずれか1項に記載のポリマードット。
(項100)
Dにコンジュゲートした生物学的分子をさらに含む、上記項91から99のいずれか1項に記載のポリマードット。
(項101)
前記生物学的分子が、前記ポリマードットの表面上に位置する少なくとも1つのDにコンジュゲートしている、上記項100に記載のポリマードット。
(項102)
前記生物学的分子が、タンパク質または核酸を含む、上記項100から101のいずれか1項に記載のポリマードット。
(項103)
前記生物学的分子が、抗体を含む、上記項100から101のいずれか1項に記載のポリマードット。
(項104)
前記生物学的分子が、ストレプトアビジンを含む、上記項100から101のいずれか1項に記載のポリマードット。
(項105)
前記シロキサンネットワークが、アルキルシラン、アルコキシシラン、クロロシラン、オルトシリケート、シロキサン、アルファシラン、アセトキシシラン、アミノシラン、ビスシラン、エポキシシラン、ハロシラン、ハイドロジェンシラン、ヒドロキシルシラン、エステルシラン、アリールシラン、アクリルシラン、メタクリルシラン、スチリルシラン、ビニルシラン、オレフィンシラン、硫黄シラン、ホスフィンシラン、ホスフェートシラン、イソシアネートシラン、アジドシラン、アンヒドリドシランもしくはハイドロジェンシロキサン、またはその組合せから完全にまたは部分的に加水分解されている、上記項85から104のいずれか1項に記載のポリマードット。
(項106)
前記シロキサンネットワークが、オクトデシルトリメトキシシラン、オクトデシルトリクロロシラン、オルトケイ酸テトラエチル、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、クロロプロピルトリメトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリクロロシラン、グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、エポキシヘキシルトリエトキシシラン、ヒドロキシメチルトリエトキシシラン、ヨードプロピルトリメトキシシラン、イソシアナトプロピルトリメトキシシラン、メタクリルオキシメチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、スチリルエチルトリメトキシシランまたはその組合せから完全にまたは部分的に加水分解されている、上記項85から105のいずれか1項に記載のポリマードット。
(項107)
前記シロキサンネットワークが、オクトデシルトリメトキシシラン、オクトデシルトリクロロシラン、オルトケイ酸テトラエチルまたはその組合せから完全にまたは部分的に加水分解されている、上記項85から106のいずれか1項に記載のポリマードット。
(項108)
前記ポリマードット中の前記無機ネットワーク由来のケイ素の重量パーセントが、約1%~約45%または約1%~約47%の範囲内である、上記項83から107のいずれか1項に記載のポリマードット。
(項109)
前記半導体発色団ポリマーおよび前記無機ネットワークが、有機-無機相互侵入ネットワークを形成している、上記項83から108のいずれか1項に記載のポリマードット。
(項110)
前記有機-無機相互侵入ネットワークが、メッシュ様である、上記項109に記載のポリマードット。
(項111)
前記ポリマードットが、5nm以上50nm以下の直径を有するか、または前記ポリマードットが、10nm以上30nm以下の直径を有する、上記項83から110のいずれか1項に記載のポリマードット。
(項112)
前記ポリマードットが、少なくとも5%の量子収率を有するか、または前記ポリマードットが、少なくとも10%の量子収率を有する、上記項83から111のいずれか1項に記載のポリマードット。
(項113)
少なくとも2つの直交型反応性化学基を含む、上記項83から112のいずれか1項に記載のポリマードット。
(項114)
前記半導体発色団ポリマーが、少なくとも2つの直交型反応性化学基を含む、上記項113に記載のポリマードット。
(項115)
前記少なくとも2つの直交型反応性化学基の少なくとも1つが、式C
n
H
2n
XまたはC
n
F
2n
Xを有し、式中、Xは、バイオコンジュゲーションに適した官能基であり、nは1以上である、上記項113から114のいずれか1項に記載のポリマードット。