(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022188775
(43)【公開日】2022-12-21
(54)【発明の名称】感知可能な衣料
(51)【国際特許分類】
A63B 69/00 20060101AFI20221214BHJP
A63B 71/06 20060101ALI20221214BHJP
A41D 1/00 20180101ALI20221214BHJP
A43B 3/36 20220101ALI20221214BHJP
A43B 3/44 20220101ALI20221214BHJP
【FI】
A63B69/00 B
A63B71/06 H
A41D1/00 C
A41D1/00 H
A43B3/36
A43B3/44
【審査請求】有
【請求項の数】22
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022138974
(22)【出願日】2022-09-01
(62)【分割の表示】P 2020512431の分割
【原出願日】2018-08-31
(31)【優先権主張番号】62/552,756
(32)【優先日】2017-08-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/117,566
(32)【優先日】2018-08-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】514144250
【氏名又は名称】ナイキ イノベイト シーブイ
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】ウォーカー,スティーヴン エイチ.
(57)【要約】
【課題】 センサシステムを衣料用品に一体化して使用するためのシステム及び方法を提供すること。
【解決手段】 センサシステム(110)を衣料用品に一体化して使用するためのシステム(100)及び方法が提供される。システム(100)は、ユーザに着用されるようにサイズ調整及び採寸された衣料品と、衣料品に一体化されるセンサシステム(110)と、を含み得る。センサシステム(110)は、衣料品が着用されるときに、ユーザのバイオメトリックパラメータを測定するように、衣料品上に配置される少なくとも1つの伸縮性容量センサと、ユーザの測定されたバイオメトリックパラメータに基づいて、特定の照明エリアに照明を提供するように構成される照明システム(120)と、照明システム(120)の1つ以上の設定を制御する制御モジュール(115、11)と、を含み得る。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが運動活動を行うときに、衣類から照明を提供する方法であって、当該方法は、
前記衣類上に位置するセンサから歪みを感知するステップと、
前記感知された歪みに基づいて、前記ユーザのバイオメトリックパラメータを決定するステップと、
前記決定されたバイオメトリックパラメータに基づいて、特定の照明エリアを照明システムに照明させるステップと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記決定されたバイオメトリックパラメータは、前記ユーザのペースであり、当該方法は、前記ユーザの前記ペースに基づいて次のフットストライクのサイドを決定するステップを更に含み、前記特定の照明エリアは、前記次のフットストライクの前記決定されたサイドに対応する、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
1つ以上のユーザ入力に従って前記照明システムによる照明の継続時間を調整するステップを更に含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項4】
1つ以上のユーザ入力に従って前記照明システムによる照明の強度を調整するステップを更に含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項5】
1つ以上のユーザ入力に従って一定の照明を提供するように前記照明システムを調整する、
請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記特定の照明エリアを照明システムに照明させるステップは、前記決定されたバイオメトリックパラメータに基づいて、前記システムの外部にある投影されるエリアを決定すること、及び前記投影されるエリアに照明を提供することを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記ユーザの前記決定されたバイオメトリックパラメータに基づいて設定された脈動周波数を用いてパルス照明を提供するステップを更に含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項8】
モード変更を示すユーザ入力を受け取るステップ、及び、前記ユーザ入力に従って、連続モード及びペースモードのうち1つに前記照明システムのスイッチを切り替えるステップを更に含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項9】
衣類上の照明システムを起動させるユーザ入力を受け取るステップと、
前記照明システムのセンサからのセンサデータに基づいて、ユーザのバイオメトリックパラメータを決定するステップと、
前記決定されたバイオメトリックパラメータに基づいて、特定の照明エリアを前記衣類上に位置する前記照明システムに照明させるステップと、
を含む方法。
【請求項10】
前記バイオメトリックパラメータを決定するステップは、前記衣類上に位置する少なくとも1つの伸縮性容量センサから歪みを感知することを含む、
請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記バイオメトリックパラメータに基づいて、前記ユーザの感知された経路を検出するステップ、
を更に含み、
前記特定の照明エリアを前記照明システムに照明させるステップは、前記ユーザの感知された経路のエリアに照明を提供することを含む、
請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記特定の照明エリアを前記照明システムに照明させるステップは、前記決定されたバイオメトリックパラメータに基づいて、前記システムの外部にある投影されるエリアを決定すること、及び前記投影されるエリアに照明を提供することを含む、
請求項9に記載の方法。
【請求項13】
前記照明システムの強度を調整するステップを更に含む、請求項9に記載の方法。
【請求項14】
前記照明システムの脈動周波数を調整するステップを更に含む、請求項9に記載の方法。
【請求項15】
前記衣類から前記照明システムの少なくとも一部を切り離すステップを更に含む、請求項9に記載の方法。
【請求項16】
前記照明システムをコンピューティングデバイスに接続するステップ、及び、前記照明システムから前記コンピューティングデバイスまでデータを伝送するステップを更に含む、請求項9に記載の方法。
【請求項17】
衣料品に照明システムを実装する方法であって、当該方法は、
少なくとも1つの伸縮性容量センサに前記照明システムを提供するステップであり、前記少なくとも1つの伸縮性容量センサは、ユーザのバイオメトリックパラメータを感知するように構成されている、ステップと、
前記照明システムを前記衣料品に一体化するステップと、
ユーザが前記衣料品を着用すると、前記バイオメトリックパラメータに基づいて決定された照明エリアを前記照明システムに照明させるステップと、
を含む、方法。
【請求項18】
制御モジュールを前記照明システムと組み合わせるステップを更に含み、前記制御モジュールは、前記照明システムの1つ以上の設定を制御するように構成されている、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
少なくとも1つの伸縮性容量センサから歪みを感知するステップと、
前記感知された歪みに基づいて、前記ユーザの前記バイオメトリックパラメータを決定するステップと、
を更に含む、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記照明システムの強度又は脈動周波数を調整するステップを更に含む、請求項17に記載の方法。
【請求項21】
前記衣類は履物を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項22】
前記衣類は履物を含む、請求項17に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2017年8月31日出願の「SENSE-ENABLED APPAREL」と題する米国特許仮出願第62/552,756号及び2018年8月30日出願の「SENSE-ENABLED APPAREL」と題する米国特許出願第16/117,566号の優先権の利益を主張する。前述の出願の内容は、参照によってその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
[背景技術]
センサシステムを内蔵する衣料用品又は履物用品は、公知である。センサシステムは、動作を追跡し得、パフォーマンスデータを感知、測定及び/又は収集し得る。そのようなシステムは、感知した情報に基づいて、向上されたトレーニング経験を提供し得る。公知のセンサ一体型衣類デザインは、しばしば、衣料の重さ、柔らかさ及び/又は柔軟性に対して大きな影響を有し、かつ/又はしばしば衣料を洗濯するために若干の分解を必要とする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって、当技術におけるこれらの及び他の欠点に対処する、改善されたシステム及び方法が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
以下は、本開示のいくつかの態様について基本的理解を提供するために、簡略化された要約を提示する。この要約は、本開示の広汎な概要ではない。以下の要約は、下記の説明の前置きとして、単に本開示のいくつかの概念を簡略化した形式で提示するものにすぎない。
【0005】
本開示の態様は、着用者のバイオメトリック情報を感知するように構成されたセンサ一体型衣料システムに関する。例示的実施形態は、センサ一体型衣類及び/又はその使用を含むシステム、方法、装置に関し得る。特定の実装は、ユーザによって着用されるようにサイズ調整及び採寸された衣類と、衣類に一体化されるセンサシステムと、を含み得る。センサシステムは、少なくとも1つの伸縮性容量織物センサ、制御モジュール及び照明システムを含む。少なくとも1つの伸縮性容量センサは、衣類が着用されるときに、ユーザの少なくとも1つのバイオメトリックパラメータを測定するように、衣類上に一体化される。照明システムは、少なくとも1つの発光ダイオード(LED)モジュールを含み、指定エリアに照明を提供するように構成される。制御モジュールは、容量センサ及び照明システムを制御し、それらに動作可能に接続するように構成される。
【0006】
いくつかの実施形態では、衣類はシャツ又はジャケットであってよく、少なくとも1つの容量センサは一対のセンサを含み得る。各センサは、ユーザの左右三角筋に対応するように配置されてよく、ユーザの腕の振りを感知するように構成され得る。各三角筋センサは、ユーザの腕の振りを示す歪みを感知するように構成され得る。いくつかの実施形態では、衣類は1着のズボン又は半ズボンであってよく、少なくとも1つの容量センサはユーザの左右の足首、膝、大腿等に対応するように配置され、ユーザのペース又は脚の振りを感知するように構成され得る。
【0007】
照明システムは、制御モジュールからの1つ以上の設定に基づいて、照明の強度及び/又は継続時間を調整するように構成され得る。制御モジュールはまた、例えば照明システムの設定を指定するユーザ入力を受け取るように構成される時間/強度センサ及び/又は照明システムの作動モードを特定するユーザ入力を受け取り、照明システムをパワーオン/オフするように構成されるモードセンサを含む、追加センサに動作可能に接続され得る。時間/強度センサ及びモードセンサは、ユーザが入力を提供するためのアクセスの容易性を提供するよう、衣類の特定の位置に配置され得る。制御モジュールは、衣類が着用されるとき及び/又は活動を行っているときに、ユーザを妨害しないように、衣類の特定の位置上に配置され得る。モードセンサは、連続モード及びペースモードに対応する入力セレクタを含み得る。時間/強度センサは、照明システムの強度を調整し、かつ照明システムの脈動周波数を調整するように構成される入力セレクタを含み得る。
【0008】
制御モジュールは、センサシステムから切り離し可能であり、かつ衣類から取外し可能であるように構成され得る。制御モジュールは、その中に電子部品及び他の構成要素を収納する密閉式外側シェルを含み得る。密閉式外側シェルは、衣類に固着されるときに、制御モジュールの位置に従ってユーザの一部分の輪郭を示すように形作られ得る。制御モジュールは、バッテリ及びプリント回路基板アセンブリを含み得る。制御モジュールは、バッテリの分解又は取外しなしで、バッテリの充電を可能にするように構成され得る。制御モジュールは、衣類から取外し可能であり、かつその間のデータの伝送のためにコンピューティングデバイスに接続可能であるように構成され得る。
【0009】
照明システムは、選択された作動モードに基づいて、目標とする及び/又は制御可能な照明エリアを有するように構成され得る。照明システムは、照明エリアを調整するように構成された制御可能な指向性構成要素を含み得る。照明システムは、インボードLEDモジュール及びアウトボードLEDモジュールを含み得る。撚り線ワイヤーの電機子又はスパイン(spine)は、インボード及びアウトボードLEDモジュールに接続し得る。フレキシブルプリント回路基板は、インボード及びアウトボードLEDモジュールを電気的に接続し得、照明システムをセンサシステム及び/又は制御モジュールに接続し得る。照明システムは、その中に種々な構成要素を収容するケーシングを含み得る。例えば水密シールを形成する透明なゴムケーシングが提供され得る。照明システム中のLEDモジュールの部分は、照明エリアを調整するために屈曲可能又は移動可能であってよい。
【0010】
センサシステム、照明システム及び制御モジュールは、衣類のシームに沿った経路の配線によって衣類中で相互接続され得る。いくつかの実施形態では、配線は、可撓性で薄く金属被覆された糸(thread)で構成され得る。いくつかの実施形態では、配線は、衣類に無線周波数(RF)接合又は熱接合される、導電性インクトレース付きの熱可塑性ウレタンフィルムを含むテープで構成され得る。
【0011】
いくつかの実施形態では、ユーザが運動活動を行うときに、衣類から照明を提供する方法が提供されている。本方法は、衣類上に位置する1つ以上のセンサから歪みを感知するステップと、感知された歪みに基づいてユーザのペース又は予測される次の動作を決定するステップと、決定されたペース又は予測される次の動作に基づいて、ユーザの経路の一部分を、衣類の照明システムに照明させるステップと、を含み得る。本方法は、決定されたペースに基づいて次のフットストライク(footstrike)のサイド(side)又はエリアを決定するステップを更に含み得る。次いで、照明システムに照明させるステップは、次のフットストライクの決定されたサイドに対応するユーザの経路エリアを照明するステップを含み得る。本方法は、ユーザ提供された入力に応答して、ユーザの経路を照明する継続時間を調整するステップを更に含み得る。本方法は、ユーザ提供された入力に応答して、一定の照明を提供するように照明システムを調整するステップを更に含み得る。
【0012】
実施形態のこれら及び他の態様は、添付図面を含む本開示を通して詳細に論じられる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
本開示は、例として図示されるが、添付図面に制限されない。図面では、同じ参照符号は同じ要素を示す。
【0014】
【
図1A】例示的実施形態による例示的センサ一体型衣料システムを示す図であり、
図1Aは、正面図である。
【
図1B】例示的実施形態による例示的センサ一体型衣料システムを示す図であり、
図1Bは、背面図である。
【0015】
【
図2】
図1A及び
図1Bのセンサ一体型衣料システムの照明システムを示す図である。
【0016】
【0017】
【
図4】
図1A及び
図1Bのセンサ一体型衣料システムの時間/強度センサを示す図である。
【0018】
【
図5】
図1A及び
図1Bのセンサ一体型衣料システムの制御モジュールを示す図である。
【0019】
【
図6A】例示的実施形態による別の例示的センサ一体型衣料システムを示す図であり、
図6Aは、正面図である。
【
図6B】例示的実施形態による別の例示的センサ一体型衣料システムを示す図であり、
図6Bは、背面図である。
【0020】
【
図7】例示的実施形態によるセンサ一体型衣料システムの一部分の近接図を図示する。
【発明を実施するための形態】
【0021】
様々な実施形態の以下の説明において、本明細書の一部をなす添付図面が参照される。この添付図面においては、図解によって、本開示が実施され得る様々な実施形態が示される。本開示の適用範囲及び精神から逸脱せずに、他の実施形態が利用されてよく、構造的及び機能的修正が行われてよいことが理解されよう。さらに、本開示内の表題は、本開示の態様を制限するものとみなされるべきではない。本開示の利益を受ける当業者であれば、例示的実施形態が例示的表題に限定されないことを理解するであろう。
【0022】
図1A及び
図1Bは、例示的実施形態によるセンサ一体型衣料システム100の例を図示する。例示的システム100は、ユーザに着用されるようにサイズ調整及び設計された衣類102のような1つ以上の衣料品を含み得る。衣類102は、長袖、半袖、タンクトップ又はベスト等のシャツを含み得る。他の実施形態では、衣類102は、1着のズボン、ソックス、履物、ボディスーツ、上着及び/又は任意の他の所望のタイプの衣料を含み得る。特定の構成では衣類102は、典型的に衣料に使用され、かつ/又は運動活動中に装着される、木綿、ナイロン、ポリエステル、スパンデックス又は他のタイプの織物で構成され得る。異なるクラスの衣料が利用され得、ここで所与のクラスの衣料は、適切に装着されるときにユーザの身体の特定の部分に近接して位置するように構成される特定のセンサを有する。例えばゴルフ服は、第1構成で衣料上に配置される1つ以上のセンサを含み得るが、サッカー服は、第2構成で衣料上に配置される1つ以上のセンサを含み得る。当業者であれば、他の構成が可能であることを理解するであろう。
【0023】
システム100は、衣類102に一体化され、かつ特に着用者のバイオメトリック情報を感知するように構成される、センサシステム110を有するように構成され得る。センサシステム110は、ユーザから運動動作を感知、検出及び/又は測定するように構成される1つ以上のセンサを含み得る。センサシステム110は、少なくとも1つの伸縮性容量センサ(例えばセンサ111a及び111b)、制御モジュール115及び照明システム120を含み得る。特定の実施形態では、センサシステム110は、衣類102に一体化されてよく、衣類102は、運動着等の任意のタイプの衣料であり得る。センサシステム110は、衣類102に組み込まれるか、かつ/又は着用者の身体部分に対応する衣類102の任意の所望の位置に配置されてよい。センサシステム110の部品は、少なくとも1つの伸縮性容量ファブリックセンサ、制御モジュール115及び/又は照明システム120との通信を含め、相互に(例えば衣服用品中の可撓性配線を介して又は無線で)通信してよい。衣類システムの例は、すぐ下で説明されるが、ただし、これらは単に例示的実施形態にすぎず、本開示は、それらに限定されるものではない。
【0024】
図1A及び
図1Bの照明システム120は、衣類102の前側のそれぞれの側面上に一対のLEDモジュール121a及び121bを含み、LEDモジュール121a及び121bは、指定エリアに照明を提供するように構成されてよい。制御モジュール115は、容量センサ及び照明システム120を制御し、かつそれらに作動可能に接続するように構成され得る。
図1A及び
図1Bで図示された構成要素に加えて、センサシステム110の追加構成要素が提供されてよい。実際、センサシステム110は、各構成要素の1つより多くのインスタンス(例えば1つより多くの容量ファブリックセンサ、1つより多くの照明システム120等)を含み得る。
【0025】
特定の実施形態では、センサシステム110は、センサアセンブリを含んでよく、センサアセンブリは、例えば少なくとも1つの伸縮性容量センサに加えて、複数の異なるセンサを含む。例示的実施形態では、センサアセンブリは、加速度計(多軸加速度計の形式を含む)、ジャイロスコープ、位置決定デバイス(例えばGPS)、光センサ、温度センサ(周囲温度及び/又は体温を含む)、心拍数モニタ、画像キャプチャセンサ、湿度センサ及び/又はそれらの組合せを含むか又はそれらへの作動接続を許容し得る。デバイスのセンサ(複数可)から検出される動作又はパラメータは、これらに限定されないが、速度、距離、歩いた歩数、カロリー等のエネルギー消費量、心拍数及び汗の検出を含む、様々な異なるパラメータ、メトリクス又は生理学的特徴を含んでよい(又はそれらの形成するために使用されてよい)。そのようなパラメータはまた、ユーザの活動に基づいてユーザによって得られる活動ポイント又は通貨(currency)の表現によって表されてもよい。
【0026】
センサシステム110は、衣類102を着用しているユーザの運動動作を検出及び/又は測定する際に利用されてよい。一実施形態では、センサシステム110から取得されたデータが運動パラメータに直接相関されるように、センサシステム110によって取得されたデータは、運動動作を直接に検出し得る。センサシステム110は、少なくとも1つの伸縮性容量ファブリックセンサを含み得る。少なくとも1つの伸縮性容量ファブリックセンサは、衣類102の構造に一体化されてよく、ファブリックセンサは、伸張モード、圧縮モード及び/又はスライドモードを感知し得る。システム100の様々なファブリックセンサは、特定の位置でグループ化されてよく、かつ/又は衣類102の周りに対称に配置されてもよい。例えば
図1A及び
図1Bのシステム100には、6つのファブリックセンサ、すなわち、一対の右側歪みセンサ111a及び一対の左側歪みセンサ111bと、モードセンサ112と、時間/強度センサ114とが提供されている。当業者であれば、センサシステム110では様々な他の組合せ及び多数のセンサが採用され得ることを理解するであろう。例示的センサシステム110の例示的使用が、本明細書で提供される。
【0027】
モードセンサ112及び時間/強度センサ114は各々、システム100の作動を支援するために、ボタン等の1つ以上の入力機構を含んでよい。ボタンは、センサシステム110に関して議論されるタイプの1つ以上の要素のように、制御モジュール115及び/又は任意の他の電子部品に作動可能に接続される押下可能な入力部又はタッチスクリーン入力部であり得る。制御モジュール115は衣類102の一部に埋め込まれ得るか又は他の方法で衣類102の一部であり得る。衣類102は、織物構成要素を含む1つ以上の材料から形成され得、1つ以上のディスプレイ(図示せず)を含み得る。ディスプレイは、照明システム120以外のシステム100の照明可能部分と見なされてよい。
【0028】
照明システム120は、例示的実施形態において、発光ダイオード(LED)ライト等の、一連の個々のライトニング要素又はライト部材を含み得る。LEDライトは、アレイで形成されてよく、制御モジュール115に作動可能に接続され得る。照明システム120は、ディスプレイとともに又はディスプレイから完全に別個に、作動及び照明することができることが理解される。またディスプレイは、例示的実施形態においてLEDライトの形態も取り得る、複数の追加のライトニング要素又はライト部材を含んでもよい。特定の実施形態において、ディスプレイは、設定又は目標の視覚的指示を提供し得る。
【0029】
照明システム120のLEDライトは、アレイで形成されてよく、制御モジュール115に作動可能に接続され得る。様々なインジケータシステムが、ディスプレイを提供するために照明システム120とともに作動及び照明し得ることが理解される。またインジケータシステムは、例示的実施形態においてLEDライトの形態も取り得る、複数の追加のライトニング要素又はライト部材を含んでもよい。特定の実施形態では、インジケータシステムは、ゴール、ゴールに向かう進行、高度又は地形の変化、提案されたルート、マイルストーンの完了等といった様々なタイプの情報の視覚的指示を提供し得る。
【0030】
制御モジュール115は、照明システム120の設定を指定するユーザ入力を受け取るように構成される時間/強度センサ114と、照明システム120の作動モードを指定するユーザ入力を受け取り、かつ照明システム120の電源をオン/オフするように構成されるモードセンサ112とを含む、追加センサに作動可能に接続され得る。時間/強度センサ114ー及びモードセンサ112は、ユーザが入力を提供するためのアクセスのしやすさを提供するよう、衣類の特定の位置に配置され得る。制御モジュール115は、衣類102が着用されたとき及び活動を行うときに、ユーザを邪魔しないように衣類の特定の位置上に配置され得る。モードセンサ112は、連続モード及びペースモードにそれぞれ対応する入力セレクタ112a及び112bを含み得る。時間/強度センサ114は、照明システム120の強度を調整し、かつ/又は照明システム120の脈動周波数を調整するよう構成されるスワイプパッド114aのような、入力セレクタを含み得る。
【0031】
図1A及び
図1Bに示されるように、センサシステム110は、衣類102上に配置され、着用されるときにユーザの左右三角筋にそれぞれ近接して置かれる、右側歪みセンサ111a及び左側歪みセンサ111bを含む。右側歪みセンサ111a及び左側歪みセンサ111bは、鎖骨領域から延びて肩にまたがって後部三角筋に沿い、三頭筋辺りで固定している、左右三角筋の上にそれぞれ配置され得る。右側歪みセンサ111a及び右側歪みセンサ111bは、モードセンサ112及び時間/強度センサ114の上側端部に近接する上部中央肩領域に近い衣類102の部分に取り付け得る。右側歪みセンサ111a及び右側歪みセンサ111bは、肩領域に沿って後端方向に向かって延び、部分的に肩領域を下って三角筋領域近くで終わり得る。いくつかの実施形態では、右側歪みセンサ111a及び右側歪みセンサ111bの配置は、肩章に似ていてよい。いくつかの実施形態では、センサシステム110からのデータは、センサ位置における歪みが増加したことを検出してよく、したがって、右側歪みセンサ111aは、ユーザの右腕が動いたこと、例えばランニング又はジョギング中の腕の振りを示すことを単独で検出するように構成され得る。本明細書で説明されるように、所定の歪みの量により、ペースモードで動作しているときに照明システム120による照明シーケンスを開始するように、トリガーが制御モジュール115に送信されてもよい。しかし、他の実施形態では、右側歪みセンサ111a及び右側歪みセンサ111bからのデータは、相互に組み合わせて又は他のセンサと組み合わせて、動作を検出及び/又は測定するために利用され得る。したがって、特定の測定値は、種々なセンサから得られるデータを組み合わせることから決定されてよい。
【0032】
センサシステムの104センサからの検出された動作又はパラメータは、これらに限られないが、速度、距離、歩いた歩数、カロリー等のエネルギー消費量、心拍数及び汗の検出等を含む、様々な異なるパラメータ、メトリクス又は生理学的特徴を含んでよい(又はそれらの形成に使用されてよい)。そのようなパラメータはまた、これらに限られないが、ユーザの活動に基づいてユーザによって得られる活動ポイント又は通貨を含め、任意の様々なタイプの表現によって表され得る。様々な実施形態に従って利用され得る伸縮性容量センサの例は、米国特許第7,958,789号及びWO2014/204323で開示されており、あらゆる全ての非限定的目的のため、それらの内容全体が本明細書に組み込まれる。
【0033】
追加センサは、例えばユーザの少なくとも1つの運動活動パラメータを検出及び/又はモニタするように構成される少なくとも1つの伸縮性ファブリックセンサとともに、センサシステム110に含まれ得る。そのような追加センサは、これらに限られないが、加速度センサ、ジャイロスコープ、位置決定デバイス(例えばGPS)、光センサ、温度センサ(周囲温度及び/又は体温を含む)、心拍数モニタ、画像キャプチャセンサ、湿度センサ及び/又はそれらの組合せを含み得る。
【0034】
制御モジュール115は、運動活動中にユーザを邪魔しないように配置され得る。例えば
図1Bに示されるように、制御モジュール115は、衣類102に固定されるときに上部又は中央背面部分に配置され得る。制御モジュール115は、センサシステム110から切り離し可能であり、かつ衣類102から取外し可能であるように構成され得る。制御モジュール115は、その中に電子機器及び他の構成要素を収納する密閉式外側シェル118を含み得る。密閉式外側シェル118は、衣類102に固着されるときに、制御モジュールの位置に従ってユーザの一部分、例えば
図1A及び
図1Bのシャツ衣類102を着用しているユーザの背中の曲線の輪郭を描くように成形され得る。いくつかの例では、外側シェル118は、プラスチックの楕円形状のシェルであってよく、その中への水の侵入を最小化するように設計され得る。制御モジュール115は、外側シェル118の内側にバッテリ及びプリント回路基板アセンブリ(図示せず)を含み得る。制御モジュール115は、バッテリの分解又は取外しなしで、バッテリの充電を可能にするように構成され得る。バッテリは、外側シェル118を開くことで制御モジュール115から取外し可能であり得る。バッテリは外部充電器を用いて再充電可能であってよく、かつ/又は制御モジュール115から取外し可能であってよい。
【0035】
外側シェル118は、様々な公知の構成によって開閉可能であってよく、様々な公知のツールの使用によって開閉可能であってよい。制御モジュール115は、衣類102から取外し可能であり、かつそれらの間のデータの伝送のためにコンピューティングデバイスに接続可能であるように構成され得る。制御モジュール115のすべての構成要素は、衣類102と一体型であってよく、かつ/又は洗濯可能であってよい。さらに、制御モジュール115は、耐水性の外側シェル118により部分的に洗濯可能であり得るが、制御モジュール115は依然として、例えば衣類102を洗濯機で洗濯するため、衣類102から取外し可能であり得る。制御モジュール115は、衣類102の内部ポケット内にフィットするようにサイズ調整及び設計されてよく、外側シェル118の身体側は、衣類102の内部ポケットの位置と位置合わせされる脊柱曲線(spine curve)に整合するように輪郭が描かれてよい。制御モジュール115は、例えば衣類102に取り付けされるときに、衣類102の襟に直も近い、制御モジュール115の側面上の単一コネクタ117を介して、衣類102に接続され得る。制御モジュール115は、様々なUSB接続等の様々な公知のコンピュータ接続を介して、プログラミング、デバッグ等のために接続可能であり得る。例えば制御モジュール115は、外側シェル118が開いたときにのみ露出するMini-B USBコネクタを含み得る。
【0036】
制御モジュール115は、例えばユーザのペースを決定するために歪みセンサと対話するとき、ユーザによって加えられる圧力プロファイルを解釈するアルゴリズムを開発するために、データロギングが可能であり得る。制御モジュール115は、メモリ等の多様な非一時的コンピュータ読取可能媒体及び/又は例えばマイクロプロセッサデバイス等のソフトウェア命令を実行するための処理デバイスを含み得る。メモリは、ランダムアクセスメモリ(RAM)及び/又は読み取り専用メモリ(ROM)を含み得るが、それらに限定されない。メモリは、電気的消去可能プログラマブル読取り専用メモリ(EEPROM)、フラッシュメモリ又は他のメモリ技術、CD-ROM、デジタル多用途ディスク(DVD)又は他の光ストレージ、磁気記憶デバイス、あるいは所望の情報を保存するために使用可能であって、かつ制御モジュール115によってアクセス可能な他の任意の媒体、のうち任意のものを含み得る。制御モジュール115は、例えば約20Hz又は20Hzより大きい特定のサンプリングレートで、センサシステム110からデータを記録及び収集するメモリを含み得る。制御モジュール115は、バス又は代替通信構造を通して、1つ以上の周辺デバイスに直接又は間接に接続可能であり得る。例えば制御モジュール115の処理ユニット又はシステムメモリは、ハードディスクドライブ、取外し可能磁気ディスクドライブ、光ディスクドライブ及びフラッシュメモリカード等の追加メモリストレージにのみならず、入力デバイス及び出力デバイスにも、直接又は間接的に接続され得る。データは、制御モジュール115を別のコンピューティングデバイスに接続する際に制御モジュール115から取り出され得る。また、処理ユニット及びシステムメモリは、1つ以上の入力デバイス及び1つ以上の出力デバイスに直接又は間接的に接続され得る。出力デバイスは、例えばモニタディスプレイ、テレビ、プリンタ、ステレオ又はスピーカを含み得る。入力デバイスは、例えばキーボード、タッチスクリーン、リモートコントロールパッド、ポインティングデバイス(マウス、タッチパッド、スタイラス、トラックボール又はジョイスティック等)、スキャナー、カメラ又はマイクロフォンを含み得る。この点に関して、センサシステム110は、ユーザからの運動動作を感知、検出及び/又は測定するように構成される、制御モジュール115への一種の入力デバイスと見なされてよい。システム100はまた、例えばセンサシステム110を作動させるために、ユーザが様々な選択を行うことを可能にするように、タッチスクリーン又は他のグラフィカルユーザインタフェースを含み得る。1つ以上の実施形態は、1つ以上の有線及び/又は無線技術を単独で又は組み合わせて利用してよく、無線技術の例は、Bluetooth(登録商標)技術、Bluetooth(登録商標)低エネルギー技術及び/又はANT技術を含む。
【0037】
またさらに、制御モジュール115及び/又はセンサシステム110の他の任意の構成要素は、ネットワークと通信するため1つ以上のネットワークインタフェースに直接又は間接に接続され得る。一例では、ネットワークインタフェースは、送信制御プロトコル(TCP)、インターネットプロトコル(IP)及びユーザデータグラムプロトコル(UDP)等の1つ以上の通信プロトコルに従って、制御モジュールからのデータ及び制御信号をネットワークメッセージに変換するように構成されるネットワークアダプタ又はネットワークインタフェースカード(NIC)を含み得る。これらのプロトコルは、当分野では周知であり、したがって、ここでは更に詳細には論じないことにする。制御モジュール115に接続されたインタフェースは、例えば無線送受信機、電力線アダプタ、モデム又はイーサネット(登録商標)接続を含むネットワークに接続するため、任意の適切な接続エージェントを採用し得る。しかしながら、ネットワークは、インターネット(複数可)、イントラネット(複数可)、クラウド(複数可)、LAN(複数可)といった、単独又は組み合わせ(複数可)としての、任意のタイプ(複数可)又はトポグラフィ(複数可)の任意の1つ以上の情報流通ネットワーク(複数可)であり得る。ネットワークは、ケーブル、ファイバ、衛星、電話、セルラー、無線等のうちの任意の1つ以上を含み得る。ネットワークは、例えば1つ以上のリモートサーバに又は他のコンピュータへの1つ以上の場所(例えば学校、会社、家庭、消費者居住、ネットワークリソース等)に接続するための1つ以上の有線又は無線の通信チャネル等を有するように、様々に構成され得る。
【0038】
システム100は、例えば運動動作又はユーザの他の活動を含む、ユーザの動作をモニタし得る。別の実施形態では、システム100は、ワークアウト又はトレーニングセッション中に、視覚、触覚及び/又は音声の情報をユーザに提供し得る。例えば一実施形態では、センサシステム110は、ユーザの活動(又は不活動)を測定し、モニタ及び追跡するか又は他の方法で感知する活動モニタを含み得る。センサシステム110は、システム100の様々な他の構成要素とのユーザの対話の間、運動動作又は他の活動(又は不活動)を検出してよく、かつ/又はそのような対話と独立に動作してもよい。システム100は、有線又は無線でネットワーク及び/又は他のデバイスと直接又は間接的に通信し得る。システム100から得られた運動データは、ユーザに提示されたエクササイズプログラムに関連する決定のように、コンピュータによって実施される決定において利用され得る。本明細書で使用されるとき、運動データとは、ユーザの活動(又は不活動)に関する又はそれに関連するデータを意味する。一実施形態では、システム100は、フィットネス又は健康関連の内容に特化されたサイト等のリモートウェブサイトと、直接又は間接的に(例えばモバイルデバイスを介して又は制御モジュール115を直接にコンピューティングデバイスに差し込むことによって)無線で対話し得る。本実施形態又は別の実施形態では、システム100は、フィットネス又は健康関連の内容に特化したアプリケーションに関して、モバイルデバイスと対話し得る。いくつかの実施形態では、何らかの所定の時間(複数可)に、ユーザは、システム100から別の位置にデータを伝送したいことがある。例えばユーザは、比較的小さいメモリを有するポータブルデバイスから、より大容量のメモリを備えたより大きなデバイスにデータをアップロードしたいことがある。システム100と他のデバイスとの間の通信は、無線で、かつ/又は有線機構を通して実行され得る。
【0039】
ここで
図2を参照すると、照明システム120のLEDモジュール121の更なる態様が図示されている。照明は、概して長さに沿って延びるストリップとして構築される、LEDモジュール121の対向する端部上に配置される2つのLED122a及び122bによって提供され得る。いくつかの例では、単一のLEDが、特定の位置に及び/又はストリップに沿って提供されてよく、あるいは衣類102に沿って任意の他の形状を形成してよい。なお、他の例では、複数の追加LEDが、LEDモジュール上に提供され得るか、かつ/又は他のLEDモジュールと対をなし得るか、かつ/又は衣類102上の様々な位置に配置され得る。LED122a及び122bは、「ドッグボーン形状」、すなわち細長い中央領域と、各端部上に、LED122a及び122bの各々がそれぞれ取り付けられるより大きなエリアとを有する、共通のフレキシブルプリント回路基板(PCB)123上で接続される。フレキシブルPCB123及びLED122aと122bは、当分野で公知のものと同様であってよく、典型的に消費者用電化製品で見受けられ得る。LED122aと121bは、各々のLED122aと122bのために電流を個別にシンク(sink)可能な各々のカソードを有する、コモンアノード構成で配線され得る。撚り線スパイン(twisted wire spine)で構成される中央電機子(central armature)125は、フレキシブルPCB123の中央領域周辺に提供され得る。中央電機子125は、ストップモーションキャラクタ、アクションフィギュア及び他のおもちゃの内部の折曲げ可能又は姿勢づけ可能(posable)な構造で使用されるものと類似であり得る。ケーシング126は、LEDモジュール121aと121b、中央電機子125及びフレキシブルPCB123等の照明システム120の構成要素の上を覆うように成形され得る。ケーシング126は、光学的に透明で遮水性の及び/又はゴム性の素材から構成され得る。いくつかの例では、ケーシング126は、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、ポリウレタン(TPU/PU)、ポリエステル及び/又はエポキシ樹脂から構成され得る。ケーシング126は、ケーシング126の後側の平面にて延びるフランジ127を含み得る。フランジ127は、例えば縫製及び/又は熱接合により衣類102に取り付け可能であり得、したがって、照明システム120の一端のために衣類102へのアンカーとしての働きをする。
【0040】
いくつかの例では、
図1Aに示されるLEDモジュール121a及び121bの各々は、ユーザに近接した特定のエリアに照明を提供するように構成され得る。例えばLEDモジュール121a及び121bは、使用中に着用者の前の5メートル又は3メートルの範囲内に照明を提供するように構成され得る。いくつかの例では、LEDモジュール121a及び121bは、特定の活動に適切な照明エリア、例えばランニング中にはユーザの2~3メートルの範囲内の照明エリアを提供するように構成され得る。最大瞬間電流50mA及び最大連続電流20mAを有するLEDモジュール121aと121bに提供されたLEDが提供され得、制御モジュール115からの抵抗値は、0~5オームの範囲未満又はその範囲内であり得る。いくつかの実施形態では、抵抗値は変動し得ない。本開示の範囲を逸脱することなく、LEDモジュール121aと121bの更に他の範囲が可能である。
【0041】
いくつかの実施形態では、LEDモジュール121a及び121bからの照明強度は、いくつかのピーク位置から分布し得る。例えば照明強度は、着用者の2~3m手前及び左右1~2m手前及び左右側から1~2m外側、の左右の中心領域内に分布し得る。いくつかの実施形態では、各LEDモジュール121a及び121bは、一対のLEDを含み得る。例えばLEDモジュール121aは、インボード右LEDとアウトボード右LEDを含んでよく、LEDモジュール121bは、インボード左LEDとアウトボード左LEDを含んでよい。インボード左右LEDは、照明の中心領域に向かうように構成されてよく、アウトボード左右LEDは、それぞれ左右側の照明に向かうように構成され得る。いくつかの例では、LEDモジュール121aと121bは、衣類上に対称に配置され得る。例えば
図1Aに示されるように、LEDモジュール121aと121bは、衣類102の前面の中央前方部分に対して左右対称であり、着用者の第1肋骨とほぼ整列し、着用者の胸骨を中心とし得る。当業者であれば、他の構成が可能であることを理解するであろう。
【0042】
照明システム120は、選択されたモード又は動作に基づいて、目標とする及び/又は制御可能な照明エリアを有するように構成され得る。例えばLEDモジュール121a及び121bは、着用者の目を直接照明する経路を持たないように遮蔽又は有向され得る。いくつかの例では、照明システム120は、衣類102に一体化されるときに、ねじれたり又は曲った形状になるように構成されてよく、これによって、着用者は、特定の使用に最もよく適するように、例えば狭いトレイルを走っている間は照明領域を絞り込んだり、広い歩道の間は照明領域を拡大したりするように、各LEDモジュールからの照明のピークを狙うことができる。さらに、照明システム120の一部分は、着用者の特定の解剖学的構造に合うように調整可能であり得る。照明システム120は、該照明システムが作動可能に接続される制御モジュール115からの設定に基づいて、照明の強度及び/又は継続時間を調整するように構成され得る。照明システム120から制御モジュール115への接続は、フレキシブルPCB123にはんだ付け又は他の方法で接合された配線又はケーブル(例えばフラット形状ケーブル)を用いて行われ得る。いくつかの例では、配線又はケーブルがフレキシブルPCB123に接続されると、例えば配線/又はケーブルを密封して歪み軽減(strain relief)を提供するように、オーバーモールド(over-molding)する第2プロセスが実行され得る。オーバーモールドは、配線/ケーブルを損傷しないように、比較的低温及び低圧力プロセスを使用するホットメルト接着剤を用いて実施され得る。いくつかの例では、フレキシブルPCB123と配線/ケーブルとの間の接続は、代替として又は追加として、二液エポキシ樹脂を用いる鋳造プロセスを使用して密封及び歪み軽減され得る。
【0043】
モードセンサ112の近接図が、
図3に図示されている。モードセンサは、衣類102が着用されるときに、ユーザがモードセンサ112にアクセスすることを可能にする衣類の位置上に配置され得る。例えば
図1Aに示されるように、モードセンサ112は、衣類102がシャツ又はジャケット衣類タイプであるとき、衣類102の胸筋領域の上に配置され得る。モードセンサ112は、連続モード入力セレクタ112a及びペースモード入力セレクタ112bを含んでよく、それらの入力セレクタは、単一構成要素にグループ化されてもよい。コネクタ113は、モードセンサ112の端部に提供され得る。コネクタ113は、モードセンサ112の端部から突き出るフラットタブであってよく、センサシステムへの動作可能な接続のために1つ以上の導電性パッドで構成されてよい。衣類102内に設置されるとき、コネクタ113は、衣類102の肩領域に最も近い縁部に配置され得る。
【0044】
ここで
図4を参照すると、時間/強度センサ114の近接図が図示されている。時間/強度センサ114は、衣類102がシャツ又はジャケット衣類タイプであるとき、モードセンサ112に対向する面上にて衣類102の胸筋領域の上に位置し得る。いくつかの例では、モードセンサ112及び時間/強度センサ114は、衣類102上に対称に配置され得る。いくつかの例では、モードセンサ112及び時間/強度センサ114は各々、その2つを区別する際の使いやすさのために、異なる形状、色及び/又はサイズを有し得る。モードセンサ112及び時間/強度センサ114は、類似したサイズであってもよく、相互に左右対称に位置してもよい。例えばモードセンサ112は、概して砂時計形状を有してよく、連続モード入力セレクタ112a及びペースモード入力セレクタ112bの各々は、概して丸形又は長円形を有する。柔軟性を高めて、モードセンサ112の位置決めを助けるために、連続モード入力セレクタ112aとペースモード入力セレクタ112bとの間にウエスト(waist)又はネッキング(necking)が提供されてよく、したがって、概して砂時計形状を提供し、砂時計形状は、他端に対する一端の多少のひねり性をも可能にし得る。衣類102に取り付けられるとき、モードセンサ112は、連続モード入力セレクタ112aが肩領域に最も近接し、かつペースモード入力セレクタ112bが衣類102の肩領域から遠くにあるように配置され得る。時間/強度センサ114は、概して涙滴形状を備え得、より大きな直径の端部が衣類102の肩領域の近くに位置する。モードセンサ112及び時間/強度センサ114は各々、縁部の形状又はテクスチャによって、かつ/又は全体的な形状によって位置決めできるような形状であり得る。
【0045】
モードセンサ112の連続モード入力セレクタ112aは、連続照明設定において照明システム120をパワーオン(及び/又はパワーオフ)するために、押下され得る。連続照明設定において、時間/強度センサ114は、入力を受け取って照明システム120の照明を増加又は減少させるように構成され得る。
図4に示される例示的実施形態では、時間/強度センサ114は、受け取ったスワイプ入力に基づいて照明強度を調整するように構成されたスワイプパッド114aを含み得る。例えばより狭い下端部からより広い上端部へのスワイプパッド114a上での上向きスワイプは、照明強度を増加させ得る。繰り返しの上向きスワイプは、照明強度を最高強度に増加させてよく、最大強度においては更に上向きにスワイプしても何の効果も生じないであろう。例えばより広い上端部からより狭い下端部へのスワイプパッド114a上での下向きスワイプは、照明強度を減少させ得る。繰り返しの下向きスワイプは、照明強度を最低強度に減少させてよく、最低強度においては更に下向きにスワイプしても何の効果も生じないであろう。いくつかの例では、最低強度は、パワーオフ状態の照明システム120と関連付けられてよい。両方の照明モジュール121a及び121bは、連続照明設定のときにパワーオンされ得る。いくつかの例では、照明モジュール121aと121bの一方又は両方が、例えばユーザ入力に応答して、連続照明設定において、選択的にパワーオン又はパワーオフされ得る。スワイプパッド114aで受け取った入力に基づく照明強度の変化は、照明システムのLEDモジュール121aと121bに供給される電流を変化させ得る。供給された電流の変化は、両方のLEDモジュール121aと121bで同一であり得る。いくつかの例では、照明強度の差分的変化を示す入力に応答して、供給された電流の様々な変化が、LEDモジュール121aと121bに適用され得る。
【0046】
モードセンサ112のペースモード入力部112bは、ペーストリガー照明設定において、照明システム120をパワーオン(及び/又はパワーオフ)するために押下され得る。例えばシステム100は、左右の三角筋センサ111aと111bから検出された腕の振りに基づいて使用ペースを決定してよく、LEDモジュール121aと121bへの照明は、決定されたペースに基づいて交互に又は差動的に提供され得る。一実施形態では、ペースモード入力部112bを押下すると、LEDモジュール121aと121bの各々は、短い点滅又は照明システム120がパワーオンされていることを示す他の信号を出力するように構成され得る。次いで、検出された腕の振りに関連付けられる、左右の三角筋センサ111aと111bからのトリガリング信号があると、LEDモジュール121aと121bからの更なる照明が生じ得る。左右の三角筋センサ111aと111bは、ユーザのランニング中において、ユーザのペースを示すトリガー信号を生成するため、各々の腕の振りによって延長及び圧縮するように構成され得る。ペーストリガー照明設定中に、時間/強度センサ114のスワイプパッド114aは、受け取ったスワイプ入力に基づいて(トリガー後の)照明の継続時間を調整するように構成され得る。例えばより狭い下端部からより広い上端部へのスワイプパッド114a上での上向きスワイプは、照明の継続時間を増加させ得る。繰り返しの上向きスワイプは、照明の継続時間を最大継続時間に増加させてよく、最大継続時間においては更に上向きにスワイプしても何の効果も生じないであろう。いくつかの例では、最大継続時間は、連続的にパワーオン状態にある照明システム120に関連付けられてよい。例えばより広い上端部からより狭い下端部へのスワイプパッド114a上での下向きスワイプは、照明の継続時間を減少させ得る。繰り返しの下向きスワイプは、照明の継続時間を最低継続時間に減少させてよく、最低継続時間においては更に下向きにスワイプしても何の効果も生じないであろう。いくつかの例では、最低継続時間は、パワーオフ状態の照明システム120に関連付けられてよい。いくつかの例では、腕振りトリガー間の間隔が照明の継続時間未満である場合、照明は、トリガーの発生時に短い点滅を伴うがほぼ連続的であり得る。いくつかの例では、目標とされたペース照明設定がトリガーされ得るが、その設定では、照明システム120は、目標のペースに基づいてLEDモジュール121aと121bの間の照明をトリガーする。
【0047】
いくつかの実施形態では、ペーストリガー照明設定のとき、左LEDモジュール121bは、左三角筋センサ111bからのトリガーに基づいてそのLEDの両方に電源供給するように構成され得る。同様に、ペーストリガー照明設定では、右LEDモジュール121aは、右三角筋センサ111aからのトリガーに基づいてそのLEDの両方に電源供給するように構成され得る。いくつかの実施形態では、ペーストリガー照明設定中においてユーザが動作を停止し、こうして更なる腕の振りを停止する場合、両方のLEDモジュール121aと121bは照明を停止するように構成され得る。
【0048】
いくつかの実施形態では、連続モード入力部112a及びペースモード入力部112bの両方が、例えば数秒より長い間、同時に押下されると、照明システム120はパワーオフされ得る。連続モード入力部112aとペースモード入力部112bとの間隔は、特にユーザが運動活動を行って疲労し得るとき、両方の入力部を2本指で又はユーザの手のひらの付け根(heel of a palm)で同時に押すことができ、したがって、システム100の使用の容易性を提供するように設計され得る。
【0049】
連続的照明設定又はペーストリガー照明設定のいずれかにおいては、中央LED及びアウトボードLEDに供給される電流の比は固定され得る。なお、いくつかの例では、中央LED及びアウトボードLEDに供給される電流の比は調整可能であり得る。供給される電流の比は、ファームウェアで調整可能であってよく、かつ/又は両側にとって同一であってもよい。なお、いくつかの実施形態では、各LEDは、本開示の範囲から逸脱せずに、供給される電流の異なる比を受け取ってよい。
【0050】
センサシステム110、照明システム120及び制御モジュール115は、例えば
図6A及び
図6Bに示されるように、衣類102のシームに沿った経路の配線160によって衣類内で相互接続され得る。配線160は、衣類102の意識的な伸縮を阻害しないように、主として衣類102中の縫い目に沿った経路を取り得る。さらに、例えばセンサシステム110、制御モジュール115及び照明システム120を含む様々な構成要素のサイズは、衣類102の伸縮性及び柔軟性を維持できるように小さく維持され得る。いくつかの実施形態では、配線は、可撓性で薄く金属被覆された糸で構成され得る。例えばSyscom Advanced MaterialsによるAmberStrand166の金属被覆された糸が、使用され得る。配線160は、衣類102のハーフジッパー(half-zipper)162を経由し、ジッパーの両側上の各シームに沿って上方向に襟163のシームに至る経路を取り得る。次に、配線160は、襟163付近を経由して首の背面に、かつ下方向に制御モジュール115に至る経路を取り得る。そのような配線の例示的実施形態は、
図6A及び
図6Bに図示されている。
【0051】
図7に示すように配線160は、コードとして適用される導電性糸と、フラットパネルに固定されたジッパーに沿ったヘムライン(hem line)とともに、304ジグザグロックステッチ170を使用して、衣類に固着され得る。304ロックステッチは、本明細書で議論される様々なフレキシブル回路基板材料の上に、かつそれを通して縫製され得る。配線160は、フレキシブルPCBの導電性パッドとその上部で位置合わせされてよい。いったん定位置になると、絶縁部が取り除かれてよく、配線160は導電性パッドと接触されるようになり得る。例えばそのようなプロセスは、導電性パッドの上に導電性糸/配線を配置するステップと、配線から絶縁カバーをはがし取るステップと、例えばアセトン、磨耗性マイクロブラシ、圧力パッド、正流及び吸引等を使用して、配線から絶縁カバー溶剤(solvent)をはがし取るステップと、を含み得る。次に、接点の補強材を、例えばMasterSil 705/S等の導電性接着剤を使用して塗布する必要があり得る。いくつかの例では、絶縁材料、例えばMasterSil 709又は710の最終層が、急速な空気硬化性及び可撓性コーティングのために提供され得る。そのような配線固着プロセスは、衣類が洗濯機洗い可能であるが、依然として柔軟性、接着性及び導電率を保持することを可能にし得る。
【0052】
いくつかの実施形態では、制御モジュール115に対するセンサシステム110、モードセンサ112及び時間/強度センサ114の間の相互接続は、衣類に無線周波数(RF)接合又は熱接合される、導電性インクトレース付きの熱可塑性ウレタンフィルムを含むテープで構成され得る。導電性糸はまた、配線について記述された様々な接続を作成するために使用され得る。しかしながら、導電性糸を用いた接続は、テープを用いた接続より低密度であり得る。フレキシブルプリント回路、機械的金属接続部、糸及び/又は配線の組合せは、本明細書で記述されている様々な構成要素を相互接続する低電流、低電圧経路を相互接続するために使用され得る。また、同軸ケーブルが、様々な接続を形成してもよく、例えばケーブルの柔軟性及び拡張性/圧縮性を向上させるために、ケーブルの口径が十分に小さく、経路がヘビ状に曲がりくねる。
【0053】
いくつかの実施形態では、システムは、ユーザに着用されるようにサイズ調整及び採寸された衣料品と、衣料品に一体化されるセンサシステムと、を含む。センサシステムは、衣料品が着用されるときに、ユーザのバイオメトリックパラメータを測定するように、衣料品上に配置された少なくとも1つの伸縮性容量センサと、ユーザの測定されたバイオメトリックパラメータに基づいて、特定の照明エリアに照明を提供するように構成さるた照明システムと、照明システムの1つ以上の設定を制御する制御モジュールと、を含み得る。少なくとも1つの伸縮性容量センサは、衣料品がユーザに着用されるときに右三角筋に近接して配置される1つ以上のセンサと、衣料品がユーザに着用されるときに左三角筋に近接して配置される1つ以上のセンサと、を含み、少なくとも1つの伸縮性容量センサは、ユーザの腕の振りを感知してユーザのペースを感知するように構成され得る。少なくとも1つの伸縮性容量センサは、衣料品がユーザに着用されるときに右脚の少なくとも一部分に近接して配置される1つ以上のセンサと、衣料品がユーザに着用されるときに左脚に近接して配置される1つ以上のセンサと、を含み得、少なくとも1つの伸縮性容量センサは、ユーザの脚の振りを感知してユーザのペースを決定するように構成され得る。照明システムは、ユーザの測定されたバイオメトリックパラメータに基づいて設定された脈動周波数を用いてパルス照明を提供するように構成され得る。センサシステムは、照明システムの1つ以上の設定を指定するユーザからの入力を受け取るように構成される時間/強度センサ及び/又はセンサシステムの1つ以上の作動モードを指定するユーザからの入力を受け取るように構成されるモードセンサを含み得る。モードセンサは、連続モード構成要素及びペースモード構成要素を含み、各々がそれぞれの入力部を有する。照明システムは、複数のLEDモジュールを含み得る。制御モジュールは、照明システムの強度を調整するための強度変更器と、照明システムの脈動周波数を調整するための周波数変更器と、を含み得る。制御モジュールは、センサシステムから切り離し可能であり、かつ衣料品から取外し可能であるように構成され得、かつ/又はその中に電子部品を収納する密閉式外側シェルを含み得る。照明システムは、選択された作動モードに基づいて、目標の制御可能な照明エリアを提供するように構成され得、かつ/又は特定の照明エリアを調整するために移動可能であり得る。少なくとも1つの伸縮性容量センサは、ユーザのバイオメトリック動作のタイプに基づいて歪みを検出するように構成され得る。制御モジュールは、コンピューティングデバイスに接続し、かつコンピューティングデバイスとの間でデータを伝送するように構成され得る。
【0054】
いくつかの実施形態では、ユーザが運動活動を行うときに、衣類から照明を提供する方法が提供されている。本方法は、衣類上に位置する1つ以上のセンサから歪みを感知するステップと、感知された歪みに基づいてユーザのペース又は予測される次の動作を決定するステップと、決定されたペース又は予測される次の動作に基づいて、ユーザの経路の一部分を、衣類の照明システムに照明させるステップと、を含み得る。本方法は、決定されたペースに基づいて、次のフットストライクのサイドを決定するステップを更に含み得る。次いで、照明システムに照明させるステップは、次のフットストライクの決定されたサイドに対応するユーザの経路エリアを照明するステップを含み得る。本方法は、ユーザ提供された入力に応答して、ユーザの経路の照明の継続時間を調整するステップを更に含み得る。本方法は、ユーザ提供された入力に応答して、一定の照明を提供するように照明システムを調整するステップを更に含み得る。一実施形態では、システムは、1つ以上のエクササイズを行うようにユーザを促し、エクササイズを行っている間、ユーザの動作をモニタし、そのパフォーマンスに基づいてユーザにフィードバックを提供し得る。
【0055】
いくつかの実施形態では、ユーザが運動活動を行うとき、衣類から照明を提供する方法が提供されている。本方法は、衣類上に位置するセンサから歪みを感知するステップと、感知された歪みに基づいてユーザのバイオメトリックパラメータを決定するステップと、決定されたバイオメトリックパラメータに基づいて特定の照明エリアを、照明システムに照明させるステップと、を含む。決定されたバイオメトリックパラメータは、ユーザのペースであってよく、本方法は、ユーザのペースに基づいて次のフットストライクのサイド又はエリアを決定するステップを更に含んでよくここで、特定の照明エリアは次のフットストライクの決定されたサイドに対応する。本方法は、1つ以上のユーザ入力に従って照明システムによる照明の継続時間を調整するステップ、1つ以上のユーザ入力に従って照明システムによる照明の強度を調整するステップ及び/又は1つ以上のユーザ入力に従って一定の照明を提供するように照明システムを調整するステップを更に含み得る。
【0056】
一例では、1つ以上のセンサは、様々な位置においてユーザの身体上に又は身体に近接して位置してよく、かつ/又はセンサの位置は他の感知デバイスによって決定されてもよい。例えばセンサは、関節(例えば足首、肘、肩等)等のような身体動作領域に従って設置され得るか又はユーザの身体の他の関心位置に設置され得る。この点に関して、センサは、ユーザの服の上/中に位置する物理的センサであってよく、更に他の実施形態において、センサ位置は、2つの動く身体部分の間の関係の識別に基づいてよい。センサは、身体部分の現在の位置を感知し、かつ/又は身体部分の動作を追跡し得る。一実施形態において、位置は、ユーザの重心又は質量中心の決定に利用され得る。例えば1つ以上の他の位置に対する位置間の関係は、ユーザの重心が縦軸方向に(例えばジャンプ中又はランニングストライドの一部として等)上昇したかどうかを判断するのに利用され得る。一実施形態では、追加又は代替の様々なセンサ位置は、ユーザの胸骨の周り及び/又はユーザのへそに近接して位置し得る。特定の実施形態では、センサの位置からのデータを利用して(単独で又は他のデータと組み合わせて)、ユーザの重心及び/又は縦軸の変化を決定し得る。更なる実施形態において、複数のいくつかのセンサ位置の間の関係は、ユーザの向き及び/又はユーザの胴体のねじれ等の回転力の決定に利用され得る。さらに、1つ以上の位置が、モーメント位置の中心として又は特定の身体部分もしくは領域のモーメントの中心として利用され得る。
【0057】
一例では、本システムは、初期ユーザ評価の一部としてユーザの初期姿勢評価を行い得る。コンピュータは、ユーザの正面及び側面の画像を解析して、衣類のタイプに依存して、ユーザの肩、上背、下背、臀部、膝及び/又は足首、のうちの1つ以上の位置を決定し得る。
【0058】
ディスプレイ又はディスプレイデバイス(図示せず)はまた、ユーザのパフォーマンス・メトリクスを示す1つ以上のパフォーマンスレベルインジケータを提示し得る。例のメトリクスは、速度、素早さ、パワー、寸法(例えば進んだ距離又は浸漬(dipped)距離、ジャンプした高さ、臀部又は肩の回転)、反応時間、機敏性、柔軟性、加速度、心拍数、体温(例えば過熱)、血中酸素含有量あるいは他の身体的又は生理学的メトリクスを含み得る。パフォーマンスレベルインジケータは、例えばゲージ、速度計、棒型インディクタ、パーセンテージインジケータ等として描かれ得る。
【0059】
いくつかの実施形態では、衣類はシャツ又はジャケットであってよく、少なくとも1つの容量センサは一対のセンサを含んでよく、各センサは、ユーザの左右三角筋に対応するように配置されて、ユーザの腕の振りを感知するように構成され得る。各三角筋センサは、ユーザの腕の振りを示す歪みを感知するように構成され得る。いくつかの実施形態では、衣類は1着のズボン又は半ズボンであり得、少なくとも1つの容量センサはユーザの左右の足首、膝、大腿等に対応するように配置され得、ユーザのペース又は脚の振りを感知するように構成され得る。当業者であれば、衣類タイプ及びセンサ位置の様々な他の組合せが、本開示の範囲から逸脱せずに提供され得ることを理解するであろう。
【0060】
ユーザは、運動活動中に動作可能に接続され得るシステムを装着しながら、任意の数の追加の他の電子デバイスを所持、携行及び/又は装着し得る。実際、そのようなデバイスは、システムとともに又はシステムとは別個に、運動データを収集、検出及び/又は測定するために使用され得る。いくつかの実施形態では、システムは、そのようなデバイスにデータを送信するように構成され得る。そのようなデバイスは、カリフォルニア州クパチーノのApple社から入手できるIPOD(登録商標)、IPAD(登録商標)又はiPhone(登録商標)ブランドのデバイス、あるいはワシントン州レドモンドのMicrosoftから入手できるZune(登録商標)又はMicrosoft(登録商標) Windowsデバイスを含め、電話又はデジタル音楽プレーヤ等のポータブル電子デバイスを含み得る。
【0061】
本明細書で説明される特徴の1つ以上を有する衣料システムを提供することは、ユーザに向上したトレーニング経験を提供することができ、これは、ユーザが運動活動に従事して自分のフィットネスを改善するように促し、興味を起こさせるであろう。ユーザは、衣料システムの様々な設定を更に調整して、特定のトレーニング設定において、特定のトレーニング設定を特定のユーザに適合させ得る。
【0062】
実施形態の態様が、その例示的実施形態に関して説明されてきた。添付の特許請求の範囲及び精神内の多数の他の実施形態、修正及び変形が、本開示のレビューから当業者に想起されるであろう。例えば当業者は、例示的図面で図示されているステップが、記載された以外の順序で実施されてもよく、図示された1つ以上のステップが本開示の態様に応じてオプションであってもよいことを認識するであろう。
【0063】
例示の実施形態は、以下を提供する。
A. システムであって、
ユーザに着用されるようにサイズ調整及び採寸された衣料品と、
衣料品と一体化されるセンサシステムと、
を含み、センサシステムは、
衣料品が着用されるときに、ユーザのバイオメトリックパラメータを測定するように、衣料品上に配置される少なくとも1つの伸縮性容量センサと、
ユーザの測定されたバイオメトリックパラメータに基づいて、特定の照明エリアに照明を提供するように構成される照明システムと、
照明システムの1つ以上の設定を制御する制御モジュールと、
を含むシステム。
【0064】
B.少なくとも1つの伸縮性容量センサは、ユーザに衣料品が着用されるときに右三角筋に近接して配置される1つ以上のセンサと、ユーザに衣料品が着用されるときに左三角筋に近接して配置される1つ以上のセンサと、を含み、少なくとも1つの伸縮性容量センサは、ユーザの腕の振りを感知してユーザのペースを感知するように構成される、Aに記載のシステム。
【0065】
C.少なくとも1つの伸縮性容量センサは、ユーザに衣料品が着用されるときに右脚の少なくとも一部分に近接して配置される1つ以上のセンサと、ユーザに衣料品を着用されるときに左脚に近接して配置される1つ以上のセンサと、を含み、少なくとも1つの伸縮性容量センサは、ユーザの脚の振りを感知してユーザのペースを決定するように構成される、A又はBに記載のシステム。
【0066】
D.照明システムは、ユーザの測定されたバイオメトリックパラメータに基づいて設定された脈動周波数を用いてパルス照明を提供するように構成される、A、B又はCに記載のシステム。
【0067】
E.センサシステムは、照明システムの1つ以上の設定を指定するユーザからの入力を受け取るように構成された時間/強度センサを含む、A~Dのいずれか1つに記載のシステム。
【0068】
F.センサシステムは、センサシステムの1つ以上の作動モードを指定するユーザからの入力を受け取るように構成されたモードセンサを含む、A~Eのいずれか1つに記載のシステム。
【0069】
G.モードセンサは、連続モード構成要素及びペースモード構成要素を含み、各々がそれぞれの入力部を有する、Fに記載のシステム。
【0070】
H.照明システムは、複数のLEDモジュールを含む、A~Gのいずれか1つに記載のシステム。
【0071】
I.制御モジュールは、照明システムの強度を調整するための強度変更器と、照明システムの脈動周波数を調整するための周波数変更器と、を含む、A~Hのいずれか1つに記載のシステム。
【0072】
J.制御モジュールは、センサシステムから切り離し可能であり、かつ衣料品から取外し可能であるように構成される、A~Iのいずれか1つに記載のシステム。
【0073】
K.制御モジュールは、その中に電子部品を収納する密閉式外側シェルを含む、A~Jのいずれか1つに記載のシステム。
【0074】
L.照明システムは、選択された作動モードに基づいて、目標とする制御可能な照明エリアを提供するように構成される、A~Kのいずれか1つに記載のシステム。
【0075】
M.照明システムは、特定の照明エリアを調整するために移動可能である、A~Lのいずれか1つに記載のシステム。
【0076】
N.少なくとも1つの伸縮性容量センサは、ユーザのバイオメトリック動作のタイプに基づいて歪みを検出するように構成される、A~Mのいずれか1つに記載のシステム。
【0077】
O.制御モジュールは、コンピューティングデバイスに接続し、コンピューティングデバイスとデータを伝送するように構成される、A~Nのいずれか1つに記載のシステム。
【0078】
P.ユーザが運動活動を行うときに、衣類から照明を提供する方法であって、当該方法は、
衣類上に位置するセンサから歪みを感知するステップと、
感知された歪みに基づいてユーザのバイオメトリックパラメータを決定するステップと、
決定されたバイオメトリックパラメータに基づいて、特定の照明エリアを、照明システムに照明させるステップと、
を含む、方法。
【0079】
Q.決定されたバイオメトリックパラメータは、ユーザのペースであり、当該方法は、ユーザのペースに基づいて次のフットストライクのサイドを決定するステップを更に含み、特定の照明エリアは、次のフットストライクの決定されたサイドに対応する、Pに記載の方法。
【0080】
R.1つ以上のユーザ入力に従って照明システムによる照明の継続時間を調整するステップを更に含む、P又はGに記載の方法。
【0081】
S.1つ以上のユーザ入力に従って照明システムによる照明の強度を調整するステップを更に含む、P、Q又はRに記載の方法。
【0082】
T.1つ以上のユーザ入力に従って一定の照明を提供するように照明システムを調整する、P又はQに記載の方法。
【外国語明細書】