(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022188784
(43)【公開日】2022-12-22
(54)【発明の名称】加湿装置
(51)【国際特許分類】
F24F 6/00 20060101AFI20221215BHJP
F24F 8/22 20210101ALI20221215BHJP
A61L 2/10 20060101ALI20221215BHJP
【FI】
F24F6/00 D
F24F8/22
A61L2/10
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021093737
(22)【出願日】2021-06-03
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-12-14
(71)【出願人】
【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小山 千佳
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 智己
(72)【発明者】
【氏名】田中 利夫
(72)【発明者】
【氏名】奥本 衛
(72)【発明者】
【氏名】黒井 聖史
【テーマコード(参考)】
3L055
4C058
【Fターム(参考)】
3L055BA04
3L055DA11
4C058AA19
4C058BB06
4C058DD01
4C058DD03
4C058DD05
4C058DD13
4C058KK02
4C058KK23
4C058KK32
(57)【要約】
【課題】照射部の出力を低減する。
【解決手段】筐体(20)には、空気が通過する空気通路(23)と、水を貯留する貯水槽(24)とが形成される。加湿ロータ(30)は、空気通路(23)と貯水槽(24)とに跨がり、回転により貯水槽(24)において吸水した部分が空気通路(23)に移動して水分を放出する。照射部(40)は、加湿ロータ(30)の一部に紫外線を照射する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気が通過する空気通路(23)と、水を貯留する貯水槽(24)とが形成された筐体(20)と、
前記空気通路(23)と前記貯水槽(24)とに跨がり、回転により前記貯水槽(24)において吸水した部分が前記空気通路(23)に移動して水分を放出する加湿ロータ(30)と、
前記加湿ロータ(30)の一部に紫外線を照射する照射部(40)とを備える
加湿装置。
【請求項2】
請求項1の加湿装置において、
第1制御を行う制御部(73)を備え、
前記制御部(73)は、前記第1制御において、前記加湿ロータ(30)の回転中に前記照射部(40)による紫外線の照射が行われるように、前記加湿ロータ(30)と前記照射部(40)とを制御する
加湿装置。
【請求項3】
請求項2の加湿装置において、
前記制御部(73)は、前記加湿ロータ(30)を回転させる加湿運転が行われているときに前記第1制御を開始する場合、前記加湿ロータ(30)が回転を継続し且つ前記照射部(40)が紫外線の照射を開始するように、前記加湿ロータ(30)と前記照射部(40)とを制御する
加湿装置。
【請求項4】
請求項2または3の加湿装置において、
前記制御部(73)は、前記加湿ロータ(30)を回転させる加湿運転が行われていないときに前記第1制御を開始する場合、前記加湿ロータ(30)が回転を開始し且つ前記照射部(40)が紫外線の照射を開始するように、前記加湿ロータ(30)と前記照射部(40)とを制御する
加湿装置。
【請求項5】
請求項4の加湿装置において、
前記加湿運転が行われていないときに行われる前記第1制御における前記加湿ロータ(30)の回転数は、前記加湿運転が行われているときに行われる前記第1制御における前記加湿ロータ(30)の回転数よりも低い
加湿装置。
【請求項6】
請求項2~5のいずれか1つの加湿装置において、
前記制御部(73)は、所定時間が経過する毎に前記第1制御を行う
加湿装置。
【請求項7】
請求項6の加湿装置において、
前記所定時間は、設定可能である
加湿装置。
【請求項8】
請求項2~7のいずれか1つの加湿装置において、
前記制御部(73)は、前記加湿装置の周囲の環境条件に応じて、前記第1制御の実行タイミングを制御する
加湿装置。
【請求項9】
請求項2~8のいずれか1つの加湿装置において、
前記制御部(73)は、前記加湿装置の周囲の環境条件に応じて、前記第1制御における前記照射部(40)の紫外線の照度または照射時間を制御する
加湿装置。
【請求項10】
請求項2~9のいずれか1つの加湿装置において、
前記加湿ロータ(30)の回転数は、可変であり、
前記制御部(73)は、前記第1制御において、前記加湿ロータ(30)の回転数に応じて前記照射部(40)の紫外線の照度を制御する
加湿装置。
【請求項11】
請求項10の加湿装置において、
前記制御部(73)は、前記加湿ロータ(30)を回転させる加湿運転において、加湿負荷に応じて前記加湿ロータ(30)の回転数を制御する
加湿装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、加湿装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、水を保持する水槽部と、水槽部の水を吸水して気化する気化フィルタと、気化フィルタの表面に添着された光触媒と、気化フィルタに紫外線を照射するための紫外線ランプとを備えた加湿器が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の加湿器では、気化フィルタに対して紫外線を広範囲に照射するために、紫外線ランプの出力を高くする必要がある。そのため、紫外線ランプの出力を低減することが困難である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の第1の態様は、加湿装置に関し、この加湿装置は、空気が通過する空気通路(23)と、水を貯留する貯水槽(24)とが形成された筐体(20)と、前記空気通路(23)と前記貯水槽(24)とに跨がり、回転により前記貯水槽(24)において吸水した部分が前記空気通路(23)に移動して水分を放出する加湿ロータ(30)と、前記加湿ロータ(30)の一部に紫外線を照射する照射部(40)とを備える。
【0006】
第1の態様では、加湿ロータ(30)に紫外線を照射することにより、加湿ロータ(30)に付着した微生物を殺菌または不活性化することができる。これにより、加湿ロータ(30)における微生物の繁殖を抑制することができる。
【0007】
また、第1の態様では、加湿ロータ(30)を回転させながら加湿ロータ(30)の一部に紫外線を照射することができる。これにより、加湿ロータ(30)に対して紫外線を広範囲に照射することができるので、加湿ロータ(30)を回転させずに加湿ロータ(30)に対して紫外線を広範囲に照射する場合よりも、照射部(40)の出力を低減することができる。
【0008】
本開示の第2の態様は、第1の態様において、第1制御を行う制御部(73)を備え、前記制御部(73)は、前記第1制御において、前記加湿ロータ(30)の回転中に前記照射部(40)による紫外線の照射が行われるように、前記加湿ロータ(30)と前記照射部(40)とを制御する加湿装置である。
【0009】
第2の態様では、第1制御を行うことにより、加湿ロータ(30)を回転させながら加湿ロータ(30)の一部に紫外線を照射することができる。これにより、加湿ロータ(30)に対して紫外線を広範囲に照射することができるので、加湿ロータ(30)を回転させずに加湿ロータ(30)に対して紫外線を広範囲に照射する場合よりも、照射部(40)の出力を低減することができる。
【0010】
本開示の第3の態様は、第2の態様において、前記制御部(73)は、前記加湿ロータ(30)を回転させる加湿運転が行われているときに前記第1制御を開始する場合、前記加湿ロータ(30)が回転を継続し且つ前記照射部(40)が紫外線の照射を開始するように、前記加湿ロータ(30)と前記照射部(40)とを制御する加湿装置である。
【0011】
第3の態様では、加湿運転が行われている場合に、第1制御を行うことができる。
【0012】
本開示の第4の態様は、第2または第3の態様において、前記制御部(73)は、前記加湿ロータ(30)を回転させる加湿運転が行われていないときに前記第1制御を開始する場合、前記加湿ロータ(30)が回転を開始し且つ前記照射部(40)が紫外線の照射を開始するように、前記加湿ロータ(30)と前記照射部(40)とを制御する加湿装置である。
【0013】
第4の態様では、加湿運転が行われていない場合に、第1制御を行うことができる。
【0014】
本開示の第5の態様は、第4の態様において、前記加湿運転が行われていないときに行われる前記第1制御における前記加湿ロータ(30)の回転数は、前記加湿運転が行われているときに行われる前記第1制御における前記加湿ロータ(30)の回転数よりも低い加湿装置である。
【0015】
第5の態様では、加湿運転が行われていない場合に、加湿ロータ(30)が1回転する期間中の加湿ロータ(30)に対する紫外線の照射量(照度と照射時間との積)を増加させることができる。これにより、加湿運転が行われていない場合に、加湿ロータ(30)が1回転する期間中における殺菌効果(紫外線による加湿ロータ(30)の殺菌の効果)を向上させることができる。
【0016】
本開示の第6の態様は、第2~第5の態様のいずれか1つにおいて、前記制御部(73)は、所定時間が経過する毎に前記第1制御を行う加湿装置である。
【0017】
第6の態様では、所定時間毎に第1制御を自動的に行うことができる。これにより、第1制御を周期的に行うことができる。
【0018】
本開示の第7の態様は、第6の態様において、前記所定時間は、設定可能である加湿装置である。
【0019】
第7の態様では、第1制御の周期を変更することができる。
【0020】
本開示の第8の態様は、第2~第7の態様のいずれか1つにおいて、前記制御部(73)は、前記加湿装置の周囲の環境条件に応じて、前記第1制御の実行タイミングを制御する加湿装置である。
【0021】
第8の態様では、加湿ロータ(30)における微生物の繁殖しやすさと相関のある加湿装置の周囲の環境条件に応じて、第1制御の実行タイミングを制御することができる。これにより、加湿ロータ(30)における微生物の繁殖を適切に抑制することができる。
【0022】
本開示の第9の態様は、第2~第8の態様のいずれか1つにおいて、前記制御部(73)は、前記加湿装置の周囲の環境条件に応じて、前記第1制御における前記照射部(40)の紫外線の照度または照射時間を制御する加湿装置である。
【0023】
第9の態様では、加湿ロータ(30)における微生物の繁殖しやすさと相関のある加湿装置の周囲の環境条件に応じて、第1制御における照射部(40)の紫外線の照射量(照度と照射時間との積)を制御することができる。これにより、加湿ロータ(30)における微生物の繁殖を適切に抑制することができる。
【0024】
本開示の第10の態様は、第2~第9の態様のいずれか1つにおいて、前記加湿ロータ(30)の回転数は、可変であり、前記制御部(73)は、前記第1制御において、前記加湿ロータ(30)の回転数に応じて前記照射部(40)の紫外線の照度を制御する加湿装置である。
【0025】
第10の態様では、加湿ロータ(30)に対する紫外線の照射量(照度と照射時間との積)を適切に制御することができる。
【0026】
本開示の第11の態様は、第10の態様において、前記制御部(73)は、前記加湿ロータ(30)を回転させる加湿運転において、加湿負荷に応じて前記加湿ロータ(30)の回転数を制御する加湿装置である。
【0027】
第11の態様では、加湿負荷に応じて加湿ロータ(30)による空気通路(23)内の空気の加湿を促進させることができるので、加湿を適切に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】
図1は、加湿装置の構成を例示する概略図である。
【
図2】
図2は、加湿装置の構成を例示するブロック図である。
【
図3】
図3は、照射部による紫外線の照射範囲を例示する概略図である。
【
図4】
図4は、第1制御について説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、実施の形態について図面を参照して詳しく説明する。なお、図中同一または相当部分には同一の符号を付しその説明は繰り返さない。
【0030】
(実施形態)
図1および
図2は、実施形態の加湿装置(10)の構成を例示する。この例では、加湿装置(10)は、加湿機能と空気清浄機能とを有する空気清浄機を構成する。加湿装置(10)は、筐体(20)と、空気清浄ユニット(25)と、加湿ロータ(30)と、駆動部(35)と、照射部(40)と、ファン(50)とを備える。
【0031】
以下では、説明の便宜上、加湿装置(10)の「吸込口(21)が形成される側」を「前側」としている。吸込口(21)については、後で詳しく説明する。また、以下の説明で用いる「前後上下」は、水平面に載置された加湿装置(10)の方向に対応している。
【0032】
〔筐体〕
筐体(20)は、加湿装置(10)の構成要素を収容する。この例では、筐体(20)は、空気清浄ユニット(25)と、加湿ロータ(30)と、駆動部(35)と、照射部(40)と、ファン(50)とを収容する。
【0033】
筐体(20)には、吸込口(21)と、吹出口(22)とが形成される。吸込口(21)は、筐体(20)外の空気を筐体(20)内に吸い込むための開口である。吹出口(22)は、筐体(20)内の空気を筐体(20)外に吹き出すための開口である。
【0034】
筐体(20)の内部には、空気通路(23)と、貯水槽(24)とが形成される。空気通路(23)は、空気が通過する通路であり、吸込口(21)と吹出口(22)とを連通する。貯水槽(24)は、水を貯留する。
【0035】
この例では、筐体(20)は、前後方向に扁平な直方体型の箱状に形成される。吸込口(21)は、筐体(20)の前面部に形成され、前方へ向けて開口する。吹出口(22)は、筐体(20)の後面部に形成され、斜め後上方へ向けて開口する。
【0036】
また、この例では、空気通路(23)において、吸込口(21)側から吹出口(22)側へ向けて空気が流れる。空気通路(23)には、空気の流れ方向の上流側から下流側へ向けて、空気清浄ユニット(25)と加湿ロータ(30)とファン(50)とが順に配置される。貯水槽(24)は、空気通路(23)の下方に配置される。
【0037】
〔空気清浄ユニット〕
空気清浄ユニット(25)は、空気通路(23)を流れる空気を浄化する。この例では、空気清浄ユニット(25)は、プレフィルタ(26)と、イオン化部(27)と、静電フィルタ(28)と、脱臭フィルタ(29)とを含む。この例では、空気の流れ方向の上流側から下流側へ向けて、プレフィルタ(26)とイオン化部(27)と静電フィルタ(28)と脱臭フィルタ(29)とが順に配置される。
【0038】
プレフィルタ(26)は、空気通路(23)の吸込口(21)側から吸い込まれた空気中の比較的に大きな塵埃を捕集する。
【0039】
イオン化部(27)は、プレフィルタ(26)を通過した空気中の比較的に小さな塵埃を帯電させる。例えば、イオン化部(27)は、互いに対向する線状電極と板状電極とを有し、両電極に電圧を印加することにより、両電極の間にコロナ放電を生起させる。このコロナ放電により、空気中の塵埃が所定の電荷(正または負の電荷)に帯電される。
【0040】
静電フィルタ(28)は、イオン化部(27)において帯電された塵埃を電気的に誘引して捕集する。
【0041】
脱臭フィルタ(29)は、静電フィルタ(28)を通過した空気を脱臭する。例えば、脱臭フィルタ(29)は、ハニカム構造の基材と、基材の表面に担持された脱臭剤とを有する。脱臭剤の例としては、臭気物質や有害物質などの被処理成分を吸着する吸着剤、被処理成分を酸化分解するための触媒などが挙げられる。
【0042】
〔加湿ロータ〕
加湿ロータ(30)は、吸水性を有し、回転可能に構成される。加湿ロータ(30)は、空気通路(23)と貯水槽(24)とに跨がる。そして、加湿ロータ(30)は、回転により、貯水槽(24)において吸水した部分が空気通路(23)に移動して水分を放出する。
【0043】
具体的には、加湿ロータ(30)は、空気通路(23)に位置する部分と、貯水槽(24)に位置する部分とを有する。加湿ロータ(30)の貯水槽(24)に位置する部分は、貯水槽(24)内の水を吸収する。加湿ロータ(30)が回転すると、貯水槽(24)において吸水した部分が空気通路(23)に移動する。そして、加湿ロータ(30)の空気通路(23)に位置する部分は、空気通路(23)内の空気に水分を放出する。これにより、空気通路(23)内の空気が加湿される。また、加湿ロータ(30)が回転すると、空気通路(23)に位置する部分が貯水槽(24)に移動する。
【0044】
この例では、加湿ロータ(30)は、円板状に形成される。加湿ロータ(30)は、中心軸線が回転軸線(Q)と一致するように回転可能に支持される。加湿ロータ(30)の中心軸線(回転軸線(Q))は、空気通路(23)における空気の流れ方向に沿うように前後方向に延びる。加湿ロータ(30)の下部は、貯水槽(24)に浸漬する。
【0045】
〔駆動部〕
駆動部(35)は、加湿ロータ(30)を回転駆動させる。駆動部(35)を制御することにより、加湿ロータ(30)の回転を制御することができる。例えば、駆動部(35)は、モータなどの動力源と、ギヤなどの動力伝達機構とを有する。
【0046】
〔照射部〕
照射部(40)は、加湿ロータ(30)の一部に紫外線を照射する。具体的には、照射部(40)は、紫外線を照射する光源を有する。光源の例としては、LED(Light Emitting Diode)、レーザダイオード、エキシマランプ、水銀ランプなどが挙げられる。なお、照射部(40)により照射される紫外線の波長は、例えば、180nm以上で且つ350nm以下であり、好ましくは、220nm以上で且つ300nm以下である。
【0047】
この例では、
図1および
図3に示すように、照射部(40)は、加湿ロータ(30)の空気通路(23)に位置する部分の一部に紫外線を照射する。また、照射部(40)は、空気通路(23)における空気の流れ方向において加湿ロータ(30)の上流側から加湿ロータ(30)の端面(吸込口(21)側の端面)へ向けて紫外線を照射する。
【0048】
また、照射部(40)により照射される紫外線の照射範囲(R)は、加湿ロータ(30)が1回転することで加湿ロータ(30)の全域に紫外線が照射されるように設定される。
図3の例では、照射範囲(R)は、加湿ロータ(30)の回転軸線(Q)を含む。照射範囲(R)の径方向長さ(回転軸線(Q)と直交する方向の長さ)は、加湿ロータ(30)の半径よりも長い。
【0049】
〔ファン〕
ファン(50)は、空気通路(23)において空気の流れを生成する。この例では、ファン(50)は、空気通路(23)において吸込口(21)から吹出口(22)へ向かう空気の流れを生成する。例えば、ファン(50)は、羽根車と、羽根車を回転駆動させる駆動部とを有する。ファン(50)の例としては、シロッコファンが挙げられる。
【0050】
〔センサ〕
また、加湿装置(10)は、各種のセンサを備える。各種のセンサの検知結果は、後述する制御部(73)に送信される。この例では、加湿装置(10)は、温度センサ(61)と、湿度センサ(62)と、回転数センサ(63)と、照度センサ(64)とを備える。なお、
図1では、回転数センサ(63)と照度センサ(64)の図示を省略している。
【0051】
温度センサ(61)は、加湿装置(10)の周囲の空気の温度を検知する。例えば、温度センサ(61)は、筐体(20)の吸込口(21)に設けられ、吸込口(21)を通じて筐体(20)内に吸い込まれる空気の温度を「加湿装置(10)の周囲の空気の温度」として検知する。なお、加湿装置(10)の周囲の空気の温度は、加湿装置(10)の周囲の環境条件の一例である。
【0052】
湿度センサ(62)は、加湿装置(10)の周囲の空気の湿度を検知する。例えば、湿度センサ(62)は、筐体(20)の吸込口(21)に設けられ、吸込口(21)を通じて筐体(20)内に吸い込まれる空気の湿度を「加湿装置(10)の周囲の空気の湿度」として検知する。なお、加湿装置(10)の周囲の空気の湿度は、加湿装置(10)の周囲の環境条件の一例である。
【0053】
回転数センサ(63)は、加湿ロータ(30)の回転数を検知する。
【0054】
照度センサ(64)は、照射部(40)により照射される紫外線の照度を検知する。
【0055】
〔操作部〕
また、加湿装置(10)は、操作部(71)を備える。操作部(71)には、加湿装置(10)の操作者による操作が与えられる。操作部(71)は、与えられた操作に応じた信号を出力する。このような構成により、操作者は、操作部(71)を操作して情報および指示を加湿装置(10)に入力することができる。操作部(71)の例としては、筐体(20)に設けられた操作ボタン、操作パネル、加湿装置(10)のリモコン(図示省略)などが挙げられる。
【0056】
〔記憶部〕
また、加湿装置(10)は、記憶部(72)を備える。記憶部(72)は、筐体(20)に収容される。記憶部(72)は、各種の情報を記憶する。例えば、記憶部(72)には、加湿装置(10)の各部の制御のために利用される情報が記憶される。加湿装置(10)の各部の制御のために利用される情報の例としては、各種のセンサにより検知された値、各種の制御に利用される設定値、計測された各種の時間などが挙げられる。
【0057】
〔制御部〕
また、加湿装置(10)は、制御部(73)を備える。制御部(73)は、加湿装置(10)の各部と通信線により接続される。この例では、制御部(73)は、加湿ロータ(30)を回転駆動させる駆動部(35)、照射部(40)、ファン(50)、温度センサ(61)、湿度センサ(62)、回転数センサ(63)、照度センサ(64)、操作部(71)、記憶部(72)と接続される。例えば、制御部(73)は、駆動部(35)を制御することで加湿ロータ(30)の回転を制御する。
【0058】
制御部(73)は、加湿装置(10)において各種の運転および制御が行われるように、各種のセンサの検知結果に応じて加湿装置(10)の各部を制御する。例えば、制御部(73)は、プロセッサと、プロセッサを動作させるためのプログラムおよび情報を記憶するメモリとを有する。プロセッサがプログラムを実行することにより、制御部(73)の各種の機能が実現される。
【0059】
この例では、加湿装置(10)において加湿運転が行われる。また、制御部(73)は、第1制御を行う。
【0060】
〔加湿運転〕
次に、加湿運転について説明する。加湿運転は、加湿ロータ(30)を回転させることで空気通路(23)内の空気を加湿する運転である。例えば、制御部(73)は、加湿運転を開始するための操作が操作部(71)に与えられると、その操作に応答して、加湿運転が行われるように加湿装置(10)の各部を制御する。
【0061】
加湿運転では、駆動部(35)が駆動状態となることで加湿ロータ(30)が駆動状態となる。ファン(50)が駆動状態となる。空気清浄ユニット(25)のイオン化部(27)が駆動状態(例えば線状電極と板状電極とに電圧が印加された状態)となる。このように、加湿運転が行われる場合、加湿ロータ(30)とファン(50)とイオン化部(27)が駆動状態となる。
【0062】
ファン(50)が駆動すると、筐体(20)外の空気が吸込口(21)を通じて空気通路(23)に吸い込まれる。空気通路(23)に吸い込まれた空気は、空気清浄ユニット(25)を通過して浄化された後に、加湿ロータ(30)を通過する。
【0063】
加湿ロータ(30)が駆動すると、貯水槽(24)において吸水した部分が空気通路(23)に移動する。空気通路(23)において加湿ロータ(30)を通過する空気は、加湿ロータ(30)の空気通路(23)に位置する部分から水分が放出されて加湿される。
【0064】
空気通路(23)において加湿ロータ(30)を通過した空気は、ファン(50)に吸い込まれ、吹出口(22)を通じて筐体(20)外に吹き出される。
【0065】
なお、加湿運転が行われない場合、駆動部(35)が停止状態となることで加湿ロータ(30)が停止状態となる。また、ファン(50)とイオン化部(27)も停止状態となる。
【0066】
〔第1制御〕
第1制御は、加湿ロータ(30)に紫外線を照射することで加湿ロータ(30)における微生物の繁殖を抑制するための制御である。微生物の例としては、カビ、細菌などが挙げられる。なお、ここでは、微生物にウィルスが含まれてもよい。第1制御では、制御部(73)は、加湿ロータ(30)の回転中に照射部(40)による紫外線の照射が行われるように、加湿ロータ(30)と照射部(40)とを制御する。
【0067】
次に、
図4を参照して、第1制御について説明する。制御部(73)は、以下の処理を繰り返し行う。
【0068】
〈ステップ(S11)〉
まず、制御部(73)は、第1制御を開始するための条件が成立したか否かを判定する。第1制御を開始するための条件が成立すると、ステップ(S12)の処理が行われる。
【0069】
この例では、制御部(73)は、所定時間が経過する毎に第1制御を行う。第1制御を開始するための条件は、前回の第1制御が終了した時点(または、加湿装置(10)に電源が投入された時点、以下同様)から所定時間が経過するという条件である。具体的には、制御部(73)は、前回の第1制御が終了すると、経過時間の計測を開始する。そして、制御部(73)は、前回の第1制御が終了した時点から所定時間が経過したか否かを判定する。前回の第1制御が終了した時点から所定時間が経過すると、ステップ(S12)の処理が行われる。
【0070】
〈ステップ(S12)〉
第1制御を開始するための条件が成立すると、制御部(73)は、加湿装置(10)において加湿運転が行われているか否かを判定する。例えば、制御部(73)は、加湿ロータ(30)およびファン(50)が駆動状態である場合に、加湿運転が行われていると判定し、加湿ロータ(30)およびファン(50)が停止状態である場合に、加湿運転が行われていないと判定する。
【0071】
加湿運転が行われている場合には、ステップ(S13)の処理が行われ、そうでない場合には、ステップ(S14)の処理が行われる。
【0072】
〈ステップ(S13)〉
加湿装置(10)において加湿運転が行われている場合、制御部(73)は、加湿ロータ(30)が回転を継続し、且つ、照射部(40)が紫外線の照射を開始するように、加湿ロータ(30)と照射部(40)とを制御する。
【0073】
また、制御部(73)は、照射部(40)による紫外線の照射が開始されると、照射部(40)による紫外線の照射時間(照射開始からの経過時間)の計測を開始する。次に、ステップ(S15)の処理が行われる。
【0074】
〈ステップ(S14)〉
加湿装置(10)において加湿運転が行われていない場合、制御部(73)は、加湿ロータ(30)が回転を開始し、且つ、照射部(40)が紫外線の照射を開始するように、加湿ロータ(30)と照射部(40)とを制御する。
【0075】
また、制御部(73)は、照射部(40)による紫外線の照射が開始されると、照射部(40)による紫外線の照射時間(照射開始からの経過時間)の計測を開始する。次に、ステップ(S15)の処理が行われる。
【0076】
〈ステップ(S15)〉
制御部(73)は、照射部(40)による紫外線の照射時間が予め定められた目標照射時間に到達したか否かを判定する。照射部(40)による紫外線の照射時間が目標照射時間に到達すると、ステップ(S16)の処理が行われる。例えば、目標照射時間は、照射部(40)による紫外線の照射により加湿ロータ(30)に付着した微生物を十分に殺菌することができる時間に設定される。
【0077】
〈ステップ(S16)〉
照射部(40)による紫外線の照射時間が目標照射時間に到達すると、制御部(73)は、加湿装置(10)において加湿運転が行われているか否かを判定する。加湿運転が行われている場合には、ステップ(S17)の処理が行われ、そうでない場合には、ステップ(S18)の処理が行われる。
【0078】
〈ステップ(S17)〉
加湿装置(10)において加湿運転が行われている場合、制御部(73)は、加湿ロータ(30)が回転を継続し、且つ、照射部(40)が紫外線の照射を停止するように、加湿ロータ(30)と照射部(40)とを制御する。次に、ステップ(S11)の処理が行われる。
【0079】
〈ステップ(S18)〉
加湿装置(10)において加湿運転が行われていない場合、制御部(73)は、加湿ロータ(30)が回転を停止し、且つ、照射部(40)が紫外線の照射を停止するように、加湿ロータ(30)と照射部(40)とを制御する。次に、ステップ(S11)の処理が行われる。
【0080】
〔実施形態の効果〕
以上のように、実施形態の加湿装置(10)は、回転により貯水槽(24)において吸水した部分が空気通路(23)に移動して水分を放出する加湿ロータ(30)と、加湿ロータ(30)の一部に紫外線を照射する照射部(40)とを備える。
【0081】
上記のような構成により、加湿ロータ(30)に紫外線を照射することができ、加湿ロータ(30)に付着した微生物を殺菌または不活性化することができる。これにより、加湿ロータ(30)における微生物の繁殖を抑制することができる。
【0082】
また、加湿ロータ(30)の回転中に照射部(40)による紫外線の照射が行われるように加湿ロータ(30)と照射部(40)とを制御する第1制御を行うことができ、加湿ロータ(30)を回転させながら加湿ロータ(30)の一部に紫外線を照射することができる。これにより、加湿ロータ(30)に対して紫外線を広範囲に照射することができる。例えば、加湿ロータ(30)の全体に対して紫外線を照射することができるので、加湿ロータ(30)の全体を効果的に殺菌することができる。
【0083】
また、加湿ロータ(30)を回転させながら加湿ロータ(30)の一部に紫外線を照射することにより、加湿ロータ(30)に対して紫外線を広範囲に照射することができるので、加湿ロータ(30)を回転させずに加湿ロータ(30)に対して紫外線を広範囲に照射する場合よりも、照射部(40)の出力を低減することができる。
【0084】
また、加湿ロータ(30)を回転させながら加湿ロータ(30)の一部に紫外線を照射することにより、加湿ロータ(30)を回転させずに加湿ロータ(30)に対して紫外線を広範囲に照射する場合よりも、加湿ロータ(30)における紫外線の照射ムラを抑制することができる。これにより、紫外線による加湿ロータ(30)の殺菌を効率よく行うことができる。
【0085】
また、実施形態の加湿装置(10)では、照射部(40)は、照射部(40)は、加湿ロータ(30)の空気通路(23)に位置する部分の一部に紫外線を照射する。
【0086】
上記のような構成により、加湿ロータ(30)の貯水槽(24)に位置する部分を避けて加湿ロータ(30)に紫外線を照射することができる。なお、紫外線は、水に吸収されやすいので、加湿ロータ(30)の貯水槽(24)に位置する部分には、紫外線が到達しにくい。
【0087】
したがって、加湿ロータ(30)の貯水槽(24)に位置する部分を避けて加湿ロータ(30)に紫外線を照射することにより、照射部(40)から加湿ロータ(30)へ向けて紫外線を効率よく照射することができる。これにより、加湿ロータ(30)の貯水槽(24)に位置する部分に紫外線を照射する場合よりも、照射部(40)の出力を低減することができる。
【0088】
また、実施形態の加湿装置(10)では、制御部(73)は、加湿運転が行われているときに第1制御を開始する場合、加湿ロータ(30)が回転を継続し且つ照射部(40)が紫外線の照射を開始するように、加湿ロータ(30)と照射部(40)とを制御する。
【0089】
上記の構成により、加湿運転が行われている場合に、第1制御を行うことができる。これにより、加湿運転を継続しながら、紫外線による加湿ロータ(30)の殺菌を行うことができる。
【0090】
また、実施形態の加湿装置(10)では、制御部(73)は、加湿運転が行われていないときに第1制御を開始する場合、加湿ロータ(30)が回転を開始し且つ照射部(40)が紫外線の照射を開始するように、加湿ロータ(30)と照射部(40)とを制御する。
【0091】
上記のような構成により、加湿運転が行われていない場合に、第1制御を行うことができる。これにより、加湿運転の停止中に、紫外線による加湿ロータ(30)の殺菌を行うことができる。
【0092】
また、実施形態の加湿装置(10)では、制御部(73)は、所定時間が経過する毎に第1制御を行う。
【0093】
上記のような構成により、所定時間毎に第1制御を自動的に行うことができる。これにより、第1制御を周期的に行うことができる。
【0094】
また、実施形態の加湿装置(10)では、加湿ロータ(30)における微生物の繁殖を抑制することができるので、ぬめり(バイオフィルム)の発生、微生物由来揮発性有機化合物(MVOC)による臭いの発生、加湿ロータ(30)において繁殖した微生物の空気通路(23)内の空気への再浮遊などを抑制することができる。
【0095】
(変形例1)
実施形態の変形例1の加湿装置(10)は、第1制御における加湿ロータ(30)の回転数の設定が実施形態の加湿装置(10)と異なる。実施形態の変形例1の加湿装置(10)のその他の構成は、実施形態の加湿装置(10)の構成と同様である。
【0096】
変形例1では、加湿ロータ(30)の回転数は、可変である。具体的には、加湿ロータ(30)の回転数は、多段階(2段階以上)に切り換え可能である。
【0097】
また、変形例1では、加湿運転が行われていないときに行われる第1制御における加湿ロータ(30)の回転数は、加湿運転が行われているときに行われる第1制御における加湿ロータ(30)の回転数よりも低い。
【0098】
具体的には、変形例1では、制御部(73)は、加湿運転が行われているときに第1制御を開始する場合(ステップ(S13)の場合)に、加湿ロータ(30)の回転数が第1回転数となるように、加湿ロータ(30)を制御する。また、制御部(73)は、加湿運転が行われていないときに第1制御を開始する場合(ステップ(S14)の場合)に、加湿ロータ(30)の回転数が第1回転数よりも低い第2回転数となるように、加湿ロータ(30)を制御する。
【0099】
なお、第1回転数は、第1制御が行われない加湿運転における加湿ロータ(30)の回転数(通常の加湿運転において定められた目標回転数)であってもよい。
【0100】
以上のように、実施形態の変形例1の加湿装置(10)では、加湿運転が行われていないときに行われる第1制御における加湿ロータ(30)の回転数は、加湿運転が行われているときに行われる第1制御における加湿ロータ(30)の回転数よりも低い。
【0101】
上記のような設定により、加湿運転が行われていない場合に、加湿ロータ(30)が1回転する期間中の加湿ロータ(30)に対する紫外線の照射量(照度と照射時間との積)を増加させることができる。これにより、加湿運転が行われていない場合に、加湿ロータ(30)が1回転する期間中における殺菌効果(紫外線による加湿ロータ(30)の殺菌の効果)を向上させることができる。
【0102】
また、加湿ロータ(30)が1回転する期間中における殺菌効果(紫外線による加湿ロータ(30)の殺菌の効果)を向上させることにより、空気通路(23)において加湿ロータ(30)に付着した微生物が殺菌されずに貯水槽(24)に移動することを抑制することができる。
【0103】
例えば、加湿運転が行われていない場合に、加湿ロータ(30)が1回転する期間中の加湿ロータ(30)に対する紫外線の照射量を「加湿ロータ(30)に付着した微生物を十分に殺菌することができる紫外線の照射量」にすることができるので、加湿ロータ(30)が1回転する期間中に加湿ロータ(30)を十分に殺菌することができる。これにより、空気通路(23)において加湿ロータ(30)に付着した微生物が殺菌されずに貯水槽(24)に移動すること(貯水槽(24)の汚染)を防止することができる。また、紫外線により殺菌された加湿ロータ(30)が貯水槽(24)に貯留された水に触れて再汚染されることを防止することができる。
【0104】
(変形例2)
実施形態の変形例2の加湿装置(10)は、第1制御を開始するための条件となる所定時間の設定が実施形態の加湿装置(10)と異なる。実施形態の変形例2の加湿装置(10)のその他の構成は、実施形態の加湿装置(10)の構成と同様である。
【0105】
変形例2では、所定時間は、設定可能である。加湿装置(10)の操作者は、所定時間を任意に変更することができる。具体的には、制御部(73)は、所定時間を変更するための操作が操作部(71)に与えられると、その操作に応答して、第1制御を開始するための条件となる所定時間(ステップ(S11)において用いられる所定時間)を変更する。なお、所定時間は、記憶部(72)に記憶されてもよい。
【0106】
以上のように、実施形態の変形例2の加湿装置(10)では、所定時間は、設定可能である。上記のような設定により、第1制御の周期を変更することができる。例えば、加湿装置(10)の操作者は、所定時間を任意に設定することにより、第1制御の周期を任意に設定することができる。
【0107】
(変形例3)
実施形態の変形例3の加湿装置(10)は、第1制御の実行タイミングが実施形態の加湿装置(10)と異なる。実施形態の変形例3の加湿装置(10)のその他の構成は、実施形態の加湿装置(10)の構成と同様である。
【0108】
「加湿装置(10)の周囲の環境条件」と「加湿ロータ(30)における微生物の繁殖しやすさ(増殖速度)」との間には、相関がある。以下では、加湿装置(10)の周囲の環境条件を単に「環境条件」と記載し、加湿ロータ(30)における微生物の繁殖しやすさ(増殖速度)を単に「微生物の増殖速度」と記載する。微生物の種類毎に、その微生物が繁殖しやすい環境条件(例えば至適温湿度)がある。例えば、環境条件が高温多湿になるに連れて、微生物の増殖速度が高くなる。なお、微生物の増殖速度が高くなるほど、第1制御の実行頻度が高くなることが望ましい。
【0109】
変形例3では、制御部(73)は、加湿装置(10)の周囲の環境条件に応じて、第1制御の実行タイミングを制御する。例えば、制御部(73)は、環境条件が高温多湿になるに連れて第1制御の実行頻度が高くなるように、環境条件に応じて第1制御の実行タイミングを制御する。
【0110】
具体的には、制御部(73)は、温度センサ(61)により検知された「加湿装置(10)の周囲の温度」と湿度センサ(62)により検知された「加湿装置(10)の周囲の湿度」とを示す温湿度条件に応じて、第1制御を開始するための条件となる所定時間(ステップ(S11)において用いられる所定時間)を設定する。例えば、温湿度条件が高温多湿になるに連れて、所定時間が短くなる。
【0111】
以上のように、実施形態の変形例3の加湿装置(10)では、制御部(73)は、加湿装置(10)の周囲の環境条件に応じて、第1制御の実行タイミングを制御する。このような制御により、加湿ロータ(30)における微生物の繁殖しやすさと相関のある加湿装置(10)の周囲の環境条件に応じて、第1制御の実行タイミングを制御することができる。これにより、加湿ロータ(30)における微生物の繁殖を適切に抑制することができる。
【0112】
なお、変形例3において、温湿度条件と所定時間との対応関係を示す情報(対応テーブル)が記憶部(72)に記憶されてもよい。制御部(73)は、記憶部(72)に記憶された情報を参照して、温湿度条件に応じた所定時間を設定してもよい。
【0113】
また、変形例3において、制御部(73)は、次のように第1制御を開始してもよい。
【0114】
制御部(73)は、前回の第1制御が終了した時点(または加湿装置(10)に電源が投入された時点)からの経過時間を計測する。以下では、前回の第1制御が終了した時点(または加湿装置(10)に電源が投入された時点)からの経過時間を「非殺菌時間」と記載する。また、制御部(73)は、加湿装置(10)の周囲の環境条件に応じて「微生物の増殖速度」を導出する。
【0115】
次に、制御部(73)は、「非殺菌時間」と「微生物の増殖速度」との積に応じて「加湿ロータ(30)における微生物の繁殖レベル」を導出する。以下では、加湿ロータ(30)における微生物の繁殖レベルを単に「微生物の繁殖レベル」と記載する。例えば、非殺菌時間と微生物の増殖速度との積が大きくなるに連れて、微生物の繁殖レベルが高くなる。
【0116】
そして、制御部(73)は、微生物の繁殖レベルが予め定められた許容値を上回ると、第1制御を開始する。
【0117】
以上のように、変形例3において、第1制御を開始するための条件は、微生物の繁殖レベルが許容値を上回るという条件であってもよい。
【0118】
(変形例4)
実施形態の変形例4の加湿装置(10)は、照射部(40)の制御が実施形態の加湿装置(10)と異なる。実施形態の変形例4の加湿装置(10)のその他の構成は、実施形態の加湿装置(10)の構成と同様である。
【0119】
上述のとおり、「環境条件」と「微生物の増殖速度」との間には、相関がある。また、「微生物の増殖速度」と「非殺菌時間(前回の第1制御が終了した時点からの経過時間)」との積が増加すると、「微生物の繁殖レベル」が増加する。なお、微生物の繁殖レベルが高くなるほど、第1制御における照射部(40)の紫外線の照射量の目標値である「目標照射量」が多くなることが望ましい。
【0120】
目標照射量は、第1制御における照射部(40)の紫外線の照度の目標値である「目標照度」と、第1制御における照射部(40)の紫外線の照射時間の目標値である「目標照射時間」との積である。例えば、目標照射量は、加湿ロータ(30)に付着した微生物を十分に殺菌することができる紫外線の照射量に設定される。
【0121】
変形例4では、照射部(40)の紫外線の照度または照射時間は、可変である。制御部(73)は、加湿装置(10)の周囲の環境条件に応じて、第1制御における照射部(40)の紫外線の照度または照射時間を制御する。例えば、制御部(73)は、環境条件が高温多湿になるに連れて、照射部(40)の紫外線の照度と照射時間との積である紫外線の照射量が多くなるように、加湿装置(10)の周囲の環境条件に応じて第1制御における照射部(40)の紫外線の照度または照射時間を制御する。
【0122】
具体的には、制御部(73)は、温度センサ(61)により検知された「加湿装置(10)の周囲の温度」と湿度センサ(62)により検知された「加湿装置(10)の周囲の湿度」とを示す温湿度条件に応じて、「微生物の増殖速度」を導出する。例えば、温湿度条件が高温多湿になるに連れて、微生物の増殖速度が高くなる。次に、制御部(73)は、「微生物の増殖速度」と「非殺菌時間」との積に応じて「目標照射量」を導出する。例えば、微生物の増殖速度と非殺菌時間の積が大きくなるに連れて、目標照射量が多くなる。次に、制御部(73)は、目標照射量から「目標照度」と「目標照射時間」とを導出する。そして、制御部(73)は、第1制御において、照射部(40)の紫外線の照度および照射時間が目標照度および目標照射時間となるように、照射部(40)を制御する。
【0123】
なお、上記の「照射部(40)の紫外線の照度または照射時間」は、「照射部(40)の紫外線の照度および照射時間の少なくとも一方」を意味する。以降も同様である。
【0124】
以上のように、実施形態の変形例4の加湿装置(10)では、制御部(73)は、加湿装置(10)の周囲の環境条件に応じて、第1制御における照射部(40)の紫外線の照度または照射時間を制御する。このような制御により、加湿ロータ(30)における微生物の繁殖しやすさと相関のある加湿装置(10)の周囲の環境条件に応じて、第1制御における照射部(40)の紫外線の照射量(照度と照射時間との積)を制御することができる。これにより、加湿ロータ(30)における微生物の繁殖を適切に抑制することができる。
【0125】
なお、第1制御を開始するための条件である所定時間(ステップ(S11)において用いられる所定時間)が一定である場合、非殺菌時間は、一定となる。この場合、制御部(73)は、加湿装置(10)の周囲の環境条件に応じて目標照射量を一義的に導出することが可能である。例えば、環境条件が高温多湿になるに連れて、目標照射量が多くなる。
【0126】
また、目標照射時間が一定である場合、第1制御における照射部(40)の紫外線の照射時間は、一定となる。非殺菌時間が一定であり、且つ、目標照射時間が一定である場合、制御部(73)は、加湿装置(10)の周囲の環境条件に応じて目標照度を一義的に導出することが可能である。例えば、環境条件が高温多湿になるに連れて、目標照度が高くなる。
【0127】
また、目標照度が一定である場合、第1制御における照射部(40)の紫外線の照度は、一定となる。非殺菌時間が一定であり、且つ、目標照度が一定である場合、制御部(73)は、加湿装置(10)の周囲の環境条件に応じて目標照射時間を一義的に導出することが可能である。例えば、環境条件が高温多湿になるに連れて、目標照射時間が長くなる。
【0128】
(変形例5)
実施形態の変形例5の加湿装置(10)は、第1制御の実行タイミングが実施形態の加湿装置(10)と異なる。実施形態の変形例5の加湿装置(10)のその他の構成は、実施形態の加湿装置(10)の構成と同様である。
【0129】
微生物の種類毎に、その微生物の繁殖しやすさ(増殖速度)を予測することが可能である。なお、微生物の増殖速度が高くなるほど、第1制御の実行頻度が高くなることが望ましい。
【0130】
変形例5では、制御部(73)は、指定された微生物の種類に応じて、第1制御の実行タイミングを制御する。例えば、微生物の種類毎に、その微生物の増殖速度(例えば予め定められた環境条件における増殖速度)が予め定められる。制御部(73)は、指定された微生物の増殖速度が高くなるに連れて、第1制御の実行頻度が高くなるように、指定された微生物の種類に応じて第1制御の実行タイミングを制御する。
【0131】
具体的には、加湿装置(10)の操作者は、殺菌の対象とする微生物の種類を指定するための操作を操作部(71)に与える。例えば、殺菌の対象とする微生物の種類は、加湿装置(10)の周囲の環境に存在すると推測される微生物の種類である。制御部(73)は、微生物の種類を指定するための操作が操作部(71)に与えられると、その指定された微生物の種類に対応する「微生物の増殖速度」に応じて、第1制御を開始するための条件となる所定時間(ステップ(S11)において用いられる所定時間)を設定する。例えば、指定された微生物の増殖速度が高くなるに連れて、所定時間が短くなる。
【0132】
以上のように、実施形態の変形例5の加湿装置(10)では、制御部(73)は、指定された微生物の種類に応じて第1制御の実行タイミングを制御する。このような制御により、指定された微生物の種類に対応する微生物の繁殖しやすさに応じて、第1制御の実行タイミングを制御することができる。これにより、加湿ロータ(30)における微生物の繁殖を適切に抑制することができる。
【0133】
なお、変形例5において、微生物の種類と所定時間との対応関係を示す情報(対応テーブル)が記憶部(72)に記憶されてもよい。制御部(73)は、記憶部(72)に記憶された情報を参照して、指定された微生物の種類に応じた所定時間を設定してもよい。
【0134】
また、変形例5において、制御部(73)は、次のように第1制御を開始してもよい。
【0135】
制御部(73)は、「非殺菌時間」を計測する。非殺菌時間は、前回の第1制御が終了した時点(または加湿装置(10)に電源が投入された時点)からの経過時間である。また、制御部(73)は、指定された微生物の種類に応じて「微生物の増殖速度」を導出する。
【0136】
次に、制御部(73)は、「非殺菌時間」と「微生物の増殖速度」との積に応じて「微生物の繁殖レベル」を導出する。例えば、非殺菌時間と微生物の増殖速度との積が大きくなるに連れて、微生物の繁殖レベルが高くなる。
【0137】
そして、制御部(73)は、微生物の繁殖レベルが予め定められた許容値を上回ると、第1制御を開始する。
【0138】
以上のように、変形例5において、第1制御を開始するための条件は、微生物の繁殖レベルが許容値を上回るという条件であってもよい。
【0139】
(変形例6)
実施形態の変形例6の加湿装置(10)は、照射部(40)の制御が実施形態の加湿装置(10)と異なる。実施形態の変形例6の加湿装置(10)のその他の構成は、実施形態の加湿装置(10)の構成と同様である。
【0140】
上述のとおり、微生物の種類毎に、その微生物の繁殖しやすさ(増殖速度)を推測することが可能である。また、「微生物の増殖速度」と「非殺菌時間(前回の第1制御が終了した時点からの経過時間)」との積が増加すると、「微生物の繁殖レベル」が増加する。なお、繁殖レベルが高くなるほど、目標照射量(目標照度と目標照射時間との積)が多くなることが望ましい。
【0141】
変形例6では、照射部(40)の紫外線の照度または照射時間は、可変である。制御部(73)は、指定された微生物の種類に応じて、第1制御における照射部(40)の紫外線の照度または照射時間を制御する。例えば、制御部(73)は、微生物の種類を指定するための操作が操作部(71)に与えられると、その指定された微生物の種類に対応する「微生物の増殖速度」が高くなるに連れて、第1制御における照射部(40)の紫外線の照射量(照度と照射時間との積)が多くなるように、指定された微生物の種類に応じて第1制御における照射部(40)の紫外線の照度または照射時間を制御する。
【0142】
具体的には、制御部(73)は、指定された微生物の種類に応じて「微生物の増殖速度」を導出する。次に、制御部(73)は、「微生物の増殖速度」と「非殺菌時間」との積に応じて「目標照射量」を導出する。例えば、微生物の増殖速度と非殺菌時間との積が大きくなるに連れて、目標照射量が多くなる。次に、制御部(73)は、目標照射量から「目標照度」と「目標照射時間」とを導出する。そして、制御部(73)は、第1制御において、照射部(40)の紫外線の照度および照射時間が目標照度および目標照射時間となるように、照射部(40)を制御する。
【0143】
以上のように、実施形態の変形例6の加湿装置(10)では、制御部(73)は、指定された微生物の種類に応じて、第1制御における照射部(40)の紫外線の照度または照射時間を制御する。このような制御により、指定された微生物の種類に対応する微生物の繁殖しやすさに応じて、第1制御における照射部(40)の紫外線の照射量(照度と照射時間との積)を制御することができる。これにより、加湿ロータ(30)における微生物の繁殖を適切に抑制することができる。
【0144】
なお、第1制御を開始するための条件である所定時間(ステップ(S11)において用いられる所定時間)が一定である場合、非殺菌時間は、一定となる。この場合、制御部(73)は、指定された微生物の種類に応じて、目標照射量を一義的に導出することが可能である。例えば、指定された微生物の種類に対応する「微生物の増殖速度」が高くなるに連れて、目標照射量が多くなる。
【0145】
また、目標照射時間が一定である場合、第1制御における照射部(40)の紫外線の照射時間は、一定となる。非殺菌時間が一定であり、且つ、目標照射時間が一定である場合、制御部(73)は、指定された微生物の種類に応じて、目標照度を一義的に導出することが可能である。例えば、指定された微生物の種類に対応する「微生物の増殖速度」が高くなるに連れて、目標照度が高くなる。
【0146】
また、目標照度が一定である場合、第1制御における照射部(40)の紫外線の照度は、一定となる。非殺菌時間が一定であり、且つ、目標照度が一定である場合、制御部(73)は、指定された微生物の種類に応じて、目標照射時間を一義的に導出することが可能である。例えば、指定された微生物の種類に対応する「微生物の増殖速度」が高くなるに連れて、目標照射時間が長くなる。
【0147】
(変形例7)
実施形態の変形例7の加湿装置(10)は、第1制御の実行タイミングが実施形態の加湿装置(10)と異なる。実施形態の変形例7の加湿装置(10)のその他の構成は、実施形態の加湿装置(10)の構成と同様である。
【0148】
「加湿装置(10)における加湿運転の累積運転時間」と「加湿ロータ(30)における微生物の繁殖レベル」との間には、相関がある。以下では、加湿装置(10)における加湿運転の累積運転時間を単に「累積運転時間」と記載する。例えば、累積運転時間が長くなるに連れて、微生物の繁殖レベルが高くなる。なお、微生物の繁殖レベルが高くなるほど、第1制御の実行頻度が高くなることが望ましい。
【0149】
変形例7では、制御部(73)は、累積運転時間を計測する。具体的には、制御部(73)は、加湿運転が開始されると、累積運転時間の計測を開始し、加湿運転が行われている期間では、累積運転時間の計測を継続し、加湿運転が行われていない期間では、累積運転時間の計測を中断する。そして、制御部(73)は、第1制御が開始されると、累積運転時間をゼロにリセットする。
【0150】
変形例7では、制御部(73)は、加湿装置(10)における加湿運転の累積運転時間に応じて、第1制御の実行タイミングを制御する。例えば、制御部(73)は、累積運転時間が長くなるに連れて、第1制御の実行頻度が高くなるように、累積運転時間に応じて第1制御の実行タイミングを制御する。
【0151】
具体的には、制御部(73)は、累積運転時間に応じて、第1制御を開始するための条件となる所定時間(ステップ(S11)において用いられる所定時間)を設定する。例えば、累積運転時間が長くなるに連れて、所定時間が短くなる。
【0152】
以上のように、実施形態の変形例7の加湿装置(10)では、制御部(73)は、加湿装置(10)における加湿運転の累積運転時間に応じて第1制御の実行タイミングを制御する。このような制御により、加湿ロータ(30)における微生物の繁殖レベルと相関のある加湿運転の累積運転時間に応じて、第1制御の実行タイミングを制御することができる。これにより、加湿ロータ(30)における微生物の繁殖を適切に抑制することができる。
【0153】
なお、変形例7において、累積運転時間と所定時間との対応関係を示す情報(対応テーブル)が記憶部(72)に記憶されてもよい。制御部(73)は、記憶部(72)に記憶された情報を参照して、累積運転時間に応じた所定時間を設定してもよい。
【0154】
また、変形例7において、制御部(73)は、次のように第1制御を開始してもよい。
【0155】
制御部(73)は、「累積運転時間」に応じて「微生物の繁殖レベル」を導出する。例えば、累積運転時間が大きくなるに連れて、微生物の繁殖レベルが高くなる。そして、制御部(73)は、微生物の繁殖レベルが予め定められた許容値を上回ると、第1制御を開始する。
【0156】
以上のように、変形例7において、第1制御を開始するための条件は、微生物の繁殖レベルが許容値を上回るという条件であってもよい。
【0157】
(変形例8)
実施形態の変形例8の加湿装置(10)は、照射部(40)の制御が実施形態の加湿装置(10)と異なる。実施形態の変形例8の加湿装置(10)のその他の構成は、実施形態の加湿装置(10)の構成と同様である。
【0158】
上述のとおり、「累積運転時間」と「微生物の繁殖レベル」との間には、相関がある。なお、繁殖レベルが高くなるほど、目標照射量(目標照度と目標照射時間との積)が多くなることが望ましい。
【0159】
変形例8では、照射部(40)の紫外線の照度または照射時間は、可変である。制御部(73)は、加湿装置(10)における加湿運転の累積運転時間に応じて、第1制御における照射部(40)の紫外線の照度または照射時間を制御する。例えば、制御部(73)は、累積運転時間が長くなるに連れて、第1制御における照射部(40)の紫外線の照射量(照度と照射時間との積)が多くなるように、累積運転時間に応じて第1制御における照射部(40)の紫外線の照度または照射時間を制御する。
【0160】
具体的には、制御部(73)は、累積運転時間に応じて「目標照射量」を導出する。例えば、累積時間が長くなるに連れて、目標照射量が多くなる。次に、制御部(73)は、目標照射量から「目標照度」と「目標照射時間」とを導出する。そして、制御部(73)は、第1制御において、照射部(40)の紫外線の照度および照射時間が目標照度および目標照射時間となるように、照射部(40)を制御する。
【0161】
以上のように、実施形態の変形例8の加湿装置(10)では、制御部(73)は、加湿装置(10)における加湿運転の累積運転時間に応じて、第1制御における照射部(40)の紫外線の照度または照射時間を制御する。このような制御により、加湿ロータ(30)における微生物の繁殖レベルと相関のある加湿運転の累積運転時間に応じて、第1制御における照射部(40)の紫外線の照射量(照度と照射時間との積)を制御することができる。これにより、加湿ロータ(30)における微生物の繁殖を適切に抑制することができる。
【0162】
なお、目標照射時間が一定である場合、第1制御における照射部(40)の紫外線の照射時間は、一定となる。この場合、制御部(73)は、加湿装置(10)における加湿運転の累積運転時間に応じて目標照度を一義的に導出することが可能である。例えば、累積運転時間が長くなるに連れて、目標照度が高くなる。
【0163】
また、目標照度が一定である場合、第1制御における照射部(40)の紫外線の照度は、一定となる。この場合、制御部(73)は、加湿装置(10)における加湿運転の累積運転時間に応じて目標照射時間を一義的に導出することが可能である。例えば、累積運転時間が長くなるに連れて、目標照射時間が長くなる。
【0164】
(変形例9)
実施形態の変形例9の加湿装置(10)は、加湿ロータ(30)の制御および照射部(40)の制御が実施形態の加湿装置(10)と異なる。実施形態の変形例9の加湿装置(10)のその他の構成は、実施形態の加湿装置(10)の構成と同様である。
【0165】
変形例9では、加湿ロータ(30)の回転数は、可変である。具体的には、加湿ロータ(30)の回転数は、多段階(2段階以上)に切り換え可能である。
【0166】
また、変形例9では、照射部(40)の紫外線の照度は、可変である。制御部(73)は、第1制御において、加湿ロータ(30)の回転数に応じて照射部(40)の紫外線の照度を制御する。例えば、制御部(73)は、第1制御において、加湿ロータ(30)の回転数が高くなるに連れて、照射部(40)の紫外線の照度が高くなるように、加湿ロータ(30)の回転数に応じて照射部(40)の紫外線の照度を制御する。
【0167】
具体的には、制御部(73)は、第1制御において、加湿ロータ(30)の回転数に応じて目標照度を導出する。例えば、加湿ロータ(30)の回転数が高くなるに連れて、目標照度が高くなる。そして、制御部(73)は、照射部(40)の紫外線の照度が目標照度となるように、照射部(40)の紫外線の照度を制御する。
【0168】
また、変形例9では、制御部(73)は、加湿運転において、加湿負荷に応じて加湿ロータ(30)の回転数を制御する。例えば、制御部(73)は、加湿運転において、加湿負荷が大きくなるに連れて、加湿ロータ(30)の回転数が高くなるように、加湿負荷に応じて加湿ロータ(30)の回転数を制御する。なお、加湿ロータ(30)の回転数が高くなるほど、加湿ロータ(30)による空気通路(23)内の空気の加湿が促進される。
【0169】
具体的には、制御部(73)は、加湿運転において、予め定められた「目標湿度」から「加湿装置(10)の周囲の空気の湿度」を減算することで「加湿負荷」を導出する。次に、制御部(73)は、加湿負荷に応じて「目標回転数」を導出する。例えば、加湿負荷が大きくなるに連れて、目標回転数が高くなる。そして、制御部(73)は、加湿ロータ(30)の回転数が目標回転数となるように、加湿ロータ(30)の回転数を制御する。
【0170】
以上のように、実施形態の変形例9の加湿装置(10)では、制御部(73)は、第1制御において、加湿ロータ(30)の回転数に応じて照射部(40)の紫外線の照度を制御する。このような制御により、加湿ロータ(30)に対する紫外線の照射量(照度と照射時間との積)を適切に制御することができる。
【0171】
例えば、加湿ロータ(30)が1回転する期間中の加湿ロータ(30)に対する紫外線の照射量(照度と照射時間との積)を所定量に維持することができる。これにより、加湿ロータ(30)が1回転する期間中における殺菌効果(紫外線による加湿ロータ(30)の殺菌の効果)を十分に確保することができる。その結果、空気通路(23)において加湿ロータ(30)に付着した微生物が殺菌されずに貯水槽(24)に移動することを抑制することができる。
【0172】
また、実施形態の変形例9の加湿装置(10)では、制御部(73)は、加湿運転において加湿負荷に応じて加湿ロータ(30)の回転数を制御する。このような制御により、加湿負荷に応じて加湿ロータ(30)による空気通路(23)内の空気の加湿を促進させることができるので、加湿を適切に行うことができる。
【0173】
なお、変形例9において、制御部(73)は、第1制御において、加湿ロータ(30)の回転数から導出される「加湿ロータ(30)の1回転に要する時間」と「照射部(40)の紫外線の照度」との積が予め定められた目標照射量となるように、加湿ロータ(30)の回転数に応じて照射部(40)の紫外線の照度を制御してもよい。このような制御により、加湿ロータ(30)が1回転する期間中の加湿ロータ(30)に対する紫外線の照射量(照度と照射時間との積)を目標照射量に維持することができる。
【0174】
例えば、目標照射量を「加湿ロータ(30)に付着した微生物を十分に殺菌することができる紫外線の照射量」に設定することにより、加湿ロータ(30)が1回転する期間中に加湿ロータ(30)を十分に殺菌することができる。これにより、空気通路(23)において加湿ロータ(30)に付着した微生物が殺菌されずに貯水槽(24)に移動すること(貯水槽(24)の汚染)を防止することができる。また、紫外線により殺菌された加湿ロータ(30)が貯水槽(24)に貯留された水に触れて再汚染されることを防止することができる。
【0175】
(その他の実施形態)
以上の説明では、加湿装置(10)の例として加湿機能と空気清浄機能とを有する空気清浄機を挙げたが、これに限定されない。例えば、加湿装置(10)は、加湿機能のみを有する加湿器であってもよい。
【0176】
また、実施形態および変形例を説明したが、特許請求の範囲の趣旨および範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。また、以上の実施形態および変形例は、本開示の対象の機能を損なわない限り、適宜組み合わせたり置換したりしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0177】
以上説明したように、本開示は、加湿装置として有用である。
【符号の説明】
【0178】
10 加湿装置
20 筐体
21 吸込口
22 吹出口
23 空気通路
24 貯水槽
30 加湿ロータ
35 駆動部
40 照射部
50 ファン
61 温度センサ
62 湿度センサ
63 回転数センサ
64 照度センサ
71 操作部
72 記憶部
73 制御部
【手続補正書】
【提出日】2022-09-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気が通過する空気通路(23)と、水を貯留する貯水槽(24)とが形成された筐体(20)と、
前記空気通路(23)と前記貯水槽(24)とに跨がり、回転により前記貯水槽(24)において吸水した部分が前記空気通路(23)に移動して水分を放出する加湿ロータ(30)と、
前記加湿ロータ(30)の一部に紫外線を照射する照射部(40)とを備え、
前記加湿ロータ(30)は、円板状に形成され、前記加湿ロータ(30)の中心軸線である回転軸線(Q)は、上記空気通路(23)における空気の流れ方向に沿うように延び、
前記照射部(40)は、前記加湿ロータ(30)の前記空気通路(23)の空気の流れ方向における端面へ向けて前記紫外線を照射し、
前記加湿ロータ(30)のうち前記空気通路(23)の位置する部分には、前記紫外線が照射される領域と、前記紫外線が照射されない領域とが存在し、
前記照射部(40)により照射される紫外線の照射範囲(R)は、前記加湿ロータ(30)が1回転することで前記加湿ロータ(30)の全域に紫外線が照射されるように、前記回転軸線(Q)と直交する方向に延びる
加湿装置。
【請求項2】
請求項1の加湿装置において、
第1制御を行う制御部(73)を備え、
前記制御部(73)は、前記第1制御において、前記加湿ロータ(30)の回転中に前記照射部(40)による紫外線の照射が行われるように、前記加湿ロータ(30)と前記照射部(40)とを制御する
加湿装置。
【請求項3】
請求項2の加湿装置において、
前記制御部(73)は、前記加湿ロータ(30)を回転させる加湿運転が行われているときに前記第1制御を開始する場合、前記加湿ロータ(30)が回転を継続し且つ前記照射部(40)が紫外線の照射を開始するように、前記加湿ロータ(30)と前記照射部(40)とを制御する
加湿装置。
【請求項4】
請求項2または3の加湿装置において、
前記制御部(73)は、前記加湿ロータ(30)を回転させる加湿運転が行われていないときに前記第1制御を開始する場合、前記加湿ロータ(30)が回転を開始し且つ前記照射部(40)が紫外線の照射を開始するように、前記加湿ロータ(30)と前記照射部(40)とを制御する
加湿装置。
【請求項5】
請求項4の加湿装置において、
前記加湿運転が行われていないときに行われる前記第1制御における前記加湿ロータ(30)の回転数は、前記加湿運転が行われているときに行われる前記第1制御における前記加湿ロータ(30)の回転数よりも低い
加湿装置。
【請求項6】
請求項2~5のいずれか1つの加湿装置において、
前記制御部(73)は、所定時間が経過する毎に前記第1制御を行う
加湿装置。
【請求項7】
請求項6の加湿装置において、
前記所定時間は、設定可能である
加湿装置。
【請求項8】
請求項2~7のいずれか1つの加湿装置において、
前記制御部(73)は、前記加湿装置の周囲の環境条件に応じて、前記第1制御の実行タイミングを制御する
加湿装置。
【請求項9】
請求項2~8のいずれか1つの加湿装置において、
前記制御部(73)は、前記加湿装置の周囲の環境条件に応じて、前記第1制御における前記照射部(40)の紫外線の照度または照射時間を制御する
加湿装置。
【請求項10】
請求項2~9のいずれか1つの加湿装置において、
前記加湿ロータ(30)の回転数は、可変であり、
前記制御部(73)は、前記第1制御において、前記加湿ロータ(30)の回転数に応じて前記照射部(40)の紫外線の照度を制御する
加湿装置。
【請求項11】
請求項10の加湿装置において、
前記制御部(73)は、前記加湿ロータ(30)を回転させる加湿運転において、加湿負荷に応じて前記加湿ロータ(30)の回転数を制御する
加湿装置。