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特開2022-188790集塵装置およびこの集塵装置を備えた電気掃除機
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022188790
(43)【公開日】2022-12-22
(54)【発明の名称】集塵装置およびこの集塵装置を備えた電気掃除機
(51)【国際特許分類】
   A47L 9/10 20060101AFI20221215BHJP
   A47L 9/16 20060101ALI20221215BHJP
【FI】
A47L9/10 B
A47L9/16
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021096994
(22)【出願日】2021-06-10
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000176866
【氏名又は名称】三菱電機ホーム機器株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109612
【弁理士】
【氏名又は名称】倉谷 泰孝
(74)【代理人】
【識別番号】100153176
【弁理士】
【氏名又は名称】松井 重明
(74)【代理人】
【識別番号】100116643
【弁理士】
【氏名又は名称】伊達 研郎
(72)【発明者】
【氏名】内田 龍一
(72)【発明者】
【氏名】関口 剛徳
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 雅俊
(72)【発明者】
【氏名】狩野 泰毅
【テーマコード(参考)】
3B062
【Fターム(参考)】
3B062AE00
3B062AH05
(57)【要約】
【課題】塵埃の圧縮操作が容易な集塵装置およびこの集塵装置を備えた電気掃除機を提供する。
【解決手段】筒形状をなすケース25と、ケース25の内部に設けられる中空の円筒部32と、筒形状をなす集塵部外筒23と、を備え、集塵部外筒23の集塵部外筒側壁23bの外周面と、ケース側壁25dの内周面とが円筒部32の延びる方向に摺動し、集塵部外筒23がケース25に対しケース上面部25c方向に最大限摺動したときに、ケース流入口25aと集塵部外筒吸込口26とが連通するとともに、一端側に、弾性部材で構成されるとともに、集塵部外筒23の側壁から円筒部32方向に立設し、先端部が円筒部32の外周面と摺接するスクレーパ38の円筒部ブランジ部32d側側面と、集塵部外筒23の内周面と、円筒部32の外周面と、蓋部24とにより集塵室36が形成されるものである。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒形状をなすケースと、
前記ケースの内部に設けられ、第1の円筒部開口と第2の円筒部開口を両端に有する中空の円筒部と、
筒形状をなす集塵部外筒と、を備え、
前記ケースは、
前記円筒部の延びる方向と平行に延び、空間を隔てて前記円筒部の外周面を囲うともに前記ケースの外郭をなすケース側壁と、
前記ケース側壁の一端側に、前記円筒部の前記第1の円筒部開口と連通する第1のケース開口が形成されたケース上面部と、
前記ケース側壁の他端側に第2のケース開口が形成され、
前記ケース側壁には、該ケース側壁の内部空間と外部空間とを連通するケース流入口が形成され、
前記円筒部は、
該円筒部の内部空間と外部空間とを連通する複数の孔部からなる排出部と、
前記第2の円筒部開口の外縁に形成される円筒部フランジ部と、
前記円筒部フランジの一端部に軸支され、前記集塵部外筒の集塵部外筒側壁の内周面を開閉する蓋部と、を備え、
前記集塵部外筒は、
一端側に、弾性部材で構成されるとともに、前記集塵部外筒の側壁から前記円筒部方向に立設し、先端部が前記円筒部の外周面と摺接するスクレーパを備え、
他端側に集塵部外筒開口が形成され、
前記集塵部外筒の集塵部外筒側壁には、該塵部外筒側壁の内部空間と外部空間とを連通する集塵部外筒流入口が形成され、
前記集塵部外筒の集塵部外筒側壁の外周面と、前記ケース側壁の内周面とが前記円筒部の延びる方向に摺動し、
前記集塵部外筒が前記ケースに対し前記ケース上面部方向に最大限摺動したときに、前記ケース流入口と前記集塵部外筒流入口とが連通し、
前記スクレーパの前記円筒部ブランジ部側側面と前記集塵部外筒の内周面と前記円筒部の外周面と前記蓋部とにより集塵室が形成される、
集塵装置。
【請求項2】
前記ケース側壁には、該ケース側壁の内部空間と外部空間とを連通するとともに、前記円筒部の延びる方向に沿って形成されるスリットを備え、
前記集塵部外筒の集塵部外筒側壁から外方に突出するゴミすてレバーを備え、
前記ゴミすてレバーは前記スリットに沿って前記集塵部外筒と一体的に移動することにより、前記集塵部外筒の集塵部外筒側壁の外周面と、前記ケース側壁の内周面とが前記円筒部の延びる方向に摺動する
請求項1記載の集塵装置。
【請求項3】
前記蓋部には前記円筒部フランジ部の他端部と係止する係止部を備え、
前記ゴミ捨てレバーは集塵部外筒側壁から前記集塵室側に突出する凸部を備え、
前記集塵部外筒が前記ケースに対し前記ケース上面部と反対方向に最大限摺動したとき、前記凸部が前記係止部による前記蓋部と前記円筒部フランジ部との係止を解除する請求項2記載の集塵装置。
【請求項4】
前記請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の集塵装置と、
吸引風を発生させる電動送風機と、
前記電動送風機が発生する吸引風に対し、前記電動送風機の上流側に前記集塵装置の第1のケース開口が配置され、
前記ケース流入口へ外部の空気を導く風路部材が接続される電気掃除機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、集塵装置およびこの集塵装置を備えた電気掃除機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に、サイクロン式の塵埃分離器を備えた真空掃除機が記載されている。特許文献1に記載された塵埃分離器は、吸引時に分離チャンバ内のシュラウドに付着した塵埃を、ワイパーが、塵埃を捨てる操作と連動して除去することが出来る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6695411号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1において、ワイパーを移動することによりシュラウドに付着した塵埃を除去できるが、ワイパーは分離チャンバ側に固定されるのでシュラウドから除去された塵埃が収容される部分である分離チャンバの容積は変わらないため、塵埃は圧縮されない。
【0005】
本開示は、上記のような課題を解決するためになされたものである。本開示の目的は、塵埃の圧縮操作が容易な集塵装置およびこの集塵装置を備えた電気掃除機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る集塵装置は、筒形状をなすケースと、ケースの内部に設けられ、第1の円筒部開口と第2の円筒部開口を両端に有する中空の円筒部と、筒形状をなす集塵部外筒と、を備え、ケースは、円筒部の延びる方向と平行に延び、空間を隔てて円筒部の外周面を囲うともにケースの外郭をなすケース側壁と、ケース側壁の一端側に、円筒部の第1の円筒部開口と連通する第1のケース開口が形成されたケース上面部と、ケース側壁の他端側に第2のケース開口が形成され、ケース側壁には、該ケース側壁の内部空間と外部空間とを連通するケース流入口が形成され、円筒部は、該円筒部の内部空間と外部空間とを連通する複数の孔部からなる排出部と、第2の円筒部開口の外縁に形成される円筒部フランジ部と、円筒部フランジ部の一端部に軸支され、集塵部外筒の集塵部外筒側壁の内周面を開閉する蓋部と、を備え、集塵部外筒は、一端側に、弾性部材で構成されるとともに、集塵部外筒の側壁から円筒部方向に立設し、先端部が円筒部の外周面と摺接するスクレーパを備え、他端側に集塵部外筒開口が形成され、集塵部外筒の集塵部外筒側壁には、該塵部外筒側壁の内部空間と外部空間とを連通する集塵部外筒吸込口が形成され、集塵部外筒の集塵部外筒側壁の外周面と、ケース側壁の内周面とが円筒部の延びる方向に摺動し、集塵部外筒が前記ケースに対し前記ケース上面部方向に最大限摺動したときに、前記ケース流入口と集塵部外筒吸込口とが連通し、スクレーパの円筒部ブランジ部側側面と集塵部外筒の内周面と円筒部の外周面と蓋部とにより集塵室が形成されるものである。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、集塵部外筒を摺動操作することにより、排出部を含む円筒部の外周面に付着した塵埃の除去、及び、集塵室内の塵埃の圧縮操作が容易な集塵装置を提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態1の電気掃除機が支持装置に着脱される状態を示す斜視図である。
図2】実施の形態1の電気掃除機が支持装置に取り付けられた状態の側面図である。
図3】実施の形態1の電気掃除機の掃除機本体の斜視図である。
図4】実施の形態1の電気掃除機の本体部に対して集塵装置を着脱する時の状態を示す側面図である。
図5】実施の形態1の集塵装置の斜視図である。
図6】実施の形態1の集塵装置の分解斜視図である。
図7】実施の形態1の集塵装置の上面図である。
図8】実施の形態1の集塵装置の清掃時の動作を説明する側面断面図である。
図9】実施の形態1の集塵装置の塵埃圧縮時の動作を説明する側面断面図である。
図10】実施の形態1の集塵装置の塵埃圧縮時の動作を説明する側面断面図である。
図11】実施の形態1の集塵装置の塵埃を捨てる時の動作を説明する側面断面図である。
図12】実施の形態1の集塵装置の流入口側から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付の図面を参照して、本開示を実施するための形態について説明する。各図における同一の符号は、同一の部分または相当する部分を示す。本開示では、重複する説明については、適宜に簡略化または省略する。なお、開示は、以下の実施の形態によって開示される構成のあらゆる組み合わせを含み得るものであり、趣旨を逸脱しない範囲で種々変形することが可能である。
【0010】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1の電気掃除機が支持装置に着脱される状態を示す斜視図である。図2は、実施の形態1の電気掃除機が支持装置に取り付けられた状態の側面図である。図1および図2に示すように、本実施の形態の電気掃除機は、電気掃除機10と支持装置100とによって電気掃除機システム1を構成する。図3は、実施の形態1の電気掃除機の掃除機本体の斜視図である。図4は実施の形態1の電気掃除機の本体部に対して集塵装置を着脱する時の状態を示す側面図である。図5は、実施の形態1の集塵装置の斜視図である。図6は、実施の形態1の集塵装置の分解斜視図である。図7は、実施の形態1の集塵装置の上面図である。図8は、実施の形態1の集塵装置の清掃時の動作を説明する側面断面図である。図9は、実施の形態1の集塵装置の塵埃圧縮時の動作を説明する側面断面図である。図10は、実施の形態1の集塵装置の塵埃圧縮時の動作を説明する側面断面図である。図11は、実施の形態1の集塵装置の塵埃を捨てる時の動作を説明する側面断面図である。図12は、実施の形態1の集塵装置の流入口側から見た斜視図である。
【0011】
なお、図2を用いて、各方向を定義する。図2において、紙面の右方向が前方、左方向が後方、上方向及び下方向がそれぞれ上方及び下方を示す。また、図7において、紙面の手前方向が上方、上方向が前方を示す。また、図8から図11において、紙面の上方向が下方、下方向が上方、左方向が前方を示す。
【0012】
本開示の電気掃除機10では、コードレスタイプの縦型電気掃除機を例にとり説明する。支持装置100は、電気掃除機10を自立するように支持する機器である。支持装置100は、例えば、居室の床面に置かれる。支持装置100は、例えば、居室の壁際に置かれる。
【0013】
電気掃除機10は、支持装置100に対して着脱自在である。図1は、電気掃除機10が支持装置100に着脱される状態の斜視図を示している。図3は、支持装置100から取り外された状態の電気掃除機10の掃除機本体11の斜視図を示している。また、図2は、電気掃除機10が支持装置100に取り付けられた状態の側面図を示している。図2に示すように、電気掃除機10は、支持装置100に取り付けられることで自立する。
【0014】
本実施の形態の支持装置100は、コードレスタイプの電気掃除機10を充電する機能を有している。電気掃除機10は、使用時に支持装置100から取り外される。電気掃除機10は、不使用時に支持装置100に取り付けられる。コードレスタイプの電気掃除機10は、支持装置100に取り付けられることで、充電される。
【0015】
各図面を参照し、電気掃除機10の全体構成について説明する。図1から図3に示すように、電気掃除機10は、主な構成要素として、掃除機本体11、管体12および掃除具13を備えている。管体12は、例えば、直線状に伸びる円筒形状の部材である。管体12の一方の端部は、掃除具13に接続される。掃除具13の下面には、被清掃面と対向する掃除具吸込口(図示せず)が形成される。掃除具13は、管体12に対し、着脱可能である。管体12の他方の端部は、掃除機本体11に接続される。管体12は、掃除機本体11に対し、着脱可能である。
【0016】
管体12および掃除具13の内部には、外部から、後述する掃除機本体11のケース流入口25aに塵埃を含む空気を流入させるための風路が形成される。換言すると、管体12および掃除具13は、ケース流入口25aへ外部の空気を導く風路部材の一例である。なお、本開示では、ゴミ、塵、埃、毛髪、繊維等のように、電気掃除機10の清掃対象となるものを総称して、「塵埃」と称する。また、本開示では、塵埃を含む空気を、「含塵空気」と称する。そして、塵埃が取り除かれた空気を「清浄空気」と呼ぶ場合がある
【0017】
掃除機本体11は、含塵空気から塵埃を分離する機能を有するものである。また、掃除機本体11は、分離した塵埃を捕集する機能を有するものである。掃除機本体11は、図3に示すように、把持部15、本体部16および集塵部17を備える。把持部15は、電気掃除機10の使用中に使用者が手で握る部材である。把持部15は、本体部16に対して機械的に接続されている。なお、把持部15の前面の側側には、後述する電動送風機への通電のON、OFF操作や、電動送風機の出力の切り替えなどの操作を行う操作ボタン(図示せず)を備えた操作部15aが配置される。
【0018】
本体部16には、図示しない電動送風機および充電池等が内蔵されている。電動送風機は、電気掃除機10が塵埃を吸引するための気流を発生させるものである。充電池は、電動送風機が駆動するための電力源である。本実施の形態の本体部16は、電気掃除機10の本体の一例である。
【0019】
集塵部17は、含塵空気から塵埃を分離して、当該塵埃を捕集する集塵装置の一例である。本実施の形態の集塵部17は、本体部16に内蔵された電動送風機が発生させた気流によって掃除機本体11に吸引された含塵空気を旋回させ、遠心力によって塵埃を分離する。集塵部17は、サイクロン分離機能を有する。
【0020】
集塵部17は、本体部16に対して着脱可能に構成される。図4は、実施の形態1の電気掃除機10の本体部16に対して集塵部17を着脱する時の状態を示す側面図である。図4に示すように、本体部16は、凸部18を有している。また、集塵部17の底面には、凹部が形成されている。凹部は、図4においては図示を省略する。
【0021】
凸部18と凹部とは、互いに嵌め合うように形成されている。凸部18及び凹部は、電気掃除機10の本体部16と集塵部17とを着脱自在に係合させる手段の一例である。本実施の形態における凸部18は、本体側係合部の一例である。凹部は、集塵装置側係合部の一例である。
【0022】
また、凹部が形成される集塵部17の底面と反対側の、集塵部17の上面付近の前方の側面には、集塵部係止部17aが形成される。集塵部係止部17aは、バネにより上方に突出するように付勢された突出部(図示せず)があり、図2のように、電気掃除機10が支持装置100に取り付けられた状態で、集塵部17の上面が対向する本体部16側に、集塵部係止部17aの突出部と係止される係止凹部(図示せず)が形成される。
【0023】
次に、支持装置100の全体構成について説明する。本実施の形態の支持装置100は、図1および図2に示すように、基台部101、支柱部102および本体支持部103を備える。基台部101は、支持装置100の中で最も下方に配置される部分である。基台部101は、支持装置100の土台を形成する。
【0024】
支柱部102は、柱状の部材である。支柱部102の下端部は、基台部101に固定される。支柱部102は、基台部101の上面から鉛直上向きに直立するように形成されている。本体支持部103は、支柱部102の中間部に設けられている。電気掃除機10が支持装置100に取り付けられている状態において、本体支持部103は、掃除機本体11を下方から支持する。また、電気掃除機10が支持装置100に取り付けられる際、掃除具13は、基台部101に支えられる。
【0025】
次に、集塵部17の構成について、図面を更に参照し、より詳細に説明する。図5は、実施の形態1の集塵装置である集塵部17の斜視図である。図6は、実施の形態1の集塵装置である集塵部17の分解斜視図である。
【0026】
図5に示すように、集塵部17全体の外観は、円柱状である。図6に示すように、集塵部17は、フィルタ部21、旋回部22の一部を形成する円筒部32、筒形状をなす集塵部外筒23、蓋部24と、筒形状をなすケース25を備えている。集塵部17は円周方向よりも高さ方向、すなわち円周方向に垂直な方向の方が長い。換言すれば、集塵部17は円周方向に垂直な方向に長手軸を有する。ここで、円筒部32はケース25の内部に設けられ、第1の円筒部開口32aと第2の円筒部開口32bを両端に有する中空の部材である。
【0027】
ケース25は、円筒部32の延びる方向と平行に延び、空間を隔てて円筒部32の外周面32cを囲うともに、ケース25の外郭をなすケース側壁25dを有する。このケース側壁25dの一端側に、円筒部32の第1の円筒部開口32aと連通する第1のケース開口25eが形成されたケース上面部25cと、ケース側壁25dの他端側に第2のケース開口25fが形成される。図8に示すように、ケース側壁2dには、該ケース側壁25dの内部空間と外部空間とを連通するケース流入口25aがケース25の延びる方向と直交する方向に偏った位置に形成される。ケース25の第1のケース開口25eは、本体部16に内蔵される電動送風機が発生する吸引風に対し、電動送風機の上流側に配置される。
【0028】
また、ケース25の側面には、ケース側壁25dの内部空間と外部空間とを連通するとともに、円筒部32の延びる方向に沿ってスリット25bが形成されている。後述するように、集塵部外筒23の集塵部外筒側壁23bから外方に突出するように形成されたゴミ捨てレバー39を備える。ゴミ捨てレバー39はスリット25bの中を移動可能に構成される。ゴミ捨てレバー39は、スリット25bに沿って集塵部外筒23と一体的に移動することにより、集塵部外筒23の集塵部外筒側壁23bの外周面と、ケース側壁25dの内周面とが円筒部32の延びる方向に摺動する。
【0029】
円筒部32は、該円筒部32の内部空間と外部空間とを連通する複数の孔部(図示せず)からなる排出部34と、第2の円筒部開口32bの外縁に形成される円筒部フランジ部32dと、円筒部フランジ部32dの一端側に軸支され、集塵部外筒23の集塵部外筒側壁23bの内周面を開閉する蓋部24と、を備える。また、円筒部32には、円筒部外周面32cの外方向に、傘状の隔壁部35が形成される。
【0030】
円筒部32は、旋回室である分離室33の側壁の一部をなしている。分離室33および集塵室36は、円筒部32が集塵部外筒23に組み合わされることによって形成されている。本実施の形態における円筒部32は、集塵室36および旋回室を形成する筒状の内筒部材の一例である。なお、本開示に係る内筒部材の構造は、本実施の形態で示す円筒部32に限定されるものではない。例えば、旋回室と集塵室とは、別の部品構成であってもよい。例えば、円筒部32と隔壁部35は別部品でも構わない。
【0031】
蓋部24には円筒部フランジ部32dの他端部と係止する係止部37を備える。また、ゴミ捨てレバー39は、集塵部外筒側壁23bから集塵室36側に突出する凸部41を備える。集塵部外筒23がケース25に対しケース上面部25cと反対方向に最大限摺動したとき、凸部41が係止部37を押し、係止部37による蓋部24と円筒部フランジ部32dとの係止を解除する。
【0032】
集塵部外筒23は、一端側に、弾性部材で構成されるとともに、集塵部外筒23の側壁23bから円筒部32方向に立設し、先端部が円筒部32の外周面と摺接するスクレーパ38を備える。集塵部外筒23は、他端側に集塵部外筒開口23aが形成される。図7から図12に示すように、集塵部外筒23の集塵部外筒側壁23bには、塵部外筒側壁23bの内部空間と外部空間とを連通する集塵部外筒流入口26が集塵部外筒23の延びる方向と直交する方向に偏った位置に形成される。
【0033】
集塵部外筒23の集塵部外筒側壁23bの外周面と、ケース側壁25dの内周面とが円筒部32の延びる方向に摺動し、集塵部外筒23がケース25に対しケース上面部25c方向に最大限摺動したときに、ケース流入口25aと集塵部外筒流入口26とが連通する。
【0034】
スクレーパ38と集塵部外筒23の内周面と円筒部32の外周面と蓋部24とにより集塵室36が形成される。
【0035】
本体部16に内蔵される電動送風機が駆動されて吸引風が発生することにより、第1のケース開口25eを介して第1の円筒部開口32aに負圧が加わると、排出部34を介して集塵部外筒23の内部空間に負圧が加わる。
【0036】
図7に示すように、集塵部外筒23の側面は、円弧面27とストレート面28とからなる。集塵部外筒23は、上面視においてD字状を呈する。外筒流入口26は、ストレート面28に配置される。外筒流入口26は、含塵空気を集塵部17の内部に流入させるための開口である。
【0037】
フィルタ部21は、ケース25の上部に着脱可能に収容される。図7に示すように、フィルタ部21は、枠体29、フィルタ30及び第1パッキン31を備える。枠体29は、上面視においてケース25と相似なD字状を呈している。第1パッキン31は、枠体29の上面の外周に配置されている。第1パッキン31は、掃除機本体11と集塵部17とを密接させるためのものである。
【0038】
旋回部22は後述するケース流入口25a及び集塵部外筒流入口26を経由して、集塵部17の外部から内部に流入した空気を円筒部32の外側で円筒部32の延びる軸回りに旋回する部分であり、円筒部32の外周面及び集塵部外筒側壁23bの内周面とで囲まれる空間をさす。円筒部32が設けており、分離室33の側壁となる部材である。分離室33は、含塵空気を旋回させて、当該含塵空気から塵埃を遠心分離するための旋回室の一例である。
【0039】
円筒部32の主要部分は、倒立した円筒形状を呈する。円筒部32は、全体として、筒状の円筒形状を呈している。本実施の形態において、分離室33は、この円筒部32の外側に形成される。図9に示すように、ケース上面部25cは、分離室33の上面となる。
【0040】
旋回部22の円筒部32は中空の円筒形状で、その内壁上部には排出部34が設けられ、排出部34には、複数の微細な孔が形成されている。図9図10に示すように、排出部34に形成される複数の微細な孔は、隔壁部35よりも流入口26側の円筒部32に形成される。
【0041】
集塵部17は旋回部22に設けた隔壁部35により分離室33と集塵室36に分けられる。隔壁部35は、円筒部32の外周面に連なるように形成される、傘形状の部材である。集塵室36に溜まった塵埃が流入口26側に逆流するのを抑制する。遠心分離された塵埃は集塵室36に溜められる。集塵室36の底部は蓋部24で構成されており、蓋部24は旋回部22の端部に軸支されている。また、蓋部24には旋回部22を固定する係止部37を設ける。係止部37を解除することにより集塵室に溜められた塵埃を捨てることが出来る。
【0042】
蓋部24と集塵部外筒23とにより構成される集塵容器は、図8の状態では、円周方向よりも高さ方向、すなわち円周方向に垂直な方向の方が長い。換言すれば、集塵容器は、円周方向に垂直な方向に長手軸を有する。また、集塵容器は長手軸と平行な中心軸を有する。
【0043】
排出部34、円筒部32および集塵容器は、いずれも、それぞれの中心軸に垂直な断面が円形である。本実施の形態において、排出部34、円筒部32および集塵容器のそれぞれの中心軸は、互いに平行になるように配置される。また、排出部34と円筒部32の中心軸は一致している。
【0044】
なお、本開示では長手軸および中心軸という語を用いている。本開示における中心軸とは、幅方向の中心または奥行方向の中心の軸も含み得る。すなわち、中心軸は、幅方向の中心または奥行方向の中心にある長手軸でもある。また、例えば、排出部34、円筒部32および集塵容器の中心軸に垂直な断面の外形は、必ずしも完全な円形に限るものではなく、例えば、当該外形には係合や嵌合のための凹凸があってもよい。本開示における中心軸とは、長手軸を有する物体のおおよその中心の軸を意味している。
【0045】
図8は、実施の形態1のサイクロン分離装置の右側面断面図である。本開示では、集塵容器が取り外された状態の集塵部17を、「サイクロン分離装置」と称する。換言すると、集塵装置の一例である集塵部17は、サイクロン分離装置と集塵容器とによって構成されている。
【0046】
第2パッキン40は、例えば、軟質樹脂によって形成される。また、2色成形によって集塵部外筒23と一体的に形成される。第2パッキン40の素材は、軟質樹脂に限られず、例えば、ゴム等であってもよい。
【0047】
集塵部外筒23には排出部34や円筒部32に付着した塵埃を除去する為のスクレーパ38を設ける。スクレーパ38は、例えば、軟質樹脂によって形成される。また、2色成形によって集塵部外筒23と一体的に形成される。スクレーパ38の素材は、軟質樹脂に限られず、例えば、ゴム等であってもよい。集塵部外筒23はゴミ捨てレバー39を操作するとスクレーパ38が排出部34や内筒部31に接触しながら下方に移動することで付着した塵埃を除去することできる。また、スクレーパ38は底部24の位置まで移動する。
【0048】
ゴミ捨てレバー39を下端まで押すことで蓋部24に設けた係止部37を解除することができ、ゴミ捨て動作は完了する。また、集塵部外筒23と蓋部24は第2パッキン40によって密閉されている。
【0049】
次に、動作について説明する。まず、清掃時の動作について説明する。
【0050】
<清掃時の動作>
掃除機本体11の把持部15を把持して、電気掃除機10を支持装置100から取り外す。ここで、集塵部17は、集塵部外筒23が、ケース25に対し、ケース上面部25c方向に最大限摺動した状態となっている。
【0051】
操作部15aに設けられた操作ボタンを操作して、充電池から電動送風機へ電力を供給すると、掃除機本体11に内蔵する電動送風機が駆動する。電動送風機が駆動すると、吸引風が発生する。そして、電動送風機の吸込口に負圧が発生し、第1のケース開口25eを介して第1の円筒部開口32aに負圧が加わり、排出部34を介して集塵部外筒23の内部空間に負圧が加わる。そして、連通した集塵部外筒流入口26とケース流入口25aにも負圧が加わる。そして、ケース流入口25aへ外部の空気を導く風路部材である管体12、掃除具13を介して、掃除具13の下面に形成された掃除具吸込口にも負圧が加わる。その結果、掃除具13の内部、管体12の内部、ケース流入口25a及び集塵部外筒流入口26を経由して、集塵部17内に含塵空気が吸い込まれる。
【0052】
ここで、ケース流入口25aは、ケース25の延びる方向と直交する方向に偏った位置に形成される。また集塵部外筒流入口26も集塵部外筒23の延びる方向と直交する方向に偏った位置に形成される。したがって、ケース流入口25a及び集塵部外筒流入口26を経由して、集塵部17内に流入した含塵空気は、円筒部32の外側の空間である分離室33の一部を形成する集塵部外筒側壁23bに沿うように、分離室33に流入する。
【0053】
分離室33に流入した空気は、分離室33を形成する側壁に沿って回り、分離室33内で旋回気流を形成する。旋回気流は、中心軸近傍の強制渦領域とその外側の自由渦領域とを形成しながら下向きに流れていく。この旋回気流に含まれるゴミには、遠心力が作用する。例えば、繊維ゴミおよび毛髪等の比較的嵩の大きなゴミは、作用する遠心力によって外側に押し付けられる。この大きなゴミは集塵室36に送られて捕集される。
【0054】
集塵室36で捕集されなかった砂ゴミ等の比較的嵩の小さなゴミは、分離室33内の気流に乗って排出部34に設けられた微細な孔部を通過して、円筒部32の内部に侵入する。円筒部32の内部においても気流が旋回し、小さなゴミは遠心力により円筒部32の内壁に押し付けられ、このゴミの自重により円筒部32の下方、すなわち、蓋部24の方向に移動し、蓋部24で閉鎖された第2の円筒部開口32b付近に捕集される。ここで、排出部34に設けられた微細な孔部を通過できない塵埃がこれらの孔部の周囲に付着しやすく、付着した塵埃が微細な孔部を塞ぐ虞がある。
【0055】
円筒部32内で小さなゴミが分離された空気は、第1の円筒部開口23aと第1のケース開口25eを通過してフィルタ部21に流入する。フィルタ部21に流入した空気は、フィルタ部21の枠体29に収容されるフィルタ30により、さらに微細なゴミが捕集される。
【0056】
フィルタ30により微細なゴミが分離された清浄空気は、電動送風機の吸込口から吸引される。そして、電動送風機から排出された空気は、充電池や制御基板などを冷却した後、掃除機本体に形成された排気口(図示せず)から排気される。
【0057】
次に、ゴミ捨て時の動作について説明する。
【0058】
<ゴミ捨て時の動作>
集塵部外筒23が、ケース25に対し、ケース上面部25c方向に最大限摺動した状態でゴミ捨て動作を行う。
操作部15aに設けられた操作ボタンを操作して、充電池から電動送風機への電力の供給を停止すると、掃除機本体11に内蔵する電動送風機が停止する。そして、集塵部17を掃除機本体11から取り外す。
【0059】
図9から図11は集塵部17から塵埃を捨てる時の動作を説明する側面断面図である。
集塵室36に溜まったゴミを捨てる際は、集塵部外筒23と一体的に構成されるゴミ捨てレバー39を下方、すなわち、蓋部24方向に移動するよう操作する。ゴミ捨てレバー39は、スリット25bに沿って集塵部外筒23と一体的に移動することにより、集塵部外筒23の集塵部外筒側壁23bの外周面と、ケース側壁25dの内周面とが円筒部32の延びる方向に摺動する。
【0060】
スリット25bが形成されるケース側壁25dの内周面と集塵部外筒側壁23bの外周面とが摺動する。スリット25bと対向する部分の集塵部外筒側壁23bは集塵部外筒側壁23bの内部空間と外部空間とを連通する孔がないので、集塵部外筒側壁23bの内部空間と外部空間とがスリット25bにより連通することがなく、集塵室36内に集塵された塵埃がスリット25bを介してケース側壁25dの外部に漏れることはない。
【0061】
ゴミ捨てレバー39を操作すると、まず、集塵部外筒23と一体に設けられたスクレーパ38も下方に移動する。スクレーパ38の先端部は旋回部22の一部である円筒部外周面32cに接触しながら下方に移動する為、排出部34を含む円筒部外周面32cに付着した塵埃を除去することが出来る。ここで、スクレーパ38は軟質部材で構成されているため、隔壁部35の段差を乗り越えて移動することができる。
【0062】
ここで、ケース25に対するゴミ捨てレバー39の摺動、すなわち、ケース25に対する集塵部外筒23の摺動に対し、ケース25側に固定される円筒部32の円筒部フランジ部32dに係止される蓋部24は、移動しない。そして、ケース25に対するゴミ捨てレバー39の摺動により、固定される蓋部24の外縁部が集塵部外筒側壁23bの内周面に対し摺動するので、集塵部外筒側壁23bの内周面に付着した塵埃も除去することができる。このように、ゴミ捨てレバー39を操作することにより、集塵室36を構成する内壁の一部に付着した塵埃を除去できる。
【0063】
スクレーパ38の先端部及び蓋部24の外縁部によって、円筒部外周面32c及び集塵部外筒側壁23bの内周面から除去された塵埃は集塵室36へ溜まる。このままゴミ捨てレバー41を下げていくと、スクレーパ38は蓋部24まで下がり、集塵室36に溜まった塵埃を蓋部24とスクレーパ38が挟み込むことで塵埃を圧縮することが出来る。
【0064】
スクレーパ38による塵埃の圧縮後、さらにゴミ捨てレバー39を下方に移動すると、ゴミ捨てレバー39に設けた凸部41は、蓋部24を円筒部フランジ部32dの端部に係止する係止部37の係止を解除することで、底部24が開放されて、集塵室36及び円筒部32の内部にたまった塵埃をすてることが出来る。この際、集塵室36内の塵埃は圧縮されているので、ゴミ捨て時に気になる塵埃の舞い上がりを抑制することが出来る。
【0065】
<ゴミ捨て完了後の動作>
ゴミ捨てが完了したら、ゴミ捨てレバー39を上方、すなわち、ケース上面部25c方向に少し移動する。つまり、ゴミ捨てレバー39に設けた凸部41が、蓋部24を円筒部フランジ部32dの端部に係止する係止部37から離れるまで移動する。そして、蓋部24を円筒部フランジ部34の一端部の回りに回転して、蓋部24の係止部37を円筒部フランジ部34の他端部に係止させる。
【0066】
その後、ゴミ捨てレバー39をさらに上方に移動する。ゴミ捨てレバー39を上方に移動すると、スクレーパ38は軟質部材で構成されているため、隔壁部35の段差を乗り越えて移動することができる。そして、集塵部外筒23をケース25に対しケース上面部25c方向に最大限摺動させ、ケース流入口と25aと集塵部外筒流入口26とを連通させる。そして、集塵部17を掃除機本体11に取り付ける。このように、ゴミ捨て完了後も、ゴミ捨てレバー39を上方に移動する操作により、集塵装置を再び掃除動作が可能な状態に復帰することができる。
掃除を終了する場合は、電気掃除機10を支持装置100に取り付けて、電気掃除機10を収納する。
【0067】
このように、実施の形態1に係わる集塵装置によれば、筒形状をなすケースと、ケースの内部に設けられ、第1の円筒部開口と第2の円筒部開口を両端に有する中空の円筒部と、筒形状をなす集塵部外筒と、を備え、ケースは、円筒部の延びる方向と平行に延び、空間を隔てて円筒部の外周面を囲うともにケースの外郭をなすケース側壁と、ケース側壁の一端側に、円筒部の第1の円筒部開口と連通する第1のケース開口が形成されたケース上面部と、ケース側壁の他端側に第2のケース開口が形成され、ケース側壁には、該ケース側壁の内部空間と外部空間とを連通するケース流入口が形成され、円筒部は、該円筒部の内部空間と外部空間とを連通する複数の孔部からなる排出部と、第2の円筒部開口の外縁に形成される円筒部フランジ部と、円筒部フランジ部の一端部に軸支され、集塵部外筒の集塵部外筒側壁の内周面を開閉する蓋部と、を備え、集塵部外筒は、一端側に、弾性部材で構成されるとともに、集塵部外筒の側壁から円筒部方向に立設し、先端部が円筒部の外周面と摺接するスクレーパを備え、他端側に集塵部外筒開口が形成され、集塵部外筒の集塵部外筒側壁には、該塵部外筒側壁の内部空間と外部空間とを連通する集塵部外筒吸込口が形成され、集塵部外筒の集塵部外筒側壁の外周面と、ケース側壁の内周面とが円筒部の延びる方向に摺動し、集塵部外筒が前記ケースに対し前記ケース上面部方向に最大限摺動したときに、前記ケース流入口と集塵部外筒吸込口とが連通し、スクレーパの円筒部ブランジ部側側面と集塵部外筒の内周面と円筒部の外周面と蓋部とにより集塵室が形成されるので、ケースに対し集塵部外筒を摺動操作することにより、排出部を含む円筒部の外周面に付着した塵埃を除去することができる。さらに、ケースに対し集塵部外筒を摺動操作することにより、集塵室の一部をなすスクレーパの円筒部ブランジ部側側面が集塵室の別の一部をなす蓋部方向に移動して集塵室の容積が減少する。その結果、集塵室内に集塵した塵埃を圧縮することができる。つまり、ケースに対し集塵部外筒を摺動する一連の操作により、排出部を含む円筒部の外周面に付着した塵埃の除去と、集塵室内に集塵した塵埃の圧縮が可能な、使い勝手のよい集塵装置を提供することが出来る。
【0068】
また、ケース側壁には、該ケース側壁の内部空間と外部空間とを連通するとともに、円筒部の延びる方向に沿って形成されるスリットを備え、集塵部外筒の集塵部外筒側壁から外方に突出するゴミ捨てレバーを備え、ゴミ捨てレバーはスリットに沿って集塵部外筒と一体的に移動することにより、集塵部外筒の集塵部外筒側壁の外周面と、ケース側壁の内周面とが円筒部の延びる方向に摺動するので、ゴミ捨てレバーを操作することによりケースに対し集塵部外筒が摺動操作され、ゴミ捨てレバーの一連の操作により、排出部を含む円筒部の外周面に付着した塵埃の除去と、集塵室内に集塵した塵埃の圧縮が可能な、使い勝手のよい集塵装置を提供することが出来る。
【0069】
さらに、蓋部には円筒部フランジ部の他端部と係止する係止部を備え、ゴミ捨てレバーは集塵部外筒側壁から集塵室側に突出する凸部を備え、集塵部外筒がケースに対し記ケース上面部と反対方向に最大限摺動したとき、凸部が係止部による蓋部と円筒部ブランジ部の係止を解除するので、ゴミ捨てレバーの一連の操作により、集塵室の一部を構成する円筒部の外周面に付着した塵埃の除去、集塵室内の塵埃の圧縮及び集塵室内に集塵した塵埃の圧縮ゴミ捨てが容易な使い勝手のよい集塵装置を提供することが出来る。
【0070】
また、実施の形態1に係わる電気掃除機によれば、集塵装置と、吸引風を発生させる電動送風機と、前記電動送風機が発生する吸引風に対し、電動送風機の上流側に集塵容器の第1のケース開口が配置され、ケース流入口へ外部の空気を導く風路部材が接続されるので、ケースに対し集塵部外筒を摺動する一連の操作により、排出部を含む円筒部の外周面に付着した塵埃の除去と、集塵室内に集塵した塵埃の圧縮が可能な、使い勝手のよい電気掃除機を提供することが出来る。また、ゴミ捨てレバーの一連の操作により、排出部を含む円筒部の外周面に付着した塵埃の除去と、集塵室内に集塵した塵埃の圧縮が可能な、使い勝手のよい電気掃除機を提供することが出来る。ゴミ捨てレバーの一連の操作により、集塵室の一部を構成する円筒部の外周面に付着した塵埃の除去、集塵室内の塵埃の圧縮及び集塵室内に集塵した塵埃の圧縮ゴミ捨てが容易な使い勝手のよい電気掃除機を提供することが出来る。
【0071】
なお、本開示において、電気掃除機としてコードレスタイプの縦型電気掃除機を例にとり説明したが、商用電源に接続して使用するキャニスタタイプの電気掃除機についても適用できる。
【符号の説明】
【0072】
1 電気掃除機システム、
10 電気掃除機、
11 掃除機本体、
12 管体、
13 掃除具、
15 把持部、
15a 操作部、
16 本体部、
17 集塵部(集塵装置)、
17a 集塵部係止部、
18 凸部、
21 フィルタ部、
22 旋回部、
23 集塵部外筒、
23a 集塵部外筒開口、
23b 集塵部外筒側壁、
24 蓋部、
25 ケース、
25a ケース流入口、
25b スリット、
25c ケース上面部、
25d ケース側壁、
25e 第1のケース開口、
25f 第2のケース開口、
26 集塵部外筒流入口、
27 円弧面、
28 ストレート面、
29 枠体、
30 フィルタ、
31 第1パッキン、
32 円筒部、
32a 第1の円筒部開口、
32b 第2の円筒部開口、
32c 円筒部外周面、
32d 円筒部フランジ部、
33 分離室、
34 排出部、
35 隔壁部、
36 集塵室、
37 係止部、
38 スクレーパ、
39 ゴミ捨てレバー、
40 第2パッキン、
41 凸部、
100 支持装置、
101 基台部、
102 支柱部、
103 本体支持部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12