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  • 特開-防塵フード 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022188808
(43)【公開日】2022-12-22
(54)【発明の名称】防塵フード
(51)【国際特許分類】
   A42B 1/018 20210101AFI20221215BHJP
   A41D 13/11 20060101ALI20221215BHJP
   A41D 13/00 20060101ALI20221215BHJP
   A42B 1/04 20210101ALI20221215BHJP
   A62B 17/04 20060101ALI20221215BHJP
【FI】
A42B1/018 Z
A41D13/11 Z
A41D13/11 G
A41D13/00
A42B1/04 Z
A62B17/04 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021097025
(22)【出願日】2021-06-10
(71)【出願人】
【識別番号】594142975
【氏名又は名称】東洋リントフリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107375
【弁理士】
【氏名又は名称】武田 明広
(72)【発明者】
【氏名】森本 信夫
(72)【発明者】
【氏名】小野寺 拓則
【テーマコード(参考)】
2E185
3B011
【Fターム(参考)】
2E185AA05
2E185BA08
2E185BA10
2E185BA16
2E185CC36
3B011AB01
3B011AB02
3B011AC24
3B011AC26
(57)【要約】
【課題】従来の防塵フードと比較して、メガネを容易に装着することができ、かつ、容易に製造することができる防塵フードを提供する。
【解決手段】マスク紐7を引っ掛けることができる紐掛け部5が、前方側の第一固定部10、及び、後方側の第二固定部20を含む少なくとも二箇所において、本体の側部に縫着され、第二固定部20において、紐掛け部5の後方側の一部分が、紐掛け部5の後方側の円弧状端縁8から前方側へ5~20mmずれた位置で固定され、紐掛け部5の第一固定部10と第二固定部20が、前後方向へ25mm以上の間隔を置いて形成され、第二固定部20の上端部21の位置が、第一固定部10の上端部11よりも10mm以上高い位置に形成されている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マスク紐を引っ掛けることができる紐掛け部が、前方側の第一固定部、及び、後方側の第二固定部を含む少なくとも二箇所において、本体の側部に固定され、
第二固定部において、紐掛け部の後方側の一部分が、紐掛け部の後方側の端縁から前方側へ5~20mmずれた位置で固定され、
第一固定部と第二固定部が、前後方向へ25mm以上の間隔を置いて形成されていることを特徴とする防塵フード。
【請求項2】
紐掛け部が、第一固定部、及び、第二固定部において、本体の側部に縫着されていることを特徴とする、請求項1に記載の防塵フード。
【請求項3】
第二固定部において、縫い目が円弧を描くように、紐掛け部の後方側の一部分が縫着されていることを特徴とする、請求項2に記載の防塵フード。
【請求項4】
第一固定部において、縫い目が縦長の三角形を描くように、紐掛け部の前方側の一部分が縫着されていることを特徴とする、請求項2又は3に記載の防塵フード。
【請求項5】
第二固定部の上端部の位置が、第一固定部の上端部よりも10mm以上高い位置に形成されていることを特徴とする、請求項1~4のいずれかに記載の防塵フード。
【請求項6】
第二固定部の下端部の位置が、第一固定部の上端部よりも7mm以上低い位置に形成されていることを特徴とする、請求項1~5のいずれかに記載の防塵フード。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クリーンルームや、食品工場等の清浄化空間において、作業者の頭部からの発塵、及び、毛髪などの異物落下を防止するために着用される防塵フードに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の防塵フードには、着用者の鼻、口、及び、顎を覆うマスクを、防塵フードを着用した状態のまま簡単に装着(及び取り外し)できるように、マスク紐を引っ掛けることができる紐掛け部を、本体の側部(着用者の耳を覆う部分)に固定したものなどが存在する(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014-237907号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の防塵フードは、マスクだけではなく、メガネをも装着できるように、マスク紐の紐掛け部よりも前方側の位置(より具体的には、着用者のこめかみを覆う部分)に、前方の差込部(開口部)から後方へ向かって延在するポケット(メガネツル挿入部)が形成され、このポケットにメガネのツルを挿入することにより、メガネを支持できるように構成されている。
【0005】
しかしながら、上記のようなメガネツル挿入部は、開口部が狭いため、メガネのツルを挿入することが比較的難しく、また、ポケットの内部が狭いため、ツルの挿入後にその角度を調整することが難しい(自由度が小さい)という問題がある。また、製造に際しては、本体のこめかみ部分において、ポケットを形成するための縫製作業、及び、差込部の縁部を形成する際にも細かな縫製作業が必要となり、非常に煩雑である。
【0006】
本発明は、このような従来技術における課題を解決しようとするものであって、従来の防塵フードと比較して、メガネを容易に装着することができ、かつ、容易に製造することができる防塵フードを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る防塵フードは、マスク紐を引っ掛けることができる紐掛け部が、前方側の第一固定部、及び、後方側の第二固定部を含む少なくとも二箇所において、本体の側部に固定され、第二固定部において、紐掛け部の後方側の一部分が、紐掛け部の後方側の端縁から前方側へ5~20mmずれた位置で固定され、第一固定部と第二固定部が、前後方向へ25mm以上の間隔を置いて形成されていることを特徴としている。
【0008】
尚、紐掛け部は、第一固定部、及び、第二固定部において、本体の側部に縫着されていることが好ましく、また、第二固定部において、縫い目が円弧を描くように、紐掛け部の後方側の一部分が縫着されていることが好ましい。更に、第一固定部において、縫い目が縦長の三角形を描くように、紐掛け部の前方側の一部分が縫着されていることが好ましい。
【0009】
また、第二固定部の上端部の位置が、第一固定部の上端部よりも10mm以上高い位置に形成されていることが好ましく、更に、第二固定部の下端部の位置が、第一固定部の上端部よりも7mm以上低い位置に形成されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る防塵フードは、一つの部材(紐掛け部)を、二つの機能(マスク着用機能、及び、メガネ支持機能)を兼ね備えた要素として利用することができ、また、従来の防塵フードと比較して、メガネを容易に装着することができ、装着後においては、保持されるツルの角度の自由度が高く、更に、容易に製造できるという効果を期待することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、本発明に係る防塵フード1の側面図である。
図2図2は、図1に示す紐掛け部5の拡大図である。
図3図3は、図1に示す紐掛け部5の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付図面に沿って本発明「防塵フード」の実施形態について説明する。図1は、本発明に係る防塵フード1の側面図である。この防塵フード1は、着用者の首から頭頂部までを覆う本体2と、鍔部3と、着用者の額、こめかみ、及び、頬を覆う前面部4とによって構成されている。
【0013】
図1に示すように、本体2の側部(より具体的には、着用者の耳を覆う部分)には、紐掛け部5が取り付けられている。この紐掛け部5は、マスク6の着用時にマスク紐7を引っ掛けるために使用されるものである。尚、本実施形態においては、紐掛け部5は、幅70mm、高さ55mm、輪郭が雫形で、所定の剛性を有する布製小片によって形成されている。
【0014】
紐掛け部5は、本体2の側部(外側面)に対して縫着することによって固定されている。より詳細には、図2に示すように、前方側(着用者の顔面側)の第一固定部10、及び、後方側(着用者の後頭部側)の第二固定部20の二箇所において縫着されている。
【0015】
第一固定部10においては、縫い目が縦長の三角形(幅14mm、高さ30mm)を描くように、紐掛け部5の前方側の一部分が縫着されている。また、第二固定部20においては、紐掛け部5の後方側の円弧状端縁8から前方側へずれた位置(オフセット量:5~20mm)において、縫い目が円弧(長さ33mm)を描くように、紐掛け部5の後方側の一部分が縫着されている。
【0016】
従って、紐掛け部5における第二固定部20よりも後方側の部分、即ち、第二固定部20と円弧状端縁8との間の円弧状の部分(係止フラップ9)は、第二固定部20から後方側へ突出した状態となる。このため、マスク紐7を第二固定部20に引っ掛けた場合、その外側が係止フラップ9によって覆われることになり、マスク紐7を引っ掛けた状態を安定的に維持し、脱落を好適に防止することができる。
【0017】
また、紐掛け部5の第一固定部10と第二固定部20は、前後方向へ25mm以上の間隔を置いて形成されている(間隔寸法C(図2参照)>25mm)。このため、防塵フード1の着用者が、メガネ30(図1参照)を装着する際、図3に示すように、ツル31(テンプル)の先端部分を、第一固定部10と第二固定部20との間の領域に差し込むことができ、本体2と紐掛け部5とによって挟持させることにより、メガネ30(図1参照)を装着することができる。
【0018】
また、第二固定部20は、その上端部21の位置が、第一固定部10の上端部11よりも10mm以上高い位置に形成されている(高さ寸法差G1(図2参照)>10mm)(G1<30mm)。このため、ツル31の先端部を、第一固定部10の上端部近傍位置から後方側(第二固定部20側)へスライドさせることにより、第一固定部10と第二固定部20との間の領域へ簡単に差し込むことができる。
【0019】
更に、第二固定部20は、その下端部22の位置が、第一固定部10の上端部11よりも7mm以上低い位置に形成されている(高さ寸法差G2(図2参照)>7mm)。このため、紐掛け部5において、本体2に拘束される部分の面積が十分に大きくなり、挿入されたツル31を、本体2と紐掛け部5とによってしっかりと挟持することができ、装着したメガネ30を安定的に支持することができる。
【0020】
以上に説明したように、本発明に係る防塵フード1は、本体2の側部に取り付けられている紐掛け部5を、マスク6の着用という本来の用途に加え、メガネ30の支持という用途にも用いることができ、二つの機能を兼ね備えた要素として利用することができる。また、本発明に係る防塵フード1は、メガネのツルを挿入するためのポケットを設けた従来の防塵フードと比較して、メガネ30装着時においてツル31を容易に挿入することができる。
【0021】
更に、本発明に係る防塵フード1においては、メガネ30のツル31が、前後方向へ25mm以上(60mm以下)の間隔を置いて形成された第一固定部10と第二固定部20との間の領域において、比較的余裕がある状態で本体2と紐掛け部5の間に挟持されるため、保持されるツル31の角度を自在に調整することができる。また、従来の防塵フードと比較して、容易に製造できるという効果も期待することができる。
【0022】
尚、図1に示す防塵フード1は、防塵衣の上衣或いはつなぎ服とは独立した要素として構成されているが、防塵衣の上衣或いはつなぎ服と一体的に形成された防塵フードとして構成することもできる。また、図1に示す防塵フード1は、紐掛け部5が、第一固定部10、及び、第二固定部20の二箇所において縫着により固定されているが、三箇所以上の固定部によって固定することもでき、更に、縫着以外の固定手段(例えば、プラスチック製の留め具、超音波溶着、面ファスナー等)を採用することもできる。
【0023】
尚、本発明に係る「防塵フード」には、食品工場等において使用される防塵キャップ(少なくとも、作業者の頭髪及び両耳を覆うキャップ)も含まれる。
【符号の説明】
【0024】
1:防塵フード、
2:本体、
3:鍔部、
4:前面部、
5:紐掛け部、
6:マスク、
7:マスク紐、
8:円弧状端縁、
9:係止フラップ、
10:第一固定部、
11:上端部、
20:第二固定部、
21:上端部、
22:下端部、
30:メガネ、
31:ツル
図1
図2
図3