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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022188818
(43)【公開日】2022-12-22
(54)【発明の名称】ガスマニホールド
(51)【国際特許分類】
   F23D 14/08 20060101AFI20221215BHJP
   F23D 14/48 20060101ALI20221215BHJP
【FI】
F23D14/08 H
F23D14/48 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021097042
(22)【出願日】2021-06-10
(71)【出願人】
【識別番号】000115854
【氏名又は名称】リンナイ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000305
【氏名又は名称】弁理士法人青莪
(72)【発明者】
【氏名】志知 和幸
【テーマコード(参考)】
3K017
【Fターム(参考)】
3K017AA10
3K017AB01
3K017AB10
3K017CB01
3K017CB11
(57)【要約】
【課題】並設された複数のバーナに燃料ガスを供給するガスマニホールドであって、バーナの本数が変わっても低コストで対応できるようにしたものを提供する。
【解決手段】バーナの並設方向をX軸方向として、ガスマニホールド1は、複数の単位マニホールド2をX軸方向に連結して構成される。各単位マニホールド2は、所定数のガスノズル3a,3bと、ガス導入口と、X軸方向一方に隣接する単位マニホールド2のガス導入口に接続されるガス導出口と、ガス導入口とガス導出口とを連通する連通路と、連通路内の燃料ガスをガスノズル3a,3bに導く分配室とを備える。また、複数の単位マニホールド2のうちX軸方向一方の外端に位置する単位マニホールド2のガス導出口に、これを閉塞する蓋部材9が取り付けられ、X軸方向他方の外端に位置する単位マニホールド2のガス導入口にインレット部材10が取付けられる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
並設された複数のバーナに燃料ガスを供給するガスマニホールドにおいて、
バーナの並設方向をX軸方向として、ガスマニホールドは、複数の単位マニホールドをX軸方向に連結して構成され、
各単位マニホールドは、燃料ガスを噴出する所定数のガスノズルと、燃料ガスが導入されるガス導入口と、X軸方向一方に隣接する単位マニホールドのガス導入口に接続されるガス導出口と、ガス導入口とガス導出口とを連通する連通路と、連通路内の燃料ガスをガスノズルに導く分配室とを備え、
複数の単位マニホールドのうちX軸方向一方の外端に位置する単位マニホールドのガス導出口に、これを閉塞する蓋部材が取り付けられ、X軸方向他方の外端に位置する単位マニホールドのガス導入口に、燃料ガス供給用のインレット部材が取付けられることを特徴とするガスマニホールド。
【請求項2】
前記各単位マニホールドは、前記ガスノズルの突出方向に直交するノズル突設平面を有し、X軸方向に隣接する片側の単位マニホールドのノズル突設平面とX軸方向に隣接する反対側の単位マニホールドのノズル突設平面とが面一になるように、隣接する単位マニホールド同士を位置決めする位置決め機構を備えることを特徴とする請求項1記載のガスマニホールド。
【請求項3】
前記各単位マニホールドに、X軸方向一方又は他方に突出する連結片部と、X軸方向他方又は一方に隣接する単位マニホールドの連結片部が前記ノズル突設平面の法線に平行な方向であるY軸方向から着座可能な受け座部とが設けられ、X軸方向に隣接する片側の単位マニホールドの連結片部がX軸方向に隣接する反対側の単位マニホールドの受け座部にY軸方向から着座した状態で、X軸方向に隣接する片側の単位マニホールドのノズル突設平面とX軸方向に隣接する反対側の単位マニホールドのノズル突設平面とが面一になるようにし、前記位置決め機構は、X軸方向に隣接する片側の単位マニホールドの連結片部と、X軸方向に隣接する反対側の単位マニホールドの受け座部と、X軸方向に隣接する片側の単位マニホールドの連結片部をX軸方向に隣接する反対側の単位マニホールドの受け座部にY軸方向から締結する締結手段とで構成されることを特徴とする請求項2記載のガスマニホールド。
【請求項4】
前記ガス導入口と前記ガス導出口との一方と他方は、夫々前記各単位マニホールドからX軸方向に突出する雄型形状と、X軸方向に凹入する雌型形状とに形成され、X軸方向に隣接する片側の単位マニホールドの雄型形状に形成されたガス導入口とガス導出口との一方を、X軸方向に隣接する反対側の単位マニホールドの雌型形状に形成されたガス導入口とガス導出口との他方に、環状のシール部材を介して内嵌させることを特徴とする請求項1~3の何れか1項記載のガスマニホールド。
【請求項5】
前記各単位マニホールドに、X軸方向一方又は他方に突出する凸部と、X軸方向他方又は一方に隣接する単位マニホールドの突部を受け入れる凹部とが設けられ、X軸方向に隣接する片側の単位マニホールドの凸部とこの凸部を受け入れるX軸方向に隣接する反対側の単位マニホールドの凹部とで隣接する単位マニホールド間をシールするラビリンスシール構造が構成されることを特徴とする請求項1~4の何れか1項記載のガスマニホールド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主として燃焼装置の試作品等で使用するガスマニホールドに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、並設された複数のバーナを備える燃焼装置において、これらバーナに燃料ガスを供給するガスマニホールドとしては、各バーナの流入口に向けて燃料ガスを噴射するガスノズルをバーナの本数分一体成形したものを用いている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
そして、燃焼装置の試作品でも、バーナの本数分のガスノズルを一体成形した専用のガスマニホールドを製造して使用しているのが現状である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2018-25324号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
燃焼装置の試作品において、バーナの本数が変わる度に、上記の如く専用のガスマニホールドを製造していたのでは、製造コストが高くなってしまう。
【0006】
本発明は、以上の点に鑑み、ガスノズルの数が異なるガスマニホールドを低コストで提供できるようにすることをその課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明は、並設された複数のバーナに燃料ガスを供給するガスマニホールドにおいて、バーナの並設方向をX軸方向として、ガスマニホールドは、複数の単位マニホールドをX軸方向に連結して構成され、各単位マニホールドは、燃料ガスを噴出する所定数のガスノズルと、燃料ガスが導入されるガス導入口と、X軸方向一方に隣接する単位マニホールドのガス導入口に接続されるガス導出口と、ガス導入口とガス導出口とを連通する連通路と、連通路内の燃料ガスをガスノズルに導く分配室とを備え、複数の単位マニホールドのうちX軸方向一方の外端に位置する単位マニホールドのガス導出口に、これを閉塞する蓋部材が取り付けられ、X軸方向他方の外端に位置する単位マニホールドのガス導入口に、燃料ガス供給用のインレット部材が取付けられることを特徴とする。
【0008】
本発明によれば、連結した複数の単位マニホールドの連通路が直列に接続されて、インレット部材から供給される燃料ガスがこれら複数の単位マニホールドの連通路に導入され、各単位マニホールドの連通路に導入された燃料ガスが分配室を介してガスノズルから噴出する。そして、連結する単位マニホールドの個数を変更することで、ガスノズルの数を変更することができるため、ガスノズルの数が異なるガスマニホールドを低コストで提供することができる。
【0009】
また、本発明において、各単位マニホールドは、ガスノズルの突出方向に直交するノズル突設平面を有し、X軸方向に隣接する片側の単位マニホールドのノズル突設平面とX軸方向に隣接する反対側の単位マニホールドのノズル突設平面とが面一になるように、隣接する単位マニホールド同士を位置決めする位置決め機構を備えることが望ましい。これによれば、ガスマニホールドを構成する全ての単位マニホールドのノズル突設平面が面一となり、全ての単位マニホールドのガスノズルの突出方向を揃えることができる。
【0010】
この場合、各単位マニホールドに、X軸方向一方又は他方に突出する連結片部と、X軸方向他方又は一方に隣接する単位マニホールドの連結片部がノズル突設平面の法線に平行な方向であるY軸方向から着座可能な受け座部とが設けられ、X軸方向に隣接する片側の単位マニホールドの連結片部がX軸方向に隣接する反対側の単位マニホールドの受け座部にY軸方向から着座した状態で、X軸方向に隣接する片側の単位マニホールドのノズル突設平面とX軸方向に隣接する反対側の単位マニホールドのノズル突設平面とが面一になるようにし、上記位置決め機構を、X軸方向に隣接する片側の単位マニホールドの連結片部と、X軸方向に隣接する反対側の単位マニホールドの受け座部と、X軸方向に隣接する片側の単位マニホールドの連結片部をX軸方向に隣接する反対側の単位マニホールドの受け座部にY軸方向から締結する締結手段とで構成すればよい。
【0011】
また、本発明においては、ガス導入口とガス導出口との一方と他方を、夫々各単位マニホールドからX軸方向に突出する雄型形状と、X軸方向に凹入する雌型形状とに形成し、X軸方向に隣接する片側の単位マニホールドの雄型形状に形成されたガス導入口とガス導出口との一方を、X軸方向に隣接する反対側の単位マニホールドの雌型形状に形成されたガス導入口とガス導出口との他方に、環状のシール部材を介して内嵌させることが望ましい。これによれば、X軸方向に隣接する一方の単位マニホールドのガス導出口と他方の単位マニホールドのガス導入口との間のシール構造を安価に構成できる。
【0012】
更に、本発明においては、各単位マニホールドに、X軸方向一方又は他方に突出する凸部と、X軸方向他方又は一方に隣接する単位マニホールドの突部を受け入れる凹部とを設け、X軸方向に隣接する片側の単位マニホールドの凸部とこの凸部を受け入れるX軸方向に隣接する反対側の単位マニホールドの凹部とで隣接する単位マニホールド間をシールするラビリンスシール構造を構成することが望ましい。これによれば、隣接する単位マニホールド間に介設するシール部材を省略して、一層のコストダウンを図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施形態のガスマニホールドを具備する燃焼装置の一例の切断側面図。
図2】実施形態のガスマニホールドの斜め後上方から見た斜視図。
図3】実施形態のガスマニホールドの斜め前上方から見た斜視図。
図4図2のIV-IV線で切断した切断平面図。
図5図2のV-V線で切断した切断平面図。
図6】実施形態のガスマニホールドの構成要素である単位マニホールドの斜め後上方から見た斜視図。
図7】単位マニホールドの斜め前上方から見た斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1を参照して、100は燃焼筐を示している。燃焼筐100の上面は開放されており、燃焼筐100の上に図示省略した熱交換器等の被加熱物が設置される。燃焼筐100内には、燃焼筐100内の空間を燃焼室101とその下側の給気室102とに仕切る仕切り板103が設けられている。給気室102の底面には図外の燃焼ファンがダクト104を介して接続されており、燃焼ファンから給気室102に空気が供給される。そして、給気室102に供給された空気が仕切り板103に形成した多数の分布孔103aを介して燃焼室101に二次空気として供給されるようにしている。
【0015】
燃焼室101内には、前後方向に長手のバーナ105が横方向に並べて複数並設されている。各バーナ105は、上端に、理論空燃比より燃料濃度が希薄な淡混合気を噴出する淡炎口と、淡炎口の横方向両側に位置し、淡混合気に比し燃料濃度の濃い濃混合気を噴出する一対の濃炎口とを有する公知の濃淡バーナで構成されている。各バーナ105の下部の前端部には、淡混合気用の流入口105aと、その上側に位置する濃混合気用の流入口105bとが設けられている。
【0016】
仕切り板103の前端部には、立上り部103bが曲成されている。立上り部103bには、各バーナ105の流入口105a,105bに臨む開口が形成されている。また、燃焼筐100の前面下部の開放部を塞ぐようにして、立上り部103bの前方に対向する本発明の実施形態のガスマニホールド1が装着されている。ガスマニホールド1には、各バーナ105の流入口105a,105bに対向する淡混合気用と濃混合気用のガスノズル3a,3bが設けられている。各バーナ105の流入口105a,105bには、ガスマニホールド1の各ガスノズル3a,3bから燃料ガスが供給されると共に、給気室102から立上り部103aとガスマニホールド1との間に画成される空隙を介して一次空気が供給される。そして、淡混合気用の流入口105aに連なるバーナ105の流路で生成された淡混合気が淡炎口から噴出し、濃混合気用の流入口105bに連なるバーナ105内の流路で生成された濃混合気が濃炎口から噴出するようにしている。
【0017】
以下、図2乃至図5も参照して、ガスマニホールド1について詳述する。以下の説明では、バーナ105の並設方向である横方向をX軸方向とする。ガスマニホールド1は、複数(本実施形態では4個)の単位マニホールド2をX軸方向に連結して構成されている。各単位マニホールド2は、淡混合気用と濃混合気用の夫々所定数(本実施形態では2個)のガスノズル3a,3bと、燃料ガスが導入されるガス導入口4と、X軸方向一方に隣接する単位マニホールド2のガス導入口4に接続されるガス導出口5と、ガス導入口4とガス導出口5とを連通する連通路6と、連通路6内の燃料ガスをガスノズル3a,3bに導く分配室7と、連通路6と分配室7との間に介設された電磁弁8とを備えている。また、複数の単位マニホールド2のうちX軸方向一方の外端に位置する単位マニホールド2のガス導出口5に、これを閉塞する蓋部材9を取付け、X軸方向他方の外端に位置する単位マニホールド2のガス導入口4に、燃料ガス供給用のインレット部材10を取付けている。
【0018】
電磁弁8は、連通路6に常時連通する弁室81と分配室7との間の仕切りとなる弁座82に着座して、連通路6と分配室7との接続を断つ弁体83を備えている。そして、電磁弁8への通電により弁体83を弁座82から離隔させて開弁させると、連通路6内の燃料ガスが分配室7に流入して、ガスノズル3a,3bから噴出する。このように、単位マニホールド2を電磁弁8付きのものとすれば、電磁弁8を開弁させる単位マニホールド2の数を変更することで、燃焼するバーナ105の本数を変更して燃焼能力を切換えることができる。
【0019】
各単位マニホールド2は、ガスノズル3a,3bの突出方向たる前後方向に直交する上部後面のノズル突設平面21aを有し、このノズル突設平面21aにガスノズル3a,3bを突設すると共に、下部に、ガス導入口4と、ガス導出口5と、連通路6とを一体に成形した本体21と、本体21の上部前面に取付けられて、本体21との間に分布室7を画成する蓋板22とで構成されている。
【0020】
本実施形態のガスマニホールド1によれば、連結した複数の単位マニホールド2の連通路6が直列に接続される。従って、インレット部材10から供給される燃料ガスがこれら複数の単位マニホールド2の連通路6に導入され、各単位マニホールド2の連通路6に導入された燃料ガスが分配室7を介してガスノズル3a,3bから噴出する。そして、連結する単位マニホールド2の個数を変更することで、ガスノズル3a,3bの数を変更することができるため、ガスノズル3a,3bの数が異なるガスマニホールド1を低コストで提供することができる。
【0021】
また、実施形態のガスマニホールド1は、X軸方向に隣接する片側の単位マニホールド2のノズル突設平面21aとX軸方向に隣接する反対側の単位マニホールド2のノズル突設平面21aとが面一になるように、隣接する単位マニホールド2,2同士を位置決めする位置決め機構を備えている。具体的には、各単位マニホールド2に、X軸方向一方又は他方に突出する連結片部11と、X軸方向他方又は一方に隣接する単位マニホールド2の連結片部11がノズル突設平面21aの法線に平行な方向であるY軸方向(前後方向)から着座可能な受け座部12とを設けている。図6図7も参照してより具体的に説明すれば、各単位マニホールド2に、本体21下部のX軸方向一方の側面の前部からX軸方向一方に突出する上下一対の連結片部11,11を設けると共に、本体21下部の前面のX軸方向他方側の側部に位置させて、X軸方向他方に隣接する単位マニホールド2の連結片部11,11がY軸方向から着座可能な、連結片部11の板厚分だけ窪んだ上下一対の受け座部12,12を設けている。そして、軸方向に隣接する片側の単位マニホールド2の連結片部11,11がX軸方向に隣接する反対側の単位マニホールド2の受け座部12,12にY軸方向から着座した状態で、X軸方向に隣接する片側の単位マニホールド2のノズル突設平面21aとX軸方向に隣接する反対側の単位マニホールド2のノズル突設平面21aとが面一になるようにしている。各連結片部11には、透孔11aが形成され、各受け座部12には、ネジ孔12aが形成されている。
【0022】
上記位置決め機構は、X軸方向に隣接する片側の単位マニホールド2の連結片部11,11と、X軸方向に隣接する反対側の単位マニホールド2の受け座部12,12と、X軸方向に隣接する片側の単位マニホールド2の連結片部11,11をX軸方向に隣接する反対側の単位マニホールド2の受け座部12,12にY軸方向から締結する締結手段、即ち、各連結片部11の透孔11aを通して各受け座部12のネジ孔12aに締め込むネジ13とで構成されている。このように位置決め機構を設ければ、ガスマニホールド1を構成する全ての単位マニホールド2のノズル突設平面21aが面一となり、全ての単位マニホールド2のガスノズル3a,3bの突出方向をY軸方向に揃えることができる。
【0023】
また、本実施形態のガスマニホールド1において、各単位マニホールド2のガス導入口4は、各単位マニホールド2からX軸方向に突出する筒状、即ち、雄型形状に形成され、ガス導出口5は、X軸方向に凹入する雌型形状に形成されている。ガス導入口4の外周面には、環状の凹溝41が形成されており、この凹溝41にOリング等から成る環状のシール部材14(図5参照)を装着している。そして、X軸方向に隣接する片側の単位マニホールド2の雄型形状に形成されたガス導入口4を、X軸方向に隣接する反対側の単位マニホールド2の雌型形状に形成されたガス導出口5に、シール部材14を介して内嵌させている。これによれば、X軸方向に隣接する一方の単位マニホールド2のガス導出口5と他方の単位マニホールド2のガス導入口4との間のシール構造を安価に構成できる。
【0024】
また、燃焼筐100の前面下部の開放部をガスマニホールド1の上部で閉塞する必要がある。ここで、本実施形態のガスマニホールド1の如く複数の単位マニホールド2をX軸方向に連結して構成する場合、X軸方向に隣接する単位マニホールド2,2間にシール部材を介設して、単位マニホールド2,2間から給気室102内の空気が漏れ出ることを防止することも考えられる。然し、これでは、コストが高くなってしまう。
【0025】
そこで、本実施形態では、各単位マニホールド2に、X軸方向一方又は他方に突出する凸部15と、X軸方向他方又は一方に隣接する単位マニホールド2の凸部15を受け入れる凹部16とを設けている。具体的には、各単位マニホールド2の本体21上部のX軸方向他方の側縁に、X軸方向他方に突出する凸部15を設けると共に、本体21上部のX軸方向一方の側縁に、X軸方向一方に隣接する単位マニホールド2の凸部15を受け入れる、X軸方向に凹入する凹部16を設けている。そして、X軸方向に隣接する片側の単位マニホールド2の凸部15とこの凸部15を受け入れるX軸方向に隣接する反対側の単位マニホールド2の凹部16とで隣接する単位マニホールド2,2間をシールするラビリンスシール構造が構成されるようにしている。これによれば、隣接する単位マニホールド2,2間に介設するシール部材を省略して、一層のコストダウンを図ることができる。
【0026】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、上記実施形態において、単位マニホールド2に設ける淡混合気用と濃混合気用の各ガスノズル3a,3bの数は2個であるが、各ガスノズル3a,3bの数を1個或いは3個とした単位マニホールドを併用することも可能である。また、バーナ105が濃淡バーナでなければ、単位マニホールド2には、各バーナついて1個のガスノズルを設ければよい。
【0027】
更に、上記実施形態では、ガス導入口4を雄型形状、ガス導出口5を雌型形状に形成しているが、ガス導入口4を雌型形状、ガス導出口5を雄型形状に形成してもよい。また、上記実施形態では、連結片部11を単位マニホールド2のX軸方向他方に突出するように、また、凸部15を単位マニホールド2のX軸方向一方に突出するように形成しているが、単位マニホールド2のX軸方向一方に突出するように連結片部11を形成し、また、単位マニホールド2のX軸方向他方に突出するように凸部15を形成することも可能である。
【符号の説明】
【0028】
1…ガスマニホールド、2…単位マニホールド、21a…ノズル突設平面、3a,3b…ガスノズル、4…ガス導入口、5…ガス導出口、6…連通路、7…分配室、9…蓋部材、10…インレット部材、11…連結片部、12…受け座部、13…ネジ(締結手段)、14…シール部材、15…凸部、16…凹部、105…バーナ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7