(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022188822
(43)【公開日】2022-12-22
(54)【発明の名称】段積み装置、及び、段積み搬出システム
(51)【国際特許分類】
B65G 47/84 20060101AFI20221215BHJP
B65G 57/30 20060101ALI20221215BHJP
【FI】
B65G47/84 B
B65G57/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021097047
(22)【出願日】2021-06-10
(71)【出願人】
【識別番号】000005234
【氏名又は名称】富士電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003177
【氏名又は名称】弁理士法人旺知国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田中 泰仁
【テーマコード(参考)】
3F029
3F072
【Fターム(参考)】
3F029BA01
3F029CB02
3F029CB03
3F029CB04
3F029DA15
3F072AA09
3F072GC09
3F072GD05
3F072GD06
3F072GF03
3F072JA07
3F072JA09
3F072KC02
3F072KD12
3F072KE21
(57)【要約】
【課題】段積み処理から載置処理までの一連の処理における位置決めの回数を減少する。
【解決手段】段積み装置は、段積みされた複数の容器を把持可能な第1把持部と、段積みされた複数の容器を把持可能な第2把持部と、第1把持部と第2把持部とを支持し、鉛直方向に沿った回転軸を中心に回転可能な回転体と、段積みされた複数の容器を拾集する第1位置に第1把持部が位置し、且つ、段積みされた複数の容器を搬出するための第2位置に第2把持部が位置する第1状態と、第1位置に第2把持部が位置し、且つ、第2位置に第1把持部が位置する第2状態とが切り替わるように、回転体を回転させる駆動部と、を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
段積みされた複数の容器を把持可能な第1把持部と、
段積みされた複数の容器を把持可能な第2把持部と、
前記第1把持部と前記第2把持部とを支持し、鉛直方向に沿った回転軸を中心に回転可能な回転体と、
段積みされた複数の容器を拾集する第1位置に前記第1把持部が位置し、且つ、段積みされた複数の容器を搬出するための第2位置に前記第2把持部が位置する第1状態と、前記第1位置に前記第2把持部が位置し、且つ、前記第2位置に前記第1把持部が位置する第2状態とが切り替わるように、前記回転体を回転させる駆動部と、
を備える段積み装置。
【請求項2】
前記鉛直方向から見て、前記第1位置と前記回転軸と前記第2位置とが同一直線上に位置する、
請求項1に記載の段積み装置。
【請求項3】
前記第1把持部は、
段積みされた複数の容器のうち最下段に位置する容器に係合する係合部と、
前記鉛直方向の上方及び前記鉛直方向の下方に前記係合部を移動させる移動部と、
前記移動部によって前記係合部が前記鉛直方向の上方に移動する場合、段積みされた複数の容器が水平方向に移動することを抑制するガイド部と、
を有し、
前記ガイド部は、前記第1把持部が把持する複数の容器の各々の側面に当接する第1面と、前記第1把持部が把持する複数の容器の各々の側面に当接する第2面とを有し、
前記鉛直方向から見て、前記第1面の法線方向と、前記第2面の法線方向とが交差する、
請求項1又は2に記載の段積み装置。
【請求項4】
前記第1把持部が複数の容器を把持する状態において、前記鉛直方向から見て、前記第1面が前記係合部と重なり、
前記第1把持部が複数の容器を把持する状態において、前記鉛直方向から見て、前記第2面が前記係合部と重ならず、
前記移動部によって前記係合部が可動範囲の上端に移動した上昇状態において、前記第1面の法線方向から見て、前記第1面が前記係合部と重ならず、
前記上昇状態において、前記第2面の法線方向から見て、前記第1把持部によって把持される複数の容器のうち最下段に位置する容器が前記第2面と重なる、
請求項3に記載の段積み装置。
【請求項5】
前記ガイド部のうち前記第1面を有する部分は、前記鉛直方向の下端に切欠きを有し、
前記上昇状態において、前記第1面の法線方向から見て、前記係合部の一部又は全部が前記切欠きの内側に位置し、
前記上昇状態において、前記第1面の法線方向から見て、前記最下段に位置する容器が前記第1面と重なる、
請求項4に記載の段積み装置。
【請求項6】
1以上の容器を載置可能な載置面を有し、前記鉛直方向の上方及び前記鉛直方向の下方に前記載置面を移動させることが可能な昇降部を有し、
前記第1把持部は、
段積みされた複数の容器のうち最下段の容器に係合する係合部を有し、
前記鉛直方向から見て、前記第1状態において前記載置面が前記第1把持部と重なり、且つ、前記第1把持部の下方に前記載置面が位置し、
前記昇降部は、前記係合部が第1容器に係合し、且つ、第2容器が前記載置面に載置された状態において、前記載置面を前記鉛直方向の上方に移動させることにより前記第1容器を前記第2容器に積載し、
前記第1把持部は、前記第1容器が前記第2容器に積載された状態で、前記係合部が前記第2容器に係合することにより、段積みされた前記第1容器及び前記第2容器を把持する、
請求項1又は2に記載の段積み装置。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか一項に記載の段積み装置と、
前記鉛直方向から見て、1以上の容器を前記第1位置に重なる位置に移動させるコンベアと、
複数の容器を載置可能な載置面を有し、前記鉛直方向から見て、前記第2位置に重なる位置に配置される搬送車と、
を有する段積み搬出システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、段積み装置、及び、段積み搬出システムに関する。
【背景技術】
【0002】
工場では、スーパーマーケット及びコンビニエンスストア等の店舗に搬送される弁当又は総菜等を製造している。工場では、弁当又は総菜等が収納された番重等の容器を段積みする段積み処理と、段積みされた複数の容器を工場から搬出する搬出処理とが実行されている。搬出処理には、段積みされた複数の容器を台車等の搬送車の載置面に載置する載置処理が含まれる。例えば、特許文献1では、複数の容器を段積みする段積み装置と、段積みされた複数の容器を搬送車に載置する載置装置とが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の技術では、段積み装置に対する容器の位置決めと、載置装置に対する容器の位置決めとを相異なる段階において個別に実施する必要があった。以上の事情を考慮して、本発明は、段積み処理から載置処理までの一連の処理における位置決めの回数を減少することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以上の課題を解決するために、本発明の好適な態様に係る段積み装置は、段積みされた複数の容器を把持可能な第1把持部と、段積みされた複数の容器を把持可能な第2把持部と、第1把持部と第2把持部とを支持し、鉛直方向に沿った回転軸を中心に回転可能な回転体と、段積みされた複数の容器を拾集する第1位置に第1把持部が位置し、且つ、段積みされた複数の容器を搬出するための第2位置に第2把持部が位置する第1状態と、第1位置に第2把持部が位置し、且つ、第2位置に第1把持部が位置する第2状態とが切り替わるように、回転体を回転させる駆動部と、を備える。
【0006】
以上の課題を解決するために、本発明の好適な態様に係る段積み搬出システムは、上述の段積み装置と、前記鉛直方向から見て、1以上の容器を前記第1位置に重なる位置に移動させるコンベアと、複数の容器を載置可能な載置面を有し、前記鉛直方向から見て、前記第2位置に重なる位置に配置される搬送車と、を有する。
【発明の効果】
【0007】
本発明の段積み装置によれば、段積み処理から載置処理までの一連の処理における位置決めの回数を減少できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】第1実施形態にかかる段積み搬出システム1を説明する説明図。
【
図2】段積み搬出システム1を上方向から下方向に見た図。
【
図4】係合部2116の状態が上昇状態であり、且つ、回転爪2119の状態が閉状態を示す図。
【
図5】
図4に示す状態において、把持部21を+v方向から-v方向に見た図。
【
図6】段積み搬出システム1の一連の動作を説明するための図。
【
図7】段積み処理を示すフローチャートを示す図(その1)。
【
図8】段積み処理を示すフローチャートを示す図(その2)。
【
図9】ステップS2の処理終了後における段積み搬出システム1の状態を示す図。
【
図10】ステップS4の処理終了後における段積み搬出システム1の状態を示す図。
【
図11】ステップS6の処理終了後における段積み搬出システム1の状態を示す図。
【
図12】ステップS8の処理終了後における段積み搬出システム1の状態を示す図。
【
図13】ステップS10の処理終了後における段積み搬出システム1の状態を示す図。
【
図14】ステップS24の処理終了後における段積み搬出システム1の状態を示す図。
【
図15】ステップS24の処理終了後における段積み搬出システム1の状態を示す図。
【
図16】ステップS28の処理終了後における段積み搬出システム1の状態を示す図。
【
図17】ステップS30の処理終了後における段積み搬出システム1の状態を示す図。
【
図18】ステップS32の処理終了後における段積み搬出システム1の状態を示す図。
【
図19】ステップS34の処理終了後における段積み搬出システム1の状態を示す図。
【
図20】5個の番重FDを段積みして段積み処理が終了した場合の段積み搬出システム1の状態を示す図。
【
図21】期間T2における回転処理の実行が終了した後の段積み搬出システム1の状態を示す図。
【
図22】期間T2における回転処理の実行が終了した後の段積み搬出システム1の状態を示す図。
【
図23】期間T4における回転処理を実行した後の段積み搬出システム1の状態を示す図。
【
図25】ステップS42の処理終了後における段積み搬出システム1の状態を示す図。
【
図26】ステップS44の処理終了後における段積み搬出システム1の状態を示す図。
【
図27】ステップS46の処理終了後における段積み搬出システム1の状態を示す図。
【
図28】ステップS48の処理終了後における段積み搬出システム1の状態を示す図。
【
図29】第1変形例にかかる段積み搬出システム1Aを説明する説明図。
【
図30】第1変形例における段積み処理を示すフローチャートを示す図(その1)。
【
図31】第1変形例における段積み処理を示すフローチャートを示す図(その2)。
【
図32】ステップS56の処理終了後における段積み搬出システム1の状態を示す図。
【
図33】ステップS76の処理終了後における段積み搬出システム1の状態を示す図。
【
図34】第2変形例における把持部21Bを説明するための図。
【
図35】第2変形例における把持部21Bを説明するための図。
【
図36】第3変形例における段積み搬出システム1Cを上方向から下方向に見た図。
【
図37】第4変形例における段積み搬出システム1Dを上方向から下方向に見た図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。但し、各図において、各部の寸法及び縮尺は、実際のものと適宜に異ならせてある。また、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られるものではない。
【0010】
1.第1実施形態
図1は、第1実施形態にかかる段積み搬出システム1を説明する説明図である。段積み搬出システム1は、弁当又は総菜を詰めた容器、及び、麺類を詰めた容器等が収容された番重FDを、スーパーマーケット及びコンビニエンスストア等の店舗ごとに仕分けるシステムである。より詳細には、段積み搬出システム1は、複数の番重FDを店舗ごとに段積みし、段積みされた複数の番重FDを店舗ごとに搬出するために、搬送車の載置面に複数の番重FDを載置する。本実施形態では、段積み搬出システム1は、搬送車の一例として、無人搬送車(AGV:Automatic Guided Vehicle)CAの載置面CAFに複数の番重FDを載置する。無人搬送車CAは、トラック等の運送車まで複数の番重FDを搬出する。複数の番重FDは、運送車に積み込まれ、店舗まで搬送される。なお、段積み搬出システム1は、無人搬送車CAの替わりに、人力によって移動する台車を有してもよい。
【0011】
番重FDは、薄型の運搬容器である。段積み搬出システム1では、複数の番重FDを用いる。以下の記載において、複数の番重FDを総称する場合、番重FDと称し、複数の番重FDの各々を区別する場合、番重FD-iと称する場合がある。iは、1以上の整数である。複数の番重FDは、互いに同一の形状でもよいし、段積みできる程度に異なる形状でもよい。例えば、番重FDの高さは、番重FDごとに個別に異なってもよい。以下では、説明の簡略化のため、複数の番重FDは、略同一の形状であるとする。番重FDの形状については、
図2で後述する。
なお、番重FDは、「容器」の一例である。但し、段積み搬出システム1は、番重FDに限らず、段積みが可能なコンテナでもよい。
【0012】
段積み搬出システム1は、弁当の具材、総菜、又は、麺類等を製造する工場内に設けられる。1つの工場内に、段積み搬出システム1が1つあってもよいし、複数あってもよい。
【0013】
段積み搬出システム1は、段積み装置2と、搬送コンベア4と、制御装置8と、無人搬送車CAとを含む。段積み装置2は、制御装置8からの指示に基づいて、複数の番重FDを段積みし、段積みした番重FDを無人搬送車CAに載置する。搬送コンベア4は、制御装置8の指示に基づいて、番重FDを段積み装置2内に搬送する。搬送コンベア4は、例えば、ローラーコンベア、チェーンコンベア、及び、ベルトコンベア等である。
なお、搬送コンベア4は、「コンベア」の一例である。
【0014】
以下において、搬送コンベア4が番重FDを搬送する方向が、-X方向であり、-X方向の反対方向が+X方向であるとして説明する。-X方向と+X方向とを、「X軸方向」と総称する。また、鉛直方向を、「Z軸方向」と称し、鉛直方向の上方を、「+Z方向」と称し、鉛直方向の下方を、「-Z方向」と称する。また、理解を容易にするため、+Z方向を「上方向」、-Z方向を「下方向」と称することがある。X軸方向とZ軸方向とに直交する方向を、「Y軸方向」と称する。本実施形態では、Y軸方向の一方を+Y方向と称し、他方を-Y方向と称する。X軸、Y軸及びZ軸を用いると、
図1は、段積み搬出システム1をXZ平面に平行な面で破断し、+Y方向から-Y方向に段積み搬出システム1を見た図であるとも言える。
【0015】
段積み装置2は、4つの把持部21と、回転円板23と、駆動部25と、回転支柱26と、昇降部27と、筐体29とを有する。把持部21は、段積みされた複数の番重FDを把持する。本実施形態では、把持部21は、最大5個の段積みされた番重FDを把持可能である。但し、把持部21が把持可能な番重FDは、2個以上であればよく、例えば、6個の番重FDを把持可能であってもよい。回転円板23は、4つの把持部21を支持し、Z軸方向に沿った回転軸Azを中心に回転可能な回転体である。回転円板23は、XY平面に平行な扁平状の円板である。但し、段積み装置2は、回転円板23の替わりに、XY平面に平行な一つの方向に延在する部材と、XY平面に平行であり、この一つの方向に垂直な方向に延在する部材とが結合したような部材を有してもよい。
なお、回転円板23は、「回転体」の一例である。
【0016】
駆動部25は、90度ごとに回転円板23を回転させる。典型的には、駆動部25は、モーターである。回転支柱26は、回転円板23を支持し、Z軸方向に延在する柱状の部材である。
図2を用いて、駆動部25の動作に応じた段積み装置2の状態について説明する。
【0017】
図2は、段積み搬出システム1を上方向から下方向に見た図である。但し、
図2では、把持部21の位置を理解しやすくするため、筐体29の表示を省略し、回転円板23を2点鎖線で示し、本来であれば回転円板23に隠れて見えない把持部21、回転支柱26、昇降部27、及び、番重FDを実線で示してある。
【0018】
段積み装置2は、4つの把持部21として、把持部21-1と、把持部21-2と、把持部21-3と、把持部21-4とを有する。以下の記載において、4つの把持部21を総称する場合、把持部21と称し、4つの把持部21の各々を区別する場合には、把持部21-jと称する。jは、1から4までの整数である。
なお、4つの把持部21のうち任意の1つの把持部21が「第1把持部」の一例であり、回転支柱26を挟んで当該把持部21とは反対に位置する把持部21が「第2把持部」の一例である。
【0019】
図2に示す状態では、上方向から見て、回転支柱26を基準に、把持部21-1が+X方向に位置し、把持部21-2が+Y方向に位置し、把持部21-3が-X方向に位置し、把持部21-4が-Y方向に位置する。
図2に示す段積み装置2の状態を、「初期状態」と称する。
【0020】
初期状態における把持部21-1の位置は、把持部21が複数の番重FDを段積みする段積み処理を実行する位置である。また、初期状態における把持部21-3の位置は、把持部21が段積みされた複数の番重FDを無人搬送車CAの載置面CAFに載置する載置作業を実行する位置である。初期状値における把持部21-1の位置は、
図1及び
図2に例示される位置P1である。初期状値における把持部21-3の位置は、
図1及び
図2に例示される位置P2である。位置P1と位置P2とは、回転軸Azを挟んで互いに反対側に位置する。
位置P1は、「第1位置」の一例であり、位置P2は、「第2位置」の一例である。
図2に例示される通り、+Z方向から見て、位置P1と、回転軸Azと、位置P2とは、仮想直線L1上に位置する。
【0021】
駆動部25は、上方向から見て、回転軸Azを中心に時計回りに90度ごとに回転円板23を回転させる。なお、駆動部25は、上方向から見て、回転軸Azを中心に反時計回りに90度ごとに回転円板23を回転させてもよい。
なお、4つの把持部21のうち任意の1つの把持部21が位置P1に位置する状態が「第1状態」に相当し、当該把持部21が位置P2まで移動した状態が「第2状態」に相当する。
【0022】
番重FDは、略直方体の形状であり、上方向に開口を有する。また、番重FDの上部には、番重FDの4辺を囲うように、フランジFDfが設けられる。
図1及び
図2では、図面の煩雑化を避けるため、搬送コンベア4上の番重FD-xに、フランジFDfの符号を示し、他の番重FDのフランジFDfの表示を省略してある。また、本実施形態では、段積みした場合に複数の番重FDが水平方向に移動しにくくするために、番重FD-1が番重FD-2に積載した場合、番重FD-1の底部の一部が番重FD-2の開口に嵌合する。但し、番重FD-1が番重FD-2に積載した場合、番重FD-1の底部が番重FD-2の開口に嵌合しなくてもよい。把持部21の構成について、
図3及び
図4を用いて説明する。
【0023】
1.1.把持部21の構成
図3は、把持部21の構成を示す図である。以下の説明では、Z軸に加えて、u軸とv軸とを適宜用いて説明する。u軸に沿う一方の方向を「+u方向」と称し、+u方向の反対方向を「-u方向」と称し、+u方向と-u方向とを、「u軸方向」と総称する。+u方向は、回転軸Azに向かう方向と言える。また、v軸に沿う一方の方向を「+v方向」と称し、+v方向の反対方向を「-v方向」と称し、+v方向と-v方向とを、「v軸方向」と総称する。+v方向は、回転円板23が回転する方向と言える。
【0024】
ここで、u軸及びv軸は、把持部21の座標軸であり、回転円板23の回転により前述のX軸及びY軸との相対的な位置及び姿勢の関係が変化する。
図2では、把持部21の各位置におけるu軸とv軸とについて示してある。
図2に例示されるように、把持部21が位置P2に位置する場合に、+u方向が+X方向に一致し、+v方向が+Y方向に一致する。
図3は、把持部21を+u方向から-u方向に見た図である。把持部21は、段積みされた複数の番重FDを拾集し、拾集した複数の番重FDを保持し、保持した複数の番重FDを無人搬送車CAの載置面CAFに載置する。
図3に示すように、把持部21は、スライダロック機構211aと、スライダロック機構211bと、ガイド部212とを有する。
【0025】
スライダロック機構211aは、スライダロック機構211bに対して+v方向に位置する。以下の記載において、スライダロック機構211aとスライダロック機構211bとを、スライダロック機構211と総称する。また、スライダロック機構211の要素についても、要素の符号の末尾に「a」又は「b」が付与されない場合には、スライダロック機構211の要素を総称しており、要素の符号の末尾に「a」又は「b」が付与された場合には、スライダロック機構211の要素を区別して表記している。
【0026】
スライダロック機構211は、移動部2110と、係合部2116とを有する。移動部2110は、上方向及び下方向に係合部2116を移動させる。移動部2110は、ベース板2111と、スライダ2113と、スライダベース2115とを有する。
【0027】
ベース板2111は、スライダロック機構211が回転円板23に接続するための扁平状の部材である。スライダロック機構211の上方向の端部が、回転円板23に接続される。スライダ2113は、スライダベース2115を移動させる動力を発生させるモーターを含む部材である。スライダ2113aは、ベース板2111aの-v方向の面に固定され、スライダ2113bは、ベース板2111bの+v方向の面に固定される。スライダベース2115を移動させる具体的な構成として、スライダ2113は、不図示のモーター及びワイヤーを有する。モーターは、スライダ2113の内部であって、上方向の端部に設けられる。ワイヤーは、スライダ2113内部に設けられる。ワイヤーの一端はモーターに取り付けられ、他端はスライダベース2115に取り付けられる。スライダベース2115は、Z軸方向に延在する扁平状の部材である。スライダベース2115は、スライダ2113に対してZ軸方向に移動可能となるように取り付けられる。スライダベース2115の下方向の端部には、係合部2116が固定される。
【0028】
以下の記載において、スライダベース2115が可動範囲の上端に移動した状態、言い換えれば、係合部2116が可動範囲の上端に移動した状態を、「上昇状態」と称する。同様に、スライダベース2115が可動範囲の下端に移動した状態、言い換えれば、係合部2116が可動範囲の下端に移動した状態を、「下降状態」と称する。
図3に示す係合部2116の状態は、係合部2116が可動範囲の下端に移動した状態であるため、下降状態である。
【0029】
係合部2116は、段積みされた複数の番重FDのうち最下段に位置する番重FDに係合する。係合部2116は、動力部2117と、回転爪2119とを有する。動力部2117は、回転爪2119を回転させる動力源である。回転爪2119aは、u軸に平行な回転軸Auaを中心に、Z軸方向に延在する状態からv軸方向に延在する状態まで回転する。同様に、回転爪2119bは、X軸に平行な回転軸Aubを中心に、Z軸方向に延在する状態からv軸方向に延在する状態まで回転する。以下の記載において、
図3に示すように、回転爪2119がZ軸方向に延在する状態を「開状態」と称し、回転爪2119がv軸方向に延在する状態を「閉状態」と称する。動力部2117は、回転爪2119が平状態である場合に、下方向の応力によって回転爪2119が開状態に遷移しないように回転爪2119を固定する。
図3に示す回転爪2119の状態は、回転爪2119がZ軸方向に延在する状態であるため、開状態である。係合部2116の状態が上昇状態であり、回転爪2119の状態が閉状態である例を、
図4を用いて示す。ガイド部212についても、
図4を用いて説明する。
【0030】
図4は、係合部2116の状態が上昇状態であり、且つ、回転爪2119の状態が閉状態を示す図である。
図4に示す図は、
図3と同様に、把持部21を+u方向から-u方向に見た図である。
図4に示すように、把持部21は、段積みされた5個の番重FDとして、番重FD-1、番重FD-2、番重FD-3、番重FD-4、及び、番重FD-5を把持している。
【0031】
図4に例示されるように、係合部2116の状態が閉状態である場合、係合部2116は、段積みされた複数の番重FDのうち最下段の番重FD-5に係合する。回転爪2119aは、u軸に沿って間隔を空けて配置された2個の部材から構成される。同様に、回転爪2119bは、u軸に沿沿って間隔を空けて配置された2個の部材から構成される。従って、番重FD-5は、4箇所に配置された回転爪2119によって支持される。係合部2116が番重FD-5に係合するとは、回転爪2119がフランジFDfの下面を支持することである。
【0032】
ガイド部212は、移動部2110によって係合部2116が上方向に移動する場合、段積みされた複数の番重FDがu軸方向又はv軸方向に移動することを抑制する。ガイド部212は、ガイド板213aと、ガイド板213bと、ガイド板215aと、ガイド板215bという、4個の部材から構成される。但し、ガイド部212は、ガイド板213a及びガイド板213bの一方と、ガイド板215aとガイド板215bの一方とが結合したような部材を有してもよいし、ガイド板213aとガイド板213bとガイド板215aとガイド板215bとの全てが結合したような部材、即ち、単独の部材でもよい。
【0033】
ガイド板213aは、ガイド板213bに対して+v方向に位置する。以下の記載において、ガイド板213aとガイド板213bとを、ガイド板213と総称する。番重FDがガイド板213aとガイド板213bとの間に入り込みやすくするため、ガイド板213a及びガイド板213bの下端部の近傍において両者間の間隔が広くなっている。
なお、u軸方向及びv軸方向は、「水平方向」の一例である。
【0034】
ガイド板213aは、把持部21が把持する複数の番重FDの各々の側面に当接する面213aFを有する。より詳細には、面213aFは、複数の番重FDの各々のフランジFDfの+v方向の面に当接する。面213aFの法線方向は、v軸方向である。ガイド板213bは、把持部21が把持する複数の番重FDの側面に当接する面213bFを有する。より詳細には、ガイド板213bは、複数の番重FDの各々のフランジFDfの-v方向の面に当接する。面213bFの法線方向は、v軸方向である。
なお、面213aF及び面213bFは、「第1面」の一例である。
【0035】
ガイド板215aは、回転支柱26に対してガイド板215bよりも遠くに位置する。以下の記載において、ガイド板215aと、ガイド板215bとを、ガイド板215と総称する。把持部21を+u方向から-u方向に見ると、ガイド板215bはガイド板215aの陰に隠れるため、
図3及び
図4では、ガイド板215bを破線で示してある。更に、
図3及び
図4では、ガイド板215bを表示するために、ガイド板215bの大きさをガイド板215aの大きさよりも小さく表示してあるが、ガイド板215bの大きさは、ガイド板215aの大きさと同一でもよいし、大きくてもよい。ガイド板215が有する面について、
図5を用いて説明する。
【0036】
図5は、
図4に示す状態において、把持部21を+v方向から-v方向に見た図である。但し、
図5では、係合部2116aとガイド板213aとの位置関係を示すために、ベース板2111aによって隠れるガイド板215a及び係合部2116aとを、破線で示してある。
図5に例示するように、番重FDがガイド板215aとガイド板215bとの間に入り込みやすくするため、ガイド板215a及びガイド板215bの下端部の近傍において両者間の間隔が広くなっている。
【0037】
図5に例示するように、ガイド板215aは、把持部21が把持する複数の番重FDの各々の側面に当接する面215aFを有する。より詳細には、面215aFは、複数の番重FDの各々のフランジFDfの+u方向の面に当接する。面215aFの法線方向は、u軸方向である。ガイド板215bは、把持部21が把持する複数の番重FDの各々の側面に当接する面215bFを有する。より詳細には、面215bFは、複数の番重FDの各々のフランジFDfの-u方向の面に当接する。面215bFの法線方向は、u軸方向である。
なお、面215aF及び面215bFは、「第2面」の一例である。
【0038】
図5に例示するように、上昇状態において、面213aFの法線方向である+v方向から見て、面213aFが係合部2116と重ならない。
【0039】
図2を用いて面213aF及び面213bF、並びに、面215aF及び面215bFの位置関係を説明する。面213aF及び面213bFの法線は、
図2に示す仮想直線L2である。仮想直線L2は、Y軸方向に沿った直線である。一方、面215aF及び面215bFの法線は、仮想直線L1である。仮想直線L1は、X軸に沿った直線である。従って、上方向から見て、面213aF及び面213bFの法線方向と、面215aF及び面215bFの法線方向とが、直交する。
なお、直交は、「交差」の一例である。
【0040】
更に、
図2及び
図4を用いて、面213aF及び面213bF、並びに、面215aF及び面215bFと、係合部2116との位置関係を説明する。
図2では、把持部21-1が複数の番重FDを把持する状態である。
図2では、把持部21-1の回転爪2119のうち、複数の番重FDによって見えない部分を破線で表示してある。
図2に例示されるように、把持部21-1が複数の番重FDを把持する状態において、上方向から見て、面213aFが回転爪2119aと重なり、面213bFが回転爪2119bと重なる。本実施形態における「重なる」とは、2つの物体同士が完全に重なることと、一方の物体の一部と他方の物体の全部とが重なることと、一方の物体の一部と他方の物体の一部とが重なることを含む概念である。把持部21-1が複数の番重FDを把持する状態において、上方向から見て、面215aFが係合部2116a及び係合部2116bと重ならず、面215bFが係合部2116a及び係合部2116bと重ならない。
【0041】
さらに、
図4に例示するように、上昇状態において、面215aFの法線方向である+u方向から見て、把持部21-1によって把持される複数の番重FDのうち最下段に位置する番重FD-5が、面215aFと重なる。同様に、
図4では図示していないが、+u方向からみて、番重FD-5が、面215bFと重なる。
【0042】
説明を
図1に戻す。昇降部27は、番重FDを上方向に移動させる。昇降部27は、昇降コンベア271と、リフター272とを有する。昇降コンベア271は、搬送コンベア4によって段積み装置2内に搬送された番重FDを、
図1に示す段積み位置Paまで移動させる。昇降コンベア271は、搬送コンベア4と同様に、例えば、ローラーコンベア、チェーンコンベア、及び、ベルトコンベア等である。昇降コンベア271の上方向の面は、番重FDが載置可能な載置面271Fである。
図2に例示されるように、上方向から見て、初期状態において載置面271Fは、把持部21-1と重なる。リフター272は、昇降コンベア271の載置面271Fに載置された番重FDを上方向に移動させる。
以下の記載において、Z軸方向における搬送コンベア4の位置を、「コンベア初期位置」と称する。段積み位置Paは、コンベア初期位置に位置する昇降部27の載置面271Fに載置された番重FDの位置であって、上方向から見て、番重FDの重心が位置P1に重なる位置である。
【0043】
筐体29は、4つの把持部21と、回転円板23と、駆動部25と、回転支柱26と、昇降部27とを収容する。但し、段積み装置2は、筐体29を有さなくてもよい。筐体29には、開口291と、開口292とが設けられる。開口291は、番重FDを段積み装置2内に搬送させるために設けられており、回転支柱26に対して+X方向の位置に設けられる。開口291には、搬送コンベア4が挿通されている。開口292は、無人搬送車CAに積み込まれた複数の番重FDを搬出させるために設けられており、回転支柱26に対して-X方向の位置に設けられる。
【0044】
制御装置8は、段積み装置2と搬送コンベア4と無人搬送車CAとを制御する。典型的には、制御装置8は、記憶部81を有するコンピュータである。記憶部81は、段積み搬出システム1の制御プログラムと、各店舗に搬送する番重FDの個数(以下、「段積み数」と称する)Nと、を記憶する。段積み数Nは、店舗ごとに個別に設定される数値である。
【0045】
1.2.段積み搬出システム1の動作
段積み搬出システム1の一連の動作について、
図6から
図28を用いて説明する。
【0046】
図6は、段積み搬出システム1の一連の動作を説明するための図である。段積み搬出システム1は、段積み処理と、上方向から見て時計回りに90度回転円板23を回転させる回転処理と、載置処理とを実行する。各処理の実行タイミングの一例を、
図6を用いて説明する。
【0047】
図6に例示する期間T1の開始時点では、段積み装置2の状態は初期状態である。位置P1にある把持部21-1を利用した段積み処理が実行される。期間T1に続く期間T2において回転処理により回転円板23が90度回転し、把持部21-2が位置P1に移動する。期間T2に続く期間T3において、把持部21-2を利用した段積み処理が実行される。期間T3に続く期間T4において、回転処理により回転円板23が90度回転し、把持部21-3が位置P1に移動し、把持部21-1が位置P2に移動する。期間T4に続く期間T5において、把持部21-3を利用した段積み処理と、把持部21-1を利用した載置処理とが並列に実行される。但し、段積み処理と載置処理とは、逐次実行されてもよい。期間T5に続く期間T6において、回転処理により回転円板23が90度回転し、把持部21-4が位置P1に移動し、把持部21-2が位置P2に移動する。期間T6に続く期間T7において、把持部21-4を利用した段積み処理と、把持部21-2を利用した搬出処理とが並列に実行される。以上の処理が順次に反復される。
説明の簡略化のため、
図6に示す4回の段積み処理のそれぞれにおいて、段積み数Nは、常に5個であることを前提とする。なお、実際には、段積み数Nは店舗ごとに相違するから、1回の段積み処理の所要期間も、段積み処理ごとに相違し得る。段積み処理、回転処理、及び載置処理の詳細について以下に説明する。
【0048】
1.2.1.段積み処理
図7及び
図8は、段積み処理を示すフローチャートである。制御装置8は、初期設定を実行する(ステップS2)。初期設定として、制御装置8は、昇降コンベア271の位置をコンベア初期位置に設定し、係合部2116を上昇状態に設定し、回転爪2119を開状態に設定し、無人搬送車CAを載置位置P3に位置決めする。但し、無人搬送車CAを載置位置P3に位置決めする処理は、ステップS2で実行しなくともよく、遅くとも載置処理を実行する直前までに実行すればよい。
【0049】
図9に、ステップS2の処理終了後における段積み搬出システム1の状態を示す。以降、
図9から
図20までは、左側に示す図が、+Y方向から-Y方向に段積み搬出システム1を見た図であり、右側に示す図が、+X方向から-X方向に段積み搬出システム1を見た図である。
図9に例示されるように、把持部21-1の係合部2116が上昇状態にあり、把持部21-1の回転爪2119が開状態に設定され、無人搬送車CAが載置位置P3に位置決めされている。
【0050】
ステップS2の処理終了後、制御装置8の制御のもと、搬送コンベア4が、1番目の番重FDを段積み装置2内へ搬送し、昇降コンベア271が、1番目の番重FDが段積み位置Paに位置するように1番目の番重FDを位置決めする(ステップS4)。
図10に、ステップS4の処理終了後における段積み搬出システム1の状態を示す。
図10に例示されるように、1番目の番重FDとして、番重FD-1が段積み位置Paに位置する。
【0051】
ステップS4の処理終了後、制御装置8の制御のもと、昇降部27は、昇降コンベア271を上昇させて、1番目の番重FDを拾集位置Pbまで移動させる(ステップS6)。拾集位置Pbは、+X方向から見て、番重FDのフランジFDfが上昇状態の回転爪2119よりも上方向の位置である。
図11に、ステップS6の処理終了後における段積み搬出システム1の状態を示す。
【0052】
ステップS6の処理終了後、制御装置8の制御のもと、把持部21-1は、回転爪2119を回転させ、1番目の番重FDを拾集する(ステップS8)。
図12に、ステップS8の処理終了後における段積み搬出システム1の状態を示す。
図12に例示されるように、回転爪2119が閉状態であり、係合部2116が番重FD-1に係合する。
【0053】
ステップS8の処理終了後、制御装置8の制御のもと、昇降部27は、昇降コンベア271をコンベア初期位置まで下降させる(ステップS10)。
図13に、ステップS10の処理終了後における段積み搬出システム1の状態を示す。
図13に例示されるように、番重FD-1は、係合部2116に係合されているため、ステップS10では移動しない。
【0054】
ステップS10の処理終了後、制御装置8は、変数iを2に設定する(ステップS12)。変数iは、1回の段積み処理において用いられるローカル変数であり、i番目の番重FDを示す。ステップS12の処理後、制御装置8は、i-1番目の番重FDをi番目の番重FDに積載するか否かを判定する(ステップS22)。具体的には、制御装置8は、記憶部81に記憶された段積み数Nを参照して、変数iが当該段積み数N以下である場合、i-1番目の番重FDをi番目の番重FDに積載すると判定し、変数iが当該段積み数Nより大きい場合、i-1番目の番重FDをi番目の番重FDに積載しないと判定する。
【0055】
i-1番目の番重FDをi番目の番重FDに積載すると判定した場合(ステップS22:Yes)、制御装置8の制御のもと、搬送コンベア4が、i番目の番重FDを段積み装置2内へ搬送し、昇降コンベア271の載置面271F上でi番目の番重FDが段積み位置Paに位置するようにi番目の番重FDを位置決めする(ステップS24)。
図14に、ステップS24の処理終了後における段積み搬出システム1の状態を示す。
図14に例示されるように、2番目の番重FDとして、番重FD-2が段積み位置Paに位置する。
【0056】
ステップS24の処理終了後、制御装置8の制御のもと、昇降部27は、昇降コンベア271を上方向に移動させて、i番目の番重FDを、i-1番目の番重FDとの連結位置Pcまで移動する(ステップS26)。連結位置Pcは、+X方向から見て、係合部2116に係合しており、且つ拾集位置Pbに位置するi-1番目の番重FDが、i番目の番重FDに積載される位置である。i番目の型番FDが連結位置Pcに位置した場合、i-1番目の番重FDは、昇降部27によって支持されるため、回転爪2119にかかる力が減少する。
図15に、ステップS24の処理終了後における段積み搬出システム1の状態を示す。
図15に例示されるように、番重FD-2が連結位置Pcに位置する。ステップS26の具体的な処理として、記憶部81が、段積み位置Paから連結位置PcまでのZ軸方向の長さを示す情報を記憶しておく。制御装置8は、この長さ分、昇降コンベア271を上昇させる。
【0057】
ステップS26の処理終了後、制御装置8の制御のもと、把持部21は、回転爪2119を回転させ、回転爪2119を開状態に設定する(ステップS28)。
図16に、ステップS28の処理終了後における段積み搬出システム1の状態を示す。
図16に例示されるように、回転爪2119が開状態になり、番重FD-1に対する係合部2116の係合が解除される。
【0058】
ステップS28の処理終了後、
図17に示す通り、昇降部27は、制御装置8による制御のもとで昇降コンベア271を上昇させることで、i番目の番重FDを拾集位置Pbまで移動させる(ステップS30)。
【0059】
ステップS30の処理終了後、
図18に示す通り、把持部21は、制御装置8による制御のもとで回転爪2119を回転させ、i番目の番重FDを拾集する(ステップS32)。
【0060】
ステップS32の処理終了後、
図19に示す通り、昇降部27は、昇降コンベア271をコンベア初期位置まで下降させる(ステップS34)。
【0061】
ステップS34の処理終了後、制御装置8は、変数iの値を1増加させ(ステップS36)、処理をステップS22に戻す。i-1番目の番重FDをi番目の番重FDに積載しないと判定した場合(ステップS22:No)、段積み搬出システム1は、
図7及び
図8に示す段積み処理を終了する。以上の通り、ステップS24からステップS36までの処理が段積み数N-1回反復される。この結果、把持部21内には段積み数Nの番重FDが段積みされる。
図20に、5個の番重FDを段積みして段積み処理が終了した場合の段積み搬出システム1の状態を示す。
図20に例示される状態は、ステップS24からステップS36までの処理を4回反復した状態である。
図20に例示されるように、番重FD-1から番重FD-5までが段積みされる。
図21に、期間T2における回転処理の実行が終了した段積み搬出システム1の状態を示す。
【0062】
1.2.2.載置処理
図22及び
図23に、期間T4における回転処理が実行し、把持部21-1を利用した載置処理を実行する直前の段積み搬出システム1の状態を示す。
図21及び
図22では、図面の煩雑化を避けるため、ガイド部212の表示を省略してある。
図23、及び、後述する
図25から
図28までは、左側に示す図が、+Y方向から-Y方向に段積み搬出システム1を見た図であり、右側に示す図が、-X方向から+X方向に段積み搬出システム1を見た図である。
図23に例示されるように、載置処理が実行される前には、無人搬送車CAが載置位置P3に位置決めされている。
【0063】
図24は、載置処理を示すフローチャートである。制御装置8の指示のもと、スライダロック機構211は、移動部2110により係合部2116を下降させ、番重FDを無人搬送車CAに積み込む(ステップS42)。
図25に、ステップS42の処理終了後における段積み搬出システム1の状態を示す。
図25に例示されるように、無人搬送車CAに、番重FD-1から番重FD-5までが積み込まれている。
【0064】
ステップS42の処理終了後、制御装置8の制御のもと、把持部21は、回転爪2119を回転させ、回転爪2119を開状態に設定する(ステップS44)。
図26に、ステップS44の処理終了後における段積み搬出システム1の状態を示す。
図26に例示されるように、把持部21-1の回転爪2119が開状態になり、番重FD-5に対する係合部2116の係合が解除される。
【0065】
ステップS44の処理終了後、
図27に例示されるように、制御装置8の指示のもと、スライダロック機構211は、移動部2110により係合部2116が上昇状態になるまで上昇させる(ステップS46)。
【0066】
ステップS46の処理終了後、
図28に例示されるように、制御装置8の指示のもと、無人搬送車CAが番重FDを段積み装置2から搬出する(ステップS48)。ステップS48の処理終了後、段積み搬出システム1は、
図24に示す載置処理を終了する。
【0067】
1.3.第1実施形態のまとめ
以上の説明によれば、第1実施形態における段積み装置2は、把持部21-1(「第1把持部」の一例)と、把持部21-3(「第2把持部」の一例)と、回転円板23(「回転体」の一例)と、駆動部25とを有する。把持部21-1及び把持部21-3は、段積みされた複数の番重FD(「容器」の一例)を把持可能である。回転円板23は、把持部21-1と把持部21-3とを支持し、鉛直方向に沿った回転軸Azを中心に回転可能である。駆動部25は、初期状態(「第1状態」の一例)と、初期状態から回転円板23が180度回転した状態(「第2状態」の一例)とが切り替わるように、回転円板23を回転させる。初期状態は、段積みされた複数の番重FDを拾集する位置P1に把持部21-1が位置し、且つ、段積みされた複数の番重FDを搬出するための位置P2に把持部21-3が位置する。初期状態から回転円板23が180度回転した状態は、位置P1に把持部21-3が位置し、且つ、位置P2に把持部21-1が位置する。
第1実施形態によれば、複数の番重FDの位置決めが位置P1での1回のみであり、位置P2での複数の番重FDの位置決めが不要であるため、段積み処理を実行する段積み装置と載置処理を実行する載置装置とを有する態様と比較して、段積み処理から載置処理までの一連の処理における位置決めの回数を減少できる。番重FDの位置決めの具体的な処理として、例えば、制御装置8は、番重FDの現在の位置を計測し、番重FDが本来載置される位置から現在の位置までの差分を算出し、この差分が許容範囲以下になるまで番重FDの位置を調節する処理を実行する。このように、番重FDの位置決めを実行することには、一定期間を必要とする。第1実施形態では、位置決めの回数が減少できるため、段積み処理から搬出処理までの一連の処理にかかる期間を短縮できる。
また、段積み処理を実行する段積み装置と載置装置とを有する態様では、2つの装置が必要であるが、第1実施形態における段積み装置2により段積み作業と載置作業とを実行できる。従って、第1実施形態は、段積み処理を実行する段積み装置と載置装置とを有する態様と比較して、安価な装置構成を実現できる。
【0068】
また、
図2に例示されるように、鉛直方向から見て、位置P1と回転軸Azと位置P2とが同一直線である仮想直線L1上に位置する。
鉛直方向から見て、位置P1と回転軸Azと位置P2とが同一直線上にない態様と比較して、位置P1と位置P2とが離れるため、位置P1にある把持部21が把持する複数の番重FDと、位置P2にある把持部21が把持する複数の番重FDとが接触しにくくなる。
【0069】
また、把持部21-1は、係合部2116と、移動部2110と、ガイド部212とを有する。係合部2116は、段積みされた複数の番重FDのうち最下段に位置する番重FDに係合する。移動部2110は、上方向及び下方向に係合部2116を移動させる。ガイド部212は、移動部2110によって係合部2116が上方向に移動する場合、段積みされた複数の番重FDが水平方向に移動することを抑制する。ガイド部212は、把持部21-1が把持する複数の番重FDの各々の側面に当接する面213aF及び面213bF(「第1面」の一例)と、把持部21-1が把持する複数の番重FDの各々の側面に当接する面215aF及び面215bF(「第2面」の一例)とを有する。上方向から見て、面213aF及び面213bFの法線方向であるv軸方向と、面215aF及び面215bFの法線方向であるu軸方向とが直交する(「交差する」の一例)。
第1実施形態によれば、上方向からみて、複数の番重FDに対して、相異なる2方向の番重FDの位置ずれを抑制できる。特に、複数の番重FDは、回転軸Azを中心に時計回りに回転するため、回転の開始時点では、-v方向の力が複数の番重FDに働き、回転中には、-u方向の遠心力が複数の番重FDに働き、回転の終了時点では+v方向の力が複数の番重FDに働く。このように、複数の番重FDには、様々な方向の力が働くため、相異なる2方向の位置ずれを抑制することにより、1つの方向のみの番重FDの位置ずれを抑制する態様と比較して、番重FDの水平方向の位置ずれを抑制できる。
【0070】
また、
図2に例示されるように、把持部21-1が複数の番重FDを把持する状態において、上方向から見て、面213aFが係合部2116aと重なり、面213bFが係合部2116bと重なる。把持部21-1が複数の番重FDを把持する状態において、上方向から見て、面215aF及び面215bFが係合部2116a及び係合部2116bと重ならない。
図5に例示されるように、移動部2110によって係合部2116が可動範囲の上端に移動した上昇状態において、面213aFの法線方向の一例である+v方向から見て、面213aF及び面213bFが係合部2116a及び係合部2116bと重ならない。
図4に例示されるように、上昇状態において、面215aFの法線方向の一例である+u方向から見て、把持部21-1によって把持される複数の番重FDのうち最下段に位置する番重FDが面215aF及び面215bFと重なる。
第1実施形態によれば、面215aFを有するガイド板215a、及び、面215bFを有するガイド板215bによって、最下段に位置する番重FDのX軸方向の位置ずれを抑制できる。更に、+v方向から見て面213aF及び面213bFが係合部2116a及び係合部2116bと重ならないため、面213aFを有するガイド板213aが係合部2116aと接触することを抑制でき、面213bFを有するガイド板213bが係合部2116aと接触することを抑制できる。
【0071】
また、段積み装置2は、番重FD(「1以上の容器」の一例)を載置可能な載置面271Fを有し、上方向及び下方向に載置面271Fを移動させることが可能な昇降部27を有する。把持部21-1は、段積みされた複数の番重FDのうち最下段の番重FDに係合する係合部2116を有する。上方向から見て、初期状態において載置面271Fが把持部21-1と重なり、且つ、把持部21-1の下方に載置面271Fが位置する。昇降部27は、係合部2116が番重FD-1(「第1容器」の一例)に係合し、且つ、番重FD-2(「第2容器」の一例)が載置面271Fに載置された状態において、載置面271Fを上方向に移動させることにより番重FD-1を番重FD-2に積載する。把持部21-1は、番重FD-1が番重FD-2に積載された状態で、係合部2116が番重FD-2に係合することにより、段積みされた番重FD-1及び番重FD-2を把持する。
第1実施形態によれば、昇降部27が上昇及び下降することにより、複数の番重FDを段積みできる。
【0072】
また、段積み搬出システム1は、段積み装置2と、上方向から見て、複数の番重FD(「1以上の番重」の一例)を位置P1に重なる位置に移動させる搬送コンベア4(「コンベア」の一例)と、複数の番重FDを載置可能な載置面CAFを有し、上方向から見て、位置P2に重なる位置に配置される無人搬送車CA(「搬送車」の一例)とを有する。
第1実施形態によれば、位置決めの回数が減少できるため、段積み処理から載置処理までの一連の処理にかかる期間を短縮できる段積み搬出システム1を提供できる。
【0073】
2.変形例
本開示は、以上に例示した実施形態に限定されない。具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2以上の態様を併合してもよい。
【0074】
2.1.第1変形例
第1実施形態における段積み処理では、昇降部27が上昇及び下降することにより複数の番重FDを段積みする。一方、第1変形例では、係合部2116の上昇及び下降することにより複数の番重FDを段積みする点が、第1実施形態と異なる。
【0075】
図29は、第1変形例にかかる段積み搬出システム1Aを説明する説明図である。段積み搬出システム1Aは、段積み装置2の替わりに段積み装置2Aを有し、搬送コンベア4の替わりに搬送コンベア4Aを有する点で、段積み搬出システム1と相違する。段積み装置2Aは、昇降部27を有さない点で、段積み装置2と相違する。搬送コンベア4Aは、段積み装置2Aの外側から段積み位置Paまで番重FDを搬送する点で、搬送コンベア4と相違する。
【0076】
2.1.1.第1変形例における段積み処理
図30及び
図31は、第1変形例における段積み処理を示すフローチャートである。制御装置8は、第1変形例における初期設定を実行する(ステップS52)。第1変形例における初期設定として、制御装置8は、係合部2116を上昇状態に設定し、回転爪2119を開状態に設定し、無人搬送車CAを載置位置P3に位置決めする。
【0077】
ステップS52の処理終了後、制御装置8の制御のもと、搬送コンベア4Aが、1番目の番重FDを段積み装置2A内へ搬送し、搬送コンベア4A上の段積み位置Paに位置決めする(ステップS54)。第1変形例における段積み位置Paは、搬送コンベア4Aに載置された番重FDの位置であって、上方向から見て、番重FDの重心が位置P1に重なる位置である。ステップS52の処理終了後、
図32に例示されるように、制御装置8の制御のもと、スライダロック機構211は、移動部2110により係合部2116を段積み位置Paまで移動させる(ステップS56)。
【0078】
ステップS56の処理終了後、スライダロック機構211は、制御装置8による制御のもとで回転爪2119を回転させ、1番目の番重FDを拾集する(ステップS58)。ステップS58の処理終了後、制御装置8の制御のもと、スライダロック機構211は、移動部2110により係合部2116を上昇状態になるまで上昇させる(ステップS60)。
【0079】
ステップS60の処理終了後、制御装置8は、変数iを2に設定する(ステップS62)。ステップS62の処理後、制御装置8は、i-1番目の番重FDをi番目の番重FDに積載するか否かを判定する(ステップS72)。i-1番目の番重FDをi番目の番重FDに積載すると判定した場合(ステップS72:Yes)、制御装置8の制御のもと、搬送コンベア4Aが、i番目の番重FDを段積み装置2A内へ搬送し、i番目の番重FDを搬送コンベア4A上の段積み位置Paに位置決めする(ステップS74)。
【0080】
ステップS74の処理終了後、制御装置8の制御のもと、スライダロック機構211は、係合部2116を下降させて、i-1番目の番重FDを積載位置Pdまで移動させる(ステップS76)。積載位置Pdは、+X方向から見て、係合部2116に係合しているi-1番目の番重FDが、段積み位置Paに位置するi番目の番重FDに積載される位置である。i-1番目の番重FDが積載位置Pdに位置した場合、i-1番目の番重FDは、i番目の番重FDを介して搬送コンベア4Aによって支持されるため、回転爪2119にかかる力が減少する。
図33に、ステップS76の処理終了後における段積み搬出システム1の状態を示す。
図33に例示されるように、番重FD-1が積載位置Pdに位置する。
【0081】
ステップS76の処理終了後、スライダロック機構211は、制御装置8による制御のもとで回転爪2119を開状態に設定する(ステップS78)。ステップS78の処理終了後、制御装置8の制御のもと、スライダロック機構211は、係合部2116を段積み位置Paまで下降させる(ステップS80)。ステップS80の処理終了後、スライダロック機構211は、制御装置8による制御のもとで回転爪2119を回転させ、i番目の番重FDを拾集する(ステップS82)。
【0082】
ステップS82の処理終了後、スライダロック機構211は、移動部2110により係合部2116が上昇状態になるまで上昇させる(ステップS84)。ステップS84の処理終了後、制御装置8は、変数iの値を1増加させ(ステップS86)、処理をステップS72に戻す。i-1番目の番重FDをi番目の番重FDに積載しないと判定した場合(ステップS72:No)、段積み搬出システム1Aは、
図30及び
図31に示す段積み処理を終了する。以上の通り、ステップS74からステップS86までの処理が段積み数N-1回反復される。この結果、把持部21内には段積み数Nの番重FDが段積みされる。
【0083】
2.1.2.第1変形例のまとめ
以上の説明によれば、変形例1における段積み搬出システム1Aは、搬送コンベア4Aを有する。上方向から見て、初期状態において搬送コンベア4Aは把持部21-1と重なり、且つ、把持部21-1の下方に搬送コンベア4Aが位置する。把持部21は、段積みされた複数の番重FDのうち最下段の番重FDに係合する係合部2116と、上方向及び下方向に係合部2116を移動させる移動部2110と、を有する。移動部2110は、係合部2116が番重FD-1に係合し、且つ、番重FD-2が搬送コンベア4Aに載置された状態において、係合部2116を下方向に移動させることにより番重FD-1を番重FD-2に積載する。把持部21-1は、番重FD-1が番重FD-2に積載された状態で、係合部2116が番重FD-2に係合することにより、段積みされた番重FD-1及び番重FD-2を把持する。
第1変形例によれば、段積み搬出システム1Aは、昇降部27を有さない分、段積み搬出システム1と比較して、より簡素な構成にできる。
【0084】
第1変形例と第1実施形態とを比較すると、第1変形例における段積み処理は、ステップS76に示すように、番重FDを下降させる処理と、ステップS60及びステップS84に示すように、番重FDを上昇させる処理を有する。番重FDを上昇及び下降させると、番重FDに収容された容器に慣性力が働き、当該容器が荷崩れする可能性がある。従って、番重FDの上昇及び下降の回数は、少ない程好ましい。
一方、第1実施形態における段積み処理は、ステップS6及びステップS30に示すように、番重FDを上昇させる処理を有するが、番重FDを下降させる処理はない。従って、第1実施形態における段積み処理は、第1変形例における段積み処理と比較して、番重FDを下降させる処理がない分、番重FDに収容された容器が荷崩れする可能性を低減できる。
【0085】
2.2.第2変形例
第1実施形態及び第1変形例におけるガイド板213aの面213aF及びガイド板213bの面213bFは、上昇状態において、+v方向から見て、係合部2116が係合する番重FDと重ならないが、切欠きを有することにより、当該番重FDと重なってもよい。
【0086】
図34及び
図35は、第2変形例における把持部21Bを説明するための図である。
図34では、把持部21Bを+u方向から-u方向に見た状態を示す。
図35では、把持部21Bを+v方向から-v方向に見た状態を示す。
図34及び
図35では、把持部21Bの係合部2116の状態が上昇状態であり、且つ、回転爪2119の状態が閉状態を示す。
【0087】
図34に例示されるように、把持部21Bは、ガイド部212の替わりに、ガイド部212Bを有する点で、把持部21と相違する。ガイド部212Bは、ガイド板213aの替わりにガイド板213aBを有し、ガイド板213bの替わりにガイド板213bBを有する点で、ガイド部212と相違する。
【0088】
図35に例示されるように、ガイド板213aBは、-Z方向の端部に切欠き213aKを有する。
図35では、ガイド板213bBの図示を省略しているが、ガイド板213bBも、ガイド板213aBと同様に、切欠きを有する。
図35に例示されるように、上昇状態において、+v方向から見て、係合部2116aの全部が切欠き213aKの内側に位置する。但し、上昇状態において、+v方向から見て、係合部2116aの一部が切欠き213aKの内側に位置してもよい。更に、
図35に例示されるように、上昇状態において、+v方向から見て、把持部21-1が把持する複数の番重FDのうち最下段に位置する番重FD-5が、ガイド板213aBの面213aFと重なる。
図35では図示していないが、上昇状態において、+v方向から見て、係合部2116bの全部がガイド板213bBの切欠きの内側に位置し、最下段に位置する番重FD-5が、ガイド板213bBの面213bFと重なる。
なお、ガイド板213aB及びガイド板213bBのうち任意の一つが、「第1面を有する部分」に相当する。第1実施形態に記載したように、ガイド部212Bは、単独の部材でもよく、この単独の部材のうち、v軸方向を法線方向とする面を有する部分に切欠きを有すればよい。「ガイド部のうち第1面を有する部分」は、ガイド部212Bが複数の部材から構成される場合に、この複数の部材の1つの部材である意味と、ガイド部212Bが単独の部材から構成される場合に、この単独の部材の一部の部分である意味とを含む概念である。
【0089】
第2変形例によれば、上昇状態において、+v方向から見て、切欠き213aKの内側に係合部2116aの全部が位置するため、ガイド板213aBが係合部2116aと接触することを抑制できる。さらに、上昇状態において、+v方向から見て、最下段に位置する番重FD-5が、ガイド板213aBの切り欠かかれていない部分と重なるため、番重FD-5が+v方向に位置ずれすることを抑制できる。同様に、上昇状態において、+v方向から見て、ガイド板213bBの切欠きの内側に係合部2116bの全部が位置するため、ガイド板213bBが係合部2116bと接触することを抑制できる。さらに、上昇状態において、+v方向から見て、番重FD-5が、ガイド板213bBの切り欠かかれていない部分と重なるため、番重FD-5が-v方向に位置ずれすることを抑制できる。
【0090】
2.3.第3変形例
第1実施形態、第1変形例、及び、第2変形例における段積み装置2は、4つの把持部21を有したが、これに限らなく、2以上の把持部21を有すればよい。例えば、段積み装置2は、2つの把持部21を有してもよい。
【0091】
図36は、第3変形例における段積み搬出システム1Cを上方向から下方向に見た図である。
図36では、筐体29及びガイド部212の表示を省略し、回転円板23を2点鎖線で示し、本来であれば回転円板23に隠れて見えない把持部21、回転支柱26、及び、番重FDを実線で示してある。
【0092】
段積み搬出システム1Cは、段積み装置2の替わりに段積み装置2Cを有する点で、段積み搬出システム1と相違する。段積み装置2Cは、把持部21-1と把持部21-2という2つの把持部21を有する点で、段積み装置2と相違する。また、第2変形例における駆動部25は、180度ごとに回転円板23を回転させる点で、第1実施形態の駆動部25と相違する。
【0093】
2.4.第4変形例
第1実施形態、第1変形例、第2変形例、及び、第3変形例では、段積み処理を実行する位置P1と載置処理を実行する位置P2とは、回転軸Azを挟んで互いに反対に位置したが、これに限らない。更に、第1実施形態、第1変形例、第2変形例、及び、第3変形例では、段積み装置2内において、段積み処理を実行する位置P1と、載置処理を実行する位置P2とが1箇所ずつ存在したが、2以上の整数箇所ずつ存在してもよい。
【0094】
図37は、第4変形例における段積み搬出システム1Dを上方向から下方向に見た図である。
図36では、筐体29及びガイド部212の表示を省略し、回転円板23を2点鎖線で示し、本来であれば回転円板23に隠れて見えない把持部21、回転支柱26、及び、番重FDを実線で示してある。
【0095】
段積み搬出システム1Dは、段積み装置2の替わりに段積み装置2Dを有し、無人搬送車CAの替わりに無人搬送車CAdを有し、更に、搬送コンベア4D及び無人搬送車CADを有する点で、段積み搬出システム1と相違する。搬送コンベア4Dは、段積み装置2Dに対して-X方向に位置し、+X方向に番重FDを搬送する。無人搬送車CAdは、段積み装置2Dから-Y方向に複数の番重FDを搬出する。無人搬送車CADは、段積み装置2Dから+Y方向に複数の番重FDを搬出する。段積み装置2Dは、昇降部27Dを有する点で、段積み装置2と相違する。昇降部27Dは、回転支柱26と搬送コンベア4Dの間に位置し、搬送コンベア4Dによって搬送された番重FDを上方向に移動させる。
【0096】
段積み搬出システム1D内には、段積み処理を実行する位置P1d及び位置P1Dと、載置処理を実行する位置P2d及び位置P2Dとを有する。位置P1dは回転支柱26に対して+X方向に位置し、位置P1Dは回転支柱26に対して-X方向に位置し、位置P2dは回転支柱26に対して-Y方向に位置し、位置P2Dは回転支柱26に対して+Y方向に位置する。無人搬送車CAdは、載置処理の実行を開始する場合に、+Z方向から見て、位置P2dと重なる位置に位置決めされる。無人搬送車CADは、載置処理の実行を開始する場合に、+Z方向から見て、位置P2Dと重なる位置に位置決めされる。
【0097】
図37に例示される通り、段積み搬出システム1Dは、番重FDを搬出する経路R1及び経路R2を有する。経路R1は、搬送コンベア4上を通り、位置P1d及び位置P2dを経由し、位置P2dから-Y方向に向かう経路である。経路R2は、搬送コンベア4d上を通り、位置P1D及び位置P2Dを経由し、位置P2Dから+Y方向に向かう経路である。以下の記載において、位置P1は、位置P1d及び位置P1Dの総称であり、位置P2は、位置P2d及び位置P2Dの総称である。位置P2は、+Z方向から見て、位置P1を、回転軸Azを中心に90度時計回りに回転させた位置である。
【0098】
位置P1dに位置する把持部21は、位置P1dにおいて段積み処理に利用され、+Z方向から見て回転円板23が回転軸Azを中心に90度時計回りに回転した場合、位置P2dに位置し、載置処理に利用される。位置P2dに位置する把持部21は、+Z方向から見て回転円板23が回転軸Azを中心に90度時計回りに回転した場合、位置P1Dに位置し、段積み処理に利用される。位置P1Dに位置する把持部21は、+Z方向から見て回転円板23が回転軸Azを中心に90度時計回りに回転した場合、位置P2Dにおいて載置処理に利用される。位置P2Dに位置する把持部21は、+Z方向から見て回転円板23が回転軸Azを中心に90度時計回りに回転した場合、位置P1dにおいて段積み処理に利用される。
【0099】
以上、第4変形例では、段積み装置2D内において、段積み処理を実行する位置P1と、載置処理を実行する位置P2とが2箇所存在したが、3か所以上存在してもよい。また、位置P2は、+Z方向から見て、位置P1を、回転軸Azを中心に90度時計回りに回転させた位置であったが、90度に限らず、例えば、60度時計回りに回転させた位置でもよいし、45度時計回りに回転させた位置でもよい。
【0100】
2.5.第5変形例
上述の各形態において、把持部21は、係合により番重FDを把持したが、これに限らない。例えば、番重FDが金属によって構成される場合、把持部21は、磁力を発生させることによって番重FDを把持してもよい。又は、把持部21は、一対の挟持片を有し、この一体の挟持片により番重FDを挟持することにより、番重FDを把持してもよい。
【0101】
2.6.第6変形例
上述の各形態において、面213aF及び面213bFの法線方向と、面215aF及び面215bFの法線方向とが、直交したが、交差してもよい。具体的には、+Z方向から見て、番重FDが四角形とは異なる多角形である場合、ガイド部212は、この多角形の複数の辺のそれぞれに沿うガイド板を有してもよい。例えば、+Z方向から見て、番重FDが正五角形である場合、正五角形の5つ辺のそれぞれに沿う5つのガイド板の任意の2つのガイド板の法線方向は、互いに直交せず、交差する。
【0102】
2.7.第7変形例
上述の各形態における段積み処理では、把持部21が把持する1以上の番重FDを、1つの番重FDに積載したが、これに限らない。段積み処理において、段積み装置2は、把持部21が把持する1以上の番重FDを、複数の番重FDに積載してもよい。より具体的には、搬送コンベア4が、予め段積みされた複数の番重FDを搬送してもよい。段積み装置2は、把持部21が把持する1以上の番重FDを、予め段積みされた複数の番重FDの最上段の番重FDに積載する。
なお、予め段積みされた複数の番重FDが、「1以上の容器」の一例である。
【符号の説明】
【0103】
1,1A,1C,1D…段積み搬出システム、2,2A,2C,2D…段積み装置、4,4A,4D…搬送コンベア、8…制御装置、21,21-1,21-2,21-3,21-4,21B…把持部、23…回転円板、25…駆動部、26…回転支柱、27,27D…昇降部、29…筐体、81…記憶部、211,211a,211b…スライダロック機構、212,212B…ガイド部、213,213a,213aB,213b,213bB…ガイド板、213aF,213bF,215aF,215bF…面、213aK…切欠き、215,215a…ガイド板、215b…ガイド板、271…昇降コンベア、271F…載置面、272…リフター、291,292…開口、2110…移動部、2111,2111a,2111b…ベース板、2113,2113a,2113b…スライダ、2115…スライダベース、2116,2116a,2116b…係合部、2117…動力部、2119,2119a,2119b…回転爪、Aua,Aub,Az…回転軸、CA…無人搬送車、CAF…載置面、FD,FD-1,FD-2,FD-3,FD-4,FD-5…番重、FDf…フランジ、L1,L2…仮想直線、N…段積み数、P1,P2…位置、P3…載置位置、Pa…段積み位置、Pb…拾集位置、Pc…連結位置、Pd…積載位置、R1,R2…経路、T1,T2,T3,T4,T5,T6,T7…期間。