(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022188832
(43)【公開日】2022-12-22
(54)【発明の名称】商品管理システム、商品管理方法、及び商品管理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/06 20120101AFI20221215BHJP
G16Y 10/45 20200101ALI20221215BHJP
【FI】
G06Q30/06
G16Y10/45
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021097058
(22)【出願日】2021-06-10
(71)【出願人】
【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100135817
【弁理士】
【氏名又は名称】華山 浩伸
(74)【代理人】
【識別番号】100167302
【弁理士】
【氏名又は名称】種村 一幸
(74)【代理人】
【識別番号】100181869
【弁理士】
【氏名又は名称】大久保 雄一
(72)【発明者】
【氏名】杉田 幸治
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB72
(57)【要約】
【課題】商品の表示価格の正誤をチェックする作業の作業効率を向上させることが可能な商品管理システム、商品管理方法、及び商品管理プログラムを提供する。
【解決手段】商品管理システム10は、商品に対応して設けられ、当該商品の商品IDを示すARマーカ3aと当該商品の表示価格3cとを含む値札3の画像を取得する画像取得部111と、画像取得部111により取得される値札3の画像に含まれるARマーカ3aから商品IDを取得する商品ID取得部112と、前記商品の商品IDに関連付けて前記商品の登録価格3eを記憶する記憶部12から、商品ID取得部により取得される商品IDに関連付けられた登録価格3eを取得する登録価格取得部113と、登録価格取得部113により取得される登録価格3eに基づく特定情報を値札3の画像の表示価格3cに応じた位置に表示させる情報表示部114と、を備える。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品に対応して設けられ、当該商品の識別情報を示す標識と当該商品の表示価格とを含む媒体の画像を取得する画像取得部と、
前記画像取得部により取得される前記媒体の画像に含まれる前記標識から前記識別情報を取得する識別情報取得部と、
前記商品の前記識別情報に関連付けて前記商品の登録価格を記憶する記憶部から、前記識別情報取得部により取得される前記識別情報に関連付けられた前記登録価格を取得する登録価格取得部と、
前記登録価格取得部により取得される前記登録価格に基づく特定情報を前記媒体の画像の前記表示価格に応じた位置に表示させる情報表示部と、
を備える商品管理システム。
【請求項2】
前記情報表示部は、前記媒体の画像において、前記登録価格を前記表示価格に並べて表示させる、
請求項1に記載の商品管理システム。
【請求項3】
前記画像取得部は、第1商品に対応する第1媒体と第2商品に対応する第2媒体とを含む画像を取得し、
前記識別情報取得部は、前記画像取得部により取得される前記画像から、前記第1媒体に対応する前記第1商品の第1識別情報と、前記第2媒体に対応する前記第2商品の第2識別情報とを取得し、
前記登録価格取得部は、前記記憶部から、前記第1識別情報に関連付けられた第1登録価格と、前記第2識別情報に関連付けられた第2登録価格とを取得し、
前記情報表示部は、前記画像において、前記第1登録価格を前記第1商品の表示価格に並べて表示させ、前記第2登録価格を前記第2商品の表示価格に並べて表示させる、
請求項1又は2に記載の商品管理システム。
【請求項4】
前記画像取得部により取得される前記媒体の画像から、前記商品の表示価格を取得する表示価格取得部と、
前記表示価格取得部により取得される前記表示価格と前記登録価格取得部により取得される前記登録価格とが一致するか否かを判定する価格判定部と、
をさらに備え、
前記情報表示部は、前記価格判定部の判定結果に応じた前記特定情報を前記媒体の画像の前記表示価格に応じた位置に表示させる、
請求項1~3のいずれかに記載の商品管理システム。
【請求項5】
前記情報表示部は、前記表示価格取得部により取得される前記表示価格と前記登録価格取得部により取得される前記登録価格とが一致しない場合に、前記表示価格と前記登録価格とが一致しないことを示す前記特定情報を前記媒体の画像の前記表示価格に応じた位置に表示させる、
請求項4に記載の商品管理システム。
【請求項6】
前記表示価格取得部により取得される前記表示価格と前記登録価格取得部により取得される前記登録価格とが一致しない場合に、前記商品に対応する前記標識と前記商品の前記登録価格とを含む前記媒体を印刷する印刷処理を実行させる印刷処理部をさらに備える、
請求項4又は5に記載の商品管理システム。
【請求項7】
前記印刷処理部は、ユーザーの所定の操作を取得した場合に前記印刷処理を実行させる、
請求項6に記載の商品管理システム。
【請求項8】
前記媒体の画像を撮像する撮像部が前記ユーザーのジェスチャー操作を撮像し、
前記印刷処理部は、前記撮像部の撮像画像に含まれる前記ジェスチャー操作が予め設定された操作である場合に前記印刷処理を実行させる、
請求項7に記載の商品管理システム。
【請求項9】
前記媒体の画像を撮像する撮像部と情報を表示する表示部とを含むウェアラブル装置をさらに備え、
前記情報表示部は、前記表示部に前記媒体の画像を表示させるとともに、前記媒体の画像に前記特定情報を合成して表示させる、
請求項1~8のいずれかに記載の商品管理システム。
【請求項10】
一又は複数のプロセッサーが、
商品に対応して設けられ、当該商品の識別情報を示す標識と当該商品の表示価格とを含む媒体の画像を取得する画像取得ステップと、
前記画像取得ステップにおいて取得される前記媒体の画像に含まれる前記標識から前記識別情報を取得する識別情報取得ステップと、
前記商品の前記識別情報に関連付けて前記商品の登録価格を記憶する記憶部から、前記識別情報取得ステップにおいて取得される前記識別情報に関連付けられた前記登録価格を取得する登録価格取得ステップと、
前記登録価格取得ステップにおいて取得される前記登録価格に基づく特定情報を前記媒体の画像の前記表示価格に応じた位置に表示させる情報表示ステップと、
を実行する商品管理方法。
【請求項11】
商品に対応して設けられ、当該商品の識別情報を示す標識と当該商品の表示価格とを含む媒体の画像を取得する画像取得ステップと、
前記画像取得ステップにおいて取得される前記媒体の画像に含まれる前記標識から前記識別情報を取得する識別情報取得ステップと、
前記商品の前記識別情報に関連付けて前記商品の登録価格を記憶する記憶部から、前記識別情報取得ステップにおいて取得される前記識別情報に関連付けられた前記登録価格を取得する登録価格取得ステップと、
前記登録価格取得ステップにおいて取得される前記登録価格に基づく特定情報を前記媒体の画像の前記表示価格に応じた位置に表示させる情報表示ステップと、
を一又は複数のプロセッサーに実行させるための商品管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、施設の商品を管理する商品管理システム、商品管理方法、及び商品管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
小売店舗等の施設では、店員が商品の値札の表示価格の正誤をチェックする作業を行っている。従来、前記作業に関する技術として、例えば、店員が商品に貼付された情報コードをハンディターミナルにより読み取って、情報コードに埋め込まれた登録価格と商品に貼付された値札の表示価格とが一致するか否かをチェックする技術が知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来の技術では、店員が商品棚に陳列された各商品の値札をハンディターミナルにより一つずつ読み取ってチェックしなければならないため、作業効率が低下する問題が生じる。
【0005】
本発明の目的は、商品の表示価格の正誤をチェックする作業の作業効率を向上させることが可能な商品管理システム、商品管理方法、及び商品管理プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一の局面に係る商品管理システムは、商品に対応して設けられ、当該商品の識別情報を示す標識と当該商品の表示価格とを含む媒体の画像を取得する画像取得部と、前記画像取得部により取得される前記媒体の画像に含まれる前記標識から前記識別情報を取得する識別情報取得部と、前記商品の前記識別情報に関連付けて前記商品の登録価格を記憶する記憶部から、前記識別情報取得部により取得される前記識別情報に関連付けられた前記登録価格を取得する登録価格取得部と、前記登録価格取得部により取得される前記登録価格に基づく特定情報を前記媒体の画像の前記表示価格に応じた位置に表示させる情報表示部と、を備えるシステムである。
【0007】
本発明の他の局面に係る商品管理方法は、一又は複数のプロセッサーが、商品に対応して設けられ、当該商品の識別情報を示す標識と当該商品の表示価格とを含む媒体の画像を取得する画像取得ステップと、前記画像取得ステップにおいて取得される前記媒体の画像に含まれる前記標識から前記識別情報を取得する識別情報取得ステップと、前記商品の前記識別情報に関連付けて前記商品の登録価格を記憶する記憶部から、前記識別情報取得ステップにおいて取得される前記識別情報に関連付けられた前記登録価格を取得する登録価格取得ステップと、前記登録価格取得ステップにおいて取得される前記登録価格に基づく特定情報を前記媒体の画像の前記表示価格に応じた位置に表示させる情報表示ステップと、を実行する方法である。
【0008】
本発明に他の局面に係る商品管理プログラムは、商品に対応して設けられ、当該商品の識別情報を示す標識と当該商品の表示価格とを含む媒体の画像を取得する画像取得ステップと、前記画像取得ステップにおいて取得される前記媒体の画像に含まれる前記標識から前記識別情報を取得する識別情報取得ステップと、前記商品の前記識別情報に関連付けて前記商品の登録価格を記憶する記憶部から、前記識別情報取得ステップにおいて取得される前記識別情報に関連付けられた前記登録価格を取得する登録価格取得ステップと、前記登録価格取得ステップにおいて取得される前記登録価格に基づく特定情報を前記媒体の画像の前記表示価格に応じた位置に表示させる情報表示ステップと、を一又は複数のプロセッサーに実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、商品の表示価格の正誤をチェックする作業の作業効率を向上させることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、本発明の各実施形態に係る商品管理システムの構成を示す模式図である。
【
図2】
図2は、本発明の各実施形態に係る商品管理システムが導入される施設の一例を示す模式図である。
【
図3】
図3は、本発明の各実施形態に係る商品棚の外観を示す斜視図である。
【
図4】
図4は、本発明の実施形態1に係る商品管理システムの構成を示すブロック図である。
【
図5】
図5は、本発明の実施形態1に係る商品管理システムにおいて利用される商品情報の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、本発明の実施形態1に係る値札の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、本発明の実施形態1に係る商品管理システムにおいて撮影される撮像画像の一例を示す図である。
【
図8】
図8は、本発明の実施形態1に係る商品管理システムにおいて撮影される撮像画像の一例を示す図である。
【
図9】
図9は、本発明の実施形態1に係る商品管理システムにおいて実行される価格チェック処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【
図10】
図10は、本発明の実施形態2に係る価格チェック装置の構成を示すブロック図である。
【
図11】
図11は、本発明の実施形態2に係る商品管理システムにおいて撮影される撮像画像の一例を示す図である。
【
図12】
図12は、本発明の実施形態2に係る商品管理システムにおいて印刷される値札の一例を示す図である。
【
図13】
図13は、本発明の実施形態2に係る商品管理システムにおいて実行される価格チェック処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であり、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
[実施形態1]
【0012】
[商品管理システム10]
図1に示されるように、本発明の実施形態1に係る商品管理システム10は、価格チェック装置1と商品管理サーバー2とを含む。価格チェック装置1及び商品管理サーバー2は、インターネット、LAN、WAN、又は公衆電話回線などの通信網N1を介して通信可能である。価格チェック装置1は、本発明のウェアラブル装置の一例である。価格チェック装置1は、例えば、店員(本発明のユーザーの一例)が装着可能なゴーグル、メガネ、ヘッドマウントディスプレイなどであってもよい。また、価格チェック装置1は、スマートフォンなどの携帯端末(モバイル端末)であってもよい。
図1には、ゴーグル型の価格チェック装置1を示している。
【0013】
商品管理システム10は、例えば、ショッピングモール、スーパーマーケット、コンビニエンスストアなど、商品を販売する施設(小売店舗)に導入される。施設の店員は、価格チェック装置1を装着して、施設内において複数の商品棚を巡回して商品の表示価格をチェックする作業を行う。例えば
図2に示すように、店員は、施設SH1において、商品棚T1~T16に沿って開始位置Sから終了位置Gまで巡回する。
【0014】
価格チェック装置1は、店員が巡回している間に、各商品棚に陳列された商品の表示価格(販売価格)をチェックする。
図3には、商品棚T1の一例を示している。商品棚T1には、商品ごとに値札3が貼付されている。値札3は、商品棚T1の棚板に貼付されてもよいし、商品に貼付されてもよい。値札3の詳細は後述する。
【0015】
商品管理サーバー2は、施設で販売する各商品の価格、在庫、売上などを管理する。
【0016】
価格チェック装置1は、施設に1台設置されてもよいし、複数台設置されてもよい。商品管理サーバー2は、施設内に設置されてもよいし、施設外に設置されてもよい。例えば、複数の店員がそれぞれ価格チェック装置1を装着して表示価格をチェックする作業を行ってもよい。
【0017】
実施形態1では、価格チェック装置1単体が本発明に係る商品管理システムに相当するが、本発明に係る商品管理システムは、価格チェック装置1及び商品管理サーバー2のうち一又は複数の構成要素を含むものであってもよい。例えば、価格チェック装置1及び商品管理サーバー2の構成要素が協働して後述する価格チェック処理(
図9及び
図13参照)を分担して実行する場合には、その処理を実行する複数の構成要素を含むシステムを本発明に係る商品管理システムとして捉えることが可能である。例えば、価格チェック装置1及び商品管理サーバー2が、本発明に係る商品管理システムを構成してもよい。
【0018】
[価格チェック装置1]
図1及び
図4に示すように、価格チェック装置1は、制御部11、記憶部12、表示部13、操作部14、カメラ15、及び通信部16などを備える情報処理装置である。価格チェック装置1は、ゴーグル型の形状を有し、店員が装着可能に形成されている。
【0019】
通信部16は、価格チェック装置1を無線で通信網N1に接続し、通信網N1を介して商品管理サーバー2などの外部機器との間で所定の通信プロトコルに従ったデータ通信を実行するための通信インターフェースである。
【0020】
カメラ15は、商品棚に貼付された値札3の画像を撮像してデジタル画像データとして出力するデジタルカメラである。カメラ15により撮像された画像データは制御部11に送信される。カメラ15は、例えば価格チェック装置1の片側のフレームに設けられる(
図1参照)。また、価格チェック装置1を店員が正しく装着した状態で、カメラ15は店員の視線方向を撮影するように設けられている。カメラ15は、本発明の撮像部の一例である。
【0021】
表示部13は、各種の情報を表示する液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイである。表示部13は、カメラ15の撮像画像を表示する。具体的には、カメラ15は所定のフレームレートで前方の撮影エリアを順次撮影し、表示部13はそれらの撮像画像を順次表示する。これにより、店員は眼の前の様子をリアルタイムに表示部13を通じて見ることができる。
【0022】
操作部14は、店員の操作を受け付ける。操作部14は、タッチパネルで構成されてもよい。
【0023】
記憶部12は、各種の情報を記憶するHDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)などの不揮発性の記憶部である。具体的に、記憶部12には、商品情報D1などのデータが記憶される。商品情報D1には、施設SH1で販売する各商品に関する情報が含まれる。
図5は、施設SH1に対応する商品情報D1の一例を示す図である。
【0024】
図5に示されるように、商品情報D1には、商品ごとに、対応する「コードID」、「商品ID」、「商品名」、「登録価格」などの情報が含まれる。前記コードIDは、値札3に含まれる情報コード(一次元コード、二次元コードなど)の識別情報である。前記商品IDは、施設SH1で販売する商品の識別情報であり、前記商品名は商品の名称である。前記登録価格は、商品に対して設定される販売価格であり、当該登録価格により会計が行われる。例えば、各商品には、前記登録価格が埋め込まれた情報コードが貼付されており、会計端末は、レジ(Cashier)において前記情報コードを読み取って前記登録価格の決済を行う。すなわち、前記登録価格は、POS端末に登録される価格情報と関連付けられている。
【0025】
施設SH1の管理者は、各商品に関する情報を商品情報D1に登録する。商品情報D1には、上述の各情報の他に、商品コード、在庫、販売実績などの情報が含まれてもよい。商品情報D1は、商品管理サーバー2又は施設SH1のPOS端末に記憶されてもよい。商品情報D1が商品管理サーバー2に記憶される場合、記憶部12は、商品情報D1を商品管理サーバー2からダウンロードしてもよい。
【0026】
また、商品情報D1が商品管理サーバー2に記憶される場合、価格チェック装置1の制御部11は、商品管理サーバー2から商品情報D1を取得して、後述の価格チェック処理(
図9及び
図13参照)などの各処理を実行してもよい。
【0027】
さらに、記憶部12には、制御部11に後述の価格チェック処理(
図9及び
図13参照)を実行させるための価格チェックプログラムなどの制御プログラムが記憶されている。例えば、前記価格チェックプログラムは、CD又はDVDなどのコンピュータ読取可能な記録媒体に非一時的に記録されており、価格チェック装置1が備えるCDドライブ又はDVDドライブなどの読取装置(不図示)で読み取られて記憶部12に記憶される。
【0028】
制御部11は、CPU、ROM、及びRAMなどの制御機器を有する。前記CPUは、各種の演算処理を実行するプロセッサーである。前記ROMは、前記CPUに各種の演算処理を実行させるためのBIOS及びOSなどの制御プログラムが予め記憶される不揮発性の記憶部である。前記RAMは、各種の情報を記憶する揮発性又は不揮発性の記憶部であり、前記CPUが実行する各種の処理の一時記憶メモリー(作業領域)として使用される。そして、制御部11は、前記ROM又は記憶部12に予め記憶された各種の制御プログラムを前記CPUで実行することにより価格チェック装置1を制御する。
【0029】
ここで、従来の技術では、店員が商品棚に陳列された各商品の値札をハンディターミナルにより一つずつ読み取ってチェックしなければならないため、作業効率が低下する問題が生じる。これに対して、実施形態1に係る価格チェック装置1によれば、商品の表示価格の正誤をチェックする作業の作業効率を向上させることが可能である。
【0030】
具体的に、制御部11は、
図4に示すように、画像取得部111、商品ID取得部112、登録価格取得部113、情報表示部114などの各種の処理部を含む。なお、制御部11は、前記CPUで前記価格チェックプログラムに従った各種の処理を実行することによって前記各種の処理部として機能する。また、一部又は全部の前記処理部が電子回路で構成されていてもよい。なお、前記価格チェックプログラムは、複数のプロセッサーを前記処理部として機能させるためのプログラムであってもよい。
【0031】
画像取得部111は、カメラ15により撮像される撮像画像を取得する。具体的には、画像取得部111は、カメラ15が所定のフレームレートで前方の撮影エリアを順次撮影した撮像画像を順次取得する。例えば、店員が価格チェック装置1を装着して商品棚T1の前に来ると、カメラ15は商品の値札3を撮影する。これにより、画像取得部111は、商品の値札3の画像を取得する。画像取得部111は、本発明の画像取得部の一例である。
【0032】
ここで、値札3の詳細について説明する。
図6には、商品A24に対応する値札3を例示している。値札3は、例えば商品A24が保管される棚板の前面に貼付される紙媒体である。値札3には、ARマーカ3aと、商品名3b(ここでは「A24」)と、商品の表示価格3c(ここでは「300円」)とが表示される。ARマーカ3aは、予め定められた形状及び大きさを有しており、内部には情報コード画像(例えば一次元コード画像)が描かれている。カメラ15が撮影した画像におけるARマーカ3aの位置、形状、大きさに基づいて、制御部11は値札3の位置及び向きを判断することができる。ARマーカ3aは、本発明の標識の一例である。値札3は、本発明の媒体の一例である。
【0033】
また、制御部11は、ARマーカ3aに表された情報コード画像をデコードすることにより、商品ID(識別情報)を読み出すことができる。また、表示価格3cは、ARマーカ3aに対して、予め定められた相対位置に表されている。すなわち、表示価格3cを構成する各数字は、ARマーカ3aに対して予め定められた相対位置に配置されている。このため、制御部11は、ARマーカ3aの位置に基づき、表示価格3cを構成する各数字の位置を特定することができる。
【0034】
ここでは、画像取得部111は、商品A24の商品ID(「0009」)を示すARマーカ3aと、商品A24の表示価格3c(「300円」)とを含む値札3の画像を取得する。
【0035】
商品ID取得部112は、画像取得部111により取得される値札3の画像に含まれるARマーカ3aから商品IDを取得する。具体的には、商品ID取得部112は、値札3の画像に含まれるARマーカ3aに描かれた情報コードをデコードして商品IDを取得する。なお、商品ID取得部112は、前記情報コードをデコードして情報コードのコードIDを取得し、商品情報D1(
図5参照)を参照して、当該コードIDに関連付けられた商品IDを取得してもよい。
図6に示す例では、商品ID取得部112は、値札3の画像に基づいて、商品A24の商品ID(「0009」)を取得する。商品ID取得部112は、本発明の識別情報取得部の一例である。
【0036】
登録価格取得部113は、商品情報D1(
図5参照)から、商品ID取得部112により取得される商品IDに関連付けられた登録価格を取得する。
図6に示す例では、登録価格取得部113は、商品ID「0009」に関連付けられた登録価格「300円」を取得する。登録価格取得部113は、本発明の登録価格取得部の一例である。
【0037】
情報表示部114は、各種画像を表示部13に表示させる。具体的には、情報表示部114は、画像取得部111がカメラ15から取得した撮像画像を表示部13に表示させる。例えば、店員が商品棚T1の前に来てカメラ15が商品A24,A34を含む撮影エリアを撮影した場合に、情報表示部114は、
図7に示す撮像画像P1を表示部13に表示させる。情報表示部114は、本発明の情報表示部の一例である。
【0038】
また、情報表示部114は、登録価格取得部113により取得される前記登録価格に基づく特定情報を値札3の画像の表示価格3cに応じた位置に表示させる。情報表示部114は、ARマーカ3aと表示価格との相対位置に基づいて、前記特定情報の表示位置を決定することができる。すなわち、情報表示部114は、表示部13に値札3の画像を表示させるとともに、値札3の画像に前記特定情報を合成して表示させる。
【0039】
具体的には、情報表示部114は、値札3の画像において、前記登録価格を表示価格3cに並べて表示させる。例えば、登録価格取得部113が商品A24(商品ID「0009」)の登録価格「300円」を取得すると、情報表示部114は、
図8に示すように、撮像画像P1において、登録価格3e(「300円」)を商品A24の表示価格3c(「300円」)の上方に並べて表示させる。また例えば、登録価格取得部113が商品A34(商品ID「0014」)の登録価格「250円」を取得すると、情報表示部114は、
図8に示すように、撮像画像P1において、登録価格3e(「250円」)を商品A34の表示価格3c(「280円」)の上方に並べて表示させる。
【0040】
なお、情報表示部114は、登録価格3eを目立つように強調表示させてもよい。例えば、情報表示部114は、登録価格3eを赤色で表示させてもよいし、点滅又は点灯表示させてもよい。また、登録価格が割引価格である場合には、情報表示部114は、割引情報(割引額、割引期間など)を登録価格3eと合わせて表示させてもよい。前記登録価格及び前記割引情報のそれぞれは、本発明の特定情報の一例である。
【0041】
図8に示す撮像画像P1によれば、店員は、商品A24の表示価格が登録価格に一致しており、商品A34の表示価格が登録価格に一致していないことを把握することができる。価格チェック装置1を装着した店員は、視線方向を変えることにより各商品の表示価格をチェックすることができる。
【0042】
図8に示すように、価格チェック装置1は、複数の商品をまとめてチェックしてもよい。すなわち、画像取得部111は、第1商品に対応する第1値札3と第2商品に対応する第2値札3とを含む撮像画像P1を取得する。商品ID取得部112は、画像取得部111により取得される撮像画像P1から、第1値札3に対応する第1商品の第1商品IDと、第2値札3に対応する第2商品の第2商品IDとを取得する。登録価格取得部113は、商品情報D1(
図5参照)から、第1商品IDに関連付けられた第1登録価格3eと、第2商品IDに関連付けられた第2登録価格3eとを取得する。そして、情報表示部114は、撮像画像P1において、第1登録価格3eを第1商品の表示価格3cに並べて表示させ、第2登録価格3eを第2商品の表示価格3cに並べて表示させる。このように、価格チェック装置1は、撮像画像P1に複数の値札3が含まれる場合に、1つの撮像画像P1において、複数の値札3のぞれぞれに対応する商品の登録価格を、それぞれの商品の表示価格に並べて表示させる。
【0043】
なお、価格チェック装置1は、商品を一つずつチェックしてもよい。
【0044】
[商品管理サーバー2]
図4に示すように、商品管理サーバー2は、制御部21、記憶部22、操作表示部23、及び通信部24などを備えるサーバーである。なお、商品管理サーバー2は、1台のコンピュータに限らず、複数台のコンピュータが協働して動作するコンピュータシステムであってもよい。また、商品管理サーバー2で実行される各種の処理を、一又は複数のプロセッサーが分散して実行してもよい。
【0045】
通信部24は、商品管理サーバー2を無線で通信網N1に接続し、通信網N1を介して価格チェック装置1などの外部機器との間で所定の通信プロトコルに従ったデータ通信を実行するための通信インターフェースである。
【0046】
操作表示部23は、各種の情報を表示する液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイのような表示部と、操作を受け付けるマウス、キーボード、又はタッチパネルのような操作部とを備えるユーザーインターフェースである。
【0047】
記憶部22は、各種の情報を記憶するHDD又はSSDなどの不揮発性の記憶部である。具体的に、記憶部22には、商品情報D1(
図5参照)などのデータが記憶される。
【0048】
また、記憶部22には、制御部21に各種制御処理を実行させるための制御プログラムが記憶されている。例えば、前記制御プログラムは、CD又はDVDなどのコンピュータ読取可能な記録媒体に非一時的に記録されており、商品管理サーバー2が備えるCDドライブ又はDVDドライブなどの読取装置(不図示)で読み取られて記憶部22に記憶される。
【0049】
制御部21は、CPU、ROM、及びRAMなどの制御機器を有する。前記CPUは、各種の演算処理を実行するプロセッサーである。前記ROMは、前記CPUに各種の演算処理を実行させるためのBIOS及びOSなどの制御プログラムが予め記憶される不揮発性の記憶部である。前記RAMは、各種の情報を記憶する揮発性又は不揮発性の記憶部であり、前記CPUが実行する各種の処理の一時記憶メモリー(作業領域)として使用される。そして、制御部21は、前記ROM又は記憶部22に予め記憶された各種の制御プログラムを前記CPUで実行することにより商品管理サーバー2を制御する。
【0050】
具体的には、制御部21は、施設で販売する各商品の価格、在庫、売上などを管理する。例えば、制御部21は、施設SH1の管理者の操作に基づいて商品情報D1を登録及び更新する。
【0051】
また、制御部21は、価格チェック装置1から取得する要求に応じて商品情報D1を価格チェック装置1に出力する。また、制御部21は、価格チェック装置1から取得する要求に応じて、登録価格の価格情報を価格チェック装置1に出力する。例えば、価格チェック装置1が商品A24のARマーカ3aから商品ID「0009」を取得し、商品ID「0009」に関連付けられた登録価格の情報について要求した場合に、制御部21は、商品情報D1から、商品ID「0009」に関連付けられた登録価格「300円」を取得して価格チェック装置1に登録価格「300円」の情報を出力する。
【0052】
[価格チェック処理]
以下、
図9を参照しつつ、実施形態1に係る価格チェック装置1の制御部11によって実行される前記価格チェック処理の一例について説明する。例えば、前記価格チェック処理は、価格チェック装置1の電源がON状態になった場合に制御部11によって開始される。
【0053】
なお、本発明は、制御部11が前記価格チェック処理の一部又は全部を実行する価格チェック方法の発明、又は、当該価格チェック方法の一部又は全部を制御部11に実行させるための価格チェックプログラムの発明として捉えてもよい。また、本発明は、一又は複数のプロセッサーが前記価格チェック処理を実行する価格チェック方法の発明であってもよい。価格チェック方法は、本発明の商品管理方法の一例であり、価格チェックプログラムは、本発明の商品管理プログラムの一例である。
【0054】
ステップS11において、制御部11は、ARマーカ3aを認識したか否かを判定する。例えば価格チェック装置1を装着した店員が商品棚T1の前に来て商品に視線を向けると、制御部11は、カメラ15から取得した撮像画像P1にARマーカ3aが含まれる場合にARマーカ3aを認識する。制御部11がARマーカ3aを認識すると(S11:Yes)、処理はステップS12に移行する。制御部11がARマーカ3aを認識しない場合(S11:Yes)、処理はステップS15に移行する。ステップS11は、本発明の画像取得ステップの一例である。
【0055】
ステップS12において、制御部11は、取得した撮像画像P1に含まれるARマーカ3aから商品IDを取得する。具体的には、制御部11は、撮像画像P1において、値札3の画像に含まれるARマーカ3aに描かれた情報コードをデコードして商品IDを取得する。
図7に示す例では、制御部11は、商品A24の値札3の画像に基づいて商品A24の商品ID(「0009」)を取得し、商品A34の値札3の画像に基づいて商品A34の商品ID(「0014」)を取得する。ステップS12は、本発明の識別情報取得ステップの一例である。
【0056】
次にステップS13において、制御部11は、商品IDに関連付けられた登録価格を取得する。具体的には、制御部11は、商品情報D1(
図5参照)から、ステップS12において取得した商品IDに関連付けられた登録価格を取得する。
図7に示す例では、制御部11は、商品ID「0009」に関連付けられた登録価格「300円」と、商品ID「0014」に関連付けられた登録価格「250円」とを取得する。ステップS13は、本発明の登録価格取得ステップの一例である。
【0057】
次にステップS14において、制御部11は、取得した登録価格を値札3の画像の表示価格3cに応じた位置に表示させる。例えば
図8に示すように、制御部11は、撮像画像P1において、商品A24(商品ID「0009」)の登録価格3e(「300円」)を商品A24の表示価格3c(「300円」)の上方に並べて表示させ、商品A34(商品ID「0014」)の登録価格3e(「250円」)を商品A34の表示価格3c(「280円」)の上方に並べて表示させる。ステップS14は、本発明の情報表示ステップの一例である。
【0058】
次にステップS15において、制御部11は、作業が終了したか否かを判定する。例えば店員が商品棚T1~T16(
図2参照)を巡回して全ての商品の価格チェックが完了した場合に、制御部11は作業が終了したと判定する。作業が終了すると(S15:Yes)、制御部11は、前記価格チェック処理を終了する。作業が終了していない場合(S15:No)、処理はステップS11に戻り、制御部11は上述の処理を繰り返す。
【0059】
以上説明したように、実施形態1に係る商品管理システム10は、商品に対応して設けられ、当該商品の商品IDを示すARマーカ3aと当該商品の表示価格とを含む値札3の画像を取得し、取得される値札3の画像に含まれるARマーカ3aから商品IDを取得する。また、商品管理システム10は、商品の商品IDに関連付けて前記商品の登録価格を記憶する記憶部(商品情報D1)から、取得される商品IDに関連付けられた前記登録価格を取得し、取得される前記登録価格に基づく特定情報を値札3の画像の前記表示価格に応じた位置に表示させる。
【0060】
上記構成によれば、店員は商品棚の前で商品に視線を向けるだけで、自身に装着した価格チェック装置1において、当該商品の適正な登録価格を当該商品の表示価格と比較可能な位置に表示させることができる。このため、店員は、価格チェック装置1において、表示価格が登録価格に一致しているか否か(表示価格の正誤)を容易にチェックすることができる。そして、店員は、商品棚に対する視線方向を順次変えることにより、商品棚の各商品の価格を順次チェックすることができる。このように、各商品の価格をチェックする際に店員の操作を必要としないため、価格チェックの作業効率を向上させることができる。
【0061】
[実施形態2]
本発明は上述の実施形態1に限定されず、以下に示す実施形態2であってもよい。なお、実施形態2において、実施形態1と同一の構成については同一の符号を付しその説明を適宜省略する。すなわち、以下では、主に実施形態1との相違点について説明する。
【0062】
図10は、実施形態2に係る価格チェック装置1の構成を示すブロック図である。実施形態2に係る価格チェック装置1は、実施形態1に係る価格チェック装置1の構成(
図4参照)に加えて、さらに、表示価格取得部115、価格判定部116、及び印刷処理部117を備える。
【0063】
表示価格取得部115は、画像取得部111により取得される値札3の画像から、商品の表示価格を取得する。
図7に示す例では、表示価格取得部115は、商品A24の値札3の画像から表示価格3c(「300円」)を取得し、商品A34の値札3の画像から商品A34の表示価格3c(「280円」)を取得する。なお、表示価格取得部115は、値札3の画像を解析し周知の方法により文字認識して表示価格3cを取得することが可能である。表示価格取得部115は、本発明の表示価格取得部の一例である。
【0064】
価格判定部116は、表示価格取得部115により取得される表示価格3cと登録価格取得部113により取得される登録価格3eとが一致するか否かを判定する。
図7に示す例では、価格判定部116は、商品A24について表示価格「300円」と登録価格「300円」(
図5参照)とが一致すると判定し、商品A34について表示価格「280円」と登録価格「250円」(
図5参照)とが一致しないと判定する。価格判定部116は、本発明の価格判定部の一例である。
【0065】
情報表示部114は、価格判定部116の判定結果に応じた特定情報を値札3の画像の表示価格3cに応じた位置に表示させる。例えば
図11に示すように、情報表示部114は、商品A24について表示価格「300円」と登録価格「300円」とが一致することを示す一致マーク3fを表示価格3cに重なるように表示させ、商品A34について表示価格「280円」と登録価格「250円」とが一致しないことを示す不一致マーク3gを表示価格3cに重なるように表示させる。
【0066】
図11に示す撮像画像P1によれば、店員は、商品A24の表示価格が正しいこと、商品A34の表示価格が誤っていること、を一見して把握することができる。
【0067】
なお、情報表示部114は、撮像画像P1において、表示価格3cの位置に対応する位置に、登録価格3eと、一致マーク3f及び不一致マーク3gとを並べて表示させてもよい。一致マーク3f及び不一致マーク3gのそれぞれは、本発明の特定情報の一例である。
【0068】
印刷処理部117は、値札3を印刷する印刷部(不図示)に印刷処理を実行させる。前記印刷部は、店員が携帯するハンディターミナルに設けられてもよいし、施設SH1の事務所などに設置される施設端末に設けられてもよい。
【0069】
例えば、印刷処理部117は、表示価格取得部115により取得される表示価格3cと登録価格取得部113により取得される登録価格3eとが一致しない場合に、商品に対応するARマーカ3aと商品の登録価格3eとを含む値札3を印刷する印刷処理を実行させる。
図12には、商品A34に対応する、印刷された値札3の一例を示している。値札3には、商品A34の商品ID「0014」が関連付けられたARマーカ3aと、商品名3b(「A34」)と、商品A34の適正な表示価格3c(「250円」)とが表示される。店員は、印刷された値札3を受け取ると、当該値札3を商品A34の棚板(
図3参照)に貼付する。
【0070】
ここで、印刷処理部117は、店員の所定の操作を取得した場合に前記印刷処理を実行させてもよい。例えば、カメラ15は、店員のジェスチャー操作を撮像する。印刷処理部117は、カメラ15の撮像画像に含まれる前記ジェスチャー操作が予め設定された操作である場合に前記印刷処理を実行させる。例えば、店員が
図11に示す撮像画像P1において不一致マーク3gを指でタッチする操作を行った場合に、印刷処理部117は、タッチ位置に応じた商品A34の値札3の印刷処理を実行させる。
【0071】
前記所定の操作は、前記ジェスチャー操作に限定されない。他の実施形態として、印刷処理部117は、店員が価格チェック装置1に設けられた印刷ボタン(不図示)を押下(ボタン操作)した場合に印刷処理を実行させてもよい。印刷処理部117は、本発明の印刷処理部の一例である。
【0072】
[価格チェック処理]
以下、
図13を参照しつつ、実施形態2に係る価格チェック装置1の制御部11によって実行される前記価格チェック処理の一例について説明する。
【0073】
ステップS21~S23の処理は、実施形態1に係る価格チェック処理(
図9参照)のステップS11~S13の処理と同一である。
【0074】
ステップS24において、制御部11は、カメラ15から取得した撮像画像P1に含まれる値札3の画像から、商品の表示価格を取得する。
図7に示す例では、制御部11は、商品A24の値札3の画像から表示価格3c(「300円」)を取得し、商品A34の値札3の画像から商品A34の表示価格3c(「280円」)を取得する。
【0075】
次にステップS25において、ステップS23において取得した登録価格3eとステップS24において取得した表示価格3cとが一致するか否かを判定する。
図7に示す例では、制御部11は、商品A24について表示価格「300円」と登録価格「300円」(
図5参照)とが一致すると判定し、商品A34について表示価格「280円」と登録価格「250円」(
図5参照)とが一致しないと判定する。登録価格3eと表示価格3cとが一致する場合(S25:Yes)、処理はステップS251に移行する。一方、登録価格3eと表示価格3cとが一致しない場合(S25:No)、処理はステップS26に移行する。
【0076】
なお、撮像画像P1に複数の表示価格3cが含まれる場合、制御部11は、ステップS25において、複数の表示価格3cのうち登録価格3eに一致しない表示価格3cが存在するか否かを判定する。複数の表示価格3cのうち登録価格3eに一致しない表示価格3cが少なくとも一つ存在する場合は、処理はステップS26に移行する。一方、全ての表示価格3cがそれぞれ登録価格3eと一致する場合は、処理はステップS251に移行する。
【0077】
ステップS251では、制御部11は、表示価格3cが正しいことを示す一致マーク3f(特定情報)を撮像画像P1に表示させる。例えば
図11に示すように、制御部11は、商品A24について表示価格「300円」と登録価格「300円」とが一致することを示す一致マーク3fを表示価格3cに重なるように表示させる。その後、処理はステップS29に移行する。
【0078】
ステップS26では、制御部11は、表示価格3cが誤りであることを示す不一致マーク3g(特定情報)を撮像画像P1に表示させる。例えば
図11に示すように、制御部11は、商品A34について表示価格「280円」と登録価格「250円」とが一致しないことを示す不一致マーク3gを表示価格3cに重なるように表示させる。その後、処理はステップS27に移行する。
【0079】
ステップS27において、制御部11は、表示価格3cが誤っている商品の値札3について、適正な表示価格3cが表示された値札3を印刷する印刷指示を取得したか否かを判定する。例えば、店員が所定のジェスチャー操作又は印刷ボタンによる印刷指示を行った場合に、制御部11は印刷指示を取得する。制御部11が前記印刷指示を取得すると(S27:Yes)、処理はステップS28に移行する。制御部11が前記印刷指示を取得しない場合(S27:No)、処理はステップS29に移行する。
【0080】
ステップS28では、制御部11は、商品に対応するARマーカ3aと商品の登録価格3eとを含む値札3を印刷する印刷処理を実行させる。例えば、制御部11は、商品A34の商品ID「0014」が関連付けられたARマーカ3aと、商品名3b(「A34」)と、商品A34の適正な表示価格3c(「250円」)とが表された値札3を印刷させる(
図12参照)。店員は、印刷された値札3を受け取ると、当該値札3を商品A34の棚板(
図3参照)の前面に貼付する。
【0081】
ステップS29において、制御部11は、作業が終了したか否かを判定する。例えば店員が商品棚T1~T16(
図2参照)を巡回して全ての商品の価格チェックが完了した場合に、制御部11は作業が終了したと判定する。作業が終了すると(S29:Yes)、制御部11は、前記価格チェック処理を終了する。作業が終了していない場合(S29:No)、処理はステップS21に戻り、制御部11は上述の処理を繰り返す。
【0082】
実施形態2に係る商品管理システム10によれば、値札3の表示価格3cが登録価格3eと一致している場合に、表示価格3cが正しいことを示す情報(特定情報)が撮像画像P1に合成表示され、値札3の表示価格3cが登録価格3eと一致しない場合に、表示価格3cが誤りであることを示す情報(特定情報)が撮像画像P1に合成表示される。このため、店員は、表示価格3cの正誤を一見してチェックすることができる。
【0083】
また、表示価格3cが誤りである場合に、正しい表示価格3cの値札3を印刷させることができるため、店員は、表示価格3cの交換作業を迅速に行うことができる。よって、価格チェックの作業効率を向上させることができる。
【0084】
本発明の他の実施形態として、価格チェック装置1は、店員が所持する携帯端末(例えばスマートフォン)であってもよい。この場合、店員は、表示価格をチェックする作業において、商品棚に設置された値札3を自身の携帯端末のカメラにより撮影する。携帯端末は、カメラによる撮像画像を取得して表示価格をチェックする上述の処理を実行する。
【0085】
また本発明の他の実施形態として、商品管理サーバー2が、価格チェック装置1の各処理部を備えてもよい。この場合、商品管理サーバー2の制御部21は、価格チェック装置1から撮像画像P1を取得して、値札3の画像に含まれるARマーカ3aから商品IDを取得し、商品情報D1から、商品IDに関連付けられた登録価格を取得し、取得した登録価格に基づく特定情報(登録価格、割引情報、一致マーク、不一致マークなど)を、価格チェック装置1の表示部13において、値札3の画像の前記表示価格に応じた位置に表示させる。また、制御部21は、表示価格と登録価格とが一致するか否かを判定し、表示価格と登録価格とが一致しない場合に正しい値札3の印刷処理を実行させる。なお、商品管理サーバー2は、施設SH1のPOS端末であってもよいし、クラウドサーバーであってもよい。
【0086】
なお、本発明の価格チェック装置は、所定のエリアを自律走行する自律走行ロボットであってもよい。自律走行ロボットは、所定のエリアを自律走行しながら商品の値札を撮像し、当該値札の商品に対応する登録価格を取得してユーザー端末(店員端末、店舗端末など)に表示させてもよい。
【符号の説明】
【0087】
1 :価格チェック装置
2 :商品管理サーバー
3 :値札
3a :ARマーカ
3b :商品名
3c :表示価格
3e :登録価格
10 :商品管理システム
11 :制御部
12 :記憶部
13 :表示部
14 :操作部
15 :カメラ
111 :画像取得部
112 :商品ID取得部
113 :登録価格取得部
114 :情報表示部
115 :表示価格取得部
116 :価格判定部
117 :印刷処理部