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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022188833
(43)【公開日】2022-12-22
(54)【発明の名称】空調換気指令装置
(51)【国際特許分類】
   G05D 23/30 20060101AFI20221215BHJP
   F24F 7/06 20060101ALI20221215BHJP
   F24F 3/044 20060101ALI20221215BHJP
   F24F 11/70 20180101ALI20221215BHJP
   F24F 7/007 20060101ALI20221215BHJP
【FI】
G05D23/30
F24F7/06 B
F24F3/044
F24F11/70
F24F7/007 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021097059
(22)【出願日】2021-06-10
(71)【出願人】
【識別番号】507250427
【氏名又は名称】日立GEニュークリア・エナジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】細川 雄治
(72)【発明者】
【氏名】菊地 泰紀
【テーマコード(参考)】
3L053
3L056
3L058
3L260
5H323
【Fターム(参考)】
3L053BB01
3L056BD02
3L058BG04
3L260AB15
3L260BA02
3L260BA12
3L260BA13
3L260CB22
3L260FA03
5H323AA12
5H323BB04
5H323BB09
5H323CA02
5H323CB25
5H323FF03
5H323HH02
5H323JJ04
(57)【要約】
【課題】空調対象空間の温度を適切に制御できるようにする。
【解決手段】空調換気指令装置200は、空調対象空間に設けられた電気機器31,32,33に供給される電力または電流の計測信号I1,I2,I3を受信する受信部202と、計測信号I1,I2,I3に基づいて、空調対象空間の温度の増減を指令する指令信号SRを出力する指令信号出力部204と、を備える。好ましくは、電気機器31,32,33は、遮断器11,12,13を介して電力を受電するものであり、受信部202は、遮断器11,12,13の開閉状態を示す開閉信号S1,S2,S3を受信するとよい。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空調対象空間に設けられた電気機器に供給される電力または電流の計測信号を受信する受信部と、
前記計測信号に基づいて、前記空調対象空間の温度の増減を指令する指令信号を出力する指令信号出力部と、を備える
ことを特徴とする空調換気指令装置。
【請求項2】
前記電気機器は、遮断器を介して電力を受電するものであり、
前記受信部は、前記遮断器の開閉状態を示す開閉信号を受信するものであり、
前記指令信号出力部は、さらに、前記開閉信号に基づいて、前記指令信号を出力する
ことを特徴とする請求項1に記載の空調換気指令装置。
【請求項3】
前記指令信号出力部は、前記計測信号の合計値を平滑化し、平滑化した前記合計値に基づいて、前記指令信号を出力する機能を有する
ことを特徴とする請求項1に記載の空調換気指令装置。
【請求項4】
複数の前記電気機器は、複数の空調対象空間に設けられ、
前記指令信号出力部は、複数の空調対象空間に各々設けられた複数の空調換気装置に対して各々の前記指令信号を出力するものであり、
複数の前記空調換気装置の空調負荷が近づくように、複数の前記電気機器のオン/オフ状態を切り替えるバランス制御部をさらに備える
ことを特徴とする請求項1に記載の空調換気指令装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空調換気指令装置に関する。
【背景技術】
【0002】
本技術分野の背景技術として、下記特許文献1の要約には、「本発明に係る空気調和システムは、空調対象空間の温度から設定温度を減算した値である温度差が第1温度差となっている状態を第1温度差状態とし、前記温度差が前記第1温度差よりも小さい第2温度差となっている状態を第2温度差状態とした場合、前記第2温度差状態のときに室内機の第1熱交換器を流れる冷媒の温度は、前記第1温度差状態のときよりも高くなり、前記空調対象空間の絶対湿度から設定湿度を減算した値である湿度差が第1湿度差となっている状態を第1湿度差状態とし、前記湿度差が前記第1湿度差よりも小さい第2湿度差となっている状態を第2湿度差状態とした場合、前記第2湿度差状態のときに外気供給機から供給される供給空気の温度は、前記第1湿度差状態のときよりも高くなる。」と記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-016419号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、単に空調対象空間の温度を監視しながら温度制御を行うと、温度制御に遅れが生じる等、適切な温度制御ができない場合がある。特に、温度制御に遅れが生じると、空調対象空間内の電気機器に与える熱的負担が大きくなることが考えられる。
この発明は上述した事情に鑑みてなされたものであり、空調対象空間の温度を適切に制御できる空調換気指令装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため本発明の空調換気指令装置は、空調対象空間に設けられた電気機器に供給される電力または電流の計測信号を受信する受信部と、前記計測信号に基づいて、前記空調対象空間の温度の増減を指令する指令信号を出力する指令信号出力部と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、空調対象空間の温度を適切に制御できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1実施形態による制御システムのブロック図である。
図2】第1実施形態における指令信号出力部のブロック図である。
図3】指令信号出力部の動作の一例を示す模式図である。
図4】第2実施形態における指令信号出力部のブロック図である。
図5】第3実施形態による制御システムのブロック図である。
図6】第3実施形態における指令信号出力部のブロック図である。
図7】第4実施形態による制御システムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態による制御システム1のブロック図である。
図1において、制御システム1は、電源盤10と、電気機器31,32,33と、制御装置200(空調換気指令装置)と、空調制御装置40と、空調換気装置50と、を備えている。また、電源盤10は、遮断器11,12,13,14,15と、電流計測器21,22,23と、を備えている。制御システム1の各要素は、共通の空調対象空間(図示せず)内に設置され、各要素は動作に伴って発熱する。
【0009】
空調換気装置50は、空調対象空間の空気調和および換気を行う。制御装置200は、遮断器11,12,13の開閉状態および電流計測器21,22,23が計測した電流値等に基づいて、空調換気装置50の空調負荷に対応する指令信号SRを出力する。空調制御装置40は、指令信号SRに応じた空調負荷を実現するように、空調換気装置50を制御する。
【0010】
遮断器11,12,13は、電気機器31,32,33に対する電源線(符号なし)に挿入されており、各々の開閉状態を開閉信号S1,S2,S3として制御装置200に供給する。但し、制御装置200の側から開閉信号S1,S2,S3を出力し、遮断器11,12,13の開閉制御を行うようにしてもよい。電気機器31,32,33のそれぞれの消費電力(有効電力)をP1,P2,P3と呼び、電流値をI1,I2,I3(計測信号)と呼ぶ。電流計測器21,22,23は、電流値I1,I2,I3を計測し、制御装置200に供給する。なお、遮断器11,12,13としてデジタル保護リレーを適用する場合、電流値I1,I2,I3は、これらデジタル保護リレーの計測値であってもよい。
【0011】
電流値I1,I2,I3は、制御装置200が消費電力P1,P2,P3に応じた制御を行うために制御装置200に供給される。すなわち、図示の例では、電気機器31,32,33の力率およびこれらに印加される電源電圧が一定とみなし得ると想定しているため、電流値I1,I2,I3が求まれば、消費電力P1,P2,P3を一意に特定できる。但し、電源電圧や電気機器31,32,33の力率が無視できない程度に変動する場合は、電流計測器21,22,23に代えて電力計測器(図示せず)を設け、これらによって計測した消費電力P1,P2,P3を制御装置200に供給してもよい。
【0012】
制御装置200は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等、一般的なコンピュータとしてのハードウエア(何れも図示略)を備えており、HDDまたはSSDには、OS(Operating System)、アプリケーションプログラム、各種データ等が格納されている。OSおよびアプリケーションプログラムは、RAMに展開され、CPUによって実行される。図1において、制御装置200の内部は、アプリケーションプログラム等によって実現される機能を、ブロックとして示している。
【0013】
すなわち、制御装置200は、受信部202と、指令信号出力部204と、を備えている。受信部202は、上述の電流値I1,I2,I3と、開閉信号S1,S2,S3とを受信する。また、指令信号出力部204は、電流値I1,I2,I3を加算した結果に基づいて、指令信号SRを出力する。
【0014】
図2は、本実施形態における指令信号出力部204のブロック図である。
図2において、指令信号出力部204は、低域通過フィルタ212と、乗算部214と、HVG(High Value Gate;高値制御部)250と、を備えている。図中の合計電流値IL(合計値)は、電流値I1,I2,I3(図1参照)の合計値である。低域通過フィルタ212は、例えば一時遅れの伝達関数を有し、合計電流値ILの低域通過フィルタ処理を行った結果を、低域成分値IKとして出力する。
【0015】
許容最高温度フラグSTは、空調対象空間における温度が、所定温度(例えば許容される最高温度)に達した場合は「1」、それ以外の場合は「0」になるフラグである。指令信号最高値SIは、空調換気装置50の最大空調負荷に対応する指令信号SRの値である。乗算部214は、許容最高温度フラグSTと、指令信号最高値SIとを乗算し、その乗算結果S214を出力する。従って、乗算結果S214は、空調対象空間における温度が、上述の所定温度に達した場合は指令信号最高値SIに等しい値になり、それ以外の場合は「0」になる。HVG250は、低域成分値IKのピーク値および乗算結果S214のピーク値のうち、最高値を指令信号SRとして出力する。なお、図2に示した論理構成は一例であり、同様の動作を実現する論理構成であれば適用可能である。
【0016】
図3は、指令信号出力部204の動作の一例を示す模式図である。
まず、上述のように、合計電流値ILは、電流値I1,I2,I3の合計値であり、合計電流値ILのピーク値をILpと呼ぶ。一般的に、空調換気装置50が実現すべき空調能力は、電気機器31,32,33の発生熱量のピークによって算出される。従って、電流値I1,I2,I3が急峻に変化しない場合、指令信号SRは、ピーク値ILpに比例する値になると考えることができる。しかし、電気機器31,32,33の中には、例えば電動弁など、電流が短時間しか流れないものがある。この種の電気機器の中には、空調対象空間の熱量容量も考慮すると、空調対象空間の温度上昇には、さほど影響しないものもある。
【0017】
本実施形態においては、省エネルギーを実現するため、これら温度上昇にさほど影響しない、過渡的な電流成分を抑制している。具体的には、低域通過フィルタ212(図2参照)が、合計電流値ILに対するフィルタ処理を行い、その結果を低域成分値IKとして出力する。なお、低域成分値IKのピーク値をIKpと呼ぶ。そして、HVG250は、乗算結果S214が「0」であれば、このピーク値IKpを、指令信号SRとして出力する。これにより、ピーク値ILpに対応する消費電力から、ピーク値IKpに対応する消費電力まで、空調換気装置50の省エネルギーを果たすことができ、空調換気装置50を小容量化することもできる。
【0018】
なお、上述の例では、制御装置200は、電流値I1,I2,I3等に基づいて指令信号SRを生成したが、開閉信号S1,S2,S3すなわち電気機器31,32,33のオン/オフ状態等に基づいて指令信号SRを生成してもよい。電気機器31,32,33がオン状態である場合の消費電流が略一定である場合は、開閉信号S1,S2,S3によって電気機器31,32,33の総消費電流を推定できるため、この推定結果に応じて指令信号SRを生成することができる。
【0019】
[第2実施形態]
次に、第2実施形態について説明する。なお、以下の説明において、上述した第1実施形態の各部に対応する部分には同一の符号を付し、その説明を省略する場合がある。
第2実施形態による制御システムの全体構成は、第1実施形態のもの(図1参照)と同様である。但し、指令信号出力部204の構成は、以下説明するように第1実施形態のものとは異なる。
【0020】
図4は、本実施形態における指令信号出力部204のブロック図である。
本実施形態における指令信号出力部204は、第1実施形態の要素(図2参照)に加えて、減算部216,218を備えている。減算部216は、計測温度Tmから設定温度Tsを減算し、減算結果S216を出力する。ここで、計測温度Tmとは、空調対象空間の温度であり、設定温度Tsとは計測温度Tmの目標値である。
【0021】
また、減算部218は、計測線量Qmから設定線量Qsを減算し、減算結果S218を出力する。ここで、計測線量Qmとは、空調対象空間における放射線の線量である。また、設定線量Qsとは、「計測線量Qmをこの値以下にすることが好ましい」という計測線量Qmの閾値である。但し、減算結果S218は、「Qm≧Qs」である場合は「Qm-Qs」になり、「Qm<Qs」である場合は「0」になる値である。
【0022】
減算結果S216,S218は、HVG250に供給される。これにより、HVG250は、低域成分値IKのピーク値IKp、乗算結果S214のピーク値、減算結果S216のピーク値、または減算結果S218のピーク値のうち、最も高い値を指令信号SRとして出力する。ここで、減算結果S216のピーク値が指令信号SRになると、空調換気装置50(図1参照)は、計測温度Tmを設定温度Tsに近づけるように動作する。また、減算結果S218のピーク値が指令信号SRになると、空調換気装置50は、計測線量Qmが設定線量Qs以下になるように動作する。すなわち、空調対象空間を換気することにより、空気中に浮遊する放射線の原因物質を外部に排出する。
【0023】
[第3実施形態]
次に、第3実施形態について説明する。なお、以下の説明において、上述した他の実施形態の各部に対応する部分には同一の符号を付し、その説明を省略する場合がある。
図5は、第3実施形態による制御システム3のブロック図である。
図5において、制御システム3は、電源盤60と、電気機器81,82と、制御装置200と、空調制御装置40と、空調換気装置50と、を備えている。また、電源盤60は、遮断器14,15,61,62と、電流計測器71,72と、を備えている。
【0024】
また、図示は省略するが、制御システム3は、制御システム1(図1参照)と同様に、電気機器31,32,33を備えている。同様に、図示は省略するが、電源盤60は、電源盤10(図1参照)と同様に、遮断器11,12,13と、電流計測器21,22,23と、を備えている。これら遮断器11,12,13および電流計測器21,22,23は、制御装置200に対して、開閉信号S1,S2,S3および電流値I1,I2,I3を、それぞれ供給する。
【0025】
電気機器81,82は、主として緊急時に動作する機器である。遮断器61,62は、事故時等の緊急時に自動投入され、それぞれ電気機器81,82に対して電力を供給する。遮断器61,62は、各々の開閉状態を、開閉信号S61,S62として制御装置200に供給する。開閉信号S61,S62は、開状態で「0」、閉状態で「1」になる信号である。電流計測器71,72は、電気機器81,82に供給される電流値を計測し、制御装置200に供給する。
【0026】
図6は、本実施形態における指令信号出力部204のブロック図である。
本実施形態における指令信号出力部204は、第1実施形態の要素(図2参照)に加えて、演算部222を備えている。演算部222は、開閉信号S61,S62と、指令信号最高値SIとを受信し、開閉信号S61,S62のうち一方または双方が「1」である場合は、「S222=SI」となる演算結果S222を出力する。一方、開閉信号S61,S62の双方が「0」である場合、演算部222は「S222=0」となる演算結果S222を出力する。
【0027】
上述のように、遮断器61,62は、事故時等の緊急時に自動投入される。その際、演算結果S222は指令信号最高値SIに等しくなり、指令信号SRも指令信号最高値SIに等しくなる。これにより、事故時等の緊急時に、空調換気装置50を最大空調負荷で運転することができる。
【0028】
なお、上述した例においては、空調換気装置50を最大空調負荷で運転すべき場合の例を説明したが、開閉信号S1,S2,S3,S61,S62の値と、空調換気装置50の運転モードまたは空調負荷とが対応する場合は、これら開閉信号に対応する運転モードまたは空調負荷で空調換気装置50を運転させてもよい。
【0029】
[第4実施形態]
図7は、第4実施形態による制御システム4のブロック図である。なお、以下の説明において、上述した他の実施形態の各部に対応する部分には同一の符号を付し、その説明を省略する場合がある。
図7において、制御システム4は、サブシステム4A,4Bを備えている。サブシステム4Aは、電源盤10と、電気機器31,32と、制御装置200と、空調制御装置40と、空調換気装置50と、を備えている。これらの要素は第1実施形態の制御システム1(図1参照)のものと同様である。
【0030】
また、サブシステム4Bは、各々サブシステム4Aの要素に対応する要素を備えている。すなわち、サブシステム4Bは、電源盤110と、電気機器131,132と、制御装置220(空調換気指令装置)と、空調制御装置140と、空調換気装置150と、を備えている。サブシステム4A,4Bは、別個の空調対象空間(図示せず)に配置され、空調換気装置50,150は、各々の空調対象空間の空気調和および換気を行う。
【0031】
サブシステム4Aにおける電流値I1,I2の合計を合計電流値IL1と呼ぶ。また、サブシステム4Bにおける電流値I1,I2の合計を合計電流値IL2と呼ぶ。制御装置200,220は、それぞれバランス制御部206,226を備えている。バランス制御部206,226は、合計電流値IL1,IL2がバランスするように(相互に近づくように)、電源盤10,110内の遮断器11,12の開閉状態を切り替える機能を有している。
【0032】
本実施形態によれば、サブシステム4A,4Bにおける合計電流値IL1,IL2をバランスさせることができる。これにより、サブシステム4A,4Bの各要素からの発熱量を同程度とすることができ、空調換気装置50,150の空調負荷も同程度とすることができる。これにより、空調換気装置50,150の消費電力の合計値を小さくすることができる。なお、上述の例では、制御システム4は2台の制御装置200,220を備えているが、これらの機能を一台の制御装置に統合し、この一台の制御装置によってサブシステム4A,4Bの双方を制御してもよい。
【0033】
[変形例]
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。上述した実施形態は本発明を理解しやすく説明するために例示したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について削除し、もしくは他の構成の追加・置換をすることが可能である。また、図中に示した制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上で必要な全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。上記実施形態に対して可能な変形は、例えば以下のようなものである。
【0034】
(1)上記実施形態における制御装置200,220のハードウエアは一般的なコンピュータによって実現できるため、上述した各種処理を実行するプログラム等を記憶媒体に格納し、または伝送路を介して頒布してもよい。
【0035】
(2)図3図4図6に示した処理、その他上述した各処理は、上記実施形態ではプログラムを用いたソフトウエア的な処理として説明したが、その一部または全部をASIC(Application Specific Integrated Circuit;特定用途向けIC)、あるいはFPGA(Field Programmable Gate Array)等を用いたハードウエア的な処理に置き換えてもよい。
【0036】
(3)上記実施形態において実行される各種処理は、図示せぬネットワーク経由でサーバコンピュータが実行してもよく、上記実施形態において記憶される各種データも該サーバコンピュータに記憶させるようにしてもよい。
【0037】
[実施形態の効果]
以上のように、上述した実施形態によれば、空調換気指令装置(200)は、空調対象空間に設けられた電気機器31,32,33に供給される電力または電流の計測信号(I1,I2,I3)を受信する受信部202と、計測信号(I1,I2,I3)に基づいて、空調対象空間の温度の増減を指令する指令信号SRを出力する指令信号出力部(204)と、を備える。これにより、電気機器31,32,33が熱量を発生する時期に合わせて指令信号SRを更新することができ、空調対象空間の温度を適切に制御できる。
【0038】
また、電気機器31,32,33は、遮断器11,12,13を介して電力を受電し、受信部202は、遮断器11,12,13の開閉状態を示す開閉信号S1,S2,S3を受信し、指令信号出力部(204)は、さらに、開閉信号S1,S2,S3に基づいて、指令信号SRを出力すると一層好ましい。これにより、遮断器11,12,13の開閉状態によって予測される状態に応じて、指令信号SRを更新することができる。
【0039】
また、指令信号出力部(204)は、計測信号(I1,I2,I3)の合計値(IL)を平滑化し、平滑化した合計値(IL)に基づいて、指令信号SRを出力する機能を有すると一層好ましい。これにより、空調対象空間の温度上昇にさほど影響されない過渡的な電流成分に基づいて指令信号SRが変化することを抑制でき、省エネルギーを実現できる。
【0040】
また、図7のように、複数の電気機器31,32,131,132が、複数の空調対象空間に設けられ、指令信号出力部(204)が、複数の空調対象空間に各々設けられた複数の空調換気装置50,150に対して各々の指令信号SRを出力する場合、空調換気指令装置(200,220)は、複数の空調換気装置50,150の空調負荷が近づくように、複数の電気機器31,32,131,132のオン/オフ状態を切り替えるバランス制御部206,226をさらに備えると一層好ましい。これにより、複数の空調換気装置50,150の空調負荷を同程度とすることができ、複数の空調換気装置50,150の消費電力の合計値を小さくすることができる。
【符号の説明】
【0041】
31,32,33,131,132 電気機器
50 空調換気装置
50,150 空調換気装置
200,220 制御装置(空調換気指令装置)
202 受信部
204 指令信号出力部
206,226 バランス制御部
IL 合計電流値(合計値)
SR 指令信号
I1,I2,I3 電流値(計測信号)
S1,S2,S3 開閉信号
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7