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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022188837
(43)【公開日】2022-12-22
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20221215BHJP
【FI】
A63F7/02 304D
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021097066
(22)【出願日】2021-06-10
(71)【出願人】
【識別番号】000132747
【氏名又は名称】株式会社ソフイア
(74)【代理人】
【識別番号】100098073
【弁理士】
【氏名又は名称】津久井 照保
(74)【代理人】
【識別番号】100097984
【弁理士】
【氏名又は名称】川野 宏
(72)【発明者】
【氏名】田中 雅也
【テーマコード(参考)】
2C088
【Fターム(参考)】
2C088EB78
(57)【要約】
【課題】演出装置によって興趣を高めることができる遊技機を提供する。
【解決手段】複数の識別情報を変動表示させる変動表示ゲームを実行可能なパチンコ遊技機において、前方の遊技者側へ向けて風を送る送風演出を実行可能な送風装置184を備え、送風装置184には、送風演出を実行する際に動作可能な送風開閉扉186を備え、送風演出に関連する特定演出として送風示唆演出を実行可能であり、送風示唆演出が実行される変動表示ゲームにおいて送風開閉扉186を開状態とする。
【選択図】図14
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の識別情報を変動表示させる変動表示ゲームを実行可能な遊技機において、
動作演出を実行可能な演出装置を備え、
前記演出装置には、前記動作演出を実行する際に動作可能な可動部材を備え、
前記動作演出に関連する特定演出を実行可能であり、
前記特定演出が実行される前記変動表示ゲームにおいて前記可動部材を動作させることを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の遊技機においては、遊技領域に表示装置、演出役物(可動部材)、変動入賞装置等の入賞装置を備えることが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-146728号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、演出装置による斬新な演出を実行可能な遊技機が考えられる。そして、その演出の実行時には、演出装置が動作する前に遊技者に気付かれてしまうと、遊技の興趣が損なわれる虞がある。
【0005】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、演出装置によって興趣を高めることができる遊技機を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記目的を達成するために提案されたものであり、請求項1に記載のものは、複数の識別情報を変動表示させる変動表示ゲームを実行可能な遊技機において、
動作演出を実行可能な演出装置を備え、
前記演出装置には、前記動作演出を実行する際に動作可能な可動部材を備え、
前記動作演出に関連する特定演出を実行可能であり、
前記特定演出が実行される前記変動表示ゲームにおいて前記可動部材を動作させることを特徴とする遊技機である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、演出装置によって興趣を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】パチンコ遊技機の正面図である。
図2】遊技盤の正面図である。
図3】遊技盤の分解斜視図である。
図4】上部役物ユニットの分解斜視図である。
図5】(a)は上部役物ユニットの正面図であり、(b)は昇降ガイド、昇降モータ、可動装飾ユニットを組み合わせた背面図である。
図6】(a)は下降状態の昇降ベース、昇降ガイド、昇降モータ、可動装飾ユニットを組み合わせた背面図、(b)は昇降ベースに突設された装飾ストッパーを示す上部役物ユニットの斜視図および部分拡大図である。
図7】昇降付勢部材の取付構造を説明する分解斜視図である。
図8】(a)は昇降付勢部材の取付構造を説明する正面図、(b)は(a)の部分拡大図、(c)は(b)の斜視図である。
図9】上部役物ユニットの左側に装着される昇降付勢部材および連結部材の説明図であり、(a)は正面図、(b)は斜視図、(c)は分解斜視図である。
図10】上部役物ユニットの右側に装着される昇降付勢部材および連結部材の説明図であり、(a)は正面図、(b)は斜視図、(c)は分解斜視図である。
図11】遊技制御装置を中心に示した制御系統のブロック図である。
図12】演出制御装置を中心に示した制御系統のブロック図である。
図13】上部役物ユニットの演出動作の説明図であり、(a),(b)は昇降ベースが下降した状態の説明図、(c),(d)は左右の装飾パネルが上下に移動した状態の説明図、(e),(f)は装飾ベースおよび各装飾パネルが傾斜した状態の説明図である。
図14】送風装置を備えた上辺装飾ユニットの正面図である。
図15】変動表示ゲームの実行に伴う各演出動作のタイミングチャートである。
図16】送風示唆演出の実行中に送風開閉扉を開放する場合の各演出動作のタイミングチャートである。
図17】上部役物ユニットの装飾演出動作および送風装置の駆動を非実行とする場合の各演出動作のタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、代表的な遊技機であるパチンコ遊技機を例に挙げて図面に基づき説明する。なお、説明の便宜上、パチンコ遊技機に対して遊技者側を「前」または「表」と称し、パチンコ遊技機を挟んで遊技者とは反対側を「後」または「裏」と称す。
パチンコ遊技機1は、図1に示すように、矩形状の機枠(外枠)2の一側(図1中、左側)に前面枠(内枠)3を開閉可能な状態で軸着し、該前面枠3内には、円形状の遊技領域5が表面に区画形成された矩形状の遊技盤6(図2参照)を収納可能としている。また、前面枠3の表面のうち機枠2への軸着側(図1中、左側)には透明部材保持枠8を開閉可能に設け、該透明部材保持枠8に透視可能な透明部材(ガラス板)9を保持し、透明部材9を通して遊技領域5をパチンコ遊技機1の前方から透視できるように構成している。さらに、透明部材保持枠8の上辺部には上辺装飾ユニット11を備え、透明部材保持枠8の下部には上皿ユニット13を備え、透明部材保持枠8の下方には下皿ユニット14を配置し、下皿ユニット14の一側方(図1中、右側方)には、遊技者が発射装置(図示せず)を操作するための発射操作ユニット(発射操作ハンドル)15を備え、上皿ユニット13の左右方向の中央部には、遊技者が操作可能な遊技演出ボタン16を備えている。そして、上辺装飾ユニット11の左右両側方には上スピーカ18を備え、上皿ユニット13の左右両側方には下スピーカ19を備えている。
【0010】
遊技盤6は、図2および図3に示すように、当該遊技盤6の基部となる遊技ベースユニット22の前面に複数のサイドケース23を枠状に連結した状態で止着して遊技領域5を区画形成し、遊技領域5の上寄りには、中央部分が開口されたセンターケース25を配設している。また、該センターケース25の左右両側縁には、遊技球が通過可能である縦長なケース球流下路(右側に位置する第1ケース球流下路26,左側に位置する第2ケース球流下路27)を備え、第1ケース球流下路26の下方には普図始動ゲート32を配設し、普図始動ゲート32に入賞(通過)した遊技球をゲートスイッチ33により検出可能としている。そして、遊技球の普図始動ゲート32への入賞(詳しくは、ゲートスイッチ33による遊技球の検出)を始動条件(普図始動条件)として普図変動表示ゲームを実行可能としている。
【0011】
また、遊技領域5のうちセンターケース25の中央部分の下方には第1始動入賞口36を備え、該第1始動入賞口36よりも第1ケース球流下路26側(図2中、右側)にずれた箇所には、大入賞口38を含んで構成された変動入賞ユニット40を配設し、変動入賞ユニット40と第1ケース球流下路26との間には第2始動入賞口42を備えている。さらに、第1始動入賞口36よりも第2ケース球流下路27側(図2中、左側)にずれた箇所には、一般入賞口44が横に並んで配置された横長な一般入賞ユニット45を配設している。そして、第1始動入賞口36の下方に位置する遊技領域5の下端には、入賞せずに流下してきた遊技球を回収するアウト口47を開設し、遊技領域5のうち、センターケース25等の遊技用部材の取付部分を除いた箇所には複数の障害釘(図示せず)を植設している。
【0012】
さらに、第1始動入賞口36には、当該第1始動入賞口36に入賞した遊技球を検出可能な第1始動口スイッチ51を備え、第2始動入賞口42には、当該第2始動入賞口42に入賞した遊技球を検出可能な第2始動口スイッチ52を備えている。そして、第1始動入賞口36への遊技球の入賞(詳しくは、第1始動口スイッチ51による遊技球の検出)を始動条件として特図1変動表示ゲームを実行可能とし、第2始動入賞口42への遊技球の入賞(詳しくは、第2始動口スイッチ52による遊技球の検出)を始動条件として特図2変動表示ゲームを実行可能としている。さらに、特図1変動表示ゲームの実行中に遊技球が第1始動入賞口36へ入賞した場合には、この入賞に基づく新たな特図1変動表示ゲームの実行を特図1始動記憶として予め設定された上限数まで記憶して保留する。また、特図2変動表示ゲームの実行中に遊技球が第2始動入賞口42へ入賞した場合には、この入賞に基づく新たな特図2変動表示ゲームの実行を特図2始動記憶として予め設定された上限数まで記憶して保留する。
【0013】
また、図3に示すように、遊技ベースユニット22の裏面側には制御ユニット(裏面構成体)61を装着し、該制御ユニット61の裏側には表示装置62を装着して制御ユニット61の中央部およびセンターケース25の中央部から表示装置62の表示部62aを前方へ臨ませ(図2参照)、複数の識別情報を変動表示させる飾り特図変動表示ゲーム(第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲームに対応する演出表示)を表示部62aで表示可能としている。さらに、制御ユニット61の裏側のうち表示装置62の下方には、遊技を統括的に制御する遊技制御装置66を装着し、表示装置62の裏側には、遊技における演出動作を制御する演出制御装置67を装着している。
【0014】
次に、センターケース25について説明する。
センターケース25は、図2および図3に示すように、中央部分に表示装置62を視認可能とするケース窓部72を開設し、上辺部の前面には、センターケース25の前方へ向けて突出した庇状の鎧73をセンターケース25の左右両側へ向けて下り傾斜した円弧状態で配置し、左右両側辺部にはケース球流下路26,27をセンターケース25の前方へ向けて突出した状態で備え、鎧73の傾斜下端に左右両側のケース球流下路26,27の上流開口をそれぞれ臨ませている。
【0015】
さらに、ケース窓部72と各ケース球流下路26,27との間には、遊技球がケース球流下路26,27からケース窓部72への侵入を阻止する球侵入阻止壁(第1ケース球流下路26側に位置する第1球侵入阻止壁76,第2ケース球流下路27側に位置する第2球侵入阻止壁77)を前方へ向けてそれぞれ突設している。また、第1ケース球流下路26の下流開口をセンターケース25の下方へ開放して普図始動ゲート32へ臨ませ、第2ケース球流下路27においては、幅方向の中央部分を仕切って左右2つの平行な通路に分け、第2ケース球流下路27の下流開口をセンターケース25の側方へ開放している。そして、第2球侵入阻止壁77の下部のケース窓部72側には、複数のLED等の発光部材が実装された保留表示部80を備え、各発光部材を発光させることにより、変動表示ゲームに関する情報の表示(具体的には、特図1変動表示ゲームの実行保留数、特図2変動表示ゲームの実行保留数、変動図柄の停止態様と合わせて特図1変動表示ゲームの結果を報知するための特図1第4図柄、変動図柄の停止態様と合わせて特図2変動表示ゲームの結果を報知するための特図2第4図柄の各表示)を実行するように構成されている。
【0016】
また、センターケース25の下辺部には、遊技球が横方向(前後方向および左右方向)へ転動可能なステージ部82を配置し、ステージ部82の左右方向の中央部には、遊技球をステージ部82上からステージ部82の前方および下方へ案内する案内溝83を備えている。さらに、ステージ部82の側方(図2中、左側方)には、第2ケース球流下路27から流出した遊技球が流下可能な球導入路(ワープ流路)84を備え、球導入路84から流下した遊技球をステージ部82の一端部(図2中、左端部)へ放出するように構成されている。
【0017】
次に、制御ユニット61について説明する。
制御ユニット61は、図3に示すように、遊技ベースユニット22の裏面に止着されるユニットケース90を前側が開放した状態で備え、該ユニットケース90の後部には矩形状の表示開口窓90aを前後方向へ貫通して開設し、ユニットケース90の後方に装着された表示装置62の表示部62aを表示開口窓90aに臨ませている。さらに、ユニットケース90の前側開放部には複数のユニット(上部役物ユニット91,左右の側部役物ユニット92,下部役物ユニット93)を収納し、各ユニット91,92,93がセンターケース25の後方においてケース窓部72の開口縁に沿って位置し、遊技盤6の前方から視認できるように構成されている(図2参照)。具体的に説明すると、ユニットケース90の内側の上部には倒コ字状の上部役物ユニット91を備え、上部役物ユニット91の左右両側辺部の前方に縦長な側部役物ユニット92をそれぞれ配置し、上部役物ユニット91の左右両側辺部の下端部同士の間に下部役物ユニット93を配置している。
【0018】
上部役物ユニット91は、図4および図5に示すように、倒コ字状の上部役物ベース101を備え、該上部役物ベース101の左右両側辺部には、縦向きのラック102a(図5(b)参照)が備えられた昇降ガイド102を装着し、該昇降ガイド102同士の間に横長な昇降ベース103を配置し、昇降ベース103の左右両端部には昇降モータ104により回動するピニオン104aをそれぞれ備えて各昇降ガイド102のラック102aへ噛合し、昇降モータ104の駆動により各ピニオン104aが回動すると昇降ベース103が昇降するように構成されている。さらに、上部役物ベース101と昇降ベース103との間(詳しくは、上部役物ベース101の上辺部の左右各側と、昇降ベース103の左右各側との間)には、昇降ベース(可動部材)103を上方へ常時付勢する定荷重ばね等の昇降付勢部材(可動部材に可動力を付与可能な所定部材)105を備えている。なお、昇降ベース103の左右両側の前面にはベースカバー106をそれぞれ装着し、該ベースカバー106により昇降付勢部材105の一部やピニオン104aを前方から被覆している。また、昇降付勢部材105の取付構造については、後で詳細に説明する。
【0019】
また、昇降ベース103の前側には、変形して演出動作を実行可能な可動装飾ユニット107を備えている。具体的に説明すると、可動装飾ユニット107は、横向き矩形状の装飾ベース108を昇降ベース103の左右方向の中央部分から前方へ離間した状態で備え、装飾ベース108の一側寄りの下縁部(図4中、左寄りの下縁部)を昇降ベース103から前方へ突設された装飾ストッパー109(図4および図6(b)参照)の上面部へ当接可能とし、装飾ベース108と昇降ベース103との間(詳しくは、装飾ベース108の一側(図4中、左側)と、昇降ベース103の下部のうち装飾ストッパー109の後方に位置する箇所との間)にはコイルばね等の装飾付勢部材110(図4および図6(a)参照)を備え、該装飾付勢部材110の付勢力によって装飾ベース108の一側が下方の装飾ストッパー109側へ向けて常時付勢されるように構成されている。そして、装飾ベース108の一側寄り(図4中、左寄り)には、一対の縦長な第1装飾ガイド溝111を互いに左右方向へ離間した状態で開設し、装飾ベース108の他側寄り(図4中、右寄り)には、一対の縦長な第2装飾ガイド溝112を互いに左右方向へ離間した状態で開設している。また、第1装飾ガイド溝111同士の間には縦長な第1貫通開口113を開設し、第2装飾ガイド溝112同士の間には縦長な第2貫通開口114を開設している。
【0020】
さらに、装飾ベース108の前面には2枚の装飾パネル(第1装飾パネル116,第2装飾パネル117)を左右に並べた状態で備え、第1装飾パネル116を装飾ベース108の一側寄り(図4中、左寄り)に配置し、第2装飾パネル117を装飾ベース108の他側寄り(図4中、右寄り)に配置している。そして、第1装飾パネル116の裏面(後方の装飾ベース108と対向する面)の下側には、互いに左右方向へ離間した一対の第1装飾ガイドピン121を装飾ベース108側(後方)へ向けて突設して第1装飾ガイド溝111へ遊嵌し(図5(b)および図6(a)参照)、第1装飾ガイドピン121が第1装飾ガイド溝111内を摺動して第1装飾パネル116が昇降するように構成されている。また、第2装飾パネル117の裏面(後方の装飾ベース108と対向する面)の上側には、互いに左右方向へ離間した一対の第2装飾ガイドピン122を装飾ベース108側(後方)へ向けて突設して第2装飾ガイド溝112へ遊嵌し(図4および図5(b)参照)、第2装飾ガイドピン122が第2装飾ガイド溝112内を摺動して第2装飾パネル117が昇降するように構成されている。なお、可動装飾ユニット107の演出非実行状態(初期状態)においては、第1装飾ガイドピン121を第1装飾ガイド溝111の下縁部へ係合するとともに、第2装飾ガイドピン122を第2装飾ガイド溝112の上縁部へ係合して、第1装飾パネル116と第2装飾パネル117とを横に並んだ状態で装飾ベース108の前方に配置している(図5参照)。
【0021】
また、装飾ベース108の後方には装飾駆動モータ124を出力軸124aが前方へ延出する姿勢で配置し、出力軸124aには横長な装飾駆動アーム125の中央部を係止して出力軸124aと装飾駆動アーム125とを共回りするように構成されている。さらに、装飾駆動アーム125の左右両端部には、当該装飾駆動アーム125の長手方向に沿って延在する長穴状のピン係合開口125aをそれぞれ開設してパネル連結ピン(第1連結ピン126,第2連結ピン127)を係合し、装飾駆動アーム125の一側(図4中、左側)に位置する第1連結ピン126を装飾ベース108の第1貫通開口113へ通して第1装飾パネル116の裏面の下部に係合し、他側に位置する第2連結ピン127(図4中、右側)を装飾ベース108の第2貫通開口114へ通して第2装飾パネル117の裏面の下部に係合している。
【0022】
上部役物ベース101と昇降ベース103との間に備えられる昇降付勢部材(定荷重ばね)105は、図7図9図10に示すように、ボビン131に長尺な帯状の板ばね材132を巻回して構成されており、ボビン131の姿勢を当該ボビン131の軸部131aが上部役物ユニット91の前後方向に沿って延在する状態(言い換えると、当該ボビン131の両フランジ部131bが上部役物ユニット91の前後方向に沿って並ぶ状態)にして、上部役物ベース101の上辺部と、該上辺部の前面に止着されるボビンホルダー134との間に保持されている。さらに、ボビン131の軸部131aには軸受孔131cを貫通してボビン支持軸135を遊嵌し、ボビン支持軸135の後端部を上部役物ベース101の前面に備えられた役物ベース側軸受凹部137へ嵌合し、前端部をボビンホルダー134の裏側(上部役物ベース101に対向する裏側)に備えられたホルダー側軸受凹部138へ嵌合し、ボビン131がボビン支持軸135を中心して回動自在となるように構成されている。
【0023】
さらに、板ばね材132の自由端には連結部材(取付部材)140を止着し、該連結部材140を介して昇降付勢部材105を昇降ベース103へ連結している。具体的には、図9図10に示すように、板ばね材132の自由端に一対の取付孔132aを板ばね材132の長手方向に沿って互いに離間した状態で開設し、一方の取付孔132aには、連結部材140から突設された位置決め突起141を係合し、他方の取付孔132aにはビスなどの止着部材142を挿通し、止着部材142の端部を連結部材140の止着受部(めねじ部)143へ係合(螺合)して板ばね材132に連結部材140を止着している。また、連結部材140のうち板ばね材132の自由端よりも先に位置する部分には連結軸受孔145を板ばね材132の幅方向(言い換えると、上部役物ユニット91の前後方向、あるいは、取付孔132aの貫通方向とは直交する方向)に沿って貫通して連結支持軸146を嵌合し、連結支持軸146の後端部を昇降ベース103の前面に備えられた昇降ベース側軸受凹部147へ遊嵌し、前端部をベースカバー106の裏側(昇降ベース103に対向する裏側)に備えられたカバー側軸受凹部148へ遊嵌している(図7参照)。このようにして連結部材140と連結支持軸146とを介して板ばね材132(昇降付勢部材105)を昇降ベース103へ連結している。
【0024】
そして、昇降付勢部材105のボビン131のうち前側に位置するフランジ部131bの前面には、昇降付勢部材105に関する情報を表示している。詳しくは、図9および図10に示すように、昇降付勢部材105の配置箇所(上部役物ベース101の左側あるいは右側のいずれに配置されるか)を「L」または「R」の文字で示す配置情報S1と、板ばね材132がボビン131から引き出されるとき(すなわち、昇降ベース103および可動装飾ユニット107が下降するとき)にボビン131が回転する方向を矢印で示す方向情報S2と、板ばね材132に止着される連結部材140の姿勢(取付部材の取り付け姿勢)を図示する姿勢情報S3と、をフランジ部131bの円周方向に沿って並ぶ状態で刻設している。なお、姿勢情報S3においては、連結部材140のうち板ばね材132に重なる縦向きの平板部分と、該平板部分から側方(図9,10中、左側方)へ突出した止着受部143とを簡略化して描画(具体的には、逆「ト」状を呈する簡略図として描画)している。
【0025】
また、図8に示すように、ボビン131の前方に位置するボビンホルダー134には、ボビン131の前側に位置するフランジ部131bの外周部分を前方へ露出させる情報視認部134aを切り欠いて備え、該情報視認部134aからフランジ部131bに表示した配置情報S1、方向情報S2、姿勢情報S3のいずれかが視認できるように構成されている。
【0026】
このようにして昇降付勢部材105のボビン131に配置情報S1、方向情報S2、姿勢情報S3を表示したので、上部役物ユニット91の製造工程において、作業員が昇降付勢部材105のボビン131を見て、昇降付勢部材105の正しい配置や正しい姿勢(向き)、あるいは板ばね材132に止着される連結部材140の正しい姿勢を容易に確認することができる。したがって、作業員が昇降付勢部材105や連結部材140を誤って組み付けてしまうミスを抑制することができ、上部役物ユニット91の製造効率、ひいてはパチンコ遊技機1の製造効率の向上を図ることができる。
【0027】
次に、パチンコ遊技機1の遊技進行等の制御を行う遊技制御装置66を中心とする制御系統について説明する。
遊技制御装置66は、図11に示すように、遊技制御を司るCPU、遊技制御のための制御プログラム等を記憶しているROM、および遊技制御時にワークエリアとして利用されるRAM、入力部(入力インターフェース)、出力部(出力インターフェース)等から構成されている。そして、各種検出装置(磁気センサ151、電波センサ152、第1始動口スイッチ51、第2始動口スイッチ52、ゲートスイッチ33、一般入賞口44への遊技球の入賞を検出する入賞口スイッチ153、変動入賞ユニット40内の遊技球の流下を検出するV入賞検出スイッチ154およびカウントスイッチ155、前面枠開放検出スイッチ156、透明部材保持枠開放検出スイッチ157、電源装置158等)からの検出信号を受けて、遊技状態の切り替え(通常遊技状態と、通常遊技状態よりも遊技者に有利な特定遊技状態(大当り状態、電サポ状態等)との切り替え)、遊技者に対する報知、停電対応処理等、種々の処理を行う。さらに、演出制御装置67を介して各ユニットの動作(発光動作や移動・回動動作等)を制御する制御手段として機能したり、あるいは、払出制御装置160、大入賞口38に設けられた大入賞口ソレノイド161、普電ソレノイド162、一括表示装置163、外部情報端子164等に指令信号を送信したりして、遊技を統括的に制御する。
【0028】
演出制御装置67は、図12に示すように、演出制御を司るCPU(1stCPU,2ndCPU)、演出制御を実行するための制御プログラムを格納したPROM、画像データ等を格納した画像ROM、映像表示のための画像処理を行うVDP、入力インターフェース、出力インターフェース等から構成されている。そして、パチンコ遊技機1における遊技の進行に伴って発生する信号、具体的には、遊技制御装置66からの制御信号、遊技演出ボタン16に設けられた演出ボタンスイッチ166からの信号、各ユニット等に設けられたセンサからの信号等に基づいて、各ユニット等の演出動作を制御する。詳しくは、表示装置62の表示部62aの表示、上スピーカ18や下スピーカ19からの効果音出力、遊技盤6に設けられた盤装飾装置170の発光や枠装飾装置171の発光、遊技盤6に設けられた盤演出装置172(上部役物ユニット91等)や枠演出装置173の駆動を制御する。
【0029】
次に、上部役物ユニット91の演出動作について説明する。
上部役物ユニット91の演出非実行状態では、図5に示すように、昇降ベース103が上部役物ベース101の上辺部の前方(初期位置,演出非実行位置)に配置され、可動装飾ユニット107においては、装飾ベース108が装飾ストッパー109に当接した状態で横向き姿勢になり、第1装飾パネル116と第2装飾パネル117とが横に並んだ状態で装飾ベース108の前方に位置する。さらに、装飾駆動アーム125が第1装飾パネル116側から第2装飾パネル117側に向かって上り傾斜した姿勢(図5(b)中、右側から左側に向かって上り傾斜した姿勢)に設定され、第1連結ピン126が第1貫通開口113の下側に位置し、第2連結ピン127が第2貫通開口114の上側に位置する。
【0030】
演出動作を開始して昇降モータ104を駆動すると、図13(a),(b)に示すように、昇降ベース103および可動装飾ユニット107が昇降付勢部材105の付勢力に抗して下降する。そして、昇降付勢部材105においては、板ばね材132が昇降ベース103に引っ張られてボビン131から引き出され、これに伴いボビン131が回転する。このとき、昇降ベース103に連結部材140を遊嵌しているので、連結部材140が板ばね材132の自由端の姿勢に合わせて動くことができ、板ばね材132が連結部材140とボビン131との間で捻られてしまったり不用意な応力集中が発生してしまったりする不都合を避けることができる。したがって、板ばね材132が余計な負荷を受けて損傷してしまうことを抑えることができる。
【0031】
引き続き昇降モータ104を駆動して昇降ベース103が下死点に到達したならば昇降モータ104の駆動を停止する。その後、装飾駆動モータ124を駆動して装飾駆動アーム125を予め設定された演出実行方向(図13(b)中、反時計方向)へ回動し、第1連結ピン126を上昇させるとともに第2連結ピン127を下降させる。すると、第1装飾パネル116が第1装飾ガイドピン121を第1装飾ガイド溝111に沿って摺動させながら上昇し、第2装飾パネル117が第2装飾ガイドピン122を第2装飾ガイド溝112に沿って摺動させながら下降して、第1装飾パネル116と第2装飾パネル117とが上下に離れる。そして、引き続き装飾駆動モータ124を駆動して装飾駆動アーム125を演出実行方向へ回動し続けると、第1装飾ガイドピン121が第1装飾ガイド溝111の上縁部に当接し、第2装飾ガイドピン122が第2装飾ガイド溝112の下縁部に当接する(図13(c),(d)参照)。
【0032】
さらに、装飾駆動モータ124を駆動して装飾駆動アーム125を演出実行方向へ回動し続けると、第1装飾ガイドピン121が第1装飾ガイド溝111の上縁部を押し上げ、第2装飾ガイドピン122が第2装飾ガイド溝112の下縁部を押し下げる。すると、装飾ベース108が第1装飾ガイドピン121および第2装飾ガイドピン122から偶力を付与されて、装飾付勢部材110の付勢力に抗して装飾駆動アーム125と共回りする。この結果、装飾ベース108、上昇状態の第1装飾パネル116、下降状態の第2装飾パネル117が一体になって傾斜した姿勢の演出実行状態になる(図13(e),(f)参照)。その後、装飾駆動モータ124の駆動を停止し、演出実行状態を予め設定された所定の時間(演出維持時間)に亘って維持する。
【0033】
演出維持時間が経過したならば、装飾駆動モータ124を駆動して装飾駆動アーム125を演出実行方向とは反対の方向(演出終了方向)へ回動する。すると、装飾ベース108に対する第1装飾ガイドピン121の押し上げ力、および第2装飾ガイドピン122による押し下げ力が解除され、装飾ベース108が装飾付勢部材110の付勢力によって横向き姿勢に戻り、装飾ストッパー109の上面に当接する(図13(c),(d)参照)。さらに、装飾駆動モータ124を駆動して装飾駆動アーム125を演出終了方向へ回動し続けると、第1装飾ガイドピン121が第1装飾ガイド溝111の上縁部から下方へ離れて第1装飾パネル116が下降し、第2装飾ガイドピン122が第2装飾ガイド溝112の下縁部から上方へ離れて第2装飾パネル117が上昇する。そして、第1装飾パネル116が第1装飾ガイドピン121を第1装飾ガイド溝111に沿って摺動させながら下降し、第2装飾パネル117が第2装飾ガイドピン122を第2装飾ガイド溝112に沿って摺動させながら上昇して、第1装飾パネル116と第2装飾パネル117とが左右に並んだ状態に戻る(図13(a),(b)参照)。
【0034】
第1装飾パネル116と第2装飾パネル117とが元の横並び状態に戻ったならば、装飾駆動モータ124の駆動を停止し、昇降モータ104を駆動して昇降ベース103および可動装飾ユニット107を上昇させる。この上昇動作、すなわち昇降ベース103および可動装飾ユニット107が自重に抗して上昇する動作において、昇降付勢部材105が発生させる上向きの付勢力を昇降ベース103および可動装飾ユニット107へ伝達(言い換えると、上部役物ユニット91の一部に可動力を付与)して、上昇動作を補助することができる。この結果、昇降モータ104に掛かる負荷の軽減を図ることができ、昇降モータ104が故障する不都合、ひいては上部役物ユニット91が演出動作を実行できなくなる不都合を抑制することができる。そして、昇降ベース103が上死位置である演出非実行位置(初期位置)まで戻ったならば(図5(a),(b)参照)、昇降モータ104の駆動を停止して、演出動作を終了する。
【0035】
このようにして、可動装飾ユニット107が実行する演出動作においては、単一の装飾駆動モータ124からの出力を利用して、2枚の装飾パネル116,117と1枚の装飾ベース108とを複雑な態様で動作させることができる。したがって、装飾パネル116,117を動作させる駆動源と、装飾ベース108を動作させる駆動源とを別個に備える必要がなく、遊技盤6内の限られたスペースを有効に活用することができる。しかも、装飾パネル116,117の動作開始タイミングと装飾ベース108の動作開始タイミングとをずらして可動装飾ユニット107の演出動作を行うことができ、遊技の興趣を高めることができる。
【0036】
次に、透明部材保持枠8に装着される上辺装飾ユニットの変形例について説明する。
変形例である上辺装飾ユニット180は、図14に示すように、当該上辺装飾ユニット180の前側に横長な前側装飾部181を備え、該前側装飾部181の下方には下側装飾部182を備えている。また、下側装飾部182の左右方向の中央部には送風装置(動作演出を実行可能な演出装置)184を備え、該送風装置184の送風口185を前方の遊技者側に臨ませた状態で開設し、送風口185を送風開閉扉(動作演出を実行する際に動作可能な可動部材)186で開閉可能としている。そして、送風開閉扉186を開いて送風口185を開放し、この状態で送風装置184を駆動すると、送風口185から遊技者側へ向けて風を送って遊技に伴う演出(送風演出)を実行できるように構成されている。
【0037】
このような構成の送風装置184においては、変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム,特図2変動表示ゲーム)の実行、および上部役物ユニット91の演出動作の実行に伴って、送風演出の実行や送風開閉扉186の開閉動作の実行を行うように設定されている。具体的に説明すると、図15のタイミングチャートに示すように、変動表示ゲームの開始前では、上部役物ユニット91を初期状態(演出非実行状態)とし、送風装置184を停止し、送風開閉扉186を閉状態とする。そして、変動表示ゲームが開始され、開始後から所定時間が経過すると、送風演出が実行される可能性がある旨を示唆する演出(送風示唆演出(送風演出に関連する特定演出))が実行される。なお、送風示唆演出の具体例としては、表示装置62の表示部62aにおける特定態様(特定画像、特定動画)の表示や、遊技者に遊技演出ボタン16の操作を促す演出(遊技演出ボタン16に内蔵された発光部材の発光や、遊技者に遊技演出ボタン16の操作を促す内容を表示装置62の表示部62aに表示する動作等)が挙げられる。
【0038】
そして、送風示唆演出を終了すると、上辺装飾ユニット180内の送風装置184の駆動を開始するタイミングT1が到来し、送風装置184に備えられたファンモータ等の駆動源(図示せず)の出力を次第に増加させて最大出力まで上げる。また、タイミングT1においては、送風装置184の駆動の開始とともに、上部役物ユニット91が演出動作の実行を開始する。上部役物ユニット91においては、昇降ベース103を初期状態の位置(上死位置)から下死位置まで下降させた状態(第1動作状態(図13(a),(b)参照))に変換し、第1動作状態を維持する。
【0039】
さらに、送風装置184の出力が最大に到達すると、送風開閉扉186を開くタイミングT2が到来し、送風開閉扉186が閉状態から開状態へ変換して送風口185を開放し、送風装置184が最大出力で駆動している状態を維持する。この結果、送風口185からは、最大風力の状態で風が遊技者側へ送出される。また、上部役物ユニット91においては、タイミングT2が到来すると、可動装飾ユニット107が2枚の装飾パネル116,117を上下にずらした状態(第2動作状態((図13(c),(d)参照))へ変換し、さらには上下にずれた2枚の装飾パネル116,117と装飾ベース108とを一体にして傾斜させた状態(第3動作状態(図13(e),(f)参照))へ変換する。このようにして上部役物ユニット91の装飾演出動作と上辺装飾ユニット180(送風装置184)の送風演出動作とを関連付けて遊技の演出を実行するので、遊技者が斬新な演出を楽しむことができ、遊技の興趣を高めることができる。また、送風口185の開放直後に風を最大風力で送出するので、遊技者に送風演出を強く印象付けることができ、遊技の興趣の更なる向上を期待することができる。
【0040】
そして、上部役物ユニット91の第3動作状態、送風装置184の最大出力での駆動、送風開閉扉186の開状態が所定の時間に亘って維持され、上部役物ユニット91の第3動作状態の維持を終了するタイミングが到来すると、上部役物ユニット91が第3動作状態から第2動作状態に戻り、さらには、第1動作状態に戻る。また、上部役物ユニット91が第1動作状態に戻ると、送風開閉扉186を閉じるタイミングT3が到来し、送風開閉扉186が開状態から閉状態へ変換して送風口185を閉成し、送風装置184が出力を次第に減少させて駆動を停止させる。そして、上部役物ユニット91が所定の時間に亘って第1動作状態を維持し、第1動作状態から初期状態に戻る。このようにして上部役物ユニット91の装飾演出動作と上辺装飾ユニット180の送風演出動作とが終了したならば、変動表示ゲームの実行を終了する。
【0041】
なお、図16のタイミングチャートで示すように、送風開閉扉186を開くタイミングT2を、送風装置184の駆動を開始するタイミングT1よりも先に到来するように設定してもよい。言い換えると、送風演出の実行前に送風口185を開放してもよい。具体的に説明すると、図16のタイミングチャートでは、送風示唆演出の実行中に送風開閉扉186を開くタイミングT2が到来し、送風装置184の駆動前、および上部役物ユニット91の装飾演出の開始前に、送風開閉扉186が閉状態から開状態に変換して送風口185が開放されるように設定されている。そして、送風口185が開放されてから送風装置184を駆動して次第に出力(風力)を高めることで、送風口185から送出される風が次第に強くなる態様で送風演出を実行するように設定されている。
【0042】
このようにして送風開閉扉186を開く動作を送風示唆演出と重ねて実行する態様に設定すれば、送風開閉扉186を開く動作音(例えば、送風開閉扉186を駆動する駆動源の動作音)が発生したとしても、遊技者が送風示唆演出を集中して楽しんでいる(送風示唆演出に気を取られている)最中であるため、送風開閉扉186を開くときの動作音を聞き逃し易い。したがって、送風演出の準備が進行していること、さらには送風演出が実行される予定であることを遊技者に事前に気付かれてしまうことを抑えることができ、遊技者が不意に風を受ける演出を楽しんで遊技の興趣を高めることができる。
【0043】
また、変動表示ゲームに伴う送風装置184の演出動作においては、送風口185の開閉のみを実行し、送風口185からの風の送出を実行しない態様に設定してもよい。例えば、図17に示すタイミングチャートにおいては、変動表示ゲームの実行期間中では、上部役物ユニット91の初期状態、および、送風装置184の停止状態を維持し、送風示唆演出の実行中に送風開閉扉186を開くタイミングT2が到来して送風口185が開放される。なお、変動表示ゲームが開始されてからタイミングT2が到来するまで(言い換えると、送風口185が開放されるまで)の経過時間(時間長さ)は、図16に示すタイミングチャート(送風演出(風の送出)が行われる態様の演出)の場合と、図17に示すタイミングチャート(送風演出(風の送出)が行われない態様の演出)の場合とで同じであり、送風示唆演出が開始されてからタイミングT2が到来するまで(言い換えると、送風口185が開放されるまで)の経過時間(時間長さ)は、図16に示すタイミングチャート(送風演出(風の送出)が行われる態様の演出)の場合と、図17に示すタイミングチャート(送風演出(風の送出)が行われない態様の演出)の場合とで同じである。
【0044】
さらに、送風開閉扉186が所定の時間に亘って開状態を維持し、送風開閉扉186を閉じるタイミングT3が変動表示ゲームの終了前に到来すると、送風開閉扉186が開状態から閉状態へ変換して送風口185を閉成する。このようにして送風口185が開いたとしても送風演出(風の送出)が行われない態様の演出を、変動表示ゲームに伴う演出として任意に選択して実行し得るようにすれば(言い換えると、送風演出が実行されるか否かに拘らず送風開閉扉186を開状態にして送風口185を開放するようにすれば)、送風口185の開放後には必ず送風演出が実行される訳ではない旨を遊技者に認識させることができる。これにより、遊技者が送風開閉扉186の動きを見たり送風開閉扉186の動作音を聞いたりして、送風演出の実行の有無を先に知ってしまうことを避け易い(送風演出の実行の有無を事前に把握し難い)。このことから、送風演出がいつ実行されるかという期待感を遊技者に持たせながら遊技を楽しませることができ、遊技の興趣を高めることができる。
【0045】
また、図15に示すタイミングチャートでは、送風装置184の出力が最大に到達した直後に送風開閉扉186を開くように設定したが、送風装置184の出力が最大に到達してから所定の待機時間が経過した後で、送風開閉扉186を開くタイミングT2が到来するように設定してもよい。このとき、送風開閉扉186が閉状態であったとしても、遊技者が送風装置184の駆動音を聞いて、送風演出が実行予定である旨を事前(送風開閉扉186が開く前)に気付いてしまう虞がある。そこで、送風演出が実行されるか否か(言い換えると、送風開閉扉186が開状態に変換して送風口185が開放されるか否か)に拘らず、送風装置184を駆動するように設定すれば、遊技者が送風装置184の駆動音を聞いたとしても、送風演出の実行の有無を先に知ってしまうことを避け易い(送風演出の実行の有無を事前に把握し難い)。このことから、送風演出がいつ実行されるかという期待感を遊技者に持たせながら遊技を楽しませることができ、遊技の興趣を高めることができる。
【0046】
ところで、上記実施形態では、上部役物ユニット91に備えられる昇降付勢部材105として定荷重ばねを例示したが、本発明はこれに限定されない。要は、昇降ベース103や可動装飾ユニット107の自重に抗して付勢力を作用するものであれば、どのような構成の付勢部材を採用してもよい。例えば、昇降付勢部材105としてコイルばねを採用してもよい。また、本発明における取付部材の一例として連結部材140を挙げ、該連結部材140が取り付けられる昇降付勢部材105(本発明における所定部材に相当)のボビン131に、連結部材140の取り付け姿勢等の情報を刻設して表示したが、本発明はこれに限定されない。要は、本発明の取付部材の取り付け姿勢を、取り付け対象である所定部材に表示することができれば、どのような表示手段を採用してもよい。例えば、シルク印刷を施したり、あるいは、取り付け姿勢が印刷されたシールを貼付したりして、所定部材に取付部材の取り付け姿勢を表示してもよい。
【0047】
また、上記実施形態では、連結部材140に嵌合される連結支持軸146の端部を昇降ベース103の一部へ遊嵌して、昇降ベース103(本発明の可動部材に相当)に連結部材140(本発明の取付部材に相当)を遊嵌する構成を実現したが、本発明はこれに限定されない。要は、連結部材140の遊嵌状態を実現することができれば、どのような構成を採用してもよい。例えば、連結部材140の連結軸受孔145に連結支持軸146をすきまばめ状態で嵌合して、連結部材140の遊嵌状態を実現してもよい。また、軸と軸受孔との組み合わせによる遊嵌構造に限らず、他の遊嵌構造を採用してもよい。例えば、昇降ベース103または連結部材140のいずれか一方に係合片を突設し、他方には係合受部を凹ませて備え、係合受部内に係合片を遊嵌状態で係合して、昇降ベース103と連結部材140との遊嵌を実現(可動部材と取付部材との間に「アソビ」あるいは「ガタ」となる隙間を設けて実現)してもよい。
【0048】
そして、上記実施形態では、代表的な遊技機であるパチンコ遊技機1を例にして説明したが、本発明はこれに限らずどのような遊技機でもよい。例えば、封入球式パチンコ機、アレンジボール式遊技機、雀球式遊技機、スロットマシン等の遊技機であってもよい。
【0049】
なお、前記した実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明は、上記した説明に限らず特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれるものである。
【符号の説明】
【0050】
1 パチンコ遊技機
3 前面枠
6 遊技盤
11 上辺装飾ユニット
25 センターケース
91 上部役物ユニット
101 上部役物ベース
102 昇降ガイド
103 昇降ベース
104 昇降モータ
105 昇降付勢部材
107 可動装飾ユニット
108 装飾ベース
109 装飾ストッパー
110 装飾付勢部材
111 第1装飾ガイド溝
112 第2装飾ガイド溝
113 第1貫通開口
114 第2貫通開口
116 第1装飾パネル
117 第2装飾パネル
121 第1装飾ガイドピン
122 第2装飾ガイドピン
124 装飾駆動モータ
125 装飾駆動アーム
126 第1連結ピン
127 第2連結ピン
131 ボビン
131a 軸部
131b フランジ部
131c 軸受孔
132 板ばね材
132a 取付孔
134 ボビンホルダー
134a 情報視認部
135 ボビン支持軸
140 連結部材
141 位置決め突起
142 止着部材
143 止着受部
145 連結軸受孔
146 連結支持軸
180 上辺装飾ユニット
184 送風装置
185 送風口
186 送風開閉扉
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図10
図11
図12
図13
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図15
図16
図17