(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022188890
(43)【公開日】2022-12-22
(54)【発明の名称】映像信号出力装置
(51)【国際特許分類】
H04N 21/436 20110101AFI20221215BHJP
H04N 5/268 20060101ALI20221215BHJP
G06F 3/14 20060101ALI20221215BHJP
【FI】
H04N21/436
H04N5/268
G06F3/14 360A
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021097153
(22)【出願日】2021-06-10
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-01-21
(71)【出願人】
【識別番号】302026885
【氏名又は名称】株式会社ビートソニック
(74)【代理人】
【識別番号】110000497
【氏名又は名称】弁理士法人グランダム特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】戸谷 大地
(72)【発明者】
【氏名】藤岡 潤二
(72)【発明者】
【氏名】篠田 篤史
【テーマコード(参考)】
5B069
5C023
5C164
【Fターム(参考)】
5B069AA12
5C023AA21
5C023BA15
5C023CA03
5C164UB01S
5C164UB41S
5C164UB71P
5C164YA21
(57)【要約】
【課題】外部装置からの信号に基づく映像をできるだけ画質の低下を抑えて車載モニタに表示させやすく、且つ外部装置からの信号に基づく映像を割り込ませるタイミングを制御することができる技術を提供する。
【解決手段】映像信号出力装置10は、切替装置20を有する。切替装置20は、第1車載装置120に対して所定入力がなされた場合又は第1車載装置120から所定情報が出力される場合に、第2映像信号に基づく信号を出力端子34から出力させる。切替装置20は、第2映像信号に基づく信号を出力端子34から出力させている場合において所定条件が成立した場合に、第1入力部31を介して入力される映像信号に基づく信号を出力端子から出力させる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1車載装置又は前記第1車載装置とは異なる他の車載装置が出力する所定映像信号が入力される第1入力部と、
前記所定映像信号を出力する装置とは異なる外部装置から第2映像信号が入力される第2入力部と、
車載モニタに向けて映像信号を出力可能な出力端子と、
前記第1車載装置に対して所定入力がなされた場合に前記第2映像信号に基づく信号を前記出力端子から出力させ、前記第2映像信号に基づく信号を前記出力端子から出力させている場合において前記所定映像信号に基づく信号を表示させる所定条件が成立した場合に前記所定映像信号に基づく信号を前記出力端子から出力させる切替装置と、
を有する映像信号出力装置。
【請求項2】
前記第1入力部は、前記他の車載装置から前記所定映像信号が入力される端子であり、
前記車載モニタは、第3入力部と第4入力部とを有し、
前記第3入力部は、前記第1車載装置から第1映像信号が入力される端子であり、
前記切替装置は、前記第1車載装置に対して前記所定入力がなされた場合に前記第2映像信号に基づく信号を前記出力端子から前記第4入力部に向けて出力させ、前記所定条件が成立した場合に前記所定映像信号に基づく信号を前記出力端子から前記第4入力部に向けて出力させる
請求項1に記載の映像信号出力装置。
【請求項3】
前記切替装置は、前記第1車載装置に対して前記所定入力がなされた場合に前記第2映像信号に基づく信号を前記出力端子から出力させ且つ前記第4入力部に入力される信号に基づく映像を前記車載モニタに表示させる制御を行う
請求項2に記載の映像信号出力装置。
【請求項4】
前記第1車載装置は、所定指令を受けた場合に前記車載モニタに対して切替指示を与え、
前記車載モニタは、前記切替指示を受けた場合に前記第4入力部に入力される映像信号に基づいて表示を行い、
前記切替装置は、前記第1車載装置に対して前記所定入力がなされた場合に前記第2映像信号に基づく信号を前記出力端子から出力させ、前記第1車載装置に対して前記所定指令を与える
請求項2又は請求項3に記載の映像信号出力装置。
【請求項5】
前記第1入力部は、前記第1車載装置から前記所定映像信号が入力される端子であり、
前記車載モニタは、第3入力部を有し、
前記第3入力部は、前記出力端子からの映像信号が入力される端子であり、
前記切替装置は、前記第1車載装置に対して前記所定入力がなされた場合に前記第2映像信号に基づく信号を前記出力端子から前記第3入力部に向けて出力させ、前記所定条件が成立した場合に前記所定映像信号に基づく信号を前記出力端子から前記第3入力部に向けて出力させる
請求項1に記載の映像信号出力装置。
【請求項6】
車載通信線から情報が入力される通信端子を有し、
前記第1車載装置は、前記所定入力がなされた場合に前記車載通信線に第1ステータス情報を伝送し、
前記切替装置は、前記車載通信線を介して伝送される情報に基づいて前記第1車載装置において前記所定入力がなされたか否かを判定する
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の映像信号出力装置。
【請求項7】
第1車載装置から第1映像信号が入力される第1入力部と、
前記第1車載装置とは異なる外部装置から第2映像信号が入力される第2入力部と、
車載モニタに向けて映像信号を出力可能な出力端子と、
前記第1車載装置が所定信号を出力する場合に前記第2映像信号に基づく信号を前記出力端子から出力させ、前記第1車載装置が前記所定信号以外の信号を出力する場合に前記第1映像信号に基づく信号を前記出力端子から出力させる切替装置と、
を有する映像信号出力装置。
【請求項8】
車載通信線から情報が入力される通信端子を有し、
前記第1車載装置は、前記所定信号を出力する場合に前記車載通信線に第1ステータス情報を伝送し、
前記切替装置は、前記車載通信線を介して伝送される情報に基づいて前記第1車載装置が出力する信号が前記所定信号及び前記所定信号以外の信号のいずれであるかを判定する
請求項7に記載の映像信号出力装置。
【請求項9】
前記第1車載装置は、外部映像信号が入力される外部入力端子を備えた装置であり、
前記所定信号は、前記外部入力端子からの入力に基づく表示時期であることを示す第2ステータス情報である
請求項7又は請求項8に記載の映像信号出力装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、映像信号出力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1で開示される車載情報システムは、映像・音声信号入力部や表示部などが車載装置に設けられ、車載装置の映像・音声信号入力部にはHDMI(登録商標)等の通信規格に基づく汎用端子が設けられている。そして、車載装置の汎用端子と携帯端末とが映像・音声ケーブルを介して接続される。このシステムは、携帯端末の表示部に表示される画面と同一の画面が車載装置に表示されるとともに携帯端末の音声出力部から出力される音声と同一の音声が車載装置の音声出力部から出力されるようにビデオミラーリングを行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1で開示される車載情報システムは、HDMI(登録商標)端子のような汎用端子が車載装置に設けられることが前提のシステムである。即ち、このシステムの接続方法は、汎用端子を有していない車載装置には適用できず、汎用端子を有していたとしても、汎用端子を空けておいたり、別の用途に使用したりする場合には適用できない。
【0005】
外部装置(携帯端末等)からの信号に基づく映像を車載モニタで表示する場合、HDMI(登録商標)端子のような汎用端子を車載モニタで使用できない又は使用しない場合には、他の経路を介して信号を伝送しなければならないが、できるだけ画質を低下させにくい状態で車載モニタに信号を伝送することが望まれる。更に、外部装置(携帯端末等)からの信号に基づく映像を割り込ませて車載モニタに表示する場合、割り込ませるタイミングを制御することが望まれる。
【0006】
本開示は、上述した課題の少なくとも一つを解決するために、外部装置からの信号に基づく映像をできるだけ画質の低下を抑えて車載モニタに表示させやすく、且つ外部装置からの信号に基づく映像を割り込ませるタイミングを制御することができる技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一つである映像信号出力装置は、
第1車載装置又は前記第1車載装置とは異なる他の車載装置が出力する所定映像信号が入力される第1入力部と、
前記所定映像信号を出力する装置とは異なる外部装置から第2映像信号が入力される第2入力部と、
車載モニタに向けて映像信号を出力可能な出力端子と、
前記第1車載装置に対して所定入力がなされた場合に前記第2映像信号に基づく信号を前記出力端子から出力させ、前記第2映像信号に基づく信号を前記出力端子から出力させている場合において前記所定映像信号に基づく信号を表示させる所定条件が成立した場合に前記所定映像信号に基づく信号を前記出力端子から出力させる切替装置と、
を有する。
【0008】
本開示の一つである映像信号出力装置は、
第1車載装置から第1映像信号が入力される第1入力部と、
前記第1車載装置とは異なる外部装置から第2映像信号が入力される第2入力部と、
車載モニタに向けて映像信号を出力可能な出力端子と、
前記第1車載装置が所定信号を出力する場合に前記第2映像信号に基づく信号を前記出力端子から出力させ、前記第1車載装置が前記所定信号以外の信号を出力する場合に前記第1映像信号に基づく信号を前記出力端子から出力させる切替装置と、
を有する。
【発明の効果】
【0009】
本開示の一つである映像信号出力装置は、外部装置からの信号に基づく映像をできるだけ画質の低下を抑えて車載モニタに表示させやすく、且つ外部装置からの信号に基づく映像を割り込ませるタイミングを制御することができる
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、第1実施形態に係る映像信号出力装置を含む車載システムを概略的に例示するブロック図である。
【
図2】
図2は、第2実施形態に係る映像信号出力装置を含む車載システムを概略的に例示するブロック図である。
【
図3】
図3は、第3実施形態に係る映像信号出力装置を含む車載システムを概略的に例示するブロック図である。
【
図4】
図4は、
図1の映像信号出力装置を変更した変更例の映像信号出力装置を含む車載システムを概略的に例示するブロック図である。
【
図5】
図5は、
図2の映像信号出力装置を変更した変更例の映像信号出力装置を含む車載システムを概略的に例示するブロック図である。
【
図6】
図6は、
図3の映像信号出力装置を変更した変更例の映像信号出力装置を含む車載システムを概略的に例示するブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下では、本開示の実施形態が列記されて例示される。なお、以下で例示される〔1〕~〔9〕の特徴は、矛盾しない範囲でどのように組み合わされてもよい。
【0012】
〔1〕 第1車載装置又は前記第1車載装置とは異なる他の車載装置が出力する所定映像信号が入力される第1入力部と、
前記所定映像信号を出力する装置とは異なる外部装置から第2映像信号が入力される第2入力部と、
車載モニタに向けて映像信号を出力可能な出力端子と、
前記第1車載装置に対して所定入力がなされた場合に前記第2映像信号に基づく信号を前記出力端子から出力させ、前記第2映像信号に基づく信号を前記出力端子から出力させている場合において前記所定映像信号に基づく信号を表示させる所定条件が成立した場合に前記所定映像信号に基づく信号を前記出力端子から出力させる切替装置と、
を有する映像信号出力装置。
【0013】
上記の〔1〕の映像信号出力装置は、「第2映像信号に基づく信号」を出力端子から車載モニタに向けて出力させることができるため、できるだけ画質を低下させにくい状態で「第2映像信号に基づく信号」を車載モニタに伝送することができる。しかも、上記の映像信号出力装置は、第1車載装置に対して所定入力がなされることに応じて「第2映像信号に基づく信号」を車載モニタに向けて出力することができるため、第1車載装置とは関係なく「第2映像信号に基づく信号」が出力されることを抑えることができる。更に、上記の映像信号出力装置は、所定条件が成立した場合には、「所定映像信号に基づく信号」を出力端子から出力させるように切り替えることができるため、予め定められた所定条件に従って出力信号を「所定映像信号に基づく信号」に戻すことができる。このように、上記の映像信号出力装置は、外部装置からの信号に基づく映像をできるだけ画質の低下を抑えて車載モニタに表示させやすく、且つ外部装置からの信号に基づく映像を割り込ませるタイミングを、第1車載装置に対する所定入力に応じて制御することができる。
【0014】
上記の他の車載装置は、第1車載装置とは異なる車載装置であって且つ映像信号を出力可能な装置であればよい。上記の他の車載装置は、例えば車載用カメラの撮像によって生成される映像信号を出力する装置であってもよい。
【0015】
上記の所定映像信号は、上記の他の車載装置が出力する映像信号(例えば、車載用カメラの撮像によって生成される映像信号等)であってもよく、第1車載装置が出力する映像信号(第1映像信号)であってもよい。
【0016】
上記の「所定映像信号に基づく信号」は、上記所定映像信号そのものであってもよく、上記所定映像信号に対して調整処理(スケーリング、伝送方式の変換等)を施した信号であってもよい。
【0017】
上記所定入力は、予め定められた入力である。上記所定入力は、上記第1車載装置又は上記第1車載装置の外部に設けられた操作部(タッチパネル、スイッチパネル、ステアリングスイッチ等)からの上記第1車載装置に対する所定の情報入力であってもよく、その他の入力(例えば、音声、ジェスチャ、通信等による所定の情報入力など)であってもよい。
【0018】
〔2〕 前記第1入力部は、前記他の車載装置から前記所定映像信号が入力される端子であり、
前記車載モニタは、第3入力部と第4入力部とを有し、
前記第3入力部は、前記第1車載装置から第1映像信号が入力される端子であり、
前記切替装置は、前記第1車載装置に対して前記所定入力がなされた場合に前記第2映像信号に基づく信号を前記出力端子から前記第4入力部に向けて出力させ、前記所定条件が成立した場合に前記所定映像信号に基づく信号を前記出力端子から前記第4入力部に向けて出力させる
〔1〕に記載の映像信号出力装置。
【0019】
上記〔2〕の映像信号出力装置は、「所定入力」の対象装置(第1車載装置)からの入力経路(第3入力部)と出力端子からの入力経路(第4入力部)とを異ならせて車載モニタに適用することができる。そして、この映像信号出力装置は、このように入力経路を異ならせた場合であっても、第1車載装置における所定入力に応じて、別経路(第4入力部)を介して「第2映像信号に基づく信号」を車載モニタに向けて出力することができる。
【0020】
〔3〕 前記切替装置は、前記第1車載装置に対して前記所定入力がなされた場合に前記第2映像信号に基づく信号を前記出力端子から出力させ且つ前記第4入力部に入力される信号に基づく映像を前記車載モニタに表示させる制御を行う
〔2〕に記載の映像信号出力装置。
【0021】
上記〔3〕の映像信号出力装置は、第1車載装置に対して前記所定入力がなされた場合に、車載モニタにおいて第4入力部側の信号が表示に採用されるように制御することができるため、第2映像信号に基づく映像を、より適切な時期に車載モニタに表示させることができる。
【0022】
第4入力部に入力される信号に基づく映像を車載モニタに表示させる制御は、具体的には、後述の〔4〕のように、「第1車載装置を介して車載モニタに切替指示を与える制御」を採用することができる。但し、この例に限定されず、映像信号出力装置からの指令により、第4入力部側の信号を用いた表示を車載モニタに行わせる制御であればよい。例えば、映像信号出力装置から車載モニタに対して「第4入力部に入力される信号に基づく映像を表示させる指令」を直接与えてもよい。
【0023】
〔4〕 前記第1車載装置は、所定指令を受けた場合に前記車載モニタに対して切替指示を与え、
前記車載モニタは、前記切替指示を受けた場合に前記第4入力部に入力される映像信号に基づいて表示を行い、
前記切替装置は、前記第1車載装置に対して前記所定入力がなされた場合に前記第2映像信号に基づく信号を前記出力端子から出力させ、前記第1車載装置に対して前記所定指令を与える
〔2〕又は〔3〕に記載の映像信号出力装置。
【0024】
上記〔4〕の映像信号出力装置は、第1車載装置に対して所定入力がなされた場合に、第1車載装置に対して所定指令を与え、車載モニタに切替指示を与える動作を第1車載装置に行わせることができる。従って、第1車載装置に対して所定入力がなされた場合には、車載モニタに切替指示が与えられ、車載モニタは、第4入力部に入力される信号に基づいて映像を表示するように動作し得る。
【0025】
所定指令は、第1車載装置に対して切替指示を出力する動作を行わせる情報である。所定指令は、第1車載装置がこの所定指令を受けた場合に車載モニタに対して切替指示を出力するように動作する情報であれば、どのような情報であってもよい。
【0026】
切替指示は、車載モニタに対し、第3入力部及び第4入力部のうち、第4入力部に入力される信号を採用させ、第4入力部に入力される信号に基づく表示を行わせる情報である。切替指示は、車載モニタがこの切替指示を受けた場合に第4入力部に入力される信号に基づく表示を行うように動作する情報であれば、どのような情報であってもよい。
【0027】
〔5〕 前記第1入力部は、前記第1車載装置から前記所定映像信号が入力される端子であり、
前記車載モニタは、第3入力部を有し、
前記第3入力部は、前記出力端子からの映像信号が入力される端子であり、
前記切替装置は、前記第1車載装置に対して前記所定入力がなされた場合に前記第2映像信号に基づく信号を前記出力端子から前記第3入力部に向けて出力させ、前記所定条件が成立した場合に前記所定映像信号に基づく信号を前記出力端子から前記第3入力部に向けて出力させる
〔1〕に記載の映像信号出力装置。
【0028】
〔5〕の映像信号出力装置は、車載モニタに設けられた共通の第3入力部に対して、第1車載装置からの映像信号(所定映像信号)に基づく信号と、外部装置からの映像信号(第2映像信号)に基づく信号とを、切り替えて出力することができる。
【0029】
〔6〕 車載通信線から情報が入力される通信端子を有し、
前記第1車載装置は、前記所定入力がなされた場合に前記車載通信線に第1ステータス情報を伝送し、
前記切替装置は、前記車載通信線を介して伝送される情報に基づいて前記第1車載装置において前記所定入力がなされたか否かを判定する
〔1〕から〔5〕のいずれか一項に記載の映像信号出力装置。
【0030】
上記〔6〕の映像信号出力装置は、車載通信線を介して伝送される情報に基づいて、所定入力後の時期をより正確に判定することができる。
【0031】
〔7〕 第1車載装置から第1映像信号が入力される第1入力部と、
前記第1車載装置とは異なる外部装置から第2映像信号が入力される第2入力部と、
車載モニタに向けて映像信号を出力可能な出力端子と、
前記第1車載装置が所定信号を出力する場合に前記第2映像信号に基づく信号を前記出力端子から出力させ、前記第1車載装置が前記所定信号以外の信号を出力する場合に前記第1映像信号に基づく信号を前記出力端子から出力させる切替装置と、
を有する映像信号出力装置。
【0032】
上記〔7〕の映像信号出力装置は、「第2映像信号に基づく信号」を出力端子から車載モニタに向けて出力させることができるため、できるだけ画質を低下させにくい状態で「第2映像信号に基づく信号」を車載モニタに伝送することができる。しかも、上記の映像信号出力装置は、第1車載装置が所定信号を出力することに合わせて「第2映像信号に基づく信号」を車載モニタに向けて出力することができる。更に、上記の映像信号出力装置は、第1車載装置が所定信号以外の信号を出力することに合わせて「第1映像信号に基づく信号」を車載モニタに向けて出力することができる。このように、上記の映像信号出力装置は、外部装置からの信号に基づく映像をできるだけ画質の低下を抑えて車載モニタに表示させやすく、且つ外部装置からの信号に基づく映像を割り込ませるタイミングを制御することができる。
【0033】
上記の「第1映像信号に基づく信号」は、第1映像信号そのものであってもよく、第1映像信号に対して調整処理(スケーリング、伝送方式の変換等)を施した信号であってもよい。
【0034】
〔8〕 車載通信線から情報が入力される通信端子を有し、
前記第1車載装置は、前記所定信号を出力する場合に前記車載通信線に第1ステータス情報を伝送し、
前記切替装置は、前記車載通信線を介して伝送される情報に基づいて前記第1車載装置が出力する信号が前記所定信号及び前記所定信号以外の信号のいずれであるかを判定する
〔7〕に記載の映像信号出力装置。
【0035】
上記〔8〕の映像信号出力装置は、車載通信線を介して伝送される情報に基づいて、第1車載装置が所定信号を出力する期間及び所定信号以外の信号を出力する期間をより正確に判定することができる。
【0036】
〔9〕 前記第1車載装置は、外部映像信号が入力される外部入力端子を備えた装置であり、
前記所定信号は、前記外部入力端子からの入力に基づく表示時期であることを示す第2ステータス情報である
〔7〕又は〔8〕に記載の映像信号出力装置。
【0037】
上記〔9〕の映像信号出力装置は、外部入力端子からの入力に基づく表示時期であることを示す第2ステータス情報の出力時期に合わせて第2映像信号に基づく映像を車載モニタに表示させることができる。この例では、第1車載装置は、上記第2ステータス情報が出力される時期に外部入力端子から映像信号が入力されている場合にはその映像信号に基づく信号(その映像信号そのもの又は加工した信号)を第1映像信号として出力し、上記第2ステータス情報が出力される時期に外部入力端子から映像信号が入力されていない場合には特定の映像信号(例えば、黒い画面の画像)の出力又は映像信号を出力しないように動作し得る。いずれの場合でも、映像信号出力装置は、第2ステータス情報の出力時期に合わせて第2映像信号に基づく信号を出力端子から出力させることができる。
【0038】
上記いずれの映像信号出力装置でも、第1車載装置は、映像信号を出力可能な装置である。第1車載装置は、例えば車載用ナビゲーション装置である。但し、第1車載装置は、ナビゲーション機能を有していない車載装置であってもよい。
【0039】
上記いずれの映像信号出力装置でも、外部装置は、車載モニタ及び第1車載装置の外部に存在する装置である。外部装置は、映像信号出力装置の外部に存在する装置であってもよく、映像信号出力装置の内部に存在する装置であってもよい。
【0040】
上記いずれの映像信号出力装置でも、第2入力部は、有線方式で第2映像信号が入力される端子や導電路であってもよく、無線方式で第2映像信号が入力される通信部であってもよい。
【0041】
上記のいずれの映像信号出力装置でも、車載モニタは、ディスプレイを有する装置であって且つ自身に入力される映像信号に基づく映像を上記ディスプレイに表示し得る装置である。車載モニタは、後述される第3入力部及び第4入力部を備えた装置であってもよく、第3入力部及び第4入力部のうちの一方のみが設けられた装置であってもよい。
【0042】
上記のいずれの映像信号出力装置でも、第2映像信号に基づく信号は、第2映像信号そのものであってもよく、第2映像信号に対して調整処理(スケーリング、伝送方式の変換等)を施した信号であってもよい。
【0043】
<第1実施形態>
1-1.車載システム1の概要
図1には、第1実施形態に係る映像信号出力装置10を備えた車載システム1が例示される。車載システム1は、車載モニタ110と第1車載装置120と他の車載装置130と映像信号出力装置10とを備える。車載システム1では、外部装置190から出力される映像信号(第2映像信号)が映像信号出力装置10内において伝送され、この第2映像信号に基づく信号が映像信号出力装置10から車載モニタ110に出力される。このような動作により、第2映像信号に応じた映像(第2映像信号によって表示されるコンテンツなど)が車載モニタ110に表示される
【0044】
1-2.外部装置190の基本構成及び基本動作
外部装置190は、車載モニタ110及び第1車載装置120の外部に設けられる装置である。
図1の例では、外部装置190は、映像信号出力装置10の外部の装置であり、他の車載装置130の外部の装置である。
図1の例では、外部装置190は、映像信号出力装置10、第1車載装置120、他の車載装置130、車載モニタ110のいずれとも異なる装置であり、映像信号出力装置10に向けて映像信号を出力し得る装置である。外部装置190は、公知方式の映像信号及び公知方式の音声信号を出力し得る装置であればよい。外部装置190は、スマートフォン、タブレット端末、携帯電話機などの携帯型情報端末であってもよく、その他の情報端末であってもよい。
【0045】
図1に示される代表例では、外部装置190がケーブル(例えば、HDMI(登録商標)ケーブルやその他の公知伝送方式のケーブル)を介して映像信号出力装置10に電気的に接続されており、外部装置190からの信号がケーブルを介して映像信号出力装置10の第2入力部32に入力される。外部装置190が出力する映像信号が第2映像信号の一例に相当する。第2映像信号は、そのような方式の映像信号であってもよい。
【0046】
1-3.車載モニタ110の基本構成及び基本動作
車載モニタ110は、ディスプレイを有する装置であって且つ自身に入力される映像信号に基づく映像を上記ディスプレイに表示し得る装置である。
図1の代表例では、車載モニタ110は、第3入力部113及び第4入力部114を備えた装置である。車載モニタ110を構成するディスプレイは、液晶表示装置などの表示装置として構成され、動画や静止画などの様々な映像を表示し得る。車載モニタ110を構成するディスプレイの種類は、液晶表示装置に限定されず、有機ELディスプレイやプラズマディスプレイなど、他の種類のディスプレイであってもよい。
図1の例では、第3入力部113は、第1車載装置120から第1映像信号が入力される端子である。第4入力部114は、出力端子34からの映像信号が信号線158を介して入力される端子である。第1映像信号は、例えば公知の伝送方式(GVIF、LVDS等)のデジタル映像信号である。
【0047】
車載モニタ110は、端子部(通信端子)118を介して車載通信線150に情報を送信する機能、及び車載通信線150で伝送される情報を端子部(通信端子)118を介して受信する機能を有する。つまり、車載モニタ110は、車載通信線150を介して各機器と通信を行い得る。車載通信線150は、IE-Bus(Inter Equipment Bus)方式、CAN(Controller Area Network)方式、その他の通信方式などで多重通信を行う通信線である。
【0048】
車載モニタ110は、第3入力部113に入力される信号及び第4入力部114に入力される信号のうち、どちらの信号を採用するかを選択し得る。具体的には、以下のような基本動作を行い得る。
【0049】
車載モニタ110は、外部から第1切替指示を受けた場合に、第3入力部113及び第4入力部114のうちの第3入力部113を選択する。車載モニタ110は、第3入力部113を選択する場合には、第3入力部113に入力される信号に基づいた映像をディスプレイに表示する。第1切替指示は、車載モニタ110がディスプレイに映像を表示する際に利用する信号を、第3入力部から入力される信号に切り替えさせる指示である。車載モニタ110は、第1切替指示を受信することに応じて表示に採用する信号を第3入力部113からの信号に切り替えた場合、第1車載装置120に対して「表示に採用する信号を第3入力部113からの信号に切り替えたこと」を示す第1報告情報を送信する。
【0050】
車載モニタ110は、外部から第2切替指示を受けた場合に、第3入力部113及び第4入力部114のうちの第4入力部114を選択する。車載モニタ110は、第4入力部114を選択する場合には、第4入力部114に入力される信号に基づいた映像をディスプレイに表示する。第2切替指示は、車載モニタ110がディスプレイに映像を表示する際に利用する信号を、第4入力部114から入力される信号に切り替えさせる指示である。車載モニタ110は、第2切替指示を受信することに応じて表示に採用する信号を第4入力部114からの信号に切り替えた場合、第1車載装置120に対して「表示に採用する信号を第4入力部114からの信号に切り替えたこと」を示す第2報告情報を送信する。
【0051】
更に、車載モニタ110は、継続的に信号線152を監視するように動作する。車載モニタ110は、信号線152の状態が第1状態になった場合に、『第2ソース信号を「他の車載装置を示す信号(第2種類の信号)」に切り替える指示』を第1車載装置120に与える。第1状態は、他の車載装置130が所定の「カメラON信号」を車載モニタ110に入力する状態である。車載モニタ110は、信号線152の状態が第2状態になった場合に、『第2ソース信号を「第1車載装置を示す信号(第1種類の信号)」に切り替える指示』を第1車載装置120に与える。第2状態は、他の車載装置130が所定の「カメラOFF信号」を車載モニタ110に入力する状態である。
【0052】
1-4.他の車載装置130の基本構成及び基本動作
他の車載装置130は、第1車載装置120とは異なる車載装置であって且つ映像信号を出力可能な装置である。
図1の例では、他の車載装置130は、カメラ132と連携した動作を行い得るカメラ制御装置である。カメラ132は、例えばバックカメラなどの車載用カメラである。カメラ132は、設定された撮像範囲を撮像した動画や静止画を生成し、撮像画像を表示するための映像信号を他の車載装置130に出力し得る。
【0053】
他の車載装置130は、カメラ132によって生成された映像信号を、信号線154を介して出力し得る。
図1の例では、信号線154は、他の車載装置130から映像信号出力装置10の第1入力部31に映像信号を伝送するための信号線である。本実施形態では、他の車載装置130が出力する映像信号が所定映像信号の一例に相当する。所定映像信号は、例えば公知の伝送方式(GVIF(Gigabit Video InterFace)、LVDS(Low Voltage Differential Signaling)等)のデジタル映像信号である。所定映像信号は、第1入力部31に入力される映像信号でもある。
【0054】
他の車載装置130は、予め定められたカメラ画像表示条件が成立した場合に、信号線152を介して車載モニタ110にカメラON信号を与える。カメラ画像表示条件は、例えば、「予め定められたカメラボタンに対して所定の表示指示操作がなされたこと」であってもよく、「シフトが「後退」に切り替わったこと」であってもよく、「その他の表示条件が成立したこと」であってもよい。他の車載装置130は、カメラ画像表示条件が成立してからカメラ画像表示条件が解除されるまでは、信号線152を第1状態(カメラON信号を出力した状態)で維持する。カメラ画像表示条件の解除は、例えば、「カメラ画像表示条件が成立しているときにカメラボタンに対して所定の表示解除操作がなされたこと」であってもよく、「カメラ画像表示条件が成立しているときにシフトが「後退」から他の状態(例えば、「前進」)に切り替わったこと」であってもよく、「その他の表示解除条件が成立したこと」であってもよい。他の車載装置130は、カメラ画像表示条件が解除された場合には、信号線152を介して車載モニタ110にカメラOFF信号を与える。他の車載装置130は、カメラ画像表示条件が解除されてから次のカメラ画像表示条件が成立するまでは、信号線152を第2状態(カメラOFF信号を出力した状態)で維持する。
【0055】
1-5.第1車載装置120の基本構成及び基本動作
第1車載装置120は、端子部122,124,128を有する。更に、第1車載装置120は、図示されていない制御装置、音声出力部、記憶部、通信部などを備える。第1車載装置120は、例えば車載用ナビゲーション装置である。但し、第1車載装置120は、ナビゲーション機能を有していない車載装置であってもよい。第1車載装置120は、第1映像信号を出力可能な装置である。
図1の例では、第1車載装置120が端子部122を介して出力する映像信号が第1映像信号である。第1車載装置120が端子部122を介して出力する第1映像信号は、端子部122から第3入力部113へ信号線156を介して第1映像信号が伝送される。第1映像信号は、例えば公知の伝送方式(GVIF、LVDS等)のデジタル映像信号である。
【0056】
端子部124は、車載通信線150に接続されている。第1車載装置120は、車載通信線150を介して情報を送信する機能、及び車載通信線150を介して情報を受信する機能を有する。つまり、第1車載装置120は、車載通信線150を介して各機器と通信を行い得る。
【0057】
端子部128は、音声信号を入力する入力部であり、例えば、複数の端子を有する。第1車載装置120は、端子部128を介して入力される音声信号に応じた音声を出力するようにスピーカ134を動作させる機能を有する。
図1の例では、映像信号出力装置10は、出力端子36を介して第1車載装置120に音声信号を出力することができ、第1車載装置120は、映像信号出力装置10から入力される音声信号に応じた音声をスピーカ134が発するように動作させ得る。なお、外部装置190がアナログ音声信号を出力し得る構成であれば、外部装置190から出力されるアナログ音声信号は、変換部12を経由せずに端子部36を介して端子部128に入力されてもよく、外部装置190から直接端子部128に入力されてもよい。
【0058】
第1車載装置120(具体的には、第1車載装置120に設けられた制御装置)は、第1ソース信号及び第2ソース信号を所定時間毎(例えば、5秒毎)に出力するように動作する。第1車載装置120は、端子部124を介して車載通信線150に第1ソース信号及び第2ソース信号を出力する。
【0059】
第1ソース信号は、第1車載装置120が映像や音声を出力する元となる複数の情報元(予め定められた機器、端子、機能等)の中から第1車載装置120において現在選択されている情報元を特定する信号である。第1車載装置120が、情報元としてDVDを選択している場合、第1車載装置120は、DVDを示す第1ソース信号を所定間隔ごとに出力する。
【0060】
第2ソース信号は、画面ソース信号である。第2ソース信号は、車載モニタ110に表示する映像の発信元として第1車載装置120が認識している信号である。第1車載装置120が、自身(第1車載装置120)を車載モニタ110に表示する映像の発信元として認識している場合、第1車載装置120は、第2ソース信号として第1種類の信号(具体的には、第1車載装置120を示す信号)を出力する。本実施形態では、第1車載装置120が第2ソース信号として第1種類の信号を出力する場合、車載モニタ110は、表示する映像の発信元を第3入力部113に信号を入力する機器とするように動作し得る。第1車載装置120が、自身以外(具体的には、他の車載装置130を含む場合)を車載モニタ110に表示する映像の発信元として認識している場合、第1車載装置120は、第2ソース信号として第2種類の信号(具体的には、他の車載装置130を示す信号)を出力する。本実施形態では、第1車載装置120が第2ソース信号として第2種類の信号を出力する場合、車載モニタ110は、表示する映像の発信元を第4入力部114に信号を入力する機器とするように動作し得る。
【0061】
第1車載装置120は、複数の情報元(第1車載装置120が映像や音声を出力する元となる機器、端子、機能等)の中からいずれかを選択し得るように構成されている。複数の情報元は、例えば、DVDプレーヤ、TV、FMラジオ、AMラジオ、bluetooth(登録商標)機器、AUX、その他の機器などである。第1車載装置120は、図示されていない操作部(例えば、タッチパネル、スイッチパネル、ステアリングスイッチ等)によって情報元を選択する操作がなされることにより、その操作で選択された機器を情報元として選択する。例えば、図示されていない操作部によってDVDプレーヤを選択する操作がなされた場合に、第1車載装置120は、DVDプレーヤを情報元して選択する。同様に、上記操作部によってAUXを選択する操作がなされた場合には、第1車載装置120は、AUXを情報元して選択する。同様に、上記操作部によってTVを選択する操作がなされた場合には、第1車載装置120は、TVを情報元して選択する。第1車載装置120は、いずれかの情報元を選択している場合、その選択中の情報元を特定する信号を第1ソース信号として出力する。例えば、第1車載装置120が情報元としてDVDプレーヤを選択している場合、DVDプレーヤを示す第1ソース信号を所定時間毎(例えば、5秒毎)に出力する。同様に、第1車載装置120が情報元としてAUXを選択している場合、AUXを示す第1ソース信号を所定時間毎(例えば、5秒毎)に出力する。同様に、第1車載装置120が情報元としてTVを選択している場合、TVを示す第1ソース信号を所定時間毎(例えば、5秒毎)に出力する。なお、第1車載装置120は、第1ソース信号を所定時間毎(例えば、5秒毎)に出力しているときに、新たな情報元に切り替わった場合、その切り替わった直後に新たな情報元を示す第1ソース信号を出力し、その後、その新たな情報元を示す第1ソース信号を所定時間毎に出力する。
【0062】
第1車載装置120(具体的には、第1車載装置120に設けられた制御装置)は、車載モニタ110に対して第2切替指示(第4入力部114から入力される信号に切り替えさせる指示)を与える直前又は与えた後の所定の時期に第2ソース信号を「他の車載装置130を示す信号(第2種類の信号)」に切り替える。第2ソース信号を第2種類の信号に切り替える時期は、上記第2切替指示を出力した直後であってもよく、上記第2報告情報を受けた後であってもよい。代表例では、第2種類の信号は、画面ソースをカメラ側とする信号でもある。第1車載装置120は、このように切り替えた後には、次に第2ソース信号を第1種類の信号に切り替えるまで、第2ソース信号として「他の車載装置130を示す信号(第2種類の信号)」を所定時間毎に出力する。また、第1車載装置120(具体的には、第1車載装置120に設けられた制御装置)は、車載モニタ110に対して第1切替指示(第3入力部113から入力される信号に切り替えさせる指示)を与える直前又は与えた後の所定の時期に第2ソース信号を「第1車載装置120を示す信号(第1種類の信号)」に切り替える。第2ソース信号を第1種類の信号に切り替える時期は、上記第1切替指示を出力した直後であってもよく、上記第1報告情報を受けた後であってもよい。代表例では、第1種類の信号は、画面ソースをナビ側とする信号でもある。第1車載装置120は、このように切り替えた後には、次に第2ソース信号を第2種類の信号に切り替えるまで、第2ソース信号として「第1車載装置120を示す信号(第1種類の信号)」を所定時間毎に出力する。
【0063】
1-6.映像信号出力装置10の構成及び特徴
映像信号出力装置10は、第1入力部31、第2入力部32、出力端子34,36、通信端子38、切替装置20、変換部12などを有する。
【0064】
図1の例では、第1入力部31は、他の車載装置130が出力する上記所定映像信号が入力される入力端子である。
【0065】
第2入力部32は、外部装置190から第2映像信号が入力される部分である。第2入力部32は、有線方式で第2映像信号が入力される入力端子であってもよく、無線方式で第2映像信号が入力される通信部であってもよい。
【0066】
出力端子34は、車載モニタ110に向けて映像信号を出力可能な端子である。出力端子34から車載モニタ110に出力される映像信号は、例えば公知の伝送方式(GVIF、LVDS等)のデジタル映像信号である。
【0067】
通信端子38は、車載通信線150に接続される端子である。制御部16は、通信端子38を介して車載通信線150に情報を送信する機能、及び車載通信線150で伝送される情報を通信端子38を介して受信する機能を有する。
【0068】
切替装置20は、「第2映像信号に基づく信号」を出力端子34から出力させる動作と、「所定映像信号に基づく信号」を出力端子34から出力させる動作とを切り替え得る装置である。切替装置20は、第1車載装置120に対して「所定入力」(第2映像信号に基づく信号を出力端子34から出力させる条件となる後述の所定入力)がなされた場合に「第2映像信号に基づく信号」を出力端子34から出力させる。切替装置20は、「第2映像信号に基づく信号」を出力端子34から出力させている場合において「所定映像信号に基づく信号」を表示させる所定条件が成立した場合に「所定映像信号に基づく信号」を出力端子34から出力させる。切替装置20の具体的な動作は後述される。
【0069】
1-7.車載システムでの具体的動作
<第1システム状態>
以下の説明では、「第1ソース信号が特定信号(情報元としてAUXを示す信号)でなく、第2ソース信号が第1種類の信号(ナビ側を示す画面ソース信号)である状態」が第1のシステム状態である。第1のシステム状態では、第1車載装置120は、第1ソース信号として特定信号以外の信号(具体的には、AUX以外の情報元(例えば、TV、DVDなど)を示す信号)を車載通信線150に対して所定時間毎に周期的に送信し、第2ソース信号として第1種類の信号(ナビ側を示す画面ソース信号)を車載通信線150に対して所定時間毎に周期的に送信する。第1ソース信号及び第2ソース信号は、同報信号であるため、車載通信線150に接続される各機器は、車載通信線150を監視することで第1ソース信号及び第2ソース信号の状態を確認することができる。
【0070】
<第1システム状態から第2システム状態に切り替わる場合>
以下の説明では、「第1ソース信号が特定信号(AUX)でなく、第2ソース信号が第2種類の信号(カメラ側を示す画面ソース信号)である状態」が第2システム状態である。
【0071】
上述の第1システム状態のときに上述のカメラ画像表示条件(カメラボタンに対する操作、シフトの後退への切り替え、その他の条件等)が成立した場合、他の車載装置130は、車載モニタ110に対してカメラON信号を出力する。車載モニタ110は、他の車載装置130から与えられる信号がカメラOFF信号からカメラON信号に切り替わった場合、第1車載装置120に対して『第2ソース信号を「他の車載装置130を示す信号(第2種類の信号)」に切り替える指示』を与えるように動作する。
【0072】
第1車載装置120は、車載モニタ110から「第2ソース信号を第2種類の信号に切り替える指示」を受けた場合に、車載モニタ110に対して上述の第2切替指示(第4入力部114から入力される信号に切り替えさせる指示)を送信する。車載モニタ110は、第2切替指示を受けた場合には、自身に設けられたディスプレイでの表示に採用する信号を第4入力部114からの信号に切り替え、上述の第2報告情報(表示に採用する信号を第4入力部114からの信号に切り替えたことを示す情報)を第1車載装置120に送信する。第1車載装置120は、車載モニタ110から「第2ソース信号を第2種類の信号に切り替える指示」を受けた後の所定の時期に第2ソース信号を第2種類の信号に切り替え、第2ソース信号(第2種類の信号(カメラ側を示す画面ソース信号))を所定時間毎に周期的に送信する。このようにして、第1システム状態から第2システム状態に切り替わる。なお、第2システム状態では、第1ソース信号は、現在選択されている情報元を示す信号が所定時間毎に周期的に送信される。
【0073】
なお、カメラOFF信号からカメラON信号に切り替わったことに応じて第1車載装置120が車載モニタ110に対して第2切替指示を送信する動作は上述の例に限定されない。例えば、第1車載装置120がカメラON及びカメラOFF信号を直接取得し得る構成であってもよい。この場合、第1車載装置120は、カメラOFF信号からカメラON信号に切り替わったことを検知した場合に、車載モニタ110に対して第2切替指示を送信するように動作すればよい。
【0074】
<第2システム状態から第1システム状態に切り替わる場合>
上述の第2システム状態のときに、上述のカメラ画像表示条件が解除された場合、他の車載装置130は、車載モニタ110に対してカメラOFF信号を出力する。
【0075】
車載モニタ110は、他の車載装置130から与えられる信号がカメラON信号からカメラOFF信号に切り替わった場合、第1車載装置120に対して『第2ソース信号を「第1車載装置120を示す信号(第1種類の信号)」に切り替える指示』を与えるように動作する。
【0076】
第1車載装置120は、車載モニタ110から「第2ソース信号を第1種類の信号に切り替える指示」を受けた場合に、車載モニタ110に対して上述の第1切替指示(第3入力部113から入力される信号に切り替えさせる指示)を送信する。車載モニタ110は、第1切替指示を受けた場合には、自身に設けられたディスプレイでの表示に採用する信号を第3入力部113からの信号に切り替え、上述の第1報告情報(表示に採用する信号を第3入力部113からの信号に切り替えたことを示す情報)を第1車載装置120に送信する。第1車載装置120は、車載モニタ110から「第2ソース信号を第1種類の信号に切り替える指示」を受けた後の所定の時期に第2ソース信号を第1種類の信号に切り替え、第2ソース信号(第1種類の信号)を所定時間毎に周期的に送信する。このようにして、第2システム状態から第1システム状態に切り替わる。第1システム状態に戻った場合でも、第1ソース信号は、現在選択されている情報元を示す信号が所定時間毎に周期的に送信される。
【0077】
<第1システム状態から第3システム状態に切り替わる場合>
以下の説明では、第1システム状態のときに「所定入力」がなされたことが検知された場合に切り替えられる状態が第3システム状態である。「所定入力」がなされたことが検知された場合の一例は、具体的には、「第1ソース信号が特定信号(情報元としてAUXを示す信号)以外の信号から特定信号に切り替わったことが検知された場合」である。ここでの「所定入力」は、具体的には、「第1ソース信号が特定信号(情報元としてAUXを示す信号)以外の信号のときに、第1ソース信号を特定信号に切り替えるための操作(例えば情報元としてAUXを選択する入力操作)によって第1車載装置120に対してなされる情報入力」である。第3システム状態では、第1車載装置120から第1ソース信号として上記の特定信号が繰り返し出力され、第2ソース信号として上記の第2種類の信号(他の車載装置130を示す信号)が繰り返し出力される。
【0078】
(A)第3システム状態において、カメラ画像表示条件が成立していない場合
上述の第1システム状態のときに、操作部の操作によって第1車載装置120が選択する情報元がAUX以外からAUXに切り替えられた場合、第1車載装置120は、第1ソース信号を「AUX以外の情報元(例えば、TVやDVD等)を示す信号」(特定信号以外の信号)から「情報元としてAUXを示す信号」(特定信号)に切り替え、切り替え後には、第1ソース信号として特定信号(情報元としてAUXを示す信号)を車載通信線150に対して所定時間毎に周期的に送信する。第1ソース信号を特定信号以外の信号から特定信号に切り替えた直後は、第2ソース信号は、第1種類の信号(ナビ側の画面ソース信号)のままである。
【0079】
第1車載装置120が第1ソース信号を特定信号以外から特定信号(情報元としてAUXを示す信号)に切り替えた場合、車載通信線150を継続的に監視する映像信号出力装置10(具体的には制御部16)は、第1ソース信号が特定信号以外から特定信号に切り替わったことを検出する。制御部16は、第1ソース信号が特定信号以外から特定信号に切り替わったことを検出した場合(即ち、第1車載装置120でなされた「所定入力」を検出した場合)、他の車載装置130から車載モニタ110に対してなされる出力がカメラOFF信号で維持されている場合には、出力端子34から「第2映像信号に基づく信号」を出力するように切替部14を制御する。映像信号出力装置10は、端子部39が信号線153を介して信号線152に電気的に接続され、切替装置20は、端子部39を介して信号線152の状態を確認できるようになっている。つまり、他の車載装置130から車載モニタ110に対してなされる出力がカメラON信号であるかカメラOFF信号であるかを、端子部39に入力される信号に基づいて確認することができる。なお、このような確認方法に限定されず、映像信号出力装置10は、車載通信線150の状態に基づいて、他の車載装置130から車載モニタ110に対してなされる出力がカメラON信号であるかカメラOFF信号であるかを確認してもよい。
【0080】
「第2映像信号に基づく信号」は、外部装置190が出力する映像信号(第2映像信号)そのものであってもよく、第2映像信号に対して変換部12によって調整処理(スケーリング、伝送方式の変換等)を施した信号であってもよい。「第2映像信号に基づく信号」として、第2映像信号を出力する場合、変換部12は省略されてもよい。但し、「第2映像信号」及び「第2映像信号に基づく信号」は、いずれもデジタル信号であり、具体的には、例えば公知の伝送方式(GVIF、LVDS等)のデジタル映像信号である。映像信号出力装置10は、第2入力部32に入力された第2映像信号をアナログ信号に変換する処理を行わずに出力端子34から「第2映像信号に基づく信号」を出力するように動作する。
【0081】
更に、映像信号出力装置10(具体的には制御部16)は、第1ソース信号が特定信号以外から特定信号に切り替わったことを検出した場合、上述された「第2ソース信号を第2種類の信号に切り替える指示」を第1車載装置120に与える。第1車載装置120は、映像信号出力装置10から「第2ソース信号を第2種類の信号に切り替える指示」を受けた場合に、車載モニタ110に対して上述の第2切替指示(第4入力部114から入力される信号に切り替えさせる指示)を送信する。車載モニタ110は、第2切替指示を受けた場合には、自身に設けられたディスプレイでの表示に採用する信号を第4入力部114からの信号に切り替え、上述の第2報告情報(表示に採用する信号を第4入力部114からの信号に切り替えたことを示す情報)を第1車載装置120に送信する。第1車載装置120は、第2報告情報を受ける前又は後に第2ソース信号を第2種類の信号(カメラ側の画面ソース信号)に切り替え、この第2ソース信号(第2種類の信号)を所定時間毎に周期的に送信する。
【0082】
このように、第3システム状態に切り替わった場合、カメラ画像表示条件が成立していない場合には、第1ソース信号として上記特定信号(情報元としてAUXを示す信号)が所定時間毎に周期的に送信され、第2ソース信号として第2種類の信号(カメラ側を示す画面ソース信号)が周期的に送信される。
【0083】
この例では、AUXを選択する入力操作が「所定入力」の一例に相当する。そして、特定信号(情報元としてAUXを示す信号)の第1ソース信号が第1ステータス情報の一例に相当する。つまり、第1車載装置120は「所定入力」がなされた場合に車載通信線150に第1ステータス情報を伝送するようになっており、切替装置20は車載通信線150を介して伝送される情報に基づいて第1車載装置120において上記「所定入力」がなされたか否かを判定するようになっている。
【0084】
本実施形態では、「所定入力」は、映像信号出力装置10が出力端子から「第2映像信号に基づく信号」を出力することができる状態にするトリガとなる入力である。この「所定入力」(この例では、情報元として「AUX」を選択する操作)は、第1車載装置120に対する直接の入力操作であってもよく、第1車載装置120に対してなされる所定の情報入力であってもよい。例えば、第1車載装置120とは異なる操作部に対する入力操作に応じて第1車載装置120になされる情報入力であってもよい。上記情報入力は、接触操作による情報入力に限定されず、音声などによる非接触による情報入力も含む。
【0085】
(B)第3システム状態のときに、カメラ画像表示条件が成立した場合
第3システム状態に切り替わった後、第3システム状態のときにカメラ画像表示条件が成立した場合(カメラ画像表示条件が解除された状態から成立した状態に切り替わった場合)、他の車載装置130は、車載モニタ110に対して出力する信号をカメラOFF信号からカメラON信号に切り替える。
【0086】
車載モニタ110は、第3システム状態のときに他の車載装置130から与えられる信号がカメラOFF信号からカメラON信号に切り替わった場合、その時点では、既に第2ソース信号が第2種類の信号であるため、第1車載装置120に対する「第2ソース信号を第2種類の信号に切り替える指示」は行わなくてもよく、行ってもよい。
【0087】
映像信号出力装置10(具体的には制御部16)は、第1ソース信号だけでなくカメラON信号及びカメラOFF信号を監視しており、第1ソース信号として特定信号が繰り返される状況下で他の車載装置130から車載モニタ110に与えられる信号がカメラOFF信号からカメラON信号に切り替わった場合、出力端子34から「所定映像信号に基づく信号」を出力するように切替部14を制御する。
【0088】
「所定映像信号に基づく信号」は、第1入力部31に入力される映像信号(所定映像信号)そのものであってもよく、所定映像信号に対して調整処理(スケーリング、伝送方式の変換等)を施した信号であってもよい。但し、「所定映像信号」及び「所定映像信号に基づく信号」は、いずれもデジタル信号であり、具体的には、例えば公知の伝送方式(GVIF、LVDS等)のデジタル映像信号である。映像信号出力装置10は、第1入力部31に入力された所定映像信号をアナログ信号に変換する処理を行わずに出力端子34から所定映像信号に基づく信号を出力する。
【0089】
第3システム状態では、カメラ画像表示条件が成立した場合でも、第1ソース信号として上記特定信号(情報元としてAUXを示す信号)が所定時間毎に周期的に送信され、第2ソース信号として第2種類の信号(カメラ側を示す画面ソース信号)が周期的に送信される。
【0090】
上述の代表例では、カメラON信号が出力される条件が、「所定映像信号に基づく信号」を表示させる「所定条件」の一例に相当する。この例では、切替装置20は、上記「所定入力」がなされた場合において「所定条件」が成立していない場合には「第2映像信号に基づく信号」を出力端子34から第4入力部114に向けて出力させ、上記「所定条件」が成立した場合には「所定映像信号に基づく信号」を出力端子34から第4入力部114に向けて出力させる。
【0091】
上述の代表例では、切替装置20は、「所定入力」がなされることに応じて「第2映像信号に基づく信号」を出力端子34から第4入力部114に向けて出力させる場合、「第4入力部114に入力される信号に基づく映像」を車載モニタ110に表示させる制御を行う。「第4入力部114に入力される信号に基づく映像」を車載モニタ110に表示させる制御は、具体的には、車載モニタ110に対して切替指示(第2切替指示)を出力するように第1車載装置120を動作させる制御であり、より具体的には、第1車載装置120に対して「所定指令」を与える制御である。
【0092】
「所定指令」は、第1車載装置120に対して切替指示(第2切替指示)を出力する動作を行わせる情報であり、この情報(所定指令)を受けた場合に第1車載装置120が切替指示(第2切替指示)を出力するように動作可能であれば、どのような情報であってもよい。
【0093】
「切替指示」(第2切替指示)は、車載モニタ110に対し、第3入力部113及び第4入力部114のうちの第4入力部114に入力される信号を採用させ、第4入力部114に入力される信号に基づく表示を行わせる情報であり、この情報(切替指示)を受けた場合に車載モニタ110が第4入力部114に入力される信号に基づく表示を行うように動作可能であれば、どのような情報であってもよい。
【0094】
上述の代表例では、第1車載装置120は、所定指令(具体的には、第2ソース信号を第2種類の信号(カメラ側の画面ソース信号)に切り替える指示)を受けた場合に車載モニタ110に対して切替指示(第2切替指示)を与えるように動作する。そして、代表例では、車載モニタ110は、切替指示(第2切替指示)を受けた場合に第4入力部114に入力される映像信号に基づいて表示を行うように動作する。但し、第4入力部114側の信号を用いた表示を車載モニタ110に行わせ得る制御であれば、上述の例に限定されない。例えば、映像信号出力装置10から車載モニタ110に対して直接的に第2切替指示を与えることで、第4入力部114側の信号を用いた表示を車載モニタ110に行わせてもよい。
【0095】
(C)第3システム状態のときに、カメラ画像表示条件が解除される場合
上述の第3システム状態のときに、カメラ画像表示条件が成立している状態からカメラ画像表示条件が解除された状態に切り替わった場合、他の車載装置130は、車載モニタ110に対してカメラOFF信号を出力する。
【0096】
映像信号出力装置10(具体的には制御部16)は、第1ソース信号として上記特定信号(情報元としてAUXを示す信号)が繰り返される状況下で他の車載装置130から車載モニタ110に与えられる信号がカメラON信号からカメラOFF信号に切り替わった場合、出力端子34から「第2映像信号に基づく信号」を出力する。つまり、上述の「(A)カメラ画像表示条件が成立していない場合」と同様の動作に戻す。映像信号出力装置10は、カメラON信号からカメラOFF信号に切り替わったことを、端子部39の状態(即ち信号線152の状態)に基づいて把握してもよく、車載通信線150の状態に基づいて把握してもよい。
【0097】
<第3システム状態から第4システム状態に切り替わる場合>
第1車載装置120は、上述の第3システム状態(第1ソース信号として上記特定信号(情報元としてAUXを示す信号)が繰り返され、第2ソース信号として第2種類の信号が繰り返される状態)において、第1ソース信号を変更せずに第2ソース信号を第1種類の信号に変更する条件が成立した場合、第1ソース信号として特定信号を継続的に出力する状態のまま、第2ソース信号を第1種類の信号に切り替える。「第1ソース信号を変更せずに第2ソース信号を第1種類の信号に変更する条件」は、例えば、「第1ソース信号を変更せずに第1車載装置120に所定機能を実現させる機能実行操作がなされたこと」であり、具体的には、「現在地ボタンが選択されたこと」「ホームボタンが選択されたこと」「エアコンボタンが選択されたこと」などである。「現在地ボタンが選択されたこと」とは、具体的には、現在地を地図表示させる操作がなされたことである。「ホームボタンが選択されたこと」とは、所定のホーム画面を表示させる操作がなされたことである。「エアコンボタンが選択されたこと」は、エアコンの機能を実行させる操作がなされたことである。
【0098】
第1車載装置120は、第3システム状態のときに上記機能実行操作(第1ソース信号を変更せずに第1車載装置120に所定機能を実現させる操作)がなされた場合、第2ソース信号を第1種類の信号(ナビ側の画面ソース信号)に切り替える。そして、第2ソース信号として、第1種類の信号を所定時間毎に周期的に出力する。一方、第1ソース信号としては、上記特定信号(AUX)を所定時間毎に周期的に出力する。このように、第1ソース信号として特定信号(AUX)が周期的に出力され、第2ソース信号として第1種類の信号が周期的に出力される状態が第4システム状態である。
【0099】
映像信号出力装置10(具体的には制御部16)は、第3システム状態から第4システム状態に変化した場合、外部装置190から入力される音声信号に基づく信号は端子部36を介して出力し続ける。
【0100】
第1車載装置120は、第4システム状態に切り替わる前又は後に車載モニタ110に対して上述の第1切替指示(第3入力部113から入力される信号に切り替えさせる指示)を送信する。車載モニタ110は、第1切替指示を受けた場合には、自身に設けられたディスプレイでの表示に採用する信号を第3入力部113からの信号に切り替え、上述の第1報告情報(表示に採用する信号を第3入力部113からの信号に切り替えたことを示す情報)を第1車載装置120に送信する。第1車載装置120は、第1報告情報を受けた後にも、第2ソース信号(第1種類の信号)を所定時間毎に周期的に送信する。
【0101】
<第4システム状態から第3システム状態に切り替わる場合>
映像信号出力装置10(具体的には制御部16)は、第4システム状態のときに第1車載装置120において特定操作がなされた場合に、第3システム状態に戻す制御を行う。映像信号出力装置10は、特定操作がなされたか否かを車載通信線150を監視することで把握する。特定操作は、例えば「ホームボタンが選択されたこと」などである。第3システム状態に戻す制御としては、第1車載装置120に対して「第2ソース信号を第2種類の信号に切り替える指示」(画面ソースをカメラ側から戻す指示)を与える。第1車載装置120は、映像信号出力装置10から「第2ソース信号を第2種類の信号に切り替える指示」を受けた場合に、車載モニタ110に対して上述の第2切替指示(第4入力部114から入力される信号に切り替えさせる指示)を送信する。車載モニタ110は、第2切替指示を受けた場合には、自身に設けられたディスプレイでの表示に採用する信号を第4入力部114からの信号に切り替え、上述の第2報告情報を第1車載装置120に送信する。第1車載装置120は、第2報告情報を受ける前又は後に、第2ソース信号を第2種類の信号(カメラ側の画面ソース信号)に切り替え、この第2ソース信号(第2種類の信号)を所定時間毎に周期的に送信する。
【0102】
<第3システム状態又は第4システム状態から第1システム状態に切り替わる場合>
第1車載装置120は、上述の第3システム状態(第1ソース信号として上記特定信号(情報元としてAUXを示す信号)が繰り返され、第2ソース信号として第2種類の信号が繰り返される状態)において、第1ソース信号を変更する操作(例えば、情報元としてAUX以外を選択する操作)がなされた場合には、第1車載装置120は、第3システム状態から上述の第1システム状態に切り替わる。第1システム状態での動作は、上述の通りである。第4システム状態から第1ソース信号を変更する操作がなされた場合も同様の流れで第1システム状態に切り替わる。
【0103】
1-8.映像信号出力装置10の効果の例
映像信号出力装置10は、「第2映像信号に基づく信号」を出力端子から車載モニタ110に向けて出力させることができるため、できるだけ画質を低下させにくい状態で「第2映像信号に基づく信号」を車載モニタ110に伝送することができる。しかも、映像信号出力装置10は、第1車載装置120に対して所定入力がなされることに応じて「第2映像信号に基づく信号」を車載モニタ110に向けて出力することができるため、第1車載装置120とは関係なく「第2映像信号に基づく信号」が出力されることを抑えることができる。更に、映像信号出力装置10は、所定条件が成立した場合には、「所定映像信号に基づく信号」を出力端子34から出力させるように切り替えることができるため、予め定められた所定条件に従って出力信号を「所定映像信号に基づく信号」に戻すことができる。このように、映像信号出力装置10は、外部装置190からの信号に基づく映像をできるだけ画質の低下を抑えて車載モニタ110に表示させやすく、且つ外部装置190からの信号に基づく映像を割り込ませるタイミングを、第1車載装置120に対する所定入力に応じて制御することができる。
【0104】
映像信号出力装置10は、「所定入力」の対象装置(第1車載装置120)からの入力経路(第3入力部113)と出力端子34からの入力経路(第4入力部114)とを異ならせて車載モニタ110に適用することができる。そして、この映像信号出力装置10は、このように入力経路を異ならせた場合であっても、第1車載装置120における所定入力に応じて、別経路(第4入力部114)を介して「第2映像信号に基づく信号」を車載モニタ110に向けて出力することができる。
【0105】
映像信号出力装置10は、第1車載装置120に対して所定入力がなされた場合に、車載モニタ110において第4入力部114側の信号が表示に採用されるように制御することができるため、第2映像信号に基づく映像を、より適切な時期に車載モニタ110に表示させることができる。
【0106】
映像信号出力装置10は、第1車載装置120に対して所定入力がなされた場合に、第1車載装置120に対して所定指令(第2ソース信号を第2種類の信号(カメラ側の画面ソース信号)に切り替える指示)を与え、車載モニタ110に切替指示(第2切替指示)を与える動作を第1車載装置120に行わせることができる。従って、第1車載装置120に対して所定入力がなされた場合には、車載モニタ110に切替指示(第2切替指示)が与えられ、車載モニタ110は、第4入力部114に入力される信号に基づいて映像を表示するように動作し得る。
【0107】
映像信号出力装置10は、車載通信線150を介して伝送される情報に基づいて、所定入力後の時期をより正確に判定することができる。
【0108】
<第2実施形態>
図2には、第2実施形態の映像信号出力装置210が適用される車載システム201が示される。
図2の車載システム201において、車載モニタ110、他の車載装置130、カメラ132、スピーカ134、車載装置142、144、車載通信線150、外部装置190は、第1実施形態に関する車載システム1(
図1)における各々と同一の構成をなし、同一の機能を有する。
【0109】
第2実施形態の映像信号出力装置210が適用される車載システム201では、車載モニタ110は、上述された車載システム1(
図1)に用いられる車載モニタ110(
図1)と同一の構成をなし、同一の機能を有する。従って、
図2に示される車載モニタ110も、第3入力部113及び第4入力部114を備える。
図2の例では、第3入力部113は、信号線258を介して出力端子34に電気的に接続されている。この例では、出力端子34から出力される映像信号が第3入力部113に入力される。
【0110】
図2の車載システム201では、第1車載装置120は、
図1に示される第1車載装置120と同様のハードウェア構成を有するが、内部に設けられた制御装置が行う制御も
図1の第1車載装置120と同様である。但し、制御装置が行う制御は、
図1の第1車載装置120と異なっていてもよい。
【0111】
図2に示される第2実施形態の映像信号出力装置210は、
図1に示される第1実施形態の映像信号出力装置10と同様のハードウェア構成を有するが、制御部16が行う制御が第1実施形態の映像信号出力装置10とは異なる。
図2の映像信号出力装置210は、第1入力部31と第2入力部32と出力端子34とを有する。
図2の例では、第1車載装置120が出力する映像信号であって且つ第1入力部31に入力される映像信号である第1映像信号が、所定映像信号の一例に相当する。
図2の例では、第1入力部31は、第1車載装置120が出力する第1映像信号が入力される端子である。
【0112】
図2に示される第2入力部32は、第1実施形態の映像信号出力装置10における第2入力部32(
図1)と同一の構成をなし、同一の機能を有する。
図2に示される第2入力部32は、外部装置190(所定映像信号を出力する装置とは異なる外部装置)から第2映像信号が入力される部分である。外部装置190が出力する第2映像信号は、第1実施形態の例と同一である。
【0113】
出力端子34は、第1実施形態の映像信号出力装置10における出力端子34と同様の構成をなし、同様の機能を有する。出力端子34は、車載モニタ110に向けて映像信号を出力可能な端子である。
【0114】
切替装置20は、第1車載装置120に対して「所定入力」がなされた場合において「所定条件」が成立していない場合に、「第2映像信号に基づく信号」を出力端子34から第3入力部113に向けて出力させる。切替装置20は、「第2映像信号に基づく信号」を出力端子34から出力させている場合において「所定条件」が成立した場合に「所定映像信号に基づく信号」を出力端子34から第3入力部113に向けて出力させる。「所定条件」は、例えば、第1車載装置120に対して電話の着信があったことであってもよく、第1車載装置120において上記「所定入力」以外の所定操作がなされたこと(情報元をAUX以外(例えば、TV、DVDなど)に切り替える操作がなされたこと等)であってもよく、その他の条件であってもよい。
【0115】
なお、第2実施形態でも、第1車載装置120は、第1ソース信号及び第2ソース信号を所定時間毎に周期的に出力するようになっている。切替装置20は、車載通信線150を監視することで第1ソース信号の状態を把握することができ、第1ソース信号に基づいて「所定入力」がなされたか否かを判定することができる。同様に、切替装置20は、第1ソース信号に基づいて「所定条件」が成立したか否かを判定することができる。
【0116】
なお、
図2の車載システム201でも、他の車載装置130は、
図1の車載システムにおける他の車載装置130と同様に動作する。そして、
図2の第1車載装置120でも、第1実施形態と同様に、車載モニタ110から上記第1報告情報を受けた場合に第2ソース信号を第1種類の信号(ナビ側の画面ソース信号)に切り替え、車載モニタ110から上記第2報告情報を受けた場合に第2ソース信号を第2種類の信号(カメラ側の第2ソース信号)に切り替える。
【0117】
<第1システム状態>
本実施形態では、第1実施形態と同様の第1システム状態に切り替わり得る。具体的には、第1車載装置120において第1ソース信号が上述の特定信号(情報元としてAUXを示す信号)以外の信号であり、第2ソース信号が上述の第1種類の信号である場合が第1システム状態である。切替装置20は、第1システム状態のときには、「所定映像信号に基づく信号」(即ち、第1映像信号に基づく信号)を出力端子34から第3入力部113に向けて出力させるように動作する。例えば、第1ソース信号をAUX以外に切り替える操作(例えば、DVDやTVなどを選択する操作)がなされた場合、第1車載装置120は、第1実施形態と同様の方法で、車載モニタ110に対して経路を第3入力部113側に切り替える指示を与えるため、車載モニタ110は、第3入力部113から入力される映像信号に基づく映像をディスプレイに表示する。
【0118】
<第2システム状態>
本実施形態では、第1実施形態と同様の第2システム状態に切り替わり得る。具体的には、第1車載装置120において第1ソース信号が上記特定信号以外の信号であり、第2ソース信号が第2種類の信号である場合が第2システム状態である。例えば、第1システム状態のときに第1実施形態で説明したカメラ画像表示条件が成立した場合、第1車載装置120は第1実施形態と同様の流れで第2システム状態に切り替わる。この場合、車載モニタ110は、第4入力部114から入力される映像信号に基づく映像をディスプレイに表示する。
【0119】
<第3システム状態>
第1車載装置120において所定入力がなされた場合(具体的には、第1システム状態のときに第1ソース信号を特定信号(AUX)に切り替える操作がなされた場合)、映像信号出力装置210の切替装置20は、第1車載装置120に対して「第2ソース信号を第2種類の信号(カメラ側を示す画面ソース信号)に切り替える指示」を与える。第1車載装置120は、「第2ソース信号を第2種類の信号に切り替える指示」を受けた場合に、車載モニタ110に対して上述の第2切替指示(第4入力部114から入力される信号に切り替えさせる指示)を送信する。車載モニタ110は、第2切替指示を受けた場合には、自身に設けられたディスプレイでの表示に採用する信号を第4入力部114からの信号に切り替え、車載通信線150を介して上述の第2報告情報(表示に採用する信号を第4入力部114からの信号に切り替えたことを示す情報)を第1車載装置120に送信する。第1車載装置120は、「第2ソース信号を第2種類の信号に切り替える指示」を受けた後の所定の時期に第2ソース信号を第2種類の信号に切り替え、その後、第2ソース信号として第2種類の信号(カメラ側を示す画面ソース信号)を所定時間毎に周期的に送信する。一方、映像信号出力装置210の切替装置20は、上述の「第2ソース信号を第2種類の信号に切り替える指示」を第1車載装置120に送信した後、車載通信線150を監視し、車載モニタ110から第1車載装置120に対して第2報告情報が送信されたことを検出した場合には、映像信号出力装置210は、第2映像信号に基づく信号を出力端子34から出力させるように切り替える。更に、映像信号出力装置210は、車載モニタ110と相互に通信し、第1切替指示(第3入力部113から入力される信号に切り替えさせる指示)を与える。このときの第1切替指示は、返信先(第1報告情報の送信先)を映像信号出力装置210とする情報であり、車載モニタ110は、上記第1切替指示を受けた場合に、送信先を映像信号出力装置210とするように第1報告情報を送信する。この場合、第1車載装置120は、第1報告情報を受信しない。このようにして、第1システム状態から第3システム状態に切り替わる。第3システム状態では、出力端子34から第2映像信号に基づく信号が出力され、車載モニタ110は、経路として第3入力部113を選択しているため、第2映像信号に基づく映像を表示し得る。第3システム状態のときには、第1車載装置120は、第1ソース信号として特定信号を周期的に送信し、第2ソース信号として第2種類の信号を周期的に送信する。
【0120】
<第3システム状態から第4システム状態に切り替わる場合>
第3システム状態から第4システム状態に切り替わる動作は、第1実施形態と同様である。第1車載装置120は、上述の第3システム状態(第1ソース信号として上記特定信号(情報元としてAUXを示す信号)が繰り返され、第2ソース信号として第2種類の信号が繰り返される状態)において、第1ソース信号を変更せずに第2ソース信号を第1種類の信号に変更する条件が成立した場合、第1ソース信号として特定信号を継続的に出力する状態のまま、第2ソース信号を第1種類の信号に切り替える。「第1ソース信号を変更せずに第2ソース信号を第1種類の信号に変更する条件」は、第1実施形態と同様である。第1車載装置120は、第3システム状態のときに上記機能実行操作(第1ソース信号を変更せずに第1車載装置120に所定機能を実現させる操作)がなされた場合、第2ソース信号を第1種類の信号(ナビ側の画面ソース信号)に切り替える。そして、第2ソース信号として、第1種類の信号を所定時間毎に周期的に出力する。一方、第1ソース信号としては、上記特定信号(AUX)を所定時間毎に周期的に出力する。このように、第1ソース信号として特定信号(AUX)が周期的に出力され、第2ソース信号として第1種類の信号が周期的に出力される状態が第4システム状態である。映像信号出力装置210(具体的には制御部16)は、第3システム状態から第4システム状態に変化した場合、「所定映像信号に基づく信号」(具体的には第1入力部31から入力される第1映像信号に基づく信号)を出力端子34から出力するように切り替える。この場合、映像信号出力装置210(具体的には制御部16)は、車載モニタ110に対して第1切替指示(第3入力部113から入力される信号に切り替えさせる指示)を与えてもよく、与えなくてもよい。
【0121】
<第4システム状態から第3システム状態に切り替わる場合>
映像信号出力装置210(具体的には制御部16)は、第4システム状態のときに第1車載装置120において特定操作がなされた場合に、第3システム状態に戻す制御を行う。映像信号出力装置210は、特定操作がなされたか否かを車載通信線150を監視することで把握する。特定操作は、例えば「ホームボタンが選択されたこと」などである。第3システム状態に戻す制御としては、第1車載装置120に対して「第2ソース信号を第2種類の信号に切り替える指示」を与える。第1車載装置120は、映像信号出力装置210から「第2ソース信号を第2種類の信号に切り替える指示」を受けた場合に、車載モニタ110に対して上述の第2切替指示(第4入力部114から入力される信号に切り替えさせる指示)を送信する。車載モニタ110は、第2切替指示を受けた場合には、自身に設けられたディスプレイでの表示に採用する信号を第4入力部114からの信号に切り替え、上述の第2報告情報を第1車載装置120に送信する。第1車載装置120は、第2報告情報を受ける前又は後に、第2ソース信号を第2種類の信号(カメラ側の画面ソース信号)に切り替え、その後、第2ソース信号として第2種類の信号を所定時間毎に周期的に送信する。一方、映像信号出力装置210の切替装置20は、「第2ソース信号を第2種類の信号に切り替える指示」を第1車載装置120に送信した後、車載通信線150を監視し、車載モニタ110から第1車載装置120に対して第2報告情報が送信されたことを検出した場合には、映像信号出力装置210は、第1報告情報を受信した場合、第2映像信号に基づく信号を出力端子34から出力させるように切り替える。そして、映像信号出力装置210は、車載モニタ110と相互に通信し、第1切替指示(第3入力部113から入力される信号に切り替えさせる指示)を与える。このときの第1切替指示は、返信先(第1報告情報の送信先)を映像信号出力装置210とする情報であり、車載モニタ110は、上記第1切替指示を受けた場合に、送信先を映像信号出力装置210とするように第1報告情報を送信する。この第1報告情報は、第1車載装置120によっては受信されない。このようにして、第4システム状態から第3システム状態に切り替わる。
【0122】
<第3システム状態又は第4システム状態から第1システム状態に切り替わる場合>
第1車載装置120は、上述の第3システム状態(第1ソース信号として上記特定信号(情報元としてAUXを示す信号)が繰り返され、第2ソース信号として第2種類の信号が繰り返される状態)において、第1ソース信号を変更する操作(例えば、情報元としてAUX以外を選択する操作)がなされた場合には、第1車載装置120は、第3システム状態から上述の第1システム状態に切り替わる。第1システム状態での動作は、上述の通りである。第4システム状態から第1ソース信号を変更する操作がなされた場合も同様の流れで第1システム状態に切り替わる。
【0123】
本実施形態に係る映像信号出力装置210は、第1実施形態と同様の基本的効果を奏し、更なる効果も奏する。例えば、この映像信号出力装置210は、車載モニタ110に設けられた共通の第3入力部113に対して、第1車載装置120からの第1映像信号(所定映像信号)に基づく信号と、外部装置190からの映像信号(第2映像信号)に基づく信号とを、切り替えて出力することができる。
【0124】
<第3実施形態>
図3には、第3実施形態の映像信号出力装置310が適用される車載システム301が示される。
図3の車載システム301において、車載装置142、144、車載通信線150、外部装置190は、第1実施形態に関する車載システム1(
図1)における各々と同一の構成をなし、同一の機能を有する。
【0125】
図3に示される第3実施形態の映像信号出力装置310は、第1車載装置120から第1映像信号が入力される第1入力部31と、第1車載装置120とは異なる外部装置190から第2映像信号が入力される第2入力部32と、車載モニタ170に向けて映像信号を出力可能な出力端子34と、第1車載装置120が所定信号を出力する場合に第2映像信号に基づく信号を出力端子34から出力させ、第1車載装置120が所定信号以外の信号を出力する場合に第1映像信号に基づく信号を出力端子34から出力させる切替装置20と、を有する。「第2映像信号に基づく信号」は、第1実施形態と同様であり、外部装置190が出力する映像信号(第2映像信号)そのものであってもよく、第2映像信号に対して変換部12によって調整処理(スケーリング、伝送方式の変換等)を施した信号であってもよい。「第1映像信号に基づく信号」は、第1車載装置120が出力する映像信号(第1映像信号)そのものであってもよく、第1映像信号に対して何らかの調整処理(スケーリング、伝送方式の変換等)を施した信号であってもよい。第1入力部31は、第2実施形態と同様の構成をなし、同様の機能を有する。第2入力部32は、第1、第2実施形態と同様の構成をなし、同様の機能を有する。出力端子34は、第1、第2実施形態と同様の構成をなし、同様の機能を有する。
【0126】
更に、映像信号出力装置310は、車載通信線150から情報が入力される通信端子38を有する。通信端子38は、第1、第2実施形態と同様の構成をなし、同様の機能を有する。第1車載装置120は、「所定信号」を出力する場合に車載通信線150に第1ステータス情報を伝送する。切替装置20は、車載通信線150を介して伝送される情報に基づいて第1車載装置120が出力する信号が「所定信号」及び「所定信号以外の信号」のいずれであるかを判定する。
【0127】
第1車載装置120は、外部映像信号が入力される外部入力端子(端子部128)を備えた装置である。外部入力端子に相当する端子部128は、例えば、アナログ映像信号やアナログ音声信号などが入力されるアナログ入力端子である。端子部128は、例えば音声入力端子と映像入力端子とを備える。外部入力端子(端子部128)としては、RCA入力端子などが挙げられる。なお、
図3の例では、出力端子36から端子部128に対して音声信号が入力されるようになっているが、映像信号は、出力端子36から端子部128に対して入力されなくてもよく、入力されてもよい。外部装置190がアナログ音声信号を出力し得る構成であれば、外部装置190から出力されるアナログ音声信号は、変換部12を経由せずに端子部36を介して端子部128に入力されてもよく、外部装置190から直接端子部128に入力されてもよい。
【0128】
代表例では、「所定信号」は、端子部128(外部入力端子)からの入力に基づく表示時期であることを示す第2ステータス情報である。本実施形態では、第1車載装置120は、上記第2ステータス情報が出力される時期に端子部128(外部入力端子)から映像信号が入力されている場合にはその映像信号に基づく信号を第1映像信号として出力し、上記第2ステータス情報が出力される時期に外部入力端子から映像信号が入力されていない場合には特定の映像信号(例えば、黒い画面の画像)を第1映像信号として出力又は映像信号を出力しないように動作し得る。いずれの場合でも、映像信号出力装置310は、第2ステータス情報の出力時期に合わせて第2映像信号に基づく信号を出力端子34から出力させることができる。なお、端子部128(外部入力端子)から入力される映像信号に基づく信号は、端子部128(外部映像端子)に入力された映像信号そのものであってもよく、又はその映像信号を加工、調整した映像信号であってもよい。一方、車載モニタ170は、上記第2ステータス情報が出力されている時期には、入力部171(端子部)から入力される信号に基づいて映像を表示するように動作し得る。
【0129】
なお、代表例では、「所定信号」は、端子部128(外部入力端子)からの入力に基づく表示時期であることを示す第2ステータス情報であったが、この例に限定されない。例えば、「所定信号」は、外部入力端子以外の特定の情報元(例えば、テレビ等)に基づく映像(例えばテレビ映像等)の表示時期(具体的には特定の情報元に基づく映像信号を端子部122から出力する時期)であることを示す情報(第2ステータス情報)などあってもよい。
【0130】
映像信号出力装置310は、「第2映像信号に基づく信号」を出力端子34から車載モニタ170に向けて出力させることができるため、できるだけ画質を低下させにくい状態で「第2映像信号に基づく信号」を車載モニタ170に伝送することができる。しかも、上記の映像信号出力装置は、第1車載装置120が所定信号を出力することに合わせて「第2映像信号に基づく信号」を車載モニタ170に向けて出力することができる。更に、上記の映像信号出力装置は、第1車載装置120が所定信号以外の信号を出力することに合わせて「第1映像信号に基づく信号」を車載モニタ170に向けて出力することができる。このように、上記の映像信号出力装置は、外部装置190からの信号に基づく映像をできるだけ画質の低下を抑えて車載モニタ170に表示させやすく、且つ外部装置190からの信号に基づく映像を割り込ませるタイミングを制御することができる。
【0131】
映像信号出力装置310は、車載通信線150を介して伝送される情報に基づいて、第1車載装置120が所定信号を出力する時期(所定信号の開始から終わりまで)及び所定信号以外の信号を出力する時期(所定信号以外の信号の開始から終わりまで)をより正確に判定することができる。
【0132】
映像信号出力装置310は、第1車載装置120の外部入力端子(端子部128)からの入力に基づく表示を行うことを示す第2ステータス情報の出力時期に合わせて第2映像信号に基づく映像を車載モニタ170に表示させることができる。第2ステータス情報の出力時期であれば、端子部128には映像信号が入力されていてもよく、入力されていなくてもよい。
【0133】
<他の実施形態>
本開示は、上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではない。例えば、上述又は後述の実施形態の特徴は、矛盾しない範囲であらゆる組み合わせが可能である。また、上述又は後述の実施形態のいずれの特徴も、必須のものとして明示されていなければ省略することもできる。更に、上述した実施形態は、次のように変更されてもよい。
【0134】
上述された実施形態では、映像信号出力装置10,210,310が単一のユニットとして構成されたものであるが、映像信号出力装置が複数のユニットによって構成されていてもよい。
【0135】
第1、第2実施形態では、外部装置190からの映像信号がケーブルを介して第2入力部32に入力されるが、この例に限定されない。第2入力部は、外部装置から無線方式で伝送される信号を受信する通信部(受信部)であってもよい。
【0136】
上述された実施形態では、映像信号出力装置10,210,310が適用される車載システム1,201,301において、第1車載装置120が車載用ナビゲーション装置として構成されるが、この例に限定されない。第1車載装置は、ナビゲーション機能を有さない装置であってもよい。この場合、第1車載装置は、ナビゲーション機能を有さない点以外は、車載システム1,201,301に用いられる上述の第1車載装置120の機能を全て備えていてもよい。
【0137】
第1、第2実施形態では、映像信号出力装置10,210が適用される車載システム1,201において、他の車載装置130は、カメラ132(車載用カメラ)が生成した映像信号を受信し、この映像信号を出力する装置であったが、この例に限定されない。他の車載装置は、例えば、車載用カメラそのものであってもよく、映像信号を出力し得るその他の装置であってもよい。
【0138】
上述された実施形態では、外部装置190が映像信号出力装置10,210,310の外部に設けられるがこの例に限定されない。例えば、
図1の車載システム1が
図4のような車載システム401に変更されてもよい。
図4の車載システム401では、外部装置490が映像信号出力装置410の内部に設けられている。
図4の車載システム401は、
図1における外部装置190の代わりに外部装置490が設けられ、第2入力部32の代わりに第2入力部432が設けられる点が
図1の車載システム1と異なり、その他の点は、
図1の車載システム1と同様である。或いは、
図2の車載システム201が
図5のような車載システム501に変更されてもよい。
図5の車載システム501では、外部装置490が映像信号出力装置510の内部に設けられている。
図5の車載システム501では、
図2における外部装置190の代わりに外部装置490が設けられ、第2入力部32の代わりに第2入力部432が設けられている点が
図2の車載システム201と異なり、その他の点は、
図2の車載システム201と同様である。なお、
図2、
図5の構成において他の車載装置130に、車載通信線150に接続される端子が設けられ、通信可能とされていてもよい。或いは、
図3の車載システム301が
図6のような車載システム601に変更されてもよい。
図6の車載システム601では、外部装置490が映像信号出力装置610の内部に設けられている。
図6の車載システム601では、
図3における外部装置190の代わりに外部装置490が設けられ、第2入力部32の代わりに第2入力部432が設けられている点が
図3の車載システム301と異なり、その他の点は、
図3の車載システム301と同様である。
図4~
図6のいずれにおいても、外部装置490は、映像信号を出力し得る装置であればよく、例えば、自身が設けられた映像信号出力装置が有する記録媒体又はその映像信号出力装置に装着される記録媒体に記録された映像情報を再生して第2入力部432に第2映像信号を伝送するような装置であってもよく、自身が設けられた映像信号出力装置の外部から映像信号を受信してその映像信号又はその映像信号を加工又は調整した信号を第2映像信号として第2入力部432に伝送するような装置であってもよい。外部装置490は、具体的には、メディアプレーヤなどであってもよく、コンピュータなどであってもよい。
図4~
図6のいずれにおいても、第2入力部432は、外部装置490からの映像信号が入力される部分であればよく、例えば、信号線であってもよく、端子であってもよい。
図4~
図6のいずれにおいても、変換部12は、設けられていてもよく、省略されてもよい。
【0139】
第1実施形態では、第3システム状態のときに所定の通話条件(例えば、ハンズフリー通話を開始する条件)が成立することで第1車載装置120において通話状態に切り替わる場合、第1車載装置120は、第1ソース信号を「情報元としてハンズフリーを示す信号」に切り替えてもよい。この場合、第1ソース信号が特定信号以外であるため、カメラ画像表示条件が成立していなければ第1システム状態となる。第1車載装置120は、通話条件の成立に応じて第1システム状態に切り替わった後、通話終了条件が成立した場合(例えば、ハンズフリー通話が終了した場合)、通話条件の成立前の第1ソース信号に戻すように動作する。したがって、第1車載装置120は、通話条件の成立前の第1ソース信号が上記特定信号であれば、通話終了条件が成立後には第1ソース信号を上記特定信号に戻すように動作する。この場合、第1ソース信号が特定信号以外の状態から特定信号に切り替わるため、上述された<第1システム状態から第3システム状態に切り替わる場合>と同様の動作により第3システム状態に切り替わる。
【0140】
上述の実施形態では、車載モニタ110に与える「第1切替指示」を「第3入力部113から入力される信号に切り替えさせる指示」としたが、この例に限定されず、入力部を指定する指示でなくてもよい。「第1切替指示」は、「車載モニタ110が映像表示に用いる信号を「第3入力部113に入力される信号」に切り替える動作」に結び付く信号であればよい。例えば、第1切替指示は、「第1車載装置120(具体的にはナビゲーション装置)を示す情報」であってもよい。この場合、車載モニタ110は、「第1車載装置120を示す情報」を受信した場合に、映像表示に用いる信号を「第3入力部113に入力される信号」とするように動作する構成であればよい。
【0141】
上述の実施形態では、車載モニタ110に与える「第2切替指示」を「第4入力部114から入力される信号に切り替えさせる指示」としたが、この例に限定されず、入力部を指定する指示でなくてもよい。「第2切替指示」は、「車載モニタ110が映像表示に用いる信号を「第4入力部114に入力される信号」に切り替える動作」に結び付く信号であればよい。例えば、第2切替指示は、「カメラ132を示す情報」であってもよい。この場合、車載モニタ110は、「カメラ132を示す情報」を受信した場合に、映像表示に用いる信号を「第4入力部114に入力される信号」とするように動作する構成であればよい。
【0142】
なお、今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、今回開示された実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示された範囲内又は特許請求の範囲と均等の範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0143】
1,201,301,401,501,601:車載システム
10,210,310,410,510,610:映像信号出力装置
20:切替装置
31:第1入力部
32,432:第2入力部
34:出力端子
38:通信端子
110,170:車載モニタ
113:第3入力部
114:第4入力部
120:第1車載装置
128:外部入力端子
150:車載通信線
190:外部装置
【手続補正書】
【提出日】2021-12-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1車載装置が出力する映像信号又は前記第1車載装置とは異なる他の車載装置が出力する映像信号を、デジタル信号として入力する第1入力部と、
前記デジタル信号を出力する装置とは異なる外部装置から第2映像信号が入力される第2入力部と、
車載モニタに向けて映像信号を出力可能な出力端子と、
信号の出力を切り替える切替装置と、
を有し、
前記第1車載装置は、情報元を選択する入力がなされることに応じて自身が選択する情報元を切り替え、
前記切替装置は、前記第1車載装置が第1の情報元以外の情報元を選択している場合において前記第1車載装置に対して前記第1の情報元を選択する第1の入力がなされた場合に前記第2映像信号に基づく信号を前記出力端子から出力させ、前記第1車載装置が前記第1の情報元を選択している場合において前記第1車載装置に対して前記第1の情報元以外の情報元を選択する第2の入力がなされた場合に前記デジタル信号に基づく信号を前記出力端子から出力させる
映像信号出力装置。
【請求項2】
第1車載装置が出力する映像信号又は前記第1車載装置とは異なる他の車載装置が出力する映像信号を、デジタル信号として入力する第1入力部と、
前記デジタル信号を出力する装置とは異なる外部装置から第2映像信号が入力される第2入力部と、
車載モニタに向けて映像信号を出力可能な出力端子と、
信号の出力を切り替える切替装置と、
を有し、
前記第1車載装置は、第1の情報元を選択している場合にソース信号として第1信号を出力し、前記第1の情報元以外の情報元を選択している場合に前記ソース信号として第2信号を出力し、
前記切替装置は、前記第1車載装置が出力する前記ソース信号が前記第2信号から前記第1信号となった場合に前記第2映像信号に基づく信号を前記出力端子から出力させ、前記第1車載装置が出力する前記ソース信号が前記第1信号から前記第2信号となった場合に前記デジタル信号に基づく信号を前記出力端子から出力させる
映像信号出力装置。
【請求項3】
前記第1入力部は、前記他の車載装置から前記デジタル信号が入力される端子であり、
前記車載モニタは、第3入力部と第4入力部とを有し、
前記第3入力部は、前記第1車載装置から第1映像信号が入力される端子であり、
前記切替装置は、前記第1車載装置に対して前記第1の入力がなされた場合に前記第2映像信号に基づく信号を前記出力端子から前記第4入力部に向けて出力させ、前記第2の入力がなされた場合に前記デジタル信号に基づく信号を前記出力端子から前記第4入力部に向けて出力させる
請求項1に記載の映像信号出力装置。
【請求項4】
前記切替装置は、前記第1車載装置に対して前記第1の入力がなされた場合に前記第2映像信号に基づく信号を前記出力端子から出力させ且つ前記第4入力部に入力される信号に基づく映像を前記車載モニタに表示させる制御を行う
請求項3に記載の映像信号出力装置。
【請求項5】
前記切替装置は、前記第1車載装置に対して前記第1の入力がなされた場合に前記第2映像信号に基づく信号を前記出力端子から出力させ、前記第1車載装置に対して指令を与え、
前記第1車載装置は、前記指令を受けた場合に前記車載モニタに対して切替指示を与え、
前記車載モニタは、前記切替指示を受けた場合に前記第4入力部に入力される映像信号に基づいて表示を行う
請求項3又は請求項4に記載の映像信号出力装置。
【請求項6】
前記第1入力部は、前記第1車載装置から前記デジタル信号が入力される端子であり、
前記車載モニタは、第3入力部を有し、
前記第3入力部は、前記出力端子からの映像信号が入力される端子であり、
前記切替装置は、前記第1車載装置に対して前記第1の入力がなされた場合に前記第2映像信号に基づく信号を前記出力端子から前記第3入力部に向けて出力させ、前記第2の入力がなされた場合に前記デジタル信号に基づく信号を前記出力端子から前記第3入力部に向けて出力させる
請求項1に記載の映像信号出力装置。
【請求項7】
車載通信線から情報が入力される通信端子を有し、
前記第1車載装置は、前記第1の入力がなされた場合に前記車載通信線に第1ステータス情報を伝送し、
前記切替装置は、前記車載通信線を介して伝送される情報に基づいて前記第1車載装置において前記第1の入力がなされたか否かを判定する
請求項1、3、4、5、6のいずれか一項に記載の映像信号出力装置。
【請求項8】
第1車載装置から第1映像信号が入力される第1入力部と、
前記第1車載装置とは異なる外部装置から第2映像信号が入力される第2入力部と、
車載モニタに向けて映像信号を出力可能な出力端子と、
前記第1車載装置が第1の情報元に基づく映像信号を前記第1映像信号として出力する時期に合わせて前記第2映像信号に基づく信号を前記出力端子から出力させる切替装置と、
を有する映像信号出力装置。