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特開2022-188895情報処理装置及び情報処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022188895
(43)【公開日】2022-12-22
(54)【発明の名称】情報処理装置及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/0481 20220101AFI20221215BHJP
【FI】
G06F3/0481
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021097160
(22)【出願日】2021-06-10
(71)【出願人】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】池田 豊
【テーマコード(参考)】
5E555
【Fターム(参考)】
5E555AA26
5E555BA02
5E555BB02
5E555BC17
5E555BD01
5E555CB08
5E555CC26
5E555DB18
5E555DB19
5E555DB52
5E555DC09
5E555DC19
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】同じ外部サービスに記憶されているデータが複数ある場合に、データ毎に、当該データが記憶されている外部サービスを識別する画像を表示する場合と比して、ユーザの視認性を向上させることができる情報処理装置及び情報処理プログラムを提供する。
【解決手段】外部サービスに記憶されている複数のデータ毎に対応する対応画像を表示し、表示される複数の対応画像に対応する複数のデータがそれぞれ複数の外部サービスに記憶されている場合は、表示されるデータを記憶している外部サービスを示す識別画像を、対応画像毎に重ねて表示し、表示される複数の対応画像に対応する複数のデータが1つの外部サービスに記憶されている場合は、識別画像を対応画像毎に重ねて表示しないようにする。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
少なくとも1つの外部サービスに記憶されている複数のデータ毎に対応する対応画像を表示し、
表示される複数の前記対応画像に対応する複数の前記データがそれぞれ複数の前記外部サービスに記憶されている場合は、表示される前記データを記憶している前記外部サービスを示す識別画像を、前記対応画像毎に重ねて表示し、
表示される複数の前記対応画像に対応する複数の前記データが1つの前記外部サービスに記憶されている場合は、前記識別画像を、前記対応画像毎に重ねて表示しないようにする
情報処理装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、
前記識別画像を前記対応画像毎に重ねて表示しないようにした場合、前記識別画像を前記対応画像と重なる場所以外の場所に1つ表示する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
複数の前記対応画像は、複数のフォルダに分類され、複数の当該フォルダ別に表示され、
前記プロセッサは、
一のフォルダに表示された前記対応画像が、他のフォルダに移動された結果、前記他のフォルダに表示されている前記対応画像に対応する複数の前記データが1つの前記外部サービスに記憶される場合は、前記他のフォルダ内において、前記識別画像を前記対応画像毎に重ねて表示しないようにする
請求項1又は請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、
前記一のフォルダに表示された前記対応画像が、前記他のフォルダに移動された結果、前記一のフォルダに表示される前記対応画像が1つのみになった場合、前記一のフォルダ内において、前記識別画像を前記対応画像に重ねて表示する請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記プロセッサは、
前記一のフォルダに表示された前記対応画像が、前記他のフォルダに移動された結果、前記他のフォルダに表示される前記対応画像に対応する前記外部サービスが1つから複数になった場合、前記他のフォルダ内において、前記識別画像を前記対応画像に重ねて表示しないようにする請求項3又は請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記プロセッサは、
前記識別画像を前記対応画像に重ねて表示するか否かを予め定めておくことを可能とする請求項1~5のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
コンピュータに、
少なくとも1つの外部サービスに記憶されている複数のデータ毎に対応する対応画像を表示し、
表示される複数の前記対応画像に対応する複数の前記データがそれぞれ複数の前記外部サービスに記憶されている場合は、表示される前記データを記憶している前記外部サービスを示す識別画像を、前記対応画像毎に重ねて表示し、
表示される複数の前記対応画像に対応する複数の前記データがそれぞれ1つの前記外部サービスに記憶されている場合は、前記識別画像を、前記対応画像毎に重ねて表示しないようにする
処理を実行させるための情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ドキュメントを表すドキュメントアイコンを表示するドキュメントアイコン表示手段と、前記ドキュメントアイコンの上に、前記ドキュメントアイコンよりも小さい形態で、当該ドキュメントについての印刷属性を表す属性アイコンを重ねて表示する属性アイコン表示手段と、前記ドキュメントアイコンの上に複数の属性アイコンが表示されている場合において、いずれかの属性アイコンをユーザーにより選択させるための手段と、を含み、前記ドキュメントアイコン上において前記複数の属性アイコンの中から属性アイコンを選択することにより、当該属性アイコンが表す印刷属性を選択的に設定し得る、ことを特徴とするドキュメント処理装置が開示されている。
【0003】
特許文献2には、管理対象であるドキュメントに関する情報であるメタデータを取得する関連情報取得部と、生成すべきドキュメント管理用画像内における、前記関連情報取得部にて取得されるメタデータの強調表示の方法について規定するルール情報を取得するルール情報取得部と、画像生成部であって、ソフトウェアが管理対象のドキュメントのドキュメント管理用画像を表示部に表示する際に、前記ドキュメントのメタデータを前記ドキュメントのオリジナルのドキュメント画像にマージして前記メタデータが強調表示されるドキュメント管理用画像を生成するか、ドキュメント管理用画像を生成はせずに記憶装置から取得するかを判定し、前記画像生成部は、前記ソフトウェアがドキュメント管理用画像を生成すると判定する場合、前記ソフトウェアがメタデータを用いてドキュメント管理用画像を生成できるように、前記関連情報取得部にて取得される前記メタデータを予め前記記憶装置に格納し、前記画像生成部は、前記ソフトウェアがドキュメント管理用画像を前記記憶装置から取得すると判定する場合、予め、前記ルール情報取得部にて取得されるルール情報に基づいて、前記関連情報取得部にて取得されるメタデータをドキュメント画像にマージし、前記メタデータが強調表示されるドキュメント管理用画像を生成して前記記憶装置に格納する画像生成部と、を備えてなる画像生成装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3752867号公報
【特許文献2】特許第4879866号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
外部サービスに記憶されているデータをサムネイル表示するケースが想定される。
ここで、外部サービスが複数ある場合は、データがいずれの外部サービスに記憶されているか分かり難い。そこでデータ毎に、当該データが記憶されている外部サービスを識別する画像を表示する技術がある。
【0006】
しかし、同じ外部サービスに記憶されているデータが複数ある場合、データ毎に、当該データが記憶されている外部サービスを識別する画像を表示すると、表示が煩雑になってしまう。
【0007】
本発明は、同じ外部サービスに記憶されているデータが複数ある場合に、データ毎に、当該データが記憶されている外部サービスを識別する画像を表示する場合と比して、ユーザの視認性を向上させることができる情報処理装置及び情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1態様に係る情報処理装置は、プロセッサを備え、前記プロセッサは、少なくとも1つの外部サービスに記憶されている複数のデータ毎に対応する対応画像を表示し、表示される複数の前記対応画像に対応する複数の前記データがそれぞれ複数の前記外部サービスに記憶されている場合は、表示される前記データを記憶している前記外部サービスを示す識別画像を、前記対応画像毎に重ねて表示し、表示される複数の前記対応画像に対応する複数の前記データが1つの前記外部サービスに記憶されている場合は、前記識別画像を、前記対応画像毎に重ねて表示しないようにする。
【0009】
第2態様に係る情報処理装置は、前記プロセッサは、前記識別画像を前記対応画像毎に重ねて表示しないようにした場合、前記識別画像を前記対応画像と重なる場所以外の場所に1つ表示する。
【0010】
第3態様に係る情報処理装置は、複数の前記対応画像は、複数のフォルダに分類され、複数の当該フォルダ別に表示され、前記プロセッサは、一のフォルダに表示された前記対応画像が、他のフォルダに移動された結果、前記他のフォルダに表示されている前記対応画像に対応する複数の前記データが1つの前記外部サービスに記憶される場合は、前記他のフォルダ内において、前記識別画像を前記対応画像毎に重ねて表示しないようにする。
【0011】
第4態様に係る情報処理装置は、前記プロセッサは、前記一のフォルダに表示された前記対応画像が、前記他のフォルダに移動された結果、前記一のフォルダに表示される前記対応画像が1つのみになった場合、前記一のフォルダ内において、前記識別画像を前記対応画像に重ねて表示する。
【0012】
第5態様に係る情報処理装置は、前記プロセッサは、前記一のフォルダに表示された前記対応画像が、前記他のフォルダに移動された結果、前記他のフォルダに表示される前記対応画像に対応する前記外部サービスが1つから複数になった場合、前記他のフォルダ内において、前記識別画像を前記対応画像に重ねて表示しないようにする。
【0013】
第6態様に係る情報処理装置は、前記プロセッサは、前記識別画像を前記対応画像に重ねて表示するか否かを予め定めておくことを可能とする。
【0014】
第7態様に係る情報処理プログラムは、コンピュータに、少なくとも1つの外部サービスに記憶されている複数のデータ毎に対応する対応画像を表示し、表示される複数の前記対応画像に対応する複数の前記データがそれぞれ複数の前記外部サービスに記憶されている場合は、表示される前記データを記憶している前記外部サービスを示す識別画像を、前記対応画像毎に重ねて表示し、表示される複数の前記対応画像に対応する複数の前記データがそれぞれ1つの前記外部サービスに記憶されている場合は、前記識別画像を、前記対応画像毎に重ねて表示しないようにする処理を実行させる。
【発明の効果】
【0015】
第1態様によれば、同じ外部サービスに記憶されているデータが複数ある場合に、データ毎に、当該データが記憶されている外部サービスを識別する画像を表示する場合と比して、ユーザの視認性を向上させることができる、という効果を有する。
【0016】
第2態様によれば、識別画像を全く表示しない場合に比べ、データが記憶されている外部サービスをユーザに認識させて、ユーザの利便性を向上させることができる、という効果を有する。
【0017】
第3態様によれば、対応画像がフォルダ間を移動した場合であっても識別画像の表示を変更しない場合に比べ、対応画像が移動したフォルダに合わせた識別画像の表示にすることができる、という効果を有する。
【0018】
第4態様によれば、識別画像を表示しない場合に比べ、データが記憶されている外部サービスをユーザに認識させて、ユーザの利便性を向上させることができる、という効果を有する。
【0019】
第5態様によれば、対応画像がフォルダ間を移動した場合であっても識別画像の表示を変更しない場合に比べ、対応画像が移動したフォルダに合わせた識別画像の表示にすることができる、という効果を有する。
【0020】
第6態様によれば、ユーザの好みに合わせて識別画像を表示することができる、という効果を有する。
【0021】
第7態様によれば、同じ外部サービスに記憶されているデータが複数ある場合に、データ毎に、当該データが記憶されている外部サービスを識別する画像を表示する場合と比して、ユーザの視認性を向上させることができる、情報処理プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の実施形態に係る情報処理システムの概略構成図である。
図2】本発明の実施形態に係る画像形成装置の概略ブロック図である。
図3】本発明の実施形態に係るPC、サーバ及びクラウドサーバの概略ブロック図である。
図4】従来構成におけるPCの表示部の表示の一例である。
図5】本発明の実施形態に係るPCの表示部の表示の一例である。
図6】本発明の実施形態に係るPCの表示部の表示の他の一例である。
図7】本発明の実施形態に係るPCの表示部の表示の他の一例である。
図8】本発明の実施形態に係るPCの表示部の表示の他の一例である。
図9】本発明の実施形態に係るアイコンをサムネイルに重ねて表示する処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
(実施形態)
以下、本開示の実施形態の一例を、図面を参照しつつ説明する。なお、各図面において同一又は等価な構成要素及び部分には同一の参照符号を付与している。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
【0024】
図1を用いて、本実施形態に係る情報処理システム10の一例を説明する。
【0025】
図1は、本実施形態に係る情報処理システム10の概略構成の一例を示す図である。
図1に示すように、本実施形態に係る情報処理システム10は、画像形成装置20、PC(Personal Computer)40、サーバ50、複数のクラウドサーバ60を含む。画像形成装置20、PC40、サーバ50、クラウドサーバ60は、ネットワークNを介して接続されている。このネットワークNには、例えば、LAN(=Local Area Network)、WAN(=Wide Area Network)、インターネット等が適用される。ここで、本実施形態では、サーバ50は、情報処理装置の一例であり、クラウドサーバ60は外部サービスの一例である。また、情報処理装置の一例をサーバ50としたが、これに限定されず、画像形成装置20やPC40を情報処理装置としてもよい。また、図1では、画像形成装置20、PC40、サーバ50が1台の場合を示しているが、これに限定されず、ネットワークNに複数台接続されてもよい。また、PC40には、タブレット型のPCやスマートフォンなどの、ユーザが使用する装置を含むものである。
【0026】
画像形成装置20は、印刷機能や、コピー機能、ファクシミリ(FAX)機能、スキャナー機能などの各種の機能を有するものである。
【0027】
クラウドサーバ60は、情報処理システム10において、クラウドサービスを提供するサーバコンピュータである。クラウドサービスは、「見積書」、「請求書」、「発注書」などの証拠として使う記録である証票に関するサービスを提供する。一例として、ユーザは、クラウドサービスを利用して、PC40で編集が行われた証票の編集データに対し、画像形成装置20のスキャナー機能により編集データの証憑を示す証憑データを添付することができる。
【0028】
また、本実施形態における情報処理システム10は、ユーザが、PC40を用いてクラウドサーバ60にデータを記憶させたり、画像形成装置20のスキャナー機能を用いてクラウドサーバ60にデータを記憶させたりする。本実施形態では、かかるクラウドサーバ60で記憶されるデータは、サーバ50を介して記憶される。すなわち、ユーザがPC40や画像形成装置20からデータを記憶するクラウドサーバ60を選択すると、当該データはサーバ50の記憶部54に記憶された後、クラウドサーバ60へ転送されて記憶される。ここで、ユーザによりサーバ50に記憶されたデータは、クラウドサーバ60に転送された後も、サーバ50に記憶されているが、これに限定されず、サーバ50から削除するようにしてもよい。
【0029】
なお、ユーザがデータを記憶するクラウドサーバ60を選択する場合に限定されない。例えば、データの拡張子やファイル名Mなどのデータの属性や、データの内容を分析し当該分析したデータの内容など、から複数のクラウドサーバ60のうち予め定められたクラウドサーバ60へデータを記憶させるようにしてもよい。また、差し込み印刷用のデータと、画像形成装置20からスキャナー機能により記憶されたデータとによって、データを記憶するクラウドサーバ60を分けるようにしてもよい。
【0030】
図2は、本実施形態に係る画像形成装置20のハードウェア構成を示すブロック図である。
図2に示すように、画像形成装置20は、プロセッサの一例であるCPU(Central Processing Unit)21、ROM(Read Only Memory)22、RAM(Random Access Memory)23、記憶部24、入力部25、表示部26、文書読取部27、画像形成部28、通信インタフェース29を有する。各構成は、バス30を介して相互に通信可能に接続されている。
【0031】
CPU21は、中央演算処理ユニットであり、各種プログラムを実行したり、各部を制御したりする。すなわち、CPU21は、ROM22又は記憶部24からプログラムを読み出し、RAM23を作業領域としてプログラムを実行する。CPU21は、ROM22又は記憶部24に記録されているプログラムにしたがって、上記各構成の制御及び各種の演算処理を行う。本実施形態では、ROM22又は記憶部24には、プログラムが格納されている。
【0032】
ROM22は、各種プログラム及び各種データを格納する。RAM23は、作業領域として一時的にプログラム又はデータを記憶する。記憶部24は、HDD(Hard Disk Drive)、又はSSD(Solid State Drive)により構成され、オペレーティングシステムを含む各種プログラム、及び各種データを格納する。
【0033】
入力部25は、マウス等のポインティングデバイス、及びキーボードを含み、各種の入力を行うために使用される。入力部25では、後述するように、印刷を開始させる指示などの機能の実行などに使用される。また、本実施形態では、タッチパネル式の表示部26が入力部25として機能している。
【0034】
表示部26は、例えば、液晶ディスプレイである。表示部26は、CPU21の制御に基づき各種の情報を表示する。また、表示部26は、タッチパネル方式を採用して、入力部25としても機能する。
【0035】
文書読取部27は、画像形成装置20の上部に設けられた図示しない自動送り装置の給紙台に置かれた文書を1枚ずつ取り込み、取り込んだ文書を光学的に読み取って画像情報を得る。あるいは、文書読取部27は、プラテンガラスなどの台に置かれた文書を光学的に読み取って画像情報を得る。
【0036】
ここで、文書読取部27で読み取られた文書の画像情報は、画像形成装置20の記憶部24に保存されたり、後述する画像形成部28により印刷されたり、後述する通信インタフェース29によりファクシミリ(FAX)機能を有する他の画像形成装置に送信されたりする。
【0037】
画像形成部28は、ネットワークNを介して接続されたPC40から得られた印刷ジョブに含まれる印刷データや、文書読取部27による読み取りによって得られた画像情報に基づく画像を、紙などの記録媒体に形成、すなわち、印刷するものである。
【0038】
通信インタフェース29は、ネットワークNに接続されており、画像形成装置20をPC40や、サーバ50、クラウドサーバ60などの他の機器と通信を行う。
また、通信インタフェース29は、画像形成装置20を公衆回線に接続し、ファクシミリ(FAX)機能を有する他の画像形成装置と文書読取部27による読み取りによって得られた画像情報を送受信する。
【0039】
図3は、PC40、サーバ50及びクラウドサーバ60のハードウェア構成を示すブロック図である。PC40、サーバ50及びクラウドサーバ60は、基本的には一般的なコンピュータ構成であるため、サーバ50を代表して説明する。
【0040】
図3に示すように、サーバ50は、CPU51、ROM52、RAM53、記憶部54、入力部55、表示部56、通信インタフェース57を有する。各構成は、バス58を介して相互に通信可能に接続されている。
【0041】
CPU51は、中央演算処理ユニットであり、各種プログラムを実行したり、各部を制御したりする。すなわち、CPU51は、ROM52又は記憶部54からプログラムを読み出し、RAM53を作業領域としてプログラムを実行する。CPU51は、ROM52又は記憶部54に記録されているプログラムにしたがって、上記各構成の制御及び各種の演算処理を行う。本実施形態では、ROM52又は記憶部54には、プログラムと各種データが格納されている。
【0042】
ROM52は、各種プログラム及び各種データを格納する。RAM53は、作業領域として一時的にプログラム又はデータを記憶する。記憶部54は、HDD又はSSDにより構成され、オペレーティングシステムを含む各種プログラム、及び各種データを格納する。サーバ50の記憶部54には、画像形成装置20やPC40から送信されてきた各種データを格納する。
【0043】
入力部55は、マウス等のポインティングデバイス、及びキーボードを含み、各種の入力を行うために使用される。
【0044】
表示部56は、例えば、液晶ディスプレイである。表示部56は、CPU51の制御に基づき各種の情報を表示する。
【0045】
通信インタフェース57は、画像形成装置20、サーバ50、クラウドサーバ60等の他の機器と通信するためのものであり、例えば、インターネット、イントラネット、イーサネット(登録商標)、FDDI、Wi-Fi(登録商標)等の規格が用いられる。
【0046】
図4図6を用いて、本実施形態にかかる発明と、本発明を使用しない場合の従来構成におけるPC40の表示部46の表示例と対比しつつ説明する。
【0047】
また、データに対応する対応画像の一例としてデータのサムネイルTが表示される場合について説明する。ここで、データに対応する対応画像は、サムネイルTに限定されず、当該データを開くことの可能なソフトウェアのアイコンや、他の画像であってもよい。また、サムネイルTは、サーバ50のCPU51が作成し、表示するが、PC40のCPU41が作成し、表示するようにしてもよい。
【0048】
図4は、PC40からデータが記憶されているサーバ50のフォルダFにアクセスした場合の従来構成におけるPC40の表示部46の表示の一例である。ここで、データが記憶されているフォルダFはサーバ50の記憶部54に作成されている。
【0049】
図4(A)に示すように、データのサムネイルTの表示において、ステータスSとファイル名Mが表示されている。ここで、ステータスSは、「処理待ち」や「処理済み」、「処理中」、「エラー」などのデータの処理(例えば、アップロード処理など)の状態を示すものであり、必ずしもサムネイルTに重ねて表示されなくてもよい。
【0050】
この図4(A)の表示例の場合は、データが複数のクラウドサーバ60のうちいずれのクラウドサーバ60に記憶されているのかが分からない。そこで、図4(B)に示すように、データのサムネイルTの表示において、当該サムネイルT毎に、複数のクラウドサーバ60のうち当該データが記憶されているクラウドサーバ60を示すアイコンIを重ねて表示することが考えられる。ここで、アイコンIは、識別画像の一例である。「A」というアイコンIは、複数のクラウドサーバ60のうちクラウドサーバA、「B」というアイコンIは、クラウドサーバBにデータが記憶されていることを示している。しかし、図4(C)に示すように、サムネイルTが表示されているデータが、全て同じクラウドサーバ60に記憶されている場合は、全てのサムネイルTに同じアイコンI(クラウドサーバAを示す「A」というアイコンI)が表示されると、表示される情報が多くなりすぎて、表示が煩雑となり、ユーザがデータを認識するのに時間がかかることとなる。また、全てのデータが同じクラウドサーバ60に記憶されているため、サムネイルTにアイコンIを表示する必要性も低くなる。
【0051】
そこで、本実施形態では、同じクラウドサーバ60に記憶されているデータが複数ある場合に、データ毎に、当該データが記憶されているクラウドサーバ60を識別するアイコンIを表示する場合と比して、ユーザの視認性を向上させることを目的とする。
【0052】
図5は、本実施形態であって、サーバ50に記憶されているデータが、複数のクラウドサーバ60に分散されて記憶されている場合に、PC40からデータが記憶されているサーバ50のフォルダにアクセスした場合のPC40の表示部46の表示の一例である。
【0053】
本実施形態は、図5に示すように、表示される複数のサムネイルTに対応する複数のデータがそれぞれ複数のクラウドサーバ60(図5の例では、クラウドサーバA、クラウドサーバB、クラウドサーバC)に記憶されている場合は、表示されるデータを記憶しているクラウドサーバ60を示すアイコンIを、サムネイルT毎に重ねて表示する。具体的には、図5の例では、ファイル名M「210401見積書1.pdf」というデータはクラウドサーバ60のうちクラウドサーバAに、ファイル名M「210401見積書2.pdf」というデータはクラウドサーバ60のうちクラウドサーバBに、ファイル名M「210401発注書.pdf」というデータはクラウドサーバ60のうちクラウドサーバCに、それぞれ記憶されていることがアイコンIから判断可能である。
【0054】
図6は、本実施形態であって、サーバ50に記憶されているデータが、1つのクラウドサーバ60に記憶されているデータのみである場合のPC40の表示部46の表示の一例である。
【0055】
本実施形態では、図6に示すように、表示される複数のサムネイルTに対応する複数のデータが1つのクラウドサーバ60(図6の例では、クラウドサーバA)に記憶されている場合は、アイコンIを、サムネイルT毎に重ねて表示しないようにする。そして、アイコンIをサムネイルT毎に重ねて表示しないようにした場合、アイコンIをサムネイルTと重なる場所以外の場所に1つ表示する。サムネイルTと重なる場所以外の場所は、本実施形態では、フォルダFの上部側(メニュー部分)である。図6の例では、フォルダFのメニュー部分にデータがクラウドサーバAに記憶されていることを示す「A」というアイコンIを1つ表示している。
【0056】
なお、アイコンIを1つ表示する場合に限定されず、表示が煩雑とならない範囲で、サムネイルTと重なる場所以外の場所にサムネイルTの表示を複数箇所表示することを妨げるものではない。
【0057】
また、本実施形態では、フォルダFのメニュー部分に表示されるアイコンIは、サムネイルTに重ねて表示されるアイコンIと同じ画像から構成されているが、これに限定されない。
【0058】
図7は、フォルダ間でデータを移動した場合のアイコンIの表示について説明する説明図である。図7(A)は、1つのクラウドサーバ60に記憶されているデータのみが記憶されているフォルダF(図7(A)の左側のフォルダ1)に、複数のクラウドサーバ60に記憶されているデータが記憶されているフォルダF(図7(A)の右側のフォルダ2)からファイル名M「210401見積書1.pdf」のサムネイルTをドラッグアンドドロップすることにより移動する前のサムネイルTとアイコンIの表示について説明する説明図である。図7(B)は、フォルダ1にフォルダ2からファイル名M「210401見積書1.pdf」のサムネイルTをドラッグアンドドロップすることにより移動した後のサムネイルTとアイコンIの表示について説明する説明図である。
【0059】
図7(A)、図7(B)に示すように、フォルダF(フォルダ2)に表示されたサムネイルTが、他のフォルダF(フォルダ1)に移動された結果、他のフォルダF(フォルダ1)に表示されているサムネイルTに対応する複数のデータが1つのクラウドサーバ60に記憶されている場合は、他のフォルダF(フォルダ1)内において、アイコンIをサムネイルT毎に重ねて表示しないようにする。すなわち、フォルダ1では、全てのデータがクラウドサーバ60のうち同じクラウドサーバAに記憶されているため、アイコンIにサムネイルTに重ねて表示しない。具体的には、複数のクラウドサーバ60(クラウドサーバAとクラウドサーバC)に記憶されているデータが記憶されているフォルダF(フォルダ2)から、1つのクラウドサーバ60(クラウドサーバA)に記憶されているデータのみが記憶されている他のフォルダF(フォルダ1)に移動された場合は、移動されたファイル名M「210401見積書1.pdf」のサムネイルTに重ねて表示されていたアイコンI(クラウドサーバAに記憶されていることを示す「A」というアイコンI)を表示しないようにする。また、1つのクラウドサーバ60に記憶されているデータのみが記憶されていることになったフォルダF(フォルダ2)では、サムネイルTに重ねて表示されているアイコンI(クラウドサーバCに記憶されていることを示す「C」というアイコンI)を消去して表示しないようにする。
【0060】
また、図示しないが、フォルダFに表示されたサムネイルTが、他のフォルダFに移動された結果、他のフォルダFに表示されるサムネイルTに対応するクラウドサーバ60が1つから複数になった場合は、他のフォルダF内において、アイコンIをサムネイルTに重ねて表示するようにする。
【0061】
また、フォルダFに表示されたサムネイルTが、他のフォルダFに移動された結果、一のフォルダFに表示されるサムネイルTが1つのみになった場合は、クラウドサーバ60が1つのみであるため、アイコンIがサムネイルTに重ねて表示されないが、サムネイルTも1つのみであるためフォルダF内において、アイコンIをサムネイルTに重ねて表示するようにしてもよい。すなわち、データが1つのみであり、サムネイルTにアイコンIを重ねて表示しても表示が煩雑とならず、データが記憶されているクラウドサーバ60が分かるように表示した方が、ユーザの利便性を向上させることが可能となる。
【0062】
また、アイコンIをサムネイルTに重ねて表示するか否かを予め定めておくことを可能としてもよい。例えば、図8に示すように、アイコンIを表示する初期設定として、「接続先のアイコンを常に表示する」「接続先のアイコンを表示させない」「接続先が複数ある場合のみ表示する」の3つの条件の中からユーザが選択可能としてもよい。上述した実施の形態では、「接続先が複数ある場合のみ表示する」が選択された場合を例にして説明している。
【0063】
つぎに、情報処理システム10の作用について説明する。
【0064】
図9は、ユーザがPC40を用いてサーバ50のフォルダFにアクセスした場合に、サーバ50のCPU51がサムネイルTを表示すると共に、当該サムネイルTにアイコンIを重ねて表示する処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0065】
図9に示すステップS100において、サーバ50のCPU51は、ユーザがアクセスしたフォルダFに記憶されているデータのサムネイルTを表示する。そして、次のステップS110に進む。
【0066】
ステップS110において、サーバ50のCPU51は、フォルダFに記憶されているデータが、1つのクラウドサーバ60に記憶されているデータのみであるか否かを判定する。1つのクラウドサーバ60に記憶されているデータのみであると判定された場合は、次のステップS120に進む。
【0067】
ステップS120において、サーバ50のCPU51は、サムネイルTにアイコンIを重ねて表示せず、アイコンIをサムネイルTと重なる場所以外の場所に1つ表示する。そして、処理を終了する。
【0068】
一方、上述したステップS110において、1つのクラウドサーバ60に記憶されているデータのみであると判定されない場合、すなわち、複数のクラウドサーバ60に記憶されている場合は、ステップS110からステップS130に進む。
【0069】
ステップS130において、サーバ50のCPU51は、サムネイルTにアイコンIを重ねて表示する。そして、処理を終了する。
【0070】
ここで、図9に示すフローチャートは、複数のクラウドサーバ60に記憶されているデータが記憶されているフォルダFから、1つのクラウドサーバ60に記憶されているデータのみが記憶されている他のフォルダFに移動された場合についても適用可能である。また、逆に、1つのクラウドサーバ60に記憶されているデータのみが記憶されているフォルダFから、複数のクラウドサーバ60に記憶されているデータが記憶されているフォルダFに移動された場合についても適用可能である。すなわち、フォルダFに記憶されているデータが複数のクラウドサーバ60に記憶されている場合は、サムネイルTにアイコンIを表示せず、フォルダFに記憶されているデータが1つのクラウドサーバ60に記憶されている場合は、サムネイルTにアイコンIを重ねて表示する。
【0071】
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内で様々な変形や応用が可能である。
【0072】
なお、上記実施形態では、プログラムがROM又は記憶部に予め記憶(インストール)されている態様を説明したが、これに限定されない。プログラムは、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、DVD-ROM(Digital Versatile Disk Read Only Memory)、及びUSB(Universal Serial Bus)メモリ等の記録媒体に記録された形態で提供されてもよい。また、プログラムは、ネットワークNを介して外部装置からダウンロードされる形態としてもよい。
【0073】
また、上述した実施形態において、プロセッサとは広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えばCPU:Central Processing Unit、等)や、専用のプロセッサ(例えばGPU:Graphics Processing Unit、ASIC:Application Specific Integrated Circuit、FPGA:Field Programmable Gate Array、プログラマブル論理デバイス、等)を含むものである。
【0074】
また、上述した実施形態におけるプロセッサの動作は、1つのプロセッサによって成すのみでなく、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサが協働して成すものであってもよい。また、プロセッサの各動作の順序は上述した各実施形態において記載した順序のみに限定されるものではなく、適宜変更してもよい。
【符号の説明】
【0075】
10 情報処理システム
20 画像形成装置
40 PC
50 サーバ
60 クラウドサーバ
T サムネイル
I アイコン
F フォルダ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9