(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022188929
(43)【公開日】2022-12-22
(54)【発明の名称】屋内外両用の自定式ハンモックまたは自定式テント搭載型ハンモック
(51)【国際特許分類】
A45F 3/22 20060101AFI20221215BHJP
A45F 3/24 20060101ALI20221215BHJP
【FI】
A45F3/22
A45F3/24
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021097223
(22)【出願日】2021-06-10
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-02-01
(71)【出願人】
【識別番号】509220323
【氏名又は名称】冨田 盟子
(72)【発明者】
【氏名】冨田 穣
(57)【要約】
【課題】家でもキャンプでも、アウトドア、インドアのハンモック、空中テントの人気が高い。手軽に空中浮遊の異次元気分を味わいたい。回転、傾斜して読書用としても楽みたい。
【解決手段】2本の支持脚は弓形の矩形断面で、弾力性があり、構造体全体の微振動が心地よい。家の柱、梁、屋外の木の幹での定着を必要としない屋内外両用の安全安心の自定式とする。弓形の支持脚の矩形断面の下辺に溝を設け、延長した2本のロープを輪状に支持脚下面に閉じた1輪で張ることで、頂点に集中する大きな張力を分散し、自体で均等化支持することができる。長さ調整も滑車で簡単。収納も重ねて簡単。車移動も容易で、日常を超越した時の流れ、異次元の浮遊する空中空間、森林浴レジャーを手軽に飽きずに楽しめる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
2本の支持脚は支間中央で支持され、支間途中に継手の節点を設けず両端に頂点部を有する弓形を形成するものであって、支持脚部材を概矩形断面または概レール型、I型断面とし、前記支持脚部材の断面高さを支持脚全体で均一とした等断面、もしくは支間中央の底部近傍で最大となるように徐々に断面高さを変化させた変断面とすることで、前記支持脚を側面視で概同心円形、もしくは概三日月形の流線形としたことを特徴とする屋内外両用の自定式ハンモックまたは自定式空中テント。
【請求項2】
前記支持脚部材の断面上縁と下縁を、同心円の2円、同一半径の中心移動した2円、大小の半径の異なる2円、円と放物線、または放物線を組み合わせたいずれかでなる2つの上下の曲線で構成することを特徴とする請求項1に記載の屋内外両用の自定式ハンモックまたは自定式空中テント。
【請求項3】
ハンモックまたは空中テントの2本のロープを前記頂点部からそれぞれで延長し、前記2本の支持脚部材の断面下部に設けた溝または断面上部の掛かり部に沿って、それぞれに一回りで閉じた1輪で張ることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の屋内外両用の自定式ハンモックまたは自定式空中テント。
【請求項4】
ハンモックまたは空中テントの2本のロープを前記頂点部からそれぞれで延長し、前記2本の支持脚の斜材部間に配した水平横材部または突出部を2本の支持脚間で周回することで、閉じた1輪とすることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の屋内外両用の自定式ハンモックまたは自定式空中テント。
【請求項5】
ハンモックまたは空中テントの2本のロープを前記頂点部からそれぞれで延長し、前記2本の支持脚のそれぞれの斜材部に巻き付け、前記2本の支持脚の斜材部に配した水平横材部または突出部近傍にそれぞれで定着することを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の屋内外両用の自定式ハンモックまたは自定式空中テント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、屋内外のあらゆる場面で、樹木の幹とか家の柱、梁にロープを張る必要がなく、かつ大きなロープ張力に対応することで、空中浮遊でリラックスできる自定式ハンモックまたは自定式空中テントに関する。
【背景技術】
【0002】
ハンモックは、主に樹木間をつなぐ森林のレジャーのイメージがあるが、ストレスの多い最近では、身近に空中浮遊を楽しみリラックスしたいニーズがある。できれば家屋室内で、家の梁、柱からロープで吊るのではなく、畳上や床上、廊下、ベランダ、庭先で、さらには屋外のキャンプ先で、自定式で楽しめたら柱などの構造物、樹木に定着する必要がない。ただし、支持部で畳などを傷めないことが求められる。収納、運搬、移動できる重ね式が望ましい。特許情報プラットホームで検索したところ、キーワード「ハンモック」、「簡易」で検索したところ27件あった。うち(特許文献1)、(特許文献2)の2件が該当するが上下2段組の垂直パイプ脚支持であり、病院の雰囲気でリラックス気分が味わえるものでないので本願と異なる。「ハンモック」、「家屋内」で検索したところ0件、「ハンモック」、「室内」で検索したところ21件で、(特許文献3)の該当1件だがパイプ式で節点が多く強度が必ずしも強いといえず安心感がなく不安なので異なる、「ハンモック」、「床上」で検索したところ4件で、(特許文献4)の該当1件だが床上で揺れがなく楽しくなく、拡張、延長で強度が必ずしも強いといえないパイプ式で異なる。「ハンモック」、「庭」で検索したところ13件で、(特許文献5)の該当1件だが吊り下げにチェーンを使うなど簡略を図っているが強度が必ずしも強いといえないパイプ式で異なる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実全昭52-017102
【特許文献2】実全昭52-017103
【特許文献3】特許出願公開昭56-85307
【特許文献4】特開2007-044211
【特許文献5】特開2012-29960
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ひとつの支持脚で楽しみ方もいろいろ、
図1に示す(A)赤子、童心に帰れる揺りかごハンモック、(B)趣味の読書にふける傾斜ハンモック、(C)ドラえもんのどこでもアウトドアの空中テントにと、気分に応じて変幻自在で、日常を超越したタイムスリップ、極上の時間が流れ、異次元空間を手軽に満喫できる。支えも、まな板程度と新聞紙、雑誌の積み重ねで十分である。
屋内外のあらゆる場面で、樹木の幹とか家の柱、梁にロープを張る必要がなければリラックスできる。ハンモックは、主に樹木間をつなぐ森林のレジャーのイメージがあるが、ストレスの多い現代では、開放感があり身近に空中浮遊を楽しみたいニーズがある。できれば家屋室内で、家の梁、柱からロープで吊るのではなく、畳上や床上、廊下、ベランダ、庭先で、さらには屋外のキャンプ先で、支持脚のみで定着する自定式とすれば、柱などの他の構造物、樹木に定着を求めず自立できる。ただし、支持部で畳などを傷めないことが求められる。2本の支持脚の重ね式とすれば、搬入、収納やキャンプ場までの車で運搬、移動が容易となり、より手軽なものとなる。
一般に、ハンモックはロープの両端を引っ張るため、どこかの箇所で支持、定着する必要があるが、1点集中のパイプ支持脚ではパイプをつなぐ節点があり、構造的に強度が必ずしも強いといえず、想定外の荷重の偏りや揺れで屈曲、折損などの不安があればリラックスできない。力学的には両端のロープには大きな引張り力が作用する。たわみを少なくして張りつめるほど、すなわち、ほぼ水平にロープを張る空中テントでは大きな引張り力がかかる。ハンモックの支持脚の多くは中空パイプ材であるが、耐荷力が乏しく節点も多く力の流れが悪く荷重限界が見られる。このため、張りすぎると大きな曲げには中空パイプ支持材では容易に折損する。折損すると頭から落下する危険、その不安があることは明白である。
図2に、ハンモック、空中テントの体重Pがロープの両端にかかる引張り力の分力を示す。例えば、支間L=2mとし、たわみSを1mから0.5mの半分にすると張力Tが約1.5倍になる。さらに、たわみSを0.5mから0.25mの半分とすると張力Tが約1.8倍となる。すなわち、空中テントではきつく張れば張るほど、さらに水平近くに張れば張るほど大きな張力を必要とすることが分かる。逆にたるみのあるハンモックはさほどの張力は必要でないといえる。
一般の中空パイプ材は、断面高さが小さく、抵抗曲げモーメントが小さく不安感がある。支持脚は折損に対して強い粘り、しなりの弾力性を有し、安全安心とする必要がある。支持脚は、弾力があり力が滑らかに伝わりやすい弓形の流線形が有効である。支持脚全体形としてばねのようにしなやかに反発する。まさしく本物の弓のようで、支持脚全体から伝わる微振動も心地よい。ベニスの舟、カヌー形状のような滑らかに、かつ有効的な断面高さを有する概同心円形、またはモーメントの変化に応じて有効な断面高さが変化する概3日月形の流線形とすることで、支持脚全体で抵抗曲げモーメントが高まる。かつ、ねじり変形に対して強くするために矩形断面の箱型を標準とすることで安全性を高めることができる。概3日月形の図形は、断面高さを有効に変化させやすい。
図3に支持脚の弓形図形を形成する上下2曲線の組み合わせ例を示す。(A)同心円の2円、(B)同一半径の中心移動した2円、(C)上が小円で下が大円の2円、(D)上が大円で下が小円の2円、(E)上が円で下が放物線、(F)上が放物線で下が円、(G)上下とも放物線の2曲線、を基調とし頂点部で閉じれば弓形図形となり、概同心円形、概三日月形の流線形図形が得られる。同心円形では、断面高さが均一となり、概3日月形では高さは支持脚の支間中央部近傍で最大となり頂点部にいくにしたがって小さくなる。その均一あるいは変化する高さを有する断面の2つの上下線で滑らかな弓形図形を得ることができる。ただし、これら図形は部分的には張力の集中する支持脚両端の頂点部近傍は極端に細くならないように調整する。
図4に支持脚の斜視図を示す。弓形の支持脚には当然に外力に抵抗できる断面形状とその有効高さが必要である。支持脚部材を抵抗曲げモーメントの大きい矩形断面9とすれば安心感がある。支持脚部材の上下曲線間の離れ、すなわち2曲線の中心線に対して直角方向の距離が断面高さhとなる。レール型、I型断面10は、矩形断面9と比べて抵抗曲げモーメントもあまり劣らず、無駄がなく経済的であるが、ねじり変形に検討が必要である。このように、支持脚を弾力のある弓形とし、支持脚には構造的弱点となる折れ点、節点を設けず一体ものとし、支持脚部材を抵抗曲げモーメントの大きい矩形断面9とし、支持脚全体形の変形対応の弾力、しなりで力の集中度を緩和し荷重を受け持つことができれば自定式の課題を解決できる。矩形断面の箱型は中空でなく充填すれば、もしくは内部に等間隔の隔壁25を入れるか、外殻を厚板とすれば剛性が増しねじり変形にさらに強くなる。製作上の観点から、レール型、I型の方が簡単で、ねじり変形に抵抗できる厚めの鋼板を採用するか、随所に隔壁25となるリブを中心軸のウェブの左右に入れればねじり強度の問題はない。
つぎに、頂点部に集中する力を支持脚下方に流すこととすればさらに力が分散され、断面縮小の経済性のほか構造体全体としての安全度が増す。
図5に示すように弓形の曲面形状の長さを利用して、ロープ3を延長し支持脚下面全長でひと回しで閉じれば、ロープにかかる力を支持脚全体に分散することができ、支持脚本体側でその分散する力を反力としてしっかり受け持つことができる。分散する力と反力は等しくバランスしている。支持脚部材の断面下部に曲面に沿って溝を設け、中にロープを張り、そのロープにかかる張りの力を溝の内壁方向に向かわせ、弓形の支持脚本体全体に力を滑らかに分散させる方法で自定式の課題を解決できる。すなわち、ハンモックまたは空中テントの2本の支持脚の2本の延長ロープをそれぞれで1輪とし、支持脚全体にロープ掛けする方法で大きな張力に対して、支持脚部材の断面力で耐え、ロープと支持脚との間に全体的な密着、摩擦、定着が働き、力を分散させることができる。
図5に示す矩形断面下面でロープを回す場合、(A)矩形断面の下フランジ11Bにロープを入れる溝12を当初から曲面に沿って製作できる。レール型、I型では、(B)下フランジに溝12を付け加えるか、あるいは、(C)上フランジ11Aの下の空間にロープ3を引っ掛けることもできる。(D)隔壁25を設けるならスカーラップの穴26に通すこともできる。
ロープは一回りの1輪だが、長さを調整するのは簡単で、ハンモックをセットした当初は2頂点間のロープが垂れて、たるんでいるのでそこに滑車のような丸太33をかまし、丸太にロープを巻き付ければ、1巻きで円周長ほど短くできる。好みで適度な張り具合、その揺れ具合を見つけるのは簡単である。張りを大きくすると空中テントが可能となる。
さらに、ロープを支持脚に定着する別の方法として、
図6に示す、2本の延長したロープをまとめて1輪とし支持脚の斜材部途中の水平横材8に回し掛けする方法でも、頂点部に集中する力を分散、あるいは配分するという課題を解決できる。あるいは、さらなる方法として、
図7に示す、延長ロープを頂点部からそれぞれの支持脚の斜材部に巻き付けながら途中の水平横材近辺に定着する方法でも、巻くことでロープ延長が長く確保でき支持脚との摩擦抵抗が延長全体に有効に働き、かつ支持脚の斜材部を締め上げることで強度を高めるという副次的効果もあり、頂点部に集中する力を分散、あるいは配分するという課題を解決できる。
これらいずれの支持脚の横方向への転倒には、
図6、
図7の正面図に示す2本支持脚で踏ん張る必要がある。2本の支持脚間には水平横材が随所に必要である。
支持脚を基盤で支持する底部近傍は、当然に曲面であるので安定のためには、
図8に示すように(A)支持脚の一部区間を水平直線の辺とするか、(B)曲面に合わせた水平直線の着脱自在のアタッチメントを装着するか、(C)台座を設け中央の最下点から離隔した両側にアンカー定着、簡易には新聞紙、雑誌でバランス支持する方法かを選択する。揺りかごのような空中遊泳気分を楽しみたい人向きには、曲面のままとするが、この場合でも支持面との摩耗を防ぐために畳の上では台座を設けることが望ましい。また、支持脚の矩形支持部先端にも工夫を要する。
図9の(A)支持脚の先端を水平に仕上る、(B)支持脚の先端を滑らかな丸みのある曲面に仕上る、(C)支持脚の断面形状はそのままとし、先端にフィラーを入れて丸靴を履かせる、(D)支持脚の断面形状はそのままとし、厚みのある台座に傾斜面の窪みを設ける、(E)支持脚の底部に合わせた着脱自在のアタッチメントで、一定長で水平直線の台座、治具台座を設ける、の方法がある。
また、別の楽しみ方もある。ハンモックで読書などを楽しみたい人向きには、支持脚を回転して、片側の頂点を高くし一方の頂点を低くすれば頭位置を高く保つことができる。読書用ハンモックは、回転した状態なので当然に弓形の最下点は中央部より低い頂点側となる。これには、別途に中央の最下点をずらした図形とするか、
図10に示す(A)最下点の下に敷く台座を長くし、支持脚の低い一方の頂点側のアップリフト、浮き上がりを抑えるアンカー、ワイヤーを台座との間に結ぶか、(B)底辺を水平とし、支持脚曲面に合わせた回転防止の着脱自在のアタッチメント、治具を用意するか、簡単には、(C)中央にまな板のような支持板を敷き、転倒側にしっかりと新聞紙、雑誌を積み上げる方法とすれば簡単明瞭だ。
これらにより、安全安心な自定式で屋内外両用のハンモックまたは空中テントを実現する。アウトドア、インドア両用のいわゆる水陸両用のような多用途、マルチ用途に適応でき、手軽さ、楽しみ方も広がる。ハンモックと空中テントのロープは兼用できることが望ましく接合器具で延長できれば簡単であるが好みにもよる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
このような課題を解決するために、本発明の屋内外両用の自定式ハンモックまたは自定式空中テントは、2本の支持脚は支間中央で支持され、支間途中に継手の節点を設けず両端に頂点部を有する弓形を形成するものであって、支持脚部材を概矩形断面または概レール型、I型断面とし、前記支持脚部材の断面高さを支持脚全体で均一とした等断面、もしくは支間中央の底部近傍で最大となるように徐々に断面高さを変化させた変断面とすることで、前記支持脚を側面視で概同心円形、もしくは概三日月形の流線形としたことを特徴とする。
【0006】
また、本発明の屋内外両用の自定式ハンモックまたは自定式空中テントは、前記支持脚部材の断面上縁と下縁を、同心円の2円、同一半径の中心移動した2円、大小の半径の異なる2円、円と放物線、または放物線を組み合わせたいずれかでなる2つの上下の曲線で構成することを特徴とする。
【0007】
また、本発明の屋内外両用の自定式ハンモックまたは自定式空中テントは、
ハンモックまたは空中テントの2本のロープを前記頂点部からそれぞれで延長し、前記2本の支持脚部材の断面下部に設けた溝または断面上部の掛かり部に沿って、それぞれに一回りで閉じた1輪で張ることを特徴とする。
【0008】
また、本発明の屋内外両用の自定式ハンモックまたは自定式空中テントは、
ハンモックまたは空中テントの2本のロープを前記頂点部からそれぞれで延長し、前記2本の支持脚の斜材部間に配した水平横材部または突出部を2本の支持脚間で周回することで、閉じた1輪とすることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の屋内外両用の自定式ハンモックまたは自定式空中テントは、 ハンモックまたは空中テントの2本のロープを前記頂点部からそれぞれで延長し、前記2本の支持脚のそれぞれの斜材部に巻き付け、前記2本の支持脚の斜材部に配した水平横材部または突出部近傍にそれぞれで定着することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
気分に応じて、揺りかごのハンモック、秘密基地の空中テント、さらには回転して片側の頂点部を上げ、趣味の読書用にと多用途、変幻自在、マルチの選択、展開ができる。アウトドア、インドアのレジャーとして飽きず、極上に楽しい。特に、読書できる楽しみにはワクワク、期待が大きい。揺りかごのように揺れれば童心にタイムスリップ、無心に帰る。空中テントでは、喧噪な世間からシャットアウトできる。日頃のストレスの解消にはともかく楽しくなければいけない。面白くなければいけない。飽きがこないようにしなければいけない。収納の邪魔にならないことも狭い日本の家屋では大事な要件だ。水平横材を抜けば2本の支持脚を重ねることができるので、壁に立てかけることもでき邪魔にならない。手軽で運搬、移動も簡単。弾力性のある弓形のロッキングも全体の微振動を誘い心地よい。夢見心地ですぐ眠りに落ちる。寝床についた時にもこの夢見心地を思い浮かべば睡眠導入、安眠につながる副次効果期待も。自定式の弓形形状は美形、美観に優れ、秘かな自慢である。自分色に塗れば世界で一つのものとなる。車の天井の架台に乗せて、長距離ドライブも自ずと鼻歌がでて楽しい。自慢しなくても自慢しすぎに注意。もちろん本来の空中浮遊で異次元空間を満喫できる。
宙に浮いた異次元気分、空中浮遊、心地よい揺れなどで、日常を超越した特別な時間が流れる。同じ時間なのになんと贅沢なことか。ワンランク上の楽しみ、特別なレジャー気分を味わえる。喧騒を忘れ、無になれる。森林浴で木漏れ日を浴びれば身も心もリフレッシュ、鳥のさえずりもオーケストラになる。日常に帰ってささやかだが、マンションのベランダでもそよ風を受けて露天風呂気分になる。
従来のハンモック、特に空中テントは、張力が大きいため、ロープを家の柱、梁や野外の樹木の幹に定着する必要があり、手軽に楽しむというわけにはいかないものであった。そこで他の何かに頼らず自ら定着とする安全安心な自定式を考案することで、屋内外両用のハンモックまたは空中テントを実現した。単に、支持脚の頂点部に定着するのでは大きな力が頂点部に集中するので、まず支持脚全体形で耐えること、すなわち、しなり、弾力性に優れた弓形とすることで頂点部の力を低減、分散させることにつながった。しかも、
図3の(A)支持脚の断面高さを均一とすることで製作が容易となり、(B)同一半径で中心を移動させた3日月形では材料の製作ロスが少ない。あるいは(C)~(G)それなりに断面変化させることで、無駄なく力が伝達され安全となる。弓形の曲線図を形成し、美しい同心円形、三日月形を提供できる。閉塞された昨今では美形はより満足度が高いといえる。回転して頂点部の片側を高くすればハンモックでの頭位置が高くなり、読書用ともなる。これも飽きないための大切な要素、演出といえる。支持脚図形を構成する円や放物線を傾けるだけで最下点を移動できるので、台座を使えば安定し簡単に調整できる。支持脚を使用しないときは、支持脚の水平横材を抜けば、2本の支持脚を重ねることができるので収納に便利、持ち運び自在、設置自在。自定式なので、設置場所で反力をとる大木の幹、家の柱、梁も不要で、屋内外両用に適する最大のメリットがある。大きな引張り力を自体でとることに成功している。支持脚全体形で、さらには定着部を1点に設けず張力を均等に分散させること、支持脚全体の内側に向かう力として分散させることに成功している。支持脚の全長を2mから3mとすれば、特に分解式、組み立て式としなくてもよい。住居部屋の天井高さより低く購入時の搬入もそのままで可能で室内で楽しめる。2本の支持脚を一束に重ね合わすタイプとすることで、中央で半分にする折りたたみ式よりは断然に安全性が高く、収納スペースの問題が解消される。自動車の天井部分架台に乗せて運搬も容易で、キャンプの移動も楽で、自慢しなくても自慢できている。マンションでは、ベランダで秘かな楽しみが増える、露天風呂気分だ。支持脚の底部を水平の直線とすれば安定するがそのままの曲面としてもロッキングができて楽しい。別途に板、敷きマットを畳などの上に敷設すれば、安定とともに支持脚底部、たたみ、地盤双方ともに傷つけない効果がある。板も、樹脂まな板を別途購入すれば十分である。新聞紙、雑誌などもクッション性がありアンカーなどの大掛かりとすることもなく役立つことが単純にうれしい。
支持脚の形状では、正面視3角脚タイプの頂点部中央部でハンモック、頂点部を広げた台形脚タイプ、平行棒の長方形脚タイプではハンモック、空中テントにと、水平横材の選択で長さ調整ができるので日々の楽しみ方もいろいろ、気分次第だ。水平横材は長尺を7本、中長尺を2本、(A)(B)兼用の中尺を2本、短尺を2本揃えば転用組み立てが簡単にできる。また、ロープの張り方、張力、垂れ具合により楽しみ方もいろいろだ。ロープの長さ調整は丸太状の滑車のような円断面に巻き付ける方法が簡単である。一巻きで円周長すなわち、πDで直径の約3倍の長さ調整ができる。10cm径の丸太に一巻きすれば31.4cmほどの長さ調整、張り調整ができる。5cm径では15cmと微調整も可能である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】楽しみ方のイメージ側面図(A)ハンモック(B)読書の傾斜ハンモック(C)空中テント
【
図3】弓形支持脚の上下面の曲線構成例 (A)同心円(B)同一半径で中心を平行移動した円(C)上が小円、下が大円(D)上が大円、下が小円(E)上の円と放物線(F)放物線と下の円(G)最下点の異なる放物線
【
図4】弓形支持脚の斜視図、支持脚部材の断面図(A)矩形断面 (B)レール型、I型断面
【
図5】延長ロープを支持脚全長で受けた側面図、部材断面とロープの位置
図2本のロープそれぞれで支持脚下面を一巡する1輪としたときに、反力 が支持脚内側に分散され受け持たれることを示した説明図(A)矩形断面の溝とロープ (B)レール型、I型断面の下面の溝とロープ(C)上フランジの下面の掛かり部に引っ掛けたロープ、(D)隔壁リブのスカ―ラップ穴に通したロープ
【
図6】延長ロープを斜材部の水平横材部で1輪で回した支持脚の正面
図3例2本のロープを斜材部途中の水平横材、突起部に回して1輪とした説 明図(A) 3角形タイプ(B)台形タイプ(C)平行棒の長方形タイプ
【
図7】延長ロープを斜材部の水平横材近傍まで巻いた支持脚の正面
図3例2本のロープを途中の斜材部にそれぞれで巻き付けていき水平横材部近傍で定着した説明図(A)3角形タイプ(B)台形タイプ(C)平行棒の長方形タイプ
【
図8】支持脚の底部の接地の工夫例(A) 弓形の底部を一定長で水平直線とした側面図例(B) 弓形の底部に合わせた着脱自在のアタッチメントで、一定長で水平直線の台座、治具台座を設けた側面図例(C) 曲面の両側に新聞紙、雑誌などを積み上げてバランスをとった例
【
図9】支持脚の矩形支持部先端の工夫例(A)支持脚の先端を水平に仕上げた断面図例 (B)支持脚の先端を滑らかな丸みのある曲面に仕上げた断面図例 (C)支持脚の断面形状はそのままとし、先端にフィラーを入れて丸靴を履かせた断面図例(D)支持脚の断面形状はそのままとし、厚みのある台座に傾斜面の窪みを設けた断面図例(E)支持脚の底部に合わせた着脱自在のアタッチメントで、一定長で水平直線の台座、治具台座を設けた側面図例
【
図10】読書用傾斜ハンモックの転倒防止3例 (A)浮き上がり防止のアンカーをとり、台座の剛性を上げて延長した例 (B)曲面に合わせた着脱自在のアタッチメントで支持した例(C)後方への回転、転倒防止の新聞紙、雑誌の受け台座を設けた例
【発明を実施するための形態】
【0012】
ハンモックのロープを水平に張れば張るほど張力が増す。このため、張りすぎると中空パイプ支持材では弱点である継手の節点があり、容易に折損する。また、中空パイプ材自体では中空円形で高さがなく抵抗曲げモーメントが十分でないので、本発明は十分な安全性を備えるために、2本の支持脚は弾力性のある弓形とし、節点は設けず一体ものとし、支持脚断面は、高さが確保でき抵抗曲げモーメントの大きい概矩形断面を標準としている。断面高さは製作の単純化のために等断面の概同心円形を基本とし、外力、曲げモーメントに応じて無駄なく変化し大きな張力に耐えるよう側面視で概3日月形にも対応する。ただし、頂点部付近ではあまり細くなると耐力がなくなるのでそのままの高さとした方が製作上は楽である。材料は、鋼板を基本とするが、木材、合板、集成材、プラスチック、強化プラスチック、アルミ、ジュラルミンあるいはそれらの組み合わせによる複合体も考えられる。断面形状を矩形箱型とし、外殻を強度のある鋼板とする場合でも、変形、圧壊しないよう箱型内部をモルタル充填などで形状保持とするとよい。ただし、充填する材料は検討を要する。モルタルは剛性が増すので剛度が増し変形しづらくなるが全体として重くなり移動がつらくなる。発泡モルタルは軽いが強度増は少ない。
図5に示す中空筒34をセットし、鋼と筒との間にモルタル35を充填する中空構造とすると軽く強いのでうまく施工できれば最良といえる。ねじりに対して、一定間隔に補強隔壁を入れることも有効だ。ロープを忍ばせる溝を下端に設ける場合は、鋼板では丸型の溝は製作時の加工で簡単にできる。
【実施例0013】
図4に支持脚の斜視図と支持脚部材の断面図を示す。弾性に優れた弓形の2本の支持脚は、脚の上辺、下辺の2つの曲線間でできる断面形状を曲げモーメントに対して抵抗の大きい概矩形断面を標準とする。しかし、製作がより簡単で抵抗曲げモーメントが矩形とあまり変わらないレール型、I型断面も可能である。側面視の弓形支持脚は、
図3に示す(A)同心円の2円、(B)同一半径の中心移動した2円、(C)上が小円で下が大円の2円、(D)上が大円で下が小円の2円、(E)上が円で下が放物線、(F)上が放物線で下が円、(G)上下とも放物線、の曲線で描く断面形状を形成する。もちろん、フリーハンドで描く場合もある。2曲線間の離れ、距離が、曲げモーメントに抵抗するための断面高さhとなる。鋼板の切断は、
図3の概3日月形の(B)同一半径の中心移動した2円とすれば、同一半径でずらすだけで次の支持脚の円が接して切断できることで、鋼板の材料ロスがなく製作も速い。本願では多くの図を同心円形で描いているが、断面高さが均一となり簡単そうだが、材料ロスが大きい。概3日月形では高さは支持脚の支間中央部近傍で最大となり頂点部にいくにしたがって小さくなる。矩形断面では、外殻を鋼板とし、中にモルタルを充填するとねじり変形、圧壊に抵抗できる。等間隔で中に隔壁を設けてもよい。レール型、I型とすれば、縦の一辺の鋼板が省略できる可能性がある。ただし、ねじり変形が劣ることになるので検討が必要である。
構造的には、橋渡しとなる斜材部途中、底部で2本の支持脚間の股開き抵抗、転倒の抵抗性を上げることも必要だ。2本の支持脚は正面視で、3角形タイプ、台形タイプ、平行棒の長方形タイプがあるが2股として横への転倒防止の役割がある。2本の支持脚には股開きの水平力が働くので、2本の支持脚間には随所に水平横材を設ける。特に低部近傍は本数を増やす。水平横材は、前記正面視3種の形状に対応できるよう、支持脚の矩形断面の横腹板37に水平貫通穴28を設けると着脱自在となり、2本の支持脚は重ねることができ、収納、運搬に便利となる。水平横材の長さは平行棒の長方形タイプが最長で、転用も可能だが前記3種に合わせた長さ別で用意する方がよい。なぜなら、横材途中のねじ山が多少とも断面欠損となる。水平横材の締め付けには、角度を持ったフィラーを設けて垂直面とするとよい。中空モルタルとした場合は、水平貫通穴が中空筒34を貫くことになるので、水平方向にも中空筒を組み込むか、十分モルタルが硬化してからの穴あけ施工とするなど検討が必要だ。