(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022188940
(43)【公開日】2022-12-22
(54)【発明の名称】照明器具
(51)【国際特許分類】
F21V 21/30 20060101AFI20221215BHJP
F21S 8/02 20060101ALI20221215BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20221215BHJP
【FI】
F21V21/30 500
F21S8/02 100
F21V21/30 600
F21Y115:10 500
F21Y115:10 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021097236
(22)【出願日】2021-06-10
(71)【出願人】
【識別番号】505455945
【氏名又は名称】コイズミ照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【弁理士】
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】上田 崚介
(72)【発明者】
【氏名】山本 岳史
(57)【要約】
【課題】灯具の回転可能な範囲を確保しつつ、装着部と灯具との間の距離を小さくできる照明器具を提供する。
【解決手段】照明器具100は、天井Cに装着されることが可能である。照明器具100は、灯具2と、支持部1と、装着部3とを備える。支持部1は、灯具2を回転自在に支持する。装着部3には、支持部1が装着される。支持部1は、装着部3に対して交差する方向に延びている。照明器具100が天井Cに装着されている状態で、装着部3は天井Cに埋め込まれている。支持部1は、装着部3の中心部3Cと異なる位置に装着されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
壁に装着されることの可能な照明器具であって、
灯具と、
前記灯具を回転自在に支持する支持部と、
前記支持部が装着される装着部と
を備え、
前記支持部は、前記装着部に対して交差する方向に延びており、
前記照明器具が前記壁に装着されている状態で、前記装着部は前記壁に埋め込まれており、
前記支持部は、前記装着部の中心部と異なる位置に装着されている、照明器具。
【請求項2】
前記装着部を支持する枠体をさらに備え、
前記装着部は、前記枠体に対して回転可能である、請求項1に記載の照明器具。
【請求項3】
前記壁に対して略垂直方向に前記灯具が延びる状態において、前記灯具が出射する光の光軸から前記灯具を見たとき、前記装着部の回転位置に依存することなく、前記灯具は前記枠体内に収まる、請求項2に記載の照明器具。
【請求項4】
前記装着部を覆うカバー部材をさらに備え、
前記カバー部材は、前記灯具と前記装着部との間に配置される、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の照明器具。
【請求項5】
前記カバー部材は、前記装着部に向かう方向に凹む凹部を有し、
前記支持部は、前記凹部に嵌る、請求項4に記載の照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載の照明器具は、スポットライト本体、取付板、取付金具、及び2つのつまみねじを備える。2つのつまみねじの一方によりスポットライト本体が取付金具に首振り自在に取り付けられ、取付金具の屈曲端部が取付板に他方のつまみねじにより首振り自在に取付られる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載された照明器具において、取付金具(支持部)は、取付板(装着部)の中心部に取り付けられている。従って、スポットライト本体の首振り自在な範囲(回転可能な範囲)を確保するためには、取付板とスポットライト本体との間の隙間を大きく確保する必要がある。その結果、取付金具の露出する範囲が大きい。
【0005】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、灯具の回転可能な範囲を確保しつつ、装着部と灯具との間の距離を小さくできる照明器具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願に開示する照明器具は、壁に装着されることが可能である。照明器具は、灯具と、支持部と、装着部とを備える。支持部は、前記灯具を回転自在に支持する。装着部には、前記支持部が装着される。前記支持部は、前記装着部に対して交差する方向に延びている。前記照明器具が前記壁に装着されている状態で、前記装着部は前記壁に埋め込まれている。前記支持部は、前記装着部の中心部と異なる位置に装着されている。
【0007】
本願に開示する照明器具は、枠体をさらに備えることが好ましい。枠体は、前記装着部を支持することが好ましい。前記装着部は、前記枠体に対して回転可能であることが好ましい。
【0008】
本願に開示する照明器具において、前記壁に対して略垂直方向に前記灯具が延びる状態において、前記灯具が出射する光の光軸から前記灯具を見たとき、前記装着部の回転位置に依存することなく、前記灯具は前記枠内に収まることが好ましい。
【0009】
本願に開示する照明器具は、カバー部材をさらに備えることが好ましい。カバー部材は、前記装着部を覆うことが好ましい。前記カバー部材は、前記灯具と前記装着部との間に配置されることが好ましい。
【0010】
本願に開示する照明器具において、前記カバー部材は、凹部を有することが好ましい。凹部は、前記装着部に向かう方向に凹むことが好ましい。前記支持部材は、前記凹部に嵌ることが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、灯具の回転可能な範囲を確保しつつ、装着部と灯具との間の距離を小さくできる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の実施形態に係る照明器具を示す側面図である。
【
図2】本実施形態に係る照明器具を示す斜視図である。
【
図3】本発明の比較例1に係る照明器具を示す側面図である。
【
図4】(a)は、複数並べて配置された本実施形態に係る照明器具を示す模式図である。(b)は、複数並べて配置された本発明の比較例2に係る照明器具を示す模式図である。
【
図5】本実施形態に係る照明器具の分解斜視図である。
【
図6】
図2のA-A断面線に沿った照明器具の断面図である。
【
図7】本実施形態に係る支持部を示す斜視図である。
【
図8】本実施形態に係る灯具及び支持部を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一又は相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。なお、本願明細書では、発明の理解を容易にするため、互いに直交するX方向、Y方向及びZ方向を参照して説明することがある。例えば、X方向及びY方向は水平方向に平行であり、Z方向は鉛直方向に平行である。ただし、X方向及びY方向は水平方向以外の方向に平行であってもよく、Z方向は鉛直方向以外の方向に平行であってもよい。
【0014】
まず、
図1及び
図2を参照して、本発明の実施形態に係る照明器具100について説明する。
図1は、実施形態に係る照明器具100を示す側面図である。
図2は、照明器具100を示す斜視図である。具体的には、
図2は、照明器具100に対して天井Cと反対の側から、つまり室内側から見たときの照明器具100を示す斜視図である。
【0015】
照明器具100は、本実施形態において、埋込型のスポットライトであり、壁に装着されることが可能である。壁は、例えば天井C、側壁、又は床である。以下、照明器具100が天井Cに装着される場合を例に挙げて、照明器具100について説明する。
【0016】
照明器具100は、支持部1と、灯具2と、装着部3と、枠体4と、複数の取付バネ5とを備える。本実施形態において、照明器具100は、2個の取付バネ5を備えている。ただし、
図1では、図面の簡略化のため取付バネ5の記載を省略している。なお、照明器具100は、3個以上の取付バネ5を備えていてもよい。
【0017】
支持部1は、例えばアームである。支持部1は、灯具2を回転自在に支持する。具体的には、支持部1は、装着部3に対して灯具2を回転方向R1に回転自在に支持している。従って、灯具2と装着部3との間の角度を変化させることができる。例えば、灯具2と装着部3との間の角度を、0°以上92°以下の範囲で変化させることができる。
図1に示す灯具2は、天井Cに対して略垂直方向に延びる状態である。以下、本明細書において、天井Cに対して略垂直方向に延びる灯具2の姿勢を「基準姿勢」と記載し、天井Cに対して略垂直方向と異なる方向に延びる灯具2の姿勢を「基準姿勢と異なる姿勢」と記載する。すなわち、
図1において実線で示す灯具2の姿勢が基準姿勢であり、
図1において2点鎖線で示す灯具2の姿勢が基準姿勢と異なる姿勢である。つまり、
図2では、基準姿勢の灯具2を示している。
【0018】
灯具2は、光出射面2aを有する。灯具2は、光出射面2aから灯具2の外部に光を出射する。
【0019】
また、灯具2は、筐体20を含む。本実施形態において、筐体20は、略円筒形状を有する。なお、筐体20は、略立方体形状を有していてもよいし、略多角筒形状を有していてもよい。本実施形態において、筐体20の両端部は開放されている。筐体20の両端部のうち、支持部1に対して遠い側の端部は、灯具2の光出射面2aに対応する。本実施形態において、照明器具100が天井Cに装着されている状態で、灯具2が基準姿勢である場合、筐体20と天井Cとの間には、隙間G1が形成される。
【0020】
筐体20は、切り欠き20nを有する。本実施形態において、切り欠き20nは、平面視において角ばったU字形状を有する。灯具2の姿勢が基準姿勢である状態において、支持部1の少なくとも一部(例えば、支持部1の外表面1S)が切り欠き20nを介して露出する。支持部1の外表面1Sは、筐体20の外表面20Sに対して略面一である。従って、筐体20と支持部1とが一体感のあるデザインとなる。その結果、照明器具100の美観が向上する。本実施形態において、筐体20が略円筒形状を有するため、支持部1の外表面1Sは筐体20の外表面20Sの曲面に沿うように湾曲している。従って、筐体20と支持部1とがより一体感のあるデザインとなり、照明器具100の美観がさらに向上する。
【0021】
装着部3は、平面視において、略円形形状を有する(
図5参照)。装着部3には、支持部1が装着される。具体的には、支持部1は、装着部3のうちの装着部3の中心部3Cと異なる位置に装着されている。つまり、装着部3への支持部1の装着位置は、中心部3Cに対して偏心している。照明器具100が天井Cに装着されている状態で、装着部3は天井Cに埋め込まれている。
【0022】
本実施形態において、装着部3は、装着面31と、鍔部32とを含む。
【0023】
装着面31は、平面視において、略円形形状を有する(
図5参照)。装着面31は、照明器具100が天井Cに装着されている状態で、装着部3のうちの天井Cに近い側の面である。また、装着面31の延びる方向は、照明器具100が天井Cに装着されている状態で、天井Cの延びる方向(X方向及びY方向)に略平行である。本実施形態において、装着面31の中心部31Cは、装着部3の中心部3Cに対応する。すなわち、支持部1は、装着面31のうち、装着面31の中心部31Cと異なる位置に装着されている。つまり、装着面31への支持部1の装着位置は、中心部31Cに対して偏心している。
【0024】
鍔部32は、平面視において、略円環形状を有する(
図5参照)。鍔部32は、照明器具100が天井Cに装着されている状態で、装着部3のうちの天井Cに遠い側の端部から、天井Cの延びる方向に沿う方向(X方向及びY方向)に突出している。
【0025】
ここで、支持部1は、装着部3に対して交差する方向に延びている。具体的には、例えば、支持部1は、装着部3に対して略直交する方向(Z方向)に延びている。より具体的には、例えば、支持部1は、装着部3の装着面31に対して略直交する方向(Z方向)に延びている。
【0026】
以下では、説明の便宜のために、装着部3に対して灯具2の配置される側を「下側」と規定し、灯具2に対して装着部3の配置される側を「上側」と規定して、上下方向を規定する場合がある。
【0027】
枠体4は、照明器具100が天井Cに装着されている状態で天井Cに埋め込まれている。枠体4は、装着部3を支持する。具体的には、枠体4は内部に係合部41を有しており(
図6参照)、係合部41と装着部3の鍔部32とが係合する。すなわち、装着部3は、枠体4の内部に位置する。係合部41、及び係合部41と鍔部32との係合については、
図6を参照して後述する。
【0028】
装着部3は、枠体4に対して回転可能である。具体的には、装着部3は、装着部3の中心部3Cを通る中心軸線AXを回転軸として回転方向R2に回転自在である。本実施形態において、中心軸線AXは、Z方向に略平行である。ここで、灯具2が基準姿勢である場合、中心軸線AXは、灯具2が備える光源21の光軸LAに対応する(
図6参照)。本実施形態において、光源21の光軸LAはZ方向に平行であり、光源21の中心を通る。光源21については、
図6を参照して後述する。
【0029】
従って、装着部3が枠体4に対して回転方向R2に回転することに伴なって、装着部3に装着された支持部1が中心軸線AXを回転軸として回転方向R2に回転する。そして、支持部1が回転方向R2に回転することに伴なって、灯具2が中心軸線AXを回転軸として回転方向R2に回転する。その結果、例えば、灯具2を回転方向R1に回転させたり、灯具2を回転方向R2に回転させたりすることによって、灯具2の姿勢の自由度が向上する。なお、ユーザーが灯具2を回転方向R2に回転させる場合、ユーザーは、灯具2を回転方向R2に回転させる。そして、ユーザーが灯具2を回転方向R2に回転させることに伴なって、支持部1及び装着部3が中心軸線AXを回転軸として回転方向R2に回転する。
【0030】
取付バネ5は、例えばビスのような締付部材によって枠体4に固定される。取付バネ5は、弾性を有し、枠体4を天井Cに取り付ける。その結果、照明器具100が天井Cに装着される。
【0031】
以上、
図1及び
図2を参照して説明したように、本実施形態によれば、支持部1は、装着部3の中心部3Cと異なる位置に装着されている。従って、支持部1が装着部3の中心部3Cに装着されている場合と比較して、支持部1から灯具2の外表面までの距離を短くできる。具体的には、支持部1の外表面1Sから筐体20の外表面20Sまでの距離を短くできる。その結果、灯具2の回転可能な範囲を確保しつつ、装着部3と灯具2との間の距離h1を小さくできる。具体的には、天井Cと、基準姿勢と異なる姿勢の灯具2の側面との間を距離h2にするまで、灯具2を回転方向R1に回転させることを可能としつつ、基準姿勢の灯具2と装着部3との間の距離h1を小さくできる。なお、天井Cと、基準姿勢と異なる姿勢の灯具2の側面との間が距離h2である場合、筐体20は、天井Cに沿う方向に延びていてもよいし、天井Cに対して交差する方向に延びていてもよい。以下、
図1及び
図3を参照して、本発明の比較例1と比較しつつ本実施形態の照明器具100について説明する。
【0032】
図3は、本発明の比較例1に係る照明器具100Xを示す側面図である。比較例1に係る照明器具100Xの支持部1Xは、装着部3Xの中心部3CXに装着されている。例えば、支持部1Xに支持された灯具2Xは、装着部3Xに対して回転方向R1Xに回転自在である。比較例1では、灯具2の回転可能な範囲を確保するため、すなわち、天井Cと、灯具2Xの側面との間を距離h2にするまで灯具2Xを回転方向R1に回転させることを可能とさせるため、天井Cに対して略垂直方向に延びる灯具2Xと装着部3Xとの間を距離h3だけ離している。その結果、照明器具100Xが天井Cに装着されている状態で、灯具2Xが天井Cに対して略垂直方向に延びる姿勢である場合、灯具2Xの筐体20Xと天井Cとの間には、隙間GXが形成される。
【0033】
本実施形態と比較例1とを比較すると、比較例1における灯具2Xと装着部3Xとの間の距離h3よりも、本実施形態における基準姿勢の灯具2と装着部3との間の距離h1の方が短い。また、比較例1における基準姿勢の灯具2Xと天井Cとの間に形成される隙間GXよりも、本実施形態における基準姿勢の灯具2と天井Cとの間に形成される隙間G1の方が狭い。従って、比較例1において隙間GXから露出する支持部1の面積よりも、本実施形態において隙間G1から露出する支持部1の面積の方が小さい。その結果、比較例1に係る照明器具100Xよりも、本実施形態に係る照明器具100の方が、灯具2の回転可能な範囲を確保しつつ照明器具100の美観を向上できる。
【0034】
次に、
図1及び
図4を参照して、本発明の比較例2と比較しつつ本実施形態の照明器具100について説明する。
図4(a)は、天井Cに複数並べて配置された本実施形態に係る照明器具100を示す模式図である。
図4(b)は、天井Cに複数並べて配置された本発明の比較例2に係る照明器具100Yを示す模式図である。具体的には、
図4(a)は、室内側から見た照明器具100を示す模式図である。また、
図4(b)は、室内側から見た照明器具100Yを示す模式図である。さらに、
図4(a)に示す照明器具100の灯具2、及び
図4(b)に示す照明器具100Yの灯具2Yは、天井Cに対して略垂直方向に延びている。すなわち、本実施形態の照明器具100及比較例2の照明器具100Yの各々が基準姿勢である場合を例に挙げて、本実施形態の照明器具100について説明する。
【0035】
図1及び
図4(a)に示すように、本実施形態の照明器具100の支持部1は、中心軸線AXを回転軸として回転方向R2に回転する。灯具2が基準姿勢である状態において、灯具2が出射する光の光軸LA(Z方向)から灯具2を見たとき、装着部3の回転位置に依存することなく、灯具2は枠体4内に収まる。つまり、灯具2が基準姿勢である状態において、装着部3が枠体4に対して回転方向R2に回転することに伴なって、装着部3に装着された支持部1が中心軸線AXを回転軸として回転方向R2に回転する場合であっても、灯具2は枠体4内に収まる。従って、枠体4に対する灯具2の位置ずれを抑制できる。
【0036】
一方、
図4(b)に示すように、比較例2に係る照明器具100Yの支持部1は、枠体4Yの中心部と異なる位置に装着されている。また、照明器具100Yの灯具2Yは支持部1Yに支持されており、支持部1Yの中心部を通る中心軸線AXYを回転軸として回転方向R2Yに回転自在である。灯具2Yが基準姿勢である状態において、灯具2Yが出射する光の光軸LA(Z方向)から灯具2Yを見たとき、灯具2Yは、枠体4Y内に収まったり収まらなかったりする。
【0037】
本実施形態と比較例2とを比較すると、比較例2の照明器具100Yを複数並べて配置する場合よりも、本実施形態の照明器具100を複数並べて配置する場合の方が、複数の灯具2の各々の回転位置に因らず、複数の灯具2を整列して配置させることができる。その結果、比較例2の照明器具100Yを複数並べて配置するよりも、本実施形態の照明器具100を複数並べて配置する方が、複数の照明器具100を配置される空間の美観が向上する。
【0038】
また、本実施形態と比較例2とを比較すると、照明器具100Yを天井Cに対して傾斜する灯具2Yを回転させる場合の灯具2Yの光出射面の回転軌跡よりも、基準姿勢と異なる姿勢の灯具2を回転させる場合の灯具2の光出射面2aの回転軌跡の方が小さい。従って、比較例2の照明器具100Yを配置される空間よりも、本実施形態の照明器具100を配置される空間の方が、美観がさらに向上する。
【0039】
さらに、比較例2では、天井Cに対して略垂直方向に延びる灯具2Yが回転することに応じて、灯具2Yが枠体4Y内に収まったり収まらなかったりするため、枠体4Yに対して、天井Cに対して傾斜する方向への力が加わる可能性がある。一方、本実施形態では、基準姿勢の灯具2が回転することに応じて、灯具2が枠体4内に収まるため、枠体4に対して、天井Cに対して略垂直方向(略Z方向、鉛直方向)への力が加わる可能性がある。従って、本実施形態と比較例2とを比較すると、比較例2よりも本実施形態の方が、枠体4を安定して天井Cに固定できる。
【0040】
次に、
図1、
図5及び
図6を参照して、照明器具100についてさらに説明する。
図5は、照明器具100を示す分解斜視図である。
図6は、
図2のA-A断面線に沿った照明器具100の断面図である。
【0041】
図5及び
図6に示すように、照明器具100は、カバー部材6をさらに備える。カバー部材6は、光軸LAに沿う方向に、装着部3に対向する。また、カバー部材6は、灯具2と装着部3との間に配置される。カバー部材6は、例えば、平面視において略円形形状を有する。
【0042】
カバー部材6は、装着部3を覆う。具体的には、光軸LAから灯具2を見たとき、カバー部材6は、装着部3を覆う。従って、照明器具100に対して天井Cと反対の側、すなわち室内に居るユーザーから、装着部3が露出することを抑制できる。その結果、照明器具100の美観がさらに向上する。また、天井Cの延びる方向における装着部3と枠体4との間には、装着部3が枠体4に対して回転方向R2に回転するための隙間G2が設けられている。カバー部材6は、例えば隙間G2を覆う。従って、室内に居るユーザーから隙間G2が露出することを抑制できる。その結果、照明器具100の美観がさらに向上する。さらに、カバー部材6は、カバー部材6に対して、灯具2と反対の側に埃等の異物が進入することを防止できる。なお、本実施形態において、平面視におけるカバー部材6の面積は、平面視における装着部3の面積よりも大きい。ただし、平面視におけるカバー部材6の面積は、平面視における装着部3の面積と略同一でもよいし、平面視における装着部3の面積よりも小さくてもよい。
【0043】
本実施形態において、カバー部材6は、金属製である。具体的には、例えば、カバー部材6は鉄製である。従って、カバー部材6によって、灯具2の熱を効果的に放散できる。また、灯具2の熱に起因したカバー部材6の熱変形を抑制できる。なお、カバー部材6の材料は特に限定されない。例えば、カバー部材6は樹脂製であってもよい。
【0044】
カバー部材6は、装着部3に向かう方向に凹む凹部61、及び凹部61に配置される開口6hを有する。開口6hは、一部が角張った略楕円形状を有する。凹部61は、平面視において略円形形状を有する。凹部61には、支持部1が嵌る。従って、装着部3が凹部61を有しない場合と比較して、支持部1の下端から装着部3までの長さを短くすることができる。その結果、室内側で露出する支持部1の長さを短くすることができ、照明器具100の美観がさらに向上する。
【0045】
筐体20は、内部空間2A及び内部空間2Bを有する。内部空間2Aは、内部空間2Bよりも装着部3に近い。また、内部空間2Bは、内部空間2Aよりも灯具2の光出射面2aに近い。
【0046】
支持部1は、挿通部11、嵌合部12、及び本体部13を含む。本実施形態において、挿通部11、嵌合部12、及び本体部13は一体成型品である。嵌合部12は、挿通部11と本体部13との間に配置される。本体部13の大部分は、筐体20の内部空間2Aに配置される。本体部13には、ねじ穴13h1が形成されている。ねじ穴13h1は、支持部1が延びる方向に対して交差する方向に延びる。具体的には、ねじ穴13h1は、支持部1が延びる方向に対して略直交する方向に延びる。
【0047】
挿通部11は、光源21から離れる方向に嵌合部12から突出する。光源21については後述する。平面視における挿通部11の形状と、平面視におけるカバー部材6の開口6hの形状とは略同一である。すなわち、挿通部11は、平面視において一部が角張った略楕円形状を有する。従って、挿通部11が開口6hに対して回転することを抑制できる。その結果、挿通部11を含む支持部1が不要に回転することを抑制でき、灯具2を所望の姿勢に精度よく保持することができる。
【0048】
また、挿通部11の外周面にはねじ溝が切られている。そして、挿通部11の先端には、ナット等の螺合部材Nuが螺合されている。従って、装着部3に対する支持部1の装着が安定する。
【0049】
平面視における嵌合部12の形状と、平面視におけるカバー部材6の凹部61の形状とは略同一である。すなわち、嵌合部12は、平面視において略円形形状を有する。従って、凹部61には、支持部1の嵌合部12が嵌る。その結果、支持部1の位置決めが容易である。加えて、嵌合部12から枠体4の上端までの距離が短くなる。その結果、天井Cに対して灯具2と反対側の空間(天井裏)における枠体4の取付スペースを縮小できる。その結果、天井Cに対して灯具2と反対側の空間が狭い場合であっても、照明器具100を天井Cに容易に装着できる。
【0050】
灯具2は、光源21、カバー22、及び反射部材23をさらに含む。灯具2の筐体20の内部空間2Bには、光源21及び反射部材23が配置される。
【0051】
光源21は、光を出射する。光源21が出射した光は、光出射面2aから灯具2の外部に出射される。光源21は、発光素子として、例えばLED(Light Emitting Diode)素子を有する。光源21は、例えばSMD(surface mount device)、又はCOB(chip on board)である。本実施形態において、光源21は面状光源である。
【0052】
カバー22は、筐体20の端部に配置される。具体的には、カバー22は、筐体20の両端部のうち、光出射面2aと反対側の端部に配置される。カバー22は、筐体20の開放された端部を覆う。カバー22は、切り欠き22nを有する。本実施形態において、切り欠き22nは、平面視において角ばったU字形状を有する。また、本実施形態において、切り欠き22nと、筐体20の切り欠き20nとは、連通している。カバー22が筐体20の端部を覆う状態において、切り欠き22nの内部には、支持部1の本体部13が配置される。
【0053】
また、灯具2が基準姿勢である状態において、カバー22の略全面が、灯具2の延びる方向(つまり、天井Cに対して略垂直な方向)に装着部3に対向する。従って、灯具2が基準姿勢である状態での、装着部3に対する灯具2の位置ずれを抑制できる。その結果、灯具2が基準姿勢である状態での、枠体4に対する灯具2の位置ずれを抑制できる。ひいては、照明器具100の美観がさらに向上する。
【0054】
反射部材23は、光源21の下方に配置される。反射部材23は、略筒形状を有する。具体的には、反射部材23は、側面視において、略円錐台形状を有する。すなわち、反射部材23の直径は、光源21から離れるにしたがって漸次大きくなる。本実施形態において、反射部材23は、光源21の光軸LAに沿って延びる。
【0055】
光源21が出射した光は、反射部材23の内部に入射する。反射部材23は、光源21が出射した光の一部を反射する。そして、反射部材23の内部を通過した光は、光出射面2aから灯具2の外部に出射される。反射部材23の内面は、光源21から出射される光を効率良く反射するために、白色塗装、銀色塗装、又は光沢のある金属メッキなどの反射加工が施されていることが好ましい。反射部材23の内面の素材が白色又は銀色等の光反射率の高い色彩を有していてもよい。
【0056】
次に、
図7及び
図8を参照して、支持部1による灯具2の支持について説明する。
図7は、支持部1を示す斜視図である。
図8は、灯具2及び支持部1を示す斜視図である。具体的には、
図7は、室内側から照明器具100を見たときの支持部1を示す斜視図である。
図8は、天井Cの裏側から照明器具100を見たときの灯具2及び支持部1を示す。なお、
図8では、発明を理解しやすくするため、支持部1と筐体20とを分離して図示している。また、
図8では図面の簡略化のため、カバー22を省略している。
【0057】
支持部1は、接続部14をさらに含む。挿通部11、嵌合部12、及び本体部13と、接続部14とは、別体である。接続部14は、支持部1の本体部13と、灯具2とを接続する。接続部14は、ベース部141と、屈曲部142と、締付部材143と、接触部材144と、2つの締付部材145と、螺合部材146とを含む。
【0058】
ベース部141は、平面視において一部が切り欠きされた略円形形状を有する。つまり、ベース部141は、切り欠き141nを有する。平面視において、切り欠き141nは、角ばったU字形状を有する。また、ベース部141は、2つの開口141hを有する。ただし、2つの開口141hのうちの1つは、支持部1の本体部13に隠れているため、
図7及び
図8には表れていない。筐体20のカバー22は、2つの係合部22aを含む。ただし、2つの係合部22aのうちの1つは、ベース部141に隠れているため、
図7には表れていない。2つの係合部22aは、それぞれ、2つの開口141hに係合する。その結果、カバー22と支持部1とが接続される。
【0059】
屈曲部142は、ベース部141に対して、ベース部141の切り欠き141nに接続して屈曲している。具体的には、屈曲部142は、ベース部141に対して略直角に屈曲している。屈曲部142は、切り欠き141nの長手方向に略直交する短手方向に、本体部13に対向する。本実施形態において、屈曲部142には、ねじ穴が設けられている。
【0060】
締付部材143は、例えばねじである。本実施形態において、締付部材143は、軸部143aを有する。軸部143aは、螺旋状のねじ溝を有する。
【0061】
螺合部材146は、例えばワッシャである。具体的には、螺合部材146は、例えばスプリングワッシャ、平ワッシャ、ウェーブワッシャ、又は皿ばねである。螺合部材146は、例えば略すり鉢形状、又は略円錐台形状を有しており、弾性を有する。螺合部材146は、締付部材143のねじ頭と屈曲部142との間に配置される。例えば、締付部材143を締め付けることによって、螺合部材146が弾性変形し、屈曲部142に回転負荷が付与される。なお、螺合部材146の形状は特に限定されない。螺合部材146は、例えば略円環形状を有していてもよい。また、締付部材143のねじ頭と屈曲部142との間に螺合部材146が配置されなくてもよい。
【0062】
締付部材143は、屈曲部142のねじ穴、及び本体部13のねじ穴13h1(
図5参照)に挿入されて、本体部13に対して回転可能に屈曲部142を締め付ける。具体的には、螺合部材146を介して、締付部材143が屈曲部142のねじ穴及び本体部13のねじ穴13h1にねじ込まれることによって、屈曲部142に回転負荷が付与される。すなわち、屈曲部142が本体部13に対して回転可能な程度に、屈曲部142が本体部13に向かって締め付けられる。従って、接続部14は、本体部13に対して回転方向R1に回転可能である。
【0063】
また、締付部材143が螺合部材146を介して屈曲部142のねじ穴及び本体部13のねじ穴13h1にねじ込まれることによって、締付部材143のねじ頭は、回転する力を加えられた接続部14が本体部13に対して回転し、回転する力を加えられていない状態の接続部14が本体部13に対して回転しない程度に、屈曲部142を本体部13に押し付ける。そして、螺合部材146は、屈曲部142が本体部13に対して回転できる程度に、屈曲部142を本体部13に押し付ける。すなわち、螺合部材146が屈曲部142に回転負荷を付与する。また、回転する力を加えられた屈曲部142が本体部13に対して回転し、回転する力を加えられていない状態の屈曲部142が本体部13に対して回転しない程度に、螺合部材146が屈曲部142に回転負荷を付与する。従って、接続部14に固定された灯具2に回転負荷が付与される。その結果、灯具2を所望の姿勢に回転させたり、灯具2を所望の姿勢に保持させたりできる。なお、締付部材143の軸部143aは、本体部13を貫通してもよいし、貫通しなくてもよい。
【0064】
接触部材144は、例えばねじである。具体的には、本実施形態において、接触部材144は、例えば、六角穴付き止めねじであり、ねじ頭部の径方向の大きさと、軸部の径方向大きさとが略一致する。六角穴付き止めねじは、所謂虫ねじ、いもねじ、又はホーローセットである。ただし、接触部材144は、ねじ頭部の径方向の大きさと、軸部の径方向の大きさとが異なっていてもよい。また、ねじ頭部には、六角と異なる形状の穴が設けられていてもよい。
【0065】
本体部13は、ねじ穴13h2をさらに有する。ねじ穴13h2は、本実施形態において、本体部13の下面に配置される。ねじ穴13h2は、ねじ穴13h1(
図5参照)に交わる。また、ねじ穴13h2は、本体部13が延びる方向に沿って延びる。すなわち、本実施形態において、ねじ穴13h2は、ねじ穴13h1に交差する。具体的には、ねじ穴13h2は、ねじ穴13h1に略直交する。
【0066】
接触部材144は、ねじ穴13h2に挿入されて、ねじ穴13h1に挿入された締付部材143に接触する。具体的には、例えば、接触部材144の先端部分が、締付部材143の軸部143aに形成されたねじ溝に係合する。従って、締付部材143が回転することを抑制できる。その結果、複数回にわたって灯具2を回転方向R1に回転させる場合であっても、締付部材143及び螺合部材146が本体部13から離れる方向に変位することを防止できる。加えて、締付部材143のねじ頭及び螺合部材146が本体部13から離れる方向に変位することを防止できるため、締付部材143及び螺合部材146が接続部14に付与している回転負荷が低下することを防止できる。ひいては、複数回にわたって灯具2を回転方向R1に回転させる場合であっても、締付部材143及び螺合部材146が接続部14に回転負荷を付与している状態が維持され、灯具2の姿勢を精度よく保持できる。
【0067】
また、本実施形態によれば、照明器具100の製造過程において、接続部14に付与される回転負荷が適正となるように、締付部材143の締め込み量(締付トルク)を調整した後に、接触部材144を締付部材143に接触させる。従って、締付部材143が本体部13から離れる方向に変位することを防止できるため、接続部14に付与される適正な回転負荷を維持できる。
【0068】
さらに、本実施形態によれば、締付部材143の先端にナット等の螺合部材が螺合されないため、締付部材と螺合部材との結合が緩む可能性がなくなる。その結果、締付部材143が本体部13から離れる方向に変位することを防止できる。ただし、締付部材143の先端に螺合部材が螺合されてもよい。この場合、接続部14は、接触部材144を含んでもよいし、接触部材144を含まなくてもよい。
【0069】
さらに、本実施形態によれば、締付部材143とねじ穴13h1とを接着手段によって接着させることなく、締付部材143が本体部13から離れる方向に変位することを防止できる。例えば、接着剤等の接着手段によって締付部材をねじ穴に接着させることが不要である。従って、締付部材143とねじ穴13h1とを接着させる場合と比較して、照明器具100を分解しやすい。その結果、例えば照明器具100のメンテナンス性が向上する。また、締付部材143とねじ穴13h1とを接着させる場合と比較して、照明器具100の組立が容易である。
【0070】
筐体20は、内部空間2Aに配置される被締付部24を含む。被締付部24は、筐体20の内周面から、筐体20の中心軸に向かって突出する。本実施形態において、筐体20は、2つの被締付部24を含む。2つの被締付部24は、筐体20の中心軸を介して互いに対向する。2つの被締付部24の各々はねじ穴を有する。
【0071】
接続部14の2つの締付部材145は、それぞれ、2つの被締付部24にねじこまれる。従って、支持部1の接続部14と筐体20とが接続される。その結果、支持部1は、灯具2を支持できる。
【0072】
以上、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明した。但し、本発明は、上記の実施形態及び変形例に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である。図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素のD、長さ、個数等は、図面作成の都合上から実際とは異なる場合もある。また、上記の実施形態で示す各構成要素の形状、寸法等は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0073】
(1)
図2を参照して説明したように、支持部1の外表面1Sは筐体20の曲面に沿うように湾曲していた。ただし、支持部1の外表面1Sと筐体20の外表面20Sとが略面一である限り、筐体20の外表面20Sは平坦であってもよい。例えば、筐体20が略立方体形状、又は略多角筒形状を有している場合であって、筐体20の側面に切り欠き20nが配置される場合、支持部1の外表面1Sは筐体20の側面に沿うように平坦であってもよい。また、例えば、例えば、筐体20が略立方体形状、又は略多角筒形状を有している場合であって、筐体20の辺を跨いで切り欠き20nが配置される場合、支持部1の外表面1Sは筐体20の複数の側面に沿うように屈曲していてもよい。
【0074】
(2)
図5及び
図6を参照して説明したように、カバー部材6は、凹部61を有した。ただし、カバー部材6は、凹部61を有しなくてもよい。例えば、カバー部材6は、平板形状を有していてもよい。
【0075】
(3)また、照明器具100は、カバー部材6を備えたが、カバー部材6を備えなくてもよい。カバー部材6を備えない場合、例えば、装着部3が凹部を有していてもよいし、凹部を有しなくてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0076】
本発明は、照明器具の分野に利用可能であり、産業上の利用可能性を有する。
【符号の説明】
【0077】
100 照明器具
1 支持部
10 本体部
11 回転部材
16 締付部材
17 接触部材
2 灯具
3 装着部
4 枠体
6 カバー部材
61 凹部
C 天井(壁)