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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022188941
(43)【公開日】2022-12-22
(54)【発明の名称】搬送用ユニット
(51)【国際特許分類】
   B65G 7/04 20060101AFI20221215BHJP
   B66F 3/46 20060101ALI20221215BHJP
【FI】
B65G7/04 A
B66F3/46
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021097239
(22)【出願日】2021-06-10
(71)【出願人】
【識別番号】500276714
【氏名又は名称】株式会社エイテック
(74)【代理人】
【識別番号】100079577
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 全啓
(74)【代理人】
【識別番号】100167966
【弁理士】
【氏名又は名称】扇谷 一
(72)【発明者】
【氏名】林 潤
(57)【要約】
【課題】レイアウトの設計変更が容易で、複雑なレイアウトにも容易に対応できる搬送用ユニットを提供する。
【解決手段】この発明に係る搬送用ユニット10は、ピストン30とピストン30をスライド可能に収容するためのピストン収納部とを有した複数個のシリンダ躯体12、14と、複数個のシリンダ躯体を連結するためのジョイント20A,20Bと、ピストンをスライドさせるための圧縮ガスをシリンダ躯体のピストン収納部に供給するために、シリンダ躯体12およびジョイント20A,20Bのうちの少なくとも1つに設けられた圧縮ガス供給口と、を含む。ジョイント20は、第1のジョイント部材と第2のジョイント部材とを組み合わせて構成された連通路を有し、連通路は、ジョイント20によって連結された隣り合う2つのシリンダ躯体のピストン収納部に連通するように形成されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ピストンと前記ピストンをスライド可能に収容するためのピストン収納部とを有した複数個のシリンダ躯体と、
複数個の前記シリンダ躯体を連結するためのジョイントと、
前記シリンダ躯体に連結され、前記ピストンをスライドさせるための圧縮ガスを前記シリンダ躯体の前記ピストン収納部に供給するための圧縮ガス供給口が設けられた端末プラグと、
を含む搬送用ユニットであって、
前記ジョイントは、第1のジョイント部材と第2のジョイント部材とを組み合わせて構成された連通路を有し、
前記連通路は、前記ジョイントによって連結された隣り合う2つの前記シリンダ躯体の前記ピストン収納部に連通するように形成され、
複数個の前記シリンダ躯体は、前記ジョイントによって直線形連結および十字形連結およびT字形連結およびL字形連結のうちの少なくともいずれか1つの連結をしている、搬送用ユニット。
【請求項2】
複数個の前記シリンダ躯体は前記ジョイントによって直線形連結し、前記ジョイントによって直線形連結している複数個の前記シリンダ躯体の前記ピストンが等間隔になるように縦列に配置されている、請求項1に記載の搬送用ユニット。
【請求項3】
前記ピストンは平面型である、請求項1または請求項2に記載の搬送用ユニット。
【請求項4】
前記ピストンはボール型である、請求項1または請求項3のいずれかに記載の搬送用ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送用ユニットに関し、特に、例えば、テーブルに組み込まれた状態でピストンを上下動し、テーブル上の搬送物を安定して上昇させたり、搬送物を小さい力で動かしたりすることができる、搬送用ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、テーブルに組み込まれた状態でピストンを上下動し、テーブル上の搬送物を安定させたり、搬送物を小さい力で動かしたりする搬送用ユニットとして、特許文献1に記載のものが提案されている。
【0003】
図20に模式的に示すように、特許文献1に記載の搬送用ユニット2010は、テーブルTに形成された複数の溝の内部に組み込まれている。搬送用ユニット2010は、一体に作製されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003-292128号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の搬送用ユニット2010は、一体に作製されているため、その設置場所に応じて、専用の形状の単一ピストンケース(以下、シリンダ躯体と称する)を作製しなければならなかった。
【0006】
従って、搬送用ユニットのレイアウトの設計変更が容易でないという問題があった。また、複雑なレイアウトの搬送用ユニットを作製する場合、煩雑で困難な作業が要求されるという不具合もあった。
【0007】
それゆえに、本発明の主たる目的は、レイアウトの設計変更が容易で、複雑なレイアウトにも容易に対応できる搬送用ユニットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る搬送用ユニットは、
シリンダとピストンをスライド可能に収容するためのピストン収納部とを有した複数個のシリンダ躯体と、
複数個のシリンダ躯体を連結するためのジョイントと、
シリンダ躯体に連結され、ピストンをスライドさせるための圧縮ガスをシリンダ躯体のピストン収納部に供給するための圧縮ガス供給口が設けられた端末プラグと、
を含む搬送用ユニットであって、
ジョイントは、第1のジョイント部材と第2のジョイント部材とを組み合わせて構成された連通路を有し、
連通路は、ジョイントによって連結された隣り合う2つのシリンダ躯体のピストン収納部に連通するように形成されている、搬送用ユニットである。
【0009】
このような搬送用ユニットにおいて、複数個のシリンダ躯体は、ジョイントによって直線形連結および十字形連結およびT字形連結およびL字形連結のうちの少なくともいずれか1つの連結をしている。
【0010】
また、本発明に係る搬送用ユニットは、複数個のシリンダ躯体がジョイントによって直線形連結し、ジョイントによって直線形連結している複数個のシリンダ躯体のピストンが等間隔になるように縦列に配置されている。
【0011】
さらに、ピストンは平面型もしくはボール型である。
【発明の効果】
【0012】
この発明によれば、レイアウトの設計変更が容易で、複雑なレイアウトにも容易に対応できる搬送用ユニットが得られる。
【0013】
本発明の上述の目的、その他の目的、特徴および利点は、図面を参照して行う以下の発明を実施するための形態の説明から一層明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】(a)は本発明の第1の実施の形態に係る搬送用ユニットを示す平面図であり、(b)はその正面図である。
図2図2(a)は図1(a)に示す搬送用ユニットの一部平面拡大図であり、図2(b)はその線A2-A2断面図である。
図3】(a)は直線形連結ジョイントの底面図であり、(b)はその線A3-A3断面図である。
図4】(a)は第1のジョイント部材の底面図であり、(b)はその線A4-A4断面図である。
図5】(a)は第2のジョイント部材の底面図であり、(b)はその線A5-A5断面図である。
図6】(a)は図1に示す1つのピストンを有したシリンダ躯体を示す平面図であり、図6(b)はその線A6-A6断面図である。
図7】(a)は図1に示す5つのピストンを有したシリンダ躯体を示す平面図であり、(b)はその線A7-A7断面図である。
図8】エアジョイントの正面図である。
図9】(a)は止め輪の平面図であり、(b)はその線A9-A9断面図である。
図10】(a)はピストンの下降時を図1のC方向から見た搬送用ユニットの左側面図であり、(b)はピストンの上昇時を図1のC方向から見た搬送用ユニットの左側面図である。
図11】(a)は本発明の第2の実施の形態に係る搬送用ユニットを示す平面図であり、(b)はその正面図である。
図12】(a)は図11(a)に示す搬送用ユニットの十字形連結ジョイントを示す一部平面拡大図であり、(b)はその線A12-A12断面図である。
図13】(a)は十字形連結ジョイントの第1のジョイント部材の平面図であり、(b)は第2のジョイント部材の平面図であり、(c)は第3のジョイント部材の平面図である。
図14】(a)は図11(a)に示す搬送用ユニットのT字形連結ジョイントを示す一部平面拡大図であり、(b)はその線A14-A14断面図である。
図15】(a)はT字形連結ジョイントの第1のジョイント部材の平面図であり、(b)は第2のジョイント部材の平面図であり、(c)は第3のジョイント部材の平面図である。
図16】(a)は図11に示す3つのピストンを有したシリンダ躯体を示す平面図であり、(b)はその線A16-A16断面図である。
図17】(a)は図11(a)に示す搬送用ユニットのL字形端末プラグを示す平面図であり、(b)はその線A17-A17断面図である。
図18】本発明の第3の実施の形態に係る搬送用ユニットを示す平面図である。
図19】ボール型ピストンを有した搬送用ユニットの内部構造を示す断面図である。
図20】従来の搬送用ユニットを組み込んだテーブルを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下の各実施の形態において、同一部品および同一部分には同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0016】
1.第1の実施の形態
この発明の第1の実施の形態に係る搬送用ユニットについて説明する。図1(a)は第1の実施の形態に係る搬送用ユニットを示す平面図であり、図1(b)はその正面図である。図2(a)は図1(a)に示す搬送用ユニットの一部平面拡大図であり、図2(b)はその線A2-A2断面図である。
【0017】
搬送用ユニット10は、10個のピストン30を有したシリンダ躯体12と、5個のピストン30を有したシリンダ躯体14と、1個のピストン30を有したシリンダ躯体16と、第1の直線形連結ジョイント20Aと、第2の直線形連結ジョイント20Bと、第1の端末プラグ22と、第2の端末プラグ24とを含む。搬送用ユニット10は、下面10b側を下にしてテーブルTに形成された溝の内部に組み込まれ、上面10a側に搬送物が載置される。なお、搬送用ユニット10の固定は、テーブルTに形成された溝に限られず、設置場所に応じて適宜固定される。
【0018】
第1の実施の形態の説明において、図1(a)の左右方向(言い換えると、シリンダ躯体の延びる方向)を「長さ方向」とする。長さ方向に直交して、シリンダが上下動する方向を「上下方向」とする。長さ方向および上下方向に直交して、搬送用ユニット10の正面10cと背面10dとが相対する方向を「幅方向」とする。
【0019】
搬送用ユニット10は、図1および図2に示すように、第1の端末プラグ22と、10個のシリンダを有したシリンダ躯体12と、第1の直線形連結ジョイント20Aと、5個のシリンダを有したシリンダ躯体14と、第2の直線形連結ジョイント20Bと、1個のシリンダを有したシリンダ躯体16と、第2の端末プラグ24とを順に直線形連結したレイアウトを構成している。
【0020】
(A)第1の端末プラグ
第1の端末プラグ22は、その長さ方向の開放側の端部に、図2に示すように、外部から所定の圧力(代表圧力範囲は、0.4MPa以上0.6MPa以下で、推力で言い換えると30kgf以上48kgf以下/1ピストン)程度を有する圧縮ガス(たとえば圧縮空気)が供給される、圧縮ガス供給口220を含む。
【0021】
圧縮ガス供給口220に供給される圧縮ガスの「所定の圧力」とは、後述のピストンの自重およびワークである搬送物の自重に抗してピストンを上方に向けて移動させることができる推力を有するガス圧を意味する。
【0022】
圧縮ガス供給口220は、第1の端末プラグ22の左側面の略中央部に設けられ、軸方向が長さ方向に平行に延びている。圧縮ガス供給口220は、例えば、テーパ状に先細りに絞り込まれ、その開口側にはネジ溝220aが形成されている。圧縮ガス供給口220の先端部は、長さ方向に延びるL字形連通路222に連通している。なお、圧縮ガス供給口220の形状は、テーパ状に限られない。
【0023】
また、平面視で、圧縮ガス供給口220を間にして、2つの固定ボルト用貫通穴224が、第1の端末プラグ22の上面から下面に向かって形成されている。固定ボルト(図示しない)は、搬送用ユニット10をテーブルTに形成された溝に組み込んで固定するため、固定ボルト用貫通穴224を挿通して、テーブルTの溝に形成されたボルト穴に螺着される。なお、搬送用ユニット10の固定は、テーブルTに形成された溝に限られず、設置場所に応じて適宜固定される。これにより、第1の端末プラグ22は、搬送用ユニット10を設置する際の位置決めとしての機能を有する。
【0024】
第1の端末プラグ22の長さ方向のシリンダ躯体12に連結している側の端部には、略上半分が張り出した段差部226が形成されている。段差部226の下面には、L字形連通路222の先端が開口している。平面視で、L字形連通路222を間にして、2つの連結ボルト710が、第1の端末プラグ22とシリンダ躯体12(後述)とを連結している。
【0025】
(B)直線形連結ジョイント
第1の直線形連結ジョイント20Aと第2の直線形連結ジョイント20Bは、同様の構造を有しており、隣接する2つの複数個のシリンダ躯体を直線形連結する機能を有している。以下、ジョイント20Aおよびジョイント20Bを総称して直線形連結ジョイント20ともいう。直線形連結ジョイント20は全体の形状がI字形をしている。直線形ジョイント20は、シリンダ躯体等を連結するとともに、搬送用ユニット10を設置する際の位置決めとしての機能を有する。
【0026】
直線形連結ジョイント20は、図3ないし図5に示すように、第1のジョイント部材250と第2のジョイント部材270とを組み合わせて構成されている。
【0027】
図4に示すように、第1のジョイント部材250は略矩体状であり、幅方向において、上面250aの両側に切り欠け部252が形成されている。2つの切り欠け部252のそれぞれには、貫通穴2541と貫通穴2542とが長さ方向に縦列して形成されている。貫通穴2541は、直線形連結ジョイント20の左側に連結されるシリンダ躯体と直線形連結ジョイント20とを連結するための連結ボルト710を挿通するための穴である。貫通穴2542は、直線形連結ジョイント20の右側に連結されるシリンダ躯体と直線形連結ジョイント20とを連結するための連結ボルト710を挿通するための穴である。
【0028】
第1のジョイント部材250の下面250bの中央部には、長さ方向に延びるガス流路用長円形凹部256が形成されている。幅方向において、ガス流路用長円形凹部256と貫通穴2541との間、および、ガス流路用長円形凹部256と貫通穴2542との間には、第1のジョイント部材250と第2のジョイント部材270とを組み合わせて固定するための固定ボルト702のためのボルト穴258が形成されている。
【0029】
図5に示すように、第2のジョイント部材270は板状であり、幅方向において両側のそれぞれには、貫通穴2741と貫通穴2742とが長さ方向に縦列して形成されている。貫通穴2741は、直線形連結ジョイント20の左側に連結されるシリンダ躯体と直線形連結ジョイント20とを連結するための連結ボルト710を挿通するための穴である。貫通穴2742は、直線形連結ジョイント20の右側に連結されるシリンダ躯体と直線形連結ジョイント20とを連結するための連結ボルト710を挿通するための穴である。
【0030】
さらに、第2のジョイント部材270の中央部には、長さ方向に縦列してガス流路用穴276aおよび276bが形成されている。幅方向において、ガス流路用穴276aと貫通穴2741との間、および、ガス流路用穴276bと貫通穴2742との間には、第1のジョイント部材250と第2のジョイント部材270とを組み合わせて固定するための固定ボルト702のためのボルト穴278が形成されている。
【0031】
従って、第1のジョイント部材250と第2のジョイント部材270とを4つの固定ボルト702によって固定して重ねたとき、貫通穴2541と貫通穴2741とは同心円形となり、貫通穴2542と貫通穴2742とは同心円形となり、ボルト穴258とボルト穴278とは同心円形となる。そして、ガス流路用穴276aおよび276bは、ガス流路用長円形凹部256の内側に連通して連通路280を構成する。
【0032】
(C)シリンダ躯体
シリンダ躯体12とシリンダ躯体14とシリンダ躯体16とは、平面型ピストン30を有したシリンダ躯体である。それぞれのシリンダ躯体のピストン30は数が異なるけれども、平面型ピストン30の数は任意に設定することができる。以下では、1個の平面型ピストン30を有したシリンダ躯体16および5個の平面型ピストン30を有したシリンダ躯体14を代表例にして説明する。なお、10個の平面型ピストン30を有したシリンダ躯体12は、その構造および作用および効果はシリンダ躯体14と略同様のものであり、その詳細な説明は省略する。なお、平面型ピストン30の平面型とは、特に、後述されるボール型ピストン612のボール型とは異なるピストンであることを示す。
【0033】
(C1)1個の平面型ピストンを有したシリンダ躯体
図6(a)は1個の平面型ピストン30を有したシリンダ躯体16を示す平面図であり、図6(b)はその線A6-A6断面図である。
【0034】
シリンダ躯体16は、略直方体状のケース322を含む。ケース322の中央部には、平面形状が円形であるピストン収納部324が形成されている。ピストン収納部324は、上側の小内径部324aと、下側の大内径部324bと、両者の間に段差部324cを有する貫通孔として形成される。ピストン収納部324の大内径部324bの下端部には、大内径部324bより内径の大きい蓋部材取付け部326が形成される。この蓋部材取付け部326の中間部には、リング用溝328が形成されている。
【0035】
さらに、ケース322の長さ方向の両端部には、略下側半分にて張り出した連結部325が形成されている。平面視で、ピストン収納部324の長さ方向の両端部の内壁には円弧状の切り込み部332が形成されている。切り込み部332は、ピストン収納部324の大径部に形成される。ケース322の長さ方向の両端部には、切り込み部332に連通する連通路334が形成されている。連通路334は、ケース322の上下方向に延びて、連結部325の上面に開口し、隣に連結している第2の直線形連結ジョイント20Bの連通路280に連通している。さらに、ケース322の長さ方向の両端部の4隅には、連通路334を挟んで、ピストン収納部324と同じ上下方向に延びる連結用ボルト穴345が形成されている。連通路334と連結用ボルト穴345との間には、ボルト702の頭部を収容するための円形凹部346が形成されている。なお、円形凹部346は、直線形連結ジョイント20Bとの連結時の位置決めの機能も有する。
【0036】
ピストン収納部324には、略円柱状のピストン340が上下方向にスライド可能に収納されている。ピストン340の上面はケース322の上面より若干下方に配置されている。ピストン340は、上から中径部340aと大径部340bと小径部340cとを有している。ピストン340の中径部340aの外周面は、ケース322の小内径部324aの内周面を摺接する。ピストン340の大径部340bの外周面は、ケース322の大内径部324bの内周面を摺接する。ピストン340の小径部340cの外周面は、ケース322の大内径部324bの内周面との間に空間を形成している。なお、ピストン340の上面の形状は、フラットな面であってもよいし、この上面の中央部から周縁部に向かってRやテーパとなるような面も含む。
【0037】
ピストン340は、大径部340bの外周面に形成されたOリング用溝352に、OリングOR2が嵌め込まれた状態で、ピストン収納部324の内部に収納される。なお、ピストン340の下側の小径部340cとケース322の大内径部324bおよび切り込み部332との間には、小径部340cの外周に亘ってガス流路空間S1(図6において斜線で表示した部分)が形成されている。
【0038】
ピストン収納部324にピストン340を収納した状態で、OリングOR3を挟んで、円板状の蓋部材370が蓋部材取付け部326に取り付けられる。したがって、ピストン収納部324が、蓋部材370で塞がれる。蓋部材370が蓋部材取付け部326に取り付けられた状態で、スナップリング372がリング用溝328に嵌めこまれ、蓋部材370が脱落しないように固定される。
【0039】
(C2)5個のピストンを有したシリンダ躯体
また、図7(a)は5個の平面型ピストン30を有したシリンダ躯体14を示す平面図であり、図7(b)はその線A7-A7断面図である。なお、図6に示したシリンダ躯体16と同じ部品および同じ部分には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0040】
シリンダ躯体14は、略直方体状のケース322を含む。ケース322の中央部には、平面形状が円形であるピストン収納部324が長さ方向に5個、等間隔Lで縦列に形成されている。ピストン収納部324は、上側の小内径部324aと、下側の大内径部324bと、両者の間に段差部324cを有する貫通孔として形成される。ピストン収納部324の大内径部324bの下端部には、大内径部324bより内径の大きい蓋部材取付け部326が形成される。この蓋部材取付け部326の中間部には、リング用溝328が形成されている。
【0041】
さらに、ケース322の長さ方向の両端部には、略下側半分にて張り出した連結部325が形成されている。平面視で、ピストン収納部324の長さ方向の両端部の内壁には円弧状の切り込み部332が形成されている。切り込み部332は、ピストン収納部324の大径部に形成される。ケース322の長さ方向の両端部には、切り込み部332に連通する連通路334が形成されている。連通路334は、ケース322の上下方向に延びて、連結部325の上面に開口している。さらに、ケース322の長さ方向の両端部の4隅には、連通路334を挟んで、ピストン収納部324と同じ上下方向に延びる連結用ボルト穴345が形成されている。連通路334と連結用ボルト穴345との間には、ボルト702の頭部を収容するための円形凹部346が形成されている。
【0042】
ピストン収納部324には、略円柱状のピストン340が上下方向にスライド可能に収納されている。ピストン340の上面はケース322の上面より若干下方に配置されている。ピストン340は、上から中径部340aと大径部340bと小径部340cとを有している。ピストン340の中径部340aの外周面は、ケース322の小内径部324aの内周面を摺接する。ピストン340の大径部340bの外周面は、ケース322の大内径部324bの内周面を摺接する。ピストン340の小径部340cの外周面は、ケース322の大内径部324bの内周面との間に空間を形成している。
【0043】
ピストン340は、大径部340bの外周面に形成されたOリング用溝352に、OリングOR2が嵌め込まれた状態で、ピストン収納部324の内部に収納される。なお、ピストン340の下側の小径部340cとケース322のピストン収納部324の大内径部324bおよび切り込み部332との間には、小径部340cの外周に亘ってガス流路空間S1(図6において斜線で表示した部分)が形成されている。
【0044】
ピストン収納部324にピストン340を収納した状態で、OリングOR3を挟んで、円板状の蓋部材370が蓋部材取付け部326に取り付けられる。したがって、ピストン収納部324が、蓋部材370で塞がれる。蓋部材370が蓋部材取付け部326に取り付けられた状態で、スナップリング372がリング用溝328に嵌めこまれ、蓋部材370が脱落しないように固定される。
【0045】
さらに、ケース322に縦列に形成されているピストン収納部324の間には、エアジョイント収納部424がケース322の下面側に形成されている。エアジョイント収納部424の軸方向は、ピストン収納部324の軸方向と平行に、高さ方向に延びている。エアジョイント収納部424は、略高さ方向全体に亘って同一径の内周面を有し、上側には天井面を有し、下側は開口している。エアジョイント収納部424の下端部には、同一径の内周面より内径の大きいリング用溝428が形成されている。
【0046】
エアジョイント収納部424は、隣接するピストン収納部324の切り込み部332に連通している。エアジョイント収納部424には、略円柱状のエアジョイント440が収納されている。エアジョイント440の上面はエアジョイント収納部424の天井面に面接触して配置されている。
【0047】
図8に示すように、エアジョイント440は、上から順に中径部440aと大径部440bと小径部440cとを有している。エアジョイント440は、大径部440bの外周面に形成されたOリング用溝442に、OリングOR6が嵌め込まれた状態で、エアジョイント収納部424の内部に収納される。エアジョイント440の大径部440bの外周面は、エアジョイント収納部424の同一径の内周面に接触している。なお、エアジョイント440の上側の中径部440aとエアジョイント収納部424の同一径の内周面および切り込み部332との間には、中径部440aの外周に亘ってガス流路空間S1(図7において斜線で表示した部分)が形成されている。エアジョイント440の材質としては、例えばアルミニウムが使用される。
【0048】
エアジョイント収納部424にエアジョイント440を収納した状態で、図9に示した略円環状のスナップリング450がリング用溝428に嵌めこまれ、エアジョイント440が脱落しないように固定される。スナップリング450の材質としては、例えばステンレス(SUS304)が使用される。スナップリング450は、好ましくは、C型止め輪が使用される。
【0049】
エアジョイント収納部424とエアジョイント440とは、隣接するピストン収納部324の間に配置され、隣接するピストン収納部324の間を連通して、シリンダ躯体14の長さ方向の一方の端部から他方の端部に至るガス流路空間S1を形成する。
【0050】
(D)第2の端末プラグ
第2の端末プラグ24は、図2に示すように、長さ方向の開放側の端部に、2つの固定ボルト用貫通穴224が、第2の端末プラグ24の上面から下面に向かって形成されている。固定ボルト(図示しない)は、搬送用ユニット10をテーブルTに形成された溝に組み込んで固定するため、固定ボルト用貫通穴224を挿通して、テーブルTの溝に形成されたボルト穴に螺着される。なお、搬送用ユニット10の固定は、テーブルTに形成された溝に限られず、設置場所に応じて適宜固定される。これにより、第2の端末プラグ24は、搬送用ユニット10を設置する際の位置決めとしての機能を有する。
【0051】
第2の端末プラグ24の長さ方向のシリンダ躯体16に連結している側の端部には、略上半分が張り出した段差部246が形成されている。段差部246の幅方向には、シリンダ躯体16の連結用ボルト穴345に対応する部分に、2個の貫通穴(図示しない)が形成されている。この貫通孔に連結ボルト710を通して、連結用ボルト穴345に螺入することにより、第2の端末プラグ24とシリンダ躯体16とが連結される。シリンダ躯体16の右側端面と第2の端末プラグ24の左側端面とは、突き合わされて面接触している。そして、段差部246の下面と連通路334に形成されたOリング用凹部336との間において、第4のOリングOR4が、ガス流路空間S1(図2において斜線で表示した部分)の圧縮ガスが漏出しないように嵌合されている。第2の端末プラグ24は、ガス流路空間S1の端末を塞ぐための係止部材として機能する。
【0052】
搬送用ユニット10は、図1および図2に示すように、シリンダ躯体12とシリンダ躯体14とが第1の直線形連結ジョイント20Aを介して直線形連結され、かつ、シリンダ躯体14とシリンダ躯体16とが第2の直線形連結ジョイント20Bを介して直線形連結されることによって、シリンダ躯体12とシリンダ躯体14とシリンダ躯体12とが直線形連結したレイアウトを構成している。そして、第1の端末プラグ22とシリンダ躯体12と第1の直線形連結ジョイント20Aとシリンダ躯体14と第2の直線形連結ジョイント20Bとシリンダ躯体16とが連通してガス流路空間S1を構成している。さらに、シリンダ躯体12の平面型ピストン30とシリンダ躯体14の平面型ピストン30とシリンダ躯体16の平面型ピストン30とが、長さ方向に等間隔Lで縦列に形成されている。従って、平面型ピストン30の上に置かれた搬送物を均等に支持することができる。
【0053】
この搬送用ユニット10は、予め、ピストン340の上端がテーブルTの面より下になるように、テーブルTに組み込まれる。図10(a)に示すように、第1の端末プラグ22の圧縮ガス供給口220に、圧縮空気が送り込まれないときは、ピストン340は、搬送用ユニット10の上面10aから若干下側に後退して待機している。そして、エアコンプレッサなどによって例えば圧縮空気が第1の端末プラグ22の圧縮ガス供給口220に送り込まれると、圧縮空気は連通流路222を介してピストン収納部324に供給される。このとき、ピストン340に小径部340cが形成されていることにより、ピストン収納部324の内壁の切り込み部332とピストン340の小径部340cの外周面との間に空間が形成され、ピストン収納部324への空気の供給が可能である。
【0054】
ピストン収納部324に空気が供給されることにより、図10(b)に示すように、ピストン340が上昇する。このとき、OリングOR2やOリングOR3などによって、空気が漏れることを防止することができる。そして、空気圧によってピストン340が上昇して、大径部340bの上面がピストン収納部324の段差部324aに当たり、ピストン340の上昇が停止する。したがって、ピストン収納部324に空気を供給することにより、搬送用ユニット10が取り付けられたテーブルTの面より上にピストン340が位置することになり、テーブルTの上の搬送物を小さい力で上下方向に持ち上げることができる。
【0055】
また、圧縮ガス供給口220に切換え弁などを取り付けておき、搬送物の自重や強制排気によってピストン収納部324から空気を抜くことにより、ピストン340が下がって、ピストン340がテーブルTの上面より下に配置される。それにより、テーブルTの上に置かれた搬送物を安定させることができ、搬送物に対する加工などを施すことができる。
【0056】
また、予め、所定の数の直線形連結ジョイント20、および、所定の数の長さの異なる(言い換えると、平面型ピストン30の数の異なる)数種類のシリンダ躯体を準備しておくことにより、長さの異なるテーブルに容易に対応できたり、搬送用ユニットの設計変更に即座に対応できたりする。
【0057】
2.第2の実施の形態
次に、本発明の第2の実施の形態に係る搬送用ユニットについて説明する。図11(a)は本発明の第2の実施の形態に係る搬送用ユニットを示す平面図であり、図11(b)はその正面図である。
【0058】
搬送用ユニット500は、3個のシリンダを有し、長さ方向に配置されるシリンダ躯体18aと、3個のシリンダを有し、幅方向に配置されるシリンダ躯体18bと、シリンダ躯体18aおよびシリンダ躯体18bを連結するための十字形連結ジョイント520AおよびT字形連結ジョイント520Bと、L字形連結プラグ524とを有し、それらにより格子状に配置されている。シリンダ躯体18a、シリンダ躯体18b、十字形連結ジョイント520A、T字形連結ジョイント520BおよびL字形端末プラグ522は、同一平面上に配置されている。搬送用ユニット500は、下面500bを下として、上面500a側に搬送物が載置される。
【0059】
シリンダ躯体18aは、長さ方向に沿って延び、それぞれが長さ方向に所定の間隔をあけて配置されている。長さ方向に隣接する一対のシリンダ躯体18aは、その端部が長さ方向に対向するように配置されている。シリンダ躯体18bは、幅方向に沿って延び、それぞれが幅方向に所定の間隔をあけて配置されている。幅方向に隣接する一対のシリンダ躯体18bは、その端部が幅方向に対向するように配置されている。シリンダ躯体18bは、幅方向から見て、シリンダ躯体18aと重ならない位置に配置されている。
【0060】
搬送用ユニット500は、図11に示すように、搬送用ユニット500の中央部において、十字形連結ジョイント520Aが配置される。十字形連結ジョイント520Aに対して長さ方向の一方側および他方側のそれぞれには、シリンダ躯体18aが連結され、十字形連結ジョイント520Aに対して幅方向の一方側および他方側のそれぞれには、シリンダ躯体18bが連結される。十字形連結ジョイント520Aと連結されていないシリンダ躯体18aの端部のそれぞれには、T字形連結ジョイント520Bが長さ方向に連結される。そして、シリンダ躯体18aと連結されるT字形連結ジョイント520Bの幅方向の一方側および他方側のそれぞれには、シリンダ躯体18bが連結される。十字形連結ジョイント520Aと連結されていないシリンダ躯体18bの端部のそれぞれにはT字形連結ジョイント520Bが連結される。そして、シリンダ躯体18bと連結されるT字形連結ジョイント520Bの長さ方向の一方側および他方側のそれぞれには、シリンダ躯体18aが連結される。
T字形連結ジョイント520Bと連結されていないシリンダ躯体18aの端部のそれぞれ、およびT字形連結ジョイント520Bと連結されていないシリンダ躯体18bのそれぞれにはL字形端末プラグ522が連結されている。
【0061】
十字形連結ジョイント520Aと一対のシリンダ躯体18aとが連通してガス流路空間S2が構成され、十字形連結ジョイント520Aと一対のシリンダ躯体18bとが連通してガス流路空間S3が構成される。
また、T字形連結ジョイント520Bと一対のシリンダ躯体18aとが連通してガス流路空間S4が構成され、T字形連結ジョイント520Bと一対のシリンダ躯体18bとが連通してガス流路空間S5が構成される。
【0062】
このように、搬送用ユニット500では、シリンダ躯体18a、シリンダ躯体18b、十字形連結ジョイント520A、T字形連結ジョイント520BおよびL字形端末プラグ522は、同一平面上に格子状になるように配置されているので、平面型ピストン30の上に置かれた搬送物を均等に支持することができる。
【0063】
(A)十字形連結ジョイント
図12(a)は十字形連結ジョイントを示す一部平面拡大図であり、図12(b)はその線A12-A12断面図である。十字形連結ジョイント520Aは、第1のジョイント部材550Aと第2のジョイント部材560Aと第3のジョイント部材570Aとを組み合わせて構成されている。十字形連結ジョイント520Aは、シリンダ躯体等を連結するともに、搬送用ユニット500を設置する際の位置決めとしての機能を有する。
【0064】
図12および図13(a)に示すように、第1のジョイント部材550Aは略矩体状であり、各4つの角部におけるそれぞれについて、上面550aに切り欠け部552a,552b,552c,552dが形成されている。切り欠け部552aには、貫通穴5541と貫通穴5543とが並列して形成され、切り欠け部552bには、貫通穴5541と貫通穴5544とが並列して形成され、切り欠け部552cには、貫通穴5542と貫通穴5544とが並列して形成され、切り欠け部552dには、貫通穴5542と貫通穴5543とが並列して形成される。
貫通穴5541は、十字形連結ジョイント520Aの長さ方向の一方側に連結されるシリンダ躯体18aと十字形連結ジョイント520Aとを連結するための連結ボルト710を挿通するための穴である。貫通穴5542は、十字形連結ジョイント520Aの長さ方向の他方側に連結されるシリンダ躯体18aと長さ方向に十字形連結ジョイント520Aとを連結するための連結ボルト710を挿通するための穴である。貫通穴5543は、十字形連結ジョイント520Aの幅方向の一方側に連結されるシリンダ躯体18bと幅方向に十字形連結ジョイント520Aとを連結するための連結ボルト710を挿通するための穴である。貫通穴5544は、十字形連結ジョイント520Aの幅方向の他方側に連結されるシリンダ躯体18bと幅方向に十字形連結ジョイント520Aとを連結するための連結ボルト710を挿通するための穴である。
また、貫通穴5541、貫通穴5542、貫通穴5543および貫通穴5544は、第1のジョイント部材550Aと第2のジョイント部材560Aと第3のジョイント部材570Aとを組み合わせて固定するための穴でもある。
【0065】
第1のジョイント部材550Aの下面550bの中央部には、ガス流路用円形凹部556が形成されている。幅方向において、ガス流路用円形凹部556と貫通穴5541との間、ガス流路用円形凹部556と貫通穴5542との間、ガス流路用円形凹部556と貫通穴5543との間、および、ガス流路用円形凹部556と貫通穴5544との間には、十字形連結ジョイント520Aを設置場所に固定するために使用される固定ボルト(図示しない)のための固定ボルト用貫通穴558が形成されている。
【0066】
図12および図13(b)に示すように、第2のジョイント部材560Aは板状であり、各4つの角部におけるそれぞれについて、貫通穴5641と貫通穴5643とが並列して形成され、貫通穴5641と貫通穴5644とが並列して形成され、貫通穴5642と貫通穴5644とが並列して形成され、貫通穴5642と貫通穴5643とが並列して形成される。
貫通穴5641は、十字形連結ジョイント520Aの長さ方向の一方側に連結されるシリンダ躯体18aと十字形連結ジョイント520Aとを連結するための連結ボルト710を挿通するための穴である。貫通穴5642は、十字形連結ジョイント520Aの長さ方向の他方側に連結されるシリンダ躯体18aと長さ方向に十字形連結ジョイント520Aとを連結するための連結ボルト710を挿通するための穴である。貫通穴5643は、十字形連結ジョイント520Aの幅方向の一方側に連結されるシリンダ躯体18bと幅方向に十字形連結ジョイント520Aとを連結するための連結ボルト710を挿通するための穴である。貫通穴5644は、十字形連結ジョイント520Aの幅方向の他方側に連結されるシリンダ躯体18bと幅方向に十字形連結ジョイント520Aとを連結するための連結ボルト710を挿通するための穴である。
また、貫通穴5641、貫通穴5642、貫通穴5643および貫通穴5644は、第1のジョイント部材550Aと第2のジョイント部材560Aと第3のジョイント部材570Aとを組み合わせて固定するための穴でもある。
【0067】
さらに、第2のジョイント部材560Aの下面の中央部から外側に向かって、長さ方向に縦列してガス流路用穴566b1および566b2が形成されている。また、第2のジョイント部材560Aの下面の中央部から外側に向かって、幅方向において、ガス流路用穴566b3および566b4が形成されている。
そして、また、第2のジョイント部材560Aの上面の中央部において、ガス流路用穴566b1および566b2に接続されるガス流路用穴566a1および566a2が接続される。また、第2のジョイント部材560Aの上面の中央部において、ガス流路用穴566b3および566b4に接続されるガス流路用穴566a3および566a4が接続される。
【0068】
ガス流路用穴566a1およびガス流路用穴566a3と貫通穴5641および貫通穴5643との間、ガス流路用穴566a1およびガス流路用穴566a4と貫通穴5641および貫通穴5644との間、ガス流路用穴566a2およびガス流路用穴566a3と貫通穴5642および貫通穴5643との間、ならびにガス流路用穴566a2およびガス流路用穴566a4と貫通穴5642および貫通穴5644との間には、十字形連結ジョイント520Aを設置場所に固定するために使用される固定ボルト(図示しない)のための固定ボルト用貫通穴568が形成されている。
【0069】
図12および図13(c)に示すように、第3のジョイント部材570Aは略矩体状であり、各4つの角部におけるそれぞれについて、貫通穴5741と貫通穴5743とが並列して形成され、貫通穴5741と貫通穴5744とが並列して形成され、貫通穴5742と貫通穴5744とが並列して形成され、貫通穴5642と貫通穴5643とが並列して形成される。
貫通穴5741は、十字形連結ジョイント520Aの長さ方向の一方側に連結されるシリンダ躯体18aと十字形連結ジョイント520Aとを連結するための連結ボルト710を挿通するための穴である。貫通穴5742は、十字形連結ジョイント520Aの長さ方向の他方側に連結されるシリンダ躯体18aと長さ方向に十字形連結ジョイント520Aとを連結するための連結ボルト710を挿通するための穴である。貫通穴5743は、十字形連結ジョイント520Aの幅方向の一方側に連結されるシリンダ躯体18bと幅方向に十字形連結ジョイント520Aとを連結するための連結ボルト710を挿通するための穴である。貫通穴5744は、十字形連結ジョイント520Aの幅方向の他方側に連結されるシリンダ躯体18bと幅方向に十字形連結ジョイント520Aとを連結するための連結ボルト710を挿通するための穴である。
また、貫通穴5741、貫通穴5742、貫通穴5743および貫通穴5744は、第1のジョイント部材550Aと第2のジョイント部材560Aと第3のジョイント部材570Aとを組み合わせて固定するための穴でもある。
【0070】
また、第3のジョイント部材570Aは、長さ方向および幅方向において、下面の4端縁側に段差部572が形成されている。長さ方向の一方側に配置される段差部572には、ガス流路用穴566b1と連結されるようにガス流路用穴5761が形成され、長さ方向の他方側に配置される段差部572には、ガス流路用穴566b2と連結されるようにガス流路用穴5762が形成され、幅方向の一方側に配置される段差部572には、ガス流路用穴566b3と連結されるようにガス流路用穴5763が形成され、幅方向の他方側に配置される段差部572には、ガス流路用穴566b4と連結されるようにガス流路用穴5764が形成される。
【0071】
貫通穴5741および貫通穴5743から中央部側、貫通穴5741および貫通穴5744から中央部側、貫通穴5742および貫通穴5743から中央部側、ならびに貫通穴5742および貫通穴5744から中央部側には、十字形連結ジョイント520Aを設置場所に固定するために使用される固定ボルト(図示しない)のための固定ボルト用貫通穴578が形成されている。
【0072】
従って、第1のジョイント部材550Aと第2のジョイント部材560Aと第3のジョイント部材570Aを8つの連結ボルト710によって固定して重ねたとき、貫通穴5541と貫通穴5641と貫通穴5741とは同心円形となり、貫通穴5542と貫通穴5642と貫通穴5742は同心円形となり、貫通穴5543と貫通穴5643と貫通穴5743とは同心円形となり、貫通穴5544と貫通穴5644と貫通穴5744は同心円形となる。また、第1のジョイント部材550Aと第2のジョイント部材560Aと第3のジョイント部材570Aを8つの連結ボルト710によって固定して重ねたとき、固定ボルト用貫通穴558と固定ボルト用貫通穴568と固定ボルト用貫通穴578とは同心円形となる。そして、ガス流路用穴566a1ないし566a4のそれぞれの一方側はガス流路用円形凹部556の内側に連通しており、ガス流路用穴566a1ないし566a4のそれぞれの他方側は、それぞれガス流路用穴566b1ないし566b4に連通して、通路580を構成する。
【0073】
(B)T字形連結ジョイント
図14(a)はT字形連結ジョイントを示す一部平面拡大図であり、図14(b)はその線A14-A14断面図である。T字形連結ジョイント520Bは、第1のジョイント部材550Bと第2のジョイント部材560Bと第3のジョイント部材570Bとを組み合わせて構成されている。T字形連結ジョイント520Bは、シリンダ躯体等を連結するとともに、搬送用ユニット500を設置する際の位置決めとしての機能を有する。
【0074】
図14および図15(a)に示すように、第1のジョイント部材550Bは略矩体状であり、幅方向の他方側における各2つの角部において、上面550aに切り欠け部552aおよび552dが形成されている。切り欠け部552aには、貫通穴5541と貫通穴5543とが並列して形成され、切り欠け部552dには、貫通穴5542と貫通穴5543とが並列して形成される。また、第1のジョイント部材550Bの幅方向の一方側における各2つの角部において、上面550aに切り欠け部552bおよび552cが形成されている。切り欠け部552bには、貫通穴5541が形成され、切り欠け部552cには、貫通穴5542形成される。
貫通穴5541は、T字形連結ジョイント520Bの長さ方向の一方側に連結されるシリンダ躯体18aとT字形連結ジョイント520Bとを連結するための連結ボルト710を挿通するための穴である。貫通穴5542は、T字形連結ジョイント520Bの長さ方向の他方側に連結されるシリンダ躯体18aと長さ方向にT字形連結ジョイント520Bとを連結するための連結ボルト710を挿通するための穴である。貫通穴5543は、T字形連結ジョイント520Bの幅方向の一方側に連結されるシリンダ躯体18bと幅方向にT字形連結ジョイント520Bとを連結するための連結ボルト710を挿通するための穴である。
また、貫通穴5541、貫通穴5542および貫通穴5543は、第1のジョイント部材550Bと第2のジョイント部材560Bと第3のジョイント部材570Bとを組み合わせて固定するための穴でもある。
【0075】
第1のジョイント部材550Bの下面550bの中央部には、ガス流路用円形凹部556が形成されている。幅方向において、ガス流路用円形凹部556と貫通穴5541との間、ガス流路用円形凹部556と貫通穴5542との間、ガス流路用円形凹部556と貫通穴5543との間には、T字形連結ジョイント520Bを設置場所に固定するために使用される固定ボルト(図示しない)のための固定ボルト用貫通穴558が形成されている。
【0076】
図14および図15(b)に示すように、第2のジョイント部材560Bは板状であり、各4つの角部におけるそれぞれについて、貫通穴5641と貫通穴5643とが並列して形成され、貫通穴5641が形成され、貫通穴5642が形成され、貫通穴5642と貫通穴5643とが並列して形成される。
貫通穴5641は、T字形連結ジョイント520Bの長さ方向の一方側に連結されるシリンダ躯体18aとT字形連結ジョイント520Bとを連結するための連結ボルト710を挿通するための穴である。貫通穴5642は、T字形連結ジョイント520Bの長さ方向の他方側に連結されるシリンダ躯体18aと長さ方向にT字形連結ジョイント520Bとを連結するための連結ボルト710を挿通するための穴である。貫通穴5643は、T字形連結ジョイント520Bの幅方向の一方側に連結されるシリンダ躯体18bと幅方向にT字形連結ジョイント520Bとを連結するための連結ボルト710を挿通するための穴である。
また、貫通穴5641、貫通穴5642および貫通穴5643は、第1のジョイント部材550Bと第2のジョイント部材560Bと第3のジョイント部材570Bとを組み合わせて固定するための穴でもある。
【0077】
さらに、第2のジョイント部材560Bの下面の中央部から外側に向かって、長さ方向に縦列してガス流路用穴566b1および566b2が形成されている。また、第2のジョイント部材560Bの下面の中央部から外側に向かって、幅方向において、ガス流路用穴566b3が形成されている。
そして、また、第2のジョイント部材560Bの上面の中央部において、ガス流路用穴566b1および566b2に接続されるガス流路用穴566a1および566a2が接続される。また、第2のジョイント部材560Bの上面の中央部において、ガス流路用穴566b3に接続されるガス流路用穴566a3が接続される。
【0078】
ガス流路用穴566a1およびガス流路用穴566a3と貫通穴5641および貫通穴5643との間、ガス流路用穴566a1と貫通穴5641との間、ガス流路用穴566a2およびガス流路用穴566a3と貫通穴5642および貫通穴5643との間、ならびにガス流路用穴566a2と貫通穴5642との間には、T字形連結ジョイント520Bを設置場所に固定するために使用される固定ボルト(図示しない)のための固定ボルト用貫通穴568が形成されている。
【0079】
図14および図15(c)に示すように、第3のジョイント部材570Bは略矩体状であり、各4つの角部におけるそれぞれについて、貫通穴5741と貫通穴5743とが並列して形成され、貫通穴5741が形成され、貫通穴5742が形成され、貫通穴5742と貫通穴5743とが並列して形成される。
貫通穴5741は、T字形連結ジョイント520Bの長さ方向の一方側に連結されるシリンダ躯体18aとT字形連結ジョイント520Bとを連結するための連結ボルト710を挿通するための穴である。貫通穴5742は、T字形連結ジョイント520Bの長さ方向の他方側に連結されるシリンダ躯体18aと長さ方向にT字形連結ジョイント520Bとを連結するための連結ボルト710を挿通するための穴である。貫通穴5743は、T字形連結ジョイント520Bの幅方向の一方側に連結されるシリンダ躯体18bと幅方向にT字形連結ジョイント520Bとを連結するための連結ボルト710を挿通するための穴である。
また、貫通穴5741、貫通穴5742および貫通穴5743は、第1のジョイント部材550Bと第2のジョイント部材560Bと第3のジョイント部材570Bとを組み合わせて固定するための穴でもある。
【0080】
また、第3のジョイント部材570Bは、長さ方向および幅方向において、下面の3端縁側に段差部572が形成されている。長さ方向の一方側に配置される段差部572には、ガス流路用穴566b1と連結されるようにガス流路用穴5761が形成され、長さ方向の他方側に配置される段差部572には、ガス流路用穴566b2と連結されるようにガス流路用穴5762が形成され、幅方向の一方側に配置される段差部572には、ガス流路用穴566b3と連結されるようにガス流路用穴5763が形成される。
【0081】
貫通穴5741および貫通穴5743から中央部側、貫通穴5741から中央部側、貫通穴5742および貫通穴5743から中央部側、ならびに貫通穴5742から中央部側には、T字形連結ジョイント520Bを設置場所に固定するために使用される固定するための固定ボルト(図示しない)のための固定ボルト用貫通穴578が形成されている。
【0082】
従って、第1のジョイント部材550Bと第2のジョイント部材560Bと第3のジョイント部材570Bを6つの連結ボルト710によって固定して重ねたとき、貫通穴5541と貫通穴5641と貫通穴5741とは同心円形となり、貫通穴5542と貫通穴5642と貫通穴5742とは同心円形となり、貫通穴5543と貫通穴5643と貫通穴5743とは同心円形となる。また、第1のジョイント部材550Bと第2のジョイント部材560Bと第3のジョイント部材570Bを6つの連結ボルト710によって固定して重ねたとき、固定ボルト用貫通穴558と固定ボルト用貫通穴568と固定ボルト用貫通穴578とは同心円形となる。そして、ガス流路用穴566a1ないし566a3のそれぞれの一方側はガス流路用円形凹部556の内側に連通しており、ガス流路用穴566a1ないし566a3のそれぞれの他方側は、それぞれガス流路用穴566b1ないし566b3に連通して、通路580を構成する。
【0083】
(C)3個の平面型ピストンを有したシリンダ躯体
また、図16(a)は3個の平面型ピストン30を有したシリンダ躯体18aを示す平面図であり、図16(b)はその線A16-A16断面図である。なお、図6に示したシリンダ躯体16と同じ部品および同じ部分には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。また、シリンダ躯体18bは、シリンダ躯体18aと共通であるので、その詳細な説明は省略する。
【0084】
シリンダ躯体18aは、略直方体状のケース322を含む。ケース322の中央部には、平面形状が円形であるピストン収納部324が長さ方向に3個、等間隔Lで縦列に形成されている。ピストン収納部324は、上側の小内径部324aと、下側の大内径部324bと、両者の間に段差部324cを有する貫通孔として形成される。ピストン収納部324の大内径部324bの下端部には、大内径部324bより内径の大きい蓋部材取付け部326が形成される。この蓋部材取付け部326の中間部には、リング用溝328が形成されている。
【0085】
さらに、ケース322の長さ方向の両端部には、略下側半分にて張り出した連結部325が形成されている。平面視で、ピストン収納部324の長さ方向の両端部の内壁には円弧状の切り込み部332が形成されている。切り込み部332は、ピストン収納部324の大径部に形成される。ケース322の長さ方向の両端部には、切り込み部332に連通する連通路334が形成されている。連通路334は、ケース322の上下方向に延びて、連結部325の上面に開口している。さらに、ケース322の長さ方向の両端部の4隅には、連通路334を挟んで、ピストン収納部324と同じ上下方向に延びる連結用ボルト穴345が形成されている。連通路334と連結用ボルト穴345との間には、ボルト702の頭部を収容するための円形凹部346が形成されている。
【0086】
ピストン収納部324には、略円柱状のピストン340が上下方向にスライド可能に収納されている。ピストン340の上面はケース322の上面より若干下方に配置されている。ピストン340は、上から中径部340aと大径部340bと小径部340cとを有している。ピストン340の中径部340aの外周面はケース322の小内径部324aの内周面を摺接する。ピストン340の大径部340bの外周面は、ケース322の大内径部324bの内周面を摺接する。ピストン340の小径部340cの外周面は、ケース322の大内径部324bの内周面との間に空間を形成している。
【0087】
ピストン340は、大径部340bの外周面に形成されたOリング用溝352に、OリングOR2が嵌め込まれた状態で、ピストン収納部324の内部に収納される。なお、ピストン340の下側の小径部340cとケース322のピストン収納部324の大内径部324bおよび切り込み部332との間には、小径部340cの外周に亘ってガス流路空間S1(図6において斜線で表示した部分)が形成されている。
【0088】
ピストン収納部324にピストン340を収納した状態で、OリングOR3を挟んで、円板状の蓋部材370が蓋部材取付け部326に取り付けられる。したがって、ピストン収納部324が、蓋部材370で塞がれる。蓋部材370が蓋部材取付け部326に取り付けられた状態で、スナップリング372がリング用溝328に嵌めこまれ、蓋部材370が脱落しないように固定される。
【0089】
さらに、ケース322に縦列に形成されているピストン収納部324の間には、エアジョイント収納部424がケース322の下面側に形成されている。エアジョイント収納部424の軸方向は、ピストン収納部324の軸方向と平行に、高さ方向に延びている。エアジョイント収納部424は、略高さ方向全体に亘って同一径の内周面を有し、上側には天井面を有し、下側は開口している。エアジョイント収納部424の下端部には、同一径の内周面より内径の大きいリング用溝428が形成されている。
【0090】
エアジョイント収納部424は、隣接するピストン収納部324の切り込み部332に連通している。エアジョイント収納部424には、略円柱状のエアジョイント440が収納されている。エアジョイント440の上面はエアジョイント収納部424の天井面に面接触して配置されている。
【0091】
(D)L字形端末プラグ
L字形端末プラグ522は、その長さ方向の開放側の端部に、図17に示すように、外部から所定の圧力(代表圧力範囲は、0.4MPa以上0.6MPa以下で、推力で言い換えると30kgf以上48kgf以下/1ピストン)程度を有する圧縮ガス(たとえば圧縮空気)が供給される、2つの圧縮ガス供給口1220を含む。
【0092】
圧縮ガス供給口1220に供給される圧縮ガスの「所定の圧力」とは、後述のピストンシリンダの自重およびワークである搬送物の自重に抗してピストンシリンダを上方に向けて移動させることができる推力を有するガス圧を意味する。
【0093】
一方の圧縮ガス供給口1220は、L字形端末プラグ522の左側面の略中央部に設けられ、軸方向が長さ方向に平行に延びている。圧縮ガス供給口1220はテーパ状に先細りに絞り込まれ、その開口側にはネジ溝1220aが形成されている。圧縮ガス供給口1220の先端部は、長さ方向に延びるL字形連通路1222に連通している。なお、圧縮ガス供給口1220の形状は、テーパ状に限られない。
【0094】
他方の圧縮ガス供給口1220は、L字形端末プラグ522の上側面の略中央部に設けられ、軸方向が幅方向に平行に延びている。圧縮ガス供給口1220はテーパ状に先細りに絞り込まれ、その開口側にはネジ溝1220aが形成されている。圧縮ガス供給口220の先端部は、長さ方向に延びるL字形連通路1222に連通している。
【0095】
また、平面視で、圧縮ガス供給口1220を間にして、4つの固定ボルト用貫通穴1024が、L字形端末プラグ522の上面から下面に向かって形成されている。固定ボルト(図示しない)は、搬送用ユニット500をテーブルTに形成された溝に組み込んで固定するため、固定ボルト用貫通穴1024を挿通して、テーブルTの溝に形成されたボルト穴に螺着される。なお、搬送用ユニット500の固定は、テーブルTに形成された溝に限られず、設置場所に応じて適宜固定される。これにより、L字形端末プラグ522は、搬送用ユニット500を設置する際の位置決めとしての機能も有する。
【0096】
L字形端末プラグ522の長さ方向のシリンダ躯体18a,18bに連結している側の端部には、略上半分が張り出した段差部226が形成されている。段差部226の下面には、L字形連通路1222の先端が開口している。平面視で、L字形連通路1222を間にして、2つの連結ボルト710が、L字形端末プラグ522とシリンダ躯体18a,18bとを連結している。
また、L字形端末プラグ522の各3つの角部におけるそれぞれについて、上面522aに切り欠け部1052b,1052c,1052dが形成されている。切り欠け部1052bには、貫通穴10544が形成され、切り欠け部1052cには、貫通穴10544と貫通穴10542とが並列して形成され、切り欠け部1052dには、貫通穴10542が形成される。
【0097】
3.第3の実施の形態
次に、本発明の第3の実施の形態に係る搬送用ユニットについて説明する。図18は第3の実施の形態に係る搬送用ユニットを示す平面図である。なお、前述の第1の実施の形態および第2の実施の形態で用いられた部品および部分と同様のものは、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0098】
搬送用ユニット600は、10個のシリンダを有したシリンダ躯体121~122と、5個のシリンダを有したシリンダ躯体141~142と、1個のシリンダを有したシリンダ躯体6011~6012と、3個のシリンダを有し、長さ方向に配置されるシリンダ躯体18a1~a6と、3個のシリンダを有し、幅方向に配置されるシリンダ躯体18b1~18b4と、十字形連結ジョイント520A1~520A2と、T字形連結ジョイント520B1~520B4と、端末プラグ221~224と、L字形端末プラグ5221~5222と、直線形連結ジョイント201~202とを有する。シリンダ躯体121~122,141~142,18a1~18a6,18b1~18b4,6011~6012、十字形連結ジョイント520A1~520A2、T字形連結ジョイント520B1~520B4、第1の端末プラグ221~224およびL字形端末プラグ5221~5222は、同一平面上に配置されている。
【0099】
また、搬送用ユニット600は、搬送領域A1と搬送領域A2と搬送領域A3とを含む。図18に示す例では、搬送領域A1と搬送領域A2とが一部が重なるようにL字形に配置され、搬送領域A2と搬送領域A3とが一部が重なるようにL字形に配置される。すなわち、搬送領域A1は、長さ方向に延びており、搬送領域A1の一端側において重なるように搬送領域A2の一端側から幅方向に配置されている。また、搬送領域A2の他端側において重なるように、搬送領域A1が延びる方向とは逆の長さ方向に延びるように、搬送領域A3が配置されている。
なお、図18に示す搬送用ユニット600のレイアウトは、一例であり、設置場所に応じて、適宜、レイアウトを変更することができる。
【0100】
次に、搬送領域A1、搬送領域A2および搬送領域A3の各構成について説明する。
【0101】
(搬送領域A1
搬送領域A1では、長さ方向に沿って延びるレール部R1とレール部R2とが対向するように配置される。レール部R1とレール部R2とは、幅方向に、シリンダ躯体18bの長さ分の間隔をあけて配置される。
【0102】
レール部R1は、シリンダ躯体18a1,18a2と、T字形連結ジョイント520B1と、L字形端末プラグ5221により構成される。
T字形連結ジョイント520B1の長さ方向の一方側には、シリンダ躯体18a1の他方端が連結され、シリンダ躯体18a1の一方端には第1の端末プラグ221が連結される。T字形連結ジョイント520B1の長さ方向の他方側には、シリンダ躯体18a2の一方端が連結され、シリンダ躯体18a2の他方端にはL字形端末プラグ5221が連結される。
【0103】
レール部R2は、シリンダ躯体18a3,18a4と、十字形連結ジョイント520A1と、T字形連結ジョイント520B2とにより構成される。
十字形連結ジョイント520A1の長さ方向の一方側には、シリンダ躯体18a3の他方端が連結され、シリンダ躯体18a3の一方端には第1の端末プラグ222が連結される。十字形連結ジョイント520A1の長さ方向の他方側には、シリンダ躯体18a4の一方端が連結され、シリンダ躯体18a4の他方端にはT字形端末プラグ520B2の長さ方向の一方側が連結される。
【0104】
(搬送領域A2
搬送領域A2では、幅方向に沿って延びるレール部R3とレール部R4とが対向するように配置される。レール部R3とレール部R4とは、長さ方向に、シリンダ躯体18aの長さ分の間隔をあけて配置される。
【0105】
レール部R3は、後述されるシリンダ躯体6011と、シリンダ躯体141と、シリンダ躯体18b1,18b3と、十字形連結ジョイント520A1と、T字形連結ジョイント520B1,520B3と、L字形端末プラグ5222と、直線形連結ジョイント201とにより構成される。
T字形連結ジョイント520B1の幅方向の他方側には、シリンダ躯体18b1の一方端が連結され、シリンダ躯体18b1の他方端には十字形連結ジョイント520A1の幅方向の一方側が連結される。十字形連結ジョイント520A1の幅方向の他方側には、シリンダ躯体6011の一方端が連結され、シリンダ躯体6011の他方端には直線形連結ジョイント201を介してシリンダ躯体141の一方端が直線形連結される。シリンダ躯体141の他方端にはT字形連結ジョイント520B3の幅方向の一方側が連結される。T字形連結ジョイント520B3の幅方向の他方側にはシリンダ躯体18b3の一方端が連結され、シリンダ躯体18b3の他方端にはL字形端末プラグ5222が連結される。
【0106】
レール部R4は、後述されるシリンダ躯体6012と、シリンダ躯体142と、シリンダ躯体18b2,18b4と、十字形連結ジョイント520A2と、T字形連結ジョイント520B2,520B4と、L字形端末プラグ5221と、直線形連結ジョイント202とにより構成される。
L字形端末プラグ5221の幅方向の他方側には、シリンダ躯体18b2の一方端が連結され、シリンダ躯体18b2の他方端にはT字形連結ジョイント520B2の幅方向の一方側が連結される。T字形連結ジョイント520B2の幅方向の他方側には、シリンダ躯体6012の一方端が連結され、シリンダ躯体6012の他方端には直点型連結ジョイント202を介してシリンダ躯体142の一方端が直線形連結される。シリンダ躯体142の他方端には十字形連結ジョイント520A2の幅方向の一方側が連結される。十字形連結ジョイント520A2の幅方向の他方側にはシリンダ躯体18b4の一方端が連結され、シリンダ躯体18b4の他方端にはT字形連結ジョイント520B4の幅方向の一方側が連結される。
【0107】
(搬送領域A3
搬送領域A3では、長さ方向に沿って延びるレール部R5とレール部R6とが対向するように配置される。レール部R5とレール部R6とは、幅方向に、シリンダ躯体18bの長さ分の間隔をあけて配置される。
【0108】
レール部R5は、シリンダ躯体121,18a5と、十字形連結ジョイント520A2と、T字形連結ジョイント520B3と、第1の端末プラグ223により構成される。
T字形連結ジョイント520B3の長さ方向の他方側には、シリンダ躯体18a5の一方端が連結され、シリンダ躯体18a5の他方端には十字形連結ジョイント520A2の長さ方向の一方側が連結される。十字形連結ジョイント520A2の長さ方向の他方側には、シリンダ躯体121の一方端が連結され、シリンダ躯体121の他方端には第1の端末プラグ223が連結される。
【0109】
レール部R6は、シリンダ躯体122,18a6と、T字形連結ジョイント520B4と、L字形端末プラグ5222と、第1の端末プラグ224により構成される。
L字形端末プラグ5222の長さ方向の他方側には、シリンダ躯体18a6の一方端が連結され、シリンダ躯体18a6の他方端にはT字形連結ジョイント520B4の長さ方向の一方側が連結される。T字形連結ジョイント520B4の長さ方向の他方側には、シリンダ躯体122の一方端が連結され、シリンダ躯体122の他方端には第1の端末プラグ224が連結される。
【0110】
上述したような構成により、搬送用ユニット600では、搬送領域A1におけるレール部R1上およびレール部R2上において搬送物を支持し、搬送物が矢印Arr1の方向に図示しない他の手段により適宜、所定の処理がなされて搬送され、続いて、搬送領域A2におけるレール部R3上およびレール部R4上において搬送物を支持し、搬送物が矢印Arr2の方向に図示しない他の手段により適宜、所定の処理がなされて搬送され、さらに、搬送領域A3におけるレール部R5上およびレール部R6上を、後述されるボール型ピストン612により搬送物が矢印Arr3の方向に搬送される。
【0111】
図19は1個のボール型ピストン612を有したシリンダ躯体601の内部構造を示す断面図である。なお、図19は1個のボール型ピストン612を有したシリンダ躯体601であるが、シリンダ躯体に応じて、ボール型ピストン612の数は任意に設定することができる。
【0112】
シリンダ躯体601は、略直方体状のケース622を含む。ケース622には、平面形状が円形であるピストン収納部624が形成されている。ピストン収納部624は、段差部624aを有する貫通孔として形成される。ピストン収納部624の下側の大径部の下端部には、大径部より直径の大きい蓋部材取付け部626が形成される。この蓋部材取付け部626の中間部には、リング用溝628が形成されている。
【0113】
さらに、ケース622の長さ方向の両端部には、張り出した連結部625が形成されている。ケース622の内壁には円弧状の切り込み部632が形成されている。切り込み部632は、ピストン収納部624の大径部に形成される。ケース622の長さ方向の両端部には、切り込み部632に連通する連通路634が形成されている。連通路634は、ケース622の上下方向に延びて、連結部625の上面に貫通している。さらに、ケース622の長さ方向の両端部には、連通路634を挟んで、ピストン収納部624と同じ上下方向に延びるねじ孔(図示しない)が形成されている。
【0114】
ピストン収納部624には、回転ボール保持具640が収納される。回転ボール保持具640は、ボール受け部642を含む。ボール受け部642は、略円柱状の外形を有し、その上面には略球面状の凹部644が形成される。そして、凹部644に多数の小球646が配置され、その上に大球648が乗せられる。したがって、大球648は、小球646によって自由に回転可能に保持されている。ボール受け部642の外周部下方には、鍔部650が形成され、この鍔部650の外周面にOリングを嵌めるためのOリング用溝652が形成される。ボール受け部642の外周部の上方には、リング状のバネを嵌めるためのバネ用溝654が形成されている。
【0115】
さらに、ボール受け部642上には、カバー部材656が形成される。カバー部材656には、その内周面にバネ用溝658が形成される。このバネ用溝658は、ボール受け部642の外周面に形成されたバネ用溝654に対応する部分に形成され、カバー部材656とボール受け部642とを嵌合したときに、バネ用溝654とバネ用溝658とが重なるように形成される。そして、これらのバネ用溝654とバネ用溝658とが重なった部分に、リング状のバネ660が嵌め込まれる。バネ用溝654の深さは、バネ660の太さとほぼ同じ寸法となるように形成され、バネ用溝658の深さは、バネ660の太さの約半分となるように形成される。そして、ボール受け部642のバネ用溝654にバネ660を嵌め込んだ状態でカバー部材656を被せることにより、バネ用溝658側にバネ660が開いて、バネ用溝654とバネ用溝658の両方にまたがってバネ660が配置される。したがって、バネ660によって、カバー部材656とボール受け部642とが外れることを防止することができる。また、カバー部材656の上部には、狭い開口部662が形成され、この開口部662から大球648の一部が露出するように設計している。
【0116】
ボール受け部642およびカバー部材656で組み立てられた回転ボール保持具640は、ケース622のピストン収納部624内に収納される。このとき、ボール受け部642の外周部に形成されたOリング用溝652に、OリングOR11が嵌め込まれる。なお、ボール受け部642の底部には外周に亘って段差部666が形成され、切り込み部632において、ボール受け部642とケース622との間にガス流路空間S1(図19において斜線で表示した部分)が形成されている。
【0117】
ピストン収納部624に回転ボール保持具640を収納した状態で、OリングOR12を挟んで、円板状の蓋部材670が蓋部材取付け626に取り付けられる。したがって、ピストン収納部624が、蓋部材670で塞がれる。蓋部材670が蓋部材取付け部626に取り付けられた状態で、スナップリング672がリング用溝628に嵌めこまれ、蓋部材670が脱落しないように固定される。
【0118】
このシリンダ躯体601は、予め、大ボール648の上端がテーブルTの面より下になるように、テーブルTに組み込まれる。そして、第1の端末プラグ22の圧縮ガス供給口220に、エアコンプレッサなどによって例えば圧縮空気が送り込まれる。それにより、空気は、連通流路222を介してピストン収納部624に供給される。このとき、回転ボール保持具640のボール受け部642に段差部666が形成されていることにより、ピストン収納部624の内壁の切り込み部632とボール受け部642との間に空間が形成され、ピストン収納部624への空気の供給が可能である。
【0119】
ピストン収納部624に空気が供給されることにより、回転ボール保持具640が上昇する。このとき、OリングOR11やOリングOR12などによって、空気が漏れることを防止することができる。そして、空気圧によって回転ボール保持具640が上昇して、突出部650がピストン収納部624の段差部624aに当たり、回転ボール保持具640の上昇が停止する。したがって、ピストン収納部624に空気を供給することにより、搬送用ユニット600が取り付けられたテーブルの面より上に大球648が位置することになり、テーブルTの上の搬送物を小さい力で動かすことができる。
【0120】
また、圧縮ガス供給口220に切換え弁などを取り付けておき、搬送物の自重や強制排気によってピストン収納部624から空気を抜くことにより、回転ボール保持具640が下がって、大球648がテーブルTの上面より下に配置される。それにより、テーブルTの上に置かれた搬送物を安定させることができ、搬送物に対する加工などを施すことができる。
【0121】
また、予め、直線形連結ジョイント20や十字形連結ジョイント520AやT字形連結ジョイント520BやL字形端末プラグ522、および、所定の数の長さの異なる(言い換えると、平面型ピストン30の数の異なる)数種類のシリンダ躯体を準備しておくことにより、複雑なレイアウトの搬送用ユニットが容易に作製できたり、搬送用ユニットの設計変更に即座に対応できたりする。
【0122】
以上のように、本発明の実施の形態は、前記記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。
すなわち、本発明の技術的思想及び目的の範囲から逸脱することなく、以上説明した実施の形態に対し、機序、形状、材質、数量、位置又は配置等に関して、様々の変更を加えることができるものであり、それらは、本発明に含まれるものである。例えば、複数個のシリンダ躯体はジョイントによってY字形連結などしてもよい。
【符号の説明】
【0123】
10、500、600 搬送用ユニット
12、14、16、18a、18b、601 シリンダ躯体
20 直線形連結ジョイント
20A 第1の直線形ジョイント
20B 第2の直線形ジョイント
22 第1の端末プラグ
220、1220 圧縮ガス供給口
220a、1220a ネジ溝
222 L字形連通路
224 固定ボルト用貫通穴
226 段差部
246 段差部
250 第1のジョイント部材
252 切り欠け部
2541,2542 貫通穴
256 ガス流路用長円形凹部
258 ボルト穴
270 第2のジョイント部材
2741,2742 貫通穴
276a,276b ガス流路用穴
24 第2の端末プラグ
290 連通路
30 平面型ピストン
322 ケース
324 ピストン収納部
324a 小内径部
324b 大内径部
326 蓋部材取付け部
328 リング用溝
332 切り込み部
334 連通路
336 Oリング用凹部
340 ピストン
340a 中径部
340b 大径部
340c 小径部
345 連結用ボルト穴
346 円形凹部
352 Oリング用溝
370 蓋部材
372 スナップリング
424 エアジョイント収納部
428 リング用溝
440 エアジョイント
440a 中径部
440b 大径部
440c 小径部
442 Oリング用溝
450 スナップリング
520A 十字形連結ジョイント
520B T字形連結ジョイント
522 L字形端末プラグ
612 ボール型ピストン
622 ケース
624 ピストン収納部
625 連結部
626 蓋部材取付部
628 リング用溝
632 切り込み部
634 連通路
640 回転ボール保持具
642 ボール受け部
644 凹部
646 小球
648 大球
650 鍔部
652 Oリング用溝
654 バネ用溝
656 カバー部材
658 バネ用溝
666 段差部
702 固定ボルト
710 連結ボルト
S1 ガス流路空間
OR3 Oリング
OR4 Oリング
OR6 Oリング
1、A2、A3 搬送領域
1、R2、R3、R4、R5、R6 レール部
図1
図2
図3
図4
図5
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図20