(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022188949
(43)【公開日】2022-12-22
(54)【発明の名称】コンベヤシステム
(51)【国際特許分類】
B65G 65/42 20060101AFI20221215BHJP
B65G 65/40 20060101ALI20221215BHJP
【FI】
B65G65/42 C
B65G65/40 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021097252
(22)【出願日】2021-06-10
(71)【出願人】
【識別番号】000228707
【氏名又は名称】日本コンベヤ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100130513
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 直也
(74)【代理人】
【識別番号】100074206
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 文二
(74)【代理人】
【識別番号】100130177
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 弥一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100166796
【弁理士】
【氏名又は名称】岡本 雅至
(74)【代理人】
【識別番号】100167380
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 隆
(72)【発明者】
【氏名】吉川 勝博
(72)【発明者】
【氏名】岡崎 公彦
(72)【発明者】
【氏名】駒田 弘明
【テーマコード(参考)】
3F075
【Fターム(参考)】
3F075AA07
3F075BA01
3F075BB01
3F075CA06
3F075CA09
3F075CB01
3F075CB13
3F075CB14
3F075CB16
3F075CC08
3F075CD10
(57)【要約】
【課題】コンベヤ装置から断続的に適正な重量ずつ搬送物を取り卸す。
【解決手段】駆動力によって後端3側の投下部6から先端2側の取り卸し部7へ搬送物を移送するコンベヤ装置10と、前記投下部6の上方に設置されたホッパ22と、ホッパ22に前記搬送物を供給する供給装置41と、ホッパ22に蓄積された前記搬送物の重量を取得する重量検知手段29と、ホッパ22に蓄積された前記搬送物を前記投下部6へ供給する投下装置21と、投下装置21、供給装置41及びコンベヤ装置10の動作を制御する制御手段30と、を備えるコンベヤシステム1において、制御手段30は、ホッパ22に蓄積された前記搬送物の重量が所定値に至った場合に供給装置41による前記搬送物の供給を停止して、前記搬送物を投下部6へ供給し、且つ、投下部6に供給された前記搬送物を全て取り卸し部7へ搬送する制御を行う。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動力によって後端(3)側の投下部(6)から先端(2)側の取り卸し部(7)へ搬送物を移送するコンベヤ装置(10)と、
前記投下部(6)の上方に設置されたホッパ(22)と、
前記ホッパ(22)に前記搬送物を供給する供給装置(41;41a,41b)と、
前記ホッパ(22)に蓄積された前記搬送物の重量を取得する重量検知手段(29)と、
前記ホッパ(22)に蓄積された前記搬送物を前記投下部(6)へ供給する投下装置(21)と、
前記投下装置(21)、前記供給装置(41)及び前記コンベヤ装置(10)の動作を制御する制御手段(30)と、
を備え、
前記制御手段(30)は、前記ホッパ(22)に蓄積された前記搬送物の重量が所定値に至った場合に前記供給装置(41;41a,41b)による前記搬送物の供給を停止して、前記搬送物を前記投下部(6)へ供給し、且つ、前記投下部(6)に供給された前記搬送物を全て前記取り卸し部(7)へ搬送する制御を行うコンベヤシステム。
【請求項2】
前記取り卸し部(7)の下方に前記搬送物が取り卸しされる輸送用機器(50)の進入空間を備え、
前記取り卸し部(7)は前記投下部(6)よりも上方に位置している請求項1に記載のコンベヤシステム。
【請求項3】
前記コンベヤ装置(10)は無端状のコンベヤベルト(11)を備えたベルトコンベヤであり、
前記コンベヤベルト(11)は、その搬送面から立ち上がる仕切り部(57)を搬送方向に沿って複数備えるとともに、その搬送面の幅方向両端に立ち上がる壁部(56)を備えている請求項1又は2に記載のコンベヤシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、コンベヤ装置で移送する搬送物を、次なる移送手段に適量導入するコンベヤシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、土砂や砕石、その他各種の搬送物を移送する手段として、コンベヤ装置が用いられる。コンベヤ装置として、例えば、無端状のベルトを用いたベルトコンベヤや、回転するスクリュー軸を用いたスクリューコンベヤ等がある。
【0003】
ベルトコンベヤは、駆動側のプーリと従動側のプーリとの間に無端状の帯状ベルトを巻回し、駆動側のプーリの回転によりベルトが移動して、そのベルトの上の搬送物が後端から先端に向かって移送されるようになっている(例えば、特許文献1参照)。スクリューコンベヤは、ケーシング内に螺旋状の羽根を備えた回転軸が設けられ、その回転軸が駆動力によって軸周りに回転することで、その羽根の回転に合わせて搬送物を軸方向後端から先端に押し出して移送するようになっている(例えば、特許文献2参照)。さらに、ベルトコンベヤとスクリューコンベヤとを組み合わせたコンベヤ装置もある(例えば、特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2016-160101号公報(第15頁第4図参照)
【特許文献2】特開平9-315548号公報(第5頁第1図参照)
【特許文献3】特開平10-29717号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のように、コンベヤ装置で移送されてきた搬送物は、そのコンベヤ装置の取り卸し部で落下して、次なる移送手段に積み込まれる。このとき、次なる移送手段が車両や船舶などの輸送用機器である場合、その輸送機器には適正な重量の搬送物を積載する必要がある。仮に、積載した搬送物の重量がその輸送用機器に設定された所定量よりも少なければ輸送コストの増大をもたらし、また、所定量より多ければ過積載の問題を生じる。重量の計測は、取り卸し部とは別の場所に設けられたトラックスケールで行われるため、トラックスケールで積載量に過不足があることがわかれば、取り卸し部に戻って再度の積み込みをしなければならず、時間と労力を浪費するという問題がある。
【0006】
この点、特許文献3では、荷重センサの検出出力に基づいて、コンベヤによる物品の排出量を計測している。しかし、この特許文献3の技術では、次工程に対して単位時間当たりの供給量を一定に維持する定量供給を可能とするにとどまり(特許文献3の明細書段落0054参照)、次々の断続的に到着する輸送用機器に対して、如何に適正な重量の搬送物を積載するか、という課題を解決することはできない。
【0007】
そこで、この発明の課題は、コンベヤ装置から断続的に適正な重量ずつ搬送物を取り卸すことである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、この発明は、
駆動力によって後端側の投下部から先端側の取り卸し部へ搬送物を移送するコンベヤ装置と、
前記投下部の上方に設置されたホッパと、
前記ホッパに前記搬送物を供給する供給装置と、
前記ホッパに蓄積された前記搬送物の重量を取得する重量検知手段と、
前記ホッパに蓄積された前記搬送物を前記投下部へ供給する投下装置と、
前記投下装置、前記供給装置及び前記コンベヤ装置の動作を制御する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記ホッパに蓄積された前記搬送物の重量が所定値に至った場合に前記供給装置による前記搬送物の供給を停止して、前記搬送物を前記投下部へ供給し、且つ、前記投下部に供給された前記搬送物を全て前記取り卸し部へ搬送する制御を行うコンベヤシステムを採用した。
【0009】
ここで、前記コンベヤ装置は、
前記取り卸し部の下方に前記搬送物が取り卸しされる輸送用機器の進入空間を備え、前記取り卸し部は前記投下部よりも上方に位置している構成を採用することができる。前記取り卸し部からダンプトラックなどの荷台へ投下する場合、ある程度の高さが必要であるが、前記コンベヤ装置全体が高い位置にあると、前記ホッパ及び前記供給装置の位置をさらに高い位置に設置する必要があり、前記搬送物を供給する際の負担が増し、システム全体のバランスも悪くなる。このため、前記ホッパから投下される投下部は低く、途中に上昇部を有するコンベヤ装置が前記搬送物を高い位置まで持ち上げて、前記取り卸し部から投下する。
【0010】
前記コンベヤ装置は無端状のコンベヤベルトを備えたベルトコンベヤであり、前記コンベヤベルトは、その搬送面から立ち上がる仕切り部を搬送方向に沿って複数備えるとともに、その搬送面の幅方向両端に立ち上がる壁部を備えている構成を採用することができる。前記コンベヤベルトの傾斜が垂直又はそれに近いような上昇部を設けても、前記壁部と前記仕切部とに支えられて前記搬送物を持ち上げることができる。
【発明の効果】
【0011】
この発明は、コンベヤ装置から断続的に適正な重量ずつ搬送物を取り卸し、輸送用機器に積載させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、この発明の実施形態を、図面に基づいて説明する。この実施形態は、コンベヤ装置10から輸送用機器に搬送物を取り卸すに際し、断続的に到着する輸送用機器に対して、それぞれ適正な重量ずつ搬送物を取り卸すことを可能とするコンベヤシステム1である。搬送物として種々の物品や素材を扱うことができるが、ここでは搬送物として土砂を想定している。搬送物の土砂は、コンベヤ装置10の後端3に近い投下部6へ供給された後、先端2の取り卸し部7に移送され、次なる移送手段であるダンプトラック50の荷台に積まれる。そして土砂はダンプトラック50によって目的地へ移送されて行く。
【0014】
この実施形態のコンベヤシステム1では、コンベヤ装置10として無端状のコンベヤベルト11を有するベルトコンベヤを採用している。コンベヤ装置10の構成は、
図1に示すように、先端2側に設けられた駆動側のプーリ12と、後端3側に設けられた従動側のプーリ13との間に、無端状のコンベヤベルト11が巻回されている。コンベヤベルト11は、一定の幅で長手状に伸びて、その長手方向両端が接続されることで、環状に形成されている。駆動側のプーリ12の回転によりコンベヤベルト11が長手方向(搬送方向)に移動して、従動側のプーリ13から上面側に回された付近に投下部6で上方からコンベヤベルト11に投下された搬送物が、駆動側のプーリ12側へ向かって移送される。
【0015】
駆動側のプーリ12には、コンベヤベルト11を長手方向に沿って動作させる駆動装置が設けられている。駆動装置はモータ、モータに電力を供給する電源、モータからの回転を伝達する装置などを備えている。ここでは特に図示せず、機構は限定されない。一方、従動側のプーリ13は、コンベヤベルト11が長手方向に沿って移動する動作に合わせて、その動作に追随して回転する。
【0016】
搬送物は、駆動側のプーリ12付近でのコンベヤベルト11の反転部で落下して、ダンプトラック50の荷台に取り卸しされる。反転部とは、
図1に示すようにコンベヤベルト11が、送り側ベルトから帰り側ベルトへと180度向きを変える場所である。ここでは、その反転部が、コンベヤ装置10で移送されてきた搬送物を落下させる取り卸し部7となっている。なお、その反転部よりも下流側の帰り側ベルトには、コンベヤベルト11の表面の付着物を掻き取るスクレーパ装置が備えられている。スクレーパ装置は、ゴムや樹脂などからなる板状部材を、コンベヤベルト11の表面に押し付けて付着物を掻き取る。また、送り側ベルト及び帰り側ベルトのそれぞれにおいて、コンベヤベルト11を下方から支持するローラ16が配置されている。
【0017】
搬送物をコンベヤベルト11に投下する投下部6の上には、ホッパ22が設けられている。ホッパ22は、供給装置41から供給された搬送物を蓄えることができ、蓄えた搬送物をまとめてコンベヤベルト11に投下することができる。
【0018】
ホッパ22付近の正面拡大図を
図2に示す。投下装置21は、長手方向に延び左右方向から下へ向かって縮幅していくホッパ22を有する。ホッパ22の半ばから見下ろすA-A断面平面図を
図3に示す。後端3側から見た側面図を
図4に示す。ホッパ22の下方には搬送物を投下部6へ供給する投下装置21が設けられている。投下装置21は、ホッパ22の下面に設けられた搬送物が通過する投下口23と、この投下口23を普段は閉ざしているゲート24を有する。ゲート24は横(
図1、
図2における図奥方向)に取り付けられたシリンダー25によってシャフト26が押され、シャフト26によって押されたガイド27がゲート24を押して投下口23が一時的に開放されると、ホッパ22に蓄えられた搬送物が投下口23を通って投下部6へと落下する。
【0019】
ホッパ22には、ホッパ22に蓄えられた搬送物の重量を取得する重量検知手段29を有する。図の実施形態では重量検知手段29として、ホッパ22の上方端に近い左右方向複数個所に設けられたロードセルを有する。この実施形態のロードセルは、歪みゲージ式の検知方式を採用している。部材の歪み量を測定する歪センサ(歪ゲージ)を備え、歪センサはホッパ22に蓄えられた搬送物の重量が載荷されることによって弾性変形する部材の歪み量を測定し、その歪み量によって作用している荷重を検知する。検知された荷重の情報は、検知荷重として制御手段30が取得する。
【0020】
制御手段30は、重量検知手段29からの出力信号を処理する演算手段31、演算手段31が算出した情報を判定する判定手段32、それらの情報を視覚的に表示する表示部33、所定の条件を満たした際に投下装置21及び後述する供給装置41を動作させる命令を送出する指示手段34、その他制御の設定を行う制御部等を備える。
【0021】
ホッパ22の上方には、ホッパ22へ搬送物を投下する供給装置41が設けられている。
図1の実施形態では、ホッパの真上に2基の供給装置41a,41bを備える。それぞれの供給装置41a,41bはいずれもホッパ42a,42bを有する。ホッパ42a,42bはどちらも、ホッパ22の投下装置21と同様に、投下口43a,43bと、それらを閉鎖し一時的に開放するゲート44a,44bを有する。ゲート44a,44bを動かす機構も同様に、それぞれのゲート44a,44bの横に取り付けられたシリンダー45a,45bによってシャフト46a,46bが押され、シャフト46a,46bによって押されたガイド47a,47bがゲート44a,44bを開く。ゲート44a,44bが開放されている間は、ホッパ42a,42bから搬送物が継続的に投下されて、ホッパ22へと蓄積されていく。ゲート44a,44bを開閉するタイミングは、制御手段30が制御する。
【0022】
また、供給装置41a,41bが2基備えられていると、供給装置41a,41bの一方に搬送物を蓄積している間に、他方から投下装置21への投下を行うことができる。これにより、コンベヤベルト11への投下の待ち時間を減らし、作業効率を向上させることができる。
【0023】
制御手段30が行う制御手順は次の例のようになる。コンベヤ装置10へ搬送物を投入するにあたり、指示手段34は既に搬送物を蓄積されている供給装置41a,41bのゲート44a,44bのいずれかへ開放を指示する。ゲート44a,44bが開放された供給装置41a,41bからホッパ22への搬送物の供給が開始される。供給されている間、演算手段31は重量検知手段29からの出力信号を処理し、判定手段32はその処理により算出されたホッパ22に蓄積された搬送物の重量が所定値に到達するか否かの判定を繰り返す。ここで所定値とは、1台のダンプトラック50に許容される搬送物の所定積載重量(通常は最大積載重量)に対応する値に設定される。この所定値は、操作部において、ダンプトラック50やその他の移送手段の種別に応じて任意の値に設定できる。
【0024】
判定手段32により、所定値に到達した判定がされたら、指示手段34は開放したゲート44a,44bに対して閉鎖の指示を出し、搬送物の供給を停止させる。なおかつ、投下装置21のゲート24を開放させる指示を出して、ホッパ22に蓄積された搬送物を全て投下部6へと投下させて供給する。なお、判定した値が所定値であれば自動的にゲート24を開放する指示を出してもよいし、判定した値が所定値でありなおかつその他の条件を満たす場合にゲート24を開放する指示を出してもよい。他の条件としては例えば、目視確認した作業員による落下許可を示すボタンの押下などが挙げられる。
【0025】
ゲート24が開放されて搬送物がホッパ22から投下部6へ投下されると、重量検知手段29からの出力信号により得られる重量の値は減少する。その値がホッパ22の空の重量として設定された別の所定値以下になったら、ホッパ22に蓄積された搬送物が空になったものと判定手段32は判定する。ホッパ22が空になったと判定がされたら、指示手段34は、ゲート24を閉鎖させ、コンベヤ装置10を駆動させる。コンベヤ装置10の駆動は、投下部6に投下された搬送物の全てが取り卸し部7に到達するまで続ける。
【0026】
この実施形態のコンベヤシステム1は、取り卸し部7の下方に、搬送物を取り卸しされる輸送用機器であるダンプトラック50が進入できる進入空間Tを有する。そのために、取り卸し部7は投下部6よりも上方に位置しており、投下部6から取り卸し部7までの間に、少なくとも一部は、コンベヤベルト11が傾斜した上昇部8を有する。コンベヤ装置10の全体が傾斜した上昇部8となっていてもよいし、部分的に傾斜角度が高くなった上昇部8が設けられていてもよい。図では部分的に傾斜角度を垂直にした上昇部8を設けた例を示す。装置全体が必要とする面積を最小にしつつ、取り卸し部7に求められる高さまで搬送物を持ち上げることができる。設置面積を十分に確保できる場合は垂直でなく適宜角度を調整した傾斜であってよい。
【0027】
上昇部8として、後端3側の送り側ベルトの上面に接し、コンベヤベルト11の搬送方向を上方へと向ける変向プーリ51が設けられている。上方へ向いたコンベヤベルト11は、上昇部8の上方で送り側ベルトの下面に接するように取り付けられた複数のローラ52によって、再び水平方向へ搬送方向を向けられ、取り卸し部7へと搬送物を送り込む。一方、取り卸し部7から戻ってきた帰り側ベルトは、上昇部8の上部でコンベヤベルト11の下面に接する変向プーリ53によって搬送方向を下へ向けられ、上昇部8の下部でコンベヤベルト11の上面に接する変向プーリ54によって搬送方向を水平方向へ向けられて後端3へと続く。
【0028】
なお、上昇部8の角度にもよるが、搬送物が傾斜角度によって落下してしまう場合には、コンベヤベルト11は搬送物を支える支持構造を有すると好ましい。この実施形態では支持構造として、コンベヤベルトの外周面、すなわち送り側ベルトにおける上面、帰り側ベルトにおける下面に、搬送面から立ち上がる仕切部57を搬送方向に沿って複数供えており、なおかつその搬送面の幅方向両端に立ち上がる壁部56を備える。壁部56はプーリでコンベヤベルト11が変向される際の曲げに従って伸び縮みできる素材であることが望ましい。
図1でコンベヤベルト11の外周に立てられているのが壁部56であり、
図4で壁部56、56の間に立てられているのが仕切部57である。上昇部8では仕切部57が底となって搬送物を支え、搬送方向左右からの落下も壁部56が防止して、搬送物を持ち上げていく。
【0029】
これらコンベヤ装置10のコンベヤベルト11、プーリ12,13、51,53,54、ローラ16,52等は搬送方向に沿って建てられたコンベヤフレーム14によって支持されている。投下装置21もこのコンベヤフレーム14に支持されて投下部6の上に設置している。一方、供給装置41a,41bはコンベヤフレーム14と一体に設置してもよいし、別に設けられてもよい。
【0030】
上記の実施形態では、コンベヤ装置10としてベルトコンベヤを採用したが、これに代えてスクリューコンベヤを採用してもよい。スクリューコンベヤを採用する場合、コンベヤ装置10は、筒状のケーシング内に螺旋状に連続する羽根を備えたスクリュー軸を備え、そのスクリュー軸が、モータ等の駆動源からの駆動力によって軸周りに回転することで、その羽根の回転に合わせて搬送物を軸方向に沿ってコンベヤ装置10の後端3から先端2側へ押し出して運搬する。
【0031】
この実施形態では重量検知手段29として歪センサ方式のロードセルを採用したが、作動原理が異なるロードセル、例えば、液圧や空気圧を利用するロードセルや、磁歪効果、圧電効果等を利用するロードセル等、種々の形式のロードセルを採用できる。また、ロードセル以外にも、搬送物の重量を測定する機能を有する種々の計測機器を重量検知手段として採用することができる。
【0032】
また、上記の実施形態では、搬送物の次なる移送手段としてダンプトラック50を採用したが、次なる移送手段としては車両や船舶などの各種の輸送用機器や、複数のコンベヤ装置を設置してその複数のコンベヤ装置に対して選択的に所定の重量ずつ搬送物を取り卸す際に、この発明のコンベヤシステムを採用してもよい。
【符号の説明】
【0033】
1 コンベヤシステム
2 先端
3 後端
6 投下部
7 取り卸し部
8 上昇部
10 コンベヤ装置
11 コンベヤベルト
12 駆動側のプーリ
13 従動側のプーリ
14 コンベヤフレーム
16,52 ローラ
21 投下装置
22,42a,42b ホッパ
23,43a,43b 投下口
24,44a,44b ゲート
25,45a,45b シリンダー
26,46a,46b シャフト
27,47a,47b ガイド
29 重量検知手段
30 制御手段
31 演算手段
32 判定手段
33 表示部
34 指示手段
41a,41b 供給装置
50 ダンプトラック
51、53,54 変向プーリ
56 壁部
57 仕切部
S 搬送物
T 進入空間