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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022189015
(43)【公開日】2022-12-22
(54)【発明の名称】甘味料組成物
(51)【国際特許分類】
   A23L 27/00 20160101AFI20221215BHJP
   A23L 2/60 20060101ALI20221215BHJP
【FI】
A23L27/00 E
A23L27/00 101A
A23L2/00 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021097339
(22)【出願日】2021-06-10
(71)【出願人】
【識別番号】309007911
【氏名又は名称】サントリーホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100176094
【弁理士】
【氏名又は名称】箱田 満
(74)【代理人】
【識別番号】100135943
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 規樹
(74)【代理人】
【識別番号】100217663
【弁理士】
【氏名又は名称】末広 尚也
(74)【代理人】
【識別番号】100104282
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 康仁
(72)【発明者】
【氏名】三井 亮輝
(72)【発明者】
【氏名】吉田 惇紀
(72)【発明者】
【氏名】横尾 芳明
【テーマコード(参考)】
4B047
4B117
【Fターム(参考)】
4B047LB02
4B047LB08
4B047LB09
4B047LF02
4B047LF04
4B047LF05
4B047LF07
4B047LF09
4B047LF10
4B047LG06
4B047LG20
4B047LG32
4B047LP02
4B047LP05
4B117LC03
4B117LC05
4B117LL01
4B117LL02
(57)【要約】
【課題】ステビオール配糖体および香気成分を含む新規な甘味料組成物を提供する。また、前記の甘味料組成物を含む飲食品および飲料も提供する。
【解決手段】ステビオール配糖体および香気成分を含む甘味料組成物であって、
総ステビオール配糖体の含有量に対して、レバウジオシドA、レバウジオシドDおよびレバウジオシドMの合計含有量が15~80重量%であり、
前記香気成分は、フラネオール、ヒドロキシメチルフルフラール、フルフラール、バニリン、シクロテンおよびダマセノンからなる群から選択される1種以上を含む、
甘味料組成物。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステビオール配糖体および香気成分を含む甘味料組成物であって、
総ステビオール配糖体の含有量に対して、レバウジオシドA、レバウジオシドDおよびレバウジオシドMの合計含有量が15~80重量%であり、
前記香気成分は、フラネオール、ヒドロキシメチルフルフラール、フルフラール、バニリン、シクロテンおよびダマセノンからなる群から選択される1種以上を含む、甘味料組成物。
【請求項2】
前記香気成分がフラネオールを含み、前記甘味料組成物におけるフラネオール含有量が、甘味料組成物の固形分量に対して0.00005~0.035重量%である、請求項1に記載の甘味料組成物。
【請求項3】
前記総ステビオール配糖体の含有量が、甘味料組成物の固形分量に対して5~50重量%である、請求項1または2に記載の甘味料組成物。
【請求項4】
フラネオール/総ステビオール配糖体の重量比が0.001~0.8である、請求項1~3のいずれか一項に記載の甘味料組成物。
【請求項5】
前記総ステビオール配糖体の含有量に対して、レバウジオシドBを1~85重量%の割合で含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の甘味料組成物。
【請求項6】
前記香気成分がステビア抽出物由来の香気成分である、請求項1~5のいずれか一項に記載の甘味料組成物。
【請求項7】
ステビア植物を、反応温度130℃以上かつ下記式(1)で算出される反応過酷度が30~4000の条件で水熱処理することで得られる、請求項1~6のいずれか一項に記載の甘味料組成物。
【数5】
【請求項8】
前記総ステビオール配糖体が、レバウジオシドA、レバウジオシドB、レバウジオシドC、レバウジオシドD、レバウジオシドE、レバウジオシドF、レバウジオシドI、レバウジオシドM、レバウジオシドNおよびステビオシドからなる、請求項1~7のいずれか一項に記載の甘味料組成物。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか一項に記載の甘味料組成物を含む、飲食品。
【請求項10】
飲料である、請求項9に記載の飲食品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、甘味料組成物に関する。より具体的には、ステビオール配糖体および香気成分を含む甘味料組成物、当該甘味料組成物を含む飲食品および飲料に関する。
【背景技術】
【0002】
キク科ステビア(Stevia rebaudiana)の葉にはジテルペノイドの一種であるステビオール(Steviol)とよばれる二次代謝産物が含まれており、ステビオール配糖体は砂糖の約300倍もの甘味を呈することからカロリーレスの甘味料として食品産業に利用されている。肥満が深刻な社会問題として国際的に発展しており、健康増進および医療費削減の観点からもカロリーレスの甘味料の要望は日々大きくなっている。現在では人工的に合成されたアミノ酸誘導体のアスパルテーム(Aspartame)やアセスルファムカリウム(Acesulfame Potassium)が人工甘味料として利用されているが、ステビオール配糖体のように天然に存在するカロリーレス甘味料はより安全で消費者理解(Public Acceptance)が得られやすいと期待される。
【0003】
一般的に、ステビアからステビオール配糖体等の甘味成分を抽出する方法として、100℃以下の温水で抽出する方法が知られている。また非特許文献1および2ではステビアに対して高圧温水を作用させて抗酸化性の生理活性物質を回収する試みがなされている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】D. B. Kovacevic, F. J. Barba, D. Granato, C. M. Galanakis, Z. Herceg, V. Dragovic-Uzelac, P. Puntnik: Pressurized hot wate extraction (PHWE) for the green recovery of bioactive compounds and steviol glycosides from Stevia rebaudiana Bertoni Leaves, Food Chemistry, 254 (2018), 150-157
【非特許文献2】Z. Yang, B. Uhler1, and T. Lipkie1: Microwave-Assisted Subcritical Water Extraction of Steviol Glycosides From Stevia rebaudiana Leaves, Natural Product Communication, Vol. 14(6), 2019, 1-4
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、ステビオール配糖体および香気成分を含む新規な甘味料組成物を提供する。また、本発明は、前記甘味料組成物を含む飲食品および飲料も提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明には以下の態様の発明が含まれる。
[1]
ステビオール配糖体および香気成分を含む甘味料組成物であって、
総ステビオール配糖体の含有量に対して、レバウジオシドA、レバウジオシドDおよびレバウジオシドMの合計含有量が15~80重量%であり、
前記香気成分は、フラネオール、ヒドロキシメチルフルフラール、フルフラール、バニリン、シクロテンおよびダマセノンからなる群から選択される1種以上を含む、甘味料組成物。
[2]
前記香気成分がフラネオールを含み、前記甘味料組成物におけるフラネオール含有量が、甘味料組成物の固形分量に対して0.00005~0.035重量%である、[1]に記載の甘味料組成物。
[3]
前記総ステビオール配糖体の含有量が、甘味料組成物の固形分量に対して5~50重量%である、[1]または[2]に記載の甘味料組成物。
[4]
フラネオール/総ステビオール配糖体の重量比が0.001~0.8である、[1]~[3]のいずれか一項に記載の甘味料組成物。
[5]
前記総ステビオール配糖体の含有量に対して、レバウジオシドBを1~85重量%の割合で含む、[1]~[4]のいずれか一項に記載の甘味料組成物。
[6]
前記香気成分がステビア抽出物由来の香気成分である、[1]~[5]のいずれか一項に記載の甘味料組成物。
[7]
ステビア植物を、反応温度130℃以上かつ下記式(1)で算出される反応過酷度が30~4000の条件で水熱処理することで得られる、[1]~[6]のいずれか一項に記載の甘味料組成物。
【数1】
[8]
前記総ステビオール配糖体が、レバウジオシドA、レバウジオシドB、レバウジオシドC、レバウジオシドD、レバウジオシドE、レバウジオシドF、レバウジオシドI、レバウジオシドM、レバウジオシドNおよびステビオシドからなる、[1]~[7]のいずれか一項に記載の甘味料組成物。
[9]
[1]~[8]のいずれか一項に記載の甘味料組成物を含む、飲食品。
[10]
飲料である、[9]に記載の飲食品。
【発明の効果】
【0007】
本発明により、ステビオール配糖体および香気成分を含む新規な甘味料組成物、前記甘味料組成物を含む飲食品および飲料が提供される。好ましい態様では、喫食時に甘味と香味をバランスよく知覚する甘味料組成物、前記甘味料組成物を含む飲食品および飲料が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】反応過酷度に対するステビオール配糖体回収率を示す図である。
図2】反応過酷度に対するステビオール配糖体回収率を示す図である(片対数)。
図3】反応過酷度に対するフラネオールの生成を示す図である。
図4】反応過酷度に対するヒドロキシメチルフルフラールの生成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を詳細に説明する。以下の実施の形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明をこの実施の形態のみに限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨を逸脱しない限り、様々な形態で実施をすることができる。なお、本明細書において引用した全ての文献、および公開公報、特許公報その他の特許文献は、参照として本明細書に組み込むものとする。
【0010】
本明細書において、「Reb」および「Reb.」は同じ意味を表すものであり、いずれも「レバウジオシド(rebaudioside)」を意味するものである。
【0011】
本明細書において「ppm」とは、特に明記しない限り、「質量ppm」を意味する。また、通常飲料の比重は1であるため、「質量ppm」は「mg/L」と同視し得る。本明細書において、「約」との文言は、主体が「約」に続く数値の±10%、の範囲に存在することを意味する。
【0012】
1.ステビオール配糖体および香気成分を含む甘味料組成物
本発明は、ステビオール配糖体および香気成分を含む甘味料組成物に関する。具体的には、ステビオール配糖体および香気成分を含む甘味料組成物であって、総ステビオール配糖体の含有量に対して、レバウジオシドA、レバウジオシドDおよびレバウジオシドMの合計含有量が15~80重量%であり、前記香気成分は、フラネオール、ヒドロキシメチルフルフラール、フルフラール、バニリン、シクロテンおよびダマセノンからなる群から選択される1種以上を含む、甘味料組成物に関する。
【0013】
本明細書において、「総ステビオール配糖体の含有量」とは、甘味料組成物に含まれるステビオール配糖体の含有量の合計を意味する。本発明の一態様において、「総ステビオール配糖体の含有量」は、レバウジオシドA、レバウジオシドB、レバウジオシドC、レバウジオシドD、レバウジオシドE、レバウジオシドF、レバウジオシドI、レバウジオシドM、レバウジオシドNおよびステビオシドの合計である。本発明の一態様において、総ステビオール配糖体は、レバウジオシドA、レバウジオシドB、レバウジオシドC、レバウジオシドD、レバウジオシドE、レバウジオシドF、レバウジオシドI、レバウジオシドM、レバウジオシドNおよびステビオシドからなる。
【0014】
本発明の一態様において、甘味料組成物は、総ステビオール配糖体の含有量に対するレバウジオシドA、レバウジオシドDおよびレバウジオシドMの合計含有量が15~80重量%である。他の態様では、総ステビオール配糖体の含有量に対するレバウジオシドA、レバウジオシドDおよびレバウジオシドMの合計含有量は、20~80重量%、25~80重量%、30~80重量%、35~80重量%、40~80重量%、45~80重量%、50~80重量%、15~75重量%、20~75重量%、25~75重量%、30~75重量%、35~75重量%、40~75重量%、45~75重量%、50~75重量%、15~70重量%、20~70重量%、25~70重量%、30~70重量%、35~70重量%、40~70重量%、15~65重量%、20~65重量%、25~65重量%、30~65重量%、35~65重量%、40~65重量%、15~60重量%、20~60重量%、22~60重量%、25~60重量%、27~60重量%、30~60重量%、32~60重量%、35~60重量%、37~60重量%、40~60重量%、15~55重量%、20~55重量%、22~55重量%、25~55重量%、27~55重量%、30~55重量%、32~55重量%、35~55重量%、37~55重量%、40~55重量%、15~50重量%、20~50重量%、22~50重量%、25~50重量%、27~50重量%、30~50重量%、32~50重量%、35~50重量%、37~50重量%、15~45重量%、17~45重量%、20~45重量%、22~45重量%、25~45重量%、27~45重量%、30~45重量%、15~40重量%、17~40重量%、20~40重量%、22~40重量%、25~40重量%、27~40重量%または30~40重量%等であってもよい。ステビオール配糖体は、液体クロマトグラフ質量分析計を用いて公知の方法で定量することができる。
【0015】
本発明の一態様において、総ステビオール配糖体の含有量に対するレバウジオシドAの含有量は、5~60重量%、10~60重量%、12~60重量%、15~60重量%、20~60重量%、25~60重量%、27~60重量%、30~60重量%、35~60重量%、37~60重量%、40~60重量%、5~55重量%、10~55重量%、12~55重量%、15~55重量%、20~55重量%、25~55重量%、27~55重量%、30~55重量%、35~55重量%、37~55重量%、40~55重量%、5~50重量%、10~50重量%、12~50重量%、15~50重量%、20~50重量%、25~50重量%、27~50重量%、30~50重量%、35~50重量%、37~50重量%、40~50重量%、5~45重量%、10~45重量%、12~45重量%、15~45重量%、20~45重量%、25~45重量%、27~45重量%、30~45重量%、35~45重量%、5~40重量%、10~40重量%、12~40重量%、15~40重量%、20~40重量%、25~40重量%、27~40重量%または30~40重量%等であってもよい。
【0016】
本発明の一態様において、総ステビオール配糖体の含有量に対するレバウジオシドDの含有量は、1~30重量%、2~30重量%、3~30重量%、4~30重量%、5~30重量%、6~30重量%、7~30重量%、8~30重量%、9~30重量%、10~30重量%、1~25重量%、2~25重量%、3~25重量%、4~25重量%、5~25重量%、6~25重量%、7~25重量%、8~25重量%、9~25重量%、10~25重量%、1~20重量%、2~20重量%、3~20重量%、4~20重量%、5~20重量%、6~20重量%、7~20重量%、8~20重量%、9~20重量%、10~20重量%、1~15重量%、2~15重量%、3~15重量%、4~15重量%、5~15重量%、6~15重量%、7~15重量%、8~15重量%、9~15重量%または10~15重量%等であってもよい。
【0017】
本発明の一態様において、総ステビオール配糖体の含有量に対するレバウジオシドMの含有量は、1~20重量%、2~20重量%、3~20重量%、4~20重量%、5~20重量%、6~20重量%、7~20重量%、8~20重量%、9~20重量%、10~20重量%、1~15重量%、2~15重量%、3~15重量%、4~15重量%、5~15重量%、1~12重量%、2~12重量%、3~12重量%、4~12重量%、5~12重量%、1~10重量%、2~10重量%、3~10重量%、4~10重量%、5~10重量%、1~9重量%、2~9重量%、3~9重量%、4~9重量%または5~9重量%等であってもよい。
【0018】
本発明の一態様において、総ステビオール配糖体の含有量に対するレバウジオシドBの含有量は、1~85重量%、5~85重量%、10~85重量%、12~85重量%、15~85重量%、17~85重量%、20~85重量%、22~85重量%、25~85重量%、27~85重量%、30~85重量%、32~85重量%、35~85重量%、37~85重量%、40~85重量%、1~80重量%、5~80重量%、10~80重量%、12~80重量%、15~80重量%、17~80重量%、20~80重量%、22~80重量%、25~80重量%、27~80重量%、30~80重量%、32~80重量%、35~80重量%、37~80重量%、40~80重量%、1~75重量%、5~75重量%、10~75重量%、12~75重量%、15~75重量%、17~75重量%、20~75重量%、22~75重量%、25~75重量%、27~75重量%、30~75重量%、32~75重量%、35~75重量%、37~75重量%または40~75重量%等であってもよい。
【0019】
本発明の一態様において、総ステビオール配糖体の含有量に対するレバウジオシドAおよびレバウジオシドDの合計含有量は、5~80重量%、10~80重量%、15~80重量%、20~80重量%、25~80重量%、30~80重量%、35~80重量%、40~80重量%、45~80重量%、10~70重量%、15~70重量%、20~70重量%、25~70重量%、30~70重量%、35~70重量%、10~65重量%、15~65重量%、20~65重量%、25~65重量%、30~65重量%、35~65重量%、10~60重量%、15~60重量%、20~60重量%、22~60重量%、25~60重量%、27~60重量%、30~60重量%、32~60重量%、35~60重量%、10~55重量%、15~55重量%、20~55重量%、22~55重量%、25~55重量%、27~55重量%、30~55重量%、32~55重量%、35~55重量%、10~50重量%、15~50重量%、20~50重量%、22~50重量%、25~50重量%、27~50重量%、30~50重量%、32~50重量%、35~50重量%、10~45重量%、15~45重量%、17~45重量%、20~45重量%、22~45重量%、25~45重量%、10~40重量%、15~40重量%、17~40重量%、20~40重量%、22~40重量%または25~40重量%等であってもよい。
【0020】
本発明の一態様において、総ステビオール配糖体の含有量に対するレバウジオシドAおよびレバウジオシドMの合計含有量は、5~70重量%、10~70重量%、15~70重量%、20~70重量%、25~70重量%、30~70重量%、10~60重量%、15~60重量%、20~60重量%、22~60重量%、25~60重量%、27~60重量%、30~60重量%、32~60重量%、35~60重量%、10~55重量%、15~55重量%、20~55重量%、22~55重量%、25~55重量%、27~55重量%、30~55重量%、32~55重量%、35~55重量%、10~50重量%、15~50重量%、20~50重量%、22~50重量%、25~50重量%、27~50重量%、30~50重量%、32~50重量%、35~50重量%、10~45重量%、15~45重量%、17~45重量%、20~45重量%、22~45重量%、25~45重量%、10~40重量%、15~40重量%、17~40重量%、20~40重量%、22~40重量%または25~40重量%等であってもよい。
【0021】
本発明の一態様において、総ステビオール配糖体の含有量に対するレバウジオシドDおよびレバウジオシドMの合計含有量は、1~40重量%、3~40重量%、5~40重量%、7~40重量%、10~40重量%、12~40重量%、14~40重量%、15~40重量%、1~30重量%、3~30重量%、5~30重量%、7~30重量%、10~30重量%、12~30重量%、14~30重量%、15~30重量%、1~25重量%、3~25重量%、5~25重量%、7~25重量%、10~25重量%、1~20重量%、3~20重量%、5~20重量%、7~20重量%、10~20重量%、1~17重量%、3~17重量%、5~17重量%、7~17重量%、10~17重量%、1~15重量%、3~15重量%、5~15重量%または7~15重量%等であってもよい。
【0022】
本発明の一態様において、総ステビオール配糖体の含有量は、甘味料組成物の固形分量に対して5~50重量%である。他の態様では、総ステビオール配糖体の含有量は、甘味料組成物の固形分量に対して、7~50重量%、10~50重量%、12~50重量%、14~50重量%、5~40重量%、7~40重量%、10~40重量%、12~40重量%、14~40重量%、5~30重量%、7~30重量%、10~30重量%、12~30重量%、14~30重量%、5~20重量%、7~20重量%、10~20重量%、12~20重量%または14~20重量%等であってもよい。なお、本明細書において、固形分量は、甘味料組成物が液体である場合、Brix計(例えば、ATAGO製Brix計RX-5000αなど)を用いて求めることができ、液体クロマトグラフ質量分析計等で測定したステビオール配糖体の量を用いて、組成物の固形分量に対する総ステビオール配糖体の量を算出することができる。
【0023】
本発明の一態様において、甘味料組成物に含まれるレバウジオシドA、レバウジオシドDおよびレバウジオシドMの合計含有量は、甘味料組成物の固形分量に対して、1~30重量%、2~30重量%、3~30重量%、4~30重量%、5~30重量%、1~20重量%、2~20重量%、3~20重量%、4~20重量%、5~20重量%、1~15重量%、2~15重量%、3~15重量%、4~15重量%、5~15重量%、1~12重量%、2~12重量%、3~12重量%、4~12重量%、5~12重量%、1~10重量%、2~10重量%、3~10重量%、4~10重量%または5~10重量%等であってもよい。
【0024】
本発明の一態様において、総ステビオール配糖体は、甘味料組成物の総重量に対して、
1,000~20,000ppm、3,000~20,000ppm、5,000~20,000ppm、7,000~20,000ppm、9,000~20,000ppm、9,500~20,000ppm、10,000~20,000ppm、1,000~18,000ppm、3,000~18,000ppm、5,000~18,000ppm、7,000~18,000ppm、9,000~18,000ppm、9,500~18,000ppm、10,000~18,000ppm、1,000~16,000ppm、3,000~16,000ppm、5,000~16,000ppm、7,000~16,000ppm、9,000~16,000ppm、9,500~16,000ppmまたは10,000~16,000ppm等であってもよい。
【0025】
本発明の一態様において、レバウジオシドAは、甘味料組成物の総重量に対して、100~10,000ppm、500~10,000ppm、1,000~10,000ppm、1,500~10,000ppm、2,000~10,000ppm、2,500~10,000ppm、3,000~10,000ppm、3,500~10,000ppm、4,000~10,000ppm、100~7,000ppm、500~7,000ppm、1,000~7,000ppm、1,500~7,000ppm、2,000~7,000ppm、2,500~7,000ppm、3,000~7,000ppm、3,500~7,000ppm、4,000~7,000ppm、100~5,000ppm、500~5,000ppm、1,000~5,000ppm、1,500~5,000ppm、2,000~5,000ppm、2,500~5,000ppmまたは3,000~5,000ppm等であってもよい。
【0026】
本発明の一態様において、レバウジオシドDは、甘味料組成物の総重量に対して、100~3,000ppm、300~3,000ppm、450~3,000ppm、500~3,000ppm、800~3,000ppm、1,000~3,000ppm、100~2,500ppm、300~2,500ppm、450~2,500ppm、500~2,500ppm、800~2,500ppm、1,000~2,500ppm、100~2,000ppm、300~2,000ppm、450~2,000ppm、500~2,000ppm、800~2,000ppmまたは1,000~2,000ppm等であってもよい。
【0027】
本発明の一態様において、レバウジオシドMは、甘味料組成物の総重量に対して、50~2,000ppm、100~2,000ppm、200~2,000ppm、300~2,000ppm、400~2,000ppm、500~2,000ppm、50~1,500ppm、100~1,500ppm、200~1,500ppm、300~1,500ppm、400~1,500ppm、500~1,500ppm、50~1,000ppm、100~1,000ppm、200~1,000ppm、300~1,000ppm、400~1,000ppmまたは500~1,000ppm等であってもよい。
【0028】
本発明の一態様において、レバウジオシドBは、甘味料組成物の総重量に対して、1,000~10,000ppm、2,000~10,000ppm、3,000~10,000ppm、3,500~10,000ppm、4,000~10,000ppm、4,500~10,000ppm、5,000~10,000ppm、1,000~8,000ppm、2,000~8,000ppm、3,000~8,000ppm、3,500~8,000ppm、4,000~8,000ppm、4,500~8,000ppmまたは5,000~8,000ppm等であってもよい。
【0029】
本発明の一態様において、甘味料組成物は、上述の総ステビオール配糖体以外のステビオール配糖体を含んでいてもよい。そのようなステビオール配糖体としては、例えば、レバウジオシドG、レバウジオシドJ、レバウジオシドK、レバウジオシドO、レバウジオシドQ、レバウジオシドR、ズルコシドA、ズルコシドC、ルブソシド、ステビオール、ステビオールモノシドおよびステビオールビオシド等が挙げられる。
【0030】
本発明の一態様において、甘味料組成物は、香気成分を含む。好ましい態様では、前記香気成分は、ステビア抽出物由来の香気成分である。本明細書中、「ステビア抽出物由来の香気成分」とは、ステビアを水熱処理により抽出して得られる抽出物中に含まれる香気成分を意味する。他の香気成分を加えていない限り、甘味料組成物に含まれる香気成分はステビア抽出物由来のものであり得る。
また、本発明の一態様において、甘味料組成物に含まれる香気成分は、ステビア抽出物のメイラード反応生成物であってもよい。本明細書中、「ステビア抽出物のメイラード反応生成物」とは、ステビア抽出物に含まれるステビオール配糖体および/または還元糖とアミン供与体(例えば、アミノ酸、ペプチドおよびタンパク質等のアミノ化合物)を、100℃を超える高熱で反応させた際の生成物を意味する。
【0031】
甘味料組成物に含まれる香気成分としては、例えば、フラネオール、ヒドロキシメチルフルフラール、フルフラール、バニリン、シクロテンおよびダマセノン等が挙げられる。
【0032】
本発明の一態様において、甘味料組成物は、フラネオールを含み、甘味料組成物におけるフラネオールの含有量が、甘味料組成物の固形分量に対して0.00005~0.035重量%である。他の態様では、フラネオールの含有量は、甘味料組成物の固形分量に対して、0.0001~0.035重量%、0.00015~0.035重量%、0.0002~0.035重量%、0.0005~0.035重量%、0.001~0.035重量%、0.003~0.035重量%、0.005~0.035重量%、0.007~0.035重量%、0.009~0.035重量%、0.01~0.035重量%、0.00005~0.030重量%、0.0001~0.03重量%、0.00015~0.03重量%、0.0002~0.03重量%、0.0005~0.03重量%、0.001~0.03重量%、0.003~0.03重量%、0.005~0.03重量%、0.007~0.03重量%、0.009~0.03重量%、0.01~0.03重量%、0.00005~0.028重量%、0.0001~0.028重量%、0.00015~0.028重量%、0.0002~0.028重量%、0.0005~0.028重量%、0.001~0.028重量%、0.003~0.028重量%、0.005~0.028重量%、0.007~0.028重量%、0.009~0.028重量%または0.01~0.028重量%等であってもよい。香気成分は、液体クロマトグラフ質量分析計またはガスクロマトグラフ質量分析計を用いて公知の方法で定量することができる。また、甘味料組成物の固形分量に対する香気成分の量は、上述した甘味料組成物の固形分量に対する総ステビオール配糖体の量の算出方法と同様の方法で算出することができる。
【0033】
本発明の一態様において、甘味料組成物は、ヒドロキシメチルフルフラールを含み、甘味料組成物におけるヒドロキシメチルフルフラールの含有量が、甘味料組成物の固形分量に対して0.01~0.25重量%、0.02~0.25重量%、0.025~0.25重量%、0.03~0.25重量%、0.035~0.25重量%、0.04~0.25重量%、0.05~0.25重量%、0.06~0.25重量%、0.065~0.25重量%、0.07~0.25重量%、0.08~0.25重量%、0.1~0.25重量%、0.01~0.2重量%、0.02~0.2重量%、0.025~0.2重量%、0.03~0.2重量%、0.035~0.2重量%、0.04~0.2重量%、0.05~0.2重量%、0.06~0.2重量%、0.065~0.2重量%、0.07~0.2重量%、0.08~0.2重量%または0.1~0.2重量%等であってもよい。
【0034】
本発明の一態様において、フラネオールは、甘味料組成物の総重量に対して、0.1~30ppm、1.0~30ppm、1.5~30ppm、2.0~30ppm、2.5~30ppm、3.0~30ppm、3.5~30ppm、4.0~30ppm、4.5~30ppm、5.0~30ppm、5.5~30ppm、6.0~30ppm、6.5~30ppm、7.0~30ppm、7.5~30ppm、8.0~30ppm、8.5~30ppm、9.0~30ppm、10~30ppm、0.1~25ppm、1.0~25ppm、1.5~25ppm、2.0~25ppm、2.5~25ppm、3.0~25ppm、3.5~25ppm、4.0~25ppm、4.5~25ppm、5.0~25ppm、5.5~25ppm、6.0~25ppm、6.5~25ppm、7.0~25ppm、7.5~25ppm、8.0~25ppm、8.5~25ppm、9.0~25ppmまたは10~25ppm等であってもよい。
【0035】
本発明の一態様において、ヒドロキシメチルフルフラールは、甘味料組成物の総重量に対して、0.1~200ppm、0.3~200ppm、1.0~200ppm、5.0~200ppm、10~200ppm、15~200ppm、20~200ppm、25~200ppm、30~200ppm、35~200ppm、40~200ppm、45~200ppm、50~200ppm、55~200ppm、60~200ppm、65~200ppm、70~200ppm、0.1~160ppm、0.3~160ppm、1.0~160ppm、5.0~160ppm、10~160ppm、15~160ppm、20~160ppm、25~160ppm、30~160ppm、35~160ppm、40~160ppm、45~160ppm、50~160ppm、55~160ppm、60~160ppm、65~160ppmまたは70~160ppm等であってもよい。
【0036】
本発明の一態様において、甘味料組成物におけるフラネオール/総ステビオール配糖体の重量比は、0.001~0.8である。他の態様では、甘味料組成物におけるフラネオール/総ステビオール配糖体の重量比は、0.01~0.8、0.015~0.8、0.02~0.8、0.025~0.8、0.03~0.8、0.035~0.8、0.04~0.8、0.045~0.8、0.05~0.8、0.001~0.5、0.01~0.5、0.015~0.5、0.02~0.5、0.025~0.5、0.03~0.5、0.035~0.5、0.04~0.5、0.045~0.5、0.05~0.5、0.001~0.25、0.01~0.25、0.015~0.25、0.02~0.25、0.025~0.25、0.03~0.25、0.035~0.25、0.04~0.25、0.045~0.25、0.05~0.25、0.001~0.2、0.01~0.2、0.015~0.2、0.02~0.2、0.025~0.2、0.03~0.2、0.035~0.2、0.04~0.2、0.045~0.2、0.05~0.2、0.001~0.1、0.01~0.1、0.015~0.1、0.02~0.1、0.025~0.1、0.03~0.1、0.035~0.1、0.04~0.1、0.045~0.1または0.05~0.1等であってもよい。
【0037】
本発明の一態様において、甘味料組成物におけるヒドロキシメチルフルフラール/総ステビオール配糖体の重量比は、0.002~6.0、0.01~6.0、0.1~6.0、0.2~6.0、0.4~6.0、0.002~3.0、0.01~3.0、0.1~3.0、0.2~3.0、0.4~3.0、0.002~2.0、0.01~2.0、0.1~2.0、0.2~2.0、0.4~2.0、0.002~1.5、0.01~1.5、0.1~1.5、0.2~1.5、0.4~1.5、0.002~1.0、0.01~1.0、0.1~1.0、0.2~1.0または0.4~1.0等であってもよい。
【0038】
本発明の一態様において、甘味料組成物は、ステビア植物を反応温度130℃以上かつ下記式(1)で算出される反応過酷度が30~4000の条件で水熱処理することで得られるものであってもよい。本明細書中、「ステビア植物」には、ステビア植物の植物全体および植物の部分が包含される。「植物の部分」には、ステビア植物の葉、茎、花、根およびこれらを任意に切断したもの、並びにステビア植物の細胞および組織が包含される。
【数2】
【0039】
上記水熱処理における反応温度は、反応過酷度が上記範囲に制御できる範囲であれば特に制限されず、例えば、130℃以上、135℃以上、140℃以上、145℃以上、150℃以上、155℃以上、160℃以上、165℃以上、170℃以上、175℃以上、180℃以上、185℃以上、190℃以上、195℃以上または200℃以上等であってもよい。
反応温度の上限は、目安として、250℃以下、230℃以下または210℃以下等とすることができる。
【0040】
本発明の一態様において、反応時間は、1~120分、1~60分、1~30分、1~20分、5~120分、5~60分、5~30分または5~20分等であってもよい。
【0041】
本発明の一態様において、反応時の圧力は、反応液が液圧として飽和蒸気圧以上となる圧力とすることができる。本明細書中、「反応液」とは、水熱処理装置の反応槽内に存在する液を指し、例えば、原料であるステビア植物、反応溶媒、生成物、および任意の触媒が含まれ得る。また、飽和蒸気圧は、反応温度に依って異なるが、例えば、日本機械学会の「蒸気表」(1968年)等を参照して決定することができる。
【0042】
本発明の一態様において、上記式(1)で算出される反応過酷度は、30~4000となるように制御することができるが、それ以外にも、例えば、50~4000、100~4000、300~4000、500~4000、700~4000、900~4000、1000~4000、30~3800、50~3800、100~3800、300~3800、500~3800、700~3800、900~3800、1000~3800、30~3600、50~3600、100~3600、300~3600、500~3600、700~3600、900~3600、1000~3600、30~3400、50~3400、100~3400、300~3400、500~3400、700~3400、900~3400、1000~3400、30~3200、50~3200、100~3200、300~3200、500~3200、700~3200、900~3200、1000~3200、30~3000、50~3000、100~3000、300~3000、500~3000、700~3000、900~3000、1000~3000、30~2800、50~2800、100~2800、300~2800、500~2800、700~2800、900~2800、1000~2800、30~2600、50~2600、100~2600、300~2600、500~2600、700~2600、900~2600、1000~2600、30~2400、50~2400、100~2400、300~2400、500~2400、700~2400、900~2400または1000~2400等であってもよい。
【0043】
本発明の一態様において、甘味料組成物は、液状、ペースト状、粉末状または顆粒状等の形態であってもよい。液状またはペースト状とする場合、溶媒は、水道水、イオン交換水、軟水、蒸留水のほか、これらの水を脱気処理した脱気水などが挙げられる。
【0044】
本発明の一態様において、甘味料組成物は、本発明の効果を妨げない範囲であれば、ステビオール配糖体および香気成分以外の成分を任意に含んでいてもよい。そのような成分としては、例えば、例えば、果糖、砂糖、果糖ぶどう糖液糖、ぶどう糖、麦芽糖、高果糖液糖、糖アルコール、オリゴ糖、はちみつ、サトウキビ搾汁液(黒糖蜜)、水飴、羅漢果末、羅漢果抽出物、甘草末、甘草抽出物、ソーマトコッカスダニエリ種子末、ソーマトコッカスダニエリ種子抽出物などの天然甘味料や、アセスルファムカリウム、スクラロース、ネオテーム、アスパルテーム、サッカリンなどの人工甘味料などが挙げられる。その中でも、すっきりさ、飲みやすさ、自然な味わい、適度なコク味の付与の観点から、天然甘味料を用いることが好ましく、特に、果糖、ぶどう糖、麦芽糖、ショ糖、砂糖が好適に用いられる。これら甘味料は、1種のみを含んでもよく、複数を含んでもよい。
【0045】
2.甘味料組成物を含む飲食品
本発明は、前述した甘味料組成物を含む飲食品にも関する。本発明の飲食品は、前述した甘味料組成物を含んでいれば特に限定されない。飲食品とは、飲料および食品を意味する。好ましくは、飲食品は飲料である。
【0046】
食品は、例えば、製菓、製パン類、穀粉、麺類、飯類、農産・林産加工食品、畜産加工品、水産加工品、乳・乳製品、油脂・油脂加工品、調味料またはその他の食品素材等が挙げられる。
【0047】
飲料は、例えば、炭酸飲料、スポーツドリンク、フレーバーウォーター、果汁飲料、アルコール飲料、非アルコール飲料、ビールやノンアルコールビール等のビールテイスト飲料、コーヒー飲料、茶飲料、ココア飲料、栄養飲料、機能性飲料等が挙げられる。また、炭酸飲料としては、スパークリング飲料、コーラ、ダイエットコーラ、ジンジャーエール、サイダー、果汁フレーバー炭酸飲料および果汁風味が付与された炭酸水等が挙げられる。
【0048】
本発明の一態様において、甘味料組成物を飲料に配合する場合の配合量は、飲料中のステビオール配糖体が、例えば、1~800ppm、20~750ppm、20~700ppm、20~650ppm、20~600ppm、20~550ppm、25~550ppm、30~550ppm、35~550ppm、40~550ppm、45~550ppm、50~550ppm、55~550ppm、20~540ppm、25~540ppm、30~540ppm、35~540ppm、40~540ppm、45~540ppm、50~540ppm、55~540ppm、20~530ppm、25~530ppm、30~530ppm、35~530ppm、40~530ppm、45~530ppm、50~530ppm、55~530ppm、20~520ppm、25~520ppm、30~520ppm、35~520ppm、40~520ppm、45~520ppm、50~520ppm、55~520ppm、20~510ppm、25~510ppm、30~510ppm、35~510ppm、40~510ppm、45~510ppm、50~510ppm、55~510ppm、20~505ppm、25~505ppm、30~505ppm、35~505ppm、40~505ppm、45~505ppm、50~505ppm、55~505ppm、20~500ppm、25~500ppm、30~500ppm、35~500ppm、40~500ppm、45~500ppm、50~500ppm、55~500ppm、20~495ppm、25~495ppm、30~495ppm、35~495ppm、40~495ppm、45~495ppm、50~495ppm、55~495ppm、20~490ppm、25~490ppm、30~490ppm、35~490ppm、40~490ppm、45~490ppm、50~490ppm、55~490ppm、100~500ppm、100~400ppm、150~400ppm、200~400ppm、250~400ppm、300~400ppm、100~150ppm、100~200ppm、100~250ppmまたは100~300ppm等となるように配合してもよい。ステビオール配糖体の含有量をこの範囲とすることで、飲料に適度な甘みを付与することができる。なお、この場合の「ステビオール配糖体の配合量」は、前述の総ステビオール配糖体の配合量であってもよいし、総ステビオール配糖体に含まれる任意の1つまたは複数のステビオール配糖体の配合量であってもよい。
【0049】
本発明の一態様における飲料は、ステビオール配糖体の量が上記範囲となるようにしつつも、ステビア抽出物由来の香気成分の量が以下の範囲となるように甘味料組成物を配合してもよい。具体的には、前記香気成分の量が、0.1~300ppm、0.5~300ppm、1.0~300ppm、5.0~300ppm、10~300ppm、15~300ppm、20~300ppm、25~300ppm、30~300ppm、35~300ppm、40~300ppm、45~300ppm、50~300ppm、0.1~250ppm、0.5~250ppm、1.0~250ppm、5.0~250ppm、10~250ppm、15~250ppm、20~250ppm、25~250ppm、30~250ppm、35~250ppm、40~250ppm、45~250ppm、50~250ppm、0.1~200ppm、0.5~200ppm、1.0~200ppm、5.0~200ppm、10~200ppm、15~200ppm、20~200ppm、25~200ppm、30~200ppm、35~200ppm、40~200ppm、45~200ppm、50~200ppm、0.1~150ppm、0.5~150ppm、1.0~150ppm、5.0~150ppm、10~150ppm、15~150ppm、20~150ppm、25~150ppm、30~150ppm、35~150ppm、40~150ppm、45~150ppm、50~150ppm、0.1~100ppm、0.5~100ppm、1.0~100ppm、5.0~100ppm、10~100ppm、15~100ppm、20~100ppm、25~100ppm、30~100ppm、35~100ppm、40~100ppm、45~100ppmまたは50~100ppm等となるように配合してもよい。ステビア抽出物由来の香気成分は、例えば、フラネオール、ヒドロキシメチルフルフラール、フルフラール、バニリン、シクロテンおよびダマセノン等が挙げられ、これらの1種または複数が含まれていてもよい。前記香気成分の含有量をこの範囲とすることで、飲料に適度な甘味と香味を同時に付与することができる。好ましい態様において、香味は焙煎香であってもよい。
【0050】
本発明の一態様において、飲料は、ステビオール配糖体以外の甘味料を含んでいてもよい。そのような甘味料としては特に限定されないが、例えば、スクロース、果糖ぶどう糖液糖、エリスリトール、モグロシドV、コーンシロップ、アスパルテーム(L-フェニルアラニン化合物とも称される)、スクラロース、アセスルファムカリウム、サッカリンおよびキシリトールからなる群から選択される1種以上の甘味料をさらに含んでいてもよい。その中でも、すっきりさ、飲みやすさ、自然な味わい、適度なコク味の付与の観点から、天然甘味料を用いることが好ましく、特に、果糖ぶどう糖液糖、スクロース、コーンシロップが好適に用いられる。これら甘味成分は1種類のみ用いてもよく、また複数種類を用いてもよい。これらの甘味料は、飲料中にショ糖換算のBrixで5.0以下、4.5以下、4.0以下、3.5以下、3.0以下、2.5以下、2.0以下、1.5以下、1.0以下または0.5以下等に相当する量で含まれていてもよく、下限値は0.1以上であってもよい。
【0051】
飲料が発泡性飲料である場合、ガス圧は、2.2kgf/cm~5.0kgf/cmであってもよい。いくつかの態様において、発泡性飲料のガス圧は、2.2kgf/cm~4.5kgf/cm、2.2kgf/cm~4.0kgf/cm、2.2kgf/cm~3.5kgf/cm、2.2kgf/cm~3.3kgf/cm、2.2kgf/cm~3.2kgf/cm、2.3kgf/cm~4.0kgf/cm、2.3kgf/cm~3.5kgf/cm、2.3kgf/cm~3.2kgf/cm、3.0kgf/cm~4.0kgf/cmまたは3.0kgf/cm~3.5kgf/cm等であってもよい。発泡性飲料におけるガスの含量は、ガス圧で規定することができる。本明細書において「ガス圧」とは、特に記載がなければ、容器内の発泡性飲料の液温を20℃にし、その後一度ヘッドスペースのエアを大気開放(スニフト)した後の飲料における炭酸ガスのガス圧をいう。ガス圧の測定は、液温20℃にした飲料をガス内圧計に固定し、一度ガス内圧計活栓を開いて大気開放することでヘッドスペース内の炭酸ガスを抜いた後、再度活栓を閉じ、ガス内圧計を振り動かして指針が一定の位置に達した時の値を読み取ることにより行うことができる。本明細書においては、特に記載がなければ、当該方法を用いて発泡性飲料のガス圧を測定する。
【0052】
飲料のショ糖換算のBrixは、特に限定されないが、好ましくは1~15、より好ましくは3~14、さらに好ましくは5~13、特に好ましくは7~11である。Brixは、ショ糖(スクロース)に対するステビオール配糖体等の各甘味料の公知の甘味度と、各甘味料の含有量から計算することができる。なお、ショ糖の甘味1に対する各種甘味料の甘味の相対比は、公知の砂糖甘味換算表(例えば、ビバレッジジャパン社「飲料用語辞典」資料11頁)等から求めることができる。甘味の値が数値範囲で記載されているものや、文献によって値が異なる甘味料については、ショ糖の甘味1に対する甘味の相対比を官能試験によって定めることができる。そのような官能試験としては、例えば、Brix3.0から5.0まで0.5刻となるよう砂糖を純水に添加したサンプルを調製し、その中から所定濃度の甘味料の水溶液と同等の甘味強度を持つ砂糖添加サンプルを選択する方法が挙げられる。
【0053】
飲料は、アルコールを含有してもよい。アルコール飲料とは、アルコールを含有する飲料のことであるが、ここでいうアルコールとは、上述のとおり、特に断らない限り、エチルアルコール(エタノール)を意味する。アルコール飲料は、アルコールを含有していれば特に種類は問わない。ビール、発泡酒、チューハイやカクテルのようなアルコール含有量が0.05~40v/v%、1.0~10v/v%、2.0~9.0v/v%または3.0~8.0v/v%の飲料であってもよく、ノンアルコールビール、チューハイテイスト飲料や清涼飲料水のようなアルコール含有量が0.05v/v%未満の飲料であってもよい。いくつかの態様では、飲料はアルコール含有量が0.05v/v%未満であることが好ましく、さらに0.00v/v%であることが好ましい。なお、本明細書において、アルコール含有量は体積/体積基準の百分率(v/v%)で示されるものとする。また、飲料のアルコール含有量は、公知のいずれの方法によっても測定することができるが、例えば、振動式密度計によって測定することができる。
【0054】
飲料の風味(フレーバー)は特に限定されず、種々の風味に調整することができる。例えば、飲料は、オレンジ風味、レモン風味、ライム風味、グレープ風味、ジンジャーエール風味、カシス風味、緑茶風味、ウーロン茶風味、紅茶風味、コーヒー風味またはコーラ風味の飲料であってもよい。本発明の飲料の風味は、果汁、酸味料、香料、植物の抽出物、乳製品、その他のフレーバー等、食品添加物として認可されている成分、または認可されていなくても古くから食経験があり、一般的に安全であると認識されている成分を添加することで調整することができる。
【0055】
飲料には、本発明の効果を妨げない範囲で、各種の添加剤を配合してもよい。そのような添加剤としては、例えば、酸味料、香料、ビタミン類、色素類、酸化防止剤、乳化剤、保存料、調味料、エキス類、pH調整剤、品質安定剤等を挙げることができる。
【0056】
飲料のエネルギー(総エネルギー量)は、特に限定されないが、0~50Kcal/100ml、0~45Kcal/100ml、0~40Kcal/100ml、0~35Kcal/100ml、0~30Kcal/100ml、0~24Kcal/100ml、0~22Kcal/100ml、0~20Kcal/100ml、0~15Kcal/100ml、0~10Kcal/100ml、0~5Kcal/100ml、0.1~50Kcal/100ml、0.1~45Kcal/100ml、0.1~40Kcal/100ml、0.1~35Kcal/100ml、0.1~30Kcal/100ml、0.1~24Kcal/100ml、0.1~22Kcal/100ml、0.1~20Kcal/100ml、0.1~15Kcal/100ml、0.1~10Kcal/100ml、0.1~5Kcal/100ml、1~50Kcal/100ml、1~45Kcal/100ml、1~40Kcal/100ml、1~35Kcal/100ml、1~30Kcal/100ml、1~24Kcal/100ml、1~22Kcal/100ml、1~20Kcal/100ml、1~15Kcal/100ml、1~10Kcal/100ml、1~5Kcal/100ml、5~50Kcal/100ml、5~45Kcal/100ml、5~40Kcal/100ml、5~35Kcal/100ml、5~30Kcal/100ml、5~24Kcal/100ml、5~20Kcal/100ml、5~15Kcal/100ml、5~10Kcal/100ml、10~50Kcal/100ml、10~45Kcal/100ml、10~40Kcal/100ml、10~35Kcal/100ml、10~30Kcal/100ml、10~24Kcal/100ml、10~20Kcal/100ml、10~15Kcal/100ml、15~50Kcal/100ml、15~45Kcal/100ml、15~40Kcal/100ml、15~35Kcal/100ml、15~30Kcal/100ml、15~24Kcal/100ml、15~20Kcal/100ml、20~50Kcal/100ml、20~45Kcal/100ml、20~40Kcal/100ml、20~35Kcal/100ml、20~30Kcal/100ml、20~24Kcal/100ml、24~50Kcal/100ml、24~45Kcal/100ml、24~40Kcal/100ml、24~35Kcal/100mlまたは24~30Kcal/100ml等であってもよい。
【0057】
飲料は、加熱殺菌をされ、容器に詰められた状態の容器詰飲料として調製してもよい。容器としては、特に限定されず、例えば、PETボトル、アルミ缶、スチール缶、紙パック、チルドカップ、瓶などを挙げることができる。加熱殺菌を行う場合、その種類は特に限定されず、例えば、UHT殺菌およびレトルト殺菌等の通常の手法を用いて行うことができる。加熱殺菌工程の温度は特に限定されないが、例えば、65~130℃、好ましくは85~120℃で、10~40分である。ただし、上記の条件と同等の殺菌価が得られれば適当な温度で数秒、例えば5~30秒での殺菌でも問題はない。
【0058】
飲食品の製造方法は、上記の各成分を含む飲食品が得られれば特に限定されない。本発明の一態様によれば、飲食品の製造方法であって、ステビオール配糖体および香気成分を含む甘味料組成物を得ることと、前記甘味料組成物を飲食品またはその原料に添加することと、を含む製造方法が提供される。ステビオール配糖体および香気成分を含む甘味料組成物を得ることは、上記「1.ステビオール配糖体および香気成分を含む甘味料組成物」に記載のとおりである。前記甘味料組成物を飲食品またはその原料に添加することは、飲食品の製造工程における任意の工程で行うことができ、例えば、飲食品の原料を混合する際や、飲食品の味質の最終調整の際に行ってもよい。
【0059】
3.飲食品に甘味および香味を付与する方法
本発明は、飲食品に甘味および香味を付与する方法にも関する。具体的には、本発明は、上記「1.ステビオール配糖体および香気成分を含む甘味料組成物」で述べた甘味料組成物を飲食品(例えば、飲料)に配合することを含む、飲食品に甘味および香味を付与する方法に関する。前記組成物については、上記「1.ステビオール配糖体および香気成分を含む甘味料組成物」で述べたとおりである。本発明の一態様における前記方法によれば、前記組成物を飲食品に配合することにより、飲食品に適度な甘味および香味を同時に付与することができる。好ましい態様において、香味は焙煎香であってもよい。
また、前記組成物を飲食品に配合することは、上記「2.甘味料組成物を含む飲食品」で述べたように、例えば、飲食品の原料を混合する際や、飲食品の味質の最終調整の際に、前記組成物を飲食品またはその原料に配合してもよい。
【0060】
本発明の一態様において、本発明の甘味料組成物の飲食品への配合量は特に制限されず、所望の甘味および香味を両立して得られる範囲で配合量を適宜設定することができる。また、飲食品の種類によっても配合量は異なり、飲料の場合、前記甘味料組成物の配合量は、飲料中のステビオール配糖体および香気成分の濃度が上記「2.甘味料組成物を含む飲食品」で述べたものと同様になるように設定することができる。
【0061】
4.飲食品の甘味および香味付与剤
本発明は、飲食品の甘味および香味付与剤にも関する。また、本発明は、飲食品の甘味および香味付与用組成物であってもよい。本明細書において、「甘味および香味付与剤」または「甘味または香味付与用組成物」とは、飲食品(例えば、飲料)に添加された場合に、当該飲食品に甘味および香味を同時に付与する物質のことを意味する。本明細書において、甘味および香味付与剤についての説明は、甘味および香味付与用組成物についても当てはまる。甘味および香味付与剤は、好ましくは、飲食品に添加された際に、その飲食品に甘味および香味を適度なバランスで付与することができる。
【0062】
本発明の一態様において、甘味および香味付与剤は、上記「1.ステビオール配糖体および香気成分を含む甘味料組成物」で述べた甘味料組成物を含む。
【0063】
本発明の一態様において、甘味および香味付与剤は、液状、ペースト状、粉末状または顆粒状等の形態であってもよい。
【0064】
本発明の一態様において、甘味および香味付与剤に含まれる本発明の甘味料組成物の含有量は、甘味および香味付与剤の全重量に対して、30~100重量%、40~99重量%、50~98重量%、60~97重量%、70~96重量%または80~95重量%等であってもよい。いくつかの態様において、甘味および香味付与剤は、実質的にステビオール配糖体およびステビア抽出物由来の香気成分のみからなっていてもよい。本明細書において、「実質的にステビオール配糖体およびステビア抽出物由来の香気成分のみからなる」とは、本発明の甘味料組成物の製造過程において不可避的に含まれる他の不純物は含まれていてもよいことを意味する。例えば、甘味および香味付与剤の全重量に対して、5重量%以下、4重量%以下、3重量%以下、2重量%以下、1.5重量%以下、1.0重量%以下または0.5重量%以下等の不純物を含んでいてもよい。
【0065】
いくつかの態様において、甘味および香味付与剤は、本発明の甘味料組成物以外の成分を含んでいてもよい。そのような成分として、例えば、甘味料が挙げられる。甘味料としては、例えば、果糖、砂糖、果糖ぶどう糖液糖、ぶどう糖、麦芽糖、高果糖液糖、糖アルコール、オリゴ糖、はちみつ、サトウキビ搾汁液(黒糖蜜)、水飴、羅漢果末、羅漢果抽出物、甘草末、甘草抽出物、ソーマトコッカスダニエリ種子末、ソーマトコッカスダニエリ種子抽出物などの天然甘味料や、アセスルファムカリウム、スクラロース、ネオテーム、アスパルテーム、サッカリンなどの人工甘味料などが挙げられる。その中でも、すっきりさ、飲みやすさ、自然な味わい、適度なコク味の付与の観点から、天然甘味料を用いることが好ましく、特に、果糖、ぶどう糖、麦芽糖、ショ糖、砂糖が好適に用いられる。これら甘味料は、1種のみを含んでもよく、複数を含んでもよい。
【0066】
[例示的態様]
本発明の一態様において、
ステビオール配糖体および香気成分を含む甘味料組成物であって、
総ステビオール配糖体の含有量に対して、レバウジオシドA、レバウジオシドDおよびレバウジオシドMの合計含有量が15~80重量%であり、
前記香気成分は、フラネオールを含み、
前記総ステビオール配糖体が、レバウジオシドA、レバウジオシドB、レバウジオシドC、レバウジオシドD、レバウジオシドE、レバウジオシドF、レバウジオシドI、レバウジオシドM、レバウジオシドNおよびステビオシドからなり、
フラネオール/総ステビオール配糖体の重量比が0.001~0.8である甘味料組成物が提供される。本態様において、レバウジオシドA、レバウジオシドDおよびレバウジオシドMの合計含有量は、15~60重量%、20~60重量%、20~55重量%または20~50重量%等であってもよい。また、本態様において、フラネオール/総ステビオール配糖体の重量比は、0.02~0.5、0.04~0.5、0.05~0.5、0.02~0.25、0.04~0.25、0.05~0.25、0.02~0.2、0.04~0.2、0.05~0.2、0.02~0.1、0.04~0.1または0.05~0.1等であってもよい。
【0067】
本発明の一態様において、
ステビオール配糖体および香気成分を含む甘味料組成物であって、
総ステビオール配糖体の含有量に対して、レバウジオシドA、レバウジオシドDおよびレバウジオシドMの合計含有量が15~80重量%であり、
前記香気成分は、ヒドロキシメチルフルフラールを含み、
前記総ステビオール配糖体が、レバウジオシドA、レバウジオシドB、レバウジオシドC、レバウジオシドD、レバウジオシドE、レバウジオシドF、レバウジオシドI、レバウジオシドM、レバウジオシドNおよびステビオシドからなり、
ヒドロキシメチルフルフラール/総ステビオール配糖体の重量比が0.002~6.0である甘味料組成物が提供される。本態様において、レバウジオシドA、レバウジオシドDおよびレバウジオシドMの合計含有量は、15~60重量%、20~60重量%、20~55重量%または20~50重量%等であってもよい。また、本態様において、ヒドロキシメチルフルフラール/総ステビオール配糖体の重量比は、0.1~2.0、0.2~2.0、0.4~2.0、0.1~1.5、0.2~1.5、0.4~1.5、0.1~1.0、0.2~1.0または0.4~1.0等であってもよい。
【0068】
本発明の一態様において、
ステビオール配糖体および香気成分を含む甘味料組成物であって、
総ステビオール配糖体の含有量に対して、レバウジオシドA、レバウジオシドDおよびレバウジオシドMの合計含有量が15~80重量%であり、
前記香気成分は、フラネオールおよびヒドロキシメチルフルフラールを含み、
前記総ステビオール配糖体が、レバウジオシドA、レバウジオシドB、レバウジオシドC、レバウジオシドD、レバウジオシドE、レバウジオシドF、レバウジオシドI、レバウジオシドM、レバウジオシドNおよびステビオシドからなり、
フラネオール/総ステビオール配糖体の重量比が0.001~0.8であり、
ヒドロキシメチルフルフラール/総ステビオール配糖体の重量比が0.002~6.0である甘味料組成物が提供される。本態様において、レバウジオシドA、レバウジオシドDおよびレバウジオシドMの合計含有量は、15~60重量%、20~60重量%、20~55重量%または20~50重量%等であってもよい。また、本態様において、フラネオール/総ステビオール配糖体の重量比は、0.02~0.5、0.04~0.5、0.05~0.5、0.02~0.25、0.04~0.25、0.05~0.25、0.02~0.2、0.04~0.2、0.05~0.2、0.02~0.1、0.04~0.1または0.05~0.1等であってもよい。また、本態様において、ヒドロキシメチルフルフラール/総ステビオール配糖体の重量比は、0.1~2.0、0.2~2.0、0.4~2.0、0.1~1.5、0.2~1.5、0.4~1.5、0.1~1.0、0.2~1.0または0.4~1.0等であってもよい。
【0069】
本発明の一態様において、
ステビオール配糖体および香気成分を含む甘味料組成物であって、
総ステビオール配糖体の含有量に対して、レバウジオシドA、レバウジオシドDおよびレバウジオシドMの合計含有量が15~80重量%であり、かつレバウジオシドBを1~85重量%の割合で含み、
前記香気成分は、フラネオール、ヒドロキシメチルフルフラール、フルフラール、バニリン、シクロテンおよびダマセノンからなる群から選択される1種以上を含み、
前記総ステビオール配糖体が、レバウジオシドA、レバウジオシドB、レバウジオシドC、レバウジオシドD、レバウジオシドE、レバウジオシドF、レバウジオシドI、レバウジオシドM、レバウジオシドNおよびステビオシドからなる、甘味料組成物が提供される。本態様において、レバウジオシドA、レバウジオシドDおよびレバウジオシドMの合計含有量は、総ステビオール配糖体の含有量に対して、15~60重量%、20~60重量%、20~55重量%または20~50重量%等であってもよい。また、本態様において、レバウジオシドBの含有量は、総ステビオール配糖体の含有量に対して、15~85重量%、30~85重量%、40~85重量%、15~80重量%、30~80重量%、40~80重量%、15~75重量%、30~75重量%または40~75重量%等であってもよい。
【0070】
本発明の一態様において、
ステビオール配糖体および香気成分を含む甘味料組成物であって、
総ステビオール配糖体の含有量に対して、レバウジオシドA、レバウジオシドDおよびレバウジオシドMの合計含有量が15~80重量%であり、
前記香気成分は、フラネオール、ヒドロキシメチルフルフラール、フルフラール、バニリン、シクロテンおよびダマセノンからなる群から選択される1種以上を含み、
前記総ステビオール配糖体が、レバウジオシドA、レバウジオシドB、レバウジオシドC、レバウジオシドD、レバウジオシドE、レバウジオシドF、レバウジオシドI、レバウジオシドM、レバウジオシドNおよびステビオシドからなり、
ステビア植物を、反応温度130℃以上かつ下記式(1)で算出される反応過酷度が30~4000の条件で水熱処理することで得られる、甘味料組成物が提供される。本態様において、反応過酷度は、100~4000、500~4000、1000~4000、30~3000、100~3000、500~3000、1000~3000、30~2400、100~2400、500~2400または1000~2400等であってもよい。
【数3】
【実施例0071】
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明の内容がこれにより限定されるものではない。
【0072】
[製造例]
原料としてステビア乾燥葉(含水率:10重量%以下)の粉砕物を用い、以下の手順および条件で水熱反応処理を行った。
一般に、水熱反応の条件については反応温度および反応時間を設定するが、工業プロセスに適用する場合、実際の反応場における反応温度および反応時間を外部から精密に管理することが困難になるため、以下の式(1)で算出される反応過酷度(R0, Severity Parameter)を制御パラメータとして使用した。
【0073】
【数4】
【0074】
反応過酷度は、100℃以上の水熱反応条件において原料が受けた熱および時間の履歴をエネルギー値に換算したパラメータである。反応過酷度が一定ならば、反応温度の変動を反応時間で、反応時間の変動を反応温度で相互に調整することができる。反応過酷度の導入に成功した場合、ラボレベルで精密な反応条件を与えることができる小容量のバッチ式水熱反応器で得られたデータを工業用の連続式水熱反応装置の反応制御に適用することができる。
【0075】
SUS316製バッチ式水熱反応器(内容積:35ml)にステビア葉粉砕物を3.4g仕込み、25gのイオン交換水を加え温度センサーとともに反応機に仕込んだ。これを130、160、170、180、190℃の温度水準のソルトバスに浸漬し、反応時間0~20分、反応過酷度換算で0~4500に相当する水熱反応処理を行い、反応容器ごと冷水で急速冷却したのち分取して、生成物を分析した。反応器内部の温度履歴は挿入された温度センサーで実測し、試料の受けた反応過酷度を市販のデータロガーを用いてリアルタイムでモニタリングした。
【0076】
[実施例A]ステビオール配糖体の分解挙動の評価
水熱反応によって得られる各ステビオール配糖体の濃度を液体クロマトグラフィー質量分析(LC/MSMS)法によって求めた。測定には、島津製作所社製M8050 (UPLC:Nexsera)に、Phenomenex社製SecurityGurdTM Ultra AJ0-9502 C18 for 2.1 mm ID ガードカラムおよび島津製作所社製Shim-pack XR-ODSII(2.0 x 150 mm)カラムを適用した。
サンプル希釈には30%(v/v)アセトニトリルを用い、注入量を1μLとして、カラムオーブン温度40℃の条件下で送液モードisocraticを選択し、移動相Aとして超純水0.1%(v/v)ギ酸混液を0.34 ml/min、移動相Bとして前記アセトニトリルを0.16 ml/minで送液した。検出時間は13分であった。図1に、例2を除くサンプルについて反応過酷度に対するステビオール配糖体の分解挙動を示した。また、図2に、例1および2を除くサンプルについて図1の反応過酷度を対数で表示したグラフを示した。表1~3に、測定した各水準に係る反応条件およびステビオール配糖体の分析結果を示した。なお、図1および2において、縦軸の「配糖体回収率」は、ステビア植物を温水抽出した場合の回収率を100%とした際の回収率である。また、例1は、水熱処理を行わずにイオン交換水を用いて温水抽出を行ったサンプルである。
【0077】
【表1】
【表2】
【表3】
【0078】
図1に示すように、RebA、RebDおよびRebMの回収率は、反応温度がどのような水準であっても、反応過酷度に依存することが分かった。また、図2に示すように、各ステビオール配糖体の収率は反応過酷度に対して直線関係にあり、反応温度に依らず、反応エネルギーに対して線形の関係を示すことが分かった。
この結果から、反応過酷度の上昇に伴ってステビア植物から溶出したステビオール配糖体が加水分解されることが示唆された。また、対数近似されたように、ステビオール配糖体の収率は、反応過酷度(対数)に対してリニアな関係にあり、反応温度の水準に依らず、反応エネルギーに対して線形の関係が保たれていた。
【0079】
[実施例B]香気成分の生成挙動の評価
LC/MSMSを用いてフラネオールおよびヒドロキシメチルフルフラールの生成挙動を評価した。測定には、島津製作所社製M8050 (UPLC:Nexsera)に、Phenomenex社製SecurityGurdTM Ultra AJ0-9502 C18 for 2.1 mm ID ガードカラムおよび島津製作所社製Shim-pack XR-ODSII(2.0 x 150 mm)カラムを適用した。
サンプル希釈には30%(v/v)アセトニトリルを用い、注入量を1μLとして、カラムオーブン温度40℃の条件下で送液モードbinary gradientを選択し、移動相Aとして超純水0.1%(v/v)ギ酸混液を、移動相Bとして前記アセトニトリルを0.5 ml/minで送液した。検出時間は12分であった。結果を図3および4に示した。表4に、フラネオールおよびヒドロキシメチルフルフラールの濃度をそれぞれ示した。
また、水熱反応によって生成される各香気成分の挙動をガスクロマトグラフィー質量分析(GC/MS)法によっても評価した。試料導入はダイナミックヘッドスペース(DHS)法により行い、表5に示す条件で香気成分の測定を行った。測定した各サンプルの水熱反応の条件は、上記表1に示したものと同じである。表6に、測定した各香気成分の内部標準物質に対するピーク面積比(ISTD比、10倍希釈)を示した。
【0080】
【表4】
【表5】
【表6】
【0081】
図3および4に示すように、フラネオールおよびヒドロキシメチルフルフラールの生成は反応過酷度に依存して増加することが分かった。この結果から、反応過酷度の上昇に伴ってステビア植物から溶出したステビオール配糖体および/または還元糖とタンパク質等のアミン供与体がメイラード反応を起こし、メイラード反応に由来する香気成分が得られることが示唆された。
【0082】
[実施例C]甘味および香味の官能評価
それぞれ反応過酷度が異なる表7に示す水準の抽出液を用いて、本発明に係る甘味料組成物の甘味および香味を評価した。表7に示す水準は、いずれも実施例AおよびBで使用したものと同じである。各水準に係る抽出液を重量基準で50倍のイオン交換水で希釈し、官能評価用のサンプルとした。各サンプルを、官能に関して訓練を受けた者(4名)がパネラーとなって下記の基準で評価した。評価は吐き出しで行い、各サンプルを口に含む前に4回以上口を漱いで実施した。表8および9に、甘味および焙煎香の2項目の評価結果をそれぞれ示した。
【0083】
【表7】
評価基準
スコア1:甘味または焙煎香を感じない
スコア2:甘味または焙煎香をやや感じる
スコア3:甘味または焙煎香を強く感じる
【0084】
【表8】
【表9】
【0085】
この結果から、例2、4、8および11のサンプルには、甘味および焙煎香が両立的に付与されていることが確認された。
図1
図2
図3
図4