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特開2022-189036制御装置、制御システム、および制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022189036
(43)【公開日】2022-12-22
(54)【発明の名称】制御装置、制御システム、および制御方法
(51)【国際特許分類】
   H04S 7/00 20060101AFI20221215BHJP
【FI】
H04S7/00 340
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021097371
(22)【出願日】2021-06-10
(71)【出願人】
【識別番号】000241500
【氏名又は名称】トヨタ紡織株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】早川 太揮
(72)【発明者】
【氏名】久次米 美紀
(72)【発明者】
【氏名】坂田 大
【テーマコード(参考)】
5D162
【Fターム(参考)】
5D162AA09
5D162CC04
5D162CC19
5D162CD25
5D162CD31
5D162DA02
5D162DA04
5D162DA06
5D162EG06
(57)【要約】
【課題】(i)ユーザが装着するある音声出力装置からの出力音の音像の位置と、(ii)他の音声出力装置の出力音の音像の位置と、を統括的に制御する。
【解決手段】制御装置(10)は、所定空間内に滞在している複数のユーザそれぞれについての、頭の位置を示す位置情報と頭の向きを示す向き情報とを検出装置(20)から取得する情報取得部(11)と、複数のユーザがそれぞれ装着しているヘッドホン(31)の出力音の音像の位置を決定する音像位置決定部(13)と、音像位置決定部(13)が決定した位置に出力音の音像が形成されるように、複数のユーザそれぞれの頭の位置と頭の向きとに基づいてヘッドホン(31)それぞれの出力を制御する出力制御部(14)と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定空間内に滞在している複数のユーザそれぞれについての、頭の位置を示す位置情報と頭の向きを示す向き情報とを検出装置から取得する情報取得部と、
前記複数のユーザがそれぞれ装着している第1出力装置の出力音の音像の位置を決定する音像位置決定部と、
前記音像位置決定部が決定した位置に前記出力音の音像が形成されるように、前記複数のユーザそれぞれの頭の位置と頭の向きとに基づいて、前記第1出力装置それぞれの出力を制御する出力制御部と、を備えることを特徴とする、制御装置。
【請求項2】
前記音像位置決定部は、前記第1出力装置それぞれの出力音の音像の位置が同じ位置になるように当該音像の位置を決定することを特徴とする、請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記所定空間内に配置された、または、前記ユーザに装着されたマイクから、前記複数のユーザいずれかの発話の音声を取得する音声取得部を備え、
前記音声取得部が前記発話の音声を取得した場合、
前記音像位置決定部は、前記発話を行ったユーザの頭の位置と頭の向きとに基づいて、前記発話を行ったユーザの近傍が前記第1出力装置それぞれの出力音の音像の位置になるように当該音像の位置を決定し、
前記出力制御部は、前記第1出力装置それぞれから前記音声取得部が取得した前記発話の音声を出力させることを特徴とする、請求項2に記載の制御装置。
【請求項4】
前記音像位置決定部は、前記第1出力装置それぞれの出力音の音像の位置を個別に決定することを特徴とする、請求項1に記載の制御装置。
【請求項5】
前記音像位置決定部は、前記第1出力装置に特定の音声を出力させる場合に、前記第1出力装置それぞれの音像の位置を決定し、
前記出力制御部は、前記音像位置決定部が決定した位置に前記特定の音声の音像が形成されるように、前記第1出力装置それぞれの出力を制御することを特徴とする、請求項1~4のいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項6】
前記検出装置は、前記複数のユーザそれぞれの状態を特定するための状態情報を測定または取得するための状態センサを含んでおり、
前記情報取得部は、各ユーザの前記状態情報を取得し、
前記制御装置は、前記各ユーザの前記状態情報に基づいて、前記第1出力装置の出力音を決定する音声決定部を備えることを特徴とする、請求項1~5のいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項7】
所定空間内に滞在している複数のユーザそれぞれについての、頭の位置を示す位置情報と頭の向きを示す向き情報とを検出装置から取得する情報取得部と、
前記複数のユーザの少なくともいずれかが装着している第1出力装置の出力音の音像の位置と、前記所定空間内に配置された第2出力装置の出力音の音像の位置と、を決定する音像位置決定部と、
前記音像位置決定部が決定した位置に前記出力音の音像が形成されるように、前記複数のユーザそれぞれの頭の位置と頭の向きとに基づいて、前記第1出力装置および前記第2出力装置それぞれの出力を制御する出力制御部と、を備えることを特徴とする、制御装置。
【請求項8】
前記音像位置決定部は、前記第1出力装置および前記第2出力装置の出力音の音像の位置が同じ位置になるように、前記第1出力装置および前記第2出力装置の出力音の音像の位置を決定することを特徴とする、請求項7に記載の制御装置。
【請求項9】
前記所定空間内に配置された、または、前記ユーザに装着されたマイクから、前記複数のユーザいずれかの発話の音声を取得する音声取得部を備え、
前記音声取得部が前記発話の音声を取得した場合、
前記音像位置決定部は、前記発話を行ったユーザの頭の位置と頭の向きとに基づいて、前記発話を行ったユーザの近傍が前記第1出力装置および前記第2出力装置それぞれの出力音の音像の位置になるように当該音像の位置を決定し、
前記出力制御部は、前記第1出力装置および前記第2出力装置それぞれから前記音声取得部が取得した前記発話の音声を出力させることを特徴とする、請求項8に記載の制御装置。
【請求項10】
前記音像位置決定部は、前記第1出力装置および前記第2出力装置それぞれの出力音の音像の位置を個別に決定することを特徴とする、請求項7に記載の制御装置。
【請求項11】
前記音像位置決定部は、前記第1出力装置および前記第2出力装置に特定の音声を出力させる場合に、前記第1出力装置および前記第2出力装置それぞれの音像の位置を決定し、
前記出力制御部は、前記音像位置決定部が決定した位置に前記特定の音声の音像が形成されるように、前記第1出力装置および前記第2出力装置それぞれの出力を制御することを特徴とする、請求項7~10のいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項12】
前記検出装置は、前記複数のユーザそれぞれの状態を特定するための状態情報を測定または取得するための状態センサを含んでおり、
前記情報取得部は、各ユーザの前記状態情報を取得し、
前記制御装置は、前記各ユーザの前記状態情報に基づいて、前記第1出力装置および前記第2出力装置の出力音を決定する音声決定部と、を備えることを特徴とする、請求項7~11のいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項13】
請求項1~6のいずれか1項に記載の制御装置と、
前記検出装置と、
複数の前記第1出力装置と、を含むことを特徴とする、制御システム。
【請求項14】
請求項7~12のいずれか1項に記載の制御装置と、
前記検出装置と、
前記第1出力装置と、
前記第2出力装置と、を含むことを特徴とする、制御システム。
【請求項15】
所定空間内に滞在している複数のユーザそれぞれについての、頭の位置を示す位置情報と頭の向きを示す向き情報とを検出装置から取得する情報取得ステップと、
前記複数のユーザがそれぞれ装着している第1出力装置の出力音の音像の位置を決定する音像位置決定ステップと、
前記音像位置決定ステップにおいて決定された位置に前記出力音の音像が形成されるように、前記複数のユーザそれぞれの頭の位置と頭の向きとに基づいて、前記第1出力装置それぞれの出力を制御する出力制御ステップと、を含むことを特徴とする、制御方法。
【請求項16】
所定空間内に滞在している複数のユーザそれぞれについての、頭の位置を示す位置情報と頭の向きを示す向き情報とを検出装置から取得する情報取得ステップと、
前記複数のユーザの少なくともいずれかが装着している第1出力装置の出力音の音像の位置と、前記所定空間内に配置された第2出力装置の出力音の音像の位置と、を決定する音像位置決定ステップと、
前記音像位置決定ステップにおいて決定された位置に前記出力音の音像が形成されるように、前記複数のユーザそれぞれの頭の位置と頭の向きとに基づいて、前記第1出力装置および前記第2出力装置それぞれの出力を制御する出力制御ステップと、を含むことを特徴とする、制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は制御装置、制御システム、および制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、特許文献1および特許文献2に記載の技術のように、音声出力装置の出力音の音像を制御する技術が種々開発されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平5-183998号公報
【特許文献2】特開平5-336599号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記特許文献1および2に記載の技術は、1台のヘッドホンからの出力音の音像の位置を制御する技術である。換言すると、前記特許文献1および2に記載の技術はそれぞれ、ある音声出力装置単体での音像の位置の制御方法を開示しているにすぎない。
【0005】
本開示の一態様は、(i)ユーザが装着するある音声出力装置からの出力音の音像の位置と、(ii)他の音声出力装置からの出力音の音像の位置と、を統括的に制御することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記の課題を解決するために、本発明の態様1に係る制御装置は、所定空間内に滞在している複数のユーザそれぞれについての、頭の位置を示す位置情報と頭の向きを示す向き情報とを検出装置から取得する情報取得部と、前記複数のユーザがそれぞれ装着している第1出力装置の出力音の音像の位置を決定する音像位置決定部と、前記音像位置決定部が決定した位置に前記出力音の音像が形成されるように、前記複数のユーザそれぞれの頭の位置と頭の向きとに基づいて、前記第1出力装置それぞれの出力を制御する出力制御部と、を備える。
【0007】
前記構成によれば、複数のユーザが装着している複数の第1出力装置の出力音の音像の位置を、統括的に制御することができる。換言すると、前記構成によれば、(i)とあるユーザが装着している第1出力装置からの出力音の音像の位置と、(ii)当該とあるユーザ以外の他のユーザが装着している他の第1出力装置からの出力音の音像の位置と、を統括的に制御することができる。
【0008】
本発明の態様2に係る制御装置は、前記態様1において、前記音像位置決定部は、前記第1出力装置それぞれの出力音の音像の位置が同じ位置になるように当該音像の位置を決定してもよい。
【0009】
前記構成によれば、第1出力装置を装着している複数のユーザに、あたかも同じ位置から音が聞こえているように感じさせることができる。
【0010】
本発明の態様3に係る制御装置は、前記態様2において、前記所定空間内に配置された、または、前記ユーザに装着されたマイクから、前記複数のユーザいずれかの発話の音声を取得する音声取得部を備え、前記音声取得部が前記発話の音声を取得した場合、前記音像位置決定部は、前記発話を行ったユーザの頭の位置と頭の向きとに基づいて、前記発話を行ったユーザの近傍が前記第1出力装置それぞれの出力音の音像の位置になるように当該音像の位置を決定し、前記出力制御部は、前記第1出力装置それぞれから前記音声取得部が取得した前記発話の音声を出力させてもよい。
【0011】
前記構成によれば、音像位置決定部により、各第1出力装置の出力音声の音像位置が発話者の近傍に決定される。そして、出力制御部により、各第1出力装置から、音声取得部が取得した発話の音声を出力させることができる。これにより、所定空間内において、各ユーザの発話を聞き取り易くすることができる。
【0012】
本発明の態様4に係る制御装置は、前記態様1において、前記音像位置決定部は、前記第1出力装置それぞれの出力音の音像の位置を個別に決定してもよい。
【0013】
前記の構成によれば、第1出力装置それぞれの出力音の音像位置を個別に決定できる。これにより、各ユーザに、個々人に応じた位置から音が聞こえているように感じさせることができる。
【0014】
本発明の態様5に係る制御装置は、前記態様1~態様4のいずれか一態様において、前記音像位置決定部は、前記第1出力装置に特定の音声を出力させる場合に、前記第1出力装置それぞれの音像の位置を決定し、前記出力制御部は、前記音像位置決定部が決定した位置に前記特定の音声の音像が形成されるように、前記第1出力装置それぞれの出力を制御してもよい。
【0015】
前記構成によれば、特定の音声の音像を複数の第1出力装置から出力させるときに、その出力音の音像の位置を制御することができる。
【0016】
本発明の態様6に係る制御装置は、前記態様1~態様5のいずれか一態様において、前記検出装置は、前記複数のユーザそれぞれの状態を特定するための状態情報を測定または取得するための状態センサを含んでおり、前記情報取得部は、各ユーザの前記状態情報を取得し、前記制御装置は、前記各ユーザの前記状態情報に基づいて、前記第1出力装置の出力音を決定する音声決定部を備えていてもよい。
【0017】
前記の構成によれば、ユーザの状態に応じた適切な音声を出力させることができる。
【0018】
前記の課題を解決するために、本発明の態様7に係る制御装置は、所定空間内に滞在している複数のユーザそれぞれについての、頭の位置を示す位置情報と頭の向きを示す向き情報とを検出装置から取得する情報取得部と、前記複数のユーザの少なくともいずれかが装着している第1出力装置の出力音の音像の位置と、前記所定空間内に配置された第2出力装置の出力音の音像の位置と、を決定する音像位置決定部と、前記音像位置決定部が決定した位置に前記出力音の音像が形成されるように、前記複数のユーザそれぞれの頭の位置と頭の向きとに基づいて、前記第1出力装置および前記第2出力装置それぞれの出力を制御する出力制御部と、を備える。
【0019】
前記構成によれば、ユーザが装着している第1出力装置の出力音の音像の位置と、所定空間内に配置された第2出力装置の出力音の音像の位置と、を統括的に制御することができる。
【0020】
本発明の態様8に係る制御装置は、前記態様7において、前記音像位置決定部は、前記第1出力装置および前記第2出力装置の出力音の音像の位置が同じ位置になるように、前記第1出力装置および前記第2出力装置の出力音の音像の位置を決定してもよい。
【0021】
前記構成によれば、第1出力装置を装着しているユーザと、第2出力装置からの出力音を聞くユーザとで、あたかも同じ位置から音が聞こえているように感じさせることができる。
【0022】
本発明の態様9に係る制御装置は、前記態様8において、前記所定空間内に配置された、または、前記ユーザに装着されたマイクから、前記複数のユーザいずれかの発話の音声を取得する音声取得部を備え、前記音声取得部が前記発話の音声を取得した場合、前記音像位置決定部は、前記発話を行ったユーザの頭の位置と頭の向きとに基づいて、前記発話を行ったユーザの近傍が前記第1出力装置および前記第2出力装置それぞれの出力音の音像の位置になるように当該音像の位置を決定し、前記出力制御部は、前記第1出力装置および前記第2出力装置それぞれから前記音声取得部が取得した前記発話の音声を出力させてもよい。
【0023】
前記構成によれば、音像位置決定部により、第1出力装置および第2出力装置の出力音声の音像位置が発話者の近傍に決定される。そして、出力制御部により、第1出力装置および第2出力装置から、音声取得部が取得した発話の音声を出力させることができる。これにより、所定空間内において、各ユーザの発話を聞き取り易くすることができる。
【0024】
本発明の態様10に係る制御装置は、前記態様7において、前記音像位置決定部は、前記第1出力装置および前記第2出力装置それぞれの出力音の音像の位置を個別に決定してもよい。
【0025】
前記の構成によれば、第1出力装置および第2出力装置それぞれの出力音の音像位置を個別に決定できる。これにより、各ユーザに、個々人に応じた位置から音が聞こえているように感じさせることができる。
【0026】
本発明の態様11に係る制御装置は、前記態様7~態様10のいずれか一態様において、前記音像位置決定部は、前記第1出力装置および前記第2出力装置に特定の音声を出力させる場合に、前記第1出力装置および前記第2出力装置それぞれの音像の位置を決定し、前記出力制御部は、前記音像位置決定部が決定した位置に前記特定の音声の音像が形成されるように、前記第1出力装置および前記第2出力装置それぞれの出力を制御してもよい。
【0027】
前記構成によれば、特定の音声の音像を第1出力装置および第2出力装置から出力させるときに、その出力音の音像の位置を制御することができる。
【0028】
本発明の態様12に係る制御装置は、前記態様7~態様11のいずれか一態様において、前記検出装置は、前記複数のユーザそれぞれの状態を特定するための状態情報を測定または取得するための状態センサを含んでおり、前記情報取得部は、各ユーザの前記状態情報を取得し、前記制御装置は、前記各ユーザの前記状態情報に基づいて、前記第1出力装置および前記第2出力装置の出力音を決定する音声決定部を備えていてもよい。
【0029】
前記の構成によれば、ユーザの状態に応じた適切な音声を出力させることができる。
【0030】
前記の課題を解決するために、本発明の態様13に係る制御システムは、前記態様1~態様6のいずれか一態様に係る制御装置と、前記検出装置と、前記複数の第1出力装置と、を含む。前記の構成によれば、前記態様1~態様6のいずれか一態様に係る制御装置と同様の効果を奏する。
【0031】
前記の課題を解決するために、本発明の態様14に係る制御システムは、前記態様7~態様12のいずれか一態様に係る制御装置と、前記検出装置と、前記第1出力装置と、前記第2出力装置と、を含む。前記の構成によれば、前記態様7~態様12のいずれか一態様に係る制御装置と同様の効果を奏する。
【0032】
前記の課題を解決するために、本発明の態様15に係る制御方法は、所定空間内に滞在している複数のユーザそれぞれについての、頭の位置を示す位置情報と頭の向きを示す向き情報とを検出装置から取得する情報取得ステップと、前記複数のユーザがそれぞれ装着している第1出力装置の出力音の音像の位置を決定する音像位置決定ステップと、前記音像位置決定ステップにおいて決定された位置に前記出力音の音像が形成されるように、前記複数のユーザそれぞれの頭の位置と頭の向きとに基づいて、前記第1出力装置それぞれの出力を制御する出力制御ステップと、を含む。前記の構成によれば、前記態様1に係る制御装置と同様の効果を奏する。
【0033】
前記の課題を解決するために、本発明の態様16に係る制御方法は、所定空間内に滞在している複数のユーザそれぞれについての、頭の位置を示す位置情報と頭の向きを示す向き情報とを検出装置から取得する情報取得ステップと、前記複数のユーザの少なくともいずれかが装着している第1出力装置の出力音の音像の位置と、前記所定空間内に配置された第2出力装置の出力音の音像の位置と、を決定する音像位置決定ステップと、前記音像位置決定ステップにおいて決定された位置に前記出力音の音像が形成されるように、前記複数のユーザそれぞれの頭の位置と頭の向きとに基づいて、前記第1出力装置および前記第2出力装置それぞれの出力を制御する出力制御ステップと、を含む。前記の構成によれば、前記態様7に係る制御装置と同様の効果を奏する。
【発明の効果】
【0034】
本開示の一態様によれば、(i)ユーザが装着するある音声出力装置からの出力音の音像の位置と、(ii)他の音声出力装置の出力音の音像の位置と、を統括的に制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1】実施形態1に係る制御システムの動作の概要を示す図である。
図2】実施形態1に係る制御システムの要部構成の一例を示すブロック図である。
図3】実施形態1に係る車両の内部空間の概要の一例と、検出装置、ヘッドホン31、およびスピーカの位置関係の一例と、を示す図である。
図4】実施形態1における乗員の頭の位置および頭の向きと、音像の位置との関係を車内空間座標上で示した図である。
図5】実施形態1に係る制御装置が実行する処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図6】実施形態2に係る制御システムの動作の概要を示す図である。
図7】実施形態2における乗員の頭の位置および頭の向きと、音像の位置との関係を車内空間座標上で示した図である。
図8】実施形態3に係る制御装置が実行する処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図9】実施形態3に係る制御システムの動作の概要を示す図である。
図10】実施形態3に係る制御システムの要部構成の一例を示すブロック図である。
図11】実施形態3における乗員の頭の位置および頭の向きと、音像の位置との関係を車内空間座標上で示した図である。
図12】実施形態3に係る制御装置が実行する処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0036】
本開示に係る制御システムは、所定空間内に存在する複数の音声出力装置を統括的に制御するシステムである。制御システムは、各音声出力装置の出力を制御することによって、前述の所定空間内の人間が出力音を聞いたときに知覚する音像の位置を制御する。
【0037】
なお、本開示における「所定空間」とは、移動体の内部空間および建物の内部空間などの、人間が滞在可能な広さの空間のことを示す。移動体とは、例えば自動車、飛行機、および電車等である。また、建物とは、映画館、商業施設、および住宅等である。
【0038】
また、本開示における「音像」とは、人間の感覚上の音源のことを示す。したがって、本開示において、ある音の「音像の位置」とは、人間が「この音の音源はここだ」と知覚した位置のことを示している。なお、音像の位置と実際の音源の位置とは必ずしも一致しない。したがって、ある音の音像の位置が、該ある音の仮想的な音源の位置である場合もある。
【0039】
また、本開示において制御システムで制御対象となる「音声出力装置」は、第1出力装置と第2出力装置に分類される。第1出力装置は、例えば、ユーザが装着している音声出力装置である。第1出力装置は、例えば、ヘッドホンおよびイヤホン等で実現できる。これに対し、第2出力装置は、所定空間内に配置されている音声出力装置である。第2出力装置は、例えば、車載スピーカ、およびテレビと一体に構成されたスピーカ等で実現できる。
【0040】
本開示に係る制御システムは、複数の第1出力装置を制御する。もしくは、本開示に係る制御システムは、1台以上の第1出力装置と、1台以上の第2出力装置とを制御する。以下、本開示に係る制御システムの種々の実施形態について、具体的に説明する。
【0041】
なお、以降の各実施形態では、「所定空間」とは、ある車両の内部空間であることとする。すなわち、所定空間に滞在しているユーザとは、車両の乗員であることとする。また、以降の各実施形態では、第1出力装置は乗員が装着しているヘッドホンであり、第2出力装置は車両の内部空間に配置されたスピーカであることとする。また、以降の各実施形態では、車両に運転手1人を含む計4人の乗員が乗っていることとする。そして、運転手以外の3人がそれぞれヘッドホンを装着していることとする。しかしながら、本開示の構成はこれらの具体例に限定されない。
【0042】
また、以降の各実施形態では、ヘッドホンおよびスピーカから、それぞれ個別に、何らかの音声データが出力されているものと仮定して説明する。しかしながら、本開示の構成はこれに限定されない。例えば、ヘッドホンおよびスピーカに同じ音声データを出力させている場合であっても、以下で説明する実施形態の構成は適用可能である。また例えば、制御システムは、ヘッドホンおよびスピーカから音声を出力するタイミングで、前述したように音像の位置を制御する構成であってもよい。
【0043】
〔実施形態1〕
≪概要≫
本実施形態に係る制御システムは、複数の音声出力装置(すなわち、複数のヘッドホン、または1台以上のヘッドホンおよび1台以上のスピーカ)をそれぞれ制御することによって、当該複数の音声出力装置からの出力音の音像を、車両内の同じ位置に形成させる点を特徴とする。
【0044】
図1は、本実施形態に係る制御システム100の動作の概要を示す図である。図1の例では、車両1の内部空間に設けられた座席に、制御システム100におけるユーザである乗員A~Dの4人が座っている。乗員Bはヘッドホン31b、乗員Cはヘッドホン31c、乗員Dはヘッドホン31dをそれぞれ装着している。また、乗員Aの近傍にはスピーカ32aおよび32eが配置されている。
【0045】
制御システム100は、例えば図1のような位置関係にあるヘッドホン31b~31dと、スピーカ32aおよび32eの出力音の音像の位置をそれぞれ制御する。制御システム100は、各乗員の頭の位置および向きに基づいて、各乗員の装着しているヘッドホン、および/または各乗員の近傍に配置されたスピーカを制御する。
【0046】
図1の例では、制御システム100は、ヘッドホン31b~31dと、スピーカ32aおよび32eの出力音の音像が、いずれも、図示の範囲R1の位置に形成されるようにヘッドホン31b~31dと、スピーカ32aおよび32eを制御する。これにより、それぞれ異なる音声出力装置からの出力音を聞いている乗員A~Dに、あたかも全員同じ位置から音が聞こえているように感じさせることができる。
【0047】
≪要部構成≫
次に、制御システム100の具体的な構成について説明する。図2は、本実施形態に係る制御システム100の要部構成の一例を示すブロック図である。図2の例では、制御システム100は、制御装置10と、検出装置20と、記憶装置30と、ヘッドホン31と、スピーカ32と、を含んでいる。
【0048】
なお、ヘッドホン31は1台以上のヘッドホンの総称であり、スピーカ32は1台以上のスピーカの総称である。より具体的には、本実施形態では、ヘッドホン31とは、図1に示したヘッドホン31b、31c、および31dである。また、制御システム100において記憶装置30は必須の構成ではない。制御装置10は、検出装置20、記憶装置30、ヘッドホン31、およびスピーカ32とそれぞれ有線または無線で通信接続している。
【0049】
図2の例では、制御装置10、検出装置20、記憶装置30、およびスピーカ32は、車両1の内部空間に配置されている。また、車両1の内部空間に滞在しているユーザがヘッドホン31を装着している。車両1の構造と、検出装置20、ヘッドホン31、およびスピーカ32の位置関係は、後で詳述する。
【0050】
(検出装置20)
検出装置20は、車両1の内部空間に配置された1台以上の装置群である。検出装置20に含まれる各装置は、ユーザの頭の位置を示す情報(位置情報)と、ユーザの頭の向きを示す情報(向き情報)の少なくとも一方を検出し、制御装置10に送信する。検出装置20は位置情報を検出可能な装置を1台以上と、向き情報を検出可能な装置を1台以上含んでいる。これにより、検出装置20は装置群全体として、位置情報と、向き情報とを検出して、制御装置10に送信することができる。
【0051】
なお、「位置情報」は、ユーザの頭の位置が特定可能な情報であれば、その形式は特に限定されない。また、「向き情報」も、ユーザの頭の向きが特定可能な情報であれば、その形式は特に限定されない。また、検出装置20に含まれる各種装置の具体的構成も、図2の例に限定されない。
【0052】
図2の例では、検出装置20は、カメラ21と、ジャイロセンサ22とを含む。カメラ21は、例えばユーザの上半身を撮影して、撮影画像を制御装置10に送信する。なお、この撮影画像は静止画であってもよいし、動画であってもよい。詳しくは後述するが、撮影画像を受信した制御装置10は、当該撮影画像と車両1の内部空間の構造とに基づいて、当該内部空間でのユーザの頭の位置および頭の向きを特定することができる。したがって、カメラ21の撮影画像は、位置情報であり、向き情報である。
【0053】
ジャイロセンサ22は、ヘッドホン31に内蔵されたセンサである。ジャイロセンサ22はヘッドホン31とともにユーザに装着されることで、ユーザの頭の傾き(すなわち、頭の向き)を示す値を検出することができる。したがって、ジャイロセンサ22の測定情報は、向き情報である。
【0054】
(車両1の構造と装置の位置関係)
図3は、本実施形態に係る車両1の内部空間の概要の一例と、検出装置20、ヘッドホン31、およびスピーカ32の位置関係の一例と、を示す図である。なお、図3では車両1の進行方向を「前」と定義している。前後左右の方向については、図示の通りである。また、車両1の天井に向かう方向を上方向、車両1の床面に向かう方向を下方向と定義する。
【0055】
図3の例では、車両1の内部空間Rに、座席ST1~ST4の4つの座席が設けられている。そして、乗員A、乗員B、乗員C、および乗員Dの4人が、図3に示すようにそれぞれ座席に座っている。
【0056】
カメラ21は、座席ST1~ST4に座った乗員の上半身(もしくは、首から上)が撮影可能な位置に設けられる。例えば、図3に示すように、カメラ21は車両1の前方中央から、後方を撮影するようなアングルで配置される。なお、カメラ21は車両1の天井や壁面等に複数備えられていてもよい。また360°カメラをカメラ21として、車両1の前後中央かつ左右中央の場所に配置してもよい。
【0057】
図3の例も、図2の例と同様に、乗員Bはヘッドホン31b、乗員Cはヘッドホン31c、乗員Dはヘッドホン31dをそれぞれ装着している。ヘッドホン31b~31dはそれぞれ、図2のヘッドホン31の一例である。前述の通り、各ヘッドホンには、検出装置20の一部であるジャイロセンサ22が搭載されていてもよい。図3の例では、ヘッドホン31b~31dの位置にジャイロセンサ22が存在することとなる。
【0058】
図3の例では、車両1の内部空間には、スピーカ32a~32hが配置されている。スピーカ32a~32hはそれぞれ、図2のスピーカ32の一例である。スピーカ32a~32hは例えば、以下のように配置される。すなわち、スピーカ32aは、車両1の前方右側のドアに配置される。スピーカ32bは、車両1の前方左側のドアに配置される。スピーカ32cは、車両1の後方右側のドアに配置される。スピーカ32dは、車両1の後方左側のドアに配置される。スピーカ32eは、車両1の前方のインストルメントパネル等に配置される。スピーカ32fは、車両1内の天井の中央部分に配置される。スピーカ32gは、座席ST3の後方に配置される。スピーカ32hは、座席ST4の後方に配置される。なお、スピーカ32の個数と配置位置は、適宜変更可能である。
【0059】
(ヘッドホン31とスピーカ32)
再び図2を参照して説明する。ヘッドホン31は、出力音の音像の位置を調整することが可能な構成を有したヘッドホンである。ヘッドホン31は、制御装置10の制御にしたがって音を出力する。例えば、ヘッドホン31は、その内部に複数(例えば9個)のスピーカを搭載した装置であってもよい。この場合、ヘッドホン31に含まれるスピーカそれぞれの音量および出力タイミング等を調節することによって、ヘッドホン31からの出力音の音像位置を調整することができる。
【0060】
スピーカ32は、出力音の音像位置を調整することが可能な構成を有したスピーカである。スピーカ32は、制御装置10の制御にしたがって音を出力する。スピーカ32は1台で、または複数台が共働することで音像を形成する。
【0061】
(記憶装置30)
記憶装置30は、制御装置10の動作に必要な各種データを記憶している。また、記憶装置30はヘッドホン31および/またはスピーカ32に出力させるための音源データを記憶していてもよい。より具体的には、音源データは、例えば音楽、案内提供または情報提供のためのナビ音声、ブザー等の警告音などのデータであってよい。なお、記憶装置30は、図2に示すように制御装置10の外部装置であってもよいし、制御装置10に内蔵されている記憶部であってもよい。
【0062】
(制御装置10)
制御装置10は、検出装置20から取得した情報に基づいて、ヘッドホン31およびスピーカ32を制御する。制御装置10は、情報取得部11と、座標処理部12と、音像位置決定部13と、出力制御部14と、を含む。
【0063】
情報取得部11は、検出装置20の各種装置から位置情報および向き情報を受信する。情報取得部11は受信した位置情報および向き情報を座標処理部12に出力する。
【0064】
座標処理部12は、各乗員の頭の位置および向きを、車両1の内部空間を表す3次元座標上の数値またはベクトルとして特定する。座標処理部12は、位置特定部121および方向特定部122を含む。以降、「車両1の内部空間を表す3次元座標」のことを、単に「車内空間座標」と称する。なお、一般的に「ベクトル」とは大きさと方向を有するが、本開示において、頭の向きを示すベクトルは、方向成分が特定できるのであれば大きさは任意であってよい。
【0065】
位置特定部121は、位置情報から車内空間座標における各乗員の頭の位置を特定する。位置特定部121は特定した頭の位置を車内空間座標にプロットする。なお、頭の位置は1点の座標で示されてもよいし、座標値の範囲で示されてもよい。
【0066】
方向特定部122は、向き情報から車内空間座標における各乗員の頭の向きを特定する。例えば、方向特定部122は、各乗員の頭の向きを、当該車内空間座標におけるベクトルとして、車内空間座標にプロットする。位置特定部121における頭の位置の特定方法、および方向特定部122における頭の向きの特定方法は、座標処理部12に入力される情報の種類および内容に応じて適宜定められてよい。
【0067】
例えば、座標処理部12にカメラ21の撮影画像が入力されたとする。この場合、位置特定部121は、撮影画像に写っている窓、ドア、および座席の位置および形状と、同画像に写っているユーザの頭の位置および形状とから、車両1の内部空間における乗員の頭の位置を特定する。同様に、方向特定部122は、撮影画像に写っている窓、ドア、および座席の位置および形状と、同画像に写っているユーザの頭の位置および形状とから、車両1の内部空間における乗員の頭の向きを特定する。
【0068】
また例えば、前記撮影画像に加えて、座標処理部12にジャイロセンサ22の測定情報が入力されたとする。この場合、方向特定部122は、ジャイロセンサ22の測定情報から各乗員の頭の向きを特定してもよい。もしくは、方向特定部122は、ジャイロセンサ22の測定情報と、カメラ21の撮影画像との両方を加味して各乗員の頭の向きを特定してもよい。
【0069】
なお、各乗員の頭の位置と頭の向きとは、順不同または並行して特定されてもよい。また、位置特定部121と方向特定部122は、各自が特定した情報がどの乗員についての情報かを特定するために、互いに処理結果または処理途中の情報を参照してもよい。
【0070】
座標処理部12は、特定した各乗員の頭の位置座標および頭の向きベクトルを出力制御部14に出力する。なお、座標処理部12は、特定した各乗員の頭の位置座標および頭の向きベクトルを音像位置決定部13にも出力してもよい。なお、座標処理部12は、位置特定部121が特定した各乗員の頭の位置座標を、車内空間座標上にプロットしてもよい。また、座標処理部12は、方向特定部122が特定した各乗員の頭の向きのベクトルを、車内空間座標上にプロットしてもよい。そして、座標処理部12は、各乗員の頭の位置および頭の向きがプロットされた車内空間座標の情報を出力制御部14(および音像位置決定部13)に出力してもよい。
【0071】
また、座標処理部12は、位置特定部121が特定した座標(すなわち、乗員の頭の位置座標)の数から、乗員の人数を特定してもよい。また、座標処理部12は特定した人数を示す情報を音像位置決定部13および出力制御部14に出力してもよい。
【0072】
音像位置決定部13は、各乗員に知覚させる音像の車内空間座標上での位置座標を決定する。「各乗員に知覚させる音像」とは、車両1の乗員(本実施形態では乗員A~Dの4人)それぞれが自分に対応する音声出力装置(ヘッドホン31またはスピーカ32)から音を聞いたときに感じる音像のことである。なお、音像位置決定部13は座標処理部12から入力された、各乗員の頭の位置および向きに応じて、音像の位置を決定してもよい。音像位置決定部13は、決定した音像の位置座標を出力制御部14に出力する。なお、各音像の位置座標は1点に定められてもよいし、座標値の範囲で示されてもよい。
【0073】
本実施形態に係る音像位置決定部13は、ヘッドホン31およびスピーカ32の音像の位置座標を1つに(または1範囲に)決定する。すなわち、音像位置決定部13は、ヘッドホン31およびスピーカ32それぞれの出力音の音像位置が同じ位置になるように、音像の位置を決定する。
【0074】
出力制御部14は、音像の位置を制御するヘッドホン31および/またはスピーカ32を決定し、決定したヘッドホン31および/またはスピーカ32の出力を制御する。出力制御部14は音像位置決定部13から音像の位置が入力されると、まず、当該位置に音像を形成させるヘッドホン31および/またはスピーカ32を決定する。すなわち、出力制御部14は制御対象のヘッドホン31および/またはスピーカ32を決定する。なお、出力制御部14は、一部のヘッドホン31および/またはスピーカ32のみを制御対象に決定してもよいし、全部のヘッドホン31および/またはスピーカ32を制御対象に決定してもよい。
【0075】
次に、出力制御部14は、制御対象のヘッドホン31および/またはスピーカ32の出力音の音像が規定された位置に形成されるように、ヘッドホン31および/またはスピーカ32をそれぞれ制御する。より詳しくは、出力制御部14は、各乗員の頭の位置および向きと、音像の位置との相対的な位置関係に基づいて、各ヘッドホン31および/またはスピーカ32を制御する。これにより、車内空間座標上の異なる位置に、異なる向きで存在するヘッドホン31および/またはスピーカ32の出力音の音像を、それぞれ狙いの位置に形成させることができる。
【0076】
なお、各乗員がどのヘッドホン31を装着しているか、および、各乗員にどのスピーカ32からの音声が聞こえるかについては、座標処理部12によって検出装置20の位置情報および向き情報から特定されてよい。例えば、座標処理部12は、カメラ21の撮影画像と、ジャイロセンサ22の測定情報とを照合することで、誰にどのヘッドホン31またはスピーカ32からの出力音が聞こえるかを特定してもよい。
【0077】
本実施形態では、乗員B~Dはそれぞれヘッドホン31b~31dを装着している。ゆえに、乗員B~Dに聞こえる音像とは、それぞれ、ヘッドホン31b~31dからの出力音である。一方、乗員Aはヘッドホン31を装着していない。ゆえに、乗員Aが知覚する音像とは、スピーカ32a~32hのうち1つ以上からの出力音である。
【0078】
なお、出力制御部14は、ヘッドホン31および/またはスピーカ32に対し、少なくとも前述した出力制御を実行すればよく、ヘッドホン31および/またはスピーカ32から出力される音声データ自体の決定には関与していなくてもよい。具体的には、ヘッドホン31および/またはスピーカ32から出力される音声は、出力制御部14が決定してもよいし、ヘッドホン31および/またはスピーカ32と接続された、図示しない音楽プレーヤーなどの外部装置が決定してもよい。
【0079】
≪車内空間座標の具体例≫
図4は、本実施形態における乗員の頭の位置および頭の向きと、音像の位置との関係を車内空間座標上で示した図である。なお、図4における車両1の前後左右、および上下の定義は、図3と同様である。また、図4の車内空間座標では、図示の通り、車両1の左前の点を原点として、左方向から右方向へ向かう軸をx軸とし、x軸と直交し、前方から後方へ向かう軸をy軸とする。また、図4において車両1の下方(床面側)から上方(天井側)に向かう軸であってx軸およびy軸と直交する軸をz軸とする。
【0080】
図4の例では、車内空間座標に、乗員A~Dの頭の位置と、乗員A~Dの頭の向きと、音像の位置とを模式的に示している。
【0081】
出力制御部14は、ヘッドホン31bの出力音(すなわち、乗員Bが聞く音)の音像が範囲R1に形成されるように、乗員Bの頭の位置(すなわち、ヘッドホン31bの位置)と範囲R1との相対的な位置関係、および、乗員Bの頭の向き(すなわち、ヘッドホン31bの向き)に応じて、ヘッドホン31bの出力を制御する。出力制御部14は、ヘッドホン31cについても同様に、その出力音の音像が範囲R1に形成されるように、乗員Cの頭の位置と範囲R1の位置との相対的な位置関係、および、乗員Cの頭の向きに応じて、ヘッドホン31cの出力を制御する。ヘッドホン31dについても同様である。
【0082】
また、出力制御部14は、各スピーカ32についても、各スピーカ32の位置と範囲R1の位置との相対的な位置関係、および、各スピーカ32の向きに応じて、各スピーカ32の出力を制御する。なお、出力制御部14は複数のスピーカ32を協働させることで、範囲R1の位置に音像を形成させてもよい。
【0083】
≪処理の流れ≫
図5は、本実施形態に係る制御装置10が実行する処理の流れの一例を示すフローチャートである。図5に示す一連の処理は、任意のタイミングで開始されてよい。例えば、図5に示す一連の処理は、検出装置20がいずれかの乗員の位置情報および向き情報を検出した段階で開始されてもよい。
【0084】
制御装置10の情報取得部11は、検出装置20から位置情報および向き情報を取得する(S1、情報取得ステップ)。本実施形態では、情報取得部11は、カメラ21の撮影画像(位置情報および向き情報)と、ジャイロセンサ22の測定情報(向き情報)とを取得する。情報取得部11は取得した位置情報および向き情報を座標処理部12に出力する。
【0085】
座標処理部12は、位置情報および向き情報から、各乗員の頭の位置のおよび頭の向きを特定する(S2)。座標処理部12は特定した頭の位置および頭の向きを、出力制御部14(および音像位置決定部13)に出力する。なお、座標処理部12は、特定した頭の位置の座標と、頭の向きのベクトルを、図4に示したような形式で車内空間座標上にプロットしてもよい(S3)。
【0086】
音像位置決定部13は、ヘッドホン31およびスピーカ32の出力音の音像の位置を、車内空間座標上のある1座標、またはある1座標範囲に決定する。すなわち、音像位置決定部13は、ヘッドホン31およびスピーカ32の出力音の音像が同じ位置になるように、当該音像の位置を決定する(S4、音像位置決定ステップ)。音像位置決定部13は、決定した音像の位置座標または座標範囲を、出力制御部14に出力する。
【0087】
出力制御部14は、制御対象の音声出力装置を決定する(S5)。本実施形態の例では、出力制御部14は例えば、ヘッドホン31b~31dの3台のヘッドホン31と、スピーカ32aおよび32eの2台のスピーカ32とを、制御対象に決定する。
【0088】
出力制御部14は、各乗員の頭の位置および向きに基づき、制御対象に決定したヘッドホン31およびスピーカ32の出力を制御する。これにより、出力制御部14は、ヘッドホン31およびスピーカ32に、音像位置決定部13が決定した位置に音像を形成させる(S6、出力制御ステップ)。
【0089】
〔実施形態2〕
本開示の他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、前述の実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。これは以降の実施形態についても同様である。
【0090】
≪概要≫
本実施形態に係る制御システム200は、複数の音声出力装置(すなわち、複数のヘッドホン、または1台以上のヘッドホンおよび1台以上のスピーカ)をそれぞれ制御することによって、当該複数の音声出力装置からの出力音の音像をそれぞれ個別に形成させる点を特徴とする。
【0091】
図6は、本実施形態に係る制御システム200の動作の概要を示す図である。図6は、実施形態1における図1と対応している。したがって、図1と同様である点については説明を繰り返さない。
【0092】
図6の例では、制御システム200は、ヘッドホン31bの出力音の音像が範囲A、ヘッドホン31cの出力音の音像が範囲B、ヘッドホン31dの出力音の音像が範囲C、スピーカ32aおよび32eの出力音の音像が範囲Dに形成されるように、これらの音声出力装置をそれぞれ制御する。換言すると、各ヘッドホン31の出力音の音像と、1台以上のスピーカ32で形成される音像が、それぞれ個別に形成されるように各音声出力装置を制御する。これにより、乗員A~Dに、個々人に応じた位置から音が聞こえているように感じさせることができる。
【0093】
≪車内空間座標の具体例≫
図7は、本実施形態における乗員の頭の位置および頭の向きと、音像の位置との関係を車内空間座標上で示した図である。図7は、実施形態1における図4と対応している。したがって、図4と同様である点については説明を繰り返さない。本実施形態に係る制御システム200では、音像位置決定部13は、各ヘッドホン31およびスピーカ32の出力音で形成する音像の位置を、図7の範囲A~Dに示す通り、乗員ごと(すなわち、ヘッドホン31ごと、および、スピーカ32群ごと)に個別に決定する。
【0094】
≪処理の流れ≫
図8は、本実施形態に係る制御装置10が実行する処理の流れの一例を示すフローチャートである。図8のフローチャートにおいて、S11~S13の処理はそれぞれ、図5におけるS1~S3の処理と同様である。ただし、本実施形態に係る座標処理部12は、各乗員の頭の位置および頭の向きを、音像位置決定部13にも出力する。
【0095】
音像位置決定部13は、各乗員の頭の位置および頭の向きに応じて、各乗員に知覚させる音像の位置をそれぞれ個別に決定する(S14、音像位置決定ステップ)。音像位置決定部13は決定した音像の位置(図7の例であれば、範囲A~範囲D)を示す情報を、出力制御部14に出力する。
【0096】
出力制御部14は、図5のS5と同様に、制御対象の音声出力装置を決定する(S15)。そして、出力制御部14は、各乗員の頭の位置および向きに基づき、制御対象に決定したヘッドホン31およびスピーカ32の出力を制御する。これにより、出力制御部14は、ヘッドホン31およびスピーカ32に、音像位置決定部13が決定した位置に音像を形成させる(S16、出力制御ステップ)。
【0097】
〔実施形態3〕
≪概要≫
本実施形態に係る制御システム300は、発話した乗員の発話音声を、複数の音声出力装置(すなわち、複数のヘッドホン、または1台以上のヘッドホン31および1台以上のスピーカ32)からそれぞれ出力させる。また、制御システム300は、当該複数の音声出力装置からの出力音(すなわち、発話音声)の音像を、発話者の近傍に形成させる点を特徴とする。
【0098】
図9は、本実施形態に係る制御システム300の動作の概要を示す図である。図9は、実施形態1における図1と対応している。したがって、図1と同様である点については説明を繰り返さない。
【0099】
図9の例では、制御システム300は、検出装置20としてマイク23a~23dを含む。これらのマイクは、例えば図9に示すように、車両1の各座席の天井部分に配置され、各座席に座った乗員の発話音声を取得する。図9の例では、図示の通り発話者は乗員Bである。マイク23bは乗員Bの発話音声を取得する。
【0100】
制御システム300は、マイク23bが取得した発話音声を、ヘッドホン31b~d、ならびにスピーカ32aおよび32eに再生させる。このとき、制御システム300は、ヘッドホン31b~31dと、スピーカ32aおよび32eの出力音の音像が、いずれも、発話者である乗員Bの近傍の範囲R2の位置に形成されるように、ヘッドホン31b~31dと、スピーカ32aおよび32eを制御する。これにより、発話者の乗員Bを含む乗員A~Dに、乗員Bの発話音声を聞こえやすくすることができる。特に、ヘッドホン31を装着している乗員B~Dに対しても、乗員Bの発話をヘッドホン31の出力音声として聞かせることができるため、乗員B~Dに、発話を聞き取り易くすることができる。
【0101】
≪要部構成≫
図10は、本実施形態に係る制御システム300の要部構成を示す図である。制御システム300は、マイク23を含む点で、制御システム100および制御システム200と異なる。
【0102】
マイク23は、各乗員の発話音声をリアルタイムで取得する。マイク23は取得した発話音声を、随時、情報取得部11に送信する。情報取得部(音声取得部)11は、マイク23から音声を取得している場合、取得元のマイクの識別情報を音像位置決定部13に出力する。また、情報取得部11は、マイク23から取得する音声を出力制御部14に出力する。
【0103】
音像位置決定部13は、マイク23の識別情報と、座標処理部12から入力される乗員の頭の位置とに基づいて、音像位置を決定する。具体的には、音像位置決定部13は、マイク23が取得した発話音声を発した乗員(すなわち、発話者)の近傍の位置を音像の位置と決定する。
【0104】
出力制御部14は、制御対象に決定した音声出力装置から、発話音声を出力させる。このとき、出力制御部14は制御対象の音声出力装置に、音像位置決定部13が決定した位置(すなわち発話者の近傍の位置)に音像を形成させる。
【0105】
≪車内空間座標の具体例≫
図11は、本実施形態における乗員の頭の位置と、音像の位置との関係を車内空間座標上で示した図である。図11は、実施形態1における図4と対応している。したがって、図4と同様である点については説明を繰り返さない。出力制御部14は、ヘッドホン31b~31dから出力される発話音声の音像の位置が範囲R2の位置になるように、各ヘッドホン31を制御する。また、出力制御部14は、各スピーカ32から出力される発話音声の音像の位置が範囲R2の位置になるように、各スピーカ32を制御する。
【0106】
≪処理の流れ≫
図12は、本実施形態に係る制御装置10が実行する処理の流れの一例を示すフローチャートである。図12のフローチャートにおいて、S21~S23の処理はそれぞれ、図5におけるS1~S3の処理と同様である。
【0107】
音像位置決定部13は、乗員が発話したか否かを判定する(S24)。例えば、音像位置決定部13は、情報取得部11からマイク23の識別情報を取得した場合、乗員が発話したと判定してよい。
【0108】
音像位置決定部13が乗員が発話していないと判定した場合(S24でNO)、音像位置決定部13は、以降の処理を行わず、出力制御部14も特段の出力制御を実行しなくてもよい。もしくは、音像位置決定部13が実施形態1または2に示したように各ヘッドホン31およびスピーカ32の音像位置を決定してもよい。この場合、出力制御部14は決定された位置に音像が形成されるよう、ヘッドホン31およびスピーカ32をそれぞれ制御する。
【0109】
一方、音像位置決定部13が乗員が発話していると判定した場合(S24でYES)、音像位置決定部13は、発話者の近傍の位置を音像の位置と決定する(S25、音像位置決定ステップ)。音像位置決定部13は決定した音像の位置を出力制御部14に出力する。
【0110】
出力制御部14は、制御対象の音声出力装置を決定する(S26)。出力制御部14は、音像位置決定部13が決定した位置に発話音声の音像が形成されるよう、ヘッドホン31およびスピーカ32の出力設定を制御する(S27、出力制御ステップ)。そして、出力制御部14は、情報取得部11から入力された発話音声をヘッドホン31およびスピーカ32に送信することで、ヘッドホン31およびスピーカ32に発話音声を出力させる(S28)。これにより、出力制御部14は、ヘッドホン31およびスピーカ32に、音像位置決定部13が決定した位置に発話音声の音像を形成させることができる。
【0111】
〔変形例〕
(変形例1:特定音声の再生時に音像を制御する)
各実施形態に係る制御装置10において、音像位置決定部13は、複数のヘッドホン31、または1台以上のヘッドホン31と1台以上のスピーカ32とに特定の音声を出力させる場合に、各ヘッドホン31(およびスピーカ32)の音像の位置を決定してもよい。そして、出力制御部14は、音像位置決定部13が決定した位置に、その特定の音声の音像が形成されるように、ヘッドホン31(およびスピーカ32)の出力を制御してもよい。
【0112】
「特定の音声」は、制御装置10の出力制御部17がヘッドホン31およびスピーカ32に指示することで再生される音声であれば、その具体的内容は特に限定されない。例えば、特定の音声とは、ヘッドホン31およびスピーカ32が再生するBGMであってもよいし、車両1の異常を知らせる警告音、道路情報の案内音声など、前記BGMとともに、または前記BGMの出力を中断して出力される音声であってもよい。なお、この変形例の場合、記憶装置30には、ヘッドホン31(およびスピーカ32)に再生させるための特定の音声の音声データが記憶されていてもよい。そして、出力制御部17は記憶装置30から当該音声データを読み出して、ヘッドホン31およびスピーカ32に送信してもよい。本変形例によれば、特定の音声の音像をヘッドホン31(およびスピーカ32)から出力させるときに、その出力音の音像の位置を制御することができる。例えば、ヘッドホン31およびスピーカ32からBGMを出力させているとする。この状態で、特定の音声である警告音をヘッドホン31およびスピーカ32に出力させる場合に、この警告音の音像の位置を制御することができる。
【0113】
(変形例2:乗員の状態に応じた音声データを出力)
各実施形態に係る制御システム100~300において、検出装置20は、乗員A~Dそれぞれの状態を特定するための状態情報を測定または取得する、状態センサを含んでいてもよい。状態センサとは、例えば、心拍計等、乗員のバイタルデータを測定するための生体センサである。なお、カメラ21の撮影画像からも乗員A~Dの状態が判別可能である。したがって、カメラ21が状態センサを兼ねていてもよい。
【0114】
本変形例の情報取得部11は、状態センサから各乗員の状態情報を取得する。そして、制御装置10の出力制御部(音声決定部)14は、ヘッドホン31(およびスピーカ32)の音像の制御に加え、各ヘッドホン31およびスピーカ32から出力させる音声を、状態情報に基づいて決定する。そして、出力制御部14は決定した音声をヘッドホン31およびスピーカ32から出力させる。このとき、出力制御部14は各実施形態で説明したように、出力音の音像の位置を制御する。これにより、各乗員の状態に応じたコンテンツをヘッドホン31(およびスピーカ32)に出力させることができる。なお、出力制御部14がヘッドホン31(およびスピーカ32)に出力させる音声データは、記憶装置30に記憶されていてよい。
【0115】
なお、制御装置10は情報取得部11が取得した状態情報を分析することで、乗員の眠気の強さ、不快感の強さ等を特定してもよい。そして、出力制御部14は、特定した状態に応じたコンテンツをヘッドホン31(およびスピーカ32)から出力させてもよい。例えば、ある乗員の眠気が強いと分析された場合は、当該乗員に対応するヘッドホン31から警告音を出力させてもよい。
【0116】
(変形例3:音声データの取得方法)
各実施形態に係る制御装置10は、インターネット通信を行う通信部、および/またはテレビやラジオ等の放送波を受信する受信アンテナを備えていてもよい。そして、出力制御部14は、インターネットを介してダウンロードする音声データおよび/または受信アンテナで受信した放送波に含まれる音声データをヘッドホン31および/またはスピーカ32に出力させてもよい。
【0117】
(変形例4:タイマを備える場合)
各実施形態に係る制御システム100~300は、乗員の車両1への乗り降りを検知する乗降センサと、時間を測定する計時部と、を備えていてもよい。そして、制御システム100~300の制御装置10は、計時部が測定した各乗員の乗車時間に応じて、ヘッドホン31および/またはスピーカ32から出力させる音声データを決定してもよい。
【0118】
この変形例の場合、乗降センサおよび計時部は、制御装置10と有線または無線で接続されている。なお、計時部は制御装置10に内蔵されていてもよい。そして、乗降センサは、乗員が車両1に乗り込んだことを検知すると、乗員の乗車を制御装置10に通知する。制御装置10は当該通知を受けると、計時部による時間の測定を開始させる。
【0119】
記憶装置30には、ヘッドホン31および/またはスピーカ32が出力するための音声データが記憶されていてよい。制御装置10の出力制御部14は、任意のタイミングで、ヘッドホン31および/またはスピーカ32から、前記計時部が測定している時間(すなわち乗員の乗車時間)に応じた音声を出力させる。
【0120】
例えば、出力制御部14は、乗車時間が所定時間(例えば1時間)以上になった場合、記憶装置30から休憩を促す案内音声のデータを読み出し、これをヘッドホン31およびスピーカ32から出力させる。なお、音像位置決定部13が音像の位置を決定している場合は、出力制御部14は案内音声を出力させる際にその音像の位置も制御してよい。
【0121】
乗降センサは、乗員が降車したことを検知すると、制御装置10に乗員の降車を通知する。制御装置10は当該通知を受けた場合、計時部の測定を停止させる。
【0122】
〔ソフトウェアによる実現例〕
制御装置10(以下、「装置」と呼ぶ)の機能は、当該装置の各制御ブロックとしてコンピュータを機能させるためのプログラムにより実現することができる。
【0123】
この場合、前記装置は、前記プログラムを実行するためのハードウェアとして、前記プログラムを展開するための少なくとも1つのメモリと、前記プログラムに記述された演算処理を実行するための少なくとも1つのプロセッサと、を有するコンピュータである。このようにメモリとプロセッサによって前記プログラムが実行されることにより、前記各実施形態で説明した各機能が実現される。
【0124】
前記プロセッサとしては、例えばCPU(Central Processing Unit)を用いることができる。前記プログラムは、一時的ではなく、コンピュータ読み取り可能な、1または複数の記録媒体に記録されていてもよい。この記録媒体は、前記装置が備えていてもよいし、備えていなくてもよい。前者の場合、前記記録媒体としては、例えばROM(Read Only Memory)、テープ、ディスク、カード、半導体メモリなどを用いることができる。後者の場合、前記プログラムは、有線または無線の任意の伝送媒体を介して前記装置に供給されてもよい。
【0125】
また、前記各制御ブロックの機能の一部または全部は、論理回路により実現することも可能である。例えば、前記各制御ブロックとして機能する論理回路が形成された集積回路も本開示の範疇に含まれる。この他にも、例えば量子コンピュータにより前記各制御ブロックの機能を実現することも可能である。
【0126】
本開示は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本開示の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0127】
1 車両
100、200、300 制御システム
10 制御装置
11 情報取得部
12 座標処理部
121 位置特定部
122 方向特定部
13 音像位置決定部
14 出力制御部
20 検出装置
21 カメラ
22 ジャイロセンサ
23 マイク
30 記憶装置
31 ヘッドホン
32 スピーカ
図1
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