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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022189101
(43)【公開日】2022-12-22
(54)【発明の名称】デザインガラス
(51)【国際特許分類】
   B32B 17/10 20060101AFI20221215BHJP
【FI】
B32B17/10
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021097482
(22)【出願日】2021-06-10
(71)【出願人】
【識別番号】512137821
【氏名又は名称】株式会社グラスワークブレイン
(74)【代理人】
【識別番号】100110559
【弁理士】
【氏名又は名称】友野 英三
(72)【発明者】
【氏名】濱津 寿
【テーマコード(参考)】
4F100
【Fターム(参考)】
4F100AG00
4F100AG00C
4F100AK01B
4F100AK01D
4F100AK25
4F100AK42
4F100AK48
4F100AR00A
4F100AR00E
4F100BA05
4F100BA07
4F100BA21A
4F100BA21E
4F100CB00
4F100HB00
4F100HB00A
4F100HB00E
4F100HB31
4F100HB31A
4F100HB31E
4F100JL10
4F100JN01C
(57)【要約】
【課題】ガラス内部に立体的デザイン6が存在するように疑似化されたデザインガラスを提供する。
【解決手段】透明な板ガラス1と、板ガラス1の一方の面に積層された第1のフィルム2と、板ガラス1の他方の面に積層された第2のフィルム3と、第1のフィルム2に印刷により形成された第1のデザインと、第2のフィルム3に印刷により形成された第2のデザインとを有し、第1のデザインおよび第2のデザインは、それぞれ有端グラデーションまたは無端グラデーションの配列模様であってかつ有端グラデーションの全領域または濃度の淡い側の狭い領域が半透明であり、第1のデザインの有端グラデーションと第2のデザインの有端グラデーションとが全領域または狭い領域で重なって見え、これにより、第1のデザインと第2のデザインとが融合した立体的デザインがガラス内部に存在するよう疑似化機能を発現する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明な板ガラスと、
前記板ガラスの一方の面に積層された第1のフィルムと、
前記板ガラスの他方の面に積層された第2のフィルムと、
前記第1のフィルムに印刷により形成された第1のデザインと、
前記第2のフィルムに印刷により形成された第2のデザインとを有し、
前記第1のデザインおよび前記第2のデザインは、それぞれ有端グラデーションまたは無端グラデーションの配列模様であってかつ有端グラデーションの全領域または濃度の淡い側の狭い領域が半透明であり、前記第1のデザインの前記有端グラデーションと前記第2のデザインの前記有端グラデーションとが前記全領域または前記狭い領域で重なって見え、
これにより、前記第1のデザインと第2のデザインとが融合した立体的デザインがガラス内部に存在するよう疑似化機能を発現する
ことを特徴とするデザインガラス。
【請求項2】
前記第1のフィルムには、前記有端グラデーションよりなる縦縞の配列模様が前記第1のデザインとして形成されており、
前記第2のフィルムには、前記第1のデザインを天地逆にしてかつ有端グラデーションの位相を合わせたものが前記第2のデザインとして形成されている
ことを特徴とする請求項1に記載のデザインガラス。
【請求項3】
前記第1のフィルムには、前記有端グラデーションよりなる縦縞の配列模様が前記第1のデザインとして形成されており、
前記第2のフィルムには、前記第1のデザインと同一でありかつ有端グラデーションの位相を合わせたものが前記第2のデザインとして形成されている
ことを特徴とする請求項1に記載のデザインガラス。
【請求項4】
前記第1のフィルムには、前記有端グラデーションよりなる横縞の配列模様前記第1のデザインとして形成されており、
前記第2のフィルムには、前記第1のデザインと同一でありかつ有端グラデーションの位相を合わせたものが前記第2のデザインとして形成されている
ことを特徴とする請求項1に記載のデザインガラス。
【請求項5】
前記第1のフィルムには、前記有端グラデーションよりなる横縞の配列模様が前記第1のデザインとして形成されており、
前記第2のフィルムには、前記第1のデザインと同一の横縞であるものが前記第2のデザインとして形成されている
ことを特徴とする請求項1に記載のデザインガラス。
【請求項6】
前記第1のフィルムには、前記有端グラデーションの繰り返し模様が横波の縞である前記第1のデザインとして形成されており、
前記第2のフィルムには、前記第1のデザインを同一であるものが前記第2のデザインとして形成されている
ことを特徴とする請求項1に記載のデザインガラス。
【請求項7】
前記第1のフィルムには、前記有端グラデーションよりなる縦縞の配列模様が前記第1のデザインとして形成されており、
前記第2のフィルムには、前記有端グラデーションよりなる横縞の配列模様が前記第2のデザインとして形成されている
ことを特徴とする請求項1に記載のデザインガラス。
【請求項8】
前記第1のフィルムには、前記有端グラデーションよりなる縦縞または横縞の配列模様が前記第1のデザインとして形成されており、
前記第2のフィルムには、前記有端グラデーションよりなる斜め縞の配列模様が前記第2のデザインとして形成されている
ことを特徴とする請求項1に記載のデザインガラス。
【請求項9】
前記第1のフィルムには、丸形、三角形、矩形、または六角形の無端グラデーションよりなる配列模様が前記第1のデザインとして形成されており、
前記第2のフィルムには、前記第1のデザインと同一のものが前記第2のデザインとして形成されている
ことを特徴とする請求項1に記載のデザインガラス。
【請求項10】
前記第1のフィルムおよび第2のフィルムは、透明なフィルムシートと、前記フィルムシートの片面に前記第1のデザインまたは前記第2のデザインが形成され、前記第1のデザインまたは前記第2のデザインの上に塗布された接着剤または強粘着剤を介して前記板ガラスに積層されている
ことを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1項に記載のデザインガラス。
【請求項11】
前記第1のフィルムおよび第2のフィルムは、積層された透明な第1のフィルムシートおよび第2のフィルムシートと、フィルムシート間に形成された前記第1のデザインまたは前記第2のデザインと、前記第2のフィルムシート上に塗布された接着剤または強粘着剤を介して前記板ガラスに積層されている
ことを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1項に記載のデザインガラス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デザインが印刷されたフィルムを積層してなるデザインガラスに関する。
【背景技術】
【0002】
この種のデザインガラスとして、特許文献1に、パーテーション用、家具テーブル用、建具用、等の装飾ガラスが開示されている。この装飾ガラスは、透明な板ガラスと、板ガラスに接着され反対面に図柄を印刷された印刷用フィルムと、図柄を覆うように印刷用フィルムに接着されたラミネートフィルムとからなる。
【0003】
またフィルムを積層していないデザインガラスとして、特許文献2に、建具用の装飾ガラスが開示されている。この装飾ガラスは、透明な板ガラスと、板ガラスの片面に形成された濃白色の和紙柄の第1印刷層と、この第1印刷層上に形成された薄白色の全面ベタ印刷の第2印刷層と、この第2印刷層上に形成された濃白色の和紙柄の第3印刷層とを有する。第1―第3印刷層の形成は、セラミックインクを用いスクリーン印刷により板ガラスに重ね刷りしてから加熱及び急冷して固着してなる。
【0004】
この他、二枚のガラスの間に、模様を形成する布地を挟み余分を透明としたEVA膜を介在させ布ガラスがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009-226644号公報
【特許文献2】特開2008-57274号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のデザインガラスによれば、単にガラスの表面にデザインが表現されただけのものであり、ガラス内部に立体的デザイン、例えばルーバーが存在するように疑似化された表現法は見受けられない。
【0007】
本発明は、このような課題を解決するためになされたもので、ガラス両面にデザインが印刷されたフィルムを積層してなり、ガラス内部に立体的デザインが存在するように疑似化されたデザインガラスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本願の第1の発明態様に係るデザインガラスは、透明な板ガラスと、前記板ガラスの一方の面に積層された第1のフィルムと、前記板ガラスの他方の面に積層された第2のフィルムと、前記第1のフィルムに印刷により形成された第1のデザインと、前記第2のフィルムに印刷により形成された第2のデザインとを有し、前記第1のデザインおよび前記第2のデザインは、それぞれ有端グラデーションまたは無端グラデーションの配列模様であってかつ有端グラデーションの全領域または濃度の淡い側の狭い領域が半透明であり、前記第1のデザインの前記有端グラデーションと前記第2のデザインの前記有端グラデーションとが融合した立体的デザインがガラス内部に存在するよう疑似化機能を発現する構成である。
【0009】
本願の第2の発明態様に係るデザインガラスは、本願の第1の発明態様に係るデザインガラスの構成に加え、前記第1のフィルムには、前記有端グラデーションよりなる縦縞の配列模様が前記第1のデザインとして形成されており、前記第2のフィルムには、前記第1のデザインを天地逆にしてかつ有端グラデーションの位相を合わせたものが前記第2のデザインとして形成されている構成である。
【0010】
本願の第3の発明態様に係るデザインガラスは、本願の第1の発明態様に係るデザインガラスの構成に加え、前記第1のフィルムには、前記有端グラデーションよりなる縦縞の配列模様が前記第1のデザインとして形成されており、前記第2のフィルムには、前記第1のデザインと同一でありかつ有端グラデーションの位相を合わせたものが前記第2のデザインとして形成されている構成である。
【0011】
本願の第4の発明態様に係るデザインガラスは、本願の第1の発明態様に係るデザインガラスの構成に加え、前記第1のフィルムには、前記有端グラデーションよりなる横縞の配列模様前記第1のデザインとして形成されており、前記第2のフィルムには、前記第1のデザインと同一でありかつ有端グラデーションの位相を合わせたものが前記第2のデザインとして形成されている構成である。
【0012】
本願の第5の発明態様に係るデザインガラスは、本願の第1の発明態様に係るデザインガラスの構成に加え、前記第1のフィルムには、前記有端グラデーションよりなる横縞の配列模様が前記第1のデザインとして形成されており、前記第2のフィルムには、前記第1のデザインと同一の横縞であるものが前記第2のデザインとして形成されている構成である。
【0013】
本願の第6の発明態様に係るデザインガラスは、本願の第1の発明態様に係るデザインガラスの構成に加え、前記第1のフィルムには、前記有端グラデーションの繰り返し模様が横波の縞である前記第1のデザインとして形成されており、前記第2のフィルムには、前記第1のデザインを同一であるものが前記第2のデザインとして形成されている構成である。
【0014】
本願の第7の発明態様に係るデザインガラスは、本願の第1の発明態様に係るデザインガラスの構成に加え、前記第1のフィルムには、前記有端グラデーションよりなる縦縞の配列模様が前記第1のデザインとして形成されており、前記第2のフィルムには、前記有端グラデーションよりなる横縞の配列模様が前記第2のデザインとして形成されている構成である。
【0015】
本願の第8の発明態様に係るデザインガラスは、本願の第1の発明態様に係るデザインガラスの構成に加え、前記第1のフィルムには、前記有端グラデーションよりなる縦縞または横縞の配列模様が前記第1のデザインとして形成されており、前記第2のフィルムには、前記有端グラデーションよりなる斜め縞の配列模様が前記第2のデザインとして形成されている構成である。
【0016】
本願の第9の発明態様に係るデザインガラスは、本願の第1の発明態様に係るデザインガラスの構成に加え、前記第1のフィルムには、丸形、三角形、矩形、または六角形の無端グラデーションよりなる配列模様が前記第1のデザインとして形成されており、前記第2のフィルムには、前記第1のデザインと同一のものが前記第2のデザインとして形成されている構成である。
【0017】
本願の第10の発明態様に係るデザインガラスは、本願の第1―9の発明態様に係るデザインガラスの構成に加え、前記第1のフィルムおよび第2のフィルムは、透明なフィルムシートと、前記フィルムシートの片面に前記第1のデザインまたは前記第2のデザインが形成され、前記第1のデザインまたは前記第2のデザインの上に塗布された接着剤または強粘着剤を介して前記板ガラスに積層されている構成である。
【0018】
本願の第11の発明態様に係るデザインガラスは、本願の第1-9の発明態様に係るデザインガラスの構成に加え、前記第1のフィルムおよび第2のフィルムは、積層された透明な第1のフィルムシートおよび第2のフィルムシートと、フィルムシート間に形成された前記第1のデザインまたは前記第2のデザインと、前記第2のフィルムシート上に塗布された接着剤または強粘着剤を介して前記板ガラスに積層されている構成である。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、ガラス両面にデザインが印刷されたフィルムを積層してなり、ガラス内部に立体的デザインが存在するように疑似化されたデザインガラスを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の第1の実施の形態に係るデザインガラスの側端面図である。
図2図1において板ガラスの左面に積層される前の第1のフィルムの正面図である。
図3図1において板ガラスの右面に積層される前の第2のフィルムの正面図である。
図4図1の部分拡大図である。
図5図1の部分拡大図である。
図6】本発明の第1の実施の形態に係るデザインガラスの上端面図である。
図7】本発明の第1の実施の形態に係るデザインガラスのB面のL矢視正面図である。
図8】本発明の第1の実施の形態に係るデザインガラスのB面のM矢視正面図である。
図9】本発明の第1の実施の形態に係るデザインガラスのB面のN矢視正面図である。
図10】本発明の第1の実施の形態に係るデザインガラスの仮想の上端面図である。
図11】本発明の第2の実施の形態に係るデザインガラスの側端面図である。
図12図11において板ガラスの左面に積層される前の第1のフィルムの正面図である。
図13図11において板ガラスの右面に積層される前の第2のフィルムの正面図である。
図14】本発明の第2の実施の形態に係るデザインガラスのA面,B面に見えるデザインを示す正面図である。
図15】本発明の第2の実施の形態に係るデザインガラスの仮想の上端面図であって、(A)はA面より感得されるブラインドの状態を示す上端面図であり、(B)はB面より感得されるブラインドの状態を示す上端面図である。
図16】本発明の第3の実施の形態に係るデザインガラスの側端面図である。
図17図16において板ガラスの左面に積層される前の第1のフィルムの正面図である。
図18図16において板ガラスの右面に積層される前の第2のフィルムの正面図である。
図19】本発明の第3の実施の形態に係るデザインガラスのB面を斜め下方に視た正面図である。
図20】本発明の第3の実施の形態に係るデザインガラスのB面を正面矢視の正面図である。
図21】本発明の第3の実施の形態に係るデザインガラスのB面を斜め上方に視た正面図である。
図22】本発明の第3の実施の形態に係るデザインガラスの仮想の上端面図である。
図23】本発明の第5の実施の形態のデザインガラスの正面矢視図である。
図24】本発明の第6の実施の形態のデザインガラスの正面矢視図である。
図25】本発明の第7の実施の形態のデザインガラスのA面またはB面より感得される1つのデザインを示す正面矢視図である。
図26】本発明の第7の実施の形態のデザインガラスのA面またはB面より感得される他のデザインを示す正面矢視図である。
図27】本発明の第8の実施の形態のデザインガラスのA面またはB面より感得される1つのデザインを示す正面矢視図である。
図28】本発明の第8の実施の形態のデザインガラスのA面またはB面より感得される他のデザインを示す正面矢視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態のデザインガラスについて図面を参照して説明する。
【0022】
[第1の実施の形態]
図1に示すように、この実施の形態のデザインガラス100は、透明な板ガラス1と、板ガラス1の一方の面に積層された第1のフィルム2と、板ガラス1の他方の面に積層された第2のフィルム3と、図2に示すように、第1のフィルム2に印刷により形成された第1のデザイン4と、図3に示すように、第2のフィルム3に印刷により形成された第2のデザイン5とを有する。
【0023】
そして、図2に示す第1のフィルム2には、グラデーションの濃淡方向が縦方向であり縦方向に直線である複数のグラデーションの配列模様である縦縞の第1のデザイン4が形成されている。また、図3に示す第2のフィルム3には、第1のデザイン4を天地逆にしてかつ有端グラデーションの位相を合わせたものが第2のデザイン5として形成されている。第1のデザイン4の縦縞の単位幅である有端グラデーションは、濃い側が左端に、淡い側が左端になるように表示されている。第2のデザイン5は第1のデザイン4を天地逆にしたものであるので、第2のデザイン5の縦縞の単位幅である有端グラデーションは、淡い側が右端に、濃い側が左端になるように表示されている。
【0024】
第1のフィルム2と第2のフィルム3の構成については、図4に示す構成と図5に示す構成とがある。
【0025】
図4に示す構成では、第1のフィルム2および第2のフィルム3は、透明なフィルムシート2aと、フィルムシート2aの片面にブラインド様の第1のデザイン4または第2のデザイン5が形成され、第1のデザイン4または第2のデザイン5の上に塗布された接着剤または強粘着剤を介して板ガラス1に積層されている。
【0026】
図5に示す構成では、第1のフィルム2および第2のフィルム3は、積層された透明な第1のフィルムシート2aおよび第2のフィルムシート2bと、フィルムシート2a,2b間に形成された第1のデザイン4または第2のデザイン5と、第2のフィルムシート2b上に塗布された接着剤または強粘着剤を介して板ガラス1に積層されている。
【0027】
[グラデーションの濃淡と半透明との関係]
本発明に係るデザインは、板ガラス1の全面または一部に形成されているいずれであってもよく、さらに、デザインの全部がグラデーションでできている場合と、デザインの一部がグラデーションでできていて、残部がグラデーションではない場合のいずれであってもよい。なお、グラデーションの濃淡諧調度の淡い側の端、例えば諧調度1―20%の領域は透明に近いので、グラデーションに隣接する細幅の塗膜を形成しない透明部分もグラデーションの一部に含むものとする。この実施例では、板ガラス1のほぼ全面を覆いブラインド様の第1のデザイン4、第2のデザイン5が形成されてデザインの全部がグラデーションでできている。
【0028】
本発明において、第1のフィルム2および第2のフィルム3に形成されるデザイン中にグラデーションの存在させることは、板ガラス1を挟んで形成される2つのデザイン4,5が板ガラス1の内部に存在するように見えるだけでなく、さらに一方のデザインのグラデーションの淡い部分同士の重なり、または淡い部分と濃い部分との重なり、濃い部分同士の重なりによる遠近感、質感が増して2つのデザイン4,5が融合し縦型のブラインド様に見える立体的デザインがガラス内部にリアルに存在するよう疑似化機能を発現するために必要である。
【0029】
本発明において、第1のフィルム2および第2のフィルム3に形成される2つのデザインの態様は、例えば、(1)各有端グラデーションの濃淡の薄い側に端に一致する狭い幅、例えば1mm幅部分が遮光率が例えば10―20%の半透明、続く3mm幅部分が遮光率が例えば20-30%の半透明、残りの幅部分が遮光率が例えば40―80%の不透明である、(2)フィルムの全幅にわたり遮光率が例えば10―30%半透明である、(3)一のグラデーションの濃い側の端とグラデーションの淡い側の端との間に、1-数mmの透明部分(塗膜が存在しないグラデーションがない部分)が存在する、(4)有端グラデーションがいわゆる海島表現の島部分に当たるようにかつ淡い部分が半透明である、上記(1)―(4)のいずれの場合であってもよい。この実施の形態に係る図2に示す第1のデザイン4および図3に示す第2のデザイン5は、上記(1)のように形成されている。
【0030】
グラデーションの濃度は、0-100%の領域を用いることに限定されず、例えば20-80%の領域を用いることができ、また、例えば1-3mm幅毎に濃度が10%ずつ増加していく諧調度としてもよい。グラデーションは、濃度の諧調度に加え、顔料インクの厚みや諧調度が加味されて半透明の度合の諧調度が加わって表現されてもよい。
【0031】
[各構成要素のその他の詳細]
以下の各構成要素についての説明事項は後述する各実施の形態についても同様である。
【0032】
板ガラス1は、ショウウインドウ、建物開口部のウインドウや仕切り壁、パーティッション、ガラス天板を有するテーブル、等の用途に対応した所望の大きさの矩形、丸形、六角形、等とされ、かつ大きさおよび用途に応じて例えば3-10mmの板厚とされる。板ガラス1は、透明なガラスであれば、一般的なガラス(フロートガラス)のほか、石英ガラス、鉛ガラス、強化ガラス、耐熱·防火·耐火ガラス、合わせガラス、防音ガラス、断熱·遮熱ガラス、低反射ガラス、UVカットガラス、熱線吸収ガラス、飛散防止ガラス、等のいずれであってもよく、用途・費用・機能により適宜に選択される。
【0033】
フィルム2,3は、透明な強い樹脂フィルムシートであればよい。透明な強い樹脂フィルムシートには薄く着色があるものも含む。フィルム2,3には、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリエチレンナフタレート(PEN)フィルム、ナイロンフィルム、アクリルフィルム、ABSフィルム、等の延伸フィルムを選択することができる。フィルム2,3は、例えば、9μm、12μm、16μm等の厚みのものを採用することができる。フィルム2,3は、板ガラス1に対し接着剤または粘着剤を介して積層されている。粘着剤の場合には強粘着剤が用いられる。
【0034】
接着剤または強粘着剤の層は例えば2-4μmの厚みであり、板ガラス1とフィルムとは、フィルムが白濁して見える原因となる空気は存在しない状態で積層されている。これによって、フィルムシートの内面側に設けられている第1のデザイン4および第2のデザイン5は、フィルムシートに形成されていることを認識されることがなく板ガラス1内に存在しているように見える。接着剤または強粘着剤には、透明性、対候性、経時性、耐熱性がある接着剤が用いられる。板ガラス1と2つのフィルム2,3との接着には専用のラミネートマシン(例えばドライラミネータ)が用いられ、この際、フィルム2,3の接着面に剥離紙を設けて、この剥離紙を剥離して板ガラス1に接着するようにしてもよい。
【0035】
第1のデザイン4と第2のデザイン5は、インクジェットプリンター印刷、グラビア印刷、オフセット印刷、フレキソ印刷、シルク印刷等により第1のフィルム2または第2のフィルム3に形成される。インクジェットプリンター印刷とグラビア印刷による場合には、グラデーションの濃度の薄い側での顔料インクの厚みを小さくして濃淡諧調度、半透明の度合いを制御することができる。印刷に使用されるインクは、顔料、ロイコ色素、または染料、蛍光顔料等を使用できるが、褪色し難い顔料の使用が好ましい。第1のデザイン4と第2のデザイン5を構成しているグラデーションは、高性能な分解能、例えば150―1500ドット/インチの分解能であるのが好ましい。第1のデザイン4と第2のデザイン5は、白色、黒色、または青、緑、ネズミ、黄、赤、ピンク、橙等の有色であってよい。
【0036】
上記のように構成されるデザインガラス100は以下のような作用効果を有する。
【0037】
本実施の形態に係る図1に示すデザインガラス100のA面に積層された第1のフィルム2には、図2に示す縦縞の配列模様が第1のデザイン4として形成されており、またB面に積層された第2のフィルム3には、図3に示す第1のデザイン4を天地逆にしてかつ有端グラデーションの位相を合わせたものが第2のデザイン5として形成されている。したがって、第1のデザイン4と第2のデザイン5とが板ガラス1を挟んで面対称である。
【0038】
第1のデザイン4と第2のデザイン5は、それを担持しているフィルム2,3が板ガラス1に積層される前のときにおいては精密な平面性を保持しないので質感や僅かな白濁、乱反射を伴い、グラデーションであることに起因する立体性が発現せず、リアルなブラインド様には見えにくい。これに対し、フィルム2,3が板ガラス1の両面に積層された状態のときにはフィルム2,3の存在が感じられず、さらに、第1のデザイン4と第2のデザイン5が、フィルム2,3に形成されていることが感じられず板ガラス1の内部に形成されているように疑似化機能を発現する。
【0039】
図6はデザインガラス100の上端面を視た図であり、図6中のA面とB面は図1中のA面とB面に対応している。
【0040】
[第1,第2のデザイン4,5がいずれも全面的に半透明であるとき]
図3に示す第2のデザイン5は、図6中のB面に対する視る方向、L,M,Nの矢印方向の相違に関わらず、図7に示す隙間のないブラインド様のデザイン5Aのように見え、かつ板ガラス1の一方側から他方が見通せる。第1のデザイン4と第2のデザイン5は、板ガラス1をサンドイッチしているので、L,Nの矢印方向に視るときには板ガラス1の厚みが大きいほどデザインの濃淡方向のずれが大きく生じ、Mの矢印方向に視るときにはデザインの濃淡方向のずれが生じず、もって、グラデーションの濃度が互いに異なる部分が本来のグラデーションと異なった一体化したグラデーションになり、印刷されたデザインとは同一ではない疑似化機能を発現する。
【0041】
[第1,第2のデザイン4,5がいずれも一部に半透明で、残りが遮光率が100%ではないとき]
表裏のデザイン4,5は、半透明部分については板ガラス1の内部に渾然一体に存在するように見え、不透明部分についても遮光率が100%ではなく完全に不透明ではないことから板ガラス1の内部に渾然一体に存在するように見え、もってグラデーションに基づいて板ガラス1の内部に立体的に形成されているリアルの縦型のブラインド様に見える疑似化機能を発現する。
【0042】
[デザイン4,5のグラデーション濃度の淡い端の例えば1.5mm幅の透明度が例えば80-90%高いとき]
図6に示すようにB面の第2のデザイン5についてL,M,Nの矢印方向に視るときには、いずれの場合も、表面側の図3に示す第2のデザイン5と板ガラス1と裏面側の図2に示す第1のデザイン4とが協調して図7図8図9に示すようにデザイン6A,6B,6Cのような疑似化を発現する。
【0043】
図6に示すようにB面についてLの矢印方向に視るときには、図7に示すように発現した疑似化したデザイン6Aは、ブラインドブレード(ブラインドを構成するエレメント)間に一方側から他方が透き通ったギャップが存在しない状態に見える。しかし、縦型のブラインドが板ガラス1の内部に、グラデーション濃度の淡く透明度が高い端が奥側にかつグラデーション濃度の濃く透明度が低い端が手前側に、ブラインドがリアルに存在するように見える。これは、第1のデザイン4のグラデーションの濃淡方向と第2のデザイン5のグラデーションの濃淡方向とがぎゃくになっていて、渾然一体に把握されるデザインではグラデーション濃度も合成された濃度になるから、B面においてグラデーションの濃い側が手前に淡い側が奥まって見える。
【0044】
図6においてB面についてMの矢印方向に視るときには、図8に示すように発現した疑似化したデザイン6Bは、上記の1.5mm幅部分がブラインドブレード間の1.5mm幅が一方側から他方が透き通った状態に見えるギャップが存在する状態に見える。そして、縦型のブラインドが板ガラス1の内部にリアルに存在するように見える。
【0045】
図6においてB面についてNの矢印方向に視るときには、図9に示すように発現した疑似化したデザイン6Cは、上記の1.5mm幅部分が3-5mm幅に広がったギャップが存在する状態に見える。そして、縦型のブラインドが板ガラス1の内部にリアルに存在するように見える。上記の1.5mm幅部分に対応する3-5mm幅の広がりは、板ガラス1の厚みに応じて異なり、ガラスの屈折率と透明度の両方が関係するものと考えられる。
【0046】
このようにL,M,Nの矢印方向の違いにより、デザイン4,5が渾然一体化した疑似化機能の異なった発現は、図10に示すように、板ガラス1の上端面より内部を見た場合に、縦型のブラインド6が図中の2つのギャップG1,G2を有して存在しているように場合に相当するよう疑似化機能を発現している。A面とB面のどちらから見ても、手前側となる面のデザインが優先されて強く認識され、手前側となる面のグラデーション濃度の濃い側が手前に強く認識され、手前側となる面のグラデーション濃度の淡い側が強く認識されかつ向こう側となる面のグラデーション濃度の濃い側と渾然一体化して一層奥まって見える。このため、A面とB面ではグラデーションの濃淡方向が互いに逆であるから、板ガラス1の内部に存在するように感得されるブラインドブレードは、A面とB面では傾きが逆転しているのでリアルに立体的に見える。
【0047】
[第2の実施の形態]
図11は第2の実施の形態のデザインガラス100Aを示す。このデザインガラス100Aは、透明な板ガラス1Aと、図12に示す板ガラス1Aの一方の面に積層された第1のフィルム2Aと、図13に示す板ガラス1Aの他方の面に積層された第2のフィルム3Aとからなる。そして、第1のフィルム2Aは形成されている第1のデザイン7は図2に示す第1のフィルム2に形成されている第1のデザイン4と同一である。また、第2のフィルム3Aは形成されている第2のデザイン8についても図2に示す第1のフィルム2に形成されている第1のデザイン4と同一である。したがって、第1のデザイン7のグラデーションの濃淡方向と第2のデザイン8のグラデーションの濃淡方向とは互いに逆となる水平方向かつ位相が一致した状態に対応している。
【0048】
図14は、図11に示すデザインガラス100AのA面およびB面のいずれから視たときにも把握されるデザイン9を示す。このデザイン9は、手前側と向こう側のグラデーションの濃い側同士が渾然一体に融合し、手前側と向こう側のグラデーションの淡い側同士とが対向して渾然一体に融合し、さらに透明度との関係において、A面およびB面を見て把握されるデザインは、疑似化機能を発現した状態のもので、図14に示すように両端が濃く中程にいくに連れて淡くなるグラデーションとなるデザイン9を把握することができる。
【0049】
グラデーションの両端が濃く中程に行きにつれて淡くなっているグラデーションは、グラデーションの幅方向(水平方向;濃淡方向)の両端がガラス表面より奥まった内部に存在する見えかつ幅方向の中央がガラス表面より浅い内部に存在するように見える、換言すると各有端グラデーションに対応する水平断面が円弧状である縦型のブラインド様に見える。
【0050】
図15(A)は、A面からみたときのデザイン9から感得することができる板ガラス1の内部にブラインド9Aが存在する状態を示す。このブラインド9Aはグラデーションの中程がA面に凸となるように感得される。図15(B)は、B面からみたときのデザイン9から感得することができる板ガラス1の内部にブラインド9Bが存在する状態を示す。このブラインド9Bはグラデーションの中程がB面に凸となるように感得される。
【0051】
[第3の実施の形態]
図16は第3の実施の形態のデザインガラス100Bを示す。このデザインガラス100Bは、透明な板ガラス1Bと、図17に示す板ガラス1Bの一方の面に積層された第1のフィルム2Bと、図18に示す板ガラス1Bの他方の面に積層された第2のフィルム3Bとからなる。そして、第1のフィルム2Bには、グラデーションの濃淡方向が縦方向である複数のグラデーションの配列模様である横縞の第1のデザイン10として形成されており、第2のフィルム3Bには、第1のデザイン10と同一でありかつ有端グラデーションの位相を合わせたものが第2のデザイン11として形成されている。したがって、このデザインガラス100Bは、第2の実施の形態の縦縞を横縞にしたものである。
【0052】
上記のように構成されるデザインガラス100Bは第3の実施の形態のデザインガラス100と同様の効果を有する。デザインガラス100Bとデザインガラス100との相違は横縞と縦縞の違いになる。
【0053】
[第1,第2のデザイン10,11がいずれも全面的に半透明であるとき]
図18に示す第2のデザイン11は、図19に示す隙間のないブラインド様のデザイン11Aのように見え、かつ板ガラス1の一方側から他方が見通せる。
【0054】
[第1,第2のデザイン10,11がいずれも一部に半透明で、残りが遮光率が100%ではないとき]
表裏のデザイン10,11は、グラデーションが淡い側の半透明部分については板ガラス1の内部に渾然一体に存在するように見え、グラデーションが濃い側の不透明部分についても板ガラス1の内部に渾然一体に存在するように見え、板ガラス1の内部に立体的に形成されているリアルの横型のブラインド様に見える疑似化機能を発現する。
【0055】
[デザイン10,11のグラデーション濃度の淡い端の例えば1.5mm幅の透明度が例えば80-90%高いとき]
B面の第2のデザイン11について斜め下方向に視るときは図19に示すように見える。B面の第2のデザイン11について水平方向に視るときは図20に示すように見える。B面の第2のデザイン11について斜め上方向に水平方向に視るときは図21に示すように見える。
【0056】
そして、図22に示すように、板ガラス1の側端面より内部を見た場合に、板ガラス1の内部に存在するように感得されるブラインドブレードは、A面とB面では傾きが逆転しているのでリアルに立体的に見える。
【0057】
[第4の実施の形態]
第4の実施の形態のデザインガラスは、第2の実施の形態の縦縞を横縞にアレンジしたものである。このため、図示しないものとする。第4の実施の形態のデザインガラスは、透明な板ガラスと、板ガラスの一方の面に積層された第1のフィルムと、板ガラスの他方の面に積層された第2のフィルムと、第1のフィルムに印刷により形成された横縞の第1のデザインと、第2のフィルムに印刷により形成された横縞の第2のデザインとを有する。
【0058】
第1のフィルムには、濃淡方向が上下方向でかつ濃い端が下側である(上側であってもよい)横方向に直線の複数のグラデーションの配列模様が第1のデザインが形成されており、第2のフィルムには、第1のデザインを板ガラスを挟んで面対称であるものが第2のデザインとして形成されている。
【0059】
第4の実施の形態のデザインガラスによれば、グラデーションの濃い端が下側であるので、A面とB面のいずれにおいても、ブラインドブレードの上端が奥まって見え、ブラインドブレードの下端が手前にリアルに立体的に見える。
【0060】
[第5の実施の形態]
第5の実施の形態のデザインガラスは、第4の実施の形態をアレンジしたものであり、図示しない。第5の実施の形態のデザインガラスは、上記各実施の形態と同様に、透明な板ガラスと、板ガラスの一方の面に積層された第1のフィルムと、板ガラスの他方の面に積層された第2のフィルムと、第1のフィルムに印刷により形成された横縞の第1のデザインと、第2のフィルムに印刷により形成された横縞の第2のデザインとを有する。
【0061】
第5の実施の形態のデザインガラスは、第1のフィルムに形成する第1のデザインについては、第3の実施の形態に係る図18に示す第1のフィルムについて直線状の横縞のデザインについて横波に変更して形成し、第2のフィルムに形成する第2のデザインついては、第1のデザインと同一の横波に形成したものである。
【0062】
図23は第5の実施の形態のデザインガラス100CのA面またはB面を示す。デザインガラス100CのA面またはB面において疑似化機能を発現するデザイン13は、表裏の横波のデザインが渾然一体になり、グラデーションの濃い端が手前に、淡い側が不透明であれば一層手前に、淡い側が透明度が高ければ奥まってリアルに立体的に見える。
【0063】
[第6の実施の形態]
第6の実施の形態のデザインガラスは、第1の実施の形態と第3の実施の形態とをアレンジしたものであり、図示しない。第6の実施の形態のデザインガラスは、上記各実施の形態と同様に、透明な板ガラスと、板ガラスの一方の面に積層された第1のフィルムと、板ガラスの他方の面に積層された第2のフィルムと、第1のフィルムに印刷により形成された横縞の第1のデザインと、第2のフィルムに印刷により形成された横縞の第2のデザインとを有する。
【0064】
第6の実施の形態のデザインガラスは、第1のフィルムに形成する第1のデザインついては、第1の実施の形態に係る図2に示す第2のフィルムの縦縞の第1のデザインと同一のものを形成し、第2のフィルムに形成する第2のデザインついては、第3の実施の形態に係る図18に示す横縞の第2のデザインと同一のものを形成したものである。
【0065】
図24は第6の実施の形態のデザインガラス100DのA面またはB面を示す。デザインガラス100DのA面またはB面において疑似化機能を発現するデザイン14は、縦縞のデザインと横縞の第2のデザインとが渾然一体になり、格子状模様になり、グラデーションの濃い端が手前に、淡い側が不透明であれば一層手前に、淡い側が透明度が高ければ奥まってリアルに立体的に見える。
【0066】
[第7の実施の形態]
第7の実施の形態のデザインガラスは、図示しないが上記各実施の形態と同様に、透明な板ガラスと、板ガラスの一方の面に積層された第1のフィルムと、板ガラスの他方の面に積層された第2のフィルムと、第1のフィルムに印刷により形成された横縞または縦縞の第1のデザインと、第2のフィルムに印刷により形成された斜め縞の第2のデザインとを有する。なお、第2のデザインの斜め縞の傾斜角は45度であるのがよいが、30度位あるいは70度位であってもよい。
【0067】
図25は第7の実施の形態のデザインガラスのA面またはB面を示す。このデザインガラスのA面またはB面において疑似化機能を発現するデザイン15は、横縞のデザインと斜め縞の第2のデザインとが渾然一体になり、格子状模様になり、グラデーションの濃い端が手前に、淡い側が不透明であれば一層手前に、淡い側が透明度が高ければ奥まってリアルに立体的に見える。
【0068】
図26は第7の実施の形態のデザインガラスのA面またはB面を示す。このデザインガラスのA面またはB面において疑似化機能を発現するデザイン16は、縦縞のデザインと斜め縞の第2のデザインとが渾然一体になり、格子状模様になり、グラデーションの濃い端が手前に、淡い側が不透明であれば一層手前に、淡い側が透明度が高ければ奥まってリアルに立体的に見える。
【0069】
[第8の実施の形態]
第8の実施の形態のデザインガラスは、図示しないが上記各実施の形態と同様に、透明な板ガラスと、板ガラスの一方の面に積層された第1のフィルムと、板ガラスの他方の面に積層された第2のフィルムと、第1のフィルムに印刷により形成された正方形を無端グラデーションで表して整列状に配列された第1のデザインと、第2のフィルムに印刷により形成され第1のデザインと同一の大きさ、同一配列の第2のデザインとを有する。
【0070】
図27は第8の実施の形態のデザインガラスのA面またはB面を示す。このデザインガラスのA面またはB面において疑似化機能を発現するデザイン17は、正方形のデザインエレメントの正方形中央部のグラデーション濃度が淡く、正方形周辺部で濃く形成されている。グラデーションの濃い周辺部が手前に、淡い中央部が不透明であれば一層手前に、淡い側が透明度が高ければ奥まってリアルに立体的に見える。
【0071】
図28は第8の実施の形態のデザインガラスのA面またはB面を示す。このデザインガラスのA面またはB面において疑似化機能を発現するデザイン18は、正方形のデザインエレメントの正方形中央部のグラデーション濃度が最も濃く、正方形中央部と正方形周辺部の中間部で淡く、正方形周辺部の濃く形成されている。これによって、グラデーションの濃い周辺部が手前に、淡い中央部が不透明であれば一層手前に、淡い側が透明度が高ければ奥まってリアルに立体的に見える。
【0072】
なお、無端グラデーションとしては、正方形に限定されず、丸形、楕円形、三角形、長方形、または六角形、等の形状であってもよい。
【0073】
本発明に係るデザインガラスによれば、ガラス両面にデザインが印刷されたフィルムを積層してなるものであり、ガラス内部に立体的デザインが存在するように疑似化されるという効果を奏するものであり、ガラスにデザインを表示する技術として有用である。
【符号の説明】
【0074】
1…チャンバ、
100…デザインガラス
100A…デザインガラス
100B…デザインガラス
100C…デザインガラス
100D…デザインガラス
1,1A,1B…板ガラス
…板ガラス
2,2A,2B…第1のフィルム
…第1のフィルム
2a…フィルムシート
2b…第2のフィルムシート
3,3A,3B…第2のフィルム
4,7,10…第1のデザイン
5,8,11…第2のデザイン
6A,6B,6C…デザイン
9,13―18…デザイン
9A…ブラインド
11A…デザイン
G1,G2…ギャップ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
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