(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022189107
(43)【公開日】2022-12-22
(54)【発明の名称】渦電流式ダンパ
(51)【国際特許分類】
F16F 15/03 20060101AFI20221215BHJP
【FI】
F16F15/03 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021097493
(22)【出願日】2021-06-10
(71)【出願人】
【識別番号】000006655
【氏名又は名称】日本製鉄株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001553
【氏名又は名称】アセンド弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】増井 亮介
(72)【発明者】
【氏名】今西 憲治
(72)【発明者】
【氏名】藤田 卓也
(72)【発明者】
【氏名】山口 博行
【テーマコード(参考)】
3J048
【Fターム(参考)】
3J048AA06
3J048AC08
3J048BB05
3J048BE08
3J048CB21
3J048EA38
(57)【要約】
【課題】永久磁石と導電部材との隙間を縮小させつつ、永久磁石と導電部材との接触を防止することができる渦電流式ダンパを提供する。
【解決手段】渦電流式ダンパ(10)は、導電部材(1)と、磁石保持部材(2)と、複数の永久磁石(3)と、ボールねじ(6)と、第1軸受(41,42)と、第2軸受(51,52)とを備える。磁石保持部材(2)は、導電部材(1)の内側に配置される。永久磁石(3)は、磁石保持部材(2)の外周面によって保持され、導電部材(1)の内周面と隙間を空けて対向する。第1軸受(41,42)は、軸方向において磁石保持部材(2)の外側に設けられ、磁石保持部材(2)を軸方向に支持する。第2軸受(51,52)は、軸方向において第1軸受(41,42)よりも内側であって永久磁石(3)の両側に設けられ、磁石保持部材(2)を径方向に支持する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
渦電流式ダンパであって、
筒状を有する導電部材と、
前記導電部材の内側に配置され、筒状を有し、中心軸周りに回転可能に構成された磁石保持部材と、
前記磁石保持部材の周方向に沿って配列されるとともに前記磁石保持部材の外周面によって保持され、前記導電部材の内周面と隙間を空けて対向する複数の永久磁石と、
前記磁石保持部材の軸方向の一端部に固定されるナットと、前記ナットを貫通するねじ軸とを含むボールねじと、
前記軸方向において前記磁石保持部材の外側に設けられ、前記磁石保持部材を前記軸方向に支持する一対の第1軸受と、
前記軸方向において前記第1軸受よりも内側であって前記永久磁石の両側に設けられ、前記磁石保持部材を径方向に支持する一対の第2軸受と、
を備える、ダンパ。
【請求項2】
請求項1に記載の渦電流式ダンパであって、
前記第2軸受は、磁性材で構成され、
前記第2軸受と前記永久磁石との前記軸方向における最短距離は、前記複数の永久磁石のうち前記周方向に隣り合う永久磁石同士の間隔以上である、ダンパ。
【請求項3】
請求項1に記載の渦電流式ダンパであって、
前記第2軸受は、非磁性材で構成される、ダンパ。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載の渦電流式ダンパであって、
前記一対の第2軸受の一方は、前記軸方向において、前記磁石保持部材の前記一端部に対する前記ナットの固定部と前記永久磁石との間に配置される、ダンパ。
【請求項5】
請求項1から3のいずれか1項に記載の渦電流式ダンパであって、
前記磁石保持部材の前記一端部に対する前記ナットの固定部は、前記軸方向において、前記一対の第2軸受の一方と前記永久磁石との間に配置される、ダンパ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、渦電流式ダンパに関する。
【背景技術】
【0002】
地震等による振動から建物を保護するため、制振装置が使用されている。制振装置は、例えば建物の柱又は梁に取り付けられ、建物の振動を抑制する。このような制振装置の一種として、渦電流式ダンパが知られている。
【0003】
特許文献1は、円筒状の導電部材と、円筒状の磁石保持部材と、複数の永久磁石とを含む渦電流式ダンパを開示する。特許文献1の渦電流式ダンパにおいて、磁石保持部材は、例えば、導電部材の内側に配置される。永久磁石は、磁石保持部材によって保持されており、導電部材と隙間を空けて対向する。磁石保持部材の軸方向の一端部には、ボールねじのナットが固定されている。ボールねじのねじ軸は、ナットを貫通し、磁石保持部材内に延びている。ねじ軸及び導電部材は、それぞれ、取付部材を介して建物の柱又は梁に取り付けられている。
【0004】
地震等によって建物が振動し、特許文献1の渦電流式ダンパに振動が入力されると、ボールねじのねじ軸がその軸方向に沿って移動する。これに伴い、ボールねじのナット及び磁石保持部材がねじ軸周りに回転する。これにより、磁石保持部材に保持された永久磁石が導電部材に対して相対的に回転するため、導電部材に渦電流が発生する。この渦電流と永久磁石が形成する磁界との相互作用により、ナット及び磁石保持部材の回転方向と逆方向の抵抗力(ローレンツ力)が生じ、ナット及び磁石保持部材の回転が妨げられる。その結果、ねじ軸の軸方向の移動も妨げられ、建物の振動が減衰される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載されているように、永久磁石を用いた渦電流式ダンパでは、複数の永久磁石が導電部材と隙間を空けて対向する。この隙間が小さくなるほど永久磁石の磁界が導電部材に影響を及ぼしやすくなる。よって、渦電流式ダンパの抵抗力を向上させるためには、永久磁石と導電部材との隙間をできるだけ縮小させることが好ましい。しかしながら、永久磁石と導電部材との隙間を縮小させると、永久磁石が導電部材に接触する恐れがある。
【0007】
例えば、ボールねじのナットは、回転時、ねじ溝を転動するボールとの隙間の分だけ径方向に揺れ動く。この場合、永久磁石を保持する磁石保持部材も、ナットとともに径方向に揺動する。渦電流式ダンパを使用するほどボールが摩耗し、ボールとナットとの隙間が拡大するため、回転時におけるナットの揺動は大きくなる。このようなナットの揺動により、永久磁石と導電部材との接触が発生する可能性がある。
【0008】
あるいは、渦電流式ダンパを構成する各部品間の隙間(ガタ)の分だけ、永久磁石を保持する磁石保持部材が径方向に移動することがある。永久磁石と導電部材との間には永久磁石の磁力(引力)が作用するため、永久磁石及び磁石保持部材は導電部材に近づきやすい。そのため、永久磁石と導電部材との接触が発生する可能性がある。
【0009】
あるいは、ボールねじのねじ軸に対し、建物からの振動が軸方向に対して斜めに入力された場合、渦電流式ダンパを構成する各部品が変形したり、径方向に移動したりすることがある。これにより、永久磁石と導電部材との接触が発生する可能性がある。
【0010】
このように、ナットの揺動、永久磁石の引力、及び振動の入力方向、あるいはこれらの組み合わせにより、渦電流式ダンパの使用中に永久磁石が導電部材に接触する可能性がある。永久磁石と導電部材との隙間が小さすぎる場合、永久磁石と導電部材との接触が特に生じやすい。永久磁石が導電部材に接触した場合、永久磁石が破損する恐れがある。しかしながら、渦電流式ダンパの抵抗力を向上させる観点からは、永久磁石と導電部材との隙間を縮小させる必要がある。
【0011】
本開示は、永久磁石と導電部材との隙間を縮小させつつ、永久磁石と導電部材との接触を防止することができる渦電流式ダンパを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本開示に係る渦電流式ダンパは、導電部材と、磁石保持部材と、複数の永久磁石と、ボールねじと、一対の第1軸受と、一対の第2軸受とを備える。導電部材は、筒状を有する。磁石保持部材は、導電部材の内側に配置される。磁石保持部材は、筒状を有する。磁石保持部材は、その中心軸周りに回転可能に構成されている。複数の永久磁石は、磁石保持部材の周方向に沿って配列される。複数の永久磁石は、磁石保持部材の外周面によって保持されている。複数の永久磁石は、導電部材の内周面と隙間を空けて対向する。ボールねじは、ナットと、ねじ軸とを含む。ナットは、磁石保持部材の軸方向の一端部に固定される。ねじ軸は、ナットを貫通する。一対の第1軸受は、磁石保持部材の軸方向において磁石保持部材の外側に設けられる。一対の第1軸受は、磁石保持部材を軸方向に支持する。一対の第2軸受は、上記軸方向において第1軸受よりも内側であって永久磁石の両側に設けられる。一対の第2軸受は、磁石保持部材をその径方向に支持する。
【発明の効果】
【0013】
本開示に係る渦電流式ダンパによれば、永久磁石と導電部材との隙間を縮小させつつ、永久磁石と導電部材との接触を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1は、第1実施形態に係る渦電流式ダンパの縦断面図である。
【
図2】
図2は、第1実施形態に係る渦電流式ダンパの横断面図である。
【
図3】
図3は、
図1に示す渦電流式ダンパの縦断面の部分拡大図である。
【
図4】
図4は、第2実施形態に係る渦電流式ダンパの縦断面図であり、当該渦電流式ダンパの一部分を拡大して示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
実施形態に係る渦電流式ダンパは、導電部材と、磁石保持部材と、複数の永久磁石と、ボールねじと、一対の第1軸受と、一対の第2軸受とを備える。導電部材は、筒状を有する。磁石保持部材は、導電部材の内側に配置される。磁石保持部材は、筒状を有する。磁石保持部材は、その中心軸周りに回転可能に構成されている。複数の永久磁石は、磁石保持部材の周方向に沿って配列される。複数の永久磁石は、磁石保持部材の外周面によって保持されている。複数の永久磁石は、導電部材の内周面と隙間を空けて対向する。ボールねじは、ナットと、ねじ軸とを含む。ナットは、磁石保持部材の軸方向の一端部に固定される。ねじ軸は、ナットを貫通する。一対の第1軸受は、磁石保持部材の軸方向において磁石保持部材の外側に設けられる。一対の第1軸受は、磁石保持部材を軸方向に支持する。一対の第2軸受は、上記軸方向において第1軸受よりも内側であって永久磁石の両側に設けられる。一対の第2軸受は、磁石保持部材をその径方向に支持する(第1の構成)。
【0016】
従来の渦電流式ダンパには、磁石保持部材を軸方向に支持する第1軸受と、磁石保持部材を径方向に支持する第2軸受とが設けられている。第1軸受は、軸方向の荷重を支持するものであるため、軸方向において磁石保持部材の外側に配置される。従来の渦電流式ダンパにおいて、第2軸受は、軸方向において第1軸受よりもさらに外側に設けられている。すなわち、従来の渦電流式ダンパにおいて、第2軸受は、磁石保持部材に保持された永久磁石から軸方向に離れて配置されている。
【0017】
一方、第1の構成に係る渦電流式ダンパでは、第2軸受は、磁石保持部材の軸方向において、第1軸受よりも内側に設けられる。すなわち、第1の構成に係る渦電流式ダンパでは、従来の渦電流式ダンパと比較して、永久磁石の近くに第2軸受が配置されている。これにより、磁石保持部材に保持された永久磁石が何らかの要因で導電部材側に移動したとしても、永久磁石の移動を第2軸受によって規制することができる。よって、永久磁石と導電部材との接触を防止することができる。また、永久磁石と導電部材との接触が生じないことにより、永久磁石と導電部材との隙間を縮小させることができる。その結果、渦電流式ダンパの抵抗力を向上させることができる。
【0018】
第1の構成に係る渦電流式ダンパでは、第2軸受は、磁石保持部材の軸方向において第1軸受よりも内側に設けられる。そのため、従来のように第2軸受が第1軸受よりも軸方向の外側に設けられる場合と比較して、渦電流式ダンパを軸方向に小型化することができる。
【0019】
第2軸受は、磁性材で構成されていてもよい。この場合、第2軸受と永久磁石との軸方向における最短距離は、複数の永久磁石のうち周方向に隣り合う永久磁石同士の間隔以上であることが好ましい(第2の構成)。
【0020】
第2軸受が磁性材で構成され、この第2軸受と永久磁石とが磁石保持部材の軸方向において近接し過ぎている場合、永久磁石からの磁束が第2軸受に回り込む。永久磁石からの磁束が第2軸受に回り込み、永久磁石と第2軸受との間に相対運動が生じると、第2軸受において渦電流が発生して第2軸受が発熱する可能性がある。
【0021】
これに対して、第2の構成では、第2軸受と永久磁石との軸方向における最短距離が磁石保持部材の周方向に隣り合う永久磁石同士の間隔以上確保されている。これにより、各永久磁石からの磁束は、隣接する永久磁石に優先的に到達し、第2軸受には回り込みにくくなる。よって、第2軸受が磁性材で構成されている場合であっても、第2軸受における渦電流の発生、及びこれに伴う第2軸受の発熱を抑制することができる。
【0022】
第2軸受は、非磁性材で構成されていてもよい(第3の構成)。
【0023】
第3の構成では、第2軸受が非磁性材で構成される。この場合、永久磁石から第2軸受への磁束の回り込みは実質的に生じず、第2軸受の発熱の問題は生じない。そのため、磁石保持部材の軸方向において、第2軸受を永久磁石に近接させて配置することができる。その結果、永久磁石の移動を第2軸受でより規制しやすくなり、永久磁石と導電部材との接触をさらに効果的に防止することができる。
【0024】
一対の第2軸受の一方は、軸方向において、磁石保持部材の一端部に対するナットの固定部と永久磁石との間に配置されていてもよい(第4の構成)。あるいは、磁石保持部材の一端部に対するナットの固定部が、軸方向において、一対の第2軸受の一方と永久磁石との間に配置されていてもよい(第5の構成)。
【0025】
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。各図において同一又は相当の構成については同一符号を付し、同じ説明を繰り返さない。
【0026】
<第1実施形態>
[渦電流式ダンパの全体構成]
図1は、第1実施形態に係る渦電流式ダンパ10の概略構成を示す縦断面図である。渦電流式ダンパ10は、例えば、取付部材20a,20bによって建物の柱又は梁に取り付けられ、建物の振動を抑制する。
【0027】
図1を参照して、渦電流式ダンパ10は、導電部材1と、磁石保持部材2と、複数の永久磁石3と、一対の第1軸受41,42と、一対の第2軸受51,52と、ボールねじ6とを備える。
【0028】
(導電部材)
導電部材1は、
図1に示す一点鎖線Xを中心軸とする筒状を有する。導電部材1は、例えば、実質的に円筒状を有する。以下、渦電流式ダンパ10及びその構成部品に関して、導電部材1の中心軸Xが延びる方向を軸方向といい、中心軸X周りの円又は円筒の径方向を単に径方向という。
【0029】
導電部材1の軸方向の両端部は、支持部材71,72によって支持されている。支持部材71,72の各々は、筒状を有する。本実施形態では、支持部材71,72のうち、導電部材1側の部分は円すい筒状に形成され、他の部分は円筒状に形成されている。支持部材71,72は、それぞれ、導電部材1と実質的に同軸に配置されている。一方の支持部材71は、導電部材1の軸方向の一端部に接続されている。他方の支持部材72は、導電部材1の軸方向の他端部に接続されている。支持部材72は、取付部材20bを介して建物の柱又は梁に取り付けられる。これにより、導電部材1が建物に固定される。
【0030】
図1の例において、支持部材71,72は、導電部材1と別体である。この場合、例えばボルト等を使用して、導電部材1に支持部材71,72を接続することができる。ただし、支持部材71,72は、導電部材1と一体的に形成されていてもよい。
【0031】
導電部材1は、導電性を有する材質で構成されている。導電部材1の材質は、例えば、炭素鋼や鋳鉄等の強磁性材である。導電部材1の材質は、フェライト系ステンレス鋼等の弱磁性材であってもよいし、アルミニウム合金、オーステナイト系ステンレス鋼、又は銅合金等の非磁性材であってもよい。
【0032】
(磁石保持部材)
磁石保持部材2は、筒状を有する。磁石保持部材2は、例えば、実質的に円筒状を有する。磁石保持部材2は、導電部材1と共通の中心軸Xを有し、導電部材1の内側に配置されている。すなわち、磁石保持部材2は、径方向において導電部材1の内側で導電部材1と実質的に同軸に配置されている。磁石保持部材2は、中心軸X周りに回転可能に構成されている。
【0033】
磁石保持部材2の軸方向の両端部は、支持部材81,82によって支持される。支持部材81,82は、それぞれ、径方向において導電部材1の支持部材71,72の内側に配置されている。
【0034】
一方の支持部材81は、例えば、環状のフランジ部811と、筒部812とを含む。フランジ部811及び筒部812は、磁石保持部材2と実質的に同軸に配置されている。フランジ部811は、ボールねじ6を介して磁石保持部材2の軸方向の一端部に固定される。筒部812は、フランジ部811から取付部材20a側へと延びている。筒部812は、導電部材1の支持部材71の円筒状の部分に挿入されている。
【0035】
他方の支持部材82は、例えば、環状のフランジ部821と、筒部822とを含む。フランジ部821及び筒部822は、磁石保持部材2と実質的に同軸に配置されている。フランジ部821は、磁石保持部材2の軸方向の他端部に接続されている。筒部822は、フランジ部821から取付部材20b側へと延びている。筒部822は、導電部材1の支持部材72の円筒状の部分に挿入されている。
【0036】
図1の例において、支持部材82は、磁石保持部材2と一体的に形成されている。ただし、支持部材82は、磁石保持部材2と別体であってもよい。支持部材82が磁石保持部材2と別体である場合、例えばボルト等を使用して、磁石保持部材2に支持部材82を接続することができる。
【0037】
本実施形態において、磁石保持部材2は、磁性を有する材質で構成される。磁石保持部材2の材質は、透磁率の高いものであることが好ましい。透磁率の高い材質とは、例えば、炭素鋼、鋳鉄等の強磁性材である。
【0038】
(永久磁石)
複数の永久磁石3は、磁石保持部材2の外周面によって保持される。永久磁石3の各々は、例えば接着剤により、磁石保持部材2の外周面に固定される。永久磁石3の各々は、ボルト等によって磁石保持部材2の外周面に固定されてもよい。永久磁石3は、導電部材1の内周面と隙間を空けて対向する。
【0039】
図2は、渦電流式ダンパ10を中心軸Xに垂直な平面で切断した断面図(横断面図)である。
図2では、導電部材1、磁石保持部材2、及び複数の永久磁石3の一部分のみを示す。
【0040】
図2を参照して、永久磁石3は、磁石保持部材2の外周面上で、磁石保持部材2の周方向に沿って配列されている。これらの永久磁石3は、磁石保持部材2の全周にわたり、間隔Aを空けて配列されている。周方向に隣り合う永久磁石3同士の間隔Aは、永久磁石3間の周方向における距離である。永久磁石3同士の周方向における距離が一定でない場合(径方向に沿って変化する場合)は、永久磁石3と永久磁石3との間の周方向における最大距離を間隔Aとする。
【0041】
本実施形態では、永久磁石3の各々の磁極(N極及びS極)が径方向に並んでいる。永久磁石3は、磁石保持部材2の周方向に隣り合う永久磁石3同士の磁極が反転するように、磁石保持部材2上に設けられている。すなわち、ある永久磁石3においてN極が径方向の外側、S極が径方向の内側に配置されている場合、この永久磁石3の両隣に位置する永久磁石3では、S極が径方向の外側、N極が径方向の内側に配置されている。
【0042】
(軸受)
図1に戻り、一対の第1軸受41,42は、中心軸X周りに回転する磁石保持部材2の軸方向の荷重を支持するための軸受である。第1軸受41,42は、磁石保持部材2を軸方向に支持するように構成される。
【0043】
第1軸受41,42は、軸方向において磁石保持部材2の外側に設けられている。第1軸受41,42は、磁石保持部材2を挟むように配置され、磁石保持部材2の軸方向の両端部を支持する。本実施形態の例において、第1軸受41,42は、導電部材1の支持部材71,72と磁石保持部材2の支持部材81,82との間に配置され、磁石保持部材2の軸方向の両端部を間接的に支持している。一方の第1軸受41は、軸方向において、支持部材71の円筒状の部分と支持部材81のフランジ部811との間に配置されている。他方の第1軸受42は、軸方向において、支持部材72の円筒状の部分と支持部材82のフランジ部821との間に配置されている。
【0044】
一対の第2軸受51,52は、中心軸X周りに回転する磁石保持部材2の径方向の荷重を支持するための軸受である。第2軸受51,52は、磁石保持部材2を径方向に支持するように構成される。
【0045】
第2軸受51,52は、軸方向において第1軸受41,42よりも内側であって永久磁石3の両側に設けられている。すなわち、一方の第2軸受51は、軸方向において、一方の第1軸受41と永久磁石3との間に配置され、他方の第2軸受52は、軸方向において、他方の第1軸受42と永久磁石3との間に配置されている。本実施形態において、第2軸受51,52は、周方向に並ぶ永久磁石3の列を挟むように磁石保持部材2の外周面上に配置されている。第2軸受51,52は、磁石保持部材2の外周面を直接支持している。
【0046】
第1軸受41,42及び第2軸受51,52としては、公知の軸受を適宜選択して使用することができる。第1軸受41,42は、例えば、ボールベアリングやローラーベアリング等の転がり軸受であってもよいし、滑り軸受であってもよい。同様に、第2軸受51,52は、例えば、ボールベアリングやローラーベアリング等の転がり軸受であってもよいし、滑り軸受であってもよい。第2軸受51,52として転がり軸受を使用する場合、第2軸受51,52は、例えば、針状ころ軸受とすることができる。
【0047】
(ボールねじ)
ボールねじ6は、ナット61と、ねじ軸62とを含んでいる。
【0048】
ナット61は、環状のフランジ部611と、筒部612とを含む。フランジ部611及び筒部612は、磁石保持部材2と実質的に同軸に配置されている。フランジ部611は、磁石保持部材2と支持部材81との間に配置されている。より詳細には、フランジ部611は、磁石保持部材2の軸方向の一端部と、支持部材81のフランジ部811との間に配置されている。筒部612は、フランジ部611から磁石保持部材2内へと延びている。
【0049】
ナット61は、磁石保持部材2に固定されている。より具体的には、ナット61は、フランジ部611によって磁石保持部材2の軸方向の一端部に固定されている。ナット61は、磁石保持部材2の支持部材81にも固定されている。より具体的には、ナット61は、フランジ部611によって支持部材81のフランジ部811に固定されている。ナット61は、例えばボルト等により、磁石保持部材2及び支持部材81に固定される。
【0050】
ねじ軸62は、ナット61を貫通する。ねじ軸62は、ナット61に対して軸方向に移動可能であるとともに、軸方向の移動に伴ってナット61をねじ軸62(中心軸X)周りに回転させるように構成されている。ナット61の回転に伴い、磁石保持部材2が中心軸X周りに回転する。
【0051】
ねじ軸62の外周面とナット61の内周面との間には、ボールが介在する。ボールは、ねじ軸62が軸方向に移動するとき、ねじ軸62の外周面及びナット61の内周面に設けられたねじ溝に沿って転動する。ねじ軸62の軸方向の一端部は、取付部材20aを介して建物の柱又は梁に取り付けられる。すなわち、ねじ軸62は、建物に固定されている。
【0052】
[渦電流式ダンパの詳細構成]
図3は、渦電流式ダンパ10の縦断面(
図1)の部分拡大図である。以下、
図3を参照して、特に第2軸受51,52についてより詳細に説明する。
【0053】
図3を参照して、一対の第2軸受51,52のうち、一方の第2軸受51は、ナット61のフランジ部611の近傍に配置されている。フランジ部611は、磁石保持部材2の一端部に対するナット61の固定部である。第2軸受51は、軸方向においてフランジ部611と永久磁石3との間に配置されている。他方の第2軸受52は、永久磁石3を挟み、第2軸受51の反対側に配置されている。第2軸受51,52は、導電部材1の内周面と磁石保持部材2の外周面との間に配置されている。
【0054】
導電部材1の内周面は、第2軸受51,52が配置される部分と他の部分との間に形成された段差、あるいは、第2軸受51,52が配置される部分に形成された溝部を有する。すなわち、導電部材1の内周面のうち第2軸受51,52が配置される部分は、他の部分と比較して径方向の外側に位置づけられている。
図3に示す例では、導電部材1の内周面に溝部が形成されており、第2軸受51,52の一部がこの溝部に埋め込まれている。
【0055】
同様に、磁石保持部材2の外周面は、第2軸受51,52が配置される部分と他の部分との間に形成された段差、あるいは、第2軸受51,52が配置される部分に形成された溝部を有する。すなわち、磁石保持部材2の外周面のうち第2軸受51,52が配置される部分は、他の部分と比較して径方向の内側に位置づけられている。
図3に示す例では、磁石保持部材2の外周面に段差が形成されている。
【0056】
導電部材1の内周面及び磁石保持部材2の外周面における段差又は溝部の大きさは、渦電流式ダンパ10の径方向における第2軸受51,52の寸法(厚み)に応じて定まる。例えば、第2軸受51,52が針状ころ軸受である場合、深溝玉軸受等と比較して、渦電流式ダンパ10の径方向における第2軸受51,52の寸法(厚み)が小さいため、導電部材1の内周面及び磁石保持部材2の外周面の段差又は溝部を浅くすることができる。よって、導電部材1及び磁石保持部材2を薄肉化することができる。
【0057】
第2軸受51,52は、導電部材1及び磁石保持部材2に接触して配置されている。第2軸受51,52と導電部材1の間、及び第2軸受51,52と磁石保持部材2との間には、実質的に径方向の隙間が存在しない。
【0058】
第2軸受51,52が転がり軸受である場合、第2軸受51,52の内輪には磁石保持部材2が圧入されるため、第2軸受51,52と磁石保持部材2との間に径方向の隙間は存在しない。また、第2軸受51,52の外輪は導電部材1の内周面に固定されるため、第2軸受51,52と導電部材1との間には径方向の隙間が存在しないか、存在したとしても非常に小さい。第2軸受51,52が転がり軸受である場合、内輪と外輪との間に転動体が存在するが、転動体は内輪及び外輪に形成された軌道上で転動するものであるため、内輪及び外輪と転動体との径方向の隙間は非常に小さい。
【0059】
第2軸受51,52が外輪及び内輪を有する滑り軸受である場合、第2軸受51,52の内輪には磁石保持部材2が圧入されるため、第2軸受51,52と磁石保持部材2との間に径方向の隙間は存在しない。また、第2軸受51,52の外輪は導電部材1の内周面に固定されるため、第2軸受51,52と導電部材1との間には径方向の隙間が存在しないか、存在したとしても非常に小さい。さらに、外輪及び内輪はほとんど常時接触するように構成されるため、外輪と内輪との径方向の隙間は非常に小さい。第2軸受51,52が単一の環状部材からなる滑り軸受である場合、この環状部材は導電部材1及び磁石保持部材2の一方に取り付けられ、導電部材1及び磁石保持部材2の他方に対してほとんど常時接触するように構成される。そのため、環状部材と導電部材1及び磁石保持部材2との間には径方向の隙間が存在しないか、存在したとしても非常に小さい。
【0060】
第2軸受51,52は、磁性材で構成されていてもよいし、非磁性材で構成されていてもよい。第2軸受51,52が磁性材で構成されている場合、第2軸受51,52と永久磁石3との間隔B1,B2は、周方向に隣り合う永久磁石3同士の間隔A(
図2)以上であることが好ましい。第2軸受51,52が磁性材で構成されている場合、第2軸受51,52と永久磁石3との間隔B1,B2は、例えば、導電部材1の内周面と永久磁石3との隙間Gの5倍以上とすることができる。第2軸受51,52が非磁性材で構成されている場合、第2軸受51,52と永久磁石3との間隔B1,B2は、永久磁石3同士の間隔A以上であってもよいし、間隔A未満であってもよい。第2軸受51,52が非磁性材で構成されている場合、永久磁石3と第2軸受51,52とを軸方向に隣接させて配置することができる。間隔B1,B2は、第2軸受51,52と永久磁石3との軸方向における最短距離である。隙間Gは、永久磁石3の表面から導電部材1の内周面までの径方向における最短距離である。
【0061】
[渦電流式ダンパの動作]
図1を再度参照して、地震等によって建物が振動し、渦電流式ダンパ10に振動が入力されると、ボールねじ6のねじ軸62が軸方向に沿って移動する。これに伴い、ボールねじ6のナット61が中心軸X周りに回転する。磁石保持部材2及び永久磁石3は、ナット61とともに中心軸X周りに回転する。これにより、永久磁石3が建物に固定された導電部材1に対して相対的に回転することになるため、導電部材1に渦電流が発生する。この渦電流と永久磁石3が形成する磁界との相互作用により、ナット61及び磁石保持部材2の回転方向と逆方向の抵抗力(ローレンツ力)が生じ、ナット61及び磁石保持部材2の回転が妨げられる。その結果、ねじ軸62の軸方向の移動も妨げられ、建物の振動が減衰される。
【0062】
[効果]
本実施形態に係る渦電流式ダンパ10において、磁石保持部材2を径方向に支持する第2軸受51,52は、磁石保持部材2を軸方向に支持する第1軸受41,42よりも軸方向の内側に設けられる。これにより、永久磁石3に対して第2軸受51,52を軸方向に近づけることができる。この第2軸受51,52と導電部材1との間、及び第2軸受51,52と磁石保持部材2との間には実質的に径方向の隙間が存在しない。そのため、磁石保持部材2に保持された永久磁石3が何らかの要因で導電部材1側(径方向の外側)に移動しようとしたとしても、永久磁石3が導電部材1の内周面に接触する前に、永久磁石3の移動が第2軸受51,52によって規制される。よって、永久磁石3と導電部材1との接触を防止することができる。また、永久磁石3と導電部材1との接触が第2軸受51,52によって生じなくなるため、永久磁石3と導電部材1との隙間Gを縮小させることができる。その結果、渦電流式ダンパ10の抵抗力を向上させることができる。
【0063】
第1軸受41,42は、磁石保持部材2を軸方向に支持するものであるため、軸方向において磁石保持部材2の外側に配置される。従来の渦電流式ダンパでは、この第1軸受41,42よりも軸方向においてさらに外側に第2軸受51,52が配置されている。これに対して、本実施形態に係る渦電流式ダンパ10では、第1軸受41,42よりも軸方向において内側に第2軸受51,52が配置される。そのため、永久磁石3と導電部材1との隙間Gを縮小させつつ永久磁石3と導電部材1との接触を防止することに加え、渦電流式ダンパ10を軸方向に小型化することもできる。
【0064】
第1軸受41,42は、導電部材1の支持部材71,72と磁石保持部材2の支持部材81,82との間に配置されている。第1軸受41,42よりも軸方向においてさらに外側に第2軸受51,52を配置するとすれば、支持部材71,72をそれぞれ二部材で構成する必要がある。しかしながら、本実施形態では、第2軸受51,52が第1軸受41,42よりも軸方向において内側に配置されるため、支持部材71,72をそれぞれ一部材で構成することができる。これにより、渦電流式ダンパ10を小型化することができ、また、渦電流式ダンパ10の部品点数を削減することができる。
【0065】
本実施形態に係る渦電流式ダンパ10において、第2軸受51,52は、磁性材で構成されていてもよい。この場合、第2軸受51,52と永久磁石3との間隔B1,B2は、周方向に隣り合う永久磁石3同士の間隔A以上であることが好ましい。これにより、各永久磁石3からの磁束が隣接する永久磁石3に到達しやすくなり、第2軸受51,52に回り込みにくくなる。よって、第2軸受51,52が磁性材で構成されている場合であっても、第2軸受51,52における渦電流の発生、及びこれに伴う第2軸受51,52の発熱を抑制することができる。第2軸受51,52と永久磁石3との間隔B1,B2は、渦電流式ダンパ10の小型化の観点から、例えば、永久磁石3同士の間隔Aの1.5倍以下とすることができる。
【0066】
本実施形態に係る渦電流式ダンパ10において、第2軸受51,52が磁性材で構成されている場合、第2軸受51,52と永久磁石3との間隔B1,B2は、例えば、導電部材1の内周面と永久磁石3との隙間Gの5倍以上とすることができる。この場合も、永久磁石3からの磁束が第2軸受51,52に回り込みにくくなる。よって、第2軸受51,52における渦電流の発生、及びこれに伴う第2軸受51,52の発熱を抑制することができる。
【0067】
本実施形態に係る渦電流式ダンパ10において、第2軸受51,52は、非磁性材で構成されていてもよい。この場合、永久磁石3から第2軸受51,52への磁束の回り込みは実質的に生じず、第2軸受51,52の発熱の問題は生じない。よって、第2軸受51,52を永久磁石3に対して軸方向に近接させて配置することができる。第2軸受51,52と永久磁石3との間隔B1,B2は、永久磁石3同士の間隔A未満であってもよい。第2軸受51,52を永久磁石3に近接させることにより、永久磁石3の移動を第2軸受51,52でより規制しやすくなる。よって、永久磁石3と導電部材1との接触をより効果的に防止することができる。
【0068】
<第2実施形態>
図4は、第2実施形態に係る渦電流式ダンパ10Aの縦断面図であり、渦電流式ダンパ10Aの一部分を拡大して示す図である。
図4に示すように、本実施形態に係る渦電流式ダンパ10Aは、第2軸受51,52の位置において第1実施形態に係る渦電流式ダンパ10と異なる。
【0069】
第1実施形態に係る渦電流式ダンパ10では、第2軸受51,52は、導電部材1の内周面と磁石保持部材2の外周面との間に配置されている(
図3)。一方、本実施形態に係る渦電流式ダンパ10Aでは、
図4に示すように、第2軸受51,52は、導電部材1の内周面と磁石保持部材2の支持部材81,82の外周面との間に配置されている。第2軸受51,52は、軸方向において磁石保持部材2よりも外側に配置されている。
【0070】
一方の第2軸受51は、軸方向においてナット61のフランジ部611よりも外側に配置されている。言い換えると、ナットのフランジ部611は、軸方向において第2軸受51と永久磁石3との間に配置されている。他方の第2軸受52は、永久磁石3を挟み、第2軸受51の反対側に配置されている。
【0071】
本実施形態に係る渦電流式ダンパ10Aであっても、第1実施形態に係る渦電流式ダンパ10と同様の効果を奏する。すなわち、渦電流式ダンパ10Aの動作中、磁石保持部材2及び永久磁石3が導電部材1側に移動しようとしたとしても、永久磁石3が導電部材1の内周面に接触する前に、永久磁石3の移動が第2軸受51,52で規制される。よって、永久磁石3と導電部材1との接触を防止することができ、かつ、永久磁石3と導電部材1との隙間Gを縮小させることができる。また、軸方向において第2軸受51,52が第1軸受41,42よりも内側に配置されているため、渦電流式ダンパ10Aを軸方向に小型化することができる。
【0072】
本実施形態において、第2軸受51,52は、磁石保持部材2よりも軸方向の外側に配置される。この場合、導電部材1及び磁石保持部材2を加工しなくても、第2軸受51,52を配置するスペースを確保することできる。すなわち、第2軸受51,52を配置するための段差又は溝部を磁石保持部材2の外周面に形成する必要はない。同様に、導電部材1の内周面にも、第2軸受51,52を配置するための段差又は溝部を形成する必要はない。よって、導電部材1及び磁石保持部材2の構造を簡素化することができる。また、導電部材1及び磁石保持部材2において段差又は溝部を形成できるだけの厚みを確保する必要がないため、導電部材1及び磁石保持部材2を薄肉化することができる。
【0073】
以上、本開示に係る実施形態について説明したが、本開示は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
【0074】
上記実施形態では、第2軸受51,52の配置について2つの例を示したが、第2軸受51,52の配置は上記実施形態の例に限定されるものではない。第2軸受51,52は、軸方向において第1軸受41,42の内側で永久磁石3の両側に配置されていればよく、その位置を適宜変更することができる。
【0075】
上記実施形態では、磁石保持部材2の外周面上に、周方向に配列された一列の永久磁石3が設けられている。しかしながら、磁石保持部材2の外周面上には、複数列の永久磁石3が設けられていてもよい。この場合、第2軸受51,52は、軸方向において、複数列の永久磁石3の両側に設けられる。すなわち、軸方向において、一方の第2軸受51と他方の第2軸受52との間に、複数列の永久磁石3が配置される。
【0076】
上記実施形態において、永久磁石3の各々の磁極(N極及びS極)は、磁石保持部材2の径方向に並んでいる。しかしながら、永久磁石3の各々の磁極(N極及びS極)は、磁石保持部材2の周方向に並んでいてもよい。この場合、周方向に隣り合う永久磁石3の間には、ポールピースが配置されることが好ましく、磁石保持部材2は、非磁性材で構成されることが好ましい。
【符号の説明】
【0077】
10,10A:渦電流式ダンパ
1:導電部材
2:磁石保持部材
3:永久磁石
41,42:第1軸受
51,52:第2軸受
6:ボールねじ
61:ナット
62:ねじ軸