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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022189112
(43)【公開日】2022-12-22
(54)【発明の名称】洗車システム
(51)【国際特許分類】
   B60S 3/06 20060101AFI20221215BHJP
【FI】
B60S3/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021097500
(22)【出願日】2021-06-10
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】羽原 輝晃
(72)【発明者】
【氏名】星 賢児
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 正明
【テーマコード(参考)】
3D026
【Fターム(参考)】
3D026AA03
3D026AA13
3D026AA25
3D026AA33
3D026AA40
3D026AA76
(57)【要約】
【課題】車両の外面に液体が付着したままの状態で、洗車機がブロア作業を終了するおそれを小さくする洗車システムを提供する。
【解決手段】洗車機40のブロア装置50から空気流の供給を受ける車両12の外面に付着した液体を検出可能な液体検出部と、所定の実行時間に渡ってブロア装置が空気流を車両に供給した後に、車両の外面に付着している液体を液体検出部が検出しているときに、空気流を車両へ供給するようにブロア装置を制御するブロア制御部と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗車機のブロア装置から空気流の供給を受ける車両の外面に付着した液体を検出可能な液体検出部と、
所定の実行時間に渡って前記ブロア装置が空気流を前記車両に供給した後に、前記車両の外面に付着している液体を前記液体検出部が検出しているときに、空気流を前記車両へ供給するように前記ブロア装置を制御するブロア制御部と、
を備える、
洗車システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗車システムに関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、洗車機によって洗浄されている車両に搭載された撮影装置がフロントガラスに付着した水滴を検出したときに、車体に設けられた充電リッドを閉状態に保持する発明が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-169482号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般的に洗車機は、洗浄液等の液体を利用した洗車作業の終了後に、車両の外面に付着した液体を除去するために、車両の外面に空気流を噴射するブロア作業を実施する。しかし上記特許文献1の洗車機は、車両の外面に液体が付着したままの状態でブロア作業を終了するおそれがある。
【0005】
本発明は上記事実を考慮し、車両の外面に液体が付着したままの状態で、洗車機がブロア作業を終了するおそれを小さくする洗車システムを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の洗車システムは、洗車機のブロア装置から空気流の供給を受ける車両の外面に付着した液体を検出可能な液体検出部と、所定の実行時間に渡って前記ブロア装置が空気流を前記車両に供給した後に、前記車両の外面に付着している液体を前記液体検出部が検出しているときに、空気流を前記車両へ供給するように前記ブロア装置を制御するブロア制御部と、を備える。
【0007】
請求項1に記載の洗車システムは、実行時間に渡ってブロア装置が空気流を車両に供給した後に車両の外面に付着している液体を液体検出部が検出したときに、ブロア制御部が、空気流を車両へ供給するようにブロア装置を制御する。従って、洗車機のブロア装置から空気流の供給を受ける車両の外面に液体が付着したままの状態で、洗車機のブロア装置がブロア作業を終了するおそれを小さくできる。
【発明の効果】
【0008】
以上説明したように、本発明に係る洗車システムは、車両の外面に液体が付着したままの状態で、洗車機がブロア作業を終了するおそれを小さくする、という優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施形態に係る洗車システムの構成要素である車両及び洗車機の後方から見た図である。
図2図1に示される車両の側面図である。
図3図2に示される車両のECUの制御ブロック図である。
図4図3に示されるECUの機能ブロック図である。
図5図1に示される洗車機のECUの機能ブロック図である。
図6】車両のECUが実行する処理を表すフローチャートである。
図7】洗車機のECUが実行する処理を表すフローチャートである。
図8】車両のECUが実行する処理を表すフローチャートである。
図9】車両のECUが実行する処理を表すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明に係る洗車システム10の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0011】
図1は、実施形態の洗車システム10を示している。本実施形態の洗車システム10は、車両12及び洗車機40を備える。
【0012】
図1及び図2に示されるように、車両12は、車体14、ドア16、フロントウインド18、複数の撮影装置(カメラ)20A、20B、20C、無線通信装置22、ディスプレイ24、ワイパー26及びECU(Electronic Control Unit)34を備える。さらに車両12は、イグニッションスイッチ及びシフトレバー(いずれも図示省略)を備える。
【0013】
撮影装置20Aは、車両12の内部にフロントウインド18の直後に位置するように設けられている。撮影装置20Aは車両12の前方を撮影する。撮影装置20Bは、車両12の側部(ドア16)に設けられている。撮影装置20Bは車両12の側方を撮影する。撮影装置20Cは車両12の後端部に設けられている。撮影装置20Cは車両12の後方を撮影する。撮影装置20A、20B、20C、無線通信装置22、ディスプレイ24及びワイパー26を作動させるワイパー用アクチュエータ(図示省略)は、ECU34に接続されている。撮影装置20A、20B、20Cは、車両12が実行する運転支援制御に用いられる画像データを取得する。
【0014】
図3に示されるようにECU34は、CPU(Central Processing Unit:プロセッサ)34A、ROM(Read Only Memory)34B、RAM(Random Access Memory)34C、ストレージ34D、通信I/F(Inter Face)34E及び入出力I/F34Fを含んで構成されている。CPU34A、ROM34B、RAM34C、ストレージ34D、通信I/F34E及び入出力I/F34Fは、バス34Zを介して相互に通信可能に接続されている。ECU34は、タイマー(図示省略)から時刻に関する情報を取得可能である。ROM34B及びストレージ34Dは非一時的記録媒体である。
【0015】
CPU34Aは、中央演算処理ユニットであり、各種プログラムを実行したり、各部を制御したりする。すなわち、CPU34Aは、ROM34B又はストレージ34Dからプログラムを読み出し、RAM34Cを作業領域としてプログラムを実行する。CPU34Aは、ROM34B又はストレージ34Dに記録されているプログラムに従って、各構成の制御及び各種の演算処理を行う。ROM34Bには、洗車機操作用アプリケーション(プログラム)がインストールされている。さらにROM34Bには、撮影装置20B、20Cの位置情報が記録されている。
【0016】
RAM34Cは、作業領域として一時的にプログラム又はデータを記憶する。ストレージ34Dは、HDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)等の記憶装置により構成され、各種プログラム及び各種データを格納する。通信I/F34Eは、ECU34が他の機器と通信するためのインタフェースである。入出力I/F34Fは、車両12に搭載される各装置と通信するためのインタフェースである。
【0017】
図4には、ECU34の機能構成の一例がブロック図で示されている。ECU34は、機能構成として、受付部343、撮影装置制御部344、通信制御部345及びワイパー制御部346を有する。受付部343、撮影装置制御部344、通信制御部345及びワイパー制御部346は、プロセッサ(コンピュータ)の一例であるCPU34Aが、非一時的記録媒体の一例であるROM34B又はストレージ34Dに記憶されたプログラムを読み出し、実行することにより実現される。
【0018】
受付部343は、イグニッションスイッチ及びシフトレバーの位置を検出する。さらに受付部343は、洗車機操作用アプリケーションが起動中か否かを判定する。さらに受付部343は、後述する洗車要求ボタンが操作されたときに洗車要求を生成する。
【0019】
撮影装置制御部344は撮影装置20A、20B、20Cを制御する。
【0020】
通信制御部345は無線通信装置22を制御する。
【0021】
ワイパー制御部346は、ワイパー用アクチュエータを制御する。
【0022】
図1に示される洗車機40は、ガソリンスタンドの敷地内に設置されている。洗車機40は、前後方向(図1の紙面に直交する方向)に移動可能である。洗車機40は、第1ブラシ42、一対の第2ブラシ44、第1液体供給装置46、一対の第2液体供給装置48、複数のブロア装置50、ディスプレイ52、複数の撮影装置53、無線通信装置54及びECU56を備える。第1ブラシ42、第2ブラシ44、第1液体供給装置46、第2液体供給装置48、複数のブロア装置50、ディスプレイ52、各撮影装置53、及び無線通信装置54は、ECU56に接続されている。洗車機40は、複数の洗車コースに基づく洗車動作を実行可能である。洗車機40の利用者は、ディスプレイ(タッチパネル)52又は車両12のディスプレイ(タッチパネル)24を操作することにより、少なくとも一つの洗車コースを選択可能である。
【0023】
ECU56の構成はECU34と同一である。即ち、ECU56は、CPU、ROM、RAM、ストレージ、通信I/F、入出力I/F、及びバスを有する。図5には、ECU56の機能構成の一例がブロック図で示されている。ECU56は、機能構成として、開始判定部561、ブラシ制御部562、液体供給制御部563、ブロア制御部564、移動制御部565、作業完了判定部566、ディスプレイ制御部567、通信制御部568及び液体検出部569を有する。開始判定部561、ブラシ制御部562、液体供給制御部563、ブロア制御部564、移動制御部565、作業完了判定部566、ディスプレイ制御部567、通信制御部568及び液体検出部569は、プロセッサ(コンピュータ)の一例であるCPUが、非一時的記録媒体の一例であるROM又はストレージに記憶されたプログラムを読み出し、実行することにより実現される。
【0024】
開始判定部561は、洗車機40の無線通信装置54が、後述する各種の情報を無線通信装置22から受信したか否かを判定する。
【0025】
ブラシ制御部562は、第1ブラシ42及び第1ブラシ42を動作させるためのブラシ用アクチュエータ(図示省略)を制御する。
【0026】
液体供給制御部563は、第1液体供給装置46及び第2液体供給装置48を制御して、第1液体供給装置46及び第2液体供給装置48の少なくとも一方に、洗浄水及び洗浄液の一方を選択的に噴射させる。
【0027】
ブロア制御部564はブロア装置50を制御する。ブロア制御部564によって制御されたブロア装置50は、送風方向及び風圧を調整しながら空気流を噴射する。
【0028】
移動制御部565は、洗車機40を前後方向に進退させるための駆動システム(図示省略)を制御する。移動制御部565によって制御された駆動システムが作動すると、洗車機40が前後方向に進退する。
【0029】
作業完了判定部566は、洗車機40が選択された洗車コースに基づく洗車動作を実行するときに、当該洗車動作が完了したか否かを判定する。
【0030】
ディスプレイ制御部567はディスプレイ52を制御する。
【0031】
通信制御部568は無線通信装置54を制御する。
【0032】
液体検出部569は、撮影装置20A及び各撮影装置53が取得した画像データに基づいて、車体14の表面に洗浄水及び洗浄液の少なくとも一方(以下、液体と称する)が付着しているか否かを判定する。
【0033】
続いて、本実施形態の車両12のECU34及び洗車機40のECU56が行う処理の流れについて、図6図9のフローチャートを用いて説明する。
【0034】
ECU34は所定時間が経過する毎に、図6のフローチャートの処理を繰り返し実行する。
【0035】
まずステップS10においてECU34の受付部343は、洗車機操作用アプリケーションが起動中か否かを判定する。車両12の乗員がディスプレイ24のタッチパネルを操作することにより、洗車機操作用アプリケーションが起動する。さらに受付部343は、イグニッションスイッチがOFF位置にあり且つシフトレバーがパーキング位置にあるか否かを判定する。
【0036】
ステップS10においてYesと判定したとき、ECU34はステップS11へ進む。なおステップS10においてYesと判定された場合、ECU34及びECU34に接続された各制御対象(撮影装置20A、20B、20C、無線通信装置22、ディスプレイ24及びワイパー26)へ常時電源の電力が供給可能になる。
【0037】
ステップS11へ進んだECU34の受付部343は、乗員がディスプレイ(タッチパネル)24を利用して「洗車要求ボタン」を操作したか否かを判定する。
【0038】
ステップS11においてYesと判定したとき、ECU34はステップS12へ進む。ステップS12において受付部343が「洗車要求」を生成する。
【0039】
ステップS12の処理を終えたECU34はステップS13へ進む。ステップS13において受付部343は、乗員がディスプレイ(タッチパネル)24を利用して複数の洗車コースの中から少なくとも一つの洗車コースを選択したか否かを判定する。
【0040】
ステップS13の処理を終えたECU34はステップS14へ進む。ステップS14において通信制御部345によって制御された無線通信装置22が、洗車要求、選択された洗車コースに関する情報及びROM34Bに記録された撮影装置20B、20Cの位置情報を無線通信装置54へ無線送信する。
【0041】
ステップS10、11、13でNoと判定したとき、又はステップS14の処理を終えたとき、ECU34は図6のフローチャートに示された処理を一旦終了する。
【0042】
ECU56は所定時間が経過する毎に、図7のフローチャートの処理を繰り返し実行する。
【0043】
まずステップS20においてECU56の開始判定部561は無線通信装置54が、洗車要求、選択された洗車コースに関する情報及び撮影装置20B、20Cの位置情報を受信したか否かを判定する。
【0044】
ステップS20においてYesと判定したとき、ECU56はステップS21へ進む。ステップS21において、ECU56のブラシ制御部562が第1ブラシ42及び第2ブラシ44の少なくとも一つを動作させ、液体供給制御部563が第1液体供給装置46及び第2液体供給装置48の少なくとも一つを動作させ、ブロア制御部564がブロア装置50を動作させる。さらに移動制御部565が駆動システムを作動させる。即ち、ステップS20においてYesと判定したとき、選択された洗車コースに基づく洗車動作である通常洗車動作を洗車機40が開始することが許可される。この通常洗車動作は、所定の実行時間に渡って実行される。
【0045】
第1液体供給装置46及び第2液体供給装置48の少なくとも一方から液体が車両12へ供給される。さらに第1ブラシ42及び第2ブラシ44の少なくとも一方が回転しながら車両12の外面に接触する。さらにブロア装置50が噴射した空気流によって、車両12の表面に付着した液体が除去される。さらに洗車機40が駆動システムの駆動力によって前後方向に進退する。このようにして洗車機40が通常洗車動作を実行する。
【0046】
通常洗車動作の実行中に、ECU56のブロア制御部564によって制御されたブロア装置50が、撮影装置20B、20Cの位置情報に基づいて、撮影装置20B、20Cへ空気流を供給する。さらに、ブロア装置50から撮影装置20B、20Cへ供給される空気流の風圧が、車両12の撮影装置20B、20C以外の部位(対象外部位)へ供給される空気流の風圧より大きくなるように、ブロア制御部564がブロア装置50を制御する。
【0047】
さらに通常洗車動作の実行中に、撮影装置53が撮像した画像データがECU56へ送信される。ECU56の液体検出部569は、撮影装置53から受信した画像データに基づいて、撮影装置20B及び撮影装置20Cの少なくとも一方に液体が付着しているか否かを判定する。例えば、撮影装置20Bに液体が付着していると判定したとき、ブロア制御部564によって制御されたブロア装置50は、撮影装置20Bに液体が付着していると判定していないときと比べて、撮影装置20Bへ供給する空気流の風圧を大きくする。
【0048】
ステップS21の処理を終えたECU56はステップS22へ進む。ステップS22においてECU56の作業完了判定部566が、洗車機40が通常洗車動作を完了したか否かを判定する。ステップS22でNoと判定したとき、作業完了判定部566はYesと判定するまでステップS22の処理を繰り返す。
【0049】
ステップS22においてYesと判定したとき、ECU56はステップS23へ進む。ステップS23において、作業完了判定部566が追加ブローフラグの値を「1」に設定する。追加ブローフラグの初期値は「0」である。ステップS23において無線通信装置54が、フラグ情報を無線通信装置22へ無線送信する。
【0050】
ステップS23の処理を終えたECU56はステップS24へ進む。ステップS24においてECU56の液体検出部569が、車体14の外面に液体が付着(残留)しているか否かを、各撮影装置53から送信された画像データに基づいて判定する。さらにステップS24において液体検出部569が、撮影装置20Aから受信した画像データに基づいて、フロントウインド18の外面に液体が付着しているか否かを判定する。なお、後述するように、追加ブローフラグの値が「1」のとき、車両12の無線通信装置22は、撮影装置20Aが取得した画像データを無線通信装置54へ無線送信する。
【0051】
液体が付着していると判定したときに、ECU56はステップS25へ進む。ステップS25において、ブロア制御部564によって制御されたブロア装置50が、液体が付着していると判定された部位へ向けて空気流を噴射する。例えば、撮影装置20Aから取得した画像データに基づいて、フロントウインド18の外面に液体が付着しているとステップS24で液体検出部569が判定した場合は、ブロア装置50はフロントウインド18へ向けて空気流を噴射する。また、撮影装置53から取得した画像データに基づいて、一つのドア16の外面に液体が付着しているとステップS24で液体検出部569が判定した場合は、ブロア装置50はこのドア16へ向けて空気流を噴射する。このときブロア装置50が車両12へ供給する空気流の風圧は、通常洗車動作においてブロア装置50が車両12へ供給する空気流の風圧より大きい。このように通常洗車動作の後にブロア装置50が行う動作を、追加ブロー動作と呼ぶ。
【0052】
ステップS25の処理を終えたECU56はステップS26へ進む。ステップS26においてECU56の液体検出部569が、車体14の外面に付着していた液体が完全に除去されたか否かを判定する。例えば、撮影装置20Aから取得した画像データに基づいて、フロントウインド18の外面に付着していた液体が除去されたと液体検出部569が判定したとき、ブロア装置50はフロントウインド18への空気流の噴射を停止する。また、撮影装置53から取得した画像データに基づいて、一つのドア16の外面に付着していた液体が除去されたと液体検出部569が判定したとき、ブロア装置50はこのドア16への空気流の噴射を停止する。
【0053】
ステップS26においてYesと判定したとき、ECU56はステップS27へ進む。ステップS27において、ブロア制御部564がブロア装置50による追加ブロー動作を停止させる。一方、ステップS26でNoと判定したとき、液体検出部569はYesと判定するまでステップS26の処理を繰り返す。
【0054】
ステップS27の処理を終えたECU56はステップS28へ進む。ステップS28において、作業完了判定部566が追加ブローフラグの値を「0」に設定する。ステップS28において無線通信装置54が、フラグ情報を無線通信装置22へ無線送信する。
【0055】
ステップS28の処理を終えたECU56はステップS29へ進む。ステップS29において、作業完了判定部566が終了報知信号を生成し、且つ、無線通信装置54が生成された終了報知信号を車両12の無線通信装置22へ無線送信する。
【0056】
ステップS20でNoと判定したとき又はステップS29の処理を終えたとき、ECU56は図7のフローチャートに示された処理を一旦終了する。
【0057】
ECU34は所定時間が経過する毎に、図8のフローチャートの処理を繰り返し実行する。
【0058】
まずステップS30においてECU34の通信制御部345は、無線通信装置22が受信した追加ブローフラグ情報が表す内容が「追加ブローフラグ=1」であるか否かを判定する。即ち、通信制御部345は洗車機40による追加ブロー動作が実行中か否かを判定する。
【0059】
ステップS30においてYesと判定したとき、ECU34はステップS31へ進む。ステップS31において、ECU34の撮影装置制御部344によって制御された撮影装置20Aが取得した画像データをECU34へ送信する。さらに通信制御部345によって制御された無線通信装置22が、画像データを無線通信装置54へ無線送信する。
【0060】
ステップS30でNoと判定したとき又はステップS31の処理を終えたとき、ECU34は図8のフローチャートに示された処理を一旦終了する。
【0061】
ECU34は所定時間が経過する毎に、図9のフローチャートの処理を繰り返し実行する。
【0062】
まずステップS40において通信制御部345は、無線通信装置22が、無線通信装置54から終了報知信号を受信したか否かを判定する。
【0063】
ステップS40においてYesと判定したとき、ECU34はステップS41へ進む。ステップS41において、ECU34のワイパー制御部346がワイパー用アクチュエータを一定時間に渡って動作させる。
【0064】
ステップS40でNoと判定したとき又はステップS41の処理を終えたとき、ECU34は図9のフローチャートに示された処理を一旦終了する。
【0065】
(作用並びに効果)
次に、本実施形態の作用並びに効果について説明する。
【0066】
本実施形態の洗車システム10では、上記実行時間に渡って洗車機40が通常洗車動作を実行した後に車両12の外面に付着している液体をECU56の液体検出部569が検出したときに、ブロア制御部564が、空気流を車両12へ供給するようにブロア装置50を制御する。従って、車両12の外面に液体が付着したままの状態で、洗車機40のブロア装置50がブロア作業を終了するおそれを小さくできる。
【0067】
さらに追加ブロー動作の完了時にフロントウインド18の外面に液体が付着している場合は、この液体がワイパー26によって除去される可能性が高い。
【0068】
さらに通常洗車動作の実行中に、ブロア装置50が、撮影装置20B、20Cの位置情報に基づいて、撮影装置20B、20Cへ空気流を供給する。従って、車両12は、撮影装置20B、20Cが取得した画像データを利用した運転支援制御を高い精度で実行できる。
【0069】
以上、本実施形態に係る洗車システム10について説明したが、洗車システム10は本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、適宜設計変更可能である。
【0070】
例えば、通常洗車動作において、撮影装置20B、20Cの位置情報を受信したECU56が、ブロア装置50が撮影装置20B、20Cへ空気流を供給する時間が、上記対象外部位へ空気流を供給する時間より長くなるようにブロア装置50を制御してもよい。
【0071】
例えばフロントウインド18に雨滴センサ(図示省略)を設けて、ECU(液体検出部)34が、雨滴センサの検出結果に基づいて、フロントウインド18に付着した液体を検出してもよい。
【0072】
洗車機40から離れた位置に設置された物体(例えば、上記ガソリンスタンドの敷地に設置された建物、ポール等)に、車両12の外面に付着した液体を撮影可能な撮影装置を設けてもよい。
【0073】
撮影装置20B、20Cに液体が付着しているという判定結果を液体検出部が出力したときに、車両12の乗員に判定結果を報知する報知装置を車両12に設けてもよい。
【0074】
車両12及び洗車機40と無線通信可能な外部サーバ(図示省略)が液体検出部を備えてもよい。この場合、液体検出部の検出結果(判定結果)が、外部サーバから洗車機40へ無線送信される。
【符号の説明】
【0075】
10 洗車システム
12 車両
40 洗車機
50 ブロア装置
564 ブロア制御部
569 液体検出部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9