(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022189117
(43)【公開日】2022-12-22
(54)【発明の名称】不揮発性半導体記憶装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/8239 20060101AFI20221215BHJP
H01L 43/08 20060101ALI20221215BHJP
H01L 45/00 20060101ALI20221215BHJP
H01L 49/00 20060101ALI20221215BHJP
【FI】
H01L27/105 449
H01L27/105 448
H01L27/105 447
H01L43/08 Z
H01L45/00 A
H01L49/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021097506
(22)【出願日】2021-06-10
(71)【出願人】
【識別番号】318010018
【氏名又は名称】キオクシア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高島 大三郎
【テーマコード(参考)】
4M119
5F083
5F092
【Fターム(参考)】
4M119AA11
4M119BB01
4M119CC05
4M119DD02
4M119DD32
4M119EE22
4M119EE26
5F083FZ10
5F083GA10
5F083JA02
5F083JA36
5F083JA37
5F083JA39
5F083JA56
5F083KA01
5F083KA05
5F083KA11
5F083MA06
5F083MA19
5F083PR03
5F092AA13
5F092AB08
5F092AD06
5F092BB22
5F092BB36
5F092BB42
(57)【要約】
【課題】抵抗変化素子に流す電流を適切化する。
【解決手段】一つの実施形態によれば、不揮発性半導体記憶装置において、セルブロックは、複数のメモリセルと選択トランジスタとを有する。複数のメモリセルは、複数のワード線に対応してローカルソース線とローカルビット線との間に並列に接続される。選択トランジスタは、ローカルビット線とビット線との間に接続される。メモリセルは、セルトランジスタと抵抗変化素子とを有する。セルトランジスタは、ゲートがワード線に接続される。抵抗変化素子は、ローカルソース線とローカルビット線との間でセルトランジスタに対して直列に接続される。複数のワード線は、複数の導電膜で構成される。複数の導電膜は、互いに離間して積層される。セルブロックは、柱状構造体で構成される。柱状構造体は、積層方向に複数の導電膜を貫通する。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれ一端がビット線に接続された複数のセルブロックの配列を含むセルアレイを備え、
前記セルブロックは、
複数のワード線に対応してローカルソース線とローカルビット線との間に並列に接続された複数のメモリセルと、
前記ローカルビット線と前記ビット線との間に接続された選択トランジスタと、
を有し、
前記メモリセルは、
ゲートが前記ワード線に接続されたセルトランジスタと、
前記ローカルソース線と前記ローカルビット線との間で前記セルトランジスタに対して直列に接続された抵抗変化素子と、
を有し、
前記複数のワード線は、互いに離間して積層された複数の導電膜で構成され、
前記セルブロックは、積層方向に前記複数の導電膜を貫通する柱状構造体で構成される
不揮発性半導体記憶装置。
【請求項2】
前記柱状構造体は、
前記積層方向に延びて前記複数の導電膜を貫通するゲート絶縁膜と、
前記ゲート絶縁膜の内側で前記積層方向に延びて前記複数の導電膜を貫通する半導体膜と、
前記半導体膜の内側で前記積層方向に延びて前記複数の導電膜を貫通するローカルビット線柱と、
前記半導体膜の内側で前記積層方向に延びて前記複数の導電膜を貫通するローカルソース線柱と、
前記半導体膜の内側で且つ前記ローカルビット線柱又は前記ローカルソース線柱の外側で前記複数の導電膜を貫通する抵抗変化膜と、
を有する
請求項1に記載の不揮発性半導体記憶装置。
【請求項3】
前記柱状構造体は、複数の前記ローカルビット線柱を有する
請求項2に記載の不揮発性半導体記憶装置。
【請求項4】
前記柱状構造体は、複数の前記ローカルビット線柱及び複数の前記ローカルソース線柱を有する
請求項2に記載の不揮発性半導体記憶装置。
【請求項5】
前記セルブロックは、前記ローカルソース線とソース線との間に接続された第2の選択トランジスタをさらに有する
請求項1に記載の不揮発性半導体記憶装置。
【請求項6】
前記抵抗変化素子は、一端が前記ローカルビット線に接続され、他端が前記セルトランジスタのドレインに接続される
請求項1に記載の不揮発性半導体記憶装置。
【請求項7】
前記メモリセルは、
一端が前記セルトランジスタのソースに接続され、他端が前記ローカルソース線に接続される第2の抵抗変化素子をさらに有する
請求項6に記載の不揮発性半導体記憶装置。
【請求項8】
前記柱状構造体は、前記複数のワード線に対応して互いに積層方向に分離され前記複数のメモリセルの抵抗変化素子として機能する複数の前記抵抗変化膜を有する
請求項2に記載の不揮発性半導体記憶装置。
【請求項9】
前記抵抗変化膜は、相変化材料、超格子膜材料、磁性材料、又は抵抗変化材料で形成され、
前記相変化材料は、カルコゲナイド系の材料を含み、
前記超格子膜材料は、GeTe及びSbTeの積層構造を含み、
前記磁性材料は、トンネル膜をフリー層とピン層とで挟んで構成され、
前記抵抗変化材料は、NiOx,WOx,TaOx,TiOx,HfOx,ZnOx,TiON,Ag-GeSe,Cu-GeSe,FeOx,GeOx,STOから成る群から選択された少なくとも1つを含む
請求項2に記載の不揮発性半導体記憶装置。
【請求項10】
前記柱状構造体は、
前記半導体膜の内側で且つ前記ローカルビット線柱の外側で前記複数の導電膜を貫通する熱バリア膜をさらに有する
請求項2に記載の不揮発性半導体記憶装置。
【請求項11】
前記熱バリア膜は、TiN、TaN、TiOx,C,CNから成る群から選択された少なくとも1つを含む
請求項10に記載の不揮発性半導体記憶装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本実施形態は、不揮発性半導体記憶装置に関する。
【背景技術】
【0002】
抵抗変化素子を含むメモリセル有する不揮発性半導体記憶装置では、抵抗変化素子に電流を流すことで、抵抗変化素子を高抵抗状態にしたり低抵抗状態にしたりする。このとき、抵抗変化素子に流す電流を適切化することが望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-2629号公報
【特許文献2】米国特許第589447号明細書
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】Hang-Ting Lue, Guan-Ru Lee, Teng-Hao Yeh, Tzu-Hsuan Hsu, Chieh (Roger) Lo, Cheng-Lin Sung, Wei-Chen Chen, Chia-Tze Huang, Kuan-Yuan Shen, Meng-Yen Wu, Pishan Tseng, Min-Feng Hung, Chia-Jung Chiu, Kuang-Yeu Hsieh, Keh-Chung Wang, and Chih-Yuan Lu, “3D AND: A 3D Stackable フラッシュ Memory Architecture to Realize High-Density and Fast-リード 3D NOR フラッシュ and Storage-Class Memory”,2020 IEEE International Electron Devices Meeting (IEDM), Conference Paper, P. 115-118, December 2020.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一つの実施形態は、抵抗変化素子に流す電流を適切化できる不揮発性半導体記憶装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一つの実施形態によれば、セルアレイを有する不揮発性半導体記憶装置が提供される。セルアレイは、複数のセルブロックの配列を含む。複数のセルブロックのそれぞれは、一端がビット線に接続される。複数のセルブロックは、ビット線方向に並ぶ。セルブロックは、複数のメモリセルと選択トランジスタとを有する。複数のメモリセルは、複数のワード線に対応してローカルソース線とローカルビット線との間に並列に接続される。選択トランジスタは、ローカルビット線とビット線との間に接続される。メモリセルは、セルトランジスタと抵抗変化素子とを有する。セルトランジスタは、ゲートがワード線に接続される。抵抗変化素子は、ローカルソース線とローカルビット線との間でセルトランジスタに対して直列に接続される。複数のワード線は、複数の導電膜で構成される。複数の導電膜は、互いに離間して積層される。セルブロックは、柱状構造体で構成される。柱状構造体は、積層方向に複数の導電膜を貫通する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】第1の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の概略構成を示す図。
【
図2】第1の実施形態におけるセルアレイの構成を示す回路図。
【
図3】第1の実施形態におけるセルアレイの構成を示す斜視図。
【
図4】第1の実施形態におけるセルブロックの構成を示す斜視図。
【
図5】第1の実施形態におけるセルブロックの構成を示す垂直方向の断面図。
【
図6】第1の実施形態におけるセルブロックの構成を示す平面方向の断面図。
【
図7】第1の実施形態におけるセルブロックの構成を示す回路図。
【
図8】第1の実施形態におけるセルブロックの動作を示す回路図。
【
図9】第2の実施形態におけるセルブロックの構成を示す斜視図。
【
図10】第2の実施形態におけるセルブロックの構成を示す垂直方向の断面図。
【
図11】第2の実施形態におけるセルブロックの構成を示す平面方向の断面図。
【
図12】第2の実施形態におけるセルブロックの構成を示す回路図。
【
図13】第2の実施形態におけるセルブロックの動作を示す回路図。
【
図14】第3の実施形態におけるセルブロックの構成を示す斜視図。
【
図15】第3の実施形態におけるセルブロックの構成を示す垂直方向の断面図。
【
図16】第3の実施形態におけるセルブロックの構成を示す平面方向の断面図。
【
図17】第3の実施形態におけるセルブロックの構成を示す回路図。
【
図18】第3の実施形態におけるセルブロックの動作を示す回路図。
【
図19】第4の実施形態におけるセルアレイの製造方法を示す平面方向の断面図。
【
図20】第5の実施形態におけるセルアレイの製造方法を示す平面方向の断面図。
【
図21】第5の実施形態の変形例におけるセルアレイの製造方法を示す平面方向の断面図。
【
図22】第6の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の動作を示す波形図。
【
図23】第6の実施形態におけるセンスアンプの構成を示す回路図。
【
図24】第7の実施形態におけるセルブロックの構成を示す斜視図。
【
図25】第7の実施形態におけるセルブロックの構成を示す垂直方向の断面図。
【
図26】第7の実施形態におけるセルブロックの構成を示す平面方向の断面図。
【
図27】第8の実施形態におけるセルブロックの構成を示す垂直方向の断面図。
【
図28】第8の実施形態におけるセルブロックの構成を示す平面方向の断面図。
【
図29】第9の実施形態におけるセルブロックの構成を示す垂直方向の断面図。
【
図30】第9の実施形態におけるセルブロックの構成を示す平面方向の断面図。
【
図31】第10の実施形態におけるセルアレイの構成を示す平面図。
【
図32】第11の実施形態におけるセルアレイの構成を示す平面図。
【
図33】第12の実施形態におけるセルブロックの構成を示す垂直方向の断面図。
【
図34】第12の実施形態におけるセルブロックの構成を示す平面方向の断面図。
【
図35】第12の実施形態におけるセルブロックの構成を示す平面図。
【
図36】第13の実施形態におけるセルブロックの構成を示す垂直方向の断面図。
【
図37】第13の実施形態におけるセルブロックの構成を示す平面方向の断面図。
【
図38】第13の実施形態におけるセルブロックの構成を示す回路図。
【
図39】第13の実施形態におけるセルブロックの動作を示す回路図。
【
図40】第14の実施形態におけるセルブロックの構成を示す平面方向の断面図。
【
図41】第15の実施形態におけるセルブロックの構成を示す垂直方向の断面図。
【
図42】第15の実施形態におけるセルブロックの構成を示す平面方向の断面図。
【
図43】第16の実施形態におけるセルアレイの概略構成を示す垂直方向の断面図。
【
図44】第16の実施形態におけるセルブロックの動作を示す回路図。
【
図45】第17の実施形態におけるセルアレイの構成を示す斜視図。
【
図46】第17の実施形態におけるセルアレイの構成を示す平面図。
【
図47】第18の実施形態におけるセルブロックの構成を示す平面方向の断面図。
【
図48】第18の実施形態におけるゲルマニウムの不純物濃度と比抵抗との関係を示す図。
【
図49】第20の実施形態におけるセルブロックの構成を示す斜視図。
【
図50】第20の実施形態におけるセルブロックの構成を示す平面方向の拡大断面図。
【
図51】第21の実施形態におけるセルブロックの構成を示す斜視図。
【
図52】第21の実施形態におけるセルブロックの構成を示す平面方向の拡大断面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に添付図面を参照して、実施形態にかかる不揮発性半導体記憶装置を詳細に説明する。なお、これらの実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0009】
(第1の実施形態)
第1の実施形態にかかる不揮発性半導体記憶装置について説明する。不揮発性半導体記憶装置は、例えば、複数のメモリセルが3次元方向に配列される不揮発性の半導体メモリである。
【0010】
半導体メモリは、大型コンピュータの主記憶から、パーソナルコンピュータ、家電製品、携帯端末等、至る所で利用されている。半導体メモリの種類としては、揮発性のDRAM(Dynamic Random Access Memory)、SRAM(StaticRAM)、不揮発性のMROM(Mask Read Only Memory)、NAND型フラッシュメモリ、NOR型フラッシュメモリ等のフラッシュEEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)等が市場に出まわっている。DRAMは揮発性メモリであるにも関らず、その低コスト性(SRAMに比べてセル面積が1/4未満)、高速性(フラッシュEEPROMより速い)の点で優れており、パーソナルコンピュータ市場、携帯端末市場で大きなマーケットを有する。
【0011】
一方、書き換え可能で電源を切ることが可能な不揮発性のフラッシュEEPROMは、携帯端末や、各種メモリカード、SSD(Solid State Drive)等で市場が非常に大きくなりつつある。3次元フラッシュメモリは、コントロールゲート(ワード線)を積層後、メモリホールMHを一括で形成してメモリセルとなる膜材等を埋め込む為、コスト削減が可能になり、現在のマーケットの主流になっている。しかし、書き換え回数(W/E回数)が10の4乗から3乗回程度しかなく、書き込む時間がマイクロ秒、ミリ秒程度必要で、しかも高い12V~22Vの電圧が必要で、微細化の点、性能の点で改善の余地がある。
【0012】
これに対して、新規メモリとして、強誘電体メモリ(FeRAM:Ferroelectric RAM)、磁気抵抗メモリ(MRAM:Magnetoresistive RAM)、相変化メモリ(PCM:Phase Change Memory)、抵抗変化メモリ(ReRAM:Resistive RAM)等の開発が盛んである。この内、MRAM、PCM、ReRAMは、メモリセルの情報記憶素子の抵抗を変化させて抵抗状態を情報として記憶する抵抗変化型メモリである。相変化メモリ(PCM)、抵抗変化メモリ(ReRAM)は抵抗値が2桁から5桁変化し、多値化が可能な点、記憶素子サイズ縮小により、書込み電流、読み出し電流が削減出来、高集積化に向く点等、NOR型フラッシュ、NAND型フラッシュの代替になる可能性がある。また、磁気抵抗メモリ(MRAM)は、この抵抗変化率が相変化メモリ(PCM)及び抵抗変化メモリ(ReRAM)に比べると小さい(例えば、200%程度である)が、反磁界の問題を解決すれば、NOR型フラッシュ、NAND型フラッシュの代替になる可能性がある。
【0013】
PCM,ReRAM,MRAM等の抵抗変化型メモリは3次元積層して、NAND型フラッシュ以上に低コスト化出来るポテンシャルをもつ。しかしながら、これらを3次元積層する方式は、直行するワード線とビット線の交点の間にメモリセルを配置する方式であり、書き込み時、端子間に、電流を流して(電圧を印可して)、記憶素子の抵抗を高抵抗化(Reset動作)、低抵抗化(Set動作)させて情報を記憶する。選択セル以外に半分の電圧が印可される半選択が存在するため、記憶素子内で自己整流性機能を持たせたり、整流器、双方向整流器を記憶素子に直列接続したりするケースが多い。しかしながら、ワード線、ビット線を一層づつ積層するため、3次元化してもコストは高い可能性がある。
【0014】
すなわち、3次元フラッシュメモリは、一括穴加工の為コストが低いが、書き込み読み出し性能や疲労回数が劣る可能性がある。一方、性能が高い抵抗変化型メモリ、例えば相変化メモリは、ワード線、ビット線が交互に形成されるため、製造コストが高くなりやすい。
【0015】
この課題を解決するために、不揮発性半導体記憶装置においては、次のような構成(1)~(11)を採用可能である。
【0016】
(1)不揮発性半導体記憶装置は、セルアレイを有する。セルアレイは、複数のセルブロックの配列を含む。複数のセルブロックのそれぞれは、一端がビット線に接続される。セルブロックは、複数のメモリセルと選択トランジスタとを有する。複数のメモリセルは、複数のワード線に対応してローカルソース線とローカルビット線との間に並列に接続される。選択トランジスタは、ローカルビット線とビット線との間に接続される。メモリセルは、セルトランジスタと抵抗変化素子とを有する。セルトランジスタは、ゲートがワード線に接続される。抵抗変化素子は、ローカルソース線とローカルビット線との間でセルトランジスタに対して直列に接続される。複数のワード線は、複数の導電膜で構成される。複数の導電膜は、互いに離間して積層される。セルブロックは、柱状構造体で構成される。柱状構造体は、積層方向に複数の導電膜を貫通する。
【0017】
(2)(1)の不揮発性半導体記憶装置において、柱状構造体は、ゲート絶縁膜と半導体膜とローカルビット線柱とローカルソース線柱と抵抗変化膜とを有する。ゲート絶縁膜は、積層方向に延びて複数の導電膜を貫通する。半導体膜は、ゲート絶縁膜の内側で積層方向に延びて複数の導電膜を貫通する。ローカルビット線柱は、半導体膜の内側で積層方向に延びて複数の導電膜を貫通しローカルビット線として機能する。ローカルソース線柱は、半導体膜の内側で積層方向に延びて複数の導電膜を貫通しローカルソース線として機能する。抵抗変化膜は、半導体膜の内側で且つローカルビット線柱又はローカルソース線柱の外側で複数の導電膜を貫通し抵抗変化素子として機能する。
【0018】
(3)(2)の不揮発性半導体記憶装置において、柱状構造体は、複数のローカルビット線柱を有する。
【0019】
(4)(2)の不揮発性半導体記憶装置において、柱状構造体は、複数のローカルビット線柱及び複数のローカルソース線柱を有する。
【0020】
(5)(1)の不揮発性半導体記憶装置において、セルブロックは、第2の選択トランジスタをさらに有する。第2の選択トランジスタは、ローカルソース線とソース線との間に接続される。
【0021】
(6)(1)の不揮発性半導体記憶装置において、抵抗変化素子は、一端がローカルビット線に接続され、他端がセルトランジスタのドレインに接続される。
【0022】
(7)(6)の不揮発性半導体記憶装置において、メモリセルは、第2の抵抗変化素子をさらに有する。第2の抵抗変化素子は、一端がセルトランジスタのソースに接続され、他端がローカルソース線に接続される。
【0023】
(8)(2)の不揮発性半導体記憶装置において、柱状構造体は、複数の抵抗変化膜を有する。複数の抵抗変化膜は、複数のワード線に対応して互いに積層方向に分離される。複数の抵抗変化膜は、複数のメモリセルの抵抗変化素子として機能する。
【0024】
(9)(2)の不揮発性半導体記憶装置において、抵抗変化膜は、相変化材料、超格子膜材料、磁性材料、又は抵抗変化材料で形成される。相変化材料は、カルコゲナイド系の材料を含む。超格子膜材料は、GeTe又はSbTeの積層構造を含む。磁性材料は、MgOをフリー層とピン層とで挟んで構成される。抵抗変化材料は、NiOx,WOx,TaOx,TiOx,HfOx,ZnOx,TiON,Ag-GeSe,Cu-GeSe,FeOx,GeOx,STOから成る群から選択された少なくとも1つを含む。
【0025】
(10)(2)の不揮発性半導体記憶装置において、柱状構造体は、熱バリア膜をさらに有する。熱バリア膜は、半導体膜の内側で且つローカルビット線柱の外側で複数の導電膜を貫通する。
【0026】
(11)(10)の不揮発性半導体記憶装置において、熱バリア膜は、TiN、TaN、TiOx,C,CNから成る群から選択された少なくとも1つを含む。
【0027】
構成(1)~(11)を採用可能である不揮発性半導体記憶装置によれば、次の(A)~(I)の効果を実現可能である。
【0028】
(A)第1に、メモリセルは、ワード線に接続されるセルトランジスタと2端子型の抵抗変化記憶素子との直列接続で構成され、複数のメモリセルは、並列接続で、一方を共通のローカルビット線、他方を共通のローカルソース線に接続され、ローカルビット線は、セルブロック選択トランジスタを介してビット線に接続され、これら全体でセルブロックを構成する抵抗変化型不揮発性メモリとなる。これにより、セルブロック選択トランジスタをONさせてセルブロックを選択し、選択セルブロックの内の選択したワード線につながるセルトランジスタをONする事により、選択した抵抗変化素子に選択的に電圧印可、電流印可が可能になり、ランダムリード、ランダムライトが可能になる。更に、ビット線、ソース線間の直列とトランジスタ数は僅か、2個に抑えることが出来、トランジスタのON抵抗が高くても十分に抵抗変化素子にSet/Reset動作が可能な電流を流すことができる。更に、半導体基板上に複数のワード線が積層し、セルブロックを形成するため、積層された複数の犠牲層を一回~数回で開口してメモリホールMHを形成し、各メモリホールMHにセルブロックを埋め込む事により、非常に低コストのメモリを実現出来る。メモリホールMHに半導体膜を埋め込むことで形成されるトランジスタは通常ポリシリコンチャンネルで移動度がバルクトランジスタに比べて非常に低いが、アクセス時のセルブロックの直列トランジスタ数が2個と少ないため、十分Set/reset駆動動作が可能になる。
【0029】
(B)第2に、メモリホールMHの側壁外周に、ゲート酸化膜が形成されとその内側に半導体膜が形成され、その半導体チャネルの内側には、側面に抵抗変化膜が形成されたローカルビット線柱とローカルソース線柱を配置し、抵抗変化膜の一部と半導体膜の一部は接し、ローカルビット線柱の一部と半導体膜の一部は接しさえすれば、抵抗変化素子とセルトランジスタの直列接続のメモリセルを実現出来る。
【0030】
(C)第3に、各メモリホールMHには、1個のローカルビット線柱と、ローカルソース線柱を配置して、1つのセルブロックを形成しても良い。2個のローカルビット線柱と、1個のローカルソース線柱が配置して、ローカルソース線柱を共有化して、2個のセルブロックを形成し、1ビット当りのコストを低減しても良い。更にワード線の積層数を増やして1ビット当りのコストを低減しても良い。3次元フラッシュ等では、ワード線積層数をふやすと直列セルトランジスタ数が増え、書き込み不良、リード低速化する可能性があるが、本実施形態では、メモリセルが並列接続される為、ローカルソース線柱、ローカルビット線柱をW配線等の低抵抗配線で構成すれば、飛躍的にワード線積層数を増やして低コスト化が可能になる。
【0031】
(D)第4に、平面視ライン状のメモリホールMHに横並びや、大きいメモリホールMHに4眼並びで、複数のローカルビット線柱と、複数のローカルソース線柱が配置されて、複数のセルブロックを埋める事も出来る。
【0032】
(E)第5に、ローカルソース線をセルブロック選択トランジスタ経由で共通ソース線に接続してセルブロックを構成する事も可能で、プロセス工程上、ソース線共通線、ビット線への接続構造を同じにシンプル化出来る。
【0033】
(F)第6に、ローカルソース線柱と、ローカルビット線柱の形成プロセスを同一化すれば、セルトランジスタとローカルビット線、セルトランジスタとローカルソース線の両方の間に抵抗変化素子を形成する事が出来る。同一セル電流が流れるので、2つ同時に高抵抗状態、低抵抗状態に変化させて動作させれば問題ない。更に高抵抗状態から低抵抗状態に変化しやすい素子ならば、どちらか一方が低抵抗化しても、もう一方が高抵抗状態を保持出来ればデータ保持特性の信頼性が大幅に向上する。
【0034】
(G)第7に、メモリホールMH内の抵抗変化膜は、半導体基板に垂直方向に対して積層したワード線層毎に分離した構造がより望ましい。積層方向に隣接したメモリセル間に抵抗変化膜が存在し、低抵抗状態であると、選択しON状態の半導体チャネルに接する抵抗変化素子が十分な高抵抗状態になっていれば問題無いが、不十分な高抵抗状態である場合は、ディスターバンス電流(リーク電流)が流れることになる。抵抗変化膜がワード線層毎に分離された構成によれば、ディスターバンス電流を抑制でき、メモリセルの書き込みバジェット、読み出しバジェットを改善できる。
【0035】
(H)第8に、抵抗変化膜としてカルコゲナイド系の材料(例えば、Ge、Sb、Te、又はそれらの化合物)等を含む相変化材料であっても良いし、GeTe、SbTeの積層構造を含む超格子膜材料であっても良いし、MgO等のトンネル酸化膜をフリー層とピン層とで挟んだ磁性材料であっても良いし、NiOx,WOx,TaOx,TiOx,HfOx,ZnOx,TiON,Ag-GeSe,Cu-GeSe,FeOx,GeOx,STOなどの金属酸化物を用いた抵抗変化材料であってもよい。
【0036】
(I)第9に、抵抗変化膜と半導体膜、抵抗変化膜とローカルビット線柱の間に、TiN、TaN、TiOx,C,CN等の熱バリア膜を挿入してもよい、原子の拡散防止可能だし、接触抵抗を下げることが可能だし、相変化材料、磁性材料、金属酸化物材料は、どれも昇温で動作、或いは高温でスイッチングし易くして動作しているので、熱抵抗の高い材料を挟んで、発熱による熱の逃げを抑え、より低電流で昇温させることが出来る。
【0037】
具体的には、本実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置1は、
図1に示すように構成され得る。
図1は、不揮発性半導体記憶装置1の概略構成を示す図である。不揮発性半導体記憶装置1は、通信媒体2を介して、ホスト3と接続可能である。不揮発性半導体記憶装置1は、例えば、抵抗変化型メモリである。通信媒体2は、例えば、同期式並列通信線である。ホスト3は、例えば、コントローラ又はCPUである。不揮発性半導体記憶装置1、通信媒体2、ホスト3を含む構成は、メモリシステム4として構成され得る。メモリシステムは、SDカード等のメモリカードでもよいし、SSD等のストレージシステムでもよいし、eMMCデバイスでもよい。ホスト3は、コントローラでもよいし、CPUでもよい。
【0038】
不揮発性半導体記憶装置1は、セルアレイ5、ロウデコーダ6、センスアンプ7、周辺回路8、及びインターフェース部(I/F部)13を有する。周辺回路8は、ドライバ9、シーケンサ10、アドレスレジスタ11、コマンドレジスタ12を含む。セルアレイ5は、複数のメモリセルが配列される。複数のメモリセルは、複数のワード線と複数のビット線とを用いてアクセス可能である。複数のワード線は、それぞれがロウアドレスに対応付けられる。複数のビット線は、それぞれがカラムアドレスに対応付けられる。コマンドレジスタ12は、I/F部13を介してホスト3から受けるホスト要求に含まれるコマンドを保持する。アドレスレジスタ11は、I/F部13を介してホスト3から受けるホスト要求に含まれるアドレスを保持する。
【0039】
シーケンサ10は、コマンドレジスタ12に保持されるコマンドを実行し、セルアレイ5に対するデータのライト動作又はリード動作を制御する。シーケンサ10による制御に応じて、ロウデコーダ6は、アドレスレジスタ11に保持されるアドレスをデコードし、デコードされたロウアドレスに対応するワード線を選択可能である。シーケンサ10による制御に応じて、ドライバ9は、ワード線を選択するための電圧を生成してロウデコーダ6へ供給する。シーケンサ10による制御に応じて、センスアンプ6は、アドレスレジスタ11に保持されるアドレスをデコードし、デコードされたカラムアドレスに対応するビット線を選択可能である。
【0040】
セルアレイ5において複数のメモリセルを3次元的に配列することを考える場合、抵抗変化型メモリ、例えば相変化メモリ(PCM)に適用出来る構成として、鎖接続型メモリがあげられる。鎖接続型メモリでは、複数のメモリセルが鎖状に直列接続されてストリングとして構成される。各メモリセルは、抵抗変化素子とセルトランジスタとの並列接続で構成される。選択メモリセルでセルトランジスタがオフされ、非選択メモリセルでセルトランジスタがオンされることで、選択メモリセルの抵抗変化素子に選択的に電圧を印加可能である。この構造は、3次元のフラッシュメモリに類似した構造で実現出来る。
【0041】
例えば、メモリホール内側面にゲート酸化膜、半導体膜、抵抗変化膜、コア絶縁膜を順に堆積して形成可能であるが、その製造時に半導体膜を多結晶半導体で堆積し、その動作時に円筒状の半導体膜に対して軸方向にセル電流が流れることになる。すなわち、鎖接続型メモリでは、ストリングにおける複数のセルトランジスタのチャネル領域が直列接続されることに対応し、抵抗変化素子(抵抗変化膜)へのアクセス動作時に半導体膜を通る電流経路が長くなる。このため、半導体膜における粒界等の影響によりセル電流量が抵抗変化素子のリード・ライトに要求される電流量に対して不足する可能性がある。
【0042】
よって、この対策として、鎖接続型メモリに代えて梯子接続型メモリを採用する。梯子接続型メモリでは、
図2に示すような複数のセルブロックCB0~CB11が2次元的に配列されてセルアレイ5が構成される。
図2は、セルアレイ5の構成を示す回路図である。セルブロックCBは、複数のメモリセルMCがローカルビット線LBL及びローカルソース線LSL間で梯子状に並列接続されて構成される。各メモリセルMCは、抵抗変化素子REとセルトランジスタMTとの直列接続で構成される。ローカルビット線LBLは、選択トランジスタSGを介してビット線BLに接続される。ローカルソース線LSLは、ソース線SLに接続される。
【0043】
抵抗変化素子(抵抗変化膜)REへのアクセス動作時には、選択セルブロックCBの選択トランジスタSGをオンし、非選択セルブロックCBの選択トランジスタSGをオフのままにする。選択セルブロックCBでは、選択メモリセルMCのセルトランジスタMTをオンし、非選択メモリセルMCのセルトランジスタMTをオフのままにする。ビット線BLとソース線SLとに電圧を印可すると、ビット線BL→ローカルビット線LBL→選択メモリセルMCの抵抗変化素子RE→選択メモリセルMCのセルトランジスタMT→ローカルソース線LSL→ソース線SLの経路でセル電流が流され得る。
【0044】
すなわち、梯子接続型メモリでは、セルブロックCBにおける複数のセルトランジスタMTのチャネル領域が並列接続されることに対応し、抵抗変化素子(抵抗変化膜)REへのアクセス動作時に半導体膜を通る電流経路を短くできる。このため、半導体膜内の粒界等の影響で電流が低下しても、セル電流量を抵抗変化素子REのライト動作(Set・Reset動作)及びリード動作(Set・Reset状態の検知)が可能に程度に確保することができる。
【0045】
図2に示す回路は、
図3に示す構成で実現され得る。
図3は、セルアレイ5の構成を示す斜視図である。
図3では、ビット線BLの延在方向をY方向とし、メモリセルMCの積層方向をZ方向とし、Y方向及びZ方向に垂直な方向をX方向とする。セルアレイ5は、
図3に示すように、基板21の+Z側において、柱状のセルブロックCBがXY方向に2次元的に配列されるとともに、積層体22が柱状のセルブロックCBでZ方向に貫通されて3次元的なメモリセルMCの配列として構成される。
【0046】
基板21の+Z側には、積層体22を含む複数の積層体が配され得る。複数の積層体は、分離部STを間にして互いにY方向にずれた位置に配され得る。分離部STは、少なくとも積層体22に接する面が絶縁物質で形成され、積層体22を他の積層体から電気的に分離している。分離部STは、XZ方向に沿って延びた略フィン形状を有する。
【0047】
積層体22では、ワード線WLと絶縁層222とが交互に繰り返しZ方向に積層されている。ワード線WLは、XY方向に延びる板状の導電膜で構成される。以下では、ワード線WLを導電膜WLとも呼ぶことにする。積層体22では、複数の導電膜WL0~WL63がZ方向に互いに離間して配置されている。各導電膜WLは、導電物(例えば、タングステンなどの金属)を主成分とする材料で形成され得る。各絶縁層222は、絶縁物(例えば、シリコン酸化物)を主成分とする材料で形成され得る。
【0048】
積層体22の最上の絶縁層222には、セルブロック選択線SGがZ方向に積層されている。セルブロック選択線SGは、XY方向に延びる板状の導電膜で構成される。以下では、セルブロック選択線SGを導電膜SGとも呼ぶことにする。導電膜SGは、導電物(例えば、タングステンなどの金属)を主成分とする材料で形成され得る。導電膜SGは、分断膜SHEによりY方向に分断される。分断膜SHEは、導電膜WLの上方(+Z側)に設けられ、XZ方向に延在し、積層体22の最上の絶縁層222に達している。分断膜SHEは、絶縁物(例えば、シリコン酸化物)で形成され得る。これにより、各セルブロック選択線SGは、互いに電気的に絶縁される。
【0049】
各セルブロックCBは、Z方向に延び、積層体22をZ方向に貫通する。セルブロックCBは、複数の導電膜WL0~WL63をZ方向に貫通する柱状構造体で構成される。複数のセルブロックCB0~CB(n-1)は、XY方向に2次元的に配列され得る。各セルブロックCBは、Z方向に延び半導体チャネルとして機能する半導体膜CHを含む。半導体膜CHは、積層体22をZ方向に貫通し、半導体チャネルとして機能する。半導体膜CHと導電膜WLとが交差する位置にはメモリセルMCが構成され、半導体膜CHと導電膜SGとが交差する位置にはセルブロック選択トランジスタSGが構成される。
【0050】
導電膜SGの上(+Z側)には、層間絶縁膜23が配されている。層間絶縁膜23は、絶縁物(例えば、シリコン酸化物)を主成分とする材料で形成され得る。
【0051】
層間絶縁膜23の+Z側には、複数のビット線BL及び複数のソース線SLが配されている。複数のビット線BLは、X方向に配列されている。複数のソース線SLは、それぞれ、複数のビット線BLの間に1つおきに位置するように、X方向に配列されている。ビット線BL及びソース線SLは、それぞれ、Y方向に延びたライン状の導電膜で構成される。ビット線BL及びソース線SLは、それぞれ、導電物(例えば、タングステン、銅、アルミニウムなどの金属)を主成分とする材料で形成され得る。
【0052】
ビット線BLと半導体膜CHとの間には、コンタクトプラグCP1が配されていてもよい。この場合、コンタクトプラグCP1は、上端でビット線BLに接触し、下端で半導体膜CHに接触し、ビット線BL及び半導体膜CHを電気的に接続することができる。コンタクトプラグCP1は、導電物(例えば、タングステンなどの金属)を主成分とする材料で形成され得る。
【0053】
ソース線SLとローカルソース線LSLとの間には、コンタクトプラグCP2が配されていてもよい。この場合、コンタクトプラグCP2は、上端でソース線SLに接触し、下端でローカルソース線LSLに接触し、ソース線SL及びローカルソース線LSLを電気的に接続することができる。コンタクトプラグCP2は、導電物(例えば、タングステンなどの金属)を主成分とする材料で形成され得る。
【0054】
X方向に隣接する2つのセルブロックCBのセットは、1つおきに対を成す。例えば、セルブロックCB0とセルブロックCB3とは対を成し、セルブロックCB3とセルブロックCB6とは対を成さず、セルブロックCB6とセルブロックCB9とは対を成す。
【0055】
X方向に隣接する2つのセルブロックCBのセットは、例えば、
図4~
図6に示すように構成される。
図4は、セルブロックCBの構成を示す斜視図であり、2つのセルブロックCB0,CB3のセットの構成を例示する。
図5は、セルブロックCBの構成を示す垂直方向の断面図であり、セルブロックCBの中心軸を通るXZ断面を示す。
図5では、簡略化のため、ワード線WL-ワード線WL間の絶縁層の図示を省略している。
図6は、セルブロックCBの構成を示す平面方向の断面図である。
図6(a)は、
図5をA-A’線で切ったXY断面を示し、
図6(b)は、
図5をB-B’線で切ったXY断面を示し、
図6(c)は、
図5をC-C’線で切ったXY断面を示す。
【0056】
セットにおけるセルブロックCB0とセルブロックCB3とは、それぞれ、
図4~
図6に示すように、柱状構造体で構成される。柱状構造体は、X方向を長手方向とするXY平面形状を有するとともにそのXY断面形状で柱状にZ方向に延びた3次元形状を有する。セルブロックCB0の柱状構造体とセルブロックCB3の柱状構造体とはX方向に結合され、セルブロックCB0とセルブロックCB3とのセットは、略楕円柱形状を有する。
【0057】
各セルブロックの柱状構造体は、ゲート絶縁膜GD、半導体膜CH、ローカルビット線柱LBL、ローカルソース線柱LSL、抵抗変化膜REを有する。ローカルソース線柱LSLは、セルブロックCB0とセルブロックCB3とのセットで共有されるが、柱状構造体における他の構成は、セルブロックCB0とセルブロックCB3とでそれぞれ設けられる。
【0058】
ゲート絶縁膜GDは、Z方向に延びて複数の導電膜WL0~WL63を貫通する。ゲート絶縁膜GDは、略楕円筒形状を有する。半導体膜CHは、ゲート絶縁膜GDの内側でZ方向に延びて複数の導電膜WL0~WL63を貫通する。半導体膜CHは、略楕円筒形状を有し、その外側面がゲート絶縁膜GDの内側面に接している。ローカルビット線柱LBLは、半導体膜CHの内側でZ方向に延びて複数の導電膜WL0~WL63を貫通する。ローカルビット線柱LBLは、略半円柱形状を有する。ローカルソース線柱LSLは、半導体膜CHの内側でZ方向に延びて複数の導電膜WL0~WL63を貫通する。ローカルソース線柱LSLは、略角柱形状を有する。抵抗変化膜REは、半導体膜CHの内側で且つローカルビット線柱LBLの外側で複数の導電膜WL0~WL63を貫通する。抵抗変化膜REは、半導体膜CHに接触する部分とローカルビット線柱LBLに接触する部分とを含む。すなわち、抵抗変化膜REは、略半円筒形状を有し、その外側面が半導体膜CHの内側面に接し、その内側面がローカルビット線柱LBLの外側面に接する。
【0059】
これらのセルブロックCBは、次のような製造プロセスで製造され得る。半導体基板21(
図3参照)の+Z側に絶縁層222と犠牲層SFとを交互に複数回積層し、積層体を形成する。絶縁層222は、例えばシリコン酸化物を主成分とする材料で形成され、犠牲層SFは、例えばシリコン窒化物を主成分とする材料で形成される。セルブロックCBを形成するため、それぞれが積層体をZ方向に貫通する複数のメモリホールMHを形成し、各メモリホールMHに2個のセルブロックCBのセットを埋め込む。その後、犠牲層SFを除去し、それによって形成された空隙に導電膜WLを埋め込む事により、非常に低コストのメモリを実現出来る。
【0060】
2個のセルブロックCBのセットの埋め込みとしては、
図4、
図5及び
図6(a)~
図6(c)に示す様に、XY平面視横長のメモリホールMHの側壁外周に、ゲート酸化膜GDが堆積され、その内側に半導体膜CHが堆積され、その後内部を絶縁膜DFで埋めた後、リソグラフィを用いて、図中の中央、左右の3つのサブホールSHを形成する。図中中央のサブホールSHには、内部にタングステン等を用いて低抵抗のローカルソース線柱LSLを埋める。セルブロック選択線SGのZ位置、セルブロック選択線SG及び導電膜WLの間のZ位置では、
図6(a)、
図6(b)に示すように、半導体膜CHに接しないが、導電膜WLに対応したZ位置では、
図6(c)に示すように、半導体膜CHと接する構造にする。図中左右のサブホールSHでは、半導体膜CHの内側に半導体膜CHに接するように抵抗変化膜REを堆積するが、セルブロック選択線SGのZ位置、セルブロック選択線SG及び導電膜WLの間のZ位置では、
図6(a)、
図6(b)に示すように、抵抗変化膜REを除去する。半導体膜CHに対してもX方向中央付近で且つ導電膜WL直上のZ位置までの部分を除去する。その更に内側にはタングステン等の低抵抗のローカルビット線柱LBLを埋めるが、セルブロック選択線SGのZ位置では、
図6(a)に示すように、ローカルビット線柱LBLを除去する。
【0061】
これにより、セルブロック選択線SGのZ位置では、セルブロック選択線SGで制御可能であるセルブロック選択トランジスタSGが形成出来、ビット線BL0,BL1とローカルビット線LBL0,LBL1の接続スイッチが形成出来る。また、セルブロック選択線SG及び導電膜WLの間のZ位置では、ローカルビット線LBLは半導体膜CHに電気的に接続されるので、セルブロック選択トランジスタSGがON状態では、ビット線BL0,BL1に電気的に接続される。また、導電膜WLに対応したZ位置では、ローカルビット線柱LBLが抵抗変化膜RE及び半導体膜CH経由でローカルソース線柱LSLに接続されるので、メモリセルMCが形成され得る。例えば、抵抗変化膜REをカルコゲナイド系の材料(Ge、Sb、Te)等の相変化材料で形成すれば、メモリセルMCをPCMメモリセルとして構成できる。
【0062】
セルブロックCB0とセルブロックCB3とのセットの等価回路図は、
図7のようになる。
図7は、セルブロックCBの構成を示す回路図である。
【0063】
図7の等価回路図に示す様に、メモリセルMCは、ワード線WLi(i=0~63)に接続されるセルトランジスタMTと2端子型の抵抗変化素子REとの直列接続で構成される。ワード線WL0~WL63に各々接続される複数のメモリセルMC0~MC63は、並列接続で、一方を共通のローカルビット線(ローカルビット線LBL0,LBL1)、他方を共通のローカルソース線LSLに接続される。ローカルビット線LBLは、セルブロック選択トランジスタSG0,SG1を介してビット線BL0,BL1に接続される。この構成により、セルブロック選択トランジスタSG0,SG3をONさせてセルブロックCB0,CB3を選択し、選択セルブロックCB0,CB3の内の選択ワード線WLにつながるセルトランジスタMTをONする事により、選択メモリセルMCの抵抗変化素子REに選択的に電圧印可、電流印可が可能になり、ランダムリード、ランダムライトが可能になる。更に、ビット線BL、ソース線SL間の電流経路における直列トランジスタ数は僅か、2個に抑えることが出来、トランジスタのON抵抗が高くても十分に抵抗変化素子REのSet/Reset動作が可能な電流を供給できる。
【0064】
この例では、ローカルソース線LSLを共通とした、左右2つのセルブロックCB0,CB3の等価回路を示している。共通のワード線WL1、セルブロック制御線SGを使っており、2つのセルブロックCB0,CB3の2つのセルブロックCB0,CB3のメモリセルMC1を同時にリード/ライトしても良い。
【0065】
あるいは、
図8に示す様に、図中右側のセルブロックCB3に対応するビット線BL1の電位をソース線SL電位と均等な固定電位にして、選択ワード線WL1に電圧を印加する。これにより、セルブロックCB3は、選択ワード線WL1に対応したメモリセルMC1に電圧が印可されず、非アクセスとされ得る。図中左側のセルブロックCB0に対応した(ビット線BL0の電位)>(ソース線SLの電位)とする。これにより、セルブロックCB0は、選択ワード線WL1に対応したメモリセルMC1に選択的にセル電流が流れてリード/ライトされ得る。この場合、電流パスとしては、
図5、
図6(c)及び
図8に示すように、選択セルブロックCB0のローカルビット線柱LBLから選択メモリセルMC1の半導体膜CHを介して中央のローカルソース線柱LSLに向かって電流が流れるパスになる。
図8は、セルブロックCBの動作を示す回路図であり、選択ワード線がWL1である場合の電流パスを一点鎖線で示している。この時、抵抗変化膜REの抵抗状態(Set,Reset状態)に応じて電流量が変わるため、リード動作が可能になる。積層したワード線WLの開口部に配されるセルトランジスタMTは通常ポリシリコンチャンネルで移動度がバルクトランジスタに比べて非常に低いが、アクセス時のセルブロックCBの直列トランジスタ(
図8の場合、セルブロックトランジスタSGと1つのセルトランジスタMT)の数が2個と少ないため、十分大きなセル電流が流され得る。この為、抵抗変化素子REのSet/Reset駆動動作が容易になる。ローカルビット線柱LBLやローカルソース線柱LSLを低抵抗のタングステン等で形成すると、ワード線WLの積層数を増やしても抵抗変化素子REのリード、ライト動作時のセル電流が殆ど減らない為、低コストのメモリが実現出来る。
【0066】
以上のように、第1の実施形態によれば、複数のワード線は、互いに離間して積層された複数の導電膜で構成され、セルブロックは、積層方向に複数の導電膜を貫通する柱状構造体で構成される。この構造は、絶縁層と犠牲層SFとが交互に積層された積層体にメモリホールMHを設けて、その中にセルブロックCBを1個または数個埋め込むことで形成出来、製造コストを大幅に削減できる。更に、複数個のメモリセルの並列接続にブロック選択トランジスタをつないでセルブロックを構成する為、セルブロック内で動作時にセル電流が経由する直列トランジスタ数を2個程度に抑えることが出来る。これにより、セル電流を容易に大きくでき、抵抗変化素子REのSet/Reset駆動動作が容易になる。この為、集積度が高く低コストのメモリが実現出来る。
【0067】
また、第1の実施形態によれば、ローカルビット線柱LBLやローカルソース線柱LSLを低抵抗のタングステン等で形成する場合、ワード線WLの積層数を増やしてもリード、ライト動作時のセル電流が殆ど減らない。この点からも、集積度が高く低コストのメモリが実現出来る。
【0068】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態にかかる不揮発性半導体記憶装置1について説明する。以下では、第1の実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0069】
第1の実施形態では、2つのセルブロックのセットがメモリホールMH内に配される構成が例示されるが、第2の実施形態では、1つのセルブロックがメモリホールMH内に配される構成が例示される。
【0070】
セルブロックCBは、例えば、
図9~
図11に示すように構成される。
図9は、セルブロックCBの構成を示す斜視図であり、セルブロックCB0の構成を例示する。
図10は、セルブロックCBの構成を示す垂直方向の断面図であり、セルブロックCBの中心軸を通るXZ断面を示す。
図10では、簡略化のため、ワード線WL-ワード線WL間の絶縁層の図示を省略している。
図11は、セルブロックCBの構成を示す平面方向の断面図である。
図11は、
図10をD-D’線で切ったXY断面を示す。
【0071】
セルブロックCB0は、
図9~
図11に示すように、柱状構造体で構成される。柱状構造体は、X方向を長手方向とするXY平面形状を有するとともにそのXY断面形状で柱状にZ方向に延びた3次元形状を有する。セルブロックCB0は、略楕円柱形状を有する。
【0072】
この例では、メモリホールMHに1個のセルブロックCBが配される。これらのセルブロックCBは、次の点で第1の実施形態と異なる製造プロセスで製造され得る。複数のメモリホールMHを形成する工程までは同様であるが、各メモリホールMHに1個のセルブロックCBを埋め込む点が異なる。その後、犠牲層SFを除去し、それによって形成された空隙に導電膜WLを埋め込む事により、非常に低コストのメモリを実現出来る点は、第1の実施形態と同様である。
【0073】
1個のセルブロックCBの埋め込みとしては、
図9、
図10及び
図11に示す様に、次の点で第1の実施形態と異なる。絶縁膜DFを埋める工程までは同様であるが、その後、リソグラフィを用いて、メモリホールMH内に図中左右の2つのサブホールSHを形成する点で異なる。図中右側のサブホールSHには、内部にタングステン等を用いて低抵抗のローカルソース線柱LSLを埋めて、半導体膜CHと接する構造にする。図中左側のサブホールSHには、半導体膜CHの内側に半導体膜CHに接するようにカルコゲナイド系の材料(Ge、Sb、Te)等で抵抗変化膜REを堆積するが、セルブロック選択線SGのZ位置、セルブロック選択線SG及び導電膜WLの間のZ位置では、抵抗変化膜REを除去する。その更に内側にはタングステン等の低抵抗のローカルビット線柱LBLを埋めるが、セルブロック選択線SGのZ位置では、ローカルビット線柱LBLを除去する。
【0074】
これにより、セルブロック選択線SGのZ位置では、セルブロック選択線SGで制御可能であるセルブロック選択トランジスタSGが形成出来、ビット線BLとローカルビット線LBLの接続スイッチが形成出来る。また、セルブロック選択線SG及び導電膜WLの間のZ位置では、ローカルビット線LBLは、半導体膜CHに電気的に接続されるので、セルブロック選択トランジスタSGのON状態において、ビット線BLに電気的に接続される。また、導電膜WLに対応したZ位置では、ローカルビット線柱LBLが抵抗変化膜RE及び半導体膜CH経由でローカルソース線柱LSLに接続されるので、メモリセルMCが形成され得る。
【0075】
セルブロックCBの等価回路図は、
図12のようになる。
図12は、セルブロックの構成を示す回路図である。
【0076】
図12の等価回路図に示す様に、メモリセルMCは、ワード線WLi(i=0~63)に接続されるセルトランジスタMTと、2端子型の抵抗変化素子REとの直列接続で構成される。ワード線WL0~WL63に各々接続される複数のメモリセルMC0~MC63は、並列接続で、一方を共通のローカルビット線LBL、他方を共通のローカルソース線LSLに接続される。ローカルビット線LBLは、セルブロック選択トランジスタSGを介してビット線BLに接続される。
【0077】
この構成により、セルブロック選択トランジスタSGをONさせてセルブロックCBを選択し、選択セルブロックCBの内の選択ワード線WLにつながるセルトランジスタMTをONする事により、選択メモリセルMCの抵抗変化素子REに選択的に電圧印可、電流印可が可能になり、ランダムリード、ランダムライトが可能になる。更に、
図13に示すように、ビット線BL、ソース線SL間の電流経路における直列トランジスタ数は僅か、2個に抑えることが出来、トランジスタのON抵抗が高くても十分に抵抗変化素子REにSet/Reset動作が可能な電流を供給できる。
図13は、セルブロックの動作を示す回路図である。
【0078】
以上のように、第2の実施形態では、1つのセルブロックCBがメモリホールMH内に配される柱状構造体で構成される。この構造によっても、複数個のメモリセルMCの並列接続にブロック選択トランジスタSGをつないでセルブロックCBを構成する為、セルブロックCB内で動作時にセル電流が経由する直列トランジスタ数を2個程度に抑えることが出来る。これにより、セル電流を容易に大きくすることができ、抵抗変化素子REのSet/Reset駆動動作が容易になる。この為、集積度が高く低コストのメモリが実現出来る。
【0079】
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態にかかる不揮発性半導体記憶装置1について説明する。以下では、第1の実施形態及び第2の実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0080】
第2の実施形態では、1つのメモリセルが1つの抵抗変化素子を含む構成が例示されるが、第3の実施形態では、1つのメモリセルが複数の抵抗変化素子を含む構成が例示される。
【0081】
セルブロックCBは、例えば、
図14~
図16に示すように構成される。
図14は、セルブロックCBの構成を示す斜視図であり、セルブロックCB0の構成を例示する。
図15は、セルブロックCBの構成を示す垂直方向の断面図であり、セルブロックCBの中心軸を通るXZ断面を示す。
図15では、簡略化のため、ワード線WL-ワード線WL間の絶縁層の図示を省略している。
図16は、セルブロックCBの構成を示す平面方向の断面図である。
図16は、
図15をE-E’線で切ったXY断面を示す。
【0082】
セルブロックCB0は、
図14~
図16に示すように、柱状構造体で構成される点は第2の実施形態と同様であるが、ローカルソース線柱LSLの側面にも抵抗変化膜RE’が配され、この抵抗変化膜RE’が半導体膜CHと接する構造である点で第2の実施形態と異なる。
【0083】
これらのセルブロックCBは、次の点で第2の実施形態と異なる製造プロセスで製造され得る。複数のメモリホールMHを形成する工程までは同様であるが、各メモリホールMHに1個のセルブロックCBを埋め込む具体的な工程が異なる。その後、犠牲層SFを除去し、それによって形成された空隙に導電膜WLを埋め込む事により、非常に低コストのメモリを実現出来る点は、第2の実施形態と同様である。
【0084】
1個のセルブロックCBの埋め込みとしては、
図14、
図15及び
図16に示す様に、次の点で第2の実施形態と異なる。図中左右の2つのサブホールSHを形成する工程までは同様であるが、図中右側のサブホールSHと図中左側のサブホールSHとのそれぞれにおいて、半導体膜CHの内側に半導体膜CHに接するようにカルコゲナイド系の材料(Ge、Sb、Te)等で抵抗変化膜RE,RE’を堆積し、セルブロック選択線SGのZ位置、セルブロック選択線SG及び導電膜WLの間のZ位置まで抵抗変化膜RE,RE’を除去する点で異なる。さらに、図中右側のサブホールSHには、抵抗変化膜RE’の内側にはタングステン等の低抵抗のローカルビット線柱LBLを埋めるが、セルブロック選択線SGのZ位置では、ローカルビット線柱LBLを除去する。図中左側のサブホールSHには、抵抗変化膜REの内側にはタングステン等の低抵抗のローカルソース線柱LSLを埋めるが、セルブロック選択線SGのZ位置では、ローカルソース線柱LSLを除去する。
【0085】
これにより、セルブロック選択線SGのZ位置では、ビット線BLとローカルビット線LBLの接続スイッチとしてのセルブロック選択トランジスタSGと、ソース線SLとローカルソース線LSLの接続スイッチとしてのセルブロック選択トランジスタSG’とが形成出来る。また、導電膜WLに対応したZ位置では、ローカルビット線柱LBLが抵抗変化膜RE、半導体膜CH及び抵抗変化膜RE’経由でローカルソース線柱LSLに接続されるので、メモリセルMCが形成され得る。
【0086】
セルブロックCBの等価回路図は、
図17のようになる。
図17は、セルブロックCBの構成を示す回路図である。
【0087】
図17の等価回路図に示す様に、メモリセルMCは、2個の抵抗変化素子RE,RE’の間にセルトランジスタMTを挟む構成になる。この構成により、ローカルソース線柱LSLとローカルビット線柱LBLのためのサブホールSHの形成、抵抗変化膜RE,RE’の成膜、ローカルソース線柱LSL及びローカルビット線柱LBLの埋め込みの工程を一回で行え、その製造工程数を削減でき、製造コストを低減できる。
【0088】
ただし、
図17に示すメモリセルMCでは、2個の抵抗変化膜RE,RE’を同時スイッチする為、
図18に示すように、Set時に2個分の電圧印可が行われる。このため、メモリセルMCにおけるトータルのSet電圧が上がる可能性があるが、抵抗変化膜RE,RE’に相変化材料又は超格子材料を用いる場合、各抵抗変化膜のSet電圧を0.8V~1.5V程度にできるので影響は小さい。また、Reset電流は直列であるため、同じ電流を流すだけなので、実質的に影響が無い。更に、抵抗変化素子RE,RE’が高抵抗から低抵抗に変化しやすい場合、どちらか一方が低抵抗化しても、もう一方が高抵抗状態を保持出来ればデータ保持特性の信頼性を大幅に向上できる。
図18は、セルブロックCBの動作を示す回路図である。
【0089】
以上のように、第3の実施形態では、1つのセルブロックCBがメモリホールMH内に配される柱状構造体で構成される。セルブロックCBにおける各メモリセルが複数の抵抗変化素子を含むように構成される。これにより、その製造工程数を削減でき、製造コストを低減できるため、さらに低コストのメモリが実現出来る。
【0090】
(第4の実施形態)
次に、第4の実施形態にかかる不揮発性半導体記憶装置1について説明する。以下では、第1の実施形態~第3の実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0091】
第3の実施形態では、1つのセルブロックCBがメモリホールMH内に配されるセルアレイの構成が例示されるが、第4の実施形態では、1つのセルブロックCBがメモリホールMH内に形成されるセルアレイの製造方法が例示される。
【0092】
図14~
図16に示すセルブロックCBを含むセルアレイ5は、
図19(a)~
図19(c)に示すように製造される。
図19(a)~
図19(c)は、それぞれ、セルアレイ5の製造方法を示すXY断面図であり、
図15のE-E’線に対応する犠牲膜SFのZ位置で切ったXY断面を示す。
【0093】
半導体基板21(
図3参照)の+Z側に絶縁層222と犠牲層SFとを交互に複数回積層し、積層体を形成する。絶縁層222は、例えばシリコン酸化物を主成分とする材料で形成され、犠牲層SFは、例えばシリコン窒化物を主成分とする材料で形成される。セルブロックCBを形成するため、それぞれが積層体をZ方向に貫通する複数のメモリホールMHを形成する。各メモリホールMHは、XY断面視でX方向を長手方向とする略楕円形状で形成され得る。
図19(a)に示すように、各メモリホールMHの側壁外周に、ゲート酸化膜GDが堆積され、その内側に半導体膜CHが堆積され、その後内部を絶縁膜DFで埋めた後、絶縁膜DFにおける図中中央部を残しながら図中左右の部分を除去する。リソグラフィを用いて絶縁膜DFにおける図中左右の部分を選択的に露出するレジストパターンでマスキングすることで、絶縁膜DFにおける図中中央部を残しながら図中左右の部分を除去するエッチング加工を行う。
図19(b)に示すように、2つのサブホールSHを形成する。その後、
図19(c)に示すように、図中右側のサブホールSHと図中左側のサブホールSHとのそれぞれにおいて、半導体膜CHの内側に半導体膜CHに接するようにカルコゲナイド系の材料(Ge、Sb、Te)等の相変化材料で抵抗変化膜RE,RE’を堆積し、セルブロック選択線SGのZ位置、セルブロック選択線SG及び導電膜WLの間のZ位置まで抵抗変化膜RE,RE’を除去する。半導体膜CHに対してもX方向中央付近で且つ導電膜WL直上のZ位置までの部分を除去する。さらに、図中右側のサブホールSHには、抵抗変化膜RE’の内側にはタングステン等の低抵抗のローカルビット線柱LBLを埋めるが、セルブロック選択線SGのZ位置では、ローカルビット線柱LBLを除去し、絶縁膜DFを埋め込む。図中左側のサブホールSHには、抵抗変化膜REの内側にはタングステン等の低抵抗のローカルソース線柱LSLを埋めるが、セルブロック選択線SGのZ位置では、ローカルソース線柱LSLを除去し、絶縁膜DFを埋め込む。その後、犠牲層SFを除去し、それによって形成された空隙に導電膜WLを埋め込む事で、
図14~
図16に示すセルブロックCBを含むセルアレイ5が製造される。
【0094】
以上のように、第4の実施形態では、1つのセルブロックCBがメモリホールMH内に形成される製造方法において、抵抗変化膜RE,RE’の堆積が同時に行われ得る。ローカルビット線柱LBLの埋め込みとローカルソース線柱LSLの埋め込みとが同時に行われ得る。これにより、製造工程数を少なく抑えて製造コストを低減できるため、低コストのメモリが実現出来る。
【0095】
(第5の実施形態)
次に、第5の実施形態にかかる不揮発性半導体記憶装置1について説明する。以下では、第1の実施形態~第4の実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0096】
第1の実施形態では、2つのセルブロックCBがメモリホールMH内に配されるセルアレイの構成が例示されるが、第5の実施形態では、2つのセルブロックCBがメモリホールMH内に形成されるセルアレイの製造方法が例示される。
【0097】
図4~
図6に示すセルブロックCBを含むセルアレイ5は、
図20(a)~
図20(d)に示すように製造される。
図20(a)~
図20(d)は、それぞれ、セルアレイ5の製造方法を示すXY断面図であり、
図5のC-C’線に対応する犠牲膜SFのZ位置で切ったXY断面を示す。
【0098】
半導体基板21(
図3参照)の+Z側に絶縁層222と犠牲層SFとを交互に複数回積層し、積層体を形成する。絶縁層222は、例えばシリコン酸化物を主成分とする材料で形成され、犠牲層SFは、例えばシリコン窒化物を主成分とする材料で形成される。セルブロックCBを形成するため、それぞれが積層体をZ方向に貫通する複数のメモリホールMHを形成する。各メモリホールMHは、XY断面視でX方向を長手方向とする略楕円形状で形成され得る。
図20(a)に示すように、各メモリホールMHの側壁外周に、ゲート酸化膜GDが堆積され、その内側に半導体膜CHが堆積され、その後内部を絶縁膜DFで埋めた後、絶縁膜DFにおける図中中央部を残しながら図中左右の部分を除去する。リソグラフィを用いて絶縁膜DFにおける図中中央部を選択的にレジストパターンでマスキングすることで、絶縁膜DFにおける図中中央部を残しながら図中左右の部分を除去するエッチング加工を行う。
図20(b)に示すように、図中の左右の2つのサブホールSHを形成する。
図20(c)に示すように、図中左右のサブホールSHでは、半導体膜CHの内側に半導体膜CHに接するように抵抗変化膜REを堆積するが、セルブロック選択線SGのZ位置、セルブロック選択線SG及び導電膜WLの間のZ位置では、抵抗変化膜REを除去する(
図6(a)、
図6(b)参照)。半導体膜CHに対してもX方向中央付近で且つ導電膜WL直上のZ位置までの部分を除去する。その更に内側にはローカルビット線柱LBLを埋めるが、セルブロック選択線SGのZ位置では、ローカルビット線柱LBLを除去し、絶縁膜DFを埋め込む(
図6(a)参照)。
図20(d)に示すように、絶縁膜DFにおける図中左右の部分を残しながら図中中央部を除去する。リソグラフィを用いて絶縁膜DFにおける図中中央部を選択的に露出するレジストパターンでマスキングすることで、絶縁膜DFにおける図中左右の部分を残しながら図中中央部を除去するエッチング加工を行う。これにより、図中中央のサブホールSHを形成する。図中中央のサブホールSHには、内部にローカルソース線柱LSLを埋める。セルブロック選択線SGのZ位置、セルブロック選択線SG及び導電膜WLの間のZ位置では、半導体膜CHに接しない(
図6(a)、
図6(b)参照)が、導電膜WLに対応したZ位置では、半導体膜CHと接する構造(
図6(c)参照)にする。その後、犠牲層SFを除去し、それによって形成された空隙に導電膜WLを埋め込む事で、
図4~
図6に示すセルブロックCBを含むセルアレイ5が製造される。
【0099】
以上のように、第5の実施形態では、2つのセルブロックCBがメモリホールMH内に形成される製造方法において、2つのセルブロックCBの抵抗変化膜REの堆積が同時に行われ得る。2つのセルブロックCBのローカルビット線柱LBLの埋め込みが同時に行われ得る。これにより、製造工程数を削減でき、製造コストを低減できるため、低コストのメモリが実現出来る。
【0100】
なお、2回のリソグラフィの合わせズレがあると、ローカルソース線柱LSLとローカルビット線柱LBLの距離が変わり(半導体チャネル長が変わり)セルブロックCBの動作特性がばらつく可能性がある。そのことを考慮し、セルアレイ5は、
図20(b)~
図20(d)に示す工程に代えて、
図21(a)~
図21(c)に示す工程が行われてもよい。この場合、
図20(a)に示す絶縁膜DFにおける図中中央部及び左右の間の部分をマスキングするレジストパターンを用いてエッチング加工を行うことで、
図21(a)に示すように、図中中央及び左右の3つのサブホールSHを形成する。
図21(b)に点線で示すように、図中中央のサブホールSHを選択的に覆うレジストパターンでマスキングして、図中左右のサブホールSH内に、抵抗変化膜REを堆積し、セルブロック選択線SGのZ位置、セルブロック選択線SG及び導電膜WLの間のZ位置では、抵抗変化膜REを除去する(
図6(a)、
図6(b)参照)。その後、
図21(c)に示すように、マスキングを除去して、図中左右のサブホールSHでは、その更に内側にローカルビット線柱LBLを埋め、図中中央のサブホールSHでは、ローカルソース線柱LSLを埋める。セルブロック選択線SGのZ位置では、ローカルビット線柱LBLを除去し、絶縁膜DFを埋め込む(
図6(a)参照)。図中左右のサブホールSHでは、セルブロック選択線SGのZ位置でローカルビット線柱LBLを除去する。
【0101】
このように、図中中央及び左右の3つのサブホールSHを同時に形成でき、ローカルソース線柱LSLとローカルビット線柱LBLの距離が所望の距離になるように容易に形成できる。これにより、セルブロックCBの動作特性のばらつきを抑制できる。
【0102】
(第6の実施形態)
次に、第6の実施形態にかかる不揮発性半導体記憶装置1について説明する。以下では、第1の実施形態~第5の実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0103】
第1の実施形態では、不揮発性半導体記憶装置1の構成を例示しているが、第6の実施形態では、不揮発性半導体記憶装置1のその構成での動作を例示する。
【0104】
具体的には、不揮発性半導体記憶装置1は、
図22に示すように動作し得る。
図22は、ストリングブロックの動作例を示す。
【0105】
図22では、タイミングt1より前において、待機時の動作が行われる。ロウデコーダ6は、ソース線SLをローレベルV
L1(例えば、V
L1=0V)に維持し、セルブロック選択線SGをローレベルV
L2(例えば、V
L2=0V又はマイナス電位)に維持し、非選択ワード線WL及び選択ワード線WLをいずれもローレベルV
L3(例えば、V
L3=0V)に維持する。ワード線WLのローレベルV
L3は、セルトランジスタMTのオフ特性を改善するために、マイナス電位(例えば、-2V)であってもよい。セルブロック選択トランジスタSGがオフ状態に維持されるので、ビット線BLは0Vか任意の電位で良い。
【0106】
タイミングt1において、リード・ライト動作が開始される。ロウデコーダ6は、選択セルブロック選択線SGの信号をローレベルVL2からハイレベルVH2へ遷移させ、セルブロックCB0を選択する。
【0107】
ワード線WL1に対応するメモリセルMC1を選ぶ場合(
図8参照)、ワード線WL1の信号をローレベルV
L3からハイレベルV
H3へ遷移させ、他のワード線WL0,WL2~WLA63の信号をローレベルV
L3に維持する。ワード線WLの信号は、ローレベルV
L3が非選択電位であり、ハイレベルV
H3が選択電位である。
【0108】
これにより、セルブロックCB0におけるセルブロック選択線SG及びワード線WL1に対応したメモリセルMC1がアクセス出来る。すなわち、ビット線BLとソース線SLとが選択メモリセルMC1の抵抗変化素子REを介して導通する。1つのメモリセルMCが選ばれる状態にして、ソース線SLをローレベルVL1固定にしたまま、複数のビット線BL0,BL1のうち選択ビット線BL0をローレベルVL4からハイレベルVH4へ上げ残りのビット線をローレベルVL4固定とすると選択ビット線BLとソース線SLとの間に電流が流れる。ビット線BLの電位は、ハイレベルVH4が選択電位であり、ローレベルVL4が非選択電位である。
【0109】
リード時は、タイミングt1において、ロウデコーダ6は、選択ビット線BLをローレベルVL4からハイレベルVH4へ上げた後にフローティングにする。これに応じて、選択メモリセルMCが高抵抗状態(Reset状態)であればビット線BLの電位が下がりがたくハイレベルVH4近傍に維持される。これにより、センスアンプ7がビット線BLの電位がハイレベルVH4であることを検知し、メモリセルMCから“1”が読み出される。メモリセルMCが低抵抗状態(Set状態)であればビット線BLの電位がローレベルVL4へ下がる。これにより、センスアンプ7がビット線BLの電位がローレベルVL4であることを検知し、メモリセルMCから“0”が読み出される。このとき、セルブロックCB0におけるセル電流が経由するトランジスタ数が2つである。
【0110】
ライト時は、タイミングt1において、センスアンプ7は、ライトしたいビット線BLの電位をローレベルVL4からハイレベルVH4へ上げて、選択メモリセルMCに電流を流す。このときも、セルブロックCB0におけるセル電流が経由するトランジスタ数が2つである。
【0111】
タイミングt1より後のタイミングt2において、センスアンプ7は、急峻にビット線BLの電位をハイレベルVH4からローレベルVL4へ下げれば、選択メモリセルMCの抵抗変化素子(相変化素子)REが急冷されアモルファス化(高抵抗化)される。これにより、メモリセルMCが高抵抗状態(Reset状態)になり、メモリセルMCに“1”が書き込まれる。センスアンプ7は、ゆっくりとビット線BLの電位をハイレベルVH4からローレベルVL4へ下げれば、選択メモリセルMCの抵抗変化素子(相変化素子)REが急冷され結晶化(低抵抗化)される。これにより、メモリセルMCが低抵抗状態(Set状態)になり、メモリセルMCに“0”が書き込まれる。
【0112】
その後、リード・ライトが完了することに応じて、各信号が遷移前のレベルに戻され得る。例えば、選択ローカルストリング選択線SGの信号は、ハイレベルVH1からローレベルVL1へ戻される。非選択ワード線WLの信号は、ローレベルVL3に維持されたままである。選択ワード線WLの信号は、ハイレベルVH3からローレベルVL3へ戻される。
【0113】
以上のように、第6の実施形態では、不揮発性半導体記憶装置1において、選択メモリセルMCに対するリード・ライト動作時にセルブロックCB0におけるセル電流が経由するトランジスタ数が2つである。すなわち、リード・ライト動作時に、セル電流が経由する半導体膜の経路長が抑制されるため、セル電流を容易に大きくすることができ、抵抗変化素子REのSet/Reset駆動動作が容易である。
【0114】
なお、第1~第6の実施形態では、センスアンプ7内の構成に言及していないが、センスアンプ7は、例えば
図23に示すように構成されてもよい。
図23は、第6の実施形態の変形例におけるセンスアンプの構成を示す回路図である。
図23では、ビット線BLの本数が8本の場合を例示しているが、ビット線BLの本数は、2~7本であってもよいし、9本以上であってもよい。
【0115】
上記した様に、書きたい、読みたいビット線BLに選択電位の電圧を印可すれば良いため、センスアンプ7は、
図23(a)に示すように、全部のビット線BL0~BL7を選択するように構成されてもよい。あるいは、
図23(b)に示すように、1本のビット線BLを選択するように構成されてもよい。あるいは、
図23(c)に示すように、複数にグループ化されたビット線BLからグループごとに選択された複数のビット線BLを選択するように構成されてもよい。
【0116】
図23(a)に示すセンスアンプ7は、複数のビット線BL0~BL7に対応する複数のセンスアンプモジュールSA0~SA7を有する。各センスアンプモジュールSA0~SA7は、対応するビット線BLに接続される。
【0117】
例えば、ロウデコーダ6におけるドライバWL1からワード線WL1へ選択電位であるローレベルV
L3(
図22参照)が供給された際に、センスアンプ7は、各ビット線BL0~BL7を選択電位であるハイレベルV
H4にする。これにより、
図23(a)に丸印で示すように、ワード線WL1と複数のビット線BL0~BL7とが交差する位置の各メモリセルMCが選択され、複数のビット線BL0~BL7に流れるセル電流が複数のセンスアンプモジュールSA0~SA7で並行して検知される。これにより、センスアンプ7は、高速にセンスアンプ動作を行うことができる。
【0118】
あるいは、
図23(b)に示すセンスアンプ7は、マルチプレクサMX100及びセンスアンプモジュールSA100を有する。マルチプレクサMX100は、複数のビット線BL0~BL7とセンスアンプモジュールSA100との間に接続されている。センスアンプモジュールSA100は、マルチプレクサMX100を介して複数のビット線BL0~BL7で共有される。これにより、セルアレイ5を複数のサブアレイに細分化した場合に、センスアンプ7の回路面積を低減することができる。
【0119】
例えば、
図23(b)に示すように、ロウデコーダ6におけるドライバWL1からワード線WL1へ選択電位であるローレベルV
L3(
図22参照)が供給された際に、センスアンプ7は、1本のビット線BL1を選択電位であるハイレベルV
H4にし、他のビット線BL0,BL2~BL7を非選択電位であるローレベルV
L4にする。これに応じて、センスアンプ7は、マルチプレクサMX100を制御して、選択電位が供給されたビット線BL1を選択してセンスアンプモジュールSA100に接続する。これにより、
図23(b)に丸印で示すように、ワード線WL1と選択ビット線BL1とが交差する位置の各メモリセルMCが選択され、ワード線WL1と非選択ビット線BL0,BL2~BL7とが交差する位置の各メモリセルMCが非選択とされる。選択ビット線BL1に流れるセル電流がマルチプレクサMX100を介してセンスアンプモジュールSA100で検知される。
【0120】
あるいは、
図23(c)に示すセンスアンプ7は、複数のマルチプレクサMX201,MX202及び複数のセンスアンプモジュールSA201、SA202を有する。マルチプレクサMX201は、複数のビット線BL0~BL3とセンスアンプモジュールSA201との間に接続されている。マルチプレクサMX202は、複数のビット線BL4~BL7とセンスアンプモジュールSA202との間に接続されている。すなわち、複数のビット線BL0~BL3は、センスアンプモジュールSA201に対応してグループGR1にグループ化されているとみなすことができ、複数のビット線BL4~BL7は、センスアンプモジュールSA202に対応してグループGR2にグループ化されているとみなすことができる。
【0121】
センスアンプモジュールSA201は、マルチプレクサMX201を介して複数のビット線BL0~BL3で共有される。センスアンプモジュールSA202は、マルチプレクサMX202を介して複数のビット線BL4~BL7で共有される。これにより、セルアレイ5を複数のサブアレイに細分化した場合に、センスアンプ7の回路面積を低減することができる。
【0122】
例えば、
図23(c)に示すように、ロウデコーダ6におけるドライバWL1からワード線WL1へ選択電位であるローレベルV
L3(
図22参照)が供給された際に、センスアンプ7は、グループGR1において、1本のビット線BL1を選択電位であるハイレベルV
H4にし、他のビット線BL0,BL2~BL3を非選択電位であるローレベルV
L4にする。これに応じて、センスアンプ7は、マルチプレクサMX201を制御して、選択電位が供給されたビット線BL1を選択してセンスアンプモジュールSA201に接続する。同様に、センスアンプ7は、グループGR2において、1本のビット線BL5を選択電位であるハイレベルV
H4にし、他のビット線BL4,BL6~BL7を非選択電位であるローレベルV
L4にする。これに応じて、センスアンプ7は、マルチプレクサMX202を制御して、選択電位が供給されたビット線BL5を選択してセンスアンプモジュールSA202に接続する。
【0123】
これにより、
図23(c)に丸印で示すように、グループGR1について、ワード線WL1と選択ビット線BL1とが交差する位置の各メモリセルMCが選択され、ワード線WL1と非選択ビット線BL0,BL2~BL3とが交差する位置の各メモリセルMCが非選択とされる。選択ビット線BL1に流れるセル電流がマルチプレクサMX201を介してセンスアンプモジュールSA201で検知される。同様に、グループGR2について、ワード線WL1と選択ビット線BL5とが交差する位置の各メモリセルMCが選択され、ワード線WL1と非選択ビット線BL4,BL6~BL7とが交差する位置の各メモリセルMCが非選択とされる。選択ビット線BL5に流れるセル電流がマルチプレクサMX202を介してセンスアンプモジュールSA202で検知される。
【0124】
また、不揮発性半導体記憶装置1において、セルアレイ5が細分化された場合、ビット線BL端に接続されるページバッファ(センスアンプ)面積も削減できる。上記した様に、書きたい、読みたいビット線BLだけに電圧を印可すれば良いため、3次元フラッシュメモリの様に全部のビット線BLのリード/ライトを行っても良いし、クロスポイントメモリの様に1本のビット線BLを選んで行っても良いし、任意のビット線BLを選んでリード/ライトしても良い。例えば8本のビット線BLの1本をリード/ライトしてその次に他の1本と徐々にリード/ライトして時分割でリード/ライトすると、リード/ライトを行うページバッファ(センスアンプ)を8本のビット線BLで共有化出来るため、ビット線BL分割数が多くてもページバッファ面積も削減できる効果が生じる。
【0125】
(第7の実施形態)
次に、第7の実施形態にかかる不揮発性半導体記憶装置1について説明する。以下では、第1の実施形態~第6の実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0126】
第1の実施形態では、各セルブロックの抵抗変化膜が一体となっている構成が例示されるが、第7の実施形態では、各セルブロックの抵抗変化膜が複数の抵抗変化膜に分割された構成が例示される。
【0127】
例えば、Z方向に隣接したメモリセルMC間に抵抗変化膜が存在する場合、その抵抗変化膜が高抵抗状態であれば問題無い。しかし、Z方向に隣接するワード線WL間のZ距離が近い場合、Z方向に隣接するメモリセルMC間で抵抗変化膜がワード線WLの電界の影響等により低抵抗化する可能性がある。Z方向に隣接するメモリセルMC間で抵抗変化膜に低抵抗状態の部分があると、メモリセルMC間にディスターバンス電流(リーク電流)が流れる可能性がある。選択メモリセルが高抵抗状態(Reset状態)で隣接する非選択メモリセルが低抵抗状態(Set状態)である場合、Z方向に隣接するメモリセルMC間にディスターバンス電流が流れると、トータルのセル電流がSet状態に対応した電流になってしまい、センスアンプ7でSet状態と誤判定してしまう可能性がある。
【0128】
そのことを考慮し、第7の実施形態では、セルブロックCBは、
図24~
図26に示すように構成され得る。
図24は、セルブロックCBの構成を示す斜視図であり、セルブロックCB0,CB3の構成を例示する。
図25は、セルブロックCBの構成を示す垂直方向の断面図であり、各セルブロックCB0,CB3の中心軸を通るXZ断面を示す。
図25では、簡略化のため、ワード線WL-ワード線WL間の絶縁層の図示を省略している。
図26は、セルブロックCBの構成を示す平面方向の断面図である。
図26は、
図25をF-F’線で切ったXY断面を示す。
【0129】
各セルブロックCBでは、抵抗変化膜が、複数のワード線WL0~WL63に対応して複数の抵抗変化膜RE0~RE63に分割されている構造が望ましい。複数の抵抗変化膜RE0~RE63は、互いにZ方向に離間しながら積層されている。各抵抗変化膜RE0~RE63は、XY平面視において、ローカルソース線柱LSLに向く側が開放された横U字形状を有する。
【0130】
また、半導体膜CHは、抵抗変化膜RE0~RE63と同じZ位置の第1の部分と複数の抵抗変化膜RE0~RE63の間のZ位置の第2の部分とを有し、第2の部分が第1の部分よりローカルソース線柱LSL側に凹んでいる。これにより、複数の抵抗変化膜RE0~RE63がZ方向に確実に分割され得る。
【0131】
例えば、
図24~
図26に示す構造は、次の様に製造され得る。半導体基板21(
図3参照)の+Z側に絶縁層222と犠牲層SFとを交互に複数回積層し、積層体を形成する。絶縁層222は、例えばシリコン酸化物を主成分とする材料で形成され、犠牲層SFは、例えばシリコン窒化物を主成分とする材料で形成される。セルブロックCBを形成するため、それぞれが積層体をZ方向に貫通する複数のメモリホールMHを形成する。絶縁層222に対して犠牲層SFの選択比を確保できるエッチャントで犠牲層SFをエッチングし、メモリホールMHの内側面を外側に凹ませる。その後、各メモリホールMHの側壁外周に、ゲート酸化膜GDが堆積され、その内側に半導体膜CHが堆積され、その内側に絶縁膜DFが埋め込まれ、左右のサブホールSH(
図20(b)参照)が形成される。左右のサブホールSHでは、その内側面が導電膜WLに対応するZ位置で外側に凹んでいる(
図25参照)。左右のサブホールSHでは、抵抗変化膜REを厚めに堆積し、異方性エッチングで抵抗変化膜REをスリミングし、導電膜WL間のZ位置で半導体膜CHを露出させる。これにより、Z方向に分割された複数の抵抗変化膜RE0~RE63が形成される。その後、第5の実施形態と同様の工程が行われ、
図24~
図26に示す構造が製造される。
【0132】
以上のように、第7の実施形態では、各セルブロックCBにおいて、複数の抵抗変化膜RE0~RE63が、複数のワード線WL0~WL63に対応してZ方向に分割されている。これにより、各メモリセルMCの抵抗変化素子RE0~RE63がZ方向に電気的に分離され得るので、Z方向に隣接するメモリセルMC間でディスターバンス電流が流れることを抑制でき、メモリセルMCの抵抗変化素子RE0~RE63に対する書き込みバジェット、読み出しバジェットを改善できる。
【0133】
(第8の実施形態)
次に、第8の実施形態にかかる不揮発性半導体記憶装置1について説明する。以下では、第1の実施形態~第7の実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0134】
第1の実施形態では、各セルブロックにおける抵抗変化膜がローカルビット線柱に接する構成が例示されるが、第8の実施形態では、各セルブロックにおける抵抗変化膜とローカルビット線柱及び半導体膜との間に熱バリア膜が介在する構成が例示される。
【0135】
例えば、選択メモリセルMCの抵抗変化素子REをSet/Reset動作させる際にセル電流により抵抗変化素子REで発生するジュール熱を利用する。抵抗変化膜REがローカルビット線柱LBLに接する構成では、抵抗変化膜REで発生した熱がローカルビット線柱LBL及び半導体膜CHに漏れるので、選択メモリセルMCの抵抗変化素子REをSet/Reset動作が可能な温度まで昇温するために比較的大きなセル電流を流すことになる。
【0136】
そのことを考慮し、第8の実施形態では、セルブロックCBは、
図27~
図28に示すように構成され得る。
図27は、セルブロックCBの構成を示す垂直方向の断面図であり、各セルブロックCB0,CB3の中心軸を通るXZ断面を示す。
図27では、簡略化のため、ワード線WL-ワード線WL間の絶縁層の図示を省略している。
図28は、セルブロックCBの構成を示す平面方向の断面図である。
図28は、
図27をG-G’線で切ったXY断面を示す。
【0137】
各セルブロックCBでは、抵抗変化膜REとローカルビット線柱LBLとの間に熱バリア膜HB1が介在する。熱バリア膜HB1は、抵抗変化膜REとローカルビット線柱LBLとの間でZ方向に延びて複数の導電膜WL0~WL63を貫通する。熱バリア膜HB1は、略半円筒形状を有し、その外側面が抵抗変化膜REの内側面に接し、その内側面がローカルビット線柱LBLの外側面に接する。
【0138】
抵抗変化膜REと半導体膜CHとの間に熱バリア膜HB2が介在する。熱バリア膜HB2は、抵抗変化膜REと半導体膜CHとの間でZ方向に延びて複数の導電膜WL0~WL63を貫通する。熱バリア膜HB2は、略半円筒形状を有し、その外側面が半導体膜CHの内側面に接し、その内側面が抵抗変化膜REの外側面に接する。このとき、抵抗変化膜REは、半導体膜CHに接触する部分とローカルビット線柱LBLに接触する部分とを含む。
【0139】
なお、さらに、ローカルソース線柱LSLと半導体膜CHとの間に熱バリア膜HB3が介在してもよい。熱バリア膜HB3は、ローカルソース線柱LSLと半導体膜CHとの間でZ方向に延びて複数の導電膜WL0~WL63を貫通する。熱バリア膜HB3は、略角筒形状を有し、その+Y側,-Y側の外側面が半導体膜CHの内側面に接し、その内側面がローカルソース線柱LSLの外側面に接する。
【0140】
各熱バリア膜HB1,HB2,HB3は、熱抵抗の高い導電物質で形成され、例えばTiN、TaN、TiOx,C,CN等の導電物質で形成される。熱バリア膜HB1は、抵抗変化膜REとローカルビット線柱LBLとの間で電流を通しながら抵抗変化膜REからの熱の漏れを抑制できる。熱バリア膜HB2は、抵抗変化膜REと半導体膜CHとの間で電流を通しながら抵抗変化膜REからの熱の漏れを抑制できる。熱バリア膜HB3は、ローカルソース線柱LSLと半導体膜CHとの間で電流を通しながら抵抗変化膜REからの熱の漏れを抑制できる。
【0141】
例えば、抵抗変化膜REが相変化材料、磁性材料、金属酸化物材料のいずれで形成される場合も、昇温で動作、或いは高温でスイッチングし易くして動作するので、熱抵抗の高い熱バリア膜HB1,HB2で挟むことで、発熱による熱の逃げを抑え、より低電流で昇温させることが出来る。中央のローカルソース線柱LSLの回りにも熱バリア膜HB3を挿入すれば、抵抗変化膜REの熱エネルギーが半導体膜REを介してローカルソース線柱LSLに逃げるのも防ぐことが出来る。それとともに、熱バリア膜HB1,HB2により、抵抗変化膜REと他の膜との電気的な接触抵抗を下げることが可能となる。
【0142】
また、熱バリア膜HB1,HB2によれば、抵抗変化膜REへ、或いは抵抗変化膜REからの各種原子の拡散防止が可能になり、データの保持信頼性の劣化を抑制できる。
【0143】
以上のように、第8の実施形態では、各セルブロックCBにおいて、抵抗変化膜REとローカルビット線柱LBLとの間に熱バリア膜HB1が介在し、抵抗変化膜REと半導体膜CHとの間に熱バリア膜HB2が介在する。これにより、選択メモリセルMCの抵抗変化素子REをSet/Reset動作が可能な温度まで昇温するためのセル電流の大きさを低減でき、不揮発性半導体記憶装置1の消費電力を低減できる。
【0144】
なお、熱バリア膜HB1,HB2の材料として界面の電気抵抗が比較的高い材料を挿入して、界面抵抗での発熱を昇温に用いる熱アシスト機能を持たせてもよい。あるいは、熱バリア膜HB1,HB2の材料を抵抗変化膜REに対する熱的な接触抵抗が高い材料にし、熱バリア膜HB1,HB2及び抵抗変化膜REの界面を初期高抵抗の状態にしてもよい。これにより、抵抗変化膜REがメモリセルMC間で分割された構成(
図25参照)にしなくても、導電膜WL間の電流パス分離を実現出来る。このように、熱バリア膜HB1,HB2は、多数の用途に適用可能である。
【0145】
(第9の実施形態)
次に、第9の実施形態にかかる不揮発性半導体記憶装置1について説明する。以下では、第1の実施形態~第8の実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0146】
第9の実施形態では、第7の実施形態と第8の実施形態とを組み合わせる。第9の実施形態では、セルブロックCBは、
図29~
図30に示すように構成され得る。
図29は、セルブロックCBの構成を示す垂直方向の断面図であり、各セルブロックCB0,CB3の中心軸を通るXZ断面を示す。
図29では、簡略化のため、ワード線WL-ワード線WL間の絶縁層の図示を省略している。
図30は、セルブロックCBの構成を示す平面方向の断面図である。
図30は、
図29をH-H’線で切ったXY断面を示す。
【0147】
各セルブロックCBでは、抵抗変化膜が、複数のワード線WL0~WL63に対応して複数の抵抗変化膜RE0~RE63に分割されている。複数の抵抗変化膜RE0~RE63は、互いにZ方向に離間しながら積層されている。各抵抗変化膜RE0~RE63は、XY平面視において、ローカルソース線柱LSLに向く側が開放された横U字形状を有する。これにより、各メモリセルMCの抵抗変化素子RE0~RE63がZ方向に電気的に分離され得るので、Z方向に隣接するメモリセルMC間でディスターバンス電流が流れることを抑制できる。
【0148】
抵抗変化膜REとローカルビット線柱LBLとの間に熱バリア膜HB1が介在する。熱バリア膜HB1は、抵抗変化膜REとローカルビット線柱LBLとの間でZ方向に延びて複数の導電膜WL0~WL63を貫通する。熱バリア膜HB1は、略半円筒形状を有し、その外側面が抵抗変化膜REの内側面に接し、その内側面がローカルビット線柱LBLの外側面に接する。
【0149】
抵抗変化膜REと半導体膜CHとの間に熱バリア膜HB2が介在する。熱バリア膜HB2は、抵抗変化膜REと半導体膜CHとの間でZ方向に延びて複数の導電膜WL0~WL63を貫通する。熱バリア膜HB2は、略半円筒形状を有し、その外側面が半導体膜CHの内側面に接し、その内側面が抵抗変化膜REの外側面に接する。
【0150】
なお、さらに、ローカルソース線柱LSLと半導体膜CHとの間に熱バリア膜HB3が介在してもよい。熱バリア膜HB3は、ローカルソース線柱LSLと半導体膜CHとの間でZ方向に延びて複数の導電膜WL0~WL63を貫通する。熱バリア膜HB3は、略角筒形状を有し、その+Y側,-Y側の外側面が半導体膜CHの内側面に接し、その内側面がローカルソース線柱LSLの外側面に接する。
【0151】
各熱バリア膜HB1,HB2,HB3は、熱抵抗の高い導電物質で形成され、例えばTiN、TaN、TiOx,C,CN等の導電物質で形成される。熱バリア膜HB1は、抵抗変化膜REと半導体膜CHとの間で電流を通しながら抵抗変化膜REからの熱の漏れを抑制できる。熱バリア膜HB2は、抵抗変化膜REと半導体膜CHとの間で電流を通しながら抵抗変化膜REからの熱の漏れを抑制できる。熱バリア膜HB3は、ローカルソース線柱LSLと半導体膜CHとの間で電流を通しながら抵抗変化膜REからの熱の漏れを抑制できる。
【0152】
以上のように、第9の実施形態では、各セルブロックCBにおいて、複数の抵抗変化膜RE0~RE63が、複数のワード線WL0~WL63に対応してZ方向に分割されている。これにより、各メモリセルMCの抵抗変化素子RE0~RE63がZ方向に電気的に分離され得るので、Z方向に隣接するメモリセルMC間でディスターバンス電流が流れることを抑制できる。また、各セルブロックCBにおいて、抵抗変化膜REとローカルビット線柱LBLとの間に熱バリア膜HB1が介在し、抵抗変化膜REと半導体膜CHとの間に熱バリア膜HB2が介在する。これにより、選択メモリセルMCの抵抗変化素子REをSet/Reset動作が可能な温度まで昇温するためのセル電流の大きさを低減できる。したがって、メモリセルMCの抵抗変化素子RE0~RE63に対する書き込みバジェット、読み出しバジェットを改善でき、不揮発性半導体記憶装置1の消費電力を低減できる。
【0153】
(第10の実施形態)
次に、第10の実施形態にかかる不揮発性半導体記憶装置1について説明する。以下では、第1の実施形態~第9の実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0154】
第1の実施形態~第9の実施形態では、複数のセルブロックCBのレイアウト構成について言及していないが、第10の実施形態は、複数のセルブロックCBのレイアウト構成について例示する。
【0155】
不揮発性半導体記憶装置1において、
図31(a)に示すように、複数のセルブロックCB100~CB107がXY方向に2次元的に配列されてセルアレイ5が構成されてもよい。
図31(a)は、セルアレイ5の構成を示す平面図であり、1つのセルブロックCBがメモリホールMH内に配される柱状構造体で構成される場合(
図9~
図11参照)の複数のセルブロックCB100~CB107のレイアウト構成を例示する。
【0156】
図31(a)に示す様に、複数のセルブロックCB100~CB107は、それぞれがX方向に沿っている複数列を形成するように配列される。セルブロックCB102,CB106の配列が1つの列を形成し、セルブロックCB100,CB104の配列が他の1つの列を形成する。複数列は、Y方向に隣接する列間で配列の半ピッチ分、その配置のX位置がずれている。セルブロックCB100のX位置は、セルブロックCB102のX位置に対して、セルブロックCB102,CB106の配列の半ピッチ分ずれている。これにより、リソグラフィ的に、複数のセルブロックCB100~CB107に対する複数のメモリホールMHの開口が容易になる。
【0157】
図31(a)の例では、Y方向で1列おきにダミーのメモリホールMHを形成する。ダミーのセルブロックCB102,CB103,CB106,CB107は、セルブロック選択トランジスタが省略される。この為、分断膜SHEでセルブロック選択信号線SGをY方向に分断している。これにより、X方向に1本毎にビット線BLとソース線SLとを交互に配置しても、セルブロックCBのY方向の配置ピッチを小さくできる。分離パターンISOは、製造時に、ローカルソース線柱LSLを埋め込むためのサブホールSHとローカルビット線柱LBLを埋め込むためのサブホールSH(
図19(b)参照)とを分離するマスキング用のレジストパターンのレイアウトである。
【0158】
あるいは、不揮発性半導体記憶装置1において、
図31(b)に示すように、複数のセルブロックCB200~CB215がXY方向に2次元的に配列されてセルアレイ5が構成されてもよい。
図31(b)は、セルアレイ5の構成を示す平面図であり、2つのセルブロックCBのセットがメモリホールMH内に配される柱状構造体で構成される場合(
図4~
図6参照)の複数のセルブロックCB200~CB215のレイアウト構成を例示する。
【0159】
図31(b)に示す様に、複数のセルブロックCB200~CB215は、それぞれがX方向に沿っている複数列を形成するように配列される。セルブロックCB200,CB204のセット、セルブロックCB208,CB212のセットの配列が1つの列を形成し、セルブロックCB201,CB205のセット、セルブロックCB209,CB213のセットの配列が他の1つの列を形成する。複数列は、Y方向に隣接する列間で配列の半ピッチ分、その配置のX位置がずれている。セルブロックCB201,CB205の中間のX位置は、セルブロックCB204,CB208の中間のX位置に対して、セルブロックCB200,CB204のセット、セルブロックCB208,CB212のセットの配列の半ピッチ分ずれている。これにより、リソグラフィ的に、複数のセルブロックCB200~CB215に対する複数のメモリホールMHの開口が容易になる。
【0160】
図31(b)の例では、Y方向で1列おきにダミーのメモリホールMHを形成する。ダミーのセルブロックCB200,CB204,CB208,CB212,202,CB207,CB210,CB214は、セルブロック選択トランジスタが省略される。この為、分断膜SHEでセルブロック選択信号線SGをY方向に分断している。これにより、X方向にビット線BL間に1つおきにソース線SLを配置しても、セルブロックCBのY方向の配線ピッチを小さくできる。分離パターンISOは、製造時に、ローカルソース線柱LSLを埋め込むための中央のサブホールSHとローカルビット線柱LBLを埋め込むための左右のサブホールSH(
図21(a)参照)とを分離するマスキング用のレジストパターンのレイアウトである。なお、リソグラフィの容易性にもよるが、最初から分断膜SHE下のメモリホールMHの形成を省略してもよい。
【0161】
以上のように、第10の実施形態では、不揮発性半導体記憶装置1のセルアレイ5において、Y方向に隣接する列間で配列の半ピッチ分X位置がずれた複数列を形成するように複数のセルブロックCB100~CB108がXY方向に2次元的に配列される。これにより、複数のメモリホールMHの形成が容易になり、不揮発性半導体記憶装置1を容易に製造できる。
【0162】
(第11の実施形態)
次に、第11の実施形態にかかる不揮発性半導体記憶装置1について説明する。以下では、第1の実施形態~第10の実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0163】
第10の実施形態では、複数のセルブロックCBのレイアウト構成について例示するが、第11の実施形態は、複数のセルブロックCBのレイアウト構成に加えてセンスアンプ7との接続構成についてさらに例示する。
【0164】
不揮発性半導体記憶装置1において、
図32に示すように、複数のセルブロックCB100~CB108がXY方向に2次元的に配列されてセルアレイ5が構成されてもよい。
図32は、セルアレイ5の構成を示す平面図であり、2つのセルブロックCBがメモリホールMH内に配される場合(
図31(b)参照)のレイアウト構成を分離部ST間に拡張して示す。複数のビット線BL0~BL7とセンスアンプ7との接続構成は、
図23(a)~
図23(c)に示すような任意の構成を採用可能であるが、
図32では、
図23(b)に対応する構成を例示する。
【0165】
複数のビット線BL0~BL7は、それぞれがY方向に延びるとともに、互いにX方向に配列される。複数のビット線BL0~BL7は、一端側でセンスアンプ7に接続される。複数のビット線BL0~BL7は、例えばマルチプレクサMX100に接続される。
【0166】
複数のソース線SL0~SL3は、それぞれがY方向に延びるとともに、ビット線BL間に1つおきに配されるように互いにX方向に配列される。各ソース線SL0~SL3は、ロウデコーダ6に接続される。複数のソース線SL0~SL3は、センスアンプ7に接続されない。
【0167】
ソース線SLが配されないビット線BL間には、シールド線SHLが配されてもよい。複数のシールド線SHL0~SHL2は、それぞれがY方向に延びるとともに、ソース線SL間に配され且つビット線BL間に1つおきに配されるように互いにX方向に配列される。各シールド線SHL0~SHL2は、ロウデコーダ6に接続される。複数のシールド線SHL0~SHL2は、センスアンプ7に接続されない。
【0168】
なお、各ソース線SL0~SL3は、ロウデコーダ6から固定電位(例えば、Lレベル)が供給されてもよい。各シールド線SHL0~SHL2は、ロウデコーダ6から固定電位(例えば、Lレベル)が供給されてもよい。これにより、ビット線BL間のクロストークを抑制しながらビット線BL間のX距離を低減できる。
【0169】
図32に示すセルアレイ5において、複数のセルブロック選択線SG0~SG15は、それぞれがX方向に延びるとともに、分断膜SHEを介して互いにY方向に分断されている。各セルブロックCBは、その長手方向をX方向とする。複数のセルブロックCBは、セルブロック選択線SGに収まるように、X方向に配列されている。複数のセルブロック選択線SG0~SG15及び複数の分断膜SHEの-Z側には、複数層のワード線WL0~WL63が互いにZ方向に離間しながら積層されている(
図3参照)。各ワード線WLは、分離部ST間で連続した導電膜で構成されている。
図32に示すセルアレイ5では、16本のセルブロック選択線SG0~SG15に対して各ワード線WL0~WL63が共通化されている。
【0170】
不揮発性半導体記憶装置1では、セルブロック選択線SG、選択ワード線WL、選択ビット線BLの組み合わせにより任意の数のメモリセルMCに対してリード/ライト出来るので、ワード線WLを共有化可能なセルブロック選択線SGの数は任意である。但し、共有化するセルブロック選択線SGの数を多くすると消費電力が増えるので、セルブロック選択線SG16本/ワード線WL1本程度の比率で共有化することが望ましい。
図32に示す例では、複数のビット線BL0~BL7の内の1本をマルチプレクサMX100で活性化してセンスアンプモジュールSA100につないでリード/ライトする構成を例示している。1本/8本のビット線BLの活性化により、センスアンプ7のレイアウト面積を約1/8に減らせる効果がある。これにより電流駆動の抵抗変化型メモリであってもビット線BLのIRドロップ低減の為にビット線BL長を短くしてもセンスアンプ7のレイアウト面積の増大を抑制できる。
【0171】
以上のように、第11の実施形態では、不揮発性半導体記憶装置1のセルアレイ5において、複数のビット線BL0~BL7の間にはソース線SL又はシールド線SHLが配される。これにより、ビット線BL間のクロストークを抑制しながらビット線BL間のX距離を低減でき、セルアレイ5のレイアウト面積を容易に低減できる。
【0172】
(第12の実施形態)
次に、第12の実施形態にかかる不揮発性半導体記憶装置1について説明する。以下では、第1の実施形態~第11の実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0173】
第1の実施形態、第8の実施形態では、2つのセルブロックのセットがメモリホールMH内に配される構成が例示されるが、第12の実施形態では、4つのセルブロックのセットがメモリホールMH内に配される構成が例示される。
【0174】
セルブロックCBは、例えば、
図33~
図34に示すように構成される。
図33は、セルブロックCBの構成を示す垂直方向の断面図であり、セルブロックCBの中心軸を通るXZ断面を示す。
図33では、簡略化のため、ワード線WL-ワード線WL間の絶縁層の図示を省略している。
図34は、セルブロックCBの構成を示す平面方向の断面図である。
図34は、
図33をI-I’線で切ったXY断面を示す。
【0175】
図33~
図34に示す構造は、
図4~
図6に示す構造に対して、メモリホールMHの中心を通りX方向に沿った溝で分断して絶縁膜DFを埋め込む変更が行われた構造になっている。
【0176】
セルブロックCB0とセルブロックCB1との間の絶縁膜DFは、各セルブロックCBの-Z側端まで達しており、セルブロックCB0とセルブロックCB1とを電気的に分離している。セルブロックCB0のローカルビット線柱LBLとセルブロックCB1のローカルビット線柱LBLとは絶縁膜DFで電気的に分離されている。セルブロックCB0の抵抗変化膜REとセルブロックCB1の抵抗変化膜REとは絶縁膜DFで電気的に分離されている。
【0177】
セルブロックCB3とセルブロックCB4との間の絶縁膜DFは、各セルブロックCBの-Z側端まで達しており、セルブロックCB3とセルブロックCB4とを電気的に分離している。セルブロックCB3のローカルビット線柱LBLとセルブロックCB4のローカルビット線柱LBLとは絶縁膜DFで電気的に分離されている。セルブロックCB3の抵抗変化膜REとセルブロックCB4の抵抗変化膜REとは絶縁膜DFで電気的に分離されている。
【0178】
-Y側のローカルソース線柱LSLと+Y側のローカルソース線柱LSLとの間の絶縁膜DFは、各柱の-Z側端まで達しており、-Y側のローカルソース線柱LSLと+Y側のローカルソース線柱LSLとは絶縁膜DFで電気的に分離されている。
【0179】
なお、
図33~
図34に示すように、各セルブロックCBでは、抵抗変化膜REとローカルビット線柱LBLとの間に熱バリア膜HB1が介在してもよく、抵抗変化膜REと半導体膜CHとの間に熱バリア膜HB2が介在してもよい。さらに、ローカルソース線柱LSLと半導体膜CHとの間に熱バリア膜HB3が介在してもよい。
【0180】
図33~
図34に示す構造は、
図35に示すように、次の点で
図20(a)~
図20(d)に示す製造方法と異なる製造方法で製造され得る。
図35は、セルアレイ5の構成を示す平面図であるが、製造方法を示す図として流用する。
【0181】
図20(d)に示す構造が形成された後、
図35(a)に示すように、メモリホールMHの外側のY位置を通りX方向に延びた溝パターンTR1を積層体22の最上の絶縁層222のZ位置(
図3参照)まで形成する。また、メモリホールMHの中心のY位置を通りX方向にメモリホールMHを横切って延びメモリホールMHの-Z側端(
図3参照)に達する溝パターンTR2を形成する。そして、各溝パターンTR1,TR2に絶縁物質(例えば、シリコン酸化物)を埋め込んで分断膜SHEを形成する。その後、犠牲層SFを除去し、それによって形成された空隙に導電膜WLを埋め込む事で、
図33~
図34に示す4つのセルブロックのセットを含むセルアレイ5が製造される。
【0182】
あるいは、
図20(d)に示す構造が形成された後、
図35(b)に示すように、メモリホールMH内で中心のY位置を通りX方向に延びメモリホールMHの-Z側端に達する溝パターンTR3を形成する。そして、溝パターンTR3に絶縁物質(例えば、シリコン酸化物)を埋め込んで絶縁膜DFを形成する。その後、犠牲層SFを除去し、それによって形成された空隙に導電膜WLを埋め込む事によっても、
図33~
図34に示す4つのセルブロックのセットを含むセルアレイ5が製造される。
【0183】
図33~
図34に示す構造は、メモリホールMH内に配されるセルブロック数を多く確保できるので、XY方向のメモリセルMCの配置密度を容易に向上でき、単位記憶容量当たりのチップコストを低減できる。
【0184】
また、セルブロック選択線SGのレイアウト構成については、
図35(a)に示すように、メモリホールMH内でY方向に隣接する複数のセルブロックCBが異なるセルブロック選択線SGに対応していてもよい。この場合、メモリホールMH内でY方向に隣接する複数のセルブロックCBのローカルビット線柱LBLは、共通のビット線BLに接続され得る。例えば、セルブロックCB0とセルブロックCB1とは、メモリホールMH内でY方向に隣接する。セルブロックCB0は、セルブロック選択線SG0に対応する。セルブロックCB1は、セルブロック選択線SG1に対応する。セルブロックCB0は、セルブロック選択トランジスタSG0がオンした際にローカルビット線柱LBLがコンタクトプラグCP1を介してビット線BL0に接続され得る。セルブロックCB1は、セルブロック選択トランジスタSG1がオンした際にローカルビット線柱LBLがコンタクトプラグCP1を介してビット線BL0に接続され得る。
【0185】
セルブロックCB3とセルブロックCB4とは、メモリホールMH内でY方向に隣接する。セルブロックCB3は、セルブロック選択線SG0に対応する。セルブロックCB4は、セルブロック選択線SG1に対応する。セルブロックCB3は、セルブロック選択トランジスタSG0がオンした際にローカルビット線柱LBLがコンタクトプラグCP1を介して共通のビット線BL1に接続され得る。セルブロックCB4は、セルブロック選択トランジスタSGがオンした際にローカルビット線柱LBLがコンタクトプラグCP1を介してビット線BL1に接続され得る。
【0186】
+Y側のローカルソース線柱LSLと-Y側のローカルソース線柱LSLとは、メモリホールMH内でY方向に隣接する。+Y側のローカルソース線柱LSLは、セルブロック選択線SG0に対応する。-Y側のローカルソース線柱LSLは、セルブロック選択線SG1に対応する。+Y側のローカルソース線柱LSLと-Y側のローカルソース線柱LSLとは、それぞれ、コンタクトプラグCP2を介して共通のソース線SLに接続される。
【0187】
あるいは、セルブロック選択線SGのレイアウト構成については、
図35(b)に示すように、メモリホールMH内でY方向に隣接する複数のセルブロックCBが同じセルブロック選択線SGに対応していてもよい。この場合、メモリホールMH内でY方向に隣接する複数のセルブロックCBは、異なるビット線BLに接続され得る。例えば、セルブロックCB0とセルブロックCB1とは、メモリホールMH内でY方向に隣接する。セルブロックCB0とセルブロックCB1とは、共通のセルブロック選択線SGに対応する。セルブロックCB0は、セルブロック選択トランジスタSGがオンした際にコンタクトプラグCP1を介してビット線BL0に接続される。セルブロックCB1は、セルブロック選択トランジスタSGがオンした際にコンタクトプラグCP1を介してビット線BL1に接続される。
【0188】
セルブロックCB3とセルブロックCB4とは、メモリホールMH内でY方向に隣接する。セルブロックCB3とセルブロックCB4とは、共通のセルブロック選択線SGに対応する。セルブロックCB3は、セルブロック選択トランジスタSGがオンした際にコンタクトプラグCP1を介してビット線BL2に接続される。セルブロックCB4は、セルブロック選択トランジスタSGがオンした際にコンタクトプラグCP1を介してビット線BL3に接続される。
【0189】
+Y側のローカルソース線柱LSLと-Y側のローカルソース線柱LSLとは、メモリホールMH内でY方向に隣接する。+Y側のローカルソース線柱LSLと-Y側のローカルソース線柱LSLとは、共通のセルブロック選択線SGに対応する。+Y側のローカルソース線柱LSLと-Y側のローカルソース線柱LSLとは、それぞれ、コンタクトプラグCP2を介して共通のソース線SLに接続される。
【0190】
以上のように、第12の実施形態では、不揮発性半導体記憶装置1のセルアレイ5において、4つのセルブロックCBのセットがメモリホールMH内に配される。これにより、モリホールMH内に配されるセルブロック数を多く確保できるので、XY方向のメモリセルMCの配置密度を容易に向上でき、単位記憶容量当たりのチップコストを低減できる。
【0191】
(第13の実施形態)
次に、第13の実施形態にかかる不揮発性半導体記憶装置1について説明する。以下では、第1の実施形態~第12の実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0192】
第1の実施形態~第12の実施形態では、各セルブロックが1本のローカスソース線に対応する構成が例示されるが、第12の実施形態では、各セルブロックが複数のローカスソース線に対応する構成が例示される。
【0193】
セルブロックCBは、例えば、
図36~
図37に示すように構成される。
図36は、セルブロックCB0,CB3,CB6,CB9の構成を示す垂直方向の断面図であり、各セルブロックCB0,CB3,CB6,CB9の中心軸を通るXZ断面を示す。
図36では、簡略化のため、ワード線WL-ワード線WL間の絶縁層の図示を省略している。
図37は、セルブロックCB0,CB3,CB6,CB9の構成を示す平面方向の断面図である。
図37は、
図36をJ-J’線で切ったXY断面を示す。
図36、
図37では、1つメモリホールMH内に4つのセルブロックCBが配される構成が例示されるが、1つメモリホールMH内に配されるセルブロックCBの数は、1個~3個でもよいし、5個以上でもよい。
【0194】
メモリホールMHは、XY平面視でX方向に延びたライン状に構成され、XZ方向に板状に延びている。メモリホールMHには、複数のセルブロックCB0,CB3,CB6,CB9のセットが配される。複数のセルブロックCB0~CB9は、互いにX方向に並んでいる。各セルブロックCBは、
図36、
図37に示すように、柱状構造体で構成される。柱状構造体は、複数のローカルソース線柱LSLを有する点で第1の実施形態と異なる。
【0195】
例えば、セルブロックCB0の柱状構造体は、ローカルビット線柱LBL0、複数のローカルソース線柱LSL0,LSL1を有する。ローカルソース線柱LSL0は、ローカルビット線柱LBL0の-X側に配され、Z方向に延びて複数のワード線WL0~WL63を貫通する。ローカルソース線柱LSL1は、ローカルビット線柱LBL0の+X側に配され、Z方向に延びて複数のワード線WL0~WL63を貫通する。セルブロックCB9の柱状構造体は、ローカルビット線柱LBL3、複数のローカルソース線柱LSL3,LSL4を有する。ローカルソース線柱LSL3は、ローカルビット線柱LBL3の-X側に配され、Z方向に延びて複数のワード線WL0~WL63を貫通する。ローカルソース線柱LSL4は、ローカルビット線柱LBL3の+X側に配され、Z方向に延びて複数のワード線WL0~WL63を貫通する。
【0196】
すなわち、メモリホールMH内では、ローカルソース線柱LSLとローカルビット線柱LBLとがX方向に沿って交互に繰り返し配列される。
図37では、メモリホールMH内で、-X側から+X側に、ローカルソース線柱LSL0、ローカルビット線柱LBL0、ローカルソース線柱LSL1、ローカルビット線柱LBL1、ローカルソース線柱LSL2、ローカルビット線柱LBL2、ローカルソース線柱LSL3、ローカルビット線柱LBL3、ローカルソース線柱LSL4が配されている。
【0197】
ローカルソース線柱LSLが複数のセルブロックCBで共有される点は、第1の実施形態と同様である。例えば、ローカルソース線柱LSL1は、セルブロックCB0とセルブロックCB3とで共有される。ローカルソース線柱LSL3は、セルブロックCB6とセルブロックCB8とで共有される。
【0198】
なお、
図36~
図37に示すように、各セルブロックCBでは、抵抗変化膜REとローカルビット線柱LBLとの間に熱バリア膜HB1が介在してもよく、抵抗変化膜REと半導体膜CHとの間に熱バリア膜HB2が介在してもよい。さらに、ローカルソース線柱LSLと半導体膜CHとの間に熱バリア膜HB3が介在してもよい。
【0199】
図36~
図37に示す構造は、メモリホールMHをXY平面視でライン状に形状する為、リソグラフィに余裕度を容易に確保でき、Y方向の配置ピッチの狭いセルブロックCBの配列を形成出来る。また、ローカルビット線柱LBLとローカルソース線柱LSLとはX方向にライン状に延びたメモリホールMH内でX方向に分離して形成されるので、リソグラフィに余裕度を容易に確保でき、X方向の配置ピッチの狭いセルブロックCBの配列を形成出来る。
【0200】
メモリホールMH内に配される複数のセルブロックCB0,CB3,CB6,CB9のセットの等価回路図は、
図38のようになる。
図38は、セルブロックCBの構成を示す回路図である。
【0201】
図38の等価回路図に示す様に、メモリセルMCは、2つの直列接続を含む。例えば、セルブロックCB0のメモリセルMC0は、ローカルビット線LBL0とローカルソース線LSL0との間に抵抗変化素子RE及びメモリトランジスタMT’の直列接続を含み、ローカルビット線LBL0とローカルソース線LSL1との間に抵抗変化素子RE及びメモリトランジスタMTの直列接続を含む。メモリセルMC0のメモリトランジスタMT’とメモリトランジスタMTとは、いずれも、ゲートがワード線WL0に接続される。
【0202】
セルブロックCB3のメモリセルMC1は、ローカルビット線LBL1とローカルソース線LSL1との間に抵抗変化素子RE及びメモリトランジスタMT’の直列接続を含み、ローカルビット線LBL1とローカルソース線LSL2との間に抵抗変化素子RE及びメモリトランジスタMTの直列接続を含む。メモリセルMC1のメモリトランジスタMT’とメモリトランジスタMTとは、いずれも、ゲートがワード線WL1に接続される。
【0203】
セルブロックCB9のメモリセルMC63は、ローカルビット線LBL3とローカルソース線LSL3との間に抵抗変化素子RE及びメモリトランジスタMT’の直列接続を含み、ローカルビット線LBL3とローカルソース線LSL4との間に抵抗変化素子RE及びメモリトランジスタMTの直列接続を含む。メモリセルMC63のメモリトランジスタMT’とメモリトランジスタMTとは、いずれも、ゲートがワード線WL63に接続される。
【0204】
この構成により、
図39に示すように、ローカルビット線LBLから抵抗変化素子REを通って、左右のセルトランジスタMT,MT’の半導体チャネルを介して左右のローカルソース線LSL1,LSL2に電流を流ことができる。複数のワード線WL0~WL63のうちワード線WL1が選択的にハイレベルV
H3にされ、複数のビット線BL0~BL3のうちビット線L1が選択的にハイレベルV
H4にされる場合、メモリセルMC1のメモリトランジスタMT’,メモリトランジスタMTがそれぞれオンする。これにより、セル電流の電流パスは、ビット線BL1→ローカルビット線LBL1→抵抗変化素子RE→メモリトランジスタMT’→ローカルソース線LSL1→ソース線SL1の電流パスと、ビット線BL1→ローカルビット線LBL1→抵抗変化素子RE→メモリトランジスタMT→ローカルソース線LSL2→ソース線SL2の電流パスとに並列化される。このため、セル電流の電流パスを低抵抗化でき、セル電流を容易に確保できる。
【0205】
以上のように、第13の実施形態では、不揮発性半導体記憶装置1のセルアレイ5において、各セルブロックの柱状構造体が複数のローカスソース線柱を含む。これにより、各セルブロックにおけるセル電流の電流パスを並列化でき、セル電流の電流パスを低抵抗化できる。すなわち、実質的に、電流パスにおける半導体チャネル幅を2倍化出来、電流バジェットを大幅に緩和出来る。
【0206】
(第14の実施形態)
次に、第14の実施形態にかかる不揮発性半導体記憶装置1について説明する。以下では、第1の実施形態~第13の実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0207】
第1の実施形態~第13の実施形態では、抵抗変化膜REが相変化材料(例えば、カルコゲナイド系の材料(Ge、Sb、Te)等)で形成される構成が例示されるが、第14の実施形態では、抵抗変化膜REが他の材料で形成される構成が例示される。
【0208】
各セルブロックCBにおいて、抵抗変化膜の材料は、相変化材料に代えて、超格子膜材料であっても良い。抵抗変化膜REは、XY平面視における中心側から外側へ、GeTe層とSbTe層とが原子間距離程度の層厚で交互に積層されて超格子が実現された構造を含んでもよい。これにより、抵抗変化膜REを相変化膜として機能させることができる。
【0209】
あるいは、各セルブロックCBにおいて、抵抗変化膜の材料は、相変化材料に代えて、
図40(a)に示すように、磁性材料であっても良い。
図40(a)は、セルブロックCBの構成を示す平面方向の断面図であり、
図27をG-G’線で切ったXY断面に相当する。例えば、
図28に示す各セルブロックCBの構成において、抵抗変化膜RE、熱バリア膜HB1、熱バリア膜HB2を、それぞれ、トンネル膜RE100、フリー層TE、ピン層BEに置き換えることで、
図40(a)に示すように、トンネル膜RE100がフリー層TEとピン層BEとで挟まれた構造を実現できる。トンネル膜RE100は、フリー層TEとピン層BEとの間で磁化時に電荷のトンネルが可能なように構成され、例えばMgOで形成される。フリー層TE、ピン層BEは、それぞれ、磁化方向がZ方向になるように構成され、例えばCoFeで形成される。これにより、各メモリセルMCをMRAMメモリセルとして構成できる。また、各メモリセルMCへの情報の記録時に、XY平面方向における反磁界の発生を抑制でき、MRAMメモリセルの特定劣化を抑制できる。
【0210】
あるいは、各セルブロックCBにおいて、抵抗変化膜の材料は、相変化材料(すなわち、結晶性により抵抗変化が可能である材料)に代えて、
図40(b)に示すように、抵抗変化材料(すなわち、電界により抵抗変化が可能である材料)であっても良い。
図40(b)は、セルブロックCBの構成を示す平面方向の断面図であり、
図29をH-H’線で切ったXY断面に相当する。例えば、
図30に示す各セルブロックCBの構成において、抵抗変化膜RE、熱バリア膜HB1、熱バリア膜HB2を、それぞれ、抵抗変化膜RE200、電極層EL1、電極層EL2に置き換えることで、抵抗変化膜が2つの電極層で挟まれた構造を実現できる。抵抗変化膜RE200は、電極層EL1と電極層EL2との間の電界に応じて抵抗状態の遷移が可能なように構成され、例えばNiOx,WOx,TaOx,TiOx,HfOx,ZnOx,TiON,Ag-GeSe,Cu-GeSe,FeOx,GeOx,STOなどの金属酸化物で形成される。電極層EL1、電極層EL2は、それぞれ、TiN又はTaNを主成分とする材料で形成されてもよいし、Pt、W、WN、NbがドープされたTiO
2を主成分とする材料で形成されてもよい。これにより、各メモリセルMC1をReRAMメモリセルとして構成できる。
【0211】
以上のように、第14の実施形態では、不揮発性半導体記憶装置1のセルアレイ5において、各セルブロックCBの各メモリセルMCでは、抵抗変化膜REの成膜方向にスイッチングするので、抵抗変化膜REの成膜方向にスイッチングの移動原子ソース(Ag,Cu、W等)の電極を重ねて成膜できるし、磁性材料メモリの様にトンネル膜の成膜方向にピン層やフリー層を成膜出来る。この様に、抵抗変化膜の材料として、適用出来る材料の範囲が大幅に広がっている。
【0212】
(第15の実施形態)
次に、第15の実施形態にかかる不揮発性半導体記憶装置1について説明する。以下では、第1の実施形態~第14の実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0213】
第8、第9、第12、第13の実施形態では、抵抗変化膜REとローカルビット線柱LBLとの間に熱バリア膜HB1が介在する構成が例示されるが、第15の実施形態では、ローカルビット線柱LBL自体が熱バリア膜として機能する構成が例示される。
【0214】
セルブロックCBは、
図41~
図42に示すように構成され得る。
図41は、セルブロックCBの構成を示す垂直方向の断面図であり、各セルブロックCB0,CB3の中心軸を通るXZ断面を示す。
図41では、簡略化のため、ワード線WL-ワード線WL間の絶縁層の図示を省略している。
図42は、セルブロックCBの構成を示す平面方向の断面図である。
図42は、
図41をG-G’線で切ったXY断面を示す。
【0215】
各セルブロックCBでは、ローカルビット線柱LBL及び熱バリア膜HB1(
図28参照)がローカルビット線柱LBL’に置き換えられる。ローカルビット線柱LBL’は、熱抵抗の高い導電物質で形成され、例えばTiN、TaN、TiOx,C,CN等の導電物質で形成される。ローカルビット線柱LBL’は、抵抗変化膜REとビット線BLとの間で熱バリア膜として機能し、抵抗変化膜REとビット線BLとの間で電流を通しながら抵抗変化膜REからの熱の漏れを抑制できる。
【0216】
各セルブロックCBでは、ローカルソース線柱LSL及び熱バリア膜HB3(
図28参照)がローカルソース線柱LSL’に置き換えられる。ローカルソース線柱LSL’は、熱抵抗の高い導電物質で形成され、例えばTiN、TaN、TiOx,C,CN等の導電物質で形成される。ローカルソース線柱LSL’は、抵抗変化膜REと半導体膜CHとの間で熱バリア膜として機能し、抵抗変化膜REと半導体膜CHとの間で電流を通しながら抵抗変化膜REからの熱の漏れを抑制できる。
【0217】
なお、抵抗変化膜REと半導体膜CHとの間に熱バリア膜HB2が介在する点は、第8、第9、第12、第13の実施形態と同様である。
【0218】
図41~
図42に示す構成により、ローカルビット線柱LBL’及びローカルソース線柱LSL’の熱抵抗が増加する為、選択メモリセルMCの抵抗変化膜REで発熱した熱が、選択メモリセルMCの抵抗変化膜RE→半導体膜CH→ローカルソース線柱LSL’→隣接メモリセルMCの抵抗変化膜REと伝達されることを抑制できる。また、選択メモリセルMCの抵抗変化膜REで発熱した熱が、選択メモリセルMCの抵抗変化膜RE→ローカルビット線柱LBL’→隣接メモリセルMCの抵抗変化膜REと伝達されることを抑制できる。これにより、選択メモリセルMCから隣接メモリセルMCへの熱の漏れを抑制できる。
【0219】
以上のように、第15の実施形態では、各セルブロックCBにおいて、ローカルビット線柱LBL’及びローカルソース線柱LSL’がそれぞれ熱抵抗の高い導電物質で形成される。これにより、選択メモリセルMCから隣接メモリセルMCへの熱の漏れを抑制できるので、選択メモリセルMCへの情報の書き込み時に、隣接メモリセルMCへの誤書き込みを抑制できる。
【0220】
(第16の実施形態)
次に、第16の実施形態にかかる不揮発性半導体記憶装置1について説明する。以下では、第1の実施形態~第15の実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0221】
第8、第9、第12、第13、第15の実施形態では、選択メモリセルMCの抵抗変化素子REからの熱の漏れを抑制することで隣接メモリセルMCの抵抗変化素子REの温度上昇を抑制している。
【0222】
それに対して、第16の実施形態では、選択メモリセルMCの抵抗変化素子REからの放熱パスを確保することで隣接メモリセルMCの抵抗変化素子REの温度上昇を抑制させる。
【0223】
具体的には、セルアレイ5は、
図43に示すように構成され得る。
図43は、セルアレイ5の概略構成を示す垂直方向の断面図であり、各セルブロックCB0,CB3の中心軸を通るXZ断面を示す。
図43では、簡略化のため、ワード線WL-ワード線WL間の絶縁層の図示を省略している。
【0224】
図43に示すセルアレイ5では、ソース線SLがセルブロックCB0及びセルブロックCB3の柱状構造物に対して、+Z側(
図3参照)に代えて-Z側に配される。ソース線SLは、XY方向に板状に延びた導電膜で構成され得る。ソース線SLは、セルブロックCB0,CB3のセットに対して共通化されているが、他の複数のセルブロックのセットに対してさらに共通化されてもよい。
【0225】
各セルブロックCBでは、ローカルソース線柱LSL(
図5参照)がローカルソース線柱LSL”に置き換えられる。ローカルソース線柱LSL”は、熱伝導性の高い導電物(例えば、タングステン等の金属)で形成される。ローカルソース線柱LSL”は、+Z側の端部がセルブロック選択線SGと最も+Z側のワード線WL0との間のZ位置にとされ得る。ローカルソース線柱LSL”の-Z側の端部は、コンタクトプラグCP3を介してソース線SLに電気的に接続される。
【0226】
ローカルソース線柱LSL”、コンタクトプラグCP3、ソース線SLは、それぞれ、熱伝導性の高い導電物(例えば、タングステン等の金属)で形成され得る。ソース線SLは、放熱面積を確保するために、そのXY面積がセルアレイ5より大きくてもよい。
【0227】
セルブロックCB0とセルブロックCB3とのセットの等価回路図は、
図44のようになる。
図44は、セルブロックCBの構成を示す回路図である。
【0228】
図44の等価回路図に示す様に、セルブロックCB0のメモリセルMC1が選択される場合、ビット線BL0→ローカルビット線LBL0→メモリセルMC1の抵抗変化素子RE→メモリセルMC1のセルトランジスタMT→ローカルソース線LSL→ソース線SLの電流パスでセル電流が流れる。このとき、抵抗変化素子(抵抗変化膜)REで発生した熱は、抵抗変化膜RE→ローカルビット線柱LBL→半導体膜CH及び絶縁膜DF→コンタクトプラグCP1→ビット線BLの放熱パスと、抵抗変化膜RE→半導体膜CH及び絶縁膜DF→ローカルソース線柱LSL”→コンタクトプラグCP3→ソース線SLの放熱パスとで放熱される。すなわち、複数のセルブロックCB0~CB(n-1)の配列に対して、その+Z側と-Z側との両方で放熱が行われるので、選択メモリMCの抵抗変化素子REで発生した熱が効率的に放熱され得る。
【0229】
以上のように、第16の実施形態では、不揮発性半導体記憶装置1のセルアレイ5において、各セルブロックCBの-Z側にソース線SLが配され、各セルブロックCBのローカルソース線柱LSL”が熱伝導性の高い導電物で形成される。これにより、選択メモリセルMCからの放熱パスを+Z側と-Z側との両方に確保でき、選択メモリセルMCの熱を効率的に放熱できる。この結果、隣接メモリセルMCの温度上昇を抑制できるので、選択メモリセルMCへの情報の書き込み時に、隣接メモリセルMCへの誤書き込みを抑制できる。
【0230】
(第17の実施形態)
次に、第17の実施形態にかかる不揮発性半導体記憶装置1について説明する。以下では、第1の実施形態~第16の実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0231】
第16の実施形態では、複数のセルブロックCBの配列に対して+Z側と-Z側との両方で放熱する構成が例示されるが、第17の実施形態では、さらに、複数のセルブロックCBの配列に対して+Y側と-Y側との両方でも放熱する構成が例示される。
【0232】
具体的には、セルアレイ5は、
図45~
図46に示すように構成され得る。
図45は、セルアレイ5の構成を示す斜視図である。
図46では、セルアレイ5の構成を示す平面図である。
【0233】
分離部STは、
図45~
図46に示すように、XZ方向に平板状の2つの絶縁部DLと、2つの絶縁部DLに挟まれたXZ方向に平板状の電極部SL’とを有する。この電極部SL’は、XY方向に平板状のソース線SLへ接続される。各セルブロックCBのローカルソース線柱LSL”の-Z側の端部がコンタクトプラグCP3を介してソース線SLに接続される点は、第16の実施形態と同様である。また、分離部STが積層体22を他の積層体から電気的に分離している点は、第1の実施形態と同様である。
【0234】
図45~
図46に示す構造では、選択メモリセルMCのセル電流が流れる際に、選択メモリセルMCの抵抗変化素子(抵抗変化膜)REで発生した熱は、抵抗変化膜RE→ローカルビット線柱LBL→半導体膜CH及び絶縁膜DF→コンタクトプラグCP1→ビット線BLの放熱パスと、抵抗変化膜RE→半導体膜CH及び絶縁膜DF→ローカルソース線柱LSL”→コンタクトプラグCP3→ソース線SL→電極部SL’の放熱パスとで放熱される。すなわち、複数のセルブロックCBの配列に対して、その+Z側と-Z側と+Y側と-Y側とで放熱が行われるので、選択メモリMCの抵抗変化素子REで発生した熱がさらに効率的に放熱され得る。
【0235】
以上のように、第17の実施形態では、不揮発性半導体記憶装置1のセルアレイ5において、複数のセルブロックCBの配列に対して、その+Z側と-Z側と+Y側と-Y側とで放熱が行われるので、選択メモリMCの抵抗変化素子REで発生した熱がさらに効率的に放熱され得る。この結果、選択メモリセルMCに対する隣接メモリセルMCの温度上昇をさらに抑制できるので、選択メモリセルMCへの情報の書き込み時に、隣接メモリセルMCへの誤書き込みをさらに抑制できる。
【0236】
(第18の実施形態)
次に、第18の実施形態にかかる不揮発性半導体記憶装置1について説明する。以下では、第1の実施形態~第17の実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0237】
第8、第9、第12、第13、第15の実施形態では、選択メモリセルMCの抵抗変化素子REからの熱の漏れを抑制することで選択メモリセルMCにおける発熱効率を向上させる。例えば、各セルブロックCBにおいて、ローカルビット線柱LBLから半導体膜CHへ向かう方向、即ち抵抗変化膜REの成膜方向に流す電流で抵抗変化膜RE自身の電気抵抗だけで発熱させてスイッチングさせるためには、抵抗変化膜REの材料の選択範囲が高抵抗材料(例えば、不純物を含むカルコゲナイド系材料)に限定される可能性がある。
【0238】
それに対して、第18の実施形態では、選択メモリセルMCに発熱膜を追加することで抵抗変化膜REの材料の選択範囲を確保しながら選択メモリセルMCにおける発熱効率の向上を目指す。
【0239】
具体的には、各セルブロックCBは、
図47に示すように構成され得る。
図47は、セルブロックCBの構成を示す平面方向の断面図である。
図47は、
図27をG-G’線で切ったXY断面に相当する。例えば、
図28に示す各セルブロックCBの構成において、熱バリア膜HB2を発熱膜HTで置き換えることで、
図47に示すように、発熱膜HTが抵抗変化膜REと半導体膜CHとの間に配された構成になる。発熱膜HTは、比較的電気抵抗が高い導電物で形成され、不純物を含む半導体で形成され得る。これにより、発熱膜HTは抵抗変化膜REの近傍でヒーターとして機能するので、抵抗変化膜REの発熱をアシストすることができ、選択メモリセルMCにおける発熱効率を向上できる。
【0240】
発熱膜HTの材料として、インジウムを不純物として含むゲルマニウムを用いてもよい。インジウムを含むゲルマニウムは、
図48に示すように、不純物としてのインジウムの濃度及び導電型(p型かn型か)を調整することで容易に高抵抗化できる。
図48は、ゲルマニウムの不純物濃度と比抵抗との関係を示す図である。例えば、p型のインジウムの不純物濃度を1×10
15~1×10
16cm
-3程度に調整することで、発熱膜HTの比抵抗を0.5~4Ωcm程度とすることが望ましい。また、発熱膜HTの材料として、インジウムを不純物として含むテルリウムでも良いし、III-V族の化合物でもよい。
【0241】
なお、熱バリア膜HB1の材料は、例えばTiN、TaN、TiOx,C,CN等の導電物質を用いてもよいが、C-W、C-WN等の導電物質を用いることでさらに熱抵抗を高くすることができ、ローカルビット線柱LBL側への熱漏れ抑制の点からも発熱効率を向上できる。
【0242】
以上のように、第18の実施形態では、各セルブロックCBにおいて、抵抗変化膜REとローカルビット線柱LBLとの間に熱バリア膜HB1が介在し、抵抗変化膜REと半導体膜CHとの間に発熱膜HTが介在する。これにより、抵抗変化膜REの発熱時に発熱膜HTが発熱をアシストできる。この結果、抵抗変化膜REを高抵抗化せずに選択メモリセルMCにおける発熱効率を向上できる。すなわち、抵抗変化膜REの材料の選択範囲を確保しながら選択メモリセルMCにおける発熱効率を向上できる。
【0243】
なお、発熱膜HTは、抵抗変化膜REと半導体膜CHとの間に代えて、抵抗変化膜REとローカルビット線柱LBLとの間に配されてもよい。例えば、
図28に示す各セルブロックCBの構成において、熱バリア膜HB1を発熱膜HTで置き換えることで、発熱膜HTが抵抗変化膜REとローカルビット線柱LBLとの間に配された構成になる。この構成によっても、発熱膜HTは抵抗変化膜REの近傍でヒーターとして機能するので、抵抗変化膜REの発熱をアシストすることができ、選択メモリセルMCにおける発熱効率を向上できる。
【0244】
(第19の実施形態)
次に、第19の実施形態にかかる不揮発性半導体記憶装置1について説明する。以下では、第1の実施形態~第18の実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0245】
第7、第9の実施形態では、各セルブロックCBの抵抗変化膜を複数の抵抗変化膜に分割することでZ方向に隣接するメモリセル間の電流パスを電気的に分離している。この構成では、選択メモリセルMCの上下のメモリセルMCからの熱干渉等により、上下のメモリセルMCの抵抗変化膜におけるSetされて低抵抗化された領域から選択セルトランジスタMTのチャネルを介して電流(迂回リーク電流)が流れる可能性がある。迂回リーク電流が流れると、リード動作時に選択メモリセルの抵抗変化素子の抵抗状態が誤判定される可能性がある。
【0246】
それに対して、第19の実施形態では、各セルブロックCBの半導体膜を複数の半導体膜に分割することでZ方向に隣接するメモリセル間の電流パスを電気的に分離する。すなわち、Reset領域以上の領域のチャネルがON状態にならない様にする。
【0247】
具体的には、セルブロックCBは、
図49、
図50に示すように構成され得る。
図49は、セルブロックCBの構成を示す斜視図であり、セルブロックCB0,CB3の構成を例示する。
図50(a)、
図50(b)は、それぞれ、セルブロックCBの構成を示す垂直方向の拡大断面図であり、
図49をM-M’線で切ったXZ断面を示す。
【0248】
各セルブロックCBでは、半導体膜が、複数のワード線WL0~WL63に対応して複数の半導体膜CH0~CH63に分割されている。複数の半導体膜CH0~CH63は、互いにZ方向に離間しながら積層されている。各半導体膜CH0~CH63は、XY平面視において、X方向を長手方向とする横0字形状を有する。
【0249】
このとき、抵抗変化膜REは、
図50(a)に示すように、外側面のXY位置がZ方向に沿って均等になるように形成されてもよいし、
図50(b)に示すように、外側面のXY位置がワード線WL間のZ位置でワード線WLの側へ選択的に突出するように形成されてもよい。
【0250】
図50(a)、
図50(b)に示す構成では、それぞれ、各ワード線WLの端面の抵抗変化膜REからのXY方向距離L
WLは、絶縁層222の端面の抵抗変化膜REからのXY方向距離L
222より遠くなり得る。これにより、複数の半導体膜CH0~CH63がZ方向に確実に分割され得る。例えば、抵抗変化膜REをリセットさせる領域を、Z方向について半導体膜CHより広い領域にする。これにより、半導体膜CHを介した迂回リークを抑制できる。また、熱伝導率が比較的高い半導体膜をZ方向に隣接したメモリセルMC間で分離するので、Z方向に隣接したメモリセルMC間の熱ディスターバンスを軽減できる。
【0251】
また、
図50(b)に示す構成では、抵抗変化膜REは、ワード線WL間のZ位置の膜厚D2がワード線WLのZ位置の膜厚D1より薄くなり得る。これにより、抵抗変化膜REにおけるZ方向に隣接するメモリセルMC間の部分を高抵抗化でき、抵抗変化膜REを介した迂回リークを抑制できる。
【0252】
なお、
図50(a)、
図50(b)に示す構成では、各メモリセルMCのセルトランジスタMTのオン電流を稼ぐために、ゲート絶縁膜GDを酸化ハフニウムなどのHigh-K絶縁体で形成してもよい。
【0253】
以上のように、第19の実施形態では、各セルブロックCBにおいて、複数の半導体膜CH0~CH63が、複数のワード線WL0~WL63に対応してZ方向に分割されている。これにより、各メモリセルMCの半導体膜CH0~CH63がZ方向に電気的に分離され得るので、Z方向に隣接するメモリセルMC間でディスターバンス電流が流れることを抑制でき、メモリセルMCの抵抗変化素子REに対する書き込みバジェット、読み出しバジェットを改善できる。
【0254】
(第20の実施形態)
次に、第20の実施形態にかかる不揮発性半導体記憶装置1について説明する。以下では、第1の実施形態~第19の実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0255】
第20の実施形態では、第7、第9の実施形態と第19の実施形態とを組み合わせる。第20の実施形態では、セルブロックCBは、
図51、
図52に示すように構成され得る。
図51は、セルブロックCBの構成を示す斜視図であり、セルブロックCB0,CB3の構成を例示する。
図52は、セルブロックCBの構成を示す垂直方向の拡大断面図であり、
図51をN-N’線で切ったXZ断面を示す。
【0256】
各セルブロックCBでは、半導体膜が、複数のワード線WL0~WL63に対応して複数の半導体膜CH0~CH63に分割されている。複数の半導体膜CH0~CH63は、互いにZ方向に離間しながら積層されている。各半導体膜CH0~CH63は、XY平面視において、X方向を長手方向とする横0字形状を有する。
【0257】
それとともに、各セルブロックCBでは、抵抗変化膜が、複数のワード線WL0~WL63に対応して複数の抵抗変化膜RE0~RE63に分割されている。複数の抵抗変化膜RE0~RE63は、互いにZ方向に離間しながら積層されている。各抵抗変化膜RE0~RE63は、XY平面視において、ローカルソース線柱LSLに向く側が開放された横U字形状を有する。
【0258】
図51、
図52に示す構成では、各ワード線WLの端面のローカルビット線柱LBLからのXY方向距離L
WL’は、絶縁層222の端面のローカルビット線柱LBLからのXY方向距離L
222’より遠くなり得る。これにより、複数の半導体膜CH0~CH63がZ方向に確実に分割され得る。例えば、抵抗変化膜REをリセットさせる領域を、Z方向について半導体膜CHより広い領域にする。これにより、Z方向に隣接するメモリセル間の電流パスを電気的に分離できるので、半導体膜CHを介した迂回リークを抑制できる。また、熱伝導率が比較的高い半導体膜をZ方向に隣接したメモリセルMC間で分離するので、Z方向に隣接したメモリセルMC間の熱ディスターバンスを軽減できる。
【0259】
また、
図51、
図52に示す構成では、複数の抵抗変化膜RE0~RE63がZ方向に分割されている。これにより、Z方向に隣接するメモリセル間の電流パスを電気的に分離できるので、抵抗変化膜を介した迂回リークを抑制できる。また、抵抗変化膜をZ方向に隣接したメモリセルMC間で分離するので、Z方向に隣接したメモリセルMC間の熱ディスターバンスをさらに軽減できる。
【0260】
なお、
図52に示す構成では、各メモリセルMCのセルトランジスタMTのオン電流を稼ぐために、ゲート絶縁膜GDを酸化ハフニウムなどのHigh-K絶縁体で形成してもよい。
【0261】
以上のように、第20の実施形態では、各セルブロックCBにおいて、複数の半導体膜CH0~CH63が、複数のワード線WL0~WL63に対応してZ方向に分割されている。これにより、各メモリセルMCの半導体膜CH0~CH63がZ方向に電気的に分離され得るので、Z方向に隣接するメモリセルMC間でディスターバンス電流が流れることを抑制でき、メモリセルMCの抵抗変化素子REに対する書き込みバジェット、読み出しバジェットを改善できる。
【0262】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0263】
1 不揮発性半導体記憶装置、5 セルアレイ、CB,CB0~CB(n-1) セルブロック、CH 半導体膜、GD ゲート絶縁膜、LBL ローカルビット線柱、LSL ローカルソース線柱、MC,MC0~MC63 メモリセル、MT セルトランジスタ、RE、RE’,RE0~RE63 抵抗変化素子,抵抗変化膜、SG セルブロック選択トランジスタ。