(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022189118
(43)【公開日】2022-12-22
(54)【発明の名称】車両用表示装置、表示方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G01C 21/36 20060101AFI20221215BHJP
B60K 35/00 20060101ALI20221215BHJP
【FI】
G01C21/36
B60K35/00 A
B60K35/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021097507
(22)【出願日】2021-06-10
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】砂場 昭吾
(72)【発明者】
【氏名】廣田 貴浩
(72)【発明者】
【氏名】張 玉テイ
【テーマコード(参考)】
2F129
3D344
【Fターム(参考)】
2F129AA03
2F129BB03
2F129BB15
2F129EE52
2F129EE85
2F129FF02
2F129HH14
2F129HH18
2F129HH19
2F129HH20
2F129HH21
3D344AA19
3D344AA30
3D344AB01
3D344AC25
3D344AD01
(57)【要約】
【課題】乗員に対して、車線変更の経過を段階的に伝えることができる車両用表示装置、表示方法及びプログラムを得る。
【解決手段】車両用表示装置10は、車両12の前景を示す第三表示部26の表示領域に所定の画像を表示させる。車両用表示装置10は、車両12の前方側の車線と車線に対する車両12の位置を認識し、車両12の位置に基づいて、車線の変更先として予定される予定位置を設定する。そして、車両12が車線変更する際に、車両12の進行方向を示す方向画像を表示領域に表示する。ここで、車両用表示装置10は、予定位置Pに対する車両12の相対的な位置関係に基づいて、方向画像Dの示す方向を変化させる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の前景を示す表示領域に所定の画像を表示させる車両用表示装置であって、
車両の前方側の車線を認識する車線認識部と、
車線に対する車両の位置を認識する車両位置認識部と、
認識された車両の位置に基づいて、車線の変更先として予定される予定位置を設定する予定位置設定部と、
車両が車線変更する際に、車両の進行方向を示す方向画像を前記表示領域に表示させると共に前記予定位置に対する車両の相対的な位置関係に基づいて、前記方向画像の示す方向を変化させる表示指示部と、
を備える車両用表示装置。
【請求項2】
前記表示指示部は、自動運転により車両が車線変更をする際に、前記方向画像を前記表示領域に表示させる、請求項1に記載の車両用表示装置。
【請求項3】
前記表示指示部は、車線変更の開始時、車線変更の途中、及び車線変更の終了時とで前記方向画像の示す方向を変化させる、請求項1又は請求項2に記載の車両用表示装置。
【請求項4】
前記表示指示部は、前記方向画像の示す方向を連続的に変化させる、請求項1~請求項3の何れか1項に記載の車両用表示装置。
【請求項5】
前記表示指示部は、車線変更の開始時、車線変更の途中、及び車線変更の終了時のタイミングのうち少なくとも一つで前記方向画像の色を変化させる、請求項1~請求項4の何れか1項に記載の車両用表示装置。
【請求項6】
前記表示指示部は、前記方向画像の示す方向を、車両の実舵角よりも大きなステアリングホイールの回転角に対応する方向に基づいて強調して表示させる、請求項1~請求項5の何れか1項に記載の車両用表示装置。
【請求項7】
前記方向画像は、前記表示領域の手前側から奥側に向かって一列に配置された複数の画像を含み、
これら複数の画像は、前記表示領域の手前側の画像から順番に車両の進行方向を経時的に示している、請求項1~請求項6の何れか1項に記載の車両用表示装置。
【請求項8】
前記表示領域は、運転席の車両前方でヘッドアップディスプレイ装置によって投影された投影面とされ、
前記表示指示部は、前記表示領域を通して視認される車両の前景の車線に重ねて、車両の進行方向を示す前記画像を前記表示領域に表示させる、請求項1~請求項7の何れか1項に記載の車両用表示装置。
【請求項9】
車両の前景を示す表示領域に所定の画像を表示させる表示方法であって、
車両の前方側の車線を認識し、
車線に対する車両の位置を認識し、
認識された車両の位置に基づいて、車線の変更先として予定される予定位置を設定し、
車両が車線変更する際に、車両の進行方向を示す方向画像を前記表示領域に表示させると共に前記予定位置に対する車両の相対的な位置関係に基づいて、前記方向画像の示す方向を変化させる、表示方法。
【請求項10】
車両の前景を示す表示領域に所定の画像を表示させるプログラムであって、
コンピュータに、
車両の前方側の車線を認識し、
車線に対する車両の位置を認識し、
認識された車両の位置に基づいて、車線の変更先として予定される予定位置を設定し、
車両が車線変更する際に、車両の進行方向を示す方向画像を前記表示領域に表示させると共に前記予定位置に対する車両の相対的な位置関係に基づいて、前記方向画像の示す方向を変化させる、ことを実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、車両用表示装置、表示方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、自動運転で走行する車両が車線を変更する際に、車両の進行方向を表示する車両用表示装置(ヘッドアップディスプレイ装置)が開示されている。この車両用表示装置では、走行計画で予定された車線変更を行う前に、進行方向を示す矢印型の進行方向マークがフロントウィンドシールドガラスにおける走行車線及び変更先の車線に対応した位置に投影表示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1のように、車線変更の前に走行車線から変更先の車線までの進行方向を示すだけでは、車線変更の経過を段階的に伝えることができない。
【0005】
本開示は、上記の点に鑑みてなされたものであり、乗員に対して、車線変更の経過を段階的に伝えることができる車両用表示装置、表示方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の第1の態様に係る車両用表示装置は、車両の前景を示す表示領域に所定の画像を表示させる車両用表示装置であって、車両の前方側の車線を認識する車線認識部と、車線に対する車両の位置を認識する車両位置認識部と、認識された車両の位置に基づいて、車線の変更先として予定される予定位置を設定する予定位置設定部と、車両が車線変更する際に、車両の進行方向を示す方向画像を前記表示領域に表示させると共に前記予定位置に対する車両の相対的な位置関係に基づいて、前記方向画像の示す方向を変化させる表示指示部と、を備える。
【0007】
第1の態様によれば、車両用表示装置は、車両の前景を示す表示領域に所定の画像を表示させる。車両用表示装置は、車両の前方側の車線と車線に対する車両の位置を認識し、車両の位置に基づいて、車線の変更先として予定される予定位置を設定する。そして、車両が車線変更する際に、車両の進行方向を示す方向画像を表示領域に表示する。ここで、車両用表示装置は、予定位置に対する車両の相対的な位置関係に基づいて、方向画像の示す方向を変化させる。これにより、予定位置に向かって車両の進行する過程を、方向画像の示す方向を経時的に変化させることにより認識させることができる。その結果、車両用表示装置は、乗員に対し、車線変更の経過を段階的に伝えることができる。
【0008】
本開示の第2の態様に係る車両用表示装置は、第1の態様に記載の構成において、前記表示指示部は、自動運転により車両が車線変更をする際に、前記方向画像を前記表示領域に表示させる。
【0009】
第2の態様によれば、乗員は、自動運転中に車線変更が行われる場合に、予定位置へ向かって車両が進行する過程を、方向画像の示す方向が経時的に変化によって認識することができる。これにより、自動運転による車線変更時の車両の制動を確認できるため、乗員の不安を和らげることができる。
【0010】
本開示の第3の態様に係る車両用表示装置は、第1の態様又は第2の態様に記載の構成において、前記表示指示部は、車線変更の開始時、車線変更の途中、及び車線変更の終了時とで前記方向画像の示す方向を変化させる。
【0011】
第3の態様によれば、乗員は、方向画像の示す方向によって、車線変更の開始から終了までの経過を認識することができる。
【0012】
本開示の第4の態様に係る車両用表示装置は、第1の態様~第3の態様の何れか1態様に記載の構成において、前記表示指示部は、前記方向画像の示す方向を連続的に変化させる。
【0013】
第4の態様によれば、乗員に対して、予定位置へ向かう車両の動きと連動して方向画像の示す方向が変化する視覚効果を与えることができるため、車線変更の経過を直感的に認識させることができる。
【0014】
本開示の第5の態様に係る車両用表示装置は、第1の態様~第4の態様の何れか1態様に記載の構成において、前記表示指示部は、車線変更の開始時、車線変更の途中、及び車線変更の終了時のタイミングのうち少なくとも一つで前記方向画像の色を変化させる。
【0015】
第5の態様によれば、車線変更における所定の段階で方向画像の色を変化させることにより、乗員に対して、車線変更における所定の段階を強調して伝えることができる。これにより、例えば、車線変更の開始を強調して伝えることにより、乗員は、車両の横方向の移動に前以て備えることができる。また、車線変更の途中であることを強調して伝えることにより、乗員に車両周辺への注意を促すことができる。また、車線変更の終了を強調して伝えることで、乗員に安心感を与えることができる。
【0016】
本開示の第6の態様に係る車両用表示装置は、第1の態様~第5の態様の何れか1態様に記載の構成において、前記表示指示部は、前記方向画像の示す方向を、車両の実舵角よりも大きなステアリングホイールの回転角に対応する方向に基づいて強調して表示させる。
【0017】
第6の態様によれば、方向画像は、車両の実舵角(タイヤの切れ角)よりも大きなステアリングホイールの回転角に対応する方向を示しているので、乗員に対して車両の進行方向を強調して表示することができる。また、方向画像の示す方向がステアリングホイールの回転と連動して示される。これにより、乗員は、車線変更時におけるステアリングホイールの操作を直感的に把握して、車線変更の経過を認識することができる。
【0018】
本開示の第7の態様に係る車両用表示装置は、第1の態様~第6の態様の何れか1態様に記載の構成において、前記方向画像は、前記表示領域の手前側から奥側に向かって一列に配置された複数の画像を含み、これら複数の画像は、前記表示領域の手前側の画像から順番に車両の進行方向を経時的に示している。
【0019】
第7の態様によれば、方向画像は、表示領域の手前側から奥側に向かって一列に配置された複数の画像を含んでいる。また、これらの複数の画像は、表示領域の手前側の画像から順番に車両の進行方向を経時的に示している。このため、方向画像によって、車両の走行予定経路が示されており、方向画像の示す方向が変化することにより、走行予定経路も経時的に変化する。これにより、乗員は、車両の走行予定経路が経時的に変化する様子を見て車線変更の経過を認識することができる。
【0020】
本開示の第8の態様に係る車両用表示装置は、第1の態様~第7の態様の何れか1態様に記載の構成において、前記表示領域は、運転席の車両前方でヘッドアップディスプレイ装置によって投影された投影面とされ、前記表示指示部は、前記表示領域を通して視認される車両の前景の車線に重ねて、車両の進行方向を示す前記画像を前記表示領域に表示させる。
【0021】
第8の態様によれば、車両の前景を示す表示領域が、運転席の車両前方でヘッドアップディスプレイ装置によって投影された投影面とされている。そして、車線変更の際、車両の進行方向を示す方向画像は、表示領域を通して視認される車線に重ねて表示される。このように、車両用表示装置では、運転席からの前景と融合させるように方向画像を表示するため、運転席の乗員が視線を大きく動かすことなく車線変更を段階的に認識することができる。
【0022】
本開示の第9の態様に係る表示方法は、車両の前景を示す表示領域に所定の画像を表示させる表示方法であって、車両の前方側の車線を認識し、車線に対する車両の位置を認識し、認識された車両の位置に基づいて、車線の変更先として予定される予定位置を設定し、車両が車線変更する際に、車両の進行方向を示す方向画像を前記表示領域に表示させると共に前記予定位置に対する車両の相対的な位置関係に基づいて、前記方向画像の示す方向を変化させる。
【0023】
第9の態様に係る表示方法では、上述したように、乗員に対して、車線変更の経過を段階的に伝えることができる。
【0024】
本開示の第10の態様に係るプログラムは、車両の前景を示す表示領域に所定の画像を表示させるプログラムであって、コンピュータに、車両の前方側の車線を認識し、車線に対する車両の位置を認識し、認識された車両の位置に基づいて、車線の変更先として予定される予定位置を設定し、車両が車線変更する際に、車両の進行方向を示す方向画像を前記表示領域に表示させると共に前記予定位置に対する車両の相対的な位置関係に基づいて、前記方向画像の示す方向を変化させる、ことを実行させる。
【0025】
第10の態様に係るプログラムでは、上述したように、乗員に対して、車線変更の経過を段階的に伝えることができる。
【発明の効果】
【0026】
本開示によれば、乗員に対して、車線変更の経過を段階的に伝えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】本実施形態に係る車両用表示装置が適用された車両における車室内の前部を車両後方側から見た概略図である。
【
図2】本実施形態に係る車両用表示装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図3】本実施形態に係る車両用表示装置の機能構成を示すブロック図である。
【
図4】本実施形態における表示処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図5】車両の車線変更の経過を示す概略平面図であり、(A)は、車線変更の開始時を示し、(B)は、車線変更の途中を示し、(C)は、車線変更の終了時を示している。
【
図6】車線変更の開始時における方向画像の表示方法の一例を示す図である。
【
図7】車線変更の途中における方向画像の表示方法の一例を示す図である。
【
図8】車線変更の終了時における方向画像の表示方法の一例を示す図である。
【
図9】本実施形態の変形例に係る車両用表示装置を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
実施形態に係る車両用表示装置10が適用された車両12について、図面を参照して説明する。なお、本実施形態の車両12は一例として、自動運転と手動運転とを切替可能に構成されている。なお、自動運転とは、アクセル、ブレーキ、方向指示器、ステアリング等の操作の一部又は全てが自動的に行われる車両の走行態様である。また、手動運転とは、運転者がすべての運転操作(アクセル、ブレーキ、方向指示器、ステアリング等の操作)を実行する車両の走行態様である。
図1に示されるように、車両12における車室内の前部には、インストルメントパネル14が設けられている。
【0029】
インストルメントパネル14は、車両幅方向に延在されており、このインストルメントパネル14の車両右側にはステアリングホイール16が設けられている。すなわち、本実施形態では一例として、右側にステアリングホイール16が設けられた右ハンドル車とされており、運転席が車両右側に設定されている。
【0030】
インストルメントパネル14の前端部にはウインドシールドガラス18が設けられている。ウインドシールドガラス18は、運転席の車両前方側に配置され、車両上下方向及び車両幅方向に延在されて車室内部と車室外部とを区画している。
【0031】
ウインドシールドガラス18の車両右側端部は、車両右側のフロントピラー20に固定されている。フロントピラー20は、車両上下方向に延在されており、このフロントピラー20の車両幅方向内側端部にはウインドシールドガラス18が固定されている。また、フロントピラー20の車両幅方向外側端部にはフロントサイドガラス22の前端部が固定されている。なお、ウインドシールドガラス18の車両左側端部は、図示しない車両左側のフロントピラーに固定されている。
【0032】
ここで、インストルメントパネル14には、所定の画像の表示領域を有する第一表示部24が設けられている。第一表示部24は、インストルメントパネル14の車両幅方向見右側部において、運転席の車両前方に設けられたメータディスプレイで構成されている。メータディスプレイは、車両12に搭載された各種メータ機器と接続された図示しないメータディスプレイ装置の一部を構成している。第一表示部24は、運転者が車両前方へ視線を向けた状態で視界に入る位置に設けられている。
【0033】
ウインドシールドガラス18には、所定の画像の表示領域を有する第二表示部25が設けられている。第二表示部25は、インストルメントパネル14の車両幅方向の中央部において運転席の車両前方側に設けられたディスプレイで構成されている。
【0034】
ウインドシールドガラス18には、所定の画像の表示領域を有する第三表示部26が設けられている。第三表示部26は、第一表示部24の車両上方側に設定されており、ヘッドアップディスプレイ装置44(
図2参照)によって投影された投影面によって構成されている。具体的には、インストルメントパネル14よりも車両前方側にヘッドアップディスプレイ装置44が設けられており、このヘッドアップディスプレイ装置44からウインドシールドガラス18の第三表示部26へ映像が投影されるように構成されている。即ち、第三表示部26は、ヘッドアップディスプレイ装置44の投影面とされたウインドシールドガラス18で構成されている。
【0035】
(車両用表示装置10のハードウェア構成)
車両12には、制御部としてのECU(Electronic Control Unit)28が設けられている。
図2は、車両用表示装置10のハードウェア構成を示すブロック図である。この
図2に示されるように、車両用表示装置10のECU28は、CPU(Central Processing Unit:プロセッサ)30、ROM(Read Only Memory)32、RAM(Random Access Memory)34、ストレージ36、通信インタフェース38及び入出力インタフェース40を含んで構成されている。各構成は、バス42を介して相互に通信可能に接続されている。
【0036】
CPU30は、中央演算処理ユニットであり、各種プログラムを実行したり、各部を制御したりする。すなわち、CPU30は、ROM32又はストレージ36からプログラムを読み出し、RAM34を作業領域としてプログラムを実行する。CPU30は、ROM32又はストレージ36に記録されているプログラムに従って、上記各構成の制御および各種の演算処理を行う。
【0037】
ROM32は、各種プログラムおよび各種データを格納する。RAM34は、作業領域として一時的にプログラム又はデータを記憶する。ストレージ36は、HDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)により構成され、オペレーティングシステムを含む各種プログラム、及び各種データを格納する。本実施形態では、ROM32又はストレージ36には、表示処理を行うためのプログラム、及び各種データなどが格納されている。
【0038】
通信インタフェース38は、車両用表示装置10が図示しないサーバ及び他の機器と通信するためのインタフェースであり、たとえば、イーサネット(登録商標)、LTE、FDDI、Wi-Fi(登録商標)などの規格が用いられる。
【0039】
入出力インタフェース40には、第一表示部24、第二表示部25、第三表示部26に所定の画像を投影させるヘッドアップディスプレイ装置44、及びアクチュエータ46が接続されている。アクチュエータ46は、ステアリングアクチュエータ、アクセルアクチュエータ及びブレーキアクチュエータを含んで構成されており、ステアリングアクチュエータは、車両12の操舵を行うものである。アクセルアクチュエータは、車両12の加速を行うものである。また、ブレーキアクチュエータは、ブレーキを制御することで、車両12の減速を行うものである。なお、入出力インタフェース40には、車両12の周辺を撮影する図示しないカメラ、車両12を自動走行させるためのセンサ類及びGPS装置などが接続されている。
【0040】
(車両用表示装置10の機能構成)
車両用表示装置10は、上記のハードウェア資源を用いて、各種の機能を実現する。車両用表示装置10が実現する機能構成について
図3を参照して説明する。
【0041】
図3に示されるように、車両用表示装置10は、機能構成として、通信部50、取得部51、運行計画設定部52、自動運転制御部54、車線認識部56、車両位置認識部58、予定位置設定部60、画像生成部62、及び表示指示部64を含んで構成されている。なお、各機能構成は、CPU30がROM32又はストレージ36に記憶されたプログラムを読み出し、実行することにより実現される。
【0042】
通信部50は、通信インタフェース38を介して外部のサーバ及び他の機器とデータの送受信を行う。例えば、サーバに格納されている地図データ及び交通状況などのデータの送受信を行う。また、通信部50は、周囲の車両との間で車車間通信を行う構成としてもよい。
【0043】
取得部51は、入出力インタフェース40を介して、図示しない外部センサから、車両12の走行環境を周辺情報として取得する。外部センサは、車両12の周辺の所定範囲を撮像するカメラ、所定範囲に探査波を送信するミリ波レーダ、所定範囲をスキャンするライダ(Light Detection and Ranging/Laser Imaging Detection and Ranging)のうち、少なくとも一つを含んで構成されている。また、「周辺情報」は、一例として、車両12の走行車線の路幅、車両12の付近を走行する他車両、障害物等が含まれる。
【0044】
運行計画設定部52は、車両12の運行計画を設定する。具体的には、乗員によって目的地が入力されることで、現在地から目的地までの運行計画を設定する。
【0045】
自動運転制御部54は、車両12の手動運転と自動運転の切り替えを制御する。また、自動運転制御部54は、車両12の運転モードが自動運転に切り替えられた場合に、位置情報及び車両12の周囲の環境情報を考慮しつつ、設定された運行計画に沿って車両12を自動運転させる。具体的には、アクチュエータ46を制御することで車両12を自動走行させる。
【0046】
車線認識部56は、車両12の前方側の車線を認識する機能を有する。具体的には、車両12の前方を撮影するカメラの撮影画像に基づいて、路面上に描かれた白線L(
図5参照)を認識し、白線Lの形状に基づいて、車両12の前方側へ伸びる車線を認識する。なお、車線認識部56は、GPS装置で取得される車両12の位置情報と、高精度地図情報に基づいて、車両12の前方側に延びる車線を認識してもよい。
【0047】
車両位置認識部58は、運行計画に従って車両12が車線変更する際に、車両12の走行車線及び車線変更先の車線に対する車両12の相対的な位置関係を認識する。具体的には、車両12の前方を撮影するカメラの撮影画像、車両12のヨー角に基づいて算出される横方向の移動量、車線変更の開始時刻から経過した時間の少なくとも一つに基づいて、車両12の位置を推定する。
【0048】
なお、車両位置認識部58は、GPS装置で取得される車両の位置情報と、高精度地図情報に基づいて、走行車線及び車線変更先の車線に対する車両12の位置を認識してもよい。
【0049】
予定位置設定部60は、運行計画に従って車両12で車線変更が行われる前に、車線の変更先として予定される車両12の予定位置を設定する機能を有する。具体的に、予定位置設定部60は、取得部51で取得される車両12の周辺情報に基づいて、車線変更先の車線上に車両12の走行スペースがあると判断し、車両12の前方及び後方に障害物が無いと判断した場合に車線変更先の予定位置P(
図5参照)として設定する。
【0050】
画像生成部62は、第三表示部26に表示するための画像を生成する。画像生成部62によって生成される画像には、例えば、車両12の走行速度を示すメータ表示M(
図6参照)や、手動運転及び自動運転の支援を目的とする各種画像が含まれる。
【0051】
本実施形態では特に、画像生成部62は、車両12が車線変更する際に、車線変更の開始時から終了時までの経過における車両12の進行方向を示す方向画像D(
図6参照)を生成する。
図6に示されるように、方向画像Dは、一例として、三つの矢印型の画像D1~D3を含んでいる。画像D1~D3は、第三表示部26の表示領域の手前側から奥側(ウインドシールドガラス18の下方側から上方側へ一列に配置されており、表示領域の手前側の画像D1から順番に車両の進行方向を経時的に示すように構成されている。従って、一列に配置された画像D1~D3によって、所定時間内における車両12の走行予定経路が示される。
【0052】
例えば、三つの矢印型の画像D1~D3が、現時刻から所定の時間内における車両12の走行予定経路を示す場合、表示領域の最も手前側に表示される画像D1は、現時刻における車両12の進行方向を示している。なお、ここでいう車両12の進行方向は、実際に車両12が進行している方向でもよく、設定された運行計画に基づいて推奨される進行方向でもよい。
【0053】
ここで、方向画像D(D1~D3)の示す方向は、走行予定経路に沿って車両12を走行させた場合を想定した場合におけるステアリングホイール16の回転角θ(
図6参照)に対応する方向となっている。これにより、車両12が走行予定経路に沿って走行した場合の実舵角(タイヤの切れ角)に対応する方向よりも、車両の進行方向を強調して示すことができる。また、運転席の乗員の視線に合わせて方向画像Dを表示する場合に、方向画像Dの示す方向がステアリングホイール16の回転と連動して示される。従って、乗員は、車線変更時におけるステアリングホイールの操作を直感的に把握することができる。
【0054】
表示指示部64は、画像生成部62で生成された映像を第三表示部26の表示領域に表示させる機能と、第三表示部26に表示された映像を削除する機能を有する。
【0055】
表示指示部64は、例えば、運転席の乗員から第三表示部26(ウインドシールドガラス18)を通して視認される車両12の前景に融合させるように、方向画像Dを含む各種画像を第三表示部26の表示領域に表示させる。例えば、
図6等に示されるように、第三表示部26の表示領域には、運転席の乗員の視界の下部となる位置にメータ表示Mを表示しており、車両前方側の視認性の確保に配慮している。
【0056】
また、本実施形態では特に、表示指示部64は、第三表示部26(ウインドシールドガラス18)を通して視認される車両12の前方に延びる車線と重なる位置に方向画像Dを表示させる。従って、運転席の乗員は、前景から視線を大きく動かすことなく、車両12の進行方向を認識することができる。
【0057】
(作用)
次に、本実施形態の作用について説明する。
【0058】
(表示処理)
車両12が車線変更をする際に、第三表示部26に方向画像Bを表示させる表示処理の一例について
図4に示されるフローチャートを用いて説明する。この表示処理は、CPU30がROM32又はストレージ36から表示プログラムを読み出して、RAM34に展開して実行することによって実行される。
【0059】
本実施形態では、車両12の自動運転中に車線変更が予定される場合に表示処理を実行する。
図4に示されるように、CPU30は、ステップS100で目的地が設定されているか否かについて判断する。目的地は、乗員によって車両12に直接入力されてもよく、携帯端末などを介して間接的に入力されてもよい。
【0060】
CPU30は、ステップS100で目的地が設定されていると判断した場合、ステップS101の処理へ移行する。また、CPU30は、ステップS100で目的地が設定されていないと判断した場合、表示処理を終了させる。
【0061】
CPU30は、ステップS101で車両12の運行計画を設定する。具体的に、CPU30は、運行計画設定部52の機能により、現在地から目的地までの運行計画を設定する。運行計画の設定時には、交通状況及び事故に関する情報などを取得して反映してもよい。また、予め入力された乗員の要望に応じて、自動運転が多くなるように運行計画を設定してもよい。
【0062】
CPU30は、ステップS102で設定された運行計画に基づいて車線変更するか否かについて判断する。車線変更する場合とは、例えば、車線変更を開始する目標地点を車両12が通過したと判断する場合である。又は、車両12の速度に基づいて、車両12が、車線変更を開始する目標地点に所定の時間内に到達すると判断した場合に、車線変更すると判断してもよい。若しくは、運行計画に基づいて車線変更が可能なエリアを走行中に、乗員の操作により、ウィンカーランプが点灯された場合に、車線変更すると判断してもよい。
【0063】
CPU30は、ステップS102で車線変更すると判断した場合、ステップS103の処理へ移行する。また、CPU30は、ステップS102で車線変更しないと判断した場合、表示処理を終了させる。
【0064】
CPU30は、ステップS103で車線認識部56の機能に基づいて、車両12の前方側の車線を認識する。例えば、
図5(A)~
図5(C)に示されるように、車両12が二車線道路を走行している場合では、車両12の走行する左側車線70と、隣接する右側車線80を認識する。
【0065】
CPU30は、ステップS104で、車両位置認識部58の機能に基づいて、認識した車線に対する車両12の位置を認識する。
【0066】
CPU30は、ステップS105で、予定位置設定部60の機能に基づいて、車線変更先の予定位置を設定する。例えば、
図5(A)~
図5(C)に示されるように、車両12が左側車線70から隣接する右側車線80へ走行車線を変更する場合であれば、右側車線80上の所定のスペースを予定位置Pとして設定する。CPU30は、予定位置Pが設定されると、自動運転制御部54の機能に基づいて自動運転による車両12の車線変更を開始する。
【0067】
CPU30は、ステップS106で、第三表示部26の表示領域に方向画像Dを表示させる。具体的に、CPU30は、運転席の乗員が車両の前方を認識した場合に、第三表示部26(ウインドシールドガラス18)を介して視認される車両12の前方側の車線70,80に重ねて方向画像を表示する。この際、CPU30は、ステアリングアクチュエータの制御信号に基づいて、ステアリングホイール16の回転角θを取得し、回転角θに対応する方向を示す方向画像Dを生成し、表示する。
【0068】
CPU30は、予定位置Pに対する車両12の相対的な位置関係の変化に応じて、方向画像Dの示す方向を連続的に変化させる。これにより、予定位置Pに向かって車両12が進行すると、ステアリングホイール16の回転と連動して方向画像Dの示す方向が経時的に変化する。
【0069】
ここで、
図5(A)~
図5(C)に示されるように、車両12が左側車線70から右側車線80へ車線変更する過程で表示される方向画像Dの一例について、
図6~
図8を参照して説明する。なお、
図6~
図8は、一例として、運転席の乗員から見た第三表示部26の表示態様を示している。
【0070】
図6には、車線変更開始時における方向画像Dの表示態様が示されている。この図に示されるように、ステアリングホイール16の回転角θに対応する方向Sに沿って、車線変更先の右側車線80を示す三つの矢印型の画像D1~D3が白色で表示されている。また、画像D1~D3は、車両12の右斜め前方へ向かって直線状に配置される。従って、方向画像Dを視認すると、車両12が、右斜め前方へ直進することが分かり、車線変更が開始されたことを認識することができる。
【0071】
図7には、車線変更の途中における、方向画像Dの表示態様が示されている。画像D1~D3は、左側車線70側から右側車線80側へ向かってカーブする曲線状に配置され、白色で表示されている。従って、方向画像Dを視認すると、車両12が右斜め前方へ直進して右側車線80に移動した後、右側車線80上を直進する予定であることが分かり、車線変更の途中であることを認識することができる。
【0072】
図8には、車線変更の終了時における、方向画像Dの表示態様が示されている。画像D1~D3は、右側車線80上で前方に向かって直線状に配置されている。従って、方向画像Dを視認すると、車両12が車線変更先の右側車線80を直進していることが分かり、車線変更が終了したことを認識することができる。この際、画像D1~D3の表示色は、白色から青色に変更されることで強調して表示される。これにより、方向画像Dの色によっても車線変更が終了されたことを認識することができる。
【0073】
CPU30は、ステップS107で、車両12の車線変更が完了したか否かについて判断する。車線変更が完了したか否かについての判断は、例えば、車両位置認識部58の機能に基づいて、車両12が、車線変更先の車線(
図8では右側車線80)上を走行しているか否かで判断する。又は、乗員の操作により、ウィンカーランプが消灯された場合に、車線変更が完了したと判断してもよい。
【0074】
CPU30は、ステップS107で、車線変更が完了したと判断した場合、表示処理を終了する。一方、車線変更が完了していないと判断した場合、ステップS103に戻って処理を繰り返す。
【0075】
以上説明したように、本実施形態に係る車両用表示装置10では、車両12の前景を示す第三表示部26の表示領域に所定の画像を表示させる。車両用表示装置10は、車両12の前方側の車線70,80と車線に対する車両12の位置を認識し、車両12の位置に基づいて、車線の変更先として予定される予定位置Pを設定する。そして、車両12が車線変更する際に、車両12の進行方向を示す方向画像Dを表示領域に表示する。ここで、車両用表示装置10は、予定位置Pに対する車両12の相対的な位置関係に基づいて、方向画像Dの示す方向を変化させる。これにより、予定位置Pに向かって車両12の進行する過程を、方向画像Dの示す方向を経時的に変化させることにより認識させることができるため、乗員に対し、車線変更の経過を段階的に伝えることができる。
【0076】
また、本実施形態の表示処理によれば、乗員は、自動運転中に車線変更が行われる場合に、予定位置Pへ向かって車両12が進行する過程を、方向画像Dの示す方向が経時的に変化によって認識することができる。これにより、自動運転による車線変更時の車両12の制動を確認できるため、乗員の不安を和らげることができる。
【0077】
また、本実施形態では、車線変更の開始時、車線変更の途中、及び車線変更の終了時とで方向画像Dの示す方向が変化するため、乗員は、方向画像Dの示す方向によって、車線変更の開始から終了までの経過を認識することができる。
【0078】
さらに、本実施形態では、方向画像の示す方向を連続的に変化させるため、乗員に対して、予定位置へ向かう車両12の動きと連動して方向画像Dの示す方向が変化する視覚効果を与えることができる。これにより、車線変更の経過を直感的に認識させることができる。
【0079】
また、本実施形態では、車線変更の終了時のタイミングで方向画像Dの色を変化させる。具体的に、車線変更の終了時に、方向画像Dの色を白色から青色に変化させる。これにより、方向画像の表示色によって車線変更が無事に終了したことを強調して伝えることができ、乗員に安心感を与えることができる。
【0080】
なお、本実施形態では、車線変更の終了時のタイミングで方向画像Dの色を変化させたが、車線変更の開始時や、車線変更の途中のタイミングで方向画像Dの色を変化させてもよい。
【0081】
また、本実施形態では、方向画像Dの示す方向を、車両12の実舵角よりも大きなステアリングホイール16の回転角θに対応する方向に基づいて強調して表示させている。これにより、乗員に対して車両12の進行方向を強調して表示することができる。また、方向画像Dの示す方向がステアリングホイール16の回転と連動して示される。これにより、乗員は、車線変更時におけるステアリングホイール16の操作を直感的に把握して、車線変更の経過を認識することができる。
【0082】
また、本実施形態によれば、方向画像Dは、表示領域の手前側から奥側に向かって一列に配置された複数の画像D1~D3を含んでいる。また、これらの複数の画像D1~D3は、表示領域の手前側の画像D1から順番に車両12の進行方向を経時的に示している。このため、方向画像Dによって、車両12の走行予定経路が示されており、方向画像Dの示す方向が変化することにより、走行予定経路も経時的に変化する。これにより、乗員は、車両12の走行予定経路が経時的に変化する様子を見て車線変更の経過を認識することができる。
【0083】
また、本実施形態では、車両の前景を示す第三表示部26の表示領域が、運転席の車両前方に設けられたヘッドアップディスプレイ装置44の投影面とされている。そして、方向画像Dは、表示領域を通して視認される車線70,80に重ねて表示される。このように、車両用表示装置10では、車両の運転席からの前景と融合させるように方向画像Dを表示するため、運転席の乗員等が前景から視線を動かすことなく車線変更を段階的に認識することができる。
【0084】
[補足説明]
上記実施形態では、車両の前景を示す表示領域がヘッドアップディスプレイ装置44の投影面で構成される場合について説明したが、本発明はこれに限らない。
図9に示す変形例に係る車両用表示装置100のように、インストルメントパネル14に設けられたディスプレイである第二表示部25の表示領域に方向画像Dを表示してもよい。
図9に示す第二表示部25には、表示領域の下部に車両12の現在位置を示す地図画像Nが表示されており、表示領域の上部に、車両の前景を示す前景画像Fが示されている。前景画像Fは、例えば、車両12の前方を撮影する図示しないカメラから取得される画像、又はアニメーションによる前景画像で構成される。方向画像Dは、前景画像Fに含まれる車両12の前方の車線70,80に重ねて表示される。これにより、着座位置に関わらず、第二表示部25を視認した乗員は、車両12が車線変更する経過を段階的に認識することができる。
【0085】
同様に、インストルメントパネル14において、運転席の車両前方に設けられたメータディスプレイである第一表示部24の表示領域に方向画像Dを表示してもよい。第一表示部24は運転席の車両前方に設けられているため、運転席の乗員は、車両の前景から大きく視線を動かすことなく、車両12が車線変更する経過を段階的に認識することができる。
【0086】
また、上記実施形態では、方向画像Dが、三つの矢印型の画像D1~D3で構成される態様を説明したが、これに限らない。方向画像は、種々の態様で表示することができる。例えば、一つの矢印型の画像で方向画像を構成してもよく、四つ以上の矢印型の画像で方向画像を構成してもよい。を表示する構成でもよい。
【0087】
上記実施形態の表示処理では、車両の自動運転による車線変更時に方向画像Dが表示される構成としたが、これに限らない。手動運転による車線変更時に方向画像Dを表示する構成としてもよい。
【0088】
上記実施形態では、方向画像Dの示す方向をステアリングホイール16の回転角θに対応する方向に設定したが、これに限らない。方向画像Dの示す方向を、車両の実舵角(タイヤの切れ角)よりも大きい舵角に対応する方向に設定すれば、車両の進行方向を強調して表示することができる。
【0089】
なお、上記実施形態でCPUがソフトウェア(プログラム)を読み込んで実行した表示処理を、CPU以外の各種のプロセッサが実行してもよい。この場合のプロセッサとしては、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等の製造後に回路構成を変更可能なPLD(Programmable Logic Device)、及びASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路等が例示される。また、表示処理を、これらの各種のプロセッサのうちの1つで実行してもよいし、同種又は異種の2つ以上のプロセッサの組み合わせ(例えば、複数のFPGA、及びCPUとFPGAとの組み合わせ等)で実行してもよい。また、これらの各種のプロセッサのハードウェア的な構造は、より具体的には、半導体素子等の回路素子を組み合わせた電気回路である。
また、上記各実施形態では、表示処理のプログラムがROMまたはストレージに予め記憶(インストール)されている態様を説明したが、これに限定されない。プログラムは、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD-ROM(Digital Versatile Disk Read Only Memory)、及びUSB(Universal Serial Bus)メモリ等の記録媒体に記録された形態で提供されてもよい。また、プログラムは、ネットワークを介して外部装置からダウンロードされる形態としてもよい。
【符号の説明】
【0090】
10 車両用表示装置
12 車両
16 ステアリングホイール
24 第一表示部(表示領域)
25 第二表示部(表示領域)
26 第三表示部(表示領域、投影面)
44 ヘッドアップディスプレイ装置
56 車線認識部
58 車両位置認識部
60 予定位置設定部
64 表示指示部
70 左側車線(車線)
80 右側車線(車線)
D 方向画像(D1,D2,D3)