IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 富士通株式会社の特許一覧 ▶ 独立行政法人理化学研究所の特許一覧 ▶ 独立行政法人国立がん研究センターの特許一覧

特開2022-189138情報処理プログラム,情報処理装置及び情報処理方法
<>
  • 特開-情報処理プログラム,情報処理装置及び情報処理方法 図1
  • 特開-情報処理プログラム,情報処理装置及び情報処理方法 図2
  • 特開-情報処理プログラム,情報処理装置及び情報処理方法 図3
  • 特開-情報処理プログラム,情報処理装置及び情報処理方法 図4
  • 特開-情報処理プログラム,情報処理装置及び情報処理方法 図5
  • 特開-情報処理プログラム,情報処理装置及び情報処理方法 図6
  • 特開-情報処理プログラム,情報処理装置及び情報処理方法 図7
  • 特開-情報処理プログラム,情報処理装置及び情報処理方法 図8
  • 特開-情報処理プログラム,情報処理装置及び情報処理方法 図9
  • 特開-情報処理プログラム,情報処理装置及び情報処理方法 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022189138
(43)【公開日】2022-12-22
(54)【発明の名称】情報処理プログラム,情報処理装置及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   G06T 7/00 20170101AFI20221215BHJP
   G06T 1/00 20060101ALI20221215BHJP
   A61B 8/08 20060101ALI20221215BHJP
【FI】
G06T7/00 612
G06T1/00 290D
A61B8/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021097535
(22)【出願日】2021-06-10
(71)【出願人】
【識別番号】000005223
【氏名又は名称】富士通株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】503359821
【氏名又は名称】国立研究開発法人理化学研究所
(71)【出願人】
【識別番号】510097747
【氏名又は名称】国立研究開発法人国立がん研究センター
(74)【代理人】
【識別番号】110003649
【氏名又は名称】弁理士法人真田特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100092978
【弁理士】
【氏名又は名称】真田 有
(74)【代理人】
【識別番号】100189201
【弁理士】
【氏名又は名称】横田 功
(72)【発明者】
【氏名】酒井 彬
(72)【発明者】
【氏名】小松 正明
(72)【発明者】
【氏名】生水 貫人
【テーマコード(参考)】
4C601
5B057
5L096
【Fターム(参考)】
4C601DD09
4C601EE09
4C601EE10
4C601KK31
5B057AA07
5B057BA05
5B057CA08
5B057CB08
5B057CD03
5B057DA07
5B057DC06
5L096BA06
5L096BA13
5L096CA18
5L096EA16
5L096FA19
5L096FA60
5L096FA69
(57)【要約】      (修正有)
【課題】検査対象の物体の健全性等を正確に評価する情報処理プログラム,情報処理装置及び情報処理方法を提供する。
【解決手段】方法は、非破壊検査画像から、凹部の無い形状と、凹部のない形状に含まれる検出対象物及び基準物とのそれぞれに対応する領域を特定し、凹部の無い形状に対応する領域を二分割し、且つ、基準物に対応する領域を通る第1の直線を特定し、第1の直線が凹部の無い形状の外周と交わる2つの交点を求め、2つの交点の間の中点を通り、且つ、第1の直線に直交する第2の直線を特定し、第1の直線と第2の直線とを軸とする座標系を用いて、非破壊検査画像における検出対象物の位置を示す情報を出力する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
非破壊検査画像から、凹部の無い形状と、前記凹部のない形状に含まれる検出対象物及び基準物とのそれぞれに対応する領域を特定し、
前記凹部の無い形状に対応する領域を二分割し、且つ、前記基準物に対応する領域を通る第1の直線を特定し、
前記第1の直線が前記凹部の無い形状の外周と交わる2つの交点を求め、前記2つの交点の間の中点を通り、且つ、前記第1の直線に直交する第2の直線を特定し、
前記第1の直線と前記第2の直線とを軸とする座標系を用いて、前記非破壊検査画像における前記検出対象物の位置を示す情報を出力する、
処理をコンピュータに実行させる、情報処理プログラム。
【請求項2】
前記第1の直線が前記座標系の所定の軸と平行になるように前記凹部の無い形状を回転させた後に、前記検出対象物の位置を示す情報を出力する、
処理を前記コンピュータに実行させる、請求項1に記載の情報処理プログラム。
【請求項3】
前記第1の直線を前記凹部の無い形状の外周の間でn(nは自然数)等分する複数の第1のグリッド線を特定し、
前記第2の直線を前記凹部の無い形状の外周の間でm(mは自然数)等分する複数の第2のグリッド線を特定し、
前記複数の第1のグリッド線と前記複数の第2のグリッド線とで形成される格子状の前記座標系において、前記検出対象物の位置を示す情報を出力する、
処理を前記コンピュータに実行させる、請求項1又は2に記載の情報処理プログラム。
【請求項4】
前記凹部の無い形状は胎児であり、前記検出対象物は前記胎児の心臓であり、前記基準物は前記胎児の脊椎である、
請求項1~3のいずれか一項に記載の情報処理プログラム。
【請求項5】
非破壊検査画像から、凹部の無い形状と、前記凹部のない形状に含まれる検出対象物及び基準物とのそれぞれに対応する領域を特定し、
前記凹部の無い形状に対応する領域を二分割し、且つ、前記基準物に対応する領域を通る第1の直線を特定し、
前記第1の直線が前記凹部の無い形状の外周と交わる2つの交点を求め、前記2つの交点の間の中点を通り、且つ、前記第1の直線に直交する第2の直線を特定し、
前記第1の直線と前記第2の直線とを軸とする座標系を用いて、前記非破壊検査画像における前記検出対象物の位置を示す情報を出力する、
プロセッサを備える、情報処理装置。
【請求項6】
非破壊検査画像から、凹部の無い形状と、前記凹部のない形状に含まれる検出対象物及び基準物とのそれぞれに対応する領域を特定し、
前記凹部の無い形状に対応する領域を二分割し、且つ、前記基準物に対応する領域を通る第1の直線を特定し、
前記第1の直線が前記凹部の無い形状の外周と交わる2つの交点を求め、前記2つの交点の間の中点を通り、且つ、前記第1の直線に直交する第2の直線を特定し、
前記第1の直線と前記第2の直線とを軸とする座標系を用いて、前記非破壊検査画像における前記検出対象物の位置を示す情報を出力する、
処理をコンピュータが実行する、情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理プログラム,情報処理装置及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
超音波検査において、物体の断面内の特定の対象物の、物体全体に対する相対的な位置を知りたい場合がある。
【0003】
例えば、胎児の超音波診断において、体全体に対する心臓等の臓器の相対位置を知ることができれば、疾病の早期発見に役立てることができる。また、通信用の配線等を格納する土管の内部検査において、配線等の位置を知ることができれば、配線等にゆがみが無いかを検証することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-113083号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
物体の断面内の特定の対象物の、物体全体に対する相対的な位置を正確に認識できない場合には、検査対象の物体の健全性等を正確に評価できないおそれがある。
【0006】
1つの側面では、検査対象の物体の健全性等を正確に評価できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
1つの側面では、情報処理プログラムは、非破壊検査画像から、凹部の無い形状と、前記凹部のない形状に含まれる検出対象物及び基準物とのそれぞれに対応する領域を特定し、前記凹部の無い形状に対応する領域を二分割し、且つ、前記基準物に対応する領域を通る第1の直線を特定し、前記第1の直線が前記凹部の無い形状の外周と交わる2つの交点を求め、前記2つの交点の間の中点を通り、且つ、前記第1の直線に直交する第2の直線を特定し、前記第1の直線と前記第2の直線とを軸とする座標系を用いて、前記非破壊検査画像における前記検出対象物の位置を示す情報を出力する、処理をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0008】
1つの側面では、検査対象の物体の健全性等を正確に評価できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施形態における対象物の位置出力処理を簡単に説明する図である。
図2】実施形態における対象物の位置出力処理に用いる胎児心エコー画像の一例である。
図3】実施形態における対象物の位置出力処理を説明するフローチャートである。
図4図3に示したセグメンテーション処理を説明する図である。
図5図3に示したリファレンス線特定処理及び中心線特定処理を説明する図である。
図6図3に示した回転処理を説明する図である。
図7】実施形態における対象物の位置出力処理における座標平面上の領域中心点と対象物マーカーとの位置を例示する図である。
図8】実施形態における対象物の位置出力処理におけるプロットエリア表を例示する図である。
図9】実施形態における情報処理装置のハードウェア構成例を模式的に示すブロック図である。
図10図9に示した情報処理装置のソフトウェア構成例を模式的に示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
〔A〕実施形態
以下、図面を参照して一実施の形態を説明する。ただし、以下に示す実施形態はあくまでも例示に過ぎず、実施形態で明示しない種々の変形例や技術の適用を排除する意図はない。すなわち、本実施形態を、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。また、各図は、図中に示す構成要素のみを備えるという趣旨ではなく、他の機能等を含むことができる。
【0011】
以下、図中において、同一の各符号は同様の部分を示しているので、その説明は省略する。
【0012】
図1は、実施形態における対象物の位置出力処理を簡単に説明する図である。
【0013】
符号A1に示すような超音波検査等の非破壊検査により撮影された楕円領域の対象物において、符号A2に示すように楕円領域,楕円方向マーカー及び対象物マーカーに対してイメージセグメンテーションを活用して位置を特定する。そして、符号A3に示すように、イメージセグメンテーションの結果を活用して、楕円領域に対する対象物の相対座標を特定する。なお、楕円領域は、凹部の無い種々の形状であってもよい。
【0014】
イメージセグメンテーションには、機械学習処理が利用されてよい。楕円領域の向きを確定させるために、楕円領域内の特徴的な構造が利用されてよい。
【0015】
図2は、実施形態における対象物の位置出力処理に用いる胎児心エコー画像の一例である。
【0016】
位置出力処理の対象物としては、図2に示すような胎児のcardiac positionが用いられてよい。cardiac positionは、心臓の心房壁付近の位置である。胎児に心疾患がある場合には、cardiac positionの位置がずれるため、cardiac positionは重要な診断支援用のマーカーになる。
【0017】
実施形態における対象物の位置出力処理を、図4図8を参照しながら、図3に示すフローチャート(ステップS1~S10)に従って説明する。図4図3に示したセグメンテーション処理を説明する図であり、図5図3に示したリファレンス線特定処理及び中心線特定処理を説明する図であり、図6図3に示した回転処理を説明する図である。図7は実施形態における対象物の位置出力処理における座標平面上の領域中心点と対象物マーカーとの位置を例示する図であり、図8は実施形態における対象物の位置出力処理におけるプロットエリア表を例示する図である。
【0018】
始めに、楕円領域方向マーカー,対象物マーカー及び楕円領域のセグメンテーションが実施される(ステップS1)。図4において、符号B1に表されている超音波画像の楕円領域方向マーカー(例えば、胎児の脊椎),対象物マーカー(例えば、胎児のcardiac position)及び楕円領域(例えば、胎児の身体)に対して、符号B2に示すように機械学習によるイメージセグメンテーションが実施される。
【0019】
楕円領域方向マーカーの重心を通り、楕円領域の面積を二分するリファレンス線が通る2点が求められる(ステップS2)。図5において、符号C1に示すように、X軸-Y軸平面上に、破線で示されるリファレンス線が特定される。
【0020】
リファレンス線と楕円領域の外周とが交わる交点#1が求められる(ステップS3)。図5において、符号C2,C3に示すように、2つの交点#1が特定される。
【0021】
リファレンス線と楕円領域とが交わる2点の楕円領域中心点が求められる(ステップS4)。図5において、符号C4に示すように、楕円領域中心点が特定される。
【0022】
楕円領域中心点でリファレンス線と直交する中心線が求められる(ステップS5)。図5において、符号C5に示すように、太い実線で示される中心線が特定される。
【0023】
中心線と楕円領域の外周とが交わる交点#2が求められる(ステップS6)。図5において、符号C6に示すように、2つの交点#2が特定される。
【0024】
リファレンス線を楕円領域の外周の間でn等分するグリッド線#1が求められる(ステップS7)。図5において、符号C7に示すように、一点鎖線で示され中心線を含めて9本のグリッド線#1が特定される。
【0025】
中心線を楕円領域の外周の間でm等分するグリッド線#2が求められる(ステップS8)。図5において、符号C8に示すように、点線で示されリファレンス線を含めて9本のグリッド線#2が特定される。
【0026】
リファレンス線がY軸と平行になるようにグリッド線#1,#2や対象点等が回転される(ステップS9)。図6の符号D1において破線で示されるリファレンス線が回転され、符号D2に示すようにリファレンス線がY軸と平行になるようにグリッド線#1,#2や対象点等が回転される。
【0027】
対象物マーカーが位置する座標が特定される(ステップS10)。図7において、グリッド線がX軸及びY軸に平行な状態で、対象物マーカー及び領域中心点の位置が特定される。そして、対象物の位置出力処理は終了する。図8において、対象物マーカーの位置がプロットエリア表において表示される。図8に示す例では、破線枠で示すように、対象物マーカーが(1,1), (2,1), (1,-1), (2,-1)のエリアに位置していることが表示される。
【0028】
図9は、実施形態における情報処理装置1のハードウェア構成例を模式的に示すブロック図である。
【0029】
図9に示すように、情報処理装置1は、CPU11,メモリ部12,表示制御部13,記憶装置14,入力Interface(IF)15,外部記録媒体処理部16及び通信IF17を備える。
【0030】
メモリ部12は、記憶部の一例であり、例示的に、Read Only Memory(ROM)及びRandom Access Memory(RAM)などである。メモリ部12のROMには、Basic Input/Output System(BIOS)等のプログラムが書き込まれてよい。メモリ部12のソフトウェアプログラムは、CPU11に適宜に読み込まれて実行されてよい。また、メモリ部12のRAMは、一時記録メモリあるいはワーキングメモリとして利用されてよい。
【0031】
表示制御部13は、表示装置130と接続され、表示装置130を制御する。表示装置130は、液晶ディスプレイやOrganic Light-Emitting Diode(OLED)ディスプレイ,Cathode Ray Tube(CRT),電子ペーパーディスプレイ等であり、オペレータ等に対する各種情報を表示する。表示装置130は、入力装置と組み合わされたものでもよく、例えば、タッチパネルでもよい。
【0032】
記憶装置14は、例えば、Dynamic Random Access Memory(DRAM)やSSD,Storage Class Memory(SCM),HDDが用いられてよい。
【0033】
入力IF15は、マウス151やキーボード152等の入力装置と接続され、マウス151やキーボード152等の入力装置を制御してよい。マウス151やキーボード152は、入力装置の一例であり、これらの入力装置を介して、オペレータが各種の入力操作を行う。
【0034】
外部記録媒体処理部16は、記録媒体160が装着可能に構成される。外部記録媒体処理部16は、記録媒体160が装着された状態において、記録媒体160に記録されている情報を読み取り可能に構成される。本例では、記録媒体160は、可搬性を有する。例えば、記録媒体160は、フレキシブルディスク、光ディスク、磁気ディスク、光磁気ディスク、又は、半導体メモリ等である。
【0035】
通信IF17は、外部装置との通信を可能にするためのインタフェースである。
【0036】
CPU11は、プロセッサの一例であり、種々の制御や演算を行う処理装置である。CPU11は、メモリ部12に読み込まれたOperating System(OS)やプログラムを実行することにより、種々の機能を実現する。
【0037】
情報処理装置1全体の動作を制御するための装置は、CPU11に限定されず、例えば、MPUやDSP,ASIC,PLD,FPGAのいずれか1つであってもよい。また、情報処理装置1全体の動作を制御するための装置は、CPU,MPU,DSP,ASIC,PLD及びFPGAのうちの2種類以上の組み合わせであってもよい。なお、MPUはMicro Processing Unitの略称であり、DSPはDigital Signal Processorの略称であり、ASICはApplication Specific Integrated Circuitの略称である。また、PLDはProgrammable Logic Deviceの略称であり、FPGAはField Programmable Gate Arrayの略称である。
【0038】
図10は、図9に示した情報処理装置1のソフトウェア構成例を模式的に示すブロック図である。
【0039】
情報処理装置1のCPU11は、領域特定部111,第1直線特定部112,第2直線特定部113及び出力部114として機能する。
【0040】
領域特定部111は、楕円領域方向マーカー,対象物マーカー及び楕円領域の位置をイメージセグメンテーションにより特定する。別言すれば、領域特定部111は、非破壊検査画像から、凹部の無い形状と、凹部のない形状に含まれる検出対象物及び基準物とのそれぞれに対応する領域を特定する。
【0041】
第1直線特定部112は、リファレンス線及びリファレンス線に平行するグリッド線#2を特定する。別言すれば、第1直線特定部112は、凹部の無い形状に対応する領域を二分割し、且つ、基準物に対応する領域を通る第1の直線(別言すれば、リファレンス線)を特定する。第1直線特定部112は、第2の直線(別言すれば、中心線)を凹部の無い形状の外周の間でm(mは自然数)等分する複数の第2のグリッド線(グリッド線#2)を特定してよい。
【0042】
第2直線特定部113は、中心線及び中心線に平行するグリッド線#1を特定する。別言すれば、第2直線特定部113は、第1の直線(別言すれば、リファレンス線)が凹部の無い形状の外周と交わる2つの交点を求め、2つの交点の間の中点を通り、且つ、第1の直線に直交する第2の直線(別言すれば、中心線)を特定する。第2直線特定部113は、第1の直線を凹部の無い形状の外周の間でn(nは自然数)等分する複数の第1のグリッド線(別言すれば、グリッド線#1)を特定してよい。
【0043】
出力部114は、座標平面を回転させて、対象物マーカーが位置する座標を出力する。別言すれば、出力部114は、第1の直線と第2の直線とを軸とする座標系を用いて、非破壊検査画像における検出対象物の位置を示す情報を出力する。出力部114は、第1の直線が座標系の所定の軸と平行になるように凹部の無い形状を回転させた後に、検出対象物の位置を示す情報を出力してよい。出力部114は、複数の第1のグリッド線と複数の第2のグリッド線とで形成される格子状の座標系において、検出対象物の位置を示す情報を出力してよい。
【0044】
〔B〕効果
以下、実施形態としての情報処理プログラム,情報処理装置1及び情報処理方法によって奏することができる効果を説明する。
【0045】
領域特定部111は、非破壊検査画像から、凹部の無い形状と、凹部のない形状に含まれる検出対象物及び基準物とのそれぞれに対応する領域を特定する。第1直線特定部112は、凹部の無い形状に対応する領域を二分割し、且つ、基準物に対応する領域を通る第1の直線を特定する。第2直線特定部113は、第1の直線が凹部の無い形状の外周と交わる2つの交点を求め、2つの交点の間の中点を通り、且つ、第1の直線に直交する第2の直線を特定する。出力部114は、第1の直線と第2の直線とを軸とする座標系を用いて、非破壊検査画像における検出対象物の位置を示す情報を出力する。これにより、検査対象の物体の健全性等を正確に評価できる。
【0046】
出力部114は、第1の直線が座標系の所定の軸と平行になるように凹部の無い形状を回転させた後に、検出対象物の位置を示す情報を出力する。これにより、検査者が検出対象物の位置を認識しやすくなる。
【0047】
第2直線特定部113は、第1の直線を凹部の無い形状の外周の間でn(nは自然数)等分する複数の第1のグリッド線を特定する。第1直線特定部112は、第2の直線を凹部の無い形状の外周の間でm(mは自然数)等分する複数の第2のグリッド線を特定する。出力部114は、複数の第1のグリッド線と複数の第2のグリッド線とで形成される格子状の座標系において、検出対象物の位置を示す情報を出力する。これにより、プロットエリア表に検査対象物の位置が出力されるため、検査者が検出対象物の位置を認識しやすくなる。
【0048】
凹部の無い形状は胎児であり、検出対象物は胎児の心臓であり、基準物は胎児の脊椎である。これにより、胎児の心臓の健全性等を正確に評価できる。
【0049】
〔C〕その他
開示の技術は上述した実施形態に限定されるものではなく、本実施形態の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。本実施形態の各構成及び各処理は、必要に応じて取捨選択することができ、あるいは適宜組み合わせてもよい。
【0050】
上述した実施形態では、胎児の心臓の超音波検査で取得した画像に対して対象物の位置出力処理を行ったが、これに限定されるものではない。対象物の位置出力処理は、成人又は胎児の心臓に対して行ってもよいし、ヒトを含む各種の生物における様々な臓器や器官等に対して行ってもよい。また、対象物の位置出力処理は、工場出荷時や定期検査時等の製品の筐体の内部検査に用いられてもよい。
【0051】
画像の撮影のために用いられる方法は、超音波検査に限られるものではなく、Magnetic Resonance Imaging(MRI)検査やComputed Tomography(CT)検査,マンモグラフィ検査等の種々の非破壊検査が用いられてよい。
【0052】
〔D〕付記
以上の実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
【0053】
(付記1)
非破壊検査画像から、凹部の無い形状と、前記凹部のない形状に含まれる検出対象物及び基準物とのそれぞれに対応する領域を特定し、
前記凹部の無い形状に対応する領域を二分割し、且つ、前記基準物に対応する領域を通る第1の直線を特定し、
前記第1の直線が前記凹部の無い形状の外周と交わる2つの交点を求め、前記2つの交点の間の中点を通り、且つ、前記第1の直線に直交する第2の直線を特定し、
前記第1の直線と前記第2の直線とを軸とする座標系を用いて、前記非破壊検査画像における前記検出対象物の位置を示す情報を出力する、
処理をコンピュータに実行させる、情報処理プログラム。
【0054】
(付記2)
前記第1の直線が前記座標系の所定の軸と平行になるように前記凹部の無い形状を回転させた後に、前記検出対象物の位置を示す情報を出力する、
処理を前記コンピュータに実行させる、付記1に記載の情報処理プログラム。
【0055】
(付記3)
前記第1の直線を前記凹部の無い形状の外周の間でn(nは自然数)等分する複数の第1のグリッド線を特定し、
前記第2の直線を前記凹部の無い形状の外周の間でm(mは自然数)等分する複数の第2のグリッド線を特定し、
前記複数の第1のグリッド線と前記複数の第2のグリッド線とで形成される格子状の前記座標系において、前記検出対象物の位置を示す情報を出力する、
処理を前記コンピュータに実行させる、付記1又は2に記載の情報処理プログラム。
【0056】
(付記4)
前記凹部の無い形状は胎児であり、前記検出対象物は前記胎児の心臓であり、前記基準物は前記胎児の脊椎である、
付記1~3のいずれか一項に記載の情報処理プログラム。
【0057】
(付記5)
非破壊検査画像から、凹部の無い形状と、前記凹部のない形状に含まれる検出対象物及び基準物とのそれぞれに対応する領域を特定し、
前記凹部の無い形状に対応する領域を二分割し、且つ、前記基準物に対応する領域を通る第1の直線を特定し、
前記第1の直線が前記凹部の無い形状の外周と交わる2つの交点を求め、前記2つの交点の間の中点を通り、且つ、前記第1の直線に直交する第2の直線を特定し、
前記第1の直線と前記第2の直線とを軸とする座標系を用いて、前記非破壊検査画像における前記検出対象物の位置を示す情報を出力する、
プロセッサを備える、情報処理装置。
【0058】
(付記6)
前記プロセッサは、
前記第1の直線が前記座標系の所定の軸と平行になるように前記凹部の無い形状を回転させた後に、前記検出対象物の位置を示す情報を出力する、
付記5に記載の情報処理装置。
【0059】
(付記7)
前記プロセッサは、
前記第1の直線を前記凹部の無い形状の外周の間でn(nは自然数)等分する複数の第1のグリッド線を特定し、
前記第2の直線を前記凹部の無い形状の外周の間でm(mは自然数)等分する複数の第2のグリッド線を特定し、
前記複数の第1のグリッド線と前記複数の第2のグリッド線とで形成される格子状の前記座標系において、前記検出対象物の位置を示す情報を出力する、
付記5又は6に記載の情報処理装置。
【0060】
(付記8)
前記凹部の無い形状は胎児であり、前記検出対象物は前記胎児の心臓であり、前記基準物は前記胎児の脊椎である、
付記5~7のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【0061】
(付記9)
非破壊検査画像から、凹部の無い形状と、前記凹部のない形状に含まれる検出対象物及び基準物とのそれぞれに対応する領域を特定し、
前記凹部の無い形状に対応する領域を二分割し、且つ、前記基準物に対応する領域を通る第1の直線を特定し、
前記第1の直線が前記凹部の無い形状の外周と交わる2つの交点を求め、前記2つの交点の間の中点を通り、且つ、前記第1の直線に直交する第2の直線を特定し、
前記第1の直線と前記第2の直線とを軸とする座標系を用いて、前記非破壊検査画像における前記検出対象物の位置を示す情報を出力する、
処理をコンピュータが実行する、情報処理方法。
【0062】
(付記10)
前記第1の直線が前記座標系の所定の軸と平行になるように前記凹部の無い形状を回転させた後に、前記検出対象物の位置を示す情報を出力する、
処理を前記コンピュータが実行する、付記9に記載の情報処理方法。
【0063】
(付記11)
前記第1の直線を前記凹部の無い形状の外周の間でn(nは自然数)等分する複数の第1のグリッド線を特定し、
前記第2の直線を前記凹部の無い形状の外周の間でm(mは自然数)等分する複数の第2のグリッド線を特定し、
前記複数の第1のグリッド線と前記複数の第2のグリッド線とで形成される格子状の前記座標系において、前記検出対象物の位置を示す情報を出力する、
処理を前記コンピュータが実行する、付記9又は10に記載の情報処理方法。
【0064】
(付記12)
前記凹部の無い形状は胎児であり、前記検出対象物は前記胎児の心臓であり、前記基準物は前記胎児の脊椎である、
付記9~11のいずれか一項に記載の情報処理方法。
【符号の説明】
【0065】
1 :情報処理装置
11 :CPU
111 :領域特定部
112 :第1直線特定部
113 :第2直線特定部
114 :出力部
12 :メモリ部
13 :表示制御部
130 :表示装置
14 :記憶装置
15 :入力IF
151 :マウス
152 :キーボード
16 :外部記録媒体処理部
160 :記録媒体
17 :通信IF
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10