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特開2022-189144オンライン会議用画面表示制御装置、方法およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022189144
(43)【公開日】2022-12-22
(54)【発明の名称】オンライン会議用画面表示制御装置、方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 13/00 20060101AFI20221215BHJP
   H04N 7/15 20060101ALI20221215BHJP
   G06F 3/04842 20220101ALI20221215BHJP
【FI】
G06F13/00 650A
H04N7/15
H04N7/15 120
G06F3/0484 120
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021097544
(22)【出願日】2021-06-10
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 1.2020年8月31日 別紙記載のウェブサイトにて発表 2.2020年8月31日 https://nework.app/login https://nework.app/signupにて発表 3.2020年9月4日 オンラインワークスペース「NeWork」サービス体験会にて発表
(71)【出願人】
【識別番号】399035766
【氏名又は名称】エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(72)【発明者】
【氏名】大野 智史
(72)【発明者】
【氏名】坂内 恒介
(72)【発明者】
【氏名】河野 将一朗
(72)【発明者】
【氏名】武田 透摩
(72)【発明者】
【氏名】宇都宮 里梨子
(72)【発明者】
【氏名】田中 亮
【テーマコード(参考)】
5B084
5C164
5E555
【Fターム(参考)】
5B084AA02
5B084AA16
5B084AB01
5B084AB06
5B084AB32
5B084BB01
5B084DC05
5B084DC06
5B084EA47
5C164FA10
5C164VA13P
5C164VA23P
5E555AA02
5E555AA23
5E555AA26
5E555BA02
5E555BA03
5E555BA05
5E555BA06
5E555BA13
5E555BB02
5E555BB03
5E555BB05
5E555BB06
5E555BC17
5E555BD09
5E555CC03
5E555DA01
5E555DB18
5E555DC13
5E555DC25
5E555DC31
5E555DC35
5E555DC36
5E555DD06
5E555EA07
5E555EA09
5E555EA11
5E555EA14
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】共有画面の切替えを少ない操作で円滑に行えるようにして会議や講義等の能率向上を図る。
【解決手段】この発明の一態様に係る画面表示制御装置または方法は、複数の参加者端末または当該参加者端末が送信する複数の共有ファイルの各々に対応するアイコンを配置した一覧リストを生成し前記複数の参加者端末に表示させる。そして、前記一覧リストのアイコンが選択操作された場合に、選択操作された前記アイコンに対応する前記共有ファイルを選択し、選択された前記共有ファイルを前記一覧リストと共に前記表示画面に表示させるための共有画面表示データを生成して、前記参加者端末に表示させる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の参加者がそれぞれ使用する参加者端末をネットワークを介してサーバ装置に接続し、前記サーバ装置の制御の下、前記複数の参加者端末相互間で会議通信を行うシステムで使用される画面表示制御装置であって、
前記複数の参加者端末または前記複数の参加者端末が送信する共有ファイルの各々に対応付けられた複数のアイコンを含む一覧リストを生成する一覧リスト生成処理部と、
前記一覧リストのアイコンが選択操作された場合に、選択操作された前記アイコンに対応付けられた前記参加者端末が送信する前記共有ファイルを選択する共有ファイル選択処理部と、
生成された前記一覧リストと選択された前記共有ファイルとを、前記参加者端末の表示画面に表示させるための表示データを生成して、前記参加者端末へ出力する表示データ生成処理部と
を具備する画面表示制御装置。
【請求項2】
前記共有ファイル選択処理部は、前記一覧リストにおいて前記アイコンが複数選択操作された場合に、選択操作された前記複数のアイコンに対応する複数の共有ファイルを選択し、
前記表示データ生成処理部は、前記一覧リストと選択された前記複数の共有ファイルとを前記参加者端末の前記表示画面に一括して表示させるための共有画面表示データを生成する、
請求項1に記載の画面表示制御装置。
【請求項3】
前記一覧リスト生成処理部は、前記一覧リストにおいて選択操作された前記アイコンの表示形態を、選択操作されていない他のアイコンの表示形態とは異なる形態に設定する、請求項1または2に記載の画面表示制御装置。
【請求項4】
前記一覧リスト生成処理部は、前記一覧リストにおいて選択操作された前記アイコンを対応する前記共有ファイルを識別する情報により表し、選択操作されていない他のアイコンを対応する前記参加者を識別する情報により表す、請求項3に記載の画面表示制御装置。
【請求項5】
前記表示データ生成処理部は、前記参加者端末により入力される表示属性の設定要求に応じて、前記一覧リストまたは前記共有ファイルの前記表示画面における表示属性を可変設定する、請求項1に記載の画面表示制御装置。
【請求項6】
前記一覧リスト生成処理部は、会議期間中に前記参加者の発言量に関する情報を取得し、取得された前記発言量に関する情報に基づいて前記一覧リスト内における対応する前記アイコンの表示位置を変更する、請求項1に記載の画面表示制御装置。
【請求項7】
複数の参加者がそれぞれ使用する参加者端末をネットワークを介してサーバ装置に接続し、前記サーバ装置の制御の下、前記複数の参加者端末相互間で会議通信を行うシステムで使用される画面表示制御装置が実行する画面表示制御方法であって、
前記複数の参加者端末または前記複数の参加者端末が送信する共有ファイルの各々に対応付けられた複数のアイコンを含む一覧リストを生成する過程と、
前記一覧リストのアイコンが選択操作された場合に、選択操作された前記アイコンに対応付けられた前記参加者端末が送信する前記共有ファイルを選択する過程と、
生成された前記一覧リストと選択された前記共有ファイルとを、前記参加者端末の表示画面に表示させるための表示データを生成して、前記参加者端末へ出力する過程と
を具備する画面表示制御方法。
【請求項8】
請求項1乃至6のいずれかに記載の画面表示制御装置が具備する前記各処理部による処理を、前記画面表示制御装置が備えるプログラムに実行させるプログラム。
【請求項9】
複数の参加者がそれぞれ使用する参加者端末間で、ネットワークまたは当該ネットワーク上に配置されるサーバ装置を介して会議通信を行うシステムで使用される画面表示制御装置であって、
前記複数の参加者端末の各々に対応するアイコンを含む一覧リストを生成し、生成された前記一覧リストを前記複数の参加者端末の表示画面に表示させる一覧リスト生成処理部と、
前記参加者端末において前記一覧リストに含まれるアイコンが選択操作された場合に、選択操作された前記アイコンに対応する前記参加者端末が送信する共有ファイルを、前記選択操作が行われた参加者端末の前記表示画面に、前記一覧リストと共に表示させる共有ファイル表示処理部と
を具備する画面表示制御装置。
【請求項10】
前記共有ファイルが表示されている状態で、当該共有ファイルの送信元となる前記参加者端末に対応する前記アイコンが再度操作された場合に、表示中の前記共有ファイルを前記複数の参加者端末の表示画面に強制的に表示させる共有ファイル強制表示処理部を、さらに具備する請求項8に記載の画面表示制御装置。
【請求項11】
前記一覧リスト生成処理部は、前記共有ファイルが強制的に表示されている状態で、当該共有ファイルの送信元となる前記参加者端末に対応するアイコンの表示形態を、強制表示中であることを示す形態に変更する、請求項10に記載の画面表示制御装置。
【請求項12】
複数の参加者がそれぞれ使用する参加者端末間で、ネットワークまたは当該ネットワーク上に配置されるサーバ装置を介して会議通信を行うシステムで使用される画面表示制御装置が実行する画面表示制御方法であって、
前記複数の参加者端末の各々に対応するアイコンを含む一覧リストを生成し、生成された前記一覧リストを前記複数の参加者端末の表示画面に表示させる過程と、
前記参加者端末において前記一覧リストに含まれるアイコンが選択操作された場合に、選択操作された前記アイコンに対応する前記参加者端末が送信する共有ファイルを、前記選択操作が行われた参加者端末の前記表示画面に、前記一覧リストと共に表示させる過程と、
を具備する画面表示制御方法。
【請求項13】
前記共有ファイルが表示されている状態で、当該共有ファイルの送信元となる前記参加者端末に対応する前記アイコンが再度操作された場合に、表示中の前記共有ファイルを前記複数の参加者端末の表示画面に強制的に表示させる過程を、さらに具備する請求項12に記載の画面表示制御方法。
【請求項14】
請求項9乃至11のいずれかに記載の画面表示制御装置が具備する前記各処理部による処理を、前記画面表示制御装置が備えるプログラムに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明の一態様は、例えばオンライン会議システムで使用される画面表示制御装置、方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、企業や学校等においては、働き方や受講方式の多様化や感染症防止等の観点から、ワークスペースや受講スペース等の参加場所を選ばないオンライン会議システムを導入するケースが増えている。オンライン会議システムは、例えば、複数の参加者の端末間をネットワークを介してクラウドまたはWeb上のサーバ装置に接続し、サーバ装置が各参加者の音声や映像を適宜選択または編集して各端末に伝送することにより、複数の端末間での会議通信を可能にするものである。
【0003】
ところで、オンライン会議システムには、例えば特許文献1に示されるように画面共有機能を備えたものがある。画面共有機能とは、例えば参加者が自身の端末に保存されたファイルを、サーバ装置を介して他の参加者の端末に転送し画面に表示させることで、一つのファイルを複数の参加者間で共有できるようにする機能である。この機能を使用することで、例えば会議の中心者が作成したレセプション資料や講師の教材資料等を、中心者や講師がすべての参加者または受講者と共有しながら、会議または講義を進めることができ、大変便利である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010-086067号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、一般にオンライン会議システムは、参加者のうち例えばホストが提供する単一のファイルを共有画面として他の参加者の端末に表示させるものとなっている。このため、共有画面に表示するファイルを別のファイルに切替える場合には、ファイルの提供者はその都度表示中のファイルの共有設定を一旦解除し、しかるのち別のファイルを選択して共有画面として設定し直す操作が必要となり、共有ファイルの表示切替えの操作に手間と時間を要し、会議や講義の能率低下を招いていた。また、例えばホストが提供する共有ファイルを他の参加者が提供する共有ファイルに表示を切替える場合には、ホストおよび参加者が互いに連携しながらそれぞれ同様の操作を行う必要があり、表示切替え操作にさらなる手間と時間が必要だった。
【0006】
この発明は上記事情に着目してなされたもので、複数の会議参加者が提供する共有ファイルの表示切替えを少ない操作で円滑に行えるようにして会議や講義等の能率向上を図った技術を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するためにこの発明の一態様に係る画面表示制御装置または方法は、複数の参加者端末から提供される複数の共有ファイルの各々に対応するアイコンを含む一覧リストを生成すると共に、前記一覧リストのうち任意のアイコンが選択された場合に、選択された前記アイコンに対応する前記共有ファイルを取得する。そして、生成された前記一覧リストおよび取得された前記共有ファイルを前記参加者端末の表示画面に表示させるための表示データを生成して、前記参加者端末へ出力するようにしたものである。
【発明の効果】
【0008】
この発明の一態様によれば、例えば複数の参加者端末から提供される複数の共有ファイルの各々に対応するアイコンを含む一覧リストが生成され、生成された上記一覧リストが各参加者端末の表示画面に表示される。そして、表示された一覧リストのうち任意のアイコンが選択されると、対応する共有ファイルが取得されて上記表示画面に表示される。このため、参加者は表示画面に表示された一覧リストにより共有ファイルの一覧を確認することができ、この状態で一覧リストの所望のアイコンを指定するだけで、共有ファイルの表示を切替えることができる。
【0009】
すなわち、この発明の一態様によれば、例えば、複数の参加者がそれぞれ共有ファイルを提供する場合に、各参加者は共有ファイルの表示切替えを少ない操作で円滑に行えるようになり、これにより会議や講義等の能率を高めることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、この発明の第1の実施形態に係るオンライン会議システムの全体構成を示す図である。
図2図2は、図1に示したシステムのうちこの発明の第1の実施形態に係る画面表示制御装置としての機能を備える会議サーバのハードウェア構成を示すブロック図である。
図3図3は、図2に示した会議サーバのソフトウェア構成を示すブロック図である。
図4図4は、図3に示した会議サーバによるオンライン会議制御の全体の処理手順と処理内容を示すフローチャートである。
図5図5は、図4に示したオンライン会議制御の処理手順のうち画面共有処理の処理手順と処理内容を示すフローチャートである。
図6図6は、図5に示した画面共有処理により生成される表示データの第1の例を示す図である。
図7図7は、図5に示した画面共有処理により生成される表示データの第2の例を示す図である。
図8図8は、図5に示した画面共有処理により生成される表示データの第3の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照してこの発明に係わる実施形態を説明する。
【0012】
[第1の実施形態]
(構成例)
(1)システム
図1は、この発明の第1の実施形態に係るオンライン会議システムの全体構成を示す図である。
【0013】
オンライン会議システムは、この発明の第1の実施形態に係る画面表示制御装置としての機能を有する会議サーバSVを備える。この会議サーバSVには、会議参加者が使用する複数の端末がネットワークNWを介してそれぞれ接続可能となっている。上記複数の端末には、会議の中心者が使用するホスト端末UT0と、会議への参加者が使用する複数の参加者端末UT1~UTnとが含まれる。
【0014】
なお、ホスト端末UT0および参加者端末UT1~UTnの基本機能は同一であり、かつ会議中に中心者と参加者の役割を変更する場合もあるので、以後上記ホスト端末UT0および各参加者端末UT1~UTnをまとめて参加者端末UTと称する。
【0015】
上記複数の参加者端末UTとしては、例えば、デスクトップ型のパーソナルコンピュータ、ノート型のパーソナルコンピュータまたはタブレット型のパーソナルコンピュータ等の情報端末が使用されるが、他にも例えばスマートフォン等の携帯端末が使用されてもよい。
【0016】
上記複数の参加者端末UTは、ハードウェア構成として、プロセッサを備える制御部と、各種プログラムおよびデータを記憶する記憶部と、ネットワークNWとの間でデータの送受信を行う通信インタフェース部と、入力デバイスおよび表示デバイスを備えるデータ入出力部と、マイクロフォンおよびスピーカを備える音声入出力部とを備える。また、オンライン会議に使用されるソフトウェアとしては、ブラウザとこのブラウザ上で動作するオンライン会議用のアプリケーションプログラムとを備える。
【0017】
オンライン会議用のアプリケーションプログラムは、会議サーバSVのオンライン会議制御プログラムと協働して、端末におけるオンライン会議に係る所定の制御処理を実行する。具体的には、会議サーバSVとの間にオンライン会議用の通信リンクが確立された状態で、会議参加者の音声、画像および文書等の各種データの送受信を行う。なお、オンライン会議用のアプリケーションプログラムは、例えばWebRTC(Web Real-Time Communication)機能の仕組みを利用するものであってもよい。
【0018】
なお、ネットワークNWは、例えばインターネットを基盤とし、これに上記会議サーバSVおよび複数の参加者端末UTを接続するためのアクセスネットワークを備える。アクセスネットワークとしては、例えば有線または無線を使用する公衆通信ネットワークや、有線または無線を使用するLAN(Local Area Network)が使用されるが、他にもCATV(Cable Television)ネットワークなどが使用されてもよい。
【0019】
(2)会議サーバSV
図2および図3は、それぞれ会議サーバSVのハードウェア構成およびソフトウェア構成を示すブロック図である。
【0020】
会議サーバSVは、例えばクラウドまたはWeb上に設置されるサーバコンピュータからなり、中央処理ユニット(Central Processing Unit:CPU)等のハードウェアプロセッサを使用した制御部10を備える。そして、この制御部10に対し、バス50を介して、プログラム記憶部20およびデータ記憶部30を有する記憶ユニットと、通信I/F40を接続したものとなっている。
【0021】
通信I/F40は、制御部10の制御の下、ネットワークNWにより定義される通信プロトコル、例えばTCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)を使用して、複数の参加者端末UTとの間でそれぞれ情報データの送受信を行う。
【0022】
プログラム記憶部20は、例えば、記憶媒体としてHDD(Hard Disk Drive)またはSSD(Solid State Drive)等の随時書込みおよび読出しが可能な不揮発性メモリと、ROM(Read Only Memory)等の不揮発性メモリとを組み合わせて構成したもので、OS(Operating System)等のミドルウェアに加えて、この発明の第1の実施形態に係る各種制御処理を実行するために必要なオンライン会議制御プログラムを格納する。
【0023】
データ記憶部30は、例えば、記憶媒体として、HDDまたはSSD等の随時書込みおよび読出しが可能な不揮発性メモリと、RAM(Random Access Memory)等の揮発性メモリと組み合わせたもので、この発明の第1の実施形態を実施するために必要な主たるデータ記憶領域として、参加者識別情報記憶部31と、一覧リスト記憶部32と、共有ファイル記憶部33とを備えている。
【0024】
参加者識別情報記憶部31は、オンライン会議に参加した複数の参加者の識別情報(以後参加者IDとも言う)を記憶するために使用される。参加者の識別情報としては、例えば参加者の氏名、社員番号や学籍番号等の識別番号が使用されるが、ほかに参加者の顔画像またはイラスト画像等のサムネイル画像や、使用する参加者端末UTのアカウント情報等が使用されてもよい。
【0025】
一覧リスト記憶部32は、後述する制御部10により会議毎に生成される一覧リストを、会議の識別情報(以後会議IDとも言う)と対応付けて保存するために使用される。
【0026】
共有ファイル記憶部33は、参加者端末UTから送信される、例えば会議資料や教材等を示す共有ファイルを、提供元の参加者IDと対応付けて保存するために使用される。共有ファイルは、例えば参加者が参加者端末UT等において作成または取得した文書データや画像データ、Webサイト等から取得した映像データ等により構成される。
【0027】
制御部10は、この発明の第1の実施形態を実施するために必要な処理機能として、会議リンク接続処理部11と、一覧リスト生成処理部12と、共有ファイル取得処理部13と、表示データ生成処理部14と、表示データ送信処理部15とを備える。これらの処理部11~15は、何れもプログラム記憶部20に格納されたプログラムを制御部10のハードウェアプロセッサに実行させることにより実現される。
【0028】
会議リンク接続処理部11は、参加者端末UTから会議への参加要求を受信するごとに、要求元の参加者端末UTと会議サーバSVとの間をオンライン会議用の通信リンクにより接続する処理を行う。また会議リンク接続処理部11は、参加要求元の上記参加者端末UTから参加者IDを取得して参加者識別情報記憶部31に記憶させる処理を行う。
【0029】
一覧リスト生成処理部12は、ホスト端末UT0または参加者端末UT1~UTnを問わず、参加者端末UTから共有ファイルが送られた場合に、一覧リストを生成する。そして一覧リスト生成処理部12は、生成された上記一覧リストを会議IDと対応付けて一覧リスト記憶部32に保存する。一覧リストとしては、例えば、共有ファイルに対応するアイコンを横一列に並べて配置したものが使用される。また、アイコンとしては、例えば共有ファイルの縮小画像またはそれに代わるサムネイル画像、もしくはファイル名を表す画像が用いられるが、これに限るものではない。
【0030】
また、一覧リスト生成処理部12は、会議期間中に参加者端末UTから共有ファイルの追加の要求または共有解除の要求が送られる毎に、一覧リスト記憶部32に保存されている上記一覧リストを更新する処理を行う。
【0031】
共有ファイル取得処理部13は、上記ファイルの共有要求に応じて、要求元の参加者端末UTから共有ファイルを取得し、取得された共有ファイルを要求元の参加者IDと対応付けて共有ファイル記憶部33に記憶させる処理を行う。
【0032】
表示データ生成処理部14は、上記一覧リスト記憶部32に保存されている一覧リストと、この一覧リストの中から指定されたアイコンに対応する共有ファイルを、単一の共有画面に表示するべく編集し、共有画面表示データを生成する処理を行う。
【0033】
また表示データ生成処理部14は、参加者端末UTから上記共有画面に表示されている一覧リストまたは共有ファイルに対する表示属性の設定要求が送られた場合に、この表示属性の設定要求に応じて、上記共有画面表示データにおける一覧リストまたは共有ファイルの表示属性を、例えばデフォルト状態から変更する処理を行う。設定対象の表示属性としては、例えば、共有画面における表示位置、表示サイズ、表示色または表示濃度等が想定される。
【0034】
表示データ送信処理部15は、上記表示データ生成処理部14により生成された共有画面表示データを、通信I/F40からオンライン会議用の通信リンクを介して各参加者端末UTへそれぞれ送信する処理を行う。
【0035】
(動作例)
次に、以上のように構成された会議サーバSVの動作例を説明する。
図4は、会議サーバSVの制御部10により実行されるオンライン会議制御の全体の処理手順と処理内容を示すフローチャートである。
【0036】
(1)オンライン会議の開始
オンライン会議に先立ち、例えば中心者はホスト端末UT0から会議サーバSVに対し会議スケジュールを設定する。会議スケジュールとしては、例えば会議の開始予定日時および終了予定日時と、ホストの識別情報等が設定される。
【0037】
上記会議スケジュールの設定に伴い、会議サーバSVからホスト端末UT0に対し、例えば会議IDとパスワード、或いは会議用のURL(Uniform Resource Locator)が通知される。中心者は、通知された上記会議IDとパスワード、或いは会議用のURLを、例えば電子メールまたはSNS(Social Network System)等を用いて、ホスト端末UT0から会議への参加予定者が使用する複数の参加者端末UT1~UTnへそれぞれ送信する。
【0038】
さて、この状態で上記会議スケジュールに従い、中心者および各参加予定者がそれぞれの端末UT0、UT1~UTnから上記URLに対しアクセスしたとする。そうすると、会議サーバSVの制御部10は、ステップS10において上記アクセスを受信すると、このアクセスを会議参加要求として認識し、会議リンク接続処理部11の制御の下、ステップS11において、要求元の各参加者端末UTとの間をオンライン会議用の通信リンクにより接続する。また会議リンク接続処理部11は、上記端末UT0、UT1~UTnから各参加者の参加者IDをそれぞれ取得し、取得された上記参加者IDを参加者識別情報記憶部31に記憶させる。
【0039】
会議サーバSVは、以後ステップS12において、各参加者端末UTから送信される参加者の音声および映像を編集・合成して各参加者端末UTへ転送する。かくして、以後各参加者間では音声および映像を用いたオンライン会議が可能となる。
【0040】
(2)ファイルの画面共有
上記オンライン会議中に、例えば中心者が各会議参加者との間で会議資料や閲覧情報等を共有するために当該会議資料や閲覧情報のファイルの共有設定の要求を送信したとする。これに対し会議サーバSVの制御部10は、ステップS13により上記ファイルの共有設定の要求を検出すると、以後ステップS14において以下のように画面共有制御処理を実行する。
【0041】
図5は、会議サーバSVの制御部10により実行される画面共有制御処理の処理手順と処理内容を示すフローチャートである。
【0042】
(2-1)共有ファイルの取得
すなわち、会議サーバSVの制御部10は、例えば中心者のホスト端末UT0から共有ファイルが送られると、先ず共有ファイル取得処理部13の制御の下、ステップS141において、上記共有ファイルを通信I/F40を介して受信する。そして、受信された共有ファイルを、提供元の参加者IDと対応付けて共有ファイル記憶部33に記憶させる。
【0043】
同様に会議サーバSVは、一つの端末UTから共有ファイルが複数送られた場合にも、これら複数の共有ファイルをそれぞれ受信して共有ファイル記憶部33に記憶させることが可能である。
【0044】
また、会議サーバSVは、中心者のみならず他の参加者からファイルの共有設定の要求が送信された場合にも、同様に対応することができる。例えば、参加者端末UT1からファイルの共有設定の要求が送られると、会議サーバSVの制御部10は、共有ファイル取得処理部13の制御の下、ステップS141において、上記共有ファイルを通信I/F40を介して受信する。そして、受信された共有ファイルを、提供元の参加者IDと対応付けて共有ファイル記憶部33に記憶させる。
【0045】
(2-2)一覧リストの生成
上記共有ファイルが取得されると、会議サーバSVの制御部10は、続いて一覧リスト生成処理部12の制御の下、ステップS142により一覧リストを生成する。例えば、いまホスト端末UT0、参加者端末UT1,UT2からそれぞれ1個ずつ共有ファイルが送られたとする。この場合、一覧リスト生成処理部12は、上記ホスト端末UT0および参加者端末UT1,UT2から取得された上記計3個の共有ファイルに対応するアイコンを生成し、生成された3個のアイコンを横一列に並べた一覧リストを生成する。
【0046】
このとき、各アイコンは、後述するファイルの共有設定操作により「共有設定中」となったアイコンと、「共有待機中」のアイコンとで、異なる表示形態に設定する。例えば、「共有設定中」のアイコンについては、共有ファイルを識別する情報、例えば共有ファイルの縮小画像またはそれに代わるサムネイル画像、もしくはファイル名とする。これに対し「共有待機中」のアイコンについては、ファイルの提供元の参加者を識別する情報、例えば参加者の顔画像またはイラスト画像を縮小したもの、或いは参加者名や参加者のニックネーム、イニシャル等を表す情報とする。
【0047】
一覧リスト生成処理部12は、生成された上記一覧リストを会議IDと対応付けて一覧リスト記憶部32に保存する。
【0048】
また、一覧リスト生成処理部12は、上記一覧リストの生成・保存後に、ホスト端末UT0および参加者端末UT1,UT2、または別の参加者端末UT3から共有ファイルが追加された場合には、追加された上記共有ファイルに対応するアイコンを、上記一覧リスト記憶部32に保存されている一覧リストに追加する。
【0049】
反対に、共有ファイルを提供した参加者端末において、共有ファイルの共有設定を解除する操作が行われた場合には、一覧リスト生成処理部12は一覧リスト記憶部32に保存されている一覧リストから対応するアイコンを削除する。
【0050】
(2-3)一覧リストの表示
会議サーバの制御部10は、次にステップS143において、表示データ生成処理部14の制御の下、共有画面として表示すべき表示データ(共有画面表示データ)を生成する。すなわち、表示データ生成処理部14は、この段階では、上記一覧リストを一覧リスト記憶部32から読み込み、読み込まれた上記一覧リストのみを含む共有画面表示データを生成する。例えば、共有画面に予め設定された一覧リスト表示領域に、上記一覧リストを配置した表示データを生成する。
【0051】
会議サーバの制御部10は、続いてステップS144において、表示データ送信処理部15の制御の下、生成された上記共有画面表示データを、すべての参加者端末UTに向けて、通信I/F40からオンライン会議用の通信リンクを介して送信する。この結果、各参加者端末UTの表示デバイスには、例えば各参加者の顔画像または参加者IDが一覧表示されているオンライン会議画面上に、上記共有画面が重ねて表示される。従って、各参加者は上記共有画面を見ることにより、共有ファイルの一覧リストを確認することが可能となる。
【0052】
(2-4)共有ファイルの表示
この状態で、例えば共有ファイルの提供元の中心者または参加者が、自身の参加者端末UTにおいて、上記一覧リストのうち共有対象のファイルに対応するアイコンを、例えばクリック操作またはタップ操作により選択したとする。そうすると参加者端末UTから会議サーバSVへ、上記アイコンの選択情報が共有指定情報としてオンライン会議用の通信リンクを介して送信される。
【0053】
これに対し会議サーバSVの制御部10は、上記共有指定情報をステップS146により受信すると、先ず一覧リスト生成処理部12の制御の下、一覧リスト記憶部32に保存されている一覧リストの対応するアイコンの表示形態をデフォルトの「共有待機中」から「共有設定中」を示す形態に変更する。
【0054】
会議サーバSVの制御部10は、続いてステップS143において、表示データ生成処理部14の制御の下、上記共有指定情報により指定されたアイコンに対応する共有ファイルを、共有ファイル記憶部33から選択的に読み出す。そして、読み出された上記共有ファイルと、一覧リスト記憶部32から読み込んだ一覧リストとを、単一の共有画面に表示するための表示データを生成する。例えば、共有画面において、予め設定された一覧リスト表示領域に一覧リストを配置し、かつ共有ファイル表示領域に上記共有ファイルを配置した表示データを生成する。
【0055】
そして会議サーバSVの制御部10は、表示データ送信処理部15の制御の下、ステップS144において、上記生成された表示データを、共有先の各参加者端末UTに向けて通信I/F40からオンライン会議用の通信リンクを介して送信する。
【0056】
この結果、各参加者端末UTの表示デバイスには、上記一覧リストに加え上記指定された共有ファイルが表示された共有画面が表示される。すなわち、各参加者端末UTの表示画面には、上記共有ファイルが強制的に表示される。
【0057】
図6は、表示される共有画面の一例を示したものである。この例では、共有画面DS内の一覧リスト表示領域E1に、3個のアイコンL1,L2,L3が横一列に配置された一覧リストが表示され、共有ファイル表示領域E2に、指定されたアイコンL1に対応する共有ファイルF1が拡大表示された例を示している。
【0058】
なお、上記共有ファイルが表示された状態において、対応する「表示設定中」のアイコンの表示形態は、例えばアイコンを太線の枠で囲うか、表示サイズを大サイズにするか、或いは色彩等の濃度の濃い表示に変更する。一方「共有待機中」のアイコンの表示形態は、アイコンを細線の枠で囲うか、表示サイズを小サイズとするか、或いは色彩等の濃度の薄い表示とする。他の例として、「共有設定中」の場合に、アイコン上に「共有中」等の文字情報を重畳して表示したり、文字情報の代わりに丸や星の形状のマークを表示するようにしてもよい。
【0059】
さらに、一覧リストにおける各アイコンL1,L2,L3のうち、「共有設定中」のファイルに対応するアイコンは上記共有設定中のファイルの縮小画像とし、一方「共有待機中」のアイコンはそのファイルの提供元の参加者の顔画像またはイラスト等を縮小したサムネイル画像に設定するようにしてもよい。
【0060】
以上のように、アイコンの表示形態を設定することで、参加者は一覧リスト表示領域E1を見たときに、どのファイルが共有設定中であるか共有待機中であるかを明確に識別することが可能となる。
【0061】
図8は、共有画面の他の表示例を示したものである。この例では、単一の共有画面DSに、会議参加者の顔画像の一覧G1~G4と、上記アイコンL1,L2,L3が横一列に配置された一覧リストと、その中から選択された共有ファイルF1とがそれぞれ表示された例を示している。
【0062】
また会議サーバSVの制御部10は、参加者端末UTにおいて、共有画面に表示された一覧リストのアイコンが複数選択された場合にも対応可能である。
例えば、会議サーバSVの制御部10は、先ず一覧リスト生成処理部12の制御の下、一覧リスト記憶部32に保存されている一覧リストの対応する複数のアイコン情報の表示形態を「共有設定中」を示す形態に変更する。
【0063】
会議サーバSVの制御部10は、続いて表示データ生成処理部14の制御の下、ステップS143において、選択された上記複数のアイコンにそれぞれ対応する複数の共有ファイルを共有ファイル記憶部33からそれぞれ読み出す。そして、読み出された上記複数の共有ファイルと、上記アイコンの表示形態が変更された一覧リストとを、単一の共有画面に並べて表示するように配置した表示データを生成する。
【0064】
会議サーバSVの制御部10は、表示データ送信処理部15の制御の下、ステップS144において、生成された上記表示データを各参加者端末UTへ通信I/F40からオンライン会議用の通信リンクを介してそれぞれ送信する。
【0065】
この結果、各参加者端末UTの表示デバイスには、共有設定中のアイコンの表示形態が変更された一覧リストと、選択された上記複数の共有ファイルが並べて表示された共有画面が表示される。
【0066】
図7は、その表示結果の一例を示すものである。この例では、一覧リスト表示領域E1に表示された一覧リストのうち2個のアイコンL1,L2が指定され、これにより対応する2個の共有ファイルF1,F2が共有ファイル表示領域E2に並べて表示された例を示している。また、この場合の一覧リストにおける「共有設定中」および「共有待機中」の各アイコンの表示形態も、図6の例で述べた場合と同様に異なるように設定される。
【0067】
(2-5)共有画面における表示属性の設定変更
上記共有画面が表示された状態で、参加者端末UTにおいて、例えば共有ファイル提供者である中心者または参加者が、カーソル操作等により共有画面に表示されている一覧リストまたは共有ファイルに対する表示属性の設定変更操作を行ったとする。表示属性の設定変更の種類には、例えば表示位置、表示サイズ、表示色または表示濃度がある。
【0068】
この場合、会議サーバSVの制御部10は、参加者端末UTから送信される上記表示属性の設定変更の要求をステップS145において受信すると、表示データ生成処理部14の制御の下、ステップS143において、上記表示属性の設定変更の要求により指定された、一覧リストまたは共有ファイルの共有画面内における表示位置、表示サイズ、または表示色もしくは表示濃度を変更した表示データを生成する。そして、表示データ送信処理部15の制御の下、ステップS144により、上記表示属性の設定変更後の表示データを各参加者端末UTへ送信する。
【0069】
かくして、各参加者端末UTの表示デバイスには、一覧リストまたは共有ファイルの表示位置、表示サイズ、または表示色もしくは表示濃度が変更された共有画面が表示される。
【0070】
(2-6)共有ファイルの共有設定の解除
例えば共有ファイルの提供元である中心者または参加者が、参加者端末UTにおいて共有画面に表示中の共有ファイルに対応する一覧リストのアイコンに対し解除操作を行ったとする。この解除操作は、例えば上記アイコンのデリート操作でもよいし、解除用に設けられているソフトウェアボタンのクリックまたはタップ操作でもよい。
【0071】
会議サーバSVの制御部10は、上記共有画面の表示期間中に、上記参加者端末UTによる解除操作をステップS147により検出すると、ステップ148において、先ず一覧リスト生成処理部12の制御の下、上記解除操作により指定された一覧リストのアイコンの表示形態を「共有設定中」から「共有待機中」に復旧させる。
【0072】
続いて表示データ生成処理部14の制御の下、上記共有設定が解除されたアイコンに対応する共有ファイルの表示を、共有画面の共有ファイル表示領域E2から消去した表示データを生成する。そして、表示データ送信処理部15の制御の下、生成された上記表示データを通信I/F40からオンライン会議用の通信リンクを介して各参加者端末UTへ送信する。
【0073】
かくして、各参加者端末UTの表示デバイスには、共有設定の解除により共有ファイルの表示が消去されて、一覧リストのみが表示された共有画面が表示される。
【0074】
なお、例えば図7に示したように複数の共有ファイルF1,F2が並べて表示されている場合には、共有設定が解除された共有ファイルの表示のみが消去され、共有設定が解除されていない共有ファイルの表示は継続される。
【0075】
(3)オンライン会議の終了
会議サーバSVの制御部10は、以上述べたオンライン会議中に、ステップS15において会議終了操作を監視している。そして、会議終了操作が行われなければ、ステップS12に戻り、ステップS12~ステップS14によりオンライン会議のための一連の処理を繰り返し行う。
【0076】
これに対し、例えば中心者がホスト端末UT0において会議終了操作を行ったとする。そうすると、会議サーバSVの制御部10は、先ずステップS16において、会議リンク接続処理部11の制御の下、各参加者端末UTとの間のオンライン会議用通信リンクを切断する。
【0077】
会議サーバSVの制御部10は、続いてステップS17において、会議リンク接続処理部11により、終了したオンライン会議の参加者識別情報を参加者識別情報記憶部31から消去すると共に、一覧リスト生成処理部12により上記会議で使用した一覧リストを一覧リスト記憶部32から消去する。また、共有ファイル取得処理部13の制御の下、終了したオンライン会議において取得された共有ファイルを共有ファイル記憶部33から一括消去する。
【0078】
なお、参加者識別情報は、会議参加履歴としてそのまま参加者識別情報記憶部31に残しておいてもよい。このようにすると、上記参加者識別情報を、後日同一の中心者または参加者によりオンライン会議のスケジュール設定が行われる場合に参考情報として利用することが可能である。
【0079】
(作用・効果)
(1)以上述べたように第1の実施形態では、会議サーバSVにおいて、複数の参加者端末UTから会議資料等のファイルの共有要求を複数受信した場合に、先ず上記複数のファイルに対応するアイコンを並べて配置した一覧リストを生成して、各参加者端末UTへ送信し表示させる。そして、この状態で上記一覧リストにおいて、所望の共有ファイルに対応するアイコンが参加者端末UTにおいて選択操作された場合に、対応する共有ファイルを共有ファイル記憶部33から読み出し、この共有ファイルを上記一覧リストと共に単一の共有画面に表示させる表示データを生成して、参加者端末UTへ送信し表示させるようにしている。
【0080】
従って、会議の参加者は、表示された共有画面に表示された一覧リストにより共有ファイルの一覧を確認することができ、この状態で参加者は一覧リスト中の所望のアイコンを選択操作するだけで、複数の共有ファイルを切替えて表示させることが可能となる。このため、複数の参加者がそれぞれ自身の会議資料等をオンライン会議に提示しようとする場合に、いずれの参加者も共有ファイルの表示切替えを少ない操作で円滑に行えるようになり、これによりオンライン会議の能率を高めることが可能となる。
【0081】
(2)また第1の実施形態では、一覧リスト中の複数のアイコンが選択操作された場合に、対応する複数の共有ファイルを共有画面に並べて表示できるようにしている。このため、例えば複数の会議資料等の共有ファイルを同時に見ながらオンライン会議を進めることが可能となり、これによりオンライン会議の効率をさらに高めることが可能となる。
【0082】
(3)さらに第1の実施形態では、一覧リストにおいて参加者が指定したアイコンの表示形態を、指定されていないアイコンとは異なる形態に変化させるようにしている。このため、一覧リストのアイコンの表示形態から、共有設定中の共有ファイルがどれであるかを容易に確認することができ、これにより共有設定の誤操作等を低減することができる。
【0083】
(4)さらに第1の実施形態では、共有画面に表示される一覧リストまたは共有ファイルの表示属性を、共有ファイルの提供者である参加者が参加者端末UTの操作により設定変更できるようにしている。このため、共有ファイルが多い場合でも、共有画面における一覧リストまたは共有ファイルの表示状態を、参加者の希望により常に最適な状態に設定することが可能となる。
【0084】
[第2の実施形態]
前記第1の実施形態では、会議サーバSVが参加者端末UTから提供される共有ファイルを共有ファイル記憶部33に記憶し、この状態で一覧リストのアイコンが選択操作された場合に、対応する共有ファイルを上記共有ファイル記憶部33から読み出して各参加者端末UTへ強制的に配信し表示させる場合を例にとって説明した。しかし、この発明はそれに限定されるものではなく、例えば各参加者がそれぞれ視認または視聴を希望する自身または他社の共有ファイルを、アイコンの操作により選択的に自身の参加者端末に表示できるようにする構成であってもよい。
【0085】
以下、第2の実施形態について説明する。なお、第2の実施形態における画面表示制御装置の主たる機能は参加者端末UT側に設けられるが、当該機能は第1の実施形態において説明した会議サーバSVが備える画面表示制御装置の機能と基本的に同一なので、ここでも図3を用いて説明を行う。
【0086】
参加者端末UT間がオンライン会議用の通信リンクにより接続された状態で、各参加者端末UTの制御部10は、それぞれ一覧リスト生成処理部12の制御の下、自端末を含む接続中の各参加者端末に対応するアイコンの一覧リストを生成して、自端末の表示画面に表示する。なお、上記アイコンの一覧リストは、会議サーバSVがオンライン会議用の通信リンクの接続先をもとに生成し、各参加者端末UTに送信して表示画面に表示させるようにしてもよい。
【0087】
また、各参加者端末UTは、事前に作成または取得した映像データや音声データ、またはテキストデータ等からなる共有候補となるファイルを、上記オンライン会議用の通信リンクを介して他の参加者端末へ例えばストリーミング配信する。この共有候補となるファイルのストリーミング配信は、各参加者端末UTが、例えばWebRTC(Web Real-Time Communication)機能によりWebブラウザを動作させることで行われる。なお、会議サーバSVを例えばTURN(Traversal Using Relay around NAT)サーバ、またはSFU(Selective Forwarding Unit)サーバとして動作させ、上記各参加者端末UTからそれぞれ送信される共有候補のファイルをすべての参加者端末UTへストリーミング配信するようにしてもよい。
【0088】
この状態で、参加者端末UTにおいて参加者が、表示画面に表示された上記一覧リストのアイコンの一つをクリック操作により選択したとする。そうすると、参加者端末UTの制御部10では、共有ファイル取得処理部13により、選択された上記アイコンに対応する参加者端末から配信されている共有候補のファイルが取得され、取得された上記共有候補のファイルの拡大画像と上記一覧リストの画像とを含む表示データが表示データ生成処理部14により生成される。そして、生成された表示データが表示画面に表示される。
【0089】
例えば、図6に示すように、参加者が自身の端末に対応するアイコンL1を選択操作すると、自身の端末が送信している共有候補のファイルF1が拡大表示される。同様に、他の参加者端末に対応するアイコンL2を選択操作すると、選択された上記アイコンL2に対応する他の参加者端末からストリーミング配信されている共有候補のファイルF2が表示画面に拡大表示される。すなわち、各参加者は一覧リストに表示されたアイコンをクリック操作するだけで、所望の参加者の共有候補のファイルを一つずつ選択して視認または視聴することが可能となる。
【0090】
また、例えば図7に示すように、参加者が自身の端末に対応するアイコンL1と、他の参加者端末に対応するアイコンL2をそれぞれ操作したとする。この場合、上記参加者の端末の表示画面には、上記各アイコンL1,L2に対応する共有候補ファイルF1,F2が並べられた状態で拡大表示される。すなわち、参加者はアイコンの選択操作により、所望の複数の参加者の共有候補ファイルを並べて同時に視認または視聴することが可能となる。
【0091】
なお、上記一覧リストの各アイコンの表示形態は、参加者端末UTの一覧リスト生成処理部12により、例えば以下のように制御される。すなわち、共有候補ファイルを配信中の参加者端末に対応するアイコンついては、例えば共有候補ファイルの縮小画像またはそれに代わるサムネイル画像、もしくはファイル名が使用される。その際、アイコンの周縁を太線で囲ったり、アイコンのサイズを大きく設定するようにしてもよい。一方、共有候補ファイルを配信していない参加者端末に対応するアイコンについては、参加者端末UTのカメラにより撮像された顔画像、予め記憶しておいた参加者の顔画像またはイラスト画像を使用したり、参加者の名前、ニックネーム、イニシャル或いは識別番号等が用いられてもよい。このようにすると、各参加者は、共有候補ファイルが配信中か否かをアイコンの表示形態により容易に判別することが可能となる。
【0092】
さらに第2の実施形態は、共有候補となるファイルの強制的な表示制御機能を備える。この機能は、例えば参加者端末UTの制御部10に共有ファイル強制表示処理部を追加することで実現される。いま、参加者端末UTの一つにおいて、選択中のアイコンが再度クリック操作されたとする。この場合、上記参加者端末UTは、上記共有ファイル強制表示処理部の制御の下で、上記選択操作されたアイコンに対応する共有候補のファイルの強制表示要求を他のすべての参加者端末UTへ送信する。上記強制表示要求を受信すると各参加者端末UTは、共有ファイル強制表示処理部の制御の下で、受信された上記強制表示要求に従い、対応する共有候補ファイルを拡大表示する。
【0093】
またこのとき各参加者端末UTは、一覧リスト生成処理部12の制御の下、上記共有候補ファイルの強制的な表示期間中において、対応するアイコンの表示形態を強制的なファイル共有中であることを示す形態に変化させる。なお、上記強制的なファイル共有状態は、例えば強制的な共有表示のための操作を行った参加者が、対応するアイコンを再度クリック操作することで解除される。この解除処理も共有ファイル強制表示処理部の制御の下で行われる。
【0094】
このようにすることで、参加者は選択中のアイコンを再度操作するだけで、所望の共有候補のファイルを会議参加中のすべての参加者端末UTに強制的に表示させることが可能となる。すなわち、専用の操作ボタン等を設けることなく、また選択表示中の共有候補ファイルの表示を一旦終了してから強制的な表示のための操作を別途行うことなく、共有候補ファイルの強制的な表示およびその解除を行うことが可能となる。以上の共有候補のファイルの強制的な表示処理は、参加者端末UTの制御の下で行われてもよいが、会議サーバSVの制御の下で行われてもよい。
【0095】
[その他の実施形態]
(1)前記第1の実施形態では、参加者端末UTから取得した共有ファイルに対応して一覧リストを生成し、各参加者端末UTへ送信して表示させるようにした。しかし、この発明はこれに限るものではなく、例えば、共有ファイルではなく、複数の参加者に対応して一覧リストを予め生成し、各参加者端末UTに送信して表示させるようにしてもよい。
【0096】
すなわち、会議サーバSVの制御部10は、各参加者端末UTとの間がオンライン会議用の通信リングにより接続されると、参加者識別情報記憶部31に記憶された参加者IDに基づいて、会議に参加中の複数の参加者の各々に対してアイコン表示領域を割り当てた一覧リストを生成する。そして、生成された上記一覧リストの表示データを生成して参加者端末UTに表示させる。
【0097】
この状態で、参加者端末UTにおいて上記一覧リストのアイコンがクリック操作されると、会議サーバSVの制御部10は、操作された上記アイコンに対応する参加者端末UTから共有ファイルを取得する。そして、取得された上記共有ファイルを共有先の参加者端末へ送信し表示させる。このとき会議サーバSVの制御部10は、一覧リストの対応する参加者に割り当てられたアイコンを、取得された上記共有ファイルの例えば縮小画像またはそれに代わるサムネイル画像、もしくはファイル名を示す情報に変更する。なお、共有ファイルが未取得の参加者端末に対応するアイコンについては、参加者の顔画像またはイラスト画像が使用されるが、参加者の名前、ニックネーム、イニシャル或いは識別番号等が用いられてもよい。
【0098】
以上のように構成すると、一覧リストにおける各参加者のアイコン表示領域が予め割り当てられるので、各参加者は一覧リストにおいて自身に割り当てられたアイコンの表示位置を容易に認識することが可能となり、これにより共有ファイルを共有設定しようとする場合の操作を、誤ることなく簡単に行うことが可能となる。
【0099】
(2)前記第1の実施形態では、一覧リストにおいて共有ファイルに対応するアイコンの配置位置を、例えば共有ファイルの取得順に配置するようにした。しかし、この発明はそれに限るものではなく、例えば、オンライン会議期間中に、各参加者の発言量に関する情報を計測し、その計測結果に基づいて、一覧リストにおけるアイコンの配置位置を変更するようにしてもよい。
【0100】
例えば、会議サーバSVの制御部10は、オンライン会議中における各参加者の発言回数または発現頻度をそれぞれ計数する。そして、その計数値が大きい順に、その参加者に対応するアイコンの表示位置が、一覧リストの例えば左端から順に並ぶように配置位置を変更する。或いは、計数値が大きい参加者に対応するアイコンの一覧リストにおける表示位置が、一覧リストの例えば中央部付近に並ぶように配置位置を変更する。
【0101】
一般に、発言回数や発現頻度が多い参加者は会議の中心者であることが多く、この場合中心者の共有ファイルが指定操作されて共有画面に表示される確率は高い。このため、発言回数または発現頻度が多い参加者に対応するアイコンの表示位置が、一覧リスト中の最も目立つ位置になるように配置位置を変更することにより、参加者は共有ファイルの指定操作をより行いやすくなり、これにより会議をさらに円滑に効率良く進めることが可能となる。
【0102】
(3)前記第1および第2の実施形態では、一覧リストとして、共有ファイルに対応する複数のアイコンを横一列に並べて配置した場合を例にとって説明した。しかし、この発明はそれに限るものではなく、一覧リストを、例えば、複数のアイコンを縦一列またはリング状に並べて配置したものとしたり、マトリクス状に二次元配列したものとしてもよい。また、複数のアイコンの一部が重なるように配列されてもよい。このようにすると、アイコンの数が多い場合でも、比較的小さいサイズの一覧リストに多くのアイコンを一覧表示させることが可能となる。
【0103】
さらに、アイコンの構成や形状、サイズ等についてもどのように設定してもよく、また共有画面における一覧リストおよび共有ファイルの表示位置についても、適宜設定可能である。
【0104】
(4)前記第1の実施形態では、共有画面の表示制御に係るすべての処理を会議サーバSVにより一括して実行する場合を例にとって説明した。すなわち、この発明に係る画面表示制御装置のすべての機能を会議サーバSVに設ける場合を例にとって説明した。
【0105】
しかし、この発明はそれに限るものではなく、例えば、会議サーバSVには、一覧リストを生成して、生成された当該一覧リストを、共有設定された共有ファイルと別々に各参加者端末UTへ送信する機能のみを設け、各参加者端末UTが会議サーバSVから受信した上記一覧リストと共有ファイルを編集して共有画面用の表示データを生成し、表示デバイスに表示するようにしてもよい。このようにすると、共有画面の表示制御に係る処理を分散して実行することが可能となり、会議サーバSVの処理負荷を軽減することが可能となる。
【0106】
またこの場合、会議サーバSVにおいて、共有画面の表示レイアウトを生成してこの表示レイアウトを参加者端末UTに事前に通知しておくとよい。このようにすると、各参加者端末UTは会議サーバSVから指定された表示レイアウトに従って、表示レイアウトが統一された共有画面を表示することができる。
【0107】
(5)また第1の実施形態では、会議サーバSVがオンライン会議システムの中核を担う場合を例にとって説明したが、参加者端末のいずれかが会議サーバの機能を担うようにしてもよい。
【0108】
その他、オンライン会議システムの構成やその用途、画面表示制御装置の機能と、制御処理の手順および処理内容、共有ファイルの種類や共有画面における表示領域の形状やサイズ等についても、この発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施可能である。
【0109】
以上、本発明の実施形態を詳細に説明してきたが、前述までの説明はあらゆる点において本発明の例示に過ぎない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができることは言うまでもない。つまり、本発明の実施にあたって、実施形態に応じた具体的構成が適宜採用されてもよい。
【0110】
要するにこの発明は、上記各実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記各実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
【符号の説明】
【0111】
SV…会議サーバ
UT0…ホスト端末
UT,UT1~UTn…参加者端末
NW…ネットワーク
10…制御部
11…会議リンク接続処理部
12…一覧リスト生成処理部
13…共有ファイル取得処理部
14…表示データ生成処理部
15…表示データ送信処理部
20…プログラム記憶部
30…データ記憶部
31…参加者識別情報記憶部
32…一覧リスト記憶部
33…共有ファイル記憶部
40…通信I/F
50…バス
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8