(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022189151
(43)【公開日】2022-12-22
(54)【発明の名称】機械台構造、機械台設置方法、及びエレベーター
(51)【国際特許分類】
B66B 11/04 20060101AFI20221215BHJP
【FI】
B66B11/04 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021097559
(22)【出願日】2021-06-10
(71)【出願人】
【識別番号】000236056
【氏名又は名称】三菱電機ビルソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】竹内 進
【テーマコード(参考)】
3F306
【Fターム(参考)】
3F306AA01
3F306BC04
(57)【要約】
【課題】リニューアル施工を容易に行い易くて、当該施工の製造コストに低減し易い、機械台構造等を提供すること。
【解決手段】機械台構造が、機械室の床壁を支える躯体壁に重なる部分を含んで略鉛直方向に延在する第1乗場側浮かせ台及び第2乗場側浮かせ台、第1及び第2乗場側浮かせ台の上面に固定され、略X方向に延在する第1機械台支持柱、建物の側壁部に固定されると共にY方向に関して第1機械台支持柱よりも乗場から離れた位置に存在し、X方向に互いに間隔をおいて配置される第1及び第2梁部、第1及び第2梁部の上面に第1及び第2構造を介して間接的に固定され、略X方向に延在する第2機械台支持柱、第1及び第2機械台支持柱の上面に固定され、略Y方向に延在する第1機械台、及び第1及び第2機械台支持柱の上面に固定されて略Y方向に延在し、第1機械台に間隔をおいてX方向に対向する第2機械台を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
既設の機械台が設置されているエレベーターの機械室を含む領域に新たに設置される機械台構造であって、
鉛直方向上側から見たときに前記機械室の床壁を支える躯体壁に重なる部分を含んで略鉛直方向に延在すると共に、カゴの幅方向と略平行な第1方向に互いに間隔をおいて配置される第1乗場側浮かせ台及び第2乗場側浮かせ台と、
前記第1乗場側浮かせ台の上面に固定される第1端部、及び前記第2乗場側浮かせ台の上面に固定される第2端部を有して、略前記第1方向に延在する第1機械台支持柱と、
前記エレベーターが設置されている建物の一部を構成するか又はその建物の側壁部に固定されると共に、前記カゴの奥行方向と略平行な第2方向に関して前記第1機械台支持柱よりも前記乗場から離れた位置に存在し、前記第1方向に互いに間隔をおいて配置される第1梁部及び第2梁部と、
前記第1梁部の上面に直接固定されるか又は第1構造を介して間接的に固定される第3端部、及び前記第2梁部の上面に直接固定されるか又は第2構造を介して間接的に固定される第4端部を有して、略前記第1方向に延在する第2機械台支持柱と、
前記第1機械台支持柱の上面に固定される第5端部、及び前記第2機械台支持柱の上面に固定される第6端部を有して略前記第2方向に延在する第1機械台と、
前記第1機械台支持柱の上面に固定される第7端部、及び前記第2機械台支持柱の上面に固定される第8端部を有して略前記第2方向に延在すると共に、前記第1機械台に間隔をおいて前記第1方向に対向する第2機械台と、
を備える、機械台構造。
【請求項2】
前記第2機械台支持柱の前記第3端部が、前記第1梁部の上面に前記第1構造を介して間接的に固定されると共に、前記第2機械台支持柱の前記第4端部が、前記第2梁部の上面に前記第2構造を介して間接的に固定され、
前記第1構造が、前記第1梁部の上面に固定される第9端部、及び前記第2梁部の上面に固定される第10端部を有して、略前記第1方向に延在する奥側浮かせ台支持柱と、前記奥側浮かせ台支持柱の上面に固定されて、略鉛直方向に延在する第1奥側浮かせ台とを含み、
前記第2構造が、前記奥側浮かせ台支持柱と、前記奥側浮かせ台支持柱の上面に固定されて略鉛直方向に延在すると共に、第1奥側浮かせ台に前記第1方向に間隔をおいて配置される第2奥側浮かせ台とを含む、請求項1に記載の機械台構造。
【請求項3】
前記第1梁部及び前記第2梁部が、前記機械室の床壁よりも鉛直方向の上側に位置する、請求項1又は2に記載の機械台構造。
【請求項4】
前記第1梁部、前記第2梁部、及び前記奥側浮かせ台支持柱が、前記機械室の床壁よりも鉛直方向の下側に位置し、
前記機械室の床壁が、前記第1方向に間隔をおいて位置すると共に略鉛直方向に延びる第1貫通孔及び第2貫通孔を有し、
前記第1奥側浮かせ台は、前記第1貫通孔に収容される第1収容部を含み、前記第1奥側浮かせ台の上端部が前記機械室内に位置し、
前記第2奥側浮かせ台は、前記第2貫通孔に収容される第2収容部を含み、前記第2奥側浮かせ台の上端部が前記機械室内に位置する、請求項2に記載の機械台構造。
【請求項5】
前記第1梁部及び前記第2梁部が、前記建物の壁面から水平方向に突出するように前記建物の壁部に締結部材で固定される、請求項1から4のいずれか1項に記載の機械台構造。
【請求項6】
前記第1梁部及び前記第2梁部が、前記建物の一部をなす建築梁であり、
第2機械台支持柱が、前記第1機械台と前記第2機械台を設置する前から存在する既設の前記建築梁を利用して前記建物に固定されている、請求項1から5のいずれか1項に記載の機械台構造。
【請求項7】
請求項1から5のいずれか1項に記載の機械台構造と、
前記第1機械台及び前記第2機械台に支持される巻上機と、
を備える、エレベーター。
【請求項8】
機械台がもう既に設置されているエレベーターの機械室に新たな機械台を設置する機械台の設置方法であって、
鉛直方向上側から見たときに前記機械室の床壁を支える躯体壁に重なる部分を含んで略鉛直方向に延在すると共に、カゴの幅方向と略平行な第1方向に互いに間隔をおいて配置される第1乗場側浮かせ台及び第2乗場側浮かせ台を設置するステップと、
前記第1乗場側浮かせ台の上面、及び前記第2乗場側浮かせ台の上面に固定されると共に、略前記第1方向に延在する第1機械台支持柱を設置するステップと、
前記カゴの奥行方向と略平行な第2方向に関して前記第1機械台支持柱よりも前記乗場から離れた位置に存在し、前記第1方向に互いに間隔をおいて配置される第1梁部及び第2梁部に支持されると共に、略前記第1方向に延在する第2機械台支持柱を設置するステップと、
前記第1機械台支持柱の上面、及び前記第2機械台支持柱の上面に固定されると共に、略前記第2方向に延在する第1機械台を設置するステップと、
前記第1機械台支持柱の上面、及び前記第2機械台支持柱の上面に固定されると共に、前記第1機械台に対して前記第1方向に間隔をおいて配置されて略前記第2方向に延在する第2機械台を設置するステップと、
を含む、機械台の設置方法。
【請求項9】
前記第1梁部、及び前記第2梁部が、前記機械室の床壁よりも鉛直方向の下側に位置し、
前記機械室の床壁よりも鉛直方向の下側に位置すると共に略前記第1方向に延在する奥側浮かせ台支持柱を、前記第1梁部の上面、及び前記第2梁部の上面に設置するステップと、
前記機械室の床壁に、前記第1方向に間隔をおいて位置すると共に略鉛直方向に延びる第1貫通孔及び第2貫通孔を設けるステップと、
略鉛直方向に延在する第1奥側浮かせ台の一部を前記第1貫通孔内に配置すると共に、前記第1奥側浮かせ台の下端部を前記奥側浮かせ台支持柱の上面に固定するステップと、
前記第1奥側浮かせ台の一部を前記第1貫通孔内に配置すると共に、前記第1奥側浮かせ台の下端部を前記奥側浮かせ台支持柱の上面に固定するステップと、
略鉛直方向に延在する第2奥側浮かせ台の一部を前記第2貫通孔内に配置すると共に、前記第2奥側浮かせ台の下端部を前記奥側浮かせ台支持柱の上面に固定するステップと、
前記第2機械台支持柱を、前記第1奥側浮かせ台の上面及び前記第2奥側浮かせ台の上面に固定するステップと、
を含む、請求項8に記載の機械台の設置方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、機械台構造、機械台設置方法、及びエレベーターに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、エレベーターとしては、特許文献1に記載されているように、ピットの上側に機械室を有し、巻上機が、機械室の床部に設置された機械台に支持されているものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
旧建築基準法に適合するように作製された機械台は、現在の建築基準法では、強度不足となる場合がある。ここで、建築基準法は遡及しないので、現在の建築基準法で強度不足となった機械台を現在の建築基準法に適合するように必ずリニューアルする必要はない。しかし、そのような機械台を現在の建築基準法に適合するようにリニューアルして欲しいと要請されることがある。
【0005】
係る背景において、既存の機械台の一部が機械室の壁部に埋め込み固定されていることがある。そのような場合、機械室の壁部を破壊して、既存の機械台を撤去した後、現在の建築基準法に適合する新しい機械台を設置し、その後、破壊した機械室の壁部を復旧させる必要があり、リニューアル施工が大変なものになり易い。
【0006】
そこで、本開示の目的は、リニューアル施工を容易に行い易くて、当該施工の製造コストに低減し易い、機械台構造、機械台設置方法、及びエレベーターを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本開示に係る機械台構造は、既設の機械台が設置されているエレベーターの機械室を含む領域に新たに設置される機械台構造であって、鉛直方向上側から見たときに前記機械室の床壁を支える躯体壁に重なる部分を含んで略鉛直方向に延在すると共に、カゴの幅方向と略平行な第1方向に互いに間隔をおいて配置される第1乗場側浮かせ台及び第2乗場側浮かせ台と、前記第1乗場側浮かせ台の上面に固定される第1端部、及び前記第2乗場側浮かせ台の上面に固定される第2端部を有して、略前記第1方向に延在する第1機械台支持柱と、前記エレベーターが設置されている建物の一部を構成するか又はその建物の側壁部に固定されると共に、前記カゴの奥行方向と略平行な第2方向に関して前記第1機械台支持柱よりも前記乗場から離れた位置に存在し、前記第1方向に互いに間隔をおいて配置される第1梁部及び第2梁部と、前記第1梁部の上面に直接固定されるか又は第1構造を介して間接的に固定される第3端部、及び前記第2梁部の上面に直接固定されるか又は第2構造を介して間接的に固定される第4端部を有して、略前記第1方向に延在する第2機械台支持柱と、前記第1機械台支持柱の上面に固定される第5端部、及び前記第2機械台支持柱の上面に固定される第6端部を有して略前記第2方向に延在する第1機械台と、前記第1機械台支持柱の上面に固定される第7端部、及び前記第2機械台支持柱の上面に固定される第8端部を有して略前記第2方向に延在すると共に、前記第1機械台に間隔をおいて前記第1方向に対向する第2機械台と、を備える。
【0008】
機械室の床壁を支える躯体壁は、支持可能な鉛直方向の荷重が大きく、エレベーターが設置されている建物の一部を構成するか又はその建物の側壁部に固定された第1及び第2梁部も、支持可能な鉛直方向の荷重が大きい。そのような背景において、本開示によれば、第1及び第2機械台を支持する第1及び第2機械台支持柱が、躯体壁並びに第1及び第2梁部に支持される。したがって、新しい第1及び第2機械台を、機械室の側壁部に埋め込み固定しなくても第1及び第2機械台支持柱で確実かつ安定に支持できる。よって、第1及び第2機械台を破壊しなくても、新しい第1及び第2機械台を確実かつ安定的に固定できるので、リニューアル施工を容易に行い易くて、当該施工の製造コストも低減し易い。
【0009】
また、前記第2機械台支持柱の前記第3端部が、前記第1梁部の上面に前記第1構造を介して間接的に固定されると共に、前記第2機械台支持柱の前記第4端部が、前記第2梁部の上面に前記第2構造を介して間接的に固定され、前記第1構造が、前記第1梁部の上面に固定される第9端部、及び前記第2梁部の上面に固定される第10端部を有して、略前記第1方向に延在する奥側浮かせ台支持柱と、前記奥側浮かせ台支持柱の上面に固定されて、略鉛直方向に延在する第1奥側浮かせ台とを含み、前記第2構造が、前記奥側浮かせ台支持柱と、前記奥側浮かせ台支持柱の上面に固定されて略鉛直方向に延在すると共に、第1奥側浮かせ台に前記第1方向に間隔をおいて配置される第2奥側浮かせ台とを含んでもよい。
【0010】
本構成によれば、第1乗場側浮かせ台、第2乗場側浮かせ台、第1奥側浮かせ台、及び第2奥側浮かせ台の高さを調節することで、第1及び第2機械台を第1及び第2旧機械台に干渉しない所望の高さに設置できる。
【0011】
また、前記第1梁部及び前記第2梁部が、前記機械室の床壁よりも鉛直方向の上側に位置してもよい。
【0012】
本構成によれば、機械室の床壁に貫通孔を設けることなく、新たな第1及び第2機械台を設置できる。
【0013】
また、前記第1梁部、前記第2梁部、及び前記奥側浮かせ台支持柱が、前記機械室の床壁よりも鉛直方向の下側に位置し、前記機械室の床壁が、前記第1方向に間隔をおいて位置すると共に略鉛直方向に延びる第1貫通孔及び第2貫通孔を有し、前記第1奥側浮かせ台は、前記第1貫通孔に収容される第1収容部を含み、前記第1奥側浮かせ台の上端部が前記機械室内に位置し、前記第2奥側浮かせ台は、前記第2貫通孔に収容される第2収容部を含み、前記第2奥側浮かせ台の上端部が前記機械室内に位置してもよい。
【0014】
一般的に、機械室の第1方向の幅は、昇降路の第1方向の幅よりも長い。また、奥側浮かせ台支持柱を構成する鋼材、例えば、H鋼、I鋼、溝形鋼等は、長さが長くなる程、強度を担保するためにサイズを大きくしなければならないことが知らせている。
【0015】
そのような背景において、本構成によれば、第1梁部及び第2梁部に掛け渡されるように設置される奥側浮かせ台支持柱の第1方向長さを、それが機械室内に設置される場合と比較して短くできる。したがって、奥側浮かせ台支持柱をコンパクトに構成でき、しかも、奥側浮かせ台支持柱の材料コストを低減できる。
【0016】
また、前記第1梁部及び前記第2梁部が、前記建物の壁面から水平方向に突出するように前記建物の壁部に締結部材で固定されてもよい。
【0017】
本構成によれば、第1梁部及び第2梁部を所望の箇所に設置できる。
【0018】
また、前記第1梁部及び前記第2梁部が、前記建物の一部をなす建築梁であり、第2機械台支持柱が、前記第1機械台と前記第2機械台を設置する前から存在する既設の前記建築梁を利用して前記建物に固定されてもよい。
【0019】
本構成によれば、建物の強度を担保するために建物に設置される既存の建築梁を用いて、第1及び第2機械台を設置できる。したがって、新たに第1及び第2梁部を設置する必要がないため、第1及び第2機械台を、耐垂直荷重性能に優れる建築梁を用いて格段に容易かつ低コストで設置できる。
【0020】
また、本開示のエレベーターは、本開示の機械台構造と、前記第1機械台及び前記第2機械台に支持される巻上機と、を備える。
【0021】
本開示のエレベーターによれば、リニューアル施工を容易に行い易くて、当該施工の製造コストに低減し易い。
【0022】
また、本開示の機械台の設置方法は、機械台がもう既に設置されているエレベーターの機械室に新たな機械台を設置する機械台の設置方法であって、鉛直方向上側から見たときに前記機械室の床壁を支える躯体壁に重なる部分を含んで略鉛直方向に延在すると共に、カゴの幅方向と略平行な第1方向に互いに間隔をおいて配置される第1乗場側浮かせ台及び第2乗場側浮かせ台を設置するステップと、前記第1乗場側浮かせ台の上面、及び前記第2乗場側浮かせ台の上面に固定されると共に、略前記第1方向に延在する第1機械台支持柱を設置するステップと、前記カゴの奥行方向と略平行な第2方向に関して前記第1機械台支持柱よりも前記乗場から離れた位置に存在し、前記第1方向に互いに間隔をおいて配置される第1梁部及び第2梁部に支持されると共に、略前記第1方向に延在する第2機械台支持柱を設置するステップと、前記第1機械台支持柱の上面、及び前記第2機械台支持柱の上面に固定されると共に、略前記第2方向に延在する第1機械台を設置するステップと、前記第1機械台支持柱の上面、及び前記第2機械台支持柱の上面に固定されると共に、前記第1機械台に対して前記第1方向に間隔をおいて配置されて略前記第2方向に延在する第2機械台を設置するステップと、を含む。
【0023】
本開示の機械台の設置方法によれば、リニューアル施工を容易に行い易くて、当該施工の製造コストに低減し易い。
【0024】
また、前記第1梁部、及び前記第2梁部が、前記機械室の床壁よりも鉛直方向の下側に位置し、前記機械室の床壁よりも鉛直方向の下側に位置すると共に略前記第1方向に延在する奥側浮かせ台支持柱を、前記第1梁部の上面、及び前記第2梁部の上面に設置するステップと、前記機械室の床壁に、前記第1方向に間隔をおいて位置すると共に略鉛直方向に延びる第1貫通孔及び第2貫通孔を設けるステップと、略鉛直方向に延在する第1奥側浮かせ台の一部を前記第1貫通孔内に配置すると共に、前記第1奥側浮かせ台の下端部を前記奥側浮かせ台支持柱の上面に固定するステップと、前記第1奥側浮かせ台の一部を前記第1貫通孔内に配置すると共に、前記第1奥側浮かせ台の下端部を前記奥側浮かせ台支持柱の上面に固定するステップと、略鉛直方向に延在する第2奥側浮かせ台の一部を前記第2貫通孔内に配置すると共に、前記第2奥側浮かせ台の下端部を前記奥側浮かせ台支持柱の上面に固定するステップと、前記第2機械台支持柱を、前記第1奥側浮かせ台の上面及び前記第2奥側浮かせ台の上面に固定するステップと、を含んでもよい。
【0025】
本構成によれば、奥側浮かせ台支持柱をコンパクトに構成でき、しかも、奥側浮かせ台支持柱の材料コストを低減できる。
【発明の効果】
【0026】
本開示によれば、リニューアル施工を容易に行い易くて、当該施工の製造コストに低減し易い。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】本開示の一実施形態に係るエレベーターの機械室を鉛直方向上側から見たときの平面図である。
【
図2】上記エレベーターの機械台構造の周辺領域をZ方向上側から見たときの平面図である。
【
図5】変形例の機械台構造における
図3に対応する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下に、本開示に係る実施の形態について添付図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下において複数の実施形態や変形例などが含まれる場合、それらの特徴部分を適宜に組み合わせて新たな実施形態を構築することは当初から想定されている。また、以下の実施例では、図面において同一構成に同一符号を付し、重複する説明を省略する。また、複数の図面には、模式図が含まれ、異なる図間において、各部材における、縦、横、高さ等の寸法比は、必ずしも一致しない。また、以下で説明される構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素であり、必須の構成要素ではない。また、本明細書で、「略」という文言を用いた場合、「大雑把に言って」という文言と同じ意味合いで用いており、「略~」という要件は、人がだいたい~のように見えれば満たされる。例を挙げれば、略円形という要件は、人がだいたい円形に見えれば満たされる。また、以下の説明及び図面において、X方向は、第1方向であり、エレベーター1のカゴ(図示せず)の幅方向に一致し、昇降路2の幅方向にも一致する。また、Y方向は、第2方向であり、カゴの奥行方向に一致する。また、Z方向は、カゴの高さ方向であり、鉛直方向に一致する。X方向、Y方向、及びZ方向は、互いに直交する。
【0029】
図1は、本開示の一実施形態に係るエレベーター1の機械室5を鉛直方向上側から見たときの平面図である。
図1に示すように、エレベーター1は、旧機械台構造10、新機械台構造(以下、単に、機械台構造という)20、巻上機25、及び制御盤50を備える。機械台構造20は、第1及び第2新機械台(以下、単に機械台という)21,26を備え、巻上機25は、第1及び第2機械台21,26上に設置される。
【0030】
エレベーター1の機械室5は、高さ方向に関して昇降路2に重なる第1室5aと、乗場3に重なる第2室5bを含む。巻上機25は、乗場3の昇降路2側の壁面3aよりもY方向の昇降路2側に位置し、制御盤50は、壁面3aよりもY方向の乗場3側に位置する。旧機械台構造10は、第1旧機械台11及び第2旧機械台16で構成され、各旧機械台11,16は、X方向に間隔をおいた状態で略Y方向に延在する。各旧機械台11,16の夫々は、鋼材、例えば、断面コ字状の溝形鋼、I鋼、又はH鋼等で構成され、各旧機械台11,16の夫々のY方向の乗場3側とは反対側の端部は、昇降路2のY方向奥側の壁部6内に埋め込み固定されている。壁部6は、例えば、不燃壁材で構成される。
【0031】
機械台構造20は、既設の旧機械台11,16が設置されているエレベーター1の機械室5を含む領域に新たに設置される。
図2は、機械台構造20の周辺領域をZ方向上側から見たときの平面図であり、
図3は、
図2のA‐A線断面図であり、
図4は、
図2のB-B線断面図である。
図2に示すように、機械台構造20は、X方向に間隔をおいて配置される第1及び第2機械台21,26を有し、各機械台21,26は、略Y方向に延在する。第1及び第2旧機械台11,16の夫々は、X方向に関して第1及び第2機械台21,26で挟まれた領域に位置し、第1及び第2機械台21,26に対してX方向に間隔をおいて位置している。
【0032】
図2~
図4に示すように、機械台構造20は、第1乗場側浮かせ台30、第2乗場側浮かせ台32、第1機械台支持柱35、第1梁部36、第2梁部37、奥側浮かせ台支持柱38、第1奥側浮かせ台40、第2奥側浮かせ台42、及び第2機械台支持柱45を備える。本実施例では、第1乗場側浮かせ台30、第2乗場側浮かせ台32、第1機械台支持柱35、奥側浮かせ台支持柱38、第1奥側浮かせ台40、第2奥側浮かせ台42、及び第2機械台支持柱45の夫々は、SS400鋼で作製されたH鋼で構成される。
【0033】
しかし、第1乗場側浮かせ台30、第2乗場側浮かせ台32、第1機械台支持柱35、奥側浮かせ台支持柱38、第1奥側浮かせ台40、第2奥側浮かせ台42、及び第2機械台支持柱45のうちの1以上は、SS400鋼で作製されたI鋼又は溝形鋼で構成されてもよい。また、第1乗場側浮かせ台30、第2乗場側浮かせ台32、第1機械台支持柱35、奥側浮かせ台支持柱38、第1奥側浮かせ台40、第2奥側浮かせ台42、及び第2機械台支持柱45のうちの1以上は、SS400鋼以外の強度に優れる鋼材、例えば、SS490鋼、又はSS540鋼等で構成されてもよい。
【0034】
図2に示すように、第1乗場側浮かせ台30及び第2乗場側浮かせ台32は、X方向に互いに間隔をおいて配置される。
図3に示すように、第1乗場側浮かせ台30及び第2乗場側浮かせ台32の夫々は、固定手段、例えば、ボルト、溶接部等で機械室5の床壁7に固定される。第1乗場側浮かせ台30及び第2乗場側浮かせ台32の夫々は、鉛直方向上側から見たときに機械室5の床壁7を支える躯体壁8に重なる部分を含み、本実施例の場合には、第1乗場側浮かせ台30及び第2乗場側浮かせ台32の夫々の全てが、鉛直方向上側から見たときに機械室5の床壁7を支える躯体壁8に重なる。躯体壁8は、略鉛直方向に延在する壁であり、床壁7の底面を支える。
【0035】
第1機械台支持柱35は、第1及び第2乗場側浮かせ台30,32の上面に固定される。詳しくは、第1機械台支持柱35は、第1乗場側浮かせ台30の上面にボルト又は溶接等で固定される第1端部35a、及び第2乗場側浮かせ台32の上面に固定される第2端部35bを有して、略X方向に延在する。第1及び第2梁部36,37は、Y方向に関して第1機械台支持柱35よりも乗場3から離れた位置に存在し、X方向に互いに間隔をおいて配置される。また、第1及び第2梁部36,37は、機械室5の床壁7よりも下側に位置する。
【0036】
第1梁部36は、エレベーター1が設置されている建物80において床壁7よりも下側に位置する昇降路2を画定する側壁51のうちでYZ平面に略平行に広がる側壁部51aにアンカーボルト等の締結手段で固定される。また、第2梁部37は、側壁51のうちでYZ平面に略平行に広がると共に、側壁部51aに間隔をおいてX方向に対向する側壁部51bにアンカーボルト等の締結手段で固定される。
【0037】
奥側浮かせ台支持柱38は、第1及び第2梁部36,37の上面に固定される。詳しくは、奥側浮かせ台支持柱38は、第1梁部36の上面に、固定手段、例えば、高力ボルトや溶接等で固定される第9端部38a、及び第2梁部37の上面に、固定手段、例えば、高力ボルトや溶接等で固定される第10端部38bを有して、略X方向に延在する。第1奥側浮かせ台40は、奥側浮かせ台支持柱38の上面に、固定手段、例えば、アンカーボルトや溶接等で固定され、奥側浮かせ台支持柱38の上面から略Z方向に延在する。また、第2奥側浮かせ台42は、奥側浮かせ台支持柱38の上面に、固定手段、例えば、アンカーボルトや溶接等で固定され、奥側浮かせ台支持柱38の上面から略Z方向に延在する。
【0038】
図4に示すように、機械室5の床壁7は、X方向に間隔をおいて位置すると共に略鉛直方向に延びる第1貫通孔60及び第2貫通孔61を有する。第1奥側浮かせ台40は、第1貫通孔60に収容される第1収容部40aを含み、第1奥側浮かせ台40の上端部40bは機械室5内に位置している。また、第2奥側浮かせ台42は、第2貫通孔61に収容される第2収容部42aを含み、第2奥側浮かせ台42の上端部42bは機械室5内に位置している。第1貫通孔60及び第2貫通孔61の夫々は、例えば、床壁7をはつることで形成される。第1奥側浮かせ台40は、第2奥側浮かせ台42と略同一であり、第2奥側浮かせ台42に間隔をおいてX方向に対向する。第1奥側浮かせ台40の上面と、第2奥側浮かせ台42の上面は、機械室5内における略同じ高さに位置している。
【0039】
第2機械台支持柱45は、第1及び第2奥側浮かせ台40,42上に設置される。詳しくは、第2機械台支持柱45は、第1奥側浮かせ台40の上面に、固定手段、例えば、ボルトや溶接等で固定される第3端部45aと、第2奥側浮かせ台42の上面に、固定手段、例えば、ボルトや溶接等で固定される第4端部45bとを有して、略X方向に延在する。
【0040】
図2に示すように、第1機械台21は、第1及び第2機械台支持柱35,45の上面に設置される。詳しくは、第1機械台21は、第1機械台支持柱35の上面に、固定手段、例えば、ボルトや溶接等で固定される第5端部21a、及び第2機械台支持柱45の上面に、固定手段、例えば、ボルトや溶接等で固定される第6端部21bを有して、略第Y方向に延在する。
【0041】
また、第2機械台26は、第1及び第2機械台支持柱35,45の上面に設置される。詳しくは、第1機械台26は、第2機械台支持柱45の上面に、固定手段、例えば、ボルトや溶接等で固定される第7端部26a、及び第2機械台支持柱45の上面に、固定手段、例えば、ボルトや溶接等で固定される第8端部26bを有して、略第2方向に延在する。第2機械台26は、第1機械台21に間隔をおいて第1方向に対向する。
【0042】
なお、第1及び第2機械台21,26が、第1及び第2旧機械台11,16よりもX方向外側に位置し、
図2に示す平面図において、第1及び第2旧機械台11,16が、第1及び第2機械台21,26で画定されるスペースに存在している。しかし、第1及び第2機械台21,26は、第1及び第2旧機械台11,16よりもX方向内側に位置してもよく、第1及び第2機械台21,26は、高さ方向から見たときに第1及び第2旧機械台11,16に重なる位置に存在してもよい。
【0043】
また、
図4に示すように、第1及び第2奥側浮かせ台40,42は、第1及び第2旧機械台11,16に対して間隔をおいた状態でX方向外側に位置している。しかし、第1及び第2奥側浮かせ台40,42は、第1及び第2旧機械台11,16に接触する位置に配置されてもよい。
【0044】
以上、機械台構造20は、既設の旧機械台11,16が設置されているエレベーター1の機械室5を含む領域に新たに設置される。機械台構造20は、鉛直方向上側から見たときに機械室5の床壁7を支える躯体壁に重なる部分を含む第1乗場側浮かせ台30及び第2乗場側浮かせ台32を備える。第1乗場側浮かせ台30及び第2乗場側浮かせ台32は、X方向(カゴの幅方向と略平行な第1方向)に互いに間隔をおいて配置され、第1乗場側浮かせ台30及び第2乗場側浮かせ台32の夫々は、略鉛直方向に延在する。また、機械台構造20は、第1乗場側浮かせ台30の上面に固定される第1端部35a、及び第2乗場側浮かせ台32の上面に固定される第2端部35bを有して、略X方向に延在する第1機械台支持柱35を備える。また、機械台構造20は、エレベーター1が設置されている建物80の側壁部51a,51bに固定される第1梁部36及び第2梁部37を備える。第1梁部36及び第2梁部37は、X方向に互いに間隔をおいて配置される。第1梁部36及び第2梁部37の夫々は、Y方向(カゴの奥行方向と略平行な第2方向)に関して第1機械台支持柱35よりも乗場3から離れた位置に存在する。
【0045】
また、機械台構造20は、第1梁部36の上面に第1構造65(
図4参照)を介して間接的に固定される第3端部45a、及び第2梁部37の上面に第2構造70(
図4参照)を介して間接的に固定される第4端部45bを有して略X方向に延在する第2機械台支持柱45を備える。また、機械台構造20は、第1機械台支持柱35の上面に固定される第5端部21a、及び第2機械台支持柱45の上面に固定される第6端部21bを有して略Y方向に延在する第1機械台21を備える。また、機械台構造20は、第1機械台支持柱35の上面に固定される第7端部26a、及び第2機械台支持柱45の上面に固定される第8端部26bを有して略Y方向に延在する第2機械台26を備える。第1機械台21と、第2機械台26とは、間隔をおいた状態でX方向に対向する。
【0046】
機械室5の床壁7を支える躯体壁8は、支持可能な鉛直方向の荷重が大きく、エレベーター1が設置されている建物80の側壁部51a,51bに固定された第1及び第2梁部36,37も、支持可能な鉛直方向の荷重が大きい。そのような背景において、本開示によれば、第1及び第2機械台21,26を支持する第1及び第2機械台支持柱35,45が、躯体壁8並びに第1及び第2梁部36,37に支持される。したがって、新しい第1及び第2機械台21,26を、機械室5の側壁部51a,51bに埋め込み固定しなくても第1及び第2機械台支持柱35,45で確実かつ安定に支持できる。よって、機械室5の壁部6を破壊しなくても、新しい第1及び第2機械台21,26を確実かつ安定的に固定できるので、リニューアル施工を容易に行い易くて、当該施工の製造コストも低減し易い。
【0047】
また、第1構造65が、奥側浮かせ台支持柱38と、第1奥側浮かせ台40とを有してもよい。また、奥側浮かせ台支持柱38は、第1梁部36の上面に固定される第9端部38a、及び第2梁部37の上面に固定される第10端部38bを有して、略X方向に延在してもよい。また、第1奥側浮かせ台40は、奥側浮かせ台支持柱38の上面に固定されて、略鉛直方向に延在してもよい。また、第2構造70が、奥側浮かせ台支持柱38と、第2奥側浮かせ台42とを有してもよい。また、第2奥側浮かせ台42は、奥側浮かせ台支持柱38の上面に固定されて略鉛直方向に延在してもよい。また、第2奥側浮かせ台42は、第1奥側浮かせ台40にX方向に間隔をおいて配置されてもよい。
【0048】
本構成によれば、第1乗場側浮かせ台30、第2乗場側浮かせ台32、第1奥側浮かせ台40、及び第2奥側浮かせ台42の高さを調節することで、第1及び第2機械台21,26を第1及び第2旧機械台11,16に干渉しない所望の高さに設置できる。
【0049】
また、第1梁部36、第2梁部37、及び奥側浮かせ台支持柱38が、機械室5の床壁7よりも鉛直方向の下側に位置してもよい。また、機械室5の床壁7が、X方向に間隔をおいて位置すると共に略鉛直方向に延びる第1貫通孔60及び第2貫通孔61を有してもよい。また、第1奥側浮かせ台40は、第1貫通孔60に収容される第1収容部40aを含み、第1奥側浮かせ台40の上端部40bが機械室5内に位置してもよい。また、第2奥側浮かせ台42は、第2貫通孔61に収容される第2収容部42aを含み、第2奥側浮かせ台42の上端部42bが機械室5内に位置してもよい。
【0050】
一般的に、機械室5のX方向の幅t1(
図1参照)は、昇降路2のX方向の幅t2(
図1参照)よりも長い事が多い。また、奥側浮かせ台支持柱38を構成する鋼材、例えば、H鋼、I鋼、溝形鋼等は、長さが長くなる程、強度を担保するためにサイズを大きくしなければならないことが知られている。
【0051】
本構成によれば、第1梁部36及び第2梁部37に掛け渡されるように設置される奥側浮かせ台支持柱38のX方向長さを、それが機械室5内に設置される場合と比較して短くできる。したがって、奥側浮かせ台支持柱38をコンパクトに構成でき、しかも、奥側浮かせ台支持柱38の材料コストを低減できる。
【0052】
また、第1梁部36及び第2梁部37が、建物80の壁面から水平方向に突出するように建物80の側壁部51a,51bに締結部材、例えば、アンカーボルトで固定されてもよい。
【0053】
本構成によれば、第1梁部36及び第2梁部37を所望の箇所に設置できる。
【0054】
また、本開示のエレベーターは、機械台構造20と、第1機械台21及び第2機械台26に支持される巻上機25と、を備える。本開示のエレベーター1によれば、リニューアル施工を容易に行い易くて、当該施工の製造コストに低減し易い。
【0055】
また、本開示の機械台21,26の設置方法は、旧機械台11,16がもう既に設置されているエレベーター1の機械室5に新たな機械台21,26を設置する機械台21,26の設置方法である。その設置方法は、鉛直方向上側から見たときに機械室5の床壁7を支える躯体壁8に重なる部分を含んで略鉛直方向に延在すると共にX方向に互いに間隔をおいて配置される第1乗場側浮かせ台40及び第2乗場側浮かせ台42を設置するステップを含む。また、その設置方法は、第1乗場側浮かせ台40の上面、及び第2乗場側浮かせ台42の上面に固定されると共に略X方向に延在する第1機械台支持柱35を設置するステップを含む。また、その設置方法は、Y方向に関して第1機械台支持柱35よりも乗場3から離れた位置に存在し、X方向に互いに間隔をおいて配置される第1梁部36及び第2梁部37に支持されると共に、略X方向に延在する第2機械台支持柱45を設置するステップを含む。また、その設置方法は、第1機械台支持柱35の上面、及び第2機械台支持柱45の上面に固定されると共に、略Y方向に延在する第1機械台21を設置するステップを含む。また、その設置方法は、第1機械台支持柱35の上面、及び第2機械台支持柱45の上面に固定されると共に、第1機械台21に対してX方向に間隔をおいて配置されて略Y方向に延在する第2機械台26を設置するステップを含む。
【0056】
本開示の機械台21,26の設置方法によれば、リニューアル施工を容易に行い易くて、当該施工の製造コストに低減し易い。
【0057】
また、本開示の機械台21,26の設置方法において、第1梁部36、及び第2梁部37が、機械室5の床壁7よりも鉛直方向の下側に位置してもよい。また、本開示の設置方法は、機械室5の床壁7よりも鉛直方向の下側に位置すると共に略X方向に延在する奥側浮かせ台支持柱38を、第1梁部36の上面、及び第2梁部37の上面に設置するステップを含んでもよい。また、本開示の設置方法は、機械室5の床壁7に、X方向に間隔をおいて位置すると共に略鉛直方向に延びる第1貫通孔60及び第2貫通孔61を設けるステップを含んでもよい。また、本開示の設置方法は、略鉛直方向に延在する第1奥側浮かせ台40の一部を第1貫通孔60内に配置すると共に、第1奥側浮かせ台40の下端部を奥側浮かせ台支持柱38の上面に固定するステップを含んでもよい。また、本開示の設置方法は、略鉛直方向に延在する第2奥側浮かせ台42の一部を第2貫通孔61内に配置すると共に、第2奥側浮かせ台42の下端部を奥側浮かせ台支持柱38の上面に固定するステップを含んでもよい。また、本開示の設置方法は、第2機械台支持柱45を、第1奥側浮かせ台40の上面及び第2奥側浮かせ台42の上面に固定するステップを含んでもよい。
【0058】
本構成によれば、奥側浮かせ台支持柱38をコンパクトに構成でき、しかも、奥側浮かせ台支持柱38の材料コストを低減できる。
【0059】
なお、本開示は、上記実施形態およびその変形例に限定されるものではなく、本願の特許請求の範囲に記載された事項およびその均等な範囲において種々の改良や変更が可能である。
【0060】
例えば、上記実施形態では、第1梁部36及び第2梁部37が、機械室5の床壁7よりも鉛直方向下側に位置していた。しかし、本開示の機械台構造では、第1梁部及び第2梁部が、機械室の床壁よりも鉛直方向上側に位置してもよい。本構成によれば、機械室の床壁に貫通孔を設けることなく、新たな第1及び第2機械台を設置できる。
【0061】
また、第2機械台支持柱45が、第1梁部36の上面に第1構造65を介して間接的に固定される第3端部45a、及び第2梁部37の上面に第2構造70を介して間接的に固定される第4端部45bを有して、略X方向に延在する場合について説明した。しかし、第1及び第2梁部が、機械室内に位置している場合において、第2機械台支持柱は、第1梁部の上面に直接固定される第3端部、及び第2梁部の上面に直接固定される第4端部を有して、略X方向に延在してもよい。本構成によれば、機械台構造を格段にコンパクトに作製でき、作製に要する工数、及び製造コストも大幅に低減できる。
【0062】
また、
図5、すなわち、変形例の機械台構造120における
図3に対応する断面図に示すように、機械台構造120は、第1梁部及び第2梁部(図示せず)が、建物180の一部をなす建築梁136でもよい。そして、第2機械台支持柱45が、第1機械台21と第2機械台を設置する前から存在する既設の建築梁136を利用して建物180に固定されてもよい。
【0063】
本構成によれば、建物180の強度を担保するために建物180に設置される既存の建築梁136を用いて、第1及び第2機械台21を設置できる。したがって、新たに第1及び第2梁部を設置する必要がないため、第1及び第2機械台21を、耐垂直荷重性能に優れる建築梁136を用いて格段に容易かつ低コストで設置できる。
【符号の説明】
【0064】
1 エレベーター、 2 昇降路、 3 乗場、 3a 壁面、 5 機械室、 5a 第1室、 5b 第2室、 6 壁部、 7 床壁、 8 躯体壁、 10 旧機械台構造、 11 第2旧機械台、 16 第2旧機械台、 20,120 機械台構造、 21 第1機械台、 21a 第5端部、 21b 第6端部、 25 巻上機、 26 第2機械台、 26a 第7端部、 26b 第8端部、 30 第1乗場側浮かせ台、 32 第2乗場側浮かせ台、 35 第1機械台支持柱、 35a 第1端部、 35b 第2端部、 36 第1梁部、 37 第2梁部、 38 奥側浮かせ台支持柱、 38a 第9端部、 38b 第10端部、 40 第1奥側浮かせ台、 40a 第1収容部、 40b 上端部、 42 第2奥側浮かせ台、 42a 第2収容部、 42b 上端部、 45 第2機械台支持柱、 45a 第3端部、 45b 第4端部、 50 制御盤、 51 側壁、 51a,51b 側壁部、 60 第1貫通孔、 61 第2貫通孔、 65 第1構造、 70 第2構造、 80,180 建物、 136 建築梁。