(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022189152
(43)【公開日】2022-12-22
(54)【発明の名称】情報管理システム、情報管理方法及び情報管理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/08 20120101AFI20221215BHJP
G06Q 10/06 20120101ALI20221215BHJP
【FI】
G06Q50/08
G06Q10/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021097560
(22)【出願日】2021-06-10
(71)【出願人】
【識別番号】000000549
【氏名又は名称】株式会社大林組
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】池田 雄一
(72)【発明者】
【氏名】本谷 淳
(72)【発明者】
【氏名】塩坂 靖彦
(72)【発明者】
【氏名】▲濱▼村 明子
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA09
5L049CC07
(57)【要約】
【課題】建設工事の進捗度を管理するための情報管理システム、情報管理方法及び情報管理プログラムを提供する。
【解決手段】管理サーバ20は、構造物の建設工事に用いる部品の識別情報を含むBIM情報を記録するBIM情報記憶部22と、ユーザ端末10に接続される制御部21とを備える。そして、制御部21が、部品の識別情報、実績状況を取得して部品情報記憶部23に記録する。そして、ユーザ端末10から、検索対象の期間、実績状況及び前記構造物の部位に関する検索条件を取得し、BIM情報記憶部22において検索条件に対応する部品であって、部品情報記憶部23において検索条件に対応する実績状況の部品の識別情報を特定し、部品のBIM情報に含まれる構造物の構成に関わる数量を用いて、前記建設工事の進捗度を算出するための数量を総計する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造物の建設工事に用いる部品の識別情報を含むBIM情報を記録するBIM情報記憶部と、
ユーザ端末に接続される制御部と、を備えた情報管理システムであって、
前記制御部が、
部品の識別情報、実績状況を取得して部品情報記憶部に記録する登録処理と、
前記ユーザ端末から、検索対象の期間、実績状況及び前記構造物の部位に関する検索条件を取得し、
前記BIM情報記憶部において前記検索条件に対応する部品であって、前記部品情報記憶部において前記検索条件に対応する実績状況の部品の識別情報を特定し、
前記部品のBIM情報に含まれる構造物の構成に関わる数量を用いて、前記建設工事の進捗度を算出するための数量を総計する出力処理と、を実行することを特徴とする情報管理システム。
【請求項2】
構造物の建設工事に用いる部品の識別情報を含むBIM情報を記録するBIM情報記憶部と、
ユーザ端末に接続される制御部と、を備えた情報管理システムを用いて、情報を管理する方法であって、
前記制御部が、
部品の識別情報、実績状況を取得して部品情報記憶部に記録する登録処理と、
前記ユーザ端末から、検索対象の期間、実績状況及び前記構造物の部位に関する検索条件を取得し、
前記BIM情報記憶部において前記検索条件に対応する部品であって、前記部品情報記憶部において前記検索条件に対応する実績状況の部品の識別情報を特定し、
前記部品のBIM情報に含まれる構造物の構成に関わる数量を用いて、前記建設工事の進捗度を算出するための数量を総計する出力処理と、を実行することを特徴とする情報管理方法。
【請求項3】
構造物の建設工事に用いる部品の識別情報を含むBIM情報を記録するBIM情報記憶部と、
ユーザ端末に接続される制御部と、を備えた情報管理システムを用いて、情報を管理するためのプログラムであって、
前記制御部を、
部品の識別情報、実績状況を取得して部品情報記憶部に記録する登録処理と、
前記ユーザ端末から、検索対象の期間、実績状況及び前記構造物の部位に関する検索条件を取得し、
前記BIM情報記憶部において前記検索条件に対応する部品であって、前記部品情報記憶部において前記検索条件に対応する実績状況の部品の識別情報を特定し、
前記部品のBIM情報に含まれる構造物の構成に関わる数量を用いて、前記建設工事の進捗度を算出するための数量を総計する出力処理と、を実行する手段として機能させることを特徴とする情報管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建設工事の進捗度の管理を支援する情報管理システム、情報管理方法及び情報管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
建設工事においては、多くの資材などの部品を用いて建造物を作る。このような建造物の部品は、所定の流通過程を経て、建設現場で用いられる。このような部品のトレーサビリティを記録するとともに、作業者が部品の流通履歴を把握するための技術が検討されている(例えば、特許文献1参照。)。この特許文献1に開示された技術においては、作業者が端末コンピュータに特定の部品の識別情報を与える。この場合、それに対応する流通履歴データがホストコンピュータから端末コンピュータに送信されて、その流通履歴データの値が端末の表示デバイスに表示される。端末コンピュータに、手元の候補部品の識別情報、特定部品の識別情報を入力すると、両者の対比結果が表示デバイスに表示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、建設に用いる部品については、流通履歴の管理だけではなく、工事完了等の出来高を管理する必要がある。具体的には、工事の施工業者に対して、工事の目的物の進捗に応じて、できあがった部分(出来形)に相応する請負代金(出来高)を支払ことがある。この場合、工事の途中で出来高検査を行ない、出来形を金額に換算した出来高を算出する。この出来高検査では、工事の施工内容によって、出来形の評価単位が異なり、計算に手間がかかっていた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するための情報管理システムは、構造物の建設工事に用いる部品の識別情報を含むBIM情報を記録するBIM情報記憶部と、ユーザ端末に接続される制御部と、を備える。そして、前記制御部が、部品の識別情報、実績状況を取得して部品情報記憶部に記録する登録処理と、前記ユーザ端末から、検索対象の期間、実績状況及び前記構造物の部位に関する検索条件を取得し、前記BIM情報記憶部において前記検索条件に対応する部品であって、前記部品情報記憶部において前記検索条件に対応する実績状況の部品の識別情報を特定し、前記部品のBIM情報に含まれる構造物の構成に関わる数量を用いて、前記建設工事の進捗度を算出するための数量を総計する出力処理と、を実行する。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、建設工事の進捗度を効率的に管理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図3】実施形態のBIM情報記憶部に記録された情報の説明図。
【
図4】実施形態の部品情報記憶部に記録された情報の説明図。
【
図5】実施形態の関連情報記憶部に記録された情報の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、
図1~
図19に従って、情報管理システム、情報管理方法及び情報管理プログラムの一実施形態を説明する。本実施形態では、建設工事の進捗の状況(進捗度)を管理する情報管理システムとして説明する。この進捗度は、構造物の構成において出来方を示す指標である。また、本実施形態では、建設工事として建物(構造物)の建築工事を想定する。
【0009】
例えば、
図18に示すように、構造物a1の建設に用いられる部品m1は工場f1で製造され(ステップS1)、工場f1の保管場所にて保管する。そして、部品を貨物車v1に積載することによって出荷し(ステップS2)、工場f1から工事現場f2へ輸送する。
【0010】
部品m1を工事現場f2に搬入して(ステップS3)、工事現場f2のストックヤードに一時保管する。このストックヤードから、部品m1を用いて施工を行なう作業ヤードまで搬送する。作業ヤードでは、必要に応じて複数の部品を組み立てる地組作業を行なう。
【0011】
そして、タワークレーン等を用いて、作業ヤードから揚重して、部品m1の設置(建方)作業を行なう(ステップS4)。更に、構造物a1の建方に用いられた部品m1は検査される(ステップS5)。
【0012】
この部品m1の追跡可能性(トレーサビリティ)を実現するため、各部品には、固有の識別情報が割り当てられている。固有の識別情報として、例えば、名称、シリアル番号又は製造番号等が用いられる。
【0013】
本実施形態では、
図19に示すように、部品m1の表面には、コード画像C1が付されている。コード画像C1は一次元コード又は二次元コードであり、例えばQRコード(登録商標)を用いることができる。
【0014】
コード画像C1は、部品m1に割り当てられた固有の識別情報(固有コード)をエンコードしたものである。コード画像C1は、工場f1にて部品m1の製造中又は製造後に、部品m1に付される。コード画像C1の値、つまり固有コードによって、そのコード画像C1が付された部品m1を識別することができる。
本実施形態では、
図1に示すように、ネットワークを介して接続されたユーザ端末10、管理サーバ20を用いる。
【0015】
(ハードウェア構成の説明)
図2を用いて、ユーザ端末10、管理サーバ20を構成する情報処理装置H10のハードウェア構成を説明する。情報処理装置H10は、通信装置H11、入力装置H12、表示装置H13、記憶装置H14、プロセッサH15を備える。なお、このハードウェア構成は一例であり、他のハードウェアにより実現することも可能である。
【0016】
通信装置H11は、他の装置との間で通信経路を確立して、データの送受信を実行するインタフェースであり、例えばネットワークインタフェースや無線インタフェース等である。
【0017】
入力装置H12は、各種情報の入力を受け付ける装置であり、例えばマウスやキーボード等である。表示装置H13は、各種情報を表示するディスプレイ等である。
記憶装置H14は、ユーザ端末10、管理サーバ20の各種機能を実行するためのデータや各種プログラムを格納する。記憶装置H14の一例としては、ROM、RAM、ハードディスク等がある。
【0018】
プロセッサH15は、記憶装置H14に記憶されるプログラムやデータを用いて、ユーザ端末10、管理サーバ20における各処理を制御する。プロセッサH15の一例としては、例えばCPUやMPU等がある。このプロセッサH15は、ROM等に記憶されるプログラムをRAMに展開して、各処理のための各種プロセスを実行する。
【0019】
プロセッサH15は、自身が実行するすべての処理についてソフトウェア処理を行なうものに限られない。例えば、プロセッサH15は、自身が実行する処理の少なくとも一部についてハードウェア処理を行なう専用のハードウェア回路(例えば、特定用途向け集積回路:ASIC)を備えてもよい。すなわち、プロセッサH15は、以下で構成し得る。
〔1〕コンピュータプログラム(ソフトウェア)に従って動作する1つ以上のプロセッサ
〔2〕各種処理のうち少なくとも一部の処理を実行する1つ以上の専用のハードウェア回路
〔3〕それらの組み合わせ、を含む回路(circuitry)
プロセッサは、CPU並びに、RAM及びROM等のメモリを含み、メモリは、処理をCPUに実行させるように構成されたプログラムコード又は指令を格納している。メモリすなわちコンピュータ可読媒体は、汎用又は専用のコンピュータでアクセスできるあらゆる利用可能な媒体を含む。
【0020】
(システム構成)
次に、
図1を用いて、情報管理システムの各機能を説明する。
ユーザ端末10は、建築工事を管理する担当者が用いるコンピュータ端末である。ユーザ端末10は、コードリーダを備える。このコードリーダは、部品m1に付されたコード画像C1を読み込む装置である。ユーザ端末10が、部品m1に付されたコード画像C1にエンコードされた識別情報(固有コード)をデコードして取得する。
【0021】
管理サーバ20は、工事現場で用いる部品の管理を支援するコンピュータシステムである。この管理サーバ20は、制御部21、BIM情報記憶部22、部品情報記憶部23、関連情報記憶部24を備える。
【0022】
制御部21は、工事現場で用いる部品の管理を支援する。このために、制御部21は、設計プログラムを実行することにより、設計処理部211として機能する。更に、制御部21は、部品管理プログラムを実行することにより、部品管理部212として機能する。
【0023】
設計処理部211は、BIM(Building Information Modeling)アプリケーションによりBIM情報を作成する処理を実行する。
部品管理部212は、各工程で用いる部品の情報(グループ、計画日、ファイル)の登録処理、工事現場で用いる部品に関する情報の確認処理を実行する。
【0024】
図3に示すように、BIM情報記憶部22には、BIMアプリケーションにより作成されたBIM情報220が記録される。このBIM情報220は、3次元CADを用いて、建築物の設計を行なった場合に記録される。BIM情報220は、プロジェクトコード、固有コード、製品名、要素モデル、配置、属性を含んで構成される。BIM情報220には、工程コードが関連付けられている。
【0025】
プロジェクトコードは、各プロジェクト(工事現場)を特定するための識別子である。
固有コードは、このプロジェクトで用いる要素(部品)を特定するための識別子である。
【0026】
製品名は、この要素(部品)の名称である。
要素モデルは、この要素(部品)の3次元モデル(オブジェクト)である。
配置は、各要素モデルを配置する座標に関する情報である。
【0027】
属性は、この要素の属性情報(仕様、寸法、重量、素材等)である。この属性には、施工業者による出来高を算出するための進捗度を評価するための数量220aが含まれる。他追えば、数量220aとしては、寸法、重量、寸法から算出される体積や面積等の何れかを用いることができる。また、この属性には、工区や構造材名(例えば、「2階・工区A・床」、「3階・工区B・壁」、「3階・工区C・柱」等)に関する情報が含まれる。
工程コードは、この要素の部品が製造されて、流通段階における現在の状況を特定する識別子である。初期状態では空欄であり、この部品が各工程で用いられて流通し始めると、現在の工程(「出荷」、「搬入」、「建方」、「検査」)を示す識別子が記録される。
【0028】
図4に示すように、部品情報記憶部23には、部品管理データ230が記録される。この部品管理データ230は、部品を用いた工程の登録が行なわれた場合に記録される。部品管理データ230には、プロジェクトコード、固有コードに関する情報が記録される。更に、この部品の流通段階毎に、工程コード、グループコード、計画日、実績日に関する情報が記録される。
【0029】
プロジェクトコードは、各プロジェクト(工事現場)を特定するための識別子である。
固有コードは、このプロジェクトで用いる要素(部品)を特定するための識別子である。
【0030】
工程コードは、部品が取り扱われる流通段階の工程を特定するための識別子である。
グループコードは、部品が属するグループを特定するための識別子である。このグループでは、例えば、資材の部位として一体で取り扱う部品や、同じ工区(フロア、領域)で用いる部品等のように、共通して取り扱われる部品が取りまとめられている。
【0031】
計画日は、この部品が、流通段階の工程で使用が予定された年月日である。
実績日は、この部品が、流通段階の工程で実際に用いられた年月日である。ここでは、2次元コード等を用いて実績が登録された年月日を用いる。工程コード(実績工程)及び実績日により、この部品の実績状況を特定できる。
【0032】
図5に示すように、関連情報記憶部24には、部品に関連する関連書類240が記録される。本実施形態では、関連書類240として、建築工事にかかわる書類(電子データ)であればよく、備考情報、画像、図面類、品質管理書類、工数管理情報、契約(単価)情報等のファイルを含む。備考情報は、担当者が入力した部品に関するコメント(例えば、キズの所在)が記録されたファイルである。画像は、担当者が撮影等した部品に関する写真のファイルである。図面類は、部品の図面(発注図面、完成図面等)のファイルである。品質管理書類は、部品の検査結果を記録したファイルである。工数管理情報には、各工程で用いた部品に応じて、建設工事の進捗度を計算する評価単位に関するデータが記録される。例えば、壁の内装の場合には、面積で評価するため、評価単位として「平方メートル」を用いる。コンクリートの場合には、体積で評価するため、評価単位として「立方メートル」を用いる。契約(単価)情報は、出来形に応じて支払額(出来高)を算出するための単価に関するデータが記録される。この関連書類240には、管理データ241が関連付けられている。この管理データ241は、関連書類240を分類するために用いられ、プロジェクトコード、固有コード、工程コード、ファイル種別に関するデータを含む。
【0033】
プロジェクトコードは、各プロジェクト(工事現場)を特定するための識別子である。
固有コードは、このプロジェクトで用いる要素(部品)を特定するための識別子である。
【0034】
工程コードは、関連書類240が登録された工程を特定するための識別子である。なお、関連書類240を工程とは無関係に登録することも可能である。この場合には、管理データ241に、工程コードは記録されない。
ファイル種別は、この部品に関連する関連書類240の種別を特定するための識別子である。
【0035】
(初期登録処理)
次に、
図6を用いて、初期登録処理S100を説明する。
【0036】
ここでは、まず、管理サーバ20の制御部21は、設計処理を実行する(ステップS101)。具体的には、構造物の設計を行なう場合には、設計担当者は、BIMアプリケーションを実行させることにより、制御部21の設計処理部211を起動する。この場合、設計処理部211は、ユーザ端末10の表示装置H13にCAD画面を出力する。そして、担当者は、プロジェクトコードを設定して、CAD画面において各建築要素の3次元モデルを配置することにより、建物を設計する。この場合、設計処理部211は、各要素モデルに、建築要素の属性情報(プロパティ)を設定する。この段階で、数量220aも設定される。そして、設計の完了入力を検知した場合、設計処理部211は、BIM情報220をBIM情報記憶部22に記録する。この段階では、BIM情報220の工程コードは空欄である。
【0037】
そして、管理サーバ20の制御部21は、モード選択処理を実行する(ステップS102)。具体的には、部品の管理を行なう場合、担当者は、部品管理プログラムを実行させることにより、部品管理部212を起動する。
この場合、ユーザ端末10の表示装置H13にモード選択画面を出力する。
【0038】
図9に示すように、モード選択画面500には、プロジェクトコード入力欄、「管理」、「登録」、「確認」の各選択ボタンが表示される。プロジェクトコード入力欄には、所望のプロジェクトコードを入力する。「管理」は、部品に関する各種情報を登録するためのボタンである。「登録」は、部品に関して、流通段階における実績を登録するためのボタンである。「確認」は、登録された部品に関する情報を確認するためのボタンである。ここでは、プロジェクトコードを入力して、「管理」ボタンを選択する。
【0039】
次に、管理サーバ20の制御部21は、基本情報の取得処理を実行する(ステップS103)。具体的には、担当者は、予め、建物の建築に用いる部品について基本情報テーブルを準備しておく。基本情報テーブルにおいては、各工程で用いる部品がグループ化されている。具体的には、基本情報テーブルでは、各部品の固有コードに対して、工程コード、グループコード、計画日が関連付けられている。各部品は、工程コード、グループコードにより、各工程で一括して使用される部品群(グループ)にまとめて取り扱われる。更に、基本情報テーブルでは、各工程において、各部品が使用される計画日が設定されている。
【0040】
そして、制御部21の部品管理部212は、ユーザ端末10の表示装置H13にデータ取込画面を出力する。このデータ取込画面において、担当者は、予め準備した基本情報テーブルを指定する。これにより、部品管理部212は、指定された基本情報テーブルを取得する。
【0041】
次に、管理サーバ20の制御部21は、部品情報の登録処理を実行する(ステップS104)。具体的には、制御部21の部品管理部212は、BIM情報220のプロジェクトコード、固有コードに対応させて、基本情報テーブルの工程コード、グループコード、計画日を関連付けた部品管理データ230を生成し、部品情報記憶部23に記録する。
【0042】
(実績登録処理)
図7を用いて、実績登録処理S200を説明する。この処理は、建築に用いる各部品について、新たな実績情報を登録する場合に実行される。ここでは、新たな実績情報として、部品の流通段階での実績日や、部品に関連するファイルを登録する。
【0043】
まず、管理サーバ20の制御部21は、ステップS102と同様に、モード選択処理を実行する(ステップS201)。具体的には、建築に用いる各部品について新たな情報を登録する場合、
図9のモード選択画面500において、プロジェクトコードを入力して、「登録」ボタンを選択する。
【0044】
次に、管理サーバ20の制御部21は、登録指定画面の出力処理を実行する(ステップS202)。具体的には、制御部21の部品管理部212は、ユーザ端末10の表示装置H13に登録指定画面を出力する。
【0045】
図10に示すように、登録指定画面510には、モデル表示欄511、登録対象設定欄512、実績設定欄513が設けられている。
部品管理部212は、BIM情報記憶部22から、指定されたプロジェクトコードの要素モデルを取得し、モデル表示欄511に3次元モデルを表示する。
【0046】
登録対象設定欄512には、実績登録を行なう部品を特定するための設定欄が表示される。本実施形態では、各部品を個別に指定して登録する「個別登録」、又は複数の部品をまとめて指定して登録する「グループ登録」を選択することができる。例えば、「個別登録」では、検索された固有コードの部品を登録対象として特定し、「グループ登録」では、登録工程において、検索された固有コードの部品が属するグループの各部品を一括して登録対象として特定する。
【0047】
更に、登録対象の部品の指定は、コード画像の利用とキーワード検索とが可能である。コード画像を利用する場合には、部品に貼付されたコード画像をコードリーダで読込む。また、キーワード検索においては、固有コードや製品名に含まれる文字列を検索キーとして入力する。
なお、モデル表示欄511に表示された3次元モデルの要素を選択して、登録対象とすることも可能である。
【0048】
実績設定欄513には、登録対象の部品の実績(工程及び日付)を設定する。プルダウンメニューにより、工程「出荷」、「搬入」、「建方」、「検査」の何れかを選択することができる。「出荷」は、部品について、工場からの出荷時に選択するボタンである。「搬入」は、部品について、建築現場の一時保管場所への搬入時に選択するボタンである。「建方」は、部品を用いた施工時に選択するボタンである。「検査」は、部品の検査時に選択するボタンである。
【0049】
ここでは、コード画像の読込みにより、実績登録対象の部品を指定する場合を説明する。
まず、登録指定画面510のコード読込ボタンを選択する。この場合、制御部21の部品管理部212は、ユーザ端末10のコードリーダを起動する。
【0050】
そして、
図11に示すように、部品管理部212は、ユーザ端末10の表示装置H13にコード撮影画面520を出力する。このコード撮影画面520において、ユーザ端末10は、コード画像C1を認識した場合、コード画像C1をデコードして、固有コードを取得する。
【0051】
次に、管理サーバ20の制御部21は、検索条件の取得処理を実行する(ステップS203)。具体的には、制御部21の部品管理部212は、ユーザ端末10から、登録指定画面510で指定された検索条件を取得する。モデル表示欄511の3次元モデルの要素が選択された場合には、選択された3次元モデルの要素の固有コードを検索条件として取得する。コード画像の利用の場合には、コード画像C1をデコードした固有コードを検索条件として取得する。キーワード検索の場合には、登録指定画面510に入力された検索キーを検索条件として取得する。
【0052】
次に、管理サーバ20の制御部21は、検索処理を実行する(ステップS204)。具体的には、制御部21の部品管理部212は、検索条件に基づいて、部品情報記憶部23において、登録対象部品の候補を検索する。そして、部品管理部212は、特定した登録候補部品を並べた一覧リストを作成する。
【0053】
図12に示すように、実績登録画面530には、工程選択欄531、実績日指定欄532、検索結果リスト欄533、備考欄534、実績登録ボタンが表示される。工程選択欄531、実績日指定欄532には、登録指定画面510の実績設定欄513で設定された工程及び日付を初期設定する。検索結果リスト欄533には、検索条件に登録対象部品の候補の一覧リストが表示される。例えば、コード画像から読み取った固有コードによって一つの部品が特定された場合には、一つの候補が表示される。
備考欄534には、必要に応じて、担当者のコメントを入力することができる。
【0054】
更に、実績登録画面530には、ファイル登録欄535が設けられている。このファイル登録欄535では、ファイル種別を指定し、この部品に関連するファイルを登録することができる。ファイルを登録する場合には、関連書類欄にファイルをドラッグしてドロップしたり、保存先のアドレスを入力したりする。
また、「グループ登録」によってグループに属する複数の部品候補や、キーワード検索により複数の部品候補を抽出する場合もある。
この場合には、
図13に示すように、実績登録画面530には、複数の候補が出力される。
【0055】
次に、管理サーバ20の制御部21は、部品の選択処理を実行する(ステップS205)。具体的には、実績登録画面530の検索結果リスト欄533のチェックボックスを用いて、実績登録を行なう部品を選択する。複数のチェックボックスを選択することにより、複数の部品の実績登録を一括して行なうことができる。そして、制御部21の部品管理部212は、検索結果リスト欄533において選択されたチェックボックスの部品の固有コードを取得する。
【0056】
次に、管理サーバ20の制御部21は、情報更新処理を実行する(ステップS206)。具体的には、制御部21の部品管理部212は、実績登録ボタンの選択を検知した場合、選択された部品の固有コードの部品管理データ230を、部品情報記憶部23において特定する。そして、部品管理部212は、この部品管理データ230に、実績登録画面530の工程コード及び実績日を記録する。更に、この部品管理データ230の工程コードを用いて、BIM情報記憶部22のBIM情報220の工程コードを更新する。
【0057】
また、部品管理部212は、備考欄534にコメントが入力された場合には、管理データ241(プロジェクトコード、固有コード、工程コード、ファイル種別:備考情報)に関連付けて、関連書類240(コメントファイル)を関連情報記憶部24に記録する。更に、部品管理部212は、ファイル登録欄535に関連書類が入力された場合には、関連書類240を、管理データ241(プロジェクトコード、固有コード、工程コード、ファイル種別)に関連付けて関連情報記憶部24に記録する。
そして、
図14に示すように、モデル表示欄511において、実績が登録された部品の要素515の表示形態が変更される。
【0058】
(確認処理)
図8を用いて、確認処理S300を説明する。この処理は、建築に用いる各部品の状況を確認する場合に実行される。
【0059】
まず、管理サーバ20の制御部21は、ステップS102と同様に、モード選択処理を実行する(ステップS301)。具体的には、建築に用いる各部品の状況を確認する場合、モード選択画面500において、プロジェクトコードを入力して、「確認」ボタンを選択する。
【0060】
次に、管理サーバ20の制御部21は、確認画面表示処理を実行する(ステップS302)。具体的には、制御部21の部品管理部212は、BIM情報記憶部22から、プロジェクトコードの要素モデルを取得する、次に、部品管理部212は、3次元モデルに含まれる各要素について、部品情報記憶部23に記録された計画日及び実績日を取得する。そして、部品管理部212は、計画日及び実績日の差分日数により、以下のように進捗状況を判定する。
【0061】
・実績日-計画日≦-5日:進捗状況「5日以上の前倒し」
・-5日<実績日-計画日<0日:進捗状況「前倒し」
・実績日=計画日:進捗状況「計画通り」
・0日<実績日-計画日<5日:進捗状況「遅延」
・5日≦実績日-計画日:進捗状況「5日以上の遅延」
【0062】
次に、部品管理部212は、判定した進捗状況に応じて、3次元モデルの要素の表示形態を変更する。
そして、
図15に示すように、部品管理部212は、ユーザ端末10の表示装置H13に進捗状況確認画面540を出力する。この進捗状況確認画面540においては、進捗状況に応じて、3次元モデルの要素の表示形態が異なる。なお、実績が登録されていない部品については、異なる表示形態(破線)で示される。例えば、2月の建方実績状況541、3月の建方実績状況542、4月の建方実績状況543のように、工事の進捗に応じて、進捗状況が表示される範囲は大きくなる。
【0063】
次に、管理サーバ20の制御部21は、検索条件の取得処理を実行する(ステップS303)。具体的には、制御部21の部品管理部212は、ユーザ端末10の表示装置H13に検索画面を出力する。
【0064】
図16に示すように、検索画面550には、検索対象を特定するために、検索方法指定欄551、表示工程指定欄552、グループ指定欄553、期間指定欄554、状況指定欄555、進捗度算出指定欄556が含まれる。検索方法指定欄551では、固有コード又はキーワードに含まれる文字列を指定することができる。表示工程指定欄552では、担当者の希望に応じて、表示対象の工程を指定する。グループ指定欄553では、担当者の希望に応じて、表示対象のグループを指定する。期間指定欄554では、担当者の希望に応じて、表示対象の工程について、計画日又は実績日の範囲(開始日~終了日)を指定する。状況指定欄555では、担当者の希望に応じて、工程についての進捗状況(前倒し、予定通り、遅れ)を指定する。
進捗度算出指定欄556では、担当者の希望に応じて、進捗度を評価する対象部品を指定する。例えば、工区や、柱、梁、壁、天井等の構造物の構成(建設工事に用いる部品や資材)を特定するためのキーワードを入力する。更に、進捗度を評価する場合、期間指定欄554において、対象に応じて工程や期間を設定する。例えば、部品の製造工場の出荷の場合には、工程「出荷」を選択する。梁や柱、床、壁の施工の場合には、工程「建方」を選択する。この場合、期間により、進捗度を算出する期間を設定する。
そして、制御部21の部品管理部212は、検索画面550において入力された検索条件を取得する。
【0065】
次に、管理サーバ20の制御部21は、検索処理を実行する(ステップS304)。具体的には、制御部21の部品管理部212は、取得した検索条件に基づいて、BIM情報記憶部22、部品情報記憶部23において、確認対象部品の候補を検索する。更に、部品管理部212は、各確認候補部品について、表示工程指定欄552で指定された工程の履歴情報(計画日、実績日)を部品情報記憶部23から取得する。そして、部品管理部212は、計画日と実績日との差分日数(差分状況)から、進捗状況を判定する。
【0066】
次に、管理サーバ20の制御部21は、進捗度の算出処理を実行する(ステップS305)。具体的には、制御部21の部品管理部212は、関連情報記憶部24に記録された工数管理情報を用いて、進捗度算出対象の部品に応じて、進捗度を計算する評価単位を特定する。例えば、柱、梁、床、壁のように、体積で進捗度を評価する場合には、「立方メートル」を評価単位として用いる。天井等の内装のように、面積で進捗度を評価する場合には、「平方メートル」を評価単位として用いる。そして、部品管理部212は、BIM情報記憶部22から、確認対象部品の属性情報を用いて、評価単位に応じた数量を総計する。例えば、確認対象部品が「2階」、「床」の場合、BIM情報記憶部22から、「2階」、「床」に関するBIM情報を取得し、属性情報の寸法を用いて、出来形の体積を総計する。
【0067】
次に、部品管理部212は、進捗度算出対象に応じて、関連情報記憶部24に記録された契約(単価)情報を用いて単価を特定する。そして、部品管理部212は、単価に数量を乗算して金額(出来高)を算出する。
更に、部品管理部212は、このプロジェクトにおける代表的な構造材「柱」、「梁」、「床」、「壁」について、月毎の出来形の数量(体積)を算出する。更に、このプロジェクトの構造材「柱」、「梁」、「床」、「壁」の総量に対して、出来形の割合を各月に算出する。
【0068】
次に、管理サーバ20の制御部21は、積算結果の出力処理を実行する(ステップS306)。具体的には、制御部21の部品管理部212は、ユーザ端末10の表示装置H13に進捗度確認画面を出力する。
【0069】
図17に示すように、部品管理部212は、進捗度確認画面560を出力する。進捗度確認画面560には、進捗度確認欄561、進捗度確認グラフ562が含まれる。進捗度確認欄561には、進捗度算出対象の進捗度の算出に用いる評価単位、単価、数量、金額が表示される。
また、進捗度確認グラフ562においては、各時期の出来形に関するグラフが表示される。代表的な構造材「柱」、「梁」、「床」、「壁」について、月毎の出来形量(体積)の積み上げ棒グラフを表示する。更に、このプロジェクトの構造材「柱」、「梁」、「床」、「壁」の総量に対する出来形の割合を示した折れ線グラフを表示する。
【0070】
本実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)本実施形態では、管理サーバ20の制御部21は、登録指定画面の出力処理(ステップS202)、検索条件の取得処理(ステップS203)を実行する。コード画像を利用する場合には、部品に貼付されたコード画像をコードリーダで読込む。これにより、効率的に固有コードを取得して、部品の流通段階における実績状況を登録することができる。
【0071】
また、部品管理部212は、BIM情報記憶部22から、指定されたプロジェクトコードの要素モデルを取得し、モデル表示欄511に3次元モデルを表示する。これにより、BIMアプリケーションにより作成された3次元モデルを用いて、部品の流通段階における実績状況を入力することができる。
【0072】
(2)本実施形態では、実績登録画面530には、ファイル登録欄535が設けられている。これにより、部品の流通段階の各工程において作成されたファイルを、部品毎に管理することができる。特に、BIMアプリケーションによって作成された要素と関連付けて登録することにより、設計から施工完了までを一元管理することができる。
【0073】
(3)本実施形態では、管理サーバ20の制御部21は、部品の選択処理を実行する(ステップS205)。具体的には、実績登録画面530の検索結果リスト欄533のチェックボックスを用いて、実績登録を行なう部品を選択する。これにより、複数の部品の実績登録を一括して行なうことができる。
【0074】
(4)本実施形態では、部品情報記憶部23には、部品管理データ230が記録される。部品管理データ230には、プロジェクトコード、固有コードに関する情報が記録される。更に、この部品の流通段階毎に、工程コード、グループコード、計画日、実績日に関する情報が記録される。これにより、共通して取り扱われる部品群を一括して特定することができる。特に、工程によって、共通して取り扱われる部品群が異なる場合、工程に応じて、グループに属する部品群を特定することができる。
(5)本実施形態では、管理サーバ20の制御部21は、確認画面表示処理を実行する(ステップS302)。これにより、BIMアプリケーションによって作成した3次元モデルにおいて、各部品の進捗状況を確認することができる。
【0075】
(6)本実施形態では、管理サーバ20の制御部21は、検索条件の取得処理を実行する(ステップS303)。検索画面550には、検索方法指定欄551~進捗度算出指定欄556が含まれる。表示工程指定欄552を用いることにより、確認希望の工程を選択して、状況を確認することができる。また、グループ指定欄553を用いることにより、流通段階においてまとめて取り扱われる部品を一括で指定して、状況を確認することができる。また、期間指定欄554を用いることにより、表示対象の工程について、計画日又は実績日の範囲(開始日~終了日)に応じて部品を特定して、状況を確認することができる。また、状況指定欄555を用いることにより、工程についての進捗状況(前倒し、予定通り、遅延)に応じて部品を特定して、状況を確認することができる。
【0076】
(7)本実施形態では、管理サーバ20の制御部21は、進捗度の算出処理(ステップS306)、積算結果の出力処理(ステップS307)を実行する。これにより、所望の進捗度を、進捗状況に応じて確認することができる。従って、現場担当者が、施工業者の請求書(毎月)の確認を効率的に行なうことができる。また、各時期の出来形に関するグラフにより、建築の進捗状況を確認することができる。
【0077】
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・上記実施形態では、建物の建築工事において、BIM情報を用いる。本実施形態の適用対象は、建築工事に限定されるものではない。すなわち、本実施形態のBIMは、例えば、土木等の建設設計に用いられるCIM(Construction Information Modeling)を含む技術である。
【0078】
・上記実施形態では、管理サーバ20の制御部21は、検索処理を実行する(ステップS204)。実績登録画面530には、ファイル登録欄535が設けられている。ここで、ファイル種別を登録する。これに代えて、管理サーバ20の制御部21が、ファイル種別を特定するようにしてもよい。この場合には、登録対象の関連書類240に基づいて、ファイル種別を特定する。例えば、関連書類240にファイル種別を識別するためのコード画像を添付しておき、このコード画像をデコードするようにしてもよい。また、制御部21が、関連書類240に含まれるテキストや画像に基づいて、ファイル種別を特定するようにしてもよい。
【0079】
・上記実施形態では、部品情報記憶部23には、部品管理データ230が記録される。この部品管理データ230には、履歴情報(計画日、実績日)が記録される。履歴情報に含める情報は、実績日に限定されるものではない。例えば、各工程の作業を行なった担当者を識別する情報(作業者コード)、各工程の作業場所(工場名)、各工程で用いた機材(例えば、車両番号)等を記録してもよい。この場合、ユーザ端末10へのログイン情報により作業者コードを特定したり、ユーザ端末10の位置情報取得手段(GNSS等)により作業場所を特定したりしてもよい。また、ユーザ端末10が、各工程で用いる機材(例えば、車両)と通信を行なって、機材の識別情報を特定してもよい。
【0080】
・上記実施形態では、流通段階の工程として「出荷」、「搬入」、「建方」、「検査」を記録するが、工程はこれに限定されるものではない。例えば、工程として「地組」、「溶接」、「引渡」等を含めてもよい。
【0081】
・上記実施形態では、関連情報記憶部24には、部品に関連する関連書類240が記録される。関連書類として、備考情報、画像、図面類、品質管理書類等のファイルを含む。関連書類は、建設工事にかかわる書類(電子データ)であればよく、施工計画、工事打合簿、休日作業届、工事承認願簿等を含めてもよい。
また、関連書類240を他のファイルサーバに記録し、関連情報記憶部24には、関連書類240の保管先を示す情報(例えば、アドレス)を記録してもよい。この場合には、実績登録画面530のファイル登録欄535に、ファイルの保存先のアドレスを入力する。そして、関連書類の表示処理(ステップS306)において、保存先のアドレスを用いて、ファイルサーバから関連書類240を取得する。
【0082】
・上記実施形態では、部品m1の表面には、コード画像C1が付される。ここで、コード画像C1の代わりに文字列又はICタグを部品m1に付してもよい。文字列は、部品m1に割り当てられた固有コードを表したものである。ICタグは、部品m1に割り当てられた固有コードを記憶した近距離無線通信により、発信する電子機器(例えば、RFID)である。
【0083】
・上記実施形態では、評価単位として「平方メートル」、「立方メートル」を用いる。評価単位は、構造物の構成において出来方を示す指標であれば、これらに限定されるものではない。例えば、構造物の構成において出来方の割合を用いてもよい。また、鉄筋等のように、重量で進捗度を評価する場合には、「トン」を評価単位として用いることができる。
また、コンクリートや鉄筋のように部品に内包される資材の場合には、各部品のBIM情報に対して、資材の構成割合(例えば、鉄筋割合)を用いる。コンクリートの場合には、建方の実績が登録された部品の数量(体積)を算出する。また、鉄筋の場合には、部品管理部212は、部品のBIM情報の属性情報において、重量を取得し、構成割合を乗算して、数量(鉄筋重量)を算出する。また、体積から重量を算出してもよい。この場合には、資材の構成割合として、資材の大きさに対して、用いられ鉄筋量を示す指標〔鉄筋の重量/部材の体積〕を用いる。
・上記実施形態では、管理サーバ20の制御部21は、進捗度の算出処理(ステップS306)、積算結果の出力処理(ステップS307)を実行する。ここで、進捗状況に応じて金額を調整するようにしてもよい。例えば、契約情報に所定日数以上の遅延に応じて、延滞金が設定されている場合には、部品管理部212は、進捗状況(例えば遅延状況)に応じて、契約情報に基づいて、出来高から延滞金を差し引くように調整する。
【0084】
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について、以下に追記する。
(a)前記部品情報記憶部において、工程毎に一括して用いられる部品に対して、グループコードが記録されており、
前記制御部が、前記グループコードを用いて複数の部品を特定することを特徴とする請求項1に記載の情報管理システム。
(b)前記部品情報記憶部において、各部品の工程毎に計画日が記録されており、
前記制御部が、
各部品について、工程の前記計画日と実績日とを比較して差分状況を算出して、前記ユーザ端末に出力することを特徴とする請求項1又は(a)に記載の情報管理システム。
【0085】
(c)前記差分状況に応じて、前記ユーザ端末に出力する部品の識別情報を特定することを特徴とする請求項(b)に記載の情報管理システム。
(d)前記部品の3次元モデルにおいて、前記差分状況を識別できる形態で、前記ユーザ端末に出力することを特徴とする請求項(b)又は(c)に記載の情報管理システム。
【0086】
(e)前記BIM情報に含まれる構造物の構成に関わる数量として、部品の体積を総計することを特徴とする請求項1又は(a)~(d)に記載の情報管理システム。
(f)前記BIM情報に含まれる構造物の構成に関わる数量として、部品の重量を総計することを特徴とする請求項1又は(a)~(e)に記載の情報管理システム。
(g)前記部品の単価を取得し、前記構造物の構成に関わる数量を、前記単価に乗算して出来高を総計することを特徴とする請求項1又は(a)~(f)に記載の情報管理システム。
【符号の説明】
【0087】
10…ユーザ端末 20…管理サーバ 21…制御部 211…設計処理部 212…部品管理部 22…BIM情報記憶部 23…部品情報記憶部 24…関連情報記憶部