(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022189154
(43)【公開日】2022-12-22
(54)【発明の名称】物品管理装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/08 20120101AFI20221215BHJP
B65G 1/137 20060101ALI20221215BHJP
G06K 7/10 20060101ALI20221215BHJP
【FI】
G06Q10/08 330
B65G1/137 A
G06K7/10 264
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021097562
(22)【出願日】2021-06-10
(71)【出願人】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 茂晃
【テーマコード(参考)】
3F522
5L049
【Fターム(参考)】
3F522AA06
3F522BB15
3F522BB27
3F522DD03
3F522DD22
3F522DD32
3F522DD34
3F522EE01
3F522EE13
3F522FF02
3F522FF04
3F522GG25
3F522GG37
3F522HH02
3F522HH30
5L049BB63
(57)【要約】 (修正有)
【課題】物品の状態管理を効率的に行うことができる物品管理装置及びプログラムを提供する。
【解決手段】物品管理装置100は、物品に付された無線タグから、物品を識別可能な識別情報を繰り返し取得する取得部21と、取得部21により識別情報が取得された時刻を計時する第1の計時処理部23と、第1の計時処理部23が計時した読取経過時間を、識別情報と関連付けて管理する管理部26と、を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品に付された無線タグから、前記物品を識別可能な識別情報を繰り返し取得する取得部と、
前記取得部により前記識別情報が継続して取得された時刻を計時する第1の計時処理部と、
前記第1の計時処理部が計時した読取経過時間を、前記識別情報と関連付けて管理する管理部と、
を備える物品管理装置。
【請求項2】
前記取得部により前記識別情報が取得される毎に、当該識別情報に取得日時を関連付けて記録する記録部を更に備え、
前記第1の計時処理部は、前記記録部が記録した前記取得日時に基づいて前記読取経過時間を計時する、
請求項1に記載の物品管理装置。
【請求項3】
前記第1の計時処理部により計時された前記読取経過時間が閾値を超えた場合、当該閾値を超えた閾値経過時間を計時する第2の計時処理部と、更に備える、
請求項2に記載の物品管理装置。
【請求項4】
前記管理部は、前記第1の計時処理部により計時された前記読取経過時間と、前記第2の計時処理部により計時された前記閾値経過時間を前記識別情報毎に表示させる、
請求項3に記載の物品管理装置。
【請求項5】
前記管理部は、前記第2の計時処理部が計時処理を開始した場合に報知を行う、
請求項3又は4に記載の物品管理装置。
【請求項6】
物品管理装置のコンピュータに、
物品に付された無線タグから、前記物品を識別可能な識別情報を繰り返し取得する取得ステップと、
前記取得ステップにより前記識別情報が継続して取得された時刻を計時する第1の計時処理ステップと、
前記第1の計時処理ステップが計時した読取経過時間を、前記識別情報と関連付けて管理する管理ステップと、
を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、物品管理装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、物品にRFID(Radio Frequency Identifier)タグ等の無線タグを取り付け、無線タグに記憶された情報を読み取ることで、物品の状態を管理する装置が提案されている。例えば、物品の賞味期限をRFIDタグに記憶しておき、読み取った賞味期限に基づき賞味期限切れが近い物品を報知する技術が提案されている。
【0003】
しかしながら、従来の技術では、賞味期限切れかどうか等を把握することが可能であるものの、例えば、物品がある環境下に置かれてからどの程度の時間が経過しているかを把握することが困難である。そのため、物品の状態管理に関して更なる改善の余地があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、物品の状態管理を効率的に行うことができる物品管理装置及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本実施形態の物品管理装置は、物品に付された無線タグから、前記物品を識別可能な識別情報を繰り返し取得する取得部と、前記取得部により前記識別情報が取得された時刻を計時する第1の計時処理部と、前記第1の計時処理部が計時した読取経過時間を、前記識別情報と関連付けて管理する管理部と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】
図1は、実施形態に係る物品管理装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る物品管理装置の機能の一例を示す機能構成図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る物品管理装置が物品を読み取る一例を示す概略構成図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係る物品管理装置が物品の情報を記録するテーブルの一例を示す図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係る物品管理装置が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下に添付図面を参照して、物品管理装置の実施形態を詳細に説明する。本実施形態は、物品管理装置として、バイアル等の容器に収容されたワクチンの状態を管理する装置に適用した例について説明するが、この形態に限定されるものではない。なお、以下では、ワクチンを収容した容器を単にワクチンとも表記する。
【0008】
(物品管理装置のハードウェア構成)
図1に示すように、物品管理装置100は、CPU(Central Processing Unit)11、ROM(Read Only Memory)12、RAM(Random Access Memory)13、補助記憶装置14、入力装置15、表示装置16、読取装置17、及び外部I/F(Interface)18を有している。
【0009】
CPU11は、ROM12や補助記憶装置14等に格納されたプログラムやデータをRAM13上に読み出し、処理を実行することで、物品管理装置100の各機能を実現する演算装置である。RAM13は、CPU11のワークエリア等として用いられる揮発性のメモリである。ROM12は不揮発性のメモリである。
【0010】
補助記憶装置14は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等の記録装置であり、例えば、OS(Operation System)、アプリケーションプログラム、各種データ等を記録する。
【0011】
入力装置15は、物品管理装置100を使用するユーザが各種の操作を行うためのデバイスである。入力装置15は、例えば、タッチパネル又はハードウェアキーで構成される。表示装置16は、読取装置17により読み取られた各種情報を表示する表示装置である。表示装置16は、例えば、液晶ディスプレイで構成され、例えばタッチパネルのような形態で、入力装置15と表示装置16とが一体に構成されてもよい。
【0012】
読取装置17は、管理の対象となる物品、即ちワクチンの各々に付された無線タグから、物品の各々、つまり無線タグの各々を識別可能な識別情報を読み取る装置である。例えば、読取装置17は、無線タグリーダライタである。
【0013】
無線タグリーダライタは、アンテナを有しており、このアンテナの交信領域範囲内に存在する物品に付された無線タグを検出する。すなわち、無線タグリーダライタは、アンテナから周囲の無線タグに対し電波を送信する。無線タグは、アンテナからの電波を受信すると無線タグリーダライタに対し応答信号を送信する。
【0014】
無線タグリーダライタは、無線タグからの応答信号を受信することにより、無線タグのメモリに記録されているタグ情報を読み取る。また、タグ情報には上述した識別情報を少なくとも含む。さらに、タグ情報は、物品の有効期限や消費期限等、品質管理の観点で指標となる時間(例えば後述する閾値経過時間の計時に係る閾値等)を含んでもよい。なお、無線タグリーダライタと無線タグとの交信制御にアンチコリジョン(衝突防止)という方式が用いられている。これにより、アンテナの交信可能領域内に複数の無線タグが存在していた場合には、無線タグリーダライタによって各無線タグのタグ情報が一括して読み取られることとなる。
【0015】
無線タグは、その内部に不揮発性のメモリを有している。このメモリには、無線タグの製造段階で製造業者により割当て設定された固有のID(Identifier)を記録するIDエリアと、ユーザが任意のデータを書き込むことができるユーザエリアと、が形成されている。
【0016】
本実施形態では、無線タグのユーザエリアは上述した識別情報が書き込まれる。無線タグリーダライタは、無線タグからIDと識別情報とをタグ情報として読み取る。例えば、無線タグは、RFIDである。
【0017】
無線タグリーダライタは、読み取ったタグ情報に含まれるIDに基づき、重複チェックを行うことで、同一のIDを含むタグ情報(識別情報)を重複して読み取らないよう制御する。そして、物品管理装置100では、無線タグリーダライタにより読み取られた識別情報に基づき物品の記録処理を行うことができる。
【0018】
外部I/F18は、物品管理装置100をネットワークに接続するための通信インターフェースである。
【0019】
次に、実施形態に係る物品管理装置100の機能構成について説明する。
図2は、物品管理装置100の機能構成の一例を示すブロック図である。物品管理装置100は、CPU11がROM12やRAM13に記録された制御プログラムにしたがって動作することで、取得部21、記録部22、第1の計時処理部23、判定部24、第2の計時処理部25、管理部26、入力部27、及び整列部28として機能する。なお、上記各機能構成はハードウェアで実現してもよく、物品管理装置100が上記機能を備えていればよい。
【0020】
取得部21は、取得部の一例である。取得部21は、読取装置17と協働することで、物品に付された無線タグから、物品を識別可能な識別情報を繰り返し取得する。例えば、取得部21は、読取装置17が物品を検出すると、読取装置17を動作させることで、無線タグの読み取りを開始し、読取装置17で読み取られた物品の識別情報を取得する。
【0021】
取得部21は、物品の無線タグに記録される識別情報を、所定の時間間隔毎に繰り返し読取装置17から取得する。取得部21は、繰り返し所定の時間間隔で情報を取得することで、物品の品質状態を適切に把握することができる。なお、所定の時間間隔は、物品の品質状態の特性に応じて予め決められていても良いし、ユーザにより時間間隔を決定されても良いし、これに限定されない。
【0022】
記録部22は、記録部の一例である。記録部22は、取得部21により識別情報が取得される毎に、当該識別情報に取得日時を関連付けて記録する。ここで、取得日時とは、取得部21により取得された日時を示す。取得日時は、例えば、物品管理装置100が有するRTC(Real-time clock)等の計時装置が計時する日時情報に基づき取得することができる。
【0023】
第1の計時処理部23は、計時処理部の一例である。第1の計時処理部23は、取得部21により取得された識別情報毎に、当該識別情報が継続して取得された時刻を計時する。具体的には、第1の計時処理部23は、記録部22が記録した取得日時に基づいて、読取経過時間を計時する。
【0024】
ここで、
図3を参照し、物品管理装置100が物品に付された無線タグの情報を取得する方法について説明する。
図3は、実施形態に係る物品管理装置100が物品を読み取る概略の一例を示す概略構成図である。
図3には物品の一例であるワクチン(31,32,33,34,35)、収容具36、及び載置台37を示す。
【0025】
ワクチン(31,32,33,34,35)の各々には、無線タグ(311,312,313,314,315)が付される。収容具36は、ワクチン(34,35)を収容し、ワクチン(34,35)を適切な品質状態で管理する。例えば、収容具36は冷凍庫である。載置台37は、収容具36から取り出したワクチン(31,32,33)を載置する。また、載置台37は、読取装置17のアンテナを載置台37の内部又は下部に備える。なお、載置台37に載置されたワクチンは、常温状態で保持される。
【0026】
図3の場合、取得部21は、無線タグリーダライタと協働することで、載置台37に載置されたワクチン(31,32,33)に付された無線タグ(311,312,313)から、識別可能な識別情報を繰り返し取得する。例えば、取得部21は、無線タグリーダライタを動作させることで、無線タグの読み取りを所定時間間隔(例えば1分間隔)で繰り返し実行し、その都度、読み取られたタグ情報(識別情報)を取得する。
【0027】
また、
図4は、実施形態に係る物品管理装置100が物品を記録するテーブルの一例を示す図である。テーブルは物品管理装置100のRAM13又は補助記憶装置14に保存される。
【0028】
図4に示すように、テーブルは、物品の各々を識別可能な識別情報であるID毎に、当該IDが取得された時刻を記憶する。ここで、テーブルに記憶(記録)される時刻は、取得部21がタグ情報を取得した取得日時に対応する。記録部22は、取得部21がタグ情報を取得すると、そのタグ情報に含まれた識別情報(ID)に関連付けて、テーブルに取得日時(時刻)を記録する。なお、
図4の例では、取得部21が1分間隔でタグ情報を取得した例を示している。
【0029】
第1の計時処理部23は、テーブルに記録された取得日時に基づき、識別情報毎に、当識別情報が継続して取得された時間を計時する。
【0030】
ここで、
図3及び
図4を参照して、第1の計時処理部23の動作について説明する。例えば、ワクチン31及びワクチン32は、9時30分の時点で収容具36から取り出され、17時30分までの間、載置台37に載置されているとする。この場合、取得部21は、9時30分から17時30分までの間、ワクチン31及びワクチン32に付された無線タグからタグ情報を継続的に取得するため、記録部22による記録結果は
図4に示すものとなる。ここで、ID311は、ワクチン31に付された無線タグのIDを意味し、ID312は、ワクチン32に付された無線タグのIDを意味する。
【0031】
図4に示したテーブルの状態の場合、第1の計時処理部23は、ID311について、当該IDに関連付けて記録された取得時刻(9時30分から17時30分)の時間長に基づき、読取経過時間として8時間を計時する。第1の計時処理部23は、ID312について、当該IDに関連付けて記録された取得時刻(9時30分から12時30分)の時間長に基づき、読取経過時間として3時間を計時する。また、第1の計時処理部23は、計時した読取経過時間はテーブルへ記録する。なお、記録する方法は、テーブル以外に記憶しても良く、これに限定されない。
【0032】
また、読取経過時間は、第1の計時処理部23が計時する度に、つまり取得部21によりタグ情報が取得される度に更新される。また、途中でワクチンが移動されたこと等により、テーブルに記録されているIDが途中で読み取れなくなった場合は、読取経過時間の計時は停止してもよいし、継続させてもよい。例えば、前者の場合、読取経過時間をリセットしても良い。また、後者の場合、読み取りが途絶えた期間が所定時間に達すると、読取経過時間の計時を停止してもよいし、該当するIDのレコードをテーブルから削除する構成としてもよい。
【0033】
図2に戻る。判定部24は、判定部の一例である。判定部24は、取得部21により取得された取得時刻が閾値を超えているかを判定する。具体的には、判定部24は、予め設定した閾値と、第1の計時処理部23により計時された読取経過時間を比較し、載置台37に載置されたワクチンの読取経過時間が閾値を超えているかを判定する。
【0034】
閾値は、ワクチンの品質を管理する上で上限値(又は下限値)となる常温保存される時間を設定することが好ましい。本実施形態では閾値は、例えば、ワクチンが解凍された状態となる時間(4時間)であるとする。なお、閾値は任意に設定できるものであり、これに限定されない。
【0035】
第2の計時処理部25は、計時処理部の一例である。第2の計時処理部25は、第1の計時処理部23により計時された読取経過時間が閾値を超えた場合に、当該閾値を超えた閾値経過時間を計時する。具体的には、第2の計時処理部25は、判定部24が閾値を超えていると判定した場合に、当該閾値を超えた時間を計時する。
【0036】
ここで、
図4を参照し、第2の計時処理部25の動作について説明する。
図4に示したテーブルの場合、第2の計時処理部25は、ID311について、当該IDに関連付けて記録された読取経過時間と閾値(例えば4時間)とを比較する。読取経過時間が閾値を超えた場合、閾値を超えた時刻(13時30分)を起点に、閾値経過時間の計時を開始する。そして、例えば、17時30分に達すると、第2の計時処理部25は、13時30分から17時30分までの時間長に基づき、閾値経過時間として4時間を計時する。
【0037】
また、第2の計時処理部25は、ID313についても同様に、当該IDに関連付けた記録された読取経過時間と閾値(4時間)を比較し、16時30分に閾値を超えたことを検出すると、この16時30分を起点に、閾値経過時間の計時を開始する。そして、例えば、17時30分に達すると、第2の計時処理部25は、16時30分から17時30分までの時間長に基づき、閾値経過時間として1時間を計時する。なお、読取経過時間に係る閾値は、補助記憶装置14等に予め記憶されていてもよいし、後述する入力部27等を介してユーザから指定される構成としてもよい。
【0038】
上述した通り、閾値が4時間であることから、判定部24は、ID311について13時30分の時点でワクチン31の常温保存された状態が閾値を超えたと判定する。また、判定部24は、ID313について16時30分の時点でワクチン33の常温保存された状態が閾値を超えたと判定する。第2の計時処理部25は、判定部24の判定結果に応じて、閾値を超えた時間の計時を開始する。
【0039】
第2の計時処理部25が計時したされた閾値経過時間はテーブルへ記録する。なお、記録する方法は、テーブル以外に記憶しても良く、これに限定されない。また、閾値経過時間は、第2の計時処理部25が計時する度に、つまり取得部21によりタグ情報が取得される度に更新される。
【0040】
なお、本実施形態では、第1の計時処理部23と第2の計時処理部25とを分けた構成としたが、一の計時処理部が、第1の計時処理部23と第2の計時処理部25との機能を担う構成としてもよい。
【0041】
図2に戻る。管理部26は、管理部の一例である。管理部26は、第1の計時処理部23が計時した読取経過時間を、識別情報と関連付けて管理する。また、管理部26は、第1の計時処理部23により計時された読取経過時間と第2の計時処理部により計時された閾値経過時間とに基づき、ワクチンの管理を行う。なお、管理する方法は、テーブル以外に管理しても良く、これに限定されない。また、管理部26は、ユーザによる入力装置15を介した操作に応じて、テーブルを表示装置16に表示する。
【0042】
さらに、管理部26は、第1の計時処理部23により計時された読取経過時間と、第2の計時処理部25により計時された閾値経過時間を識別情報毎に表示装置16に表示する。また、管理部26は、識別情報と閾値経過時間とを関連付けて表示装置16に表示する。例えば、管理部26は、計時的変化として、2軸のグラフを例にすると、横軸を取得部21により取得した時刻、縦軸を第2の計時処理部25により計時した閾値経過時間として、識別情報毎に表示装置16に表示する。
【0043】
また、管理部26は、第2の計時処理部25が計時処理を開始した場合に表示装置16へ報知を行う。例えば、管理部26は、閾値を超えた場合、表示装置16へ「閾値経過時間が超えているため、ワクチンを確認してください。」との注意喚起を表示し、また、表示装置16へ該当するワクチンのIDを強調表示する。なお、報知する方法は、表示装置16へ表示する以外に報知しても良く、これに限定されない。また、ユーザが報知する内容を確認した場合は、管理部26は再度ユーザへ報知しなくても良く、報知する回数は別途閾値を設けて設定しても良い。
【0044】
入力部27は、入力部の一例である。入力部27は、入力装置15と協働して、ユーザがテーブル内で選択する識別情報、取得日時、読取経過時間、閾値経過時間の項目を操作する。ユーザは表示装置16へ表示する項目を変更したい場合や、物品管理装置100が設定する閾値を変更したい場合に入力部27を使用する。例えば、ユーザが管理部26により表示装置16へ表示させる項目を変更する際に入力部27に入力する。また、ユーザが閾値を変更したい場合、ユーザは入力部27に変更後の閾値を入力する。
【0045】
整列部28は、整列部の一例である。整列部28は、ユーザの操作に応じて、管理部26により表示装置16へ表示された識別情報の各々に係る情報(取得日時、読取経過時間、閾値経過時間)の表示順序を並び替える。例えば、整列部28は、読取経過時間の長いものが上位に表示されるように表示順序を並び替える。また、例えば、整列部28は、閾値経過時間の長いものが上位に表示されるように表示順序を並び替える。これにより、読取経過時間又は閾値経過時間が長い識別情報を、認識し易くすることができるため、物品管理の利便性を向上させることができる。
【0046】
なお、読取経過時間と閾値経過時間との何れを優先的に表示させるかは任意に設定可能とするが、品質管理の観点から閾値経過時間が長いものを上位に表示さえることが好ましい。
【0047】
また、整列部28は、入力部27を介したユーザ操作に応じて、表示装置16に表示された情報の並び替えを行ってもよい。例えば、ユーザが閾値を超えた時間で並び替えたい場合、整列部28は、閾値を超えた時間が長い降順で並び替える。なお、整列する方法は任意に設定できるものであり、これに限定されない。また、整列部28が有する機能は管理部26で実現しても良い。
【0048】
次に、
図5を参照して、上述した構成の物品管理装置100の動作例について説明する。
図5は、実施形態の物品管理装置100が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【0049】
まず、取得部21は、タグ情報を取得する時間間隔である所定時間(例えば1分)を経過したか判断する。所定時間を経過している場合は(ステップS1:Yes)、ステップS2へ進む。所定時間を経過していない場合は(ステップS1:No)、再びステップS1に処理を戻すことで、所定時間を経過するまで待機する。
【0050】
続いて、取得部21は、物品の各々に付された無線タグから、識別情報(ID)を含んだタグ情報を取得する(ステップS2)。取得処理が行われると、ステップS3へ進む。
【0051】
記録部22は、取得したIDがテーブルに記録されていない新規のIDかを判断する。取得したIDが新規の場合(ステップS3:Yes)、記録部22は、新規のIDをテーブルに記録し(ステップS4)、ステップS5へ進む。また、取得したIDがテーブルに登録されている場合は(ステップS3:No)、ステップS5へ進む。
【0052】
続いて、第1の計時処理部23は、取得部21により取得されたIDの時間を計時する(ステップS5)。計時処理が行われると、第1の計時処理部23は計時した時間を記録する。記録処理が行われると、管理部26は、計時した時間を、識別情報と関連付けて管理する。
【0053】
続いて、判定部24は、第1の計時処理部23により計時された読取経過時間が閾値を超えているかを判定する(ステップS6)。計時された読取経過時間が閾値を超えている場合(ステップS6:Yes)、ステップS7へ進む。計時された読取経過時間が閾値を超えていない場合(ステップS6:No)、ステップS1に戻る。
【0054】
第2の計時処理部25は、判定部24により閾値を超えたと判断された場合に、当該閾値を超えた閾値経過時間を計時する(ステップS7)。計時処理が行われると、第2の計時処理部25は計時した時間を記録する。記録処理が行われると、管理部26は、第1の計時処理部23により計時した読取経過時間と、第2の計時処理部25により計時した閾値経過時間を識別情報毎に関連付けてワクチンの管理を行う。
【0055】
続いて、管理部26は、ワクチンが閾値を超えた旨を報知する(ステップS8)。管理部26は、整列部28により閾値経過時間の長いものが上位に表示されるように表示順序を並び替えた識別情報を表示装置16へ報知する。報知処理が行われると、再びステップS1に処理を戻すことで、所定時間を経過するまで待機する。
【0056】
以上のように、本実施形態に係る物品管理装置は、取得部は、物品に付された無線タグから、物品の識別情報を繰り返し取得する。また、第1の計時処理部は、識別情報を取得された時刻を計時する。さらに、管理部は、計時された読取経過時間を識別情報と関連付けて管理する。
【0057】
これにより、物品が取得した時間を計時し、計時した時間を識別情報と関連付けて管理される。物品管理装置は、当該管理された情報から、物品の状態を把握することができるため、物品の状態管理を効率的に行うことができる。
【0058】
なお、上述した実施形態は、上述した装置が有する構成又は機能の一部を変更することで、適宜に変形して実施することも可能である。そこで、以下では、上述した実施形態に係るいくつかの変形例を他の実施形態として説明する。なお、以下では、上述した実施形態と異なる点を主に説明することとし、既に説明した内容と共通する点については詳細な説明を省略する。また、以下で説明する変形例は、個別に実施されてもよいし、適宜組み合わせて実施されてもよい。
【0059】
(変形例1)
上述の実施形態では、管理対象の物品をワクチンとしたが、これに限らないものとする。例えば、管理対象の物品は、生鮮食品等であっても良い。また例えば、収容具は生鮮食品等を収容する冷蔵庫や、トレイ等であっても良い。また、物品管理装置が適用される場所も医療現場に限らず、生鮮食品等を販売する店舗や店舗のバックヤード等であってもよい。
【0060】
(変形例2)
上述の実施形態では、管理対象の物品であるワクチンに無線タグを付したが、例えば、収容具に無線タグを付しても良い。この場合、物品管理装置の載置台37は、収容具が置かれる場所に設置され、その場所に収容具が置かれてからの経過時間を計時することになる。例えば、コンビニエンスストア等の店舗では、温度管理の行われていない室内に要冷蔵の商品等を入れたトレイ等を置くことがあるが、そのような場合、トレイが置かれる場所に載置台37を設置することで、その場所に置かれてからの経過時間を管理することができる。
【0061】
(変形例3)
例えば、無線タグが記憶する識別情報を、ワクチン等の物品自体に表記しておいても良い。これにより、閾値を超過した状態の物品を容易に確認することができる。
【0062】
(変形例4)
上述の実施形態では、報知する内容は物品管理装置の表示装置へ報知したが、例えば、ユーザが所有する情報処理端末へ報知しても良い。これにより、ユーザは物品が監理されている場所から離れていても、物品を管理することができる。
【0063】
(変形例5)
上述の実施形態では、読取装置は載置台に備えたが、例えば、読取装置は載置台以外に備えても良く、これに限られない。読取装置は、無線タグが読み取れる場所に配置されても良く、例えば、物品が保管されている室内の壁や天井等に配置されても良い。
【0064】
(変形例6)
上述の実施形態では、第1の計時処理部が読取時間をテーブルに記憶したが、例えば、記録部が読取時間をテーブルに記録しても良い。また、第2の計時処理部が読取時間をテーブルに記憶したが、例えば、記録部が読取時間をテーブルに記録しても良い。
【0065】
(変形例7)
上述の実施形態では、第2の計時処理部は、補助記憶装置14等に予め設定された閾値に基づき閾値経過時間の計時を開始する構成としたが、参照する閾値はこの形態に限定されない。例えば、タグ情報に閾値が含まれる場合、第2の計時処理部は、取得部21が取得したタグ情報に含まれる閾値に基づき、そのタグ情報に含まれた識別情報についての閾値経過時間の計時を行ってもよい。これにより、第2の計時処理部は、識別情報毎に閾値経過時間の計時を開始する閾値(時間)を切り替えることができるため、例えば、ワクチンの種別毎に閾値経過時間を個別に設定できる。
【0066】
なお、本実施形態の物品管理装置100で実行されるコンピュータプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供される。
【0067】
また、本実施形態の物品管理装置100で実行されるコンピュータプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施形態の物品管理装置100で実行されるコンピュータプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
【0068】
また、本実施形態の物品管理装置100で実行されるコンピュータプログラムを、ROM等に予め組み込んで提供するように構成しても良い。
【0069】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0070】
11 CPU
12 ROM
13 RAM
14 補助記憶装置
15 入力装置
16 表示装置
17 読取装置
18 外部I/F
21 取得部
22 記録部
23 第1の計時処理部
24 判定部
25 第2の計時処理部
26 管理部
27 入力部
28 整列部
100 物品管理装置
【先行技術文献】
【特許文献】
【0071】