(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022189198
(43)【公開日】2022-12-22
(54)【発明の名称】データベース管理システム
(51)【国際特許分類】
G08G 1/09 20060101AFI20221215BHJP
G08G 1/00 20060101ALI20221215BHJP
G06F 16/28 20190101ALI20221215BHJP
H04W 4/44 20180101ALI20221215BHJP
G16Y 10/40 20200101ALI20221215BHJP
G16Y 20/20 20200101ALI20221215BHJP
G16Y 40/10 20200101ALI20221215BHJP
【FI】
G08G1/09 F
G08G1/00 D
G08G1/09 H
G06F16/28
H04W4/44
G16Y10/40
G16Y20/20
G16Y40/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021097654
(22)【出願日】2021-06-10
(71)【出願人】
【識別番号】516227490
【氏名又は名称】株式会社テクノアクセルネットワークス
(71)【出願人】
【識別番号】501326067
【氏名又は名称】株式会社サイバー創研
(74)【代理人】
【識別番号】100159499
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 義典
(74)【代理人】
【識別番号】100120329
【弁理士】
【氏名又は名称】天野 一規
(74)【代理人】
【識別番号】100159581
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 勝誠
(74)【代理人】
【識別番号】100106264
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 耕治
(74)【代理人】
【識別番号】100199808
【弁理士】
【氏名又は名称】川端 昌代
(74)【代理人】
【識別番号】100139354
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 昌子
(74)【代理人】
【識別番号】100208708
【弁理士】
【氏名又は名称】河村 健志
(74)【代理人】
【識別番号】100215371
【弁理士】
【氏名又は名称】古茂田 道夫
(74)【代理人】
【識別番号】230116643
【弁護士】
【氏名又は名称】田中 厳輝
(72)【発明者】
【氏名】宮田 博司
(72)【発明者】
【氏名】有本 和民
(72)【発明者】
【氏名】山内 直樹
(72)【発明者】
【氏名】三上 博英
(72)【発明者】
【氏名】吉川 憲昭
【テーマコード(参考)】
5B175
5H181
5K067
【Fターム(参考)】
5B175AA01
5H181AA01
5H181AA21
5H181AA26
5H181BB04
5H181BB05
5H181CC04
5H181CC27
5H181FF04
5H181FF10
5H181FF13
5H181FF27
5H181MC14
5H181MC15
5H181MC16
5H181MC19
5K067AA21
5K067BB27
5K067EE02
5K067EE16
5K067FF03
5K067HH23
(57)【要約】 (修正有)
【課題】車両の自動運転等に必要な準動的データ及び準静的データを効率よく扱えるデータベース管理システムを提供する。
【解決手段】データベース管理システムは、階層化データベースと検索手段とを備え、ローカルエッジネットワークがモバイル基地局と移動体とを含み、階層化データベースが、主データベースと、主データベースに接続され、モバイル基地局の中間データベースと、移動体の末端データベースとを有し、移動体のセンサが取得するセンサ情報が移動体の末端データベースに登録データとして格納され、登録データの複製が中間データベースに格納されており、中間データベース及び末端データベースが、ローカルエッジネットワーク内の登録データが存在するデータベースを特定するためのローカルマスタテーブルを有し、検索手段がローカルマスタテーブルに基づいて、必要とされる登録データが格納されているデータベースを特定する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1又は複数のローカルエッジネットワークと、クラウドデータセンターとを備える通信システムに搭載されるデータベース管理システムであって、
階層化データベースと、検索手段とを備え、
上記ローカルエッジネットワークがそれぞれ、互いに共通のワイヤレスインタフェースで接続されている1又は複数のモバイル基地局と複数の移動体とを含み、
上記クラウドデータセンターが、少なくとも1の上記モバイル基地局と通信可能に構成されており、
上記階層化データベースが、
上記クラウドデータセンターに配置される1の主データベースと、
上記主データベースに直接又は間接に接続され、上記モバイル基地局に配置される中間データベースと、
上記中間データベースに接続され、上記移動体に配置される末端データベースと
を有し、
上記移動体が、センサを有しており、
上記センサが取得するセンサ情報が、このセンサを有する移動体に配置されている上記末端データベースに、上記階層化データベースの登録データとして格納され、
上記末端データベースに格納されている登録データの複製が、上記移動体が属するローカルエッジネットワークの少なくも1の上記中間データベースに格納されており、
上記中間データベース及び上記末端データベースが、自身が属するローカルエッジネットワーク内の上記登録データが存在するデータベースを特定する情報を含むローカルマスタテーブルを有し、
上記検索手段が、上記ローカルマスタテーブルに基づいて、1の移動体で必要とされる登録データが格納されている中間データベース及び末端データベースを特定するデータベース管理システム。
【請求項2】
上記中間データベース及び上記末端データベースが、上記検索手段が特定した中間データベース又は末端データベースの登録データを格納するデータテーブルを有する請求項1に記載のデータベース管理システム。
【請求項3】
上記主データベースが、上記1又は複数のローカルエッジネットワーク全体の上記登録データが存在するデータベースを特定する情報を含む全体マスタテーブルを有する請求項1又は請求項2に記載のデータベース管理システム。
【請求項4】
上記検索手段が特定した中間データベース及び末端データベースとの通信速度を推定する通信速度推定手段を備え、
上記センサ情報に上記通信速度を推定するためのメタデータが含まれ、
上記通信速度推定手段が、上記メタデータに基づいて上記通信速度を推定する請求項1、請求項2又は請求項3に記載のデータベース管理システム。
【請求項5】
上記メタデータが、上記1の移動体の位置、速さ、電波遮蔽度、通信トラフィク及び実通信結果の速度のうちの少なくとも1つを含む請求項4に記載のデータベース管理システム。
【請求項6】
上記移動体が、車両を含む請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のデータベース管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データベース管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、車両の安全運転や自動運転支援が実用化されつつあり、また自動運転の開発も進んでいる。これらのシステムでは、例えばシステムに必要な高精度地図情報はクラウドからモバイル基地局を経由して車両に配信されるため、車載コンピュータと通信とを複合させた通信システムとして実現される。これらのデータは、モバイル基地局や車両が有するデータベースに格納される。
【0003】
車両の安全運転、自動運転支援あるいは自動運転では、例えばデータ収集専用車両で数か月から数年に一度の頻度で収集し編集及び配信されていたカーナビ用の静的地図データに、高度安全運転支援や自動運転に必要な周辺車両、歩行者及び信号の情報、事故情報、交通規制情報などの逐次変化する情報を重ね合わせたダイナミックマップと呼ばれるデータが使用される。
【0004】
車両の自動運転等では、主に車両近傍の情報を元に制御が行われることから、上記ダイナミックマップの逐次変化する情報は、比較的狭い範囲のローカルなエリアのデータとなるものが多い。また、より精度の高い、すなわち情報量の多いダイナミックマップを得るには、ローカルな範囲を移動する移動体が取得した情報を他の移動体と共有することで、データを拡充する方法が有効である。これを1の車両に注目してみると、必要とする情報を、他の移動体が有しているネットワークに分散されたデータベースから探索し、取得することになる。
【0005】
ネットワークに分散されたデータベース資源を効率よく検索し、ネットワークやデータベースに大きな負荷をかけることなく、評価価値の高いデータを効率よく検索する方法として、回答集積装置を利用した検索方法が提案されている(特開2000-235583号公報参照)。上記検索方法では、まず、狭いエリアに位置するデータベースに対して検索処理を行い、回答カウンタによって回答集積装置に蓄積される回答データ、すなわち有効な情報数を計数する。そして、この狭いエリアから所定数の回答データが得られないと判断した場合は、検索装置から通信装置を介してより広い範囲の検索を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
例えば車両の自動運転において、その車両の移動方向の道路上に落下物が存在する場合、その車両にとって、その落下物の情報は、落下物に至るまでに取得すべき情報となる。車両と落下物との距離にもよるが、情報の探索に許容される時間は、数十ミリ秒から数十分程度と考えられる。このように配信遅れ許容時間が数十ミリ秒から数十分程度であるデータは、その許容時間に応じて準動的データあるいは準静的データと呼ばれる。
【0008】
上記従来の回答集積装置を利用した検索方法では、移動する車両自身のデータベース中に必要情報が存在しない場合、他の車両やモバイル基地局の情報を検索する必要があるため、ネットワークを介した検索を必要とする。ネットワークを介した検索が多くなると、検索に要する時間が飛躍的に大きくなり、上記許容時間を満たせないおそれがある。
【0009】
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであり、車両の自動運転等に必要な準動的データ及び準静的データを効率よく扱えるデータベース管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様に係るデータベース管理システムは、1又は複数のローカルエッジネットワークと、クラウドデータセンターとを備える通信システムに搭載されるデータベース管理システムであって、階層化データベースと、検索手段とを備え、上記ローカルエッジネットワークがそれぞれ、互いに共通のワイヤレスインタフェースで接続されている1又は複数のモバイル基地局と複数の移動体とを含み、上記クラウドデータセンターが、少なくとも1の上記モバイル基地局と通信可能に構成されており、上記階層化データベースが、上記クラウドデータセンターに配置される1の主データベースと、上記主データベースに直接又は間接に接続され、上記モバイル基地局に配置される中間データベースと、上記中間データベースに接続され、上記移動体に配置される末端データベースとを有し、上記移動体が、センサを有しており、上記センサが取得するセンサ情報が、このセンサを有する移動体に配置されている上記末端データベースに、上記階層化データベースの登録データとして格納され、上記末端データベースに格納されている登録データの複製が、上記移動体が属するローカルエッジネットワークの少なくも1の上記中間データベースに格納されており、上記中間データベース及び上記末端データベースが、自身が属するローカルエッジネットワーク内の上記登録データが存在するデータベースを特定する情報を含むローカルマスタテーブルを有し、上記検索手段が、上記ローカルマスタテーブルに基づいて、1の移動体で必要とされる登録データが格納されている中間データベース及び末端データベースを特定する。
【発明の効果】
【0011】
本発明のデータベース管理システムは、登録データ、特に車両の自動運転等に必要な準動的データ及び準静的データを効率よく扱える。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態に係るデータベース管理システムを示す模式的構成図である。
【
図2】
図2は、
図1のデータベース管理システムが用いられる通信システムの構成の一例を示す模式的構成図である。
【
図3】
図3は、
図2のローカルエッジネットワークを示す模式的構成図である。
【
図4】
図4は、
図1のデータベース管理システムの階層化データベースのデータ構成を示す模式的構成図である。
【
図5】
図5は、道路網に対応したマップデータを示すイメージ図である。
【
図6】
図6は、ローカルマスタテーブルの例を示す模式的データ図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[本発明の実施形態の説明]
最初に本発明の実施態様を列記して説明する。
【0014】
本発明の一態様に係るデータベース管理システムは、1又は複数のローカルエッジネットワークと、クラウドデータセンターとを備える通信システムに搭載されるデータベース管理システムであって、階層化データベースと、検索手段とを備え、上記ローカルエッジネットワークがそれぞれ、互いに共通のワイヤレスインタフェースで接続されている1又は複数のモバイル基地局と複数の移動体とを含み、上記クラウドデータセンターが、少なくとも1の上記モバイル基地局と通信可能に構成されており、上記階層化データベースが、上記クラウドデータセンターに配置される1の主データベースと、上記主データベースに直接又は間接に接続され、上記モバイル基地局に配置される中間データベースと、上記中間データベースに接続され、上記移動体に配置される末端データベースとを有し、上記移動体が、センサを有しており、上記センサが取得するセンサ情報が、このセンサを有する移動体に配置されている上記末端データベースに、上記階層化データベースの登録データとして格納され、上記末端データベースに格納されている登録データの複製が、上記移動体が属するローカルエッジネットワークの少なくも1の上記中間データベースに格納されており、上記中間データベース及び上記末端データベースが、自身が属するローカルエッジネットワーク内の上記登録データが存在するデータベースを特定する情報を含むローカルマスタテーブルを有し、上記検索手段が、上記ローカルマスタテーブルに基づいて、1の移動体で必要とされる登録データが格納されている中間データベース及び末端データベースを特定する。
【0015】
当該データベース管理システムは、ローカルマスタテーブルを用いるので、検索手段が1の移動体で必要とされる登録データが格納されている中間データベース及び末端データベースを特定する際に、クラウドデータセンターへのアクセスをする必要がない。また、当該データベース管理システムでは、1又は複数のモバイル基地局と複数の移動体とが互いに共通のワイヤレスインタフェースで接続されているので、上記中間データベース及び上記末端データベースにクラウドデータセンターやモバイル基地局を介さなくともアクセスすることができる。さらに、当該データベース管理システムでは、移動体のセンサが取得するセンサ情報に基づく登録データについて、少なくともモバイル基地局110の中間データベース20にその複製が存在する。このため、取得したい登録データが存在する末端データベース及び上記中間データベースのいずれにアクセスしてもよい。以上の構成により、当該データベース管理システムは、1の移動体で必要とされる登録データに短時間でアクセスできるので、登録データ、特に車両の自動運転等に必要な準動的データ及び準静的データを効率よく扱える。
【0016】
上記中間データベース及び上記末端データベースが、上記検索手段が特定した中間データベース又は末端データベースの登録データを格納するデータテーブルを有するとよい。このように上記中間データベース及び上記末端データベースに上述のデータテーブルを持たせることで、各移動体又はモバイル基地局に必要とする登録データを選択的にこのデータテーブルに複製できるので、ネットワークを介したアクセス量を低減でき、さらに効率を高められる。
【0017】
上記主データベースが、上記1又は複数のローカルエッジネットワーク全体の上記登録データが存在するデータベースを特定する情報を含む全体マスタテーブルを有するとよい。このように上記主データベースに上述の全体マスタテーブルを持たせることで、ローカルマスタテーブルの最適化を行い易い。また、複数のローカルエッジネットワークを有している場合にあっては、ローカルエッジネットワークを超えた検索を効率的に行うことができる。
【0018】
上記検索手段が特定した中間データベース及び末端データベースとの通信速度を推定する通信速度推定手段を備え、上記センサ情報に上記通信速度を推定するためのメタデータが含まれ、上記通信速度推定手段が、上記メタデータに基づいて上記通信速度を推定するとよい。このように通信速度推定手段によって通信速度を推定することで、必要な登録データにさらに短時間でアクセスすることができる。
【0019】
上記メタデータが、上記1の移動体の位置、速さ、電波遮蔽度、通信トラフィク及び実通信結果の速度のうちの少なくとも1つを含むとよい。このように上記メタデータに、上記1の移動体の位置、速さ、電波遮蔽度、通信トラフィク及び実通信結果の速度のうちの少なくとも1つを含めることで、通信速度の推定精度を高めることができる。
【0020】
上記移動体が、車両を含むとよい。当該データベース管理システムは、車両を含むシステムに特に好適に用いることができる。
【0021】
[本発明の実施形態の詳細]
以下、本発明の実施形態に係るデータベース管理システムについて、適宜図面を参照しつつ説明する。
【0022】
図1に示すデータベース管理システム1は、階層化データベース1aと、検索手段1bと、通信速度推定手段1cとを備える。
【0023】
当該データベース管理システム1は、
図2に示すように、1又は複数のローカルエッジネットワーク100と、クラウドデータセンター200とを備える通信システムに搭載される。以下、当該データベース管理システム1が用いられる通信システムについて説明する。
【0024】
〔ローカルエッジネットワーク〕
図3に示すように、ローカルエッジネットワーク100はそれぞれ、互いに共通のワイヤレスインタフェースで接続されている1又は複数のモバイル基地局110と複数の移動体120とを含む。また、ローカルエッジネットワーク100は、路側機130を含むことができる。
【0025】
モバイル基地局110、複数の移動体120及び路側機130は、ワイヤレスインタフェースで接続されている。上記ワイヤレスインタフェースとしては、5G、ローカル5G、4G、DSRC(Dedicated Short Range Communications)、LPWA(Low Power Wide Area)、WiFi、IEEE802.11系列、ITS(Intelligent Transport System)通信のインタフェース等を用いることができる。
【0026】
また、モバイル基地局110及び複数の移動体120は、互いに共通のワイヤレスインタフェースで接続されている。つまり、モバイル基地局110及び複数の移動体120は、任意の2者間で直接通信を行うことができる。さらに、例えば車両121-ドローン122-モバイル基地局110のように、1又は複数の移動体120を中継器とした通信を行うこともできる。なお、
図3では図面が煩雑となることを避けるため、上記2者間の通信のうち一部を代表して図示しており、その全てが図示されているわけではない。
【0027】
<モバイル基地局>
モバイル基地局110は、ローカルエッジネットワーク100のワイヤレス通信が行える地理的範囲を統括し、制御する基地局である。具体的には、モバイル基地局110は、例えば複数の移動体120のデータ管理処理と配信制御処理とを行う。
【0028】
モバイル基地局110は、主基地局111と、ローカル基地局112とを含み、他のローカルエッジネットワーク100のモバイル基地局110との間、あるいはクラウドデータセンター200との間の通信を行え、通信の基幹網を構成する。
【0029】
(主基地局)
主基地局111は、上記地理的範囲全体を統括及び制御する。主基地局111は、通信機能、中間データベース20及びプロセッサを有する。また、主基地局111は、センサを有してもよい。このように主基地局111がセンサを有することで、主基地局111で取得される情報をダイナミックデータとして用いることができる。
【0030】
(ローカル基地局)
ローカル基地局112は、主基地局111の下層に属し、主基地局111が統括する地理的範囲を細分化して統括する。このため、通常、複数のローカル基地局112が設けられる。逆に、上記地理的範囲を細分化する必要がない場合は、ローカル基地局112は省略可能であり、モバイル基地局110は主基地局111のみで構成され、上記地理的範囲全体を直接統括する。
【0031】
ローカル基地局112は、通信機能、中間データベース20及びプロセッサを有する。また、ローカル基地局112は、センサを有してもよい。このようにローカル基地局112がセンサを有することで、ローカル基地局112で取得される情報をダイナミックデータとして用いることができる。ローカル基地局112は、例えばローカル5G基地局とすることができる。
【0032】
<移動体>
複数の移動体120は、当該ローカルエッジネットワーク100が管理するデータ共有エリア(ワイヤレス通信が行える地理的範囲)を移動する機器である。
【0033】
複数の移動体120には、車両121、ドローン122、移動型ロボット123、携帯機124、自転車125等が含まれ得る。このうち、移動体120が、車両121を含むとよい。当該データベース管理システム1は、車両121を含むシステム、例えば自動運転やMaaSビジネスに用いられるV2X通信システムに特に好適に用いることができる。「V2X」とは、Vehicle to Xの略称であり、車両121と何か(他の車両121や歩行者、インフラ、ネットワークなど)との接続や相互連携を総称する技術である。このV2Xは、例えば車両121の自動運転に不可欠である。上記V2X通信システムでは、車両121で取得される時間的及び空間的に大きなダイナミックレンジを有する時系列データを取り扱う必要がある。当該データベース管理システム1は、このような時系列データを特に効率的に取り扱うことができる。以下、移動体120が、車両121を含むことを前提に説明するが、当該データベース管理システム1が移動体120として車両121を必須の構成要素とすることを意味するものではない。
【0034】
複数の移動体120は、通信機能、末端データベース30、プロセッサ及びセンサ120aを有する。なお、「センサ」とは、実世界での現象を検知して、その検知された現象を、コンピュータが処理可能な信号に置き換える素子又は装置のことをいう。
図1では、ドローン122がセンサ120aを有する構成を図示しているが、他の移動体120については、図示していないものの同様にセンサ120aを有している。
【0035】
各移動体120は、相互に接続されており、互いのセンサ120aにより収集した情報を上記プロセッサにより処理し、末端データベース30に格納する。上記情報としては、天候、気温といった任意の自然現象や、交通渋滞、等の人工物で生ずる現象、心拍数、呼吸数、血圧等の人間のバイタル情報、車両への人物の接近、道路上への落下物の情報、時刻、移動速度、位置などのセンサで検知できる任意のものを挙げることができる。当該データベース管理システム1では、例えば移動型ロボット123で撮影されたカメラ画像、走行用のマップデータ、ドローン122から撮影された撮影データ及びそこから生成された3D形状データ等が想定される。
【0036】
<路側機>
路側機130は、道路上に設置され、車両121の交通の制御や監視を行う機器である。路側機130には、信号機や街路灯等が含まれ、上記ワイヤレスインタフェースによりローカル基地局112と接続されている。
【0037】
路側機130は、通信機能を有する。また、路側機130は、データベース(中間データベース20又は末端データベース30)、プロセッサ及びセンサを有していることが好ましい。これらの構成を有することで、路側機130で取得された情報をダイナミックデータとして用いることができる。
【0038】
また、路側機130は、モバイル基地局110としての機能を有していてもよい。つまり、路側機130は、いわば移動しない移動体120、モバイル基地局110あるいはその両方として機能することができる。
【0039】
〔クラウドデータセンター〕
クラウドデータセンター200は、ルータ210と、サーバ220と、主データベース10とを有する。クラウドデータセンター200は、少なくとも1のモバイル基地局110と通信可能に構成されている。
【0040】
クラウドデータセンター200は、ルータ210を介して各データ共有エリアのモバイル基地局110から情報を収集する。サーバ220は、収集した情報を管理し、主データベース10は、サーバ220の制御のもと、上記情報を格納する。なお、主データベース10に格納される情報は、モバイル基地局110で収集、処理された情報のうち必要な情報となる。必ずしも全データが格納されるわけではない。
【0041】
〔通信システム〕
ローカルエッジネットワーク100は、
図2に示すように、そのワイヤレス通信が行える地理的範囲(データ共有エリア)に応じて複数設置され、広域がカバーされている。
【0042】
図2に示すネットワーク構成では、まず、ローカルエッジネットワーク100において、移動体120のセンサ120aが情報を取得し、その情報が移動体120で処理され、移動体120の末端データベース30に格納される。上記情報の一部、つまりどの移動体120がどのような情報を取得したかについての情報は、路側機130で取得される情報とともに、モバイル基地局110に含まれるローカル基地局112に収集される。収集された全情報は、ローカル基地局112で処理された後、さらに主基地局111で収集、処理され、主基地局111をゲートウェイ(GW)として、必要な情報が適宜クラウドデータセンター200に中継される。
【0043】
〔階層化データベース〕
モバイル基地局110、移動体120等が中間データベース20や末端データベース30を有することは既に述べたが、階層化データベース1aの視点でみると、階層化データベース1aは、クラウドデータセンター200に配置される1の主データベース10と、主データベース10に直接又は間接に接続され、モバイル基地局110に配置される中間データベース20と、中間データベース20に接続され、移動体120に配置される末端データベース30とを有することになる。
【0044】
<登録データ>
当該データベース管理システム1では、移動体120のセンサ120aが取得するセンサ情報が、このセンサ120aを有する移動体120に配置されている末端データベース30に、階層化データベース1aの登録データとして格納される。
【0045】
また、当該データベース管理システム1では、末端データベース30に格納されている上記登録データの複製が、移動体120が属するローカルエッジネットワーク100の少なくも1の中間データベース20に格納される。具体的には、例えばローカル基地局112は、自身が統括する地理的範囲内の移動体120が有する末端データベース30を定期的に確認し、自身が統括する地理的範囲内の新たな登録データが末端データベース30に登録されている場合、その登録データを自身の中間データベース20に複製する。同様に、主基地局111は、複数のローカル基地局112が有する中間データベース20を定期的に確認し、新たな登録データが中間データベース20に登録されている場合、その登録データを自身の中間データベース20に複製する。なお、これは一例であって、他の方法であってもよい。
【0046】
移動体120は、停止し、電源がオフされる場合がある。あるいは、移動体120が1つのローカルエッジネットワーク100が統括する地理的範囲外に移動する場合もある。このような場合、この移動体120が有する末端データベース30に、他の移動体120がローカルエッジネットワーク100を通じてアクセスできず、必要な登録データが取得できないおそれがある。当該データベース管理システム1では、原則として常時稼働している中間データベース20に上記登録データの複製を格納することで、必要な登録データを原則として常時取得可能とすることができる。
【0047】
さらに、当該データベース管理システム1では、他の移動体120が上記登録データの複製を有することもある。詳細については、後述する。
【0048】
当該データベース管理システム1では、検索手段1bが、後述するローカルマスタテーブル50に基づいて(
図4参照)、1の移動体120で必要とされる登録データが格納されている中間データベース20及び末端データベース30を特定する。中間データベース20及び末端データベース30は、検索手段1bが特定した中間データベース20又は末端データベース30の登録データを格納するデータテーブル40を有するとよい。
【0049】
図4を参照して、データテーブル40について説明する。
図4には、ローカルエッジネットワーク100に含まれる1つのローカル基地局112と、このローカル基地局112により統括される複数の車両121(
図4では5台)とを切り出して示している。さらに簡便化のために、車両121について、5台のうちの2台(第1車両121a及び第2車両121b)についての末端データベース30(それぞれ第1末端データベース31及び第2末端データベース32)を示している。また、ローカル基地局112は、中間データベース20を有している。
【0050】
例えば検索手段1bが、第1車両121aで必要とされる登録データaが格納されているデータベースとして、ローカル基地局112の中間データベース20を特定したとすると、その登録データaが第1車両121aのデータテーブル40に格納される。一方、第2車両121bが登録データaを必要していない場合は、登録データaは第2車両121bのデータテーブル40には格納されない。
【0051】
また、データテーブル40には、車両121のセンサ120aが取得するセンサ情報も格納される。中間データベース20のデータテーブル40には、末端データベース30に格納されている上記登録データの複製も格納される。
【0052】
このようにして登録データが格納されたデータテーブル40は、ローカル基地局112及び複数の車両121間で、格納されている登録データが異なるものとなる。つまり、例えば第1車両121a及びローカル基地局112のみに格納されている登録データa、第2車両121b及びローカル基地局112のみに格納されている登録データb、全てに格納されている登録データc、第1車両121a及び第2車両121bのみに格納されている登録データd、などが存在する。以降、
図4に示した3つのデータテーブル40を区別するため、第1車両121a及び第2車両121bのデータテーブル40については、それぞれ第1データテーブル41及び第2データテーブル42と言うことがある。
【0053】
このように中間データベース20及び末端データベース30に上述のデータテーブル40を持たせることで、各移動体120又はモバイル基地局110に必要とする登録データを選択的にこのデータテーブル40に複製できるので、ネットワークを介したアクセス量を低減でき、さらに効率を高められる。
【0054】
<ローカルマスタテーブル>
当該データベース管理システム1は、
図4に示すように、中間データベース20及び末端データベース30が、自身が属するローカルエッジネットワーク100内の上記登録データが存在するデータベースを特定する情報を含むローカルマスタテーブル50を有する。このローカルマスタテーブル50は、ローカルエッジネットワーク100内にある中間データベース20及び末端データベース30において、同一の情報を有する。具体的には、例えば各移動体120で末端データベース30に新たな登録データが格納されると、その情報は、ローカル基地局112を介して、あるいは直接に主基地局111に集められる。主基地局111は、ローカルマスタテーブル50を更新し、ローカルエッジネットワーク100内にある中間データベース20及び末端データベース30に対して、更新されたローカルマスタテーブル50を配信する。このようにして、ローカルマスタテーブル50の同一性が確保される。あるいは、移動体120で新たな登録データが格納されると、その情報を他の移動体120も含めた移動体120同士で、同時に共有可能な通信手段を利用して共有することもできる。
【0055】
ローカルマスタテーブル50の具体例を、センサ情報の対象が「落下物」である場合を例にとり、説明する。「落下物」の情報は、データに道路とリンクするラベリング(道路リンク、
図5参照)を行い、道路リンクごとに情報の更新を行うとよい。例えば
図5では、第1車両121a(ラベルV1)は、a0とa1との間(道路リンクa01)を走行中である。なお、落下物以外のセンサ情報についても同様の構成で実現できる。
【0056】
図6は、この道路リンクa01に対応するローカルマスタテーブル50の例である。
図6中、time*(*は数字)は、データを更新した時刻を示している。以降、「/」で区切られた2番目のカラムは、落下物のデータを更新した車両121等のラベルであり、3番目のカラムは、車両121の位置と速度(
図6ではkm記載であるが、km/hの意味である)、4番目のカラムは該当する登録データを格納している車両121等を表している。なお、「φ」は変化がないことを意味している。また、センサ120aとして、位置についてはGPSを用いることで、速度については、車両121の速度計を用いることで、センサ情報として取得可能である。
【0057】
例えばtime1のレコードR1では、時刻time1にラベルV1の第1車両121aが10mの位置を20km/hの速度で走行中に落下物の登録データを取得し、時刻time1の段階でこの登録データはV1のみが有していることを示している。時刻time2のレコードR2では、時刻time2でラベルB1のローカル基地局112が上記登録データの複製を行い、上記登録データはV1とB1とが有していることを示している。時刻time3(レコードR3)では、ラベルV3の車両121が同じ場所を通過し、同じ落下物を発見したことで、上記登録データはV1、V3及びB1が有している状態となっている。これらの3つは同じ落下物に対するものであるため、紐付けられている。
【0058】
道路リンクa01で新たな落下物が発見されると、時刻time4のレコードR4に示すように新たなレコードとして登録される。このレコードR4では、V1による登録と同時にV4と共有されていることを示している。また、この登録データは、時刻time5(レコードR5)で、上記登録データを有している車両121等を空集合(数字0)とすることで、抹消されている。このように不要となったデータを抹消することで、データテーブル40及びローカルマスタテーブル50が膨大となり過ぎることを抑止し、登録データをさらに効率よく扱えるようになる。抹消する登録データとしては、例えば一定時間を経過したもの、同じ場所を複数の車両121が通過しているにも関わらず再発見されていないもの、などが挙げられる。
【0059】
また、時刻time6のレコードR6は、ラベルV1の第1車両121aが通過した際に特に変化がない、つまり新しい発見物がないことを意味している。同時に時刻time6におけるV1の位置と速度とを把握するデータともなり得る。
【0060】
<全体マスタテーブル>
当該データベース管理システム1では、クラウドデータセンター200の主データベース10が、1又は複数のローカルエッジネットワーク100全体の上記登録データが存在するデータベースを特定する情報を含む全体マスタテーブルを有する。
【0061】
上記全体マスタテーブルは、各ローカルエッジネットワーク100のローカルマスタテーブル50のレコードの集合体である。
【0062】
各ローカルエッジネットワーク100のローカルマスタテーブル50は、逐次更新されているが、全体マスタテーブルは、各ローカルマスタテーブル50に更新があるごとに更新する必要はない。例えば比較的長周期で定期的に更新してもよい。
【0063】
クラウドデータセンター200のサーバ220は、この全体マスタテーブルの最適を行うとよい。つまり、サーバ220は、1つのローカルマスタテーブル50内、あるいは複数のローカルマスタテーブル50間の不整合等の解消、古くなった登録データの消去、重複登録の是正などを行う。最適化された全体マスタテーブルは、各ローカルエッジネットワーク100に対応するローカルマスタテーブル50に分割されて、各ローカルエッジネットワーク100に送信される。各ローカルエッジネットワーク100では受信したローカルマスタテーブル50の情報に基づいて、各ローカルエッジネットワーク100内のローカルマスタテーブル50を更新する。
【0064】
また、移動体120側からは、隣接するローカルエッジネットワーク100へ移動する際に、予め隣接するローカルエッジネットワーク100の情報を取得するために利用することができる。ローカルマスタテーブル50のみでは、移動体120が属するローカルエッジネットワーク100しか検索できないが、全体マスタテーブルを用いれば、隣接するローカルエッジネットワーク100の情報を検索可能となる。
【0065】
〔検索手段〕
検索手段1bは、上述のようにローカルマスタテーブル50に基づいて、1の移動体120で必要とされる登録データが格納されている中間データベース20及び末端データベース30を特定する。
【0066】
例えば
図5においてラベルV2の第2車両121bが、これから道路リンクa01を通過する予定にあるとする。このとき、第2車両121bにとって、道路リンクa01の落下物情報は、必要とされる登録データに該当する。
【0067】
検索手段1bは、第2車両121bのプロセッサを用いて、第2車両121bのローカルマスタテーブル50を参照する。
図6に示すローカルマスタテーブル50の場合、time3のレコードR3から10mの位置に落下物があることが分かり、その登録データはV1、V3及びB1、つまり2つの末端データベース30と1つの中間データベース20の3つのデータベースに格納されていると判断できる。一方、time5のレコードR5から30mの位置のすでに存在しないこと、time6のレコードR6から50mの位置には、変化がないことが分かる。
【0068】
当該データベース管理システム1では、上述の検索を第2車両121bのプロセッサを用いて、第2車両121bのローカルマスタテーブル50を参照して行うので、ネットワークを介して検索することを要しない。従って、ネットワークに対して負荷を与えることなく、かつ高速に登録データが格納されている中間データベース20及び末端データベース30を特定することができる。
【0069】
第2車両121bは、特定した中間データベース20及び末端データベース30(この場合、V1とV3との末端データベース30及びB1の中間データベース20)のいずれかにアクセスして、必要とされる登録データを取得できる。いずれのデータベースにアクセスするかは、通信速度推定手段1cを用いて決定することができる。
【0070】
〔通信速度推定手段〕
通信速度推定手段1cは、検索手段1bが特定した中間データベース20及び末端データベース30との通信速度を推定する。
【0071】
移動体120のセンサ120aが取得するセンサ情報に上記通信速度を推定するためのメタデータを含めて、通信速度推定手段1cが、上記メタデータに基づいて上記通信速度を推定するように構成される。
【0072】
上記メタデータが、上記1の移動体120の位置、速さ、電波遮蔽度、通信トラフィク及び実通信結果の速度のうちの少なくとも1つを含むことが好ましい。例えば、
図6のローカルマスタテーブル50には、移動体120の位置及び速さ(向きと速度)が含まれている。なお、移動体120の位置を用いる場合は、モバイル基地局110の位置も用いることが好ましい。
【0073】
当該データベース管理システム1が用いられる通信システムのローカルエッジネットワーク100では、末端データベース30同士、つまりモバイル基地局110を介さず直接移動体120同士の通信により登録データを取得するパスが存在する。この場合、通信相手となる移動体120との距離、速さ、電波遮蔽度、通信トラフィク及び実通信結果の通信速度は時々刻々変化し、これらによって通信速度が変化し得る。従って、このように上記メタデータに、上記1の移動体120の位置、速さ、電波遮蔽度、通信トラフィク及び実通信結果の通信速度のうちの少なくとも1つを含めることで、通信速度の推定精度を高めることができる。
【0074】
そして、通信速度推定手段1cにより、より通信速度が速いと推定されたデータベースにアクセスして必要とされる登録データを取得する。このように通信速度推定手段1cによって通信速度を推定することで、必要な登録データにさらに短時間でアクセスすることができるようになる。
【0075】
<利点>
当該データベース管理システム1は、ローカルマスタテーブル50を用いるので、検索手段1bが1の移動体120で必要とされる登録データが格納されている中間データベース20及び末端データベース30を特定する際に、クラウドデータセンター200へのアクセスをする必要がない。また、当該データベース管理システム1では、1又は複数のモバイル基地局110と複数の移動体120とが互いに共通のワイヤレスインタフェースで接続されているので、中間データベース20及び末端データベース30にクラウドデータセンター200やモバイル基地局110を介さなくともアクセスすることができる。さらに、当該データベース管理システム1では、移動体120のセンサ120aが取得するセンサ情報に基づく登録データについて、少なくともモバイル基地局110の中間データベース20にその複製が存在する。このため、取得したい登録データが存在する移動体120の末端データベース30及び中間データベース20のいずれにアクセスしてもよい。以上の構成により、当該データベース管理システム1は、1の移動体120で必要とされる登録データに短時間でアクセスできるので、登録データ、特に車両121の自動運転等に必要な準動的データ及び準静的データを効率よく扱える。
【0076】
[その他の実施形態]
上記実施形態は、本発明の構成を限定するものではない。従って、上記実施形態は、本明細書の記載及び技術常識に基づいて上記実施形態各部の構成要素の省略、置換又は追加が可能であり、それらは全て本発明の範囲に属するものと解釈されるべきである。
【0077】
上記実施形態では、中間データベース及び末端データベースが、検索手段が特定した中間データベース又は末端データベースの登録データを格納するデータテーブルを有する場合を説明したが、データテーブルは必須の構成要素ではなく、省略しても本発明は同様の効果を奏する。ただし、登録データを必要とするごとに特定されたデータベースにアクセスし、登録データを取得することになる。このため、上記データテーブルを有することが好ましい。
【0078】
上記実施形態では、主データベースが、1又は複数のローカルエッジネットワーク全体の登録データが存在するデータベースを特定する情報を含む全体マスタテーブルを有する場合を説明したが、全体マスタテーブルは必須の構成要素ではなく、省略可能である。本発明は、ローカルエッジネットワーク内のみで運用しても一定の効果を奏する。
【0079】
上記実施形態では、検索手段が特定した中間データベース及び末端データベースとの通信速度を推定する通信速度推定手段を備える場合を説明したが、通信速度推定手段は必須の構成要素ではなく、省略可能である。例えば特定された中間データベース及び末端データベースに対して予め設定された順序に従って登録データが取得できるまでデータベースを代えてアクセスを行ってもよい。
【0080】
上記実施形態では、登録データをローカル基地局が抹消する場合を説明したが、ローカル基地局が登録データを抹消することは必須の構成要件ではない。ローカル基地局に代えて主基地局、クラウドデータセンター又は移動体が行ってもよく、あるいは複数で行ってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0081】
以上説明したように、本発明のデータベース管理システムは、登録データ、特に車両の自動運転等に必要な準動的データ及び準静的データを効率よく扱える。
【符号の説明】
【0082】
1 データベース管理システム
1a 階層化データベース
1b 検索手段
1c 通信速度推定手段
10 主データベース
20 中間データベース
30 末端データベース
31 第1末端データベース
32 第2末端データベース
40 データテーブル
41 第1データテーブル
42 第2データテーブル
50 ローカルマスタテーブル
100 ローカルエッジネットワーク
110 モバイル基地局
111 主基地局
112 ローカル基地局
120 移動体
120a センサ
121 車両
121a 第1車両
121b 第2車両
122 ドローン
123 移動型ロボット
124 携帯機
125 自転車
130 路側機
200 クラウドデータセンター
210 ルータ
220 サーバ
R1、R2、R3、R4、R5、R6 レコード