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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022189248
(43)【公開日】2022-12-22
(54)【発明の名称】食材洗浄機
(51)【国際特許分類】
   A23N 12/02 20060101AFI20221215BHJP
【FI】
A23N12/02 P
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021097734
(22)【出願日】2021-06-11
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-10-27
(71)【出願人】
【識別番号】392035019
【氏名又は名称】吉泉産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001438
【氏名又は名称】特許業務法人 丸山国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 啓益
【テーマコード(参考)】
4B061
【Fターム(参考)】
4B061AA02
4B061BA01
4B061BB07
4B061CA11
4B061CA14
4B061CA33
(57)【要約】
【課題】本発明は、洗浄籠を洗浄槽に浸ける過程で自動的に洗浄籠を蓋体で塞ぐことのできる食材洗浄機を提供する。
【解決手段】本発明に係る食材洗浄機10は、洗浄すべき食材が投入され、上部に食材投入口21を有し、側面及び/又は底面が通水性を有する洗浄籠20と、洗浄液が貯溜された洗浄槽41と、前記洗浄籠が配置される洗浄ユニット50であって、前記洗浄槽の上方に配備され、下方移動することで、前記洗浄籠を前記洗浄槽に浸漬させる洗浄ユニットと、前記洗浄ユニットを上下動させる上下動機構45と、を具える食材洗浄機であって、前記洗浄ユニットは、前記洗浄籠の前記食材投入口を塞ぐ蓋体60と、前記蓋体を昇降移動させる蓋体昇降機構70を具え、前記蓋体昇降機構は、前記洗浄ユニットが下方に移動したときに前記蓋体を降下させて前記食材投入口を塞ぎ、前記洗浄ユニットが上方に移動したときに前記蓋体を上昇させて前記洗浄籠から離す。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗浄すべき食材が投入され、上部に食材投入口を有し、側面及び/又は底面が通水性を有する洗浄籠と、
洗浄液が貯溜された洗浄槽と、
前記洗浄籠が配置される洗浄ユニットであって、前記洗浄槽の上方に配備され、下方移動することで、前記洗浄籠を前記洗浄槽に浸漬させる洗浄ユニットと、
前記洗浄ユニットを上下動させる上下動機構と、
を具える食材洗浄機であって、
前記洗浄ユニットは、前記洗浄籠の前記食材投入口を塞ぐ蓋体と、前記蓋体を昇降移動させる蓋体昇降機構を具え、前記蓋体昇降機構は、前記洗浄ユニットが下方に移動したときに前記蓋体を降下させて前記食材投入口を塞ぎ、前記洗浄ユニットが上方に移動したときに前記蓋体を上昇させて前記洗浄籠から離す、
食材洗浄機。
【請求項2】
前記蓋体昇降機構は、前記洗浄ユニットの上下動に連動して前記蓋体を昇降させる、
請求項1に記載の食材洗浄機。
【請求項3】
前記蓋体昇降機構は、動力機構をもたない、
請求項1又は請求項2に記載の食材洗浄機。
【請求項4】
前記蓋体昇降機構は、リンク機構を含む、
請求項1乃至請求項3の何れかに記載の食材洗浄機。
【請求項5】
前記蓋体昇降機構は、
前記洗浄ユニットに垂直に配備された縦フレームと、
前記蓋体が装着され、前記縦フレームにスライド可能に配置されたスライダーと、を具え、
前記リンク機構は、前記スライダーを上下に昇降させる、
請求項4に記載の食材洗浄機。
【請求項6】
前記リンク機構は、
一端が前記スライダーに面内回転可能に連繋される第1リンクと、
前記洗浄ユニットに面内回転可能に支持され、一端が前記第1リンクの他端に面内回転可能に連繋され、他端が自由端である第2リンクと、
前記第2リンクの自由端の昇降移行路に配置され、前記第2リンクが上昇したときに前記第2リンクの自由端に当接して、前記第2リンクの自由端を押し下げるプッシャーと、
を具える、
請求項5に記載の食材洗浄機。
【請求項7】
前記洗浄ユニットは、前記洗浄籠を水平方向に移動させて前記洗浄ユニットに導き入れる搬送機構を具える、
請求項1乃至請求項6の何れかに記載の食材洗浄機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、野菜等の食材を洗浄する食材洗浄機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ネギ、キャベツ、にんじんなどのカット野菜等の食材を洗浄する食材洗浄機が提案されている。たとえば、特許文献1では、洗浄籠に食材を投入し、蓋体を装着した状態で洗濯機状の装置に洗浄籠を収容し、食材を水洗している。蓋体は、洗浄中に食材が洗浄籠からあふれ出ることを防止する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3210319号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、洗浄籠に個別に蓋体を装着し、洗浄の後、蓋体を取り外す必要があり、手間が掛かる。
【0005】
本発明の目的は、洗浄籠を洗浄槽に浸ける過程で自動的に洗浄籠を蓋体で塞ぐことのできる食材洗浄機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の食材洗浄機は、
洗浄すべき食材が投入され、上部に食材投入口を有し、側面及び/又は底面が通水性を有する洗浄籠と、
洗浄液が貯溜された洗浄槽と、
前記洗浄籠が配置される洗浄ユニットであって、前記洗浄槽の上方に配備され、下方移動することで、前記洗浄籠を前記洗浄槽に浸漬させる洗浄ユニットと、
前記洗浄ユニットを上下動させる上下動機構と、
を具える食材洗浄機であって、
前記洗浄ユニットは、前記洗浄籠の前記食材投入口を塞ぐ蓋体と、前記蓋体を昇降移動させる蓋体昇降機構を具え、前記蓋体昇降機構は、前記洗浄ユニットが下方に移動したときに前記蓋体を降下させて前記食材投入口を塞ぎ、前記洗浄ユニットが上方に移動したときに前記蓋体を上昇させて前記洗浄籠から離す。
【0007】
前記蓋体昇降機構は、前記洗浄ユニットの上下動に連動して前記蓋体を昇降させる構成とすることが望ましい。
【0008】
前記蓋体昇降機構は、動力機構をもたない構成とすることが望ましい。
【0009】
前記蓋体昇降機構は、リンク機構を含む構成とすることができる。
【0010】
前記蓋体昇降機構は、
前記洗浄ユニットに垂直に配備された縦フレームと、
前記蓋体が装着され、前記縦フレームにスライド可能に配置されたスライダーと、を具え、
前記リンク機構は、前記スライダーを上下に昇降させる構成とすることができる。
【0011】
前記リンク機構は、
一端が前記スライダーに面内回転可能に連繋される第1リンクと、
前記洗浄ユニットに面内回転可能に支持され、一端が前記第1リンクの他端に面内回転可能に連繋され、他端が自由端である第2リンクと、
前記第2リンクの自由端の昇降移行路に配置され、前記第2リンクが上昇したときに前記第2リンクの自由端に当接して、前記第2リンクの自由端を押し下げるプッシャーと、
を具える構成とすることができる。
【0012】
前記洗浄ユニットは、前記洗浄籠を水平方向に移動させて前記洗浄ユニットに導き入れる搬送機構を具えることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の食材洗浄機によれば、洗浄籠を洗浄槽に浸ける過程で自動的に洗浄籠を蓋体で塞ぐことができ、作業効率を高めることができる。蓋体昇降機構は、洗浄ユニットの上下動に連動して蓋体を昇降させることで、蓋体昇降機構の構成を簡素化して手入れも簡便化できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、本発明の一実施形態に係る食材洗浄機の正面図であって、載置ステーションに洗浄籠を載置した状態を示している。
図2図2は、洗浄ステーションに洗浄籠が移動した状態を示している。
図3図3は、洗浄ユニットが下移動過程の正面図である。
図4図4は、洗浄籠が洗浄槽に浸漬され、食材の洗浄を行なっている状態を示す正面図である。
図5図5は、洗浄終了後、洗浄籠が洗浄槽から引き上げられた状態を示す正面図である。
図6図6は、洗浄ユニットが上位置にある状態の左側面図である。
図7図7は、図3の左側面図である。
図8図8は、図4の左側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の一実施形態に係る食材洗浄機10について図面を参照しながら説明を行なう。食材として、ネギ、キャベツ、にんじんをみじん切りや千切りなどしたカット野菜を例示できるが、食材は、これに限定されるものではない。
【0016】
図1乃至図5は、本発明の一実施形態に係る食材洗浄機10の正面図である。本発明の食材洗浄機10は、たとえば、洗浄籠20を載置する載置ステーション30と、食材を洗浄する洗浄ステーション40から構成することができる。
【0017】
図示では、上流側となる右側に載置ステーション30、下流側となる左側に洗浄ステーション40を設けており、洗浄籠20は、右側から左側に移動する。図1は、洗浄籠20が載置ステーション30に載置された状態、図2は洗浄籠20が洗浄ステーション40に移動し、洗浄ユニット50内に収容された状態、図3は、洗浄ユニット50が下方向に移動する過程の状態、図4は、洗浄槽41内に降下し、食材が洗浄されている状態、図5は、洗浄終了後、洗浄籠20が洗浄ユニット50と共に引き上げられた状態を示している。
【0018】
まず、洗浄籠20について説明する。洗浄籠20は、食材を投入する食材投入口21が上面に開口して形成された容器である。その形状は、図に示す逆円錐台形状や、碗状、円筒状、角柱形状等とすることができる。洗浄籠20は、側面及び底面の少なくとも一部、望ましくは全面に亘って通水性を具備する構造とし、たとえば、メッシュやパンチングメタルから構成される。錆発生を防止し、また、洗浄籠20の高温洗浄、殺菌等を行なうことができるように、洗浄籠20はステンレス鋼から作製することが望ましい。洗浄籠20には、食材スライサーなどの機構によりカットされた食材が食材投入口21から投入される。
【0019】
載置ステーション30は、図1に示すように、食材が投入された洗浄籠20が載置され、送り機構31によって当該洗浄籠20を洗浄ステーション40に送り込む(図1の矢印A)。送り機構31は、たとえば、チェーンコンベアやベルトコンベアであるがこれに限定されるものではない。図示では、載置ステーション30に2基の洗浄籠20,20を載置しているが、1基又は3基以上であっても構わない。送り機構31は次に説明する洗浄ユニット50が上方に移動した状態で洗浄ユニット50の搬送機構53と同期して作動し、洗浄籠20を水平方向に移動させて洗浄ユニット50内に搬入する。
【0020】
洗浄ステーション40は、洗浄籠20が収容される洗浄ユニット50と、洗浄液42(たとえば水)が貯溜された洗浄槽41を具える。洗浄槽41は、載置ステーション30の送り機構31よりも低い位置に設けられる。洗浄ステーション40には、チェーンやアクチュエーターなどの上下動機構45を有し、洗浄ユニット50は上下動機構45に連繋される。洗浄ユニット50は、図2乃至図5に示すように、上下動機構45の作動により、洗浄槽41の上方の位置(図2)から、図3図4に矢印Cで示すように下方に移動して洗浄槽41に浸漬され、図5の矢印Gに示すように再び洗浄槽41から上方に引き上げられる。
【0021】
洗浄ユニット50は、ステンレス鋼等のフレームから構成され、下端に洗浄籠20を洗浄ユニット50内に導き入れ(図2の矢印B)、また、洗浄後に洗浄籠20を送出する搬送機構53を具える(図5の矢印I)。搬送機構53は、たとえばチェーンコンベアやベルトコンベアであるがこれに限定されるものではない。本実施形態の搬送機構53はチェーンコンベアであり、図6に示すように2列配置している。
【0022】
洗浄ユニット50は、洗浄籠20の食材投入口21を塞ぐ蓋体60を具える。蓋体60はステンレス鋼等の矩形の蓋フレーム61の内側にメッシュ62やパンチングメタルを装着したものを例示することができる。蓋体60は、洗浄ユニット50に設けられた蓋体昇降機構70に連繋されており、洗浄ユニット50に対して昇降可能となっている(図3図4の矢印D、図5の矢印H)。より詳細には、蓋体昇降機構70は、図1図2図5、より詳細には側面図6に示すように、洗浄ユニット50が上方に位置する間は、蓋体60を洗浄籠20よりも上方に移動させて(図5図6の矢印H)、洗浄籠20の搬入、送出を邪魔させず、また、図3、より詳細には側面図7に示すように、洗浄ユニット50が下方に移動して洗浄槽41に洗浄籠20の上面(食材投入口21)が浸かるまでの間に蓋体60を下降(矢印D)させて食材投入口21を塞ぎ、洗浄中は、図4及び図6に示すように洗浄籠20を塞いだ状態で維持する。
【0023】
蓋体昇降機構70は、洗浄液42に浸漬するため、また、構成を簡略化して手入れを簡便化するため、独自の動力機構を持たない構成とすることが望ましい。すなわち、洗浄ユニット50の上下動に連動して作動し、蓋体60を昇降させる構成とすることが望ましい。そこで、本実施形態では、蓋体昇降機構70をリンク機構71を含む構成とし、洗浄ユニット50の上下動に連動して蓋体60を昇降可能としている。
【0024】
具体的実施形態として、洗浄ユニット50の四隅には、側面図6乃至図8に示す垂直に設けられた縦フレーム51を有し、縦フレーム51には昇降可能にスライダー74が配置されている。蓋体60は、スライダー74に装着され、縦フレーム51に沿って上下に昇降可能となっている。
【0025】
上記スライダー74は、リンク機構71に連繋される。リンク機構71は、第1リンク72と第2リンク73を枢軸P1により面内回転可能に連繋して構成できる。第1リンク72の一端は、枢軸P2によりスライダー74に面内回転可能に連繋される。また、第2リンク73は枢軸P1と自由端73aとの間で枢軸P3により洗浄ユニット50の下フレーム52に面内回転可能に連繋される。
【0026】
枢軸P1は、洗浄ユニット50の内方向に配置され、図6乃至図8に示すように、第2リンク73の自由端73aは洗浄ユニット50の外方向に飛び出している。第2リンク73の自由端73aの昇降移行路には、洗浄槽41のやや上側にプッシャー75が突設されている。プッシャー75は、洗浄ユニット50の上下動とは無関係な位置に固定されている。
【0027】
蓋体昇降機構70の動作の詳細は、後述するが、洗浄ユニット50が上方に移動したときに下側から第2リンク73の自由端73aが当たり、自由端73aを押し下げ(図6の矢印J)、第1リンク72を介してスライダー74を上方向に移動させ(図5及び図6の矢印H)、蓋体60を洗浄籠20の食材投入口21から離間させる。
【0028】
一方、洗浄ユニット50が下方に移動すると(図3図7の矢印C)、第2リンク73はプッシャー75からの押付力が開放され、蓋体60の自重により自動的に蓋体60はスライダー74を押し下げて下方に移動し(図3図7の矢印D)、洗浄籠20の食材投入口21を塞ぐ。
【0029】
その他、蓋体60には、洗浄中に洗浄液42にエアーバブルを吹き込む水流・バブル発生器43が装着されている。本実施形態では、洗浄ユニット50には洗浄籠20は2基搭載可能であるため、水流・バブル発生器43も2基であり、各洗浄籠20の上に配置している。
【0030】
洗浄槽41は、洗浄液42が貯溜された容器であり、上面が開口し、洗浄ユニット50が出没可能となっている。洗浄槽41の底面にも水流及び/又はバブル発生器44が配置されている。本実施形態では、洗浄ユニット50には洗浄籠20は2基搭載可能であるため、水流・バブル発生器44も2基であり、各洗浄籠20の下に配置している。
【0031】
然して、上記構成の食材洗浄機10は、図1に示すように洗浄ユニット50が上位置に移動している状態で、載置ステーション30の送り機構31に食材が投入された洗浄籠20を載置し、送り機構31を作動させて洗浄籠20を洗浄ユニット50に送り込む(矢印A)。
【0032】
洗浄ユニット50は、蓋体60が蓋体昇降機構70により上昇した状態で待機している。具体的には、蓋体昇降機構70は、図6に示すように、洗浄ユニット50が洗浄槽41の上に位置する状態で、プッシャー75が第2リンク73の自由端73aに当たって自由端73aを押し下げられ(矢印J)、第2リンク73は枢軸P3を中心に面内回転して枢軸P1を押し上げられている(矢印K)。これにより第1リンク72は、上方に付勢され、スライダー74を矢印Hに示すように上スライドさせる。蓋体60は、スライダー74に装着されているから、スライダー74の上移動により、洗浄籠20の食材投入口21から上向きに離れ、洗浄籠20よりも高い位置で蓋体60は待機している。
【0033】
載置ステーション30の送り機構31と同期して、洗浄ユニット50の搬送機構53を作動させることで、図2に示すように洗浄籠20は洗浄ユニット50内に収容される(矢印B)。蓋体60は洗浄籠20よりも高い位置で待機しているから、蓋体60が洗浄籠20の搬入の障害にはならない。
【0034】
この状態から、上下動機構45を作動させ、洗浄ユニット50を洗浄槽41に向けて下移動させる(図3及び図7の矢印C)。洗浄ユニット50が下方に移動し、蓋体昇降機構70はプッシャー75以外が洗浄ユニット50と共に降下する。洗浄籠20が洗浄槽41に浸かる過程で蓋体昇降機構70が降下することで、第2リンク73の自由端73aがプッシャー75から離間し、自由端73aへの押付力が開放される。蓋体60を構成する蓋フレーム61やメッシュ62は重量があるから、その自重によりスライダー74は蓋体60と共に矢印Dに示すように自動的に降下し、蓋体60は洗浄籠20の食材投入口21を塞ぐ。なお、第1リンク72と第2リンク73は、スライダー74の降下により、枢軸P1が下方に移動し(矢印L)、第2リンク73は枢軸P3を中心として回転し、自由端73aが上方に移動する(矢印M)。
【0035】
上下動機構45によりさらに洗浄ユニット50を下移動させることで(矢印C)、図4及び図6に示すように、洗浄籠20が蓋体60で塞がれたまま洗浄ユニット50は洗浄槽41に進入する。
【0036】
図4及び図8に示すように洗浄籠20が洗浄液42にほぼ浸漬すると、水流・バブル発生器43,44を作動させ、洗浄籠20内に水流、バブルを導き入れて、洗浄籠20内の食材を洗浄する(水流・バブルを矢印E、Fで示す)。洗浄籠20は蓋体60により塞がれているから、食材があふれ出ることはない。
【0037】
食材の洗浄が完了すると、上下動機構45を作動させて、図5及び図6に示すように、洗浄ユニット50を洗浄槽41から引き上げる(矢印G)。洗浄ユニット50が上移動すると、蓋体昇降機構70も上昇し、図6に示すように、第2リンク73の自由端73aの昇降移行路に突設されたプッシャー75が、第2リンク73の自由端73aに当たって自由端73aを押し下げる(図6の矢印J)。これにより、第2リンク73は枢軸P3を中心に面内回転して枢軸P1を押し上げ(図6の矢印K)、第1リンク72が上方に移動して、スライダー74を図5図6の矢印Hに示すように上スライドさせる。蓋体60は、スライダー74に装着されているから、スライダー74の上移動により、洗浄籠20の食材投入口21から上向きに離れる。
【0038】
この状態から搬送機構53を作動させて、図5の矢印I方向に洗浄籠20を移動させることで、蓋体60が邪魔することなく、食材の洗浄が完了した洗浄籠20を食材洗浄機10から取り出すことができる。
【0039】
本発明の食材洗浄機10によれば、洗浄籠20を洗浄槽41に浸ける過程で自動的に洗浄籠20を蓋体60で塞ぐことができ、作業効率を高めることができる。蓋体昇降機構70は、洗浄ユニット50の上下動に連動して蓋体60を昇降させるから、蓋体昇降機構70の構成を簡素化して手入れも簡便化できる。
【0040】
上記説明は、本発明を説明するためのものであって、特許請求の範囲に記載の発明を限定し、或いは範囲を限縮するように解すべきではない。また、本発明の各部構成は、上記実施例に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能であることは勿論である。
【0041】
たとえば、上記実施形態では、蓋体昇降機構70は、動力機構を持たず、洗浄ユニット50の上下動に連動して蓋体60を昇降させるようにしているが、その構成は、図示の機構に限定されるものではない。また、たとえば、アクチュエーター、ボールねじ、ラックギア、チェーン等により蓋体60を洗浄ユニット50の上下動に同期して昇降させるようにしても構わない。
【0042】
また、送り機構31、搬送機構53、上下動機構45、水流・バブル発生器43,44などの構成は上記実施形態に限定されるものではないことは理解されるべきである。
【0043】
さらに、たとえば、載置ステーション30は省略して直接洗浄籠20は洗浄ステーション40に搬入する構成としても構わない。また、洗浄ステーション40の下流側に搬出された洗浄籠20が一時保管できる滞留ステーションを設けてもよい。
【0044】
上記では説明を省略したが、食材洗浄機10には、洗浄液42を供給し、あふれ出た洗浄液42を濾過して必要に応じて再利用できる洗浄液供給・循環機構を配備し、洗浄液42を清浄な状態で維持することができる。
【符号の説明】
【0045】
10 食材洗浄機
20 洗浄籠
21 食材投入口
30 載置ステーション
31 送り機構
40 洗浄ステーション
41 洗浄槽
45 上下動機構
50 洗浄ユニット
51 縦フレーム
53 搬送機構
60 蓋体
70 蓋体昇降機構
71 リンク機構
72 第1リンク(リンク機構)
73 第2リンク(リンク機構)
74 スライダー
75 プッシャー
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2022-08-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗浄すべき食材が投入され、上部に食材投入口を有し、側面及び/又は底面が通水性を有する洗浄籠と、
洗浄液が貯溜された洗浄槽と、
前記洗浄籠が配置される洗浄ユニットであって、前記洗浄槽の上方に配備され、下方移動することで、前記洗浄籠を前記洗浄槽に浸漬させる洗浄ユニットと、
前記洗浄ユニットを上下動させる上下動機構と、
を具える食材洗浄機であって、
前記洗浄ユニットは、前記洗浄籠の前記食材投入口を塞ぐ蓋体と、前記蓋体を昇降移動させる蓋体昇降機構を具え、前記蓋体昇降機構は、前記洗浄ユニットが下方に移動したときに前記蓋体を降下させて前記食材投入口を塞ぎ、前記洗浄ユニットが上方に移動したときに前記蓋体を上昇させて前記洗浄籠から離すものであり、前記洗浄ユニットに垂直に配備された縦フレームと、前記蓋体が装着され、前記縦フレームにスライド可能に配置されたスライダーと、前記スライダーを上下に昇降させるリンク機構を含む、
食材洗浄機。
【請求項2】
前記蓋体昇降機構は、前記洗浄ユニットの上下動に連動して前記蓋体を昇降させる、
請求項1に記載の食材洗浄機。
【請求項3】
前記蓋体昇降機構は、動力機構をもたない、
請求項1又は請求項2に記載の食材洗浄機。
【請求項4】
前記リンク機構は、
一端が前記スライダーに面内回転可能に連繋される第1リンクと、
前記洗浄ユニットに面内回転可能に支持され、一端が前記第1リンクの他端に面内回転可能に連繋され、他端が自由端である第2リンクと、
前記第2リンクの自由端の昇降移行路に配置され、前記第2リンクが上昇したときに前記第2リンクの自由端に当接して、前記第2リンクの自由端を押し下げるプッシャーと、
を具える、
請求項1乃至請求項3の何れかに記載の食材洗浄機。
【請求項5】
前記洗浄ユニットは、前記洗浄籠を水平方向に移動させて前記洗浄ユニットに導き入れる搬送機構を具える、
請求項1乃至請求項の何れかに記載の食材洗浄機。