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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022189256
(43)【公開日】2022-12-22
(54)【発明の名称】操作装置
(51)【国際特許分類】
   H01H 25/04 20060101AFI20221215BHJP
【FI】
H01H25/04 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021097743
(22)【出願日】2021-06-11
(71)【出願人】
【識別番号】000003551
【氏名又は名称】株式会社東海理化電機製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110002583
【氏名又は名称】弁理士法人平田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】折戸 光雄
【テーマコード(参考)】
5G031
【Fターム(参考)】
5G031AS10H
5G031AS10J
5G031AS10N
5G031AS23H
5G031GS23
5G031HU02
5G031HU75
5G031KS03
(57)【要約】
【課題】小型化することができる操作装置を提供する。
【解決手段】操作装置1は、第1の軸101を回転軸とする押し下げ操作及び引き上げ操作を受け付け、また第1の軸101と交差する第2の軸102を基準に左領域2a及び右領域2bに分けた際、左領域2aになされた押し下げ操作又は右領域2bになされた引き上げ操作によって第2の軸102を回転軸とした右回転による左傾斜状態1a、及び左領域2aになされた引き上げ操作又は右領域2bになされた押し下げ操作によって左回転による右傾斜状態1bを有する操作ノブ2と、操作ノブ2になされた押し下げ操作及び引き上げ操作を検出する第1の検出部5aと、操作ノブ2の左傾斜状態1a、及び右傾斜状態1bを検出する第2の検出部6aと、を備えて概略構成されている。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の軸を回転軸とする押し下げ操作及び引き上げ操作を受け付け、また前記第1の軸と交差する第2の軸を基準に左領域及び右領域に分けた際、前記左領域になされた前記押し下げ操作又は前記右領域になされた前記引き上げ操作によって前記第2の軸を回転軸とした右回転による左傾斜状態、及び前記左領域になされた前記引き上げ操作又は前記右領域になされた前記押し下げ操作によって左回転による右傾斜状態を有する操作ノブと、
前記操作ノブになされた前記押し下げ操作及び前記引き上げ操作を検出する第1の検出部と、
前記操作ノブの前記左傾斜状態、及び前記右傾斜状態を検出する第2の検出部と、
を備えた操作装置。
【請求項2】
前記第1の検出部が検出した前記操作ノブの前記押し下げ操作及び前記引き上げ操作と、前記第2の検出部が検出した前記操作ノブの前記左傾斜状態及び前記右傾斜状態と、の組み合わせに基づいて制御対象に対して4種類の制御を行う制御部を備えた、
請求項1に記載の操作装置。
【請求項3】
前記制御対象は、車両の前席側の左右のウインドウであり、
前記制御部は、前記操作ノブの前記左傾斜状態と前記押し下げ操作を検出した場合、左側のウインドウを開ける制御、前記左傾斜状態と前記引き上げ操作を検出した場合、前記右側のウインドウを閉める制御、前記右傾斜状態と前記押し下げ操作を検出した場合、右側のウインドウを開ける制御、前記右傾斜状態と前記引き上げ操作を検出した場合、前記左側のウインドウを閉める制御を行う、
請求項2に記載の操作装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記左傾斜状態及び前記右傾斜状態が検出されずに前記押し下げ操作が検出された場合、前記左側のウインドウ及び前記右側のウインドウを開ける制御を行い、前記左傾斜状態及び前記右傾斜状態が検出されずに前記引き上げ操作が検出された場合、前記左側のウインドウ及び前記右側のウインドウを閉める制御を行う、
請求項3に記載の操作装置。
【請求項5】
前記車両は、さらに後席側の左右にウインドウを有し、
前記後席用の前記操作ノブ、前記第1の検出部及び前記第2の検出部を有し、
前記前席用の前記操作ノブと前記後席用の前記操作ノブとは、前記第2の軸に沿って並んで配置された、
請求項3又は4に記載の操作装置。
【請求項6】
前記操作ノブの前記第1の軸周りの回転においては前記操作ノブと共に回転し、前記操作ノブの前記第2の軸周りの回転においては前記操作ノブと共に回転せずに回転を許容し、前記操作ノブと前記操作ノブの取付先との間に介在する介在部材を備えた、
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の操作装置。
【請求項7】
前記操作ノブの前記左領域側及び前記右領域側の側面部の一部と接触する第1の左側スイッチ及び第1の右側スイッチと、
前記左領域側及び前記右領域側の下方となる前記介在部材の一部と接触する第2の左側スイッチ及び第2の右側スイッチと、
前記第1の左側スイッチ及び前記第1の右側スイッチは、前記第1の検出部及び前記第2の検出部の一方を構成し、
前記第2の左側スイッチ及び前記第2の右側スイッチは、前記第1の検出部及び前記第2の検出部の他方を構成する、
請求項6に記載の操作装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の技術として、車両のウインドガラスを開閉するための車両用パワーウインドウスイッチが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
この車両用パワーウインドウスイッチは、ドアのアームレストに配置され、ノブを操作することで車両のウインドガラスを開閉することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平5-166435号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の車両用パワーウインドウスイッチは、開閉可能なウインドウガラスごとにスイッチが配置されるため、ユーザの指のサイズによってスイッチごとのサイズが規定され、小型化が難しい。
【0006】
従って本発明の目的は、小型化することができる操作装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様は、第1の軸を回転軸とする押し下げ操作及び引き上げ操作を受け付け、また第1の軸と交差する第2の軸を基準に左領域及び右領域に分けた際、左領域になされた押し下げ操作又は右領域になされた引き上げ操作によって第2の軸を回転軸とした右回転による左傾斜状態、及び左領域になされた引き上げ操作又は右領域になされた押し下げ操作によって左回転による右傾斜状態を有する操作ノブと、操作ノブになされた押し下げ操作及び引き上げ操作を検出する第1の検出部と、操作ノブの左傾斜状態、及び右傾斜状態を検出する第2の検出部と、を備えた操作装置を提供する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、小型化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1(a)は、実施の形態に係る操作装置の一例を示す図であり、図1(b)は、操作装置が搭載された車両のドアの一例を示す図である。
図2図2(a)は、実施の形態に係る操作装置が搭載された車両の一例を示す図であり、図2(b)は、操作装置のブロック図の一例である。
図3図3(a)は、実施の形態に係る操作装置の操作ノブを後斜め方向から見た一例を示す図であり、図3(b)は、操作ノブを後側方向から見た一例を示す図である。
図4図4(a)は、実施の形態に係る操作装置の操作ノブを上方向から見た一例を示す図であり、図4(b)は、操作ノブを右側面方向から見た一例を示す図である。
図5図5(a)は、実施の形態に係る操作装置の操作ノブになされた操作と傾斜状態との組み合わせの一例を示す図であり、図5(b)は、右傾斜状態の一例を示す後面図である。
図6図6(a)は、実施の形態に係る操作装置の操作ノブの右傾斜状態の一例を示す上面図であり、図6(b)は、右傾斜状態の一例を示す右側面図である。
図7図7は、実施の形態に係る操作装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(実施の形態の要約)
実施の形態に係る操作装置は、第1の軸を回転軸とする押し下げ操作及び引き上げ操作を受け付け、また第1の軸と交差する第2の軸を基準に左領域及び右領域に分けた際、左領域になされた押し下げ操作又は右領域になされた引き上げ操作によって第2の軸を回転軸とした右回転による左傾斜状態、及び左領域になされた引き上げ操作又は右領域になされた押し下げ操作によって左回転による右傾斜状態を有する操作ノブと、操作ノブになされた押し下げ操作及び引き上げ操作を検出する第1の検出部と、操作ノブの左傾斜状態、及び右傾斜状態を検出する第2の検出部と、を備えて概略構成されている。
【0011】
この操作装置は、1つの操作ノブによって、左領域になされた押し下げ操作及び引き上げ操作、右領域になされた押し下げ操作及び引き上げ操作を検出することができるので、2つの操作ノブによって検出する場合と比べて、小型化することができる。
【0012】
[実施の形態]
(操作装置1の概要)
図1(a)は、操作装置の一例を示す図であり、図1(b)は、操作装置が搭載された車両のドアの一例を示す図である。図2(a)は、車両の一例を示す図であり、図2(b)は、操作装置のブロック図の一例である。
【0013】
なお以下に記載する実施の形態に係る各図において、図形間の比率は、実際の比率とは異なる場合がある。また図2(b)では、主な信号や情報の流れを矢印で示している。さらに以下に記載する上下左右は、特に断らない場合、運転席84に着座するユーザから見た上下左右、つまり車両8の上下左右を基準としている。
【0014】
本実施の形態の操作装置1は、図1(a)に示すように、第1の軸101を回転軸とする押し下げ操作及び引き上げ操作を受け付け、また第1の軸101と交差する第2の軸102を基準に左領域2a及び右領域2bに分けた際、左領域2aになされた押し下げ操作又は右領域2bになされた引き上げ操作によって第2の軸102を回転軸とした右回転による左傾斜状態1a、及び左領域2aになされた引き上げ操作又は右領域2bになされた押し下げ操作によって左回転による右傾斜状態1bを有する操作ノブ2と、操作ノブ2になされた押し下げ操作及び引き上げ操作を検出する第1の検出部5aと、操作ノブ2の左傾斜状態1a、及び右傾斜状態1bを検出する第2の検出部6aと、を備えて概略構成されている。
【0015】
左傾斜状態1aとは、操作ノブ2を正面(前面部23)から見た場合、左領域2aが右領域2bより下がって傾斜した操作ノブ2の状態を示している。操作ノブ2は、操作のない状態から左傾斜状態1aとなる場合、図1(a)に示すように、矢印C方向、正面から見て時計回りの右回転を行う。
【0016】
右傾斜状態1bとは、操作ノブ2を正面(前面部23)から見た場合、右領域2bが左領域2aより下がって傾斜した操作ノブ2の状態を示している。操作ノブ2は、操作のない状態から右傾斜状態1bとなる場合、図1(a)に示すように、矢印D方向、正面から見て反時計回りの左回転を行う。
【0017】
また操作装置1は、第1の検出部5aが検出した操作ノブ2の押し下げ操作及び引き上げ操作と、第2の検出部6aが検出した操作ノブ2の左傾斜状態1a及び右傾斜状態1bと、の組み合わせに基づいて制御対象に対して4種類の制御を行う制御部7を備えている。
【0018】
本実施の形態の操作装置1は、一例として、図2(a)及び図2(b)に示すように、車両8のウインドウの開閉操作を受け付けるように構成されている。つまり制御対象は、一例として、車両8のウインドウの開閉を行うウインドウレギュレータ88である。操作ノブ2は、車両8の前席側の左右のウインドウの開閉操作を受け付ける。
【0019】
この車両8は、さらに後席側の左右にウインドウを有している。従って操作装置1は、図1(a)及び図2(b)に示すように、後席用の操作ノブ3、第1の検出部5b及び第2の検出部6bを有している。前席用の操作ノブ2と後席用の操作ノブ3とは、図1(a)及び図1(b)に示すように、第2の軸102に沿って並んで配置されている。
【0020】
ここで車両8は、一例として、図2(a)に示すように、助手席85側の前席左ドア80のウインドウ80a、運転席84側の前席右ドア81のウインドウ81a、後席86の後席左ドア82のウインドウ82a、及び後席86の後席右ドア83のウインドウ83aを開閉可能なウインドウとして有している。なお前席とは、運転席84及び助手席85である。
【0021】
本実施の形態の操作装置1は、4ドアの車両8に配置されているがこれに限定されず、2ドアの車両、つまり前席の左右のウインドウが開閉可能な車両に配置されても良い。
【0022】
操作装置1は、図1(b)に示すように、運転席84側の前席右ドア81のアームレスト81bに配置されている。操作ノブ2及び操作ノブ3が取り付けられる筐体10は、アームレスト81bと一体とされている。なお操作装置1は、筐体10とアームレスト81bの境界に装飾部材を備えても良い。また操作装置1は、アームレスト81bに限定されず、運転席84と助手席85の間のセンターコンソール87などに配置されても良い。
【0023】
操作ノブ3の構成は、操作ノブ2の主な構成と同様である。また操作ノブ3の第1の検出部5b及び第2の検出部6bは、主な構成が操作ノブ2の第1の検出部5a及び第2の検出部6aと同様である。従って以下では操作ノブ2を中心に説明する。
【0024】
(筐体10の構成)
筐体10は、一例として、図1(a)に示すように、底が開放された箱形状を有している。筐体10は、上面11に凹部12a及び凹部12bを有している。凹部12aは、車両8の前方に位置し、操作ノブ2が露出している。また凹部12bは、車両8の後方に位置し、操作ノブ3が露出している。
【0025】
筐体10は、その内部にベース15が配置されている。このベース15は、その上面150に、操作ノブ2の取付先となる取付部16と、操作ノブ3の取付先となる取付部17と、が設けられている。
【0026】
取付部16は、操作ノブ2を回転可能に支持する支持部160が設けられている。取付部17は、操作ノブ3を回転可能に支持する支持部170が設けられている。
【0027】
(操作ノブ2及び操作ノブ3の構成)
図3(a)は、操作ノブを後斜め方向から見た一例を示す図であり、図3(b)は、操作ノブを後側方向から見た一例を示す図である。図4(a)は、操作ノブを上方向から見た一例を示す図であり、図4(b)は、操作ノブを右側面方向から見た一例を示す図である。図3(a)~図4(b)は、説明のため、前席の操作ノブ2の左側面部20及び右側面部21のみ図示して構成を分かり易くしている。後述する図5(a)~図6(b)も同様である。また図4(a)、及び後述する図6(a)は、二点鎖線で示す第2の軸102を境界線26として紙面の上側を左領域2a、下側を右領域2bとしている。
【0028】
操作ノブ2は、図1(a)に示すように、樹脂材料を用いて形成され、下面部25が開放された左右に細長い形状を有している。また操作ノブ2は、車両8の前側が後側よりも高くされている。操作ノブ2は、一例として、頂点が筐体10の上面11と同じ高さ、つまり操作ノブ2の最も高い点と上面11とが面一となっている。
【0029】
操作ノブ3は、操作ノブ2と同様に、樹脂材料を用いて形成され、下面部35が開放された左右に細長い形状を有している。また操作ノブ3は、一例として、操作ノブ2と同様に、頂点が筐体10の上面11と同じ高さ、つまり操作ノブ3の最も高い点と上面11とが面一となっている。
【0030】
操作ノブ2は、左側面部20、右側面部21、上面部22、前面部23、後面部24及び下面部25を有している。同様に、操作ノブ3は、左側面部30、右側面部31、上面部32、前面部33、後面部34及び下面部35を有している。操作ノブ2は、上面部22が、後面部24側よりも前面部23側が高い形状を有している。同様に、操作ノブ3は、上面部32が、後面部34側よりも前面部33側が高い形状を有している。なお操作ノブ2及び操作ノブ3は、同じ形状とされても良いし、異なる形状とされても良い。
【0031】
操作装置1は、操作ノブ2の前面部23、及び筐体10の凹部12aによって形成される挿入凹部13を有している。また操作装置1は、操作ノブ3の前面部33、及び筐体10の凹部12bによって形成される挿入凹部14を有している。この挿入凹部13及び挿入凹部14は、操作時にユーザの指が挿入される凹部である。
【0032】
図1(a)の操作ノブ2に付された二点鎖線は、一例として、操作ノブ2の左領域2a及び右領域2bの境界線26を示している。この境界線26は、上面視において第2の軸102と一致している。左領域2aは、境界線26を境に、前面部23及び上面部22の左側の面である。右領域2bは、境界線26を境に、前面部23及び上面部22の右側の面である。
【0033】
図1(a)の操作ノブ3に付された二点鎖線は、一例として、操作ノブ3の左領域3a及び右領域3bの境界線36を示している。この境界線36は、上面視において第2の軸102と一致している。左領域3aは、境界線36を境に、前面部33及び上面部32の左側の面である。右領域3bは、境界線36を境に、前面部33及び上面部32の右側の面である。
【0034】
左領域2aは、車両8の前席左側のウインドウ80aを開閉する操作の際、ユーザの指が接触する領域である。右領域2bは、車両8の前席右側のウインドウ81aを開閉する操作の際、ユーザの指が接触する領域である。
【0035】
左領域3aは、車両8の後席左側のウインドウ82aを開閉する操作の際、ユーザの指が接触する領域である。右領域3bは、車両8の後席右側のウインドウ83aを開閉する操作の際、ユーザの指が接触する領域である。
【0036】
操作ノブ2は、図4(a)に示すように、左領域2aと右領域2bの幅L、つまり操作ノブ2の横幅Lをユーザの指の二本分以下とすることができる。例えば、操作ノブを左右のウインドウごとに設けた場合は、それぞれの操作ノブを操作可能とするため、1つの操作ノブの横幅がユーザの指の一本分より広くなり、2つの操作ノブが横に並ぶとその合計の横幅が指の二本分よりも広くなる。しかし本実施の形態の操作装置1は、1つの操作ノブ2によって左右のウインドウの開閉を制御することができるので、横幅Lを狭くすることが可能となる。
【0037】
操作装置1は、操作ノブ2の第1の軸周りの回転においては操作ノブ2と共に回転し、操作ノブ2の第2の軸周りの回転においては操作ノブ2と共に回転せずに回転を許容し、操作ノブ2と操作ノブ2の取付先である支持部160との間に介在する介在部材4を備えている。操作ノブ2は、介在部材4を介して支持部160に取り付けられている。
【0038】
操作ノブ2は、図1(a)に示すように、押し下げ操作の際、第1の軸101を回転軸として矢印A方向に回転する。操作ノブ2は、引き上げ操作の際、第1の軸101を回転軸として矢印B方向に回転する。
【0039】
また操作ノブ2は、図1(a)に示すように、左傾斜状態1aでは、第2の軸101を回転軸として矢印C方向に回転する。操作ノブ2は、右傾斜状態1bでは、第2の軸101を回転軸として矢印D方向に回転する。このように、操作ノブ2は、交差する方向に回転するがこの回転を可能としているのが介在部材4である。
【0040】
操作ノブ2は、図3(a)及び図3(b)に示すように、内部に介在部材4の支柱挿入部420に挿入される支柱27を有している。この支柱27は、四角筒形状を有し、端部に円柱形状の支柱軸部28が設けられている。操作ノブ2は、この支柱軸部28を第2の軸102とした回転を行う。なお支柱軸部28は、支柱27に設けられた貫通孔に挿入される軸であっても良い。
【0041】
この支柱軸部28は、図3(b)及び図4(a)に示すように、介在部材4に設けられ、支柱挿入部420と通ずる凹部49に挿入されている。凹部49は、上下に細長い形状を有し、支柱軸部28とほぼ同じ幅を有している。凹部49は、操作ノブ2の押し下げ操作及び引き上げ操作により、介在部材4に対して支柱27と共に支柱軸部28が傾けるように設けられている。
【0042】
操作ノブ2は、左側面部20の内面200に、内面200から突出する押子201を有している。また操作ノブ2は、右側面部21の内面210に、内面210から突出する押子211を有している。
【0043】
左側面部20の押子201は、図3(a)及び図3(b)に示すように、縦に細長い板形状を有している。押子201は、左傾斜状態1aを検出する第2の検出部6aの左傾斜スイッチ61と接触する先端部202を有している。この先端部202は、操作ノブ2の回転に応じて左傾斜スイッチ61を押し込み易くなるように半円形状を有している。
【0044】
右側面部21の押子211は、押子201と同様に、縦に細長い板形状を有している。押子211は、右傾斜状態1bを検出する第2の検出部6aの右傾斜スイッチ62と接触する先端部212を有している。この先端部212は、操作ノブ2の回転に応じて右傾斜スイッチ62を押し込み易くなるように半円形状を有している。
【0045】
(介在部材4の構成)
介在部材4は、図3(a)及び図3(b)に示すように、樹脂材料を用いて箱形状に形成されている。介在部材4は、支柱挿入部420、開口421及び開口422が上面42に並んで設けられている。また介在部材4は、左傾斜スイッチ61、右傾斜スイッチ62、左支持柱161及び右支持柱162が下面部45側に配置されている。
【0046】
支柱挿入部420は、操作ノブ2の支柱27が挿入されるように下面部45に伸びる筒形状を有している。この支柱挿入部420は、図4(a)に示すように、操作ノブ2の左傾斜状態1a及び右傾斜状態1bを許容するため、支柱27の第2の軸102を中心とする回転により支柱27が接触して回転が阻害されない程度に左側面部20及び右側面部21の方向に開口部分が細長く形成されている。
【0047】
また介在部材4は、操作ノブ2の押し下げ操作及び引き上げ操作の際、操作ノブ2と一体となって第1の軸101を中心として回転する。そのため、支柱挿入部420は、介在部材4の前面部43及び後面部44側の隙間が左側面部20及び右側面部21側よりも狭く形成されている。
【0048】
左側面部40は、貫通孔400を有している。この貫通孔400は、左支持柱161の左軸部161aが挿入されている。また右側面部41は、貫通孔410を有している。この貫通孔410は、右支持柱162の右軸部162aが挿入されている。
【0049】
この左支持柱161及び右支持柱162は、支持部160に設けられている。そして開口421及び開口422には、左支持柱161及び右支持柱162の端部が挿入されている。
【0050】
介在部材4は、図3(b)に示すように、上内面46が押し下げ操作及び引き上げ操作を検出する第1の検出部5aの後述する押下スイッチ51の上端部511、及び引上スイッチ52の上端部521と接触している。この上内面46は、上面42の裏側の面である。
【0051】
そして介在部材4は、前面部43と左側面部40の角に切欠部47と、後面部44と右側面部41の角に切欠部48を有している。切欠部47及び切欠部48は、介在部材4の第1の軸101周りの回転の際、押下スイッチ51及び引上スイッチ52と介在部材4が接触しないように設けられている。
【0052】
(第1の検出部5a及び第1の検出部5bの構成)
操作装置1は、操作ノブ2の左領域2a側及び右領域2b側の側面部の一部と接触する第1の左側スイッチ及び第1の右側スイッチと、左領域2a側及び右領域2b側の下方となる第1の支持部としての介在部材4の一部と接触する第2の左側スイッチ及び第2の右側スイッチと、を備えている。
【0053】
この第1の左側スイッチ及び第1の右側スイッチは、第1の検出部5a及び第2の検出部6aの一方を構成する。そして第2の左側スイッチ及び第2の右側スイッチは、第1の検出部5a及び第2の検出部6aの他方を構成する。
【0054】
本実施の形態の第1の検出部5aは、第2の左側スイッチとしての押下スイッチ51及び第2の右側スイッチとしての引上スイッチ52を有し、介在部材4と接触するように配置されている。そして本実施の形態の第2の検出部6aは、第1の左側スイッチとしての左傾斜スイッチ61及び第1の右側スイッチとしての右傾斜スイッチ62を有し、側面部の一部である操作ノブ2の左側面部20の押子201、及び右側面部21の押子211と接触するように配置されている。なお左傾斜スイッチ61及び右傾斜スイッチ62は、左側面部20及び右側面部21の下面部25と接触するように配置されても良い。
【0055】
また第2の検出部6aが介在部材4と接触するように配置され、第1の検出部5aが操作ノブ2の左側面部20の押子201、及び右側面部21の押子211と接触するように配置されても良い。この場合、左側面部20の押子201と右側面部21の押子211は、第1の左側スイッチ及び第1の右側スイッチと共に第1の軸101を挟んでずれるように配置される。
【0056】
押下スイッチ51及び引上スイッチ52は、一例として、プッシュスイッチとして構成されている。押下スイッチ51及び引上スイッチ52は、図3(a)及び図3(b)に示すように、操作ノブ2の押し下げ操作及び引き上げ操作によって位置がずれないようにする細長い台座18及び台座19と介在部材4とに挟まれている。
【0057】
押下スイッチ51の押ボタン510は、台座18の溝180に配置されている。また引上スイッチ52の押ボタン520は、台座19の溝190に配置されている。
【0058】
押下スイッチ51は、左側面部20側で、かつ前面部43側に配置されている。押下スイッチ51は、操作ノブ2の押し下げ操作によって押ボタン510が介在部材4に押し込まれてオンとなり、検出信号Sを制御部7に出力するように構成されている。なお押下スイッチ51は、上端部511側が押ボタンとして構成されても良い。
【0059】
引上スイッチ52は、右側面部21側で、かつ後面部44側に配置されている。引上スイッチ52は、操作ノブ2の引き上げ操作によって押ボタン520が介在部材4に押し込まれてオンとなり、検出信号Sを制御部7に出力するように構成されている。なお引上スイッチ52は、上端部521側が押ボタンとして構成されても良い。
【0060】
押下スイッチ51及び引上スイッチ52は、二段階でオンする構成を有し、一段階目で操作が継続されている間ウインドウを駆動し、二段階目で全開、又は全閉するまで駆動する。なお押下スイッチ51及び引上スイッチ52は、一段目のみを有し、操作が継続されている間、ウインドウを駆動する構成であっても良い。
【0061】
ここで変形例として押下スイッチ51及び引上スイッチ52は、可動接点と固定接点とを有するスイッチとして構成されても良い。この場合、操作装置1は、押下スイッチ51及び引上スイッチ52の先端に可動接点が配置されると共に、台座18及び台座19に固定接点が配置され、操作ノブ2の操作によって可動接点が移動して固定接点と接触することでオンする構成であっても良い。また操作装置1は、台座18及び台座19の裏面に可動接点が配置されると共に、ベース15に固定接点が配置され、操作ノブ2の操作によって台座18及び台座19が移動して可動接点と固定接点とがオンする構成であっても良い。
【0062】
操作ノブ3は、図2(b)に示すように、第1の検出部5bを備えている。第1の検出部5bは、操作ノブ3の押し下げ操作を検出する押下スイッチ53と、引き上げ操作を検出する引上スイッチ54と、を有している。押下スイッチ53は、押し下げ操作を検出すると、検出信号Sを制御部7に出力する。また引上スイッチ54は、引き上げ操作を検出すると、検出信号Sを制御部7に出力する。操作ノブ3の押下スイッチ53及び引上スイッチ54の配置は、操作ノブ2の押下スイッチ51及び引上スイッチ52の配置と同様である。
【0063】
(第2の検出部6a及び第2の検出部6bの構成)
第2の検出部6aは、左傾斜スイッチ61と、右傾斜スイッチ62と、を有している。左傾斜スイッチ61は、操作ノブ2の左傾斜状態1aを検出するプッシュスイッチである。また右傾斜スイッチ62は、操作ノブ2の右傾斜状態1bを検出するプッシュスイッチである。なお左傾斜スイッチ61及び右傾斜スイッチ62は、プッシュスイッチに限定されず、傾斜状態による距離の変化に基づいて傾斜状態か否かを検出する非接触スイッチなどであっても良い。
【0064】
左傾斜スイッチ61は、図3(b)に示すように、縦に細長い形状を有し、操作がなされていない状態において押ボタン610が押子201と接触している。また右傾斜スイッチ62は、縦に細長い形状を有し、操作がなされていない状態において押ボタン620が押子211と接触している。
【0065】
左傾斜スイッチ61及び右傾斜スイッチ62は、図4(a)及び図4(b)に示すように、第1の軸101に沿って配置されている。具体的には、左傾斜スイッチ61及び右傾斜スイッチ62は、上面視において円形状を有する押ボタン610及び押ボタン620の中心が第1の軸101の下方に位置する、つまり当該中心が第1の軸101に沿うように配置される。
【0066】
押下スイッチ51、引上スイッチ52、台座18、台座19、左傾斜スイッチ61及び右傾斜スイッチ62は、操作ノブ2が取り付けられる取付部16の中に配置されている。
【0067】
左傾斜スイッチ61は、操作ノブ2の左傾斜状態1aによって押子201を介して押ボタン610が押し込まれると、左傾斜状態1aを示す検出信号Sを制御部7に出力する。また右傾斜スイッチ62は、操作ノブ2の右傾斜状態1bによって押子211を介して押ボタン620が押し込まれると、右傾斜状態1bを示す検出信号Sを制御部7に出力する。
【0068】
操作ノブ3は、図2(b)に示すように、第2の検出部6bを備えている。第2の検出部6bは、操作ノブ3の左傾斜状態1aを検出する左傾斜スイッチ63と、操作ノブ3の右傾斜状態1bを検出する右傾斜スイッチ64と、を有している。左傾斜スイッチ63は、左傾斜状態1aを検出すると、検出信号Sを制御部7に出力する。また右傾斜スイッチ64は、右傾斜状態1bを検出すると、検出信号Sを制御部7に出力する。操作ノブ3の左傾斜スイッチ63及び右傾斜スイッチ64の配置は、操作ノブ2の左傾斜スイッチ61及び右傾斜スイッチ62の配置と同様である。
【0069】
(制御部7の構成)
図5(a)は、操作ノブになされた操作と傾斜状態との組み合わせの一例を示す図であり、図5(b)は、右傾斜状態1bの一例を示す後面図である。図6(a)は、右傾斜状態1bの一例を示す上面図であり、図6(b)は、右傾斜状態1bの一例を示す右側面図である。図5(a)は、下向きの矢印が押し下げ操作、上向の矢印が引き上げ操作、矢印C方向の右回転が左傾斜状態1a、矢印D方向の左回転が右傾斜状態1b、ON及びOFFが第2の検出部6aのオン、オフを示している。
【0070】
制御部7は、例えば、記憶されたプログラムに従って、取得したデータに演算、加工などを行うCPU(Central Processing Unit)、半導体メモリであるRAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)などから構成されるマイクロコンピュータである。このROMには、例えば、制御部7が動作するためのプログラムが格納されている。RAMは、例えば、一時的に演算結果などを格納する記憶領域として用いられる。また制御部7は、その内部にクロック信号を生成する手段を有し、このクロック信号に基づいて動作を行う。
【0071】
制御部7は、操作ノブ2の傾斜状態と操作との組み合わせにより、前席側のウインドウの制御を行う。具体的には、制御部7は、図5(a)に示すように、操作ノブ2の左傾斜状態1aと押し下げ操作を検出した場合、左側のウインドウ80aを開ける制御を行う。制御部7は、左傾斜状態1aと引き上げ操作を検出した場合、右側のウインドウ81aを閉める制御を行う。制御部7は、右傾斜状態1bと押し下げ操作を検出した場合、右側のウインドウ81aを開ける制御を行う。制御部7、右傾斜状態1bと引き上げ操作を検出した場合、左側のウインドウ80aを閉める制御を行う。
【0072】
また制御部7は、操作ノブ3の傾斜状態と操作との組み合わせにより、後席86側のウインドウの制御を行う。具体的には、制御部7は、操作ノブ3の左傾斜状態1aと押し下げ操作を検出した場合、左側のウインドウ82aを開ける制御を行う。制御部7は、左傾斜状態1aと引き上げ操作を検出した場合、右側のウインドウ83aを閉める制御を行う。制御部7は、右傾斜状態1bと押し下げ操作を検出した場合、右側のウインドウ83aを開ける制御を行う。制御部7、右傾斜状態1bと引き上げ操作を検出した場合、左側のウインドウ82aを閉める制御を行う。
【0073】
また制御部7は、操作ノブ2の傾斜状態が検出されず、操作のみを検出した場合、前席側の左右のウインドウの制御を行う。具体的には、制御部7は、図5(a)に示すように、左傾斜状態1a及び右傾斜状態1bが検出されずに無傾斜状態1cで押し下げ操作が検出された場合、左右のウインドウ80a及びウインドウ81aを開ける制御を行う。制御部7は、左傾斜状態1a及び右傾斜状態1bが検出されずに無傾斜状態1cで引き上げ操作が検出された場合、左右のウインドウ80a及びウインドウ81aを閉める制御を行う。
【0074】
また制御部7は、操作ノブ3の傾斜状態が検出されず、操作のみを検出した場合、後席86側の左右のウインドウの制御を行う。具体的には、制御部7は、左傾斜状態1a及び右傾斜状態1bが検出されずに無傾斜状態1cで押し下げ操作が検出された場合、左右のウインドウ82a及びウインドウ83aを開ける制御を行う。制御部7は、左傾斜状態1a及び右傾斜状態1bが検出されずに無傾斜状態1cで引き上げ操作が検出された場合、左右のウインドウ82a及びウインドウ83aを閉める制御を行う。
【0075】
制御部7は、傾斜状態と操作との組み合わせの情報である組合情報70を有している。制御部7は、第1の検出部5a及び第2の検出部6aの検出結果と組合情報70に基づいて操作情報Sを生成してウインドウレギュレータ88に出力し、ウインドウの開閉を行う。
【0076】
以下では、ユーザが右側のウインドウ81aを閉める操作を行った際の操作装置1の動作の一例について説明すると共に、受け付けた操作に対する制御部7の動作の一例について説明する。
【0077】
(動作)
ユーザが運転席84のウインドウ81aを閉めたいとき、右領域2bの前面部23に指を掛けて操作ノブ2を引き上げる操作を行う。この際、操作ノブ2は、図5(a)~図6(b)に示すように、第2の軸102の周りを矢印C方向に、つまり引き上げられた右領域2bが左領域2aよりも高くなる左傾斜状態1aとなると共に、第1の軸101の周りを矢印B方向に回転する。この操作は、図5(a)では、左上から二番目の図に相当する。
【0078】
まず操作ノブ2は、支柱軸部28を第2の軸102として右回転し、左側面部20の押子201の先端部202が左傾斜スイッチ61の押ボタン610を押し込み、左傾斜スイッチ61をオンとする。左傾斜スイッチ61は、オンしたことを示す検出信号Sを制御部7に出力する。
【0079】
また操作ノブ2は、左軸部161a及び右軸部162aを第1の軸101として、介在部材4と一体となって回転し、介在部材4が引上スイッチ52の押ボタン520を押し込み、引上スイッチ52をオンとする。引上スイッチ52は、オンしたことを示す検出信号Sを制御部7に出力する。
【0080】
制御部7は、第1の検出部5aの引上スイッチ52から検出信号S、第2の検出部6aの左傾斜スイッチ61から検出信号Sが入力すると、組合情報70を参照して傾斜状態と操作の組み合わせからなされた操作を判定する。
【0081】
制御部7は、検出信号S及び検出信号Sの組み合わせから操作ノブ2が左傾斜状態1aであり、かつ引き上げ操作がなされた、つまり右側のウインドウ81aを閉じる操作がなされたと判定すると、前席側の右側のウインドウ81aを閉じることを示す操作情報Sをウインドウレギュレータ88に出力する。ウインドウレギュレータ88は、操作が継続している間、又はウインドウ81aが全閉となるまでウインドウ81aを閉めるように駆動する。
【0082】
続いて以下では、本実施の形態の操作装置1の制御部7動作の一例について図7のフローチャートに従って説明する。
【0083】
操作装置1の制御部7は、第1の検出部5a及び第2の検出部6aを監視する。制御部7は、ステップ1の「Yes」が成り立つ、つまり押下スイッチ51の検出信号S、又は引上スイッチ52の検出信号Sが入力し、押し下げ操作又は引き上げ操作がなされた場合(Step1:Yes)、傾斜状態を判定する。
【0084】
制御部7は、左傾斜スイッチ61の検出信号Sが入力し、操作ノブ2が左傾斜状態1aであると判定した場合(Step2:Yes)、ステップ1において判定した押し下げ操作又は引き上げ操作と、左傾斜状態1aと、の組み合わせを組合情報70で確認し、前席の左側のウインドウ80aを開ける、又は右側のウインドウ81aを閉じる制御を行う(Step3)。
【0085】
ここで制御部7は、ステップ2において右傾斜スイッチ62の検出信号Sが入力し、左傾斜状態1aでなく(Step2:No)、右傾斜状態1bであると判定した場合(Step4:Yes)、ステップ1において判定した押し下げ操作又は引き上げ操作と、右傾斜状態1bと、の組み合わせを組合情報70で確認し、前席の右側のウインドウ81aを開ける、又は左側のウインドウ80aを閉じる制御を行う(Step5)。
【0086】
また制御部7は、ステップ4において、左傾斜状態1aでも右傾斜状態1bでもない無傾斜状態1cの場合、つまり押し下げ操作又は引き上げ操作が検出された状態で左傾斜スイッチ61及び右傾斜スイッチ62からの検出信号S及び検出信号Sが入力しない場合(Step4:No)、ステップ1において判定した押し下げ操作又は引き上げ操作と、無傾斜状態1cと、の組み合わせを組合情報70で確認し、前席の左右のウインドウ80a及びウインドウ81aを開ける、又は左右のウインドウ80a及びウインドウ81aを閉じる制御を行う(Step6)。
【0087】
なおステップ1~ステップ6は、上述した順序に限定されず、部分的に順序が入れ替わっても良い。例えば、制御部7は、押し下げ操作又は引き上げ操作について判定した後、傾斜状態を判定したがこれに限定されず、まず傾斜状態を判定した後、押し下げ操作か引き上げ操作かを判定しても良い。また制御部7は、傾斜状態の判定において左傾斜状態1aから判定したがこれに限定されず、右傾斜状態1bから判定しても良いし、傾斜状態の有無から判定しても良い。
【0088】
(実施の形態の効果)
本実施の形態に係る操作装置1は、小型化することができる。具体的には、操作装置1は、操作ノブ2になされた操作と傾斜状態との組み合わせに基づいて前席の左右のウインドウ80a及びウインドウ81aの開閉の制御を行うことができる。従って操作装置1は、1つの操作ノブ2によって左右のウインドウごとに操作ノブを備えた構成と同等の制御を行うことができるので、左右のウインドウごとに操作ノブを備える場合と比べて、操作ノブ2の横方向の幅Lが狭くなり、小型化することができる。
【0089】
操作装置1は、前席用に1つの操作ノブ2、後席用に1つの操作ノブ3を備えるので、前席用と後席用に4つの操作ノブを備える場合と比べて、部品点数が少なくなり、製造コストが抑制されると共に小型化することができる。
【0090】
操作装置1は、小型であるので、占有スペースを小さくすることができる。そのため、操作装置1は、配置場所が狭いところに配置することが可能である。従って操作装置1は、ドアに配置する場合、ドアトリムから大きくアームレストを突き出して広いスペースを作る必要がない。
【0091】
操作装置1は、前席の1つの操作ノブ2を無傾斜状態1cとした状態で操作することにより、前席の左右のウインドウ80a及びウインドウ81aの開閉を同時に行うことができ、2つの操作ノブを同時に操作する場合と比べて、操作性が良い。また操作装置1は、後席86についても1つの操作ノブ3を無傾斜状態1cとした状態で操作することにより、後席の左右のウインドウウ82a及びウインドウ83aの開閉を同時に行うことができ、2つの操作ノブを同時に操作する場合と比べて、操作性が良い。
【0092】
以上、本発明のいくつかの実施の形態及び変形例を説明したが、これらの実施の形態及び変形例は、一例に過ぎず、特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。これら新規な実施の形態及び変形例は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更などを行うことができる。また、これら実施の形態及び変形例の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない。さらに、これら実施の形態及び変形例は、発明の範囲及び要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0093】
1…操作装置、1a…左傾斜状態、1b…右傾斜状態、1c…無傾斜状態、2,3…操作ノブ、2a,3a…左領域、2b,3b…右領域、4…介在部材、5a,5b…第1の検出部、6a,6b…第2の検出部、7…制御部、8…車両、20…左側面部、21…右側面部、26…境界線、28…支柱軸部、30…左側面部、31…右側面部、36…境界線、51,53…押下スイッチ、52,54…引上スイッチ、61,63…左傾斜スイッチ、62,64…右傾斜スイッチ、101…第1の軸、102…第2の軸
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7