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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022189294
(43)【公開日】2022-12-22
(54)【発明の名称】少量危険物貯蔵庫
(51)【国際特許分類】
   E04H 1/12 20060101AFI20221215BHJP
   A47B 81/00 20060101ALI20221215BHJP
   B65D 25/02 20060101ALI20221215BHJP
   B65G 1/00 20060101ALI20221215BHJP
【FI】
E04H1/12 307
A47B81/00 F
B65D25/02 C
B65G1/00 531
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021097801
(22)【出願日】2021-06-11
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-11-17
(71)【出願人】
【識別番号】500456958
【氏名又は名称】ネキスト株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083068
【弁理士】
【氏名又は名称】竹中 一宣
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100165489
【弁理士】
【氏名又は名称】榊原 靖
(72)【発明者】
【氏名】山下和弥
(72)【発明者】
【氏名】石原勇夫
(72)【発明者】
【氏名】伊藤俊助
【テーマコード(参考)】
2E025
3E062
3F022
【Fターム(参考)】
2E025CA01
2E025CC01
3E062AA20
3E062AB03
3E062BA20
3E062CA02
3F022FF01
3F022MM51
(57)【要約】
【課題】接地面積が半坪を下回ると共に、丈夫で使い勝手の良い備え付けの収容棚を具備した、消防法に準拠した少量危険物貯蔵庫を提供することであって、更に好ましくは、そのような少量危険物貯蔵庫において、収容棚を引き出し式とし、庫内に気体の流通経路を形成すること。
【解決手段】 内部空間を画定する躯体と、開閉扉と、吸込部と、排気部と、床面と、油溜め部と、を備える、少量危険物貯蔵庫において、躯体内に対となる隔壁を設け、これらの隔壁間に棚板を架承することによって、小型化と、堅牢な棚の備え付けの両方を実現する。
【選択図】 図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部空間を画定する略直方体の躯体と、開閉扉と、外気を吸い込む吸込部と、ファン及び排気塔を含む、前記躯体内の気体を排気する排気部と、前記内部空間の底部に設けられ、前記吸込部から前記排気部に向かう下り勾配を備える、床面と、前記下り勾配の終端に一段低くして設けられた、前記床面と連続している油溜め部と、を備え、
前記油溜め部の上側空間に前記排気部の前記吸気管の下端を配置し、かつ前記排気部の前記排気管の排気端は前記躯体の外部に配置した、
少量危険物貯蔵庫であって、
前記躯体内に、前記躯体の前記吸込部側の壁面に対峙するように設けた、一方隔壁と、
前記躯体内の、前記一方隔壁と前記躯体の前記排気部側の壁面の間に設けた、他方隔壁と、を更に備え、
前記一方隔壁と前記他方隔壁の間に貯蔵空間を有し、
前記一方隔壁と前記他方隔壁には対峙するように棚受けをそれぞれ付設し、前記棚受け間に棚板を架承し、
前記一方隔壁は前記吸込部と前記貯蔵空間を連通する窓を有し、
前記一方隔壁及び前記他方隔壁と前記床面との間にはそれぞれ空間が存在する、
少量危険物貯蔵庫。
【請求項2】
前記棚板は手前に引き出し可能である、請求項1に記載の少量危険物貯蔵庫。
【請求項3】
前記躯体の前記内部空間には、前記ファンの作用によって気体が流れる気体流路を形成し、
前記気体流路は、前記躯体外から前記吸込部を通って前記躯体内へと流れる第1流路と、前記躯体内を上から下に流れる第2流路と、前記床面に添って前記吸込部から前記排気部の方へと流れ前記油溜め部を経て前記排気塔の下端に流れる第3流路と、前記下端より前記排気塔を経て前記躯体外に流れる第4流路と、で構成した、
請求項1又は2に記載の少量危険物貯蔵庫。
【請求項4】
前記吸込部の吸込口を前記吸込部側の前記壁面の下方に設け、
前記一方隔壁の前記窓を前記一方隔壁の上方に設け、
前記第1流路は下方の前記吸込口から気体を吸って上方の前記窓を経由して前記貯蔵空間内へと流し、前記第2流路は前記窓からの気体を上方から下方に前記床面へと流し、前記第3流路は前記気体を前記床面に沿って流し前記他方隔壁の下端の下を通して前記油溜め部へと送って前記排気塔の下端に収斂させ、前記第4流路は前記収斂した気体を前記躯体外に排気する構成とした、
請求項1から3のいずれか一項に記載の少量危険物貯蔵庫。
【請求項5】
前記油溜め部は、前記貯蔵庫の手前より、奥面に至り、前記床面に零れた油を、確実に回収可能とする構成とした、請求項1から4のいずれか一項に記載の少量危険物貯蔵庫。
【請求項6】
前記開閉扉は、片開き構造にし、前記躯体の表面にスペースを形成し、このスペースに消火器格納庫を付設する構成とした、請求項1から5のいずれか一項に記載の少量危険物貯蔵庫。
【請求項7】
前記躯体の前記表面の一部を取外し可能とする構成とした、請求項6に記載の少量危険物貯蔵庫。
【請求項8】
前記躯体の外寸法は幅1400mm、奥行き630mm、高さ1540mm以内であり、かつ消防法の少量危険物貯蔵庫の規定に準拠する構成とした、請求項1から7のいずれか一項に記載の少量危険物貯蔵庫。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、省スペースの設置、及び/又は、容易な設置が図れ、かつ工場等の建屋内に簡易に設置できる少量危険物貯蔵庫、特に消防法の規定に準拠した小型の少量危険物貯蔵庫に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の小型の少量危険物貯蔵庫としては、株式会社ヒイラギ(敬称省略)の「少量危険物倉庫」が挙げられる。そして、この「少量危険物倉庫」に関連する先行文献がある。即ち、特開2020-112008号であって、その概要は、携行缶貯蔵用の燃料貯蔵庫で、傾斜床部と、床部上の携行缶を載置する棚部と、傾斜床部に一段低く窪んだ溜桝部と、溜桝部直上に配置され、内部気体排気用排気設備部と、床部の傾斜方向に向く貫通孔を備え、床部に設けた携行缶、及び棚部の水平確保用の高さ調整用の高低形式の突起でなる棚固定部でなる構成であって、貯蔵場所の省スペース化と、使い勝手が良い少量危険物貯蔵庫の提供である(文献(1)とする)。
【0003】
そのような小型の少量危険物保管庫はこれまでに多種多様な製品が開発されているが、その寸法の小型化は文献1を含め、貯蔵庫の平面視した外寸法が半坪(1畳)のものに留まっていた。
【0004】
しかしながら本出願人は、業務として自動車板金塗装機械設備の販売を行う立場から、多くの自動車・二輪車修理工場、特に小規模から中規模の工場において、消防法の規定を満たす、更に小型で使い勝手の良い少量危険物貯蔵庫が要望されていることを認識した。そのような小~中規模の工場では利用できる敷地面積が非常に限られており、あらゆる面で省スペース化は恒常的な課題である。そしてこれらの工場での危険物の使用は、1、2個程度の携行缶(最大でも20L用で幅300×長さ500×高さ250程度)を頻繁に出し入れする、という形をとることが非常に多く、そのための貯蔵施設としては、半坪のスペースでも大き過ぎるくらいである。更にこの頻繁な出し入れという観点から、運搬に伴う作業員の労力の削減、危険物が運搬時に漏洩するリスクの回避、運搬時間の短縮による工程の合理化などのために、危険物貯蔵庫を、工場内の、危険物を使用する作業場所の近くに設置することが望ましいが、上記したような工場内にはそのような余裕の無いケースが圧倒的に多く、この点からも、現状の半坪を下回る設置スペースを実現することが強く望まれている。
【0005】
また、一般に庫内の貯蔵スペースを有効に確保する目的から、貯蔵庫の内部空間には携行缶等を容易に載置及び取り出しできる棚があるのが望ましい。特に小型の貯蔵庫であれば、貯蔵スペースを最大限に確保するために、備え付けの棚を有することが極めて望ましい。しかしながら、危険物貯蔵庫の内部空間には、消防法の規定による排気設備が設置されているため、棚の設置方法には自ずから制約があり、棚を備えていない貯蔵庫も多く存在している。庫内に棚を設置する場合、従来では、メーカーが付属品として支給する棚又は市販の適宜の棚を導入して利用するか、文献1に見られるように、庫内に棚を支持するための支柱を立設してそこに棚を懸架することが行われてきた。しかしながら、更なる小型化と、安全性、堅牢性、利便性の高い棚の具備の両方を実現する、使い勝手の良い危険物貯蔵庫の構造は、いまだ開示されていないように思われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2020-112008号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
文献(1)において、発明の効果は、明細書の段落[0028]と考えられる。それによれば、「使用者は、貯蔵庫によって、ガソリン等の燃料を安全かつ小さな空間に備蓄することができると共に、貯蔵する燃料32を必要なときに手間なく使用可能な状態にすることができる。」との記載がある。しかし、明細書には、その効果を達成する構成の開示が見当たらない。また背景技術で述べたような要望を満たす危険物貯蔵庫も現状では見当たらない。そうした要望を満たす、消防法に準拠した、半坪より小型の、使い勝手の良い危険物貯蔵庫を提供することが、本願発明の目的である。更に本発明では、小型化した少量危険物貯蔵庫の提供である。また、少量危険物貯蔵庫の換気と、気化された油(気化ガス)、及び/又は、気化熱等の庫内への滞留回避も図る。
【課題を解決するための手段】
【0008】
小型化、及び/又は、安全性を達成する手段としては、貯蔵庫内に、一方側面の壁体とこれに対峙する他方側面の壁体を形成し、この対峙する両壁体に棚受けを設け、この棚受けで、棚を架承(支持)する構成と、庫内には、気体流路を形成し、常時、庫内換気を心掛ける構成と、を採用する。
【発明の効果】
【0009】
請求項1の発明は、
内部空間を画定する略直方体の躯体と、開閉扉と、外気を吸い込む吸込部と、ファン及び排気塔を含む、躯体内の気体を排気する排気部と、内部空間の底部に設けられ、吸込部から排気部に向かう下り勾配を備える、床面と、下り勾配の終端に一段低くして設けられた、床面と連続している油溜め部と、を備え、
油溜め部の上側空間に排気部の吸気管の下端を配置し、かつ排気部の排気管の排気端は躯体の外部に配置した、
少量危険物貯蔵庫であって、
躯体内に、躯体の吸込部側の壁面に対峙するように設けた、一方隔壁と、
躯体内の、一方隔壁と躯体の排気部側の壁面の間に設けた、他方隔壁と、を更に備え、
一方隔壁と他方隔壁の間に貯蔵空間を有し、
一方隔壁と他方隔壁には対峙するように棚受けをそれぞれ付設し、棚受け間に棚板を架承し、
一方隔壁は吸込部と貯蔵空間を連通する窓を有し、
一方隔壁及び他方隔壁と床面との間にはそれぞれ空間が存在する、
少量危険物貯蔵庫であり、
少量危険物貯蔵庫内に棚受けを設置できる構造を有し、この棚受けに丈夫で使い勝手の良い棚板を設置できる特徴がある。
【0010】
請求項2の発明は、
棚板は手前に引き出し可能である、
少量危険物貯蔵庫であり、
少量危険物貯蔵庫の棚板の利便性を更に高めることができる。
【0011】
請求項3の発明は、
躯体の内部空間には、ファンの作用によって気体が流れる気体流路を形成し、
気体流路は、躯体外から吸込部を通って躯体内へと流れる第1流路と、躯体内を上から下に流れる第2流路と、床面に添って吸込部から排気部の方へと流れ油溜め部を経て排気塔の下端に流れる第3流路と、下端より排気塔を経て躯体外に流れる第4流路と、で構成した、
少量危険物貯蔵庫であって、
少量危険物貯蔵庫に空気流路気体流路を形成し、常時、庫内換気を心掛け、少量危険物貯蔵庫の換気と、気化した危険物(油気、又は気化ガス)、及び/又は、気化熱等の庫内への滞留回避が図れる(小型化、換気と、及び/又は、安全性を達成可能な少量危険物貯蔵庫を提供できる)。
【0012】
請求項4の発明は、
吸込部の吸込口を吸込部側の壁面の下方に設け、
一方隔壁の窓を一方隔壁の上方に設け、
第1流路は下方の吸込口から気体を吸って上方の窓を経由して貯蔵空間内へと流し、第2流路は窓からの気体を上方から下方に床面へと流し、第3流路は気体を床面に沿って流し他方隔壁の下端の下を通して油溜め部へと送って排気塔の下端に収斂させ、第4流路は収斂した気体を躯体外に排気する構成とした、
少量危険物貯蔵庫であって、
少量危険物貯蔵庫の気体流路を更に効果的にできる特徴がある。
【0013】
請求項5の発明は、
油溜め部は、貯蔵庫の手前より、奥面に至り、床面に零れた油を、確実に回収可能とする構成とした、
少量危険物貯蔵庫であって、
少量危険物貯蔵庫の液体危険物の回収を更に効果的にできる特徴がある。
【0014】
請求項6の発明は、
開閉扉は、片開き構造にし、躯体の表面にスペースを形成し、このスペースに消火器格納庫を付設する構成とした、
少量危険物貯蔵庫であって、
利便性の高い少量危険物貯蔵庫を提供できる。
【0015】
請求項7の発明は、
躯体の表面の一部を取外し可能とする構成とした、
少量危険物貯蔵庫であって、
利便性の高い少量危険物貯蔵庫を提供できる。
【0016】
請求項8の発明は、
躯体の外寸法は幅1400mm、奥行き630mm、高さ1540mm以内であり、かつ消防法の少量危険物貯蔵庫の規定に準拠する構成とした、
少量危険物貯蔵庫であって、
丈夫で使い勝手の良い棚板を具備した、消防法の規定を満たす、従来よりも大幅に小型化された少量危険物貯蔵庫を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】貯蔵庫の一部欠載の正面図
図2】貯蔵庫の一部欠載の裏面図
図3】貯蔵庫の一部欠載の左側面図
図4】貯蔵庫の一部欠載の右側面図
図5】貯蔵庫の平面図
図6】貯蔵庫の表面(正面板)を外した一部欠載・省略の正面図
図7】貯蔵庫内の気体の流れを示す一部欠載・省略の正面図
図8】貯蔵庫内の平面図
図9】貯蔵庫内の吸込部(吸込口)側の一部欠載の拡大図
図10】開閉扉及び貯蔵庫内の排気部(排気口側)側の一部欠載の拡大図
図11】貯蔵庫内の床面(底部)と勾配の関係を示した一部欠載の拡大図
図12】貯蔵庫の棚を引き出した状態の、一部欠載の拡大図
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の各実施例を説明する。各実施例は、好ましい一例であり、各実施例の説明、及び/又は、図面に限定されない。従って、発明の趣旨の範囲において構成の一部を変更する構造、又は同じ特徴と効果を達成できる構造、等は、本発明の範疇である。
【0019】
本発明の好ましい一実施例を示した、全体の理解を判断し易い図1図6の基本構造において、躯体Aの構造を、順に説明すると、躯体Aは、6面の壁面101~106から成る略直方体の貯蔵庫であり、内側に内部空間(躯体内C)を画定している。壁面は、図1を正面視して、一方側面101(左側板)、これに対峙する他方側面102(右側板)、表面103(正面板)、これに対峙する裏面104(裏面板)、天井面105(天板)、及び底面106(底板)で成る。ここで、本願発明に好適な一例では、躯体Aの外寸法は、幅1390mm、奥行き620mm、高さ1528mmである。なお本明細書並びに付属の特許請求の範囲及び要約書において、幅は付属の図面の図1における水平方向の長さ、高さは同じく図1における垂直方向の長さ、奥行きは同じく図3における水平方向の長さである。
【0020】
躯体Aの一方側面101(図6において左側)には、低温の外気を吸込むことを意図し、主としてガラリ3と防火ダンパー(温度ヒューズ及び遮断蓋を含む)から構成される吸込部2を嵌め込んで付設する。本実施例では、吸込部2は本願発明の目的である小型化(ここでは特に幅の縮小)を意図し、ガラリ3と防火ダンパーとを一体にして極めて薄く構成するとともに、壁面に埋め込むことで、一方側面と面一の構成を実現している。側面に吸込部2を埋め込む方式は一例であって、躯体に容易に外付け可能な吸込部ユニットとして吸込部2を構成することも可能である。一方側面101に外付けで吸込部2を形成すれば、運搬、分解、清掃、メンテナンス、組立、交換等の際に有効である。また本実施例ではガラリ3を躯体Aの一方側面101の下側に取付けているが、一例である。
【0021】
躯体内Cの他方側面102側には、躯体内Cの気体(導入した外気、揮発した危険物、等)を庫外C5に排出するための排気部20が設置されている。排気部20はファン23を備えた排気塔24を有しており、ファン23の作用によって、躯体内Cの気体の動き、及び排気塔24を通る気体の動きが促進される。本願発明の特徴である躯体の小型化の帰結として、従来のファンであっても相対的に非常に大きな換気効果が得られる。排気部20は、躯体Aの他方側面102と後述する他方隔壁108の間に形成される略直方体でなる空間の中に形成される。排気塔24は、つなぎ部屋27を中間に介して上側と下側に分かれているが一例であり、かつファン23の形態とか、空気の混合等を考慮する。この例では、つなぎ部屋27は、排気塔24のダクト2400に対して大きな容積を備える。排気塔24の下端24aは、揮発した危険物を効果的に回収するために、後述する油溜め部13の開口部(危険物漏洩時の油面)に近接して設けられる。そして、排気塔24には、その気体流路の途中に防火ダンパー25が、またその下端24aには引火防止網が付設されている。図中26は自然換気扇である。尚、上記した「躯体Aの他方側面102と後述する他方隔壁108の間に形成される略直方体でなる空間」に排気部20を設置する代わりに、躯体Aとは別個の躯体で形成した略直方体でなる空間内に排気部を収容して、躯体Aから独立したユニットとして別途形成し、このユニットを躯体Aの躯体Aの他方側面102に外付けすることで、排気部20を形成することも可能である。この構成は、運搬、分解、清掃、メンテナンス、組立、又は交換等の際に有効である。
【0022】
躯体内Cには更に、一方側面101と狭い間隔Bをもって対峙させて、一方隔壁107を設置する。一方隔壁107は、天井面105から後述する床面12の上方まで、垂直方向に延在する。床面12と一方隔壁107の間には、流体(外気、揮発した危険物、液状危険物、等)が通過できる空間が存在する。間隔Bは貯蔵空間をできる限り大きくするために、極力幅狭とするのが好ましい。一方隔壁107には窓5を開口し、吸込部2のガラリ3から吸い込まれた外気を躯体内Cに導く構造とする。この外気の流れを第1流路Xとする。本実施形態では、無駄のない空気の流路を確保する目的で、窓5を一方隔壁107の上方に設けているが、吸込部2と躯体内Cとを流体連通可能であれば、窓5の位置は問わない。
【0023】
躯体内Cには更に、上記した一方隔壁107と他方側面102の間に、一方隔壁107と対峙するように、他方隔壁108を設ける。他方隔壁108も一方隔壁107と同様に、天井面105から床面12の上方まで、垂直方向に延在する。このとき排気部20は、他方壁面108と他方側面102の間に位置することになる。床面12と他方隔壁108の間には、流体(外気、揮発した危険物、液状危険物、等)が通過できる空間が存在する。一方隔壁107と他方隔壁108との間に形成される空間が、躯体内Cにおいて実際に携行缶等を貯蔵できる貯蔵空間となる。
【0024】
なお、ここまでに述べた躯体Aの壁面101~106、隔壁107、108を含め、本願発明の貯蔵庫を構成する壁面には、当技術分野で周知の任意の構造の壁板を採用することができる。例えば、ボンデ鋼板を、強度を確保するために適宜折り曲げ加工を施して使用することができ、場合によっては中に狭い空間を有する扁平な袋状の壁板となる場合がある。
【0025】
一方隔壁107及び他方隔壁108には、棚板を支持できる支持構造(棚受け)が設けられる。本実施例では、棚受けはスライドレール10のアウターレール(棚受け)10aであり、一方隔壁107及び他方隔壁108のそれぞれに、水平方向に対峙するように設けられている。このアウターレール10aは、躯体A内の奥面C1から手前C2に至る。そして、このアウターレール10aには、後述する棚板11に付設したスライドレール10のインナーレール10bが係合支持される。
【0026】
躯体内Cには、携行缶などを載置し貯蔵するための棚板11が設置される。本実施例での棚板11の設置は、上記したように、一方隔壁107及び他方隔壁108に設けたアウターレール10aと、棚板11の側部に設けたインナーレール10bとの係合によって実現される。棚板11の手前側には、例えば、載置物の脱落防止のための止め板11aが設けられている。図9図12を参照されたい。また棚板11には、複数の孔(図示しない)を設けるのが好ましい。その理由は、こぼれた液体が棚板の上に溜まることなく直ぐに油溜まり部13に回収されて有利だからである。
【0027】
なお、本実施例ではスライドレールの形態であるが、棚板の支持構造は棚板を確実に支持できるものであれば問題はなく、例えば既存の単純な突起、ダボ、フック、L字型支持金具なども当然企図される。しかしながら、本願発明の意図する使い勝手の良い貯蔵庫の観点からは、本実施例のような手前に引き出し可能なスライドレールの機構が最も好ましい。これにより、液体を充填された比較的重い携行缶(例えばガソリン20リットルは15キログラムにもなる)を、安全かつ容易に出し入れすることが可能になる。しかしこれまで危険物貯蔵庫において、備え付けの引き出し式収容棚を採用したものはほとんど見当たらない。その主な理由の1つは、スライドレール機構において15キログラムの重量を確実に支持できる強度を確保するのが、非常に困難なためであると考えられる。例えば株式会社ヒイラギの文献1に見られるような支柱で棚板を支持する構造では、高強度のスライドレールを実現するのは非常に困難であると考えられる。これに対して本願発明では、例えばボンデ鋼板などの堅牢な板材で構成したアウターレールを、隔壁に面支持で直接固定支持できるため、非常に高強度のスライドレールを、省スペースかつ単純な構造で実現することが可能となっている。
【0028】
躯体内Cの底面106の上には、貯蔵空間の底部となる床面12が設けられる。勾配120を備えた形態であり、この勾配120は、例えば、床面12の勾配120の終端を油溜り部13(液溜り部、溜め枡)に繋ぐ。理由は、床面12に或る漏れた、垂れた等の危険物(ガソリン、等)水、その他の流体等を、確実に、油溜り部13へ一方向に導く構造である。勾配120は、例えば、本実施例では左(一方側面101)から右(他方側面102)に向かって低くなる。そして、油溜り部13は、排気部20の排気塔24の下端24a側に形成される。
【0029】
躯体Aの表面103には、躯体内Cの収容物を出し入れするのに十分な大きさの(例えば躯体Aの表面103の略2/3を占める)開口部C3が形成されおり、開口部C3には、ガイド、及び蝶番等を利用して開閉扉30が付設されている。そして、本実施例では片開きであって、開くと躯体内C全体が見渡せる構成とし、望ましくは、大型の容器31(携行缶などの危険物用のケースを含む)であっても、スムーズに取出し、かつ収容可能とする。また、躯体内C、その他の清掃、修理、点検、交換等の作業の容易化、簡便化等に有効である。また、残りの略1/3は、排気部20の表面20a(正面板20a1、20a2)であり、着脱自在であって、この排気部20の清掃、修理、点検等の作業の容易化、簡便化等を図る。この構成は、本件の特徴である半坪を下回る小型化の結果、躯体内Cに人が立ち入って貯蔵庫のメンテナンスを行うことが困難となることを考慮したものである。尚、正面板20a1、20a2は、例えば、螺子止め構造とする。また、清掃、修理、交換等の対象としては、ファン23、排気塔24(ダクト2400等を含む)、防火ダンパー25、引火防止網等を含む排気部20、油溜り部13、及び/又は、躯体Aなどが考えられる。この正面板20a1、又は正面板20a2を個別に取外し、かつ取付けできる構成により、各部位の作業を迅速化、容易化、安全化などを達成できる。
【0030】
また、躯体Aの表面103の開口部C3の周辺全体は、遮蔽部C4を形成する。その目的は、躯体A内の危険物の流失防止とか、内部の塵等の庫外C5への排出を無くすことと、密閉度を確保すること等にある。
【0031】
本願発明の貯蔵庫は、小型であり、原則として、設置場所の制限が少なく、かつ工場、屋外等の狭いスペースへの設置が可能(省スペース化)であって、重宝する。そして、設置後の使用態様の一例を説明すると、片開き式であることで、開閉扉30を完全に開放し開口部C3の全体を利用できるので、躯体内Cの点検、修理、交換等の作業、及び/又は容器31の出し入れを行う際に有利である。また、躯体内C、又は油溜り部13の略全体を視認できて、躯体内C、及び/又は、油溜り部13の全ての作業の容易化、迅速化と、併せて、例えば、清掃、修理、交換等の作業を迅速化、又は容易化できる。
【0032】
ここで本願発明における危険物貯蔵庫の気体(外気、躯体内Cの空気、及び/又は、危険物が揮発した油気)の流れを考察すると、まず貯蔵庫全体としての流入から流出までの流れは、主として排気部20のファン23の吸引作用によってもたらされる。次に個々の流れを検討すると、外気は、まず吸込部2のガラリ3より躯体内Cに至り、吸込部2と躯体内Cを区画する一方隔壁107の上方に設けた窓5から、貯蔵空間内に至るが、この流れが第1流路Xである。その後、躯体内Cの上方に至った外気、及び躯体内Cの油気は、混合されて床面12へと上から下へ降下していくが、この流れが第2流路Yである。この流れには、ファン23の吸引作用に加えて、揮発した危険物の蒸気比重が一般に空気よりも大きい(例えばガソリンでは約3~4)ことによる自然の降下作用も働いている。そして第2流路Yのこの下向きの気体の流れは床面12に至り、ファン23の吸引作用と勾配120の作用によって、油溜り部13へと流入する。この床面12に沿った流れが、第3流路Zである。そして油溜り部13に回収された気体(外気及び/又は油気)は、その上にある排気部20の排気塔24の下端24aにある開口から、ファン23の吸引作用によって排気塔24内へと吸い上げられ、排気塔24の開口24bから自然換気扇26を経由し、庫外C5に拡散される。この排気部20を通る気体の流れが、第4流路Qである。本願発明ではこのように、貯蔵庫内に気体の流路が形成されるが、これが躯体Aの小型化とあいまって、貯蔵庫の換気効率の向上に寄与する。貯蔵庫のファンは原則的に年中休みなく稼働しており、その果たす役割は、絶大である。
【0033】
なお本実施例では、上記した気体流路に加えて、中空の二重壁とした他方隔壁108の貯蔵庫側の壁の上方に、窓21を設けてあり、かつ他方隔壁107の下端と床面12の間には空間が存在しているので、窓21から中空部を通って第3流路Zに至る気体の流れも存在している。窓5及び窓21の大きさ、形状、位置などは、上記したものに限定されない。また、一方隔壁107の下端と床面12の間には空間が存在しているので、一方側面101と一方隔壁107の間の空間(間隔Bに相当)を通って第3流路Zに至る気体の流れも存在している。
【0034】
前述した、各実施例は、好ましい一例である。この各実施例の趣旨の範囲において、構成の一部を変更する構造、又は同じ特徴と効果を達成できる構造、等は、本発明の範疇である。
【符号の説明】
【0035】
A 躯体
B 間隔
C 躯体内
C1 奥面
C2 手前
C3 開口部
C4 遮蔽部
C5 庫外
101 一方側面
102 他方側面
103 表面(正面板)
104 裏面(背面板)
105 天井面(天板)
106 底面(底板)
107 一方隔壁
108 他方隔壁
2 吸込部
3 ガラリ
5 窓
10 スライドレール
10a アウターレール
10b インナーレール
11 棚板(棚受け)
11a 止め板
12 床面
120 勾配
13 油溜り部(溜め枡)
20 排気部
20a 表面
20a1 正面板
20a2 正面板
21 窓
23 ファン
24 排気塔
24a 下端
24b 開口
2400 ダクト
25 防火ダンパー
26 自然換気扇
27 つなぎ部屋
30 開閉扉
31 容器
X 第1流路
Y 第2流路
Z 第3流路
Q 第4流路
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【手続補正書】
【提出日】2021-09-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部空間を画定する略直方体の躯体と、開閉扉と、外気を吸い込む吸込部と、ファン及び排気塔を含む、前記躯体内の気体を排気する排気部と、前記内部空間の底部に設けられ、前記吸込部から前記排気部に向かう下り勾配を備える、床面と、前記下り勾配の終端に一段低くして設けられた、前記床面と連続している油溜め部と、を備え、
前記油溜め部の上側空間に前記排気部の前記排気塔の下端を配置し、かつ前記排気部の前記排気塔の排気端は前記躯体の外部に配置した、
少量危険物貯蔵庫であって、
前記躯体内に、前記躯体の前記吸込部側の壁面に対峙するように設けた、一方隔壁と、
前記躯体内の、前記一方隔壁と前記躯体の前記排気部側の壁面の間に設けた、他方隔壁と、を更に備え、
前記一方隔壁と前記他方隔壁の間に貯蔵空間を有し、
前記一方隔壁と前記他方隔壁には対峙するように棚受けをそれぞれ付設し、前記棚受け間に棚板を架承し、
前記一方隔壁は前記吸込部と前記貯蔵空間を連通する窓を有し、
前記一方隔壁及び前記他方隔壁と前記床面との間にはそれぞれ空間が存在する、
少量危険物貯蔵庫。
【請求項2】
前記棚板は手前に引き出し可能である、請求項1に記載の少量危険物貯蔵庫。
【請求項3】
前記躯体の前記内部空間には、前記ファンの作用によって気体が流れる気体流路を形成し、
前記気体流路は、前記躯体外から前記吸込部を通って前記躯体内へと流れる第1流路と、前記躯体内を上から下に流れる第2流路と、前記床面に添って前記吸込部から前記排気部の方へと流れ前記油溜め部を経て前記排気塔の下端に流れる第3流路と、前記下端より前記排気塔を経て前記躯体外に流れる第4流路と、で構成した、
請求項1又は2に記載の少量危険物貯蔵庫。
【請求項4】
前記吸込部の吸込口を前記吸込部側の前記壁面の下方に設け、
前記一方隔壁の前記窓を前記一方隔壁の上方に設け、
前記第1流路は下方の前記吸込口から気体を吸って上方の前記窓を経由して前記貯蔵空間内へと流し、前記第2流路は前記窓からの気体を上方から下方に前記床面へと流し、前記第3流路は前記気体を前記床面に沿って流し前記他方隔壁の下端の下を通して前記油溜め部へと送って前記排気塔の下端に収斂させ、前記第4流路は前記収斂した気体を前記躯体外に排気する構成とした、
請求項3に記載の少量危険物貯蔵庫。
【請求項5】
前記油溜め部は、前記少量危険物貯蔵庫の手前より、奥面に至り、前記床面に零れた油を、確実に回収可能とする構成とした、請求項1から4のいずれか一項に記載の少量危険物貯蔵庫。
【請求項6】
前記開閉扉は、片開き構造にし、前記躯体の表面にスペースを形成し、このスペースに消火器格納庫を付設する構成とした、請求項1から5のいずれか一項に記載の少量危険物貯蔵庫。
【請求項7】
前記躯体の前記表面の一部を取外し可能とする構成とした、請求項6に記載の少量危険物貯蔵庫。
【請求項8】
前記躯体の外寸法は幅1400mm、奥行き630mm、高さ1540mm以内であり、かつ消防法の少量危険物貯蔵庫の規定に準拠する構成とした、請求項1から7のいずれか一項に記載の少量危険物貯蔵庫。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
請求項1の発明は、
内部空間を画定する略直方体の躯体と、開閉扉と、外気を吸い込む吸込部と、ファン及び排気塔を含む、躯体内の気体を排気する排気部と、内部空間の底部に設けられ、吸込部から排気部に向かう下り勾配を備える、床面と、下り勾配の終端に一段低くして設けられた、床面と連続している油溜め部と、を備え、
油溜め部の上側空間に排気部の排気塔の下端を配置し、かつ排気部の排気塔の排気端は躯体の外部に配置した、
少量危険物貯蔵庫であって、
躯体内に、躯体の吸込部側の壁面に対峙するように設けた、一方隔壁と、
躯体内の、一方隔壁と躯体の排気部側の壁面の間に設けた、他方隔壁と、を更に備え、
一方隔壁と他方隔壁の間に貯蔵空間を有し、
一方隔壁と他方隔壁には対峙するように棚受けをそれぞれ付設し、棚受け間に棚板を架承し、
一方隔壁は吸込部と貯蔵空間を連通する窓を有し、
一方隔壁及び他方隔壁と床面との間にはそれぞれ空間が存在する、
少量危険物貯蔵庫であり、
少量危険物貯蔵庫内に棚受けを設置できる構造を有し、この棚受けに丈夫で使い勝手の良い棚板を設置できる特徴がある。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0012】
請求項5の発明は、
油溜め部は、少量危険物貯蔵庫の手前より、奥面に至り、床面に零れた油を、確実に回収可能とする構成とした、
少量危険物貯蔵庫であって、
少量危険物貯蔵庫の液体危険物の回収を更に効果的にできる特徴がある。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0028
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0028】
躯体内Cの底面106の上には、貯蔵空間の底部となる床面12が設けられる。勾配120を備えた形態であり、この勾配120は、例えば、床面12の勾配120の終端を油溜り部13(液溜り部、溜め枡)に繋ぐ。理由は、床面12にある漏れた、垂れた等の危険物(ガソリン、等)水、その他の流体等を、確実に、油溜り部13へ一方向に導く構造である。勾配120は、例えば、本実施例では左(一方側面101)から右(他方側面102)に向かって低くなる。そして、油溜り部13は、排気部20の排気塔24の下端24a側に形成される。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0029】
躯体Aの表面103には、躯体内Cの収容物を出し入れするのに十分な大きさの(例えば躯体Aの表面103の略2/3を占める)開口部C3が形成されており、開口部C3には、ガイド、及び蝶番等を利用して開閉扉30が付設されている。そして、本実施例では片開きであって、開くと躯体内C全体が見渡せる構成とし、望ましくは、大型の容器31(携行缶などの危険物用のケースを含む)であっても、スムーズに取出し、かつ収容可能とする。また、躯体内C、その他の清掃、修理、点検、交換等の作業の容易化、簡便化等に有効である。また、残りの略1/3は、排気部20の表面20a(正面板20a1、20a2)であり、着脱自在であって、この排気部20の清掃、修理、点検等の作業の容易化、簡便化等を図る。この構成は、本件の特徴である半坪を下回る小型化の結果、躯体内Cに人が立ち入って貯蔵庫のメンテナンスを行うことが困難となることを考慮したものである。尚、正面板20a1、20a2は、例えば、螺子止め構造とする。また、清掃、修理、交換等の対象としては、ファン23、排気塔24(ダクト2400等を含む)、防火ダンパー25、引火防止網等を含む排気部20、油溜り部13、及び/又は、躯体Aなどが考えられる。この正面板20a1、又は正面板20a2を個別に取外し、かつ取付けできる構成により、各部位の作業を迅速化、容易化、安全化などを達成できる。