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特開2022-189312豆腐と混ぜて豆腐に風味をつける豆腐用粉末調味料
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022189312
(43)【公開日】2022-12-22
(54)【発明の名称】豆腐と混ぜて豆腐に風味をつける豆腐用粉末調味料
(51)【国際特許分類】
   A23L 27/00 20160101AFI20221215BHJP
   A23L 35/00 20160101ALI20221215BHJP
【FI】
A23L27/00 A
A23L27/00 D
A23L35/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021097833
(22)【出願日】2021-06-11
(71)【出願人】
【識別番号】713011603
【氏名又は名称】ハウス食品株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100123777
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 さつき
(74)【代理人】
【識別番号】100111796
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 博信
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼田 浩平
(72)【発明者】
【氏名】東 和美
(72)【発明者】
【氏名】藤田 明文
【テーマコード(参考)】
4B036
4B047
【Fターム(参考)】
4B036LC01
4B036LF19
4B036LH04
4B036LH10
4B036LH12
4B036LH21
4B036LH25
4B036LH32
4B036LH44
4B036LH50
4B036LK01
4B036LP02
4B036LP24
4B047LB02
4B047LB09
4B047LE07
4B047LF03
4B047LG03
4B047LG23
4B047LG27
4B047LG43
4B047LG45
4B047LG46
4B047LG47
4B047LG60
4B047LP02
4B047LP05
4B047LP20
(57)【要約】
【課題】豆腐と混ぜて豆腐に風味をつける際に、豆腐特有の青臭さを抑制して所望の風味やコクを豆腐に与えることができる粉末調味料を提供すること。
【解決手段】豆腐と混ぜて豆腐に風味をつける豆腐用粉末調味料であって、焙煎スパイスを含むことを特徴とする粉末調味料。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
豆腐と混ぜて豆腐に風味をつける豆腐用粉末調味料であって、焙煎スパイスを含むことを特徴とする粉末調味料。
【請求項2】
さらに非焙煎スパイスを含む、請求項1に記載の粉末調味料。
【請求項3】
前記焙煎スパイスが焙煎コリアンダーを含む、請求項1又は2に記載の粉末調味料。
【請求項4】
非加熱調理用粉末調味料である、請求項1~3のいずれか1項に記載の粉末調味料。
【請求項5】
豆腐と、焙煎スパイスとを含むことを特徴とする豆腐調味料。
【請求項6】
請求項5に記載の豆腐調味料を含む食品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、豆腐と混ぜて豆腐に風味をつける豆腐用粉末調味料に関する。
【背景技術】
【0002】
豆腐は、低カロリーでヘルシーでありながら栄養が豊富な食材である。また、豆腐は、そのまま食べたり、砕いて混ぜたりとさまざまな形態で料理に用いることができる食材である。近年のヘルシー志向から豆腐の新しい食べ方や料理のバリエーションが求められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
豆腐は、スパイスや調味料を用いて風味やコクを与えようとしても、特有の青臭さがあるという問題があった。本発明は、豆腐と混ぜて豆腐に風味をつける際に、豆腐特有の青臭さを抑制して所望の風味やコクを豆腐に与えることができる粉末調味料を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明者らは、鋭意研究した結果、スパイスとして焙煎スパイスを用いることにより、上記の課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、以下の通りのものである。
[1]
豆腐と混ぜて豆腐に風味をつける豆腐用粉末調味料であって、焙煎スパイスを含むことを特徴とする粉末調味料。
[2]
さらに非焙煎スパイスを含む、[1]に記載の粉末調味料。
[3]
前記焙煎スパイスが焙煎コリアンダーを含む、[1]又は[2]に記載の粉末調味料。
[4]
非加熱調理用粉末調味料である、[1]~[3]のいずれか1項に記載の粉末調味料。
[5]
豆腐と、焙煎スパイスとを含むことを特徴とする豆腐調味料。
[6]
[5]に記載の豆腐調味料を含む食品。
【発明の効果】
【0005】
本発明は、豆腐と混ぜて豆腐に風味をつける際に、豆腐特有の青臭さを抑制して所望の風味やコクを豆腐に与えることができる粉末調味料を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本発明の粉末調味料は、豆腐と混ぜて豆腐に風味をつける豆腐用粉末調味料であって、焙煎スパイスを含むことを特徴とする。
本発明で用いられる「焙煎スパイス」とは、スパイスを、油や水を使用して、もしくはそれらを使用せずに加熱したものをいい、そのような焙煎処理後に常法により粉砕して粉末状の形態としたものでもよい。焙煎スパイスを含むことにより、豆腐特有の青臭さを抑制することができる。焙煎処理は、例えば、好ましくは品温120℃以上、より好ましくは品温170℃以上、更に好ましくは品温170℃以上約230℃以下で加熱処理するのがよい。焙煎処理の時間としては、1分以上30分以下、より好ましくは4分以上20分以下を例示することができる。また、焙煎スパイスにより、豆腐と混ぜるだけで調理感を付与することができる。前記スパイスとしては、コリアンダー、クローブ、オールスパイス、唐辛子、胡椒、花椒、ジンジャー、クミン、及び、ガーリックからなる群から選択される少なくとも1種であってもよい。
焙煎スパイスの配合量は、混ぜて風味をつける豆腐の量などに応じて変えることができる。一般的には、混ぜて風味をつける豆腐150gあたり0.01~5000mg、好ましくは0.01~250mgである。
【0007】
本発明の粉末調味料には、さらに非焙煎スパイスを含有させてもよい。焙煎スパイスで豆腐の青臭さを抑制しつつ、非焙煎スパイスを含むことにより、スパイスの所望の香りや風味を与えることができる。前記非焙煎スパイスとしては、先に挙げたスパイスを使用することができる。なお、所望の風味等を得るために、焙煎スパイス及び非焙煎スパイスの種類や配合量は、任意に選択して用いることができる。例えば、コリアンダー、タイム、クローブ、オールスパイス、ローズマリー、レモングラス、イタリアンパセリ、オレガノ、唐辛子、胡椒、花椒、ジンジャー、及び、ガーリックなどが挙げられる。
【0008】
本発明の粉末調味料には、さらにα化澱粉を含有させることができる。α化澱粉としては、当技術分野で通常使用されているものであれば特に限定されるものではない。また、α化でんぷんとして、α化処理に加えて、さらにエステル化、エーテル化、酸化、架橋化などの化学的処理などを施して得られる加工澱粉を使用してもよい。例えば、α化ヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉、α化リン酸架橋澱粉、α化アセチル化アジピン酸架橋澱粉、α化アセチル化リン酸架橋澱粉、α化アセチル化酸化澱粉、及びα化ヒドロキシプロピル澱粉などを使用してもよい。また、α化澱粉は、キャッサバ、トウモロコシ又は馬鈴薯由来のα化澱粉であってもよい。本発明の粉末調味料においては、α化澱粉は、1種又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。α化澱粉を用いることにより、豆腐と混ぜて豆腐に風味をつける際に、離水を抑制することができる。
【0009】
本発明の粉末調味料は、本発明の目的を損なわない限り、当技術分野で通常使用される任意の食品原料又は任意の添加剤をさらに含んでもよい。また、本発明の粉末調味料は、当技術分野で通常使用される任意の方法により製造することができる。
【0010】
本発明の粉末調味料は、豆腐と混ぜて豆腐に風味をつけるための豆腐用粉末調味料である。本発明の粉末調味料を豆腐と混ぜる際には、豆腐を崩しながら混ぜてもよい。本発明の粉末調味料を豆腐と混ぜて得た豆腐調味料は、加熱調理しないで、例えばそのまま食してもよいし、野菜、肉、及び/ 又は魚介類などと共に食してもよい。すなわち、本発明の粉末調味料は、非加熱用粉末調味料として使用することができる。また、前記豆腐調味料を、野菜、肉、及び/ 又は魚介類などに乗せるなどした、前記豆腐調味料を含む食品は、近年のヘルシー志向にマッチした食品であり、所望の風味やコクを付与した新しい料理のバリエーションを提供することができる。
【実施例0011】
(実施例1~3及び比較例)
下記表1に記載の原料を適宜混合して、実施例1~3及び比較例の粉末調味料を調製した。なお、表1~4に記載の焙煎コリアンダーは、コリアンダーシードを210℃に熱しておいたオーブンに入れ、20分間加熱後に放冷して粉砕したものを使用しており、放冷前(加熱時)の品温は170℃であった。
豆腐150gと粉末調味料9gとを、スプーンを用いて豆腐を崩しながら混合した。得られた豆腐調味料について、5人のパネルが下記の基準で評価し、平均値を求めた。結果を表1に示す。
(青臭さ)
4:豆腐の臭みが全く感じられない
3:豆腐の臭みがやや感じられる
2:豆腐の臭みを感じる
1:豆腐の臭みがある
(コク)
4:豆腐のコクを強く感じる
3:豆腐のコクを感じる
2:豆腐のコクをやや感じる
1:豆腐のコクを未調理の豆腐と同程度に感じない
【表1】
【0012】
(実施例4)
下記表2に記載の原料を適宜混合して、粉末調味料を調製した。豆腐150gと粉末調味料10gとを、スプーンを用いて豆腐を崩しながら混合した。得られた豆腐調味料について、5人のパネルが実施例1と同様に評価した。結果を表2に示す。
【表2】
【0013】
(実施例5)
下記表3に記載の原料を適宜混合して、粉末調味料を調製した。豆腐150gと粉末調味料10gとを、スプーンを用いて豆腐を崩しながら混合した。得られた豆腐調味料について、5人のパネルが実施例1と同様に評価した。結果を表3に示す。
【表3】
【0014】
(実施例6)
下記表4に記載の原料を適宜混合して、粉末調味料を調製した。豆腐150gと粉末調味料10gとを、スプーンを用いて豆腐を崩しながら混合した。得られた豆腐調味料について、5人のパネルが実施例1と同様に評価した。結果を表4に示す。
【表4】
【0015】
実施例1~6にて得られた豆腐用調味料を、それぞれレタス3枚(75g)の上に乗せ、サラダとして美味しく食することができた。