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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022189346
(43)【公開日】2022-12-22
(54)【発明の名称】切替開閉器
(51)【国際特許分類】
   H01H 33/59 20060101AFI20221215BHJP
   H01H 71/08 20060101ALI20221215BHJP
   H01H 31/02 20060101ALI20221215BHJP
【FI】
H01H33/59 Q
H01H71/08
H01H31/02 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021097880
(22)【出願日】2021-06-11
(71)【出願人】
【識別番号】000109598
【氏名又は名称】テンパール工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002734
【氏名又は名称】弁理士法人藤本パートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】今川 誠
(72)【発明者】
【氏名】濱田 翼
(72)【発明者】
【氏名】松本 雄多
(72)【発明者】
【氏名】松本 一馬
(72)【発明者】
【氏名】加治屋 周策
(72)【発明者】
【氏名】馬場 隆
【テーマコード(参考)】
5G028
5G030
【Fターム(参考)】
5G028AA24
5G030EA02
(57)【要約】
【課題】短絡が起きにくい切替開閉器の提供。
【解決手段】負荷を含む負荷系統に対して電気を供給する電源を第1の電源系統又は第2の電源系統に切り替える切替開閉器であって、第1の電源系統からの電力が入力される第一側端子部と、第2の電源系統からの電力が入力される第二側端子部と、第一側端子部に入力された第1の電源系統からの電力、又は第二側端子部に入力された第2の電源系統からの電力を負荷系統に出力する負荷側端子部と、を備え、前記第一側端子部と、前記第二側端子部と、前記負荷側端子部のそれぞれの配置エリアは、正面視において異なる場所に設定されている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
負荷を含む負荷系統に対して電気を供給する電源を第1の電源系統又は第2の電源系統に切り替える切替開閉器であって、
第1の電源系統からの電力が入力される第一側端子部と、
第2の電源系統からの電力が入力される第二側端子部と、
第一側端子部に入力された第1の電源系統からの電力、又は第二側端子部に入力された第2の電源系統からの電力を負荷系統に出力する負荷側端子部と、を備え、
前記第一側端子部と、前記第二側端子部と、前記負荷側端子部のそれぞれの配置エリアは、正面視において異なる場所に設定されている、
切替開閉器。
【請求項2】
前記第一側端子部及び前記第二側端子部と、前記負荷側端子部との電気的な接続状態を切替可能な切替本体部を備え、
前記負荷側端子部は、前記切替本体部から延出する端子用導体の先端に設けられる、
請求項1に記載の切替開閉器。
【請求項3】
前記第一側端子部と前記第二側端子部とは、前後方向に直交する左右方向において並ぶように配置され、
前記負荷側端子部は、前記前後方向と前記左右方向とに直交する上下方向において前記第一側端子部又は前記第二側端子部と並ぶように配置される、
請求項1又は請求項2に記載の切替開閉器。
【請求項4】
前記第一側端子部と前記第二側端子部とは、前後方向に直交する上下方向において並ぶように配置され、
前記負荷側端子部は、前記前後方向と前記上下方向とに直交する左右方向において、前記第一側端子部及び前記第二側端子部よりも右側に配置される、
請求項1又は請求項2に記載の切替開閉器。
【請求項5】
前記第一側端子部及び前記第二側端子部と、前記負荷側端子部との電気的な接続状態を切替可能な切替本体部を備え、
前記第一側端子部と前記第二側端子部は、前記左右方向において互いに反対側に向けた状態で配置されている、
請求項3に記載の切替開閉器。
【請求項6】
前記第一側端子部及び前記第二側端子部と、前記負荷側端子部との電気的な接続状態を切替可能な切替本体部を備え、
前記切替本体部の前記第一側端子部及び前記第二側端子部と、前記負荷側端子部との電気的な接続状態を切り替える動作を制御する切替制御部を備え、
前記第一側端子部と前記第二側端子部は、前記切替本体部に設けられ、
前記負荷側端子部は、前記切替制御部に隣接する位置に設けられる、
請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載の切替開閉器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の電源系統と負荷との接続状態を切り替えるための切替開閉器に関する。
【背景技術】
【0002】
上記切替開閉器として、例えば特許文献1の図3に図示されているような、商用電源からの電力を受けている第一負荷用分岐用ブレーカが接続される端子(第一の端子と称する)と、分散電源が接続される端子(第二の端子と称する)と、第一負荷用分岐用ブレーカを介して受けた商用電源の電力、又は分散電源から受けた電力の供給先となる第二負荷用主幹ブレーカが接続される端子(第三の端子と称する)と、を備えたものが知られている。
【0003】
かかる切替開閉器は、平常時においては第二負荷用主幹ブレーカ(第二負荷用主幹ブレーカに接続されている負荷)に商用電源の電力を供給し、商用電源に停電等の異常が起きた場合に、商用電源の替わりに分散電源の電力を第二負荷用主幹ブレーカに供給できるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2017-225230号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記従来の切替開閉器では、例えば、第一の端子、第二の端子、第三の端子に対する作業(配電用の資材の取付作業や、付替作業、点検作業等)や、第一の端子、第二の端子、第三の端子の周辺での作業が行われる際に、端子同士が短絡してしまうことがある。
【0006】
そこで、本発明は、かかる実情に鑑み、短絡が起きにくい切替開閉器の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の切替開閉器は、
負荷を含む負荷系統に対して電気を供給する電源を第1の電源系統又は第2の電源系統に切り替える切替開閉器であって、
第1の電源系統からの電力が入力される第一側端子部と、
第2の電源系統からの電力が入力される第二側端子部と、
第一側端子部に入力された第1の電源系統からの電力、又は第二側端子部に入力された第2の電源系統からの電力を負荷系統に出力する負荷側端子部と、を備え、
前記第一側端子部と、前記第二側端子部と、前記負荷側端子部のそれぞれの配置エリアは、正面視において異なる場所に設定されている。
【0008】
上記構成の切替開閉器では、第一側端子部と、第二側端子部と、負荷側端子部のそれぞれの配置エリアが正面視において異なる場所に設定されているため、第一側端子部、第二側端子部、負荷側端子部が互いに重ならないように配置される。
【0009】
そのため、上記構成の切替開閉器では、第一側端子部、第二側端子部、負荷側端子部のそれぞれに対する作業エリアや、第一側端子部、第二側端子部、負荷側端子部のそれぞれから配線を引き出すエリアも重なりにくいため、これにより、第一側端子部、第二側端子部、負荷側端子部間での短絡が起きにくくなる。
【0010】
本発明の切替開閉器は、
前記第一側端子部及び前記第二側端子部と、前記負荷側端子部との電気的な接続状態を切替可能な切替本体部を備え、
前記負荷側端子部は、前記切替本体部から延出する端子用導体の先端に設けられる、ようにしてもよい。
【0011】
上記構成の切替開閉器によれば、負荷端子を第一側端子部や第二側端子部から離れた場所に配置し易くなるため、短絡がより起きにくくなる。
【0012】
本発明の切替開閉器では、
前記第一側端子部と前記第二側端子部とは、前後方向に直交する左右方向において並ぶように配置され、
前記負荷側端子部は、前記前後方向と前記左右方向とに直交する上下方向において前記第一側端子部又は前記第二側端子部と並ぶように配置される、ようにしてもよい。
【0013】
上記構成の切替開閉器によれば、電力が入力される前記第一側端子部と前記第二側端子部とを離して配置することによって、短絡が起きにくくすることができる。
【0014】
本発明の切替開閉器では、
前記第一側端子部と前記第二側端子部とは、前後方向に直交する上下方向において並ぶように配置され、
前記負荷側端子部は、前記前後方向と前記上下方向とに直交する左右方向において、前記第一側端子部及び前記第二側端子部よりも右側に配置される、ようにしてもよい。
【0015】
上記構成の切替開閉器においても、電力が入力される前記第一側端子部と前記第二側端子部とを離して配置することによって、短絡が起きにくくすることができる。
【0016】
本発明の切替開閉器では、
前記第一側端子部及び前記第二側端子部と、前記負荷側端子部との電気的な接続状態を切替可能な切替本体部を備え、
前記第一側端子部と前記第二側端子部は、前記左右方向において互いに反対側に向けた状態で配置されている、ようにしてもよい。
【0017】
上記構成の切替開閉器では、第一側端子部に接続した配電用の資材と第二側端子部に接続した配電用の資材とは、それぞれ相反する方向に向かって延出した状態になるため、より短絡が起きにくくなる。
【0018】
本発明の切替開閉器は、
前記第一側端子部及び前記第二側端子部と、前記負荷側端子部との電気的な接続状態を切替可能な切替本体部を備え、
前記切替本体部の前記第一側端子部及び前記第二側端子部と、前記負荷側端子部との電気的な接続状態を切り替える動作を制御する切替制御部を備え、
前記第一側端子部と前記第二側端子部は、前記切替本体部に設けられ、
前記負荷側端子部は、前記切替制御部に隣接する位置に設けられる、ようにしてもよい。
【0019】
上記構成のようにしても、第一側端子部と第二側端子部と負荷側端子部が前後方向で重ならないように配置できるため、第一側端子部、第二側端子部、負荷側端子部間での短絡が起きにくくすることができる。
【発明の効果】
【0020】
以上のように、本発明の切替開閉器は、短絡が起きにくいという優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1図1は、本発明の一実施形態に係る切替開閉器の斜視図である。
図2図2は、同実施形態に係る切替開閉器の正面図である。
図3図3は、同実施形態に係る切替開閉器の部分拡大図であって、第一側端子部を含む範囲の部分拡大図である。
図4図4は、同実施形態に係る切替開閉器の部分拡大図であって、第二側端子部を含む範囲の部分拡大図である。
図5図5は、同実施形態に係る切替開閉器の部分拡大図であって、負荷側端子部を含む範囲の部分拡大図である。
図6図6は、同実施形態に係る切替開閉器の部分断面図であって、配線蓋部の一部の部分断面図である。
図7図7は、図6のVII-VII線で機構用外装部を除いた部分断面図である。
図8図8は、同実施形態に係る切替開閉器内蔵盤の動作の説明図であって、第1の電源系統と負荷系統を接続している状態の説明図である。
図9図9は、同実施形態に係る切替開閉器内蔵盤の動作の説明図であって、第2の電源系統と負荷系統を接続している状態の説明図である。
図10図10は、同実施形態に係る切替開閉器を組み込んだ切替開閉器内蔵盤の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の一実施形態にかかる切替開閉器について、添付図面を参照しつつ説明する。
【0023】
切替開閉器は、負荷を含む負荷系統に対して電気を供給する電源を第1の電源系統又は第2の電源系統に切り替える切替動作をとれるように構成されたものであり、例えば、図8に示すような切替開閉器内蔵盤4に組み込まれることがある。
【0024】
図8に示す切り替え切替開閉器内蔵盤4は、切替開閉器1に加えて、第1の電源系統P1に電気的に接続される第一回路部5と、第2の電源系統P2に電気的に接続される第二回路部6と、負荷系統W1が接続される負荷回路部7と、第一回路部5と第2の電源系統P2に電気的に接続される中継回路部8と、第一回路部5、第二回路部6、負荷回路部7、中継回路部8、切替開閉器1を収容する筐体9(図10参照)とで構成されている。
【0025】
例えば、図8に示すように、切替開閉器内蔵盤4が住宅に設置される場合は、商用電力が流れる第1の電源系統P1と、分散電源を含む第2の電源系統P2と、負荷W10を含む負荷系統W1とが切替開閉器内蔵盤4に対して電気的に接続される。
【0026】
第1の電源系統P1は、商用電力が流れる電源系統である。第1の電源系統P1は、商用電源(発電設備等)である第一電源P10と、第一電源P10に電気的に接続される第一配電路P11と、を備えている。
【0027】
第2の電源系統P2は、分散電源が含まれる電源系統である。
【0028】
第2の電源系統P2は、分散電源である第二電源P20と、第二電源P20の一次側に電気的に接続される一次側外部電路(本実施形態では中継配電路と称する)P21と、第二電源P20の二次側に電気的に接続される二次側外部電路(本実施形態では第二配電路と称する)P22と、を備えている。
【0029】
本実施形態の第二電源P20は、蓄電池によって構成されている。すなわち、第2の電源系統P2は、第二電源P20の充放電が可能な電源系統である。
【0030】
本実施形態の第二電源P20は、ソーラーパネルが接続されており、太陽電池で発電した電力を受けて充電されるように構成されている。
【0031】
中継配電路P21は、第二電源P20に供給する電力が流れる電路である。なお、第二電源P20がいわゆる、パワーコンディショナーと蓄電池とで構成されている場合、中継配電路P21にはパワーコンディショナーを作動させるための電力が流れる。そして、第二配電路P22は、第二電源P20から放出した電力が流れる電路である。
【0032】
負荷系統W1は、負荷W10と、負荷W10に電気的に接続される負荷配電路W11と、を有する。本実施形態では、負荷W10は分電盤である。具体的には、分電盤は、主幹開閉器と母線と分岐開閉器と分電筐体とを有する。
【0033】
切替開閉器1は、図1に示すように、負荷系統W1に対して電気を供給する電源を第1の電源系統P1又は第2の電源系統P2に切り替えるための切替回路部C(図8参照)を有する切替本体部2と、切替本体部2(切替回路部C)による切替動作を制御するための切替制御部3と、を有する。
【0034】
切替本体部2は、第1の電源系統P1からの電力が入力される第一側端子部20と、第2の電源系統P2からの電力が入力される第二側端子部21と、第一側端子部20に入力された第1の電源系統P1からの電力、又は第二側端子部21に入力された第2の電源系統P2からの電力を負荷系統W1に出力する負荷側端子部22と、切替開閉器1自身の外装の一部を構成する外装部23と、を有する。
【0035】
なお、本実施形態では、切替開閉器1の正面(設置した状態で正面側に向く一面)と背面(設置した状態で背面側に向く一面)が並ぶ方向を前後方向、前後方向に直交する一方向を第一方向、前後方向と第一方向とに直交する方向を第二方向と称する。
【0036】
また、第一方向と第二方向とで形成される面の面方向は面方向と称する。
【0037】
なお、本実施形態において、第一方向は、設置状態の切替開閉器1を正面から見た状態での左右方向に対応する方向であり、第一方向の一方側とは左方側、第一方向の他方側とは右方側のことである。
【0038】
また、第二方向は、設置状態の切替開閉器1を正面から見た状態での上下方向に対応する方向であり、第二方向の一方側とは上方側のことであり、第二方向の他方側とは下方側のことである。
【0039】
第一側端子部20は、図2に示すように、第一側端子部20自身と外部の機器(切替開閉器1自身とは別の機器であり、本実施形態では第一回路部5の電気機器50)とを電気的に接続するための配電用の資材(第一側配電材)M1(図10参照)を着脱可能な複数の第一側接続端子部200を有する。
【0040】
第一側接続端子部200は、切替回路部Cの一部を構成する第一側端子板2000であって、外装部23に固定され且つ第一側配電材M1が電気的に接続される第一側端子板2000と、第一側端子板2000に第一側配電材M1を固定するための第一側止め具2001と、を有する。
【0041】
本実施形態の切替開閉器1は、第1の電力系統P1や、第2の電力系統P2から単相3線式で送られた電力を受けて負荷系統W1に送るように構成されているため、第一側端子部20は、3つの第一側接続端子部200を有する。
【0042】
この3つの第一側接続端子部200は、それぞれ、第1相用の第一側接続端子部(第一相接続端子部)200、第2相用の第一側接続端子部(第二相接続端子部)200、第3相用の第一側接続端子部(第三相接続端子部)200である。
【0043】
そして、第一側端子部20では、第一相接続端子部200、第二相接続端子部200、第三相接続端子部200が第二方向で並ぶように(整列するように)配置されている。
【0044】
なお、本実施形態において、第1相はL2相、第2相はN相、第3相はL1相のことである。また、図2図6においては、第一相端子部200に符号「A」、第二相端子部200に符号「B」、第三相端子部200に符号「C」を付記している。
【0045】
第二側端子部21は、第二側端子部21自身と外部の機器(切替開閉器1自身とは別の機器であり、本実施形態では第二回路部6の電気機器60)とを電気的に接続するための配電用の資材(第二側配電材)M2(図10参照)を着脱可能な複数の第二側接続端子部210を有する。
【0046】
第二側接続端子部210は、切替回路部Cの一部を構成する第二側端子板2100であって、外装部23に固定され且つ第二側配電材M2が電気的に接続される第二側端子板2100と、第二側端子板2100に第二側配電材M2を固定するための第二側止め具2101と、を有する。
【0047】
上述のように切替開閉器1は、第1の電力系統P1や、第2の電力系統P2から単相3線式で送られた電力を受けて負荷系統W1に送るように構成されているため、第二側端子部21は、3つの第二側接続端子部210を有する。
【0048】
この3つの第二側接続端子部210は、それぞれ、第1相用の第二側接続端子部(第一相接続端子部)210、第2相用の第二側接続端子部(第二相接続端子部)210、第3相用の第二側接続端子部(第三相接続端子部)210である。
【0049】
そして、第二側端子部21では、第一相接続端子部210、第二接続相端子部210、第三相接続端子部210が第二方向で並ぶように(整列するように)配置されている。
【0050】
なお、第二側端子部21についても、図2図6においては、第一相端子部210に符号「A」、第二相端子部210に符号「B」、第三相端子部210に符号「C」を付記している。
【0051】
負荷側端子部22は、負荷側端子部22自身と外部の機器(切替開閉器1自身とは別の機器であり、本実施形態では負荷回路部7の電気機器70)とを電気的に接続するための配電用の資材(負荷側配電材)M3(図10参照)を着脱可能な複数の負荷側接続端子部220を有する。
【0052】
負荷側接続端子部220は、外装部23に固定され且つ負荷側配電材M3が電気的に接続される負荷側端子板2200と、負荷側端子板2200に負荷側配電材M3を固定するための負荷側止め具2201とを有する。
【0053】
上述のように切替開閉器1は、第1の電力系統P1や、第2の電力系統P2から単相3線式で送られた電力を受けて負荷系統W1に送るように構成されているため、負荷側端子部22は、3つの負荷側接続端子部220を有する。
【0054】
この3つの負荷側接続端子部220は、それぞれ、第1相用の負荷側接続端子部(第一相接続端子部)220、第2相用の負荷側接続端子部(第二相接続端子部)220、第3相用の負荷側接続端子部(第三相接続端子部)220である。
【0055】
そして、負荷側端子部22では、第一相接続端子部220、第二相接続端子部220、第三相接続端子部220が第二方向で並ぶように(整列するように)配置されている。
【0056】
なお、負荷側端子部22についても、図2図6においては、第一相端子部220に符号「A」、第二相端子部220に符号「B」、第三相端子部220に符号「C」を付記している。
【0057】
ここで、本実施形態の切替本体部2は、負荷側端子部22と切替回路部Cとを接続する端子中継部24を備えている。
【0058】
端子中継部24は、複数の中継接続部240を有している。
【0059】
中継接続部240は、図6図7に示すように、先端部(長手方向における一端部)が負荷側端子板2200に電気的に接続された中継導体(端子用導体)2400と、中継導体2400とは異なる位置で外装部23に固定され且つ切替回路部Cの一部を構成する中継端子板2401(図7参照)と、を有する。
【0060】
上述のように切替開閉器1は、第1の電力系統P1や、第2の電力系統P2から単相3線式で送られた電力を受けて負荷系統W1に送るように構成されているため、端子中継部24は、3つの中継接続部240を有する。
【0061】
この3つの中継接続部240は、それぞれ、第1相用の中継接続部(第一相中継接続部)240、第2相用の中継接続部(第二相中継接続部)240、第3相用の中継接続部(第三相中継接続部)240である。
【0062】
そして、端子中継部24では、第一相中継接続部240の基端部(切替回路部Cに接続されている端部)、第二相中継接続部240の基端部(切替回路部Cに接続されている端部)、第三相中継接続部240の基端部(切替回路部Cに接続されている端部)が第二方向で並ぶように(整列するように)配置されている。
【0063】
なお、端子中継部24についても、図6においては、第一相中継接続部240に符号「A」、第二相中継接続部240に符号「B」、第三相中継接続部240に符号「C」を付記している。
【0064】
外装部23は、切替回路部Cを収容する機構用外装部230と、機構用外装部230の外面に設けられる配線用外装部231と、を有する。
【0065】
機構用外装部230は、図7に示すように、第一側接続端子部200が取り付けられる第一側取付部2300と、第二側接続端子部210が取り付けられる第二側取付部2301と、負荷側接続端子部220につながる中継接続部240が取り付けられる負荷側取付部2302と、を有する。
【0066】
配線用外装部231は、図6に示すように、切替開閉器1の外周縁部のうちの一辺部に配置されており、機構用外装部230から切替制御部3側に延出している。そのため、配線用外装部231は、機構用外装部230と切替制御部3とに跨るように形成されている。
【0067】
本実施形態の配線用外装部231は、上面が開放されている配線ケース部2310と、配線ケース部2310の上面に重ねて配置される配線蓋部2311と、を有する(図1参照)。
【0068】
配線ケース部2310には、機構用外装部230に隣接する基端側ケース部2310aと、切替制御部3に隣接する先端側ケース部2310bと、が含まれている。
【0069】
基端側ケース部2310aと先端側ケース部2310bとは、切替開閉器1の前記一辺部に沿う方向(本実施形態では第二方向)に並んでいる。本実施形態の配線用外装部231は、切替開閉器1の第一方向における他方側の一辺に配置されており、基端側ケース部2310aは機構用外装部230の第一方向における他方側に向けて配置される側面に隣接し、先端側ケース部2310bは切替制御部3の後述する制御ケース30の第一方向における他方側に向けて配置される側面に隣接している。
【0070】
なお、配線ケース部2310の内部には、中継導体2400を収容するための配線スペースであって、基端側ケース部2310aと先端側ケース部2310bとに亘って広がる配線スペースが形成されている。
【0071】
配線蓋部2311には、図2に示すように、基端側ケース部2310aに重ねて配置される基端側蓋部2311aと、先端側ケース部2310bに重ねて配置される先端側蓋部2311bと、が含まれている。また、基端側蓋部2311aは、機構用外装部230の外面のうちの第二側取付部2301と負荷側取付部2302との間に隣接する。
【0072】
ここで、機構用外装部230は、図6に示すように、第一側端子部20を載置するための第一側台部2320と、第二側端子部21を載置するための第二側台部2321と、負荷側端子部22を載置するための負荷側台部2322と、を有するように構成される。
【0073】
本実施形態では、第一側取付部2300によって第一側台部2320が構成され、第二側取付部2301によって第二側台部2321が構成され、負荷側取付部2302によって負荷側台部2322が構成されている。
【0074】
また、機構用外装部230は、第一側台部2320に立設される第一側絶縁壁部2330と、第二側台部2321に立設される第二側絶縁壁部2331と、負荷側台部2322に立設される負荷側絶縁壁部2332と、を有する。
【0075】
第一側絶縁壁部2330は、図3に示すように、第一側配電材M1を配置すべく面方向において開放する第一側配線スペースS1が形成されている。すなわち、第一側絶縁壁部2330は、第一側接続端子部200の周囲を部分的に取り囲むように形成されている。
【0076】
本実施形態の第一側絶縁壁部2330は、第一側接続端子部200に対して第二方向における両側に立設される第一壁部2330aと、第一側接続端子部200に対して第一方向における他方側に立設される第二壁部2330bとを有する。そして、第一壁部2330aの間に第一側配線スペースS1が形成されている。
【0077】
第二側絶縁壁部2331は、図4に示すように、第二側配電材M2を配置すべく前記面方向において開放する第二側配線スペースS2が形成されている。すなわち、第二側絶縁壁部2331も、第二側接続端子部210の周囲を部分的に取り囲むように形成されている。
【0078】
本実施形態の第二側絶縁壁部2331は、第二側接続端子部210に対して第二方向における両側に立設される第一壁部2331aと、第二側接続端子部210に対して第一方向における一方側に立設される第二壁部2331bとを有する。そして、第一壁部2331aの間に第二側配線スペースS2が形成されている。
【0079】
負荷側絶縁壁部2332は、図5に示すように、負荷側配電材M3を配置すべく前記面方向において開放する負荷側配線スペースS3が形成されている。すなわち、負荷側絶縁壁部2332も、負荷側接続端子部220の周囲を部分的に取り囲むように形成されている。
【0080】
負荷側接続端子部220に対して第二方向における両側に立設される第一壁部2332aと、負荷側接続端子部220に対して第一方向における一方側に立設される第二壁部2332bとを有する。そして、第一壁部2332aの間に負荷側配線スペースS3が形成されている。
【0081】
本実施形態の切替開閉器1では、第一側台部2320、第二側台部2321、負荷側台部2322のそれぞれの配置エリアが正面視において互いに異なる場所(重ならない場所)に設定されているため、第一側端子部20、第二側端子部21、負荷側端子部22、配置エリアも正面視において互いに異なる場所(重ならない場所)に設定されている。
【0082】
第一側台部2320と、第二側台部2321及び負荷側台部2322とは、第一方向における切替開閉器1の別々の端部に位置しており、本実施形態では、切替開閉器1の第一方向における一方側の端部に第一側台部2320が配置され、切替開閉器1の第一方向における他方側の端部に第二側台部2321及び負荷側台部2322が配置されている。
【0083】
また、第二側台部2321と負荷側台部2322とは、切替開閉器1の第一方向における他方側の端部において、第一方向で並んでおり、負荷側台部2322が第二側台部2321よりも第二方向における他方側にずれた場所に配置されている。
【0084】
これに伴い、第一側端子部20は切替開閉器1の第一方向における一方側の端部に配置され、第二側端子部21及び負荷側端子部22は切替開閉器1の第一方向における他方側の端部に配置されている。そして、第二側端子部21と負荷側端子部22とは、切替開閉器1の第一方向における他方側の端部において第一方向で並び、負荷側端子部22が第二側端子部21よりも第二方向における他方側にずれた場所に配置されている。
【0085】
さらに、第一方向で並ぶ第一側絶縁壁部2330と第二側絶縁壁部2331は、面方向で開放する方向が反対向きであり、第二側絶縁壁部2331と開放する方向が同じである負荷側端子部2332は、第二側絶縁壁部2331に対して第二方向でずれた位置(本実施形態では第二側絶縁壁部2331よりも第二方向における他方側にずれた位置)に配置されている。
【0086】
そのため、第一側絶縁壁部2330の面方向で開放する方向において外側に向かう方向、第二側絶縁壁部2331の面方向で開放する方向において外側に向かう方向、負荷側絶縁壁部2332の面方向で開放する方向において外側に向かう方向のそれぞれを第一側端子部20、第二側端子部21、負荷側端子部22の向きとすると、第一側端子部20と第二側端子部21とは、第一方向で並んでいるが、第一方向での向きが反対になっており、第二側端子部21と負荷側端子部22とは、第一方向での向きが同じであるが、第二方向での配置位置が異なっている。
【0087】
そのため、第一側端子部20、第二側端子部21、負荷側端子部22のそれぞれは、自身の前方(面方向で開放する方向において外側に向かう方向)に別の端子部が配置されていない状態になっており、第一側端子部20に取り付けた第一側配電材M1、第二側端子部21に取り付けた第二側配電材M2、負荷側端子部22に取り付けた負荷側配電材M3が互いに干渉し難くなっている。
【0088】
なお、第二側端子部21の第一方向での配置位置と、負荷側端子部22の第一方向での配置位置は互いに異なっており、負荷側端子部22が第二側端子部21よりも第一方向における他方側に配置されているが、第二側端子部21の第一方向での配置位置と、負荷側端子部22の第一方向での配置位置が同一又は略同一であってもよいし、負荷側端子部22が第二側端子部21よりも第一方向における一方側に配置されていてもよい。
【0089】
切替制御部3は、外装部23に隣接する制御ケース30を有する。制御ケース30は、正面視において矩形状、又は略矩形状に形成される。制御ケース30の外周縁部には、4つの辺部、より具体的に説明すると、第一方向に沿って延びる2つの第一辺部300と、第二方向に沿って延びる2つの第二辺部301とが含まれている。
【0090】
外装部23は、制御ケース30の2つの第一辺部300と2つの第二辺部301のうち、一端が互いに交わる第一辺部300と第二辺部301(角部を形成している第一辺部300と第二辺部301)に隣接するように構成されている。本実施形態では、一方の第一辺部300には機構用外装部230が隣接し、一方の第二辺部301には配線ケース部2310(先端側ケース部2310b)が隣接している。
【0091】
切替制御部3は、図8に示すように、第一側端子部20と負荷側端子部22とを電気的に接続し且つ第二側端子部21と負荷側端子部22とを電気的に切り離している状態(第一給電状態)と、図9に示すように、第一側端子部20と負荷側端子部22とを電気的に切り離し且つ第二側端子部21と負荷側端子部22とを電気的に接続している状態(第二給電状態)とに切替可能であり、切替制御部3は、切替本体部2を作動させることによって第一給電状態と第二給電状態(すなわち、第一側端子部20及び第二側端子部21と、負荷側端子部22との電気的な接続状態)を切り替えるように構成されている。
【0092】
なお、切替制御部3は、切替本体部2の第一給電状態と第二給電状態とを各々の給電状態に応じて自動的に切り替えるように構成されていればよいが、手動で第一給電状態と第二給電状態とを切り替えるように構成したり、外部からの遠隔操作で第一給電状態と第二給電状態とを切り替えるように構成したりしてもよい。
【0093】
また、切替本体部2の第一給電状態と第二給電状態とを自動的に切り替えるように構成する場合は、第一給電状態と第二給電状態とを切り替えるための処理を行う制御部が制御ケース30内に収容されていればよい。
【0094】
さらに、切替制御部3は、例えば、第1の電源系統P1からの電力供給が途絶えたことを検知した場合に切替本体部2を第一給電状態から第二給電状態に切り替え、第1の電源系統P1からの電力供給が復旧したことを検知した場合に切替本体部2を第二給電状態から第一給電状態に切り替えるように構成されていればよい。
【0095】
以上のように、本実施形態に係る切替開閉器1によれば、第一側端子部20と、第二側端子部21と、負荷側端子部22のそれぞれの配置エリアが正面視において異なる場所に設定されているため、第一側端子部20、第二側端子部21、負荷側端子部22が互いに重ならないように配置される。
【0096】
そのため、切替開閉器1では、第一側端子部20、第二側端子部21、負荷側端子部22のそれぞれに対する作業エリアも重ならないように配置される。
【0097】
第一側端子部20、第二側端子部21、負荷側端子部22のそれぞれに対する作業エリアが重なっていなければ、作業者は、第一側端子部20と、第二側端子部21と、負荷側端子部22の何れかに対する作業を行う場合、第一側端子部20、第二側端子部21、負荷側端子部22のうち作業対象外のものが自身の手元から離れた場所に配置されている環境で作業を行うことができるようになる。これにより、作業対象としている端子部と作業対象としていない端子部との短絡が起きにくくなる。
【0098】
従って、本実施形態の切替開閉器1は、短絡が起きにくいという優れた効果を奏し得る。
【0099】
また、本実施形態の切替開閉器1では、第一方向で並ぶ第一側端子部20と第二側端子部21の向きは反対向きになっており、第一方向での向きが同じ第二側端子部21と負荷側端子部22とは、第二方向での配置位置が異なっているため、第一側端子部20、第二側端子部21、負荷側端子部22のそれぞれは、自身の前方に向かって広がるエリアも重ならないようになっている。
【0100】
これにより、第一側端子部20、第二側端子部21、負荷側端子部22のそれぞれに接続された第一側配電材M1、第二側配電材M2、負荷側配電材M3も重なったり交差しにくくなる。そのため、第一側配電材M1、第二側配電材M2、負荷側配電材M3のそれぞれが他の配電材や他の端子部と接触しにくくなり、短絡が起きにくくなる。
【0101】
特に、第一側端子部20に接続した第一側配電材M1と第二側端子部21に接続した第二側配電材M2とは、それぞれ相反する方向に向かって延出した状態になるため、より短絡が起きにくくなる。
【0102】
このように、機構用外装部230では、負荷側端子部22が第二側端子部21に対して前後方向における後方側で重なる位置に取り付けられることになるが、負荷側端子部22への負荷側配電材M3の取り付け位置が面方向において第二側端子部21への第二側配電材M2の取り付け位置とは異なる位置に設定されているため、短絡が起きにくくなっている。
【0103】
なお、本実施形態では、正面視において、第二側接続端子部210を取り付ける第二側取付部2301と、中継接続部240を取り付ける負荷側取付部2302とが前後方向で並ぶ位置に配置されているため、中継導体2400が第二側接続端子部210の前方のエリアに対して前後方向における後方側で重なる位置に配置されるが、第二側取付部2301と負荷側取付部2302との間は基端側蓋部2311aによって遮られているため、第二側接続端子部210と中継接続部240とが絶縁された状態になっている。
【0104】
さらに、本実施形態の切替開閉器1では、第一側端子部20と第二側端子部21とが前後方向に直交する左右方向(第一方向)において並ぶように配置され、負荷側端子部22が前後方向と左右方向(第一方向)とに直交する上下方向(第二方向)において第一側端子部20又は第二側端子部21と並ぶように配置されているため、電力が入力される第一側端子部20と第二側端子部21とが離れる分、短絡が起きにくくなっている。
【0105】
なお、本発明の切替開閉器1は、上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変更を加え得ることは勿論である。
【0106】
上記実施形態において特に言及しなかったが、切替開閉器1では、第一側端子部20の設置エリアと第二側端子部21の設置エリアとが離れており、第二側端子部21の設置エリアと負荷側端子部22の設置エリアとが重ならずに隣接していれば、短絡を防ぎやすくなるが、正面視において第一側接続端子部200、第二側接続端子部210、負荷側接続端子部220自体が重なっていなければ、設置エリア自体が僅かに重なっていても短絡を抑える効果は得られる。
【0107】
上記実施形態では、第一側端子部20と第二側端子部21とが第一方向で並んでいたが、例えば、第一側端子部20と負荷側端子部22とが第一方向で並ぶようにしたり、第二側端子部21と負荷側端子部22とが第一方向で並ぶようにしたりしてもよい。この場合、第一側端子部20、第二側端子部21、負荷側端子部22のうち、機構用外装部230への取り付け位置が前後方向で重なるものが、面方向において異なるエリアに設置されていればよい。また、上記実施形態では負荷側端子部22に端子中継部24を接続していたが、上記構成を採用する場合は、第一側端子部20、第二側端子部21、負荷側端子部22のうち、機構用外装部230への取り付け位置が前後方向で重なるものに端子中継部24を接続すればよい。
【0108】
また、第一側端子部20と第二側端子部21とが前後方向に直交する左右方向(第一方向)において並ぶように配置され、負荷側端子部22が前後方向と左右方向(第一方向)とに直交する上下方向(第二方向)において第一側端子部20又は第二側端子部21と並ぶように配置されていたが、この構成に限定されない。例えば、第一側端子部20と第二側端子部21とが前後方向に直交する上下方向(第一方向)において並ぶように配置され、負荷側端子部22が前後方向と上下方向(第一方向)とに直交する左右方向(第二方向)において、第一側端子部20及び第二側端子部21よりも右側又は左側に配置されるようにしてもよい。
【0109】
すなわち、第一側端子部20と負荷側端子部22とが第二方向で並び、且つ第二側端子部21が第一側端子部20と負荷側端子部22とに対して第一方向でずれた位置に配置されていたり、第二側端子部21と負荷側端子部22とが第二方向で並び、且つ第一側端子部20が第二側端子部21と負荷側端子部22とに対して第一方向でずれた位置に配置されていたりしてもよい。この場合においても、電力が入力される第一側端子部20と第二側端子部21とが離れて配置される分、短絡が起きにくくなる。
【0110】
これらのように、切替開閉器1では、第一側端子部20、第二側端子部21、負荷側端子部22のうちの2つが第一方向又は第二方向の一方に並べて配置され、残りの1つが第一方向又は第二方向の他方にずらした位置に配置されたレイアウトを採用することができ、この場合、端子中継部24は、第一側端子部20、第二側端子部21、負荷側端子部22のうちの第一方向又は第二方向の他方にずらしたものに接続すればよい。
【0111】
上記実施形態では、第一側端子部20と第二側端子部21とが第一方向で並び、負荷側端子部22が第一側端子部20と第二側端子部21に対して第一方向で異なる位置に配置されていたが、例えば、第一側端子部20、第二側端子部21、負荷側端子部22は、第一方向、又は第二方向で一列に並ぶように構成されていてもよい。この場合においても、第一側端子部20、第二側端子部21、負荷側端子部22のそれぞれが自身の前方に他の端子部が配置されていない状態になる向きになっていれば、短絡を抑える効果を得られる。また、上記構成を採用する場合、切替本体部2は、端子中継部24を備えた構成であってもよいし、端子中継部24を備えていない構成であってもよい。
【0112】
上記実施形態において、第一側端子部20、第二側端子部21、負荷側端子部22は、第一側配電材M1、第二側配電材M2、負荷側配電材M3をねじ止めする構成となっていたが、例えば、プラグイン接続等のねじ止め以外の手段が用いられていてもよい。
【0113】
上記実施形態において特に言及しなかったが、第一回路部5の電気機器50は、端子台の他、回路遮断器等の機器であってもよい。第二回路部6の電気機器60、負荷回路部7の電気機器70も、回路遮断器や、他の機器で構成されていてもよい。
【0114】
上記実施形態では、第1の電源系統P1が商用電源系統であり、第2の電源系統P2が分散電源を含む電源系統であることを一例に挙げて説明をしたが、第1の電源系統P1が商用電源系統以外の種類の電源系統であってもよいし、第2の電源系統P2が分散電源を含む電源系統以外の種類の電源系統であってもよい。例えば、第1の電源系統P1および第2の電源系統P2の電源特性が異なる電源構成であってもよく、即ち、第1の電源系統P1が直流電源であり、第2の電源系統P2が交流電源であってもよいし、第1の電源系統P1および第2の電源系統P2がともに直流であってもよい。これにより接続する負荷に応じて特性の異なる電源を接続、切替することができ、多様な電源を負荷に対して供給することができる。
【0115】
上記実施形態において、第2の電源系統P2は、第二電源P20に太陽電池が接続されたもの(太陽光発電システム)であったが、この構成に限定されない。例えば、第2の電源系統P2は、第二電源P20を電気自動車に搭載されている蓄電池で構成したものであってもよい。
【0116】
上記実施形態において、第2の電源系統P2は、第二電源P20が充電可能である充電式の電源系統であったが、この構成に限定されない。第2の電源系統P2は、例えば、第二電源P20が発電機能のみを持ったものであってもよい。
【0117】
上記実施形態において特に言及しなかったが、切替開閉器内蔵盤4は、住宅や工場等に設置されていてもよいし、建物の内部に設置される場合に限らず、建物の外部に設置されていてもよい。
【0118】
上記実施形態の中継回路部8には、第一回路部5から出力された電力が流れることのみを説明したが、例えば、第一回路部5に向かう電力が流れるようになっていてもよい。
【0119】
上記実施形態において、第一側端子部20は、3つの第一側接続端子部200を有していたが、例えば、1つ又は2つの第一側接続端子部200を有していてもよいし、4つ以上の第一側接続端子部200を有するように構成されていてもよい。第二側端子部21、負荷側端子部22も同様である。
【0120】
上記実施形態において、特に言及しなかったが、切替開閉器1は、第一給電状態と第二給電状態とに加えて、負荷回路部7が第一の電源系統P1にも第二の電源系統P2にも電気的に接続していない中立状態にも切り替えることができるようになっていてもよい。これにより、負荷回路部4は、第一の電源系統P1および第二の電源系統P2から電気的に切り離された状態を設けることができ、負荷回路部4に接続された負荷機器などの点検をする場合などの電気的安全性をより向上させることができる。
【符号の説明】
【0121】
1…切替開閉器、2…切替本体部、3…切替制御部、20…第一側端子部、21…第二側端子部、22…負荷側端子部、23…外装部、24…端子中継部、30…制御ケース
図1
図2
図3
図4
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図8
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図10