(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022189394
(43)【公開日】2022-12-22
(54)【発明の名称】試験方法、試験装置およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G01R 31/28 20060101AFI20221215BHJP
【FI】
G01R31/28 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021097946
(22)【出願日】2021-06-11
(71)【出願人】
【識別番号】390005175
【氏名又は名称】株式会社アドバンテスト
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】川端 雅之
(72)【発明者】
【氏名】秋田 隆之
【テーマコード(参考)】
2G132
【Fターム(参考)】
2G132AA00
2G132AB01
2G132AC02
2G132AD01
2G132AE08
2G132AE11
2G132AE14
2G132AE23
2G132AL09
2G132AL11
(57)【要約】 (修正有)
【解決手段】被試験デバイスに具備されシングルエンドの信号を出力する複数の端子のうち一部の端子のそれぞれについて、複数の端子のうち、当該端子とは異なる基準端子の出力値との差分値を測定する測定段階と、一部の端子それぞれの差分値が第1の基準範囲内であるか否かに基づいて被試験デバイスの良否を判定する判定段階S29と、を備え、測定段階では、複数の端子のうち、少なくとも1つの端子それぞれの出力値をさらに測定し、判定段階S29では、少なくとも1つの端子それぞれの出力値が第2の基準範囲であるか否か、および、少なくとも1つの端子それぞれの出力値の間の差分値が第3の基準範囲内であるか否かにさらに基づいて、被試験デバイスの良否を判定する。
【効果】試験精度を高め、試験時間を短縮できる。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被試験デバイスに具備されシングルエンドの信号を出力する複数の端子のうち一部の端子のそれぞれについて、前記複数の端子のうち、当該端子とは異なる基準端子の出力値との差分値を測定する測定段階と、
前記一部の端子それぞれの前記差分値が第1の基準範囲内であるか否かに基づいて前記被試験デバイスの良否を判定する判定段階と、
を備える、試験方法。
【請求項2】
前記測定段階では、前記複数の端子のうち、少なくとも1つの端子それぞれの出力値をさらに測定し、
前記判定段階では、前記少なくとも1つの端子それぞれの出力値が第2の基準範囲であるか否か、および、前記少なくとも1つの端子それぞれの出力値の間の差分値が第3の基準範囲内であるか否かにさらに基づいて、前記被試験デバイスの良否を判定する、請求項1に記載の試験方法。
【請求項3】
前記複数の端子は、各端子が順繰りに前記基準端子として用いられる連鎖関係を少なくとも1つ形成しており、
前記測定段階では、前記連鎖関係において隣接する2つの端子の間それぞれで、一方の端子に対し、他方の端子を前記基準端子として用いる、請求項1または2に記載の試験方法。
【請求項4】
前記測定段階は、各連鎖関係における一端の端子の出力値をさらに測定する、請求項3に記載の試験方法。
【請求項5】
前記測定段階では、前記一部の端子のうち2つ以上の端子を有する少なくとも1つの端子グループ内の端子のそれぞれの出力値と、前記複数の端子のうち当該端子グループに対応付けられた共通の基準端子の出力値との差分値を測定する、請求項1または2に記載の試験方法。
【請求項6】
前記複数の端子をグループ化した複数の端子グループにより、2つ以上の端子グループ間で前記基準端子が順繰りに用いられる連鎖関係が少なくとも1つ形成されており、
前記測定段階では、前記連鎖関係において隣接する2つの端子グループの間それぞれで、一方の端子グループに対し、他方の端子グループ内の何れかの端子を前記基準端子として用いる、請求項5に記載の試験方法。
【請求項7】
前記測定段階では、各連鎖関係における一端の端子グループ内の端子のそれぞれの出力値をさらに測定する、請求項6に記載の試験方法。
【請求項8】
前記被試験デバイスは、各端子から複数の階調の出力が可能であり、
前記測定段階では、前記複数の端子に各階調の出力を行わせて測定を行い、
前記判定段階では、各階調での測定結果に基づいて判定を行う、請求項1から7の何れか一項に記載の試験方法。
【請求項9】
前記被試験デバイスは、ディスプレイの複数の画素を制御する前記複数の端子を有するディスプレイドライバであり、
前記出力値は、電圧の大きさで示される値である、請求項1から8の何れか一項に記載の試験方法。
【請求項10】
前記測定段階では、前記複数の端子のうち、前記ディスプレイ内で互いに隣接する画素に対応する端子の間で前記差分値を測定する、請求項9に記載の試験方法。
【請求項11】
被試験デバイスに具備されシングルエンドの信号を出力する複数の端子のうち一部の端子のそれぞれについて、前記複数の端子のうち、当該端子とは異なる基準端子の出力値との差分値を測定する測定部と、
前記一部の端子それぞれの前記差分値が第1の基準範囲内であるか否かに基づいて前記被試験デバイスの良否を判定する判定部と、
を備える、試験装置。
【請求項12】
コンピュータを、
被試験デバイスに具備されシングルエンドの信号を出力する複数の端子のうち一部の端子のそれぞれについて、前記複数の端子のうち、当該端子とは異なる基準端子の出力値との差分値を測定する測定部と、
前記一部の端子それぞれの前記差分値が第1の基準範囲内であるか否かに基づいて前記被試験デバイスの良否を判定する判定部
として機能させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、試験方法、試験装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、「各出力ピンの電圧は、測定された電圧差をn番目の電圧測定ユニットVunから順に累積加算することによって得られる」(段落0007)と記載されている。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1] 特開平8-62307号公報
【発明の概要】
【0003】
本発明の第1の態様においては、試験方法が提供される。試験方法は、被試験デバイスに具備されシングルエンドの信号を出力する複数の端子のうち一部の端子のそれぞれについて、複数の端子のうち、当該端子とは異なる基準端子の出力値との差分値を測定する測定段階を備えてよい。試験方法は、一部の端子それぞれの差分値が第1の基準範囲内であるか否かに基づいて被試験デバイスの良否を判定する判定段階を備えてよい。
【0004】
測定段階では、複数の端子のうち、少なくとも1つの端子それぞれの出力値をさらに測定してよい。判定段階では、少なくとも1つの端子それぞれの出力値が第2の基準範囲であるか否か、および、少なくとも1つの端子それぞれの出力値の間の差分値が第3の基準範囲内であるか否かにさらに基づいて、被試験デバイスの良否を判定してよい。
【0005】
複数の端子は、各端子が順繰りに基準端子として用いられる連鎖関係を少なくとも1つ形成してよい。測定段階では、連鎖関係において隣接する2つの端子の間それぞれで、一方の端子に対し、他方の端子を基準端子として用いてよい。
【0006】
測定段階は、各連鎖関係における一端の端子の出力値をさらに測定してよい。
【0007】
測定段階では、一部の端子のうち2つ以上の端子を有する少なくとも1つの端子グループ内の端子のそれぞれの出力値と、複数の端子のうち当該端子グループに対応付けられた共通の基準端子の出力値との差分値を測定してよい。
【0008】
複数の端子をグループ化した複数の端子グループにより、2つ以上の端子グループ間で基準端子が順繰りに用いられる連鎖関係が少なくとも1つ形成されてよい。測定段階では、連鎖関係において隣接する2つの端子グループの間それぞれで、一方の端子グループに対し、他方の端子グループ内の何れかの端子を基準端子として用いてよい。
【0009】
測定段階では、各連鎖関係における一端の端子グループ内の端子のそれぞれの出力値をさらに測定してよい。
【0010】
被試験デバイスは、各端子から複数の階調の出力が可能であってよい。測定段階では、複数の端子に各階調の出力を行わせて測定を行ってよい。判定段階では、各階調での測定結果に基づいて判定を行ってよい。
【0011】
被試験デバイスは、ディスプレイの複数の画素を制御する複数の端子を有するディスプレイドライバであってよい。出力値は、電圧の大きさで示される値であってよい。
【0012】
測定段階では、複数の端子のうち、ディスプレイ内で互いに隣接する画素に対応する端子の間で差分値を測定してよい。
【0013】
本発明の第2の態様においては、試験装置が提供される。試験装置は、被試験デバイスに具備されシングルエンドの信号を出力する複数の端子のうち一部の端子のそれぞれについて、複数の端子のうち、当該端子とは異なる基準端子の出力値との差分値を測定する測定部を備えてよい。試験装置は、一部の端子それぞれの差分値が第1の基準範囲内であるか否かに基づいて被試験デバイスの良否を判定する判定部を備えてよい。
【0014】
本発明の第3の態様においては、プログラムが提供される。プログラムは、コンピュータを、被試験デバイスに具備されシングルエンドの信号を出力する複数の端子のうち一部の端子のそれぞれについて、複数の端子のうち、当該端子とは異なる基準端子の出力値との差分値を測定する測定部として機能させてよい。プログラムは、コンピュータを、一部の端子それぞれの差分値が第1の基準範囲内であるか否かに基づいて被試験デバイスの良否を判定する判定部として機能させてよい。
【0015】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図6】変形例(1)に係る試験システム1Aを示す。
【
図8】本発明の複数の態様が全体的または部分的に具現化されてよいコンピュータ2200の例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0018】
[1.試験システム1]
図1は、本実施形態に係る試験システム1を示す。試験システム1は、被試験デバイス100と、試験装置200とを備える。
【0019】
[1-1.被試験デバイス100]
被試験デバイス100は、複数の端子10を有しており、端子10からの出力が試験装置200によって試験される。被試験デバイス100は、各端子10から複数の階調(一例として256階調や1024階調、4096階調など)の出力が可能であってよい。被試験デバイス100は、ディスプレイ(図示せず)の複数の画素を制御する複数の端子10を有するディスプレイドライバであってよい。各端子は、シングルエンドの信号を出力してよい。シングルエンドの信号とは、或る基準(一例としてゼロ)に対して高いか低いかによって信号値を表現する信号であってよい。各端子10は、ディスプレイの画素を構成する何れかの表示色と対応付けられており、被試験デバイス100における端子10の並びは、ディスプレイ内での対応画素の並びに対応してよい。
【0020】
複数の端子10は、試験装置200によって複数の端子グループ11にグループ化されてよい。例えば、複数の端子10は、被試験デバイス100内での端子10の位置に従ってグループ化されてよい。また、各端子グループ11に含まれる端子10どうしは、互いに近接して被試験デバイス100内に配置されていてよい。なお、各端子グループ11には少なくとも1つの端子10が含まれてよい。また、各端子グループ11には同数の端子10が含まれてもよいし、別々の数の端子10が含まれてもよい。
【0021】
[1-2.試験装置200]
試験装置200は、被試験デバイス100の良否を試験する。試験装置200は、テストコントローラ201と、測定部202と、判定部203とを有する。
【0022】
[1-2-1.テストコントローラ201]
テストコントローラ201は、試験装置200の各部を制御するとともに、試験条件に応じた動作を被試験デバイス100に行わせる。例えば、テストコントローラ201は、被試験デバイス100にテストパターン信号を供給することで、指定した階調に応じた出力値を少なくとも一部の端子10から所望のタイミングで出力させてよい。端子10から出力された出力値は、出力値を伝送するための伝送路Chに供給されてよい。なお、テストコントローラ201は、ソフトウェアがプロセッサ等で実行されることにより実現されてよい。
【0023】
[1-2-2.測定部202]
測定部202は、伝送路Chを介して端子10と接続されてよい。測定部202は、複数の端子グループ11のうち2つ以上の端子10を有する少なくとも1つの端子グループ11(非代表端子グループ11Hとも称する)内の端子10(非代表端子10Hとも称する)のそれぞれの出力値と、複数の端子10のうち当該非代表端子グループ11Hのそれぞれに対する基準端子10Kの出力値との差分値を測定してよい。基準端子10Kは、非代表端子グループ11H毎に異なってよい。一の非代表端子グループ11Hについての差分値の測定で用いられる基準端子10Kは、当該一の非代表端子グループとは別の端子グループ11の端子であってよい。なお、本実施形態においては一例として、端子10からの出力値は、基準値(一例としてゼロ)に対する差分として測定されてよい。また、端子10からの出力値は、電圧の大きさで示される値であってよい。
【0024】
ここで、複数の端子グループ11は、2つ以上の端子グループ11間で基準端子10Kが順繰りに用いられる連鎖関係を少なくとも1つ形成してよい。
図1では一例として、全ての端子グループ11が図中の上下方向に1つの連鎖関係を形成している。なお、2つの端子グループ11が連鎖関係を形成する場合に、当該2つの端子グループ11の間で基準端子10Kが順繰りに用いられるとは、一方の端子グループ11に対し、他方の端子グループ11内の端子10が基準端子10Kとして用いられることであってよい。連鎖関係において隣接する端子グループ11どうしは、互いに隣接して被試験デバイス100内に配置されていてよく、別言すれば、ディスプレイにおいて互いに隣接する画素に対応してよい。
【0025】
測定部202は、端子グループ11の連鎖関係が形成される場合には、連鎖関係において隣接する2つの端子グループ11の間それぞれで、一方の端子グループ11に対し、他方の端子グループ11内の何れかの端子10を基準端子10Kとして用いて、差分値の測定を行ってよい。
【0026】
また、測定部202は、各連鎖関係における一端の端子グループ11(代表端子グループ11Dとも称する)内の端子10(代表端子10Dとも称する)のそれぞれの出力値をさらに測定してよい。代表端子グループ11Dは非代表端子グループ11Hとは別の端子グループ11であってよい。被試験デバイス100の全ての端子10に対する代表端子10Dの割合は、一例として1/64~1/4であってよい。
【0027】
このように連鎖関係の一端の代表端子グループ11D内の端子10について出力値が測定され、連鎖関係において基準端子が順繰りに用いられて差分値が測定されることにより、連鎖関係に含まれる各非代表端子グループ11H内の端子10について出力値が算出可能となる。本実施形態においては一例として、非代表端子グループ11Hのそれぞれは、何れかの連鎖関係に含まれてよい。例えば、非代表端子グループ11Hのそれぞれは、何れか1つの連鎖関係に含まれてよい。一の非代表端子グループ11Hを含んで複数の連鎖関係が形成されている場合には、当該一の非代表端子グループ11Hは当該複数の連鎖関係にそれぞれ含まれてもよい。
【0028】
なお、連鎖関係における非代表端子グループ11H内の端子10の出力値を算出するには、例えば、当該非代表端子グループ11H内の非代表端子10Hの差分値に対し、連鎖関係において一端の側に順次、隣接する各非代表端子グループ11H内の基準端子10Kについて測定される差分値と、連鎖関係における一端の代表端子グループ11D内の基準端子について測定される出力値とを累積加算すればよい。
【0029】
測定部202は、測定結果を判定部203に供給してよい。例えば、測定部202は、差分値や信号値のアナログ値をデジタル値に変換して判定部203に供給してよい。
【0030】
[1-2-3.判定部203]
判定部203は、測定部202による測定結果に基づいて被試験デバイス100の良否を判定する。判定部203は、測定された差分値に基づいて被試験デバイス100の良否を判定してよく、例えば非代表端子10Hそれぞれの差分値が第1の基準範囲内であるか否か基づいて被試験デバイス100の良否を判定してよい。また、判定部203は、代表端子10Dそれぞれの出力値が第2の基準範囲であるか否かと、代表端子10Dそれぞれの出力値の間の差分値が第3の基準範囲内であるか否との少なくとも一方にさらに基づいて被試験デバイス100の良否を判定してもよい。判定部203は、被試験デバイス100の良否を示す判定結果を出力してよい。なお、判定部203は、ソフトウェアがプロセッサ等で実行されることにより実現されてよい。
【0031】
以上の試験装置200によれば、2つ以上の端子10を有する非代表端子グループ11H内の端子10のそれぞれの出力値と、当該非代表端子グループ11Hに対する基準端子10Kの出力値との差分値が測定されて試験が行われる。従って、非代表端子グループ11H内の2つ以上の端子10について、共通の基準端子Kを用いて差分値を測定して試験を行うことができる。よって、各端子10を他の端子10の基準端子10Kとして順繰りに用いて差分値を測定する場合と異なり、差分値から出力値を算出するための累積加算の回数を低減することができるため、出力値の算出を容易化することができる。また、累積加算の回数が低減されることで、差分値や出力値の測定で発生するノイズを含んで算出される出力値の数を低減することができるため、算出される出力値を用いる場合の試験精度を高めることができる。
【0032】
また、差分値の測定結果を用いて試験が行われることで、出力値を測定する回数、ひいては、ノイズの影響により外れ値を測定してしまう回数を低減することができるため、試験精度を高めることができる。また、外れ値の影響を低減する平均化のために測定回数を増やす必要がないため、試験時間を短縮することができる。
【0033】
また、2つ以上の端子グループ11間で基準端子10Kが順繰りに用いられる連鎖関係が少なくとも1つ形成されており、連鎖関係において隣接する2つの端子グループ11の間それぞれで、一方の端子グループ11に対し、他方の端子グループ11内の何れかの端子10が基準端子10Kとして用いられる。従って、連鎖関係に含まれる各クループについて、順次、端子10からの出力値を算出することができる。
【0034】
また、各連鎖関係の一端に位置する代表端子グループ11D内の端子10のそれぞれの出力値が測定されるので、当該出力値との差分値によって、連鎖関係に含まれる各端子グループ11内の各端子10の出力値を算出することができる。
【0035】
また、非代表端子グループ11Hのそれぞれが何れかの連鎖関係に含まれるので、非代表端子グループ内の端子10それぞれについて出力値を算出することができる。
【0036】
[1-3.測定部202の構成例]
図2~
図4は、測定部202を端子10と共に示す。
【0037】
本構成例においては一例として、被試験デバイス100は1536個の端子10を有しており、
図2~
図4には、このうち伝送路Ch
(1)~Ch
(32)に接続された32個の端子10(端子10
(1)~10
(32)とも称する)を測定対象とする部分の測定部202の構成を示す。測定部202は、32個の端子10ごとに同様の構成を別々の基板(図示せず)上に有してよい。伝送路Ch
(n)は、各端子10
(n)からの出力値を測定部202に供給してよい。なお、端子10
(1)などの記載における添え字のカッコ内の数字1~32は、対応する伝送路Chの番号を示してよい。添え字におけるカッコ内のnは1~32の何れかの整数を示してよい。本構成例において、端子10の個数や、測定部202における各構成の個数は他の数であってもよい。
【0038】
端子10(1)~10(32)は、4個ずつの端子10を含む8つの端子グループ11(端子グループ11G1~11G8とも称する)にグループ化されてよい。なお、添え字のG1~G8は端子グループ11の番号を示す。また、各端子グループ11における端子10の個数は、後述の増幅部220の集積個数に対応してよい。
【0039】
端子グループ11G1~11G8は、基準端子10Kが順繰りに用いられる単一の連鎖関係を形成してよい。連鎖関係の一端の端子グループ11G8は代表端子グループ11Dであってよく、他の端子グループ11G1~11G7は非代表端子グループ11Hであってよい。
【0040】
端子グループ11G1内の端子10(1)~10(4)に対する基準端子10Kは端子グループ11G2内の端子10(5)であってよい。同様にして、端子グループ11G2内の端子10(5)~10(8)に対する基準端子10Kは端子グループ11G3内の端子10(9)であってよい。端子グループ11G3内の端子10(9)~10(12)に対する基準端子10Kは端子グループ11G4内の端子10(13)であってよい。端子グループ11G4内の端子10(13)~10(16)に対する基準端子10Kは端子グループ11G5内の端子10(17)であってよい。端子グループ11G5内の端子10(17)~10(20)に対する基準端子10Kは端子グループ11G6内の端子10(21)であってよい。端子グループ11G6内の端子10(21)~10(24)に対する基準端子10Kは端子グループ11G7内の端子10(25)であってよい。端子グループ11G7内の端子10(25)~10(28)に対する基準端子10Kは端子グループ11G8内の端子10(29)であってよい。
【0041】
測定部202は、複数の増幅部220(増幅部220(n)とも称する)および複数の出力部221(出力部221(n)とも称する)を有してよく、本構成例では一例として、伝送路Chごとに増幅部220および出力部221を有してよい。また、測定部202は、1または複数の切替部222(切替部222(n)とも称する)を有してよい。
【0042】
[1-3-1.増幅部220]
各増幅部220(n)は、対応する端子10(n)からの出力値と、他の値との差分を増幅する。各増幅部220(n)は、対応する出力部221(n)に対し、増幅した値を供給してよい。各増幅部220は、ゲイン可変であってよい。
【0043】
本構成例においては一例として、各増幅部220
(n)はオペアンプなどの差動増幅器であってよく、4つずつ集積されて基板上に配置されてよい。各増幅部220
(n)の非反転入力端子には、対応する伝送路Ch
(n)を介して端子10
(n)の出力値が入力されてよい。例えば、
図2では、増幅部220
(1)~220
(4)が集積されており、それらの非反転入力端子には、伝送路Ch
(1)~Ch
(4)を介して端子グループ11
G1内の端子10
(1)~10
(4)の出力値が入力されている。同様に、
図3では、増幅部220
(5)~220
(8)が集積されており、それらの非反転入力端子には、伝送路Ch
(5)~Ch
(8)を介して端子グループ11
G2内の端子10
(5)~10
(8)の出力値が入力されている。そして、
図4では、増幅部220
(29)~220
(32)が集積されており、その非反転入力端子には、伝送路Ch
(29)~Ch
(32)を介して端子グループ11
G8内の端子10
(29)~10
(32)の出力値が入力されている。なお、図中では簡略化のため、反転入力端子には反転を意味する丸印を付けて、非反転入力端子と区別している。
【0044】
各増幅部220(n)の反転入力端子に入力される値は、端子10(n)の出力値が測定される場合には、一例としてグランド電圧などの基準値であってよく、差分値が測定される場合には、基準端子10Kの出力値であってよい。これらの値は、切替部222(n)によって切替可能であってよい。
【0045】
[1-3-2.出力部221]
各出力部221(n)は、対応する増幅部220(n)によって増幅された値に応じた測定値を出力する。本構成例においては一例として、出力部221は16ビットなどのADコンバータであってよく、増幅されたアナログ値をデジタル値に変換し、測定値として出力してよい。出力部221は、測定値を判定部203に供給してよい。
【0046】
[1-3-3.切替部222]
1または複数の切替部222(n)は、対応する伝送路Ch(n)に接続された端子10(n)についての測定モードを切り替える。例えば、各切替部222は、何れかの端子グループ11内の端子と1対1で対応し、対応する端子グループ11内の端子10について測定モードを切り替えてよい。本構成例においては一例として、測定部202には、端子10(1)~10(32)と同数の切替部222(1)~220(32)が具備されており、これらの切替部222(1)~220(32)は各端子グループ11内の端子10(1)~10(32)について測定モードを切り替えてよい。
【0047】
各切替部222は、差分値を測定する差動測定モードと、第1の測定範囲で出力値を測定する大振幅測定モードと、第1の測定範囲よりも狭い第2の測定範囲で出力値を測定する高感度測定モードとのうち、少なくとも2つの間で測定モードを切り替えてよい。なお、高感度測定モードでは、互いに幅が等しく上下限値が異なる複数(本構成例では一例として4つまたは5つ)の第2の測定範囲の何れかで出力値を測定してよい。複数の第2の測定範囲のそれぞれは、少なくとも一部が第1の測定範囲に含まれてよい。また、複数の第2の測定範囲は、互いに一部が重なり合っていてもよい。
【0048】
本構成例では一例として
図2,
図3に示すように、端子グループ11
G1~
G7の端子10
(1)~10
(28)、つまり非代表端子グループ11H内の各非代表端子10Hに対応する各切替部222
(1)~222
(28)は、当該端子グループ11
G1~11
G7内の端子10
(1)~10
(28)のそれぞれについて、差動測定モードと、大振幅測定モードと、高感度測定モードとの何れで測定を行うかを切り替える。これにより、各切替部222
(1)~222
(28)によって差分値を測定するか、出力値を測定するかが切り替えられる。なお、各切替部222
(1)~222
(28)は、差動測定モードと、大振幅測定モードまたは高感度測定モードとの2つのモードの間で切り替えを行ってもよい。各切替部222
(1)~222
(28)は、高感度測定モードで測定を行う場合には、複数の第2の測定範囲の何れで出力値を測定するかをさらに切り替えてよい。
【0049】
また、
図4に示すように、端子グループ11
G8の端子10
(29)~10
(32)、つまり代表端子グループ11D内の各代表端子10Dに対応する各切替部222
(29)~222
(32)は、当該端子グループ11
G8内の端子10
(29)~10
(32)のそれぞれについて、大振幅測定モードと高感度測定モードとの何れで測定を行うかを切り替えてよい。各切替部222
(29)~222
(32)は、高感度測定モードで測定を行う場合には、複数の第2の測定範囲の何れで出力値を測定するかをさらに切り替えてよい。
【0050】
各切替部222(n)は、マルチプレクサ223(n)と、変更部224(n)とを有してよく、適用すべき測定モードを指示する信号(測定モード指示信号とも称する)を受信したことに応じて測定モードを切り替えてよい。測定モード指示信号は、ユーザによって試験プログラムに記述される条件設定に従い、テストコントローラ201から切替部222に供給されてよい。
【0051】
[1-3-3(1).マルチプレクサ223]
マルチプレクサ223(n)は、測定モード指示信号に応じて、対応する増幅部220(n)の反転入力端子の接続先を切り替える。
【0052】
(非代表端子10Hに対応するマルチプレクサ223)
非代表端子10Hである端子10(1)~10(28)に対応するマルチプレクサ223(n)は、グランド電圧GNDと、4つの基準電圧Vref1~Vref4の何れかと、対応する伝送路Ch(n)に接続された端子10(本構成例では一例として端子10(n))の端子グループ11に対応付けられた基準端子10Kからの出力値の伝送路Chと、の間で接続先を切り替えてよい。
【0053】
例えば、マルチプレクサ223(n)は、測定モード指示信号により大振幅測定モードの適用が指示された場合には、対応する増幅部220(n)の反転入力端子にグランド電圧GNDを接続してよい。これにより、増幅部220(n)および出力部221(n)では、グランド電圧GNDを基準とした端子10(n)の出力電圧が測定可能となる。
【0054】
また、マルチプレクサ223(n)は、測定モード指示信号により差動測定モードの適用が指示された場合には、対応する端子10(n)の端子グループ11に対応付けられた基準端子10Kの出力値の伝送路Chを、対応する増幅部220(n)の反転入力端子に接続してよい。これにより、増幅部220(n)および出力部221(n)では、基準電圧10Kの出力値を基準とした端子10(n)の出力電圧、つまり、端子10(n)の出力値と基準端子10Kの出力値との差分値が測定可能となる。
【0055】
また、マルチプレクサ223(n)は、測定モード指示信号により高感度測定モードの適用が指示された場合には、対応する増幅部220(n)の反転入力端子に対し、基準電圧Vref1~Vref4のうち、測定モード指示信号で指示される何れかの基準電圧を接続してよい。これにより、増幅部220(n)および出力部221(n)では、基準電圧Vref1~Vref4を基準とした端子10(n)の出力電圧が測定可能となる。
【0056】
ここで、基準電圧Vref1~Vref4は、いずれもグランド電圧GNDよりも高い電圧であってよく、段階的に高くなってよい。これにより、高感度測定モードでの出力値の測定範囲、つまり複数(ここでは4つ)の第2の測定範囲のそれぞれは段階的に高くなる。なお、本構成例では一例として基準電圧Vref1~Vref4は、グランド電圧GNDおよび基準電圧Vref1~Vref4が等間隔となるように固定値に設定されているが、基準電圧Vref1~Vref4はそれぞれ可変であってもよい。
【0057】
なお、本構成例では一例として
図2に示すように、マルチプレクサ223
(1)~223
(4)には差動測定モードの適用が指示されており、端子10
(1)~10
(4)の端子グループ11
G1に対応付けられた基準端子10K
(5)の伝送路Ch
(5)が増幅部220
(1)~
(4)の反転入力端子に接続されている。
【0058】
また、
図3に示すように、マルチプレクサ223
(5)~223
(8)には差動測定モードの適用が指示されており、端子10
(5)~10
(8)の端子グループ11
G2に対応付けられた基準端子10K
(9)の伝送路Ch
(9)が増幅部220
(5)~
(8)の反転入力端子に接続されている。
【0059】
以降、同様にして、本構成例では、マルチプレクサ223(9)~223(12),223(13)~223(16),223(17)~223(20),223(21)~223(24),223(25)~223(29)にそれぞれ差動測定モードの適用が指示されており、端子グループ11G2~11g7に対応付けられた基準端子10K(13),10(17),10(21),10(25),10(29)の伝送路Ch(13),Ch(17),Ch(21),Ch(25),Ch(29)が、増幅部220(9)~220(12),220(13)~220(16),220(17)~220(20),220(21)~220(24),220(25)~220(29)の反転入力端子にそれぞれ接続されている。
【0060】
(代表端子10Dに対応するマルチプレクサ223)
代表端子10D(29)~10D(32)に対応するマルチプレクサ223(n)は、グランド電圧GNDと、5つの基準電圧Vref11~Vref15の何れかとの間で接続先を切り替えてよい。
【0061】
例えば、マルチプレクサ223(n)は、測定モード指示信号により大振幅測定モードの適用が指示された場合には、対応する増幅部220(n)の反転入力端子にグランド電圧GNDを接続してよい。これにより、増幅部220(n)および出力部221(n)では、グランド電圧GNDを基準とした端子10(n)の出力電圧が測定可能となる。
【0062】
また、マルチプレクサ223(n)は、測定モード指示信号により高感度測定モードの適用が指示された場合には、対応する増幅部220(n)の反転入力端子に対し、基準電圧Vref11~Vref15のうち、測定モード指示信号で指示される何れかの基準電圧を接続してよい。これにより、増幅部220(n)および出力部221(n)では、基準電圧Vref11~Vref15を基準とした端子10(n)の出力電圧が測定可能となる。
【0063】
ここで、基準電圧Vref11~Vref15は、いずれもグランド電圧GNDよりも高い電圧であってよく、段階的に高くなってよい。これにより、高感度測定モードでの出力値の測定範囲、つまり複数(ここでは5つ)の第2の測定範囲のそれぞれは段階的に高くなる。なお、本構成例では一例として基準電圧Vref11~Vref15は、グランド電圧GNDおよび基準電圧Vref11~Vref15が等間隔となるように固定値に設定されているが、基準電圧Vref11~Vref15はそれぞれ可変であってもよい。基準電圧Vref11~Vref15の何れかは基準電圧Vref1~Vref4の何れかと等しくてもよい。
【0064】
本構成例では一例として
図4に示すように、マルチプレクサ223
(29)~223
(32)には高感度測定モードの適用が指示されており、基準電圧Vref15が増幅部220
(29)~220
(32)の反転入力端子に接続されている。
【0065】
なお、基準電圧Vref1~Vref4,Vref11~Vref15の電圧源(図示せず)は、32個ずつの端子10に対応する上述の基板の何れにも搭載されずに複数の基板の間で共有され、これらの基板上の各増幅部220の反転入力端子に基準電圧を供給可能であってよい。これに代えて、基準電圧Vref1~Vref4,Vref11~Vref15の電圧源は、32個の端子10(1)~10(32)に対応する上述の基板上に搭載されて、当該基板上の各増幅部220(1)~220(32)の反転入力端子に基準電圧Vref1~Vref4,Vref11~Vref15を供給可能であってもよい。この場合には、基準電圧Vref1~Vref4、Vref11~Vref15は基板のグランド電位に応じて変動してもよい。
【0066】
[1-3-3(2).変更部224]
変更部224(n)は、測定モード指示信号に応じて増幅部220(n)のゲインを変更する。変更部224(n)は、切替部222(n)によって大振幅測定モードが適用される場合には、大振幅測定モードが適用されない場合(本構成例では一例として高感度測定モードや差動測定モードが適用される場合)と比較してゲインを小さくしてよい。大振幅測定モードが適用される場合のゲインは、他の測定モードが適用される場合のゲインに対して10分の1であってよく、一例として前者のゲインは0.2、後者のゲインは2であってよい。
【0067】
これにより、切替部222(n)によって大振幅測定モードが適用されている場合、つまり第1の測定範囲内で出力値が測定されるよう切り替えが行われている場合には、当該切り替えが行われていない場合と比較して増幅部220(n)のゲインが小さくされ、その結果、大振幅測定モードでの測定範囲、つまり第1の測定範囲は大きくなり、広い測定範囲での測定が可能となる。
【0068】
一方、切替部222(n)によって高感度測定モードが適用されている場合、つまり第2の測定範囲内で出力値が測定されるよう切り替えが行われている場合には、増幅部220(n)のゲインが大きくされ、その結果、高感度での測定が可能となり、また、高感度測定モードでの測定範囲、つまり4つの第2の測定範囲のそれぞれは大振幅測定モードでの測定範囲、つまり第1の測定範囲よりも小さくなる。なお、本実施形態では上述のように、複数の第2の測定範囲のそれぞれは、マルチプレクサ223による基準電圧Vref1~Vref4の選択によって段階的に高くなるが、いずれも第1の測定範囲内に収まる大きさであってよい。
【0069】
また、切替部222(n)によって差動測定モードが適用されるよう切り替えが行われている場合には、増幅部220(n)のゲインが大きくされ、その結果、高感度での測定が可能となり、差動測定モードでの測定範囲の大きさは第2の測定範囲と同じ大きさとなる。
【0070】
以上の測定部202によれば、代表端子10Dである端子10(29)~10(32)のそれぞれについて、大振幅測定モードにより第1の測定範囲内で出力値を測定するか、高感度測定モードにより当該第1の測定範囲よりも狭い第2の測定範囲内で出力値を測定するかを切り替えるので、第1の測定範囲内に含まれる出力値を確実に測定すると共に、第2の測定範囲内に含まれる出力値を高感度に測定することができる。
【0071】
また、非代表端子10Hである端子10(1)~10(28)のそれぞれについて差分値を測定するか、出力値を測定するかが切り替えられるので、非代表端子10Hについて適宜、差分値ではなく出力値を測定することができる。
【0072】
また、非代表端子10Hである端子10(1)~10(28)のそれぞれについて、第1の測定範囲内で出力値を測定するか、当該第1の測定範囲よりも狭い第2の測定範囲内で出力値を測定するかをさらに切り替えるので、非代表端子10Hについても第1の測定範囲内に含まれる出力値を確実に測定すると共に、第2の測定範囲内に含まれる出力値を高感度に測定することができる。
【0073】
また、第1の測定範囲内で出力値が測定されるよう切り替えが行われていない場合にはゲインが大きくされるので、高感度測定モードおよび差動測定モードで高感度に測定を行うことができる。また、高感度測定モードおよび差動測定モードでは大きく増幅された測定結果が取得されるので、測定結果に加わるノイズを相対的に小さくし、試験精度を高めることができる。
【0074】
[2.動作]
図5は、試験装置200の動作を示す。試験装置200は、ステップS11~S29の処理により被試験デバイス100を試験する。
【0075】
ステップS11においてテストコントローラ201は、各端子10に対して出力対象の階調と、出力タイミングとを設定する。一例として、ステップS11が最初に行われる場合には、テストコントローラ201は階調を最小値に設定してよい。ステップS11が2回目以降に行われる場合には、テストコントローラ201は、前回のステップS11よりも1つ大きい値に階調を設定してよい。テストコントローラ201は、非代表端子10Hと、その基準端子10Kとの出力タイミングを後述のステップS13の処理タイミングとし、代表端子10Dの出力タイミングを後述のステップS15の処理タイミングとしてよい。これにより、ステップS13、S15のタイミングで端子10が出力を行う。
【0076】
ステップS13において測定部202は、非代表端子グループ11H内の非代表端子10Hのそれぞれの出力値と、当該非代表端子グループ11Hに対応付けられた共通の基準端子10Kの出力値との差分値を測定する。測定部202は、連鎖関係において隣接する2つの端子グループ11の間それぞれで、一方の端子グループ11に対し、他方の端子グループ11内の何れかの端子10を基準端子10Kとして用いてよい。測定部202は、ディスプレイドライバである被試験デバイス100の複数の端子10のうち、ディスプレイ内で互いに隣接する画素に対応する端子10の間で差分値を測定してよい。測定部202は、図示しない記憶装置に非代表端子10Hそれぞれの差分値を記憶させてよい。
【0077】
ステップS15において測定部202は、代表端子10Dそれぞれの出力値を測定する。測定部202は、各連鎖関係における一端の端子グループ11内の端子10のそれぞれの出力値を測定してよい。測定部202は、大振幅測定モードで測定を行ってもよいし、高感度測定モードで測定を行ってもよい。一例として、測定部202は、第1の測定範囲内で大振幅測定モードにより測定を行った後、複数の第2の測定範囲のうち、大振幅測定モードで測定された出力値が含まれる第2の測定範囲内で高感度測定モードにより測定を行ってよい。測定部202は、記憶装置に代表端子10Dそれぞれの出力値を記憶させてよい。なお、ステップS15の処理は、ステップS13と並行して同時に行われてよい。この場合には、ステップS13、S15の処理が順に行われる場合と比較して試験時間が短縮される。
【0078】
ステップS17においてテストコントローラ201は、全ての階調について測定が行われたか否かを判定する。1つ以上の階調について測定が行われていないと判定された場合(ステップS17;No)にはステップS11に処理が移行してよい。これにより、ステップS11~15によって複数の端子10に各階調の出力を行わせて測定が行われる。全ての階調について測定が行われたと判定された場合(ステップS17;Yes)にはステップS21に処理が移行してよい。
【0079】
ステップS21において判定部203は、各階調での測定結果を記憶装置から読み出して、非代表端子10Hの差分値と、第1の基準範囲の境界値とを比較してよい。第1の基準範囲は、次の式(1)や式(2)で示される範囲であってよい。式中、aは正の実数であってよい。aの値は、差分値が測定されたときの出力対象の階調によらず、一定であってもよいし、階調に応じて異なる値であってもよい。
-a≦差分値≦a (式(1))
|差分値|≦a (式(2))
【0080】
判定部203は、式(1)を用いて比較する場合には、測定された複数の差分値を第1の基準範囲の上限値a,下限値-aとそれぞれ比較してもよいし、測定された複数の差分値のうち、最大および最小の差分値を第1の基準範囲の上限値a,下限値-aと比較してもよい。また、判定部203は、式(2)を用いて比較する場合には、測定された複数の差分値の絶対値を算出し、第1の基準範囲の上限値aとそれぞれ比較してもよいし、算出した絶対値の最大値を上限値aと比較してもよい。
【0081】
ステップS23において判定部203は、代表端子10Dの出力値と、第2の基準範囲の境界値とを比較してよい。第2の基準範囲は、次の式(3)で示される範囲であってよい。なお、式中、b,cは実数であってよい。b,cの値は、出力値が測定されたときの出力対象の階調に応じて設定されてよい。
b≦出力値≦c (式(3))
【0082】
判定部203は、測定された複数の出力値を第2の基準範囲の上下限値b,cとそれぞれ比較してもよいし、測定された複数の出力値のうち、最大および最小の出力値を第2の基準範囲の上限値b,下限値cと比較してもよい。
【0083】
ステップS25において判定部203は、代表端子10Dの出力値の間の差分値と、第3の基準範囲の境界値とを比較してよい。第3の基準範囲は次の式(4)や式(5)で示される範囲であってよく、判定部203は上述のステップS21と同様にして判定を行ってよい。式中、dは正の実数であってよく、式(1),式(2)のaと同じ値であってもよいし、異なる値であってもよい。dの値は、差分値が測定されたときの出力対象の階調によらず、一定であってもよいし、階調に応じて異なる値であってもよい。
-d≦差分値≦d (式(4))
|差分値|≦d (式(5))
【0084】
ステップS29において判定部203は、ステップS21~S25のそれぞれにおいて差分値や出力値が基準範囲内であったか否かを判定する。これにより、非代表端子10Hそれぞれの差分値が第1の基準範囲内であるか否かに基づいて被試験デバイス100の良否が判定される。また、代表端子10Dそれぞれの出力値が第2の基準範囲であるか否か、および、代表端子10Dそれぞれの出力値の間の差分値が第3の基準範囲内であるか否かにさらに基づいて、被試験デバイス100の良否が判定される。
【0085】
判定部203は、各階調での測定結果に基づいて判定を行ってよい。本実施形態では一例として判定部203は、階調ごとに繰り返して行われたステップS21~S25のそれぞれにおいて差分値や出力値が範囲内であったか否かを判定してよい。
【0086】
ステップS21~S25のうちの1つ以上のステップにおいて差分値や出力値が範囲外であったと判定された場合(ステップS29;No)には、判定部203は、被試験デバイス100を不良品としてFail判定を出力してよい。ステップS21~S25の全てにおいて差分値や出力値が範囲内であったと判定された場合(ステップS29;Yes)には、判定部203は、被試験デバイス100を良品としてPass判定を出力してよい。
【0087】
以上の動作によれば、非代表端子10Hのそれぞれについて基準端子10Kの出力値を基準とする差分値が測定され、測定された差分値が第1の基準範囲内であるか否かに基づいて被試験デバイス100の良否が判定されるので、端子10間で出力値の差分値が第1の基準範囲外となる被試験デバイス100を不良とすることができる。また、差分値の測定結果を用いて試験が行われることで、出力値を測定する回数、ひいては、ノイズの影響により外れ値を測定してしまう回数を低減することができるため、試験精度を高めることができる。また、外れ値の影響を低減する平均化のために測定回数を増やす必要がないため、試験時間を短縮することができる。また、必ずしも全ての端子10の出力値を測定や算出によって取得することなく試験を行うことができるため、試験時間をさらに短縮することができる。
【0088】
また、ディスプレイ内で互いに隣接する画素に対応する端子10の間で差分値が測定されるので、互いに隣接する画素に対して適切な出力が行えずに表示ムラが認識されやすい被試験デバイス100を不良とすることができる。
【0089】
また、複数の端子10のうち、代表端子10Dそれぞれの出力値がさらに測定され、当該代表端子10Dそれぞれの出力値が第2の基準範囲であるか否か、および、当該代表端子10Dそれぞれの出力値の間の差分値が第3の基準範囲内であるか否かにさらに基づいて良否が判定されるため、試験精度をいっそう高めることができる。
【0090】
また、2つ以上の端子10を有する非代表端子グループ11H内の端子10のそれぞれの出力値と、当該端子グループ11に対応付けられた共通の基準端子10Kの出力値との差分値が測定されて試験が行われる。従って、非代表端子グループ11H内の2つ以上の端子10について、共通の基準端子Kを用いて差分値を測定して試験を行うことができる。よって、各端子10を他の端子10の基準端子10Kとして順繰りに用いて差分値を測定する場合と異なり、差分値から出力値を算出するための累積加算の回数を低減することができるため、出力値の算出を容易化することができる。また、累積加算の回数が低減されることで、差分値や出力値の測定で発生するノイズを含んで算出される出力値の数を低減することができるため、算出される出力値を用いる場合の試験精度を高めることができる。
【0091】
また、2つ以上の端子グループ11間で基準端子10Kが順繰りに用いられる連鎖関係が少なくとも1つ形成されており、連鎖関係において隣接する2つの端子グループ11の間それぞれで、一方の端子グループ11に対し、他方の端子グループ11内の何れかの端子10が基準端子10Kとして用いられる。従って、連鎖関係に含まれる各クループについて、順次、端子10からの出力値を算出することができる。
【0092】
また、各連鎖関係の一端に位置する代表端子グループ内の端子10のそれぞれの出力値が測定されるので、当該出力値との差分値によって、連鎖関係に含まれる各端子グループ11内の各端子10の出力値を算出することができる。
【0093】
[3.変形例]
図6は、変形例(1)に係る試験システム1Aを示す。なお、本変形例(1)や、後述の変形例(2)において、
図1~
図5に示された試験システム1の動作と略同一のものには同一の符号を付け、説明を省略する。試験システム1Aの試験装置200Aは、1または複数の切替部222Aを更に備える。
【0094】
1または複数の切替部222Aは、第3の切替部の一例であり、複数の端子10のうち何れの端子10を測定部202に接続するかを切り替える。本構成例においては一例として、測定部202には、伝送路Chごとに切替部222Aが設けられてよく、それぞれ複数の端子の何れかを択一的に伝送路Chに接続してよい。この場合には、同じ測定タイミングで伝送路Cnに接続される複数の端子10が複数の端子グループ11にグループ化されてよい。切替部222Aは4入力1出力などのマルチプレクサであってよい。
【0095】
なお、本変形例(1)においては、測定部202におけるマルチプレクサ223
(n)(
図2~4参照)の入力端子に対し、基準電圧Vref1~Vref4の少なくとも1つに代えて伝送路Ch
(m)(但し、mはn≠mを満たす1~32の何れかの整数)が接続されてもよい。これにより、より多くの他の端子グループ11内の端子10を基準端子10Kとして差動測定モードで差分値を測定することができる。
【0096】
以上の変形例(1)によれば、切替部222Aにより複数の端子10の何れの端子10を測定部202に接続するかが切り替えられるので、複数の端子10の間で増幅部220や出力部221を共有し、測定部202の構成を簡略化することができる。
【0097】
図7は、変形例(2)に係る測定部202Cを示す。なお、
図7に示される測定部202Cは、一の伝送路Ch
(n)に接続された端子10
(n)を測定対象とする部分であり、測定部202Cは、伝送路Chごとに同様の構成を有してよい。測定部202Cは、ゲイン固定の2つの増幅部220C
(n),220D
(n)と、切替部222C
(n)とを有してよい。
【0098】
増幅部220C(n)は、端子10(n)からの出力値と、グランド電圧との差分を増幅して切替部222C(n)に供給する。増幅部220D(n)は、端子10(n)からの出力値と、マルチプレクサ223から供給される他の値との差分を増幅して切替部222C(n)に供給する。他の値は、伝送路Ch(m)に接続された端子10(m)の出力値、基準電圧Vref1~Vref4、またはグランド電圧であってよい。
【0099】
増幅部220D(n)のゲインは増幅部220C(n)のゲインより大きくてよく、例えば増幅部220D(n)のゲインは増幅部220C(n)のゲインの10倍であってよい。本変形例では一例として増幅部220D(n)のゲインは2、増幅部220C(n)のゲインは0.2となっている。
【0100】
切替部222C(n)は、マルチプレクサ225(n)を更に有する。マルチプレクサ225(n)は、増幅部220C(n),220D(n)の何れか一方の出力端子を出力部221(n)に接続する。マルチプレクサ225(n)は、測定モード指示信号に応じて切り替えを行ってよく、大振幅測定モードが適用される場合には増幅部220C(n)を出力部221(n)に接続し、高感度測定モードおよび差動測定モードが適用される場合には増幅部220D(n)を出力部221(n)に接続してよい。
【0101】
以上の変形例(2)によっても上述の実施形態と同様に、大振幅測定モードにより第1の測定範囲内で出力値が測定されるよう切り替えが行われていない場合にはゲインが大きくされるので、高感度測定モードおよび差動測定モードでは高感度に測定が行われる。また、大きく増幅された測定結果が取得されるので、測定結果に加わるノイズを相対的に小さくし、試験精度を高めることができる。
【0102】
[4.その他の変形例]
なお、上記の実施形態および変形例においては、端子グループ11の連鎖関係における何れか一方の側を一端とし、当該一端の端子グループ11を代表端子グループ11Dとして説明したが、連鎖関係における一端の側と他端の側とは反転可能であってもよい。例えば、試験装置200は、連鎖関係における一端と他端とを反転する切替部222Eを備えてよい。切替部222Eは、第2の切替部の一例であり、連鎖関係において隣接する2つの端子グループ11の間それぞれで、一方の端子グループ11内の端子10を他方の端子グループ11に対する基準端子10Kとするか、他方の端子グループ11内の端子10を、一方の端子グループ11に対する基準端子10Kとするかを切り替えてよい。一例として、端子グループ11Gi(但しiは整数)内の何れかの端子10(n)に対応する切替部222EGiは、連鎖関係における両隣の端子グループ11Gi-1,11Gi+1内の基準端子10KGi-1,10KGi+1に接続される伝送路ChGi-1,ChGi+1をそれぞれ増幅部220(n)の反転入力端子に接続可能であってよい。この場合には、反転前後の測定結果を用いることで試験精度をいっそう高めることができる。
【0103】
また、測定部202は非代表端子グループ11Hに含まれる2つ以上の非代表端子10Hそれぞれの出力値と共通の基準端子の出力値との差分値を測定することとして説明したが、他の態様で差分値を測定してよい。例えば、測定部202は、被試験デバイス100の複数の端子10のうち、一部の端子10(非代表端子10Hとも称する)のそれぞれについて、当該端子10とは異なる基準端子10Kの出力値との差分値を測定してよい。一例として、測定部202は、被試験デバイス100の複数の端子10によって、各端子10が順繰りに基準端子10Kとして用いられる連鎖関係が少なくとも1つ形成されている場合には、連鎖関係において隣接する2つの端子10の間それぞれで、一方の端子10を非代表端子10Hとし、他方の端子10を当該非代表端子10Hに対する基準端子10Kとして用いて差分値を測定してよい。また、この場合に、測定部202は、各連鎖関係における一端の端子10を代表端子10Dとし、その出力値を測定してよい。
【0104】
また、判定部203は非代表端子10Hについての差分値を用いて良否の判定を行うこととして説明したが、差分値と代表端子10Dの出力値とから算出される出力値をさらに用いて判定を行うこととしてもよい。例えば、判定部203は、非代表端子10Hのそれぞれについて出力値を算出してよく、算出された出力値が基準範囲内にあるか否かにさらに基づいて判定を行ってもよい。
【0105】
また、出力値を電圧の大きさで示される値として説明したが、電流の大きさで示される値としてもよい。この場合には、被試験デバイス100はLEDドライバであってよい。
【0106】
本発明の様々な実施形態は、フローチャートおよびブロック図を参照して記載されてよく、ここにおいてブロックは、(1)操作が実行されるプロセスの段階または(2)操作を実行する役割を持つ装置のセクションを表わしてよい。特定の段階およびセクションが、専用回路、コンピュータ可読媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプログラマブル回路、および/またはコンピュータ可読媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプロセッサによって実装されてよい。専用回路は、デジタルおよび/またはアナログハードウェア回路を含んでよく、集積回路(IC)および/またはディスクリート回路を含んでよい。プログラマブル回路は、論理AND、論理OR、論理XOR、論理NAND、論理NOR、および他の論理操作、フリップフロップ、レジスタ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブルロジックアレイ(PLA)等のようなメモリ要素等を含む、再構成可能なハードウェア回路を含んでよい。
【0107】
コンピュータ可読媒体は、適切なデバイスによって実行される命令を格納可能な任意の有形なデバイスを含んでよく、その結果、そこに格納される命令を有するコンピュータ可読媒体は、フローチャートまたはブロック図で指定された操作を実行するための手段を作成すべく実行され得る命令を含む、製品を備えることになる。コンピュータ可読媒体の例としては、電子記憶媒体、磁気記憶媒体、光記憶媒体、電磁記憶媒体、半導体記憶媒体等が含まれてよい。コンピュータ可読媒体のより具体的な例としては、フロッピー(登録商標)ディスク、ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROMまたはフラッシュメモリ)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイ(RTM)ディスク、メモリスティック、集積回路カード等が含まれてよい。
【0108】
コンピュータ可読命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、またはSmalltalk(登録商標)、JAVA(登録商標)、C++等のようなオブジェクト指向プログラミング言語、および「C」プログラミング言語または同様のプログラミング言語のような従来の手続型プログラミング言語を含む、1または複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたソースコードまたはオブジェクトコードのいずれかを含んでよい。
【0109】
コンピュータ可読命令は、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサまたはプログラマブル回路に対し、ローカルにまたはローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット等のようなワイドエリアネットワーク(WAN)を介して提供され、フローチャートまたはブロック図で指定された操作を実行するための手段を作成すべく、コンピュータ可読命令を実行してよい。プロセッサの例としては、コンピュータプロセッサ、処理ユニット、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ等を含む。
【0110】
図8は、本発明の複数の態様が全体的または部分的に具現化されてよいコンピュータ2200の例を示す。コンピュータ2200にインストールされたプログラムは、コンピュータ2200に、本発明の実施形態に係る装置に関連付けられる操作または当該装置の1または複数のセクションとして機能させることができ、または当該操作または当該1または複数のセクションを実行させることができ、および/またはコンピュータ2200に、本発明の実施形態に係るプロセスまたは当該プロセスの段階を実行させることができる。そのようなプログラムは、コンピュータ2200に、本明細書に記載のフローチャートおよびブロック図のブロックのうちのいくつかまたはすべてに関連付けられた特定の操作を実行させるべく、CPU2212によって実行されてよい。
【0111】
本実施形態によるコンピュータ2200は、CPU2212、RAM2214、グラフィックコントローラ2216、およびディスプレイデバイス2218を含み、それらはホストコントローラ2210によって相互に接続されている。コンピュータ2200はまた、通信インターフェイス2222、ハードディスクドライブ2224、DVD-ROMドライブ2226、およびICカードドライブのような入/出力ユニットを含み、それらは入/出力コントローラ2220を介してホストコントローラ2210に接続されている。コンピュータはまた、ROM2230およびキーボード2242のようなレガシの入/出力ユニットを含み、それらは入/出力チップ2240を介して入/出力コントローラ2220に接続されている。
【0112】
CPU2212は、ROM2230およびRAM2214内に格納されたプログラムに従い動作し、それにより各ユニットを制御する。グラフィックコントローラ2216は、RAM2214内に提供されるフレームバッファ等またはそれ自体の中にCPU2212によって生成されたイメージデータを取得し、イメージデータがディスプレイデバイス2218上に表示されるようにする。
【0113】
通信インターフェイス2222は、ネットワークを介して他の電子デバイスと通信する。ハードディスクドライブ2224は、コンピュータ2200内のCPU2212によって使用されるプログラムおよびデータを格納する。DVD-ROMドライブ2226は、プログラムまたはデータをDVD-ROM2201から読み取り、ハードディスクドライブ2224にRAM2214を介してプログラムまたはデータを提供する。ICカードドライブは、プログラムおよびデータをICカードから読み取り、および/またはプログラムおよびデータをICカードに書き込む。
【0114】
ROM2230はその中に、アクティブ化時にコンピュータ2200によって実行されるブートプログラム等、および/またはコンピュータ2200のハードウェアに依存するプログラムを格納する。入/出力チップ2240はまた、様々な入/出力ユニットをパラレルポート、シリアルポート、キーボードポート、マウスポート等を介して、入/出力コントローラ2220に接続してよい。
【0115】
プログラムが、DVD-ROM2201またはICカードのようなコンピュータ可読媒体によって提供される。プログラムは、コンピュータ可読媒体から読み取られ、コンピュータ可読媒体の例でもあるハードディスクドライブ2224、RAM2214、またはROM2230にインストールされ、CPU2212によって実行される。これらのプログラム内に記述される情報処理は、コンピュータ2200に読み取られ、プログラムと、上記様々なタイプのハードウェアリソースとの間の連携をもたらす。装置または方法が、コンピュータ2200の使用に従い情報の操作または処理を実現することによって構成されてよい。
【0116】
例えば、通信がコンピュータ2200および外部デバイス間で実行される場合、CPU2212は、RAM2214にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理に基づいて、通信インターフェイス2222に対し、通信処理を命令してよい。通信インターフェイス2222は、CPU2212の制御下、RAM2214、ハードディスクドライブ2224、DVD-ROM2201、またはICカードのような記録媒体内に提供される送信バッファ処理領域に格納された送信データを読み取り、読み取られた送信データをネットワークに送信し、またはネットワークから受信された受信データを記録媒体上に提供される受信バッファ処理領域等に書き込む。
【0117】
また、CPU2212は、ハードディスクドライブ2224、DVD-ROMドライブ2226(DVD-ROM2201)、ICカード等のような外部記録媒体に格納されたファイルまたはデータベースの全部または必要な部分がRAM2214に読み取られるようにし、RAM2214上のデータに対し様々なタイプの処理を実行してよい。CPU2212は次に、処理されたデータを外部記録媒体にライトバックする。
【0118】
様々なタイプのプログラム、データ、テーブル、およびデータベースのような様々なタイプの情報が記録媒体に格納され、情報処理を受けてよい。CPU2212は、RAM2214から読み取られたデータに対し、本開示の随所に記載され、プログラムの命令シーケンスによって指定される様々なタイプの操作、情報処理、条件判断、条件分岐、無条件分岐、情報の検索/置換等を含む、様々なタイプの処理を実行してよく、結果をRAM2214に対しライトバックする。また、CPU2212は、記録媒体内のファイル、データベース等における情報を検索してよい。例えば、各々が第2の属性の属性値に関連付けられた第1の属性の属性値を有する複数のエントリが記録媒体内に格納される場合、CPU2212は、第1の属性の属性値が指定される、条件に一致するエントリを当該複数のエントリの中から検索し、当該エントリ内に格納された第2の属性の属性値を読み取り、それにより予め定められた条件を満たす第1の属性に関連付けられた第2の属性の属性値を取得してよい。
【0119】
上で説明したプログラムまたはソフトウェアモジュールは、コンピュータ2200上またはコンピュータ2200近傍のコンピュータ可読媒体に格納されてよい。また、専用通信ネットワークまたはインターネットに接続されたサーバーシステム内に提供されるハードディスクまたはRAMのような記録媒体が、コンピュータ可読媒体として使用可能であり、それによりプログラムを、ネットワークを介してコンピュータ2200に提供する。
【0120】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0121】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0122】
1 試験システム
10 端子
11 端子グループ
100 被試験デバイス
200 試験装置
201 テストコントローラ
202 測定部
203 判定部
220 増幅部
221 出力部
222 切替部
223 マルチプレクサ
224 変更部
225 マルチプレクサ
2200 コンピュータ
2201 DVD-ROM
2210 ホストコントローラ
2212 CPU
2214 RAM
2216 グラフィックコントローラ
2218 ディスプレイデバイス
2220 入/出力コントローラ
2222 通信インターフェイス
2224 ハードディスクドライブ
2226 DVD-ROMドライブ
2230 ROM
2240 入/出力チップ
2242 キーボード