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特開2022-189397ロータリーパーカッションドリル装置用の止水治具
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022189397
(43)【公開日】2022-12-22
(54)【発明の名称】ロータリーパーカッションドリル装置用の止水治具
(51)【国際特許分類】
   E21B 6/00 20060101AFI20221215BHJP
【FI】
E21B6/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021097952
(22)【出願日】2021-06-11
(71)【出願人】
【識別番号】521255299
【氏名又は名称】株式会社エス・ビー・シー
(74)【代理人】
【識別番号】100125645
【弁理士】
【氏名又は名称】是枝 洋介
(74)【代理人】
【識別番号】100145609
【弁理士】
【氏名又は名称】楠屋 宏行
(74)【代理人】
【識別番号】100149490
【弁理士】
【氏名又は名称】羽柴 拓司
(72)【発明者】
【氏名】木村 充宏
(72)【発明者】
【氏名】山下 吉彦
【テーマコード(参考)】
2D129
【Fターム(参考)】
2D129AA08
2D129AB26
2D129BA26
2D129EB32
(57)【要約】
【課題】インナーチューブの回収時に、地質に含まれる水がドリルチューブを介して突発的に流れ込んできた場合であっても、ドリルチューブ内又はアウターチューブ内の所定位置で水の流れを抑制できるロータリーパーカッションドリル装置用の止水治具の提供を課題とする。
【解決手段】段差部11を外周に備えると共に、インナーチューブが進退自在に挿通される円筒状の本体10と、インナーチューブが本体10を通過して前方に進出することで押し開けられると共に、その状態を維持し、インナーチューブが本体10を通過して後方に退出することで本体の開口を塞ぐための閉じる動作を開始する一対の開閉扉21、22とを備え、且つ一対の開閉扉21、22は、インナーチューブを介して開閉扉21、22が押し開かれることによって弾性変形して開閉扉21、22を閉じる方向に付勢する弾性部材21b、22bを備えるロータリーパーカッションドリル装置用の止水治具である。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
地盤調査等に使用するロータリーパーカッションドリル装置のアウターチューブ内又はドリルチューブ内の所定位置に装着して使用する止水治具であって、前記アウターチューブの内面又は前記ドリルチューブの内面と結合する結合部を外周に備えると共に、インナーチューブが進退自在に挿通される円筒状の本体と、前記インナーチューブが前記本体を通過して前方に進出することで押し開けられると共に、その状態を維持し、前記インナーチューブが前記本体を通過して後方に退出することで本体の開口を塞ぐための閉じる動作を開始する一対の開閉扉とを備え、且つ前記一対の開閉扉は、前記インナーチューブを介して開閉扉が押し開けられることによって弾性変形して開閉扉を閉じる方向に付勢する弾性部材を備えることを特徴とするロータリーパーカッションドリル装置用の止水治具。
【請求項2】
一対の開閉扉は金属材料で構成され、弾性部材は本体の径方向外側へ向かって凹んだ略U字形状の金属材料からなる薄板部材で構成され、前記本体の内面と前記開閉扉の内面とに、前記薄板部材の厚み以上の深さを備えると共に、全長が前記薄板部材の全長以上である連通する凹状溝を設け、前記凹状溝に前記薄板部材を溶接により固定してあることを特徴とする請求項1に記載のロータリーパーカッションドリル装置用の止水治具。
【請求項3】
一対の開閉扉は金属材料で構成され、弾性部材は本体の径方向内側へ向かって凹んだ略U字形状の金属材料からなる薄板部材で構成され、前記開閉扉の外面に前記薄板部材の下端を溶接により固定してあることを特徴とする請求項1に記載のロータリーパーカッションドリル装置用の止水治具。
【請求項4】
一対の開閉扉は、開いた状態において、本体の内面の湾曲面と一致する湾曲面を有する内面形状を備えるものであることを特徴とする請求項1~3の何れか1項に記載のロータリーパーカッションドリル装置用の止水治具。
【請求項5】
一対の開閉扉は、閉じた状態において、本体の上面と当接する円弧状の底面を備えるものであることを特徴とする請求項1~4の何れか1項に記載のロータリーパーカッションドリル装置用の止水治具。
【請求項6】
一対の開閉扉は、閉じた状態において、互いに面接触する当接面を備えるものであることを特徴とする請求項1~5の何れか1項に記載のロータリーパーカッションドリル装置用の止水治具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロータリーパーカッションドリル装置のアウターチューブ内又はドリルチューブ内の所定位置に装着して使用する止水治具に関する。
【背景技術】
【0002】
山地部等の岩盤にトンネルを造る場合、掘削予定地の地質について、土の中の状態、地盤の強さ、固さ、重さ、地下水の状態等の各種調査を予め行い、安全性を確認することが行われている。このような調査方法の一つとして、特に水平方向の地質調査を行う場合には、近年、ロータリーパーカッションドリル装置を用いた調査方法が用いられてきている。
このような従来のロータリーパーカッションドリル装置を示すものとして、例えば下記特許文献1がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-232235号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に示すようなロータリーパーカッションドリル装置を用いた地質調査においては、下記の流れで試料の採取と回収を行うものが一般的である。まず、図5(a)に示すように、地質7の試料を収納するスプリットチューブ(図示しない)を内蔵するアセンブリであると共に、回収器具との連結部6aを備えたコアバレルヘッドアセンブリ6と接続された状態にあるインナーチューブ5を水圧にてロータリーパーカーションドリル装置2のアウターチューブ3に接続してあるドリルチューブ4の先端まで送り込み、ドリルチューブ4内にインナーチューブ5及びコアバレルヘッドアセンブリ6を固定させた状態で掘削刃4aを介して試料の採取を行う。そして、試料の採取後、図5(b)に示すように、インナーチューブ5を回収するための回収器具であるオーバーショットアセンブリ8にワイヤー9を接続させた後、水圧にてドリルチューブ4内に固定されているインナーチューブ5及びコアバレルヘッドアセンブリ6の後端までオーバーショットアセンブリ8を送り込み、コアバレルヘッドアセンブリ6に自動接続させた後、ウインチ(図示しない)を用いてワイヤー9を巻き取ることでインナーチューブ5を回収する。そして、新たなインナーチューブ5をドリルチューブ4内の先端まで水圧にて送り込み、以後は上記と同様の流れで試料の採取、回収を繰り返し行う。
しかしながら、上記のような流れで行うロータリーパーカッションドリル装置を用いた地質調査においては、インナーチューブ5の回収時に、地層7に含まれる水がドリルチューブ4を介して突発的に流れ込む場合があり、このような突発的な流水が生じると、インナーチューブ5が飛び出てくることで作業者が負傷したり、流水により新たなインナーチューブ5が挿入できなくなったりすることで、地質調査を中断せざるをえなくなるという問題があった。
【0005】
そこで、本発明は上記従来技術の問題を解消し、インナーチューブの回収時に、地層に含まれる水がドリルチューブを介して突発的に流れ込んできた場合であっても、ドリルチューブ内又はアウターチューブ内の所定位置で水の流れを抑制でき、これによってインナーチューブが飛び出てくることや、新たなインナーチューブが挿入できなくなることを確実に防止できるロータリーパーカッションドリル装置用の止水治具の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のロータリーパーカッションドリル装置用の止水治具は、地盤調査等に使用するロータリーパーカッションドリル装置のアウターチューブ内又はドリルチューブ内の所定位置に装着して使用する止水用治具であって、前記アウターチューブの内面又は前記ドリルチューブの内面と結合する結合部を外周に備えると共に、インナーチューブが進退自在に挿通される円筒状の本体と、前記インナーチューブが前記本体を通過して前方に進出することで押し開けられると共に、その状態を維持し、前記インナーチューブが前記本体を通過して後方に退出することで本体の開口を塞ぐための閉じる動作を開始する一対の開閉扉とを備え、且つ前記一対の開閉扉は、前記インナーチューブを介して開閉扉が押し開けられることによって弾性変形して開閉扉を閉じる方向に付勢する弾性部材を備えることを第1の特徴としている。
また、本発明のロータリーパーカッションドリル装置用の止水治具は、上記第1の特徴に加えて、一対の開閉扉は金属材料で構成され、弾性部材は本体の径方向外側へ向かって凹んだ略U字形状の金属材料からなる薄板部材で構成され、前記本体の内面と前記開閉扉の内面とに、前記薄板部材の厚み以上の深さを備えると共に、全長が前記薄板部材の全長以上である連通する凹状溝を設け、前記凹状溝に前記薄板部材を溶接により固定してあることを第2の特徴としている。
また、本発明のロータリーパーカッションドリル装置用の止水治具は、上記第1の特徴に加えて、一対の開閉扉は金属材料で構成され、弾性部材は本体の径方向内側へ向かって凹んだ略U字形状の金属材料からなる薄板部材で構成され、前記開閉扉の外面に前記薄板部材の下端を溶接により固定してあることを第3の特徴としている。
また、本発明のロータリーパーカッションドリル装置用の止水治具は、上記第1~第3の何れか1つの特徴に加えて、一対の開閉扉は、開いた状態において、本体の内面の湾曲面と一致する湾曲面を有する内面形状を備えるものであることを第4の特徴としている。
また、本発明のロータリーパーカッションドリル装置用の止水治具は、上記第1~第4の何れか1つの特徴に加えて、一対の開閉扉は、閉じた状態において、本体の上面と当接する円弧状の底面を備えるものであることを第5の特徴としている。
また、本発明のロータリーパーカッションドリル装置用の止水治具は、上記第1~第5の何れか1つの特徴に加えて、一対の開閉扉は、閉じた状態において、互いに面接触する当接面を備えるものであることを第6の特徴としている。
【発明の効果】
【0007】
請求項1に記載のロータリーパーカッションドリル装置用の止水治具によれば、アウターチューブの内面又はドリルチューブの内面と結合する結合部を外周に備えると共に、インナーチューブが進退自在に挿通される円筒状の本体と、前記インナーチューブが前記本体を通過して前方に進出することで押し開けられると共に、その状態を維持し、前記インナーチューブが前記本体を通過して後方に退出することで本体の開口を塞ぐための閉じる動作を開始する一対の開閉扉とを備え、且つ前記一対の開閉扉は、前記インナーチューブを介して開閉扉が押し開けられることによって弾性変形して開閉扉を閉じる方向に付勢する弾性部材を備える構成であることで、インナーチューブが本体を通過して後方に退出するだけで、弾性部材の付勢力によって一対の開閉扉が自動的に閉じる動作を開始する止水治具とすることができる。従って、インナーチューブの回収時にドリルチューブを介して突発的に水が流れ込んできた場合であっても、水の力を利用して或いは弾性部材の付勢力のみによって、一対の開閉扉を閉じることができ、ドリルチューブ又はアウターチューブの所定の位置にて水の流れを抑制し、ロータリーパーカッションドリル装置側に水が入ってくることを格段に抑制することができる。よって、インナーチューブが飛び出てくることで作業者が負傷したり、流水により新たなインナーチューブが挿入できなくなったりすることを確実に防止でき、地質調査の作業効率を効果的に向上させることができる。
【0008】
また、請求項2に記載のロータリーパーカッションドリル装置用の止水治具によれば、上記請求項1に記載の構成による作用効果に加えて、弾性部材を取り付けた状態において、本体の内面及び開閉扉の内面に出っ張りが生じることを確実に防止することができる。従って、本体内でインナーチューブをスムーズに移動させることができる。また、インナーチューブの移動に伴って弾性部材が脱落することを防止でき、耐久性に優れた止水治具とすることができる。
【0009】
また、請求項3に記載のロータリーパーカッションドリル装置用の止水治具によれば、上記請求項1に記載の構成による作用効果に加えて、開閉扉の外面に弾性部材を固定する構成であっても、アウターチューブ又はドリルチューブに容易に装着可能であると共に、開閉扉が開いた状態においては開閉扉を閉じる方向に付勢する付勢力を効果的に発生させることが可能な弾性部材とすることができる。
【0010】
また、請求項4に記載のロータリーパーカッションドリル装置用の止水治具によれば、上記請求項1~3の何れか1つに記載の構成による作用効果に加えて、一対の開閉扉は、開いた状態において、本体の内面の湾曲面と一致する湾曲面を有する内面形状を備えるものであることから、インナーチューブの進出移動時及び退出移動時に止水治具とアウターチューブ又はドリルチューブとが干渉することを防止でき、インナーチューブをスムーズに移動可能な止水治具とすることができる。
【0011】
また、請求項5に記載のロータリーパーカッションドリル装置用の止水治具によれば、上記請求項1~4の何れか1つに記載の構成による作用効果に加えて、一対の開閉扉は、閉じた状態において、本体の上面と当接する円弧状の底面を備えるものであることから、一対の開閉扉を閉じた状態において一段と確実に本体の開口を塞ぐことができる。
【0012】
また、請求項6に記載のロータリーパーカッションドリル装置用の止水治具によれば、上記請求項1~5の何れか1つに記載の構成による作用効果に加えて、一対の開閉扉は、閉じた状態において、互いに面接触する当接面を備えるものであることから、一対の開閉扉を閉じた状態において一段と確実に水の流れを抑制可能な止水治具とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の第1の実施形態に係るロータリーパーカッションドリル装置用の止水治具を示す図で、(a)は全体斜視図、(b)は分解した状態を示す斜視図である。
図2】本発明の第1の実施形態に係るロータリーパーカッションドリル装置用の止水治具を示す図で、(a)はドリルチューブ内の所定位置に止水治具が装着されると共に、インナーチューブが挿通される前の状態を模式的に示す平面図、(b)は(a)の状態において止水治具を前方から見た状態を示す図、(c)は(a)の状態において止水治具を後方から見た状態を示す図である。
図3】本発明の第1の実施形態に係るロータリーパーカッションドリル装置用の止水治具を示す図で、(a)はドリルチューブ内の所定位置に止水治具が装着されると共に、インナーチューブが挿通された後の状態を模式的に示す平面図、(b)は(a)の状態における要部を模式的に示す斜視図。
図4】本発明の第1の実施形態に係るロータリーパーカッションドリル装置用の止水治具を示す図で、(a)は図3の状態において止水治具を前方から見た状態を示す図、(b)は図3の状態において止水治具を後方から見た状態を示す図、(c)はドリルチューブ内の所定位置に止水治具が装着されると共に、インナーチューブが回収される状態を模式的に示す平面図である。
図5】従来のロータリーパーカッションドリル装置を用いて地質調査を行う状態を模式的に示す図である。
図6】本発明の第2の実施形態に係るロータリーパーカッションドリル装置用の止水治具を示す図で、(a)は全体斜視図、(b)は分解図した状態を示す斜視図である。
図7】本発明の第2の実施形態に係るロータリーパーカッションドリル装置用の止水治具を示す図で、(a)はドリルチューブ内の所定位置に止水治具が装着されると共に、インナーチューブが挿通される前の状態を模式的に示す平面図、(b)は(a)の状態において止水治具を前方から見た状態を示す図、(c)は(a)の状態において止水治具を後方から見た状態を示す図である。
図8】本発明の第2の実施形態に係るロータリーパーカッションドリル装置用の止水治具を示す図で、(a)はドリルチューブ内の所定位置に止水治具が装着されると共に、インナーチューブが挿通された後の状態を模式的に示す平面図、(b)は(a)の状態における要部を模式的に示す斜視図。
図9】本発明の第2の実施形態に係るロータリーパーカッションドリル装置用の止水治具を示す図で、(a)は図8の状態において止水治具を前方から見た状態を示す図、(b)は図8の状態において止水治具を後方から見た状態を示す図、(c)はドリルチューブ内の所定位置に止水治具が装着されると共に、インナーチューブが回収される状態を模式的に示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下の図面を参照して、本発明の実施形態に係る止水治具を説明し、本発明の理解に供する。しかし、以下の説明は本発明の特許請求の範囲に記載の発明を限定するものではない。なお、図2(a)、図3(a)、図4(c)、図7(a)、図8(a)、図9(c)においては、説明の便宜上、アウターチューブ3及びドリルチューブ4のみ断面を図示するものとする。
【0015】
まず図1図5を参照して、本発明の第1の実施形態に係るロータリーパーカッションドリル装置用の止水治具1を説明する。
【0016】
図1図5を参照して、本発明の実施形態に係る止水治具1は、ロータリーパーカッションドリル装置2のアウターチューブ3内又はドリルチューブ4内の所定位置に装着して使用するものである。なお、ここで「所定位置」とは、図2(a)に示す掘削刃4aから50cm程度の位置を意味するものである。
また、本実施形態においては、ドリルチューブ4内に止水治具1を装着する場合の例として以下の説明を行う。なお、ロータリーパーカッションドリル装置を使用する業界においては、先端に掘削刃を備えるチューブのことをドリルチューブとは呼ばず、アウターチューブと呼ぶ場合もあるが、本実施形態においては、先端に掘削刃を備えるチューブをドリルチューブと呼ぶものとする。従って、先端に掘削刃を備えるチューブをアウターチューブと呼ぶ場合においては、アウターチューブ3内に止水治具1を装着して用いる構成としてもよい。
【0017】
この止水治具1は図1に示すように、本体10と、開閉扉20とで構成される。
【0018】
前記本体10は、止水治具1の基台を構成すると共に、インナーチューブ5の挿通路を構成するものである。本実施形態においては、円筒状の金属部材で本体10を形成してある。
また図1に示すように、本体10には、その外周の全周に渡ってドリルチューブ4との結合部となる段差部11を設けてある。図2(a)、図3(a)に示すように、本実施形態においては、この段差部11がドリルチューブ4の内面に設けた凸状の段差部たる結合部4bと当接することで本体10の前方への移動が阻止されると共に、本体10の下面10bがアウターチューブ3の先端である結合部3aと当接することで本体10の後方への移動が阻止されることによって、ドリルチューブ4内に止水治具1が固定された状態で装着されることとなる。
なお、本体10を形成する金属としては、例えばステンレス鋼を用いることができるが、これに限るものではなく、他の如何なる金属材料を用いる構成としてもよい。また、必ずしも金属に限るものではなく、他の素材を用いる構成としてもよい。但し、ドリルチューブ4内に装着可能であると共に、インナーチューブ5を進退自在に挿通させることが可能であることを満たすためには、本体10の外径はドリルチューブ4の内径よりも小さく、本体10の内径がインナーチューブ5の外径よりも大きいことが必要である。ここで、本第1の実施形態の構成に代えて、止水治具1をアウターチューブ5に装着する場合においては、本体10の外径はアウターチューブ3の内径よりも小さく、本体10の内径がインナーチューブ5の外径よりも大きいことが必要である。
また、段差部11は、例えば型を用いて形成することができるが、これに限るものではなく、如何なる方法を用いて形成してもよい。
また、本体10をドリルチューブ4の所定位置に固定可能とする構成及び方法は本実施形態のものに限るものではなく、一定の強度をもってドリルチューブ4の所定位置に本体10を固定できる構成及び方法であれば、他の如何なる構成及び方法としてもよい。
【0019】
前記開閉扉20は、インナーチューブ5が本体10を通過して前方に進出することで押し開けられると共に、その状態を維持し、インナーチューブ5が本体10を通過して後方に退出することで本体10の開口を塞ぐための閉じる動作を開始し、完全に閉じて本体10の開口を塞ぐ前の半閉じ状態を維持し、突発的な流水の力を利用して扉が完全に閉じられることによって本体10の開口を塞いで止水するための止水部となるものである。つまり、「半閉じ状態」とは、突発的な流水が開閉扉20の外面に当たることで確実に扉が閉じられて本体10の開口を塞ぐことが可能となる程度に開閉扉20が閉じている状態を意味するものである。また、ここで「前方、後方」とは、掘削刃4a側を前方、ロータリーパーカッションドリル装置2側を後方とするものである。
本実施形態においては、一対の金属部材からなる開閉扉21、開閉扉22で開閉扉20を形成する構成としてある。具体的には図1に示すように、所定の厚みを有する円弧状の一対の金属部材をそれぞれ内向きに湾曲させた形状をなし、開閉扉20が完全に閉じた状態で各円弧部分に設ける平坦な当接面21b、当接面22bの全面が互いに面接触して当接する構造としてある。勿論、開閉扉20が完全に閉じた状態において、一対の開閉扉21、開閉扉22が当接する構造は上記の構造に限るものではなく、他の如何なる構造を用いてもよい。例えば、当接面21b、当接面22bの一部分が当接するような構成としてもよいし、各円弧部分の当接面21b、当接面22bに止水用のパッキン等を別途装着するような構成として、一対の開閉扉21、開閉扉22の間に隙間が生じることなく水密に当接するような構成としてもよい。
【0020】
また、本実施形態においては図1図3に示すように、開閉扉21と開閉扉22とのそれぞれに、インナーチューブ5を介して開閉扉21、開閉扉22が押し開けられることによって弾性変形して開閉扉21、開閉扉22を閉じる方向に付勢する弾性部材21a、弾性部材22aを備える構成としてある。
また本実施形態においては、弾性部材21a、弾性部材22aとして、図1(b)に示すように、本体10の径方向外側へ向かって凹んだ略U字形状の金属材料からなる薄板部材(いわゆる板ばね部材)を用いる構成としてある。なお、弾性部材21a、弾性部材22aの湾曲部分の曲率半径や、長さ、厚み、幅、先端部分の形状等は本実施形態のものに限るものではなく、適宜変更可能である。
そして本実施形態においては、図2(c)、図3(b)に示すように、本体10の内面10cと、開閉扉21の内面21c、開閉扉22の内面22cとの対向する位置に、弾性部材21a、弾性部材22aの厚み以上の深さを備えると共に、全長が弾性部材21a、弾性部材22aの全長以上である連通する凹状溝10d、凹状溝21e、凹状溝22eを設け、これらの凹状溝内で弾性部材21a、弾性部材22aを溶接により固定する構成としてある。つまり、本実施形態においては、弾性部材21a、弾性部材22aは、弾性力を発生させる部材であると共に、本体10と開閉扉21、開閉扉22とを連結させる連結具としても機能するものである。
【0021】
更に、本実施形態においては一対の開閉扉21、開閉扉22の構成として、図1(a)、図2(b)に示すように、開閉扉21、開閉扉22を閉じた状態において本体10の上面10aと当接する円弧状の底面21d、底面22dを備える構成としてある。加えて、図4(a)に示すように、開閉扉21、開閉扉22を開いた状態において、本体10の内面10cの湾曲面と一致する湾曲面を有する内面形状を備える構成としてある。
なお、開閉扉21、開閉扉22、弾性部材21a、弾性部材22aを形成する金属としては、例えばステンレス鋼を用いることができるが、これに限るものではなく、他の如何なる金属を用いる構成としてもよい。また、必ずしも金属に限るものではなく、他の如何なる部材を用いる構成としてもよい。
【0022】
次に、図2図4を参照して、このような構成からなる止水治具1の使用時における動作を説明する。
まず図2を参照して、止水治具1は予めドリルチューブ4内の所定位置(掘削刃4aから50cm程度の位置)に固定された状態で装着される。
この状態においては、図2(b)、図2(c)に示すように、開閉扉21及び開閉扉22は半閉じ状態に閉じている。
【0023】
その後、図3を参照して、インナーチューブ5が内面3b、本体10を通過して前方に進出することで、インナーチューブ5が開閉扉21の内面21c及び開閉扉22の内面22cと接触して前方へ押し込んでいくことで、図3(a)に白抜き矢印で示すように開閉扉21、開閉扉22が押し開けられて、その状態が維持される。この状態においては、図4(a)に示すように、開閉扉21の内面21cの湾曲面と、開閉扉22の内面22cの湾曲面とは、本体10の内面10cの湾曲面と一致する状態となっている。
またこの際、開閉扉21、開閉扉22がドリルチューブ4の内面4cと当接し、弾性部材21a、弾性部材22aが延ばされて弾性変形することで、図3(a)に黒塗り矢印で示すように、開閉扉21、開閉扉22を閉じる方向に付勢する付勢力が弾性部材21a、弾性部材22aに発生し、その状態がインナーチューブ5によって維持される。
【0024】
そして図4(c)を参照して、目的とする試料を採取した後、オーバーショットアセンブリ(図示しない)を介してインナーチューブ5が本体10を通過して後方に退出すると、弾性部材21a及び弾性部材22aの付勢力によって開閉扉21、開閉扉22が自動的に閉じる動作を開始し、完全に閉じて本体10の開口を塞ぐ前の半閉じ状態を維持する。そして、図4(c)に黒塗り矢印で示すように、ドリルチューブ4を介して突発的に水が流れ込んできた場合においては、水の力によって一対の開閉扉21、開閉扉22が完全に閉じられて平坦な当接面21bと当接面22bとが互いに面接触して当接する。これにより、一対の開閉扉21、開閉扉22によって本体10の開口が塞がれることで、ドリルチューブ4を介して突発的に水が流れ込んできた場合であっても、止水治具1によってドリルチューブ4の所定位置にて効果的に水の流れを抑制することができ、ロータリーパーカッションドリル装置2側に水が入ってくることを格段に抑制することができる。
【0025】
以上の構成からなる本発明の第1の実施形態に係る止水治具1は以下の効果を奏する。
【0026】
ドリルチューブ4の内面4cと結合する結合部たる段差部11を外周の全周に備えると共に、インナーチューブ5が進退自在に挿通される円筒状の本体10と、インナーチューブ5が本体10を通過して前方に進出することで押し開けられると共に、その状態を維持し、前記インナーチューブ5が本体10を通過して後方に退出することで本体10の開口を塞ぐための動作を開始し、完全に閉じて本体10の開口を塞ぐ前の半閉じ状態を維持する一対の開閉扉とを備える構成であることで、ドリルチューブ4の先端から突発的に水が流れ込んできた場合であっても、水の力を利用して一対の開閉扉21、開閉扉22を完全に閉じることができ、これによって本体10の開口を閉じることができる。よって、ドリルチューブ4の所定の位置にて水の流れを抑制し、ロータリーパーカッションドリル装置2側に水が入ってくることを格段に抑制することができる。従って、インナーチューブ5が飛び出てくることで作業者が負傷したり、流水により新たなインナーチューブ5が挿入できなくなったりすることで、地質調査を中断せざるをえなくなるという事態を確実に防ぐことが可能となる。従って、地質調査時の安全性と、作業効率を大幅に向上させることができる。
【0027】
また、一対の開閉扉21、開閉扉22は、各内面に、インナーチューブ5を介して開閉扉21、開閉扉22が開かれた状態において弾性変形することで開閉扉21、開閉扉22を閉じる方向に付勢する弾性部材21a、弾性部材22aを備える構成であることから、インナーチューブ5が本体10を通過して後方に退出するだけで、弾性部材21a、弾性部材22aの付勢力によって一対の開閉扉21、開閉扉22に対して自動的に閉じる動作を開始させ、完全に閉じて本体10の開口を塞ぐ前の半閉じ状態を維持することが可能な止水治具1とすることができる。
【0028】
また、一対の開閉扉21、開閉扉22は、開いた状態において、本体10の内面10cの湾曲面と一致する湾曲面を有する内面形状を備えるものであることから、インナーチューブ5の進出移動時及び退出移動時にインナーチューブ5をスムーズに移動可能な止水治具1とすることができる。
【0029】
また、一対の開閉扉21、開閉扉22は、閉じた状態において、本体10の上面10aと当接する円弧状の底面21d、底面22dを備えるものであることから、一対の開閉扉21、開閉扉22を閉じた状態において一段と確実に本体10の開口を塞ぐことができる。更に、一対の開閉扉21、開閉扉22は、閉じた状態において、互いに面接触する平坦な当接面21b、当接面22bを備えるものであることから、一対の開閉扉を閉じた状態において突発的な水の流れを一段と効果的に抑止可能な止水治具1とすることができる。以上より、一段と止水性に優れた止水治具1とすることができる。
【0030】
また、弾性部材21a、弾性部材22aとして、本体10の径方向外側へ向かって凹んだ略U字形状の金属材料からなる薄板部材(いわゆる板ばね部材)を用いる構成とし、本体10の内面10cと、開閉扉21の内面21c、開閉扉22の内面22cとに、弾性部材21a、弾性部材22aの厚み以上の深さを備えると共に、全長が弾性部材21a、弾性部材22aの全長以上である連通する凹状溝10d、凹状溝21e、凹状溝22eを設け、これらの凹状溝内で弾性部材21a、弾性部材22aを溶接により固定する構成とすることで、インナーチューブ5を介して開閉扉21、開閉扉22が押し開けられた状態において開閉扉21、開閉扉22を閉じる方向に付勢する弾性力を効果的に発生させることができると共に、本体10と開閉扉21、開閉扉22とを連結させる連結具として弾性部材21a、弾性部材22aを利用することができる。よって、部品点数を抑えることが可能な止水治具1とすることができる。
更に、弾性部材21a、弾性部材22aを本体10、開閉扉21、開閉扉22に取り付けた状態において、本体10の内面10c、開閉扉21の内面21c、開閉扉22の内面22cに出っ張りが生じることを確実に防止することができる。これによって、本体10内でインナーチューブ5をスムーズに移動させることができると共に、インナーチューブ5の移動に伴って弾性部材21a、弾性部材22aが脱落することを防止でき、耐久性に優れた止水治具1とすることができる。
【0031】
次に、図6図9を参照して、本発明の第2の実施形態に係るロータリーパーカッションドリル装置用の止水治具100を説明する。なお、第2の実施形態に係る止水治具100は、既述した止水治具1に対して、弾性部材の構成と、本体と開閉扉とを連結させる構成のみを異なる構成としたものである。よって、既述した止水治具1と同一部材、同一機能を果たすものには同一番号、同一符号を付し、以下においては止水治具1と異なる構成、効果を中心に説明することとする。
【0032】
本第2の実施形態においては、図6図9に示すように、本体10の上面10aに、開閉扉20を開閉自在に固定するためのヒンジ機構を構成するための管部12を本体10の径方向の対称位置に1対設けてある。
なお、管部12は、例えば型を用いて形成することができるが、これに限るものではなく、如何なる方法を用いて形成してもよい。
また、所定の厚みを有する円弧状の一対の金属部材をそれぞれ内向きに湾曲させた形状をなす開閉扉21、開閉扉22において、各円弧の中心部分に管部21f、22fを設けてある。そして、本体10に設ける一対の管部12の内側に管部21f、22fを配置した状態でピン30を用いてかしめることで、ヒンジ機構が形成されて開閉扉21、開閉扉22が開閉自在となる構成としてある。
【0033】
また、本実施形態においては図6図8に示すように、開閉扉21及び開閉扉22の各外面に、インナーチューブ5を介して開閉扉21、開閉扉22が開かれた状態においてドリルチューブ4の内面4cと接して弾性変形することで開閉扉を閉じる方向に付勢する弾性部材21g、22gを備える構成としてある。
また本実施形態においては、弾性部材21g、弾性部材22gとして、開閉扉21、開閉扉22が閉じた状態において、本体10の外径内に収まると共に、本体10の径方向内側へ向かって凹んだ略U字形状の金属材料からなる薄板部材を用いる構成としてある。なお、弾性部材21g、弾性部材22gの湾曲部分の曲率半径や、弾性部材21g、弾性部材22gの長さ、厚み、幅、先端部分の形状等は本実施形態のものに限るものではなく、適宜変更可能である。但し、弾性部材21g、弾性部材22gの長さは、ドリルチューブ4の先端から突発的に水が流れ込んできた場合に、水の力を利用して一対の開閉扉21、開閉扉22を確実に閉じることを可能とする為には、一対の開閉扉21、開閉扉22の半閉じ状態において、弾性部材21g、弾性部材22gの先端がドリルチューブ4の内面4cと当接する若しくは内面4cの近傍に位置する長さであることが望ましい。
更に、本実施形態においては、開閉扉21、開閉扉22のそれぞれの外面に、弾性部材21g、弾性部材22gの下端を溶接により固定する構成としてある。なお、開閉扉21、開閉扉22の外面に弾性部材21g、弾性部材22gを固定する方法はこのような方法に限るものではなく、一定の強度をもって固定できる方法であれば適宜変更可能である。
【0034】
次に、図7図9を参照して、このような構成からなる止水治具100の使用時における動作を説明する。
まず図7を参照して、止水治具100は予めドリルチューブ4内の所定位置(掘削刃4aから50cm程度の位置)に固定された状態で装着される。
この状態においては、図7(b)、図7(c)に示すように、開閉扉21及び開閉扉22は半閉じ状態に閉じている。また、一対の弾性部材21g、弾性部材22gは本体10の外径内に収まった状態となっていると共に、弾性部材21g、弾性部材22gの先端がドリルチューブ4の内面4cと当接した状態となっている。
【0035】
その後、図8を参照して、インナーチューブ5が本体10を通過して前方に進出することで、インナーチューブ5が開閉扉21の内面21c及び開閉扉22の内面22cと接触して前方へ押し込んでいくことで、図8(a)に白抜き矢印で示すように開閉扉21、開閉扉22が押し開けられる。この状態においては、図9(a)に示すように、開閉扉21の内面21dの湾曲面と、開閉扉22の内面22dの湾曲面とは、本体10の内面10cの湾曲面と一致する状態となっている。
またこの際、弾性部材21g、弾性部材22gがドリルチューブ4の内面4cと当接して凹みを形成する湾曲部分が延ばされて弾性変形することで、図8(a)に黒塗り矢印で示すように、開閉扉21、開閉扉22を閉じる方向に付勢する付勢力が弾性部材21g、弾性部材22gに発生し、その状態がインナーチューブ5によって維持される。
【0036】
そして図9(c)を参照して、目的とする試料を採取した後、オーバーショットアセンブリ(図示しない)を介してインナーチューブ5が本体10を通過して後方に退出すると、弾性部材21g及び弾性部材22gの付勢力によって開閉扉21、開閉扉22が自動的に閉じる動作を開始し、完全に閉じて本体10の開口を塞ぐ前の半閉じ状態を維持する。そして、図9(c)に黒塗り矢印で示すように、ドリルチューブ4を介して突発的に水が流れ込んできた場合においては、水の力によって一対の開閉扉21、開閉扉22が完全に閉じられて平坦な当接面21bと当接面22bとが互いに面接触して当接する。これにより、一対の開閉扉21、開閉扉22によって本体10の開口が塞がれることで、ドリルチューブ4を介して突発的に水が流れ込んできた場合であっても、止水治具1によってドリルチューブ4の所定位置にて水の流れを抑制することができ、ロータリーパーカッションドリル装置2側に水が入ってくることを格段に抑制することができる。
【0037】
以上の構成からなる本発明の第2の実施形態に係る止水治具1は以下の効果を奏する。
【0038】
一対の開閉扉21、開閉扉22は、各外面に、インナーチューブ5を介して開閉扉21、開閉扉22が開かれた状態においてドリルチューブ4の内面4cと接して弾性変形することで開閉扉21、開閉扉22を閉じる方向に付勢する弾性部材21g、弾性部材22gを備える構成であることから、インナーチューブ5が本体10を通過して後方に退出するだけで、弾性部材21g、弾性部材22gの付勢力によって一対の開閉扉21、開閉扉22を自動的に半閉じ状態に閉じることが可能な止水治具100とすることができる。
【0039】
また、弾性部材21g、弾性部材22gとして、開閉扉21、開閉扉22が閉じた状態において、本体10の外径内に収まると共に、本体10の径方向内側へ向かって凹んだ略U字形状の金属材料からなる薄板部材を用いる構成とすることで、開閉扉21、開閉扉22の外面に弾性部材を固定する構成であっても、ドリルチューブ4に容易に装着可能であると共に、開いた状態においては開閉扉21、開閉扉22を閉じる方向に付勢する付勢力を効果的に発生させることができる弾性部材21g、弾性部材22gとすることができる。
【0040】
なお、既述した本発明の第1の実施形態に係るロータリーパーカッションドリル装置用の止水治具1及び第2の実施形態に係るロータリーパーカッションドリル装置用の止水治具100においては、弾性部材21a、弾性部材22a、弾性部材21g、弾性部材22gが備える付勢力として、インナーチューブ5が本体10を通過して後方に退出することで、開閉扉21、開閉扉22が完全に閉じて本体10の開口を塞ぐ前の半閉じ状態に復帰可能な付勢力とする構成としたが、必ずしもこのような構成に限るものではなく、インナーチューブ5が本体10を通過して後方に退出することで、開閉扉21、開閉扉22が完全に閉じるだけの付勢力を備える弾性部材を用いる構成としてもよい。このような構成とすることで、一段と確実に止水が可能な止水治具とすることができる。
【0041】
また、本体10の大きさや、段差部11の形成位置や幅、管部12の形状、大きさ、数なども本実施形態のものに限るものではなく、適宜変更可能である。
【0042】
また、弾性部材21a、弾性部材22a、弾性部材21g、弾性部材22gの形状、大きさ、厚み、数等も本実施形態のものに限るものではなく、適宜変更可能である。例えば、弾性部材としてスプリングばねを用いる構成としてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明のロータリーパーカッションドリル装置用の止水治具は、インナーチューブの回収時に、地層に含まれる水がドリルチューブを介して突発的に流れ込んできた場合であっても、ドリルチューブ内又はアウターチューブ内の所定位置にて止水できることから、ロータリーパーカッションドリル装置を用いて地質調査を行うことに関連する産業分野において有用であり、産業上の利用可能性が大きい。
【符号の説明】
【0044】
1 止水治具
2 ロータリーパーカッションドリル装置
3 アウターチューブ
3a 結合部
3b 内面
4 ドリルチューブ
4a 掘削刃
4b 結合部
4c 内面
5 インナーチューブ
6 コアバレルヘッドアセンブリ
6a 連結部
7 地層
8 オーバーショットアセンブリ
9 ワイヤー
10 本体
10a 上面
10b 下面
10c 内面
10d 凹状溝
11 段差部
12 管部
20 開閉扉
21 開閉扉
21a 弾性部材
21b 当接面
21c 内面
21d 底面
21e 凹状溝
21f 管部
21g 弾性部材
22 開閉扉
22a 弾性部材
22b 当接面
22c 内面
22d 底面
22e 凹状溝
22f 管部
22g 弾性部材
30 ピン
100 止水治具
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9