(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022189413
(43)【公開日】2022-12-22
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/06 20120101AFI20221215BHJP
G06Q 10/00 20120101ALI20221215BHJP
【FI】
G06Q30/06 350
G06Q10/00 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021097972
(22)【出願日】2021-06-11
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】520123032
【氏名又は名称】株式会社KINTO
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岡 尚哉
(72)【発明者】
【氏名】北村 聡
(72)【発明者】
【氏名】祖父江 雄介
(72)【発明者】
【氏名】中田 聖良
(72)【発明者】
【氏名】森 麻美
(72)【発明者】
【氏名】森嶋 聖人
(72)【発明者】
【氏名】布川 康之
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB68
5L049CC15
(57)【要約】
【課題】貸与サービスに利用される車両の商品価値の低下を抑制する上で有効な技術を提供する。
【解決手段】情報処理装置は、車両の貸与サービスである第1サービスに関わる処理を行うための制御部を備える。情報処理装置の制御部は、車両の貸与サービスにより第1車両が貸与されている第1ユーザによる、第1車両の商品価値を維持するための所定の行為の実績を取得する。制御部は、所定の行為の実績が所定の基準以上である場合に、第1ユーザに対してインセンティブを提供する。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の貸与サービスである第1サービスに関わる処理を行うための情報処理装置であって、
前記第1サービスにより第1車両が貸与されている第1ユーザによる、前記第1車両の商品価値を維持するための所定の行為の実績を取得することと、
前記所定の行為の実績が所定の基準以上である場合に、前記第1ユーザに対してインセンティブを提供することと、
を実行する制御部を備える、
情報処理装置。
【請求項2】
前記所定の行為は、前記第1車両を洗車するための行為を含み、
前記制御部は、前記第1車両を洗車するための行為の発生頻度が第1の閾値以上であれば、前記所定の行為の実績が前記所定の基準以上であると判定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記所定の行為は、前記第1車両にボディコ-ティングを施工するため行為を含み、
前記制御部は、前記第1車両にボディコ-ティングを施工するめの行為の発生頻度が第2の閾値以上であれば、前記所定の行為の実績が前記所定の基準以上であると判定する、請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記所定の行為は、公共の駐車場における駐車密度の低い場所に前記第1車両を駐車するための行為を含み、
前記制御部は、公共の駐車場に前記第1車両を駐車するための行為の発生頻度に対し、公共の駐車場における駐車密度の低い場所に前記第1車両を駐車するための行為の発生頻度の割合が第3の閾値以上であれば、前記所定の行為の実績が前記所定の基準以上であると判定する、
請求項1から3の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記所定の行為は、車両の商品価値の維持に関連する第2サービスを利用するための行為を含み、
前記制御部は、前記第2サービスを利用するための行為の発生頻度が第4の閾値以上であれば、前記所定の行為の実績が前記所定の基準以上であると判定する、
請求項1から4の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記第2サービスは、車両の商品価値を維持するための作業を行う事業者に対する作業依頼の手続きを代行するプラットフォームサービスである、
請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記第1サービスは、定期的に前記第1ユーザからの料金の支払いを受けることで、前記第1車両の使用権を前記第1ユーザに付与するサービスであり、
前記制御部は、前記インセンティブの提供として、前記料金を減額する、
請求項1から6の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記第1サービスは、前記第1車両の走行距離に上限が設けられるサービスであり、
前記制御部は、前記インセンティブの提供として、前記上限を延長する、
請求項1から6の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記インセンティブの提供として、前記第1車両の走行性能に関わる機能とは異なる機能をモディファイする権利を提供する、
請求項1から6の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項10】
車両の貸与サービスである第1サービスに関わる情報処理方法であって、
前記第1サービスにより第1車両が貸与されている第1ユーザによる、前記第1車両の商品価値を維持するための所定の行為の実績を取得する第1ステップと、
前記所定の行為の実績が所定の基準以上である場合に、前記第1ユーザに対してインセンティブを提供する第2ステップと、
をコンピュータが実行する、
情報処理方法。
【請求項11】
前記所定の行為は、車両の商品価値の維持に関連する第2サービスを利用するための行為を含み、
前記第2ステップは、所定期間における前記第2サービスを利用するための行為の発生回数が第4の閾値以上であれば、前記所定の行為の実績が前記所定の基準以上であると判定するステップを含む、
請求項10に記載の情報処理方法。
【請求項12】
前記第2サービスは、車両の商品価値を維持するための作業を行う事業者に対する作業依頼の手続きを代行するプラットフォームサービスである、
請求項11に記載の情報処理方法。
【請求項13】
前記第1サービスは、定期的に前記第1ユーザからの料金の支払いを受けることで、前記第1車両の使用権を前記第1ユーザに付与するサービスであり、
前記第2ステップでは、前記インセンティブの提供として、前記料金が減額される、
請求項10から12の何れか1項に記載の情報処理方法。
【請求項14】
前記第1サービスは、前記第1車両の走行距離に上限が設けられるサービスであり、
前記第2ステップでは、前記インセンティブの提供として、前記上限が延長される、
請求項10から12の何れか1項に記載の情報処理方法。
【請求項15】
前記第2ステップでは、前記インセンティブの提供として、前記第1車両の走行性能に関わる機能とは異なる機能をモディファイする権利を提供する、
請求項10から12の何れか1項に記載の情報処理方法。
【請求項16】
車両の貸与サービスである第1サービスに関わる処理を行うための第1装置と、
前記第1サービスで貸与される車両のメンテナンスに関連する第2サービスをオンラインで提供する第2装置と、
を含む、車両管理システムであって、
前記第1装置は、
前記第1サービスにより第1車両が貸与されている第1ユーザによる、前記第2サービスの利用実績を、前記第2装置から取得することと、
前記第2サービスの利用実績が所定の基準以上である場合に、前記第1ユーザに対してインセンティブを提供することと、
を実行する、
情報処理システム。
【請求項17】
前記第1装置は、前記第2サービスを利用するための行為の発生頻度が第4の閾値以上であれば、前記第2サービスの利用実績が前記所定の基準以上であると判定する、
請求項16に記載の情報処理システム。
【請求項18】
前記第1サービスは、定期的に前記第1ユーザからの料金の支払いを受けることで、前記第1車両の使用権を前記第1ユーザに付与するサービスであり、
前記第1装置は、前記インセンティブの提供として、前記料金を減額する、
請求項16又は17に記載の情報処理システム。
【請求項19】
前記第1サービスは、前記第1車両の走行距離に上限が設けられるサービスであり、
前記第1装置は、前記インセンティブの提供として、前記上限を延長する、
請求項16又は17に記載の情報処理システム。
【請求項20】
前記第1装置は、前記インセンティブの提供として、前記第1車両の走行性能に関わる機能とは異なる機能をモディファイする権利を提供する、
請求項16又は17に記載の情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、車両の貸与サービスに関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザに車両を一定期間貸与する契約形態が知られている。このような契約形態は、リース契約、又はサブスクリプション契約等とも呼ばれる。これに関する発明として、例えば、特許文献1には、リース契約の有無に応じて、ユーザに対して洗車サービスを無料で提供するシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示の目的は、貸与サービスに利用される車両の商品価値の低下を抑制する上で有効な技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、車両の貸与サービスである第1サービスに関わる処理を行うための情報処理装置として捉えることができる。その場合の情報処理装置は、例えば、
前記第1サービスにより第1車両が貸与されている第1ユーザによる、前記第1車両の商品価値を維持するための所定の行為の実績を取得すること、
前記所定の行為の実績が所定の基準以上である場合に、前記第1ユーザに対してインセンティブを提供することと、
を実行する制御部を備えるようにしてもよい。
【0006】
本開示は、車両の貸与サービスである第1サービスに関わる情報処理方法として捉えることもできる。その場合の情報処理方法は、例えば、
前記第1サービスにより第1車両が貸与されている第1ユーザによる、前記第1車両の商品価値を維持するための所定の行為の実績を取得する第1ステップと、
前記所定の行為の実績が所定の基準以上である場合に、前記第1ユーザに対してインセンティブを提供する第2ステップと、
をコンピュータが実行するようにしてもよい。
【0007】
本開示は、車両の貸与サービスである第1サービスに関わる処理を行うための第1装置と、前記第1サービスで貸与される車両のメンテナンスに関連する第2サービスをオンラインで提供する第2装置と、を含む、車両管理システムとして捉えることもできる。その場合、第1装置が、例えば、
前記第1サービスにより第1車両が貸与されている第1ユーザによる、前記第2サービスの利用回数を、前記第2装置から取得することと、
前記第2サービスの利用回数が第4の閾値以上である場合に、前記第1ユーザに対してインセンティブを提供することと、
を実行するようにしてもよい。
【0008】
なお、本開示は、上記した情報処理方法をコンピュータに実行させるための情報処理プログラム、又は該情報処理プログラムを格納した非一時的記憶媒体として捉えることもで
きる。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、貸与サービスに利用される車両の商品価値の低下を抑制する上で有効な技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図2】車両リースシステムに含まれる契約管理サーバ、予約管理サーバ、及びユーザ端末の構成を概略的に示すブロック図である。
【
図3】ユーザ端末のブラウザに表示される画面の第1の例を示す図である。
【
図4】ユーザ端末のブラウザに表示される画面の第2の例を示す図である。
【
図5】ユーザ端末のブラウザに表示される画面の第3の例を示す図である。
【
図8】予約管理サーバからの作業情報を受信したことをトリガにして、契約管理サーバで実行される処理ルーチンを示すフローチャートである。
【
図9】所定のタイミングにおいて契約管理サーバで実行される処理ルーチンを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示の一態様に係る情報処理装置は、車両の貸与サービスに関わる処理を行う。貸与サービスは、例えば、契約期間中において、定期的(例えば、月毎又は年毎)にユーザからの料金の支払いを受けることで、車両の使用権をユーザに付与するサービスである。このよう貸与サービスは、リース又はサブスクリプションとも呼ばれる(以下では、「第1サービス」と記す場合もある。)。
【0012】
第1サービスの契約期間が終了した後は、車両が別のユーザに貸与されたり、又は中古車として売り出されたりする。その際、車両の商品価値が高いほど、借り手又は売り手が現れやすくなるとともに、より高値で貸与又は売却しやすくなる。車両の商品価値は、車両の各部の状態が新車時の状態に近いほど、高くなる傾向がある。よって、契約期間中における車両の商品価値の低下をより小さくすることができれば、契約期間終了後の車両を有益に活用することが可能になる。
【0013】
そこで、本開示に係る情報処理装置は、第1サービスを利用しているユーザに、車両の商品価値を維持する意欲を喚起するための処理を行う。具体的には、情報処理装置の制御部が、第1サービスにより第1車両が貸与されている第1ユーザによる、第1車両の商品価値を維持するための所定の行為の実績を取得する。制御部は、第1ユーザによる所定の行為の実績が所定の基準以上であれば、第1ユーザに対してインセンティブを提供する。これにより、第1サービスを利用している第1ユーザに対し、所定の行為を起こす意欲を喚起することができる。その結果、契約期間中における車両の商品価値の低下をより小さくすることができる。
【0014】
本開示における「所定の行為」は、第1車両の商品価値を維持するための行為のうち、第1サービスに付帯していない作業を伴う行為でもよい。このような所定の行為としては、例えば、第1車両のボディの劣化を抑制するための行為を挙げることができる。契約期間中における第1車両のボディの劣化を抑制することができれば、契約期間終了後における第1の車両の商品価値を高いものにすることができる。
【0015】
第1車両のボディの劣化には、ボディ塗装の劣化が含まれる。ボディ塗装の劣化を抑制
するために有効な方法の一つは、ある程度の頻度で第1車両を洗車することである。そこで、本開示に係る情報処理装置の制御部は、第1車両を洗車するための行為の発生頻度が第1の閾値以上であれば、所定の行為の実績が所定の基準以上であると判定してもよい。これにより、第1の閾値以上の頻度で第1車両を洗車する意欲を、第1ユーザに喚起することができる。なお、第1の閾値は、ボディ塗装の劣化を抑えることができる、最小限の洗車頻度であり、例えば、月間で2回程度の洗車が行われる頻度である。また、洗車作業は、第1ユーザ自身が行ってもよく、又は第1ユーザからの依頼を受けた業者等が行ってもよい。よって、第1車両を洗車するための行為には、第1ユーザ自身が第1車両を洗車する行為、及び第1ユーザが第1車両の洗車を業者等に依頼する行為が含まれる。
【0016】
ボディ塗装の劣化を抑制するために有効な方法として、ある程度の頻度で第1車両にボディコ-ティングを施工する方法もある。そこで、本開示に係る情報処理装置の制御部は、第1車両にボディコ-ティングを施工するための行為の発生頻度が第2の閾値以上であれば、所定の行為の実績が所定の基準以上であると判定してもよい。これにより、第2の閾値以上の頻度で第1車両にボディコ-ティングを施工する意欲を、第1ユーザに喚起することができる。なお、第2の閾値は、ボディ塗装の劣化を抑えることができる、最小限の施工頻度であり、例えば、数ヶ月毎又は数年毎にボディコ-ティングが施工される頻度である。また、ボディコ-ティング作業は、第1ユーザ自身が行ってもよく、又は第1ユーザからの依頼を受けた業者等が行ってもよい。よって、第1車両にボディコ-ティングを施工するための行為には、第1ユーザ自身がボディコ-ティングを施工する行為、又は第1ユーザがボディコ-ティングの施工を業者等に依頼する行為が含まれる。
【0017】
なお、第1車両のボディの劣化には、ボディの損傷も含まれる。ボディの損傷を抑制するために有効な方法の一つは、第1車両を公共の駐車場等に駐車する際に、他の車両等により第1車両が傷つけられにくい場所に駐車することである。他の車両等により第1車両が傷つけられにくい場所は、例えば、公共の駐車場のうちで、駐車密度が低い場所(駐車エリア)である。そこで、本開示に係る情報処理装置の制御部は、公共の駐車場に第1車両を駐車するための行為の発生頻度に対し、公共の駐車場における駐車密度の低い場所に第1車両を駐車するための行為の発生頻度の割合が第3の閾値以上であれば、所定の行為の実績が前記所定の基準以上であると判定してもよい。これにより、第1車両を公共の駐車場に駐車する場合に、駐車密度の低い場所に第1車両を駐車する意欲を、第1ユーザに喚起することができる。なお、第3の閾値は、例えば、6割から7割以上の割合である。
【0018】
本開示における「所定の行為」は、車両の商品価値の維持に関連する第2サービスを利用するための行為でもよい。第2サービスは、例えば、車両の商品価値を維持する上で有効なメンテナンス作業のうち、第1サービスに付帯していないメンテナンス作業(例えば、車両の洗車、又は車両のボディコ-ティング等)を提供するためのサービスである。このような第2サービスの利用頻度が高いほど、第1車両の商品価値が維持されやすい。そこで、本開示に係る情報処理装置の制御部は、第2サービスを利用するための行為の発生頻度が第4の閾値以上であれば、所定の行為の実績が所定の基準以上であると判定してもよい。これにより、第4の閾値以上の頻度で第2サービスを利用する意欲を、第1ユーザに喚起することができる。なお、第4の閾値は、第1車両の商品価値を維持することができる、最小限の利用頻度である。
【0019】
ここで、第2サービスは、メンテナンス作業を行う業者により運営されてもよいが、第1サービスの提供者、若しくは第1サービスの提供者と関連する事業者により運営されてもよい。第1サービスの提供者、若しくは第1サービスの提供者と関連する事業者が第2サービスを運営する場合、第2サービスは、上記したメンテナンス作業を提供する業者に対する作業依頼の手続きを代行するプラットフォームサービスでもよい。
【0020】
ここで、第1サービスが、定期的に第1ユーザから料金の支払いを受けることで、第1車両の使用権を第1ユーザに付与するサービスである場合、制御部は、インセンティブの提供として、上記した料金を減額してもよい。
【0021】
また、第1サービスが、第1車両の走行距離に上限が設けられるサービスである場合、制御部は、インセンティブの提供として、上記した上限を延長してもよい。
【0022】
また、制御部は、インセンティブの提供として、第1車両の走行性能に関わる機能とは異なる機能をモディファイする権利を提供してもよい。「第1車両の走行性能に関わる機能とは異なる機能をモディファイする」とは、例えば、ウィンカーの点灯方法をデフォルトの点灯方法とは異なる点灯方法に変更すること、インストルメントパネルの表示デザインをデフォルトの表示デザインとは異なる表示デザインに変更すること、車載のマルチメディア機器で再生可能なコンテンツをアップグレードすること等が含まれる。
【0023】
<実施形態>
以下、本開示の具体的な実施形態について図面に基づいて説明する。本実施形態に記載される構成は、特に記載がない限り本開示の技術的範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0024】
(システム概要)
図1は、本開示に係る情報処理装置を適用する車両リースシステムの概要を示す図である。本実施形態における車両リースシステムは、車両1のリース契約を管理する契約管理サーバ100と、車両1のメンテナンス作業の予約を行う予約管理サーバ200と、ユーザ端末300と、を含んで構成される。
【0025】
契約管理サーバ100は、車両1のリースサービス(本開示に係る「第1サービス」に相当。)に関する各種処理を行うサーバ装置であり、本開示に係る「情報処理装置(第1装置)」の一例である。契約管理サーバ100は、第1事業者により運営され、第1事業者がユーザと結んでいるリース契約を管理する。リース契約は、ユーザが毎月の利用料金を支払うことで、第1事業者が所有している車両1の使用者として当該ユーザを公的機関に登録する契約である。リース契約の契約期間は、第1事業者により定められた複数の期間(例えば、3年間、5年間、7年間)の中から、ユーザが選択することができる。
【0026】
また、契約管理サーバ100は、ユーザによる所定の行為の実績に基づいて、ユーザに提供されるインセンティブを決定し、決定されたインセンティブに関する情報(インセンティブ情報)をユーザの使用するユーザ端末300へ送信する。本例における所定の行為は、車両1の商品価値を維持するための行為のうち、後述の予約管理サーバ200を通じて、車両1のメンテナンス作業を業者に依頼する行為である。
【0027】
予約管理サーバ200は、メンテナンス作業の予約サービス(本開示に係る(第2サービスに相当。)に関する各種処理を行うサーバ装置であり、本開示に係る「第2装置」の一例である。予約管理サーバ200は、第2事業者により運営され、第2事業者と提携している業者が提供可能なメンテナンス作業の予約を管理する。第2事業者と提携している業者が提供可能なメンテナンス作業とは、車両1の商品価値を維持する上で有効なメンテナンス作業である。斯様なメンテナンス作業には、例えば、車両1の洗車、及び車両1のボディコ-ティング等が含まれる。
【0028】
予約管理サーバ200は、ユーザ端末300からのリクエストに基づいて、メンテナンス作業の予約を行う。リクエストは、ユーザが希望するメンテナンス作業の予約を要求するメッセージである。メンテナンス作業の予約は、ユーザが希望するメンテナンス作業を
提供可能な業者に対して行われる。また、予約管理サーバ200は、予約されたメンテナンス作業に関する情報(作業情報)を、契約管理サーバ100へ提供する。作業情報の提供は、当該メンテナンス作業の予約が完了した時点で予約管理サーバ200から契約管理サーバ100へ提供されてもよく、又は業者による当該メンテナンス作業が完了した時点で予約管理サーバ200から契約管理サーバ100へ提供されてもよい。
【0029】
ユーザ端末300は、第1事業者と車両1のリース契約を結んでいるユーザが使用するコンピュータである。ユーザは、ユーザ端末300を介して予約管理サーバ200にアクセスし、メンテナンス作業の予約を要求することができる。
【0030】
(システム構成)
図2は、本実施形態に係る車両リースシステムに含まれる、契約管理サーバ100、予約管理サーバ200、及びユーザ端末300の構成例を概略的に示したブロック図である。
【0031】
ユーザ端末300は、例えば、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、携帯電話、タブレットコンピュータ、又は個人情報端末等のように、個人が利用するコンピュータである。ユーザ端末300は、通信部301、制御部302、記憶部303、及び入出力部304を含んで構成される。
【0032】
通信部301は、ユーザ端末300をネットワークに接続するための通信インタフェースである。通信部301は、例えば、LAN(Local Area Network)等の通信網を利用して、ネットワークに接続する。通信部301は、5G(5th-Generation)若しくはLTE(Long Term Evolution)等の移動体通信サービス、又はWi-Fi(登録商標)等の無
線通信網を利用して、ネットワークに接続してもよい。ネットワークは、インターネット等の世界規模の公衆通信網であるWAN(Wide Area Network)、又はその他の通信網で
ある。通信部301は、ネットワークを通じて、他の機器(例えば、契約管理サーバ100、又は予約管理サーバ200)と通信する。
【0033】
制御部302は、ユーザ端末300が行う制御を司る演算装置である。制御部302は、例えば、CPU(Central Processing Unit)又はDSP(Digital Signal Processor
)等のプロセッサにより構成される。本例における制御部302は、ユーザとのインタラクションを実現する機能を有する。例えば、制御部302は、予約管理サーバ200を通じて予約可能なメンテナンス作業をユーザに提示する機能と、ユーザが所望のメンテナンス作業を選択する操作を受け付ける機能と、ユーザにより選択されたメンテナンス作業に関するリクエストを予約管理サーバ200へ送信する機能と、を実現する。これらの機能は、例えば、ユーザ端末300で動作するウェブブラウザ、又はユーザ端末300にインストールされるアプリケーション・プログラムによって実現される。
【0034】
記憶部303は、主記憶装置と補助記憶装置を含んで構成される。主記憶装置は、補助記憶装置に格納されているプログラムをロードするための記録領域として用いられたり、又は制御部302の演算結果等を一時的に記憶するためのバッファとして用いられたりする記憶装置である。主記憶装置は、例えば、ROM(Read Only Memory)、及びRAM(Random Access Memory)等の半導体メモリを含んで構成される。補助記憶装置は、制御部302に実行させるためのプログラム、及び制御部302がプログラムを実行する際に使用されるデータ等を格納する。補助記憶装置は、例えば、EPROM(Erasable Programmable ROM)、又はHDD(Hard Disk Drive)等を含んで構成される。補助記憶装置は、リムーバブルメディア、即ち可搬記録媒体を含んでもよい。リムーバブルメディアは、例えば、CD(Compact Disc)若しくはDVD(Digital Versatile Disc)等のようなディスク記録媒体でもよく、又はUSB(Universal Serial Bus)メモリでもよい。補助記憶
装置に格納されるプログラムには、OS(Operating System)に加え、上記したインタラクションを実現するためのアプリケーション・プログラムが含まれてもよい。なお、補助記憶装置に格納されている情報の一部又は全部は、主記憶装置に格納されてもよい。
【0035】
入出力部304は、ユーザが行った入力操作を受け付ける一方で、ユーザに対して情報を提示する。入出力部304は、例えば、タッチパネルディスプレイとその制御回路を含んで構成される。
【0036】
ユーザ端末300の構成は、
図2に示した例に限定されず、適宜構成要素の追加、変更、又は省略を行うことができる。
【0037】
次に、予約管理サーバ200について説明する。予約管理サーバ200は、第2事業者と提携している業者が提供可能なメンテナンス作業をユーザに提示し、ユーザが選択したメンテナンス作業の予約を行う装置である。予約管理サーバ200は、ユーザ端末300とのインタラクションを行うためのWebサーバを実現可能に構成されてもよい。その場合、ユーザ端末300は、ブラウザを通じてWebサーバにアクセスすることで、予約管理サーバ200を通じて予約可能なメンテナンス作業をユーザに提示することができる。また、ユーザ端末300は、ユーザが選択したメンテナンス作業に関するリクエストを、ブラウザを通じて予約管理サーバ200へ送信することができる。これにより、ユーザは、メンテナンス作業の予約を簡単に行うことができる。なお、予約管理サーバ200は、Webサーバ以外の手段によってサービスを提供してもよい。例えば、ユーザ端末300にインストールされているアプリケーション・プログラムと所定のプロトコルとによって対話するサービスを予約管理サーバ200において実行してもよい。
【0038】
上記した機能を実現する予約管理サーバ200は、汎用のコンピュータにより構成することができる。すなわち、予約管理サーバ200は、通信部201と、制御部202と、記憶部203と、を含んで構成される。
【0039】
通信部201は、予約管理サーバ200をネットワークに接続するための通信インタフェースである。例えば、通信部201は、LAN又はWi-Fi(登録商標)を通じてネットワークに接続し、ネットワークを通じて他の機器(例えば、契約管理サーバ100又はユーザ端末300)と通信する。
【0040】
制御部202は、プロセッサにより構成され、予約管理サーバ200が行う制御を司る。本例における制御部202は、予約部2021、及び送信部2022等の機能モジュールを有する。これらの機能モジュールは、記憶部203に格納されているプログラムをプロセッサが実行することで実現される。なお、これらの機能モジュールの一部又は全部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)又はFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェア回路により実現されてもよい。
【0041】
予約部2021は、前述したWebサーバを実現し、ユーザ端末300とのインタラクションを行う。例えば、予約部2021は、
図3に示すような画面を、ユーザ端末300のブラウザに表示させる。すなわち、予約部2021は、メンテナンス作業を選択するためのプルダウンメニュー(
図3中のD1)と、作業日時を選択するためのプルダウンメニュー(
図3中のD2)と、作業エリアを選択するためのプルダウンメニュー(
図3中のD3)と、
図3中のD1からD3で選択された条件に適合する業者の検索を実行するための検索ボタン(
図3中のD4)とを含む画面を、ユーザ端末300のブラウザに表示させる。
【0042】
図3に示す画面において、メンテナンス作業、作業日時、及び作業エリアが選択された
状態で検索ボタンが操作されると、予約部2021は、第2事業者と提携している業者の中から、選択された条件に適合する業者を抽出する。選択された条件に適合する業者が抽出されると、予約部2021は、
図4に示すような画面を、ユーザ端末300のブラウザに表示させる。すなわち、予約部2021は、選択された条件に適合する業者に関する情報(例えば、作業内容、料金、店名、及び住所等)が標記されたボタン(
図4中のD5)を含む画面を、ユーザ端末300のブラウザに表示させる。なお、
図4に示す例では、選択された条件に適合する業者が複数抽出された場合の画面を示している。
【0043】
図4に示す画面において、複数のボタンD5のうちの一つが選択されると、予約部2021は、
図5に示すような画面を、ユーザ端末300のブラウザに表示させる。すなわち、予約部2021は、ユーザにより選択された条件(例えば、作業内容、料金、店名、住所、及び作業日時等)を示す文字情報と、予約の実行又はキャンセルを選択するためのボタン(
図5中のD6)とを含む画面を、ユーザ端末300のブラウザに表示させる。
図5に示す画面において、キャンセルボタンが選択されると、ユーザ端末300に表示される画面が
図3又は
図4の画面に戻ってもよい。一方、
図5に示す画面において、予約ボタンが選択されると、予約部2021は、選択された業者に対する予約を行う。例えば、予約部2021は、選択された業者が使用する端末に対し、作業内容、作業日時、ユーザ情報、及び車両情報等を送信する。ユーザ情報は、ユーザの氏名、及び連絡先等を含む情報である。車両情報は、作業対象の車両1の車種、車体色、及び登録番号等を含む情報である。ユーザ情報及び車両情報は、
図3の画面が表示される前に、ユーザ情報及び車両情報の入力画面をユーザ端末300のブラウザに表示させることで、ユーザに入力させてもよい。
【0044】
予約部2021によるメンテナンス作業の予約が完了した場合、予約内容に関する情報が、予約部2021から送信部2022へ渡される。予約部2021から送信部2022へ渡される情報には、メンテナンス作業の内容、及び車両1の登録番号等が含まれる。
【0045】
送信部2022は、作業情報をサーバへ送信する。作業情報は、ユーザにより予約されたメンテナンス作業の内容、及び車両1の登録番号等が含まれる情報である。このような作業情報は、予約部2021から送信部2022へ渡される情報に基づいて生成される。送信部2022は、生成された作業情報を、通信部201を通じて契約管理サーバ100へ送信する。
【0046】
ここで、作業情報の送信は、予約されたメンテナンス作業が完了したタイミングで行われてもよい。その場合、予約されたメンテナンス作業が完了したときに、業者の端末から予約管理サーバ200へ作業完了通知が送信されるようにしてもよい。送信部2022は、作業完了通知の受信をトリガにして、上記した作業情報を契約管理サーバ100へ送信してもよい。
【0047】
記憶部203は、ユーザ端末300の記憶部303と同様に、主記憶装置と補助記憶装置とを含んで構成される。なお、補助記憶装置に格納されるプログラムには、上記した予約部2021及び送信部2022等の機能モジュールを実現するためのプログラムが含まれる。
【0048】
予約管理サーバ200の構成は、
図2に示した例に限定されず、適宜構成要素の追加、変更、又は省略が可能である。
【0049】
ここで
図2に戻り、契約管理サーバ100について説明する。契約管理サーバ100は、車両1のリース契約を管理する装置であり、予約管理サーバ200からの作業情報に基づいて、ユーザへインセンティブを提供する。斯様な契約管理サーバ100は、汎用のコ
ンピュータにより構成することができる。すなわち、契約管理サーバ100は、通信部101と、制御部102と、記憶部103と、を含んで構成される。
【0050】
通信部101は、予約管理サーバ200の通信部201と同様の通信インタフェースであり、ネットワークを通じて他の機器(例えば、予約管理サーバ200又はユーザ端末300)と通信する。
【0051】
制御部102は、予約管理サーバ200の制御部202と同様に、プロセッサにより構成され、契約管理サーバ100が行う制御を司る。本例における制御部102は、管理部1021、取得部1022、及び提供部1023等の機能モジュールを有する。これらの機能モジュールは、記憶部103に格納されているプログラムをプロセッサが実行することで実現される。なお、これらの機能モジュールの一部又は全部は、ASIC又はFPGA等のハードウェア回路により実現されてもよい。
【0052】
管理部1021は、ユーザによる所定の行為の実績を管理する。本例における所定の行為は、前述したように、予約管理サーバ200を通じて、車両1のメンテナンス作業を業者に依頼する行為である。管理部1021は、予約管理サーバ200からの作業情報に基づいて、後述の実績管理DB1032の登録内容を管理する。
【0053】
取得部1022は、後述の実績管理DB1032にアクセスして、ユーザによる所定の行為の実績を取得する。取得部1022により取得された、ユーザによる所定の行為の実績は、提供部1023へ渡される。
【0054】
提供部1023は、所定の行為の実績が所定の基準以上であるユーザに対して、インセンティブを提供する。具体的には、提供部1023は、ユーザによる所定の行為の実績が所定の基準以上であるかを判定する。その際、予約管理サーバ200を通じて洗車を依頼する行為の月間の発生回数が第1の閾値(例えば、2回から3回)以上であれば、提供部1023が、所定の行為の実績が所定の基準以上であると判定するようにしてもよい。また、予約管理サーバ200を通じてボディコ-ティングを依頼する行為の月間の発生回数が第2の閾値(例えば、1回)以上であれば、提供部1023が、所定の行為の実績が所定の基準以上であると判定するようにしてもよい。なお、予約管理サーバ200を通じて洗車を依頼する行為の月間の発生回数と、予約管理サーバ200を通じてボディコ-ティングを依頼する行為の月間の発生回数との合計が、所定の閾値(本開示に係る「第4の閾値」に相当。)以上であれば、所定の行為の実績が所定の基準以上であると判定するようにしてもよい。所定の行為の実績が所定の基準以上であると判定された場合、提供部1023は、当該ユーザに対して、インセンティブを提供する。
【0055】
提供部1023により提供されるインセンティブは、車両1のリース契約に関するものでもよい。車両1のリース契約をしているユーザは、月額の利用料金を支払う必要がある。そこで、提供部1023は、ユーザに提供されるインセンティブとして、月額の利用料金を減額してもよい。月額の利用料金の減額は、所定の行為の実績が所定の基準以上となった月の翌月においてのみ行われてもよく、又は所定の行為の実績が所定の基準以上となった月の翌月から数ヶ月の期間において行われてもよい。また、月額の利用料金の減額が行われる期間の長さは、所定の行為の内容に応じて変更されてもよい。例えば、所定の行為が洗車を依頼する行為である場合に比べ、所定の行為がボディコ-ティングを依頼する行為である場合の方が、上記の期間が長くされてもよい。また、月額の利用料金の減額度合いが、所定の行為の内容に応じて変更されてもよい。例えば、所定の行為が洗車の依頼である場合に比べ、所定の行為がボディコ-ティングの依頼である場合の方が、上記の減額度合いが大きくされてもよい。
【0056】
なお、提供部1023により提供されるインセンティブは、リース契約で課せられる制限の緩和でもよい。リース契約で課せられる制限は、例えば、月間の走行距離の上限である。月間の走行距離が上限を超えた場合、月額の利用料金に加え、追加料金がユーザに課せられる場合がある。そこで、提供部1023は、ユーザに提供されるインセンティブとして、上記した上限を延長してもよい。上記した上限の延長は、所定の行為の実績が所定の基準以上となった月の翌月においてのみ行われてもよく、又は所定の行為の実績が所定の基準以上となった月の翌月から数ヶ月の期間において行われてもよい。また、上記した上限の延長が行われる期間の長さは、所定の行為の内容に応じて変更されてもよい。例えば、所定の行為が洗車を依頼する行為である場合に比べ、所定の行為がボディコ-ティングを依頼する行為である場合の方が、上記の期間が長くされてもよい。また、上記した上限の延長度合いが、所定の行為の内容に応じて変更されてもよい。例えば、所定の行為が洗車を依頼する行為である場合に比べ、所定の行為がボディコ-ティングを依頼する行為である場合の方が、上記した上限の延長度合いが大きくされてもよい。
【0057】
また、提供部1023により提供されるインセンティブは、車両1のリース契約に関するものに限られず、車両1をモディファイする権利の付与でもよい。ここでいう「モディファイ」は、車両1の走行性能に関わる機能とは異なる機能が対象となる。斯様なモディファイには、例えば、ウィンカーの点灯方法をデフォルトの点灯方法とは異なる点灯方法に変更すること、インストルメントパネルの表示デザインをデフォルトの表示デザインとは異なる表示デザインに変更すること、車載のマルチメディア機器で再生可能なコンテンツをアップグレード(例えば、VODサービスの無償提供等)すること等が含まれる。
【0058】
なお、提供部1023により提供されるインセンティブの内容が、所定の行為の月間の発生回数に応じて変更されてもよい。例えば、月額の利用料金の減額と、月間の走行距離の上限の延長と、車両1をモディファイする権利の付与との中で、所定の行為の月間の発生回数に応じて、インセンティブの内容が変更されてもよい。
【0059】
記憶部103は、予約管理サーバ200の記憶部203と同様に、主記憶装置と補助記憶装置とを含んで構成される。なお、補助記憶装置に格納されるプログラムには、上記した管理部1021、取得部1022、及び提供部1023等の機能モジュールを実現するためのプログラムが含まれる。また、補助記憶装置には、契約管理DB1031、及び実績管理DB1032等のデータベースが構築される。契約管理DB1031と実績管理DB1032とは、プロセッサによって実行されるDBMS(Database Management System)のプログラムで構築される。詳細には、DBMSのプログラムが、補助記憶部に記憶されているデータを管理することで、契約管理DB1031及び実績管理DB1032が構築される。その際、契約管理DB1031と実績管理DB1032とは、リレーショナルデータベースとして構築されてもよい。
【0060】
契約管理DB1031は、第2事業者とリース契約を結んでいるユーザに関する情報を登録する。ここで、契約管理DB1031に登録される情報の一構成例について、
図6に基づいて説明する。
図6は、契約管理DB1031に登録される情報のテーブル構成例を示す図である。契約管理DB1031に登録されるテーブル(以下、「契約情報テーブル」と記す場合もある。)は、ユーザID、車両ID、契約期間、月額料金、及び利用制限等の各フィールドを有する。なお、
図6に示す例では、ユーザ1人分の契約情報テーブルが図示されているが、第2事業者とリース契約を結んでいるユーザが複数人である場合は、複数人分の契約情報テーブルが契約管理DB1031に登録される。また、契約情報テーブルの構成は、
図6に示す例に限定されず、適宜フィールドの追加、変更、又は削除を行うことが可能である。
【0061】
契約情報テーブルのユーザIDフィールドには、第2事業者とリース契約を結んでいる
ユーザを識別するための情報(ユーザID)が登録される。ユーザIDは、ユーザがリース契約を結んだ際に、第2事業者によって付与される。なお、ユーザIDは、ユーザの氏名又はユーザの電子メールアドレス等でもよい。車両IDフィールドには、第2事業者とリース契約を結んでいるユーザに貸与されている車両を識別するための情報(車両ID)が登録される。本例では、車両IDとして、車両1の登録番号が使用される。月額料金フィールドには、リース契約で定められた月額の利用料金が登録される。利用制限フィールドには、月間の走行距離の上限が登録される。
【0062】
次に、実績管理DB1032について説明する。実績管理DB1032は、第2事業者とリース契約を結んでいるユーザによる、所定の行為の実績に関する情報を登録する。
図7は、実績管理DB1032に登録される情報のテーブル構成例を示す図である。実績管理DB1032に登録されるテーブル(以下、「実績情報テーブル」と記す場合もある。)は、車両ID、ユーザID、及び実績等の各フィールドを有する。なお、
図7に示す例では、車両1台分の実績情報テーブルが図示されているが、リース契約により貸し出されている車両が複数台である場合は、複数台分の実績情報テーブルが実績管理DB1032に登録される。また、実績情報テーブルの構成は、
図7に示す例に限定されず、適宜フィールドの追加、変更、又は削除を行うことが可能である。
【0063】
実績情報テーブルの車両IDフィールドには、リース契約により貸し出されている車両1の車両IDが登録される。実績情報テーブルの車両IDフィールドに登録される車両IDは、前述の契約情報テーブルの車両IDフィールドに登録される車両IDと同一である。ユーザIDフィールドには、車両1が貸与されているユーザのユーザIDが登録される。実績情報テーブルのユーザIDフィールドに登録されるユーザIDは、前述の契約情報テーブルのユーザIDフィールドに登録されるユーザIDと同一である。実績フィールドには、所定の行為の実績に関する情報が登録される。本例の実績フィールドには、メンテナンス作業の内容別に、所定の行為の発生回数が登録される。メンテナンス作業の内容は、ユーザが予約管理サーバ200を通じて依頼したメンテナンス作業の内容であり、本例では洗車とボディコ-ティングとが含まれる。所定の行為の発生回数は、所定の行為の月間の発生回数である。例えば、予約管理サーバ200を通じて洗車を依頼する行為が月間で2回発生した場合は、洗車に対応する発生回数として2回/月が登録される。また、予約管理サーバ200を通じてボディコ-ティングを依頼する行為が月間で1回発生した場合は、ボディコ-ティングに対応する発生回数として1回/月が登録される。これらの発生回数は、管理部1021によって管理される。すなわち、管理部1021は、予約管理サーバ200からの作業情報を受信する都度、実績フィールドの発生回数を更新する。また、管理部1021は、月が変わる毎に、実績フィールドの発生回数をゼロにリセットする。
【0064】
なお、契約管理サーバ100の構成は、
図2に示した例に限定されず、適宜構成要素の追加、変更、又は省略が可能である。
【0065】
(処理の流れ)
ここで、契約管理サーバ100により実行される処理の流れについて、
図8及び
図9に基づいて説明する。
図8は、予約管理サーバ200からの作業情報を受信したことをトリガにして、契約管理サーバ100で実行される処理ルーチンを示すフローチャートである。また、
図9は、所定のタイミング(例えば、月が変わるタイミング)において契約管理サーバ100で実行される処理ルーチンを示すフローチャートである。なお、
図8及び
図9の処理ルーチンの実行主体は、契約管理サーバ100の制御部102(プロセッサ)であるが、ここでは契約管理サーバ100の機能モジュールを主体として説明を行う。
【0066】
先ず、
図8において、予約管理サーバ200からの作業情報を、契約管理サーバ100
の通信部101が受信すると(ステップ101)、管理部1021が、作業情報に含まれる登録番号を引数として、実績管理DB1032へアクセスすることで、メンテナンス作業の対象となる車両1の実績情報テーブルを特定する(ステップ102)。管理部1021は、ステップ102の処理を実行し終えると、ステップ103の処理を実行する。
【0067】
ステップ103では、管理部1021が、ステップ102で特定された実績情報テーブルにおいて、所定の行為の発生回数を更新する。具体的には、管理部1021は、作業情報に基づいて、ユーザにより予約されたメンテナンス作業の内容を特定する。続いて、管理部1021は、実績情報テーブルの実績フィールドにおいて、特定されたメンテナンス作業の内容に対応する発生回数を、1回分インクリメントする。例えば、ユーザが予約管理サーバ200を通じて依頼したメンテナンス作業の内容が洗車であれば、管理部1021は、洗車に対応する発生回数を1回分インクリメントする。また、ユーザが予約管理サーバ200を通じて依頼したメンテナンス作業の内容がボディコ-ティングであれば、管理部1021は、ボディコ-ティングに対応する発生回数を1回分インクリメントする。ステップ103の処理が実行された後は、本処理ルーチンの実行が終了される。
【0068】
次に、
図9において、所定のタイミングで、契約管理サーバ100の取得部1022が、第2事業者とリース契約を結んでいるユーザによる、所定の行為の実績を取得する(ステップ201)。具体的には、取得部1022は、実績管理DB1032にアクセスすることで、実績情報テーブルの実績フィールドに登録されている、メンテナンス作業の内容別の発生回数を読み出す。メンテナンス作業の内容別の発生回数は、取得部1022から提供部1023へ渡される。
【0069】
提供部1023は、メンテナンス作業の内容別の発生回数を受け取ったことをトリガにして、ステップ202の処理を実行する。ステップ202では、提供部1023は、メンテナンス作業の内容別の発生回数のうち、ユーザが予約管理サーバ200を通じて洗車を依頼する行為の月間の発生回数(
図9中のNwm)が第1の閾値(
図9中のThre1)以上であるかを判定する。上記の発生回数Nwmが第1の閾値Thre1未満である場合(ステップ202で否定判定)、提供部1023は、ステップ203の処理を実行する。
【0070】
ステップ203では、提供部1023は、メンテナンス作業の内容別の発生回数のうち、ユーザが予約管理サーバ200を通じてボディコ-ティングを依頼する行為の月間の発生回数(
図9中のNcm)が第2の閾値(
図9中のThre2)以上であるかを判定する。上記の発生回数Ncmが第2の閾値Thre2未満である場合(ステップ203で否定判定)、本処理ルーチンの実行が終了される。
【0071】
また、上記の発生回数Nwmが第1の閾値Thre1以上である場合(ステップ202で肯定判定)、及び上記の発生回数Ncmが第2の閾値Thre2以上である場合(ステップ202で肯定判定)は、提供部1023が、ステップ204の処理を実行する。
【0072】
ステップ204では、提供部1023は、ユーザに対してインセンティブを提供する。例えば、提供部1023は、リース契約に関する月額の利用料金の減額、月間の走行距離の上限の延長、又は車両1をモディファイする権利の付与等を行う。インセンティブの提供が月額の利用料金の減額である場合、提供部1023は、翌月又は翌月から数ヶ月の間における月額の利用料金を減額してもよい。例えば、契約情報テーブルの月額料金フィールドに登録されている金額に基づいて、ユーザに対する請求が行われる場合、提供部1023は、契約情報テーブルの月額料金フィールドに登録されている金額を減額してもよい。また、インセンティブの提供が月間の走行距離の上限の延長である場合、提供部1023は、翌月又は翌月から数ヶ月の間において、月間の走行距離が上限を超過しても、その超過分が延長分の範囲内であれば、追加料金が発生しないようにしてもよい。例えば、提
供部1023は、契約情報テーブルの利用制限フィールドに登録されている、月間の走行距離の上限を延長してもよい。また、インセンティブの提供が車両1をモディファイする権利の付与である場合、提供部1023は、車両1のモディファイを無償で受けられるクーポンを、ユーザ端末300に送信してもよい。
【0073】
なお、第2事業者とリース契約を結んでいるユーザが複数人である場合は、複数人のユーザの各々について、
図9の処理ルーチンが実行される。
【0074】
以上述べた実施形態によれば、リースサービスを利用中のユーザによる所定の行為の実績が所定の基準以上になると、該ユーザに対してインセンティブが提供される。これにより、所定の行為の実績を所定の基準以上にする意欲を、リースサービスを利用中のユーザに喚起することができる。所定の行為は、車両1の商品価値を維持するための行為であるため、所定の行為の実績を所定の基準以上にする意欲をユーザに喚起することができれば、リース契約期間中における車両1の商品価値の低下を抑えることが可能になる。
【0075】
<変形例1>
前述の実施形態では、所定の行為として、ユーザが、予約管理サーバ200を通じて、業者に洗車又はボディコ-ティングを依頼する行為を例示した。これに対し、ユーザ自身が、車両1を洗車する行為、又は車両1のボディコ-ティングを施工する行為を、所定の行為としてもよい。
【0076】
ユーザ自身が、車両1を洗車する行為、又は車両1のボディコ-ティングを施工する行為の発生は、車載カメラで撮影された画像を解析することで、判定されてもよい。例えば、ドライブレコーダ等のように、車両1の周囲を撮影可能なカメラが車両1に搭載されている場合、当該カメラで撮影された画像が、定期的に車両1から契約管理サーバ100へ送信されるようにしてもよい。契約管理サーバ100は、車両1から受信した画像を解析することで、車両1を洗車する行為、又は車両1のボディコ-ティングを施工する行為が発生したかを判定してもよい。車両1を洗車する行為、又は車両1のボディコ-ティングを施工する行為が発生したと判定した場合、契約管理サーバ100は、実績情報テーブルの実績フィールドに登録されている発生回数を更新してもよい。そして、所定の行為の実績が所定の基準以上であれば、契約管理サーバ100が、ユーザに対してインセンティブを提供してもよい。
【0077】
本変形例によれば、所定の行為の実績を所定の基準以上にするためのコストを抑えることができるため、インセンティブの提供によるユーザの恩恵を大きくすることができる。その結果、所定の行為の実績を所定の基準以上にする意欲が、より一層喚起されやすい。
【0078】
<変形例2>
前述の実施形態では、所定の行為として、ユーザが、予約管理サーバ200を通じて、業者に洗車又はボディコ-ティングを依頼する行為を例示した。これに対し、車両1のボディの損傷を回避するための行為を、所定の行為としてもよい。
【0079】
ボディの損傷を抑制するために有効な方法の一つは、車両1を公共の駐車場等に駐車する際に、他の車両等により車両1が傷つけられにくい場所に駐車することである。他の車両等により車両1が傷つけられにくい場所は、例えば、公共の駐車場のうちで、駐車密度が低い場所である。そこで、公共の駐車場に車両1を駐車する際に、駐車密度の低い場所に駐車する行為を、所定の行為としてもよい。
【0080】
公共の駐車場において駐車密度の低い場所に車両1を駐車する行為の発生は、車載カメラで撮影された画像を解析することで、判定されてもよい。また、所定の行為の実績が所
定の基準以上であるかの判定は、車両1を公共の駐車場に駐車する行為の発生回数(以下、「第1の発生回数」と記す場合もある。)に対する、公共の駐車場において駐車密度の低い場所に車両1を駐車する行為の発生回数(以下、「第2の発生回数」と記す場合もある。)の割合に基づいて行われてもよい。例えば、第1の発生回数に対する第2の発生回数の割合が第3の閾値(例えば、6割から7割)以上であれば、契約管理サーバ100が、所定の行為の実績が所定の基準以上であると判定するようにしてもよい。
【0081】
本変形例によれば、公共の駐車上において駐車密度の低い場所に車両1を駐車する意欲を、ユーザに喚起することができる。それにより、リース契約期間中に車両1のボディが傷つくリスクを低く抑えることができる。その結果、リース契約期間中における車両1の商品価値の低下を抑えることが可能になる。
【0082】
<その他>
上記した実施形態及び変形例はあくまでも一例であって、本開示はその要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施し得る。例えば、契約管理サーバ100で行われる処理の一部又は全部が、予約管理サーバ200で行われてもよい。また、予約管理サーバ200で行われる処理の一部又は全部が、契約管理サーバ100で行われてもよい。
【0083】
また、本開示において説明した処理及び手段は、技術的な矛盾が生じない限りにおいて、自由に組み合わせて実施することができる。例えば、実施形態と変形例1-2は、可能な限り組み合わせて実施することができる。さらに、1つの装置が行うものとして説明した処理が、複数の装置によって分担して実行されてもよい。あるいは、異なる装置が行うものとして説明した処理が、1つの装置によって実行されても構わない。コンピュータシステムにおいて、各機能をどのようなハードウェア構成で実現するかは柔軟に変更可能である。
【0084】
また、本開示は、上記の実施形態で説明した機能を実装したコンピュータプログラム(情報処理プログラム)をコンピュータに供給し、当該コンピュータが有する1つ以上のプロセッサがプログラムを読み出して実行することによっても実現可能である。このようなコンピュータプログラムは、コンピュータのシステムバスに接続可能な非一時的なコンピュータ可読記憶媒体によってコンピュータに提供されてもよく、又はネットワークを介してコンピュータに提供されてもよい。非一時的なコンピュータ可読記憶媒体は、データ及びプログラム等の情報を電気的、磁気的、光学的、機械的、又は化学的作用によって蓄積し、コンピュータ等から読み取ることができる記録媒体である。斯様な記録媒体としては、例えば、磁気ディスク(フロッピー(登録商標)ディスク、又はHDD等)、光ディスク(CD-ROM、DVDディスク、又はブルーレイディスク等)等の任意のタイプのディスクを例示することができる。また、記録媒体は、ROM、RAM、EPROM、EEPROM、磁気カード、フラッシュメモリ、光学式カード、又はSSD(Solid State Drive)等の媒体でもよい。
【符号の説明】
【0085】
1 車両
100 契約管理サーバ
101 通信部
102 制御部
1021 管理部
1022 取得部
1023 提供部
103 記憶部
1031 契約管理DB
1032 実績管理DB
200 予約管理サーバ
201 通信部
202 制御部
2021 予約部
2022 送信部
203 記憶部