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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022018942
(43)【公開日】2022-01-27
(54)【発明の名称】マッサージ具
(51)【国際特許分類】
   A61H 15/00 20060101AFI20220120BHJP
【FI】
A61H15/00 310D
A61H15/00 310C
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020122403
(22)【出願日】2020-07-16
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2020-12-09
(71)【出願人】
【識別番号】520265033
【氏名又は名称】高橋 結
(74)【代理人】
【識別番号】100161355
【弁理士】
【氏名又は名称】野崎 俊剛
(72)【発明者】
【氏名】高橋 結
【テーマコード(参考)】
4C100
【Fターム(参考)】
4C100AE01
4C100AE11
4C100AE13
4C100AF06
4C100BB01
4C100CA01
4C100DA08
4C100DA10
(57)【要約】
【課題】腕や脚など大きな筋肉のある筋膜リリースの際に加わる大きな力に対してもローラーの角度を固定することができ、作業効率を向上させることができるマッサージ具を提供すること。
【解決手段】マッサージ具10は、アーム20L、20Rの先端部に設けられローラー11を回転可能に支持すると共にローラー11の角度を調整する角度調整機構30と、角度調整機構30で調整されたローラー11の角度を固定する角度固定機構40と、を備えている。一対のアーム20L、20Rのそれぞれのローラー11の接触面12が対向可能に、且つローラー11の回転軸35をアーム20L、20Rの長手方向に向けることが可能に、ローラー11の角度を調整可能である。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マッサージ対象部に接触するローラーを備えたマッサージ具であって、
全体でU字状に形成された一対のアームと、
前記一対のアームを互いに揺動可能に支持する支持部と、
前記アームの先端部に設けられ前記ローラーを回転可能に支持すると共に前記ローラーの角度を調整する角度調整機構と、
前記角度調整機構で調整された前記ローラーの角度を固定する角度固定機構と、を備え、
前記一対のアームのそれぞれの前記ローラーの接触面が対向可能に、且つ前記ローラーの回転軸を前記アームの長手方向に向けることが可能に、前記ローラーの角度を調整可能であることを特徴とするマッサージ具。
【請求項2】
請求項1記載のマッサージ具であって、
前記角度調整機構は、前記アームの先端部に設けられた角度調整用軸と、前記角度調整用軸に回転可能に設けられた回転部材と、前記回転部材に設けられ前記ローラーを回転可能に支持するローラー支持部と、を備え、
前記角度固定機構は、円形状に形成された前記回転部材の外周部に所定の間隔で設けられた切欠き部と、前記アームにスライド可能に設けられ前進されることで前記切欠き部に進入するスライド部材と、を備えていることを特徴とするマッサージ具。
【請求項3】
請求項1記載のマッサージ具であって、
前記角度調整機構は、前記アームの先端部に設けられたボルトと、前記ボルトに回転可能に設けられた回転部材と、前記回転部材に設けられ前記ローラーを回転可能に支持するローラー支持部と、を備え、
前記角度固定機構は、前記アームの先端部に固定され円板状に形成されたアーム側円板部材と、前記アーム側円板部材の一面に放射状に凹凸が延びるように形成されたアーム側凹凸部と、前記アーム側円板部材に対向するように配置され円板状に形成された前記回転部材と、前記回転部材の一面に放射状に凹凸が延びるように形成されると共に前記アーム側凹凸部と噛み合う回転部材側凹凸部と、前記アーム側円板部材及び前記回転部材の中心に挿通された前記ボルトに締付可能なナットと、を備えていることを特徴とするマッサージ具。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか1項記載のマッサージ具であって、
前記一対のアームを閉じ方向に付勢する弾性部材を備えていることを特徴とするマッサージ具。
【請求項5】
請求項4記載のマッサージ具であって、
前記弾性部材によって付勢する強さを調整可能な付勢強さ調整機構を備えていることを特徴とするマッサージ具。
【請求項6】
請求項5項記載のマッサージ具であって、
前記弾性部材は、引張ばねであり、
前記付勢強さ調整機構は、前記一対のアームの一方に一端が接続された前記引張ばねと、前記引張ばねの他端に接続され移動可能に設けられた係止部材と、前記一対のアームの他方にこのアームの長手方向に所定の間隔を開けて形成され前記係止部材を係止する複数の係止凹部と、を備えていることを特徴とするマッサージ具。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれか1項記載のマッサージ具あって、
前記アームの長さを調整可能なアーム長さ調整機構を備えていることを特徴とするマッサージ具。
【請求項8】
請求項7項記載のマッサージ具あって、
前記アームは、前記支持部側から延びている基端側アームと、この基端側アームに進退可能に設けられた進退アームとを備え、
前記アーム長さ調整機構は、前記基端側アームに形成され前記進退アームを進退可能に収納するガイド部と、前記進退アームにZ字状の凹部が連続するように形成されたノコギリ溝と、前記基端側アームの側部に貫通するように形成されたスイッチ用貫通孔と、前記スイッチ用貫通孔に移動可能に配置され移動することで前記ノコギリ溝に係止される係止スイッチと、前記係止スイッチを解除側に付勢するスイッチ用付勢部材と、を備えていることを特徴とするマッサージ具。
【請求項9】
請求項1から請求項8のいずれか1項記載のマッサージ具あって、
前記ローラーの接触面は、断面視で鋭角に形成されていることを特徴とするマッサージ具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アームに回転可能にローラーが設けられたにマッサージ具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、人の腕や脚をマッサージする際、アームに回転可能に設けられたローラーを、腕や脚のマッサージ対象部に押し付けながらマッサージすることがある。このようなローラー付きマッサージ具が知られている。
【0003】
特許文献1のマッサージ具は、U字状のはさみ(以下、アームという)の中央部に、アームの先端側が閉じるように働くバネを設け、アームの両端には、アームが閉じた状態において先端側が互いに離れる方向に曲げた湾曲した取手を設け、U字状のアームの側面には、外周部に凹凸が形成されたローラーを設けたマッサージ具である。
【0004】
マッサージ具の中央部や取手を持ち、脚などのマッサージ対象部にローラーを接触させて移動させることで、筋肉が押しほぐされてマッサージされる。
【0005】
ところで近年、マッサージにおいて筋肉に対して点で押しほぐすことや、筋肉を伸ばすストレッチだけでなく、筋膜にアプローチする筋膜リリースが注目されている。筋膜リリースは、体の外部から皮下組織の筋膜の境目の位置を見極めて、筋膜の境目の位置から筋膜リリースの作業を行う必要があることから、理学療法士、作業療法士などのマッサージに従事する者により、筋膜リリースが行われることもある。
【0006】
しかし、特許文献1のマッサージ具は、アームの長手方向に沿ってローラーが回転するように配置されているため、例えば脚の筋膜リリースを行う際、アームの長手方向を脚の伸び方向に沿って斜めに倒して使用する必要があり、ローラーを筋膜の境目に当て難い。仮に、ローラーを筋膜の境目に当てたとしても、マッサージ具を移動させると筋膜の境目に沿ってローラーを回転させることができず、筋膜リリースの作業がやり難い。
【0007】
この点、ローラーの角度を変えることができる美容マッサージ器が開示されている。特許文献2の美容マッサージ器は、二本のハンドル(以下、アームという)の先端部にローラーが取り付けられており、ローラーの取付け角度を変えるための角度変位手段が設けられている。この角度変位手段は、ローラー側に支持されるローラーホイールと、アーム側に支持されるシャフト受けと、このシャフト受けとローラーホイールとを角度調整自在に連結するシャフトとを備えており、一定の角度でローラーを保持できるように、シャフトに設けたロック用突起が、シャフト受けに設けたロック孔に嵌合するいわゆるクリック機構のような構成のロック機構(特許文献2の図中に図示されず)が付設されている。
【0008】
しかし、特許文献2の美容マッサージ器は、腕や脚など大きな筋肉のある筋膜リリース用ではなく、主に顔などの肌の活性化や血行を促進することが目的であるため、ロック用突起の嵌合力に抗してシャフトに力が加わると、ロック孔からロック用突起が抜け出してローラーの角度が回動して変わってしまう。このため、腕や脚など大きな筋肉のある筋膜リリースの際に加わる大きな力では、ローラーの角度が維持できない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2002-19173号公報
【特許文献2】登録実用新案第3123693号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、以上の点に鑑み、腕や脚など大きな筋肉のある筋膜リリースの際に加わる大きな力に対してもローラーの角度を固定することができ、作業効率を向上させることができるマッサージ具を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
[1]マッサージ対象部に接触するローラーを備えたマッサージ具であって、
全体でU字状に形成された一対のアームと、
前記一対のアームを互いに揺動可能に支持する支持部と、
前記アームの先端部に設けられ前記ローラーを回転可能に支持すると共に前記ローラーの角度を調整する角度調整機構と、
前記角度調整機構で調整された前記ローラーの角度を固定する角度固定機構と、を備え、
前記一対のアームのそれぞれの前記ローラーの接触面が対向可能に、且つ前記ローラーの回転軸を前記アームの長手方向に向けることが可能に、前記ローラーの角度を調整可能であることを特徴とする。
【0012】
かかる構成によれば、マッサージ具は、ローラーの角度を調整する角度調整機構を備え、一対のアームのそれぞれのローラーの接触面が対向可能に、且つローラーの回転軸をアームの長手方向に向けることが可能に、ローラーの角度を調整可能であるので、腕や脚などの長手方向に筋肉が伸びるマッサージ対象部に対して、筋膜に沿ってローラーが食い込んで回転するようにローラーの角度を調整でき、筋膜リリースの作業効率を向上させることができる。さらに、マッサージ具は、角度調整機構で調整されたローラーの角度を固定する角度固定機構を備えているので、腕や脚など大きな筋肉のある筋膜リリースの際に加わる大きな力に対してもローラーの角度を固定することができ、作業効率を向上させることができる。
【0013】
[2]好ましくは、前記角度調整機構は、前記アームの先端部に設けられた角度調整用軸と、前記角度調整用軸に回転可能に設けられた回転部材と、前記回転部材に設けられ前記ローラーを回転可能に支持するローラー支持部と、を備え、
前記角度固定機構は、円形状に形成された前記回転部材の外周部に所定の間隔で設けられた切欠き部と、前記アームにスライド可能に設けられ前進されることで前記切欠き部に進入するスライド部材と、を備えている。
【0014】
かかる構成によれば、角度固定機構は、円形状に形成された回転部材の外周部に所定の間隔で設けられた切欠き部と、アームにスライド可能に設けられ前進されることで切欠き部に進入するスライド部材と、を備えている。このため、従来技術のようなクリック機構とは異なり、本発明の実施例ではスライド部材を回転部材の切欠き部に前進させることで、回転部材に大きな力が加わっても回転部材が回転することなく、簡単な機構で腕や脚など大きな筋肉のある筋膜リリースの際に加わる大きな力に対してもローラーの角度を固定することができ、作業効率を向上させることができる。
【0015】
[3]好ましくは、前記角度調整機構は、前記アームの先端部に設けられたボルトと、前記ボルトに回転可能に設けられた回転部材と、前記回転部材に設けられ前記ローラーを回転可能に支持するローラー支持部と、を備え、
前記角度固定機構は、前記アームの先端部に固定され円板状に形成されたアーム側円板部材と、前記アーム側円板部材の一面に放射状に凹凸が延びるように形成されたアーム側凹凸部と、前記アーム側円板部材に対向するように配置され円板状に形成された前記回転部材と、前記回転部材の一面に放射状に凹凸が延びるように形成されると共に前記アーム側凹凸部と噛み合う回転部材側凹凸部と、前記アーム側円板部材及び前記回転部材の中心に挿通された前記ボルトに締付可能なナットと、を備えている。
【0016】
かかる構成によれば、角度固定機構は、アーム側円板部材と、アーム側円板部材の一面に放射状に凹凸が延びるように形成されたアーム側凹凸部と、回転部材と、回転部材の一面に放射状に凹凸が延びるように形成されると共にアーム側凹凸部と噛み合う回転部材側凹凸部と、を備えている。ボルトにナットを締め付けることで、アーム側円板部材と回転部材が挟み込まれてアーム側凹凸部と回転部材側凹凸部とが噛み合った状態となるので、回転部材に大きな力が加わっても回転部材が回転することなく、簡単な機構で腕や脚など大きな筋肉のある筋膜リリースの際に加わる大きな力に対してもローラーの角度を固定することができ、作業効率を向上させることができる。
【0017】
[4]好ましくは、前記一対のアームを閉じ方向に付勢する弾性部材を備えている。
【0018】
かかる構成によれば、弾性部材により一対のアームが閉じ方向に付勢されるので、片手でアームを持つだけで、ローラーで腕や脚のマッサージ対象部を挟んで押し付けることができ、筋膜リリースの作業効率を向上させることができる。
【0019】
[5]好ましくは、前記弾性部材によって付勢する強さを調整可能な付勢強さ調整機構を備えている。
【0020】
かかる構成によれば、弾性部材によって付勢する強さを調整可能な付勢強さ調整機構を備えているので、腕や脚などのマッサージ対象部によって、適切な付勢強さに調整することができ、筋膜リリースの作業効率を向上させることができる。
【0021】
[6]好ましくは、前記弾性部材は、引張ばねであり、
前記付勢強さ調整機構は、前記一対のアームの一方に一端が接続された前記引張ばねと、前記引張ばねの他端に接続され移動可能に設けられた係止部材と、前記一対のアームの他方にこのアームの長手方向に所定の間隔を開けて形成され前記係止部材を係止する複数の係止凹部と、を備えている。
【0022】
かかる構成によれば、一対のアームの一方に一端が接続された引張ばねに係止部材を設け、一対のアームの他方にこのアームの長手方向に所定の間隔を開けて複数の係止凹部を形成しただなので、付勢強さ調整機構を簡単な構成とすることができる。さらに、係止部材を異なる位置の係止凹部に係止するだけで、適切な付勢強さを調整することができ、筋膜リリースの作業効率を向上させることができる。
ことができる。
【0023】
[7]好ましくは、前記アームの長さを調整可能なアーム長さ調整機構を備えている。
【0024】
かかる構成によれば、かかる構成によれば、アームの長さを調整可能なアーム長さ調整機構を備えているので、腕や脚などのマッサージ対象部によって、適切なアーム長さに調整することができ、筋膜リリースの作業効率を向上させることができる。
【0025】
[8]好ましくは、前記アームは、前記支持部側から延びている基端側アームと、この基端側アームに進退可能に設けられた進退アームとを備え、
前記アーム長さ調整機構は、前記基端側アームに形成され前記進退アームを進退可能に収納するガイド部と、前記進退アームにZ字状の凹部が連続するように形成されたノコギリ溝と、前記基端側アームの側部に貫通するように形成されたスイッチ用貫通孔と、前記スイッチ用貫通孔に移動可能に配置され移動することで前記ノコギリ溝に係止される係止スイッチと、前記係止スイッチを解除側に付勢するスイッチ用付勢部材と、を備えている。
【0026】
かかる構成によれば、アーム長さ調整機構は、基端側アームに形成されたガイド部と、進退アームに形成されたノコギリ溝と、基端側アームのスイッチ用貫通孔に移動可能に配置された係止スイッチと、係止スイッチを解除側に付勢するスイッチ用付勢部材と、備えているので、アーム長さ調整機構を簡単な構成とすることができる。さらに、一方の手でアームを持ちつつ、他方の手で係止スイッチを解除してアームを適切な長さに調整することができ、筋膜リリースの作業効率を向上させることができる。
【0027】
[9]好ましくは、ローラーの接触面は、断面視で鋭角に形成されている。
【0028】
かかる構成によれば、筋肉と筋肉の間に、外部からローラーを食い込ませ易くでき、適切に筋膜を持ち上げて筋膜リリースの作業性を向上させることができる。
【発明の効果】
【0029】
腕や脚など大きな筋肉のある筋膜リリースの際に加わる大きな力に対してもローラーの角度を固定することができ、作業効率を向上させることができるマッサージ具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】本発明の実施例に係るマッサージ具の正面図である。
図2図1のマッサージ具の左側面図である。
図3】本発明の実施例に係るアーム長さ調整機構の説明図である。
図4】別態様の実施例に係る角度調整機構及び角度固定機構の分解斜視図である。
図5】脚の筋膜リリース作業の作用図である。
図6】比較例に係るマッサージ具の作用図と、実施例に係るマッサージ具の作用図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、作用図は、マッサージ具を概念的(模式的)に示すものとする。
【実施例0032】
図1に示されるように、マッサージ具10は、例えば脚などのマッサージ対象部70(図5参照)にローラー11を接触させて筋繊維71(図6参照)を覆う筋膜72をリリースするのに好適な道具である。
【0033】
マッサージ具10は、全体でU字状に形成された一対のアーム20L、20R(Lは左、Rは右の部材を示す)と、一対のアーム20L、20Rを互いに揺動可能に支持する支持部21と、アーム20L、20Rの先端部に設けられローラー11を回転可能に支持すると共にローラー11の角度を調整する角度調整機構30と、角度調整機構30で調整されたローラー11の角度を固定する角度固定機構40と、を備えている。
【0034】
また、マッサージ具10は、一対のアーム20L、20Rを閉じ方向に付勢する弾性部材51と、この弾性部材51によって付勢する強さを調整可能な付勢強さ調整機構50と、アーム20L、20Rの長さを調整可能なアーム長さ調整機構60と、を備えている。
【0035】
次に角度調整機構30について説明する。
図1図2に示されるように、角度調整機構30は、アーム20L、20Rの先端部に設けられた角度調整用軸31と、この角度調整用軸31に回転可能に設けられた円形状の回転部材32と、この回転部材32に設けられローラー11を回転可能に支持するローラー支持部34と、を備えている。詳細には、ローラー支持部34は本体部分がU字状を呈し、このU字状の本体部分に回転軸35が設けられ、この回転軸35にローラー11が回転可能に支持されている。
【0036】
また、角度調整機構30は、ローラー11を任意の角度に調整した際、その任意の角度でローラー11を仮留めできるように、アーム20L、20Rの先端部であって回転部材32と重なる部分(回転部材32の裏面と対応する面)に、弾性を有する爪状の突起(不図示)又は付勢部材によって回転部材32の裏側に付勢される突起(不図示)を設け、回転部材32の裏側に所定の間隔で環状に配置した複数の凹部(不図示)のいずれかに突起が係止されるいわゆるクリック機構の構成を備えてもよい。ローラー11の角度の固定とは異なり、この仮留めの係止が外れる程度の外力が回転部材32加わった場合は、回転部材32が回転してローラー11の角度が変更される。
【0037】
このように、角度調整機構30によって、一対のアーム20L、20Rのそれぞれのローラー11、11の接触面12、12が対向可能に、且つローラー11、11の回転軸35、35をアーム20L、20Rの長手方向に向けることが可能に、ローラー11、11の角度を調整可能である。
【0038】
次に角度固定機構40について説明する。
角度固定機構40は、円形状に形成された回転部材32の外周部に所定の間隔で設けられた複数の切欠き部33と、アーム20L、20Rにスライド可能に設けられ前進されることで切欠き部33に進入するスライド部材41と、を備えている。
【0039】
スライド部材41が回転部材32のいずれかの切欠き部33に前進されることで、回転部材32の回転方向には移動できないスライド部材41によって、回転部材32の回転が制限される。従来技術や前述した仮留めとは異なり、本発明の実施例では、腕や脚など大きな筋肉のある筋膜リリースの際に必要となる大きな力がローラー11を介して回転部材32に加わっても、角度固定機構40により回転部材32の回転が完全に制限される。このため、筋膜72(図5図6(e)参照)にローラー11を食い込ませて持ち上げ、筋膜リリースの作業効率を向上させることができる。
【0040】
次に付勢強さ調整機構50について説明する。
弾性部材51は、引張ばね(以下、引張ばね51という)である。付勢強さ調整機構50は、一対のアーム20L、20Rの一方(アーム20R)に一端が接続された引張ばね51と、引張ばね51の他端に接続され移動可能に設けられた係止部材52と、一対のアーム20L、20Rの他方(アーム20L)にこのアーム20Lの長手方向に所定の間隔を開けて形成され係止部材52を係止する複数の係止凹部55と、を備えている。
【0041】
係止部材52は、係止凹部55の幅(アーム20Lの厚み)よりも長い係止ピン53と、手で摘まんで持ち上げる摘み部54と、を備えている。係止部材52を支持部21に近い係止凹部55に係止することで、付勢強さが弱くなる。係止部材52を支持部21から遠い係止凹部55に係止することで、付勢強さが強くなる。実施例の付勢強さ調整機構50は、てこの原理を利用したもので、引張ばね51を変更することなく、付勢強さを変更することができる。さらに、摘み部54があることにより、手で容易に係止部材52を移動させ、付勢強さを容易に変更することができる。
【0042】
なお、実施例では付勢強さ調整機構50の弾性部材51を引張ばねとしたが、これに限定されず、弾性部材51をトーションばねとして、このトーションばねを異なる付勢力のものに変えることで付勢強さを調整するものとしてもよい。
【0043】
次にアーム20L、20Rについて説明する。
アーム20Lは、支持部21の反対側に延びるハンドル22Lが一体的に設けられている。アーム20Rは、支持部21の反対側に延びるハンドル22Rが一体的に設けられている。全体でU字状のアーム20L、20Rは、支持部21で一つになるように支持されてから、交差することなくハンドル22L、22Rが互いに離れる方向に湾曲しつつ延びている。アーム22L、22Rは、断面視で矩形状に形成されている。
【0044】
このため、手でハンドル22L、22Rを持ち、ハンドル22L、22Rを近づけるように力を加えて握ると、弾性部材51の付勢力に抗してアーム20L、20Rの先端部側が開く。これにより、一対のローラー11がマッサージ対象部70(図5参照)を挟む力を緩めて調整することができる。また、アーム20L、20Rの支持部21より先端側を手で持ちつつ力を加えて握ることで、弾性部材51の付勢力に加えてアーム20L、20Rが閉じる方向に付勢される。
【0045】
なお、実施例では、支持部21から交差することなくハンドル22L、22Rが互いに離れる方向に延びているが、反対に、支持部21で交差してからハンドル22L、22Rが互いに離れる方向に延びていてもよい。この場合、手でハンドル22L、22Rを持ち、ハンドル22L、22Rを近づけるように力を加えて握ると、弾性部材51の付勢力に加えてアーム20L、20Rが閉じる方向に付勢される、マッサージ具10全体を移動させつつ、且つ不勢力を容易に調整することができる。
【0046】
次にアーム長さ調整機構60について説明する。なお、左のアーム20Lのアーム長さ調整機構60と、右のアーム20Rのアーム長さ調整機構60は構成が同様のため、左のアーム20Lのアーム長さ調整機構60についてのみ説明し、右のアーム20Rのアーム長さ調整機構の説明は省略する。
【0047】
図1図3に示されるように、アーム20Lは、支持部21側から延びている基端側アーム22と、この基端側アーム23に進退可能に設けられた進退アーム24とを備えている。基端側アーム23に進退アーム24が進退する部分において、基端側アーム23と進退アーム24の曲率を等しくすることで、全体として湾曲したアーム20Lとなる。なお、実施例では、アーム20Lを部分的に所定の曲率で湾曲させたが、これに限定されず、異なる曲率でもよく、さらには、湾曲のない直線的なアーム20Lとしてもよい。
【0048】
アーム長さ調整機構60は、基端側アーム23に形成され進退アーム24を進退可能に収納するガイド部61と、進退アーム24にZ字状の凹部が連続するように稲妻形に形成されたノコギリ溝62と、基端側アーム23の側部に貫通するように形成されたスイッチ用貫通孔63と、スイッチ用貫通孔63に移動可能に配置され移動することでノコギリ溝62に係止される係止スイッチ64と、係止スイッチ64を解除側に付勢するスイッチ用付勢部材65と、を備えている。
【0049】
図3の(A)は図2の3A-3A線断面図であり、ノコギリ溝62に係止スイッチ64の爪64aが入るように配置され、図左右の係止スイッチ64、64の間にスイッチ用付勢部材65が配置され、蓋部材25で覆われている。図3の(B)は、図3の(A)のB-B線断面図であり、ノコギリ溝62の傾斜面62aと係止面62bは、図左側と図右側とで互い違いに向きとなるように配置されている。このため、一方(図右側)の係止スイッチ64のみを解除すると、進退アーム24を後退側(アーム20Lを縮める)に移動させることができる。逆に、他方(図左側)の係止スイッチ64のみを解除すると、進退アーム24を前進側(アーム20Lを伸ばす)に移動させることができる。
【0050】
図3の(C)は図3の(A)のC-C線断面図であり、係止スイッチ64がスイッチ用貫通孔63に移動可能に配置されている。係止スイッチ64は、進退アーム24の進退方向への移動は制限されている。
【0051】
図3の(D)は、進退アーム24のノコギリ溝62が配置された部分の斜視図である。ノコギリ溝62の傾斜面62aと係止面62bは、複数連続するように形成されている。図3の(E)は、スイッチ用係止部材64、64であり、その先端部には爪64a、64aが形成されている。
【0052】
次に別態様に係る角度調整機構30及び角度固定機構40について説明する。
図4に示されるように、別態様の角度調整機構30は、アーム20Lの先端部に設けられたボルト36と、このボルト36に回転可能に設けられた回転部材32と、この回転部材32に設けられローラー11を回転可能に支持するローラー支持部34と、を備えている。なお、アーム20Lを断面視で円形状に形成してもよい。
【0053】
別態様の角度固定機構40は、アーム20Lの先端部に固定され円板状に形成されたアーム側円板部材42と、このアーム側円板部材42の一面に放射状に凹凸が延びるように形成されたアーム側凹凸部43と、アーム側円板部材42に対向するように配置され円板状に形成された回転部材32と、この回転部材の一面に放射状に凹凸が延びるように形成されると共にアーム側凹凸部43と噛み合う回転部材側凹凸部37と、アーム側円板部材42及び回転部材32の中心に挿通されたボルト36に締付可能なナット44と、を備えている。なお、ナット44を蝶ナットとしてもよい。ナット44を蝶ナットとすることで、手で容易に締付と緩めを行うことができる。
【0054】
ボルト36からナット44を緩めてローラー11の角度に合わせて回転部材32を回転させ、ボルト36にナット44を締め付ける。すると、アーム側円板部材42と回転部材32が挟み込まれてアーム側凹凸部43と回転部材側凹凸部37とが噛み合った状態となるので、回転部材32に大きな力が加わっても回転部材32の回転が制限される。
【0055】
次にローラー11の形状について説明する。
図1図2図6の(f)に示されるように、ローラー11の接触面12は、断面視で鋭角に形成されている。また、図4に示されるように、ローラー11の接触面12に凹凸(複数の凸部)を形成してもよい。なお、実施例では、ローラー11の接触面12は、断面視で鋭角に形成したが、これに限定されず、図6(c)に示されるように、ローラー11の接触面12を、断面視で円弧状に形成してもよい。また、アーム20L、20Rの断面形状は、図4に示すように断面視で円形状、さらには、断面視で楕円状、六角形状などとしてもよく、断面視での形状は問わない。
【0056】
次に以上に述べたマッサージ具10の作用について説明する。
図5に示されるように、マッサージを行う者は、マッサージ具10を例えば脚のマッサージ対象部70に配置し、一方の手80Rでマッサージ具10のハンドル22L、22Rを持ち、他方の手80Lで角度調整機構40によりローラー11の角度を調整する。マッサージを行う者は、マッサージ具10を、矢印(1)のようにマッサージ対象部70に沿って移動させつつ、矢印(2)のように持ち上げなどして筋膜72をリリースする。
【0057】
次に比較例のマッサージ具100の作用と実施例のマッサージ具10の作用について説明する。
図6の(a)は比較例のマッサージ具100であり、一対のアーム101の先端部にローラー102に回転可能に設けられている。ローラー102は角度を調整することができず、一対のローラー102の接触面103が対向しているものの、ローラー102の軸104がアーム101の長手方向に対して略垂直に配置されている。
【0058】
図6の(b)に示されるように、脚のマッサージ対象部70の断面では、複数の筋繊維71が図手前から奥方向に延びており、これらの別々の筋繊維71を筋膜72が覆っている。比較例のマッサージ具100はローラー102を矢印(3)のように筋膜の延び方向に対して垂直な方向(図上下方向)にしか動かし難いため、筋膜リリースの作業が上手くできない。
【0059】
図6の(c)は便宜上、比較例としたローラー11であり、断面視で接触面12が円弧状である。このため、ローラー11を矢印(4)のように筋膜72に押し付けても、異なる筋繊維71を覆う筋膜72の間に、ローラー11の接触面12を食い込ませることが難しい。なお、図6の(c)に示された断面視で接触面12が円弧状のローラー11を本実施例で使用しても差し支えない。
【0060】
図6の(d)は実施例のマッサージ具10であり、一対のアーム20L、20Rの先端部に角度調整機構30及び角度固定機構40を介してローラー11に回転可能に設けられている。
【0061】
図6の(e)に示されるように、実施例のマッサージ具10のローラー11を矢印(5)のように筋膜72と筋膜72の間に食い込ませる。マッサージ具10を引き上げると、角度調整機構30及び角度固定機構40によりローラー11の角度が固定された状態で、ローラー11を矢印(6)のように移動させて筋膜72をリリースすることができる。
【0062】
図6の(f)に示されるように、実施例のローラー11では、断面視で鋭角に形成された接触面12を、矢印(7)のように筋膜72と筋膜72の間に容易に食い込ませることができる。
【0063】
次に以上に述べたマッサージ具10の作用、効果を説明する。
【0064】
本発明の実施例では、マッサージ具10は、ローラー11の角度を調整する角度調整機構30を備え、一対のアーム20L、20Rのそれぞれのローラー11の接触面12が対向可能に、且つローラー11の回転軸35をアーム20L、20Rの長手方向に向けることが可能に、ローラー11の角度を調整可能であるので、腕や脚などの長手方向に筋肉が伸びるマッサージ対象部70に対して、筋膜72に沿ってローラー11が食い込んで回転するようにローラー11の角度を調整でき、筋膜リリースの作業効率を向上させることができる。さらに、マッサージ具10は、角度調整機構30で調整されたローラー11の角度を固定する角度固定機構40を備えているので、腕や脚など大きな筋肉のある筋膜リリースの際に加わる大きな力に対してもローラー11の角度を固定することができ、作業効率を向上させることができる。
【0065】
さらに、本発明の実施例では、角度固定機構40は、円形状に形成された回転部材32の外周部に所定の間隔で設けられた切欠き部33と、アーム11にスライド可能に設けられ前進されることで切欠き部33に進入するスライド部材41と、を備えている。このため、従来技術のようなクリック機構とは異なり、本発明の実施例ではスライド部材41を回転部材32の切欠き部33に前進させることで、回転部材32に大きな力が加わっても回転部材32が回転することなく、簡単な機構で腕や脚など大きな筋肉のある筋膜リリースの際に加わる大きな力に対してもローラー11の角度を固定することができ、作業効率を向上させることができる。
【0066】
さらに、本発明の実施例では、角度固定機構40は、アーム側円板部材42と、アーム側円板部材42の一面に放射状に凹凸が延びるように形成されたアーム側凹凸部43と、回転部材32と、回転部材32の一面に放射状に凹凸が延びるように形成されると共にアーム側凹凸部43と噛み合う回転部材側凹凸部37と、を備えている。ボルト36にナット44を締め付けることで、アーム側円板部材42と回転部材32が挟み込まれてアーム側凹凸部43と回転部材側凹凸部37とが噛み合った状態となるので、回転部材32に大きな力が加わっても回転部材32が回転することなく、簡単な機構で腕や脚など大きな筋肉のある筋膜リリースの際に加わる大きな力に対してもローラー11の角度を固定することができ、作業効率を向上させることができる。
【0067】
さらに、実施例では、弾性部材51により一対のアーム20L、20Rが閉じ方向に付勢されるので、片手80Rでアーム20L、20R(ハンドル22L、22R)を持つだけで、ローラー11で腕や脚のマッサージ対象部を挟んで押し付けることができ、筋膜リリースの作業効率を向上させることができる。
【0068】
さらに、弾性部材51によって付勢する強さを調整可能な付勢強さ調整機構50を備えているので、腕や脚などのマッサージ対象部70によって、適切な付勢強さに調整することができ、筋膜リリースの作業効率を向上させることができる。
【0069】
さらに、一対のアーム20L、20Rの一方に一端が接続された引張ばね51に係止部材52を設け、一対のアーム20L、20Rの他方にこのアーム20Lの長手方向に所定の間隔を開けて複数の係止凹部55を形成しただなので、付勢強さ調整機構50を簡単な構成とすることができる。さらに、係止部材52を異なる位置の係止凹部55に係止するだけで、適切な付勢強さを調整することができ、筋膜リリースの作業効率を向上させることができる。
【0070】
さらに、アーム20L、20Rの長さを調整可能なアーム長さ調整機構60を備えているので、腕や脚などのマッサージ対象部70によって、適切なアーム長さに調整することができ、筋膜リリースの作業効率を向上させることができる。
【0071】
さらに、アーム長さ調整機構60は、基端側アーム23に形成されたガイド部61と、進退アーム24に形成されたノコギリ溝62と、基端側アーム23のスイッチ用貫通孔63に移動可能に配置された係止スイッチ64と、係止スイッチ64を解除側に付勢するスイッチ用付勢部材65と、備えているので、アーム長さ調整機構60を簡単な構成とすることができる。さらに、一方の手80Rでアーム20L、20Rを持ちつつ、他方の手80Lで係止スイッチ64を解除してアーム20L、20Rを適切な長さに調整することができ、筋膜リリースの作業効率を向上させることができる。
【0072】
さらに、ローラー11の接触面12は、断面視で鋭角に形成されているので、筋肉と筋肉の間に、外部からローラー11を食い込ませ易くでき、適切に筋膜を持ち上げて筋膜リリースの作業性を向上させることができる。
【0073】
尚、実施例では、付勢強さ調整機構50の係止凹部55の数を3つとしたが、これに限定されず、2つ、4つ、5つなどにしてもよい。また、本発明のマッサージ具10は、筋膜リリースのみならず、押しほぐす態様のマッサージに使用してもよい。
【0074】
即ち、本発明の作用及び効果を奏する限りにおいて、本発明は、実施例に限定されるものではない。
【産業上の利用可能性】
【0075】
本発明のマッサージ具は、腕や脚などのマッサージ対象部の筋膜リリースに好適である。
【符号の説明】
【0076】
10…マッサージ具、11…ローラー、12…接触面、20L、20R…アーム、21…支持部、22L、22R…ハンドル、23…基端側アーム、24…進退アーム、30…角度調整機構、31…角度調整用軸、32…回転部材、33…切欠き部、34…ローラー支持部、35…回転軸、36…ボルト、37…回転部材側凹凸部、40…角度固定機構、41…スライド部材、42…アーム側円板部材、43…アーム側凹凸部、44…ナット(蝶ナット)、50…付勢強さ調整機構、51…弾性部材(引張ばね、トーションばね)、52…係止部材、60…アーム長さ調整機構、61…ガイド部、62…ノコギリ溝、63…スイッチ用貫通孔、64…係止スイッチ、65…スイッチ用付勢部材、70…マッサージ対象部、72…筋膜。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2020-10-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マッサージ対象部に接触するローラーを備えたマッサージ具であって、
全体でU字状に形成された一対のアームと、
前記一対のアームを互いに揺動可能に支持する支持部と、
前記アームの先端部に設けられ前記ローラーを回転可能に支持すると共に前記ローラーの角度を調整する角度調整機構と、
前記角度調整機構で調整された前記ローラーの角度を固定する角度固定機構と、を備え、
前記一対のアームのそれぞれの前記ローラーの接触面が対向可能に、且つ前記ローラーの回転軸を前記アームの長手方向に向けることが可能に、前記ローラーの角度を調整可能であり、
前記アームの長さを調整可能なアーム長さ調整機構を備え、
前記アームは、前記支持部側から延びている基端側アームと、この基端側アームに進退可能に設けられた進退アームとを備え、
前記アーム長さ調整機構は、前記基端側アームに形成され前記進退アームを進退可能に収納するガイド部と、前記進退アームにZ字状の凹部が連続するように対向して形成された2列のノコギリ溝と、対向する前記基端側アームの側部のそれぞれに貫通するように形成されたスイッチ用貫通孔と、前記スイッチ用貫通孔のそれぞれに移動可能に配置され移動することで2列の前記ノコギリ溝に係止される2つの係止スイッチと、2つの前記係止スイッチを付勢するスイッチ用付勢部材と、を備え、
2列の前記ノコギリ溝の傾斜面と係止面は、それぞれが互い違いの向きとなるように配置され、
一方の前記係止スイッチのみを解除すると、前記進退アームを後退側に移動可能とし、他方の前記係止スイッチのみを解除すると、前記進退アームを前進側に移動可能とすることを特徴とするマッサージ具。
【請求項2】
請求項1記載のマッサージ具であって、
前記角度調整機構は、前記アームの先端部に設けられた角度調整用軸と、前記角度調整用軸に回転可能に設けられた回転部材と、前記回転部材に設けられ前記ローラーを回転可能に支持するローラー支持部と、を備え、
前記角度固定機構は、円形状に形成された前記回転部材の外周部に所定の間隔で設けられた切欠き部と、前記アームにスライド可能に設けられ前進されることで前記切欠き部に進入するスライド部材と、を備えていることを特徴とするマッサージ具。
【請求項3】
請求項1記載のマッサージ具であって、
前記角度調整機構は、前記アームの先端部に設けられたボルトと、前記ボルトに回転可能に設けられた回転部材と、前記回転部材に設けられ前記ローラーを回転可能に支持するローラー支持部と、を備え、
前記角度固定機構は、前記アームの先端部に固定され円板状に形成されたアーム側円板部材と、前記アーム側円板部材の一面に放射状に凹凸が延びるように形成されたアーム側凹凸部と、前記アーム側円板部材に対向するように配置され円板状に形成された前記回転部材と、前記回転部材の一面に放射状に凹凸が延びるように形成されると共に前記アーム側凹凸部と噛み合う回転部材側凹凸部と、前記アーム側円板部材及び前記回転部材の中心に挿通された前記ボルトに締付可能なナットと、を備えていることを特徴とするマッサージ具。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか1項記載のマッサージ具であって、
前記一対のアームを閉じ方向に付勢する弾性部材を備えていることを特徴とするマッサージ具。
【請求項5】
請求項4記載のマッサージ具であって、
前記弾性部材によって付勢する強さを調整可能な付勢強さ調整機構を備えていることを特徴とするマッサージ具。
【請求項6】
請求項5項記載のマッサージ具であって、
前記弾性部材は、引張ばねであり、
前記付勢強さ調整機構は、前記一対のアームの一方に一端が接続された前記引張ばねと、前記引張ばねの他端に接続され移動可能に設けられた係止部材と、前記一対のアームの他方にこのアームの長手方向に所定の間隔を開けて形成され前記係止部材を係止する複数の係止凹部と、を備えていることを特徴とするマッサージ具。
【請求項7】
請求項1から請求項のいずれか1項記載のマッサージ具あって、
前記ローラーの接触面は、断面視で鋭角に形成されていることを特徴とするマッサージ具。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0023
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0023】
]好ましくは、前記アームの長さを調整可能なアーム長さ調整機構を備えている。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0025
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0025】
]好ましくは、前記アームは、前記支持部側から延びている基端側アームと、この基端側アームに進退可能に設けられた進退アームとを備え、
前記アーム長さ調整機構は、前記基端側アームに形成され前記進退アームを進退可能に収納するガイド部と、前記進退アームにZ字状の凹部が連続するように形成されたノコギリ溝と、前記基端側アームの側部に貫通するように形成されたスイッチ用貫通孔と、前記スイッチ用貫通孔に移動可能に配置され移動することで前記ノコギリ溝に係止される係止スイッチと、前記係止スイッチを解除側に付勢するスイッチ用付勢部材と、を備えている。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0027】
]好ましくは、ローラーの接触面は、断面視で鋭角に形成されている。