(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022189428
(43)【公開日】2022-12-22
(54)【発明の名称】電子部品および電子部品の製造方法
(51)【国際特許分類】
H03H 9/25 20060101AFI20221215BHJP
H01L 23/02 20060101ALI20221215BHJP
H03H 3/08 20060101ALI20221215BHJP
H03H 9/64 20060101ALI20221215BHJP
H03H 9/72 20060101ALI20221215BHJP
H03H 9/02 20060101ALI20221215BHJP
H03H 9/17 20060101ALI20221215BHJP
H03H 9/54 20060101ALI20221215BHJP
H03H 9/70 20060101ALI20221215BHJP
H03H 3/02 20060101ALI20221215BHJP
【FI】
H03H9/25 A
H01L23/02 C
H03H3/08
H03H9/64 Z
H03H9/72
H03H9/02 A
H03H9/17 F
H03H9/54 Z
H03H9/70
H03H3/02 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021097994
(22)【出願日】2021-06-11
(71)【出願人】
【識別番号】000204284
【氏名又は名称】太陽誘電株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087480
【弁理士】
【氏名又は名称】片山 修平
(72)【発明者】
【氏名】吉竹 晴彦
(72)【発明者】
【氏名】栗原 倫之
(72)【発明者】
【氏名】川▲崎▼ 篤志
【テーマコード(参考)】
5J097
5J108
【Fターム(参考)】
5J097AA25
5J097BB02
5J097BB14
5J097BB15
5J097BB17
5J097DD10
5J097EE05
5J097EE08
5J097EE09
5J097FF04
5J097GG03
5J097GG04
5J097HA03
5J097HA04
5J097JJ06
5J097JJ07
5J097JJ09
5J097KK09
5J097KK10
5J108AA07
5J108BB07
5J108BB08
5J108CC01
5J108DD06
5J108EE03
5J108KK04
5J108MM01
(57)【要約】
【課題】気密性の低下を抑制することが可能な電子部品および電子部品の製造方法を提供すること。
【解決手段】弾性波デバイス100は、支持基板10と、支持基板10上に設けられる弾性波素子70と、平面視して弾性波素子70を囲んで支持基板10上に設けられる枠体40と、支持基板10とで空隙20を挟んで枠体40上に設けられ、空隙20内に弾性波素子70を封止するリッド30と、枠体40の空隙20とは反対側の側面45を覆って設けられ、支持基板10を構成する元素であり酸素および炭素以外である元素を含む保護層60とを備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板上に設けられる機能素子と、
平面視して前記機能素子を囲んで前記基板上に設けられる枠体と、
前記基板とで空隙を挟んで前記枠体上に設けられ、前記空隙内に前記機能素子を封止するリッドと、
前記枠体の前記空隙とは反対側の側面を覆って設けられ、前記基板を構成する元素であり酸素および炭素以外である元素を含む保護層と、を備える電子部品。
【請求項2】
前記枠体は、金属製であり、
前記保護層は、前記枠体を構成する金属元素を含む、請求項1に記載の電子部品。
【請求項3】
前記保護層は、前記枠体の前記側面に接して前記側面を覆っている、請求項1または2に記載の電子部品。
【請求項4】
前記枠体は、前記基板に接合するはんだ層を有する、請求項1から3のいずれか一項に記載の電子部品。
【請求項5】
前記基板の側面は、凹凸形状をしていて、非晶質となっている、請求項1から4のいずれか一項に記載の電子部品。
【請求項6】
前記基板を平面視したとき前記枠体は前記基板の外形の内側に納まる、請求項1から5のいずれか一項に記載の電子部品。
【請求項7】
前記機能素子は弾性波素子である、請求項1から6のいずれか一項に記載の電子部品。
【請求項8】
前記弾性波素子によりフィルタが形成されている、請求項7に記載の電子部品。
【請求項9】
前記フィルタによりマルチプレクサが形成されている、請求項8に記載の電子部品。
【請求項10】
機能素子が形成された基板上に平面視して前記機能素子を囲む枠体を形成する工程と、
前記基板との間に空隙が形成され、前記空隙内に前記機能素子が封止されるように、前記枠体上にリッドを形成する工程と、
前記基板にレーザ光を照射して前記レーザ光が照射された領域の前記基板を飛散させることで、前記枠体の前記空隙とは反対側の側面を覆うように、前記基板を構成する元素であり酸素および炭素以外である元素を含む保護層を形成する工程と、を備える電子部品の製造方法。
【請求項11】
前記基板を切断して個片化する工程を備え、
前記保護層を形成する工程と前記個片化する工程は、前記基板に前記レーザ光を照射することで同時に行われる、請求項10に記載の電子部品の製造方法。
【請求項12】
前記枠体を形成する工程は、シード層上に電解めっき法により金属層を形成することで、前記枠体を形成し、
前記保護層を形成する工程は、前記基板と前記シード層に前記レーザ光を照射して前記レーザ光が照射された領域の前記基板および前記シード層を飛散させることで、前記枠体の前記側面に前記基板を構成する元素であり酸素および炭素以外である元素と前記シード層を構成する金属元素とを含む前記保護層を形成する、請求項10または11に記載の電子部品の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品および電子部品の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
機能素子を囲む枠体上にリッド(蓋)を設け、リッドと支持基板との間の空隙内に機能素子を封止する電子部品が知られている(例えば特許文献1から3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-205500号公報
【特許文献2】特開2016-152612号公報
【特許文献3】特開2021-52359号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、基板上に枠体を設け、基板と枠体上に設けたリッドとの間の空隙内に機能素子を封止する構造の場合、空隙の気密性が低下する恐れがある。
【0005】
本発明は、気密性の低下を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、基板と、前記基板上に設けられる機能素子と、平面視して前記機能素子を囲んで前記基板上に設けられる枠体と、前記基板とで空隙を挟んで前記枠体上に設けられ、前記空隙内に前記機能素子を封止するリッドと、前記枠体の前記空隙とは反対側の側面を覆って設けられ、前記基板を構成する元素であり酸素および炭素以外である元素を含む保護層と、を備える電子部品である。
【0007】
上記構成において、前記枠体は、金属製であり、前記保護層は、前記枠体を構成する金属元素を含む構成とすることができる。
【0008】
上記構成において、前記保護層は、前記枠体の前記側面に接して前記側面を覆っている構成とすることができる。
【0009】
上記構成において、前記枠体は、前記基板に接合するはんだ層を有する構成とすることができる。
【0010】
上記構成において、前記基板の側面は、凹凸形状をしていて、非晶質となっている構成とすることができる。
【0011】
上記構成において、前記基板を平面視したとき前記枠体は前記基板の外形の内側に納まる構成とすることができる。
【0012】
上記構成において、前記機能素子は弾性波素子である構成とすることができる。
【0013】
上記構成において、前記弾性波素子によりフィルタが形成されている構成とすることができる。
【0014】
上記構成において、前記フィルタによりマルチプレクサが形成されている構成とすることができる。
【0015】
本発明は、機能素子が形成された基板上に平面視して前記機能素子を囲む枠体を形成する工程と、前記基板との間に空隙が形成され、前記空隙内に前記機能素子が封止されるように、前記枠体上にリッドを形成する工程と、前記基板にレーザ光を照射して前記レーザ光が照射された領域の前記基板を飛散させることで、前記枠体の前記空隙とは反対側の側面を覆うように、前記基板を構成する元素であり酸素および炭素以外である元素を含む保護層を形成する工程と、を備える電子部品の製造方法である。
【0016】
上記構成において、前記基板を切断して個片化する工程を備え、前記保護層を形成する工程と前記個片化する工程は、前記基板に前記レーザ光を照射することで同時に行われる構成とすることができる。
【0017】
上記構成において、前記枠体を形成する工程は、シード層上に電解めっき法により金属層を形成することで、前記枠体を形成し、前記保護層を形成する工程は、前記基板と前記シード層に前記レーザ光を照射して前記レーザ光が照射された領域の前記基板および前記シード層を飛散させることで、前記枠体の前記側面に前記基板を構成する元素であり酸素および炭素以外である元素と前記シード層を構成する金属元素とを含む前記保護層を形成する構成とすることができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、気密性の低下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】
図1は、実施例1に係る弾性波デバイスの平面図である。
【
図2】
図2(a)は、
図1のA-A断面図、
図2(b)は、
図1のB-B断面図、
図2(c)は、実施例1に係る弾性波デバイスの側面図である。
【
図3】
図3は、実施例1における弾性波素子の平面図である。
【
図4】
図4(a)はフィルタの回路図、
図4(b)はデュプレクサのブロック図である。
【
図5】
図5(a)および
図5(b)は、実施例1に係る弾性波デバイスの製造方法を示す断面図(その1)である。
【
図6】
図6(a)および
図6(b)は、実施例1に係る弾性波デバイスの製造方法を示す断面図(その2)である。
【
図7】
図7(a)および
図7(b)は、実施例1に係る弾性波デバイスの製造方法を示す断面図(その3)である。
【
図8】
図8は、実施例1の変形例1に係る弾性波デバイスの断面図である。
【
図9】
図9は、実施例1の変形例2に係る弾性波デバイスの断面図である。
【
図11】
図11(a)は、実施例3に係る弾性波デバイスの断面図、
図11(b)は、実施例3における弾性波素子の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照し、本発明の実施例について、電子部品として弾性波デバイスの場合を例に説明する。
【実施例0021】
図1は、実施例1に係る弾性波デバイス100の平面図である。
図2(a)は、
図1のA-A断面図、
図2(b)は、
図1のB-B断面図、
図2(c)は、実施例1に係る弾性波デバイス100の側面図である。
図1は、リッド30を透視して、支持基板10、圧電層12、ビア配線16a、配線18、枠体40、柱状体50、保護層60、および弾性波素子70を主に示している。
図1では、図の明瞭化のために、配線18および枠体40にハッチングを付している。
図2(c)では、図の明瞭化のために、凹部13、33および凸部17、37にハッチングを付している。
図1、
図2(a)、
図2(b)、および
図2(c)に示すように、弾性波デバイス100は、支持基板10の上面に圧電層12が接合されている。支持基板10は、例えばサファイア基板であり、その厚さは50μm~300μm程度である。サファイア基板は単結晶のAl
2O
3を主成分とする基板である。圧電層12は、例えば単結晶タンタル酸リチウム層であり、その厚さは0.5μm~30μmである。圧電層12の厚さは、例えば弾性波素子70が励振する主モードの弾性波の波長より小さい。
【0022】
圧電層12の上面に、1または複数の弾性波素子70が設けられている。弾性波素子70は、IDT(Interdigital Transducer)と反射器を備える。支持基板10の下面に端子14が設けられている。端子14は、弾性波素子70および柱状体50を外部と電気的に接続するためのフットパッドである。支持基板10を貫通するビア配線16a、16bが設けられている。ビア配線16aの一端は端子14に接続されている。ビア配線16aの他端は圧電層12の上面から支持基板10の上面に延在する配線18に接続されている。これにより、弾性波素子70は配線18およびビア配線16aを介して端子14に電気的に接続される。ビア配線16bの一端は端子14に接続され、他端は柱状体50に接続されている。端子14、ビア配線16a、16b、および配線18は、例えばチタン、銅、アルミニウム、白金、ニッケル、および/または金等を含む金属層である。端子14、ビア配線16a、16b、および配線18は、単層の金属層の場合でもよいし、複数層が積層された積層金属層の場合でもよい。
【0023】
支持基板10の周縁領域には圧電層12は設けられていない。平面視において、圧電層12および弾性波素子70を囲むように支持基板10上に枠体40が設けられている。環状の枠体40は圧電層12から離れて支持基板10上に設けられている。
【0024】
枠体40は、シード層42と金属層44とバリア層46とはんだ層48とを含む。シード層42は例えばチタン層とその上の銅層との積層金属層である。金属層44は例えば銅めっき層である。バリア層46は例えばニッケル層である。はんだ層48は例えば金錫はんだ層である。シード層42、金属層44、バリア層46、およびはんだ層48のうち金属層44が最も厚い。このように、枠体40は例えば金属により形成されている。枠体40の高さは例えば15μm~30μm程度であり、幅は例えば10μm~40μm程度である。
【0025】
枠体40上に、支持基板10との間に空隙20が形成されるようにリッド30が設けられている。リッド30は、金属層32と本体34を含む。金属層32は、はんだ層48と接合する金属層であり、例えば空隙20側から順に金層とニッケル層が積層された積層金属層である。本体34は、例えばコバール層であり、その厚さは20μm~100μm程度である。コバールは、鉄にニッケルとコバルトを配合した合金である。リッド30は、概ね平板であり、平面視にて略矩形状をしている。リッド30は、金属層32がはんだ層48と反応して合金化することで、枠体40に接合されている。弾性波素子70は、支持基板10、リッド30、および枠体40により空隙20内に封止される。
【0026】
枠体40は、支持基板10の下面に設けられたグランド端子に支持基板10を貫通するビア配線を介して電気的に接続されてもよい。枠体40およびリッド30が金属であるため、グランド電位を供給することにより、枠体40およびリッド30にシールド効果を付与することができる。また、枠体40およびリッド30が金属であることで、弾性波素子70を空隙20内に気密性良く封止することができる。なお、枠体40およびリッド30は支持基板10上では弾性波素子70に電気的に接続されていない。
【0027】
圧電層12は、リッド30の中央付近に、上面から下面にかけて貫通する開口22を有する。開口22では例えば支持基板10の上面が露出している。開口22において、支持基板10とリッド30との間に、支持基板10に対してリッド30を支持する柱状体50が設けられている。柱状体50は、空隙20内に位置し、圧電層12から離れて設けられ、例えば支持基板10の上面に接している。
【0028】
柱状体50は、シード層52と金属層54とバリア層56とはんだ層58とを含む。シード層52は例えばチタン層とその上の銅層との積層金属層である。金属層54は例えば銅めっき層である。バリア層56は例えばニッケル層である。はんだ層58は例えば金錫はんだ層である。シード層52、金属層54、バリア層56、およびはんだ層58のうち金属層54が最も厚い。このように、柱状体50は例えば金属により形成されている。柱状体50の高さは、例えば枠体40と略同じか枠体40よりも高く、例えば15μm~40μm程度である。柱状体50の幅は、例えば枠体40と略同じか枠体40よりも大きく、例えば10μm~50μm程度である。柱状体50は、支持基板10とリッド30との間に2つ設けられる場合に限られず、1つの場合でもよいし、3つ以上の場合でもよい。
【0029】
リッド30は、金属層32がはんだ層58と反応して合金化することで、柱状体50に接合されている。支持基板10とリッド30との間に柱状体50が設けられることで、リッド30に上方から圧力が加わった場合でも、リッド30に撓みが生じることを抑制できる。このため、リッド30が弾性波素子70および配線18等に接触または接近して特性が劣化することを抑制できる。
【0030】
支持基板10の側面15およびリッド30の側面35は、凹凸形状をしている。支持基板10の側面15およびリッド30の側面35の凹凸は、後述するように、レーザ光が照射されて溶融した後に硬化することにより形成される。支持基板10の側面15の凹凸は、支持基板10の上面から下面にかけて延びた凹部13と凸部17が交互に設けられている(
図2(c)参照)。同様に、リッド30の側面35の凹凸は、リッド30の上面から下面にかけて延びた凹部33と凸部37が交互に設けられている(
図2(c)参照)。凹部13、33の幅W1は例えば0.25μm~0.50μmであり、凸部17、37の幅W2は例えば0.25μm~0.50μmである。支持基板10の側面15およびリッド30の側面35は、支持基板10およびリッド30の上面と下面との間で凹凸が繰り返されていてもよい(
図2(a)および
図2(b)参照)。
【0031】
支持基板10がサファイア基板である場合、支持基板10の内側は単結晶であるのに対し、支持基板10の側面15はレーザ光が照射されることにより改質された非晶質な領域19となっている。なお、リッド30の側面35もリッド30の材料によっては非晶質な領域が形成されていてもよい。
【0032】
枠体40の空隙20とは反対側の側面45を覆って保護層60が設けられている。保護層60は、例えば枠体40の側面45に密着して側面45を覆っている。枠体40の側面45上における保護層60の厚さは例えば0.5μm~3.0μmである。保護層60は、枠体40の側面45の略全体を覆っている場合が好ましい。略全体を覆うとは、枠体40の側面45の総面積の90%以上を覆うことであり、95%以上を覆う場合でもよく、100%覆う場合でもよい。保護層60は、例えば支持基板10側における幅がリッド30側における幅よりも大きい。
【0033】
保護層60は、支持基板10を構成する元素のうち酸素および炭素以外の元素を少なくとも含んで形成されている。例えば、支持基板10がサファイア基板である場合、保護層60はアルミニウムを少なくとも含んで形成されている。また、保護層60は、枠体40を構成する金属元素を含んで形成されている場合が好ましい。例えば、枠体40のシード層42がチタン層と銅層の積層金属層で、金属層44が銅めっき層である場合、保護層60は銅を含んで形成されている場合が好ましい。保護層60は、支持基板10の上面およびリッド30の下面に密着していてもよい。保護層60が支持基板10を構成する元素を含むことで、保護層60と支持基板10との間の密着性が向上する。
【0034】
支持基板10は、サファイア基板の他に、アルミナ基板、スピネル基板、石英基板、水晶基板、またはシリコン基板を用いてもよい。アルミナ基板は多結晶のAl2O3を主成分とする基板である。スピネル基板は単結晶または多結晶のMgAl2O4を主成分とする基板である。石英基板はアモルファスのSiO2を主成分とする基板である。水晶基板は単結晶のSiO2を主成分とする基板である。
【0035】
圧電層12は、単結晶タンタル酸リチウム層の他に、単結晶ニオブ酸リチウム層を用いてもよい。支持基板10の線膨張係数は、圧電層12の線膨張係数に比べて小さい場合が好ましい。これにより、弾性波デバイス100の周波数温度係数を低減できる。圧電層12と支持基板10との間に酸化シリコンまたは窒化アルミニウム等の絶縁層を設けてもよい。このように、圧電層12は支持基板10に直接または間接的に接合されている。
【0036】
枠体40のシード層42は、チタン層の代わりに、クロム層等の密着層として使用可能な金属層を含んでもよい。金属層44は、銅、コバール、金、アルミニウム、および/またはタングステン等の単層または積層の場合でもよい。バリア層46は、ニッケル層の代わりに、白金層等のはんだの拡散を抑制するバリア層として使用可能な金属層を用いてもよい。なお、枠体40は、シリコン層、サファイア層、または樹脂層により形成されてもよい。
【0037】
リッド30の本体34は、コバール、銅、金、アルミニウム、および/またはタングステンの単層または積層でもよい。本体34は、リッド30が潰れ難くなるように金属層32より硬い金属材料で形成される場合が好ましい。また、本体34は、線膨張係数の小さい金属材料で形成される場合が好ましい。なお、本体34は、サファイア、シリコン、水晶、スピネル、アルミナ、または石英により形成されている場合でもよい。
【0038】
柱状体50のシード層52は、チタン層の代わりに、クロム層等の密着層として使用可能な金属層を含んでもよい。金属層54は、銅、コバール、金、アルミニウム、および/またはタングステン等の単層または積層の場合でもよい。バリア層56は、ニッケル層の代わりに、白金層等のはんだの拡散を抑制するバリア層として使用可能な金属層を用いてもよい。なお、柱状体50は、シリコン層、サファイア層、または樹脂層により形成されてもよい。
【0039】
図3は、実施例1における弾性波素子70の平面図である。
図3に示すように、弾性波素子70は弾性表面波共振子である。圧電層12の上面にIDT(Interdigital Transducer)71と反射器72が設けられている。IDT71は、対向する一対の櫛型電極73を有する。櫛型電極73は、複数の電極指74と、複数の電極指74が接続するバスバー75と、を有する。反射器72は、IDT71の両側に設けられている。IDT71が圧電層12に弾性表面波を励振する。一対の櫛型電極73のうち一方の櫛型電極73の電極指74のピッチがほぼ弾性波の波長λとなる。複数の電極指74のピッチDの2倍が、ほぼ一方の櫛型電極73の電極指74のピッチとなる。IDT71および反射器72は、例えばアルミニウム、銅、またはモリブデン等の金属膜により形成される。圧電層12の上面にIDT71および反射器72を覆う保護膜または温度補償膜が設けられていてもよい。櫛型電極73はダミー電極指を有していてもよい。
【0040】
圧電層12の上面に形成された複数の弾性波素子70によってフィルタが形成されてもよいし、デュプレクサが形成されてもよい。
図4(a)はフィルタの回路図、
図4(b)はデュプレクサのブロック図である。
【0041】
図4(a)に示すように、入力端子Tinと出力端子Toutとの間に1または複数の直列共振器S1からS4が直列に接続されている。入力端子Tinと出力端子Toutとの間に1または複数の並列共振器P1からP3が並列に接続されている。直列共振器S1からS4および並列共振器P1からP3が弾性波素子70である。直列共振器および並列共振器の個数等は適宜設定できる。フィルタとしてラダー型フィルタを例に説明したが、フィルタは多重モード型フィルタであってもよい。
【0042】
図4(b)に示すように、共通端子Antと送信端子Txとの間に送信フィルタ86が接続されている。共通端子Antと受信端子Rxとの間に受信フィルタ87が接続されている。送信フィルタ86は、送信端子Txから入力された高周波信号のうち送信帯域の信号を送信信号として共通端子Antに通過させ、他の周波数の信号を抑圧する。受信フィルタ87は、共通端子Antから入力された高周波信号のうち受信帯域の信号を受信信号として受信端子Rxに通過させ、他の周波数の信号を抑圧する。なお、マルチプレクサとしてデュプレクサを例に示したがトリプレクサまたはクワッドプレクサであってもよい。
【0043】
図1においては、複数の弾性波素子70により直列共振器S1~S4および並列共振器P1~P3が形成されたラダー型フィルタ88の場合を示している。
【0044】
[製造方法]
図5(a)から
図7(b)は、実施例1に係る弾性波デバイス100の製造方法を示す断面図である。
図5(a)から
図7(b)で説明する製造方法は多面取りプロセスによる製造方法である。
図5(a)に示すように、支持基板10の上面に例えばレーザ光を照射してビアホールを形成し、ビアホール内に銅等の金属層を例えば電解めっき法を用い形成する。その後、支持基板10の上面が露出するように金属層の上面を例えばCMP(Chemical Mechanical Polishing)法を用い平坦化する。これにより、支持基板10にビア配線16a、16b(
図5(a)から
図7(b)ではビア配線16aのみを図示)が形成される。次いで、支持基板10の上面に圧電基板を例えば表面活性化法を用い常温接合する。支持基板10と圧電基板とは数nmのアモルファス層を介し直接接合されてもよいし、絶縁層を介し間接的に接合されてもよい。その後、圧電基板の上面を例えばCMP法を用い研磨する。これにより、支持基板10の上面に直接または間接的に接合された圧電層12が形成される。次いで、圧電層12の上面に例えばリフトオフ法を用いて弾性波素子70を形成する。
【0045】
図5(b)に示すように、圧電層12の一部を例えばエッチング法を用いて除去する。これにより、弾性波デバイス100の周囲となる領域の圧電層12が除去されて、ビア配線16aが露出する。また、圧電層12に開口22(
図5(b)から
図7(b)では不図示)が形成され、開口22においてビア配線16bが露出する。次いで、圧電層12の上面からビア配線16aまで延在し、弾性波素子70とビア配線16aとを電気的に接続させる配線18を形成する。
【0046】
図6(a)に示すように、支持基板10上に、枠体40および柱状体50(
図5(c)から
図6(c)では枠体40のみを図示)を形成する。枠体40のシード層42と柱状体50のシード層52は例えばスパッタリング法により同時に形成される。枠体40の金属層44、バリア層46、およびはんだ層48と、柱状体50の金属層54、バリア層56、およびはんだ層58とは、例えば電解めっき法により同時に形成される。例えば、シード層42、52はチタン層と銅層の積層金属層であり、金属層44、54は銅層であり、バリア層46、56はニッケル層であり、はんだ層48、58は金錫はんだ層である。このとき、隣接する弾性波デバイス100の間であって弾性波デバイス100を個片化するときの切断領域90にシード層42を残存させておく。
【0047】
図6(b)に示すように、枠体40のはんだ層48および柱状体50のはんだ層58にリッド30を接合する。リッド30は、金属層32がはんだ層48、58と反応して合金化することで、枠体40および柱状体50に接合する。これにより、支持基板10とリッド30の間に形成された空隙20内に弾性波素子70が封止される。
【0048】
図7(a)に示すように、支持基板10の下面を例えばCMP法を用い研磨する。これにより、ビア配線16a、16bが支持基板10の下面から露出する。次いで、支持基板10の下面にビア配線16a、16bに接続する端子14を形成する。
【0049】
図7(b)に示すように、隣接する弾性波デバイス100の間の切断領域90にレーザ光92を照射することで、支持基板10およびリッド30を切断して弾性波デバイス100を個片化する。例えば、パルスUVレーザを用い、パルスUVレーザから出射される波長355nmのレーザ光92をリッド30および支持基板10に照射することで弾性波デバイス100を個片化する。リッド30、シード層42、および支持基板10は、レーザ光92が照射されることで溶融する。このとき、レーザ光92の照射条件を適切にすることで、支持基板10およびシード層42の溶融物が飛散して枠体40の側面45に堆積するようになる。これにより、
図2(a)および
図2(b)に示すように、枠体40の側面45に、支持基板10を構成する元素およびシード層42を構成する金属元素を含む保護層60が形成される。
【0050】
また、レーザ光92の照射によりリッド30および支持基板10は溶融するために、
図2(a)および
図2(b)に示すように、支持基板10の側面15およびリッド30の側面35には溶融した後に再び硬化することで凹凸形状が形成される。また、レーザ光92が照射されることで支持基板10の側面15は改質されて非晶質な領域19が形成される。なお、リッド30の側面35もリッド30の材料によっては改質されて非晶質な領域が形成されてもよい。以上により、実施例1に係る弾性波デバイス100が形成される。
【0051】
[保護層の成分分析]
図5(a)から
図7(b)に示した製造方法を用いて弾性波デバイス100を製造し、枠体40の側面45に形成された保護層60の成分分析をSEM-EDX法を用いて行った。成分分析を行った弾性波デバイス100は以下の材料を用いて製造した。
支持基板10:厚さ75μmのサファイア基板
圧電層12:厚さ0.6μmの単結晶タンタル酸リチウム層
シード層42、52:厚さ0.1μmのチタン層と厚さ0.3μmの銅層の積層金属層
金属層44、54:厚さ20μmの銅層
バリア層46、56:厚さ3μmのニッケル層
はんだ層48、58:厚さ4μmの金錫はんだ層
金属層32:厚さ1μmの金層と厚さ1μmのニッケル層の積層金属層
本体34:厚さ30μmのコバール層
【0052】
枠体40の側面45に形成された保護層60のうち支持基板10に近い箇所(以下、第1分析箇所と称す)と、リッド30に近い箇所(以下、第2分析箇所と称す)との2箇所について成分分析を行った。第1分析箇所における保護層60の厚さは1μmで、第2分析箇所における保護層60の厚さは1μmであった。成分分析の結果は以下であった。
第1分析箇所:
金27.7wt%(質量パーセント)、錫10.4wt%、銅17.2wt%、アルミニウム17.9wt%、酸素23.1wt%、炭素3.7wt%
第2分析箇所:
金29.0wt%、錫2.1wt%、銅14.8wt%、アルミニウム19.9wt%、酸素29.5wt%、炭素4.7wt%
【0053】
このように、保護層60は、支持基板10を構成する元素のうち酸素および炭素以外の元素であるアルミニウムを含んで形成されていることが確認された。保護層60は、支持基板10を構成するアルミニウムを15wt%以上含んでいるが、10wt%以上含んでいる場合でもよいし、20wt%以上含んでいる場合でもよいし、25wt%以上含んでいる場合でもよい。また、保護層60は、シード層42を構成する金属元素である銅を含んで形成されていることが確認された。保護層60は、銅を10wt%以上含んでいるが、8wt%以上含んでいる場合でもよいし、15wt%以上含んでいる場合でもよいし、20wt%以上含んでいる場合でもよい。保護層60は、銅よりもアルミニウムの方が多く含んでいる結果であった。なお、保護層60に含まれる金および錫は、はんだ層48によるものと考えられる。このように、保護層60は枠体40を構成する金属材料を含んでいてもよい。
【0054】
実施例1によれば、
図1、
図2(a)、および
図2(b)のように、枠体40の側面45を覆って保護層60が設けられている。保護層60は支持基板10を構成する元素であり酸素および炭素以外である元素を含んで形成されている。枠体40の側面45が保護層60で覆われていない場合、枠体40を介して外気が空隙20に侵入し、空隙20の気密性が低下することがある。例えば、枠体40が外気に曝されることで酸化および/または腐食等が促進され、外気が枠体40を介して空隙20に侵入して空隙20の気密性が低下することがある。空隙20の気密性が低下すると、弾性波素子70の特性が劣化することがある。これに対し、実施例1のように、支持基板10を構成する元素であり酸素および炭素以外である元素を含む保護層60が枠体40の側面45を覆って設けられていることで、枠体40を介して外気が空隙20に侵入することが抑制され、空隙20の気密性の低下を抑制できる。例えば、枠体40が外気に曝されることが抑制されるため、枠体40の酸化および/または腐食等が抑制される。これにより、枠体40を介して外気が空隙20に侵入することが抑制され、空隙20の気密性の低下を抑制できる。また、保護層60が支持基板10を構成する元素を含むことで、保護層60と支持基板10との間の密着性が向上する。
【0055】
空隙20の気密性の低下を抑制する観点から、保護層60は、枠体40の側面45の総面積のうち80%以上を覆っている場合が好ましく、85%以上を覆っている場合がより好ましく、90%以上の略全体を覆っている場合が更に好ましい。また、空隙20の気密性の低下を抑制する観点から、保護層60は、枠体40の側面45を高さ方向において80%以上を覆っている場合が好ましく、85%以上を覆っている場合がより好ましく、90%以上を覆っている場合が更に好ましく、100%覆っている場合が最も好ましい。
【0056】
また、実施例1では、保護層60は枠体40を構成する金属元素を含んで形成されている。このように、保護層60が枠体40を構成する金属元素を含むことで、保護層60と枠体40の密着性が向上し、保護層60と枠体40の間に空隙が形成されることが抑制される。すなわち、保護層60は枠体40の側面45に接して枠体40を覆うようになる。これにより、枠体40が外気に曝されて酸化および/または腐食等が起こることを効果的に抑制でき、空隙20の気密性の低下を抑制できる。また、保護層60が枠体40の側面45に接していることで、枠体40の側面45からの放熱性が向上する。
【0057】
また、実施例1では、
図1、
図2(a)、および
図2(b)のように、支持基板10を平面視したとき、枠体40は支持基板10およびリッド30の外形の内側に納まっている。言い換えると、枠体40の側面45は、支持基板10の側面15およびリッド30の側面35に対して凹んでいる。保護層60は、支持基板10とリッド30との間に挟まれて枠体40の側面45を覆っている。これにより、枠体40の側面45を覆って設けられた保護層60が、外的な影響により枠体40の側面45から剥がれることを抑制できる。
【0058】
実施例1によれば、
図7(b)のように、支持基板10にレーザ光92を照射してレーザ光92が照射された領域の支持基板10を飛散させることで、支持基板10を構成する元素であり酸素および炭素以外である元素を含む保護層60を枠体40の側面45を覆うように形成する。これにより、枠体40を介して外気が空隙20に侵入することが抑制され、空隙20の気密性の低下を抑制できる。レーザ光92を照射して支持基板10を飛散させることで保護層60を形成する場合、枠体40の側面45が支持基板10の側面15およびリッド30の側面35に対して凹んでいることで、枠体40の側面45に支持基板10の飛散物が堆積され易くなり、保護層60が形成され易くなる。
【0059】
また、実施例1では、支持基板10にレーザ光92を照射することで支持基板10を溶融して飛散させて保護層60を形成していることから、
図2(a)および
図2(b)に示すように、支持基板10の側面15は、凹凸形状をしていて、非晶質となっている。
【0060】
また、実施例1では、
図7(b)のように、保護層60を形成することと、支持基板10を個片化することとを、支持基板10にレーザ光92を照射することで同時に行っている。これにより、保護層60を形成するためだけの製造工程を追加することなく、保護層60を形成することができる。よって、製造コストの増大を抑制できる。
【0061】
また、実施例1では、
図7(b)のように、支持基板10とシード層42にレーザ光92を照射してレーザ光92が照射された領域の支持基板10およびシード層42を飛散させることで、枠体40の側面45に支持基板10を構成する元素とシード層42を構成する金属元素とを含む保護層60を形成している。これにより、保護層60と枠体40の密着性が向上し、保護層60と枠体40の間に空隙が形成されることが抑制される。よって、枠体40が外気に曝されて酸化および/または腐食等が起こることを抑制でき、空隙20の気密性の低下を抑制することができる。
【0062】
図8は、実施例1の変形例1に係る弾性波デバイス110の断面図である。
図8は、
図1のA-A間に相当する箇所の断面図である。
図8に示すように、弾性波デバイス110では、保護層60は、枠体40の側面45を覆うことに加え、支持基板10の側面15およびリッド30の側面35にも設けられている。保護層60は、例えば枠体40の側面45からリッド30の側面35に連続して設けられ、かつ、リッド30の側面35から上面36に連続して設けられている。その他の構成は実施例1と同じであるため説明を省略する。
【0063】
実施例1の変形例1のように、保護層60は、枠体40の側面45を覆うことに加え、支持基板10の側面15および/またはリッド30の側面35に設けられていてもよい。保護層60は、枠体40の側面45を覆う箇所と支持基板10の側面15を覆う箇所とが分離していてもよいし、枠体40の側面45から支持基板10の側面15に連続して設けられていてもよい。保護層60は、支持基板10の側面15の略全面を覆っていてもよいし、側面15の一部のみを覆っていてもよい。同様に、保護層60は、枠体40の側面45からリッド30の側面35に連続して設けられていてもよいし、枠体40の側面45に設けられた箇所とリッド30の側面35に設けられた箇所とが分離していてもよい。保護層60は、リッド30の側面35の略全面を覆っていてもよいし、側面35の一部のみを覆っていてもよい。
【0064】
図9は、実施例1の変形例2に係る弾性波デバイス120の断面図である。
図9は、
図1のA-A間に相当する箇所の断面図である。
図9に示すように、弾性波デバイス120では、枠体40のはんだ層48は、幅が狭くなるくびれを有するくびれ形状となっている。はんだ層48がくびれ形状となるのは以下の理由のためである。枠体40が柱状体50より支持基板10からの高さが低い場合、はんだ層48、58にリッド30を接合させる際に、リッド30がはんだ層58に接したときに、はんだ層48とは十分には接してない状態になることがある。この場合、リッド30とはんだ層58は適切な荷重が掛かった状態で接合されるが、リッド30とはんだ層48は適切な荷重が掛かっていない状態で接合されるため、はんだ層48がくびれ形状になることがある。その他の構成は実施例1と同じであるため説明を省略する。
【0065】
実施例1の変形例2のように、枠体40のはんだ層48がくびれ形状になると、狭幅部分ができるため、保護層60が設けられていない場合では空隙20の気密性が低下する恐れがある。しかしながら、枠体40の側面45を覆って保護層60が設けられることで、はんだ層48の狭幅部分が保護層60で補填されるため、空隙20の気密性の低下を抑制することができる。また、はんだ層48に狭幅部分が形成されると、弾性波デバイス120の機械的強度が低下し、例えば落下等に対する信頼性が低下してしまうことがある。しかしながら、枠体40の側面45を覆って保護層60が形成されることで、機械的強度の低下も抑制することができる。
弾性波デバイス200は、枠体40および柱状体50をリッド30に形成し、リッド30に形成された枠体40および柱状体50を支持基板10上に形成された金属層28に接合する点以外は、実施例1と同じ方法により製造される。
実施例2によれば、枠体40は、支持基板10に接合するはんだ層48を有する。保護層60は、実施例1で説明したように、支持基板10にレーザ光92を照射することで支持基板10を溶融させて飛散させることで形成されるため、枠体40の側面45を覆う厚さが支持基板10側ではリッド30側に比べて厚くなり易い。はんだ層48はくびれ形状となる場合があるが、はんだ層48が支持基板10側に設けられることで、はんだ層48の側面は保護層60の比較的厚い部分で覆われることとなる。このため、空隙20の気密性の低下を効果的に抑制することができる。
実施例1および実施例2では、支持基板10上に圧電層12が設けられている場合を例に示したが、支持基板10が設けられずに、圧電層12が厚い圧電基板となっている場合でもよい。