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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022189545
(43)【公開日】2022-12-22
(54)【発明の名称】管理装置、及び管理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/04 20120101AFI20221215BHJP
   G06Q 10/06 20120101ALI20221215BHJP
【FI】
G06Q50/04
G06Q10/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021098180
(22)【出願日】2021-06-11
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】317015294
【氏名又は名称】東芝エネルギーシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100124372
【弁理士】
【氏名又は名称】山ノ井 傑
(74)【代理人】
【識別番号】100125151
【弁理士】
【氏名又は名称】新畠 弘之
(72)【発明者】
【氏名】張 暁露
(72)【発明者】
【氏名】瀬野尾 翔
(72)【発明者】
【氏名】山藤 哲也
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA09
5L049CC03
(57)【要約】      (修正有)
【課題】製造中の機器の客観的な進捗管理が可能な管理装置及び管理方法を提供する。
【解決手段】管理システムにおいて、管理装置は、管理対象となる製造中の機器、該機器における製造工程の計画時間及び測定項目を関連付けて設定する設定部104、三次元計測装置が計測した機器の第1外観情報と、計画時間に関連付けられた測定項目に対応する機器の第2外観情報と、に基づき、機器の進捗情報を生成する管理情報生成部106及び進捗情報を表示部200に表示させる表示制御部を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
管理対象となる製造中の機器、前記機器における製造工程の計画時間、及び測定項目を関連付けて設定する設定部と、
三次元計測装置が計測した前記機器の第1外観情報と、前記計画時間に関連付けられた測定項目に対応する前記機器の第2外観情報と、に基づき、前記機器の進捗情報を生成する管理情報生成部と、
前記進捗情報を表示部に表示させる表示制御部と、
を備える、管理装置。
【請求項2】
前記測定項目は、寸法、角度、及び形状の少なくともいずれかである、請求項1に記載の管理装置。
【請求項3】
前記管理情報生成部は、前記機器の第1外観情報が前記機器の第2外観情報に対して所定の範囲未満である場合に、前記測定項目を満たすことを示す合格情報を、前記進捗情報として前記測定項目に関連付ける、請求項2に記載の管理装置。
【請求項4】
前記管理情報生成部は、前記機器の第1外観情報が前記機器の第2外観情報に対して所定の範囲外である場合に、前記測定項目を満たさないことを示す不合格情報を、前記進捗情報として前記測定項目に関連付ける、請求項2又は3に記載の管理装置。
【請求項5】
前記製造工程は複数であり、製造工程毎に少なくとも1つの前記測定項目が関連付けられている、請求項3又は4に記載の管理装置。
【請求項6】
前記複数の製造工程、前記製造工程毎の前記計画時間と、を関連付けて図表として生成する図表生成部を更に備え、
前記表示制御部は、表示部に前記図表を表示させる、請求項5に記載の管理装置。
【請求項7】
前記図表生成部は、前記進捗情報を前記図表内に前記計画時間と関連付けて生成する、請求項6に記載の管理装置。
【請求項8】
前記図表生成部は、前記製造工程毎の時間を示す線図として前記図表を生成する、請求項7に記載の管理装置。
【請求項9】
前記図表生成部は、前記計画時間において、前記製造工程の前記測定項目が全て合格情報に対応する場合に、進捗に異常が無いことを示す前記進捗情報を前記図表内に前記計画時間と関連付けて生成する、請求項6乃至8のいずれか一項に記載の管理装置。
【請求項10】
前記図表生成部は、前記計画時間において、前記製造工程の前記測定項目のいずれかが不合格情報に対応する場合に、進捗に異常があることを示す前記進捗情報を前記図表内に前記計画時間と関連付けて生成する、請求項6乃至9のいずれか一項に記載の管理装置。
【請求項11】
前記管理情報生成部は、前記機器の第1外観情報が前記機器の第2外観情報に対して所定の範囲未満となるまで、前記機器の第1外観情報の管理を継続する、請求項2に記載の管理装置。
【請求項12】
前記表示制御部は、前記機器の第1外観情報が前記機器の第2外観情報に対して所定の範囲未満である場合に、前記機器の素材、前記第1外観情報の少なくともいずれかを前記表示部に表示させる、請求項2に記載の管理装置。
【請求項13】
管理対象となる製造中の機器、前記機器の製造工程毎の計画時間、及び測定項目を関連付けて設定する設定工程と、
三次元計測装置が前記機器の外観を計測した第1外観情報と、前記計画時間に関連付けられた測定項目に対応する前記機器の第2外観情報と、に基づき、前記機器の進捗情報を生成する管理情報生成工程と、
前記進捗情報を表示部に表示させる表示制御工程と、
を備える、管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、管理装置、及び管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
復水器、脱気器、低圧給水加熱器などの熱交換器はコスト競争力を高めるため海外ベンダーへ発注している。機器製造中の進捗管理のために、ベンダーからMPR(Monthly Progress Report)を入手し、生産管理部門として、製造進捗を月に1回確認している。しかし、部材手配遅れ、ES(Engineering Schedule)遅れ、不適合などの異常値が原因で納期に影響を及ぼす可能性があるため、MPRだけの進捗管理では十分でなくなる恐れがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】WO2015/105141号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、製造中の機器の客観的な進捗管理が可能な管理装置、及び管理方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本実施形態に係る管理装置は、設定部と、管理情報生成部と、表示制御部と、を備える。設定部は管理対象となる製造中の機器、機器における製造工程の計画時間、及び測定項目を関連付けて設定する。管理情報生成部は三次元計測装置が計測した機器の第1外観情報と、計画時間に関連付けられた測定項目に対応する機器の第2外観情報と、に基づき、機器の進捗情報を生成する。表示制御部は捗情報を表示部に表示させる。
【発明の効果】
【0006】
本実施形態によれば、製造中の機器の客観的な進捗管理ができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本実施形態に係る管理システムの構成例を示す図。
図2】図表生成部が生成した製造スケジュールの画面例を示す図。
図3】図表生成部が生成した管理対象登録図の一例を示す図。
図4】図表生成部が生成した仕様登録図の一例を示す図。
図5】管理装置の処理の流れの一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施形態に係る管理装置、及び管理方法について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態は、本発明の実施形態の一例であって、本発明はこれらの実施形態に限定して解釈されるものではない。また、本実施形態で参照する図面において、同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号又は類似の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する場合がある。また、図面の寸法比率は説明の都合上実際の比率とは異なる場合や、構成の一部が図面から省略される場合がある。
【0009】
(一実施形態)
図1は、本実施形態に係る管理システム1の構成例を示す図である。本実施形態に係る管理システム1は、例えば原子力発電プラント、火力発電プラント、化学プラント、及び地熱発電プラントのいずれか等に設けられる機器の製造管理を行うことが可能なシステムである。これらの機器は、例えば復水器、脱気器、低圧給水加熱器、熱交換器など、及びこれらの部品などである。なお、本実施形態おいて、機器と称する場合には、機器、機器を構成する部品、及び機器を構成する部材の少なくともいずれかを意味する。また、機器は、復水器、脱気器、低圧給水加熱器、熱交換器に限定されず、例えば製造工程を有する物品であればいずれでもよい。
【0010】
図1に示すように、管理システム1は、管理装置100と、表示部200、500と、操作部300、600と、処置端末400と、複数の三次元計測装置700とを備える。本実施形態に係る管理システム1では、処置端末400と、表示部500と、操作部600と、複数の三次元計測装置700とは、ネットワークN100を介して、例えば海外などの遠隔地における製造会社(ベンダー)に配置される。
【0011】
管理装置100は、例えばCPU(CentralProcessingUnit)やMPU(MicroProcessor)を含んで構成され、記憶部102に記憶されるプログラムを実行することにより各処理部を構成する。この管理装置100は、複数の三次元計測装置700の計測結果に基づき、製造過程にある機器の進捗管理を行うことが可能である。すなわち、この管理装置100は、取得部101と、記憶部102と、設定部104と、管理情報生成部106と、図表生成部108と、表示制御部110と、を有する。管理装置100の詳細は、後述する。なお、管理装置100の各処理部を電子回路で構成してもよい。
【0012】
表示部200、500は、例えばモニタである。表示部200は、管理装置100が生成した情報などを表示する。表示部500は、処置端末400が生成した情報を表示する。
【0013】
操作部300、600は、例えばキーボードやマウスで構成される。操作部300は、管理装置100に管理側の操作者の指示信号を入力する。操作部600は、処置端末400にベンダー側の操作者の指示信号を入力する。
【0014】
処置端末400は、例えばCPU(CentralProcessingUnit)やMPU(MicroProcessor)、及び記憶部を含んで構成される。この処置端末400は、管理装置100からネットワークN100を介して供給される情報などを表示部500に表示させる。
【0015】
複数の三次元計測装置700は、例えば三次元計測センサを有して構成される。複数の三次元計測装置700は、管理対象となる製造過程にある機器の三次元計測データを測定する。三次元計測装置700は、製造過程の機器の形状を三次元的に計測する。すなわち、三次元計測装置700は、製造過程の機器にレーザ等を照射することにより、製造過程の機器の三次元計測データとして、例えば点群データを生成する。三次元計測データは、ネットワークN100を介して管理装置100に送信される。本実施形態に係る三次元計測装置700は、レーザを用いて測定するがこれに限定されない。例えば音波を用いた三次元計測装置でもよい。或いは、視点位置の異なる複数の画像を用いて三次元情報を生成する三次元計測装置でもよい。
【0016】
ここで、管理装置100の詳細を説明する。
取得部101は、ネットワークN100を介して、複数の三次元計測装置700の三次元計測データなどを取得する。
【0017】
記憶部(データベース)102は、例えばHDD(ハードディスクドライブ)やSSD(ソリッドステートドライブ)等で構成される。記憶部102は、管理装置100のプログラムの他に、管理装置100が処理を実行する過程で使用する情報を記憶する。また、記憶部102は、複数の三次元計測装置700の測定データ、及び、管理装置100が処理の過程で生成した情報を記憶する。記憶部102には、例えば部品、加工品要求仕様、製造工程、機器納期管理に必要な情報等が記憶されている。
【0018】
設定部104は、管理対象となる製造過程の機器、機器の製造工程毎の計画時間、及び測定項目を関連付けて設定する。この設定部104は、製造工程登録部104a、管理対象登録部104b、仕様登録部104c、及び作業工程登録部104dを有する。なお、設定部104の詳細は後述する。また、計画時間は、時間に限定されず、例えば計画日程などが含まれる。
【0019】
管理情報生成部106は、三次元計測装置700が計測した機器の第1外観情報と、計画時間に関連付けられた測定項目に対応する機器の第2外観情報と、に基づき、機器の進捗情報を生成する。本実施形態に係る外観情報とは、機器の外部から可視光、音波などで計測可能である情報を意味する。例えば、機器の外観情報は、機器の表面形状、寸法、幅、高さなどの情報を含むものである。この管理情報生成部106は、データ変換処理部106a、異常値検出部106b、及び製造進捗管理部106cを有する。なお、管理情報生成部106の詳細も後述する。
【0020】
図表生成部108は、管理装置100ないで生成された情報を図表化した画像を生成する。表示制御部110は、図表化した画像を含め、管理対象となる機器に関する情報を表示部200に表示させる。
【0021】
ここで、設定部104の詳細を説明する。製造工程登録部104aは、例えばベンダー側と管理側との間で合意した製造スケジュールを登録する製造工程システムである。
【0022】
図2は、図表生成部108が生成した製造スケジュールU200の画面例を示す図である。図2に示すように、製造スケジュールU200は、製造工程32毎に必要となる作業日数33、製造工程の開始予定日と完了予定日34、製造工程32毎の計画時間としての製造予定日時を示す作業ラインL35などの情報を有する。
【0023】
製造スケジュールU200では、作業工程32毎の開始予定日Xと完了予定日Yの間の期間が作業ラインL35として表示される。また、管理ライン36、37が表示される。なお、管理ライン36、37、警告表示38の詳細は後述する。
【0024】
製造工程登録部104aは、例えば図2に示す製造スケジュールU200の生成に必要となる情報を登録する。すなわち、製造工程登録部104aは、NO.1~15で示す各製造工程32の名称、製造工程32毎に必要となる作業日数33を登録する。ここでは、作業日数33の合計が3ヶ月に対応するように登録されている。製造工程登録部104aは、例えば操作者は、操作部300を介して登録することが可能である。或いは、製造工程登録部104aは、登録する情報を、ネットワークN100、及び取得部101を介して、設計情報などから
取得してもよい。
【0025】
図3は、図表生成部108が生成した管理対象登録図U310の一例を示す図である。ここでは製造工程32のNo.4(図2参照)に関する管理対象登録図U310を示す。
【0026】
図3に示すように、管理対象登録図U310には、例えば製造工程32毎(図2参照)の複数の作業工程番号E300、複数の作業工程番号E300に対応する製造工程E302(例えばNo.4(図2参照)に対応)、複数の作業工程番号E300毎に使用される部品名称E304、部品名称E304毎の作業名称E306、部品名称E304毎の作業に関する図面番号E308、及び部品名称E304毎の素材が表示される。UI画面U300、U305は、図表生成部108が生成したUI画面の一例を示す。操作者が操作部300を介して、UI画面U300にプラントの名称、機器名、製造工程を入力する。
【0027】
図表生成部108は、UI画面U300にプラント名、機器名称、製造工程などが入力され、検索、ダウンロードを示すUI画面U305が指示されると、図3図4などの情報を、記憶部102から検索し、表示部200に表示制御部110を介して表示させる。このように、対応する管理対象登録図U310が、表示制御部110を介して、表示部200に表示される。また、UI画面U300、UI画面U305及び管理対象登録図U310の情報を含む画像信号は、ネットワークN100を介して、ベンダー側の処置端末400に送信される。これにより、ベンダー側の表示部500は、UI画面U300、U305、管理対象登録図U310の表示も可能である。
【0028】
管理対象登録部104bは、例えば図3に示す管理対象登録図U310に示す情報を登録する。すなわち、管理対象登録部104bは、製造工程32毎(図2参照)の作業工程番号E300、作業工程E300毎に使用される部品名称(部品番号)E304、部品名称E304毎の作業名称E306、部品名称E304毎の作業に関する図面番号、及び部品名称E304毎の素材を登録する。管理対象登録部104bの情報は、例えば操作者が、操作部300を介して登録することが可能である。或いは、製造工程登録部104aは、登録する情報を、ネットワークN100、及び取得部101を介して、設計情報などから取得してもよい。
【0029】
図4は、図表生成部108が生成した仕様登録図U400の一例を示す図である。ここでは製造工程32のNo.4(図2参照)に関する仕様登録図の一部を示す。
【0030】
図4に示すように、仕様登録図U400には、例えば製造工程32毎の物品名称E401(例えば図2のE304に対応)、物品名称E401毎に設定される測定項目E402、合否判定結果E410などが表示される。測定項目E402は、仕様412と実測414とがある。仕様412は、寸法E404、角度E406、形状E408などと、誤差の許容範囲である。すなわち、仕様412は、製造工程32毎の物品の製造目標となる数値である。
【0031】
一方で、実測414には、三次元計測装置700が計測した計測データに基づく数値が表示される。計測者E411の欄には、三次元計測装置700の操作者の名前が記憶される。
【0032】
また、仕様登録図U400の情報を含む画像信号は、ネットワークN100を介して、ベンダー側の処置端末400に送信される。これにより、ベンダー側の表示部500は、仕様登録図U400の表示も可能である。矢印T40は、例えば、製造過程の途中までの作業工程の終了している位置を示す。すなわち、物品名J10A18、及び本体底部の測定は未終了であることを示す。
【0033】
仕様登録部104cは、例えば図4に示す仕様登録図U400に示す情報を登録する。すなわち、仕様登録部104cは、製造工程32毎(図2参照)の物品名称、物品名称毎に設定される仕様を登録する。仕様登録部104cの仕様は、例えば操作者が、操作部300を介して登録することが可能である。或いは、仕様登録部104cは、ネットワークN100、及び取得部101を介して、設計情報などから取得し、登録してもよい。
【0034】
作業工程登録部104dは、後述する図5に示す処理フローの各要素を設定可能である。
【0035】
なお、図3に示すように各製造工程には、作業工程の順番が作業工程番号として割振られている。このため、仕様登録図(図4参照)ないで示す実測及び合否判定は、製造スケジュール(図2参照)の予め定められた各時間帯L35の中で例えば作業工程番号の順に行われる。
【0036】
ここで、管理情報生成部106の詳細を説明する。
データ変換処理部106aは、三次元計測データに基づき、製造過程の機器の仕様データ(図4参照)と比較するための情報を生成する。例えば、データ変換処理部106aは、三次元計測データに基づき、製造過程の機器の寸法、角度、形状、などの情報を実測データとして生成する。
【0037】
図4に示すように、異常値検出部106bは、データ変換処理部106aが生成した製造過程の機器の各物品の実測データと、製造工程の計画時間に関連付けられた測定項目に対応する仕様データと、に基づき、合否判定を順に行う。例えば、異常値検出部106bは、実測データと、仕様データと、の誤差が許容範囲である場合に、合格と判定する。すなわち、異常値検出部106bは、製造過程の機器の実測データが機器の仕様データに対して、所定の範囲である誤差範囲未満である場合に、測定項目E402を満たすことを示す合格情報「○」を、測定項目E402に関連付ける。
【0038】
一方で、異常値検出部106bは、製造過程の機器の実測データ414が機器の仕様データ412に対して、所定の範囲である誤差範囲以上である場合に、測定項目E402を満たさないことを示す不合格情報「×」を、測定項目E402に関連付ける。なお、本実施形態に係る実測データ414が第1外観情報に対応し、仕様データ412が第2外観情報に対応する。また、異常値検出部106bは、不合格情報「×」を、測定項目E402に関連付ける場合に、表示制御部110を介して、表示部200に、不合格情報である部品名称、素材、物品の実測データ、物品の使用データなどを表示させてもよい。これにより、操作者は、不合格となった部品の状況を客観的に把握可能となる。なお、合格情報「○」、不合格情報「×」、が関連付けられた個所が、矢印T40に対応する。こように、格情報「○」、不合格情報「×」は、仕様登録図U400を表示部200に表示する際の進捗情報となる。
【0039】
図2に示すように、製造進捗管理部106cは、製造工程内の作業工程の合否が全て終了し、全てが合格した日を完了日Y‘として設定する。管理ライン37は、製造工程(No.4)の完了予定日Yと、完了日Y‘とが一致している例を示す。このように、図表生成部108は、製造工程の測定項目E402(図4参照)が全て合格情報に対応する場合に、進捗に異常が無いことを示す進捗情報として管理ライン37を製造スケジュールU200内に計画時間と関連付けて生成する。
【0040】
一方で管理ライン36は、製造工程(No.4)の完了日Y‘と、製造スケジュールの完了予定日Yとが一致していない例を示す。例えば、製造進捗管理部106cは、完了日Y‘が製造スケジュールの完了予定日Yよりも例えば3日ずれたら、遅延と判定し、製造スケジュールの図表内に警告表示38を表示させる。この場合、ライン35を垂直に横切る管理ライン36の位置は、製造スケジュールの終了予定日における作業工程の中の合格が得られている作業工程(図4のT40参照)に対応する。このように、図表生成部108は、製造工程の測定項目E402(図4参照)のいずれかが不合格情報に対応する場合に、進捗に異常があることを示す進捗情報として管理ライン36、警告表示38を製造スケジュールU200内に計画時間と関連付けて生成する。また、警告表示38は、不合格情報が消えた場合に、作業工程から消すように構成してもよい。
【0041】
図5は、管理装置100の処理の流れの一例を示す図である。図5に示すように、管理対象登録部104bが製造スケジュールU200の生成に必要となる情報を記憶部102に登録する(ステップS5)。続けて、製造工程登録部104aが製造スケジュールの生成に必要となる情報を記憶部102に登録する(ステップS10)。これにより、図表生成部108は、製造スケジュールU200、管理対象登録図U310、及び仕様登録図U400を生成する。そして、図表生成部108は、製造スケジュールU200、管理対象登録図U310、及び仕様登録図U400の情報を含む画像信号を、ネットワークN100を介して、ベンダー側の処置端末400に送信する。これにより、製造スケジュールU200、管理対象登録図U310、及び仕様登録図U400の情報がベンダー側と共有可能となる。
【0042】
次に、三次元計測装置700が、機器の受け入れ時の外観情報を撮像し、データ変換処理部106aに三次元計測データを送信し、データ変換処理部106aは、三次元計測データに基づき、受け入れ時の機器の仕様データと比較するための情報を生成する(ステップS11)。
【0043】
次に、異常値検出部106bは、データ変換処理部106aが生成した受け入れ時の機器の各物品の実測データと、製造工程の計画時間に関連付けられた測定項目に対応する仕様データと、に基づき、合否判定を順に行う(ステップS12、S13)。受け入れ時の機器の各物品のいずれかに異常がある場合(ステップS12)、採用の許容範囲を超えている場合に、ベンダー側の操作者は機器の部品(部材)を再手配し(ステップS14)、ステップS11からの処理を繰り返す。これにより、不適合ある部材への対応が迅速化し、工程に影響を及ぼすことが抑制される。
【0044】
一方で、採用の許容範囲を超えていない場合に、第1製造工程を実行する(ステップS15)。
【0045】
一方で、受け入れ時の機器の各物品に異常がない場合、第1製造工程を実行するステップS13)。次に、第1製造工程における加工などが終了後に、三次元計測装置700が、加工後の外観情報を撮像し、データ変換処理部106aに三次元計測データを送信し、データ変換処理部106aは、三次元計測データに基づき、加工後の機器の仕様データと比較するための情報を生成する(ステップS16)。
【0046】
次に、異常値検出部106bは、データ変換処理部106aが生成した加工後の機器の各物品の実測データと、製造工程の計画時間に関連付けられた測定項目に対応する加工後の各物品の仕様データと、に基づき、合否判定を順に行う(ステップS17、S18)。加工後の各物品のいずれかに異常がある場合(ステップS17)、採用の許容範囲を超えている場合に、ベンダー側の操作者は機器の部品(部材)を再手配し(ステップS18)、ステップS11からの処理を繰り返す。一方で、採用の許容範囲を超えていないが補修が必要である場合に、ベンダー側の操作者は補修作業を実行する(ステップS20)。
【0047】
次に、第1製造工程における補修作業などが終了後に、三次元計測装置700が、加工後の外観情報を撮像し、データ変換処理部106aに三次元計測データを送信し、データ変換処理部106aは、三次元計測データに基づき、補修作業後の機器の仕様データと比較するための情報を生成する(ステップS21)。補修作業後の各物品のいずれかに異常がある場合(ステップS22)、ベンダー側の操作者は機器に異常がなくなるまで加工を継続し、終了後に、製造進捗管理部106cは、完了日Y‘が製造スケジュールU200の完了予定日Yよりも遅れたら、遅延と判定し、製造スケジュールの図表内に警告表示38を表示させる。一方で、製造進捗管理部106cは、完了日Y‘が製造スケジュールU200の完了予定日Y未満であれば、遅延なしと判定し、製造スケジュールの図表内に完了ライン37を表示させる(ステップS25)。
【0048】
一方で、補修作業後の各物品のいずれにも異常がない場合(ステップS24)、ステップS25の処理を行う。
【0049】
一方で、加工後の各物品のいずれにも異常がない場合(ステップS18)、ステップS25の処理を行う。このように、製造工程の前、途中、終了後に外観検査により客観的に進捗管理処理を行うことにより、ES(Engineering Schedule)遅れが回避され、不適合などの異常値が原因で納期に影響を及ぼすことが抑制可能となる。
【0050】
以上説明したように、本実施によれば、設定部104が管理対象となる製造過程の機器、この機器の製造工程毎の計画時間、及び測定項目を関連付けて設定し、管理情報生成部106が、三次元計測装置700により計測された機器の実測データと、計画時間に関連付けられた測定項目に対応する機器の仕様データと、に基づき、機器の進捗情報を生成し、進捗情報を表示部200に表示させることとした。これにより、製造過程の機器の実測データと仕様データとの比較により客観的に判断された進捗情報を、共有可能となる。このため、製造中の機器の客観的な進捗管理が可能となる。
【符号の説明】
【0051】
100:管理装置、104:設定部、106:管理情報生成部、108:図表生成部、110:表示制御部、200:表示部、500:表示部、700:三次元計測装置。
図1
図2
図3
図4
図5