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特開2022-189552撮影システム、設置方法、及びコンピュータプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022189552
(43)【公開日】2022-12-22
(54)【発明の名称】撮影システム、設置方法、及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 5/247 20060101AFI20221215BHJP
   H04N 5/232 20060101ALI20221215BHJP
【FI】
H04N5/247
H04N5/232 160
H04N5/232 060
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021098195
(22)【出願日】2021-06-11
(71)【出願人】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 玲奈
(72)【発明者】
【氏名】古賀 一大
(72)【発明者】
【氏名】藤田 祐輔
【テーマコード(参考)】
5C122
【Fターム(参考)】
5C122EA63
5C122EA67
5C122FA18
5C122FK37
5C122FK40
5C122FL08
5C122GC77
5C122HB01
5C122HB05
(57)【要約】      (修正有)
【課題】複数のカメラを含む撮影システムにおいて、サブカメラの設置位置を適正化できる撮影システム、設置方法及びコンピュータプログラムを提供する。
【解決手段】複数のカメラ101、104、105を含む撮影システムにおいて、複数のカメラからメインカメラを選択する選択工程S702と、選択手段で選択されたメインカメラ101の位置に基づき、メインカメラ以外のサブカメラ104、105の推奨位置を出力する推奨位置出力工程S704~S706と、を備える。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のカメラを含む撮影システムにおいて、
前記複数のカメラからメインカメラを選択する選択手段と、
前記選択手段で選択された前記メインカメラの位置に基づき、前記メインカメラ以外のサブカメラの推奨位置を出力する推奨位置出力手段と、
を備えた撮影システム。
【請求項2】
前記推奨位置出力手段から出力された前記推奨位置に前記サブカメラを設置することを補助する補助手段を有することを特徴とする請求項1に記載の撮影システム。
【請求項3】
前記補助手段は発光、音声、振動、画像の少なくとも1つを用いて前記補助をすることを特徴とする請求項2に記載の撮影システム。
【請求項4】
前記補助手段は前記サブカメラの前記推奨位置と前記サブカメラの現在の位置のずれ量に応じた通知を行うことを特徴とする請求項3に記載の撮影システム。
【請求項5】
前記補助手段は、前記発光のパターン、前記音声のパターン、前記振動のパターンの少なくとも1つにより前記ずれ量を通知することを特徴とする請求項4に記載の撮影システム。
【請求項6】
前記推奨位置出力手段は、更に前記メインカメラと被写体との距離に基づき、前記メインカメラ以外のサブカメラの推奨位置を出力することを特徴とする請求項1に記載の撮影システム。
【請求項7】
前記推奨位置出力手段は前記サブカメラが複数ある場合には、夫々の前記サブカメラの前記推奨位置を出力することを特徴とする請求項1に記載の撮影システム。
【請求項8】
前記メインカメラの位置及び被写体までの距離と、前記サブカメラの数に応じたカメラフォーメーションのパターンを記憶するフォーメーションパターン記憶手段を含むことを特徴とする請求項1に記載の撮影システム。
【請求項9】
前記推奨位置出力手段により出力された前記推奨位置に前記サブカメラを設置できないことをユーザーが入力した場合に、前記推奨位置とは異なる代わりの推奨位置を出力することを特徴とする請求項1に記載の撮影システム。
【請求項10】
複数のカメラを含む撮影システムの設置方法において、
前記複数のカメラからメインカメラを選択する選択工程と、
前記選択工程で選択された前記メインカメラの位置に基づき、前記メインカメラ以外のサブカメラの推奨位置を出力する推奨位置出力工程と、
を備えた設置方法。
【請求項11】
請求項1~9のいずれか1項に記載の撮影システムの各手段をコンピュータにより制御するためのコンピュータプログラム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は複数のカメラを有する撮影システム、設置方法、及びコンピュータプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、映像制作の現場においては、カメラを複数台設置してライブ配信を実施する、もしくは、撮影した動画に対して後に編集を加えて映像作品として完成させるケースが増えている。例えば、カメラを複数台設置し、いろいろな角度や距離から撮影を行うことで、映像上の注目したい被写体をより強調可能なカメラ映像にスイッチャーで映像を切り替えてライブ配信を行う。もしくは、複数のカメラで録画した映像を注目したい被写体をより強調可能なシーンで切り替えるように編集することで、映像に変化を与えることが行われる。
【0003】
しかし、カメラを設置する際、各カメラの設置位置は、被写体との距離やカメラ設置可能な台数に応じた適切な設置位置にする必要がある。各カメラの設置位置フォーメーションが不適切であると、撮影画角中に別カメラの映りこみが発生するケースや、カメラを切り替えてもあまり代わり映えのしない映像になってしまうといったケースが発生する課題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019―118136号公報
【特許文献2】特開2019―149823号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の特許文献1には、撮影映像データを保存し、撮影映像データから死角を検出し、死角の発生を防止するように移動指示信号を生成し、移動カメラはこの移動指示信号に従って移動を行い、撮影を継続するという手法が開示されている。この手法は全撮影映像に死角が無くなるように万遍なく移動カメラを移動させて撮影することは可能である。しかし、メインカメラ、サブカメラを夫々固定設置して撮影する場合においては、カメラ台数に応じた適切な位置はわからず、別途、撮影者がサブカメラの設置位置を試行錯誤しつつ検討する必要がある。
【0006】
特許文献2には、複数台の撮像装置があるとき、撮影可否の情報を通信する手法が開示されている。しかし、この手法における撮影可能か否かの情報は主にストレージの空きや操作可能であるかといった点に基づくものであり、設置者がサブカメラの設置位置を試行錯誤しつつ検討する必要がある。
【0007】
そこで本発明は、複数のカメラを含む撮影システムにおいて、サブカメラの設置位置を容易に適正化できる撮影システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明は、
複数のカメラを含む撮影システムにおいて、
前記複数のカメラからメインカメラを選択する選択手段と、
前記選択手段で選択された前記メインカメラの位置に基づき、前記メインカメラ以外のサブカメラの推奨位置を出力する推奨位置出力手段と、
を備えた撮影システム。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、複数のカメラを含む撮影システムにおいて、サブカメラの設置位置を容易に適正化できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施例における撮影システムの構成図である。
図2】実施例における撮影システムの機能ブロック図である。
図3】実施例の撮影システムにおけるカメラの設置と撮影シーンの例を示す図である。
図4図3のような場面を撮影する際の、メインカメラとサブカメラの推奨設置位置を定義したフォーメーション図である。
図5】メインカメラを基準としたサブカメラの推奨設置位置を定義したフォーメーションデータテーブルである。
図6】メインカメラであるカメラ101のカメラ設定UI画面の一例を示す図である。
図7】本実施例の推奨設置位置の判定及び設置補助の処理フローを示すフローチャートである。
図8】カメラ本体のずれ度合いの提示を行う部位を示す模式図である。
図9】実施例の撮影システムにおいて、サブカメラを推奨位置に設置を行う作業例を示す模式図である。
図10】サブカメラが初回に判定した推奨設置位置に設置できなかった際に再判定を実行するカメラ設定UI画面の一例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施の形態について実施例を用いて説明する。尚、各図において、同一の部材ないし要素については同一の参照番号を付し、重複する説明は省略ないし簡略化する。
【実施例0012】
図1は実施例における撮影システムの構成図である。本実施例における撮影システムは主にカメラが3台(夫々101、104、105)、端末102、ネットワーク103によって構成されている。カメラ101、カメラ104、カメラ105、及び端末102は例えば無線のネットワーク103に接続されており、相互通信が可能である。ユーザーは端末102を用いてカメラ101、カメラ104、カメラ105を夫々設定・操作することができる。ネットワーク103は、カメラ101、カメラ104、カメラ105、及び端末102との通信が可能であれば有線であっても良く、又、ネットワーク方式には限定されない。
【0013】
図2は、実施例における撮影システムの機能ブロック図である。
カメラ101(及びカメラ104、カメラ105)は、撮像部201、画像処理部202、システム制御部203、カメラ設置制御部204、カメラ位置取得部208、映像出力部209、記憶部210、通信部211、ポート制御部212を備えている。又、カメラ設置制御部204は推奨設置位置判定処理部205、設置補助処理部206、設置誘導通知処理部207を備えている。
【0014】
撮像部201は、光学系と、光学系により形成された被写体像を撮像するための撮像素子を備えている。撮像素子は例えばCMOSイメージセンサ等であれば良く、被写体像の撮像及び電気信号への光電変換を行う。
画像処理部202は、撮像部201によって変換された電気信号に画像処理、圧縮符号化処理を行い、画像データを生成し、システム制御部203へ伝達する。
【0015】
システム制御部203は、生成された画像データを、通信部211を介して、端末102に配信する。又、通信部211を介して端末102から伝達されたカメラ制御コマンドを解析し、コマンドに応じた処理を行う。例えば、画像処理部202に対する画質調整の設定などの設定を行う。又、システム制御部203は揮発メモリを備えており、内部的な処理の結果を一時的に記憶することができる。
更に又、システム制御部203にはコンピュータとしてのCPUが内蔵されており、記憶媒体としてのメモリに記憶されたコンピュータプログラムに基づきカメラの各部の動作や他のカメラとの連動を制御する制御手段として機能している。
【0016】
尚、図2に示される機能ブロックの一部は、システム制御部203に含まれるコンピュータに、コンピュータプログラムを実行させることによって実現されているが、それらの一部又は全部をハードウェアで実現するようにしても構わない。ハードウェアとしては、専用回路(ASIC)やプロセッサ(リコンフィギュラブルプロセッサ、DSP)などを用いることができる。
又、図2に示されるそれぞれの機能ブロックは、同じ筐体に内蔵されていなくても良く、互いに接続された別々の装置により構成しても良い。
【0017】
カメラ設置制御部204は、カメラの設置に係る各種処理を行う制御部であり、前述のように、推奨設置位置判定処理部205、設置補助処理部206、設置誘導通知処理部207の3つの処理部を有する。
推奨設置位置判定処理部205は、複数台の各カメラをどこに設定すれば良いかを判定する処理を行う処理部でありメインカメラ側(図1ではカメラ101)で動作する。具体的には、入力されたサブカメラの台数や被写体との距離などの情報を基に推奨設置位置を判定する処理を担う。
【0018】
設置補助処理部206は、推奨設置位置判定処理部205で判定した設置位置に設置者が設置するのを補助する処理部でありメインカメラ側(図1の例ではカメラ101)で動作する。具体的には、サブカメラ(図1の例ではカメラ104、カメラ105)の位置を取得して推奨位置からの位置ずれ度合い(ずれ量)をサブカメラに通知し、サブカメラの設置を補助する処理を担う。
【0019】
設置誘導通知処理部207の処理はサブカメラ側(図1の例ではカメラ104、カメラ105)で行われ、メインカメラから通知された推奨位置からの位置ずれ度合いを受信する。そして、受信した位置ずれ度合いに基づき、設置者がカメラを推奨位置に誘導するためのずれ度合いを伝える提示(通知)をする処理を行う。具体的にはタリーランプ等による発光の点滅や、ブザー音等の音声、振動モーターの振動、画像などで設置者に通知を行う。
【0020】
カメラ位置取得部208は、カメラの位置を取得する処理を行う。例えば、不図示の無線モジュールでビーコンと呼ばれる、位置が予め特定されている複数の電波発信機から発する電波を受信し、前記の複数の電波発信機からの夫々の電波強度や電波の方向からカメラの位置を算出し、位置を取得する。尚、カメラ位置の取得をする方式は、例えばGPSを使う方式でも良いし、所定の位置を示す2次元マーカを撮影することでカメラ位置姿勢を取得する方式でも良く、限定されない。
【0021】
映像出力部209は、HDMI(登録商標)やSDI(Serial Digital Interface)などの映像出力端子を備えており、システム制御部203からの指示に基づいて、画像処理部202で生成された画像を外部に出力する。
記憶部210は、画質調整のパラメータやネットワークの設定といった設定値を記憶し、再起動した場合でも以前設定した値を用いて起動することが可能となっている。
【0022】
通信部211は、外部の端末102などの機器と通信を行い、ネットワーク103を介して外部の端末102などの機器から受信した制御コマンドをシステム制御部203に伝達する。そして、システム制御部203から指示された通信データをネットワーク103へ送信する通信処理を行う。又、システム制御部203からの指示に基づいて、画像処理部202で生成された画像データを、ネットワーク103を介して外部装置へ送信する。
【0023】
システム制御部203に外部の端末102などの機器から伝達されたコマンドのうち、カメラの設置に関するコマンドについてはカメラ設置制御部204に転送する。カメラ設置制御部204で処理された結果をシステム制御部203が受けとり、通信部211でその結果をネットワーク103の先の外部の端末102等に返送する。
【0024】
ポート制御部212は、各種I/Oポートを制御する処理部であり、ポートの先に接続された図8に記載のタリーランプ801のON/OFFやブザー802のON/OFF、振動モーター803のON/OFFなどの処理を行う。
【0025】
図3は、実施例の撮影システムにおけるカメラの設置と撮影シーンの例を示す図である。メインカメラであるカメラ101、サブカメラとしてのカメラ104、カメラ105が舞台を撮影するために準備されており、舞台上には人物301が立っている。メインカメラであるカメラ101は既に設置されており、サブカメラであるカメラ104、カメラ105を適切な位置に設置する必要がある状態を示している。
【0026】
図4は、図3のような場面を撮影する際の、メインカメラとサブカメラの推奨設置位置を定義したフォーメーション図である。
フォーメーション図401、402、403は夫々フォーメーションパターンであり、被写体との距離及びサブカメラの台数に応じた推奨設置位置パターンを示すこれらのフォーメーション図がデータとして記憶部210に格納されている。
【0027】
尚、記憶部210はメインカメラの位置や被写体までの距離と、サブカメラの数等に応じたカメラフォーメーションのパターンを記憶するフォーメーションパターン記憶手段として機能している。ここで、メインカメラの設置位置が特定されれば被写体までの距離がある程度特定される場合があるので、被写体までの距離は必須ではないが、メインカメラと被写体の距離もパラメータとして用いた方がサブカメラの推奨位置をより適切に決めることができる。
【0028】
ターゲット被写体410とメインカメラ411との距離(L)及び、メインカメラ411、サブカメラ(412、413、414、415)の推奨設置位置(推奨位置)がフォーメーション図には含まれている。これらのフォーメーション図に記載の各カメラの相対位置や被写体までの距離などの各種数値データについては、図5に記載のフォーメーションデータテーブルに格納されている。
【0029】
図5は、メインカメラを基準としたサブカメラの推奨設置位置を定義したフォーメーションデータテーブルであり、フォーメーションデータテーブル500の各種数値データが記憶部210の所定の領域に格納されている。
フォーメーションデータテーブル500は、TableNo(501)、NumOfSubCamera(502)、Coodinates_M(503)、TargetDistance(504)を含む。又、Coodinates_S1(505)、Coodinates_S2(506)、Coodinates_S3(507)、Coodinates_S4(508)を含む。
【0030】
TableNo(501)はテーブルの登録番号が値として格納されており、1番からの連番となっている。
NumOfSubCamera(502)は、サブカメラの台数の値が格納されている。
Coodinates_M(503)は、メインカメラの位置情報として3次元座標値が格納されている。
【0031】
TargetDistance(504)は、被写体とメインカメラまでの距離の値が格納されている。
Coodinates_S1(505)、Coodinates_S2(506)、Coodinates_S3(507)、Coodinates_S4(508)はサブカメラ1~4の夫々の推奨設置位置情報として3次元座標値が格納されている。
【0032】
このフォーメーションデータテーブルを参照することにより、被写体とメインカメラの距離及びサブカメラの台数に基づいた推奨設置位置を判定する。
尚、本実施例の図5で説明したテーブルの例では、設置済みメインカメラ1台と追加するサブカメラ最大4台までの事例として説明を行ったが、メインカメラの数やサブカメラの数はこれに限定されない。
【0033】
メインカメラ以外の設置済みカメラも存在する場合には、テーブルに例えばCoodinates_FS1といったカメラ位置データを更に追加することも可能である。又、追加するサブカメラが5台以上存在する場合には、例えばCoodinates_S5といった5台目以降のサブカメラの位置データを更に追加することも可能である。即ち、本実施例の撮影システムにおいては、サブカメラは1台でも良いし、任意の数の複数台であっても良い。
【0034】
図6は、メインカメラであるカメラ101のカメラ設定UI画面の一例を示す図である。
図6において、600はメインカメラであるカメラ101からの画像を取得し表示する端末102のカメラ設定UI画面であり、端末102でWebブラウザアプリケーションソフトを動作させることで表示される。
【0035】
接続先URL601は、カメラ101にアクセスするためのURLを指定するURL入力エリアである。
メインカメラ指定入力部602は、アクセスしているカメラをメインカメラに設定するためのチェックBOXであり、このチェックBOXをクリックすることによりカメラ101がメインカメラとして選択されて設定される。
【0036】
追加設置カメラ台数入力部603は、追加するサブカメラの台数を入力するための入力部であり、数値入力エリアに数値を入力して台数を設定する。
604は推奨設置位置判定実行ボタンであり、このボタンを押下すると、推奨設置位置(推奨位置)の判定処理を実行し、判定フォーメーション表示エリア605に判定結果としてのフォーメーション図を表示する。判定処理の詳細については、図7を用いて後述する。
【0037】
アドバイス表示欄606は、判定したフォーメーションに基づき、推奨設置位置(推奨位置)についてのアドバイスを表示する。
607は誘導通知開始ボタンであり、このボタンを押下すると判定したフォーメーションに従い、サブカメラ側に誘導通知指示を出す。それにより、サブカメラ側で設置者にずれ度合い(ずれ量)を提示する処理が行われる。
【0038】
このように本実施例では、カメラ設定UI画面を表示し、画面を操作することにより、推奨設置位置の判定及び推奨設置位置への誘導を実行することができる。
図7は、本実施例の推奨設置位置の判定及び設置補助の処理フローを示すフローチャートである。尚、メインカメラとサブカメラの夫々のシステム制御部203内のコンピュータがメモリに記憶されたコンピュータプログラムを実行し連動して動作することによって図7のフローチャートの各ステップの動作が行われる。
【0039】
図7において、点線より左側がメインカメラ(本実施例ではカメラ101)側の処理フローであり、点線より右側がサブカメラ(本実施例ではカメラ104及びカメラ105)側の処理フローとなる。本フローチャートで実行される処理フローは図2の機能ブロックの中の、主にカメラ設置制御部204を用いて実行される。
【0040】
特に、メインカメラの推奨設置位置判定処理部205ではステップS701~S705の処理が実行され、メインカメラの設置補助処理部206では、ステップS706~S716の処理フローが実行される。又、サブカメラの設置誘導通知処理部207では、ステップS706~S716の処理フローが実行される。
【0041】
まず、ステップS701では、前述したカメラ設定UI画面へのアクセスを受け付け、端末102のWebブラウザ画面上に図6のようなカメラ設定UI画面を表示する。
次に、ステップS702では、カメラ設定UI画面のメインカメラ指定入力部602でカメラ101がメインカメラとして選択されるのを受け付ける。ここで、ステップS702は複数のカメラからメインカメラを選択する選択手段(選択工程)として機能している。又、ステップS702において、追加設置カメラ台数入力部603で設定されたサブカメラの台数と推奨設置位置判定実行ボタン604のボタン押下から判定実行指示を受け付ける。
【0042】
判定実行指示を受け付けると、ステップS703で、カメラ101では被写体までの距離を計測する。距離の計測については、例えば、カメラ101に不図示の赤外センサー等を設けて被写体との距離を計測しても良いし、カメラ101に測距センサーが搭載されていればそれを使用する。
【0043】
次にステップS704で、メインカメラの位置及び計測した被写体までの距離及びサブカメラ台数をパラメータとして、図5で説明したフォーメーションデータテーブル500から最も近いパターンを検索する。即ち、TargetDistance(504)の値とステップS703で計測した距離とを比較し、最も距離が近い候補を選定する。更に、その候補の中から、更にサブカメラ数であるNumOfSubCamera(502)の値とステップS702で受け付けたサブカメラ台数と一致するものを検索する。
【0044】
そして、ステップS705で、S704での検索で選定したフォーメーションを推奨設置位置のフォーメーションとして決定する。
ステップS706では、ステップS705で決定したフォーメーションに該当するフォーメーション図を図6で説明した判定フォーメーション表示エリア605に表示する。
【0045】
ここで、ステップS704~ステップS706は、選択手段で選択されたメインカメラの位置(更には被写体との距離)に基づき、サブカメラの推奨位置を出力する推奨位置出力手段(推奨位置出力工程)として機能している。又、このとき、サブカメラが複数ある場合には、夫々のサブカメラの推奨位置を出力して判定フォーメーション表示エリア605に表示する。
【0046】
ステップS707では、誘導通知開始ボタン607の押下により誘導開始指示を受け付け、ステップS708でサブカメラ位置を取得し、推奨位置からのずれ度合い(ずれ量)を算出する。
このとき、サブカメラ側ではメインカメラからのリクエストを受けて、ステップS709でカメラ位置をメインカメラに送信する。このとき前述のようにサブカメラの位置はビーコン等を用いて測定される。ステップS708での、推奨位置からのずれ度合いの算出は、ステップS709で取得したカメラ位置と、サブカメラ1の推奨位置座標に関する図5のCoodinates_S1(505)の値との相対距離を計算することで求める。
【0047】
ステップS710では、ステップS708で算出した相対距離をずれ度合い(ずれ量)としてサブカメラに通知する。
サブカメラ側ではステップS711で通知を受け付け、ステップS712で、受信した通知内容がずれ度合いであるか否かを確認する。そして、ずれ度合いの値であった場合には、ステップS713でずれ度合いをユーザーへ通知(提示)するための提示処理をサブカメラ側で実行する。ずれ度合いの通知ではなかった場合には、ステップS714で提示処理の停止を行う。詳細は図8及び図9を用いて後述する。
【0048】
そして、メインカメラ側では、ステップS715で、サブカメラが推奨した位置に到着したか否かを確認し、到着していなければ、ステップS708に戻って又サブカメラの位置を取得して、ずれ度合いを再び算出する。サブカメラが推奨した位置に到着した場合にはステップS716で提示終了通知をサブカメラ側に通知する。このように、ステップS707~ステップS716は、推奨位置出力手段から出力された推奨位置にサブカメラを設置することを補助する補助手段(補助工程)として機能している。
【0049】
提示終了通知を受けたサブカメラ側は受けた通知がずれ度合いの受信では無い為、ステップS714で提示処理(ユーザーへの通知処理)を終了する。
このように本実施例によれば、追加設置するサブカメラをどこに置けば好適かを判定し、その推奨位置へサブカメラが設置されるように補助することが容易にできる。
【0050】
図8は、カメラ本体のずれ度合いの提示を行う部位を示す模式図である。タリーランプ801がカメラ104やカメラ105に備えられており、タリーランプの例えば点滅周期等の点滅パターンを変えることにより、推奨位置に近付いているか、遠ざかっているかを提示することが可能である。
【0051】
又、ブザー802のブザー音量や音声パターンを変えることにより、推奨位置に近付いているか遠ざかっているかを提示することもできる。又カメラ本体内部に備える振動モーター803のモーター振動パターンを変えることにより、推奨位置に近付いているか遠ざかっているかを提示することもできる。尚、これらのパターンは発光や発音や振動の間欠的な動作の周期パターンであっても良いし、振幅の変化パターンであっても良いし、発光や発音や振動の周波数パターンであっても良い。
【0052】
尚、本実施例ではこの3種類の提示手段を事例として記載したが、図8に記載の提示手段は一例であり、実施手段を限定するものではなく、その他の機構を用いて提示しても構わない。例えば、外部の端末などの画面に推奨位置とサブカメラの現在位置を表示したり、推奨位置に近付いているか、遠ざかっているかを画面上で提示したりするなどの画像表示を用いることも可能である。又、それらの内の2つ以上を適宜組み合わせても良い。
【0053】
即ち、補助手段は発光パターン、音声パターン、振動パターン、画像等の少なくとも1つを用いてサブカメラの推奨位置とサブカメラの現在の位置のずれ量(ずれ度合い)に応じた通知をユーザーに対して行う。それによってユーザーによるサブカメラの設置の補助をすることができる。
【0054】
図9は、実施例の撮影システムにおいて、サブカメラを推奨位置に設置を行う作業例を示す模式図である。
設置者901は、サブカメラであるカメラ104を移動させる際に、例えばタリーランプ801の点滅パターンを見ながら推奨位置902に移動させる。カメラ104が推奨位置により近付けばタリーランプの点滅速度を速くし、推奨位置に到達すると点灯し続けるようにして、推奨位置に設置する補助を行うことが可能となる。
【0055】
図10は、サブカメラが初回に判定した推奨設置位置に設置できなかった際に再判定を実行するカメラ設定UI画面の一例を示した図である。
カメラ設定UI画面1000上で、障害物等により推奨設置位置に設置が出来なかったサブカメラのアイコンを、設置者が判定フォーメーション表示エリア605の中からクリックすることにより、マークを付ける。そして、再度、推奨設置位置判定実行ボタン604を押下すると、マークを付けた座標にはサブカメラを置かないフォーメーションをフォーメーションデータテーブル500から再検索する。
【0056】
そして、カメラ設定UI画面1001の表示に切り替わり、新しい判定結果が判定フォーメーション表示エリア605に表示される。即ち、推奨位置出力手段により出力された推奨位置にサブカメラを設置できないことをユーザーが入力した場合には、推奨位置とは異なる代わりの推奨位置を出力する。
【0057】
再判定を実行する処理フローについては、図7で説明した処理フローと基本的には同一であり、ステップS704のテーブル検索処理を行う際、設置不可座標を含むエントリを検索対象から除外すれば良い。このようにして初回の推奨設置位置に設置できなかった場合においても、設置不可な位置を避けた別の推奨設置位置を判定することが可能となる。
【0058】
以上、本発明をその好適な実施例に基づいて詳述してきたが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の主旨に基づき種々の変形が可能であり、それらを本発明の範囲から除外するものではない。
尚、本実施例における制御の一部又は全部を上述した実施例の機能を実現するコンピュータプログラムをネットワーク又は各種記憶媒体を介して撮影システム等に供給するようにしてもよい。そしてその撮影システム等におけるコンピュータ(又はCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行するようにしてもよい。その場合、そのプログラム、及び該プログラムを記憶した記憶媒体は本発明を構成することとなる。
【符号の説明】
【0059】
101 カメラ
102 端末
103 ネットワーク
104 カメラ
105 カメラ
301 人物
500 フォーメーションテーブル
600 カメラ設定UI画面
801 タリーランプ
802 スピーカー
803 振動モーター

図1
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