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特開2022-189566ゲートドライバ、半導体装置、スイッチング電源
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022189566
(43)【公開日】2022-12-22
(54)【発明の名称】ゲートドライバ、半導体装置、スイッチング電源
(51)【国際特許分類】
   H02M 1/08 20060101AFI20221215BHJP
   H02M 3/155 20060101ALI20221215BHJP
【FI】
H02M1/08 A
H02M3/155 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021098214
(22)【出願日】2021-06-11
(71)【出願人】
【識別番号】000116024
【氏名又は名称】ローム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】弁理士法人 佐野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】上阪 岬
(72)【発明者】
【氏名】村上 和宏
【テーマコード(参考)】
5H730
5H740
【Fターム(参考)】
5H730AA14
5H730AS05
5H730BB13
5H730DD04
5H730EE59
5H730FD01
5H740AA06
5H740BA12
5H740BC01
5H740BC02
5H740HH05
5H740JA01
5H740JB01
5H740KK01
(57)【要約】
【課題】トランジスタのオン/オフに伴うゲート損失を削減する。
【解決手段】ゲートドライバ12Lは、トランジスタ11Lのゲート容量CissLを充放電するように構成されたゲート駆動回路121と、ゲート容量CissLの放電時に少なくとも一部の電荷を蓄えておきその電荷を次回の充電時に利用するように構成されたキャパシタ回路122と、を有する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トランジスタのゲート容量を充放電するように構成されたゲート駆動回路と、
前記ゲート容量の放電時に少なくとも一部の電荷を蓄えておきその電荷を次回の充電時に利用するように構成されたキャパシタ回路と、
を有する、ゲートドライバ。
【請求項2】
前記キャパシタ回路は、キャパシタ及びスイッチを含み、
前記キャパシタ及び前記スイッチは、前記トランジスタのゲートと主電極との間に直列接続されるように構成されている、請求項1に記載のゲートドライバ。
【請求項3】
前記ゲート駆動回路は、電源端と前記トランジスタの前記ゲートとの間に接続されるように構成された第1スイッチと、前記トランジスタの前記ゲートと前記主電極との間に接続されるように構成された第2スイッチを含む、請求項2に記載のゲートドライバ。
【請求項4】
前記キャパシタの第1端は、前記スイッチの第1端に接続されており、
前記キャパシタの第2端は、前記トランジスタの前記主電極に接続されており、
前記スイッチの第2端は、前記トランジスタのゲートに接続されており、
前記第1スイッチの第1端は、前記電源端に接続されており、
前記第1スイッチの第2端と前記第2スイッチの第1端は、いずれも前記トランジスタのゲートに接続されており、
前記第2スイッチの第2端は、前記トランジスタの前記ゲートに接続されている、
請求項3に記載のゲートドライバ。
【請求項5】
前記ゲート容量の充電時には、前記スイッチがオン状態であって前記第1スイッチ及び前記第2スイッチがいずれもオフ状態である第1フェイズとなった後、前記第1スイッチがオン状態であって前記スイッチ及び前記第2スイッチがいずれもオフ状態である第2フェイズとなり、
前記ゲート容量の放電時には、前記スイッチがオン状態であって前記第1スイッチ及び前記第2スイッチがいずれもオフ状態である第3フェイズとなった後、前記第2スイッチがオン状態であって前記スイッチ及び前記第1スイッチがいずれもオフ状態である第4フェイズとなる、請求項3または4に記載のゲートドライバ。
【請求項6】
前記キャパシタ回路は、電源端と出力ノードとの間に接続されるように構成されたスイッチと、前記出力ノードと前記トランジスタの主電極との間に接続されており容量値が切り替えられるように構成された可変キャパシタを含み、前記可変キャパシタの充電電圧を前記出力ノードから前記ゲート駆動回路に出力する、請求項1に記載のゲートドライバ。
【請求項7】
前記ゲート駆動回路は、前記出力ノードと前記トランジスタのゲートとの間に接続されるように構成された第1スイッチと、前記トランジスタの前記ゲートと前記主電極との間に接続されるように構成された第2スイッチを含む、請求項6に記載のゲートドライバ。
【請求項8】
前記ゲート容量の充電時には、前記第1スイッチがオン状態であり前記スイッチ及び前記第2スイッチがいずれもオフ状態であって前記可変キャパシタが第1容量値である第1フェイズとなった後、前記第1スイッチがオン状態であり前記スイッチ及び前記第2スイッチがいずれもオフ状態であって前記可変キャパシタが前記第1容量値よりも小さい第2容量値である第2フェイズとなり、
前記ゲート容量の放電時には、前記第1スイッチがオン状態であり前記スイッチ及び前記第2スイッチがいずれもオフ状態であって前記可変キャパシタが前記第1容量値である第3フェイズとなった後、前記第1スイッチがオフ状態であり前記スイッチ及び前記第2スイッチがいずれもオン状態であって前記可変キャパシタが前記第1容量値である第4フェイズとなる、請求項7に記載のゲートドライバ。
【請求項9】
前記ゲート駆動回路は、電源端と前記キャパシタ回路の第1端との間に接続されるように構成された第1スイッチと、前記キャパシタ回路の前記第1端と前記トランジスタのゲートとの間に接続されるように構成された第2スイッチと、前記トランジスタの前記ゲートと前記キャパシタ回路の第2端との間に接続されるように構成された第3スイッチと、前記キャパシタ回路の前記第2端と前記トランジスタの主電極との間に接続されるように構成された第4スイッチを含む、請求項1に記載のゲートドライバ。
【請求項10】
前記ゲート容量の充電時には、前記第2スイッチ及び前記第4スイッチがいずれもオン状態であって前記第1スイッチ及び前記第3スイッチがいずれもオフ状態である第1フェイズとなった後、前記第1スイッチ及び前記第2スイッチがいずれもオン状態であって前記第3スイッチ及び前記第4スイッチがいずれもオフ状態である第2フェイズとなり、
前記ゲート容量の放電時には、前記第2スイッチ及び前記第4スイッチがいずれもオン状態であって前記第1スイッチ及び前記第3スイッチがいずれもオフ状態である第3フェイズとなった後、前記第3スイッチ及び前記第4スイッチがいずれもオン状態であって前記第1スイッチ及び前記第2スイッチがいずれもオフ状態である第4フェイズとなる、請求項9に記載のゲートドライバ。
【請求項11】
請求項1~10のいずれか一項に記載のゲートドライバと、
前記ゲートドライバによりオン/オフされるように構成された前記トランジスタと、
を有する、半導体装置。
【請求項12】
請求項11に記載の半導体装置と、
前記トランジスタのスイッチング駆動により入力電圧から出力電圧を生成するように構成されたスイッチ出力段と、
を有する、スイッチング電源。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書中に開示されている発明は、ゲートドライバ及びこれを用いた半導体装置並びにスイッチング電源に関する。
【背景技術】
【0002】
ゲートドライバは、トランジスタの駆動手段として広く一般に利用されている。
【0003】
なお、上記に関連する従来技術の一例としては、特許文献1を挙げることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-061663号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来のゲートドライバは、トランジスタのオン/オフに伴うゲート損失(スイッチング損失)の削減について改善の余地があった。
【0006】
本明細書中に開示されている発明は、本願の発明者らにより見出された上記の課題に鑑み、トランジスタのオン/オフに伴うゲート損失を削減することのできるゲートドライバ及びこれを用いた半導体装置並びにスイッチング電源を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
例えば、本明細書中に開示されているゲートドライバは、トランジスタのゲート容量を充放電するように構成されたゲート駆動回路と、前記ゲート容量の放電時に少なくとも一部の電荷を蓄えておきその電荷を次回の充電時に利用するように構成されたキャパシタ回路と、を有する。
【0008】
なお、その他の特徴、要素、ステップ、利点、及び、特性については、以下に続く発明を実施するための形態及びこれに関する添付の図面によって、さらに明らかとなる。
【発明の効果】
【0009】
本明細書中に開示されている発明によれば、トランジスタのオン/オフに伴うゲート損失を削減することのできるゲートドライバ、及び、これを用いた半導体装置並びにスイッチング電源を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、半導体装置の要部構成を示す図である。
図2図2は、ゲートドライバの第1実施形態を示す図である。
図3図3は、第1実施形態のゲートドライバによるゲート駆動動作の一例を示す図(第1フェイズ)である。
図4図4は、第1実施形態のゲートドライバによるゲート駆動動作の一例を示す図(第2フェイズ)である。
図5図5は、第1実施形態のゲートドライバによるゲート駆動動作の一例を示す図(第3フェイズ)である。
図6図6は、第1実施形態のゲートドライバによるゲート駆動動作の一例を示す図(第4フェイズ)である。
図7図7は、第1実施形態のゲートドライバによるゲート駆動動作の一例を示す図(タイミングチャート)である。
図8図8は、ゲートドライバの第2実施形態を示す図である。
図9図9は、第2実施形態のゲートドライバによるゲート駆動動作の一例を示す図(第1フェイズ)である。
図10図10は、第2実施形態のゲートドライバによるゲート駆動動作の一例を示す図(第2フェイズ)である。
図11図11は、第2実施形態のゲートドライバによるゲート駆動動作の一例を示す図(第3フェイズ)である。
図12図12は、第2実施形態のゲートドライバによるゲート駆動動作の一例を示す図(第4フェイズ)である。
図13図13は、第2実施形態のゲートドライバによるゲート駆動動作の一例を示す図(タイミングチャート)である。
図14図14は、ゲートドライバの第3実施形態を示す図である。
図15図15は、第3実施形態のゲートドライバによるゲート駆動動作の一例を示す図(第1フェイズ)である。
図16図16は、第3実施形態のゲートドライバによるゲート駆動動作の一例を示す図(第2フェイズ)である。
図17図17は、第3実施形態のゲートドライバによるゲート駆動動作の一例を示す図(第3フェイズ)である。
図18図18は、第3実施形態のゲートドライバによるゲート駆動動作の一例を示す図(第4フェイズ)である。
図19図19は、第3実施形態のゲートドライバによるゲート駆動動作の一例を示す図(タイミングチャート)である。
図20図20は、スイッチング電源の一構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<半導体装置>
図1は、半導体装置の要部構成(例えば、電源コントローラICまたはモータドライバICのスイッチ出力段周辺)を示す図である。本構成例の半導体装置10は、ハーフブリッジ出力回路11と、ゲートドライバ12と、ブートストラップ回路13と、電源端子PVINと、スイッチ端子SWと、を有する。
【0012】
ハーフブリッジ出力回路11は、上側トランジスタ11H及び下側トランジスタ11Lを含み、両トランジスタ相互間の接続ノードに相当するスイッチ端子SWから矩形波状のスイッチ電圧Vswを出力する。
【0013】
上側トランジスタ11Hは、電源端子PVIN(=入力電圧Vinの印加端)とスイッチ端子SW(=スイッチ電圧Vswの出力端)との間に接続されており、上側ゲート信号GHに応じてオン/オフされる。なお、上側トランジスタ11Hとしては、NMOSFET[N-channel type metal oxide semiconductor field effect transistor]等を好適に用いることができる。その場合、上側トランジスタ11Hは、GH=H(≒Vb)であるときにオンしてGH=L(≒Vsw)であるときにオフする。なお、上側トランジスタ11Hとしては、NMOSFETではなくPMOSFET[P-channel type MOSFET]を用いることも可能である。その場合、ブートストラップ回路13が不要となる。
【0014】
下側トランジスタ11Lは、スイッチ端子SWと接地端PGNDとの間に接続されており、下側ゲート信号GLに応じてオン/オフされる。なお、下側トランジスタ11Lとしては、NMOSFET等を好適に用いることができる。その場合、下側トランジスタ11Lは、GL=H(≒Vin)であるときにオンして、GL=L(≒PGND)であるときにオフする。
【0015】
ゲートドライバ12は、上側ゲートドライバ12H及び下側ゲートドライバ12Lを含み、上側トランジスタ11H及び下側トランジスタ11Lそれぞれをオン/オフする。
【0016】
上側ゲートドライバ12Hは、PMOSFET12H1、NMOSFET12H2、及び、ドライバ12H3を含む。
【0017】
PMOSFET12H1のソースは、ブートストラップ回路13の出力端(=ブート電圧Vbの印加端)に接続されている。PMOSFET12H1及びNMOSFET12H2それぞれのドレインは、いずれも上側トランジスタ11Hのゲートに接続されている。NMOSFET12H2のソースは、スイッチ端子SW(=上側トランジスタ11Hのソース)に接続されている。PMOSFET12H1及びNMOSFET12H2それぞれのゲートは、いずれもドライバ12H3の出力端に接続されている。
【0018】
ドライバ12H3は、上側制御信号SHに基づいてPMOSFET12H1及びNMOSFET12H2をそれぞれオン/オフする。
【0019】
例えば、ドライバ12H3としてインバータが用いられている場合、上側制御信号SHがハイレベルであるときには、PMOSFET12H1がオンしてNMOSFET12H2がオフする。このとき、PMOSFET12H1に流れる充電電流IcHにより、上側トランジスタ11Hのゲート容量CissHが充電される。従って、上側ゲート信号GHがハイレベル(≒Vb)となる。
【0020】
逆に、上側制御信号SHがローレベルであるときには、PMOSFET12H1がオフしてNMOSFET12H2がオンする。このとき、NMOSFET12H2に流れる放電電流IdHにより上側トランジスタ11Hのゲート容量CissHが放電される。従って、上側ゲート信号GHがローレベル(≒Vsw)となる。
【0021】
下側ゲートドライバ12Lは、PMOSFET12L1、NMOSFET12L2、及び、ドライバ12L3を含む。
【0022】
PMOSFET12L1のソースは、入力電圧Vinの印加端に接続されている。PMOSFET12L1及びNMOSFET12L2それぞれのドレインは、いずれも下側トランジスタ11Lのゲートに接続されている。NMOSFET12L2のソースは、接地端PGNDに接続されている。PMOSFET12L1及びNMOSFET12L2それぞれのゲートは、いずれもドライバ12L3の出力端に接続されている。
【0023】
ドライバ12L3は、下側制御信号SLに基づいてPMOSFET12L1及びNMOSFET12L2をそれぞれオン/オフする。
【0024】
例えば、ドライバ12L3としてインバータが用いられている場合、下側制御信号SLがハイレベルであるときには、PMOSFET12L1がオンしてNMOSFET12L2がオフする。このとき、PMOSFET12L1に流れる充電電流IcLにより、下側トランジスタ11Lのゲート容量CissLが充電される。従って、下側ゲート信号GLがハイレベル(≒Vin)となる。
【0025】
逆に、下側制御信号SLがローレベルであるときには、PMOSFET12L1がオフしてNMOSFET12L2がオンする。このとき、NMOSFET12L2に流れる放電電流IdLにより下側トランジスタ11Lのゲート容量CissLが放電される。従って、下側ゲート信号GLがローレベル(≒PGND)となる。
【0026】
ブートストラップ回路13は、キャパシタ131とスイッチ132を含む。キャパシタ131及びスイッチ132それぞれの第1端は、いずれもブートストラップ回路13の出力端(=ブート電圧Vbの印加端)に接続されている。キャパシタ131の第2端は、スイッチ端子SW(=スイッチ電圧Vswの印加端)に接続されている。スイッチ132の第2端は、電源端子PVIN(=入力電圧Vinの印加端)に接続されている。なお、スイッチ132は、上側トランジスタ11Hのオン期間にオフして、上側トランジスタ11Hのオフ期間にオンする。
【0027】
上記のブートストラップ回路13は、スイッチ電圧Vswよりも常にキャパシタ131の両端間電圧(≒Vin)だけ高いブート電圧Vb(≒Vsw+Vin)を生成する。すなわち、ブート電圧Vbは、スイッチ電圧Vswのハイレベル期間(Vsw≒Vin)にはVb≒2Vinとなり、スイッチ電圧Vswのローレベル期間(Vsw≒PGND)にはVb≒Vinとなる。
【0028】
このようにして生成されるブート電圧Vbは、上側ゲートドライバ12Hに供給されており、上側ゲート信号GHのハイレベル(=上側トランジスタ11Hをオンするためのゲート電圧)として用いられる。従って、上側トランジスタ11Hのオン期間には、上側ゲート信号GHのハイレベル(≒Vb)がスイッチ電圧Vswのハイレベル(≒Vin)よりも高い電圧値(≒2Vin)まで引き上げられるので、上側トランジスタ11Hのゲート・ソース間電圧を高めて上側トランジスタ11Hを確実にオンすることが可能となる。
【0029】
ところで、本構成例のゲートドライバ12では、上側トランジスタ11H及び下側トランジスタ11Lをそれぞれオフするときに、ゲート容量CissH及びCissLに蓄えられた電荷を全て捨てており、上側トランジスタ11H及び下側トランジスタ11Lそれぞれのオン/オフに伴うゲート損失(スイッチング損失)が生じている。以下では、このゲート損失を削減することのできる新規な実施形態を提案する。
【0030】
<ゲートドライバ(第1実施形態)>
図2は、下側ゲートドライバ12Lの第1実施形態を示す図である。第1実施形態の下側ゲートドライバ12Lは、ゲート駆動回路121とキャパシタ回路122を含む。
【0031】
ゲート駆動回路121は、下側トランジスタ11Lのゲート容量CissLを充放電するように構成された回路ブロックであり、スイッチSW1及びSW2を含む。スイッチSW1は、図1のPMOSFET12L1に相当し、入力電圧Vinの印加端(=電源端に相当)と下側トランジスタ11Lのゲートとの間に接続されている。スイッチSW2は、図1のNMOSFET12L2に相当し、下側トランジスタ11Lのゲートとソースとの間に接続されている。
【0032】
キャパシタ回路122は、ゲート容量CissLの放電時に少なくとも一部の電荷を蓄えておきその電荷を次回の充電時に利用するように構成された回路ブロックであり、キャパシタC11とスイッチSW11を含む。
【0033】
キャパシタC11とスイッチSW11は、下側トランジスタ11Lのゲートとソースとの間に直列接続されている。本図に即して述べると、キャパシタC11の第1端(=充電電圧Vcpの印加端)は、スイッチSW11の第1端に接続されている。キャパシタC11の第2端は、下側トランジスタ11Lのソースに接続されている。スイッチSW11の第2端は、下側トランジスタ11Lのゲートに接続されている。
【0034】
なお、本図では、下側ゲートドライバ12Lを例に挙げたが、上側ゲートドライバ12Hも基本的に同様の構成としてよい。
【0035】
図3図4図5及び図6は、それぞれ、第1実施形態の下側ゲートドライバ12Lによるゲート駆動動作の一例を示す図(第1フェイズ、第2フェイズ、第3フェイズ及び第4フェイズそれぞれの動作状態図)である。
【0036】
また、図7は、第1実施形態の下側ゲートドライバ12Lによるゲート駆動動作の一例を示すタイミングチャートであり、上から順に、スイッチSW1、SW2及びSW11それぞれのオン/オフ状態と、充電電圧Vcp(実線)、下側ゲート信号GL(小破線)及びスイッチ電圧Vsw(大破線)それぞれの電圧波形が描写されている。なお、説明の便宜上、キャパシタC11には、時刻t11以前のゲート駆動動作により既に電荷が蓄えられているものとする。
【0037】
以下では、図3図7を参照しながら、第1実施形態の下側ゲートドライバ12Lによるゲート駆動動作について詳述する。
【0038】
第1実施形態の下側ゲートドライバ12Lは、下側トランジスタ11Lをオフ状態からオン状態に切り替えるとき、言い換えれば、下側トランジスタ11Lのゲート容量CissLを充電するとき、第1フェイズとなった後、第2フェイズとなる。
【0039】
なお、第1実施形態の下側ゲートドライバ12Lにおいて、第1フェイズとは、図3及び図7(時刻t11~t12)で示したように、スイッチSW11がオン状態であって、スイッチSW1及びSW2がいずれもオフ状態である動作フェイズを指す。
【0040】
また、第1実施形態の下側ゲートドライバ12Lにおいて、第2フェイズとは、図4及び図7(時刻t12~t13)で示したように、スイッチSW1がオン状態であって、スイッチSW11及びSW2がいずれもオフ状態である動作フェイズを指す。
【0041】
まず、第1フェイズでは、図3の破線矢印で示すように、キャパシタC11の充電電圧Vcpを用いたゲート容量CissLの充電(=キャパシタC11の放電)が行われる。言い換えると、キャパシタC11に蓄えられている電荷の一部がゲート容量CissLに分配される。従って、第1フェイズでは、図7の時刻t11~t12で示したように、下側ゲート信号GLがローレベル(≒PGND)から上昇するとともに充電電圧Vcpが低下し、GL=Vcpとなったところで平衡する。
【0042】
下側ゲート信号GLが下側トランジスタ11Lのオン閾値電圧を上回ると、下側トランジスタ11Lがオン状態となるので、スイッチ電圧Vswがローレベル(≒PGND)となる。図7に即して述べると、時刻t11では、上側トランジスタ11H及び下側トランジスタ11Lの同時オフ状態(=貫通電流防止用のデッドタイム)が解消されたことに伴い、スイッチ電圧Vswが負電位(=下側トランジスタ11Lに付随するボディダイオードの順方向降下電圧)からローレベル(≒PGND)に上昇する様子が描写されている。
【0043】
次に、第2フェイズでは、図4の破線矢印で示すように、入力電圧Vinを用いてゲート容量CissLの充電が継続される。従って、図7の時刻t12~t13で示したように、下側ゲート信号GLがハイレベル(≒Vin)まで上昇する。その結果、下側トランジスタ11Lのオン抵抗値がさらに低下し、スイッチ電圧Vswがローレベル(≒PGND)に維持される。
【0044】
なお、第2フェイズでは、スイッチSW11がオフ状態なので、キャパシタC11が入力電圧Vinを用いて充電されることはない。従って、充電電圧Vcpは、第1フェイズとほぼ同電位に維持されたままとなる。
【0045】
一方、第1実施形態の下側ゲートドライバ12Lは、下側トランジスタ11Lをオン状態からオフ状態に切り替えるとき、言い換えれば、下側トランジスタ11Lのゲート容量CissLを放電するとき、第3フェイズとなった後、第4フェイズとなる。
【0046】
なお、第1実施形態の下側ゲートドライバ12Lにおいて、第3フェイズとは、図5及び図7(時刻t13~t14)で示したように、スイッチSW11がオン状態であって、スイッチSW1及びSW2がいずれもオフ状態である動作フェイズを指す。
【0047】
また、第1実施形態の下側ゲートドライバ12Lにおいて、第4フェイズとは、図6及び図7(時刻t14以降または時刻t11以前)で示すように、スイッチSW2がオン状態であってスイッチSW11及びSW1がいずれもオフ状態である動作フェイズを指す。
【0048】
まず、第3フェイズでは、図5の破線矢印で示すように、下側ゲート信号GLを用いてキャパシタC11の充電(=ゲート容量CissLの放電)が行われる。言い換えると、ゲート容量CissLに蓄えられている電荷の一部がキャパシタC11に分配される。
【0049】
従って、第3フェイズでは、図7の時刻t13~t14で示したように、下側ゲート信号GLがハイレベル(≒Vin)から低下すると共に充電電圧Vcpが上昇し、GL=Vcpとなったところで平衡する。ただし、第3フェイズでは、下側ゲート信号GLが下側トランジスタ11Lのオン閾値電圧を下回っておらず、下側トランジスタ11Lが未だオン状態であるので、スイッチ電圧Vswがローレベル(≒PGND)に維持されている。
【0050】
次に、第4フェイズでは、図6の破線矢印で示すように、接地端PGNDに向けてゲート容量CissLの放電が継続される。従って、図7の時刻t14以降で示したように、下側ゲート信号GLがローレベル(≒PGND)まで低下するので、下側トランジスタ11Lがオフ状態となる。
【0051】
なお、図7では、時刻t14以降、上側トランジスタ11Hと下側トランジスタ11Lが同時オフ状態に遷移したことに伴い、スイッチ電圧Vswがローレベル(≒PGND)から負電位(=下側トランジスタ11Lに付随するボディダイオードの順方向降下電圧)に低下する様子が描写されている。
【0052】
また、第4フェイズでは、スイッチSW11がオフ状態なので、キャパシタC11に蓄えられた電荷が接地端PGNDに向けて放電されることはない。従って、充電電圧Vcpは、第3フェイズとほぼ同電位に維持されたままとなる。
【0053】
上記一連のゲート駆動動作が繰り返されることにより、ゲート容量CissLの放電時に少なくとも一部の電荷をキャパシタC11に蓄えておき、キャパシタC11に蓄えられた電荷をゲート容量CissLの次回の充電時に利用することができる。従って、下側トランジスタ11Lのオン/オフに伴うゲート損失(スイッチング損失)を削減することが可能となる。
【0054】
なお、キャパシタC11の容量値については、キャパシタC11とゲート容量CissLとの間で適切に電荷を再分配し得る範囲で任意の大きさに設定すればよい。例えば、キャパシタC11及びゲート容量CissLそれぞれの容量値を同値(例えば100pF)に設定した場合には、キャパシタ回路122を備えていない従来構成と比べて、ゲート損失(スイッチング損失)の1/3程度を削減することができる。
【0055】
<ゲートドライバ(第2実施形態)>
図8は、下側ゲートドライバ12Lの第2実施形態を示す図である。第2実施形態の下側ゲートドライバ12Lは、先出の第1実施形態(図2)と同様、ゲート駆動回路121とキャパシタ回路122を含む。
【0056】
ゲート駆動回路121は、下側トランジスタ11Lのゲート容量CissLを充放電するように構成された回路ブロックであり、スイッチSW1及びSW2と、ドライバDRVを含む。スイッチSW1は、図1のPMOSFET12L1に相当し、キャパシタ回路122の出力ノードn1(=充電電圧Vcpの印加端)と下側トランジスタ11Lのゲートとの間に接続されている。スイッチSW2は、図1のNMOSFET12L2に相当し、下側トランジスタ11Lのゲートとソースとの間に接続されている。ドライバDRVは、図1のドライバ12L3に相当し、スイッチSW1及びSW2をオン/オフする。
【0057】
キャパシタ回路122は、ゲート容量CissLの放電時に少なくとも一部の電荷を蓄えておきその電荷を次回の充電時に利用するように構成された回路ブロックであり、可変キャパシタVCAPとスイッチSW21を含む。
【0058】
スイッチSW21は、入力電圧Vinの印加端(=電源端に相当)と出力ノードn1との間に接続されている。
【0059】
可変キャパシタVCAPは、出力ノードn1と下側トランジスタ11Lのソースとの間に接続されており、容量値が切り替えられるように構成されている。本図に即して述べると、可変キャパシタVCAPは、キャパシタC21及びC22と、スイッチSW22、SW23及びSW24と、を含む。
【0060】
キャパシタC21及びSW23それぞれの第1端は、いずれも出力ノードn1に接続されている。キャパシタC21の第2端は、スイッチSW22及びSW24それぞれの第1端に接続されている。スイッチSW23及びSW24それぞれの第2端は、いずれもキャパシタC22の第1端に接続されている。スイッチSW22及びキャパシタC22それぞれの第2端は、いずれも下側トランジスタ11Lのソースに接続されている。
【0061】
上記のキャパシタ回路122は、可変キャパシタVCAPの充電電圧Vcpを出力ノードn1からゲート駆動回路121に出力する(詳細は後述)。
【0062】
なお、本図では、下側ゲートドライバ12Lを例に挙げたが、上側ゲートドライバ12Hも基本的に同様の構成としてよい。
【0063】
図9図10図11及び図12は、それぞれ、第2実施形態の下側ゲートドライバ12Lによるゲート駆動動作の一例を示す図(第1フェイズ、第2フェイズ、第3フェイズ及び第4フェイズそれぞれの動作状態図)である。
【0064】
また、図13は、第2実施形態の下側ゲートドライバ12Lによるゲート駆動動作の一例を示すタイミングチャートであり、上から順に、スイッチSW1、SW2及びSW21~SW24それぞれのオン/オフ状態と、充電電圧Vcp(実線)、下側ゲート信号GL(小破線)及びスイッチ電圧Vsw(大破線)それぞれの電圧波形が描写されている。なお、説明の便宜上、キャパシタC21及びC22には、時刻t21以前のゲート駆動動作により既に電荷が蓄えられているものとする。
【0065】
以下では、図9図13を参照しながら、第2実施形態の下側ゲートドライバ12Lによるゲート駆動動作について詳述する。
【0066】
第2実施形態の下側ゲートドライバ12Lは、先出の第1実施形態(図2)と同じく、下側トランジスタ11Lをオフ状態からオン状態に切り替えるとき、言い換えれば、下側トランジスタ11Lのゲート容量CissLを充電するとき、第1フェイズとなった後、第2フェイズとなる。
【0067】
なお、第2実施形態の下側ゲートドライバ12Lにおいて、第1フェイズとは、図9及び図13(時刻t21~t22)で示したように、スイッチSW1、SW22及びSW23がいずれもオン状態であって、スイッチSW2、SW21及びSW24がいずれもオフ状態である動作フェイズを指す。
【0068】
特に、可変キャパシタVCAPに着目すると、第1フェイズでは、出力ノードn1と接地端PGNDとの間にキャパシタC21及びC22が並列接続された状態となる。すなわち、キャパシタC21及びC22それぞれの容量値がいずれもCpである場合、可変キャパシタVCAPの容量値は2Cp(=第1容量値に相当)となる。
【0069】
また、第2実施形態の下側ゲートドライバ12Lにおいて、第2フェイズとは、図10及び図13(時刻t22~t23)で示したように、スイッチSW1及びSW24がいずれもオン状態であって、スイッチSW2、SW21、SW22及びSW23がいずれもオフ状態である動作フェイズを指す。
【0070】
特に、可変キャパシタVCAPに着目すると、第2フェイズでは、出力ノードn1と接地端PGNDとの間にキャパシタC21及びC22が直列接続された状態となる。すなわち、キャパシタC21及びC22それぞれの容量値がいずれもCpである場合、可変キャパシタVCAPの容量値はCp/2(=第2容量値に相当)となる。
【0071】
まず、第1フェイズでは、図9の破線矢印で示すように、可変キャパシタVCAPの充電電圧Vcpを用いたゲート容量CissLの充電(=可変キャパシタVCAPの放電)が行われる。言い換えると、可変キャパシタVCAPに蓄えられている電荷の一部がゲート容量CissLに分配される。従って、第1フェイズでは、図13の時刻t21~t22で示したように、下側ゲート信号GLがローレベル(≒PGND)から上昇するとともに充電電圧Vcpが低下し、GL=Vcpとなったところで平衡する。
【0072】
なお、第1フェイズの平衡状態における充電電圧Vcp(=電圧値Vcp1)は、次の(1)式で表される。
【0073】
【数1】
【0074】
下側ゲート信号GLが下側トランジスタ11Lのオン閾値電圧を上回ると、下側トランジスタ11Lがオン状態となるので、スイッチ電圧Vswがローレベル(≒PGND)となる。図13に即して述べると、時刻t21では、上側トランジスタ11H及び下側トランジスタ11Lが同時オフ状態(=貫通電流防止用のデッドタイム)となってスイッチ電圧Vswがハイレベル(≒Vin)から負電位(=下側トランジスタ11Lに付随するボディダイオードの順方向降下電圧)まで低下した後、同時オフ状態の解消に伴い、スイッチ電圧Vswが負電位からローレベル(≒PGND)に上昇する様子が描写されている。
【0075】
次に、第2フェイズでは、図10の破線矢印で示すように、第1フェイズに引き続いて可変キャパシタVCAPの充電電圧Vcpを用いたゲート容量CissLの充電が継続される。ただし、第2フェイズでは、可変キャパシタVCAPを構成するキャパシタC21及びC22が並列接続状態から直列接続状態に切り替えられる。言い換えると、可変キャパシタVCAPの容量値が第1容量値(=2Cp)から第2容量値(=Cp/2)に切り替えられる。
【0076】
従って、第2フェイズでは、図13の時刻t22~t23で示すように、可変キャパシタVCAPの充電電圧Vcpが上昇し、これに追従して下側ゲート信号GLも上昇する。その結果、下側トランジスタ11Lのオン抵抗値がさらに低下し、スイッチ電圧Vswがローレベル(≒PGND)に維持される。
【0077】
なお、第2フェイズの平衡状態における充電電圧Vcp(=電圧値Vcp2)は、次の(2)式で表される。
【0078】
【数2】
【0079】
このように、第2フェイズでは、キャパシタC21及びC22を並列接続状態から直列接続状態に切り替えることにより、下側ゲート信号GLを稼ぐことができる。
【0080】
一方、第2実施形態の下側ゲートドライバ12Lは、先出の第1実施形態(図2)と同様、下側トランジスタ11Lをオン状態からオフ状態に切り替えるとき、言い換えれば、下側トランジスタ11Lのゲート容量CissLを放電するとき、第3フェイズとなった後、第4フェイズとなる。
【0081】
なお、第2実施形態の下側ゲートドライバ12Lにおいて、第3フェイズとは、図11及び図13(時刻t23~t24)で示したように、スイッチSW1、SW22及びSW23がいずれもオン状態であって、スイッチSW2、SW21及びSW24がいずれもオフ状態である動作フェイズを指す。
【0082】
特に、可変キャパシタVCAPに着目すると、第3フェイズでは、出力ノードn1と接地端PGNDとの間にキャパシタC21及びC22が並列接続された状態となる。すなわち、キャパシタC21及びC22それぞれの容量値がいずれもCpである場合、可変キャパシタVCAPの容量値は2Cp(=第1容量値に相当)となる。
【0083】
また、第2実施形態の下側ゲートドライバ12Lにおいて、第4フェイズとは、図12及び図13(時刻t24以降または時刻t21以前)で示すように、スイッチSW2、SW21、SW22及びSW23がいずれもオン状態であって、スイッチSW1及びSW24がいずれもオフ状態である動作フェイズを指す。
【0084】
特に、可変キャパシタVCAPに着目すると、第4フェイズでは、出力ノードn1と接地端PGNDとの間にキャパシタC21及びC22が並列接続された状態となる。すなわち、キャパシタC21及びC22それぞれの容量値がいずれもCpである場合、可変キャパシタVCAPの容量値は2Cp(=第1容量値に相当)となる。
【0085】
まず、第3フェイズでは、可変キャパシタVCAPを構成するキャパシタC21及びC22が直列接続状態から並列接続状態に切り替えられる。言い換えると、可変キャパシタVCAPの容量値が第2容量値(=Cp/2)から第1容量値(=2Cp)に切り替えられる。その結果、第3フェイズでは、図11の破線矢印で示したように、下側ゲート信号GLを用いて可変キャパシタVCAPの充電(=ゲート容量CissLの放電)が行われる。すなわち、ゲート容量CissLに蓄えられている電荷の一部が可変キャパシタVCAPに分配される。
【0086】
従って、第3フェイズでは、図13の時刻t23~t24で示すように、可変キャパシタVCAPの充電電圧Vcpが低下し、これに追従して下側ゲート信号GLも低下する。ただし、第3フェイズでは、下側ゲート信号GLが下側トランジスタ11Lのオン閾値電圧を下回っておらず、下側トランジスタ11Lが未だオン状態であるので、スイッチ電圧Vswがローレベル(≒PGND)に維持されている。
【0087】
なお、第3フェイズの平衡状態における充電電圧Vcp(=電圧値Vcp3)は、次の(3)式で表される。
【0088】
【数3】
【0089】
このように、第3フェイズでは、キャパシタC21及びC22を直列接続状態から並列接続状態に切り替えることにより、ゲート容量CissLに蓄えられた電荷を可変キャパシタVCAPに回収することができる。
【0090】
次に、第4フェイズでは、図12の破線矢印で示すように、入力電圧Vinを用いた可変キャパシタVCAPの充電が行われるとともに、接地端PGNDに向けてゲート容量CissLの放電が継続される。従って、図12の時刻t24以降で示したように、下側ゲート信号GLがローレベル(≒PGND)まで低下するので、下側トランジスタ11Lがオフ状態となる。
【0091】
このように、第4フェイズでは、可変キャパシタVCAPに電荷Qoff(=2Cp×Vin)が蓄えられるとともに、第3フェイズの終了時点でゲート容量CissLに残留していた電荷Qdis(=Ciss×Vcp3)が接地端PGNDに向けて破棄される。
【0092】
なお、図12では、時刻t24以降、上側トランジスタ11H及び下側トランジスタ11Lが同時オフ状態に遷移したことに伴い、スイッチ電圧Vswがローレベル(≒PGND)から負電位(=下側トランジスタ11Lに付随するボディダイオードの順方向降下電圧)に低下する様子が描写されている。
【0093】
上記一連のゲート駆動動作が繰り返されることにより、ゲート容量CissLの放電時に少なくとも一部の電荷を可変キャパシタVCAPに蓄えておき、可変キャパシタVCAPに蓄えられた電荷をゲート容量CissLの次回の充電時に利用することができる。従って、下側トランジスタ11Lのオン/オフに伴うゲート損失(スイッチング損失)を削減することが可能となる。
【0094】
<ゲートドライバ(第3実施形態)>
図14は、下側ゲートドライバ12Lの第3実施形態を示す図である。第1実施形態の下側ゲートドライバ12Lは、先出の第1実施形態(図2)及び第2実施形態(図8)と同様、ゲート駆動回路121とキャパシタ回路122を含む。
【0095】
ゲート駆動回路121は、下側トランジスタ11Lのゲート容量CissLを充放電するように構成された回路ブロックであり、スイッチSW31、SW32、SW33及びSW34を含む。スイッチSW31は、入力電圧Vinの印加端(=電源端に相当)とキャパシタ回路122の第1端(=ノード電圧Vcp+の印加端)との間に接続されている。スイッチSW32は、キャパシタ回路122の第1端と下側トランジスタ11Lのゲートとの間に接続されている。スイッチSW33は、下側トランジスタ11Lのゲートとキャパシタ回路122の第2端(=ノード電圧Vcp-の印加端)との間に接続されている。スイッチSW34は、キャパシタ回路122の第2端と下側トランジスタ11Lのソースとの間に接続されている。
【0096】
キャパシタ回路122は、ゲート容量CissLの放電時に少なくとも一部の電荷を蓄えておきその電荷を次回の充電時に利用するように構成された回路ブロックであり、キャパシタC31を含む。なお、キャパシタC31の第1端は、キャパシタ回路122の第1端(=ノード電圧Vcp+の印加端)に相当する。また、キャパシタC31の第2端は、キャパシタ回路122の第2端(=ノード電圧Vcp-の印加端)に相当する。つまり、キャパシタC31は、キャパシタ回路122そのものとして理解することができる。
【0097】
なお、本図では、下側ゲートドライバ12Lを例に挙げたが、上側ゲートドライバ12Hも基本的に同様の構成としてよい。
【0098】
図15図16図17及び図18は、それぞれ、第3実施形態の下側ゲートドライバ12Lによるゲート駆動動作の一例を示す図(第1フェイズ、第2フェイズ、第3フェイズ及び第4フェイズそれぞれの動作状態図)である。
【0099】
また、図19は、第3実施形態の下側ゲートドライバ12Lによるゲート駆動動作の一例を示すタイミングチャートであり、上から順に、スイッチSW31~SW34それぞれのオン/オフ状態と、ノード電圧Vcp+(実線)、ノード電圧Vcp-(一点鎖線)、下側ゲート信号GL(小破線)及びスイッチ電圧Vsw(大破線)それぞれの電圧波形が描写されている。なお、説明の便宜上、キャパシタC31には、時刻t31以前のゲート駆動動作により既に電荷が蓄えられているものとする。
【0100】
以下では、図15図19を参照しながら、第3実施形態の下側ゲートドライバ12Lによるゲート駆動動作について詳述する。
【0101】
第3実施形態の下側ゲートドライバ12Lは、先出の第1実施形態(図2)及び第2実施形態(図8)と同じく、下側トランジスタ11Lをオフ状態からオン状態に切り替えるとき、言い換えれば、下側トランジスタ11Lのゲート容量CissLを充電するとき、第1フェイズとなった後、第2フェイズとなる。
【0102】
なお、第3実施形態の下側ゲートドライバ12Lにおいて、第1フェイズとは、図15及び図19(時刻t31~t32)で示したように、スイッチSW32及びSW34がいずれもオン状態であって、スイッチSW31及びSW33がいずれもオフ状態である動作フェイズを指す。
【0103】
また、第3実施形態の下側ゲートドライバ12Lにおいて、第2フェイズとは、図16及び図19(時刻t32~t33)で示したように、スイッチSW31及びSW32がいずれもオン状態であって、スイッチSW33及びSW34がいずれもオフ状態である動作フェイズを指す。
【0104】
まず、第1フェイズでは、図15の破線矢印で示すように、キャパシタC31の充電電圧Vcp(=ノード電圧Vcp+とノード電圧Vcp-との差分電圧)を用いたゲート容量CissLの充電(=キャパシタC31の放電)が行われる。言い換えると、キャパシタC31に蓄えられている電荷の一部がゲート容量CissLに分配される。
【0105】
従って、第1フェイズでは、図19の時刻t31~t32で示すように、下側ゲート信号GLがローレベル(≒PGND)から上昇するとともにノード電圧Vcp+が低下し、GL=Vcp+となったところで平衡する。また、ノード電圧Vcp-は、時刻t31におけるノード電圧Vcp+の低下に伴い一旦負電位まで低下した後、接地電位に収束していく。このとき、充電電圧Vcp(=ノード電圧Vcp+とノード電圧Vcp-との差分電圧)は、ゲート容量CissLに分配された電荷の分だけ低下する。
【0106】
下側ゲート信号GLが下側トランジスタ11Lのオン閾値電圧を上回ると、下側トランジスタ11Lがオン状態となるので、スイッチ電圧Vswがローレベル(≒PGND)となる。図19に即して述べると、時刻t31では、上側トランジスタ11Hと下側トランジスタ11Lの同時オフ状態(=貫通電流防止用のデッドタイム)が解消されたことに伴い、スイッチ電圧Vswが負電位(=下側トランジスタ11Lに付随するボディダイオードの順方向降下電圧)からローレベル(≒PGND)に上昇する様子が描写されている。
【0107】
次に、第2フェイズでは、図16の破線矢印で示すように、入力電圧Vinを用いてゲート容量CissLの充電が継続される。従って、図19の時刻t32~t33で示したように、下側ゲート信号GLがハイレベル(≒Vin)まで上昇する。その結果、下側トランジスタ11Lのオン抵抗値がさらに低下し、スイッチ電圧Vswがローレベル(≒PGND)に維持される。
【0108】
なお、第2フェイズでは、スイッチSW33及びSW34がいずれもオフ状態なので、キャパシタC31が入力電圧Vinを用いて充電されることはない。図19に即して述べると、第1フェイズから第2フェイズへの切替に伴い、ノード電圧Vcp+が入力電圧Vinまで上昇すると、ノード電圧Vcp-もこれと同等の挙動で上昇する。従って、充電電圧Vcp(=ノード電圧Vcp+とノード電圧Vcp-との差分電圧)は、第1フェイズから第2フェイズへの切替時点とほぼ同電位に維持されたままとなる。
【0109】
一方、第3実施形態の下側ゲートドライバ12Lは、先出の第1実施形態(図2)及び第2実施形態(図8)と同じく、下側トランジスタ11Lをオン状態からオフ状態に切り替えるとき、言い換えれば、下側トランジスタ11Lのゲート容量CissLを放電するとき、第3フェイズとなった後、第4フェイズとなる。
【0110】
なお、第3実施形態の下側ゲートドライバ12Lにおいて、第3フェイズとは、図17及び図19(時刻t33~t34)で示したように、スイッチSW32及びSW34がいずれもオン状態であって、スイッチSW31及びSW33がいずれもオフ状態である動作フェイズを指す。
【0111】
また、第3実施形態の下側ゲートドライバ12Lにおいて、第4フェイズとは、図18及び図19(時刻t34以降または時刻t31以前)で示すように、スイッチSW33及びSW34がいずれもオン状態であってスイッチSW31及びSW32がいずれもオフ状態である動作フェイズを指す。
【0112】
まず、第3フェイズでは、図17の破線矢印で示すように、下側ゲート信号GLを用いてキャパシタC31の充電(=ゲート容量CissLの放電)が行われる。すなわち、ゲート容量CissLに蓄えられている電荷の一部がキャパシタC31に分配される。
【0113】
従って、第3フェイズでは、図19の時刻t33~t34で示すように、下側ゲート信号GL及びノード電圧Vcp+がハイレベル(≒Vin)から低下するとともに、ノード電圧Vcp-が接地電位まで低下する。このとき、充電電圧Vcp(=ノード電圧Vcp+とノード電圧Vcp-との差分電圧)は、ゲート容量CissLから分配された電荷の分だけ上昇する。ただし、第3フェイズでは、下側ゲート信号GLが下側トランジスタ11Lのオン閾値電圧を下回っておらず、下側トランジスタ11Lが未だオン状態であるので、スイッチ電圧Vswがローレベル(≒PGND)に維持されている。
【0114】
次に、第4フェイズでは、図18の破線矢印で示すように、接地端PGNDに向けてゲート容量CissLの放電が継続される。従って、図19の時刻t34以降で示したように、下側ゲート信号GLがローレベル(≒PGND)まで低下するので、下側トランジスタ11Lがオフ状態となる。
【0115】
なお、図19では、時刻t34以降、上側トランジスタ11H及び下側トランジスタ11Lが同時オフ状態に遷移したことに伴い、スイッチ電圧Vswがローレベル(≒PGND)から負電位(=下側トランジスタ11Lに付随するボディダイオードの順方向降下電圧)に一旦低下し、その後、上側トランジスタ11Hがオン状態となることにより、スイッチ電圧Vswがハイレベル(≒Vin)に立ち上がる様子が描写されている。
【0116】
また、第4フェイズでは、スイッチSW31及びSW32がいずれもオフ状態なので、キャパシタC31に蓄えられた電荷が接地端PGNDに向けて放電されることはない。図19に即して述べると、第3フェイズから第4フェイズへの切替に伴い、ノード電圧Vcp-が接地電位まで低下すると、ノード電圧Vcp+もこれと同等の挙動で低下する。従って、充電電圧Vcp(=ノード電圧Vcp+とノード電圧Vcp-との差分電圧)は、第3フェイズから第4フェイズへの切替時点とほぼ同電位に維持されたままとなる。
【0117】
上記一連のゲート駆動動作が繰り返されることにより、ゲート容量CissLの放電時に少なくとも一部の電荷をキャパシタC31に蓄えておき、キャパシタC31に蓄えられた電荷をゲート容量CissLの次回の充電時に利用することができる。従って、下側トランジスタ11Lのオン/オフに伴うゲート損失(スイッチング損失)を削減することが可能となる。
【0118】
<スイッチング電源>
図20は、スイッチング電源の一構成例を示す図である。本構成例のスイッチング電源1は、先出の半導体装置10と、これに外付けされる種々のディスクリート部品(インダクタL、キャパシタC、及び、抵抗R1並びにR2)と、を有する。
【0119】
半導体装置10は、いわゆる電源コントローラICとして用いられており、先出のハーフブリッジ出力回路11、ゲートドライバ12、ブートストラップ回路13に加えて、コントローラ14と帰還端子FBを有する。
【0120】
半導体装置10の外部において、半導体装置10の電源端子PVINは、入力電圧Vinの印加端に接続されている。半導体装置10のスイッチ端子SWは、インダクタLの第1端に接続されている。インダクタLの第2端とキャパシタCの第1端は、いずれも出力電圧Voutの印加端に接続されている。キャパシタCの第2端は、接地端に接続されている。出力電圧Voutの印加端と接地端との間には、抵抗R1及びR2が直列接続されている。抵抗R1及びR2相互間の接続ノード(=帰還電圧Vfbの印加端)は、半導体装置10の帰還端子FBに接続されている。
【0121】
上記のインダクタL及びキャパシタCは、半導体装置10に内蔵されたハーフブリッジ出力回路11とともに、降圧型のスイッチ出力段SWOを形成している。スイッチ出力段SWOは、半導体装置10のスイッチ端子SWから出力される矩形波状のスイッチ電圧Vswを整流及び平滑して出力電圧Voutを生成する。
【0122】
ハーフブリッジ出力回路11では、上側トランジスタ11Hが出力素子に相当し、下側トランジスタ11Lが同期整流素子に相当する。なお、同期整流方式に代えてダイオード整流方式を採用する場合には、下側トランジスタ11Lをダイオードに置換すればよい。また、ハーフブリッジ出力回路11は、半導体装置10に外付けすることもできる。
【0123】
コントローラ14は、帰還端子FBに入力される帰還電圧Vfb(={R2/(R1+R2)}×Vout)が目標値と一致するように、上側制御信号SH及び下側制御信号SLを生成し、上側トランジスタ11H及び下側トランジスタ11Lを相補的にオン/オフする。ここでの「相補的」という文言は、上側トランジスタ11H及び下側トランジスタ11Lそれぞれのオン/オフ状態が完全に逆転している場合だけでなく、貫通電流を防止するための同時オフ期間(いわゆるデッドタイム)が設けられている場合も含むものとして広義に理解されるべきである。
【0124】
なお、スイッチング電源1の駆動周波数が高いほど、上側トランジスタ11H及び下側トランジスタ11Lそれぞれのオン/オフに伴うゲート損失が大きくなる。これを鑑みると、ゲートドライバ12の回路構成として先に説明した第1~第3実施形態(図2図8または図14)のいずれかを適用し、ゲート損失の削減を図ることが望ましいと言える。
【0125】
<総括>
以下では、上記で説明した種々の実施形態について総括的に述べる。
【0126】
例えば、本明細書中に開示されているゲートドライバは、トランジスタのゲート容量を充放電するように構成されたゲート駆動回路と、前記ゲート容量の放電時に少なくとも一部の電荷を蓄えておきその電荷を次回の充電時に利用するように構成されたキャパシタ回路と、を有する構成(第1の構成)とされている。
【0127】
なお、上記第1の構成によるゲートドライバにおいて、前記キャパシタ回路は、キャパシタ及びスイッチを含み、前記キャパシタ及び前記スイッチは、前記トランジスタのゲートと主電極との間に直列接続されるように構成されている構成(第2の構成)にしてもよい。
【0128】
また、上記第2の構成によるゲートドライバにおいて、前記ゲート駆動回路は、電源端と前記トランジスタの前記ゲートとの間に接続されるように構成された第1スイッチと、前記トランジスタの前記ゲートと前記主電極との間に接続されるように構成された第2スイッチを含む構成(第3の構成)にしてもよい。
【0129】
また、上記第3の構成によるゲートドライバにおいて、前記キャパシタの第1端は、前記スイッチの第1端に接続されており、前記キャパシタの第2端は、前記トランジスタの前記主電極に接続されており、前記スイッチの第2端は、前記トランジスタのゲートに接続されており、前記第1スイッチの第1端は、前記電源端に接続されており、前記第1スイッチの第2端と前記第2スイッチの第1端は、いずれも前記トランジスタのゲートに接続されており、前記第2スイッチの第2端は、前記トランジスタの前記ゲートに接続されている構成(第4の構成)にしてもよい。
【0130】
また、上記第3または第4の構成によるゲートドライバは、前記ゲート容量の充電時には、前記スイッチがオン状態であって前記第1スイッチ及び前記第2スイッチがいずれもオフ状態である第1フェイズとなった後、前記第1スイッチがオン状態であって前記スイッチ及び前記第2スイッチがいずれもオフ状態である第2フェイズとなり、前記ゲート容量の放電時には、前記スイッチがオン状態であって前記第1スイッチ及び前記第2スイッチがいずれもオフ状態である第3フェイズとなった後、前記第2スイッチがオン状態であって前記スイッチ及び前記第1スイッチがいずれもオフ状態である第4フェイズとなる構成(第5の構成)にしてもよい。
【0131】
また、上記第1の構成によるゲートドライバにおいて、前記キャパシタ回路は、電源端と出力ノードとの間に接続されるように構成されたスイッチと、前記出力ノードと前記トランジスタの主電極との間に接続されており容量値が切り替えられるように構成された可変キャパシタを含み、前記可変キャパシタの充電電圧を前記出力ノードから前記ゲート駆動回路に出力する構成(第6の構成)にしてもよい。
【0132】
また、上記第6の構成によるゲートドライバにおいて、前記ゲート駆動回路は、前記出力ノードと前記トランジスタのゲートとの間に接続されるように構成された第1スイッチと、前記トランジスタの前記ゲートと前記主電極との間に接続されるように構成された第2スイッチを含む構成(第7の構成)にしてもよい。
【0133】
また、上記第7の構成によるゲートドライバは、前記ゲート容量の充電時には、前記第1スイッチがオン状態であり前記スイッチ及び前記第2スイッチがいずれもオフ状態であって前記可変キャパシタが第1容量値である第1フェイズとなった後、前記第1スイッチがオン状態であり前記スイッチ及び前記第2スイッチがいずれもオフ状態であって前記可変キャパシタが前記第1容量値よりも小さい第2容量値である第2フェイズとなり、前記ゲート容量の放電時には、前記第1スイッチがオン状態であり前記スイッチ及び前記第2スイッチがいずれもオフ状態であって前記可変キャパシタが前記第1容量値である第3フェイズとなった後、前記第1スイッチがオフ状態であり前記スイッチ及び前記第2スイッチがいずれもオン状態であって前記可変キャパシタが前記第1容量値である第4フェイズとなる構成(第8の構成)にしてもよい。
【0134】
また、上記第1の構成によるゲートドライバにおいて、前記ゲート駆動回路は、電源端と前記キャパシタ回路の第1端との間に接続されるように構成された第1スイッチと、前記キャパシタ回路の前記第1端と前記トランジスタのゲートとの間に接続されるように構成された第2スイッチと、前記トランジスタの前記ゲートと前記キャパシタ回路の第2端との間に接続されるように構成された第3スイッチと、前記キャパシタ回路の前記第2端と前記トランジスタの主電極との間に接続されるように構成された第4スイッチを含む構成(第9の構成)にしてもよい。
【0135】
また、上記第9の構成によるゲートドライバは、前記ゲート容量の充電時には、前記第2スイッチ及び前記第4スイッチがいずれもオン状態であって前記第1スイッチ及び前記第3スイッチがいずれもオフ状態である第1フェイズとなった後、前記第1スイッチ及び前記第2スイッチがいずれもオン状態であって前記第3スイッチ及び前記第4スイッチがいずれもオフ状態である第2フェイズとなり、前記ゲート容量の放電時には、前記第2スイッチ及び前記第4スイッチがいずれもオン状態であって前記第1スイッチ及び前記第3スイッチがいずれもオフ状態である第3フェイズとなった後、前記第3スイッチ及び前記第4スイッチがいずれもオン状態であって前記第1スイッチ及び前記第2スイッチがいずれもオフ状態である第4フェイズとなる構成(第10の構成)にしてもよい。
【0136】
また、本明細書中に開示されている半導体装置は、上記第1~第10いずれかの構成によるゲートドライバと、前記ゲートドライバによりオン/オフされるように構成された前記トランジスタと、を有する構成(第11の構成)とされている。
【0137】
また、本明細書中に開示されているスイッチング電源は、上記第11の構成による半導体装置と、前記トランジスタのスイッチング駆動により入力電圧から出力電圧を生成するように構成されたスイッチ出力段と、を有する構成(第12の構成)とされている。
【0138】
<その他の変形例>
なお、本明細書中に開示されている種々の技術的特徴は、上記実施形態のほか、その技術的創作の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えることが可能である。すなわち、上記実施形態は、全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきであり、本発明の技術的範囲は、上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内に属する全ての変更が含まれると理解されるべきである。
【符号の説明】
【0139】
1 スイッチング電源
10 半導体装置
11 ハーフブリッジ出力回路
11H 上側トランジスタ(NMOSFET)
11L 下側トランジスタ(NMOSFET)
12 ゲートドライバ
121 ゲート駆動回路
122 キャパシタ回路
12H 上側ゲートドライバ
12H1 PMOSFET
12H2 NMOSFET
12H3 ドライバ
12L 下側ゲートドライバ
12L1 PMOSFET
12L2 NMOSFET
12L3 ドライバ
13 ブートストラップ回路
131 キャパシタ
132 スイッチ
14 コントローラ
C キャパシタ
C11、C21、C22、C31 キャパシタ
CissH、CissL ゲート容量
DRV ドライバ
FB 帰還端子
L インダクタ
n1 出力ノード
PVIN 電源端子
R1、R2 抵抗
SW スイッチ端子
SW1、SW2 スイッチ
SW11 スイッチ
SW21~SW24 スイッチ
SW31~SW34 スイッチ
SWO スイッチ出力段
VCAP 可変キャパシタ
図1
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