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特開2022-189575処方薬提供システム、処方薬提供方法、および処方薬提供プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022189575
(43)【公開日】2022-12-22
(54)【発明の名称】処方薬提供システム、処方薬提供方法、および処方薬提供プログラム
(51)【国際特許分類】
   G16H 20/00 20180101AFI20221215BHJP
【FI】
G16H20/00
【審査請求】有
【請求項の数】21
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021098230
(22)【出願日】2021-06-11
(71)【出願人】
【識別番号】598049322
【氏名又は名称】株式会社三菱UFJ銀行
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】弁理士法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】今田 大祐
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA25
(57)【要約】      (修正有)
【課題】調剤薬局の薬剤師の負担を軽減し、患者の調剤薬局での待ち時間を減少する処方薬提供システム、処方薬提供方法及び処方薬提供プログラムを提供する。
【解決手段】ユーザ端末、病院端末及び調剤薬局端末が、ネットワークを介して互いに通信接続する処方薬提供システムにおいて、調剤薬局端末300は、病院の端末から送信された患者の処方箋情報に基づいて、処方薬に関する処方薬情報を生成する処方薬情報生成部310dと、処方薬情報を提供するため、患者の本人確認媒体から取得された電子証明書に基づいて、被保険者資格情報を取得する資格情報照会部310bと、を含む。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
病院の端末から送信された患者の処方箋情報に基づいて処方薬に関する処方薬情報を生成する処方薬情報生成部と、
本人確認媒体の電子証明書に基づいて被保険者資格情報を取得し、前記被保険者資格情報から前記処方薬情報を提供する前記患者を特定する資格情報照会部と、を含む、処方薬提供システム。
【請求項2】
前記処方薬情報は、前記処方薬の説明に関する音声データを含む、請求項1に記載の処方薬提供システム。
【請求項3】
前記処方薬情報は、前記処方薬の説明に関する映像データを含む、請求項1に記載の処方薬提供システム。
【請求項4】
前記処方薬情報は、前記処方薬の説明に関する音声データまたは映像データを取得するための情報を含む、請求項1に記載の処方薬提供システム。
【請求項5】
さらに、前記処方薬を保管した保管庫の鍵に関する鍵情報を生成する鍵情報生成部を含む、請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の処方薬提供システム。
【請求項6】
前記鍵情報は、二次元コードを含む、請求項5に記載の処方薬提供システム。
【請求項7】
さらに、前記鍵情報を前記患者の端末に送信する通信部を含む、請求項5または請求項6に記載の処方薬提供システム。
【請求項8】
病院の端末から送信された患者の処方箋情報に基づいて処方薬に関する処方薬情報を生成し、
本人確認媒体の電子証明書に基づいて被保険者資格情報を取得し、前記被保険者資格情報から前記処方薬情報を提供する前記患者を特定する、処方薬提供処理方法。
【請求項9】
前記処方薬情報は、前記処方薬の説明に関する音声データを含む、請求項8に記載の処方薬提供処理方法。
【請求項10】
前記処方薬情報は、前記処方薬の説明に関する映像データを含む、請求項8に記載の処方薬提供処理方法。
【請求項11】
前記処方薬情報は、前記処方薬の説明に関する音声データまたは映像データを取得するための情報を含む、請求項8に記載の処方薬提供処理方法。
【請求項12】
さらに、前記処方薬を保管した保管庫の鍵に関する鍵情報を生成する、請求項8乃至請求項11のいずれか一項に記載の処方薬提供処理方法。
【請求項13】
前記鍵情報は、二次元コードを含む、請求項12に記載の処方薬提供処理方法。
【請求項14】
さらに、前記鍵情報を前記患者の端末に送信する、請求項12または請求項13に記載の処方薬提供処理方法。
【請求項15】
コンピュータに、
病院の端末から送信された患者の処方箋情報に基づいて処方薬に関する処方薬情報を生成し、
本人確認媒体の電子証明書に基づいて被保険者資格情報を取得し、前記被保険者資格情報から前記処方薬情報を提供する前記患者を特定する、ことを実行させるための処方薬提供プログラム。
【請求項16】
前記処方薬情報は、前記処方薬の説明に関する音声データを含む、請求項15に記載の処方薬提供プログラム。
【請求項17】
前記処方薬情報は、前記処方薬の説明に関する映像データを含む、請求項15に記載の処方薬提供プログラム。
【請求項18】
前記処方薬情報は、前記処方薬の説明に関する音声データまたは映像データを取得するための情報を含む、請求項15に記載の処方薬提供プログラム。
【請求項19】
さらに、前記処方薬を保管した保管庫の鍵に関する鍵情報を生成することを前記コンピュータに実行させる、請求項15乃至請求項18のいずれか一項に記載の処方薬提供プログラム。
【請求項20】
前記鍵情報は、二次元コードを含む、請求項19に記載の処方薬提供プログラム。
【請求項21】
さらに、前記鍵情報を前記患者の端末に送信することを前記コンピュータに実行させる、請求項19または請求項20に記載の処方薬提供プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、患者への処方薬の受け渡しにおいて利用することができる処方薬提供システム、処方薬提供方法、および処方薬提供プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、患者は、病院での診療後に、医師によって処方された処方箋を調剤薬局に持参し、調剤薬局の薬剤師が処方箋に基づいて調剤した処方薬を直接受け取っていた(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003-345902号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、調剤薬局が混雑している場合があり、患者が調剤薬局で待たされることも少なくなかった。また、処方薬によっては調剤に時間を要する場合があり、この場合も、患者が調剤薬局で待たされることになる。そのため、患者の多くは、調剤薬局での待ち時間に不満を感じていた。
【0005】
また、薬剤師は、処方箋に基づいて処方薬を調剤するだけでなく、患者に調剤した処方薬の説明を行う必要があった。処方薬の説明は患者の一人一人に対して行う必要があるため、薬剤師の負担が大きく、調剤薬局での薬剤師の業務の改善が望まれていた。
【0006】
特許文献1によれば、調剤された処方薬の受け取りを患者が指定することより、患者の調剤薬局での待ち時間を減少させることができ、患者は効率よく処方薬を受け取ることができる。しかしながら、指定された時間に患者が集中してしまうと、薬剤師による処方薬の説明に時間を要するため、患者の調剤薬局での待ち時間が長くなってしまう場合があった。また、このような場合、薬剤師は患者への処方薬の説明業務に追われ、必ずしも薬剤師の業務は改善されていなかった。
【0007】
本発明の一実施形態は、上記問題に鑑み、調剤薬局の薬剤師の負担を軽減し、患者の調剤薬局での待ち時間を減少する処方薬提供システムを提供することを目的の一つとする。また、本発明の一実施形態は、調剤薬局の薬剤師の負担を軽減し、患者の調剤薬局での待ち時間を減少する処方薬提供方法を提供することを目的の一つとする。また、本発明の一実施形態は、調剤薬局の薬剤師の負担を軽減し、患者の調剤薬局での待ち時間を減少する処方薬提供プログラムを提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一実施形態に係る処方薬提供システムは、病院の端末から送信された患者の処方箋情報に基づいて処方薬に関する処方薬情報を生成する処方薬情報生成部と、本人確認媒体から取得された電子証明書に基づいて被保険者資格情報を取得し、被保険者資格情報から処方薬情報を提供する患者を特定する資格情報照会部と、を含む。
【0009】
処方薬提供システムは、さらに、処方薬を保管した保管庫の鍵に関する鍵情報を生成する鍵情報生成部を含んでいてもよい。鍵情報は、二次元コードを含んでいてもよい。
【0010】
処方薬提供システムは、さらに、鍵情報を患者の端末に送信する送信部を含んでいてもよい。
【0011】
本発明の一実施形態に係る処方薬提供方法は、病院の端末から送信された患者の処方箋情報に基づいて処方薬に関する処方薬情報を生成し、本人確認媒体の電子証明書に基づいて被保険者資格情報を取得し、被保険者資格情報から処方薬情報を提供する患者を特定する。
【0012】
処方薬提供方法は、さらに、処方薬を保管した保管庫の鍵に関する鍵情報を生成してもよい。鍵情報は、二次元コードを含んでいてもよい。
【0013】
処方薬提供方法は、さらに、鍵情報を患者の端末に送信してもよい。
【0014】
本発明の一実施形態に係る処方薬提供プログラムは、コンピュータに、病院の端末から送信された患者の処方箋情報に基づいて処方薬に関する処方薬情報を生成し、本人確認媒体の電子証明書に基づいて被保険者資格情報を取得し、被保険者資格情報から処方薬情報を提供する患者を特定する、ことを実行させる。
【0015】
処方薬提供プログラムは、さらに、処方薬を保管した保管庫の鍵に関する鍵情報を生成することをコンピュータに実行させてもよい。鍵情報は、二次元コードを含んでいてもよい。
【0016】
処方薬提供プログラムは、さらに、鍵情報を患者の端末に送信することをコンピュータに実行させてもよい。
【0017】
処方薬情報は、処方薬の説明に関する音声データを含んでいてもよい。また、処方薬情報は、処方薬の説明に関する映像データを含んでいてもよい。また、処方薬情報は、処方薬の説明に関する音声データまたは映像データを取得するための情報を含んでいてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の一実施形態に係る処方薬提供システムの構成を示すブロック図である。
図2】本発明の一実施形態に係る処方薬提供システムのユーザ端末の構成を示すブロック図である。
図3】本発明の一実施形態に係る処方薬提供システムの病院端末の構成を示すブロック図である。
図4】本発明の一実施形態に係る処方薬提供システムの調剤薬局端末の構成を示すブロック図である。
図5】本発明の一実施形態に係る処方薬提供システムにおいて、登録情報を生成する処理を説明する模式図である。
図6】本発明の一実施形態に係る処方薬提供システムにおいて実行される処方薬提供処理を示すシーケンス図である。
図7】本発明の一実施形態に係る処方薬提供システムにおいて実行される処方薬提供処理を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。以下に示す実施形態は本発明の実施形態の一例であって、本発明は、この実施形態に限定して解釈されるものではない。すなわち、以下に説明する複数の実施形態に公知の技術を適用して変形をして、様々な態様で実施をすることが可能である。
【0020】
本明細書において、各構成に付記される「第1」、「第2」、または「第3」などの文字は、各構成を区別するために用いられる便宜的な標識であり、特段の説明がない限り、それ以上の意味を有さない。
【0021】
本明細書において、「電子証明書」とは、信頼できる第三者(例えば、資格情報提供者)が本人であることを電子的に証明することができるデータをいう。「電子証明書」は、例えば、ICチップに記録することができる。
【0022】
本明細書において、「本人確認媒体」とは、電子証明書を含むICチップが搭載された媒体をいう。「本人確認媒体」は、例えば、マイナンバーカードであるが、これに限られない。本人確認媒体には、顔写真データが含まれていてもよい。また、本人確認媒体に含まれる電子証明書は、例えば、ICカードリーダによって取得することができる。
【0023】
本明細書において、「資格情報提供者」とは、電子証明書から本人を特定し、または被保険者情報および保険資格の有効性(以下、「被保険者資格情報」とする。)を提供することが認められた行政機関または民間事業者をいう。「資格情報提供者」としては、例えば、地方公共団体情報システム機構または電子署名等に係る地方公共団体システム機構の認証業務に関する法律第17条第1項第6号の規定に基づく総務大臣認定事業者をいう。
【0024】
以下では、図1図7を参照して、本発明の一実施形態に係る処方薬提供システム10について説明する。
【0025】
[1.処方薬提供システム10の構成]
図1は、本発明の一実施形態に係る処方薬提供システム10の構成を示すブロック図である。
【0026】
図1に示すように、処方薬提供システム10は、ユーザ端末100、病院端末200、調剤薬局端末300、および資格情報提供者サーバ400を含む。ユーザ端末100、病院端末200、および調剤薬局端末300は、ネットワークNW1を介して、互いに通信接続することができる。また、病院端末200は、ネットワークNW2を介して、資格情報提供者サーバ400と通信接続することができる。また、調剤薬局端末300は、ネットワークNW3を介して、資格情報提供者サーバ400と通信接続することができる。
【0027】
ネットワークNW1、ネットワークNW2、およびネットワークNW3は、有線であってもよく、無線であってもよい。例えば、ネットワークNW1、ネットワークNW2、およびネットワークNW3は、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、またはインターネットなどである。なお、ネットワークNW2およびネットワークNW3は、情報を保護することができる専用線またはVPN(Virtual Private Network)であることが好ましいが、これに限られない。
【0028】
ユーザ端末100は、患者(以下、「ユーザ」という場合がある。)が利用することができる端末である。ユーザ端末100は、例えば、携帯電話、スマートフォン、タブレット、またはパーソナルコンピュータなどであるが、これらに限られない。なお、ユーザ端末100の詳細な構成は後述する。
【0029】
病院端末200は、患者が診療を受ける病院が利用することができる端末である。病院端末200は、例えば、携帯電話、スマートフォン、タブレット、またはパーソナルコンピュータなどであるが、これらに限られない。病院端末200は、サーバまたはワークステーションであってもよい。なお、病院端末200の詳細な構成は後述する。
【0030】
調剤薬局端末300は、薬剤師が処方薬を調剤する調剤薬局が利用することができる端末である。調剤薬局端末300は、例えば、携帯電話、スマートフォン、タブレット、またはパーソナルコンピュータなどであるが、これらに限られない。調剤薬局端末300は、サーバまたはワークステーションであってもよい。なお、調剤薬局端末300の詳細な構成は後述する。
【0031】
資格情報提供者サーバ400は、資格情報提供者による公的個人認証サービスを提供することができるサーバである。資格情報提供者サーバ400の詳細な構成は省略するが、資格情報提供者サーバ400は、電子証明書を受信し、本人を特定し、被保険者資格情報を送信することができる。
【0032】
ユーザ端末100、病院端末200、調剤薬局端末300、および資格情報提供者サーバ400は、いずれもコンピュータを含み、プログラムに基づいて所定の処理を実行することができる。
【0033】
[2.ユーザ端末100の構成]
図2は、本発明の一実施形態に係る処方薬提供システム10のユーザ端末100の構成を示すブロック図である。
【0034】
図2に示すように、ユーザ端末100は、制御部110、表示部120、入力部130、通信部140、および記憶部150を含む。また、制御部110は、登録情報生成部110a、受取情報生成部110b、および情報処理部110cを含む。
【0035】
制御部110は、例えば、演算手段として中央演算装置(CPU)またはマイクロプロセッサ(MPU)および記憶手段としてランダムアクセスメモリ(RAM)を含む。制御部110は、プログラムに基づいて所定の処理を実行することができる。すなわち、プログラムに基づいて、登録情報生成部110a、受取情報生成部110b、および情報処理部110cが機能することができる。
【0036】
表示部120は、データまたは情報を表示することができる。表示部120は、例えば、液晶またはOLEDなどを用いた表示装置である。
【0037】
入力部130は、データまたは情報を入力することができる。入力部130は、例えば、タッチパネル、キーボード、またはマウスなどのユーザインターフェースである。
【0038】
通信部140は、データまたは情報を送信または受信することができる。通信部140は、例えば、送信器および受信器を含む通信装置である。
【0039】
記憶部150は、データまたは情報を格納することができる。例えば、記憶部150は、後述するユーザ情報、調剤薬局情報、および決済情報などを格納することができる。記憶部150は、例えば、ソリッドステートドライブ(SSD)またはハードディスクドライブ(HDD)などのメモリまたはストレージである。
【0040】
登録情報生成部110aは、処方薬提供システム10を利用した処方薬の提供において予め必要な登録情報を生成することができる。登録情報は、例えば、ユーザ情報、調剤薬局情報、および決済情報を含む。ユーザ情報は、ユーザ自身に関する情報であり、例えば、ユーザの氏名、住所、メールアドレス、または被保険者番号などを含む。調剤薬局情報は、患者が処方薬の調剤を依頼する調剤薬局に関する情報であり、例えば、調剤薬局の名称もしくは住所、または調剤薬局端末300のIPアドレスなどを含む。決済情報は、病院に支払う診療費または調剤薬局に支払う調剤費の決済に関する情報であり、例えば、二次元コード決済、クレジットカード決済、電子マネー決済、または現金決済などを含む。
【0041】
ここで、二次元コード決済、クレジットカード決済、電子マネー決済、および現金決済について説明する。
【0042】
二次元コード決済は、二次元コードを利用する決済方法である。例えば、二次元コード決済は、二次元コードを読み取り、二次元コードが有する情報(銀行口座が紐付けられていてもよい。)を利用して決済が行われる。なお、二次元コードとは、水平方向および垂直方向に情報を有する表示方式のコードであり、例えば、QRコード(登録商標)である。
【0043】
クレジットカード決済は、クレジットカードを利用する決済である。例えば、クレジットカード決済は、クレジットカード情報が含まれるICチップをリーダで読み取り、クレジットカードに紐付けられた口座から引落処理が実行されて決済が行われる。
【0044】
電子マネー決済は、貨幣に相当する電子マネーデータを利用する決済方法である。例えば、電子マネー決済は、電子マネーデータが含まれるICチップをリーダで読み取り、電子マネーデータを利用して決済が行われる。
【0045】
現金決済は、紙幣または硬貨などの貨幣を利用する決済方法である。例えば、現金決済は、病院または調剤薬局に直接金銭が支払われることにより決済が行われる。
【0046】
なお、登録情報生成部110aによるユーザ情報、調剤薬局情報、および決済情報を含む登録情報の生成処理の詳細については後述する。
【0047】
受取情報生成部110bは、調剤された処方薬の受け取りに関する受取情報を生成することができる。具体的には、受取情報生成部110bは、調剤薬局端末300から送信された受渡情報を表示部120に表示する。患者は、受渡情報を確認し、受取日時または受取方法などの情報を入力することができる。すなわち、患者は、都合の良い受取日時などを指定して、処方薬を受け取ることができる。受取情報生成部110bは、患者によって入力された入力情報に基づき、受取情報を生成することができる。
【0048】
情報処理部110cは、病院端末200または調剤薬局端末300からの情報要求に対応した情報を記憶部150から取得することができる。取得された情報は、病院端末200または調剤薬局端末300に送信される。
【0049】
[3.病院端末200の構成]
図3は、本発明の一実施形態に係る処方薬提供システム10の病院端末200の構成を示すブロック図である。
【0050】
図3に示すように、病院端末200は、制御部210、取得部220、撮像部230、決済部240、通信部250、および記憶部260を含む。また、制御部210は、顔判定部210a、資格情報照会部210b、処方箋情報生成部210c、および情報要求生成部210dを含む。なお、病院端末200には、表示部および入力部が含まれていてもよい。
【0051】
制御部210は、例えば、演算手段として中央演算装置(CPU)またはマイクロプロセッサ(MPU)および記憶手段としてランダムアクセスメモリ(RAM)を含む。制御部210は、プログラムに基づいて所定の処理を実行することができる。すなわち、プログラムに基づいて、顔判定部210a、資格情報照会部210b、処方箋情報生成部210c、および情報要求生成部210dが機能することができる。
【0052】
取得部220は、本人確認媒体のICチップに含まれる電子証明書および顔写真データを読み出すことができる。換言すると、取得部220は、本人確認媒体から電子証明書および顔写真データを取得することができる。取得部220は、例えば、ICカードリーダなどである。
【0053】
撮像部230は、患者の顔を撮影し、顔撮像データを生成することができる。撮像部230は、例えば、カメラなどである。
【0054】
決済部240は、患者の診療費の支払いを決済することができる。決済部240は、例えば、決済情報に対応する1つまたは複数の手段を備えた決済端末機である。
【0055】
通信部250は、データまたは情報を送信または受信することができる。通信部250は、例えば、送信器および受信器を含む通信装置である。
【0056】
記憶部260は、データまたは情報を格納することができる。例えば、記憶部260は、ユーザ情報または後述する処方箋情報などを格納することができる。記憶部260は、例えば、ソリッドステートドライブ(SSD)またはハードディスクドライブ(HDD)などのメモリまたはストレージである。
【0057】
顔判定部210aは、顔写真データと顔撮像データとを照合し、本人確認媒体の人物が撮像された患者と一致するかどうかを判定することができる。具体的には、顔判定部210aは、顔撮像データの中から顔を構成する部位である目、鼻、または口などの大きさ、方向、または相対的位置などの特徴点を検出し、顔写真データの特徴点と比較することができる。また、顔判定部210aは、顔の輪郭を特徴点として検出することもできる。顔判定部210aは、特徴点の比較を類似度として算出し、類似度が所定のしきい値を超える場合に、本人確認媒体の人物と、撮像された患者とが一致すると判定することができる。
【0058】
資格情報照会部210bは、資格情報要求を生成し、資格情報要求と取得部220が取得した電子証明書とを紐付ける。資格情報要求は、電子証明書とともに、資格情報提供者サーバ400に送信される。また、資格情報要求に対する応答として、資格情報提供者サーバ400から病院端末200に被保険者資格情報が送信される。すなわち、資格情報照会部210bは、電子証明書に基づき、被保険者資格情報を取得することができる。
【0059】
処方箋情報生成部210cは、処方薬の調剤に関する処方箋情報を生成することができる。例えば、処方箋情報生成部210cは、患者のカルテデータから処方薬に関する情報を取得し、処方箋情報を生成することができる。
【0060】
情報要求生成部210dは、処理に必要な情報を取得するため、ユーザ端末100に送信する情報要求を生成することができる。例えば、情報要求生成部210dは、ユーザ情報要求、決済情報要求、および調剤薬局情報要求を生成することができる。
【0061】
[4.調剤薬局端末300の構成]
図4は、本発明の一実施形態に係る処方薬提供システム10の調剤薬局端末300の構成を示すブロック図である。
【0062】
図4に示すように、調剤薬局端末300は、制御部310、取得部320、撮像部330、決済部340、通信部350、および記憶部360を含む。また、制御部310は、顔判定部310a、資格情報照会部310b、受渡情報生成部310c、処方薬情報生成部310d、鍵情報生成部310e、および情報要求生成部310fを含む。なお、調剤薬局端末300には、表示部および入力部が含まれていてもよい。
【0063】
制御部310は、例えば、演算手段として中央演算装置(CPU)またはマイクロプロセッサ(MPU)および記憶手段としてランダムアクセスメモリ(RAM)を含む。制御部310は、プログラムに基づいて所定の処理を実行することができる。すなわち、プログラムに基づいて、顔判定部310a、資格情報照会部310b、受渡情報生成部310c、処方薬情報生成部310d、鍵情報生成部310e、および情報要求生成部310fが機能することができる。
【0064】
取得部320は、本人確認媒体のICチップに含まれる電子証明書および顔写真データを読み出すことができる。換言すると、取得部320は、電子証明書および写真データを取得することができる。取得部320は、例えば、ICカードリーダなどである。
【0065】
撮像部330は、患者の顔を撮影し、顔撮像データを生成することができる。撮像部330は、例えば、カメラなどである。
【0066】
決済部340は、患者の診療費用の支払いを決済することができる。決済部340は、例えば、決済情報に対応する1つまたは複数の手段を備えた決済端末機である。
【0067】
通信部350は、データまたは情報を送信または受信することができる。通信部350は、例えば、送信器および受信器を含む通信装置である。
【0068】
記憶部360は、データまたは情報を格納することができる。例えば、記憶部360は、処方薬データベースを格納することができる。処方薬データベースには、処方薬ごとに、処方薬の外観を示す画像データおよび処方薬に関する情報(例えば、処方薬の服用方法、効能、効果、または副作用など)がまとめられている。そのため、処方薬データベースを検索することにより、所望の処方薬に関する情報を取得することができる。記憶部360は、例えば、ソリッドステートドライブ(SSD)またはハードディスクドライブ(HDD)などのメモリまたはストレージである。
【0069】
顔判定部310aは、顔写真データと顔撮像データとを照合し、本人確認媒体の人物が撮像された患者と一致するかどうかを判定することができる。具体的には、顔判定部310aは、顔撮像データの中から顔を構成する部位である目、鼻、または口などの大きさ、方向、または相対的位置などの特徴点を検出し、顔写真データの特徴点と比較することができる。また、顔判定部310aは、顔の輪郭を特徴点として検出することもできる。顔判定部310aは、特徴点の比較を類似度として算出し、類似度が所定のしきい値を超える場合に、本人確認媒体の人物と、撮像された患者とが一致すると判定することができる。
【0070】
資格情報照会部310bは、資格情報要求を生成し、資格情報要求と取得部320が取得した電子証明書とを紐付ける。資格情報要求は、電子証明書とともに、資格情報提供者サーバ400に送信される。また、資格情報要求に対する応答として、資格情報提供者サーバ400から調剤薬局端末300に被保険者資格情報が送信される。すなわち、資格情報照会部310bは、電子証明書に基づき、被保険者資格情報を取得することができる。また、資格情報照会部310bは、ユーザ情報と被保険者情報とを照会し、本人確認媒体の人物とユーザ端末100の患者とが一致することを判定することができる。例えば、資格情報照会部310bは、ユーザ情報の被保険者番号(または氏名)と被保険者資格情報の被保険者番号(または氏名)とが一致するかどうかを判定することができる。したがって、資格情報照会部310bは、被保険者資格情報から処方薬情報を提供するユーザ端末100の患者を特定することができる。
【0071】
受渡情報生成部310cは、処方薬の受け渡しに関する受渡情報を生成することができる。具体的には、受渡情報生成部310cは、薬剤師によって入力された入力情報に基づき、受渡情報を生成することができる。薬剤師は、自身のスケジュールを考慮した情報を入力することができる。受渡情報には、薬剤師による処方薬の調剤が完了したことを通知する情報が含まれていてもよい。この場合、受渡情報には、薬剤師のスケジュールが考慮された処方薬の受渡可能日時が含まれる。また、受渡情報には、処方薬の調剤の完了予定日時を通知する情報が含まれていてもよい。この場合、受渡情報には、薬剤師のスケジュールが考慮された処方薬の受渡予定日時が含まれる。また、受渡情報には、患者への処方薬の受け渡しを調剤薬局の窓口で行うか(すなわち、対面による処方薬の受け渡し)、または調剤薬局に設置された保管庫で行うか(すなわち、非対面による処方薬の受け渡し)を選択する情報が含まれていてもよい。
【0072】
処方薬情報生成部310dは、調剤された処方薬に関する処方薬情報を生成することができる。具体的には、処方薬情報生成部310dは、記憶部360に格納された処方薬データベースから、処方箋情報に含まれる処方薬に対応する情報を取得し、処方薬情報を生成することができる。すなわち、処方薬情報には、処方薬の外観を示す画像データおよび処方薬に関する情報(例えば、処方薬の服用方法、効能、効果、または副作用など)が含まれる。生成された処方薬情報は、ユーザ端末100に送信され、患者は、ユーザ端末100に表示された処方薬情報を確認し、調剤された処方薬に関する情報を得ることができる。なお、処方薬情報には、予め薬剤師が調剤した処方薬の説明を録音または録画した音声データまたは映像データが含まれていてもよい。また、処方薬情報には、音声データまたは映像データがアップロードされた位置情報を示すURL情報が含まれていてもよい。この場合においても、患者は、受信した処方薬情報に含まれるURLをクリック(またはタップ)し、調剤された処方薬に関する情報を得ることができる。すなわち、処方薬情報には、処方箋の説明に関する音声データ、映像データ、または音声データもしくは映像データを取得するための情報が含まれており、患者は、薬剤師による処方薬の説明として、処方薬情報を取得することができる。
【0073】
鍵情報生成部310eは、処方薬が保管された保管庫の鍵に関する鍵情報を生成することができる。処方薬提供システム10では、薬剤師によって調剤された処方薬は、調剤薬局に設置された保管庫で保管することができる。保管庫は、例えば、鍵の付いたロッカーである。患者は、鍵情報に基づきロッカーを開錠し、ロッカー内に保管された処方薬を受け取ることができる。鍵情報は、例えば、ロッカー番号および鍵番号を含む。患者は、鍵情報のロッカー番号に対応するロッカーを確認し、鍵番号を入力する。鍵番号が正しいとき、ロッカーが解錠される。また、鍵情報は、例えば、二次元コードであってもよい。患者は、鍵情報の二次元コードが表示されたユーザ端末100をロッカーに読み取らせる。二次元コードが正しいとき、二次元コードに対応するロッカーが解錠される。
【0074】
情報要求生成部310fは、処理に必要な情報を取得するため、ユーザ端末100に送信する情報要求を生成することができる。例えば、情報要求生成部310fは、ユーザ情報要求および決済情報要求を生成することができる。
【0075】
以上、処方薬提供システム10の構成について説明したが、処方薬提供システム10では、病院端末200から調剤薬局端末300に処方箋情報が送信される。そのため、患者は、調剤薬局に処方箋を持参する必要はなく、薬剤師が処方薬を調剤している間、調剤薬局で待つ必要がない。また、処方薬提供システム10では、薬剤師のスケジュールが考慮された受渡情報がユーザ端末100に送信され、その上で、患者の都合が考慮された受取情報が調剤薬局端末300に送信される。すなわち、処方薬の受渡日時(受取日時)は、患者および薬剤師の両者のスケジュールが考慮されて決定されるため、薬剤師は、調剤薬局で患者を待たせることなく処方薬を受け渡すことができる。また、処方薬提供システム10では、処方薬が調剤薬局に設置されたロッカーに保管され、患者は、ユーザ端末100で受信した鍵情報を用いて、ロッカーを解錠し、処方薬を受け取ることができる。
【0076】
また、処方薬提供システム10では、本人確認媒体を利用して、資格情報提供者から患者の被保険者資格情報を取得することができる。また、処方薬提供システム10では、被保険者資格情報とユーザ情報とが照会され、ユーザ端末100の患者が特定される。そのため、ユーザ端末100に処方薬情報を送信し、処方薬の説明を行うことができる。したがって、調剤薬局の薬剤師の業務負担を軽減することができる。
【0077】
[5.登録情報の生成処理]
図5は、本発明の一実施形態に係る処方薬提供システム10において、登録情報を生成する処理を説明する模式図である。
【0078】
図5には、ユーザ端末100の表示部120が示されている。表示部120は、タッチパネルであり、表示部120にタッチすると、所定の情報を入力することができる。すなわち、図5に示すユーザ端末100は、表示部120と入力部130とが一体化している。ユーザ端末100において、登録情報の生成処理が実行されると、表示部120に、「氏名」、「住所」、「メールアドレス」、「被保険者番号」、「指定病院」、「指定調剤薬局」、および「決済方法」の項目およびその入力欄が表示される。ユーザは、表示部120に表示された項目を確認しながら、各項目に対応する情報を入力欄に入力することができる。各項目の入力欄への入力は、ユーザが、入力欄に直接入力してもよく、各項目に予め登録された情報を選択することによって入力してもよい。例えば、「決済方法」の項目の場合、入力欄をクリック(タップ)すると、「二次元コード決済」、「クレジットカード決済」、「電子マネー決済」、および「現金決済」の第1の選択肢が表示される。次に、「二次元コード決済」の表示をクリック(タップ)すると、「Bank Pay(登録商標)」、「PayPay(登録商標)」、「LINE Pay(登録商標)」、および「楽天ペイ(登録商標)」の第2の選択肢が表示される。ここで、「Bank Pay」の表示をクリック(タップ)すると、「決済方法」の項目の入力欄には「Bank Pay」が入力される。
【0079】
また、「指定病院」および「指定調剤薬局」の各項目の入力は、地図の中から病院または調剤薬局の位置を選択して入力することもできる。
【0080】
各項目の入力が終了する(図示しないが、表示部120に表示された「登録」ボタンがクリック(タップ)されることにより終了してもよい。)と、登録情報生成部110aによって、ユーザ情報、調剤薬局情報、および決済情報を含む登録情報が生成される。
【0081】
登録情報生成部110aは、「指定調剤薬局」の項目に入力された調剤薬局を検索し、調剤薬局の住所および調剤薬局端末300のIPアドレスを取得し、調剤薬局名、住所、およびIPアドレスが互いに紐付けられた調剤薬局情報を生成してもよい。すなわち、調剤薬局情報は、調剤薬局の名称および住所、ならびに調剤薬局端末300のIPアドレスを含む。登録情報生成部110aは、インターネットを利用して調剤薬局の住所および調剤薬局端末300のIPアドレスを取得してもよく、予め作成された調剤薬局データベースを利用して調剤薬局の住所および調剤薬局端末300のIPアドレスを取得してもよい。なお、調剤薬局情報に含まれる情報はこれらに限定されない。
【0082】
また、登録情報生成部110aは、「決済方法」の項目に入力された情報に対応する決済情報を生成することができる。例えば、決済情報が二次元コード決済である場合、登録情報生成部110aは、二次元コードを生成し、決済情報に二次元コードが含まれていてもよい。
【0083】
生成された登録情報(ユーザ情報、調剤薬局情報、および決済情報)は、記憶部150に格納される。登録情報は、病院端末200または調剤薬局端末300からの情報要求に応じて、通信部140によって送信される。
【0084】
なお、登録情報は、入力する項目の情報を変更することにより、適宜変更することができる。
【0085】
[6.処方薬提供システム10において実行される処方薬提供処理]
図6および図7を参照して、処方薬提供システム10において実行される処方薬提供処理について説明する。図6には、主に、病院端末200で実行される処理(以下、「第1の処理」とする。)が示され、図7には、主に、調剤薬局端末300で実行される処理(以下、「第2の処理」とする。)が示されている。
【0086】
図6は、本発明の一実施形態に係る処方薬提供システム10において実行される処方薬提供処理を示すシーケンス図である。
【0087】
第1の処理は、患者が、本人確認媒体を取得部220に載置することによって開始される。
【0088】
ステップS101では、病院端末200(取得部220)が、本人確認媒体から電子証明書および顔写真データを取得する。また、病院端末200(撮像部230)は、患者の顔を撮影し、顔撮像データを生成する。
【0089】
ステップS102では、病院端末200(顔判定部210a)が、取得された顔写真データと撮像された顔画像データとを照合し、本人確認媒体の人物と患者とが一致するかどうかを判定することができる。本人確認媒体の人物と患者とが一致した場合、ステップS103が実行される。
【0090】
ステップS103では、病院端末200(資格情報照会部210b)が、資格情報要求を生成することができる。
【0091】
ステップS104では、電子証明書および生成された資格情報要求が、資格情報提供者サーバ400に送信される。これにより、資格情報提供者サーバ400では、電子証明書から本人確認媒体の人物を特定し、本人確認媒体の人物の被保険者資格情報を取得することができる。
【0092】
ステップS105では、被保険者資格情報が病院端末200に送信される。これにより、病院は、患者の被保険者資格情報を取得し、患者の医療費の負担割合を知ることができる。
【0093】
ステップS106では、病院端末200(情報要求生成部210d)が、ユーザ情報要求、決済情報要求、および調剤薬局情報要求を生成する。
【0094】
ステップS107では、生成されたユーザ情報要求、決済情報要求、および調剤薬局情報要求が、ユーザ端末100に送信される。
【0095】
ステップS108では、ユーザ端末100(情報処理部110c)が、ユーザ情報要求、決済情報要求、および調剤薬局情報要求のそれぞれに対応するユーザ情報、決済情報、および調剤薬局情報を記憶部150から取得する。
【0096】
ステップS109では、取得されたユーザ情報、決済情報、および調剤薬局情報が、病院端末200に送信される。
【0097】
ステップS110では、病院端末200(決済部240)が、受信した決済情報に基づき、患者の診療費を決済することができる。
【0098】
ステップS111では、病院端末200(処方箋情報生成部210c)が、ユーザ情報に基づき、処方箋情報を生成することができる。
【0099】
ステップS112では、生成された処方箋情報が、調剤薬局情報に基づき、調剤薬局端末300に送信される。
【0100】
ステップS109が実行されると、第1の処理は終了する。
【0101】
図7は、本発明の一実施形態に係る処方薬提供システム10を利用した処方薬提供方法を示すシーケンス図である。
【0102】
第2の処理は、調剤薬局端末300が、処方箋情報を受信することにより開始される。なお、調剤薬局の薬剤師は、処方箋情報に基づき、処方薬を調剤することができる。
【0103】
ステップS201では、調剤薬局端末300(処方薬情報生成部310d)が、処方薬情報を生成することができる。
【0104】
ステップS202では、調剤薬局端末300(受渡情報生成部310c)が、薬剤師が入力した入力情報に基づき、受渡情報を生成することができる。
【0105】
ステップS203では、生成された受渡情報が、ユーザ端末100に送信される。これにより、患者は、処方薬の調剤が完了または完了予定日時を知ることができる。
【0106】
ステップS204では、ユーザ端末100(受取情報生成部110b)が、処方薬の受け取りに関する受取情報を生成することができる。
【0107】
ステップS205では、生成された受取情報が、調剤薬局端末300に送信される。これにより、薬剤師は、患者への処方薬の受渡日時を知り、処方薬の保管などの準備をすることができる。また、患者は、受取情報に従って、処方薬を受け取るために調剤薬局を訪れることができる。
【0108】
ステップS206では、調剤薬局端末300(取得部320)が、本人確認媒体から電子証明書および顔写真データを取得する。また、調剤薬局端末300(撮像部330)は、患者の顔を撮影し、顔撮像データを生成する。
【0109】
ステップS207では、調剤薬局端末300(顔判定部310a)が、取得された顔写真データと撮像された顔画像データとを照合し、本人確認媒体の人物と患者とが一致するかどうかを判定することができる。本人確認媒体の人物と患者とが一致した場合、ステップS208が実行される。
【0110】
ステップS208では、調剤薬局端末300(資格情報照会部310b)が、資格情報要求を生成し、資格情報要求と電子証明書とを紐付ける。
【0111】
ステップS209では、紐付けられた資格情報要求および電子証明書が、資格情報提供者サーバ400に送信される。これにより、資格情報提供者サーバ400では、電子証明書から本人確認媒体の人物を特定し、本人確認媒体の人物の被保険者資格情報を取得することができる。
【0112】
ステップS210では、被保険者資格情報が調剤薬局端末300に送信される。これにより、調剤薬局は、患者の被保険者資格情報を取得し、患者の医療費の負担割合を知ることができる。
【0113】
ステップS211では、調剤薬局端末300(情報要求生成部310f)が、ユーザ情報要求および決済情報情報要求を生成する。
【0114】
ステップS212では、生成された決済情報要求が、ユーザ端末100に送信される。
【0115】
ステップS213では、ユーザ端末100(情報処理部110c)が、ユーザ情報要求および決済情報要求のそれぞれに対応するユーザ情報および決済情報を記憶部150から取得する。
【0116】
ステップS214では、取得されたユーザ情報および決済情報が、調剤薬局端末300に送信される。なお、ユーザ情報は、調剤薬局端末300(資格情報照会部310b)によって被保険者資格情報と照会され、本人確認媒体の人物とユーザ端末100の患者とが一致するかどうかが判定される。本人確認媒体の人物とユーザ端末100の患者とが一致する場合、ステップS215が実行される。
【0117】
ステップS215では、調剤薬局端末300(決済部340)が、受信した決済情報に基づき、処方薬の調剤費を決済することができる。これにより、患者は、登録しておいた決済情報に対応した決済が可能となる。また、調剤薬局は、被保険者資格情報を取得しているため、患者の医療費の負担割合に応じて処方薬の調剤費を算出することができる。
【0118】
ステップS216では、処方薬情報が、ユーザ端末100に送信される。患者は、ユーザ端末100の表示部120に表示された処方薬情報を確認することで、処方薬の説明を受けることができる。
【0119】
ステップS217では、調剤薬局端末300(鍵情報生成部310e)が、鍵情報を生成することができる。
【0120】
ステップS218では、生成された鍵情報が、ユーザ端末100に送信される。患者は、ユーザ端末100が受信した鍵情報に基づき、処方薬の入ったロッカーを開錠し、処方薬を受け取ることができる。
【0121】
ステップS218が実行されると、第2の処理は終了する。
【0122】
なお、ステップS216~ステップS218においては、処方薬情報がユーザ端末100に送信され、処方薬情報が患者によって確認されたことを判定する処理が実行された後に、鍵情報がユーザ端末100に送信されてもよい。また、処方薬情報および鍵情報がユーザ端末100に送信され、始めに処方薬情報が表示部120に表示され、次に、鍵情報が表示部120に表示されてもよい。患者は、処方薬情報を確認しなければ鍵情報を取得することができないため、患者は、確実に処方薬の説明を受けることとなる。
【0123】
以上、説明したように、本実施形態に係る処方薬提供システム10では、処方箋情報が病院端末200から調剤薬局端末300に送信されるため、患者が処方箋を調剤薬局に持参する必要がない。また、患者は、調剤薬局端末300から送信される受渡情報および処方薬情報に基づいて処方薬を受け取ることができる。そのため、調剤薬局における患者の待ち時間を減少させることができる。また、処方薬提供システム10では、調剤薬局の薬剤師は、病院端末200から送信された処方箋情報に基づき、処方薬の調剤を開始することができ、処方薬の調剤の完了を患者に知らせることができる。また、薬剤師は、患者への処方薬の説明を、処方薬情報をユーザ端末100に送信することにより行うことできる。そのため、薬剤師自身でスケジュールの管理ができるようになるため、調剤薬局の薬剤師の負担が軽減する。
【0124】
本発明の実施形態は、相互に矛盾しない限りにおいて、適宜構成を組み合わせて実施することができる。また、実施形態を基にして、当業者が適宜構成の追加、削除、もしくは設計変更を行ったもの、または、工程の追加、省略、もしくは条件変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0125】
10:処方薬提供システム、 100:ユーザ端末、 110:制御部、 110a:登録情報生成部、 110b:受取情報生成部、 情報処理部110c、 120:表示部、 130:入力部、 140:通信部、 150:記憶部、 200:病院端末、 210:制御部、 210a:顔判定部、 210b:資格情報照会部、 210c:処方箋情報生成部、 210d:情報要求生成部、 220:取得部、 230:撮像部、 240:決済部、 250:通信部、 260:記憶部、 300:調剤薬局端末、 310:制御部、 310a:顔判定部、 310b:資格情報照会部、 310c:受渡情報生成部、 310d:処方薬情報生成部、 310e:鍵情報生成部、 310f:情報要求生成部、 320:取得部、 330:撮像部、 340:決済部、 350:通信部、 360:記憶部、 400:資格情報提供者サーバ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2022-10-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
病院の端末から送信された患者の処方箋情報に基づいて、前記患者に処方薬を説明するために前記患者に提供される処方薬情報を生成する処方薬情報生成部と、
本人確認媒体の電子証明書に基づいて被保険者資格情報を取得し、前記被保険者資格情報から前記処方薬情報を提供する前記患者を特定する資格情報照会部と、を含む、処方薬提供システム。
【請求項2】
前記処方薬情報は、前記処方薬の説明に関する音声データを含む、請求項1に記載の処方薬提供システム。
【請求項3】
前記処方薬情報は、前記処方薬の説明に関する映像データを含む、請求項1に記載の処方薬提供システム。
【請求項4】
前記処方薬情報は、前記処方薬の説明に関する音声データまたは映像データを取得するための情報を含む、請求項1に記載の処方薬提供システム。
【請求項5】
さらに、
前記処方薬の受け渡しが対面による方法か、または非対面による方法かを選択する受渡情報を生成する受渡情報生成部と、
前記非対面による方法が選択されたとき、前記処方薬を保管した保管庫の鍵に関する鍵情報を生成する鍵情報生成部と、を含む、請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の処方薬提供システム。
【請求項6】
前記鍵情報は、二次元コードを含む、請求項5に記載の処方薬提供システム。
【請求項7】
さらに、前記鍵情報を前記患者の端末に送信する通信部を含む、請求項5または請求項6に記載の処方薬提供システム。
【請求項8】
病院の端末から送信された患者の処方箋情報に基づいて、前記患者に処方薬を説明するために前記患者に提供される処方薬情報を生成し、
本人確認媒体の電子証明書に基づいて被保険者資格情報を取得し、前記被保険者資格情報から前記処方薬情報を提供する前記患者を特定する、処方薬提供処理方法。
【請求項9】
前記処方薬情報は、前記処方薬の説明に関する音声データを含む、請求項8に記載の処方薬提供処理方法。
【請求項10】
前記処方薬情報は、前記処方薬の説明に関する映像データを含む、請求項8に記載の処方薬提供処理方法。
【請求項11】
前記処方薬情報は、前記処方薬の説明に関する音声データまたは映像データを取得するための情報を含む、請求項8に記載の処方薬提供処理方法。
【請求項12】
さらに、
前記処方薬の受け渡しが対面による方法か、または非対面による方法かを選択する受渡情報を生成し、
前記非対面による方法が選択されたとき、前記処方薬を保管した保管庫の鍵に関する鍵情報を生成する、請求項8乃至請求項11のいずれか一項に記載の処方薬提供処理方法。
【請求項13】
前記鍵情報は、二次元コードを含む、請求項12に記載の処方薬提供処理方法。
【請求項14】
さらに、前記鍵情報を前記患者の端末に送信する、請求項12または請求項13に記載の処方薬提供処理方法。
【請求項15】
コンピュータに、
病院の端末から送信された患者の処方箋情報に基づいて、前記患者に処方薬を説明するために前記患者に提供される処方薬情報を生成し、
本人確認媒体の電子証明書に基づいて被保険者資格情報を取得し、前記被保険者資格情報から前記処方薬情報を提供する前記患者を特定する、ことを実行させるための処方薬提供プログラム。
【請求項16】
前記処方薬情報は、前記処方薬の説明に関する音声データを含む、請求項15に記載の処方薬提供プログラム。
【請求項17】
前記処方薬情報は、前記処方薬の説明に関する映像データを含む、請求項15に記載の処方薬提供プログラム。
【請求項18】
前記処方薬情報は、前記処方薬の説明に関する音声データまたは映像データを取得するための情報を含む、請求項15に記載の処方薬提供プログラム。
【請求項19】
さらに、
前記処方薬の受け渡しが対面による方法か、または非対面による方法かを選択する受渡情報を生成し、
前記非対面による方法が選択されたとき、前記処方薬を保管した保管庫の鍵に関する鍵情報を生成することを前記コンピュータに実行させる、請求項15乃至請求項18のいずれか一項に記載の処方薬提供プログラム。
【請求項20】
前記鍵情報は、二次元コードを含む、請求項19に記載の処方薬提供プログラム。
【請求項21】
さらに、前記鍵情報を前記患者の端末に送信することを前記コンピュータに実行させる、請求項19または請求項20に記載の処方薬提供プログラム。