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特開2022-189587制御装置及び入出力インタフェースユニット
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  • 特開-制御装置及び入出力インタフェースユニット 図1
  • 特開-制御装置及び入出力インタフェースユニット 図2
  • 特開-制御装置及び入出力インタフェースユニット 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022189587
(43)【公開日】2022-12-22
(54)【発明の名称】制御装置及び入出力インタフェースユニット
(51)【国際特許分類】
   G06F 21/85 20130101AFI20221215BHJP
   G06F 21/44 20130101ALI20221215BHJP
   B60R 16/023 20060101ALI20221215BHJP
   B60R 16/02 20060101ALI20221215BHJP
【FI】
G06F21/85
G06F21/44
B60R16/023 P
B60R16/02 645A
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021098246
(22)【出願日】2021-06-11
(71)【出願人】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】弁理士法人栄光事務所
(72)【発明者】
【氏名】奥田 定治
(57)【要約】
【課題】不正な機器が制御装置に接続されたときに、制御装置が不正なアクセスを受けるのを抑制できる制御装置及び入出力インタフェースユニットを提供する。
【解決手段】タイマ回路47が、電源供給開始時に一定時間だけ、第2切替スイッチ45及び第3切替スイッチ46をパルス出力部44に切り替え、パルス出力部44から第2通信線L23にコードパルスを出力させる。入出力制御部32は、電源供給開始時に一定時間だけ、第1切替スイッチ33を第1端子T1に切り替え、第1端子T1から入力されたコードパルスが示すコードが、正規のコードであるか否かを判定し、正規のコードでなければ、第1電源線L11、L12から第2電源線L21、L22への電源供給を遮断する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電装機器用の入力回路及び出力回路の何れか一方である入力/出力回路を備えた入出力インタフェースユニットを制御する制御装置であって、
電源が供給される第1電源線と、
信号を伝送するための第1通信線と、
前記第1電源線及び前記第1通信線に、前記入出力インタフェースユニットの第2電源線及び第2通信線を接続するための第1接続部と、
前記入出力インタフェースユニットを制御する制御部と、
前記第1通信線の接続先を、コードパルスを入力する第1端子と、通信信号を入力又は出力する第2端子と、の間で切り替える第1切替部と、を備え、
前記制御部は、電源供給開始時に一定時間だけ、前記第1切替部を前記第1端子に切り替え、前記第1端子から入力された前記コードパルスが示すコードが、正規のコードであるか否かを判定し、前記正規のコードでなければ、前記第1電源線から前記第2電源線への電源供給を遮断する
制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の制御装置であって、
前記制御部は、外部機器との通信によって前記正規のコードを取得する、
制御装置。
【請求項3】
制御装置との通信に従って動作する、電装機器用の入力回路及び出力回路の何れか一方である入力/出力回路を備えた入出力インタフェースユニットであって、
電源が供給される第2電源線と、
信号を伝送するための第2通信線と、
前記第2電源線及び前記第2通信線に、前記入出力インタフェースユニットの第1電源線及び第1通信線を接続するための第2接続部と、
コードパルスを出力するパルス出力部と、
前記第2電源線の接続先を、前記パルス出力部と、前記入力/出力回路と、の間で切り替える第2切替部と、
前記第2通信線の接続先を、前記パルス出力部と、前記入力/出力回路と、の間で切り替える第3切替部と、
電源供給開始時に一定時間だけ、前記第2切替部及び前記第3切替部を前記パルス出力部に切り替え、前記パルス出力部から前記第2通信線に前記コードパルスを出力させるタイマ回路と、を備えた
入出力インタフェースユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御装置及び入出力インタフェースユニット、に関する。
【背景技術】
【0002】
車両に搭載される電装機器の制御に用いられる基板ユニットは、一般的に、入力部又は出力部、制御回路、電装機器に接続するためのコネクタなどが基板に実装されている(特許文献1)。車両には様々な仕様があり、仕様によって搭載される電装機器の数が変わる。このため、仕様毎に基板ユニットを構成する基板を設計する必要があった。
【0003】
そこで、この無駄を抑制するために、仕様差の部分を別基板に設計することが考えられている。具体的には、制御回路(制御部)と、入力部又は出力部と、を別々の基板に設け、制御回路が搭載された基板(以下、制御装置)と、仕様に合わせた入力部又は出力部を搭載した基板(以下、入出力インタフェースユニット)と、を接続する。
【0004】
しかしながら、この場合、制御装置に設けた、入出力インタフェースユニットとの接続部に、不正な機器が接続され、不正なアクセスを受ける可能性がある、という問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2014-187123号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、不正な機器が制御装置に接続されたときに、制御装置が不正なアクセスを受けるのを抑制できる制御装置及び入出力インタフェースユニットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前述した目的を達成するために、本発明に係る制御装置及び入出力インタフェースユニットは、下記[1]~[3]を特徴としている。
[1]
電装機器用の入力回路及び出力回路の何れか一方である入力/出力回路を備えた入出力インタフェースユニットを制御する制御装置であって、
電源が供給される第1電源線と、
信号を伝送するための第1通信線と、
前記第1電源線及び前記第1通信線に、前記入出力インタフェースユニットの第2電源線及び第2通信線を接続するための第1接続部と、
前記入出力インタフェースユニットを制御する制御部と、
前記第1通信線の接続先を、コードパルスを入力する第1端子と、通信信号を入力又は出力する第2端子と、の間で切り替える第1切替部と、を備え、
前記制御部は、電源供給開始時に一定時間だけ、前記第1切替部を前記第1端子に切り替え、前記第1端子から入力された前記コードパルスが示すコードが、正規のコードであるか否かを判定し、前記正規のコードでなければ、前記第1電源線から前記第2電源線への電源供給を遮断する
制御装置であること。
[2]
[1]に記載の制御装置であって、
前記制御部は、外部機器との通信によって前記正規のコードを取得する、
制御装置であること。
[3]
制御装置との通信に従って動作する、電装機器用の入力回路及び出力回路の何れか一方である入力/出力回路を備えた入出力インタフェースユニットであって、
電源が供給される第2電源線と、
信号を伝送するための第2通信線と、
前記第2電源線及び前記第2通信線に、前記入出力インタフェースユニットの第1電源線及び第1通信線を接続するための第2接続部と、
コードパルスを出力するパルス出力部と、
前記第2電源線の接続先を、前記パルス出力部と、前記入力/出力回路と、の間で切り替える第2切替部と、
前記第2通信線の接続先を、前記パルス出力部と、前記入力/出力回路と、の間で切り替える第3切替部と、
電源供給開始時に一定時間だけ、前記第2切替部及び前記第3切替部を前記パルス出力部に切り替え、前記パルス出力部から前記第2通信線に前記コードパルスを出力させるタイマ回路と、を備えた
入出力インタフェースユニットであること。
【0008】
上記[1]の構成の制御装置によれば、制御部は、電源供給時に第1接続部に接続された機器から送信されたコードパルスが正規のものであるか否かを判定し、正規のコードパルスでなければ、第1接続部を介して接続された機器への電源供給を遮断できる。これにより、不正な機器が制御装置の第1接続部に接続されたときに、不正なアクセスを受けるのを抑制できる。
上記[2]の構成の制御装置によれば、外部機器との通信によって正規のコードパルスを取得することができる。
上記[3]の入出力インタフェースユニットによれば、タイマ回路が、電源供給開始時に一定時間だけ、第2切替部及び第3切替部をパルス出力部に切り替え、パルス出力部から第2通信線にコードパルスを出力させる。これにより、マイコンなどが搭載されずに複雑な通信ができなくても、簡単な構成で、電源供給開始時にコードパルスを送信することができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、不正な機器が制御装置に接続されたときに、制御装置が不正なアクセスを受けるのを抑制できる制御装置及び入出力インタフェースユニットを提供することができる。
【0010】
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という。)を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、本発明の通信システムの一実施形態を示すブロック図である。
図2図2は、図1に示すゾーンECU及び入出力インタフェースユニットの構成図である。
図3図3は、図1に示す通信システムの動作を説明するための動作シーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明に関する具体的な実施形態について、各図を参照しながら以下に説明する。
【0013】
図1は、本発明の通信システム1の一実施形態を示すブロック図である。
【0014】
図1は、本発明の制御装置としてのゾーンECU3と、入出力インタフェースユニット4を組み込んだ通信システム1を示すブロック図である。本実施形態の通信システム1は、車両に搭載されている。通信システム1は、セントラルECU2と、ゾーンECU3と、入出力インタフェースユニット4と、を備えている。
【0015】
セントラルECU2は、RAM、ROMなどのメモリと、メモリに格納されたプログラムに従って動作するCPUと、を有するマイクロコンピュータから構成され、例えば車両のインストルメントパネルに設けられている。セントラルECU2は、通信システム1全体を制御する。
【0016】
ゾーンECU3は、左右ドアなど車両の各エリアに設けられている。ゾーンECU3には、セントラルECU2と通信を行いセントラルECU2の指示に従って、電装機器5に接続された入出力インタフェースユニット4を制御する。
【0017】
次に、上述したゾーンECU3及び入出力インタフェースユニット4の詳細な構成について図2を参照して説明する。
【0018】
まず、ゾーンECU3について説明する。ゾーンECU3は、第1電源線L11、L12と、第1通信線L13と、第1コネクタ31(第1接続部)と、入出力制御部32(制御部)と、第1切替スイッチ33(第1切替部)と、電源スイッチ34と、これらが搭載された基板(図示せず)と、を有している。第1電源線L11、L12には、セントラルECU2から電源が供給される。第1電源線L11は電源の正極側電位が供給され、第1電源線L12は電源の負極(グランド)側電位が供給される。第1通信線L13は、後述する入出力インタフェースユニット4の入出力駆動部41と、例えばSPI通信を行うための通信線である。本実施形態では、これら第1電源線L11、L12、第1通信部L13は、基板上に形成した配線パターンから構成されている。
【0019】
第1コネクタ31は、第1電源線L11、L12、第1通信線L13を、後述する入出力インタフェースユニット4に接続するためのコネクタである。本実施形態では、第1コネクタ31は、第1電源線L11、L12、第1通信線L13にそれぞれ接続される端子金具(図示せず)と、端子金具を収容するコネクタハウジング(図示せず)と、から構成される。第1コネクタ31は、後述する入出力インタフェースユニット4に設けられた第2コネクタ42にコネクタ接続される。
【0020】
入出力制御部32は、RAM、ROMなどのメモリと、メモリに格納されたプログラムに従って動作するCPUと、を有するマイクロコンピュータから構成される。入出力制御部32は、セントラルECU2との通信に従って、後述する入出力インタフェースユニット4の入出力駆動部41を制御する。
【0021】
第1切替スイッチ33は、第1通信線L13の接続先を、入出力制御部32のコードパルスを入力するための第1端子T1と、通信信号を入力又は出力する第2端子T2と、の間で切り替えるためのスイッチである。この第1切替スイッチ33は、入出力制御部32により切り替えが制御される。
【0022】
本実施形態では、第1電源線L11は、2つに分岐され、2つの分岐線の一つは入出力制御部32に接続され、入出力制御部32に電源を供給する。また、2つの分岐線の残り第1コネクタ31に接続され、後述する入出力インタフェースユニット4に電源を供給する。
【0023】
電源スイッチ34は、第1電源線L11の第1コネクタ31に接続された分岐線上に設けられている。この電源スイッチ34をオフすると、第1コネクタ31に接続される入出力インタフェースユニット4に供給される電源が遮断される。
【0024】
次いで、入出力インタフェースユニット4について説明する。入出力インタフェースユニット4は、入出力駆動部41(入力/出力回路)と、第2電源線L21、L22と、第2通信線L23と、第2コネクタ42(第2接続部)と、コード設定部43と、パルス出力部44と、第2切替スイッチ45(第2切替部)と、第3切替スイッチ46(第3切替部)と、タイマ回路47と、これらが搭載された基板(図示せず)と、を備えている。
【0025】
入出力駆動部41は、電装機器5用の出力回路及び入力回路の少なくとも一方から構成されている。出力回路は、モータやランプなどのゾーンECU3からの出力により動作する電装機器5に対して設けられている。出力回路は、ゾーンECU3の制御に従ってオンして電源を電装機器5に供給するスイッチを有し、電装機器5を駆動する。
【0026】
入力回路は、検出スイッチなどゾーンECU3にオンオフ情報などの状態情報を入力する電装機器5に対して設けられ、状態情報を生成してゾーンECU3に入力する。
【0027】
第2電源線L21、L22には、ゾーンECU3から電源が供給される。第2電源線L21は電源の正極側電位が供給され、第2電源線L22は電源の負極(グランド)側電位が供給される。第2通信線L23は、後述するゾーンECU3の入出力制御部32と、例えばSPI通信を行うための通信線である。これら第2電源線L21、L22、第2通信線L23は、基板上に形成した配線パターンから構成されている。
【0028】
第2コネクタ42は、第2電源線L21、L22、第2通信線L23を、上述したゾーンECU3に接続するためのコネクタである。本実施形態では、第2コネクタ42は、第2電源線L21、L22、第2通信線L23にそれぞれ接続される端子金具(図示せず)と、端子金具を収容するコネクタハウジング(図示せず)と、から構成される。第2コネクタ42は、上述したゾーンECU3に設けられた第1コネクタ31にコネクタ接続される。第1コネクタ31と第2コネクタ42とがコネクタ接続されると、第1電源線L11と第2電源線L21とが接続され、第1電源線L12と第2電源線L22とが接続され、第1通信線L13と第2通信線L23とが接続される。
【0029】
コード設定部43には、例えば製品番号などの入出力インタフェースユニット4の固有のコードが記憶されている。パルス出力部44は、コード設定部43に記憶されたコードを示すコードパルスを出力する。第2切替スイッチ45は、第2電源線L21の接続先を、パルス出力部44と、入出力駆動部41と、の間で切り替えるためのスイッチである。第3切替スイッチ46は、第2通信線L23の接続先を、パルス出力部44と、入出力駆動部41と、の間で切り替えるためのスイッチである。
【0030】
タイマ回路47は、第2電源線L21から電源供給を受けて動作する。タイマ回路47は、電源供給開始時に一定時間だけ、第2切替スイッチ45及び第3切替スイッチ46をパルス出力部44に切り替え、パルス出力部44から第2通信線L23にコードパルスを出力させる。
【0031】
次いで、上述した入出力制御部32と、入出力駆動部41と、が行う通信の一例であるSPI通信について簡単に説明する。入出力制御部32と入出力駆動部41との間は、クロック線と、チップセレクタ線と、出力線と、入力線と、で接続されている。入出力制御部32は、クロック線、チップセレクタ(CS)線を介して入出力駆動部41に対してクロック信号と、CS信号を出力する。
【0032】
入出力制御部32は、出力線を介してシリアルの通信信号を入出力駆動部41に対して出力する。入出力駆動部41は、CS信号がL(アクティブローの場合)であるとき、クロック信号、通信信号に従って動作する。具体的には、入出力制御部32を構成する出力回路は、シリアルの通信信号をシリアルパラレル変換して、複数の電装機器5に電源を供給する複数のスイッチに各々出力することにより、通信信号に応じた電装機器5に対して電源を供給することができる。入出力制御部32を構成する入力回路は、通信信号を受け取ると、各電装機器5の状態情報をパラレルシリアル変換して入力線に出力する。
【0033】
即ち、入出力駆動部41としては、プログラムに従って動作するマイクロコンピュータなどから構成される必要がなく、安価なシリアルパラレル変換回路やパラレルシリアル変換回路などから構成される。また、第1通信線L13、第2通信線L23は、上述したクロック線、チップセレクタ線、出力線、入力線から構成され、第1切替スイッチ33、第3切替スイッチ46により接続先が切り替えられる線は、クロック線、チップセレクタ線、出力線、入力線の何れか1つである。
【0034】
次に、上述した構成の通信システム1の動作について図3を参照して説明する。まず、車両のイグニッションスイッチがオンして、セントラルECU2から第1電源線L11、L12に電源が供給されると、入出力制御部32に電源が供給され、入出力制御部32が起動する。
【0035】
入出力制御部32は、起動すると、電源スイッチ34をオンする(S1)。電源スイッチ34をオンすると、第1、第2コネクタ31、42によって第1電源線L11に接続された第2電源線L21に電源が供給される。第2電源線L21に電源が供給されると、入出力インタフェースユニット4のタイマ回路47に電源が供給され、タイマ回路47が起動する。
次に、入出力制御部32は、第1切替スイッチ33を第1端子T1に切り替えて(S2)、一定時間の計時を開始する(S3)。その後、入出力制御部32は、第1端子T1へのコードパルスの入力を待つ(S4)。
【0036】
一方、タイマ回路47は、起動すると、一定時間の計時を開始する(S11)。次に、タイマ回路47は、第2、第3切替スイッチ45、46をパルス出力部44に切り替える(S12)。これにより、パルス出力部44に電源が供給され、起動する。パルス出力部44は、起動すると、コード設定部43からコードを読み取り(S13)、読み取ったコードを示すコードパルスを第2通信線L23に出力する(S14)。
【0037】
第2通信線L23に出力されたコードパルスは、第1通信線L13を介して入出力制御部32の第1端子T1に入力される。入出力制御部32は、第1端子T1からコードパルスが入力されると(S4でY)、コードパルスが示すコードが、予めメモリに記憶された正規のコードと一致するか否かを判定する(S6)。正規のコードと一致していれば(S6でY)、入出力制御部32は、第1切替スイッチ33を第2端子T2に切り替え(S7)、その後、入出力インタフェースユニット4の入出力駆動部41を制御する通常処理を実行する。
【0038】
一方、入出力インタフェースユニット4のタイマ回路47は、一定時間の計時が終了すると(S15でY)、第2、第3切替スイッチ45、46を入出力駆動部41に切り替え(S16)、その後、入出力駆動部41がゾーンECU3の入出力制御部32の制御に従った動作を行う通常処理を実行する。
【0039】
これに対して、入出力制御部32は、コードパルスが示すコードが、正規のコードと一致していなかったり(S6でN)、一定時間以上経過しても第1端子T1にコードパルスが入力されなかったりすると(S5でY)、正規の入出力インタフェースユニット4が接続されていないと判定し、電源スイッチ34をオフした後(S8)、S7に進む。電源スイッチ34がオフされると、第1コネクタ31に接続される不正な機器には電源が供給されず、不正な機器からのアクセスを抑制することができる。
【0040】
上述した通信システム1には、セントラルECU2やゾーンECU3のメモリに格納されたプログラムやデータを取得することができる図示しないリプログラミング装置(外部機器)が着脱可能に接続される。セントラルECU2は、リプログラミング装置と通信を行って、自身のプログラムやデータを追加したり、ゾーンECU3のプログラムやデータの追加を命令したり、する。上述したゾーンECU3に格納された正規のコードは、入出力インタフェースユニット4を接続する前に、このリプログラミング装置(外部機器)との通信によって追加(取得)することができる。
【0041】
なお、上述した例では、ゾーンECU3は、セントラルECU2を介してリプログラミング装置との通信を行っていたが、ゾーンECU3とリプログラミング装置とが直接通信を行ってもよい。また、リプログラミング装置は、通信システム1に有線で接続されてもよいし、無線で接続されていてもよい。
【0042】
上述した実施形態によれば、入出力制御部32は、電源供給開始時に一定時間だけ、第1切替スイッチ33を第1端子T1に切り替え、第1端子T1から入力されたコードパルスが示すコードが、正規のコードであるか否かを判定し、正規のコードでなければ、電源スイッチ34をオフして、第1電源線L11から第2電源線L21への電源供給を遮断する。これにより、不正な機器がゾーンECU3の第1コネクタ31に接続されたときに、不正なアクセスを受けるのを抑制できる。
【0043】
上述した実施形態によれば、入出力制御部32は、リプログラミング装置との通信によって正規のコードを取得することができる。
【0044】
上述した実施形態によれば、入出力インタフェースユニット4において、タイマ回路47が、電源供給開始時に一定時間だけ、第2切替スイッチ45及び第3切替スイッチ46をパルス出力部44に切り替え、パルス出力部44から第2通信線L23にコードパルスを出力させる。これにより、入出力駆動部41が、マイコンなどが搭載されずに複雑な通信ができなくても、簡単な構成で、電源供給開始時にコードパルスを送信することができる。
【0045】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
【0046】
例えば、ゾーンECU3の基板にも、入出力駆動部を設けてもよい。ゾーンECU3に設けた入出力駆動部は、ハイグレード車両及びローグレード車両に共通に搭載される標準電装機器に接続され、入出力インタフェースユニット4に設けた入出力駆動部41は、ハイグレード車両に搭載される拡張電装機器に接続されるようにしてもよい。この場合、入出力インタフェースユニット4は、ハイグレード車両に搭載される通信システム1のみに搭載され、ローグレード車両に搭載される通信システム1には搭載されない。
【0047】
上述した実施形態によれば、入出力制御部32は、リプログラミング装置との通信に従って正規のコードを取得していたが、これに限ったものではない。例えば、ゾーンECU3に操作スイッチを設け、この操作スイッチのオンオフ情報に応じて入出力制御部32が、正規のコードを取得するようにしてもよい。
【0048】
上述した実施形態によれば、第1、第2接続部としては第1、第2コネクタ31、42を採用していたが、これに限ったものではない。第1、第2接続部としては、ピンヘッダに接続できるものを採用してもよい。
【0049】
ここで、上述した本発明に係る制御装置及び入出力インタフェースユニットの実施形態の特徴をそれぞれ以下[1]~[3]に簡潔に纏めて列記する。
[1]
電装機器(5)用の入力回路及び出力回路の何れか一方である入力/出力回路(41)を備えた入出力インタフェースユニット(4)を制御する制御装置(3)であって、
電源が供給される第1電源線(L11、L12)と、
信号を伝送するための第1通信線(L13)と、
前記第1電源線(L11、L12)及び前記第1通信線(L13)に、前記入出力インタフェースユニット(4)の第2電源線(L21、L22)及び第2通信線(L23)を接続するための第1接続部(31)と、
前記入出力インタフェースユニット(4)を制御する制御部(32)と、
前記第1通信線(L13)の接続先を、コードパルスを入力する第1端子(T1)と、通信信号を入力又は出力する第2端子(T2)と、の間で切り替える第1切替部(33)と、を備え、
前記制御部(32)は、電源供給開始時に一定時間だけ、前記第1切替部(33)を前記第1端子(T1)に切り替え、前記第1端子(T1)から入力された前記コードパルスが示すコードが、正規のコードであるか否かを判定し、前記正規のコードでなければ、前記第1電源線(L11、L12)から前記第2電源線(L21、L22)への電源供給を遮断する
制御装置(3)。
[2]
[1]に記載の制御装置(3)であって、
前記制御部(32)は、外部機器との通信によって前記正規のコードを取得する、
制御装置(3)。
[3]
制御装置(3)との通信に従って動作する、電装機器(5)用の入力回路及び出力回路の何れか一方である入力/出力回路(41)を備えた入出力インタフェースユニット(4)であって、
電源が供給される第2電源線(L21、L22)と、
信号を伝送するための第2通信線(L23)と、
前記第2電源線(L21、L22)及び前記第2通信線(L23)に、前記入出力インタフェースユニット(4)の第1電源線(L11、L12)及び第1通信線(L13)を接続するための第2接続部(42)と、
コードパルスを出力するパルス出力部(44)と、
前記第2電源線(L21、L22)の接続先を、前記パルス出力部(44)と、前記入力/出力回路(41)と、の間で切り替える第2切替部(45)と、
前記第2通信線(L23)の接続先を、前記パルス出力部(44)と、前記入力/出力回路(41)と、の間で切り替える第3切替部(46)と、
電源供給開始時に一定時間だけ、前記第2切替部(45)及び前記第3切替部(46)を前記パルス出力部(44)に切り替え、前記パルス出力部(44)から前記第2通信線(L23)に前記コードパルスを出力させるタイマ回路(47)と、を備えた
入出力インタフェースユニット(4)。
【符号の説明】
【0050】
3 ゾーンECU(制御装置)
4 入出力インタフェースユニット
5 電装機器
31 第1コネクタ(第1接続部)
32 入出力制御部(制御部)
33 第1切替スイッチ(第1切替部)
41 入出力駆動部(入力/出力回路)
42 第2コネクタ(第2接続部)
44 パルス出力部
45 第2切替スイッチ(第2切替部)
46 第3切替スイッチ(第3切替部)
47 タイマ回路
L11、L12 第1電源線
L13 第1通信線
L21、L22 第2電源線
L23 第2通信線
T1 第1端子
T2 第2端子
図1
図2
図3