(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022189637
(43)【公開日】2022-12-22
(54)【発明の名称】乗用玩具
(51)【国際特許分類】
A63H 17/00 20060101AFI20221215BHJP
A63G 25/00 20060101ALI20221215BHJP
B62K 9/00 20060101ALI20221215BHJP
【FI】
A63H17/00 D
A63G25/00
B62K9/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021098330
(22)【出願日】2021-06-11
(71)【出願人】
【識別番号】399012929
【氏名又は名称】株式会社アガツマ
(74)【代理人】
【識別番号】110002022
【氏名又は名称】弁理士法人コスモ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】戸所 信二
【テーマコード(参考)】
2C150
【Fターム(参考)】
2C150AA05
2C150CA08
2C150DA06
2C150DD12
2C150EB01
2C150EC03
2C150FA04
2C150FA42
(57)【要約】
【課題】 電動式の乗用玩具において、鉛蓄電池等のバッテリーでは、バッテリーが放電して電動式乗用玩具として遊びたいときに遊ぶことができない、という不具合が生じるため、遊びたい時に自由に使用することができる電動式の乗用玩具を提供する。
【解決手段】 幼児が着座するシート41、前輪15の方向を操作するハンドル13、ギヤを介して後輪17を駆動するモータ、及び、前記モータの電源とするバッテリー、前記モータの回転及び停止を制御する制御スイッチ51、を有し、前記バッテリー51は、前記シート41の下方に収納されるUSB端子87に接続されて前記シート41の下方に収納可能とされるモバイルバッテリー81とした乗用玩具10。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
幼児が着座するシート、前輪の方向を操作するハンドル、ギヤを介して後輪を駆動するモータ、及び、前記モータの電源とするバッテリー、前記モータの回転及び停止を制御する制御スイッチ、を有し、
前記バッテリーは、前記シートの下方に収納されるUSB端子に接続されて前記シートの下方に収納可能とされるモバイルバッテリーであることを特徴とする乗用玩具。
【請求項2】
前記モバイルバッテリーは、10000mAh以上の容量を持つものであることを特徴とする請求項1に記載の乗用玩具。
【請求項3】
前記シートの下方には、前記モバイルバッテリーと共に乾電池を収納可能とした請求項1又は請求項2に記載の乗用玩具。
【請求項4】
前記シートの下方には、単1形の乾電池3本を直列に接続する電池ボックスを備えることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載した乗用玩具。
【請求項5】
車体の上面には、前記シートの外周形状と一致した窪みが形成され、該窪みに前記シートの下端が収納されて前記シートが前記車体の上面に固定されることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れかに記載した乗用玩具。
【請求項6】
前記シートは、前端縁が回動固定部により車体上面に取り付けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れかに記載した乗用玩具。
【請求項7】
前記モバイルバッテリーは、深さ2~3cm、幅15~17cm、前後長さ10~15cmとされて前記シート下の車体上面において上方が開口したバッテリー収納部に収納されることを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れかに記載した乗用玩具。
【請求項8】
前記シートに着座した幼児の足を乗せる足置き場を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項7の何れかに記載した乗用玩具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリー及びモータを備える乗用玩具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
今日、幼児が乗って遊ぶ乗用玩具において、バッテリー及びモータを備えた電動式の乗用玩具が多用されている。
【0003】
この様な電動式の乗用玩具では、操作に不慣れな幼児でも、屋外等で安全に遊べるように、乗車している幼児が操作するハンドルとは別に乗用玩具の後部に操作用押手杆を立ち上げ、保護者が操作用押手杆により乗用玩具を操作可能とするものが提案されている(例えば特許文献1)。
【0004】
また、本件出願人は、モータにより減速ギヤを介して駆動軸を回転させることによって前進及び後退を可能とすると共に、ギヤを非接合状態としてモータを駆動輪と切り離すことにより、搭乗者が足で地面を蹴ることによっても容易に走行可能な乗用玩具であって、搭乗者が足で地面を蹴って走行する場合や、保護者が乗用玩具を押して走行させるとき、本来駆動輪を回転させるモータを発電機として作動させ、バッテリーに充電を行うことができる乗用玩具(例えば特許文献2)を提案している。
【0005】
ところで、この様な幼児用の電動式の乗用玩具では、幼児がまたがって容易に着座することのできる大きさの車体とし、電動走行を行わせるために出力4W乃至6W程度の直流モータを用いている。
【0006】
そして、この車体に容易に収容することができる鉛蓄電池では、モータを駆動させ続けて遊ぶことができる時間としては2時間程度が限界となり、多くの場合電池を復活させるのに要する充電時間が放電時間の倍以上となる長時間を要することが多かった。
【0007】
また、この充電は、乗用玩具に付属の専用コードを用いて乗用玩具を家庭の電源コンセントに接続することにより、行うものが多かった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】実用新案登録第3106309号
【特許文献2】特許第5749381号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
電動式の乗用玩具では、多くの場合、鉛蓄電池等のバッテリーが使用されているも、容量の大きなバッテリーでは、重量が重くなるため、通常は連続して2~
3時間程度使用可能なバッテリーを搭載している。
【0010】
そして、フル充電状態のバッテリーでは、充分に楽しむことができるも、充電を行わずに複数回遊んでいると、バッテリー電圧が降下し、遊べなくなることがあった。
【0011】
また、小型の鉛蓄電池は、充電に要する時間が放電時間よりも長くなることもあり、又、放電させ過ぎるとバッテリーの寿命が短くなることや、充電効率が低下して充電により一層多くの時間が必要となることもあった。
【0012】
この様に、鉛蓄電池等のバッテリーを用いた電動式の乗用玩具では、遊べる時間よりも走行準備としての充電時間が長時間となり、電動走行を行って遊びたいときに遊ぶことができない、又はもっと遊びたいのに遊び続けることができなくなる、などの場合があった。
【0013】
本発明は、この様な欠点を排し、遊びたい時に自由に使用することができる電動式の乗用玩具を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明に係る乗用玩具は、幼児が着座するシート、前輪の方向を操作するハンドル、ギヤを介して後輪を駆動するモータ、及び、前記モータの電源とするバッテリー、前記モータの回転及び停止を制御する制御スイッチ、を有し、前記バッテリーは、前記シートの下方に収納されるUSB端子に接続されて前記シートの下方に収納可能とされるモバイルバッテリーとするものである。
【0015】
また、前記モバイルバッテリーは、10000mAh以上の容量を持つものとすることが好ましい。
【0016】
そして、前記シートの下方には、前記モバイルバッテリーと共に乾電池を収納可能とすることが好ましい。
【0017】
更に、前記シートの下方には、単1形の乾電池3本を直列に接続する電池ボックスを備えることが好ましい。
【0018】
また、車体の上面には、前記シートの外周形状と一致した窪みが形成され、該窪みに前記シートの下端が収納されて前記シートが前記車体の上面に固定されることが好ましい。
【0019】
そして、前記シートは、前端縁が回動固定部により車体上面に取り付けられていることが好ましい。
【0020】
また、前記モバイルバッテリーは、深さ2~3cm、幅15~17cm、前後長さ10~15cmとされて前記シート下の車体上面において上方が開口したバッテリー収納部に収納されることが好ましい。
【0021】
更に、前記シートに着座した幼児の足を乗せる足置き場を備えることが好ましい。
【発明の効果】
【0022】
本発明に係る乗用玩具は、モバイルバッテリーを走行用モータ等の電源とするものであるから、小型軽量の電源部を備えた電動式の乗用玩具とすることができる。
【0023】
そして、シートの下方に収納しているUSB端子にモバイルバッテリーを接続してモバイルバッテリーもシートの下方に収納するものであるから、モバイルバッテリーの着脱が極めて容易であり、十分に充電されているモバイルバッテリーを着装することにより、遊びたいときに当該乗用玩具をモータにより走行させて遊ぶことができる。
【0024】
また、モバイルバッテリーは、急速充電等により短時間での充電が可能であって、USB端子により乗用玩具に接続収納される小型軽量のバッテリーであるため、使用により放電した場合にも、他のモバイルバッテリーに交換して、又は短時間の充電処理により、乗用玩具の遊びを続けることができる。
【0025】
そして、モバイルバッテリーの容量を10000mAh程度とすれば、従来と略同様の時間乗用玩具を走行させることができ、容量が10000mAhより大きいモバイルバッテリーを使用すれは、従来よりも長時間遊び続けることができる。
【0026】
また、シートの下に乾電池を収納可能とすれば、モバイルバッテリーを充電するために当該乗用玩具から取り外した場合でも、乾電池により電動式の乗用玩具として遊ぶことができる。
【0027】
そして、乾電池として単1形の乾電池3本を直列に接続して収納する電池ボックスをシートの下に収納する乗用玩具では、安価な乾電池であっても、モバイルバッテリーを充電する時間程度は当該乗用玩具の遊びを継続して行うことができる。
【0028】
また、車体の上面には、シートの外周形状と一致した窪みが形成され、該窪みにシートの下端が収納されて前記シートが車体の上面に固定される乗用玩具は、シートの着脱が極めて容易であり、シートを取り外してシートの下方に収納するモバイルバッテリー等の着脱を簡単に行うことができる。
【0029】
そして、シートの前端縁が回動固定部により車体上面に取り付けた乗用玩具は、回動固定部を回転中心とするようにしてシートの後方を持ち上げて車体の上面を開き、シートの下方に収納するモバイルバッテリーや乾電池の着脱及び交換を容易に行うことができる。
【0030】
また、深さ2~3cm、幅15~17cm、前後長さ10~15cmとされるバッテリー収納部は、シートの下に容易に形成することのできる大きさの空間であり、小型軽量のモバイルバッテリーを収納するのに十分な大きさであって、シート下の車体上面に上方を開口しているため、モバイルバッテリーの収納及び取り出しを容易に行うことができる。
【0031】
更に、シートに着座した幼児の足を乗せる足置き場を備える乗用玩具は、電動走行を行う際、シートに着座した幼児が足を足置き場に乗せることにより、楽に楽しく走行を行って遊ぶことができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】本発明に係る乗用玩具の一例を示す外観斜視図。
【
図2】本発明に係る乗用玩具における底部の一例を示す外観斜視図。
【
図3】本発明に係る乗用玩具におけるシートの下方に収納するモバイルバッテリーを収納した状態を示す図。
【
図4】本発明に係る乗用玩具におけるモバイルバッテリーを外して乾電池を収納した状態を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0033】
本発明に係る乗用玩具の実施形態としては、
図1に示す様に、車体11の前方上方にハンドル13を備え、車体11の中央から後方の上面にシート41を備え、車体11の後端には上端を持ち手部31とする補助操作部30を有する乗用玩具10とするものである。
【0034】
そして、車体11の後方左右には、駆動輪とする後輪17を有し、該後輪17は、
図2に示す様に、左右の後輪17の間に形成する駆動機構収納部61に収納した図示されない駆動用のモータによって回転駆動されるものである。
【0035】
更に、ハンドル13は、
図1に示した様に、垂直に設けられる操舵軸19の上端に固定され、操舵軸19は車体11の前方部分を貫通して車体11に回動可能に且つ上下方向の移動は規制されるようにして設けられるものである。そして、
図2に示した様に、車体11の下方では操舵軸19の下端近傍において前輪軸16が取り付けられ、この前輪軸16の両端に操舵輪としての前輪15が回転自在に取り付けられるものである。
【0036】
また、左右の後輪17の間に設けた駆動機構収納部61の内部には、図示しないモータやバッテリー、減速歯車機構及び制御回路等が組み込まれ、モータの回転を減速歯車機構のギヤを介して後輪軸に伝達することにより、後輪軸を回転させて後輪17を電動走行時の駆動輪とするものである。
【0037】
尚、駆動機構収納部61の下面には、駆動切り換えレバー57を備え、この駆動切り換えレバー57を前方または後方に移動させる操作により、減速歯車機構を構成しているギヤの噛合を切り離し又は?み合わせ、モータの回転を駆動軸に伝達させないように、又は伝達するように切り換えることを可能としている。
【0038】
従って、減速歯車機構を構成しているギヤ相互の噛合を切り離してモータの回転を駆動軸に伝達させないようにしたとき、後輪17を回転自在な状態とすることができ、シート41に着座した幼児が足で地面を蹴ることによって乗用玩具10を惰性で走行させて遊ぶことができる。また、保護者が持ち手部31を握って乗用玩具10を押す又は引く等の操作を行って乗用玩具10を移動させるとき、小さな力でも容易に乗用玩具10を走行させて幼児等を楽しませることができる。
【0039】
また、この乗用玩具10は、
図1に示した様に、車体11の前方に装飾体37を備えて幼児を楽しませることができる。更に、ハンドル13の近辺に発音ボタン53を備え、この発音ボタン53を操作することにより乗車する幼児への語り掛けの音声又は乗用車の疑似音等を発音させることができるようにしており、ハンドル13の近辺にメロディーボタン55をも備え、メロディーボタン55を操作することにより音楽を鳴らせることもでき、音声や疑似音、音楽等により幼児を楽しませることができるようにしているものである。
【0040】
そして、ハンドル13の横には駆動用モータの回転および停止を制御する制御スイッチとしての前後進レバー51を備え、この前後進レバー51を前方に傾けると駆動機構収納部61に内蔵したモータを回転させて乗用玩具10を前進走行させ、前後進レバー51を後方に傾けるとモータを逆回転させて乗用玩具10を後進走行させ、前後進レバー51を中間位置に戻すと走行を停止させることができるものである。
【0041】
また、車体11の側面部には後輪17の一部を覆う後ホイールカバー25を備え、車体11の側面前部には前輪15の一部を覆う前ホイールカバー23を備えて走行時等の安全性を高め、前ホイールカバー23の前方及び前方側部に伸びる平板状の足置き場21を設けている。
【0042】
従って、シート41に着座した幼児の足を足置き場21に乗せることにより、電動走行を行うとき、足を地面から持ち上げた状態を維持することなく足置き場21に足を乗せ、楽に楽しく遊ぶことができる。
【0043】
尚、足置き場21は、前ホイールカバー23の前方及び前方側部に設ける場合に限るものでなく、前ホイールカバー23と後ホイールカバー25との間で、板状体を車体11の下端から側方に突出させて足置き場21とすることもある。
【0044】
また、車体11の後部に設ける補助操作部30も、ほぼ垂直に平行とした2本の把持バー33の上端を水平に接続する持ち手部31を設けるものに限ることなく、垂直な1本の把持バーの上端に水平棒状の持ち手部を備えるT字形状とするもの、等々、種々の形状構造の補助操作部30とし、保護者が容易に乗用玩具10の走行操作を行って幼児に楽しませることができるようにすれば足りるものである。
【0045】
そして、この乗用玩具10では、
図3に示す様に、シート41の下方にバッテリー収納部75を形成しているものである。
【0046】
即ち、駆動機構収納部61の内部上端前半部をバッテリー収納部75とするように、車体11の上面に形成した窪み71の底部にバッテリー収納部75を形成してモバイルバッテリー81を収納可能とするものである。
【0047】
この窪み71は、車体11の上面から、シート41の底部周囲形状に合わせた窪み71の底部である固定部底部73の周囲から垂直方向にシート固定壁72を立ち上げ、シート41の下端周囲をシート固定壁72で保持しつつ、固定部底部73の上にシート41を載置してシート41を支持することにより、窪み71の内部にシート41の下端部分を挿入するようにしてシート41を車体11の上に載置して固定することができるようにしているものである。
【0048】
尚、窪み71の前端にはシート固定壁72から後方に突出する回動固定部45が設けられ、この回動固定部45はシート41の前端中央に形成した凹部42に挿入されると共に、回動固定部45を貫通して回動固定部45から左右に突出する図示しない回動ピンをシート41の前端部分に形成した凹部42の左右側面からシート41の前端部分に差し込んで蝶番構造とし、回動固定部45の回動ピンを回転中心としてシート41の後端を持ち上げるように回動させることを可能として、シート41によりバッテリー収納部75を開閉することができるようにしているものである。
【0049】
尚、回動固定部45の回動ピンによりシート41を車体11の上面に回動可能に固定する場合に限ることなく、回動固定部45及び回動ピンを省略し、シート41を単に窪み71に載置してシート41の下端部分を窪み71に挿入し、シート41を車体11から取り外し可能とすることもある。
【0050】
また、窪み71を設けることなく、回動固定部45を車体11の上面から突出させてシート41を回動可能に車体11へ固定するように取り付け、シート41の下に設けたバッテリー収納部75をシート41により覆い、シート41の回動によってバッテリー収納部75の上方を開閉可能とすることもある。
【0051】
また、シート41の上面は滑らかな曲線形状として座り心地を良好とすると共に、シート41の内部下面にはリブ47を設けてシート41の軽量化と強度維持を行っている。
【0052】
そして固定部底部73に設けるバッテリー収納部75は、深さを2~3cm程度、幅を15~17cm程度、前後長さを10~15cm程度の凹部として上方を開口し、周囲を収納壁部76により形成されるものであり、バッテリー収納部75の収納底部77には、電池カバー91を設けているものである。
【0053】
この電池カバー91は、幅が10cm程度、前後長が7cm程度とされ、この電池カバー91の下には、
図4に示す様に電池ボックス95が設けられ、単一形の乾電池97を3個収納可能としているものである。
【0054】
そして、バッテリー収納部75に収納するバッテリーとしては、10000mAh程度以上の容量のモバイルバッテリー81とするものであって、10000mAh程度の容量のモバイルバッテリー81は、一般的に厚さ20mm、幅65mm、長さ130mm程度の携帯が容易な大きさ及び重量とされているため、幼児が着座するシート41の下方に形成する空間に容易に収納することができる。
【0055】
更に、このモバイルバッテリー81は、バッテリー収納部75の内部にバッテリーコード85を用いて収納配置されるUSB端子87に接続されてバッテリー収納部75に収納され、バッテリーコード85により駆動機構収納部61の内部に収納固定された回路基板に接続されるものである。
【0056】
また、電池カバー91の下には電池ボックス95を用いて補助電池収納部を形成しているものであり、この電池ボックス95は、単一形の乾電池97を3個収納可能とすると共に、単一形の乾電池97の3個を直列状態として乾電池の出力を出力させるものである。
【0057】
この補助電池収納部からの出力も駆動機構収納部61の内部に収納固定された回路基板に接続されるものであり、回路基板では、USB端子87にモバイルバッテリー81が接続されているときはUSB端子87からバッテリーコード85を介して入力されてる電圧により制御動作を行い、USB端子87にモバイルバッテリー81が接続されていないときは補助電池収納部からの電圧により制御動作を行うものである。
【0058】
従って、モバイルバッテリー81がUSB端子87に接続されているときは、モバイルバッテリー81を作動電源として、制御スイッチとしての前後進レバー51や発音ボタン53、メロディーボタン55の操作に応じてモータや発音回路を作動させることができる。
【0059】
尚、電池ボックス95の上端にはカバー受け段部93を設け、このカバー受け段部93で電池カバー91の周縁部分を支持することにより、電池カバー91の上面を収納底部77の上面と同一高さとしている。
【0060】
この様に、本実施の形態に示した乗用玩具10は、シート41の下のバッテリー収納部75にモバイルバッテリー81を収納してバッテリーコード85の端部に設けるUSB端子87で制御回路と接続するものであるから、携帯が容易で小型軽量のモバイルバッテリー81の着脱により容易にバッテリー交換を行うことができる。
【0061】
従って、使用可能なモバイルバッテリー81を接続して乗用玩具10を走行させることができ、遊びたいときに遊ぶことができることになる。
【0062】
また、放電したモバイルバッテリー81を容易に取り外し、充電器に接続して急速充電を行えば、モバイルバッテリー81は1時間程度の短時間またはより短時間で充電を完了させることができることになる。
【0063】
そして、この実施の携帯では、バッテリー収納部75と共に補助電池収納部も備え、モバイルバッテリー81をUSB端子87から取り外したとき、補助電池収納部に収納した乾電池97によっても走行等の動作を行うことができるため、放電したモバイルバッテリー81を取り外して充電を行っているときも電動走行を行って遊ぶことができる。
【0064】
この様に上述の乗用玩具10は、モバイルバッテリー81を走行用モータの電源とするものであるから、小型軽量の電源部を備えた電動式の乗用玩具10であって、モバイルバッテリー81の着脱が極めて容易であり、乗用玩具10を家庭内でコンセントの近くまで移動させることなく、モバイルバッテリー81を乗用玩具10から取り外して充電を行うことができる。
【0065】
尚、モバイルバッテリー81の充電は、急速充電等により比較的短時間で充電を完了することができるものである。
【0066】
また、他に十分に充電されているモバイルバッテリー81がある場合は、このモバイルバッテリー81を着装することにより、続けて遊びたいときには当該乗用玩具10をモータにより走行させて遊び続けることができるものである。
【0067】
そして、モバイルバッテリー81の容量を10000mAh程度とすれば、従来の乗用玩具10と略同様の時間乗用玩具10を走行させることができ、容量が10000mAhより大きいモバイルバッテリー81を使用すれは、従来の乗用玩具10よりも長時間遊び続けることができることもある。
【0068】
また、シート41の下に乾電池97を収納可能とすれば、モバイルバッテリー81を充電するために当該乗用玩具10からモバイルバッテリー81を取り外した場合でも、乾電池97により電動式の乗用玩具10として遊ぶことができ、単1形の乾電池97の3本を直列に接続して収納する場合は、安価な乾電池97であっても、モバイルバッテリー81を充電する時間程度は当該乗用玩具10の遊びを継続して行うことができる。
【0069】
そして、車体11の上面には、シート41の外周形状と一致した窪み71を形成し、該窪み71にシート41の下端が収納されて前記シート41が車体11の上面に固定する乗用玩具10では、シート41の着脱が極めて容易であり、シート41を取り外してシート41の下方に収納するモバイルバッテリー81等の着脱を簡単に行うことができる。
【0070】
また、シート41の前端縁が回動固定部45により車体11の上面に取り付けた乗用玩具10は、回動固定部45を回転中心とするようにしてシート41の後方を持ち上げて車体11の上面を開き、シート41の下方に収納するモバイルバッテリー81や乾電池97の着脱及び交換を容易に行うことができる。
【0071】
そして、回動固定部45によりシート41を車体11に固定しつつシート41の下端部分を収納する窪み71を車体11の上面に設けた場合は、回動固定部45によりシート41が車体11から分離されることを防止しつつシート41の位置づれを窪み71によって防止し、回動固定部45やその周辺の不用意な損傷を防止して長期間安心して遊ぶことができる乗用玩具10とすることができる。
【0072】
更に、深さ2~3cm、幅15~17cm、前後長さ10~15cmとされるバッテリー収納部75は、シート41の下に容易に形成することのできる大きさの空間であり、小型軽量のモバイルバッテリー81を収納するのに十分な大きさであって、シート41下の車体11上面に上方を開口しているため、モバイルバッテリー81の収納及び取り出しを容易に行うことができる。
【0073】
尚、
図1等に示した実施の形態では、制御スイッチを前後進レバー51としてモータの正逆回転及び停止を制御する様にしているも、走行ボタンを制御スイッチとし、走行ボタンを押すとモータを駆動して前進走行を行わせ、走行ボタンから手を放すと走行を停止するようにして、単純に前進走行と停止を制御する制御スイッチとすることもある。
【0074】
また、補助電池としては、単1形の乾電池に限ることなく、単2形や単3形等、適宜の乾電池の複数個を、容量や出力電圧に合わせて適宜直列や並列に用いることもできる。
【産業上の利用可能性】
【0075】
幼児用の電動式の乗用玩具10であって、モバイルバッテリー81とモータとを組合わせて電動走行等の作動をさせることにより、遊びたいときに遊ぶことができる乗用玩具10を提供することができる。
【符号の説明】
【0076】
10 乗用玩具
11 車体 13 ハンドル
15 前輪(操舵輪) 16 前輪軸
17 後輪(駆動輪) 19 操舵軸
21 足置き場 23 前ホイールカバー
25 後ホイールカバー
30 補助操作部 31 持ち手部
33 把持バー
37 装飾体
41 シート 42 凹部
45 回動固定部 47 リブ
51 前後進レバー(制御スイッチ) 53 発音ボタン
55 メロディーボタン
57 駆動切り換えレバー
61 駆動機構収納部
71 窪み 72 シート固定壁
73 固定部底部
75 バッテリー収納部 76 収納壁部
77 収納底部
81 モバイルバッテリー 85 バッテリーコード
87 USB端子
91 電池カバー 93 カバー受け段部
95 電池ボックス(補助電池収納部) 97 乾電池