(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022189639
(43)【公開日】2022-12-22
(54)【発明の名称】車両用灯具ユニット、車両用灯具装置
(51)【国際特許分類】
F21S 41/265 20180101AFI20221215BHJP
F21S 41/147 20180101ALI20221215BHJP
F21S 41/29 20180101ALI20221215BHJP
F21S 41/32 20180101ALI20221215BHJP
F21S 41/19 20180101ALI20221215BHJP
F21S 41/663 20180101ALI20221215BHJP
F21W 102/13 20180101ALN20221215BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20221215BHJP
F21Y 115/15 20160101ALN20221215BHJP
【FI】
F21S41/265
F21S41/147
F21S41/29
F21S41/32
F21S41/19
F21S41/663
F21W102:13
F21Y115:10
F21Y115:15
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021098333
(22)【出願日】2021-06-11
(71)【出願人】
【識別番号】000000136
【氏名又は名称】市光工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000121
【氏名又は名称】IAT弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】小野間 慶
(57)【要約】
【課題】第1配光パターンに追加される第2配光パターンであって、精密に配光制御された第2配光パターンを得ることができる車両用灯具ユニット、車両用灯具装置を提供することにある。
【解決手段】この発明は、ロービーム用光源10Lと、ロービーム用レンズ1Lと、ハイビーム用光源10Hと、ハイビーム用光学部材1Hと、を備える。ハイビーム用光学部材1Hは、ハイビーム用レンズ13Hと、ハイビーム用リフレクタ14Hと、を備える。この結果、この発明は、ロービーム配光パターンLPに追加されるハイビーム配光パターンHPであって、精密に配光制御されたハイビーム配光パターンHPを得ることができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1光源と、第1光学部材と、第2光源と、第2光学部材と、を備え、
前記第1光学部材は、
前記第1光源からの光を入射させる第1入射部と、
前記第1入射部からの第1入射光を反射させる第1反射面と、
前記第1反射面からの第1反射光の一部を制御して、カットオフラインを形成するカットオフライン形成部と、
前記カットオフライン形成部から前記第1光学部材の内部側を通過した前記第1反射光を、上端縁に前記カットオフラインを有する第1配光パターンとして、車両の前方に出射させる出射面と、
前記カットオフライン形成部から前記第1入射部に対して反対側に延長して設けられている延長入射面と、
を備え、
前記第2光学部材は、
前記第2光源からの光を入射させる第2入射部と、
前記第2入射部からの第2入射光を反射させる第2反射面と、
を備え、
前記延長入射面は、前記第2反射面からの第2反射光を、追加入射光として、前記第1光学部材内部に入射させ、
前記出射面は、前記延長入射面からの前記追加入射光を、第2配光パターンとして、車両の前方に出射させる、
ことを特徴とする車両用灯具ユニット。
【請求項2】
前記第2入射部と前記第2反射面とは、上下に配置されていて、
前記第2反射面は、上側の第2反射領域と、下側の第2反射領域と、を有し、
前記上側の第2反射領域は、前記第2反射光を、前記下側の第2反射領域からの前記第2反射光よりも下側に反射させる、
ことを特徴とする請求項1に記載の車両用灯具ユニット。
【請求項3】
前記上側の第2反射領域は、前記カットオフライン形成部からの水平線、もしくは、前記カットオフライン形成部よりも下側からの水平線に対して上側に設けられていて、
前記下側の第2反射領域は、前記水平線に対して下側に設けられている、
ことを特徴とする請求項2に記載の車両用灯具ユニット。
【請求項4】
前記下側の第2反射領域は、前記下側の第2反射領域からの前記第2反射光を、前記第2配光パターンの下端縁の領域に反射させ、
前記上側の第2反射領域は、前記上側の第2反射領域からの前記第2反射光を、前記第2配光パターンの下端縁よりも上側の領域に反射させる、
ことを特徴とする請求項2または3に記載の車両用灯具ユニット。
【請求項5】
前記下側の第2反射領域の面積は、前記上側の第2反射領域の面積よりも、広い、
ことを特徴とする請求項2から4のいずれか1項に記載の車両用灯具ユニット。
【請求項6】
前記第1光学部材は、第1レンズから構成されていて、
前記第1光学部材の前記出射面は、前記第1レンズの第1出射面から構成されていて、
前記第2光学部材は、
前記第1レンズに、一体に、または、別体に、設けられている第2レンズと、
前記第1レンズおよび前記第2レンズと別体のリフレクタと、
を備え、
前記第2レンズは、
前記第2入射部と、
前記第2入射部からの前記第2入射光を外部の前記リフレクタ側に出射させる第2出射面と、
を有し、
前記リフレクタは、
前記第2出射面から出射された第2出射光を前記第2反射光として前記延長入射面側に反射させる前記第2反射面を有する、
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の車両用灯具ユニット。
【請求項7】
前記第1光学部材は、第1レンズから構成されていて、
前記第1光学部材の前記出射面は、前記第1レンズの第1出射面から構成されていて、
前記第2光学部材は、
前記第1レンズに、一体に、または、別体に、設けられている第2レンズから構成されていて、
前記第2入射部と、
前記第2入射部からの前記第2入射光を前記第2反射光として反射させる前記第2反射面と、
前記第2反射面からの前記第2反射光を外部の前記延長入射面側に出射させる第2出射面と、
を備える、
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の車両用灯具ユニット。
【請求項8】
前記第1光源と前記第2光源とは、同一の平面上に取り付けられている、
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の車両用灯具ユニット。
【請求項9】
前記第1光源および前記第1光学部材と、前記第2光源および前記第2光学部材とは、前後に配置されていて、
前記第1光源および前記第1光学部材は、前記第2光源および前記第2光学部材に対して前側に配置されている、
ことを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の車両用灯具ユニット。
【請求項10】
前記第2光源および前記第2光学部材は、前記第1光源および前記第1光学部材に対して後側に、かつ、下側に、傾斜して配置されている、
ことを特徴とする請求項9に記載の車両用灯具ユニット。
【請求項11】
灯室を形成するランプレンズおよびランプハウジングと、
前記灯室内に配置されている前記の請求項1から10のいずれか1項に記載の車両用灯具ユニットと、
を備える、
ことを特徴とする車両用灯具装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、車両用灯具ユニットに関するものである。また、この発明は、車両用灯具装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両の左右方向に沿ったカットオフラインを有する第1配光パターンと第2配光パターンとを照射する車両用灯具ユニット、車両用灯具装置として、たとえば、特許文献1、特許文献2に示すものがある。以下、特許文献1、特許文献2について説明する。
【0003】
特許文献1の車両用灯具は、第1光源および第1レンズ体と、第2光源および第2レンズ体と、を備えるものである。第1レンズ体は、入射面、反射面、シェード、延長入射面および出射面を含むものである。第2レンズ体は、入射面、反射面、シェードおよび出射面を含むものである。
【0004】
特許文献1の車両用灯具は、第1配光パターンとしてのロービーム用配光パターンと第2配光パターンとしてのADB用配光パターンとを形成するものである。すなわち、第1光源からの光は、第1レンズ体の入射面から第1レンズ体内部に入射して第1レンズ体の出射面から第1レンズ体外部に出射してロービーム用配光パターンを形成する。ロービーム用配光パターンは、シェードにより上端縁にカットオフラインが形成されている。
【0005】
また、第2光源からの光は、第2レンズ体の入射面から第2レンズ体内部に入射して第2レンズ体の出射面から第2レンズ体外部に出射し、第1レンズ体の延長入射面から第1レンズ体内部に入射して第1レンズ体の出射面から第1レンズ体外部に出射してADB用配光パターンを形成する。ADB用配光パターンは、ロービーム用配光パターンに追加される追加配光パターンであって、シェードにより下端縁にカットオフラインが形成されていて、下端部がロービーム用配光パターンの上端部に重なる形態で水平方向に配置される。
【0006】
特許文献2の前照灯モジュールは、第1の光源および第1の集光光学素子と、導光投射光学素子と、第2の光源および第2の集光光学素子と、を備えるものである。第1の集光光学素子および第2の集光光学素子は、入射面、反射面および出射面を含むものである。導光投射光学素子は、入射面、反射面、出射面、追加の入射面および稜線部を含むものである。
【0007】
特許文献2の前照灯モジュールは、第1配光パターンとしてのロービームと第2配光パターンとしてのハイビームとを形成するものである。すなわち、第1の光源からの光は、第1の集光光学素子の入射面から第1の集光光学素子内部に入射して第1の集光光学素子の出射面から第1の集光光学素子外部に出射し、導光投射光学素子の入射面から導光投射光学素子内部に入射して導光投射光学素子の出射面から導光投射光学素子外部に出射してロービームを形成する。ロービームは、導光投射光学素子の稜線部により上側にカットオフラインが形成されている。
【0008】
また、第2の光源からの光は、第2の集光光学素子の入射面から第2の集光光学素子内部に入射して第2の集光光学素子の出射面から第2の集光光学素子外部に出射し、導光投射光学素子の入射面から導光投射光学素子内部に入射して導光投射光学素子の出射面から導光投射光学素子外部に出射してハイビームを形成する。ハイビームは、ロービーム用配光パターンに追加される追加配光パターンであって、導光投射光学素子の稜線部により下側にカットオフラインが形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特許第6364701号公報
【特許文献2】特許第6130602号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、特許文献1の車両用灯具は、第2レンズ体内部に入射した第2光源からの光を、そのまま、第2レンズ体内部から出射させて第1レンズ体内部に入射させ、第1レンズ体内部から出射させてADB用配光パターンを形成するものである。この結果、特許文献1の車両用灯具は、精密に配光制御されたADB用配光パターンを得ることにおいて課題がある。
【0011】
一方、特許文献2の前照灯モジュールは、第2の集光光学素子内部に入射した第2の光源からの光を、そのまま、第2の集光光学素子内部から出射させて導光投射光学素子内部に入射させ、導光投射光学素子内部から出射させてハイビームを形成するものである。この結果、特許文献2の前照灯モジュールは、精密に配光制御されたハイビームを得ることにおいて課題がある。
【0012】
この発明が解決しようとする課題は、第1配光パターンに追加される第2配光パターンであって、精密に配光制御された第2配光パターンを得ることができる車両用灯具ユニット、車両用灯具装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
この発明の車両用灯具ユニットは、第1光源と、第1光学部材と、第2光源と、第2光学部材と、を備え、第1光学部材が、第1光源からの光を入射させる第1入射部と、第1入射部からの第1入射光を反射させる第1反射面と、第1反射面からの第1反射光の一部を制御して、カットオフラインを形成するカットオフライン形成部と、カットオフライン形成部から第1光学部材の内部側を通過した第1反射光を、上端縁にカットオフラインを有する第1配光パターンとして、車両の前方に出射させる出射面と、カットオフライン形成部から第1入射部に対して反対側に延長して設けられている延長入射面と、を備え、第2光学部材が、第2光源からの光を入射させる第2入射部と、第2入射部からの第2入射光を反射させる第2反射面と、を備え、延長入射面が、第2反射面からの第2反射光を、追加入射光として、第1光学部材内部に入射させ、出射面が、延長入射面からの追加入射光を、第2配光パターンとして、車両の前方に出射させる、ことを特徴とする。
【0014】
この発明の車両用灯具ユニットにおいて、第2入射部と前記第2反射面とは、上下に配置されていて、第2反射面は、上側の第2反射領域と、下側の第2反射領域と、を有し、上側の第2反射領域は、第2反射光を、下側の第2反射領域からの第2反射光よりも下側に反射させる、ことが好ましい。
【0015】
この発明の車両用灯具ユニットにおいて、上側の第2反射領域は、カットオフライン形成部からの水平線、もしくは、カットオフライン形成部よりも下側からの水平線に対して上側に設けられていて、下側の第2反射領域は、水平線に対して下側に設けられている、ことが好ましい。
【0016】
この発明の車両用灯具ユニットにおいて、下側の第2反射領域は、下側の第2反射領域からの第2反射光を、第2配光パターンの下端縁の領域に反射させ、上側の第2反射領域は、上側の第2反射領域からの第2反射光を、第2配光パターンの下端縁よりも上側の領域に反射させる、ことが好ましい。
【0017】
この発明の車両用灯具ユニットにおいて、下側の第2反射領域の面積は、上側の第2反射領域の面積よりも、広い、ことが好ましい。
【0018】
この発明の車両用灯具ユニットにおいて、第1光学部材は、第1レンズから構成されていて、第1光学部材の出射面は、第1レンズの第1出射面から構成されていて、第2光学部材は、第1レンズに、一体に、または、別体に、設けられている第2レンズと、第1レンズおよび第2レンズと別体のリフレクタと、を備え、第2レンズは、第2入射部と、第2入射部からの第2入射光を外部のリフレクタ側に出射させる第2出射面と、を有し、リフレクタは、第2出射面から出射された第2出射光を第2反射光として延長入射面側に反射させる第2反射面を有する、ことが好ましい。
【0019】
この発明の車両用灯具ユニットにおいて、第1光学部材は、第1レンズから構成されていて、第1光学部材の出射面は、第1レンズの第1出射面から構成されていて、第2光学部材は、第1レンズに、一体に、または、別体に、設けられている第2レンズから構成されていて、第2入射部と、第2入射部からの第2入射光を第2反射光として反射させる第2反射面と、第2反射面からの第2反射光を外部の延長入射面側に出射させる第2出射面と、を備える、ことが好ましい。
【0020】
この発明の車両用灯具ユニットにおいて、第1光源と第2光源とは、同一の平面上に取り付けられている、ことが好ましい。
【0021】
この発明の車両用灯具ユニットにおいて、第1光源および第1光学部材と、第2光源および第2光学部材とは、前後に配置されていて、第1光源および第1光学部材は、第2光源および第2光学部材に対して前側に配置されている、ことが好ましい。
【0022】
この発明の車両用灯具ユニットにおいて、第2光源および第2光学部材は、第1光源および第1光学部材に対して後側に、かつ、下側に、傾斜して配置されている、ことが好ましい。
【0023】
この発明の車両用灯具装置は、灯室を形成するランプレンズおよびランプハウジングと、灯室内に配置されているこの発明の車両用灯具ユニットと、を備える、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
この発明の車両用灯具ユニット、車両用灯具装置は、第1配光パターンに追加される第2配光パターンであって、精密に配光制御された第2配光パターンを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】
図1は、この発明にかかる車両用灯具ユニット、車両用灯具装置の実施形態1を示す縦断面図である。
【
図2】
図2は、要部を示す一部拡大縦断面図(
図1におけるII部拡大図)である。
【
図3】
図3は、出射(照射)される配光パターンを示す説明図である。(A)は、第1配光パターンであるロービーム配光パターンを示す説明図である。(B)は、第2配光パターンであるハイビーム配光パターンを示す説明図である。(C)は、重畳したロービーム配光パターンとハイビーム配光パターンとを示す説明図である。
【
図4】
図4は、この発明にかかる車両用灯具ユニット、車両用灯具装置の実施形態2を示す縦断面図である。
【
図5】
図5は、要部を示す一部拡大縦断面図(
図4におけるV部拡大図)である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、この発明にかかる車両用灯具ユニット、車両用灯具装置の実施形態(実施例)の2例を図面に基づいて詳細に説明する。この実施形態においては、日本国、英国などの左側通行に適用する。
【0027】
この明細書、別紙の特許請求の範囲において、前、後、上、下、左、右は、この発明にかかる車両用灯具のレンズ、車両用灯具ユニット、車両用灯具装置を車両に装備した際の前、後、上、下、左、右である。図面において、符号「F」は「前」、「B」は「後」、「U」は上、「D」は「下」である。
【0028】
また、
図3は、車両の前方の25mに設置されたスクリーンに照射されたロービーム配光パターンおよびハイビーム配光パターンを示す説明図である。
図3において、符号「VU-VD」は、スクリーンの上下垂直線を示す。符号「HL-HR」は、スクリーンの左右水平線を示す。
【0029】
さらに、図面は、この発明にかかる車両用灯具ユニット、車両用灯具装置を示す概略図であるから、この発明にかかる車両用灯具ユニット、車両用灯具装置の主要部品を図示し、主要部品以外の部品の図示を省略する。さらにまた、
図1、
図2、
図4および
図5においては、ハッチングを省略する。
【0030】
(実施形態1の構成の説明)
図1から
図3は、この発明にかかる車両用灯具ユニット、車両用灯具装置の実施形態1を示す。以下、この実施形態1にかかる車両用灯具ユニット1U(以下、「車両用灯具ユニット1U」と称する)、および、この実施形態1にかかる車両用灯具装置100(以下、「車両用灯具装置100」と称する)の構成について説明する。
【0031】
(車両用灯具装置100の説明)
車両用灯具装置100は、図示されていない車両(自動車)の前部の左右にそれぞれ装備されている。車両用灯具装置100は、この例では、
図3(A)に示す第1配光パターンとしてのロービーム配光パターンLPと、
図3(B)に示す第2配光パターンとしてのハイビーム配光パターンHPとを、車両の前方に照射する車両用前照灯(ヘッドランプ)である。第2配光パターンのハイビーム配光パターンHPは、第1配光パターンのロービーム配光パターンLPに追加される追加の配光パターンである。
【0032】
図1は、車両用灯具装置100を示す縦断面図(垂直断面図)である。車両用灯具装置100は、
図1に示すように、ランプハウジング101と、ランプレンズ102と、車両用灯具ユニット1Uと、を備える。
【0033】
ランプハウジング101は、光不透過性の樹脂部材から構成されている。ランプレンズ102は、光透過性の樹脂部材あるいはガラスから構成されている。ランプレンズ102は、アウターレンズあるいはアウターカバーである。ランプレンズ102は、車両の意匠面に沿っている。
【0034】
ランプハウジング101およびランプレンズ102により、灯室103が形成されている。灯室103内には、車両用灯具ユニット1U、その他の1個もしくは複数個の車両用灯具ユニット(図示せず)やインナーパネル(図示せず)などが、それぞれ、配置されている。
【0035】
車両用灯具装置100は、車両用灯具ユニット1Uにより、ロービーム配光パターンLPおよびハイビーム配光パターンHPを、車両の前方に照射することができる。また、車両用灯具装置100は、その他の車両用灯具ユニットにより、たとえば、デイタイムランニングランプ用の配光パターン、フロントターンシグナルランプ用の配光パターンなどを照射することができる。
【0036】
(ロービーム配光パターンLPおよびハイビーム配光パターンHPの説明)
ロービーム配光パターンLPは、
図3(A)に示すように、上端縁(上側)に車両の左右方向に沿った水平なカットオフラインを有する。カットオフラインは、右側の下側水平カットオフラインCLDと、左側の上側水平カットオフラインCLUと、中間の斜めカットオフラインCLSと、からなる。
【0037】
ロービーム配光パターンLPにおいては、下側水平カットオフラインCLDと斜めカットオフラインCLSとの交点がエルボー点であり、このエルボー点の近傍の領域が、最高光度を有する高光度領域である。ロービーム配光パターンLPは、カットオフラインCLD、CLS、CLUよりも下側の路面、すなわち、車両の前方側から車両の手前側までの路面であって、左右方向に幅広い範囲の路面を、照明する。
【0038】
ハイビーム配光パターンHPは、
図3(B)(C)に示すように、ロービーム配光パターンLPの上端縁(上側)に位置する。ハイビーム配光パターンHPの下端縁(下側)は、ロービーム配光パターンLPの上端縁(上側)に、ロービーム配光パターンLPのカットオフラインCLD、CLS、CLUに沿って、重なっている(重畳している)。
【0039】
ハイビーム配光パターンHPは、
図3(C)に示すように、ロービーム配光パターンLPよりも集光(収束)された配光パターンである。なお、ハイビーム配光パターンHPは、ロービーム配光パターンLPと同様に拡散された配光パターンであっても良い。ハイビーム配光パターンHPの高光度領域の光度は、ロービーム配光パターンLPの高光度領域の光度よりも高い光度である。ハイビーム配光パターンHPは、車両の前方側から遠方までの路面を、照明する。
【0040】
(車両用灯具ユニット1Uの説明)
車両用灯具ユニット1Uは、
図1、
図2および
図3に示すように、第1光源としてのロービーム用光源10Lと、第1光学部材としてのロービーム用光学部材1Lと、第2光源としてのハイビーム用光源10Hと、第2光学部材としてのハイビーム用光学部材1Hと、を備えるものである。
【0041】
第2光源のハイビーム用光源10Hおよび第2光学部材のハイビーム用光学部材1Hは、第1光源のロービーム用光源10Lおよび第1光学部材のロービーム用光学部材1Lに追加される追加の光源および光学部材である。
【0042】
ロービーム用光源10Lおよびロービーム用光学部材1Lと、ハイビーム用光源10Hおよびハイビーム用光学部材1Hとは、水平方向において、前後に、配置されている。
【0043】
(ロービーム用光源10Lおよびハイビーム用光源10Hの説明)
ロービーム用光源10Lおよびハイビーム用光源10Hは、この例では、LED、OELまたはOLED(有機EL)などの自発光半導体型発光素子(半導体発光素子)タイプの光源である。
【0044】
ロービーム用光源10Lとハイビーム用光源10Hは、
図1および
図2に示すように、同一の取付部材、この例では、同一の基板12の下面にほぼ水平方向に前後に取り付けられている。これにより、ロービーム用光源10Lとハイビーム用光源10Hは、同一面に配置されている。
【0045】
ロービーム用光源10L、ハイビーム用光源10Hは、それぞれ、発光面11L、11Hを有する。発光面11L、11Hは、基板12に取り付けられている面と反対側の面であって、下側に向いている。
【0046】
なお、図面上では省略されているが、基板12には、ヒートシンクが取り付けられている。この結果、ロービーム用光源10Lとハイビーム用光源10Hは、同一の基板12を介して、同一のヒートシンクに取り付けられている。なお、ロービーム用光源10Lとハイビーム用光源10Hは、別個の基板12、別個のヒートシンクに取り付けられていても良い。この場合においても、ロービーム用光源10Lとハイビーム用光源10Hは、同一平面上に取り付けられていることが好ましい。
【0047】
(ロービーム用光学部材1Lの説明)
ロービーム用光学部材1Lは、光透過性の部材(樹脂部材など)であって、この例では、アクリル樹脂やPC(ポリカーボネート)、PMMA(ポリメタクリル酸メチル、メタクリル樹脂)などの無色透明樹脂材からなる第1レンズから構成されている。なお、以下、ロービーム用光学部材1Lをロービーム用レンズ1Lと称する。
【0048】
ロービーム用レンズ1Lは、ロービーム用光源10Lからの光L1を入射させて、車両の左右方向に沿った水平なカットオフラインCLD、CLS、CLUを有するロービーム配光パターンLPを車両の前方に照射する。
【0049】
ロービーム用レンズ1Lは、
図1および
図2に示すように、第1入射部としてのロービーム用入射部2Lと、第1反射面としてのロービーム用反射面3Lと、カットオフライン形成部4Lと、第1光学部材の出射面としての第1出射面5Lと、延長入射面6Lと、水平面7Lと、を備える。
【0050】
(ロービーム用入射部2Lの説明)
ロービーム用入射部2Lは、ロービーム用レンズ1Lの一端部分(後端部分)の上面に設けられている。ロービーム用入射部2Lは、ロービーム用光源10Lの発光面11Lに向き合って設けられている。ロービーム用入射部2Lは、ロービーム用光源10Lからの光L1のうち少なくとも一部を平行光として入射させる。
【0051】
ロービーム用入射部2Lは、
図1および
図2に示すように、反射面20Lと、第1の入射面21Lおよび第2の入射面22Lと、を有する。
【0052】
ロービーム用入射部2Lは、入射部光軸(図示せず)を有する。入射部光軸は、反射面20L、第1の入射面21Lおよび第2の入射面22Lの中心を通る。第1の入射面21Lおよび第2の入射面22Lは、反射面20Lに対して、凹形状をなしている。
【0053】
第1の入射面21Lは、発光面11Lからの光L1のうち、発光面11Lの中心を点(角の頂点)とする立体角が約40°の光L1を、第1の入射光L11として屈折入射させる面である。なお、立体角は、特に限定しない。
【0054】
第2の入射面22Lは、
図1および
図2に示すように、発光面11Lからの光L1のうち、発光面11Lの中心を点(角の頂点)とする立体角が約40°から約90°までの間の光L1を、第2の入射光L12として屈折入射させる面である。なお、立体角は、特に限定しない。第2の入射面22Lは、第1の入射面21Lの外周の側壁面である。第2の入射面22Lは、発光面11Lの外側に設けられている。
【0055】
反射面20Lは、第2の入射面22Lから入射した第2の入射光L12を入射部光軸と平行もしくはほぼ平行な反射光L13として全反射させる面である。
【0056】
(ロービーム用反射面3Lの説明)
ロービーム用反射面3Lは、ロービーム用レンズ1Lの一端部分(後端部分)の下面に設けられている。ロービーム用入射部2Lとロービーム用反射面3Lとは、上下に配置されている。ロービーム用反射面3Lは、
図1および
図2に示すように、回転放物面(図示せず)を基本とする。ロービーム用反射面3Lは、ロービーム用入射部2Lからの第1入射光(すなわち、第1の入射光L11および反射光L13)を、第1反射光L14として、カットオフライン形成部4L、第1出射面5Lおよび延長入射面6L側に反射させる。
【0057】
(カットオフライン形成部4Lの説明)
カットオフライン形成部4Lは、ロービーム用反射面3Lからの第1反射光L14の一部を制御して、車両の左右方向に沿ったカットオフライン、すなわち、
図3(A)、(C)に示すロービーム配光パターンLPの下側水平カットオフラインCLD、上側水平カットオフラインCLUおよび斜めカットオフラインCLSを形成する。
【0058】
カットオフライン形成部4Lは、ロービーム用反射面3Lと第1出射面5Lとの間に設けられている。カットオフライン形成部4Lは、ロービーム用レンズ1Lの前後方向の中間部分の下面に設けられている。カットオフライン形成部4Lは、垂直面の延長入射面6Lと水平面7Lとで形成されている角部を有する。垂直面の延長入射面6Lは、上側が後に下側が前に傾斜している。
【0059】
カットオフライン形成部4Lの角部は、車両の左右方向に直線状または曲線状に延びている。
【0060】
カットオフライン形成部4Lは、下側水平カットオフライン形成部と、上側水平カットオフライン形成部と、斜めカットオフライン形成部と、を有する。下側水平カットオフライン形成部は、左右方向の中心から左側の部分に設けられていて、ロービーム配光パターンLPの下側水平カットオフラインCLDを形成する。上側水平カットオフライン形成部は、左右方向の中心から右側の部分に設けられていて、ロービーム配光パターンLPの上側水平カットオフラインCLUを形成する。斜めカットオフライン形成部は、左右方向の中心の部分に設けられていて、ロービーム配光パターンLPの斜めカットオフラインCLSを形成する。
【0061】
カットオフライン形成部4Lは、たとえば、カットオフライン形成部4Lに到達する光を第1出射面5Lの方向とは異なる方向に屈折または内部反射させることで光を遮断しても良いし、角部を含む水平面のうちカットオフライン形成部4Lに対応する部分に光吸収層を配置しておき、この光吸収層により光を吸収しても良い。なお、カットオフライン形成部4Lによって内部反射または屈折される光は、ロービーム用レンズ1Lの外部に出射され、ロービーム用レンズ1Lの外部であって、灯室103内に配置されるインナーパネル(インナーハウジングなど)によって、遮断されまたは吸収されて、灯室103外には出射されない。
【0062】
(第1出射面5Lの説明)
第1出射面5Lは、ロービーム用レンズ1Lの他端部分(前端部分)の前面に設けられている。第1出射面5Lは、カットオフライン形成部4Lからロービーム用レンズ1Lの内部側を通過した第1反射光L14を、カットオフラインを有する配光パターンとして、出射させる。すなわち、第1出射面5Lは、第1反射光L14を、第1出射光L15として、車両の前方に照射する。第1出射光L15は、
図3(A)および(C)に示すロービーム配光パターンLP(下側水平カットオフラインCLD、上側水平カットオフラインCLUおよび斜めカットオフラインCLSを有するロービーム配光パターンLP)を形成する。
【0063】
(ロービーム用反射面3Lと第1出射面5Lの説明)
ロービーム用反射面3Lは、基本の回転放物面を車両の左右方向に連続して延ばした面形状をなす。第1出射面5Lは、カットオフライン形成部4L近傍に出射面焦点LFを有する。
【0064】
ロービーム用反射面3Lからの第1反射光L14は、カットオフライン形成部4L、または、その近傍に沿って左右方向に拡散する。このため、
図3(A)および(C)に示すように、左右の拡散幅が広いロービーム配光パターンLPが形成される。
【0065】
(ハイビーム用光学部材1Hの説明)
ハイビーム用光学部材1Hは、第2レンズとしてのハイビーム用レンズ13Hと、リフレクタとしてのハイビーム用リフレクタ14Hと、を備える。
【0066】
(ハイビーム用レンズ13Hの説明)
ハイビーム用レンズ13Hは、ロービーム用レンズ1Lと同様に、光透過性の部材(樹脂部材など)であって、この例では、アクリル樹脂やPC(ポリカーボネート)、PMMA(ポリメタクリル酸メチル、メタクリル樹脂)などの無色透明樹脂材からなる。
【0067】
ハイビーム用レンズ13Hは、この例では、ロービーム用レンズ1Lに、前後に、一体に、設けられている。すなわち、ロービーム用レンズ1Lの後端部分のロービーム用入射部2Lとロービーム用反射面3Lとの間の部分と、ハイビーム用レンズ13Hの下端部分とは、一体に接続されている。なお、ハイビーム用レンズ13Hは、ロービーム用レンズ1Lに、別体に、設けられていても良い。ハイビーム用レンズ13Hは、第2入射部としてのハイビーム用入射部2Hと、第2出射面15Hと、を有する。
【0068】
(ハイビーム用入射部2Hの説明)
ハイビーム用入射部2Hは、ハイビーム用レンズ13Hの上部分に設けられている。ハイビーム用入射部2Hは、ハイビーム用光源10Hの発光面11Hの下側に設けられている。ハイビーム用入射部2Hは、ハイビーム用光源10Hからの光L2のうち少なくとも一部を平行光として入射させる。
【0069】
ハイビーム用入射部2Hは、
図1および
図2に示すように、ロービーム用入射部2Lと同様に、反射面20Hと、第1の入射面21Hおよび第2の入射面22Hと、を有する。
【0070】
ハイビーム用入射部2Hは、入射部光軸(図示せず)を有する。入射部光軸は、反射面20H、第1の入射面21Hおよび第2の入射面22Hの中心を通る。第1の入射面21Hおよび第2の入射面22Hは、反射面20Hに対して、凹形状をなしている。
【0071】
第1の入射面21Hは、発光面11Hからの光L2のうち、発光面11Hの中心を点(角の頂点)とする立体角が約40°の光L2を、第1の入射光L21として屈折入射させる面である。なお、立体角は、特に限定しない。
【0072】
第2の入射面22Hは、
図1および
図2に示すように、発光面11Hからの光L2のうち、発光面11Hの中心を点(角の頂点)とする立体角が約40°から約90°までの間の光L2を、第2の入射光L22として屈折入射させる面である。なお、立体角は、特に限定しない。第2の入射面22Hは、第1の入射面21Hの外周の側壁面である。第2の入射面22Hは、発光面11Hの外側に設けられている。
【0073】
反射面20Hは、第2の入射面22Hから入射した第2の入射光L22を入射部光軸と平行もしくはほぼ平行な反射光L23として全反射させる面である。
【0074】
(第2出射面15Hの説明)
第2出射面15Hは、ハイビーム用レンズ13Hの下面に設けられている。第2出射面15Hは、上側のハイビーム用入射部2Hと下側のハイビーム用リフレクタ14Hとの間に設けられている。
【0075】
第2出射面15Hは、ハイビーム用入射部2Hからの第2入射光(すなわち、第1の入射光L21および反射光L23)を、外部のハイビーム用リフレクタ14H側に出射させる。
【0076】
(ハイビーム用リフレクタ14Hの説明)
ハイビーム用リフレクタ14Hは、ロービーム用レンズ1Lおよびハイビーム用レンズ13Hと別体に、設けられている。ハイビーム用リフレクタ14Hは、ロービーム用レンズ1Lの後側であって、ハイビーム用レンズ13Hの下側の空間に、配置されている。
【0077】
ハイビーム用リフレクタ14Hの一面は、ハイビーム用レンズ13Hの下面の第2出射面15Hの下側に設けられている。また、ハイビーム用リフレクタ14Hの一面は、ロービーム用レンズ1Lの後端部分のロービーム用反射面3L、カットオフライン形成部4Lおよび延長入射面6Lの後側に設けられている。ハイビーム用リフレクタ14Hの一面には、第2反射面としてのハイビーム用反射面3Hが設けられている。
【0078】
(ハイビーム用反射面3Hの説明)
ハイビーム用反射面3Hは、ロービーム用反射面3Lと同様に、
図1および
図2に示すように、回転放物面(図示せず)を基本とする。ハイビーム用反射面3Hは、第2出射面15Hから出射された第2出射光(すなわち、ハイビーム用入射部2Hからの第2入射光であって、第1の入射光L21および反射光L23)を第2反射光L24D(
図1および
図2中の破線のうち、線長が長い破線を参照)、L24U(
図1および
図2中の破線のうち、線長が短い破線を参照)としてカットオフライン形成部4Lおよび延長入射面6L側に反射させる。
【0079】
ハイビーム用反射面3Hは、上側のハイビーム用反射領域3HUと、下側のハイビーム用反射領域3HDと、を有する。
【0080】
上側のハイビーム用反射領域3HUは、ハイビーム用反射面3Hのうち、カットオフライン形成部4Lからの水平線Hに対して上側の第2反射領域である。下側のハイビーム用反射領域3HDは、ハイビーム用反射面3Hのうち、カットオフライン形成部4Lからの水平線Hに対して下側の第2反射領域である。なお、水平線Hは、この例において、
図1および
図2中の二点鎖線に示すように、カットオフライン形成部4Lの水平面7L上に位置する。ここで、水平面7Lは、反射面としの機能を有する。また、水平面7Lに下側に突出した反射面が設けられる場合がある。この場合において、前記の水平線Hは、カットオフライン形成部4Lよりも下側の個所から引かれる。
【0081】
下側のハイビーム用反射領域3HDは、第2出射光(第2入射光(第1の入射光L21および反射光L23))を、第2反射光L24Dとして、延長入射面6Lのうち、カットオフライン形成部4L近傍に反射させる。この結果、第2反射光L24Dは、ハイビーム配光パターンHPの下端縁側(下側)の領域を照射する。一方、上側のハイビーム用反射領域3HUは、第2出射光(第2入射光(第1の入射光L21および反射光L23))を、第2反射光L24Uとして、延長入射面6Lのうち、第2反射光L24Dが反射されるカットオフライン形成部4L近傍よりも下側に離れた位置に反射させる。この結果、第2反射光L24Uは、ハイビーム配光パターンHPの下端縁側(下側)よりも上側の領域を照射する。
【0082】
下側のハイビーム用反射領域3HDの面積は、上側のハイビーム用反射領域3HUの面積よりも、広い。下側のハイビーム用反射領域3HDは、下側のハイビーム用反射領域3HDからの第2反射光L24Dを、上側のハイビーム用反射領域3HUからの第2反射光L24Uよりも、集光(収束)させる集光(収束)系の反射面である。
【0083】
(延長入射面6Lの説明)
延長入射面6Lは、カットオフライン形成部4Lを通過した第2反射光L24D、L24Uを、追加入射光L26D(
図1および
図2中の破線のうち、線長が長い破線を参照)、L26U(
図1および
図2中の破線のうち、線長が短い破線を参照)として、ロービーム用レンズ1L内部に、再度入射させる。
【0084】
(第1出射面5Lの再度の説明)
第1出射面5Lは、カットオフライン形成部4Lを通過した第2反射光L24D、L24Uであって追加入射光L26D、L26Uを、第2出射光L25D(
図1および
図2中の破線のうち、線長が長い破線を参照)、L25U(
図1および
図2中の破線のうち、線長が短い破線を参照)として、車両の前方に照射する。これにより、ハイビーム配光パターンHPが形成される。
【0085】
(実施形態1の作用の説明)
この実施形態1にかかる車両用灯具ユニット1Uおよびこの実施形態1にかかる車両用灯具装置100は、以上のごとき構成からなり、以下、その作用について説明する。
【0086】
ロービーム用光源10Lを点灯させる。すると、ロービーム用光源10Lからの光L1は、ロービーム用レンズ1Lのロービーム用入射部2Lからロービーム用レンズ1L内部に入射する。ロービーム用入射部2Lからロービーム用レンズ1L内部に入射した第1入射光(すなわち、第1の入射光L11および反射光L13)は、ロービーム用反射面3Lで、第1反射光L14として、カットオフライン形成部4L側に反射される。
【0087】
第1反射光L14の一部は、カットオフライン形成部4Lで制御される。カットオフライン形成部4Lからロービーム用レンズ1Lの内部側を通過した第1反射光L14は、第1出射面5Lから第1出射光L15として車両の前方に照射される。第1出射光L15は、
図3(A)および(C)に示すロービーム配光パターンLPを形成する。
【0088】
ロービーム用光源10Lを点灯させたままの状態で、ハイビーム用光源10Hを点灯させる。すると、ハイビーム用光源10Hからの光L2は、ハイビーム用レンズ13Hのハイビーム用入射部2Hからハイビーム用レンズ13H内部に入射する。ハイビーム用入射部2Hからハイビーム用レンズ13H内部に入射した第2入射光(すなわち、第1の入射光L21および反射光L23)は、第2出射面15Hからハイビーム用レンズ13Hの外部のハイビーム用リフレクタ14H側に出射し、かつ、ハイビーム用反射面3Hで、第2反射光L24D、L24Uとして、カットオフライン形成部4L側に反射される。
【0089】
第2反射光L24D、L24Uは、カットオフライン形成部4Lを通過して、追加入射光L26D、L26Uとして、延長入射面6Lからロービーム用レンズ1L内部に、再度入射する。
【0090】
追加入射光L26D、L26Uは、第1出射面5Lから第2出射光L25D、L25Uとして車両の前方に照射される。第2出射光L25D、L25Uは、
図3(B)および(C)に示すハイビーム配光パターンHPを形成する。ハイビーム配光パターンHPは、
図3(C)に示すように、ロービーム配光パターンLPに追加される。
【0091】
(実施形態1の効果の説明)
この実施形態1にかかる車両用灯具ユニット1Uおよびこの実施形態1にかかる車両用灯具装置100は、以上のごとき構成および作用からなり、以下、その効果について説明する。
【0092】
この実施形態1にかかる車両用灯具ユニット1Uは、ハイビーム用光学部材1Hが、ハイビーム用入射部2Hと、ハイビーム用反射面3Hと、を備える、ものである。ハイビーム用入射部2Hは、ハイビーム用光源10Hからの光L2を第2入射光(すなわち、第1の入射光L21および反射光L23)として入射させる。ハイビーム用反射面3Hは、ハイビーム用入射部2Hからの第2入射光を第2反射光L24D、L24Uとして反射させる。
【0093】
これにより、この実施形態1にかかる車両用灯具ユニット1Uは、ハイビーム用反射面3Hで配光制御された第2反射光L24D、L24Uを、追加入射光L26D、L26Uとして、延長入射面6Lからロービーム用レンズ1L内部に入射させ、かつ、その追加入射光L26D、L26Uを、第1出射面5Lからロービーム用レンズ1Lの外部に出射させて、ハイビーム配光パターンHPを形成するものである。この結果、この実施形態1にかかる車両用灯具ユニット1Uは、ハイビーム用反射面3Hで精密に配光制御されたハイビーム配光パターンHPを得ることができる。
【0094】
この実施形態1にかかる車両用灯具ユニット1Uは、ハイビーム用反射面3Hが、上側のハイビーム用反射領域3HUと、下側のハイビーム用反射領域3HDと、を有する、ものである。上側のハイビーム用反射領域3HUは、第2反射光L24Uを、下側のハイビーム用反射領域3HDからの第2反射光L24Dよりも下側に反射させる。
【0095】
この結果、この実施形態1にかかる車両用灯具ユニット1Uは、ハイビーム配光パターンHPを精密に配光制御することができる。
【0096】
この実施形態1にかかる車両用灯具ユニット1Uにおいて、上側のハイビーム用反射領域3HUは、ハイビーム用反射面3Hのうち、カットオフライン形成部4Lからの水平線Hに対して上側に設けられている。下側のハイビーム用反射領域3HDは、水平線Hに対して上側に設けられている。
【0097】
この結果、この実施形態1にかかる車両用灯具ユニット1Uは、ハイビーム配光パターンHPを精密に配光制御することができる。
【0098】
この実施形態1にかかる車両用灯具ユニット1Uにおいて、下側のハイビーム用反射領域3HDは、下側のハイビーム用反射領域3HDからの第2反射光L24Dを、ハイビーム配光パターンHPの下端縁の領域に反射させる。上側のハイビーム用反射領域3HUは、上側のハイビーム用反射領域3HUからの第2反射光L24Uを、ハイビーム配光パターンHPの下端縁よりも上側の領域に反射させる。
【0099】
この結果、この実施形態1にかかる車両用灯具ユニット1Uは、ハイビーム配光パターンHPを精密に配光制御することができる。
【0100】
この実施形態1にかかる車両用灯具ユニット1Uにおいて、下側のハイビーム用反射領域3HDの面積は、上側のハイビーム用反射領域3HUよりも広い。
【0101】
この結果、この実施形態1にかかる車両用灯具ユニット1Uは、ハイビーム配光パターンHPの下端縁に高光度帯を形成するのに適している。
【0102】
この実施形態1にかかる車両用灯具ユニット1Uは、ロービーム用レンズ1Lと、ハイビーム用光学部材1Hと、を備えるものである。ロービーム用レンズ1Lは、第1レンズから構成されている。ハイビーム用光学部材1Hは、第2レンズとしてのハイビーム用レンズ13Hと、ハイビーム用リフレクタ14Hと、を備える。第1レンズのロービーム用レンズ1Lと第2レンズのハイビーム用レンズ13Hとは、一体に設けられている。ハイビーム用リフレクタ14Hと、ロービーム用レンズ1Lおよびハイビーム用レンズ13Hとは、別体に設けられている。
【0103】
この結果、この実施形態1にかかる車両用灯具ユニット1Uは、ロービーム用レンズ1Lとハイビーム用レンズ13Hとを一体に設けたものであるから、ロービーム用レンズ1Lとハイビーム用レンズ13Hとの相対位置関係を精密に保つことができ、しかも、部品点数を軽減化することができる。
【0104】
また、この実施形態1にかかる車両用灯具ユニット1Uは、ハイビーム用リフレクタ14Hとロービーム用レンズ1Lおよびハイビーム用レンズ13Hとを、別体に設けたものであるから、ハイビーム用リフレクタ14Hとロービーム用レンズ1Lおよびハイビーム用レンズ13Hの構造とを、それぞれ、別個に、簡単に製造することができ、しかも、ハイビーム用リフレクタ14Hの構造と、ロービーム用レンズ1Lおよびハイビーム用レンズ13Hの構造とを、それぞれ、簡潔にすることができる。その上、ハイビーム用リフレクタ14Hのハイビーム用反射面3H、および、ロービーム用レンズ1Lのロービーム用反射面3Lの設計の自由度が増加する。
【0105】
この実施形態1にかかる車両用灯具ユニット1Uは、ロービーム用光源10Lとハイビーム用光源10Hとを、同一の平面上に取り付けたものである。この結果、この実施形態1にかかる車両用灯具ユニット1Uは、基板12および付随するヒートシンクを、ロービーム用光源10L用とハイビーム用光源10H用とに、それぞれ、別個に揃えずに、共有することができ、その分、部品点数を軽減することができ、製造コストを安価にすることができる。
【0106】
この実施形態1にかかる車両用灯具ユニット1Uは、ロービーム用光源10Lおよびロービーム用レンズ1Lとハイビーム用光源10Hおよびハイビーム用光学部材1Hとを、水平方向において、前後に、配置したものである。この結果、この実施形態1にかかる車両用灯具ユニット1Uは、上下方向の高さを、低く抑制することができ、上下方向が薄い灯具に最適である。
【0107】
この実施形態1にかかる車両用灯具ユニット1Uは、ロービーム用光源10Lおよびロービーム用レンズ1Lを、ハイビーム用光源10Hおよびハイビーム用光学部材1Hに対して前側に配置したものである。この結果、この実施形態1にかかる車両用灯具ユニット1Uは、精密に配光制御されたロービーム配光パターンLPを形成することができる。
【0108】
この実施形態1にかかる車両用灯具ユニット1Uにおいて、ハイビーム用光源10Hおよびハイビーム用光学部材1Hは、ロービーム用光源10Lおよびロービーム用レンズ1Lに対して後側に、かつ、下側に、傾斜して配置されている。この結果、この実施形態1にかかる車両用灯具ユニット1Uは、精密に配光制御されたハイビーム配光パターンHPを形成することができる。
【0109】
(実施形態2の構成の説明)
図4および
図5は、この発明にかかる車両用灯具ユニット、車両用灯具装置の実施形態2を示す。以下、この実施形態2にかかる車両用灯具ユニット1AU(以下、「車両用灯具ユニット1AU」と称する)、および、この実施形態2にかかる車両用灯具装置100A(以下、「車両用灯具装置100A」と称する)の構成について説明する。図中、
図1から
図3と同符号は、同一物を示す。
【0110】
前記の実施形態1の車両用灯具ユニット1Uにおけるハイビーム用光学部材1Hは、ハイビーム用レンズ13Hと、ハイビーム用リフレクタ14Hと、を備えるものである。これに対して、この実施形態2の車両用灯具ユニット1AUにおけるハイビーム用光学部材1AHは、ハイビーム用レンズ1AHから構成されているものである。以下、ハイビーム用光学部材1AHをハイビーム用レンズ1AHと称する。
【0111】
(ハイビーム用レンズ1AHの説明)
ハイビーム用レンズ1AHは、ロービーム用レンズ1Lに対して、水平方向に前後に配置されている。ハイビーム用レンズ1AHの前面は、ロービーム用レンズ1Lの後面のロービーム用入射部2L、ロービーム用反射面3L、カットオフライン形成部4Lおよび延長入射面6Lに向き合っている。
【0112】
ハイビーム用レンズ1AHは、ロービーム用レンズ1Lに、一体に(
図4および
図5中の破線を参照)、または、別体に、設けられている。なお、ハイビーム用レンズ1AHとロービーム用レンズ1Lとを一体にする場合においては、ハイビーム用レンズ1AHの中間部分の前面とロービーム用レンズ1Lの後面のロービーム用反射面3Lとの間に、空間Sを形成する必要がある。
【0113】
この空間Sにより、第1入射光(第1の入射光L11、反射光L13)がロービーム用反射面3Lで反射する。すなわち、空間Sを形成しなかった場合には、第1入射光(第1の入射光L11、反射光L13)がロービーム用反射面3Lで反射せずにそのまま直進する。この第1入射光(第1の入射光L11、反射光L13)の直進を防ぐために、空間Sを形成する。
【0114】
ハイビーム用レンズ1AHは、第2入射部としてのハイビーム用入射部2AHと、第2反射面としてのハイビーム用反射面3AHと、第2出射面15AHと、を備える。
【0115】
(ハイビーム用入射部2AHの説明)
ハイビーム用入射部2AHは、ハイビーム用レンズ13AHの上端部分に設けられている。ハイビーム用入射部2AHは、ハイビーム用光源10Hの発光面11Hに向き合っている。
【0116】
この実施形態2のハイビーム用入射部2AHは、前記の実施形態1のハイビーム用入射部2Hと同様に、反射面20Hと、第1の入射面21Hと、第2の入射面22Hと、を有する。
【0117】
(ハイビーム用反射面3AHの説明)
前記の実施形態1のハイビーム用反射面3Hは、ハイビーム用リフレクタ14Hに設けられている。これに対して、この実施形態2のハイビーム用反射面3AHは、ハイビーム用レンズ1AHに設けられている。
【0118】
ハイビーム用反射面3AHは、ハイビーム用レンズ13AHの中間部分から下端部分までの後面に設けられている。ハイビーム用反射面3AHは、ハイビーム用入射部2AHの下側に設けられている。また、ハイビーム用反射面3AHは、第2出射面15AHの後側に設けられている。ハイビーム用レンズ13AHのハイビーム用入射部2AHとハイビーム用反射面3AHとは、上下に配置されている。
【0119】
ハイビーム用反射面3Hは、ハイビーム用入射部2AHからの第2入射光(第1の入射光L21および反射光L23)を第2反射光L24D、L24Uとして第2出射面15AHを経てカットオフライン形成部4Lおよび延長入射面6L側に反射させる。
【0120】
また、この実施形態2のハイビーム用反射面3AHは、前記の実施形態1のハイビーム用反射面3Hと同様に、上側のハイビーム用反射領域3AHUと、下側のハイビーム用反射領域3AHDと、を有する。
【0121】
(第2出射面15AHの説明)
第2出射面15AHは、ハイビーム用レンズ13AHの下端部分の前面に設けられている。第2出射面15AHは、ハイビーム用反射面3AHの前側に設けられている。また、第2出射面15AHは、ロービーム用レンズ1Lの後面のカットオフライン形成部4Lおよび延長入射面6Lの後側に設けられている。
【0122】
第2出射面15AHは、ハイビーム用反射面3AHからの第2反射光L24D、L24Uを、ロービーム用レンズ1Lの後面のカットオフライン形成部4Lおよび延長入射面6L側に出射させる。
【0123】
(実施形態2の作用の説明)
この実施形態2にかかる車両用灯具ユニット1AU、および、この実施形態2にかかる車両用灯具装置100Aは、以上のごとき構成からなり、以下、その作用について説明する。
【0124】
この実施形態2の車両用灯具ユニット1AUにおけるロービーム用光源10Lおよびロービーム用光学部材1Lの構成は、前記の実施形態1の車両用灯具ユニット1Uにおけるロービーム用光源10Lおよびロービーム用光学部材1Lの構成とほぼ同様である。このため、ロービーム用光源10Lを点灯させると、
図3(A)および(C)に示すロービーム配光パターンLPが車両の前方に照射される。
【0125】
この実施形態2の車両用灯具ユニット1AUにおけるハイビーム用入射部2AHの構成は、前記の実施形態1の車両用灯具ユニット1Uにおけるハイビーム用入射部2Hの構成とほぼ同様である。このため、ロービーム用光源10Lを点灯させたままの状態で、ハイビーム用光源10Hを点灯させる。すると、ハイビーム用光源10Hからの光L2は、ハイビーム用レンズ1AHのハイビーム用入射部2AHから第2入射光(第1の入射光L21および反射光L23)として、入射する。
【0126】
第2入射光(第1の入射光L21および反射光L23)は、上側のハイビーム用反射領域3AHUで、第2反射光L24Uとして、第2出射面15AHを経て延長入射面6Lのうち、カットオフライン形成部4Lよりも下側に反射される。第2入射光(第1の入射光L21および反射光L23)は、下側のハイビーム用反射領域3AHDで、第2反射光L24Dとして、第2出射面15AHを経て延長入射面6Lのうち、カットオフライン形成部4L近傍に反射される。
【0127】
第2反射光L24D、L24Uは、第2出射面15AHを経て、ハイビーム用レンズ1AHから一旦外部に出射され、かつ、延長入射面6Lを経て、ロービーム用レンズ1L内部に、追加入射光L26D、L26Uとして、再度入射する。
【0128】
追加入射光L26D、L26Uは、ロービーム用レンズ1Lの第1出射面5Lから第2出射光L25D、L25Uとして車両の前方に照射される。第2出射光L25D、L25Uは、
図3(B)および(C)に示すハイビーム配光パターンHPとして車両の前方に照射される。これにより、ハイビーム配光パターンHPは、
図3(C)に示すように、ロービーム配光パターンLPに追加される。
【0129】
(実施形態2の効果の説明)
この実施形態2にかかる車両用灯具ユニット1AU、および、この実施形態2にかかる車両用灯具装置100Aは、以上のごとき構成および作用からなるものであるから、前記の実施形態1にかかる車両用灯具ユニット1U、および、この実施形態1にかかる車両用灯具装置100の効果と同様の効果を達成することができる。
【0130】
特に、この実施形態2にかかる車両用灯具ユニット1AUは、ハイビーム用光学部材1AHがハイビーム用レンズ1AHから構成されているものであるから、前記の実施形態1の車両用灯具ユニット1Uにおけるハイビーム用光学部材1Hのように、ハイビーム用レンズ13Hとハイビーム用リフレクタ14Hとから構成されているものと比較すると、ハイビーム配光パターンHPをさらに精密に配光制御することができる。しかも、構造が簡単であり、部品点数を軽減化することができ、その分、製造コストを安価にすることができる。
【0131】
しかも、この実施形態2にかかる車両用灯具ユニット1AUは、ハイビーム用光学部材1AHを、ロービーム用レンズ1Lに対して後側に、かつ、下側に、傾斜して配置してなるものである。この結果、この実施形態2にかかる車両用灯具ユニット1AUは、ハイビーム用レンズ1AHのハイビーム用反射面3AHにおいて、第2入射光(第1の入射光L21および反射光L23)を、第2反射光L24D、L24Uとして、確実に、全反射させることができる。
【0132】
(実施形態1、2以外の例の説明)
なお、前記の実施形態1、2においては、日本国、英国などの左側通行に適用した例について説明するものである。しかしながら、この発明においては、欧米諸国などの右側通行にも適用することができる。右側通行の場合は、左側通行の場合における左右が反転されたものとなる。たとえば、
図3に示すロービーム配光パターンLPおよびハイビーム配光パターンHPは、左右が反転されたロービーム配光パターンおよびハイビーム配光パターンとなる。
【0133】
また、前記の実施形態1、2においては、第2配光パターンとして、ハイビーム配光パターンHPについて説明するものである。しかしながら、この発明においては、第2配光パターンとして、ハイビーム配光パターンHP以外の配光パターン、たとえば、ADB配光パターンにも適用することができる。ADB配光パターンにおいては、水平方向のカットオフライン以外に、鉛直方向のカットオフラインをも必要となる。
【0134】
さらに、前記の実施形態1、2においては、ロービーム用光源10Lおよびロービーム用レンズ1Lと、ハイビーム用光源10Hおよび実施形態1のハイビーム用光学部材(ハイビーム用レンズ13Hおよびハイビーム用リフレクタ14H)、実施形態2のハイビーム用レンズ1AHとを、水平方向において、前後に、配置したものである。しかしながら、この発明においては、ロービーム用光源10Lおよびロービーム用レンズ1Lと、ハイビーム用光源10Hおよび実施形態1のハイビーム用光学部材(ハイビーム用レンズ13Hおよびハイビーム用リフレクタ14H)、実施形態2のハイビーム用レンズ1AHとを、水平方向において、左右にあるいは左右斜めに配置しても良いし、または、垂直方向において、上下にあるいは上下斜めに配置しても良い。
【0135】
さらにまた、前記の実施形態1、2においては、ロービーム用光源10Lとハイビーム用光源10Hとを、同一の取付部材としての同一の基板12の同一の面である下面に前後に取り付けたものである。しかしながら、この発明においては、ロービーム用光源10Lとハイビーム用光源10Hとを、別個の取付部材、すなわち、別個の基板に取り付けても良いし、また、別個の面に取り付けても良い。この場合において、ヒートシンクは、同一のヒートシンクであっても、別個のヒートシンクであっても良い。
【0136】
なお、この発明は、前記の実施形態1により限定されるものではない。
【符号の説明】
【0137】
1U 車両用灯具ユニット
1L ロービーム用レンズ(ロービーム用光学部材、第1光学部材)
10L ロービーム用光源(第1光源)
11L 発光面
12 基板
2L ロービーム用入射部(第1入射部)
20L 反射面
21L 第1の入射面
22L 第2の入射面
3L ロービーム用反射面(第1反射面)
4L カットオフライン形成部
5L 第1出射面
6L 延長入射面
7L 水平面
1H ハイビーム用光学部材(第2光学部材)
10H ハイビーム用光源(第2光源)
11H 発光面
13H ハイビーム用レンズ
14H ハイビーム用リフレクタ
15H 第2出射面
2H ハイビーム用入射部(第2入射部)
20H 反射面
21H 第1の入射面
22H 第2の入射面
3H ハイビーム用反射面(第2反射面)
3HU 上側のハイビーム用反射領域
3HD 下側のハイビーム用反射領域
100 車両用灯具装置
101 ランプハウジング
102 ランプレンズ
103 灯室
1AU 車両用灯具ユニット
1AH ハイビーム用レンズ(ハイビーム用光学部材、第2光学部材)
15AH 第2出射面
2AH ハイビーム用入射部(第2入射部)
3AH ハイビーム用反射面(第2反射面)
3AHU 上側のハイビーム用反射領域
3AHD 下側のハイビーム用反射領域
100A 車両用灯具装置
L1 光(ロービーム用光源10Lからの光)
L11 第1の入射光(第1入射光)
L12 第2の入射光
L13 反射光(第1入射光)
L14 第1反射光
L15 第1出射光
L2 光(ハイビーム用光源10Hからの光)
L21 第1の入射光(第2入射光)
L22 第2の入射光
L23 反射光(第2入射光)
L24D、L24U 第2反射光
L25D、L25U 第2出射光
L26D、L26U 追加入射光
LF 出射面焦点
F 前
B 後
U 上
D 下
LP ロービーム配光パターン(第1配光パターン)
CLD 下側水平カットオフライン
CLS 斜めカットオフライン
CLU 上側水平カットオフライン
HP ハイビーム配光パターン(第2配光パターン)
HL-HR スクリーンの左右水平線
VU-VD スクリーンの上下垂直線
S 空間