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特開2022-189645画像投影装置、プログラム及び画像投影方法
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  • 特開-画像投影装置、プログラム及び画像投影方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022189645
(43)【公開日】2022-12-22
(54)【発明の名称】画像投影装置、プログラム及び画像投影方法
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/00 20060101AFI20221215BHJP
   G09B 9/042 20060101ALI20221215BHJP
   G09B 9/05 20060101ALI20221215BHJP
   G09B 19/00 20060101ALI20221215BHJP
【FI】
G08G1/00 D
G09B9/042
G09B9/05 E
G09B19/00 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021098339
(22)【出願日】2021-06-11
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100187078
【弁理士】
【氏名又は名称】甲原 秀俊
(74)【代理人】
【識別番号】100192924
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 裕充
(72)【発明者】
【氏名】中嶋 豊和
(72)【発明者】
【氏名】釜賀 隆市
(72)【発明者】
【氏名】三浦 光博
(72)【発明者】
【氏名】馬場 康寛
(72)【発明者】
【氏名】眞屋 朋和
(72)【発明者】
【氏名】小林 亮介
(72)【発明者】
【氏名】久野 玄史
【テーマコード(参考)】
5H181
【Fターム(参考)】
5H181AA01
5H181BB04
5H181BB05
5H181BB13
5H181FF04
5H181FF05
5H181FF10
5H181FF33
(57)【要約】      (修正有)
【課題】車両の運転者が特定のユーザによる運転を現実的且つ視覚的に体験することを可能にする。
【解決手段】車両2に搭載され、又は、車両2の運転者によって装着される画像投影装置1であって、制御部と投影部とを含み、制御部は、特定のユーザを指定する選択を受け付けることと、現在位置を検出することと、特定のユーザが過去に現在位置と同一又は近傍の位置で特定のユーザの車両を運転したときに撮像された、特定のユーザの姿の少なくとも一部の画像を取得することと、投影部を介して画像を車両2の運転席に投影することと、を実行する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載され、又は、前記車両の運転者によって装着される画像投影装置であって、制御部と投影部とを含み、前記制御部は、
特定のユーザを指定する選択を受け付けることと、
現在位置を検出することと、
前記特定のユーザが過去に前記現在位置と同一又は近傍の位置で前記特定のユーザの車両を運転したときに撮像された、前記特定のユーザの姿の少なくとも一部の画像を取得することと、
前記投影部を介して前記画像を前記車両の運転席に投影することと、
を実行する、画像投影装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像投影装置において、
前記制御部は、前記特定のユーザが過去に前記現在位置と同一又は近傍の位置で前記特定のユーザの車両を運転したときの、前記特定のユーザの車両の動作を示す情報を取得することと、
前記動作を示す情報に応じて動作する車両の画像を、前記運転者の前記車両の近傍に投影することと、
を実行する、画像投影装置。
【請求項3】
請求項1に記載の画像投影装置において、
前記制御部は、前記特定のユーザが過去に前記現在位置と同一又は近傍の位置で前記特定のユーザの車両を運転したときの、前記特定のユーザの車両の動作を示す情報を取得することと、
前記動作を示す情報に応じて動作する車両の画像を、前記運転者の前記車両に少なくとも部分的に重畳させることと、
を実行する、画像投影装置。
【請求項4】
請求項1に記載の画像投影装置において、
前記制御部は、前記特定のユーザが過去に前記現在位置と同一又は近傍の位置で前記特定のユーザの車両を運転したときの、前記特定のユーザの車両の動作を示す情報を取得することと、
前記運転者の前記車両の動作を、前記特定のユーザの車両の動作と連動させることと、
を実行する、画像投影装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の画像投影装置において、
前記制御部は、前記特定のユーザの姿の少なくとも一部の画像を、前記運転者に少なくとも部分的に重畳させる、画像投影装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか一項に記載の画像投影装置において、
前記特定のユーザは、前記運転者の近親者を含む、画像投影装置。
【請求項7】
請求項2乃至4のいずれか一項に記載の画像投影装置において、
前記制御部は、前記特定のユーザの車両の動作が安全運転であると認定されていることと、前記特定のユーザの車両の動作と前記運転者の前記車両の動作との一致率が基準値を超えることとを判定すると、判定結果を前記運転者に通知する、画像投影装置。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか一項に記載の画像投影装置が搭載された車両。
【請求項9】
車両に搭載され、又は、前記車両の運転者によって装着される画像投影装置としてのコンピュータに、
特定のユーザを指定する選択を受け付けることと、
現在位置を検出することと、
前記特定のユーザが過去に前記現在位置と同一又は近傍の位置で前記特定のユーザの車両を運転したときに撮像された、前記特定のユーザの姿の少なくとも一部の画像を取得することと、
前記画像を前記車両の運転席に投影することと、
を実行させる、プログラム。
【請求項10】
請求項9に記載のプログラムにおいて、
前記特定のユーザが過去に前記現在位置と同一又は近傍の位置で前記特定のユーザの車両を運転したときの、前記特定のユーザの車両の動作を示す情報を取得することと、
前記動作を示す情報に応じて動作する車両の画像を、前記運転者の前記車両の近傍に投影することと、
を前記コンピュータに実行させるプログラム。
【請求項11】
請求項9に記載のプログラムにおいて、
前記特定のユーザが過去に前記現在位置と同一又は近傍の位置で前記特定のユーザの車両を運転したときの、前記特定のユーザの車両の動作を示す情報を取得することと、
前記動作を示す情報に応じて動作する車両の画像を、前記運転者の前記車両に少なくとも部分的に重畳させることと、
を前記コンピュータに実行させるプログラム。
【請求項12】
請求項9に記載のプログラムにおいて、
前記特定のユーザが過去に前記現在位置と同一又は近傍の位置で前記特定のユーザの車両を運転したときの、前記特定のユーザの車両の動作を示す情報を取得することと、
前記運転者の前記車両の動作を、前記特定のユーザの車両の動作と連動させることと、
を前記コンピュータに実行させるプログラム。
【請求項13】
請求項9乃至12のいずれか一項に記載のプログラムにおいて、
前記特定のユーザの姿の少なくとも一部の画像を、前記運転者に少なくとも部分的に重畳させることを前記コンピュータに実行させる、プログラム。
【請求項14】
請求項9乃至13のいずれか一項に記載のプログラムにおいて、
前記特定のユーザは、前記運転者の近親者を含む、プログラム。
【請求項15】
車両に搭載され、又は、前記車両の運転者によって装着される画像投影装置による画像投影方法であって、
特定のユーザを指定する選択を受け付けることと、
現在位置を検出することと、
前記特定のユーザが過去に前記現在位置と同一又は近傍の位置で前記特定のユーザの車両を運転したときに撮像された、前記特定のユーザの姿の少なくとも一部の画像を取得することと、
前記画像を前記車両の運転席に投影することと、
を含む画像投影方法。
【請求項16】
請求項15に記載の画像投影方法において、
前記特定のユーザが過去に前記現在位置と同一又は近傍の位置で前記特定のユーザの車両を運転したときの、前記特定のユーザの車両の動作を示す情報を取得することと、
前記動作を示す情報に応じて動作する車両の画像を、前記運転者の前記車両の近傍に投影することと、
を含む画像投影方法。
【請求項17】
請求項15に記載の画像投影方法において、
前記特定のユーザが過去に前記現在位置と同一又は近傍の位置で前記特定のユーザの車両を運転したときの、前記特定のユーザの車両の動作を示す情報を取得することと、
前記動作を示す情報に応じて動作する車両の画像を、前記運転者の前記車両に少なくとも部分的に重畳させることと、
を含む画像投影方法。
【請求項18】
請求項15に記載の画像投影方法において、
前記特定のユーザが過去に前記現在位置と同一又は近傍の位置で前記特定のユーザの車両を運転したときの、前記特定のユーザの車両の動作を示す情報を取得することと、
前記運転者の前記車両の動作を、前記特定のユーザの車両の動作と連動させることと、
を含む画像投影方法。
【請求項19】
請求項15乃至18のいずれか一項に記載の画像投影方法において、
前記特定のユーザの姿の少なくとも一部の画像を、前記運転者に少なくとも部分的に重畳させることを含む画像投影方法。
【請求項20】
請求項15乃至19のいずれか一項に記載の画像投影方法において、
前記特定のユーザは、前記運転者の近親者を含む、画像投影方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、画像投影装置、プログラム及び画像投影方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動運転車両の搭乗者が装着するヘッドマウントディスプレイに、運転以外のことを楽しませるための仮想空間を表示する技術が知られている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-146963号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来技術では、搭乗者はゲーム及び読書を楽しむことができる。しかし、搭乗者が体験する内容には改善の余地がある。
【0005】
かかる事情に鑑みてなされた本開示の目的は、車両の運転者が特定のユーザによる運転を現実的且つ視覚的に体験することを可能にする画像投影装置、プログラム及び画像投影方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一実施形態に係る画像投影装置は、
車両に搭載され、又は、前記車両の運転者によって装着される画像投影装置であって、制御部と投影部とを含み、前記制御部は、
特定のユーザを指定する選択を受け付けることと、
現在位置を検出することと、
前記特定のユーザが過去に前記現在位置と同一又は近傍の位置で前記特定のユーザの車両を運転したときに撮像された、前記特定のユーザの姿の少なくとも一部の画像を取得することと、
前記投影部を介して前記画像を前記車両の運転席に投影することと、
を実行する。
【0007】
本開示の一実施形態に係るプログラムは、
車両に搭載され、又は、前記車両の運転者によって装着される画像投影装置としてのコンピュータに、
特定のユーザを指定する選択を受け付けることと、
現在位置を検出することと、
前記特定のユーザが過去に前記現在位置と同一又は近傍の位置で前記特定のユーザの車両を運転したときに撮像された、前記特定のユーザの姿の少なくとも一部の画像を取得することと、
前記画像を前記車両の運転席に投影することと、
を実行させる。
【0008】
本開示の一実施形態に係る画像投影方法は、
車両に搭載され、又は、前記車両の運転者によって装着される画像投影装置による画像投影方法であって、
特定のユーザを指定する選択を受け付けることと、
現在位置を検出することと、
前記特定のユーザが過去に前記現在位置と同一又は近傍の位置で前記特定のユーザの車両を運転したときに撮像された、前記特定のユーザの姿の少なくとも一部の画像を取得することと、
前記画像を前記車両の運転席に投影することと、
を含む。
【発明の効果】
【0009】
本開示の一実施形態による画像投影装置、プログラム及び画像投影方法によれば、車両の運転者が、特定のユーザによる運転を現実的且つ視覚的に体験することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本実施形態の画像投影装置及び車両の概略図である。
図2】画像投影装置の構成を示すブロック図である。
図3】車両の構成を示すブロック図である。
図4】近親者DB(database)のデータ構造を示す図である。
図5】画像投影装置に表示される表示画面を示す図である。
図6】投影された画像を示す図である。
図7】画像投影装置の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は、本実施形態の画像投影装置1及び車両2の概略図である。画像投影装置1は車両2に搭載される。画像投影装置1は、例えば移動体通信網又はインターネットを介して、車両2と通信可能である。車両2はユーザU01によって運転される。
【0012】
画像投影装置1は、車両2の内部又は外部の任意の位置に搭載される装置である。図1では画像投影装置1は車両2の内部のフロントウィンドウに取り付けられるが、別の位置に取り付けられてよい。画像投影装置1は画像を実空間に投影する。画像は静止画及び動画の少なくとも一方を含む。
【0013】
代替例として画像投影装置1は、車両2に搭載されるHUD(Head-Up Display:ヘッドアップディスプレイ)であってよい。別の代替例として画像投影装置1は、ユーザU01によって装着及び操作されるAR(Augmented Reality)グラスであってよい。画像投影装置1は、虚像等の画像を実空間に投影する。
【0014】
別の代替例として画像投影装置1は、ユーザU01によって装着及び操作されるヘッドマウントディスプレイであってよい。この場合、画像投影装置1は、仮想空間を設定して、仮想空間に画像を投影する。
【0015】
車両2は、例えば、ガソリン車、ディーゼル車、HV、PHV、EV、又はFCVなどの任意の種類の自動車を含む。「HV」は、Hybrid Vehicleの略語である。「PHV」は、Plug-in Hybrid Vehicleの略語である。「EV」は、Electric Vehicleの略語である。「FCV」は、Fuel Cell Vehicleの略語である。車両2は、本実施形態では運転者であるユーザU01によって運転される。代替例として車両2は、任意のレベルでその運転が自動化されてよい。自動化のレベルは、例えば、SAEのレベル分けにおけるレベル1からレベル5のいずれかである。「SAE」は、Society of Automotive Engineersの略語である。車両2は、MaaS専用車両でもよい。「MaaS」は、Mobility as a Serviceの略語である。
【0016】
本実施形態の画像投影装置1が実行する処理の概要が説明される。画像投影装置1は車両2に搭載され、又は、車両2の運転者によって装着される。画像投影装置1の制御部11は、特定のユーザを指定する選択を受け付けることと、現在位置を検出することと、特定のユーザが過去に現在位置と同一又は近傍の位置で特定のユーザの車両を運転したときに撮像された、特定のユーザの姿の少なくとも一部の画像を取得することと、画像を車両2の運転席に投影することと、を実行する。この構成により車両2の運転者は、特定のユーザが運転する姿の画像を間近で視認することができる。もって画像投影装置1は、運転者が、特定のユーザによる運転を現実的且つ視覚的に体験することを可能にする。
【0017】
図2を参照して画像投影装置1の内部構成が詳細に説明される。
【0018】
画像投影装置1は、制御部11と通信部12と記憶部13とセンサ14と投影部15と表示部16とを含む。画像投影装置1の各構成要素は、例えば専用線を介して互いに通信可能に接続される。
【0019】
制御部11は例えば、CPU(Central Processing Unit)又はMPU(Micro Processing Unit)を含む1つ以上の汎用プロセッサを含む。制御部11は、特定の処理に特化した1つ以上の専用プロセッサを含んでよい。制御部11は、プロセッサを含む代わりに、1つ以上の専用回路を含んでもよい。専用回路は例えば、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又はASIC(Application Specific Integrated Circuit)であってよい。制御部11は、ECU(Electronic Control Unit)を含んでもよい。制御部11は通信部12を介して、任意の情報を送信及び受信する。
【0020】
通信部12は、ネットワークに接続するための、1つ以上の有線又は無線LAN(Local Area Network)規格に対応する通信モジュールを含む。通信部12は、LTE(Long Term Evolution)、4G(4th Generation)、又は5G(5th Generation)を含む1つ以上の移動体通信規格に対応するモジュールを含んでよい。通信部12は、Bluetooth(登録商標)、AirDrop(登録商標)、IrDA、ZigBee(登録商標)、Felica(登録商標)、又はRFIDを含む1つ以上の近距離通信の規格又は仕様に対応する通信モジュール等を含んでよい。通信部12は、ネットワークを介して任意の情報を送信及び受信する。
【0021】
記憶部13は、例えば半導体メモリ、磁気メモリ、光メモリ、又はこれらのうち少なくとも2種類の組み合わせが含まれるが、これらに限られない。半導体メモリは、例えば、RAM又はROMである。RAMは、例えば、SRAM又はDRAMである。ROMは、例えば、EEPROMである。記憶部13は、例えば主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能してもよい。記憶部13は、制御部11によって分析又は処理された結果の情報を記憶してよい。記憶部13は、画像投影装置1の動作又は制御に関する各種情報等を記憶してよい。記憶部13は、システムプログラム、アプリケーションプログラム、及び組み込みソフトウェア等を記憶してよい。記憶部13は画像投影装置1の外部に設けられて、画像投影装置1からアクセスされてよい。記憶部13は、後述する近親者DBを含む。
【0022】
センサ14は、位置情報センサを含んでよい。位置情報センサは、少なくとも1つのGNSS受信機を含む。「GNSS」は、Global Navigation Satellite Systemの略語である。GNSSには、例えば、GPS、QZSS、BeiDou、GLONASS、及びGalileoの少なくともいずれかが含まれる。「GPS」は、Global Positioning Systemの略語である。「QZSS」は、Quasi-Zenith Satellite Systemの略語である。QZSSの衛星は、準天頂衛星と呼ばれる。「GLONASS」は、Global Navigation Satellite Systemの略語である。センサ14は、画像投影装置1の位置を測定する。センサ14による測定の結果は、制御部11によって画像投影装置1の位置情報として取得される。「位置情報」とは、車両2の位置を特定可能な情報であり、例えば座標を含む。画像投影装置1の位置は車両2の位置と実質的に一致する。
【0023】
センサ14は更に、画像センサを含んでよい。画像センサはカメラを含む。
【0024】
センサ14は更に、車両2の運転内容を検知するセンサ類、又はセンサ類とのインタフェースを含む。センサ類には、例えば、車両2の速度、前後方向加速度、左右方向加速度、減速度、アクセル操作量、ブレーキ操作量、ステアリング操舵角、エコモード選択状態、オドメータ値、エンジンの諸元等を検知するセンサ類が含まれる。運転内容は、加速の仕方、減速の仕方、ステアリングの操舵の仕方、エンジンブレーキの使い方、エコモード選択、ライン取り等の運転操作を示すことができる。
【0025】
表示部16は、LCD又は有機ELディスプレイであってよい。「LCD」は、liquid crystal displayの略語である。「EL」は、electro luminescenceの略語である。表示部16は車両2の運転者によって視認される。
【0026】
表示部16は、画像投影装置1に備えられる代わりに、外部の出力機器として車両2に接続されてもよい。接続方式としては、例えば、USB、HDMI(登録商標)、又はBluetooth(登録商標)等の任意の方式を用いることができる。
【0027】
画像投影装置1がHUDである実施形態においては、表示部16はコンバイナであってよい。
【0028】
図3を参照して車両2の内部構成が詳細に説明される。
【0029】
車両2は、制御部21と通信部22と記憶部23とを含む。車両2の各構成要素は、例えば専用線を介して互いに通信可能に接続される。
【0030】
制御部21と通信部22と記憶部23とのハードウェア構成は画像投影装置1の制御部11と通信部12と記憶部13とのハードウェア構成と同一であってよい。ここでの説明は省略される。
【0031】
以下、本実施形態の画像投影装置1で実行される処理が詳細に説明される。ここでは一例として、ユーザU01が車両2を運転しながら、他人の運転を体験する場面が説明される。ここでの他人とは、一例として、ユーザU01の亡くなった近親者である。
【0032】
ユーザU01は、画像投影装置1を操作して、特定のユーザによる運転を体験することを要求する。画像投影装置1は、要求を受け付けると、記憶部13を参照する。
【0033】
図4に示されるように、記憶部13の近親者DBは、近親者IDに関連付けて、近親者が任意の車両を運転したときの走行経路(「走行経路」に対応)と、近親者が走行経路を走行したときの近親者の姿の画像(「運転時の姿の画像」に対応)と、近親者が走行経路を走行したときの車両の動作(「車両の動作」に対応)と、近親者が安全運転を行ったか否かを示す情報(「安全運転?」に対応)とを記憶する。近親者DBに記憶される情報は、近親者の生存時に任意の装置によって収集される。近親者DBには、ユーザU01の近親者として近親者N01及び近親者N02が記憶される。
【0034】
図5に示されるように、制御部11は、近親者N01及び近親者N02のどちらの画像を投影するかの選択を求める画面を表示部16に表示する。以下では説明の便宜のため、ユーザU01によって近親者N01が選択された場合が説明される。制御部11は、ユーザU01から、近親者N01を指定する選択を受け付ける。
【0035】
制御部11は、センサ14から現在位置を示す情報を取得して、現在位置を検出する。現在位置は、画像投影装置1又は車両2の位置である。制御部11は、取得された現在位置を示す情報から、車両2の走行経路を判定する。制御部11は、近親者DBを参照して、車両2の走行経路を含む走行経路を近親者N01が走行したか否かを判定する。ここでは、走行経路R01が、車両2の現在の走行経路を含む場合が説明される。
【0036】
制御部11は、近親者N01が現在位置と同一又は近傍の位置で近親者N01の車両を運転したときに撮像された、近親者N01の姿の少なくとも一部の画像V01を近親者DBから取得する。近傍とは、2点が所定距離内にあることを示してよい。近親者N01の車両は、車両2であっても他の車両であってもよい。近親者N01の画像V01は、近親者N01の姿全体の画像であってよいし、近親者N01の姿の一部の画像であってよい。
【0037】
図6に示されるように、ユーザU01は、車両2の運転席DSでハンドルSWを操作して車両2を運転する。制御部11は投影部15を介して運転席DSに近親者N01の画像V01を投影する。画像V01は、ユーザU01の近傍に投影されてよいし、ユーザU01に少なくとも部分的に重畳(オーバーラップ)する位置に投影されてもよい。画像V01はハンドルの画像を含んでよい。ユーザU01は近親者N01の画像V01を間近で視認することができる。
【0038】
制御部11は更に、図4に示される近親者DBを参照して、近親者N01が過去に現在位置と同一又は近傍の位置で近親者N01の車両を運転したときの、近親者N01の車両の動作M01を示す情報を取得する。図6に示されるように、画像投影装置1の制御部11は、動作M01に応じて動作する車両3の画像を、車両2の近傍に投影する。図6に示されるように、車両3の画像は車両2の前方に投影される。代替例として車両3の画像は、車両2の側方又は後方等の任意の位置に投影されてよい。車両3の画像は、車両2と少なくとも部分的に重畳する位置に投影されてよい。
【0039】
別の代替例として、制御部11は、近親者N01の車両の動作M01を、ユーザU01の車両2の動作と連動させてよい。このとき車両2は、自動運転モードのもと、近親者N01の車両と実質的に同一の動作を行う。
【0040】
制御部11は、近親者DBを参照して、近親者N01の車両の動作M01が安全運転であると認定されているか否かを判定する。図4に示されるように、近親者N01の車両の動作M01は、安全運転であると認定されている。制御部11は、近親者N01の車両の動作M01と、ユーザU01の車両2の動作との一致率(すなわちシンクロ率)を算出する。
【0041】
制御部11は、近親者N01の車両の動作M01が安全運転であると認定されていることと、近親者N01の車両の動作M01とユーザU01の車両2の動作との一致率が基準値を超えることとを判定すると、判定結果を、運転者であるユーザU01に通知する。通知は、画像投影装置1又は車両2によって音声又は画面表示によってなされてよい。
【0042】
図7を参照して、本実施形態の画像投影装置1による画像投影方法が説明される。
【0043】
ステップS1にて画像投影装置1の制御部11は、ユーザU01から、特定のユーザを指定する選択を受け付ける。
【0044】
ステップS2にて制御部11は、センサ14を用いて、画像投影装置1又は車両2の現在位置を検出する。
【0045】
ステップS3にて制御部11は、特定のユーザ(例えば近親者N01)が過去に現在位置と同一又は近傍の位置で特定のユーザの車両を運転したときに撮像された、特定のユーザの姿の少なくとも一部の画像を記憶部13から取得する。
【0046】
ステップS4にて制御部11は、取得された画像を車両2の運転席に投影する。取得された画像は、車両2のユーザU01に少なくとも部分的に重畳する位置に投影されてよい。制御部11は更に、特定のユーザが過去に現在位置と同一又は近傍の位置で特定のユーザの車両を運転したときの、特定のユーザの車両の動作を示す情報を取得してよい。制御部11は、取得された画像を、車両2の近傍に、又は、車両2に少なくとも部分的に重畳する位置に、投影してよい。
【0047】
ステップS5にて制御部11は、特定のユーザの車両の動作が安全運転であると認定されている場合、特定のユーザの車両の動作とユーザU01の車両2の動作との一致率が基準値を超えるか否かを判定する。
【0048】
ステップS5にてYesのとき制御部11は、ステップS6にて判定結果をユーザU01に通知する。
【0049】
ステップS5にてNoのとき制御部11は、フローを終了する。
【0050】
以上述べたように本実施形態によれば、制御部11は、特定のユーザを指定する選択を受け付けることと、現在位置を検出することと、特定のユーザが過去に現在位置と同一又は近傍の位置で特定のユーザの車両を運転したときに撮像された、特定のユーザの姿の少なくとも一部の画像を取得することと、画像を車両2の運転席に投影することと、を実行する。この構成により車両2の運転者は、特定のユーザが運転する姿の画像を間近で視認することができる。もって画像投影装置1は、運転者が、特定のユーザによる運転を現実的且つ視覚的に体験することを可能にする。
【0051】
また本実施形態によれば、制御部11は、特定のユーザが過去に現在位置と同一又は近傍の位置で特定のユーザの車両を運転したときの、特定のユーザの車両の動作を示す情報を取得することと、動作を示す情報に応じて動作する車両の画像を、運転者の車両2の近傍に投影することと、を実行する。代替例として制御部11は、動作を示す情報に応じて動作する車両の画像を、運転者の車両2に少なくとも部分的に重畳させてよい。制御部11は、特定のユーザの姿の少なくとも一部の画像を、運転者に少なくとも部分的に重畳させてよい。この構成により画像投影装置1は、運転者が、特定のユーザによる運転を一層現実的且つ視認的に体験することを可能にする。
【0052】
また本実施形態によれば、特定のユーザは、運転者の近親者を含む。この構成により画像投影装置1は、運転者が、身近な存在である近親者の運転を体験することを可能にする。
【0053】
また本実施形態によれば、制御部11は、特定のユーザの車両の動作が安全運転であると認定されていることと、特定のユーザの車両の動作と運転者の車両2の動作との一致率が基準値を超えることとを判定すると、判定結果を運転者に通知する。この構成により制御部11は、運転者に、安全運転を行う動機を与えることができ、もって道路交通を安全にすることができる。
【0054】
本開示が諸図面及び実施例に基づき説明されるが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形及び改変を行ってもよいことに注意されたい。その他、本開示の趣旨を逸脱しない範囲での変更が可能である。例えば、各手段又は各ステップに含まれる機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の手段又はステップを1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。
【0055】
例えば、上記の実施形態において、画像投影装置1の機能又は処理の全部又は一部を実行するプログラムは、コンピュータで読取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。コンピュータで読取り可能な記録媒体は、非一時的なコンピュータ読取可能な媒体を含み、例えば、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、又は半導体メモリである。プログラムの流通は、例えば、プログラムを記録したDVD(Digital Versatile Disc)又はCD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)などの可搬型記録媒体を販売、譲渡、又は貸与することによって行う。またプログラムの流通は、プログラムを任意のサーバのストレージに格納しておき、任意のサーバから他のコンピュータにプログラムを送信することにより行ってもよい。またプログラムはプログラムプロダクトとして提供されてもよい。本開示は、プロセッサが実行可能なプログラムとしても実現可能である。
【0056】
コンピュータは、例えば、可搬型記録媒体に記録されたプログラム又はサーバから転送されたプログラムを、一旦、主記憶装置に格納する。そして、コンピュータは、主記憶装置に格納されたプログラムをプロセッサで読み取り、読み取ったプログラムに従った処理をプロセッサで実行する。コンピュータは、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、プログラムに従った処理を実行してもよい。コンピュータは、コンピュータにサーバからプログラムが転送される度に、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行してもよい。サーバからコンピュータへのプログラムの転送は行わず、実行指示及び結果取得のみによって機能を実現する、いわゆるASP型のサービスによって処理を実行してもよい。「ASP」は、application service providerの略語である。プログラムには、電子計算機による処理の用に供する情報であってプログラムに準ずるものが含まれる。例えば、コンピュータに対する直接の指令ではないがコンピュータの処理を規定する性質を有するデータは、「プログラムに準ずるもの」に該当する。
【符号の説明】
【0057】
1 画像投影装置
11 制御部
12 通信部
13 記憶部
14 センサ
15 投影部
16 表示部
2 車両
21 制御部
22 通信部
23 記憶部
図1
図2
図3
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図5
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図7