IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社石井鐵工所の特許一覧

<>
  • 特開-ドローン用プロペラのブレード 図1
  • 特開-ドローン用プロペラのブレード 図2
  • 特開-ドローン用プロペラのブレード 図3
  • 特開-ドローン用プロペラのブレード 図4
  • 特開-ドローン用プロペラのブレード 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022189652
(43)【公開日】2022-12-22
(54)【発明の名称】ドローン用プロペラのブレード
(51)【国際特許分類】
   B64C 11/20 20060101AFI20221215BHJP
   B64D 27/24 20060101ALI20221215BHJP
   B64C 27/08 20060101ALI20221215BHJP
   B64C 1/00 20060101ALI20221215BHJP
【FI】
B64C11/20
B64D27/24
B64C27/08
B64C1/00 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021098359
(22)【出願日】2021-06-11
(71)【出願人】
【識別番号】000147729
【氏名又は名称】株式会社石井鐵工所
(72)【発明者】
【氏名】石井 宏治
(57)【要約】
【課題】 人身傷害や対物損傷を抑制できるドローンのプロペラを提供する。
【解決手段】 電動モータ5の回転動力を受けて回転する回転軸9に固定されるドローン1用プロペラ2のブレード7であって、該ブレード7の翼面の広がり方向にわたって連続的又は段階的に変化する衝撃吸収性能を有し、前記ブレード7は、前記回転軸9に固定されているハブ部13からの距離が遠い先端部14に向かって、衝撃吸収性能が連続的又は段階的に大きくなる。
【選択図】 図2




【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動モータの回転動力を受けて回転する回転軸に固定されるドローン用プロペラのブレードであって、該ブレードの翼面の広がり方向にわたって連続的又は段階的に変化する衝撃吸収性能を有するブレード。
【請求項2】
前記回転軸に固定されているハブ部からの距離が遠い先端部に向かって、衝撃吸収性能が連続的又は段階的に大きくなる請求項1記載のブレード。
【請求項3】
前記プロペラの回転方向の後方に位置する後縁部から前記回転方向の前方に位置する前縁部に向かって、衝撃吸収性能が連続的又は段階的に大きくなる請求項1又は2に記載のブレード。
【請求項4】
素材の組成又は組織を連続的又は段階的に変化させ、素材の物性に応じて衝撃吸収性能を連続的又は段階的に制御した傾斜機能材料で形成している請求項1ないし3のいずれかに記載のブレード。
【請求項5】
造形構造を連続的又は段階的に変化させ、構造的特性に応じて衝撃吸収性能を変化させた傾斜機能構造で形成している請求項1ないし3のいずれかに記載のブレード。
【請求項6】
発泡する材料で造形し、気泡又はセルの分布密度及び又は径を連続的又は段階的に変化させ、前記分布密度及び又は径に応じて衝撃吸収性能を制御して形成している請求項5に記載のブレード。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、無人回転翼飛行体(以下、ドローンと称する。)の揚力や推進力を生み出すプロペラのブレードに関する。
【背景技術】
【0002】
複数の電動式のプロペラを有する遠隔操縦のドローンは、飛行の安定性や操縦の容易さから、撮影機材等を搭載することにより、ホビー目的をはじめ、設備の点検や監視、物資の輸送など様々な産業の分野で広く利用されるようになった。
【0003】
しかし、ドローンの操縦を誤って、人や設備等に衝突させた場合、高速で回転する薄型のプロペラのブレードにより手指を切るといった人身傷害や公共建築物や産業用設備を損傷させるといった物損事故も発生している。
【0004】
このようなドローンのプロペラによる人身傷害や物損事故を抑制する従来技術(特許文献1)が開示されている。
【0005】
特許文献1「回転羽根及びその製造方法」には、駆動源の出力を受けて回転する回転軸に固定されるハブ部と、前記ハブ部から前記回転軸に固定されたブレード部とを備えた回転羽根において、前記回転羽根のブレード部をゴム等の可撓性を有する材料により構成するようにし、接触を受けた人の怪我や構造物の損傷が抑えられる安全性に優れた回転羽根及びその製造方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2019-104369号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
高速で回転するドローンのプロペラが衝突することによる人身傷害や物損事故を防止するために、プロペラ周囲を囲う円環状のプロペラガードや機体全体を網目状のワイヤで覆う機体ガードが用いられている。しかし、プロペラガードや機体ガードの装着は、機体の重量増加や飛行時の空気抵抗の増大を伴うことから、飛行可能時間が短くなったり、風の影響を受けやすくなる等、飛行性能に大きく影響することがある。
【0008】
プロペラ衝突時の安全を考慮する従来技術として、プロペラ全体を可撓性を有する材料で形成する無人飛行機の回転羽根及びその製造方法(特許文献1)があるが、可撓性の大きい材料、すなわち剛性の小さい材料でプロペラのブレード部を形成する場合、ブレード長手方向の撓みが大きくなることにより、高速回転するブレードが生み出す揚力の損失現象が生じ、飛行性能の低下を招く恐れがある。また、人身傷害や対物損傷は、プロペラのブレードの前縁部から先端部にかけての部分が衝突するケースが大部分であると考えられることから、ブレード全体を可撓性が大きい材料で構成する必要はない。
【0009】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、人身傷害や対物損傷を抑制できるドローン用プロペラのブレードを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、電動モータの回転動力を受けて回転する回転軸に固定されるドローン用プロペラのブレードであって、該ブレードの翼面の広がり方向にわたって連続的又は段階的に変化する衝撃吸収性能を有するブレードを提供する。
【0011】
また、本発明は、前記回転軸に固定されているハブ部からの距離が遠い先端部に向かって、衝撃吸収性能が連続的又は段階的に大きくなる前記のブレードを提供する。
【0012】
本発明はさらに、前記プロペラの回転方向の後方に位置する後縁部から前記回転方向の前方に位置する前縁部に向かって、衝撃吸収性能が連続的又は段階的に大きくなる前記のブレードを提供する。
【0013】
本発明はさらに、素材の組成又は組織を連続的又は段階的に変化させ、素材の物性に応じて衝撃吸収性能を連続的又は段階的に制御した傾斜機能材料で形成している前記のブレードを提供する。
【0014】
本発明はさらに、造形構造を連続的又は段階的に変化させ、構造的特性に応じて衝撃吸収性能を変化させた傾斜機能構造で形成している前記のブレードを提供する。
【0015】
本発明はさらに、発泡する材料で造形し、気泡又はセルの分布密度及び又は径を連続的又は段階的に変化させ、前記分布密度及び又は径に応じて衝撃吸収性能を制御して形成している前記のブレードを提供する。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、高速で回転するプロペラのブレードに接触した人の怪我や構造物の損傷が抑えられ、揚力を得るための剛性も確保できるドローン用プロペラのブレードを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明に係るブレード7が適用されたドローン1の実施形態を示す平面図である。
図2】本発明に係るブレード7のハブ部13から先端部14に至る長手方向の衝撃吸収性能が連続的に変化する場合の硬さの2次元的分布の事例を示すブレード7の平面図と硬さ分布の模式図である。
図3】本発明に係るブレード7の後縁部16から前縁部15に至る幅方向の衝撃吸収性能が連続的に変化する場合の硬さの2次元的分布の事例を示すブレード7の平面図と硬さ分布の模式図である。
図4】本発明に係るブレード7のハブ部13から先端部14に至る長手方向及び後縁部16から前縁部15に至る幅方向の衝撃吸収性能が段階的に変化する場合の硬さの2次元的分布の事例を示すブレード7の平面図と硬さ分布の模式図である。
図5図4のI-I線による断面図で、ブレード7の長手方向に直交する断面の気泡の密度及び径が後縁部16から前縁部15に向かって段階的に変化する場合の硬さの2次元的分布の事例を示すブレード7の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明に係るドローン用プロペラのブレードの実施形態例について図1から図5を参照しながら説明する。本発明は下記の実施形態にのみ限定されるものではない。本発明の要旨を逸脱しない範囲で下記の構成要素の省略または付加、構成要素の形状等の実施形態の変更を加えることが出来るのはもちろんである。なお、図は概略を示すもので、一部のみを描き詳細構造は省略した。
【0019】
図1は、本発明に係るブレード7が適用されたドローン1の実施形態を示す平面図である。ドローン1は、バッテリー4や送受信機を含む制御部と、カメラ等を搭載した機体中央部から半径方向外方側に向けて放射状に配置する複数の接続アーム11と、接続アーム11の先端部に設けた電動モータ5を含む駆動部とで構成されている。
【0020】
図1は4式のプロペラ2を備えたドローン1の事例を示しており、プロペラ2は、電動モータ5の出力を受けて回転する回転軸9に直交して装着されるハブ部13から先端部14に向かって略細長形状に延びる2片乃至4片のブレード7,7を有している。
なお、ハブ部12とブレード7は、互いに別体に構成されて、回転時に互いに分離しないように固定されても良い。
【0021】
本発明は、高速で回転するプロペラ2のブレード7による人身傷害や物損事故がブレード7の前縁部15から先端部14が衝突する際に生じることから、ブレード7の前縁部15から先端部14にかけた部分に柔軟性即ち衝撃吸収性能を付与すると共に、揚力や推進力を生み出すのに必要なブレード7の剛性も確保するため、連続的又は段階的な材料的特性の変化を与えて形成するブレード7、或いは、連続的又は段階的な構造的特性の変化をつけて形成するブレード7に関するものである。
【0022】
プロペラ2のブレード7は、電動モータ5の回転動力を受けて回転する回転軸9に固定されるドローン用プロペラ2のブレード7であって、ブレード7の翼面の広がり方向にわたって連続的又は段階的に変化する衝撃吸収性能を有している。
ブレード7の翼面の広がり方向とは、ブレード7のハブ部13から先端部14に向けた長手方向にわたる後縁部16から前縁部15までの範囲のことである。
【0023】
ブレード7の衝撃吸収性能を連続的又は段階的に変化させ、プロペラ2の回転方向R後方に位置する後縁部16側は、衝撃吸収性能は小さいが、硬さや剛性を確保し、ドローン1飛行時のブレード7の撓み変形を抑えて揚力の損失を低減する構成とし、高速で回転するプロペラ2に人や構造物が接触する恐れが最も高い先端部14近傍の前縁部15及び先端部14において、衝撃吸収性能が大きくなるように形成する。
衝撃吸収性能は、人又は構造物に衝突した際の衝撃を吸収できる程度を示すものとし、使用する材料の硬さや密度等の物性的な材料的特性、或いは材料に内包させた気泡やセルの大きさや分布密度等の構造的特性等、種々の数値に置き換えて示すことが可能である。
【0024】
図2は、本発明に係るブレード7のハブ部13から先端部14に至る長手方向の衝撃吸収性能が連続的に変化する場合の材料の硬さの2次元的分布の事例を示すブレード7の平面図と硬さ分布の模式図である。
ブレード7は、回転軸9に固定されるハブ部13からブレード7の先端部14に向かって、衝撃吸収性能が連続的に大きくなるように形成されている。
ブレード7は、回転軸9に固定されるハブ部13及びその周辺部は、剛性を確保した剛体部10で構成する。
一方、ハブ部13からの距離が遠い先端部14及びその周辺部に向かって、材料の硬さを連続的に低減し、衝撃吸収性能を増大させた衝撃吸収部6で構成する。なお、図2はブレード7のハブ部13から先端部14に向かう長手方向の翼面の約三分の二を剛体部10で構成し、残り約三分の一の先端部14を衝撃吸収部6で構成する事例であり、この剛体部10と衝撃吸収部6の比率は適宜調節する。
【0025】
図3は、本発明に係るブレード7の後縁部16から前縁部15に至る幅方向の衝撃吸収性能が連続的に変化する場合の材料の硬さの2次元的分布の事例を示すブレードの平面図と硬さ分布の模式図である。
ブレード7は、プロペラ2の回転方向R後方に位置する後縁部16からプロペラ2の回転方向R前方に位置する前縁部15に向けて、材料の衝撃吸収性能が連続的に大きくなるように形成されている。
ブレード7は、後縁部16及びその近傍は、剛性を確保した剛体部10で構成する。一方、前縁部15に向かって、連続的に硬さや剛性を低減し、衝撃吸収性能を増大させた衝撃吸収部6で構成する。なお、図3はブレード7の後縁部16から前縁部15に向かう幅方向の翼面の約三分の二を剛体部10で構成し、残り約三分の一の前縁部15及びその近傍を衝撃吸収部6で構成する事例であり、この剛体部10と衝撃吸収部6の比率は適宜調節する。
【0026】
ブレード7は、素材の組成又は組織を連続的又は段階的に変化させ、素材の物性を連続的又は段階的に制御した傾斜機能材料で形成する。例えば、素材に加える配合剤の比率や量を連続的又は段階的に変化させて硬さや剛性等の材料的特性を連続的又は段階的に変化させた傾斜機能材料、或いは、混合する素材の比率を変えながら硬さや剛性等の材料的特性を連続的又は段階的に変化させた傾斜機能材料で形成している。
また、造形には3Dプリンタ等を使用し、人又は構造物に接触した際の衝撃を吸収するように、ブレード7の前縁部15及びその近傍からブレード7先端部の密度や硬さ等の衝撃吸収性能が大きくなるように異なる2種類以上の素材を組み合わせて積層することも可能である。
なお、ブレード7の製造には、上記以外の種々の方法を適宜採用することが可能である。
【0027】
なお、本発明は、図2図3の実施態様に限らず、種々の構成を適用することが可能である。
例えば、図示しないが、回転軸9に固定されるハブ部13からブレード7の先端部14に向かう長手方向、かつブレード7の後縁部16から前縁部15に向かう幅方向に向け、ハブ部13から前縁部15と先端部14の交差するブレード7先端の角部に向かって、衝撃吸収性能が連続的に大きくなる傾斜機能材料で形成しても良い。
【0028】
図4は、本発明に係るブレード7のハブ部13から先端部14に至る長手方向及び後縁部16から前縁部15に至る衝撃吸収性能が段階的に変化する場合の硬さの2次元的分布の事例を示すブレードの平面図と硬さ分布の模式図である。ブレード7は、前縁部15から先端部14に掛けての一部及びその近傍が材料内部に大小の気泡の様な空洞を分散させたポーラス構造体で、ブレード7を平面で視た場合の気泡の分布の事例を示している。
ブレード7は、電動モータ5の回転動力を受けて回転する回転軸9に固定されるドローン1用プロペラ2のブレード7であって、ブレード7の翼面の広がり方向にわたって連続的又は段階的に衝撃吸収性能が素材の構造的特性に応じて変化する傾斜機能構造を形成している。
材料の構造的特性とは、発泡状又は多孔質状に成形したポーラス構造体等の構造的な特徴、性能を意味している。衝撃吸収性能が素材の構造的特性に応じて変化する傾斜機能構造とは、衝撃吸収性能がポーラス構造体等が有する気泡の大きさ、形状、配置等を連続的又は段階的に変化させた構造のことである。
【0029】
具体的には、ブレード7は、回転軸9に固定されるハブ部13からブレード7の先端部14に向かう長手方向及びブレード7の後縁部16から前縁部15に向かう幅方向において、気泡の密度及び径を大きくなるように変化させ、衝撃吸収性能が段階的に大きくなる傾斜機能構造を形成している。
気泡の分布密度は、構造体の単位体積当たりの気泡の合計体積を意味している。
ブレード7は、ハブ部13や後縁部16及びそれらの近傍は、剛性を確保した中実で硬い剛体部10で構成する。
一方、先端部14や前縁部15及びそれらの近傍は、気泡の密度及び径を増大させることにより、硬さを低減し、衝撃吸収性能を増大させた低反発性の衝撃吸収部6で構成する。剛体部10と衝撃吸収部6との間に、気泡の密度及び径の大きさが衝撃吸収部6より小さく、剛体部10と衝撃吸収部6の間の硬さを有する中間部8を設ける。
【0030】
本実施態様は、ブレード7の硬さを剛体部10、中間部8、衝撃吸収部6の3つの区分で構成しているが、本発明はこの実施態様に限定されるものではなく、中間部8を設けずに剛体部10と衝撃吸収部6の2つの区分で構成したり、より細分化した分布で構成しても良い。
傾斜機能構造の気泡は、連続気泡、複数の独立気泡或いは連続気泡と独立気泡の混在等、種々の構造を適用することが可能である。
なお傾斜機能構造の気泡については、密度及び径の両方を段階的又は連続的に変化させる構造、密度又は径のどちらか一方を段階的又は連続的に変化させる構造等、種々の構造を適宜採用することが可能である。
【0031】
図5は、図4のI-I線による断面図で、プロペラ2のブレード7の長手方向に直交する断面の気泡の密度及び径が後縁部16から前縁部15に向かって段階的に変化する場合の硬さの2次元的分布の事例を示すブレード7の断面図である。
ブレード7は、複数の気泡を有し、気泡の密度及び径が後縁部16から前縁部15に向かうに従って大きくなり、傾斜機能構造を形成している。
ブレード7は、後縁部16及び後縁部16の近傍については、剛性を確保した中実の剛体部10で構成する。
一方、前縁部15及び前縁部15の近傍は、気泡の密度及び径を大きくし、衝撃吸収性能を増大させた衝撃吸収部6で構成する。
なお、剛体部10と衝撃吸収部6との間に、気泡の密度及び径の大きさが衝撃吸収部6より小さく、剛体部10と衝撃吸収部6との間の硬さを有する中間部8を設ける。
【0032】
気泡を含む材料の製造方法には、素材に加える配合剤による化学反応、或いは素材の機械的混合による混入等の方法がある。
また、3Dプリンタ等を使用し、中実で緻密な素材の状態から、素材内部の発泡状態を連続的又は段階的に変化させることにより、硬く剛性を確保した剛体部10から剛性が小さく軟らかい衝撃吸収部6まで連続的又は段階的に変化させたブレード7を形成することが可能である。
【0033】
なお本発明は、図5の実施態様に限らず、種々の構成を適用することが可能である。例えば、図示しないが、ブレード7は、回転軸9に固定されるハブ部13からブレード7の先端部14に向かう長手方向にのみ、気泡の密度及び又は径、衝撃吸収性能が段階的に大きくなる傾斜機能構造としても良い。また、ブレード7の後縁部16から前縁部15に向かう幅方向にのみ、気泡の密度及び又は径、衝撃吸収性能が段階的に大きくなる傾斜機能構造としても良い。
【0034】
ブレード7の表面に多数の気泡が開口する材料の場合は、空気抵抗が少なくなるように、ブレード7表面を平滑な膜で被覆しても良い。
【0035】
以上説明したように本実施形態によれば、ドローン1の飛行時、高速で回転するプロペラ2に人や構造物が接触した場合に、プロペラ2のブレード7の人や構造物が接触する先端部14近傍の前縁部15や先端部14が衝撃吸収性能が高く構成されているため、人身傷害や対物損傷を抑制することができ、さらにハブ部13や後縁部16及びその周辺部の剛性が確保されているため、飛行時に必要な揚力を確保することができる。
【産業上の利用可能性】
【0036】
なお、この発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の構成変更が可能である。
【符号の説明】
【0037】
1 ドローン
2 プロペラ
3 ケーシング
4 バッテリー
5 電動モータ
6 衝撃吸収部
7 ブレード
8 中間部
9 回転軸
10 剛体部
11 接続アーム
12 差し込み孔
13 ハブ部
14 先端部
15 前縁部
16 後縁部

R プロペラ2の回転方向


図1
図2
図3
図4
図5