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  • 特開-開閉装置及び開閉制御方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022189656
(43)【公開日】2022-12-22
(54)【発明の名称】開閉装置及び開閉制御方法
(51)【国際特許分類】
   E06B 9/68 20060101AFI20221215BHJP
   E05F 15/70 20150101ALI20221215BHJP
【FI】
E06B9/68 A
E05F15/70
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021098367
(22)【出願日】2021-06-12
(71)【出願人】
【識別番号】000239714
【氏名又は名称】文化シヤッター株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114166
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 浩三
(72)【発明者】
【氏名】若井 孝仁
【テーマコード(参考)】
2E042
2E052
【Fターム(参考)】
2E042AA01
2E042BA04
2E042CA01
2E042CB11
2E042CC03
2E052BA06
2E052CA06
2E052DA02
2E052DB02
2E052EA14
2E052EB01
2E052EC01
2E052GA06
2E052KA26
(57)【要約】
【課題】開閉装置と他機器とを連動処理する際に他機器からの制御信号と開閉体装置の状態出力とが不一致を起こさないように連動させる。
【解決手段】開閉装置10は、電源投入時に電源復帰処理モードに移行するように構成されている。開閉装置10が電源投入時に電源復帰処理モードに移行した場合は状態信号を出力することなく電源復帰処理を実行し、電源復帰処理が終了した時点で状態信号を他機器(ベルトコンベア装置20)へ出力する。これによって、開閉装置10と他機器(ベルトコンベア装置20)とを連動処理する際に他機器からの制御信号と開閉体装置の状態出力とが不一致を起こすことはなくなり、適切な連動制御を実行することができる。
【選択図】 図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
他機器から出力される制御信号に応じて開閉体を動作させて開口部を開閉すると共に前記開閉体の制御状態に関する状態信号を前記他機器に出力する開閉装置において、
前記開閉装置が電源投入時に電源復帰処理モードに移行した場合は前記状態信号を出力することなく前記電源復帰処理を実行し、前記電源復帰処理が終了した時点で前記状態信号を前記他機器へ出力することを特徴とする開閉装置。
【請求項2】
請求項1に記載の開閉装置において、
前記他機器が、エアカーテン装置、エアシャワー装置、荷物リフト装置又はベルトコンベア装置で構成されることを特徴とする開閉装置。
【請求項3】
他機器から出力される制御信号に応じて開閉体を動作させて開口部を開閉すると共に前記開閉体の制御状態に関する状態信号を前記他機器に出力する開閉制御方法において、
電源投入時に電源復帰処理モードに移行した場合は前記状態信号を出力することなく前記電源復帰処理を実行し、前記電源復帰処理が終了した時点で前記状態信号を前記他機器へ出力することを特徴とする開閉制御方法。
【請求項4】
請求項3に記載の開閉制御方法において、
前記他機器が、エアカーテン装置、エアシャワー装置、荷物リフト装置又はベルトコンベア装置で構成されることを特徴とする開閉制御方法。
【請求項5】
開閉体を動作させて開口部を開閉すると共に前記開閉体の制御状態に関する状態信号を出力する開閉手段と、
前記状態信号を入力し、自己の制御状態及び前記状態信号に応じた制御信号を前記開閉手段に出力し前記開閉体の動作を連動的に制御する機器手段を備えた連動制御システムにおいて、
前記開閉手段が電源投入時に電源復帰処理モードに移行した場合は前記状態信号を出力することなく前記電源復帰処理を実行し、前記電源復帰処理が終了した時点で前記状態信号を前記機器手段へ出力することを特徴とする連動制御システム。
【請求項6】
請求項5に記載の連動制御システムにおいて、
前記機器手段が、エアカーテン装置、エアシャワー装置、荷物リフト装置又はベルトコンベア装置で構成されることを特徴とする連動制御システム。
【請求項7】
開閉体を動作させて開口部を開閉すると共に前記開閉体の制御状態に関する状態信号を出力する開閉手段と、
前記状態信号を入力し、自己の制御状態及び前記状態信号に応じた制御信号を前記開閉手段に出力し前記開閉体の動作を制御する機器手段とを連動させて制御する連動制御方法において、
前記開閉手段が電源投入時に電源復帰処理モードに移行した場合は前記状態信号を出力することなく前記電源復帰処理を実行し、前記電源復帰処理が終了した時点で前記状態信号を前記機器手段へ出力することを特徴とする連動制御方法。
【請求項8】
請求項7に記載の連動制御方法において、
前記機器手段が、エアカーテン装置、エアシャワー装置、荷物リフト装置又はベルトコンベア装置で構成されることを特徴とする連動制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビル、工場、倉庫などの建物を含む構造物躯体の開口部などをシャッターなどの開閉体を用いて仕切るように構成された開閉装置、開閉制御方法、連動制御システム及び連動制御方法に係り、特に他機器と連動して使用される開閉装置、開閉制御方法、連動制御システム及び連動制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
シャッターカーテンや自動ドアなどのような開閉装置は、住宅、ビル、工場、倉庫、車庫などの建物を含む構造物躯体の開口部や窓部あるいは内部の通路や空間などの開口部に設置され、その開閉体を移動させることによってその開口部を開放、閉鎖するものである。
このような開閉装置には、多数の短冊状のスラット材からなるスラットカーテン、多数のパイプ材をリンク材などで連結させてなるパイプグリルカーテン、一枚状あるいは多数連結されたパネル材からなるパネルカーテン、ネット材からなるネットカーテン、合成樹脂あるいは布繊維製のシート材からなるシートカーテン、あるいはこれらの複合部材などからなる複合カーテンなどの開閉体を開口部の上部から繰り出し下降させて開口部全体を閉鎖するように構成されているものや引き戸タイプ、二重引き戸タイプ、回転ドアタイプ、開き戸タイプなどの自動ドアなどが存在する。
これらの開閉装置は、開閉体の開閉動作を電動で行なう場合が多い。電動の開閉装置としては、電動シャッター装置、電動ドア装置、電動オーニング装置などがある。
【0003】
電動の開閉装置の中には、開閉体の下側に座板スイッチを備えたものや開口部の前後に光電センサなどの感知センサを備えたものが存在する。座板スイッチや光電センサなどの感知センサが開閉動作中に何らかの物体や人に接触したり、物体や人の存在を感知したりすると、それによって検出信号を出力し、その検出信号に応じて制御装置は物体の挟み込みなどを回避するために開閉体の開閉動作を停止し、回避動作を行なうように開閉体の動作を制御している。
【0004】
一方、開閉装置の中には、例えばエアカーテン装置、エアシャワー装置、荷物リフト装置、ベルトコンベア装置などの他の機器と連動して開閉動作を自動で行うものがある。他の機器と連動するタイプの開閉装置は、状態出力リレーによってシャッターの位置や動作状態に応じてリレー出力を行い、他機器との連動等に使用される。開閉装置と他機器とを連動して制御する連動制御システムについては特許文献1に記載のものが知られている。
【0005】
【特許文献1】特開2007-205051号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載の開閉装置は、一連の動作を行なう機器との間の連動処理を制御する連動制御システムにおいて、開閉装置と機器との間の連動処理に係る出力制御の関係を示す複数の制御パターンを有し、それら制御パターンの中から所定の選択方法で選択された制御パターンに従って、開閉体及び/又は機器に動作指示を行なう連動制御手段を備えたものである。
【0007】
一方、開閉装置の機種によっては電源投入時にリミット設定位置を再認識する電源復帰処理モード等を備え、通常とは異なる動作をするものがある。このような機種においては、電源投入時に電源復帰処理(再認識)モードに移行するため、電源復帰処理(再認識)モード実行中は他機器からの制御信号とは異なる状態信号を出力し、他機器の制御信号と状態信号とが異なる状態、すなわち不一致の状態が発生し、他機器と上手く連動出来ない場合がある。
例えば、他機器から閉動作に関する制御信号が出力されているのに、電源復帰処理(再認識)モード実行中のため開閉装置は開動作実行中を示す状態信号を出力することとなり、制御信号に対して開閉装置は不一致の状態を発生したものと誤認識し、上手く連動できない可能性がある。
本発明は、上述の点に鑑みてなされたものであり、開閉装置と他機器とを連動処理する際に他機器からの制御信号と開閉体装置の状態出力とが不一致を起こすことなく連動することのできる開閉装置、開閉制御方法、連動制御システム及び連動制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る開閉装置の第1の特徴は、他機器から出力される制御信号に応じて開閉体を動作させて開口部を開閉すると共に前記開閉体の制御状態に関する状態信号を前記他機器に出力する開閉装置において、前記開閉装置が電源投入時に電源復帰処理モードに移行した場合は前記状態信号を出力することなく前記電源復帰処理を実行し、前記電源復帰処理が終了した時点で前記状態信号を前記他機器へ出力することにある。
開閉装置は、工場の製造ラインの出入口、作業・検品・出荷場所等の出入口、倉庫の出入口、駐輪・駐車場の出入口、一般家庭の出入口、商品等の搬入口、建物の出入口などに設置される。特に、製品等の作業・検品・出荷場所等の出入口に設置される開閉装置は、製品等を搬送するベルトコンベア装置等から出力される制御信号と連動して出入口である開口部の開閉動作を制御している。このような開閉装置は、開閉体の制御状態すなわち全開状態、全閉状態、開動作状態、閉動作状態にあることを示すための状態出力リレー等を備え、開閉体の動作状態に応じた状態信号をベルトコンベア装置等へ出力している。ベルトコンベア装置等は、入力した開閉装置の状態信号及び自己の制御状態に応じた制御信号を開閉装置に出力し、開閉体の動作を連動的に制御している。
本発明に係る開閉装置は、電源投入時に電源復帰処理モードに移行するように構成されているので、開閉装置が電源投入時に電源復帰処理モードに移行した場合は状態信号を出力することなく電源復帰処理を実行し、電源復帰処理が終了した時点で状態信号を他機器へ出力するようにした。これによって、開閉装置と他機器とを連動処理する際に他機器からの制御信号と開閉体装置の状態出力とが不一致を起こすことはなくなり、適切な連動制御を実行することができる。
例えば、ベルトコンベア装置上の製品等が開閉装置から遠ざかる方向に移動した場合、ベルトコンベア装置から開閉装置に対して閉動作に関する制御信号を出力する。従来は、開閉装置が電源復帰処理中にある場合は、開閉装置からはベルトコンベア装置へ開動作中の状態信号が出力され、連動制御による連動が崩れ、不一致が発生する。これに対して本発明では、開閉装置へ閉動作に関する制御信号を出力しているのに、開閉装置が電源復帰処理中にある場合は、開閉装置からはベルトコンベア装置へ状態信号が出力されないので、ベルトコンベア装置は電源復帰処理が終了するまで待機することとなり、電源復帰処理終了と同時に閉動作中の状態信号が出力されるようになり、連動制御による連動が維持され、不一致状態を回避することができる。
【0009】
本発明に係る開閉装置の第2の特徴は、前記第1の特徴に記載の開閉装置において、前記他機器が、エアカーテン装置、エアシャワー装置、荷物リフト装置又はベルトコンベア装置で構成されることにある。
これは、開閉装置と連動制御される他機器を具体的にしたものである。
【0010】
本発明に係る開閉制御方法の第1の特徴は、他機器から出力される制御信号に応じて開閉体を動作させて開口部を開閉すると共に前記開閉体の制御状態に関する状態信号を前記他機器に出力する開閉制御方法において、電源投入時に電源復帰処理モードに移行した場合は前記状態信号を出力することなく前記電源復帰処理を実行し、前記電源復帰処理が終了した時点で前記状態信号を前記他機器へ出力することにある。
これは、前記開閉装置の第1の特徴に対応した開閉制御方法の発明である。
【0011】
本発明に係る開閉制御方法の第2の特徴は、前記第1の特徴に記載の開閉制御方法において、前記他機器が、エアカーテン装置、エアシャワー装置、荷物リフト装置又はベルトコンベア装置で構成されることにある。
これは、前記開閉装置の第2の特徴に対応した開閉制御方法の発明である。
【0012】
本発明に係る連動制御システムの第1の特徴は、開閉体を動作させて開口部を開閉すると共に前記開閉体の制御状態に関する状態信号を出力する開閉手段と、前記状態信号を入力し、自己の制御状態及び前記状態信号に応じた制御信号を前記開閉手段に出力し前記開閉体の動作を連動的に制御する機器手段を備えた連動制御システムにおいて、前記開閉手段が電源投入時に電源復帰処理モードに移行した場合は前記状態信号を出力することなく前記電源復帰処理を実行し、前記電源復帰処理が終了した時点で前記状態信号を前記機器手段へ出力するにある。
これは、前記開閉装置の第1の特徴に対応した連動制御システムの発明である。
【0013】
本発明に係る連動制御システムの第2の特徴は、前記第1の特徴に記載の連動制御システムにおいて、前記機器手段が、エアカーテン装置、エアシャワー装置、荷物リフト装置又はベルトコンベア装置で構成されることにある。
を特徴とする連動制御システム。
これは、前記開閉装置の第2の特徴に対応した連動制御システムの発明である。
【0014】
本発明に係る連動制御方法の第1の特徴は、開閉体を動作させて開口部を開閉すると共に前記開閉体の制御状態に関する状態信号を出力する開閉手段と、前記状態信号を入力し、自己の制御状態及び前記状態信号に応じた制御信号を前記開閉手段に出力し前記開閉体の動作を制御する機器手段とを連動させて制御する連動制御方法において、前記開閉手段が電源投入時に電源復帰処理モードに移行した場合は前記状態信号を出力することなく前記電源復帰処理を実行し、前記電源復帰処理が終了した時点で前記状態信号を前記機器手段へ出力することにある。
これは、前記連動制御システムの第1の特徴に対応した連動制御方法の発明である。
【0015】
本発明に係る連動制御方法の第2の特徴は、前記第1の特徴に記載の連動制御方法において、前記機器手段が、エアカーテン装置、エアシャワー装置、荷物リフト装置又はベルトコンベア装置で構成されることにある。
これは、前記連動制御システムの第2の特徴に対応した連動制御方法の発明である。
【発明の効果】
【0016】
本発明の開閉装置及び連動制御システムによれば、開閉装置と他機器とを連動処理する際に他機器からの制御信号と開閉体装置の状態出力とが不一致を起こさないように連動させることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明に係る開閉装置の一例であるロールスクリーン装置を正面から見た一部透視図である。
図2図1のロールスクリーン装置を右側から見た側面図である。
図3】連動制御される図1のロールスクリーン装置とベルトコンベア装置の概略構成を示す図である。
図4】連動制御中にロールスクリーン装置が電源投入された際に実行する電源復帰処理(リミット設定位置再認識処理)の一例を示すフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下添付図面に従って本発明に係る開閉装置の好ましい実施の形態について説明する。この実施の形態では、開閉装置として上下に開閉(昇降)制御されるロールスクリーン装置を例に説明する。開閉装置と連動処理される機器としてベルトコンベア装置を例に説明する。図1は、本発明に係る開閉装置の一例であるロールスクリーン装置を正面から見た一部透視図である。図2は、図1のロールスクリーン装置を右側から見た側面図である。図3は、連動制御される図1のロールスクリーン装置とベルトコンベア装置の概略構成を示す図である。ロールスクリーン装置は、ベルトコンベア装置の開口部として、工場設備と連動制御が可能となっている。ロールスクリーン装置は、移送されるベルトコンベア上の製品の一つ一つの工程に対応しながら高頻度の高速開閉を実現するものである。
【0019】
ロールスクリーン装置10は、構造物躯体の開口部上の天井部に直接又は他の部材を介して間接的に設けられたり、上方の梁に直接又は他の部材を関して間接的に設けられたりする。このロールスクリーン装置10は、それぞれ収納ボックス11、ガイドレール12,13、巻取シャフト14、合成繊維製布地からなるスクリーンカーテン15、及びウェイトバー16から構成される。
【0020】
このロールスクリーン装置10は、上方が開方向で下方が閉方向であり、上方の天井部等に収納ボックス11を備えている。ロールスクリーン装置10は、材質が合成繊維製布地(ポリエステルなど)からなるカーテン布からなるスクリーンカーテン15を巻取シャフト14に巻き取ったり巻戻したりすることによって、その先端側が出入口部を開閉移動するものである。このスクリーンカーテン15の両側にはファスナー部がその全長に渡って設けられている。このファスナー部は、ガイドレール12,13内に設けられたインナーレール内に挟み込まれて上下方向に自在に摺動するようになっている。このファスナー部は、通常のスライドファスナー(滑り式留金具)の噛み合う部分であるエレメントを利用したものである。このファスナー部は、エレメントが丹銅・アルミ・洋白などの金属で出来ている金属製ファスナーやエレメントがコイル状のポリエステル樹脂でできている樹脂ファスナーやポリアセタールなどの樹脂製のエレメントがテープに射出成型されたビスロンファスナーなどで構成される。
【0021】
ガイドレール12,13内にインナーレールが設けられているが、その図示は省略して示してある。図1及び図2では、スクリーンカーテン15の両側にガイドレール12,13がその全長に渡って設けられているように示してあるが、実際はガイドレール12,13内にインナーレールが設けられており、カーテン布の両側は、このガイドレール12,13内に挟み込まれて上下方向に自在に摺動するような構成になっている。
【0022】
巻取シャフト14は、収納ボックス11内の左右両側側面の内壁面に設けられた軸受け部(図示せず)とロールエンド部(図示せず)との間に回転可能に取り付けられている。スクリーンカーテン15は、その一端部が巻取シャフト14に取り付けられており、その他端部にウェイトバー16が取り付けられており、収納ボックス11の下端部に設けられたスリット状の出入口に案内されるようになっている。従って、スクリーンカーテン15は、巻取シャフト14の回転に応じて、巻取シャフト14に巻き取られたり、スリット状の出入口から繰り出されたりするようになっている。なお、巻取り時にスクリーンカーテン15が収納ボックス11内で弛んだりした場合の異常状態を検出するための異常検出センサ(図示せず)が収納ボックス11の内壁面に取り付けられている。スクリーンカーテン15の閉鎖側先端部に、障害物検知装置が設けてあってもよい。
【0023】
巻取シャフト14は、中空パイプ形状をしており、この中空部分に内挿された電動モータ17によって回転制御される。電動モータ17の本体外側と巻取シャフト14の内側とが固定され、電動モータ17の出力軸が軸受け部に回転しないようにボルトなどで固定されている。従って、電動モータ17が正方向に回転することによって、スクリーンカーテン15は繰り出されるように閉(下降)動作し、逆方向に回転することによってスクリーンカーテン15は巻き取られるように開(上昇)動作する。すなわち、電動モータ17を正逆方向に回転させることによって開閉体であるスクリーンカーテン15の開閉動作を制御している。
【0024】
スクリーンカーテン15の開閉動作を制御しているのは、ガイドレール13の右側壁面に取り付け配置された制御盤19である。制御盤19は、マイクロコンピュータ構成になっており、電源ラインを介して外部から200[V]又は100[V]の交流電圧が供給されている。制御盤19は、通常、入出力端子台、パラメータ設定ユニット、ブレーカー及びモータドライブ基板から構成される。入出力端子台には1点式又は3点式の押しボタンスイッチやブザー、プルスイッチ、起動用センサ、信号灯、回転灯、ブザー、各種センサ(障害物感知用の光電センサなど)、リモコン用制御回路などの各構成部品が接続されている。また、入出力端子台には、ロールスクリーン装置10の全体動作を制御するマイクロコンピュータが内蔵されており、押しボタンの操作状態に対応した制御信号やモータドライブ基板からの信号などに基づいて、所定の処理モードに従って処理を実行し、電動モータ17の回転を制御する。
【0025】
入出力端子台は、処理モードを実行するためのプログラムや処理実行に必要な各種パラメータを記憶したメモリ等を内蔵している。パラメータ設定ユニットは、各種処理モードのパラメータを表示したり、変更したり、その変更履歴を表示するものである。モータドライブ基板は、電動モータ17の回転を制御するものである。
【0026】
電動モータ17には、その回転位置すなわちスクリーンカーテン15の開閉位置と開閉状態を検出するためのパルス発生型のロータリーエンコーダ等で構成されるリミットスイッチ(図示せず)が設けられている。モータドライブ基板は、このリミットスイッチから出力される電動モータ17の回転に応じたパルス信号を入力し、電動モータ17の回転位置やスクリーンカーテン15の閉鎖側先端部の開口部における位置などを、このパルスの発生状況に基づいて演算にて求め、それを入出力端子台に送信する。
【0027】
図3において、ロールスクリーン装置10は、ベルトコンベア装置20の工場設備への出入口となる開口部の開閉動作を制御する。製品21,22はベルトコンベア装置20上を図の右方向から左方向へと搬送される。ロールスクリーン装置10は、製品21,22の移動位置に応じて開閉動作の連動制御を実行する。ロールスクリーン装置10は、ベルトコンベア装置20上を搬送される製品21,22の一つ一つの工程に対応しながら高頻度の高速開閉を実現する。工場設備の外側であってロールスクリーン装置10の前方のベルトコンベア装置20の左右両端には、開口部へ進入する製品21,22が所定の位置を通過したことを検出するセンサ31,32が対抗して設けられている。工場設備の内側であってロールスクリーン装置10の後方のベルトコンベア装置20の左右両端には、製品21,22がロールスクリーン装置10を通過して、開口部内に完全に進入したことを検出するセンサ41,42が対抗して設けられている。製品21がセンサ31,32の検出位置を完全に通過した時点でロールスクリーン装置10は開動作を実行し、製品21を工場設備内に進入させる。製品22がセンサ41,42の検出位置を完全に通過した時点でロールスクリーン装置10は閉動作を実行し、開口部を閉鎖する。
【0028】
図4は、連動制御中にロールスクリーン装置が電源投入された際に実行する電源復帰処理(リミット設定位置再認識処理)の一例を示すフローチャート図である。ロールスクリーン装置10がベルトコンベア装置20と連動制御中に何らかの事象によって電源断となり、電源が再投入されると、従来は、ロールスクリーン装置10はリミット設定位置を再認識するために中間停止位置から上限まで移動して停止するという電源復帰処理モードへ移行していた。従って、スクリーンカーテン15が上限位置及び下限位置以外の中間位置に停止中に電源投入されると、ロールスクリーン装置10は、電源復帰処理モード(リミット設定位置再認識処理モード)へ移行し、上昇動作中の状態リレー信号を出力し、その後上限位置に停止していることを示す状態リレー信号を出力していた。
【0029】
電源再投入時に製品21がセンサ31,32の検出位置を通過後、ベルトコンベア装置20からロールスクリーン装置10へ開制御信号が出力されている場合には、電源復帰処理モードによってロールスクリーン装置10からベルトコンベア装置20へ上昇動作中の状態リレー信号が出力される。ところが、製品22がセンサ41,42の検出位置を通過後、ベルトコンベア装置20からロールスクリーン装置10へ閉制御信号が出力されている場合には、ロールスクリーン装置10からベルトコンベア装置20へ上昇動作中の状態リレー信号が出力され、連動制御による連動が崩れ、不一致が発生する。
【0030】
この実施の形態では、図4に示すように、電源復帰処理モードの処理を実行中は、ロールスクリーン装置10から状態リレー信号を出力せず、電源復帰処理モードが終了した時点で状態リレー信号をベルトコンベア装置20へ出力するようにした。以下、この動作を図4のフローに従って説明する。図4のフローはロールスクリーン装置10の電源が投入された時点でスタートする。
【0031】
ステップS41では、スクリーンカーテン15の停止位置が上限位置又は下限位置であるか否か、すなわち電源復帰処理モード(リミット位置確認モード)へ移行する必要があるのか無いのかを判定し、スクリーンカーテン15の停止位置が上限位置及び下限位置以外の中間位置で停止している(yes)場合は次のステップS42に進み、スクリーンカーテン15の停止位置が上限位置又は下限位置(no)の場合はステップS45にジャンプする。
【0032】
ステップS42では、ロールスクリーン装置10からの状態リレー出力を無効とする。
ステップS43では、電源復帰処理モードへ移行する。すなわち、ロールスクリーン装置10はリミット設定位置を再認識するために中間停止位置から上限まで移動して停止するという電源復帰処理モードを実行する。
【0033】
ステップS44では、電源復帰処理モードが終了し、通常処理モードへ移行するタイミングか否かを判定し、通常処理モード移行タイミングになった(yes)場合は次のステップS45に進み、通常処理モード移行タイミングでない(no)場合はこの判定を繰り返し実行する。
【0034】
ステップS45では、スクリーンカーテン15が上限位置又は下限位置(no)にあるとステップS41又はステップS44で判定されたので、通常処理モードに移行するためにロールスクリーン装置10からの状態リレー出力を有効とする。
ステップS46では、ベルトコンベア装置20からの制御信号に対応した処理を実行する通常処理モードへ移行し、電源投入時のリミット設定位置再認識処理を終了する。
【0035】
上述の実施の形態では、上下昇降方式で繰り出されるスクリーンカーテンを例に説明したが、シャッター状の開閉部材が横引き方式で繰り出されたり、あるいは水平方式で繰り出されたりするものであっても同様に適用することができる。また、開閉体装置としては、例えば、シャッター装置、オーバーヘッドドア、窓シャッター装置、ブラインド装置、ロールスクリーン装置、垂れ幕装置、引戸装置、移動間仕切装置、オーニング装置、防水板装置などにも適用可能である。
【0036】
上述の実施の形態では、開閉装置であるロールスクリーン装置がベルトコンベア装置と連動して制御する場合について説明したが、開閉装置とエアカーテン装置、エアシャワー装置、荷物リフト装置などが連動制御される場合にも応用することができる。
【符号の説明】
【0037】
10…ロールスクリーン装置
11…収納ボックス
12,13…ガイドレール
14…巻取シャフト
15…スクリーンカーテン
16…ウェイトバー
17…電動モータ
19…制御盤
20…ベルトコンベア装置
21,22…製品
31,32,41,42…センサ
図1
図2
図3
図4